JP7457554B2 - 木造建物の床組構造 - Google Patents

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Description

この発明は、木造軸組構法(在来工法)により構築される木造建物の床組構造(床構造)の技術分野に属する。
近年、建設業界においては建設現場の職人不足が懸念され、構法(工法)の省力化、部材(製品)の軽量化が求められている。
例えば、木造軸組構法によって構築される木造建物では、経済的かつ合理的に構造物の強度・剛性を向上させることができ、取扱性にも優れたデッキプレートや、該デッキプレートとコンクリートが一体化された合成スラブが注目されている。
例えば、床構造の面内にデッキプレートを配設して床構造の面内剛性を効率的に向上させ得る床構造として、下記特許文献1には、金属板(デッキプレート)5をアングル11を介して木梁25に支持させてなる構成で実施され、前記アングル11を木梁25の側面に取り付けて金属板5を梁下へ落とし込ませて接合することで、定尺の金属板5を使用でき、切欠き加工の手間を省略することを可能とした床構造が開示されている(同文献1の図12等参照)。
前記金属板5を梁下へ落とし込ませて接合する技術は、木造建物の技術分野ではないものの、特許文献2にも開示されている。この特許文献2には、波形床材(デッキプレート)1をZ型断面形状をした受材3を介して鋼製床梁2に支持させてなる床下地の取付構造が開示されている。
特開2005-155312号公報 実開平6-35435号公報
下記(1)~(6)の如く、木造建物の床構造に合成スラブを適用する場合、まず第一に、コンクリート漏れを防ぐことが重要である。また、デッキ端部の切欠き加工が不要で、割付けを容易にする接合手段であることや、面内剛性が従来の木造床組よりも高くなるようにデッキプレートを接合すること、壁材や床仕上げ材の取り合いを容易にすること等が求められる。すなわち、
(1)コンクリート漏れが発生する。
前記特許文献1の床構造では、デッキプレート(金属板5)同士に隙間を設けているため、コンクリートの打設は不可能である。
(2)仕上げ材や耐火被覆などの面材との取り合いが悪い。
特許文献1では、床組(デッキプレート及びコンクリートの床)が木梁25(木製横架材)の側面に接しているため、耐火材を木梁25に取付ける場合、接触面まで保護することができず、梁の耐火性能が低下する。また、床上からの衝撃音が床組と木梁25の接触面を介して隣室へ伝達するという問題もある。
(3)金具が間柱や主柱に干渉してしまう。
前記特許文献2の構造では、連続したZ形鋼を木造木製横架材に適用する場合、デッキプレートの弱軸方向長さと同等かそれ以上の長さのZ形鋼を掛けることになるので、壁材を打ち付ける間柱や主柱にZ形鋼が干渉してしまう。さらに、Z形鋼をそのまま木製横架材に掛けると、板厚分の段差が生じるため、床の仕上げ材や壁材の納まりが悪くなる。 (4)金具を木製横架材に取付けにくい。
特許文献1に係る床構造は、アングル材11を、木梁25の側面に直接ボルト留め又はネジ留めして取り付けるため、大きな荷重を受けた場合、木梁25にボルトやネジがめり込み、十分な強度が得られない可能性がある。施工時も、アングル材11は木梁25の側面に不安定な状態で押さえつけながらボルトやネジで固定するため、アングル材11を水平に保つことが困難なために施工精度が安定せず、足場が悪い高所作業ではアングル材11が落下する危険性も懸念される。
(5)金具の部材重量が大きい。
特許文献1と特許文献2の構造は、床材を支持する部材の長さが床材の幅に合わせて長尺物となっているため、重量が大きく、運搬・施工作業時に重機を必要とし、現場敷地や周辺道路の制約を受けてしまって施工条件が限られてしまう。
(6)床の面内剛性が低い。
特許文献1の床構造では、デッキプレート単体に加え合板で面内剛性を確保しているが、本来のコンクリートを打設した場合と比べ面内剛性は小さいといった問題もある。
本発明は、上述した背景技術の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、デッキプレートを受け部材を介して木製横架材に支持させるに際し、前記受け部材の構成に工夫を施すことにより、コンクリート漏れを防ぐ等といった前記課題を解決して、施工性、経済性、及び取扱性に優れた木造建物の床組構造を提供することにある。
上記の課題を解決するための手段として、請求項に記載した発明に係る木造建物の床組構造は、山部と谷部とが傾斜部を介して交互に連なり略台形の波形断面に屈曲形成されたデッキプレートを、受け部材を介して木製横架材に支持させてなる木造建物の床組構造であって、
前記受け部材は、前記木製横架材の両サイドでそれぞれ長手方向に延び前記デッキプレートの端部の谷部を支持する下方水平面部と、前記木製横架材の側面に沿って起立する垂直面部とでL字状に形成され、さらに前記木製横架材の上面に跨って載る上方水平面部を備えた横向きコ字状の掛止部を前記垂直面部の長手方向に間隔をあけて複数設けてなる構造とされ、前記掛止部を前記木製横架材の上面に掛け止めた状態で前記各下方水平面部により前記デッキプレートをそれぞれ支持することを特徴とする。
請求項に記載した発明は、請求項に記載した木造建物の床組構造において、前記受け部材は、単一部材、又は前記下方水平面部及び垂直面部を一部材とし、前記掛止部を一部材とする組み合わせ構造であることを特徴とする。
請求項に記載した発明は、請求項1又は2に記載した木造建物の床組構造において、前記木製横架材の上面に載る上方水平面部と、同木製横架材の側面に沿って垂下する垂直面部とで倒立L字状又は横向きコ字状に形成され、前記掛止部の垂直面部が、前記木製横架材の両サイドの各受け部材又は一方の側面の受け部材の垂直面部に接続されてなることを特徴とする。
請求項に記載した発明は、請求項1~のいずれか1項に記載した木造建物の床組構造において、前記受け部材の上方水平面部は、前記木製横架材の短手方向に若干長く形成され、その垂直面部と前記木製横架材と間に、面材を挟んだ状態で当該上方水平面部が木
製横架材の上面に載ることを特徴とする。
請求項に記載した発明は、請求項1~のいずれか1項に記載した木造建物の床組構造において、前記受け部材の掛止部の上方水平面部には、前記木製横架材の上面に載った際に同木製横架材の所望位置で固定自在な調整孔が穿設されていることを特徴とする。
請求項に記載した発明は、請求項1~のいずれか1項に記載した木造建物の床組構造において、前記受け部材の下方水平面部の上面に、前記デッキプレートの端部の谷部が支持され、前記デッキプレートの上面及び当該受け部材の上方水平面部を含む木製横架材の上面にコンクリートが打設されて前記木製横架材と一体化されることを特徴とする。
[発明の効果]
本発明に係る木造建物の床組構造によれば、以下A~Fの効果を奏する。
<A>第1~第発明に係る木造建物の床組構造は、デッキプレートを支持する下方垂直面部と垂直面部と掛止部が一体化されたコンパクト設計ながら、前記垂直面部がコンクリート打設の際に型枠代わりとなるため、コンクリートの漏れが防止される(上記の課題(1)に対応)。
また、受け部材の掛止部を断続的な部材にすることにより、木製柱を避けて設置することができる(課題(3)に対応)。
さらに、木製横架材に掛止部を掛けるだけで済むので、設置時の高さ調整が不要であり、側面に取り付けるよりも施工精度が安定する。しかも、受け部材(掛止部)を木製横架材に掛け止めた状態で固定するため、部材が安定した状態となり、落下の危険性がない上、荷重をビス等の点ではなく、掛止部の上方水平面部の面を使い木製横架材に伝達することにより、(コンクリートの打設等による重量の増加に対して)高い接合強度を発揮する(課題(4)に対応)。
加えて、掛止部を断続的なものとすることにより、部材一個の重量が軽くなるため、運搬や施工時に一人で作業でき、重機を使用しないため、敷地や周辺道路の制約を受けないあらゆる立地での施工が可能となる(課題(5)に対応)。
<B>特に第1~3発明に係る木造建物の床組構造は、中間梁において、ハット型の掛止部(1つ)の両サイドの垂直面に受け部材の垂直面部を取り付けて済み、L字型の掛止部を2枚用意して取り付けるより構造が安定し、固定金具の数の削減が可能である(課題(4)に対応)。
<C>特に第発明に係る木造建物の床組構造は、受け部材の上方水平面部が木製横架材の短手方向に若干長く形成されているので、受け部材の垂直面部と木製横架材に隙間が形成され、耐火設計では木製横架材の両側面と下面を耐火材で保護できる。また、床組と木製横架材の接触面が減ることで、隣接する部屋への床上衝撃音の伝達を低減し、さらに吸音板の挿入や界壁を梁上面まで伸ばすことで、より遮音性が向上する。この時、挿入した面材が隙間を埋めるため、コンクリート打設時に漏れが防止される(課題(1)(2)に対応)。
<D>特に第発明に係る木造建物の床組構造は、受け部材の掛止部の上方水平面部に調整孔が穿設されているので、壁材や木製横架材の耐火材の厚さに応じて受け部材と木製横架材の隙間を調整することが可能である。また、前記<B>と同様の効果を発揮する(課題(2)(4)に対応)。
<E>特に第1~発明に係る木造建物の床組構造のように、合成デッキとしたことにより、従来の合板を用いた床よりも、大きなスパンで大きな荷重を支えることができる(課題(6)に対応)。
<F>特に第発明に係る木造建物の床組構造は、受け部材の下方水平面部の上面に支持したデッキプレートの上面及び受け部材の上方水平面部を含む木製横架材の上面にコンクリートが打設されて木製横架材と一体化されるので、金物を接合したことによる不陸が解消される(課題(2)(3)に対応)。また、コンクリートが並列する木製横架材間に入る
ため、従来の合板を用いた木造床よりも面内剛性が高くなる(課題(6)に対応)。
まとめると、本発明に係る木造建物の床組構造は、施工性、経済性、および取扱性に優れた木造建物の床組構造を実現することができる。
[図面の簡単な説明]
本発明(実施例1)の木造建物の床組構造に係る受け部材を部分拡大して示した斜視図である。 実施例1に係る木造建物の床組構造を示した斜視図である。 面材を介した床組構造の実施例を示した斜視図である。 単一部材でなる受け部材の実施例を示した斜視図である。 面材を介した単一部材でなる受け部材の実施例を示した斜視図である。 実施例2の木造建物の床組構造を示した斜視図である。 同実施例2で面材の使用例を示した斜視図である。 同実施例2で調整孔の実施例を示した斜視図である。 図8の実施例において単一部材でなる受け部材を示した斜視図である。 実施例3のハット型受け部材に係る床組構造を示した斜視図である。 同実施例3で面材の使用例を示した斜視図である。 図10の実施例3において単一部材でなる受け部材を部分拡大して示した斜視図である。 図12の単一部材でなる受け部材に係る床組構造を示した斜視図である。 図11の実施例3において単一部材でなる受け部材に係る床組構造を示した斜視図である。 本発明に係る木造建物の床組構造の施工段階を示した説明図である。 受け部材の木製横架材への取り付け状態を示した拡大断面図である。 図15の実施例に係る木造建物の床組構造にデッキプレートを設置した状態を示した説明図である。 実施例2に係る木造建物の床組構造にデッキプレートを設置した状態を示した説明図である。なお、木製横架材と小梁との間隔は図示の便宜上狭く図示している。 図17の実施例に係る木製横架材部分の要部を示した拡大断面図である。 図17の実施例に係る木造建物の床組構造にコンクリートを打設した状態を示した説明図である。 図20の実施例に係る木製横架材部分(但し面材がないケース)の要部を示した拡大断面図である。 図21の実施例に係る受け部材が単一部材の場合の要部を示した拡大断面図である。
次に、本発明に係る木造建物の床組構造の実施例を、以下図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明における「実施例1~実施例3」のうち、本発明の本来の実施例は「実施例2、実施例3」であり、実施例1は本発明に関連する参考例であるが、以下では便宜的に全てを実施例と称して説明する。
本発明に係る木造建物の床組構造は、図17~図19に示したように、山部21と谷部22とが傾斜部23を介して交互に連なり略台形の波形断面に屈曲形成されたデッキプレート2を、受け部材1を介して木製横架材3に支持させてなる木造建物の床組構造である。前記受け部材1は、木製横架材3の長手方向に延びデッキプレート2の端部の谷部22を支持する下方水平面部10と、木製横架材3の側面に沿って起立する垂直面部11とでL字状に形成され、さらに木製横架材3の上面に載る上方水平面部12aを備えた掛止部12を垂直面部11の長手方向に間隔をあけて複数設けてなる構造とされ、前記掛止部12の上方水平面部12aを木製横架材3の上面に掛け止めた状態で下方水平面部10によりデッキプレート2を支持する構成である。
前記木製横架材3は、木造軸組構法に用いる木製横架材であり、大梁、小梁、又は胴差し等を指す。本実施例では木製大梁3とし、断面サイズは一例として縦寸360mm程度、横寸120mm程度の構造用集成材で実施されている。勿論、前記木製横架材3の断面サイズはこれに限定されない。
前記デッキプレート2は、山部21と谷部22とが傾斜部23を介して交互に連なり略台形の波形断面をなす鋼板で形成され、さらに谷部22に鍵溝を、傾斜部23に段部を備えた合成スラブ用デッキプレート2と称されるデッキプレートが採用されている。
このデッキプレート2の寸法は、一例として、幅が600mm程度(2山タイプ)、高さ(山高)が50mm程度、山部と谷部のトップ(平面部)の幅寸が115~125mm程度、板厚が1.0~1.6mm程度、全長(スパン長)が1.8~3.6m程度である。図17は、幅方向に2体のデッキプレート2を連結した状態を示している。
なお、前記デッキプレート2の形態(形状、寸法)は勿論この限りではなく、設置面積、支持梁の設置間隔、構造上必要な強度等の構造設計に応じて適宜設計変更される。
例えば、幅が300mm程度の1山タイプの幅調整用のデッキプレート2を併用することは適宜行われるところである。
ちなみに前記デッキプレート2は、その端部の谷部22における前記受け部材1の下方水平面部10との接合部位に貫通孔22aを穿設した形態でも好適に実施される(図19参照)。
前記受け部材1は、金属製(鋼製)であり、前記下方水平面部10と前記垂直面部11とで断面L字状に形成されていると共に、前記垂直面部11につづく上方水平面部12aを備えた掛止部12とで側面方向にみると断面略Z字状に形成されている。
前記下方水平面部10と前記垂直面部11はアングル材で前記木製横架材3の軸方向に延びる細長い長尺物でなり、本実施例では一例として、幅寸が50mm程度で、軸方向長さは使用するデッキプレート2の幅寸と同等寸法に形成されている(図17参照)。前記デッキプレート2へ取り付けるために用いるボルト7等の固定具7を挿通させるための貫通孔10aが形成されている(図14、図17参照)。この貫通孔10aは、バランスよく左右に2個穿設する実施形態が好適だが、構造設計に応じて適宜設計変更可能である。もっとも、図1~図15に示したように、前記下方水平面部10と前記デッキプレート2とを溶接手段で一体化させる場合、前記貫通孔10aは不要である。
前記掛止部12は、前記木製横架材3の上面に載る上方水平面部12aと、同木製横架材3の側面に沿って垂下する垂直面部12bとで倒立L字状に形成されており、この掛止部12の垂直面部12aが前記垂直面部11に複数個(例えば9個)、所望位置に配設して実施される(図15参照)。そして、前記垂直面部12bと前記アングル材の垂直面部11とが接合されている。但し、後述するように、掛止部12を横向きコ字状に形成することも行われる。その場合、木製横架材3の上面に跨るように載って、木製横架材3の両サイドの各下方水平面部10でデッキプレート2が支持される(図10、図18参照)。
前記掛止部12の上方水平面部12aについて説明する。
この上方水平面部12aは、前記木製横架材3へ取り付けるために用いるビス6、ボルト、ドリフトピン等の固定具6を挿通させるための貫通孔14が形成されている(図16参照)。図1に示した貫通孔14は、バランスよく6個穿設されているが構造設計に応じて適宜設計変更可能である。また、前記ビス6は、一例として、上方水平面部12aと木製横架材3を固定しているが、例えば、垂直面部12bに貫通孔を形成して固定するなど、受け部材1と木製横架材3がずれないように固定されていればよく、固定具はビス6に限らないし、また固定位置に拘わらず、どのように固定されてもよい。
また、当該上方水平面部12aは、図3と図5に示したように、木製横架材3の短手方向(軸垂直方向)に、若干長く(例えば、20~50mm程度)形成する形態でも好適に実施される。これにより、垂直面部11(12b)と木製横架材3との間にできた隙間に、耐火や吸音目的の面材9(本実施例では2枚だが枚数はこれに限定されない。)を挿入し、前記面材9を挟んだ状態で当該上方水平面部12aが木製横架材3の上面に載せられ、耐火設計では木製横架材3の両側面と下面を耐火材の面材9で保護することができる。また、床組と木製横架材3の接触面が減ることで、隣接する部屋への床上衝撃音の伝達を低減する。さらに吸音板の面材9の挿入や界壁を梁上面まで伸ばすことで遮音性が一層向上する。その際、当該面材9が木製横架材3側面の隙間を埋めるため、コンクリート5を打設した時に、コンクリート漏れが効果的に防止される。
なお、前記面材9は、例えば、壁材として下階の床まで伸びているもの(図示は省略)や、図示例のように木製横架材3の側面に接着剤等で固定する形態で好適に実施される。
また、なお、前記上方水平面部12aには、後述するように、木製横架材3の上面に載った際に同木製横架材3の所望位置で固定自在な調整孔12cを穿設した実施形態も採用される(図8と図9参照)。
前記受け部材1の寸法は、一例として、断面方向にみて(図16参照)、L字状アングル材の下方水平面部10の幅寸が64mm程度、垂直面部11の高さ寸法(全高)が121mm程度、板厚が6mm程度である。倒立L字状の掛止部12の上方水平面部12aの幅寸は57mm程度、その垂直面部12bの高さが121mm程度、板厚が6mm程度で、幅寸が110mm程度である。そして、前記垂直面部11の内側面に、前記掛止部12の垂直面部12bを溶接接合して一体化した組み合わせ構造とされている(図1~図3参照)。或いは、図4と図5に示したように、前記掛止部12の垂直面部12bと、下方水平面部10から起立する垂直面部11とが予め連続する単一部材としても好適に実施される。
なお、前記受け部材1の形態(形状、寸法)は勿論この限りではなく、前記デッキプレート2、木製横架材3の形態等を勘案した構造設計に応じて適宜設計変更される。
次に、上記構成の木製横架材3、デッキプレート2、及び受け部材1からなる木造建物の床組構造を実現するための手法(作業手順)について説明する。なお、以下に説明する手法はあくまでも一例に過ぎないことを念のため特記しておく。
先ず準備段階として、前記木製横架材(木製大梁)3を木造軸組構法により、各対向配置で例えば3m程度の間隔をあけて架設する(図15参照)。
次に、受け部材1の各掛止部12(上方水平面部12a)を前記木製横架材3の上面に載置する。その際、当該受け部材1の掛止部12(上方水平面部12a)部分は、予め木製柱4や中間柱40を避ける位置となるように設計されているので、図15に示したように、木製横架材3の上に掛止部12(上方水平面部12a)を確実に載せることができる。と共に、当該受け部材1の垂直面部11を前記木製横架材3の側面に当接させ、もって前記受け部材1を前記木製横架材3に位置決めする。本実施例では、木製横架材3の側面に2枚の面材9を介しているが、勿論面材9を介さなくてもよい(図16参照)。しかる後、前記掛止部12(上方水平面部12a)の前記貫通孔14にビス6を通して前記受け部材1を前記木製横架材3に定着させる。
各木製横架材3にも同様に受け部材1の取り付け作業を繰り返し行うことにより、各木製横架材3の内側面で垂直面部11(12b)が型枠のように配設される。
そして、前記デッキプレート2を所定の高さ吊り上げ、前記各受け部材1の下方水平面部10に落とし込みつつ位置決めして架設する作業を行う(図17、図18)。
具体的には、前記木製横架材3で囲われた面内に隙間なく前記デッキプレート2を敷設するべく、前記デッキプレート2の長手方向の両端部の谷部22を前記受け部材1の対応する下方水平面部10の上面に載置し、前記谷部22の前記貫通孔22aと下方水平面部10の前記貫通孔10aとの芯を一致させ、ボルト7を通してナット8で締結する作業を受け部材1の数に応じて繰り返し行い、もって、デッキプレート2を、受け部材1を介して木製横架材3に支持させてなる床組構造を実現する(図19)。
しかる後、構造設計に応じて、図20~図22に示したように、前記床組構造の各木製横架材3に架設したデッキプレート(合成スラブ用デッキプレート)2を型枠として、コンクリート5を掛止部12(上方水平面部12a)を含む木製横架材3の上面まで打設して不陸が解消される。しかもその際、前記受け部材1の垂直面部11が木製横架材3の内側面を完全に覆う型枠の役目を果たすので、コンクリート5の漏れが効果的に防止される(図20、図21参照)。コンクリート5の硬化後はデッキプレート2がコンクリート5と一体となって作用荷重を負担する床スラブ構造として実施してもよい。また、図示は省略するが、木製横架材3の上面とデッキプレート2の山部21の上面との差分の高さを有する床仕上げ材(フローリング、畳、タイル等)を敷設した床スラブ構造として実施してもよい。
図6~図9は、実施例2に係る木造建物の床組構造を示している。
この実施例2に係る木造建物の床組構造は、木製横架材3の内側面の一方に受け部材1を実施する上記実施例1と比し、同木製横架材3の内側面の他方にも受け部材1を実施するもので、受け部材1の掛止部12(上方水平面部12a)が、木製横架材3の上面を短手方向に連続して跨って載る形態である(図18参照)。その他の構成は上記実施例1と同様なので同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
図6は、木製横架材3の上面において、線対称に配設された上記受け部材1の各掛止部12の上方水平面部12a同士が対向する形で掛けられ、当該木製横架材3の両サイドの内側面に各垂直面部11(12b)が当接して各下方水平面部10がそれぞれ対称的に配設された実施例を示している。
図7は、上述した上方水平面部12aが木製横架材3の短手方向に若干長く形成され、木製横架材3の両サイドで、垂直面部11(12b)と木製横架材3との間に前記面材9をそれぞれ挿入した実施例を示している。
図8と図9は、上述した上方水平面部12aに、調整孔12cを穿設した実施例を示している。調整孔12cは、各上方水平面部12aの外方位置で、木製横架材3の短手方向(軸垂直方向)に5~15mm程度穿設された長孔として形成されている。そして、両端に調整孔13aが穿設された調整板13を、前記対向する各上方水平面部12aの上面に当接させ、上下に位置を合致させた各調整孔13a、12cに、ビス6で止めて当該各受け部材1を位置決め固定自在に構成されている。よって、当該受け部材1は、各掛止部12の上方水平面部12aが対向状態で木製横架材3の上面に載った際に、同木製横架材3の所望位置で固定される。
なお、図9は、掛止部12(上方水平面部12a)と垂直面部11とが単一部材で形成された受け部材1の実施例を示している。
図10~図14は、実施例3に係る木造建物の床組構造を示している。
この実施例3に係る木造建物の床組構造は、上記実施例2と比し、木製横架材3の両サイドに対向状態で配設する各受け部材1’が結合された単一部材でなる点が異なる。つまり、木製横架材3の上面で対向する掛止部12(上方水平面部12a)が、横向きコ字状に形成されており、受け部材1’の側面形状及び掛止部12の横断面形状がハット型に形成されている。上記実施例2における調整孔12cや調整板13はない。ビス6用の貫通孔14は、掛止部12(上方水平面部12a)の中央位置に6ケ所穿設されている。
図10と図11は、倒立L字状の掛止部12の垂直面部12bがL字状アングル材の垂直部10と接合された受け部材1’を示し、図12~図14は単一部材でなる受け部材1’を示している。また、図11と図14は、上述した面材9を使用した実施例を示している。
その他の構成は上記実施例1、2と同様なので、同一の符号を付してその説明を省略する。
この実施例3の受け部材1によれば、木製横架材3に上方から取り付けることで足り、前記実施例2のようにL字状の受け部材1を木製横架材3に2つ取り付けるよりも構造が安定し、部品点数を削減できる。
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために申し添える。
1 受け部材
10 下方水平面部
11 垂直面部
12 掛止部
12a 上方水平面部
12b 垂直面部
12c 調整孔
2 デッキプレート(合成スラブ用デッキプレート)
21 山部
22 谷部
22a 貫通孔
23 傾斜部
3 木製横架材(木製大梁)
4 木製柱
5 コンクリート
6 固定具(ビス)
7 固定具(ボルト)
8 ナット

Claims (6)

  1. 山部と谷部とが傾斜部を介して交互に連なり略台形の波形断面に屈曲形成されたデッキプレートを、受け部材を介して木製横架材に支持させてなる木造建物の床組構造であって、
    前記受け部材は、前記木製横架材の両サイドでそれぞれ長手方向に延び前記デッキプレートの端部の谷部を支持する下方水平面部と、前記木製横架材の側面に沿って起立する垂直面部とでL字状に形成され、さらに前記木製横架材の上面に跨って載る上方水平面部を備えた横向きコ字状の掛止部を前記垂直面部の長手方向に間隔をあけて複数設けてなる構造とされ、前記掛止部を前記木製横架材の上面に掛け止めた状態で前記各下方水平面部により前記デッキプレートをそれぞれ支持することを特徴とする、木造建物の床組構造。
  2. 前記受け部材は、単一部材、又は前記下方水平面部及び垂直面部を一部材とし、前記掛止部を一部材とする組み合わせ構造であることを特徴とする、請求項1に記載した木造建物の床組構造。
  3. 前記受け部材の掛止部は、前記木製横架材の上面に載る上方水平面部と、同木製横架材の側面に沿って垂下する垂直面部とで倒立L字状又は横向きコ字状に形成され、前記掛止部の垂直面部が、前記木製横架材の両サイドの各受け部材又は一方の側面の受け部材の垂直面部に接続されてなることを特徴とする、請求項1又2に記載した木造建物の床組構造。
  4. 前記受け部材の上方水平面部は、前記木製横架材の短手方向に若干長く形成され、その垂直面部と前記木製横架材と間に、面材を挟んだ状態で当該上方水平面部が木製横架材の上面に載ることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載した木造建物の床組構造。
  5. 前記受け部材の掛止部の上方水平面部には、前記木製横架材の上面に載った際に同木製横架材の所望位置で固定自在な調整孔が穿設されていることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載した木造建物の床組構造。
  6. 前記受け部材の下方水平面部の上面に、前記デッキプレートの端部の谷部が支持され、前記デッキプレートの上面及び当該受け部材の上方水平面部を含む木製横架材の上面にコンクリートが打設されて前記木製横架材と一体化されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載した木造建物の床組構造。
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