JP7457212B2 - エンジン制御装置 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
この出願は、2022年2月24日に日本に出願された特許出願2022-27195号を基礎としており、基礎の出願の内容を、全体的に、参照により援用している。
本開示は、エンジン制御装置に関し、特にデータの収納領域を有してデータの書込み及び消去が可能で、かつ、書込み回数記憶領域を有して書込み回数を記憶する不揮発性メモリを用いるエンジン制御装置に関する。
エンジン制御装置に不揮発性メモリを用い、この不揮発メモリへの書込み回数を制限する技術は特許文献1に開示されている。
特開平7-287604号公報
特許文献1に記載のエンジン制御装置は、制限回数を超えた不揮発性メモリへの書き込みを回避することはできている。しかし、制限回数に到達すると書込みを停止するため、エンジン制御装置における該当制御の機能の低下を招いてしまう。
本件の開示は、エンジン制御の機能低下を防ぎつつ、不揮発性メモリへの制限回数を超えた書込みを対策できるようにすることを課題とする。
本開示の一つは、データの収納領域を有してデータの書込み及び消去が可能で、かつ、書込み回数記憶領域を有して書込み回数を記憶する不揮発性メモリと、この不揮発性メモリへの書込み及び読み出しを行うコンピュータとを備えるエンジン制御装置である。
そして、本開示のコンピュータは、エンジン制御装置の想定製品寿命期間に対する不揮発性メモリが保証する最大保証書込み回数から、エンジン制御装置の使用期間あたりの上限回数を示す使用上限値を定める。また、コンピュータは、不揮発性メモリの実書込み回数をカウントして、エンジン制御装置の使用期間あたりの実回数を示す実書込み値を作成する。そして、コンピュータは、実書込み値が使用上限値を所定値以上上回ると判断すると、不揮発性メモリへの書込み回数が低減するよう書込み制限処理を行う。
本開示のエンジン制御装置は、将来的な不揮発性メモリへの制限回数を超えた書込みの可能性を早期に検知することができる。書込み制限処理を行うことで、製品寿命中の機能低下(メモリ書込み停止)を回避することが可能となる。
本開示の他では、コンピュータは、書込み制限処理により実書込み値が使用上限値を所定値以上下回ると判断すると、書込み制限処理を解除する。書込み制限処理は緊急避難的な処置であるので、書込み頻度が正常に戻れば、エンジン制御も通常に戻す。
本開示の更に他は、書込み制限処理を、書込みを制限するための閾値を予め設定し、この閾値を用いて不揮発性メモリへの書込み回数を低減する処理としている。エンジン制御では新たな値が閾値を超えない場合に書込み処理を制限しても制御を行うことがある。このような制御を行う場合には、閾値を用いることで書込み回数を低減することができる。
本開示の更に他では、コンピュータは、使用上限値より書込み回数を少なくした理想書込み値を作成している。そして、実書込み値がこの理想書込み値を上回ると判断すると、書込み制限処理を行う予告を行うか否かを判断する。
本開示の更に他では、コンピュータは、エンジン制御の機能別に分類される複数グループの制御を行い、書込み制限処理は、複数グループの制御のうち書込み回数が多いグループから順に適用している。書込み回数が多いグループから順に行うことで、書込み制限処理を効率的に行うことができる。
本開示の更に他では、コンピュータは、エンジン制御の機能別に分類される複数グループの制御を行い、書込み制限処理は、複数グループの制御のうちエンジン制御を行う上での優先度が低いグループから順に適用している。エンジン制御を行う上での優先度が低いグループから順に行うことで、書込み制限処理による機能低下を抑制することができる。
本開示の更に他では、コンピュータは、不揮発性メモリへの先回の書込み終了後の書込み回数を記憶し、不揮発性メモリへの今回の書込み終了後の書込み回数を検知し、書込み制限処理は、不揮発性メモリへの先回の書込み終了後と今回の書込み終了後の書込み回数の差である書込み制限回数に基づいて不揮発性メモリへの書込み回数を低減する処理としている。
本開示の更に他のエンジン制御装置は、コンピュータの動作状態を使用者に示すディスプレイを更に有している。そして、コンピュータは、書込み制限処理を行う状態であることをディスプレイで表示する警告フラグをディスプレイに出力する。乗員は、警告フラグにより、書込み制限処理を行う状態であることを把握することができる。
本開示の更に他は、実書込み値が理想書込み値を上回ると判断すると、理想書込み値を上回る状態であることをディスプレイで表示する予告フラグをディスプレイに出力する。乗員は、予告フラグにより、理想書込み値を上回る状態であることを把握することができる。
本開示の更に他のコンピュータは、実書込み値が最大保証書込み回数に対して回数保証割合を超えたか否かを判断し、実書込み値が回数保証割合を超えると書込み制限処理を行い、実書込み値が回数保証割合を超えないと書込み制限処理より緩和した緩和処理を行うようにしている。書込み制限処理を行うのに先立ち、書込み制限処理より緩和した緩和処理を行うことで、製品寿命中の機能低下(メモリ書込み停止)の効果は多少減ぜられるものの、エンジン制御装置の機能を維持することができる。
本開示の更に他のコンピュータは、エンジン制御装置の実使用時間が想定製品寿命期間に対して期間保証割合を超えたか否かを判断し、実使用時間が期間保証割合を超えると書込み制限処理を行い、実使用時間が期間保証割合を超えないと書込み制限処理より緩和した緩和処理を行うようにしている。この更に他の開示も、書込み制限処理を行うのに先立ち、書込み制限処理より緩和した緩和処理を行うようにしている。これにより、製品寿命中の機能低下(メモリ書込み停止)の効果は多少減ぜられるものの、エンジン制御装置の機能を維持することができる。
本開示の更に他の緩和処理は、書込み制限処理を不成立としている。即ち、緩和処理では通常の書込み処理を行うようにしている。製品寿命中の機能低下(メモリ書込み停止)の効果は得られないが、エンジン制御装置の機能を維持することができる。
本開示の更に他の緩和処理は、書込み制限処理が緩和回数継続するまで、書込み制限処理を不成立としている。即ち、緩和処理では、書込み制限処理が緩和回数継続しなければ、通常の書込み処理を行うようにしている。製品寿命中の機能低下(メモリ書込み停止)の効果を充分得ることはできないが、エンジン制御装置の機能を維持することができる。
本開示の更に他の書込み制限処理は、書込みを制限するための書込み閾値を予め設定し、この書込み閾値を用いて不揮発性メモリへの書込み回数を低減する処理としている。そして、緩和処理は、書込み制限処理の書込み閾値より緩和した緩和閾値を用いて不揮発性メモリへの書込み回数の低減を緩和する処理である。即ち、緩和処理の緩和閾値を、書込み閾値より小さな値として、書込みしやすくしている。これにより、緩和処理での不揮発性メモリへの書込み回数の低減処理は、書込み制限処理での不揮発性メモリへの書込み回数の低減処理に比べて少なくなる。製品寿命中の機能低下(メモリ書込み停止)の効果は減ぜられるが、エンジン制御装置の機能を維持することができる。
本開示の更に他のコンピュータは、不揮発性メモリへの先回の書込み終了後の書込み回数を記憶し、不揮発性メモリへの今回の書込み回数を検知している。そして、書込み制限処理は、不揮発性メモリへの先回の書込み終了後と今回の書込み回数の差である書込み制限回数に基づいて不揮発性メモリへの書込み回数を低減する処理としている。且つ、緩和処理は、書込み制限処理の書込み制限回数より回数を緩和した緩和処理回数で不揮発性メモリへの書込み回数の低減を緩和する処理としている。即ち、緩和処理での緩和処理回数を、書込み制限処理の処理タイミングの回数より大きな値としている。これにより、緩和処理での不揮発性メモリへの書込み回数の低減処理は、書込み制限処理での不揮発性メモリへの書込み回数の低減処理に比べて少なくなる。製品寿命中の機能低下(メモリ書込み停止)の効果は減ぜられるが、エンジン制御装置の機能を維持することができる。
本開示の更に他のコンピュータは、実書込み値が最大保証書込み回数に対して回数保証割合以下であるか及びエンジン制御装置の使用時間が想定製品寿命期間に対して期間保証割合以下であるかを判断する。そして、更に他のコンピュータは、回数保証割合及び期間保証割合の少なくともいずれかが割合を超えると書込み制限処理を行う。一方、更に他のコンピュータは、回数保証割合及び期間保証割合の双方が割合を超えないと書込み制限処理より緩和した緩和処理を行う。回数保証割合及び期間保証割合の少なくともいずれかが割合を超えると書込み制限処理を行うことで、書込み制限処理を行いやすくしている。製品寿命中の機能低下(メモリ書込み停止)の効果を得やすくしている。
本開示の更に他のコンピュータも、実書込み値が最大保証書込み回数に対して回数保証割合以下であるか及びエンジン制御装置の使用時間が想定製品寿命期間に対して期間保証割合以下であるかを判断している。そして、更に他のコンピュータは、回数保証割合及び期間保証割合の双方が割合を超えると書込み制限処理を行い、回数保証割合及び期間保証割合の少なくともいずれかが割合を超えないと書込み制限処理より緩和した緩和処理を行う。回数保証割合及び期間保証割合の少なくともいずれかが割合を超えないと緩和処理を行うことで、緩和処理の機会を増やしている。エンジン制御装置の機能維持を優先した処理としている。
図1は、エンジン制御装置のシステム構成図である。 図2は、想定製品寿命と最大保証書込み回数との関係を示す図である。 図3は、予告フラグ処理のフローチャートである。 図4は、書込み実行処理と書込み制限処理のフローチャートである。 図5は、不揮発性メモリのメモリマップを示す図である。 図6は、書込み実行処理と書込み制限処理のタイミングチャートである。 図7は、書込み制限処理のフローチャートである。 図8は、書込み制限処理の他の例のフローチャートである。 図9は、書込み制限処理の更に他の例のフローチャートである。 図10は、回数保証割合を用いた緩和処理と書込み制限処理のタイミングチャートである。 図11は、回数保証割合を用いた緩和処理と書込み制限処理のフローチャートである。 図12は、回数保証割合を用いた緩和処理と書込み制限処理の他の例のタイミングチャートである。 図13は、緩和処理のフローチャートである。 図14は、回数保証割合を用いた緩和処理と書込み制限処理の更に他の例のタイミングチャートである。 図15は、緩和処理の他の例のフローチャートである。 図16は、緩和処理の更に他の例のフローチャートである。 図17は、緩和処理の更に他の例のフローチャートである。 図18は、期間保証割合を用いた緩和処理と書込み制限処理のタイミングチャートである。 図19は、期間保証割合を用いた緩和処理と書込み制限処理のフローチャートである。 図20は、回数保証割合と期間保証割合を用いた緩和処理と書込み制限処理のタイミングチャートである。 図21は、回数保証割合と期間保証割合を用いた緩和処理と書込み制限処理のフローチャートである。 図22は、回数保証割合と期間保証割合を用いた緩和処理と書込み制限処理の他の例のフローチャートである。
以下、本開示の一例を図に基づいて説明する。図1に示すように、エンジン制御装置100は、制御部110と駆動回路120を有している。制御部110にはコンピュータ111、不揮発性メモリ112及び揮発性メモリ113が含まれる。
駆動回路120には各種のセンサ130からの入力信号が入力される。センサ130としては、例えば、図示しないエンジンのクランクシャフトの位置を検出するクランク角センサ131がある。このクランク角センサ131からの入力信号で、エンジンのピストンの位置やエンジン回転数が検知できる。
センサ130としては、図示しないエンジンの吸気通路に配置されたスロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ132がある。このスロットル開度センサ132からの入力信号で、エンジン回転中の吸気量を測定することができる。また、スロットル開度センサ132からの信号で、エンジンのアイドリング状態でのスロットルバルブの開度が検知できる。
センサ130には、また、エンジンの点火を指示するイグニッションスイッチ133も含まれる。イグニッションスイッチ133がオンとなるとエンジン回転開始の信号が駆動回路120に入力される。そして、イグニッションスイッチ133がオフとなるとエンジン停止の信号が駆動回路120に入力される。
センサ130には酸素濃度センサ134も含まれる。酸素濃度センサ134は、図示しないエンジンの排気通路に配置されて、排気ガス中の酸素濃度を測定するセンサ130である。酸素濃度センサ134と共に、排気ガス中の窒素酸化物濃度を検出するNOx検出センサもセンサ130に含まれる。
また、メータのタッチパネル135から入力される乗員の操作信号もセンサ130に含まれる。乗員からの指示情報としては、クルーズコントロールの速度やモードがある。また、二輪車で採用されるクイックシフトの情報もタッチパネル135からの情報に含まれる。ただ、二輪車では、タッチパネル135を用いることなく、ハンドル付近に設置されたスイッチを操作する場合も多い。本例では、そのようなスイッチも含めて乗員の操作信号をセンサ130に含んでいる。また、センサ130にはその他にも各種センサ136が存在する。
また、駆動回路120からは各種のアクチュエータ140に向けて駆動信号が出力される。アクチュエータ140も各種の機器がある。例えば、エンジンに燃料を噴射するインジェクタ141や、エンジンに吸入された燃料及び空気を燃焼させる点火コイル142はアクチュエータ140である。上記のスロットルバルブの開度を実際に可変するスロットル制御モータ143もアクチュエータ140に含まれる。かつ、上記のメータも乗員に対して各種の状況を示すディスプレイ144としてアクチュエータ140に含まれる。他にも各種アクチュエータ145が存在する。
エンジン制御として、例えば、アイドルスピードコントロール学習制御では、クランク角センサ131からのエンジン回転数やスロットル開度センサ132からのスロットルバルブ開度の信号に基づいて、所定のアイドリング状態を策定する。このアイドリング状態はエンジンの温度や車両の空調状態等、エンジンの負荷に応じても変動する。そして、策定したアイドリング状態となるように、スロットル制御モータ143を駆動する。スロットル制御モータ143を駆動して想定したアイドリング状態となっているのかを、クランク角センサ131からのエンジン回転数信号とスロットル開度センサ132からの信号に基づいて確認する。想定したエンジン回転数と実際のエンジン回転数との間にずれが生じている場合には、スロットルバルブの開度を補正し、そのずれ(補正量)を学習する。
同様に、スロットルバルブの開度に関するスロットル全閉角度学習制御も、エンジン制御に含まれる。スロットルバルブが全閉状態である時の位置を、スロットル開度センサ132からの信号を用いて学習し、スロットルバルブの機械的な位置ずれを補正するのに利用する。学習したスロットルバルブ全閉位置のスロットル開度センサ132のセンサ信号値を基準として、正しく全閉位置に制御されているか否かを判定する。エンジン制御装置100の故障に備えて退避走行が可能となるよう、所定量の吸気は通過するようにしている。この退避走行時も学習した全閉位置を基準にスロットルバルブを制御する。
上記のようなフィードバック制御を行う上で必要なデータには、例えば予測に対する実測のずれを学習した学習値が含まれる。そして、このようなデータは不揮発性メモリ112に記憶される。エンジン制御装置100がエンジン制御を行う上で不揮発性メモリ112に記憶されるデータは他にも多種類存在する。例えば、クルーズコントロールを行う際の目標車速は不揮発性メモリ112に記憶される。また、クルーズコントロールの運転モード情報も不揮発性メモリ112に記憶される。運転モード情報は、メータのタッチパネル135からのスイッチ操作の情報が車載CANを用いた通信で駆動回路120より制御部110に入力する。運転モード情報としては、クルーズコントロールモードの他に、クイックシフト機能の設定等が含まれる。
不揮発性メモリ112に記憶されるデータとしては、例えば、故障モードOBD診断履歴がある。故障モードOBDとしては、故障履歴や、異常検出時のエンジン状態等を記憶したフリーズフレームデータや、故障警告灯MILの点灯情報等が含まれる。更には、通算走行距離情報も不揮発性メモリ112に記憶されるデータに含まれる。
ここで、不揮発性メモリ112は、正常な書込みが保証される最大保証書込み回数Aが定められている。不揮発性メモリ112の容量や使用環境等により、最大保証書込み回数Aは異なるが、数十万回から百万回以上の回数が最大保証書込み回数Aとして通常定められている。また、センサ130やアクチュエータ140も含めてエンジン制御装置100にも想定製品寿命期間Bが定められている。この想定製品寿命期間Bもエンジン制御装置100の仕向け地を含む使用環境等により異なるが、通常は十年以上の期間が想定製品寿命期間Bとして定められている。換言すれば、エンジン制御装置100はこの想定製品寿命期間B中、正常に動作するよう設計される。
図2に、不揮発性メモリ112の最大保証書込み回数Aと、エンジン制御装置100の想定製品寿命期間Bとの関係を示す。図2では、縦軸が不揮発性メモリ112の累積書込み回数であり、横軸はエンジン制御装置100の使用時間を示す。
コンピュータ111は、エンジン制御装置100の想定製品寿命期間Bに対する不揮発性メモリ112の最大保証書込み回数Aから、エンジン制御装置100の使用時間あたりの上限回数を示す使用上限値Xを定めている。この使用上限値Xの使用開始時(t=0)X0の値は、最大保証書込み回数Aの5%としている。この開始点X0から最大保証書込み回数Aに向けた直線を引くことで、使用上限値Xの傾きが決定される。但し、使用上限値Xは最大保証書込み回数Aまでは許容していない。最大保証書込み回数Aの95%を使用上限値Xの許容上限値Xmaxとしている。即ち、使用上限値Xは、許容上限値Xmaxまでは時間と共に増加するが、許容上限値Xmaxに到達すると以降は一定値となる。後述するように、不揮発性メモリ112の使用回数は不揮発性メモリ112自体に記録されている。また、エンジン制御装置100の使用期間は制御部110のカレンダー機能を用いて算出する。
エンジン制御装置100、およびコンピュータ111を提供するシステム、または、装置は、電子的なコントローラを備える。コントローラは、少なくともひとつのプロセッサ回路を備える。プロセッサ回路のひとつの例は、複数のインストラクションの集合体としてのプログラムを実行するプロセッサ回路である。プロセッサ回路は、いわゆるマイクロプロセッサであって、チップとして提供される。コントローラは、プログラム、および、データを記録する非一時的で実体的な記録媒体を備える。プロセッサ回路は、プログラムを実行することにより、この開示に係る装置の機能を提供する。プロセッサ回路の他のひとつの例は、複数の論理回路、または、アナログ回路を含むプロセッサ回路である。複数の論理回路、または、アナログ回路は、この開示に係る装置の機能を提供するように、実体的な複数の素子、および、それらの電気的な接続が構成されている。プロセッサ回路は、アクセラレータ、ゲートアレイ、FPGA(Field-programmable gate array)など多様な呼び名を有する。コントローラは、マイクロコントローラ、または、マイクロコンピュータとも呼ばれる。
従って、コンピュータ111は、不揮発性メモリ112の実書込み回数をカウントして、エンジン制御装置100の使用時間あたりの実回数を示す実書込み値Yを作成することができる。かつ、コンピュータ111は、使用上限値Xより書込み回数を少なくした理想書込み値Zも定めている。この理想書込み値Zと使用上限値Xとの幅は、やはりエンジン制御装置100の仕向け地を含む使用環境等に応じて定められる。例えば、理想書込み値Zは使用上限値Xより5~15%程度書込み回数を少なくする。従って、理想書込み値Zの使用開始時(t=0)Z0の値は0であり、使用終了時(t=B)Zendの値は最大保証書込み回数Aの85~95%となる。
次に、コンピュータ111の書込み頻度判定P200を図3に基づいて説明する。コンピュータ111では、後述する書込み処理P210を行うにあたり、まず、書込み頻度判定P200を行う。書込み頻度判定P200では、実書込み値Yが理想書込み値Zを上回っているかどうかを比較する予告比較ステップP201を行う。実書込み値Yが理想書込み値Zと等しいか理想書込み値Zより少なければ(No)、書込み処理P210へと進む。逆に、実書込み値Yが理想書込み値Zを上回っていれば(Yes)、予告フラグをオンとする予告ステップP202を行ったうえで書込み処理P210に進む。実書込み値Yが理想書込み値Zを上回るのは、例えば、エンジンのオンオフが想定以上に繰り返されたり、センサ130が何らかの理由で安定せず、想定以上の信号が入力されたりした場合等がありうる。
なお、予告ステップP202は、図2においても実書込み値Yが理想書込み値Zを上回った時点としてP202で示している。予告フラグがオンとなると、メータのディスプレイ144に予告フラグの表示が点灯する。これにより、乗員は通常以上に不揮発性メモリ112に書込みがなされていることを認知することができる。ただ、予告であるので、例えばエンジンの始動時のみに点灯する等、後述する警告フラグと区別できる態様での表示とすればよい。
書込み処理P210のフローチャートは、図4に示す。この書込み処理P210では、まず、予告フラグがオンとなっているか否かのオン判定P211を行う。予告フラグがオンでなければ(No)、実書込み値Yは理想書込み値Zを上回っていないので、そのまま書込み実行処理P212を行う。書込み実行処理P212がなされる都度、今回の書込み回数を加えるインクリメント処理P213を行う。ただ、このインクリメント処理P213の書込みは、例えば、アイドルスピードコントロール学習制御ISCのようにエンジンの停止時に行う場合もあり、他の例ではエンジンの運転中に行うものもある。
予告フラグがオンとなっているときは(Yes)、実書込み値Yが使用上限値Xを上回っているかどうかを比較する警告比較ステップP214を行う。実書込み値Yが使用上限値Xと同等か使用上限値Xより少なければ(No)、上述の書込み実行処理P212を行う。逆に、実書込み値Yが使用上限値Xを上回っていれば(Yes)、警告フラグをオンとする警告ステップP216を行い、かつ、書込み制限処理P215を行う。書込み制限処理P215に付いては後述する。インクリメント処理P213若しくは書込み制限処理P215を行うことで、フローチャートを終了する(P220)。
この書込み制限処理P215及び警告ステップP216のタイミングも、同じ符号を用いて図2に示している。警告フラグがオンとなった際には、メータのディスプレイ144には警告フラグの表示が点灯する。これにより、乗員は書込み制限処理P215が開始されたことを認識することができる。
次に、書込み制限処理P215を図6に示すタイミングチャート及び図7に示すフローチャートを用いて説明する。例えば、アイドルスピードコントロール学習制御ISCの例では、学習はエンジン回転開始の時点(L100)から開始される。このエンジン回転開始時(L100)は、イグニッションスイッチ133がオンとなった信号の入力で判断する。そして、エンジンの運転状況に応じて学習値は変化する(L101)。そして、エンジンの停止時(L102)でエンジン回転開始時(L100)に対して学習値が変化していれば、不揮発性メモリ112に書込みを行う(L103)。上述の通り、書込みはエンジンの停止を示すイグニッションスイッチ133のオフのタイミングでなされる。
学習値(L105)の書込み(L103)は、学習値の変化量の大きさに拘わらず、変化があったか否かで判断する。その為、2回目のエンジン回転開始時(L104)からの学習値(L105)に関しても、2回目のエンジン停止時(L106)に学習値に変化があれば書込みを行う(L1030)。2回目の書込み(L1030)は、1回目のエンジン回転開始(L100)からの学習値(L101)と2回目のエンジン回転開始時(L104)からの学習値(L105)との大小に拘わらず行われる。
これを、不揮発性メモリ112のメモリマップで示すと図5のようになる。不揮発性メモリ112のデータ領域1120のうち、アイドルスピードコントロール学習制御はISC制御領域1121のデータを用いて制御され、学習値の書込みもこのISC制御領域1121になされる。そして、1回目エンジン停止時(L102)や2回目エンジン停止時(L107)に書込みを行ったことの情報は、書込み回数記憶領域1122の値が1つインクリメントされることで記憶される。上述の通り、このインクリメント回数の最大保証書込み回数Aは数十万回から百万回以上の回数となっている。
ただ、2回目書込みを行った(L1030)結果、警告ステップP216の警告フラグがオンとなると、書込み制限処理P215が開始される。書込み制限処理P215では、図7に示すように学習値の変化の有無ではなく学習値の変化量が所定の書込み閾値(Dプラス、Dマイナス)を超えたか否かで、不揮発性メモリ112に対する書込みを判断する(ステップP217)。即ち、学習値のプラス方向の変化量が書込み閾値Dプラスを超えたか、若しくは学習値のマイナス方向の変化量が書込み閾値Dマイナスを超えたかを判断する。
なお、書込み閾値(Dプラス、Dマイナス)は、各センサ130に応じ予め設定された書込みを制限するための閾値である。そして、書込み閾値(Dプラス、Dマイナス)の値は、各センサ130に応じて異なっている。そして、プラス方向の書込み閾値Dプラスとマイナス方向の書込み閾値Dマイナスの大きさは、条件に応じて適宜設定する。その為、プラス方向の書込み閾値Dプラスの絶対値と、マイナス方向の書込み閾値Dマイナスの絶対値とは一致する場合も一致しない場合もある。
図7では学習値のプラス方向の変化量とマイナス方向の変化量を合わせて記載している。その為、図7の書込み閾値Dは、プラス方向の書込み閾値Dプラスとマイナス方向の書込み閾値Dマイナスの双方を含んでいる。
書込み制限処理P215が開始された時点である3回目のエンジン回転開始時(L107)からの学習値の変化量(L108)が書込み閾値Dマイナスを超えると、ステップP217の判断がYesとなり、3回目エンジン停止時(L109)に書込み実行処理を行う(L110、P212)。上述の通り、書込み回数記憶領域1122の値が1つインクリメントされる(P213)。
一方、書込み制限処理P215が開始された状態では、4回目エンジン回転開始時点(L111)からの学習値の変化量(L112)が閾値Dプラスを超えなければ、ステップP217の判断がNoとなる。この場合には、仮に学習値に変化があったとしても、4回目エンジン停止時(L113)には書込みを行わない(L114、P218)。その為、書込み回数記憶領域1122の値はインクリメントされない。従って、その次の5回目エンジン回転開始時(L115)は以前の3回目エンジン停止時(L109)の値をそのまま継続して使用する。これは、書込み閾値(Dプラス、Dマイナス)を超えない範囲であればエンジン制御に及ぼす影響が大きくなく、エンジン制御としても許容できるからである。
ただ、その後の学習値の変化量(L116)が閾値Dマイナスを超えると、ステップP217の判断がYesとなる。この場合には、書込み制限処理P215中であっても、次の5回目エンジン停止時(L117)には書込み実行処理を行う(L118、P212)。これによって、書込み回数記憶領域1122の値が1つインクリメントされる(P213)。このインクリメント処理P213若しくは書込みを行なわない処理P218により、フローチャートを終了する(P220)。
そして、警告比較ステップP214で、実書込み値Yが使用上限値Xと同等であるか使用上限値Xより少なくなれば(No)、次回の6回目エンジン回転開始時(L119)からは通常のアイドルスピードコントロール学習制御ISCに復帰する。その為、6回目エンジン停止時(L121)に学習値(L120)に変化があれば、不揮発性メモリ112に書込み実行処理を行い(L122、P212)、今回の書込み回数をインクリメントして(P213)、フローチャートを終了する(P220)。
以上は、アイドルスピードコントロール学習制御ISCに付いて説明したが、書込み制限処理P215は上述したセンサ130からの入力情報や、入力情報に基づく各種のエンジン制御に対応する。そのため、書込み制限処理P215は、不揮発性メモリ112への書込み回数の多い制御や情報から順に適用するようにしている。この書込み回数はエンジンの運転状況に応じて種々変化するので、一概には決定できない。ただ、標準的な使用であれば、上述の例では、酸素濃度フィードバック学習、アイドルスピードコントロール学習制御ISC、スロットル全閉開度学習や通算走行距離などは書込み回数が多い制御や情報に該当する。次いで、書込み回数が多い情報には、クルーズコントロール目標速度や運転モード情報等がある。それらに比して、故障モードOBD診断履歴情報は書込み回数が少なくなっている。
ただ、書込み制限処理P215は書込み回数によるのではなく、エンジン制御を行う上での優先度に応じ、優先度の低い制御や情報から行うようにしてもよい。上述の情報の中では、故障モードOBD診断履歴情報の優先度が最も高く、従って、故障モードOBD診断履歴情報に対する書込み制限処理P215は最後とする。それ以外の制御や情報に優先度は決定しづらく、書込み回数順となる。
なお、上述の例は本開示の望ましい例ではあるが、本開示は種々に変更可能である。例えば、書込み制限処理P215として、上記の例では、書込み制限処理P215で書込み閾値Dを超えた場合には、その時間に拘わらず書込みを実行していた。これを、エンジン回転開始からの変化量が書込み閾値Dを超えた時間が、一定時間以上継続した時のみに書込み実行処理(P212)するようにしても良い。これにより、書込み制限処理P215で更に書込み回数を抑制することができる。
また、上述の例では、実書込み値Yが使用上限値Xを上回っているかどうかを比較する警告比較ステップP214で、実書込み値Yが使用上限値Xを上回っている(Yes)時である書込み制限処理P215時のみ書込み閾値を採用していた。これを、警告比較ステップP214で、実書込み値Yが使用上限値Xを上回っていない(No)正常時にも書込みを行うか否かの判断をプラス側及びマイナス側に書込み閾値を超えるか否かで判断するようにしてもよい。その場合には、正常時の閾値(緩和閾値)の値に対して、書込み制限処理P215を行うときの閾値(書込み閾値D)をより大きくして、正常時は書込み制限処理P215より制限を緩和する緩和処理とするのが望ましい。この緩和処理の例に関しては後述する。
また、上述の例では、先回のエンジン停止時にインクリメントした書込み回数や学習値を記憶しておき、先回の記憶値と、今回のエンジン停止時にインクリメントした書込み回数や学習値から、次回に書込み制限処理P215を行うか否かを判断していた。これを、今回のエンジン運転開始時の書込み回数や学習値を記憶するようにしても良い。今回の運転開始時の記憶値と、今回のエンジン停止時にインクリメントした書込み回数や学習値との比較で、次回に書込み制限処理P215を行うか否かを判断するようにしてもよい。
この書込み制限処理P215の他の例に付いて、図8のフローチャートを用いて説明する。上述の通り、不揮発性メモリ112の書込み回数記憶領域1122には先回の書込み終了後の書込み回数が記憶されている。コンピュータ111は不揮発性メモリ112への今回の書込み回数を検知して、不揮発性メモリ112への先回の書込み終了後の書込み回数と今回の書込み終了後の書込み回数の差を計算する。
そして、書込み制限処理P215が開始されると、計算した不揮発性メモリ112への先回の書込み終了後の書込み回数と今回の書込み回数の差が、所定の書込み制限回数Kより多くなっているか否かを判断する(ステップP219)。即ち、書込み制限処理P215の他の例は、不揮発性メモリ112への先回の書込み終了後と今回の書込み回数の差である書込み制限回数Kに基づいて行われる。学習値の書込み回数差が書込み制限回数Kより多いと(Yes)、書込み制限を行って、書込み頻度を減らす。逆に、学習値の書込み回数差が書込み制限回数Kより多くなければ(No)、書込み制限は行わない。
例えば、書込み制限回数Kを5回とした場合、5回までは書込み制限回数Kより多くないので(No)、書込みを行い、書込み回数記憶領域1122の値を1つインクリメントする(P213)。一方、学習値の書込み回数差が6回となり書込み制限回数Kより多くなれば(Yes)、書込み実行処理は行わない(P218)。これにより、書込み制限処理P215で書込み回数を抑制することができる。そして、この書込みを行なわない処理P218若しくはインクリメント処理P213により、フローチャートを終了する(P220)。
また、エンジンの運転開始や停止が極めて頻繁に行われる際には、エンジン停止時毎に書込み回数をインクリメントするのではなく、複数回に一度のインクリメントとしてもよい。若しくは、所定時間以上エンジンが運転された後でのエンジン停止時に書込み回数をインクリメントするようにしてもよい。
この書込み制限処理P215の他の例の内、前者のエンジン停止回数に応じて書込み制限処理P215を行う例に付いて、図9のフローチャートを用いて説明する。書込み処理P210の場合は、エンジン停止毎にインクリメントした書込み回数を不揮発性メモリ112の書込み回数記憶領域1122に記憶している。それに対し、この例ではステップP230で、エンジンの運転中に書込み実行処理(P212)がなされた際のエンジン停止回数が所定の書込み停止回数Mを超えたか否かを判断する(P230)。
エンジン停止回数が書込み停止回数Mより多い(Yes)時のみ、書込み実行処理P212を行い、書込み回数記憶領域1122の値を1つインクリメントする(P213)。そして、エンジン停止回数が書込み停止回数M未満であれば(No)、書込み実行処理は行わない(P218)。これにより、書込み制限処理P215で書込み回数を抑制できる。この書込みを行なわない処理P218若しくはインクリメント処理P213により、フローチャートを終了する(P220)のは、図7や図8の例と同様である。
また、上述の例では、予告フラグや警告フラグがオンとなったことをメータのディスプレイ144に表示した。これは、乗員に状況を知らせる上で望ましい。ただ、一方で乗員により多くの情報を提示することとなり、不快感を与える可能性もある。そこで、予告フラグ等がオンとなった情報は、エンジン制御装置100内部で記憶するのみとし、ディスプレイ144には表示しないようにしてもよい。警告フラグに対しても、同様の扱いとしても良い。即ち、警告フラグ等がオンとなった情報は、エンジン制御装置100内部で記憶するのみとしたり、通信手段により外部端末へ通知したりして、ディスプレイ144には表示しないようにしてもよい。仮に乗員に知らせることが無いとしても、書込み制限処理P215を行うことで不揮発性メモリ112への制限回数を超えた書込みを対策することができる。
また、上述の例では、警告フラグがオンとなるのに先立ち、予告フラグがオンとなるか否かの予告ステップP202を行っていた。事前に状況を把握することができて望ましい。ただ、制御フローチャートが冗長となる可能性もある。そこで、予告ステップP202を廃止することも可能である。特に、上記の通り、予告フラグがオンとなった情報をディスプレイ144に表示しない場合には、予告ステップP202を廃止してもその影響は少ない。
次に緩和処理に付いて説明する。図2に示した例では、不揮発性メモリ112の書込み制限処理P215を使用開始直後から最大保証見込み回数となるまで全期間に亘って行うようにしていた。書込み回数の制限を行う上では望ましい処理である。一方で、エンジン制御装置100としては、例えばアイドルスピードコントロール学習制御ISCの場合には学習機能を制限することとなるので、正確な制御を行えなくなる恐れもある。そこで、図10のタイムチャートや図11のフローチャートに示すように、実書込み値Yが最大保証書込み回数Aに対して回数保証割合A1以下であるか否かを判断する(ステップP221)ようにしても良い。実書込み値Yが回数保証割合A1より少ない場合(No)には、書込み制限処理P215より緩和した緩和処理P222を行う。そして、実書込み値Yが回数保証割合A1より多くなってから(Yes)書込み制限処理P215を開始するようにしても良い。
図10の例では、実書込み値Yが使用上限値Xを超えても、実書込み値Yが回数保証割合A1より少ない場合は書込み制限処理P215を行っていない。実書込み値Yが回数保証割合A1に達してから書込み制限処理P215を行うようにしている。この回数保証割合A1は、最大保証書込み回数Aに比して30%から70%程度の割合で、エンジン制御装置100の仕向け地を含む使用環境等に応じて設定する。そして、図10の例では、書込み制限処理P215を行なわないことが、緩和処理P222としている。
ただ、緩和処理P222は、図10に示す書込み制限処理P215を行なわないことには限られない。図11のフローチャートに示すように、書込み制限処理P215を行なわないことは一例であり、他に書込み閾値Dより緩和した緩和閾値Eを採用したり、書込み制限回数Kより緩和した緩和処理回数Lを採用したりしても良い。また、書込み処理P210を行う為のエンジン停止の回数を、書込み停止回数Mより緩和した緩和停止回数Nとしても良い。エンジンの停止回数を用いる例としては、書込み制限処理P215が必要となる状態でのエンジン停止が所定回数(緩和回数R)連続して初めて書込み制限処理P215を行うようにしても良い。同様に、エンジンが所定時間以上連続して運転したときのみ書込み処理P210を行うとした場合には、その所定時間を書込み制限処理P215での時間より緩和処理P222が長くなるようにしても良い。他にも、書込み実行処理P212を低減させることができる処理であれば、種々の方法が採用可能である。また、緩和閾値Eや緩和処理回数L等を組み合わせて緩和処理P222としても良い。
図11に例示した内、緩和閾値E、緩和処理回数L、緩和停止回数N及び緩和回数Rを用いる例をタイミングチャートやフローチャートを用いて説明する。図12のタイムチャートと図13のフローチャートは、緩和閾値Eを用いた例である。緩和処理P222の緩和閾値Eは、書込み制限処理P215の書込み閾値Dより緩和して小さな閾値となっている。より具体的には、マイナス方向の変化量である書込み閾値Dマイナスからプラス方向の変化量である書込み閾値Dプラスまでの範囲に比して、マイナス方向の変化量である緩和閾値Eマイナスからプラス方向の変化量である緩和閾値Eプラスまでの範囲が小さくなるように設定している。なお、図13も上述の図7と同様、緩和閾値Eは緩和閾値Eマイナスと緩和閾値Eプラスとを表している。そして、この例では、緩和処理P222でも書込み制限処理P215でも一定の制限の下で不揮発性メモリ112の書込みを行っている。ただ、緩和処理P222での不揮発性メモリ112の書込みは、書込み制限処理P215での不揮発性メモリ112の書込みより、書込みの頻度は多くなっている。
図12のタイムチャートに示すように、実書込み値Yが回数保証割合A1より少ない場合には緩和閾値Eを採用している。そして、実書込み値Yが回数保証割合A1を超えると、閾値を緩和閾値Eから書込み閾値Dに変更している。緩和処理P222を、図13のフローチャートを用いて説明すると、ステップP223で学習値の変化量が緩和閾値Eを超えるか否かを判断する。なお、この緩和閾値Eも書込み閾値Dと同様、プラス方向とマイナス方向の閾値となっている。そして、緩和閾値Eを書込み閾値Dよりどの程度緩和するのかも、仕向け地を含む使用環境等によって決定する。
ステップP223で学習値の変化量が緩和閾値Eを超えると(Yes)、エンジン停止時に書込み実行処理を行う(P212)。これによって、書込み回数記憶領域1122の値が1つインクリメントされる(P213)。一方、ステップP223で学習値の変化量が緩和閾値Eを超えなければ(No)、学習値に変化があっても書込みは行わない(P218)。この書込みを行なわない処理P218若しくはインクリメント処理P213により、フローチャートを終了するP220。
次に、書込み制限処理P215として図8に示したような書込み制限回数Kを用いる場合に、書込み制限回数Kより条件を緩和した緩和処理回数Lを用いる例を説明する。緩和処理P222の緩和処理回数Lは、図14のタイムチャートや図15のフローチャートに示すように、書込み制限処理P215の書込み制限回数Kより緩和した多い回数となっている。この例でも、図12のタイムチャートや図13のフローチャートに示す例と同様、緩和処理P222でも一定の制限下で不揮発性メモリ112の書込みを行う。そして、緩和処理P222での不揮発性メモリ112の書込みの制限を、書込み制限処理P215での不揮発性メモリ112の書込みの制限より緩和した条件としている。その結果、書込み実行処理(P212)は、より多い頻度となる。例えば、書込み制限回数Kが5回である場合、緩和制限回数Lは8回とし、8回まで書込みを行うようにする。
図14のタイムチャートに示すように、実書込み値Yが回数保証割合A1より少ない場合には緩和処理回数Lを採用している。タイミングL0の時点では、実書込み値Yは使用上限値Xより少ないので、そもそも書込み制限処理P215の対象ではない。従って、タイミングL0の時点では、エンジン停止時に書込み実行処理を行い(P212)、書込み回数記憶領域1122の値を1つインクリメントする(P213)。
ただ、タイミングL1、L2、L3の時点では、実書込み値Yが使用上限値Xより多くなっているので、書込み制限処理P215の対象となる。その為、これらのタイミングL1、L2、L3では、所定の回数である緩和処理回数Lを超えると書込み実行処理P212を行う。そして、実書込み値Yが回数保証割合A1を超えると、書込み実行処理P212を行うのに要する回数を、緩和処理回数Lから書込み制限回数Kに変更する。
この例の緩和処理P222を、図15のフローチャートを用いて説明する。ステップP224で学習値の書込み回数が緩和処理回数Lを超えるか否かを判断する。ステップP224で学習値の書込み回数が緩和処理回数Lを超えなければ(No)、書込み実行処理を行い(P212)、書込み回数記憶領域1122の値を1つインクリメントする(P213)。一方、ステップP224で学習値の書込み回数が緩和処理回数Lを超えれば(Yes)、学習値に変化があっても書込みは行わない(P218)。この書込みを行なわない処理P218若しくはインクリメント処理P213により、フローチャートを終了する(P220)。
次に、書込み制限処理P215の別の例として、図9に示したエンジンの運転中に書込み実行処理(P212)がなされた際のエンジン停止の回数を用いる場合の例を説明する。この場合は、書込み停止回数Mより条件を緩和した緩和停止回数Nを使用する。緩和処理P222の緩和停止回数Nは、書込み制限処理P215の書込み停止回数Mより少ない回数となっている。例えば、書込み制限処理P215でエンジンの運転中に書込み実行処理(P212)がなされた際のエンジン停止の回数を3回とした場合(書込み停止回数M=3)、緩和停止回数Nを2回として、書込み実行処理(P212)の頻度を高めている。この例でも、上述の例と同様、緩和処理P222でも一定の制限下で不揮発性メモリ112の書込みを行う。そして、緩和処理P222での不揮発性メモリ112の書込みは、書込み制限処理P215での不揮発性メモリ112の書込みより条件を緩和している。
この例の緩和処理P222は、図16のフローチャートとなる。ステップP225でエンジン停止回数が緩和停止回数Nを超えるか否かを判断する。ステップP225でエンジンの停止回数が緩和停止回数Nを超えると(Yes)、書込み実行処理を行い(P212)、書込み回数記憶領域1122の値を1つインクリメントする(P213)。そして、ステップP225でエンジンの停止回数が緩和停止回数Nを超えなければ(No)、学習値に変化があっても書込みは行わない(P218)。この書込みを行なわない処理P218若しくはインクリメント処理P213により、フローチャートを終了する(P220)のは、上述の例と同じである。
エンジンの停止回数で書込み制限処理P215を緩和する方法としては、図7に示した学習値の変化量や図8に示した学習値の書込み回数とエンジンの停止回数とを組合すことも可能である。実書込み値Yが回数保証割合A1より少ない場合には、学習値の変化量が書込み閾値Dを超えたり、学習値の書込み回数が書込み制限回数Kを超えたりしても、それがエンジンの運転開始、停止のサイクルで緩和回数R以上連続しなければ、書込み制限処理P215を行わないようにする。この緩和回数Rとしては、例えば、エンジンの運転開始、停止のサイクルを3回繰り返すと緩和回数Rとなるようにする。そして、実書込み値Yが回数保証割合A1を超えると、エンジンの停止毎に書込み制限処理P215を行うようにする。
この例の制御を図17のフローチャートを用いて説明する。ステップP226で書込み制限処理P215となるエンジン停止回数が緩和回数Rを超えるか否かを判断する。ステップP226でエンジンの停止回数が緩和回数Rを超えると(Yes)、書込み制限処理P215を行って書込みを制限する。一方、ステップP226で書込み制限処理P215となるエンジン停止回数が緩和回数Rを超えなければ(No)、書込み制限処理P215の状態であっても、書込み制限は行わない。即ち、書込み実行処理を行い(P212)、書込み回数記憶領域1122の値を1つインクリメントする(P213)。そして、この書込み制限処理P215若しくはインクリメント処理P213により、フローチャートを終了する(P220)。
なお、上述のように書込み制限処理P215はエンジンの運転終了時でなく、エンジンの運転開始時に行っても良い。従って、本開示におけるエンジン停止回数は、エンジンの運転開始回数も含んでいる。
図10で示したタイミングチャートや図11のフローチャートは、実書込み値Yが回数保証割合A1を超えるか否かで緩和処理P222を行うか否かを決めた。実際の使用回数に基づく判断であり、望ましい。ただ、図18のタイミングチャートに示すように、実書込み値Yに代えて、実使用時間Tを用いることは可能である。この場合は、図19のフローチャートのステップP227で、実使用時間Tが期間保証割合B1を超えたか否かを判断する。この期間保証割合B1は想定製品寿命期間Bの30%~70%程度とし、やはりエンジン制御装置100の仕向け地を含む使用環境等に応じて適宜設定する。そして、ステップP227で実使用時間Tが期間保証割合B1を超えなければ(No)、緩和処理P222とする。この緩和処理P222は図11のフローチャートと同様で、図13、図15、図16及び図17に示したような各種の制御を含んでいる。
更に、図20に示すように、実書込み値Yが回数保証割合A1を超えるか否かの判断と、実使用時間Tが期間保証割合B1を超えたか否かの判断とを組み合わせて緩和処理P222を行うか否かを決定しても良い。この場合には、緩和処理P222を優先する判断と書込み制限処理P215を優先する判断とが考えられる。
図21のフローチャートは、緩和処理P222を優先する制御である。ステップP221で実書込み値Yが回数保証割合A1を超えていないか(No)、若しくはステップP227で実使用時間Tが期間保証割合B1を超えていなければ(No)、緩和処理P222となる。書込み制限処理P215を行うのは、ステップP221とステップP227の双方がYesとなった場合に限られる。緩和処理P222を優先することで、エンジン制御装置100の正確性を高めることができる。
図22のフローチャートは、逆に書込み制限処理P215を優先する制御である。ステップP221で実書込み値Yが回数保証割合A1を超えるか(Yes)、若しくはステップP227で実使用時間Tが期間保証割合B1を超えれば(Yes)、書込み制限処理P215となる。従って、緩和処理P222となるのは、ステップP221とステップP227の双方がNoの場合に限られる。書込み制限処理P215を行いやすくすることで、製品寿命中の機能低下(メモリ書込み停止)の効果を得やすくしている。
また、本開示では、不揮発性メモリ112への書込みをエンジンの運転に応じて行っていたが、本開示のエンジンは内燃機関に限らない。ハイブリッド駆動でもよく、モータ駆動でも対応できる。本開示におけるエンジンは車両の駆動力一般を総称している。
技術的思想の開示
この明細書は、以下に列挙する複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、後続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式(a multiple dependent form)により記載されている場合がある。さらに、いくつかの項は、他の多項従属形式の項を引用する多項従属形式(a multiple dependent form referring to another multiple dependent form)により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
(技術的思想1)
データの収納領域を有してデータの書込み及び消去が可能で、かつ、書込み回数記憶領域を有して書込み回数を記憶する不揮発性メモリと、
この不揮発性メモリへの書込み及び読み出しを行うコンピュータとを備えるエンジン制御装置であって、
前記コンピュータは、前記エンジン制御装置の想定製品寿命期間に対する前記不揮発性メモリが保証する最大保証書込み回数から、前記エンジン制御装置の使用期間あたりの上限回数を示す使用上限値を定め、
前記コンピュータは、前記不揮発性メモリの実書込み回数をカウントして、前記エンジン制御装置の使用期間あたりの実回数を示す実書込み値を作成し、
前記コンピュータは、前記実書込み値が前記使用上限値を所定値以上上回ると判断すると、前記不揮発性メモリへの書込み回数が低減するよう書込み制限処理を行う
ことを特徴とするエンジン制御装置。
(技術的思想2)
前記コンピュータは、前記書込み制限処理により前記実書込み値が前記使用上限値を所定値以上下回ると判断すると、前記書込み制限処理を解除する
ことを特徴とする技術的思想1に記載のエンジン制御装置。
(技術的思想3)
前記書込み制限処理は、書込みを制限するための書込み閾値を予め設定し、この書込み閾値を用いて前記不揮発性メモリへの書込み回数を低減する処理である
ことを特徴とする技術的思想1又は2に記載のエンジン制御装置。
(技術的思想4)
前記コンピュータは、前記使用上限値より書込み回数を少なくした理想書込み値を作成し、
前記実書込み値がこの理想書込み値を上回ると判断すると、前記書込み制限処理を行う予告を行うか否かを判断する
ことを特徴とする技術的思想1ないし3のいずれかに記載のエンジン制御装置。
(技術的思想5)
前記コンピュータは、エンジン制御の機能別に分類される複数グループの制御を行い、前記書込み制限処理は、複数グループの制御のうち書込み回数が多いグループから順に適用する
ことを特徴とする技術的思想1ないし4のいずれかに記載のエンジン制御装置。
(技術的思想6)
前記コンピュータは、エンジン制御の機能別に分類される複数グループの制御を行い、前記書込み制限処理は、複数グループの制御のうちエンジン制御を行う上での優先度が低いグループから順に適用する
ことを特徴とする技術的思想1ないし5のいずれかに記載のエンジン制御装置。
(技術的思想7)
前記コンピュータは、前記不揮発性メモリへの先回の書込み終了後の書込み回数を記憶し、前記不揮発性メモリへの今回の書込み終了後の書込み回数を検知し、
前記書込み制限処理は、前記不揮発性メモリへの先回の書込み終了後と今回の書込み終了後の書込み回数の差である書込み制限回数に基づいて前記不揮発性メモリへの書込み回数を低減する処理である
ことを特徴とする技術的思想1ないし6のいずれかに記載のエンジン制御装置。
(技術的思想8)
前記エンジン制御装置は、前記コンピュータの動作状態を使用者に示すディスプレイを更に有し、
前記コンピュータは、前記書込み制限処理を行う状態であることを前記ディスプレイで表示する警告フラグを前記ディスプレイに出力する
ことを特徴とする技術的思想1ないし7のいずれかに記載のエンジン制御装置。
(技術的思想9)
前記実書込み値が前記理想書込み値を上回ると判断すると、前記理想書込み値を上回る状態であることを前記ディスプレイで表示する予告フラグを前記ディスプレイに出力する
ことを特徴とする技術的思想4に従属する技術的思想8に記載のエンジン制御装置。
(技術的思想10)
前記コンピュータは、前記実書込み値が前記最大保証書込み回数に対して回数保証割合を超えたか否かを判断し、
前記コンピュータは、前記実書込み値が前記回数保証割合を超えると前記書込み制限処理を行い、
前記コンピュータは、前記実書込み値が前記回数保証割合を超えないと前記書込み制限処理より緩和した緩和処理を行う
ことを特徴とする技術的思想1ないし9のいずれかに記載のエンジン制御装置。
(技術的思想11)
前記コンピュータは、前記エンジン制御装置の実使用時間が前記想定製品寿命期間に対して期間保証割合を超えたか否かを判断し、
前記コンピュータは、前記実使用時間が前記期間保証割合を超えると前記書込み制限処理を行い、
前記コンピュータは、前記実使用時間が前記期間保証割合を超えないと前記書込み制限処理より緩和した緩和処理を行う
ことを特徴とする技術的思想1ないし9のいずれかに記載のエンジン制御装置。
(技術的思想12)
前記緩和処理は、前記書込み制限処理を不成立とする
ことを特徴とする技術的思想10又は11に記載のエンジン制御装置。
(技術的思想13)
前記緩和処理は、前記書込み制限処理が緩和回数継続するまで、前記書込み制限処理を不成立とする
ことを特徴とする技術的思想10又は11に記載のエンジン制御装置。
(技術的思想14)
前記書込み制限処理は、書込みを制限するための書込み閾値を予め設定し、この書込み閾値を用いて前記不揮発性メモリへの書込み回数を低減する処理であり、
前記緩和処理は、前記書込み制限処理の前記書込み閾値より緩和した緩和閾値を用いて前記不揮発性メモリへの書込み回数の低減を緩和する処理である
ことを特徴とする技術的思想10又は11に記載のエンジン制御装置。
(技術的思想15)
前記コンピュータは、前記不揮発性メモリへの先回の書込み終了後の書込み回数を記憶し、
前記不揮発性メモリへの今回の書込み回数を検知し、前記書込み制限処理は、前記不揮発性メモリへの先回の書込み終了後と今回の書込み回数の差である書込み制限回数に基づいて前記不揮発性メモリへの書込み回数を低減する処理であり、
前記緩和処理は、前記書込み制限処理の前記書込み制限回数より回数の緩和した緩和処理回数で前記不揮発性メモリへの書込み回数の低減を緩和する処理である
ことを特徴とする技術的思想10又は11に記載のエンジン制御装置。
(技術的思想16)
前記コンピュータは、前記実書込み値が前記最大保証書込み回数に対して回数保証割合以下であるか及び前記エンジン制御装置の使用時間が前記想定製品寿命期間に対して期間保証割合以下であるかを判断し、
前記コンピュータは、前記回数保証割合及び前記期間保証割合の少なくともいずれかが割合を超えると前記書込み制限処理を行い、
前記コンピュータは、前記回数保証割合及び前記期間保証割合の双方が割合を超えないと前記書込み制限処理より緩和した緩和処理を行う
ことを特徴とする技術的思想1ないし15のいずれかに記載のエンジン制御装置。
(技術的思想17)
前記コンピュータは、前記実書込み値が前記最大保証書込み回数に対して回数保証割合以下であるか及び前記エンジン制御装置の使用時間が前記想定製品寿命期間に対して期間保証割合以下であるかを判断し、
前記コンピュータは、前記回数保証割合及び前記期間保証割合の双方が割合を超えると前記書込み制限処理を行い、
前記コンピュータは、前記回数保証割合及び前記期間保証割合の少なくともいずれかが割合を超えないと前記書込み制限処理より緩和した緩和処理を行う
ことを特徴とする技術的思想1ないし15のいずれかに記載のエンジン制御装置。

Claims (17)

  1. データの収納領域を有してデータの書込み及び消去が可能で、かつ、書込み回数記憶領域を有して書込み回数を記憶する不揮発性メモリと、
    この不揮発性メモリへの書込み及び読み出しを行うコンピュータとを備えるエンジン制御装置であって、
    前記コンピュータは、前記エンジン制御装置の想定製品寿命期間に対する前記不揮発性メモリが保証する最大保証書込み回数から、前記エンジン制御装置の使用期間あたりの上限回数を示す使用上限値を定め、
    前記コンピュータは、前記不揮発性メモリの実書込み回数をカウントして、前記エンジン制御装置の使用期間あたりの実回数を示す実書込み値を作成し、
    前記コンピュータは、前記実書込み値が前記使用上限値を所定値以上上回ると判断すると、前記不揮発性メモリへの書込み回数が低減するよう書込み制限処理を行う
    ことを特徴とするエンジン制御装置。
  2. 前記コンピュータは、前記書込み制限処理により前記実書込み値が前記使用上限値を所定値以上下回ると判断すると、前記書込み制限処理を解除する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
  3. 前記書込み制限処理は、書込みを制限するための書込み閾値を予め設定し、この書込み閾値を用いて前記不揮発性メモリへの書込み回数を低減する処理である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン制御装置。
  4. 前記コンピュータは、前記使用上限値より書込み回数を少なくした理想書込み値を作成し、
    前記実書込み値がこの理想書込み値を上回ると判断すると、前記書込み制限処理を行う予告を行うか否かを判断する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン制御装置。
  5. 前記コンピュータは、エンジン制御の機能別に分類される複数グループの制御を行い、前記書込み制限処理は、複数グループの制御のうち書込み回数が多いグループから順に適用する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン制御装置。
  6. 前記コンピュータは、エンジン制御の機能別に分類される複数グループの制御を行い、前記書込み制限処理は、複数グループの制御のうちエンジン制御を行う上での優先度が低いグループから順に適用する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン制御装置。
  7. 前記コンピュータは、前記不揮発性メモリへの先回の書込み終了後の書込み回数を記憶し、前記不揮発性メモリへの今回の書込み終了後の書込み回数を検知し、
    前記書込み制限処理は、前記不揮発性メモリへの先回の書込み終了後と今回の書込み終了後の書込み回数の差である書込み制限回数に基づいて前記不揮発性メモリへの書込み回数を低減する処理である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン制御装置。
  8. 前記エンジン制御装置は、前記コンピュータの動作状態を使用者に示すディスプレイを更に有し、
    前記コンピュータは、前記書込み制限処理を行う状態であることを前記ディスプレイで表示する警告フラグを前記ディスプレイに出力する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン制御装置。
  9. 前記コンピュータは、前記使用上限値より書込み回数を少なくした理想書込み値を作成し、
    前記実書込み値がこの理想書込み値を上回ると判断すると、前記書込み制限処理を行う予告を行うか否かを判断し、
    前記実書込み値が前記理想書込み値を上回ると判断すると、前記理想書込み値を上回る状態であることを前記ディスプレイで表示する予告フラグを前記ディスプレイに出力する
    ことを特徴とする請求項8に記載のエンジン制御装置。
  10. 前記コンピュータは、前記実書込み値が前記最大保証書込み回数に対して回数保証割合を超えたか否かを判断し、
    前記コンピュータは、前記実書込み値が前記回数保証割合を超えると前記書込み制限処理を行い、
    前記コンピュータは、前記実書込み値が前記回数保証割合を超えないと前記書込み制限処理より緩和した緩和処理を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
  11. 前記コンピュータは、前記エンジン制御装置の実使用時間が前記想定製品寿命期間に対して期間保証割合を超えたか否かを判断し、
    前記コンピュータは、前記実使用時間が前記期間保証割合を超えると前記書込み制限処理を行い、
    前記コンピュータは、前記実使用時間が前記期間保証割合を超えないと前記書込み制限処理より緩和した緩和処理を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
  12. 前記緩和処理は、前記書込み制限処理を不成立とする
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載のエンジン制御装置。
  13. 前記緩和処理は、前記書込み制限処理が緩和回数継続するまで、前記書込み制限処理を不成立とする
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載のエンジン制御装置。
  14. 前記書込み制限処理は、書込みを制限するための書込み閾値を予め設定し、この書込み閾値を用いて前記不揮発性メモリへの書込み回数を低減する処理であり、
    前記緩和処理は、前記書込み制限処理の前記書込み閾値より緩和した緩和閾値を用いて前記不揮発性メモリへの書込み回数の低減を緩和する処理である
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載のエンジン制御装置。
  15. 前記コンピュータは、前記不揮発性メモリへの先回の書込み終了後の書込み回数を記憶し、
    前記不揮発性メモリへの今回の書込み回数を検知し、前記書込み制限処理は、前記不揮発性メモリへの先回の書込み終了後と今回の書込み回数の差である書込み制限回数に基づいて前記不揮発性メモリへの書込み回数を低減する処理であり、
    前記緩和処理は、前記書込み制限処理の前記書込み制限回数より回数の緩和した緩和処理回数で前記不揮発性メモリへの書込み回数の低減を緩和する処理である
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載のエンジン制御装置。
  16. 前記コンピュータは、前記実書込み値が前記最大保証書込み回数に対して回数保証割合以下であるか及び前記エンジン制御装置の使用時間が前記想定製品寿命期間に対して期間保証割合以下であるかを判断し、
    前記コンピュータは、前記回数保証割合及び前記期間保証割合の少なくともいずれかが割合を超えると前記書込み制限処理を行い、
    前記コンピュータは、前記回数保証割合及び前記期間保証割合の双方が割合を超えないと前記書込み制限処理より緩和した緩和処理を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
  17. 前記コンピュータは、前記実書込み値が前記最大保証書込み回数に対して回数保証割合以下であるか及び前記エンジン制御装置の使用時間が前記想定製品寿命期間に対して期間保証割合以下であるかを判断し、
    前記コンピュータは、前記回数保証割合及び前記期間保証割合の双方が割合を超えると前記書込み制限処理を行い、
    前記コンピュータは、前記回数保証割合及び前記期間保証割合の少なくともいずれかが割合を超えないと前記書込み制限処理より緩和した緩和処理を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。

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