JP4944688B2 - 医療用椅子 - Google Patents

医療用椅子 Download PDF

Info

Publication number
JP4944688B2
JP4944688B2 JP2007171605A JP2007171605A JP4944688B2 JP 4944688 B2 JP4944688 B2 JP 4944688B2 JP 2007171605 A JP2007171605 A JP 2007171605A JP 2007171605 A JP2007171605 A JP 2007171605A JP 4944688 B2 JP4944688 B2 JP 4944688B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
backrest
seat
base
link
seat base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007171605A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009006023A5 (ja
JP2009006023A (ja
Inventor
敏城 矢島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takara Belmont Corp
Original Assignee
Takara Belmont Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takara Belmont Corp filed Critical Takara Belmont Corp
Priority to JP2007171605A priority Critical patent/JP4944688B2/ja
Publication of JP2009006023A publication Critical patent/JP2009006023A/ja
Publication of JP2009006023A5 publication Critical patent/JP2009006023A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4944688B2 publication Critical patent/JP4944688B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Chairs For Special Purposes, Such As Reclining Chairs (AREA)
  • Accommodation For Nursing Or Treatment Tables (AREA)

Description

本発明は、歯科医院や眼科医院等で使用される、治療時に背凭れとレッグレストを水平状態に変化させることで着座姿勢の患者を治療に適した姿勢に移行させることが可能な医療用椅子に関する。
従来における医療用椅子としては、例えば、特開平10−127400号公報に開示された技術がある。この技術は、患者が椅子に着座する時には、床面に設置された台座に対して昇降可能に取付けられた座部に対し背凭れを起立状態とし、かつ、レッグレストを座部に対して垂下状態とし、その状態において着座姿勢の患者と医師とがコンサルティングを行い、治療時には、先ず、座部を台座に対して上昇させ、次いで、背凭れとレッグレストを水平状態に変位させて患者を着座姿勢から治療に適した仰臥姿勢に移行させるというものであった。なお、患者が楽な姿勢で治療を受けられるように、前記技術や実開昭59−69729号公報に開示されている技術のように、背凭れの後傾に伴い座部をその前方が高くなるように傾斜させる機構を有するものもあった。
ところで、このような医療用椅子にあっては、楽に着座できるよう、座部を最低高さ位置まで下降させた状態にして患者を座らせる。そして、その高さ位置で背凭れを後傾し水平状態に変位させた場合では背凭れの上端部が治療椅子に着座している医師の膝にぶつかったり患者の口腔あるいは目の位置が医師にとって低すぎてしまうため、先ず、座部を上昇させ、その後に背凭れを水平状態に変位させ、さらにその後に必要に応じて医師が治療やすくなるよう座部の高さを微調整するといった操作が必要であった。なお、実開昭59−69729号公報の考案には座部を昇降することの開示はない。
特開平10−127400号公報 実開昭59−69729号公報
前記した背景技術で述べた前記従来例にあっては、前記した治療を開始するまでの操作が面倒であり、また、手間がかかるため治療開始までの時間が長くなり、さらに、もし座部が最低位のまま背凭れを後傾させた場合、医師の膝に背凭れがぶつかり危険でもあった。
さらに、座部の上昇量には限界があるため、医師にとって立位で検査や治療を施すに適した高さまで十分に上昇させることができなかった。
また、背凭れの後傾時に患者の背中と背凭れとの間で背擦れを生じさせないよう背凭れは座部の上側に設けた回転支点を中心に伏倒し、かつ、起伏範囲が広いことから、背凭れ起伏用の油圧シリンダは、長いストロークを必要とし、また、座部の裏面に略水平方向に設置されるので、座部の奥行きが大きくなってしまう。その結果、小柄な患者が膝裏を座部の前端と一致するように着座した際、枕や背凭れの位置や動作が患者に合わず不快感を与えたり、あるいは、リンク機構の一部が外部に露出しまうといった問題があった。
また、背凭れ角を調節するに伴い着座している患者の頭部位置が大きく変動するため、患者にとっては恐怖心や不快感を感じたり、医師にとっては変動する患者の目や口の位置に合わせて自身が座る椅子の高さや照明,治療器具の位置を大きく修正しなくてはならなかった。
また、背凭れの後傾に伴い座部を傾斜させる従来の機構は、実開昭59−69729号に開示されている技術のように構造が複雑で部品点数や組立工程が多くなることから製造コストが高くなる。また、シリンダが縮んで背凭れが後傾するにあたってはシリンダが縮むとともに座部の前方が持ち上がる構造なので、体重の重い患者が背凭れにもたれず浅く腰掛けた場合には、シリンダが縮む方向で十分な力が無ければ背凭れが後傾せず、そのため、価格が高い複動型油圧シリンダを使用しなければならなかったり、単動型油圧シリンダであれば強力な引っ張りバネを併用することとなるので構造が大きくなってしまうといった問題があった。
本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、どんな体格の患者も着座しやすく、その後の椅子の動作で背擦れや恐怖心を生じさせることなく簡単に治療に適した状態に移行させることができ、さらに治療に適した高さまで十分に上昇させることができる医療用椅子を安価に提供せんとするにある。
本発明の医療用椅子は前記した目的を達成せんとするもので、請求項1の手段は、着座者の大転子付近に座部軸支部7dを設けた座部台7と、背凭れ5が取付られ、かつ、前記座部台を前記座部軸支部で軸支する背凭れリンク9と、前記座部台の後方より離れた位置で、かつ、椅子状態における前記座部台上の座部7aの上面水平面より高い位置に形成された背凭れ軸支部3aで前記背凭れリンクを回動自在に支持する昇降基台3と、一端8aが前記昇降基台に軸支され他端8bが前記座部台に軸支された座部リンク8と、床面に設置され台座1と、一端が前記台座に取付けられ他端が前記昇降基台に取付けられ前記昇降基台が鉛直方向に動作するよう案内する直上ガイド4と、一端が前記座部台の裏面を軸支し他端が前記昇降基台におけるシリンダ軸支部3bで軸支された起伏用アクチュエータ6と、前記台座に一端が取付けられ他端が前記昇降基台に取付けられた昇降用アクチュエータ2とより構成し、前記起伏用アクチュエータを伸長することにより前記座部台全体が上昇しながら前方が高くなるように傾き、かつ、前記座部台の変位により前記背凭れが前記背凭れ軸支部を回転支点として後傾し、また、前記昇降用アクチュエータを伸長・収縮することにより前記昇降基台を昇降させることを特徴とする。
請求項2の手段は、着座者の大転子付近に座部軸支部7dを設けた座部台7と、背凭れ5が取付けられ、かつ、前記座部台を前記座部軸支部で軸支する背凭れリンク9と、前記座部台の後方より離れた位置で、かつ、椅子状態における前記座部台上の座部7aの上面水平面より高い位置に形成された背凭れ軸支部3aで背凭れリンクを回動自在に支持する固定基台3′と、一端が前記固定基台に軸支され他端が前記座部台に軸支された座部リンク8と、床面に設置され前記固定基台が取付けられた台座と、一端が前記座部台の裏面を軸支し他端が前記固定基台または前記台座に設けられたシリンダ軸支部で軸支された起伏用アクチュエータ6とより構成し、前記起伏用アクチュエータを伸長することにより前記座部台全体が上昇しながら前方が高くなるように傾き、かつ、前記座部台の変位により前記背凭れが前記背凭れ軸支部を回転支点として後傾することを特徴とする。
請求項3の手段は、前記した請求項1において、前記昇降用アクチュエータ、前記起伏用アクチュエータおよび前記直上ガイドを同一平面状に配置し、前記起伏用アクチュエータを前記昇降基の左右方向から挟んだ状態で軸支すると共に姿勢が略鉛直方向となるように前記起伏用アクチュエータの先端を前記座部台に接続したことを特徴とする。
請求項4の手段は、前記した請求項1または2において、前記背凭れは前記背凭れリンクの上端部9aより延長された延長片9a1に軸9dによって回動自在に軸支され、また、前記背凭れ内には前記軸の軸方向と直交する方向でスプリング9fが内蔵され、前記背凭れが伏倒方向にバネ付勢されて通常は前記延長片に当接し固定されていることを特徴とする。
請求項の手段は、前記した請求項1または2において、前記座部台の前方に回動自在にレッグレスト10を軸支すると共に一端が前記レッグレストを軸支し他端が前記背凭れリンクに軸支されるレッグレストリンク11を設け、前記座部台の上昇に伴って前記レッグレストリンクによってレッグレストを水平状態に変位させるようにしたことを特徴とする。
請求項の手段は、前記した請求項において、前記レッグレストリンクの長さを、前記レッグレストが垂直方向に変位した状態において前記レッグレストの先端が垂直状態より内側に入り込む長さとしたことを特徴とする。
本発明の請求項1,2にあっては、起伏用アクチュエータを伸長することにより、座部台が上昇しながら、背凭れが背凭れ内に設けられた座部台の後方より離れた座部の上面水平面より高い位置にある背凭れ軸支部を回転中心として後傾するので、従来のように事前に座部を上昇させないでも、背凭れが後傾するだけで患者の目や口の位置が治療椅子に着座している医師にとって頃合いの高さとなり、操作が簡単で、施術までの時間短縮が図れる。また、背凭れの後傾時に背凭れの上端部が医師の膝に当たることがない。
また、背凭れの後傾に伴う着座者の頭部の揺動量が小さいので、患者の三半規管に対する変位が小さくなって恐怖心や不快感を与えることがなく、診療中、背凭れの後傾度合いの調節で患者の開口方向を変える場合の口の位置の変動を抑えることができ、医師の治療椅子の高さや照明,治療器具の位置の修正が少なくて済み、作業性が向上する。
また、座部台の上昇動作,座部台の傾斜動作,背凭れの後傾動作の3動作を、基台を固定節,座部台を入力節,座部リンクを媒介節,背凭れリンクを出力節とした一組の4節リンクで実現したため、部品点数と組み立て工程が少なく製造コストが安価であり、さらにその駆動力を起伏アクチュエータが伸長する力としたので、体重が重い着座者であっても確実に動作させることができる。
さらにまた、本発明の請求項1にあっては、座部が背凭れの後傾と同時に上昇し、さらにその位置を起点として昇降用アクチュエータにて上昇させることができるので、従来の椅子と同等以上の座部の昇降量を持ちながらも座部の初期位置を低くできるので、子供や高齢者であっても椅子への乗り降りが行い易くなると共に医師にとって検査や治療を施すのに適した高さまで十分に上昇させることができ、かつ、立位診療などの術式にも対応することが可能である。
本発明の請求項2にあっては、昇降用アクチュエータと直上ガイドを用いないので、コンパクトになると同時に、部品点数,組み立て工程が大幅に減り製造コストが安価となる。
請求項3にあっては、昇降用アクチュエータ、起伏用アクチュエータおよび直上ガイドを同一平面状に配置し、起伏用アクチュエータを昇降基台の左右方向から挟んだ状態で軸支すると共に姿勢が略鉛直方向となるように昇降シリンダの先端を座部台に接続したので、座部の奥行きを小さくできて患者が小柄であっても奥まで座れるので背凭れの位置や動作がフィットしたものとなり、また、リンク機構も外に露出することもない。
請求項4にあっては、背凭れが後傾途中において背凭れに対して起立方向の外力が作用すると、背凭れが起立方向に回動するようにしたので、医師が高身長で膝位置が高く背凭れが当接したとしても、脚が背凭れと床との間へ挟まれて異常な圧迫を受けることなく安全である。
請求項5にあっては、背凭れリンクの起立片の動作範囲が座部の上面水平面より高い位置において最小限に抑えられているため、着座者の大腿部の両脇を美観を損ねずにカバーでき、さらに、背凭れと座部との間に背凭れの後傾位置によらず常に座部と一定距離を保持するカバーがあるため、背凭れと座部との間に指を挟み込まれることもなく、安全である。
請求項6にあっては、レッグレストリンクを加えることで座部台の上昇に伴ってレッグレストを水平状態に変位させることができるので、患者は安楽な姿勢で治療を受けることができ、また、請求項7にあっては、椅子状態においてレッグレストを垂直状態より内側に入り込むようにしたので、患者は離着席時に足を座部の下側に入れることができ、立ち上がりや着座がし易くなり、また、レッグレストの長さは垂直状態より内側に入り込んだ分、長くすることができるので、背の高い患者の足を十分に支持することができる。そして、レッグレストが、その回転支点が不動のまま回転すれば床に当接するような長さであっても、本発明によればレッグレストが水平状態に向かう動作においては動作開始から次第に座部に設けたレッグレストの回転支点と床面との距離が大きくなるので、レッグレストが床面と干渉することがないといった効果がえられるものである。
本発明は、座部が前方側が高くなるように傾斜しながら上昇するとともに、背凭れが背凭れランバーサポート付近に設けられた回転支点を中心に後傾する動作を、基台を固定節,座部台を入力節,座部リンクを媒介節,背凭れリンクを出力節とした一組の4節リンクで実現し、その駆動力を略鉛直方向の起伏アクチュエータが伸長する力とした。
以下、本発明に係る医療用椅子の一実施例を図1〜図5と共に説明する。
1は歯科医院や耳鼻科医院等の床面に固定された台座、2は該台座1上にシリンダ2a側が取付けられた油圧シリンダ等の昇降用アクチュエータにして、ピストン2bの上端が昇降基台3に取付けられている。4は前記台座1に円筒部4aが取付けられ、該円筒部4aに対して4方向に配置されたローラ4bにガイドされ鉛直方向に上下動する四角柱4cとから構成された公知の直上ガイドにして、前記四角柱4cの上端は前記昇降基台3に取付けられている。
前記昇降基台3は断面コの字状に形成されており、一端が上方に向かって背凭れ5の下方部を軸支する背凭れ軸支部3aとなり、他端が下方に向かってクランク形状に形成されシリンダ軸支部3bとなっている。6は前記昇降基台3の左右方向から挟まれた状態で前記シリンダ軸部3bにおいてシリンダ6aの略中間部が回動自在に軸支された油圧シリンダ等の起伏用アクチュエータにして、ピストン6bの上端は座部台7に軸支されている。なお、前記した昇降用アクチュエータ2、直上ガイド4および起伏用アクチュエータ6は同一平面状に配置されている。
前記座部台7は断面コの字状に形成されており、上面にはクッション材からなる座部7aが取付けられ、裏面側からは下方に向かって延びる垂下片7bとなっている。また、座部台7の後方側には一対の起立片7cが形成されている。8は一端8aが前記した昇降基板3の略中間部に軸支され、他端8bが前記座部台7の垂下片7bの下端を軸支する座部リンク、9は側面が弓状の湾曲部を持ち、湾曲部下端の左右には軸孔を持つ起立片が形成されており湾曲部上端には左右方向に貫通する軸孔と背凭れを固定する平面が形成されている背凭れリンクにして、上端部9aは前記昇降基台3の背凭れ軸支部3aによって軸支され、起立片9bは前記座部台7の起立片7cの座部軸支部7dに軸支され、さらに、下端部9cには一端がレッグレスト10の裏面側に軸支されたレッグレストリンク11の他端が軸支されている。
背凭れリンクには、図示を省略した背凭れ基台によって背凭れが取付けられ、さらに前記座部軸支部7dが円弧中心となるよう形成された円弧状の挟み込み防止シート13が一体的に取付けられている。この挟み込み防止シート13は合成樹脂フィルム等の柔軟な材料で構成されており、座部7aの後方と背凭れ5の下方との間に隙間があるため、背凭れ5の起伏時に着座者の手が前記隙間に入れた時に手が挟まれるのを防止するためのものである。
次に、前記した構成に基づいて動作を説明するに、図1は患者が椅子に着座している状態を示す。この状態にあっては、患者が椅子から離脱する際に立ち上がり易いようにレッグレスト10の先端側が座部7aの先端面から内側に入り込んでいる。このようにすることで、患者の踵が膝より内側に入るのでスムースな体重移動ができて高齢者のような筋力がない人でも医師やアシスタントの介添えが無くとも立ち上がることができる。
なお、このようにレッグレスト10の先端側を座部7aの先端面から内側に入り込むようにするためには、レッグレスト10を図4に示す治療時に患者の足を安楽な状態に支持できる角度まで水平方向に位置させ、かつ、図1に示す患者の導入時や離脱時の初期状態においてレッグレスト10の先端が内側に入り込む位置となるようにレッグレストリンク11の長さを設定することで可能となる。
前記した初期状態において治療姿勢に移行するには、台座1に設けられたフットスイッチあるいはドクターテーブル上に設けられたボタン状のスイッチ(何れも図示せず)を操作すると、起伏用アクチュエータ6内に油が供給され、ピストン6bが上昇を開始する。このピストン6bの上昇によって座部台7が押し上げられるが、座部台7は一端が背凭れリンク9で、もう一端が座部リンク8で昇降基台3と接続されており、座部リンク8の両端8a,8bの軸支部と背凭れリンク9の2つの端部9a,9bの軸支部が非平行あるいは距離が異なるため、座部台7は上昇と共に傾斜することになる。
前記シリンダ6bが上昇すると前記座部台7の起立片7cに起立片9bが軸支された背凭れリンク9は、上端部9aが昇降基台3の背凭れ軸支部3aに軸支されているので、該背凭れ軸支部3aを支点として時計方向に回動される。そして、背凭れ5の図示しない背凭れ基台は、背凭れリンク9の上端部9aと固定されているので、背凭れ5は背凭れリンク9の時計方向の回動に伴って軸支部3aの軸支点を回転支点として伏倒方向(図2〜図4において時計方向)に回動される。
また、前記背凭れリンク9が時計方向に回動されると、該背凭れリンク9の下端部9cに連結されたレッグレストリンク11が図1〜図3において左方向に移動するので、上端側が前記座部台7の前方において軸支されているレッグレスト10が水平方向に回動され、患者の脹ら脛部を持ち上げる。
前記したような動作によって、起伏用アクチュエータ6におけるピストン6bの伸長量が増大するにしたがって座部7aが後傾しながら上昇すると共に背凭れ5が背凭れランバーサポート付近を回転中心として伏倒し、また、レッグレスト10が水平方向に変位し、最終的には図4に示す位置において停止する。そして、この位置においては、座部7a、背凭れ5およびレッグレスト10が略ベッド状となり、かつ、座部が上昇していることから、図9に示す従来における医療用椅子のように背凭れ5のヘッドレスト12側に治療椅子に着座している医師の膝に当たることがないものである。
また、起伏用アクチュエータ6は略鉛直状態を保持してピストン6bが昇降するので、図9に示す従来における医療用椅子とは異なり前後方向の容量を必要とせず座部の奥行きを小さくでき、従って、椅子として小型化が図れると共に小柄な患者であっても座り易い。さらに、背凭れ5の後傾と連動してレッグレスト10が水平方向に変位する動作においては、動作開始から次第にレッグレスト回転支点と床面との距離が大きくなるので、背が高い患者の足を十分に支持できるような長さのレッグレスト10であっても、該レッグレスト10を垂下状態(椅子の状態)に戻してもレッグレスト10の先端が床面に当たることがなく、また、床面との当接を避けるため事前に椅子を上昇させる必要もない。
また、本発明にあっては、医師が高身長の場合には、前記したスイッチとは別に設けられているスイッチを操作して昇降用アクチュエータ4を駆動し、座部7aの高さや背凭れ5、レッグレスト10の角度を変えることなく上昇させることで医師が治療し易い高さ位置まで移動させて治療することができる。また、図5に示すように、昇降用アクチュエータ4のピストン4cをより上昇することで立位での治療も行うことが可能である。
さらに、背凭れ5の回転支点を背凭れ内のランバーサポート付近としたことにより、背凭れ5を倒すだけで患者の目や口が医師による治療位置の高さとなるので、操作が簡単で時間の短縮を図ることができ、また、患者の頭部移動距離が抑えられて耳の奥にある三半規管の変位が小さくなるので、患者に対して恐怖感や不快感を与えることがない。
前記した実施例において、背凭れ5の伏倒と同時に座部台が上昇するので、背凭れ5が完全に伏倒終了した状態において背凭れ5の上端部が医師の膝部分に当接することはないが、医師が高身長で座っている治療用椅子の座部高さも高い場合には膝部分に当接する可能性がある。そこで、背凭れ5の伏倒時に医師の膝部分に当接した場合に、該膝部分への衝撃力を緩和するようにすることで医師に対して苦痛を与えないようにすることが望ましい。以下、医師の膝が背凭れ5の上端に当接しても衝撃力を緩和するための実施例を図6、図7と共に説明する。なお、この実施例において、前記した実施例と同一符号は同一部材を示し説明は省略する。
この実施例にあっては、背凭れリンク9における上端部9aを延長し、この延長片9aに軸9dによって背凭れ5の図示しない背凭れ基台に対して回動自在に軸支する。さらに、背凭れ基台に前記軸9dの軸長方向と直交する方向で前記延長片9aと摺動自在なスプリング取付体9eを取付け、該スプリング取付体9eと前記延長片9aとの間に背凭れ5を前記延長片9a1に当接させる方向にバネ付勢するスプリング9fを装着したものである。
このように背凭れ5を構成することで、背凭れ5は伏倒時には軸支部3aを回転支点として伏倒されるが、この伏倒途中において医師の膝部分に背凭れ5の上端が当接すると、スプリング9fのバネ力に抗して軸9dを支点として背凭れ5が反時計方向に回動されるので、医師の膝部分に対して強い衝撃を与えることがなくなる。なお、医師の膝部分が当接して前記スプリング9fが収縮されるので、このスプリング9fの収縮やスプリング取付体9eの変位を検出して起伏用アクチュエータ6の動作を停止することで、医師の膝部分の衝撃を緩和することも可能である。
また、本発明においては、背凭れが後傾するだけで患者の目や口の位置が治療椅子に着座している医師にとって頃合いの高さとなるため、図8で示すように、椅子全体を上下動させるための直上ガイドと昇降用アクチュエータを取り除き、コスト面やデザイン面でその価値を高めることができる。
この図8において前記した実施例と同一符号は同一部材で示している。この実施例では、直上ガイドと昇降用アクチュエータがないため、昇降基台に変えて床面に固定された固定基台3′に起伏用アクチュエータ6を回動自在に取付けると共に座部リンク8を軸支した構造としたものである。そして、この実施例にあっても前記した実施例と同様に背凭れ5を起伏することができる。
この図においてはレッグレストを省略しているが座部台7の前方に回動自在に軸支すると共にレッグレストリンク11の一端を背凭れリンク9の下端部9cに接続することで背凭れ5の伏倒と連動してレッグレストも伏倒することが可能となる。
本発明に係る医療用椅子の初期状態を示す側面図である。 同上の初期状態から僅かに伏倒方向に変位した状態を示す側面図である。 図2の状態からさらに伏倒方向に変位した状態を示す側面図である。 治療位置まで伏倒した状態の側面図でである。 図4の状態から椅子全体を上昇させた立位診療状態を示す側面図である。 他の実施例を示す診療状態の側面図である。 図6の要部を拡大した一部を断面した側面図である。 直上ガイドと昇降用アクチュエータがない他の実施例を示す斜視図である。 治療位置まで伏倒した図4に示す状態を従来品で示した側面図である。
符号の説明
1 台座
2 昇降用アクチュエータ
3 昇降基台
4 直上ガイド
5 背凭れ
6 起伏用アクチュエータ
7 座部台
8 座部リンク
9 背凭れリンク
10 レッグレスト
11 レッグレストリンク
12 枕
13 挟み込み防止カバー

Claims (6)

  1. 着座者の大転子付近に座部軸支部7dを設けた座部台と、
    背凭れが取付られ、かつ、前記座部台を前記座部軸支部で軸支する背凭れリンクと、
    前記座部台の後方より離れた位置で、かつ、椅子状態における前記座部台上の座部7aの上面水平面より高い位置に形成された背凭れ軸支部3aで前記背凭れリンクを回動自在に支持する昇降基台と、
    一端8aが前記昇降基台に軸支され他端8bが前記座部台に軸支された座部リンクと、
    床面に設置され台座と、
    一端が前記台座に取付けられ他端が前記昇降基台に取付けられ前記昇降基台が鉛直方向に動作するよう案内する直上ガイドと、
    一端が前記座部台の裏面を軸支し他端が前記昇降基台におけるシリンダ軸支部3bで軸支された起伏用アクチュエータと、
    前記台座に一端が取付けられ他端が前記昇降基台に取付けられた昇降用アクチュエータとより構成し、
    前記起伏用アクチュエータを伸長することにより前記座部台全体が上昇しながら前方が高くなるように傾き、かつ、前記座部台の変位により前記背凭れが前記背凭れ軸支部を回転支点として後傾し、また、前記昇降用アクチュエータを伸長・収縮することにより前記昇降基台を昇降させることを特徴とする医療用椅子。
  2. 着座者の大転子付近に座部軸支部7dを設けた座部台と、
    背凭れが取付けられ、かつ、前記座部台を前記座部軸支部で軸支する背凭れリンクと、
    前記座部台の後方より離れた位置で、かつ、椅子状態における前記座部台上の座部7aの上面水平面より高い位置に形成された背凭れ軸支部3aで背凭れリンクを回動自在に支持する固定基台3′と、
    一端が前記固定基台に軸支され他端が前記座部台に軸支された座部リンクと、
    床面に設置され前記固定基台が取付けられた台座と、
    一端が前記座部台の裏面を軸支し他端が前記固定基台または前記台座に設けられたシリンダ軸支部で軸支された起伏用アクチュエータとより構成し、
    前記起伏用アクチュエータを伸長することにより前記座部台全体が上昇しながら前方が高くなるように傾き、かつ、前記座部台の変位により前記背凭れが前記背凭れ軸支部を回転支点として後傾することを特徴とする医療用椅子。
  3. 前記昇降用アクチュエータ、前記起伏用アクチュエータおよび前記直上ガイドを同一平面状に配置し、前記起伏用アクチュエータを前記昇降基の左右方向から挟んだ状態で軸支すると共に姿勢が略鉛直方向となるように前記起伏用アクチュエータの先端を前記座部台に接続したことを特徴とする請求項1記載の医療用椅子。
  4. 前記背凭れは前記背凭れリンクの上端部9aより延長された延長片9a1に軸9dによって回動自在に軸支され、また、前記背凭れ内には前記軸の軸方向と直交する方向でスプリング9fが内蔵され、前記背凭れが伏倒方向にバネ付勢されて通常は前記延長片に当接し固定されていることを特徴とする請求項1または2記載の医療用椅子。
  5. 前記座部台の前方に回動自在にレッグレスト10を軸支すると共に一端が前記レッグレストを軸支し他端が前記背凭れリンクに軸支されるレッグレストリンク11を設け、前記座部台の上昇に伴って前記レッグレストリンクによってレッグレストを水平状態に変位させるようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の医療用椅子。
  6. 前記レッグレストリンクの長さを、前記レッグレストが垂直方向に変位した状態において前記レッグレストの先端が垂直状態より内側に入り込む長さとしたことを特徴とする請求項記載の医療用椅子。
JP2007171605A 2007-06-29 2007-06-29 医療用椅子 Expired - Fee Related JP4944688B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007171605A JP4944688B2 (ja) 2007-06-29 2007-06-29 医療用椅子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007171605A JP4944688B2 (ja) 2007-06-29 2007-06-29 医療用椅子

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009006023A JP2009006023A (ja) 2009-01-15
JP2009006023A5 JP2009006023A5 (ja) 2009-04-30
JP4944688B2 true JP4944688B2 (ja) 2012-06-06

Family

ID=40321745

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007171605A Expired - Fee Related JP4944688B2 (ja) 2007-06-29 2007-06-29 医療用椅子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4944688B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5495205B2 (ja) * 2009-12-09 2014-05-21 タカラベルモント株式会社 医療用診察椅子
JP5774883B2 (ja) * 2011-03-28 2015-09-09 アトムメディカル株式会社 医療台
GB201211027D0 (en) * 2012-06-21 2012-08-01 Fletcher Richard Lifting units
JP5807311B2 (ja) * 2012-12-28 2015-11-10 株式会社邦友 起立補助機能をもった椅子座面、及び、それを用いた椅子
CN103549956A (zh) * 2013-11-14 2014-02-05 江苏麦格思频仪器有限公司 多功能座椅及其使用方法
CN111494178B (zh) * 2020-04-27 2021-12-07 滨州医学院附属医院 一种产后辅助恢复装置
CN113384775B (zh) * 2021-07-08 2023-03-31 武汉永萌新合科技有限公司 一种儿科用可动型输液装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5969729A (ja) * 1982-10-15 1984-04-20 Mitsubishi Electric Corp 赤外線撮像装置
JP2855675B2 (ja) * 1989-07-20 1999-02-10 株式会社モリタ東京製作所 医療用ユニットの制御方法及び制御装置
JP3628828B2 (ja) * 1997-01-29 2005-03-16 田淵 和久 診療台
JP2005124798A (ja) * 2003-10-23 2005-05-19 Sml Ltd 椅子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009006023A (ja) 2009-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4944688B2 (ja) 医療用椅子
US10881208B2 (en) Chair and seat support mechanism
JP5433832B2 (ja) 椅子
JP4435215B2 (ja) 椅子型マッサージ機
TW200401630A (en) Mechanism for linking the back face and knee face of a bed
JP6453654B2 (ja) 人工透析用椅子
KR102306638B1 (ko) 기립보조의자
JP6524385B2 (ja) 起立補助椅子
JP2010220701A (ja) マッサージ機
JP2010022589A (ja) 起立補助装置
JP6788995B2 (ja) 診療台
JP2003079668A (ja) 起立補助座椅子
JP2006288496A (ja) 車椅子
JP3602188B2 (ja) 歯科治療用椅子
JP5074252B2 (ja) 人工透析用治療椅子
JP7472370B2 (ja) 寝台装置
JP5545512B2 (ja) 椅子
JP7076833B2 (ja) フットレスト付き介護用椅子
JP2004016370A (ja) 介護用ベッド
JP6795420B2 (ja) 身体支持装置
JP2005124795A (ja) 肘掛け椅子
JPH10229924A (ja) 理美容椅子
JP7194814B2 (ja) 介助装置
JP7157874B2 (ja) 介助装置
JP2002153518A (ja) 可変車椅子

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090313

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090313

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110614

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120221

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4944688

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150309

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees