JP7462804B2 - 緩衝器 - Google Patents

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    • F16F9/00Springs, vibration-dampers, shock-absorbers, or similarly-constructed movement-dampers using a fluid or the equivalent as damping medium
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Description

本発明は、緩衝器に関する。
本願は、2021年2月2日に、日本国に出願された特願2021-014836号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
緩衝器には、円形のシートにディスクを当接させると共に複数の付勢部でディスクにセット荷重を付与する構造の減衰力発生機構を有するものがある(例えば、特許文献1参照)。
日本国特開2019-60407号公報
ところで、緩衝器においては減衰力特性のバラツキを抑制することが望まれている。
したがって、本発明は、減衰力特性のバラツキを抑制することができる緩衝器の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る緩衝器は、ピストンの移動により上流側となる室から下流側となる室に作動流体が流れ出す複数の通路を有する隔壁部材と、前記通路の前記下流側となる室側に設けられ、前記ピストンの摺動によって生じる前記作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰力発生機構と、を有し、前記減衰力発生機構が、前記通路の前記下流側となる室側の前記隔壁部材の端面に突出するよう設けられ、前記通路を囲むと共に周方向に等間隔に設けられる同じ形状の大径部および前記大径部と径が異なって周方向に等間隔に設けられる小径部を有する複数のシート部と、前記シート部に当接するバルブと、周方向に等間隔に設けられ、前記バルブを前記シート部の方向へ付勢し、互いに同じ形状を有する複数の付勢部と、を有する構成とした。
本発明の上記態様に係る緩衝器によれば、減衰力特性のバラツキを抑制することができる。
本発明に係る第1実施形態の緩衝器を示す図であって、その中心軸線CLを含む断面で見た断面図である。 同緩衝器の要部を示す図であって、図1のA部の拡大断面図である。 同緩衝器のピストン本体を、図2のB-B線より見た下面図である。 同緩衝器の伸び側の減衰力発生機構におけるディスクバルブの受圧面積部の範囲を網掛けで示す図であって、図2のB-B線より見た下面図である。 同緩衝器の伸び側の減衰力発生機構におけるディスクバルブの受圧面積部の範囲とバネディスクの付勢部との関係を説明する図であって、図2のC-C線より見た下面図である。 同緩衝器の伸び側の減衰力発生機構におけるディスクバルブの受圧面積部の範囲とバネディスクの付勢部との関係を説明する図であって、図2のC-C線より見た下面図である。 同緩衝器の伸び側の減衰力発生機構における開弁特性を示す特性線図であり、横軸が開口面積で縦軸が圧力を示すグラフである。 同緩衝器の伸び側の減衰力発生機構におけるディスクバルブの受圧面積部の範囲と第1変形例のバネディスクの付勢部との関係を説明する図であって、図2のC-C線より見た下面図である。 同緩衝器の伸び側の減衰力発生機構におけるディスクバルブの受圧面積部の範囲と第1変形例のバネディスクの付勢部との関係を説明する図であって、図2のC-C線より見た下面図である。 同緩衝器の伸び側の減衰力発生機構における第1変形例のバネディスクを用いた場合の開弁特性を示す特性線図であり、横軸が開口面積で縦軸が圧力を示すグラフである。 同緩衝器の伸び側の減衰力発生機構におけるディスクバルブの受圧面積部の範囲と第2変形例のバネディスクの付勢部との関係を説明する図であって、図2のC-C線より見た下面図である。 同緩衝器の伸び側の減衰力発生機構におけるディスクバルブの受圧面積部の範囲と第2変形例のバネディスクの付勢部との関係を説明する図であって、図2のC-C線より見た下面図である。 同緩衝器の伸び側の減衰力発生機構における第2変形例のバネディスクを用いた場合の開弁特性を示す特性線図であり、横軸が開口面積で縦軸が圧力を示すグラフである。 本発明に係る第2実施形態の緩衝器の伸び側の減衰力発生機構におけるディスクバルブの受圧面積部の範囲とバネディスクとの関係を説明する図であって、図2のC-C線より見た下面図である。 同緩衝器の伸び側の減衰力発生機構におけるディスクバルブの受圧面積部の範囲とバネディスクとの関係を説明する図であって、図2のC-C線より見た下面図である。 同緩衝器の伸び側の減衰力発生機構における開弁特性を示す特性線図であり、横軸が開口面積で縦軸が圧力を示すグラフである。 本発明に係る第3実施形態の緩衝器の伸び側の減衰力発生機構におけるディスクバルブの受圧面積部の範囲とバネディスクとの関係を説明する図であって、図2のC-C線より見た下面図である。 本発明に係る第3実施形態の緩衝器の伸び側の減衰力発生機構におけるディスクバルブの受圧面積部の範囲とバネディスクとの関係を説明する図であって、図2のC-C線より見た下面図である。 同緩衝器の伸び側の減衰力発生機構における開弁特性を示す特性線図であり、横軸が開口面積で縦軸が圧力を示すグラフである。 本発明に係る第4実施形態の緩衝器の伸び側の減衰力発生機構におけるディスクバルブの受圧面積部の範囲とバネディスクとの関係を説明する図であって、図2のC-C線より見た下面図である。 同緩衝器の伸び側の減衰力発生機構におけるディスクバルブの受圧面積部の範囲とバネディスクとの関係を説明する図であって、図2のC-C線より見た下面図である。
[第1実施形態]
本発明に係る第1実施形態を、図1~図13に基づいて以下に説明する。
第1実施形態の緩衝器11は、自動車や鉄道車両等の車両のサスペンション装置に用いられる緩衝器であり、具体的には4輪自動車のサスペンション装置に用いられる緩衝器である。図1に示すように、緩衝器11は、円筒状の内筒15と、内筒15よりも大径で内筒15の外周側に設けられる有底筒状の外筒16とを有するシリンダ17を有している。よって、緩衝器11は、複筒式の緩衝器である。外筒16は、緩衝器11の外殻をなす部分である。外筒16と内筒15との間は、円環筒状のリザーバ室18となっている。シリンダ17内には作動流体が封入されている。具体的には、内筒15内に作動流体としての油液Lが封入され、リザーバ室18に作動流体としてのガスGと油液Lとが封入されている。よって、緩衝器11は、油圧緩衝器である。
外筒16は、略円筒状の側壁部材21と、側壁部材21の軸方向の一端側を閉塞する底部材22とを有している。側壁部材21と底部材22との間は、溶接等により全周にわたって固定されている。外筒16は、側壁部材21の軸方向における底部材22とは反対側に開口23が形成されている。
緩衝器11は、内筒15の軸方向の一端部に嵌合されて底部材22に載置される短尺な有蓋筒状のバルブボディ25と、内筒15および外筒16の軸方向の他端部に嵌合される円環状のロッドガイド26と、を有している。バルブボディ25は、その外周部が、小径部分と、これよりも大径の大径部分とを有する段付き形状を有する。ロッドガイド26は、その外周部が、小径部分と、これよりも大径の大径部分とを有する段付きの円筒形状を有する。
内筒15は、軸方向の一端部が、バルブボディ25の小径部分に嵌合しており、このバルブボディ25を介して外筒16の底部材22に嵌合している。また、内筒15は、軸方向の他端部が、ロッドガイド26の小径部分に嵌合しており、このロッドガイド26を介して外筒16の側壁部材21に嵌合している。この状態で、内筒15は、外筒16に対して径方向の中央に位置決めされている。ここで、バルブボディ25と底部材22との間にあるボトム室34は、バルブボディ25に形成された径方向に貫通する通路溝35を介して内筒15と外筒16との間に連通しており、内筒15と外筒16との間と同様、リザーバ室18を構成している。
緩衝器11は、ロッドガイド26の軸方向における底部材22とは反対側に、円環状のロッドシール41を有している。ロッドシール41は、ゴム製の弾性部材42に有孔円板状の金属製の剛性部材43を埋設して形成されている。このロッドシール41も、ロッドガイド26と同様に側壁部材21の内周部に嵌合されている。側壁部材21の軸方向における底部材22とは反対の端部には、側壁部材21をカール加工等の加締め加工によって径方向内方に塑性変形させた加締め部44が形成されている。ロッドシール41は、径方向における剛性部材43の位置が、この加締め部44とロッドガイド26とに挟持された位置に配置されている。ロッドシール41は、外筒16の開口23を閉塞するものであり、具体的にはオイルシールである。
ロッドシール41は、外筒16の側壁部材21の内周部との隙間をシールすると共に、ロッドシール41の内側に挿通されるピストンロッド51との隙間をシールする。ピストンロッド51は、ロッドシール41によって外周側がシールされた状態で、軸方向に移動する。ロッドガイド26は、ピストンロッド51がロッドシール41に対して軸方向に摺動変位するのをガイドする。
ピストンロッド51は、主軸部52と、主軸部52よりも小径の取付軸部53とを有している。取付軸部53には、軸方向の主軸部52とは反対側の外周部に雄ねじ54が形成されている。ピストンロッド51は、取付軸部53が内筒15内に配置されており、主軸部52においてロッドガイド26およびロッドシール41に摺接する。
緩衝器11は、内筒15内に設けられるピストン60(隔壁部材)を有している。ピストン60は、内筒15に摺動可能に嵌装されている。ピストン60は、シリンダ17内を第1室61と第2室62との2室に区画する隔壁部材である。第1室61は、内筒15内のピストン60とロッドガイド26との間に設けられている。第2室62は、内筒15内のピストン60とバルブボディ25との間に設けられている。第2室62は、バルブボディ25によって、リザーバ室18と画成されている。言い換えれば、バルブボディ25は、シリンダ17内を第2室62とリザーバ室18との2室に分ける隔壁部材である。第1室61および第2室62には、作動流体としての油液Lが充填されている。ロッドシール41は、外筒16の開口23とピストンロッド51との間を閉塞して、内筒15内の油液Lと、リザーバ室18内のガスGおよび油液Lとが外部に漏出するのを規制する。
緩衝器11は、軸方向一端側がピストン60に連結されると共に、軸方向他端側がシリンダ17の外部に延出される上記ピストンロッド51を有している。ピストンロッド51には、雄ねじ54に螺合されるナット63によってピストン60が取付軸部53に取り付けられている。ピストンロッド51は、主軸部52においてロッドガイド26およびロッドシール41を通って内筒15および外筒16から外部へと延出している。ピストンロッド51は、主軸部52がロッドガイド26に案内されて、内筒15および外筒16に対して、ピストン60と一体になって軸方向に移動する。第1室61は、ピストンロッド51が貫通するロッド側室である。第2室62は、底部材22側のボトム側室である。第2室62に対しては、ピストンロッド51は貫通していない。
ピストン60には、いずれもピストン60の軸方向に平行な直線状をなして軸方向に貫通する通路65および通路66が形成されている。ピストン60には、ピストン60の周方向に等間隔で通路65が複数形成されており、ピストン60の周方向に等間隔で通路66が複数形成されている。通路65,66は、第1室61と第2室62とを連通可能となっている。
緩衝器11は、通路65を閉塞可能であって通路65を通る油液Lの流れを抑制して減衰力を発生させる減衰力発生機構71を、ピストン60の軸方向における底部材22とは反対側の位置に有している。また、緩衝器11は、通路66を閉塞可能であって通路66を通る油液Lの流れを抑制して減衰力を発生させる減衰力発生機構72を、ピストン60の軸方向における底部材22側の位置に有している。
減衰力発生機構71は、ピストンロッド51が内筒15および外筒16内への進入量を増やす縮み側に移動しピストン60が第2室62を狭める方向に移動して第2室62の圧力が第1室61の圧力よりも所定値以上高くなると、通路65を開く。その結果、この減衰力発生機構71では、第2室62の油液Lを、通路65を介して第1室61に流すことになり、その際に減衰力を発生させる。減衰力発生機構71は、ピストンロッド51の縮み行程でピストン60が底部材22側に向かって摺動変位するときに通路65内を流通する油液に抵抗力を与えて所定の減衰力を発生する、縮み側の減衰力発生機構となっている。
減衰力発生機構72は、ピストンロッド51が内筒15および外筒16からの突出量を増やす伸び側に移動しピストン60が第1室61を狭める方向に移動して第1室61の圧力が第2室62の圧力よりも所定値以上高くなると、通路66を開く。その結果、この減衰力発生機構72は、第1室61の油液Lを、通路66を介して第2室62に流すことになり、その際に減衰力を発生させる。減衰力発生機構72は、ピストンロッド51の伸び行程でピストン60がロッドガイド26側に向かって摺動変位するときに通路66内を流通する油液に抵抗力を与えて所定の減衰力を発生する、伸び側の減衰力発生機構となっている。
緩衝器11は、内筒15の軸方向における底部材22側に、内筒15に固定されるベースバルブ70を有している。ベースバルブ70は、シリンダ17のボトム部分に設けられるボトムバルブである。上記バルブボディ25は、このベースバルブ70を構成するものであり、外筒16に固定されるベース部材である。バルブボディ25には、軸方向に貫通する通路81および通路82が形成されている。バルブボディ25には、バルブボディ25の周方向に等間隔で通路81が複数形成されており、バルブボディ25の周方向に等間隔で通路82が複数形成されている。通路81,82は、第2室62とボトム室34(すなわちリザーバ室18)との間を連通可能としている。言い換えれば、リザーバ室18は、通路81,82を介して内筒15内の第2室62と連通可能に設けられている。バルブボディ25の径方向において、複数の通路81は、複数の通路82よりも内側に配置されている。
緩衝器11は、通路81を閉塞可能であって通路81を通る油液Lの流れを抑制して減衰力を発生させる減衰力発生機構91を、バルブボディ25の軸方向における底部材22側の位置に有している。また、緩衝器11は、通路82を閉塞可能なサクションバルブ機構92を、ピストン60の軸方向における底部材22とは反対側の位置に有している。
減衰力発生機構91は、ピストンロッド51が内筒15および外筒16内への進入量を増やす縮み側に移動しピストン60が第2室62を狭める方向に移動して第2室62の圧力がリザーバ室18の圧力よりも所定値以上高くなると、通路81を開く。その結果、この減衰力発生機構91は、第2室62の油液Lを、通路81を介してリザーバ室18に流すことになり、その際に減衰力を発生させる。減衰力発生機構91は、ピストンロッド51の縮み行程でピストン60が底部材22側に向かって摺動変位するときに通路81内を流通する油液に抵抗力を与えて所定の減衰力を発生する、縮み側の減衰力発生機構となっている。
サクションバルブ機構92は、ピストンロッド51が内筒15および外筒16からの突出量を増やす伸び側に移動しピストン60が第2室62を拡げる方向に移動して第2室62の圧力がリザーバ室18の圧力よりも低くなると、通路82を開く。その結果、このサクションバルブ機構92は、リザーバ室18の油液Lを、通路82を介して第2室62に流すことになる。サクションバルブ機構92は、その際に実質的に減衰力を発生させることがない。なお、サクションバルブ機構92に代えて、第2室62の圧力がリザーバ室18の圧力よりも所定値以上低くなると通路82を開いてリザーバ室18の油液Lを通路82を介して第2室62に流し、その際に減衰力を発生させる減衰力発生機構を設けても良い。
図2に示すように、ピストン60は、ピストンロッド51の取付軸部53に嵌合する金属製のピストン本体101と、ピストン本体101の外周面に一体に装着されて内筒15内を摺動する円環状の合成樹脂製の摺動部材102とによって構成されている。ピストン60の中心軸線は、ピストン本体101の中心軸線と一致する。よって、ピストン60の軸方向はピストン本体101の軸方向であり、ピストン60の径方向はピストン本体101の径方向であり、ピストン60の周方向はピストン本体101の周方向である。
ピストン本体101は、取付軸部53を嵌合させる嵌合穴105が径方向の中央に形成された有孔円板状をなしている。ピストン60は、ピストン本体101の嵌合穴105に取付軸部53が嵌合されることにより、ピストンロッド51に対して径方向に位置決めされる。また、ピストン60は、摺動部材102によって内筒15内に嵌合されることで、内筒15に対して径方向に位置決めされる。
ピストン本体101は、軸方向一側である第2室62側の端部に、嵌合穴105を囲むように円環状をなす内側シート部111を有している。また、ピストン本体101は、図3に示すように、この内側シート部111から内側シート部111の径方向外方に広がるバルブシート部112(シート部)を有している。ピストン本体101は、同形状のバルブシート部112を、ピストン本体101の周方向に等間隔で複数、具体的には4箇所有している。内側シート部111および複数のバルブシート部112は、図2に示すように、ピストン本体101の軸方向の中間にある本体部113の軸方向一側である第2室62側の端面113aから軸方向外側に突出している。
図3に示すように、バルブシート部112は、内側シート部111の一部である円弧状の小径部121と、内側シート部111の周方向における小径部121の両端部から内側シート部111の径方向における外方に延出する一対の延出部122と、これら延出部122の内側シート部111の径方向における外側端部同士を連結する円弧状の大径部123とを有している。一対の延出部122は、ピストン本体101の径方向において外側に向かうほどピストン本体101の周方向における距離が離れるように、互いに鏡面対称状に傾斜している。小径部121および大径部123は、いずれもピストン本体101の中心軸線を中心とする円弧状である。小径部121および大径部123は、互いに径が異なっており、小径部121よりも大径部123の方が大径となっている。バルブシート部112は、ピストン本体101の周方向において鏡面対称の形状をなしている。
上記したように、全てのバルブシート部112は同形状である。よって、全ての大径部123も同形状であり、全ての小径部121も同形状である。全てのバルブシート部112の小径部121は、同一円上に、ピストン本体101の周方向に等間隔で配置されている。全てのバルブシート部112の大径部123は、同一円上に、ピストン本体101の周方向に等間隔で配置されている。ピストン本体101の軸方向における全てのバルブシート部112の本体部113とは反対側の先端面であるシート面112aは、ピストン本体101の中心軸線に直交して広がる同一平面上に配置されている。
バルブシート部112は、全周にわたって連続する閉ループ形状を有し、シート面112aも全周にわたって連続する閉ループ形状を有する。本体部113には、全てのバルブシート部112のそれぞれの内側となる位置に、上記した通路66が設けられている。よって、ピストン本体101には、通路66が、バルブシート部112と同数である4箇所、形成されている。全ての通路66は、それぞれの周囲を囲むバルブシート部112のピストン本体101の周方向における中央に配置されている。また、全ての通路66は、それぞれの周囲を囲むバルブシート部112のピストン本体101の径方向における小径部121よりも、大径部123側に寄って配置されている。
本体部113には、バルブシート部112のピストン本体101の周方向において隣り合うもの同士の間の位置に、上記した通路65が配置されている。本体部113には、隣り合うバルブシート部112の間の位置が、バルブシート部112と同数の4箇所、設けられている。通路65は、隣り合うバルブシート部112の間の位置の4箇所全てに設けられている。よって、ピストン本体101には、通路65が、バルブシート部112と同数である4箇所、形成されている。全ての通路66と全ての通路65とは、ピストン本体101の中心からの距離が同等になっている。
以上説明の構成により、全てのバルブシート部112は、ピストン60の軸方向における第2室62側の端面を構成するピストン本体101の第2室62側の端面101aに、本体部113の第2室62側の端面113aから突出するよう設けられ、通路66を囲むと共に周方向に等間隔に設けられる同じ形状の大径部123および大径部123とは径が異なって周方向に等間隔に設けられる小径部121を有する。全てのバルブシート部112を合わせると、大径部123の数は3箇所以上の4箇所であり、小径部121の数も3箇所以上の4箇所である。複数のバルブシート部112は、全体として非円形の花びら型をなす異形シートである。
図2に示すように、ピストン本体101は、軸方向他側である第1室61側の端部に、嵌合穴105を囲むように、内側シート部111と同様の内側シート部131を有している。また、ピストン本体101は、この内側シート部131から内側シート部131の径方向外方に広がる、バルブシート部112と同様のバルブシート部132を有している。ピストン本体101は、互いに同形状のバルブシート部132を、ピストン本体101の周方向に等間隔で複数、具体的にはバルブシート部112と同様の4箇所有している。内側シート部131および複数のバルブシート部132は、本体部113の軸方向他側である第1室61側の端面113bから軸方向外側に突出している。
複数のバルブシート部132は、それぞれが、小径部121と同様の小径部141と、一対の延出部122と同様の一対の延出部142と、大径部123と同様の大径部143とを有している。ピストン本体101の軸方向における全てのバルブシート部132の本体部113とは反対側にあるシート面132bは、ピストン本体101の中心軸線に直交して広がる同一平面上に配置されている。
本体部113には、全てのバルブシート部132のそれぞれの内側となる位置に、上記した通路65が設けられている。全ての通路65は、それぞれの周囲を囲むバルブシート部132のピストン本体101の周方向における中央に配置されている。また、全ての通路65は、それぞれの周囲を囲むバルブシート部132のピストン本体101の径方向における小径部141よりも大径部143側に寄って配置されている。
本体部113には、バルブシート部132のピストン本体101の周方向において隣り合うもの同士の間の位置に、上記した通路66が配置されている。本体部113には、隣り合うバルブシート部132の間の位置が、バルブシート部132と同数の4箇所、設けられている。通路66は、隣り合うバルブシート部132の間の位置の4箇所全てに設けられている。
複数のバルブシート部112のピストン本体101の周方向における配置ピッチと、複数のバルブシート部132のピストン本体101の周方向における配置ピッチとは同じであり、バルブシート部112およびバルブシート部132は、互いに半ピッチ分ずれている。そして、通路66は、ピストン本体101の周方向に隣り合うバルブシート部132とバルブシート部132との間に配置されており、よって、全てのバルブシート部132の範囲の外側に配置されている。通路65は、ピストン本体101の周方向に隣り合うバルブシート部112とバルブシート部112との間に配置されており、よって、全てのバルブシート部112の範囲の外側に配置されている。
以上説明の構成により、全てのバルブシート部132は、ピストン60の軸方向における第1室61側の端面を構成するピストン本体101の端面101bに、本体部113の第1室61側の端面113bから突出するよう設けられ、通路65を囲むと共に周方向に等間隔に設けられる同じ形状の大径部143および大径部143とは径が異なって周方向に等間隔に設けられる小径部141を有する。複数のバルブシート部132は、全体として非円形の花びら型をなす異形シートである。
ピストン本体101には、表裏の区別がない。ピストン本体101は、第2室62側に設けられた内側シート部および複数のバルブシート部が、内側シート部111および複数のバルブシート部112になる。そして、これらバルブシート部112のそれぞれの内側に配置された通路が通路66になる。また、ピストン本体101は、第1室61側に設けられた内側シート部および複数のバルブシート部が、内側シート部131および複数のバルブシート部132になる。そして、これらバルブシート部132のそれぞれの内側に配置された通路が通路65になる。
緩衝器11は、ピストンロッド51の軸方向におけるピストン60とナット63との間に、ピストン60側から順に並んで、ディスクバルブ151(バルブ)と、座金152と、バネディスク153と、リテーナディスク154と、規制部材155とを有している。また、緩衝器11は、ピストンロッド51の軸方向におけるピストン60とピストンロッド51の主軸部52との間に、ピストン60側から順に並んで、ディスクバルブ157と、座金158と、規制部材159とを有している。ピストン60、ディスクバルブ151、座金152、バネディスク153、リテーナディスク154、規制部材155、ディスクバルブ157、座金158および規制部材159は、それぞれの内周部に、取付軸部53を嵌合させた状態で設けられており、これにより、いずれもピストンロッド51に対して径方向に位置決めされている。ピストン60、ディスクバルブ151、座金152、バネディスク153、リテーナディスク154、規制部材155、ディスクバルブ157、座金158および規制部材159は、それぞれの少なくとも内周側が、ピストンロッド51の主軸部52とナット63とによってクランプされることで、ピストンロッド51に対する軸方向の位置が固定されている。
ディスクバルブ151は、外径が全周にわたって一定であり、内径が全周にわたって一定であり、径方向の幅が全周にわたって一定である。ディスクバルブ151は、有孔円板状の弾性金属板からなる平板状の単板ディスク161が複数枚、具体的には2枚積層されて構成されている。ディスクバルブ151の外径すなわち単板ディスク161の外径は、ピストン60の複数のバルブシート部112の大径部123の外径よりも大きく、具体的にはシート面112aの最大外径よりも大きい。ディスクバルブ151は、ピストン60側の単板ディスク161がピストン60のバルブシート部112に当接する。
ディスクバルブ151は、シート面112a側の単板ディスク161が全てのシート面112aに面接触で当接可能である。ディスクバルブ151は、この単板ディスク161が、シート面112aの全周に面接触で当接することで、シート面112aで囲まれた通路66を閉塞する。ディスクバルブ151は、全てのバルブシート部112のシート面112aにこのように当接することで、全ての通路66を閉塞する。図4に網掛けで示すように、ディスクバルブ151は、軸方向に見て、バルブシート部112のシート面112aの内周縁部で囲まれた、この内周縁部から内側の範囲が、通路66を介して第1室61の圧力を受ける受圧面積部162となっている。言い換えれば、ディスクバルブ151は、バルブシート部112のシート面112aの内周縁部に当接する部分で囲まれた、この当接する部分から内側の範囲が、通路66を介して第1室61の圧力を受ける受圧面積部162となっている。
図2に示すように、座金152は、外径が全周にわたって一定であり、内径が全周にわたって一定であり、径方向の幅が全周にわたって一定である。座金152は、外径がディスクバルブ151の外径すなわち単板ディスク161の外径よりも小径の有孔円板状の弾性金属板からなっている。
図5に示すように、バネディスク153は、弾性金属板からなっており、取付軸部53が嵌合される有孔円板状の基板部171と、基板部171の外周縁部から径方向外方に延出する付勢部172とを有している。基板部171は、外径が全周にわたって一定であり、内径が全周にわたって一定であり、径方向の幅が全周にわたって一定である。基板部171の外径は、座金152の外径と同等となっている。バネディスク153は、同形状の付勢部172を、基板部171の周方向すなわちバネディスク153の周方向に等間隔で複数、具体的には3箇所有している。
付勢部172は、基板部171の周方向において鏡面対称状であり、基板部171の径方向において基板部171から離れるほど基板部171の周方向における幅が狭くなる先細りの形状をなしている。
付勢部172は、基板部171の径方向において、基板部171側に設けられて基板部171と同一平面上に配置される基端板部181と、基板部171とは反対側に設けられて基板部171に対して傾斜して延出する脚部182とを有している。脚部182も、基板部171の径方向において基板部171から離れるほど基板部171の周方向における幅が狭くなる先細りの形状をなしている。脚部182は、基板部171の径方向における基端板部181とは反対側の先端縁部183が直線状をなしている。脚部182、すなわち付勢部172の先端縁部183は、基板部171の外周縁部の、この付勢部172の基端位置における接線方向に沿っている。
図2に示すように、バネディスク153は、基板部171において座金152に当接すると共に、脚部182が、基板部171の径方向における外側ほど基板部171の軸方向においてディスクバルブ151に近づくように、基板部171および基端板部181に対して傾斜している。バネディスク153は、全ての付勢部172の先端縁部183側の当接部184においてディスクバルブ151に当接する。その際に、全ての付勢部172の脚部182が弾性変形する。これにより、バネディスク153は、ディスクバルブ151を複数のバルブシート部112の方向に押圧することになり、ディスクバルブ151を複数のバルブシート部112に当接させて通路66を閉じた状態に保持するように付勢する。言い換えれば、バネディスク153は、ディスクバルブ151に対し、複数の通路66を閉じた状態に保持するようにセット荷重を付与する。
以上説明の構成により、バネディスク153は、バネディスク153の周方向に等間隔に設けられ、ディスクバルブ151をバルブシート部112の方向へ付勢する同じ形状の複数の付勢部172を有している。
ディスクバルブ151は、バネディスク153の付勢力に抗してバルブシート部112から離れると、通路66を開放する。ピストン60の複数のバルブシート部112とディスクバルブ151と座金152とバネディスク153とが、通路66を閉塞可能であって通路66を通る油液Lの流れを抑制して減衰力を発生させる伸び側の減衰力発生機構72を構成している。
減衰力発生機構72は、ピストンロッド51が内筒15および外筒16からの突出量を増やす伸び側に移動しピストン60が第1室61を狭める方向に移動して第1室61の圧力が第2室62の圧力よりも所定値以上高くなると、通路66を開く。その結果、この減衰力発生機構72は、第1室61の油液Lを、通路66を介して第2室62に流すことになり、その際に減衰力を発生させる。ピストン60に設けられた複数の通路66は、このようなピストン60の移動により、上流側となる第1室61から下流側となる第2室62に油液Lが流れ出す。減衰力発生機構72は、通路66の下流側となる第2室62側に設けられており、ピストン60の摺動によって通路66に生じる油液Lの流れを抑制して減衰力を発生させる。減衰力発生機構72は、通路66の下流側となる第2室62側のピストン60の端面を構成するピストン本体101の端面101aに突出するよう設けられ、通路66を囲むと共に周方向に等間隔に設けられる同じ形状の大径部123および大径部123とは径が異なって周方向に等間隔に設けられる小径部121を有する複数のバルブシート部112と、バルブシート部112に当接するディスクバルブ151と、ピストン60の周方向に等間隔に設けられ、ディスクバルブ151をバルブシート部112の方向へ付勢する同じ形状の複数の付勢部172を有するバネディスク153と、を備えている。
リテーナディスク154は、外径が全周にわたって一定であり、内径が全周にわたって一定であり、径方向の幅が全周にわたって一定である。リテーナディスク154は、外径が座金152の外径よりも大径かつディスクバルブ151の外径よりも小径の有孔円板状の弾性金属板からなっている。
規制部材155は、外径が全周にわたって一定であり、内径が全周にわたって一定であり、径方向の幅が全周にわたって一定である。規制部材155は、外径がリテーナディスク154の外径よりも小径かつ座金152の外径よりも大径の有孔円板状の金属環からなっている。規制部材155は、ディスクバルブ151を構成する単板ディスク161、バネディスク153およびリテーナディスク154よりも厚さが厚く、剛性が高い。
リテーナディスク154および規制部材155は、ディスクバルブ151の開方向の所定以上の変形を、バネディスク153およびディスクバルブ151に当接して抑制する。
ディスクバルブ157は、外径が全周にわたって一定であり、内径が全周にわたって一定であり、径方向の幅が全周にわたって一定である。ディスクバルブ157は、有孔円板状の弾性金属板からなる平板状の単板ディスク191が複数枚、具体的には3枚積層されて構成されている。ディスクバルブ157の外径は、ピストン60の複数のバルブシート部132の大径部143の外径よりも大きく、具体的にはシート面132bの最大外径よりも大きい。ディスクバルブ157は、ピストン60側の単板ディスク191がピストン60のバルブシート部132に当接する。
ディスクバルブ157は、シート面132b側の単板ディスク191が全てのシート面132bに面接触で当接可能である。ディスクバルブ157は、この単板ディスク191が、シート面132bの全周に面接触で当接することで、シート面132bで囲まれた通路65を閉塞する。ディスクバルブ157は、全てのバルブシート部132のシート面132bにこのように当接することで、全ての通路65を閉塞する。
ディスクバルブ157は、軸方向に見て、バルブシート部132のシート面132bの内周縁部で囲まれた、この内周縁部から内側の範囲が、通路65を介して第2室62の圧力を受ける受圧面積部192となっている。言い換えれば、ディスクバルブ157は、バルブシート部132のシート面132bの内周縁部に当接する部分で囲まれた、この当接する部分から内側の範囲が、通路65を介して第2室62の圧力を受ける受圧面積部192となっている。
座金158は、外径が全周にわたって一定であり、内径が全周にわたって一定であり、径方向の幅が全周にわたって一定である。座金158は、外径がディスクバルブ157の外径よりも小径の有孔円板状の弾性金属板からなっている。
規制部材159は、外径が全周にわたって一定であり、内径が全周にわたって一定であり、径方向の幅が全周にわたって一定である。規制部材159は、外径がディスクバルブ157の外径よりも小径かつ座金158の外径よりも大径の有孔円板状の金属環からなっている。規制部材159は、ディスクバルブ157を構成する単板ディスク191よりも厚さが厚く剛性が高い。
ディスクバルブ157はバルブシート部132から離れると、通路65を開放する。ピストン60の複数のバルブシート部132とディスクバルブ157と座金158とが、通路65を閉塞可能であって通路65を通る油液Lの流れを抑制して減衰力を発生させる、縮み側の減衰力発生機構71を構成している。
減衰力発生機構71は、ピストンロッド51が内筒15および外筒16内への進入量を増やす縮み側に移動しピストン60が第2室62を狭める方向に移動して第2室62の圧力が第1室61の圧力よりも所定値以上高くなると、通路65を開く。その結果、この減衰力発生機構71は、第2室62の油液Lを、通路65を介して第1室61に流すことになり、その際に減衰力を発生させる。ピストン60に設けられた複数の通路65は、このようなピストン60の移動により、上流側となる第2室62から下流側となる第1室61に油液が流れ出す。減衰力発生機構71は、通路65の下流側となる第1室61側に設けられ、ピストン60の摺動によって通路65に生じる油液Lの流れを抑制して減衰力を発生させる。減衰力発生機構71は、通路65の下流側となる第1室61側のピストン60の端面を構成するピストン本体101の端面101bに突出するよう設けられ、通路65を囲むと共に周方向に等間隔に設けられる同じ形状の大径部143および大径部143とは径が異なって周方向に等間隔に設けられる小径部141を有する複数のバルブシート部132と、バルブシート部132に当接するディスクバルブ157と、を有する。
図1に示すように、ベースバルブ70は、バルブボディ25の軸方向における底部材22側に、バルブボディ25に当接することで通路81を閉塞可能な円環状のディスクバルブ201を有している。ディスクバルブ201は、有孔円板状の弾性金属板からなる単板ディスクが複数枚積層されて構成されている。
ディスクバルブ201とバルブボディ25とは、ディスクバルブ201がバルブボディ25から離間すると開弁して通路81を介して第2室62とボトム室34すなわちリザーバ室18とを連通させる。ディスクバルブ201とバルブボディ25とが、通路81に設けられて減衰力を発生させる減衰力発生機構91を構成している。
ベースバルブ70は、バルブボディ25の軸方向の底部材22とは反対側に、バルブボディ25に当接することで通路82を閉塞可能な有孔円板状の弾性金属板からなるディスクバルブ202を有している。
ディスクバルブ202には、通路81を第2室62に常時連通させる通路を形成する図示略の貫通穴が、ディスクバルブ202を軸方向に貫通して形成されている。ディスクバルブ202とバルブボディ25とは、ディスクバルブ202がバルブボディ25から離間すると開弁して通路82を介してボトム室34すなわちリザーバ室18と第2室62との間を連通させる。ディスクバルブ202とバルブボディ25とが、通路82に設けられるサクションバルブ機構92を構成している。
減衰力発生機構91は、ピストンロッド51が縮み側に移動しピストン60が第2室62を狭める方向に移動して第2室62の圧力がリザーバ室18の圧力よりも所定値以上高くなると、ディスクバルブ201が通路81を開く。その結果、この減衰力発生機構91は、第2室62の油液Lを、ディスクバルブ202の貫通穴内の通路および通路81を介してボトム室34すなわちリザーバ室18に流すことになり、その際に減衰力を発生させる。
サクションバルブ機構92は、ピストンロッド51が伸び側に移動しピストン60が第1室61側に移動して第2室62の圧力がリザーバ室18の圧力より低下すると、ディスクバルブ202が通路82を開いてリザーバ室18の油液Lを通路82を介して第2室62に流すことになる。サクションバルブ機構92は、リザーバ室18の油液Lを通路82を介して第2室62に流す際に、リザーバ室18から第2室62内に実質的に減衰力を発生させずに油液Lを流す。
第1実施形態において、伸び側の減衰力発生機構72は、図5および図6に示すように軸方向に沿って見た場合、ディスクバルブ151の受圧面積部162に、バネディスク153の付勢部172の当接部184の少なくとも一部が重なるように配置されている。そして、減衰力発生機構72は、当接部184のピストン本体101に対する回転方向位置によって受圧面積部162と当接部184とが重なる範囲の変化率であるラップ代変化率が所定の範囲になるよう形成されている。すなわち、バネディスク153の全ての当接部184の受圧面積部162との接触部分の総面積は、バネディスク153をピストン60に対して回転させることにより変化することになるが、減衰力発生機構72は、この総面積の最大値から最小値への変化率であるラップ代変化率が所定の範囲になるよう形成されている。より詳しくは、減衰力発生機構72は、ラップ代変化率が20%以下になるよう形成されている。
また、第1実施形態において、減衰力発生機構72は、ピストン60に対するバネディスク153の回転方向において、一の通路66と一の付勢部172とが重なる基準位置から、全ての付勢部172がそれぞれ最も近い通路66から最も遠ざかる位置までの最大位相差角度θが所定の範囲になるように形成されている。
この最大位相差角度θは、ピストン60に対しバネディスク153を、第1の通路66と第1の付勢部172との位相が一致する基準位置から、この第1の付勢部172をこの第1の通路66から離す方向に、しかも他のいずれの付勢部172も、第1の付勢部172と第1の通路66との位相差よりも、最も近い通路66との位相差が小さくならない範囲で最大限回転させた場合の回転角度である。
言い換えれば、この最大位相差角度θは、ピストン60に対しバネディスク153を、第1の通路66と第1の付勢部172との位相が一致する基準位置から、この第1の付勢部172をこの第1の通路66から離す方向に、第1の付勢部172と第1の通路66との位相差と、他の全ての付勢部172におけるそれぞれ回転方向前方にある通路66との位相差のうちの最小値とが一致するまで、最大限回転させた場合の回転角度である。
より詳しくは、減衰力発生機構72は、最大位相差角度θが15度以下となっている。
第1実施形態では、図5に示すように、ピストン60が同形状のバルブシート部112を等間隔で4箇所有しており、バネディスク153が同形状の付勢部172を等間隔で3箇所有している。そして、ピストン60に対しバネディスク153を、図5における紙面上側の第1の通路66と図5における紙面上側の第1の付勢部172との位相が一致する基準位置から、図6に示すように、この第1の付勢部172をこの第1の通路66から離す方向に、しかも他のいずれの付勢部172も、第1の付勢部172と第1の通路66との位相差よりも、最も近い通路66との位相差が小さくならない範囲で最大限回転させた場合の回転角度である最大位相差角度θが15度となっている。また、第1実施形態では、全ての当接部184の受圧面積部162との接触部分の総面積の最大値から最小値への変化率であるラップ代変化率が20%以下の0.4%となっている。
図7は、第1実施形態において、ピストン60に対し、図5に示すようにバネディスク153が基準位置にある状態と、図6に示すように基準位置から最大位相差角度θである15度回転した状態とについて、ディスクバルブ151が受ける油液Lの圧力と、ディスクバルブ151による全てのバルブシート部112の開口面積との関係である開弁特性を示すものである。このように、第1実施形態では、ピストン60に対し、図7に符号X1で示すバネディスク153が基準位置にある状態の開弁特性と、図7に符号X2で示す基準位置から最大位相差角度θ回転した状態の開弁特性と、が略一致する。
ここで、図8に示す第1変形例のように、バネディスク153とは一部異なるバネディスク153Aをバネディスク153に代えて設けた点が減衰力発生機構72とは異なる減衰力発生機構72Aとすることもできる。このバネディスク153Aは、同形状の付勢部172を基板部171の周方向に等間隔で4箇所有している。このバネディスク153Aも、ディスクバルブ151の受圧面積部162に、付勢部172の先端縁部183側の当接部184の少なくとも一部が重なるように配置されている。
そして、図8に示すように、ピストン60に対しバネディスク153Aを、図8における紙面上側の第1の通路66と図8における紙面上側の第1の付勢部172との位相が一致する基準位置から、図9に示すように、この第1の付勢部172をこの第1の通路66から離す方向に、しかも他のいずれの付勢部172も、第1の付勢部172と第1の通路66との位相差よりも、最も近い通路66との位相差が小さくならない範囲で最大限回転させた場合の回転角度である最大位相差角度θが45度となっている。
また、この構成では、全ての当接部184の受圧面積部162との接触部分の総面積の最大値から最小値への変化率であるラップ代変化率が、100%となっている。すなわち、図8では、この接触部分の総面積が当接部184の4箇所分の接触面積であって最大値となり、図9では、全ての当接部184が受圧面積部162と接触せず、この接触部分の総面積は最小値の0となって、ラップ代変化率は100%となっている。
図10は、この構成において、ピストン60に対し、図8に示すようにバネディスク153Aが基準位置にある状態と、図9に示すように基準位置から最大位相差角度θである45度回転した状態とについて、ディスクバルブ151が受ける油液Lの圧力と、ディスクバルブ151による全てのバルブシート部112の開口面積との関係である開弁特性を示すものである。この構成の場合、ピストン60に対し、図10に符号X3で示すバネディスク153Aが基準位置にある状態の開弁特性と、図10に符号X4で示す基準位置から最大位相差角度θ回転した状態の開弁特性とで、開弁特性の一致度は、比較的高いものの第1実施形態よりも低い。
また、図11に示す第2変形例のように、バネディスク153とは一部異なるバネディスク153Bをバネディスク153に代えて設けた点が減衰力発生機構72とは異なる減衰力発生機構72Bとすることもできる。このバネディスク153Bは、付勢部172と同様の形状で付勢部172よりも基板部171の周方向における幅が狭い複数の同形状の付勢部172Bを基板部171の周方向に等間隔で8箇所有している。付勢部172Bも、先端縁部183B側のディスクバルブ151に当接する部分が当接部184Bとなっている。このバネディスク153Bも、ディスクバルブ151の受圧面積部162に、付勢部172Bの先端縁部183B側の当接部184Bの少なくとも一部が重なるように配置されている。
そして、図11に示すように、ピストン60に対しバネディスク153Bを、図11における紙面上側の第1の通路66と図11における紙面上側の第1の付勢部172Bとの位相が一致する基準位置から、図12に示すように、この第1の付勢部172Bをこの第1の通路66から離す方向に、しかも他のいずれの付勢部172Bも第1の付勢部172Bと第1の通路66との位相差よりも、最も近い通路66に対する位相差が小さくならない範囲で最大限回転させた場合の回転角度である最大位相差角度θが22.5度となっている。
また、この構成では、全ての当接部184Bの受圧面積部162との接触部分の総面積の最大値から最小値への変化率であるラップ代変化率が50%となっている。すなわち、図12では、この接触部分の総面積が当接部184Bの8箇所分の接触面積であって最大値となり、図11では、この接触部分の総面積が当接部184Bの4箇所分の接触面積で最小値となって、ラップ代変化率は50%となっている。
図13は、この構成において、ピストン60に対し、図11に示すようにバネディスク153Bが基準位置にある状態と、図12に示すように基準位置から最大位相差角度θである22.5度回転した状態とについて、ディスクバルブ151が受ける油液Lの圧力と、ディスクバルブ151による全てのバルブシート部112の開口面積との関係である開弁特性を示すものである。この構成の場合、ピストン60に対し、図13に符号X5で示すバネディスク153Bが基準位置にある状態の開弁特性と、図13に符号X6で示す基準位置から最大位相差角度θ回転した状態の開弁特性とで、開弁特性の一致度は、第1実施形態よりは低いものの第1変形例よりは高い。
上記特許文献1には、円形のシートにディスクを当接させると共に複数の付勢部でディスクにセット荷重を付与する構造の減衰力発生機構を有する緩衝器が記載されている。ところで、非円形の異形シートにディスクを当接させる構造の減衰力発生機構において、減衰力特性の調整のため、複数の付勢部でディスクにセット荷重を付与するようにすると、異形シートと複数の付勢部との位相によって減衰力特性が変化してしまう可能性がある。また、これを回避するために異形シートと複数の付勢部との位相の管理を行うと、コスト増加につながってしまう。よって、異形シートにディスクを当接させると共に複数の付勢部でディスクにセット荷重を付与する構造においても、異形シートと複数の付勢部との位相の管理を行うことなく、製品毎の減衰力特性のバラツキを抑制することが望まれている。
減衰力発生機構72,72A,72Bは、通路66の下流側となる第2室62側のピストン60の端面を構成するピストン本体101の端面101aに突出するように設けられ、通路66を囲むと共に周方向に等間隔に設けられる同じ形状の大径部123および大径部123とは径が異なって周方向に等間隔に設けられる小径部121を有する複数のバルブシート部112と、複数のバルブシート部112に当接するディスクバルブ151と、周方向に等間隔に設けられ、ディスクバルブ151をバルブシート部112の方向へ付勢する同じ形状の複数の付勢部172,172Bと、を有している。このように、複数のバルブシート部112の大径部123を同じ形状にすると共に等間隔で配置し、小径部121も等間隔で配置すると共に、付勢部172,172Bを同じ形状にすると共に等間隔で配置している。これにより、複数のバルブシート部112と付勢部172,172Bとの位相を管理することなく、減衰力発生機構72,72A,72Bの開弁特性のバラツキ、ひいては減衰力特性のバラツキを抑制し、減衰力特性の安定化を図ることができる。
減衰力発生機構72,72A,72Bは、ディスクバルブ151が、バルブシート部112の内周縁部から内側の受圧面積部162に、付勢部172,172Bのディスクバルブ151と当接する当接部184,184Bの少なくとも一部が重なるように配置され、当接部184,184Bの回転方向位置により受圧面積部162と当接部184,184Bとが重なる範囲の変化率であるラップ代変化率が所定の範囲になるよう形成されている。これにより、複数のバルブシート部112と付勢部172,172Bとの位相を管理することなく、減衰力発生機構72,72A,72Bの減衰力特性のバラツキをさらに抑制し、減衰力特性のさらなる安定化を図ることができる。
特に減衰力発生機構72は、受圧面積部162と当接部184とが重なる範囲の変化率であるラップ代変化率が、20%以下である0.4%となるように形成されている。このため、複数のバルブシート部112と付勢部172との位相を管理することなく、減衰力発生機構72の開弁特性のバラツキ、ひいては減衰力特性のバラツキをさらに抑制し、減衰力特性のさらなる安定化を図ることができる。
減衰力発生機構72,72A,72Bは、通路66と付勢部172とが回転方向に重なる位置から最も遠ざかる位置までの最大位相差角度θが所定の範囲になるよう形成されている。これにより、複数のバルブシート部112と付勢部172との位相を管理することなく、減衰力発生機構72,72A,72Bの開弁特性のバラツキ、ひいては減衰力特性のバラツキをさらに抑制し、減衰力特性のさらなる安定化を図ることができる。
特に減衰力発生機構72は、最大位相差角度θが15度以下である15度に設定されている。これにより、複数のバルブシート部112と付勢部172との位相を管理することなく、減衰力発生機構72の開弁特性のバラツキ、ひいては減衰力特性のバラツキをさらに抑制し、減衰力特性のさらなる安定化を図ることができる。
また、ピストン60に設けられる減衰力発生機構72,72A,72Bに上記構成を適用するため、伸び行程での安定した減衰力調整を付勢部172によって容易に行うことができる。
[第2実施形態]
本発明に係る第2実施形態を、主に図14~図16に基づいて、上記第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、上記第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第2実施形態では、バネディスク153とは一部異なるバネディスク153Cをバネディスク153に代えて設けた点が減衰力発生機構72とは異なる減衰力発生機構72Cを有している。このバネディスク153Cは、付勢部172と同様の形状で付勢部172よりも基板部171の周方向における幅が狭い複数の同形状の付勢部172Cを基板部171の周方向に等間隔で10箇所有している。付勢部172Cは、先端縁部183C側のディスクバルブ151に当接する部分が当接部184Cとなっている。このバネディスク153Cも、ディスクバルブ151の受圧面積部162に、付勢部172Cの当接部184Cの少なくとも一部が重なるように配置されている。
第2実施形態では、図14に示すように、ピストン60に対してバネディスク153Cを、図14における紙面上側の第1の通路66と図14における紙面上側の第1の付勢部172Cとの位相が一致する基準位置から、図15に示すように、この第1の付勢部172Cをこの第1の通路66から離す方向に、しかも他のいずれの付勢部172Cも、第1の付勢部172Cと第1の通路66との位相差よりも、最も近い通路66との位相差が小さくならない範囲で最大限回転させた場合の回転角度である最大位相差角度θが15度以下である9度となっている。
また、第2実施形態では、全ての当接部184Cの受圧面積部162との接触部分の総面積の最大値から最小値への変化率であるラップ代変化率が、20%以下である20%となっている。
図16は、第2実施形態において、ピストン60に対し、図14に示すようにバネディスク153Cが基準位置にある状態と、図15に示すように基準位置から最大位相差角度θである9度回転した状態とについて、ディスクバルブ151が受ける油液Lの圧力と、ディスクバルブ151による全てのバルブシート部112の開口面積との関係である開弁特性を示すものである。このように、第2実施形態では、ピストン60に対し、図16に符号X7で示すバネディスク153Cが基準位置にある状態の開弁特性と、図16に符号X8で示す基準位置から最大位相差角度θ回転した状態の開弁特性と、が略一致する。
減衰力発生機構72Cは、受圧面積部162と当接部184Cとが重なる範囲の変化率であるラップ代変化率が、20%以下になるよう形成されている。このため、複数のバルブシート部112と付勢部172Cとの位相を管理することなく、減衰力発生機構72の開弁特性のバラツキ、ひいては減衰力特性のバラツキをさらに抑制し、減衰力特性のさらなる安定化を図ることができる。
[第3実施形態]
本発明に係る第3実施形態を主に図17~図19に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第3実施形態では、バネディスク153とは一部異なるバネディスク153Dをバネディスク153に代えて設けた点が減衰力発生機構72とは異なる減衰力発生機構72Dを有している。このバネディスク153Dは、付勢部172と同様の形状で付勢部172よりも基板部171の周方向における幅が狭い複数の同形状の付勢部172Dを基板部171の周方向に等間隔で9箇所有している。付勢部172Dの数「9」の素因数は「3」であり、全てのバルブシート部112を合わせたときの大径部123および小径部121の数「4」の素因数は「2」である。よって、減衰力発生機構72Dにおいて、付勢部172Dの数の素因数は、全てのバルブシート部112を合わせたときの大径部123および小径部121の数の素因数に含まれない。付勢部172Dは、先端縁部183D側のディスクバルブ151に当接する部分が当接部184Dとなっている。このバネディスク153Dも、ディスクバルブ151の受圧面積部162に、付勢部172Dの当接部184Dの少なくとも一部が重なるように配置されている。
第3実施形態では、図17に示すように、ピストン60に対してバネディスク153Dを、図17における紙面上側の第1の通路66と図17における紙面上側の第1の付勢部172Dとの位相が一致する基準位置から、図18に示すように、この第1の付勢部172Dをこの第1の通路66から離す方向に、しかも他のいずれの付勢部172Dも、第1の付勢部172Dと第1の通路66との位相差よりも、最も近い通路66との位相差が小さくならない範囲で最大限回転させた場合の回転角度である最大位相差角度θが15度以下である5度となっている。
また、第3実施形態では、全ての当接部184Dの受圧面積部162との接触部分の総面積の最大値から最小値への変化率であるラップ代変化率が20%以下である0.9%となっている。
図19は、第3実施形態において、ピストン60に対し、図17に示すようにバネディスク153Dが基準位置にある状態と、図18に示すように基準位置から最大位相差角度θである5度回転した状態とについて、ディスクバルブ151が受ける油液Lの圧力と、ディスクバルブ151による全てのバルブシート部112の開口面積との関係である開弁特性を示すものである。このように、第3実施形態では、ピストン60に対し、図19に符号X9で示すバネディスク153Dが基準位置にある状態の開弁特性と、図19に符号X10で示す基準位置から最大位相差角度θ回転した状態の開弁特性と、が略一致する。
減衰力発生機構72Dは、付勢部172Dの数が9箇所であって4箇所以上であり、全てのバルブシート部112を合わせたときの大径部123および小径部121の数は4箇所であって3箇所以上である。しかも、付勢部172Dの数の素因数が、全てのバルブシート部112を合わせたときの大径部123および小径部121の数の素因数に含まれない。よって、最大位相差角度θを小さくすることができ、ラップ代変化率を低くすることができる。このため、複数のバルブシート部112と付勢部172Dとの位相を管理することなく、減衰力発生機構72Dの開弁特性のバラツキ、ひいては減衰力特性のバラツキをさらに抑制し、減衰力特性のさらなる安定化を図ることができる。
[第4実施形態]
本発明に係る第4実施形態を、主に図20および図21に基づいて、上記第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、上記第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第4実施形態では、バネディスク153とは一部異なるバネディスク153Eをバネディスク153に代えて設けた点が減衰力発生機構72とは異なる減衰力発生機構72Eを有している。このバネディスク153Eは、同形状の付勢部172を基板部171の周方向に等間隔で5箇所有している。付勢部172の数「5」の素因数は5であり、全てのバルブシート部112を合わせたときの大径部123および小径部121の数「4」の素因数は「2」である。よって、減衰力発生機構72Eにおいて、付勢部172の数の素因数は、全てのバルブシート部112を合わせたときの大径部123および小径部121の数の素因数に含まれない。このバネディスク153Eも、ディスクバルブ151の受圧面積部162に、付勢部172の当接部184の少なくとも一部が重なるように配置されている。
第4実施形態では、図20に示すように、ピストン60に対してバネディスク153Eを、図20における紙面上側の第1の通路66と図20における紙面上側の第1の付勢部172との位相が一致する基準位置から、図21に示すように、この第1の付勢部172をこの第1の通路66から離す方向に、しかも他のいずれの付勢部172も、第1の付勢部172と第1の通路66との位相差よりも、最も近い通路66との位相差が小さくならない範囲で最大限回転させた場合の回転角度である最大位相差角度θが15度以下である9度となっている。
また、第4実施形態では、全ての当接部184の受圧面積部162との接触部分の総面積の最大値から最小値への変化率であるラップ代変化率が、20%以下である5.2%となっている。
減衰力発生機構72Eは、付勢部172の数が5箇所であって4箇所以上であり、全てのバルブシート部112を合わせたときの大径部123および小径部121の数は4箇所であって3箇所以上である。しかも、付勢部172の数の素因数が、全てのバルブシート部112を合わせたときの大径部123および小径部121の数の素因数に含まれない。よって、最大位相差角度θを小さくすることができ、ラップ代変化率を低くすることができる。このため、複数のバルブシート部112と付勢部172との位相を管理することなく、減衰力発生機構72Eの開弁特性のバラツキ、ひいては減衰力特性のバラツキをさらに抑制し、減衰力特性のさらなる安定化を図ることができる。
以上においては、ピストン60に設けられた伸び側の減衰力発生機構72,72A~72Eを例にとり説明したが、ピストン60に設けられた縮み側の減衰力発生機構71に本発明の構成を適用することも可能である。また、ベースバルブ70に設けられた縮み側の減衰力発生機構91に本発明の構成を適用することも可能であり、ベースバルブ70にサクションバルブ機構92に代えて伸び側の減衰力発生機構を設けて、この伸び側の減衰力発生機構に本発明の構成を適用することも可能である。
以上に述べた実施形態の第1の態様に係る緩衝器は、作動流体が封入されるシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に設けられ、前記シリンダ内を2室に区画するピストンと、前記ピストンに連結されると共に前記シリンダの外部に延出するピストンロッドと、前記ピストンの移動により上流側となる室から下流側となる室に前記作動流体が流れ出す複数の通路を有する隔壁部材と、前記通路の前記下流側となる室側に設けられ、前記ピストンの摺動によって生じる前記作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰力発生機構と、を有し、前記減衰力発生機構が、前記通路の前記下流側となる室側の前記隔壁部材の端面に突出するよう設けられ、前記通路を囲むと共に周方向に等間隔に設けられる同じ形状の大径部および前記大径部とは径が異なって周方向に等間隔に設けられる小径部を有する複数のシート部と、前記シート部に当接するバルブと、周方向に等間隔に設けられ、前記バルブを前記シート部の方向へ付勢し、互いに同じ形状を有する複数の付勢部と、を有する。これにより、減衰力特性のバラツキを抑制することができる。
第2の態様は、第1の態様において、前記バルブが、前記シート部の内周縁部から内側の受圧面積部に、前記付勢部の前記バルブと当接する当接部の少なくとも一部が重なるように配置され、前記当接部の回転方向位置により前記受圧面積部と前記当接部とが重なる範囲の変化率が所定の範囲になるよう形成されている。
第3の態様は、第2の態様において、前記受圧面積部と前記当接部とが重なる範囲の変化率が、20%以下になるよう形成されている。
第4の態様は、第2または第3の態様において、前記通路と前記付勢部とが回転方向に重なる位置から最も遠ざかる位置までの最大位相差角度が所定の範囲になるよう形成されている。
第5の態様は、第4の態様において、前記最大位相差角度が、15度以下である。
第6の態様は、第1の態様において、前記シート部の前記大径部および前記小径部の数が3箇所以上であり、前記付勢部の数が4箇所以上であり、前記付勢部の数の素因数が前記大径部および前記小径部の数の素因数に含まれない。
第7の態様は、第1~第6のいずれか一態様において、前記隔壁部材が、前記ピストンである。
本発明の上記態様に係る緩衝器によれば、減衰力特性のバラツキを抑制することができる。よって、産業上の利用可能性は大である。
11 緩衝器
17 シリンダ
51 ピストンロッド
60 ピストン(隔壁部材)
61 第1室
62 第2室
66 通路
72,72A~72E 減衰力発生機構
101a 端面
112 バルブシート部(シート部)
121 小径部
123 大径部
151 ディスクバルブ(バルブ)
162 受圧面積部
172,172B,172C,172D 付勢部

Claims (5)

  1. 作動流体が封入されるシリンダと、
    前記シリンダ内に摺動可能に設けられ、前記シリンダ内を2室に区画するピストンと、
    前記ピストンに連結されると共に前記シリンダの外部に延出するピストンロッドと、
    前記ピストンの移動により上流側となる室から下流側となる室に前記作動流体が流れ出す複数の通路を有する隔壁部材と、
    前記通路の前記下流側となる室側に設けられ、前記ピストンの摺動によって生じる前記作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰力発生機構と、
    を有し、
    前記減衰力発生機構が、
    前記通路の前記下流側となる室側の前記隔壁部材の端面に突出するよう設けられ、前記通路を囲むと共に周方向に等間隔に設けられる同じ形状の大径部および前記大径部とは径が異なって周方向に等間隔に設けられる小径部を有する複数のシート部と、
    前記シート部に当接するバルブと、
    周方向に等間隔に設けられ、前記バルブを前記シート部の方向へ付勢し、互いに同じ形状を有する複数の付勢部と、
    を有し、
    前記付勢部は、前記バルブにおける前記シート部の内周縁部から内側の受圧面積部に、前記付勢部の前記バルブと当接する当接部の少なくとも一部が重なるように配置され、
    前記付勢部が回転することによって変化する前記受圧面積部と前記当接部とが重なる範囲の変化率が20%以下になるよう前記シート部および前記付勢部が形成されている
    ことを特徴とする緩衝器。
  2. 前記通路と前記付勢部とが回転方向に重なる位置から最も遠ざかる位置までの最大位相差角度が所定の範囲になるよう形成されていることを特徴とする請求項に記載の緩衝器。
  3. 前記最大位相差角度が、15度以下であることを特徴とする請求項に記載の緩衝器。
  4. 前記シート部の前記大径部および前記小径部の数が3箇所以上であり、
    前記付勢部の数が4箇所以上であり、
    前記付勢部の数の素因数が前記大径部および前記小径部の数の素因数に含まれない
    ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  5. 前記隔壁部材が、前記ピストンであることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の緩衝器。
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