JP7457016B2 - 電気手術システム - Google Patents

Description

〔関連出願への相互参照〕
この出願は、引用により本明細書にその全体が組み込まれている２０１８年１１月１６日出願の「電気手術システム」という名称の米国仮特許出願第６２／７６８，７８２号に対する優先権及びその利益を主張するものである。

本出願は、一般的に電気手術システム及び方法に関する。より具体的には、本出願は、組織を封止及び切断するための電気手術発生器及び関連の器具に関する。

電気エネルギを使用してある一定の外科的タスクを行う利用可能な電気手術デバイス又は器具が存在する。典型的には、電気手術器具は、電気手術発生器から電気エネルギが供給されるように構成された１又は２以上の電極を含む捕捉器具、はさみ、ピンセット、ブレード、及び／又はニードルのような手術器具である。電気エネルギは、組織を凝固、溶解、又は切断するのに使用することができる。

電気手術器具は、典型的に単極及び双極という２つの部類に該当する。単極器具では、電気エネルギは、器具上の１又は２以上の電極に高い電流密度で供給され、一方で個別の戻り電極が患者に電気的に結合される。個別の戻り電極は、電流密度を最小にするように設計されることが多い。単極電気手術器具は、ある一定の手順では有用とすることができるが、戻り電極の機能に部分的に帰属可能と考えられる電気火傷のようなある一定のタイプの問題のリスクを含む可能性がある。

双極電気手術器具では、１又は２以上の電極は、第１の極性の電気エネルギのソースに電気的に結合される。これに加えて、１又は２以上の他の電極が、第１の極性とは反対の第２の極性の電気エネルギのソースに電気的に結合される。個別の戻り電極なしで作動する双極電気手術器具は、単極電気手術器具と比べて低減されたリスクで着目した組織区域に電気信号を送出することができる。

米国特許出願第１２／４１６、６６８号明細書 米国特許出願第１２／４１６、７５１号明細書 米国特許出願第１２／４１６、６９５号明細書 米国特許出願第１２／４１６、７６５号明細書 米国特許出願第１２／４１６、１２８号明細書 米国特許出願第１４／８４８、１１６号明細書 米国仮特許出願第６１／９９４、２１５号明細書 米国仮特許出願第６１／９９４、１８５号明細書 米国仮特許出願第６１／９９４、４１５号明細書 米国仮特許出願第６１／９４４、１９２号明細書

しかし、双極電気手術器具の比較的集中した手術効果を用いてさえも、手術結果は、外科医の技量に大きく依存することが多い。例えば、熱組織損傷及び壊死は、電気エネルギが比較的長い持続時間にわたって送出される又は短い持続時間であっても比較的高電力の電気信号が送出される事例で発生する可能性がある。電気エネルギの印加時に組織が望ましい溶解、封止、又は切断効果を達成することになる速度は、組織タイプに基づいて変化し、かつ電気手術デバイスによって組織に印加される圧力に基づいて変化する可能性もある。しかし、電気手術器具に捕捉された複合的な組織タイプの塊がいかに迅速に望ましい量だけ封止されることになるかを外科医が評価することは困難である可能性がある。

本明細書に開示するのは、組織を溶解又は封止するための方法、デバイス、及びシステムである。第１の実施形態では、組織を溶解又は封止する方法を説明する。本方法は、最初に第１の量のＲＦエネルギを組織の区域に印加することによって始まる。第１の量のＲＦエネルギによって影響された組織の区域の乾燥レベルが、次に決定される。決定された乾燥レベルに基づいて、ＲＦエネルギの量が第２の量まで低減される。ＲＦエネルギの第２の量まで低減することに続いて、増大する量のＲＦエネルギが、第３の量が到達されるまで組織の区域に印加される。ＲＦエネルギが追加される速度及び第３の量は、決定された乾燥レベルに基づいている。第３の量のＲＦエネルギは、予め決められた期間にわたって組織の区域に印加される。予め決められた期間が経過した状態で、組織の区域へのＲＦエネルギの印加は終了される。

別の実施形態では、組織を溶解又は封止するのに使用される電気手術発生器を説明する。電気手術発生器は、コントローラと、コントローラによって提供される命令に基づいて対応する量のＲＦエネルギを発生させるＲＦ増幅器とを含む。コントローラは、最初に、組織の区域に第１の量のＲＦエネルギを印加するようにＲＦ増幅器に命令する。コントローラは、次に、第１の量のＲＦエネルギによって影響された組織の区域の乾燥レベルを決定する。コントローラは、次に、決定された乾燥レベルに基づいて最初にＲＦエネルギの量を第２の量まで低減し、続いて区域に印加されているＲＦエネルギの量を第３の量まで増加するようにＲＦ増幅器に命令する。ＲＦエネルギが追加される速度及び第３の量は、決定された乾燥レベルに基づいている。コントローラは、予め決められた期間にわたって組織の区域に印加されている第３の量のＲＦエネルギを維持するようにＲＦ増幅器に命令する。予め決められた期間が経過した状態で、コントローラは、組織の区域へのＲＦエネルギの印加を終了するようにＲＦ増幅器に命令する。

別の実施形態では、組織を溶解又は封止するためのシステムを説明する。システムは、ＲＦエネルギを発生する電気手術発生器と組織の区域を溶解又は封止する電気手術器具とを含む。電気手術器具は、組織の区域を溶解又は封止するために電気手術発生器からＲＦエネルギを受信する。組織の区域の溶解又は封止に使用するために発生されて電気手術器具に提供されるＲＦエネルギの量は、組織の区域の決定された乾燥レベルに基づくものである。

本発明の開示の上記に列挙した他の利点及び特徴を得ることができる方式を説明するために、添付図面に示す具体的実施形態を参照して、上記で簡単に説明した原理のより詳しい説明を以下に提供する。これらの図面が本発明の開示の実施形態を描写するだけのものであり、従って、その範囲を限定するように考えないものとすることを理解した上で、参照番号がその図面全体を通して類似の部分を指定する添付図面の使用を通して本明細書の原理を追加の具体性及び詳細と共に説明して解説する。

本発明の様々な実施形態による電気手術システムの斜視図である。 本発明の様々な実施形態による電気手術器具の斜視図である。 本発明の様々な実施形態による電気手術器具の斜視図である。 本発明の様々な実施形態による電気手術システムを使用する封止処理又はその態様に関する実験データサンプルのグラフィック表示の図である。 本発明の様々な実施形態による電気手術システムを使用する封止処理又はその態様に関する実験データサンプルのグラフィック表示の図である。 本発明の様々な実施形態による電気手術システムを使用する封止処理又はその態様に関する実験データサンプルのグラフィック表示の図である。 本発明の様々な実施形態による電気手術システムを使用する封止処理又はその態様に関する実験データサンプルのグラフィック表示の図である。 本発明の様々な実施形態による電気手術システムの各部分の概略ブロック図である。 本発明の様々な実施形態による電気手術システムを使用する封止処理又はその態様に関する実験データサンプルのグラフィック表示の図である。 本発明の様々な実施形態による電気手術システムの作動を示す流れ図である。

様々な実施形態により、組織を溶解かつ切断するように構成された電気手術器具を提供する。様々な実施形態では、電気手術デバイス又は器具は、第１の顎部及び第２の顎部を含む。第２の顎部は、第１の顎部と対向して第１の顎部と第２の顎部の間に組織を捕捉し易くする。第１の顎部と第２の顎部の両方は電極を含む。第１の顎部及び第２の顎部の電極は、高周波（ＲＦ）エネルギを使用して第１の顎部と第２の顎部の間に捕捉された組織を封止するように配置される。

様々な実施形態により、組織を封止するための電気手術システムを同じく提供する。様々な実施形態での電気手術システムは、電気手術発生器と電気手術器具又はデバイスとを有する。電気手術発生器は、ＲＦ増幅器とコントローラを含む。ＲＦ増幅器は、ＲＦエネルギだけで組織を封止するように構成されて取り外し可能に結合された電気手術器具を通してＲＦエネルギを供給する。コントローラ及び／又はＲＦセンサは、供給されたＲＦエネルギ及び／又はその成分をモニタ及び／又は測定するように配置される。様々な実施形態では、コントローラは、供給されたＲＦエネルギの電圧を封止サイクルの予め決められた点又は条件で調節するように、例えば、増加、保持、低減、及び／又は停止するようにＲＦ増幅器に信号伝達する。様々な実施形態では、コントローラは、供給されたＲＦエネルギを休止するか又はＲＦ増幅器から供給されたＲＦエネルギの終了を開始するようにＲＦ増幅器に信号伝達する。

全体を通して提供する様々な特徴及び実施形態は、単独で又は明示的に説明したもの以外の他の特徴及び／又は実施形態との組合せで使用することができ、実施形態の特定の組合せ及び様々な実施形態の特徴又は態様は明示的には説明しない場合があるが、しかし、そのような組合せは考えられており、かつ本発明の範囲内である。本発明に付随する特徴の多くは、以上及び以下の説明を参照して添付図面と共に考察することによってより良く理解されるのでより容易に認められるであろう。

一般的に、組織を最適に封止又は溶解するように構成された電気手術発生器と、取り外し可能に結合された電気手術器具とを含む電気手術システムを提供する。ＲＦエネルギは、組織を封止するのに適切なＲＦエネルギを提供するように配置された電気手術発生器によって供給される。電気手術発生器は、様々な実施形態により、特定の接続された電気手術器具、電気手術器具と接触する特定の組織、及び／又は行われている特定の外科手順に対して適切なＲＦエネルギとＲＦエネルギを送出する適切な方式とを決定する。作動的には、顎部間の組織のＲＦ封止又は溶解は、封止時間及び／又は熱拡散を低減するように提供される。

様々な実施形態により、電気手術システムは、広範囲の組織に対する止血信頼性、封止時間、及び組織付着性の最適な均衡をもたらすＲＦエネルギ送出を制御するかつ遮断するように配置された動的パルスシステムを含む。様々な実施形態では、電気手術システムは、既に封止された組織に対する焼痂（封止された組織デブリ）蓄積、組織付着、及び熱拡散を低減するために複数の起動に対するＲＦエネルギの印加を低減するように配置された二重又は反復封止システムを含む。

図１と図２の両方を参照すると、電気手術システムの例示的実施形態が示されている。電気手術システムは、電気手術発生器１０（図１に示す）と、取り外し可能に接続可能な電気手術器具２０（図２に示す）とを含む。電気手術器具２０は、電気手術発生器１０上のツール又はデバイスポート１２に接続するように構成されたアダプタ３２を有するケーブル式接続部３０を通じて電気手術発生器１０に電気的に結合することができる。電気手術器具２０は、溶解又は切断作動の開始及び／又は終了のような電気手術器具２０の特定の予め決められたステータスをユーザに通知するために音声、触覚、及び／又は視覚インジケータを含むことができる。他の実施形態では、電気手術器具２０は、再使用可能である及び／又は別の外科手順のために別の電気手術発生器に接続可能であるとすることができる。一部の実施形態では、ハンド又はフットスイッチのような手動コントローラが、電気手術発生器１０及び／又は電気手術器具２０に接続可能であり、溶解又は切断作動を開始するためのような電気手術器具２０の予め決められた選択的制御を可能にすることができる。

様々な実施形態により、電気手術発生器１０は、高周波（ＲＦ）電気手術エネルギを発生し、かつ電気手術発生器１０に電気的に結合された電気手術器具２０からデータ又は情報を受信するように構成される。電気手術発生器１０は、一実施形態では、ＲＦエネルギ（例えば、３５０ｋＨｚで３７５ＶＡ、１５０Ｖ、５Ａ）を出力し、かつ一実施形態ではＲＦエネルギの起動又は供給中にＲＦエネルギの電流及び／又は電圧を測定するように、及び／又はＲＦエネルギの電力、又はＲＦ出力電圧とＲＦ出力電流間の位相角又は位相差を計算するように構成される。電気手術発生器１０は、電圧、電流、及び／又は電力を調整し、かつＲＦエネルギ出力（例えば、電圧、電流、電力、及び／又は位相）をモニタする。一実施形態では、電気手術発生器１０は、デバイススイッチがアサート停止された時（例えば、溶解ボタンが解除された時）、時間値が満足された時、及び／又はアクティブ位相角、電流、電圧、又は電力、及び／又はそれに対する変化が停止値、閾値、又は条件、及び／又はそれに対する変化よりも大きい、小さい、又はそれに等しい時のような予め定められた条件の下でＲＦエネルギ出力を停止する。

図１に示すように、電気手術発生器１０は、少なくとも１つの最新双極ツールポート１２、標準双極ツールポート１６、及び電力ポート１４を含む。他の実施形態では、電気手術ユニットは、異なる数のポートを含むことができる。例えば、一部の実施形態では、電気手術発生器１０は、２つの最新双極ツールポートよりも多いか又は少ない、標準双極ツールポート１よりも多いか又は少ない、及び電力ポートよりも多いか又は少ないものを含むことができる。一実施形態では、電気手術発生器１０は、２つの最新双極ツールポートだけを含む。

様々な実施形態により、各最新双極ツールポート１２は、取り付け型又は一体型メモリモジュールを有する最新電気手術器具に結合されるように構成される。標準双極ツールポート１６は、最新双極ツールポート１２に接続可能な最新双極電気手術器具とは異なる非特殊双極電気手術ツールを受け入れるように構成される。電力ポート１４は、非特殊双極電気手術ツール及び最新電気手術器具とは異なる直流（ＤＣ）補助デバイスを受け入れる又はそれに接続されるように構成される。電力ポート１４は、直流電圧を供給するように構成される。例えば、一部の実施形態では、電力ポート１４は、約１２ボルトの直流を提供することができる。電力ポート１４は、人工呼吸器、ポンプ、ライト、又は別の外科付属品のような外科付属品に給電するように構成することができる。従って、標準又は非特殊双極ツールを電気手術発生器１０で置換することに加えて、電気手術発生器１０は、外科付属品の電源を置換することができる。一部の実施形態では、既存の発生器及び電源を電気手術発生器１０で置換することにより、保管ラックカード又は棚上に必要である保管スペースの量を低減し、外科作業空間に必要である主電力コードの数を低減することができる。

様々な実施形態により、電気手術発生器１０は、ディスプレイ１５を含むことができる。ディスプレイ１５は、他の情報の中でも、１又は２以上の電気手術器具及び／又は付属品、コネクタ又はそれに対する接続部のステータスを含む電気手術システムのステータスを示すように構成することができる。

様々な実施形態による電気手術発生器１０は、複数のボタン１７のようなユーザインタフェースを含むことができる。複数のボタン１７は、例えば、電気手術発生器１０に接続された１又は２以上の電気手術器具に提供される電気エネルギの増加又は低減を要求するなどの電気手術発生器１０とのユーザ対話（例えば、ユーザ入力の受信）を可能にすることができる。他の実施形態では、ディスプレイ１５は、タッチスクリーンディスプレイとすることができ、それによってデータ表示機能とユーザインタフェース機能を統合することができる。一実施形態では、電気手術ツール又は器具２０は、１又は２以上のメモリモジュールを更に含むことができる。一部の実施形態では、メモリは、電気手術器具及び／又は他の器具に関する作動データを含む。例えば、一部の実施形態では、作動データは、電極構成／再構成、電気手術器具の使用、作動時間、電圧、電力、位相、及び／又は電流設定値、及び／又は特定の作動ステータス、条件、スクリプト、処理、又は手順に関する情報を含むことができる。一実施形態では、電気手術発生器１０は、メモリモジュールに対する読取及び／又は書込を開始することができる。

様々な実施形態により、電気手術発生器１０は、ＲＦエネルギがアクティブである間に、接続された電気手術器具２０を通して送られるＲＦエネルギの電圧及び電流間の位相差又は位相角を読み取る機能を提供する。組織が溶解されている間に、位相読取値を使用して、溶解又は封止及び切断処理中の異なる状態を検出する。

様々な実施形態による電気手術発生器１０は、ＲＦ出力の電流、電力、インピーダンス、又は位相をモニタ、測定、又は計算するが、電流、電力、インピーダンス、又は位相を制御しない。電気手術発生器１０は、電圧を調整し、かつ電圧を調節することもできる。送出される電気手術電力は、印加された電圧、電流、及び組織インピーダンスの関数である。電気手術発生器１０は、電圧の調整を通して、送出されている電気手術電力、ＲＦ出力、又はエネルギに影響を与えることができる。電力反応は、給電している発生器による以外の発生器によるいずれの制御もなしに組織又は組織の状態と相互作用する電力によって引き起こされる。

電気手術発生器１０が電気手術電力の送出を開始した状態で、電気手術発生器１０は、故障が発生するまで又は特定のパラメータに到達するまで連続的に、例えば、１５０ｍｓにわたってそれを継続する。一例では、電気手術電力の印加前、印加中、及び印加後のいつでも、電気手術器具の顎部を開き、それによって圧縮を軽減することができる。同じく、電気手術発生器１０は、一実施形態では、電気手術エネルギの終了を開始するのに特定の持続時間又は予め決められた遅延時間だけ一時停止又は待機しない。

更に図３を参照すると、様々な実施形態により、双極電気手術器具２０を提供する。図示の実施形態では、双極電気手術器具２０は、細長回転可能シャフト２６に結合されたアクチュエータ２４を含む。細長回転可能シャフト２６は、近位端と遠位端を有し、それらの間に中心長手軸線を定める。細長回転可能シャフト２６の遠位端には顎部２２があり、近位端にはアクチュエータ２４がある。一実施形態では、アクチュエータ２４は、ピストルグリップ状ハンドルである。

アクチュエータ２４は、可動ハンドル２３と、固定ハンドル又はハウジング２８とを含む。可動ハンドル２３は、固定ハウジング２８に対して結合され、可動である。様々な実施形態により、可動ハンドル２３は、固定ハウジング２８に摺動可能かつピボット可能に結合される。作動では、可動ハンドル２３は、ユーザ、例えば外科医によって操作され、顎部を作動させる、例えば、顎部２２を選択的に開閉する。

様々な実施形態により、アクチュエータ２４は、可動ハンドル２３を固定ハウジング２８に対して第２の位置に維持するためのラッチ機構を含む。様々な実施形態では、可動ハンドル２３は、可動ハンドル２３を第２の位置又は閉鎖位置に保持するために固定ハンドル又はハウジング２８に閉じ込められた整合ラッチと係合するラッチアームを有する。同じく、様々な実施形態でのアクチュエータ２４は、単一シースに閉じ込められた個別の絶縁電気ワイヤ又はリードを含むワイヤハーネスを有する。ワイヤハーネスは、固定ハウジング２８をその下面で出て、ケーブル式接続部３０の一部を形成することができる（図２に図示）。ハーネス内のワイヤは、電気手術器具２０と電気手術発生器１０及び／又はその付属品との間に電気通信を提供することができる。

様々な実施形態では、スイッチは、ユーザ操作式起動ボタン２９に接続され、起動ボタン２９が押し下げられると起動する。一態様では、起動した状態で、スイッチは、少なくとも２つのリードを電気的に結合することによって回路を完成させる。このようにして、電気手術発生器１０からアクチュエータ２４への電気経路を確立し、電気手術器具２０にＲＦエネルギを供給する。様々な実施形態では、電気手術器具２０は、アクチュエータ２４のブレードレバー又はトリガ２５のようなブレードアクチュエータに結合させることができる並進可能な機械的切断ブレードを有する。機械的切断ブレードをブレードトリガ２５で作動させて、顎部２２間で組織を分割する。

一実施形態では、アクチュエータ２４は、細長回転可能シャフト２６アセンブリを含み、このアセンブリは、細長回転可能シャフト２６の外側カバーチューブ上に配置された回転ノブ２７を含む。回転ノブ２７により、外科医は、アクチュエータ２４を把持しながら、電気手術器具２０の細長回転可能シャフト２６を回転させることができる。様々な実施形態により、細長回転可能シャフト２６は、顎部２２をアクチュエータ２４と結合させる作動チューブを有する。

細長回転可能シャフト２６の遠位端に取り付けられるのは、第１の又は上側の顎部３１と第２の又は下側の顎部３３とを有する顎部２２である。一実施形態では、顎部ピボットピンは、第１の顎部３１と第２の顎部３３とをピボット可能に結合し、第１の顎部３１が第２の顎部３３に対して可動であってピボット回転することを可能にする。様々な実施形態では、一方の顎部が細長回転可能シャフ２６に対して固定されるので、対向する顎部は、固定された顎部に対して開放位置と閉鎖位置の間をピボット回転する。他の実施形態では、第１の顎部３１と第２の顎部３３の両方を細長回転可能シャフト２６にピボット可能に結合することができるので、第１の顎部３１と第２の顎部３３の両方が互いに対してピボット回転することができる。

第１の又は上側の顎部３１は、電極プレート又はパッドを含む。同様に、第２の又は下側の顎部３３も、電極プレート又はパッドを含む。第１の又は上側の顎部３１の電極と第２の又は下側の顎部３３の電極は、第１の顎部３１と第２の顎部３３の電極間に捕捉された組織にＲＦエネルギを供給するために、ワイヤ及びコネクタを通して電気手術発生器１０に電気的に結合される。従って、これらの電極は、反対の極性を有し、その間にＲＦエネルギを伝達するように配置される。様々な実施形態での第１の又は上側の顎部３１はまた、上側顎部支持体を含み、その上側顎部支持体と電極の間にアセンブリスペーサが位置決めされる。同じく、第１の又は上側の顎部３１は、オーバーモールドを含むか又はオーバーモールドされる。第２の又は下側の顎部３３も、下側顎部支持体及び電極を含むことができる。図示の実施形態では、電極は、下側顎部支持体に統合されるか又は組み込まれ、従って、下側顎部支持体と電極は、モノリシック構造体と電気接続部とを形成する。ブレードチャネルは、第１の又は上側の顎部３１、第２の又は下側の顎部３３、又はその両方の長さに沿って長手方向に延び、その中をブレードが作動的に通過する。ブレードチャネルの一部を取り囲むのは、１又は２以上の導電ポストである。導電ポストは、切断する組織の不動化を支援する。同じく、導電ポストは、顎部２２の間に捕捉された組織へのＲＦエネルギの伝達にも関与するので、ブレードチャネルに隣接して又はその近くに切断される組織を確実に溶解させる時に助けになる。第２の又は下側顎部３３も、オーバーモールドを含むことができ、又はオーバーモールドされる。

様々な実施形態により、電極は、顎部２２の間に捕捉された組織に接触して圧縮するように配置されたほぼ平面状の封止面を有する。様々な実施形態での第１の又は上側の顎部３１及び第２の又は下側の顎部３３の電極は、その幅が全体を通して均一、一定、又は不変のままである封止面を有する。

様々な実施形態では、顎部２２は、ターゲット手術部位では外科手順中における顎部２２の可視化及び移動性を高めるために湾曲している。顎部２２は、直線を示す又は直線に位置合わせする近位細長部分と、直線に接続された湾曲部を示す又は湾曲部を定める湾曲した遠位部分とを有する。様々な実施形態では、近位細長部分の最近位部分は、顎部２２又は細長回転可能シャフト２６の最大外径に等しいか又はそれを超えない直径を有し、又はそれを定める。様々な実施形態での顎部２２は、顎部２２の最近位部分及び顎部２２の最遠位部分がその中に留まる最大外径を有する。湾曲遠位部分は、最大外径及び近位細長部分の最近位部分の直径よりも小さい直径を有し、又はそれを定める。様々な実施形態では、顎部２２は、外側湾曲部よりも深い内側湾曲部の切欠きを有し、様々な実施形態では、顎部２２の先端は、鈍的な切開のために先細になっている。顎部２２は、近位細長チャネルが遠位湾曲チャネルへ湾曲しているブレードチャネルを含み、この場合に、近位細長チャネルは、電気手術器具２０の細長回転可能シャフト２６の長手軸線に対して平行かつオフセットしている。従って、手術作業区域を更に低減し、又は患者の体内へのより大きいアクセスデバイス又は切開を必要とする可能性がある顎部の寸法を増大することなく、顎部２２における可視化及び移動性が維持又は強化される。

一部の実施形態では、顎部アセンブリの導電パッドの電極形状は、封止区域又は面が切断経路の遠位部分を完全に取り囲むことを保証する。様々な実施形態により、顎部面の寸法は、顎部２２の間の組織に加えられる最適な圧力に関連し、その力機構が作り出せる潜在的な力に対して適切に比例するようになっている。同じく、その表面積は、組織に接触する面積に関して電気的に重要である。この面積と組織の厚みとの比率は、組織の電気的な相対特性との関係に関して最適化されている。

様々な実施形態では、第２の又は下側の顎部３３及び関連の導電パッドは、組織と接触するように配置された上側外面を有する。これらの上面は、角度が付けられ又は傾斜し、互いの鏡像となっており、そのような位置決め又は向きにより、集中した電流密度及び組織の固定が容易になる。様々な実施形態では、第２の又は下側の顎部３３は、ステンレス鋼で作ることができ、導電パッドと同程度に又はそれよりも剛性が高い。様々な実施形態では、第２の又は下側の顎部３３は、非導電材料で作ることができる剛性絶縁体を含み、それらは、第２の又は下側の顎部３３又は導電パッドと同程度に又はそれよりも剛性が高い。様々な実施形態では、第２の又は下側の顎部３３と導電パッドは、同じ材料で作ることができる。

様々な実施形態により、ＲＦエネルギ制御処理又はシステムは、ＲＦエネルギを供給し、供給されたＲＦエネルギを制御して組織を封止又は溶解させる。封止サイクルの開始時に、本発明のシステムは、急速に増加する電圧を有するＲＦエネルギを印加するように配置される。従って、本発明のシステムは、最小限の時間にわたって増加する電圧を有するＲＦエネルギを供給し、その結果、供給されたＲＦエネルギは、急峻な勾配又は変化率を有する電圧プロファイルを有する。様々な実施形態により、本発明のシステムは、ＲＦ出力ピーク条件を識別又は決定するために、ＲＦエネルギの電圧を継続して増加させようとする。様々な実施形態により、ＲＦ出力ピーク条件は、供給されたＲＦエネルギの増加する電圧に起因する最大の電流値又は電力値によって示される。様々な実施形態では、本発明のシステムは、このＲＦ出力ピーク条件まで及び／又はこのＲＦ出力ピーク条件に等しくなるように、供給されるＲＦエネルギの電圧を増加させようとする。しかし、このＲＦ出力ピーク条件又はピーク点を決定する段階は、電気手術器具の電極と接触する組織のタイプ及び／又は組織の容積に基づいて変わる可能性がある。従って、本発明のシステムによって提供される高い電圧ランプ又はパルスは、図４に例示するように、静的な、固定された、又は予め決められた値ではなく、器具と接触する組織に基づいて可変的な持続時間を有する。同様に、電極サイズと組織に対する電極接触とは、更にこのＲＦ出力ピーク条件の変動をもたらす可能性がある。従って、ＲＦ出力ピーク条件の決定は困難である可能性がある。

本発明のシステムがこの変化するＲＦ出力ピーク条件に到達しようとすると、本発明のシステム又は電気手術発生器がＲＦエネルギを供給する時間の量も変化する可能性がある。例えば、図５に示すように、ピーク条件１２１は、異なる容積の組織に対して異なる時間に発生する。例えば、より小さい容積を有する組織は、遥かに大きい容積を有する可能な組織と比較して封止サイクル内で遥かに早くそれぞれのピーク条件を体験する可能性がある（例えば、封止サイクル内で１２５０ｍｓ程度遅れる）。従って、様々な実施形態でのピーク条件は、一般的に、厚い組織に対して遅く発生するが、それは、厚い組織ほど昇温するのに時間を消費するからである。これに加えて、ピークの高さは、組織の面積に依存する可能性がある。面積の大きい組織は、電気的に並列の抵抗になるか又はそのように振る舞う組織が多いためにピーク値が高くなる可能性がある。しかし、様々な実施形態では、組織に印加されるＲＦエネルギの電圧を急速に増大するための時間の量は、設定された最大時間閾値又は限界値に制限され、その結果、ＲＦエネルギを必要以上に長く印加することを回避する。ＲＦ出力のピーク条件に到達しようとすることなく、固定的な時間を設定すると、特に組織の容積が小さい場合に、ＲＦエネルギを必要以上に長く印加することに至る可能性がある。これに加えて、固定的な時間を使用すると、特に組織の容積が大きい場合に、ＲＦエネルギの印加時間が十分でないという状況が発生する可能性もある。

従って、様々な実施形態により、動的な電圧ランプを提供することで、各端部でシステム性能が均衡し、初期又は早期に理想に近いか又は最適なＲＦエネルギ投与が可能になり、最後に最適な組織封止がもたらされる。このＲＦ出力ピーク条件を迅速に達成することで、組織の封止全体が最適化され、組織の完全性を損なう又は低減することなく封止時間が短縮される。様々な実施形態により、電気手術発生器は、初期にＲＦエネルギの電圧を比較的高くなるように調節し（例えば、最大電圧よりも４０％以上）、ＲＦエネルギの電圧を急速に増加させて（例えば、１ミリ秒当たり１０ボルトの速度で）、この動的な電圧ランプ又はパルスを提供し、ＲＦ出力ピーク条件を達成する。

動的ランプを使用することにより、例えば、容積に関係なく、あらゆる組織が同じＲＦ出力ピーク条件又は水分蒸発点まで迅速にもたらされる。従って、組織に関して水分蒸発点に到達しない又はそれを維持することができない（アンダーパルス）可能性が低減される。アンダーパルスの可能性を低減することで、封止の品質に影響を与えることなく、パルス後の平均的なＲＦ送出を時間的に短くし、又は電力を低減することができる。これに加えて、本発明のシステムに関するフォーカス又は注意は、組織の加熱と関連の変動性にではなく、効率的に組織から水を除去することに向けることができる。

上述のように、ＲＦ出力ピーク条件がいつ発生するかを決定することは、特にリアルタイムでは困難である。ＲＦ出力の測定におけるノイズ又は類似の変動又は不正確性は、ＲＦ出力ピーク条件の決定を不明瞭にし、又は遅らせる可能性がある。様々な実施形態では、そのような不正確性を平滑化又はフィルタリングすることが、ＲＦ出力ピーク条件の検出又は決定を強化するのに助けになる可能性がある。しかし、様々な実施形態でのフィルタリングのような遅延は、ＲＦ出力ピーク条件の決定を遅らせる可能性がある。ＲＦ出力ピーク条件の決定を識別する時の遅延は、本発明のシステムが組織にオーバーパルスを与える原因になる場合がある。

様々な実施形態により、ＲＦ出力ピーク条件を識別することへのこの遅延、又は組織のオーバーパルスの可能性を回避又は低減するために、本発明のシステムは、中断システムを提供することができる。中断システムは、ＲＦ出力ピーク条件を表す予想された最大値又は窓に基づいて予め決められる中断値を利用する。様々な実施形態では、中断値は、予想最大値の百分率及び／又は予想最大値未満の又は窓内の固定的な閾値又はギャップ（例えば、４００ｍＡ又は３０Ｗ）である。本発明のシステムは、ＲＦ出力、例えば、電流及び／又は電力をモニタし、中断システムは、電圧が調節される、例えば、降下する前に、モニタされた電流及び／又は電力がこの中断値に到達することを保証し、ＲＦ出力ピーク条件が迅速かつ正確に識別されることを保証し、それにより、両方の利益を均衡させる。しかし、予想最大値未満で中断値のオフセットが小さい又は大きいと、ＲＦ出力の特別に高い電圧が印加される（例えば、オーバーパルス）時間は長くなるが、例えば、ノイズによるトリガに起因して、本発明のシステムがＲＦ出力の電圧を早まって休止するか又は低減する（例えば、アンダーパルス）可能性は低いということが認識される。

様々な実施形態では、本発明のシステムは、予想最大値を記録又は格納し、次のモニタ値が格納された予想最大値を超えるか否かを探る。最大値を超えると、モニタ値は「新しい」最大値として格納される。様々な実施形態では、本発明のシステムは、５０ｍｓ毎のような設定された間隔でＲＦ出力をモニタ又は記録し、着目したＲＦ出力の値を格納された予想最大値と比較して新しい最大値が生じたか否かを決定する。

様々な実施形態により、本発明のシステムは、終了条件が規則的間隔で設定された一連の状態を利用する。ＲＦエネルギが印加され、着目した値が変化すると（例えば、電力及び／又は電流が増加すると）、状態は進行し、又はカスケードする。状態の数を増すことで、カスケードの分解能が高まる。しかし、カスケードの分解能によっては、ＲＦ出力ピーク条件を決定するのに、多少は精度が損なわれる可能性があるが、状態のカスケード又は類似の進行は、計算上はそれほど集約的でなく、変数の使用を必要としない、又はそれを最小にする。

様々な実施形態により、中断値又は範囲は、予想最大値から予想値に百分率（例えば、８０％）を掛けることで計算される。予想最大値が高いほど、ＲＦ出力ピーク条件をトリガ又は識別するために、着目した値（例えば、電流又は電力）の大きい降下を必要とする可能性がある。様々な実施形態での中断値又は範囲は、予想最大値から固定的なオフセット（例えば、４００ｍＡ又は３０Ｗ）を差し引いて計算される。予想最大値に応じて、これは、百分率計算よりも小さいか又は大きい値をもたらす可能性があるが、本発明のシステムのノイズ振幅又は類似の不正確性が既知である場合に、不正確性を考慮してオフセットを設定する（例えば、ノイズ振幅よりも高く設定する）ことができるので役に立つ可能性がある。確実にピークが検出可能になるように、着目した値（例えば、電流又は電力）を中断値と照合することができ、一部のシナリオでは、確実にピークを識別することができるように、電圧に対して何らかの調節を行うより前に、着目した値（例えば、電流又は電力）が少なくとも中断値に到達しなければならない。様々な実施形態では、本発明のシステムは、例えば、既知の不正確性を考慮する又はトリガするための着目した値のより大きい降下が望まれない状況で予想最大値が特定の閾値に到達する場合に、並行して又は連続して作用するオフセット及び百分率の組合せ及び／又はその順序の修正を提供し、ＲＦ出力ピーク条件の識別又は決定を強化する。

様々な実施形態では、本発明のシステムは、ＲＦ出力条件を決定するために、又は予想するために着目した値（例えば、電流及び／又は電力）の変化率をモニタする。従って、本発明のシステムは、着目した値の微分値又は変化率と、移り変わり（例えば、変化又は変化率の低減）とをモニタしてＲＦ出力ピーク条件、又はＲＦ出力ピーク条件が発生間近であるか又は発生しそうであるという兆候を識別する。

様々な実施形態では、本発明のシステムは、ＲＦ出力ピーク条件を決定するためにＲＦ出力の電流を調節するように配置される。特に、本発明のシステム、例えば、発生器のＲＦ増幅器は、供給されるＲＦエネルギの電流を徐々にランプアップし、発生器は電流調整状態に置かれる。電流調整値が、より多くの電流を受容する組織の機能を超えると、本発明のシステムはもはや電流調整されず、その結果、本発明のシステムが調整を切り換える時に電圧が急激に増加する。従って、この電圧条件が、ＲＦ出力ピーク条件のインジケータ又は決定値として使用される。従って、このシステム調整より、百分率又はオフセットシステム又は処理で提供されるように格納又は利用される着目した予想最大値の使用を見合わせることができる。

様々な実施形態では、エラー又は予期しない結果が生じた場合に、本発明のシステムは、処理、例えば、ＲＦエネルギの供給を終了する。様々な実施形態では、そのようなエラーは、短絡検出エラー又は開路検出エラーを含む。一実施形態では、短絡検出エラーは、電気手術発生器による供給されたＲＦエネルギの測定された位相角が予め決められた値、例えば、６０度に等しいか又はそれを超える場合に電気手術発生器によって決定される。一実施形態では、開路検出エラーは、供給されたＲＦエネルギの測定された電流が予め決められた値、例えば、１００ｍＡに等しいか又はそれ未満である場合に、及び／又は供給されたＲＦエネルギの測定された電圧が予め決められた値、例えば、５０Ｖに等しいか又はそれを超える場合に電気手術発生器によって決定される。エラーのない制御処理の完了は、組織封止の成功を示している。様々な実施形態により、成功した組織封止は、予め決められた範囲の破裂圧力又は特定の閾値圧力に耐えることができるものと認識される。

様々な実施形態により、組織封止の形成は、血管系細胞外基質に存在する生来コラーゲンの約６０℃によって始まる変性及び架橋に依存することが確認されている。この基質の強度は、封止された組織に存在する水分蒸発による封止部位での乾燥（又は水分の除去）に大きく依存する。これに加えて、少なくとも８０℃の温度で変性したコラーゲンと他の生体組織の間に結合を発生させることができる。これに加えて、そのコラーゲンは、露出のピーク温度ではなく、高温下での持続時間に応じて劣化する。従って、比較的短い封止サイクルの持続時間中に、組織を高温条件（例えば、１００℃）に露出することは、コラーゲンの構造に影響を与えないが、水分蒸発を可能にする。様々な実施形態により、組織を封止するための総時間は、変性したコラーゲンが組織と架橋して結合するように水を蒸発し、コラーゲン－水の水素結合を制限するために当該構造を高温、例えば、１００℃に加熱する段階に依存している。従って、封止時間を最適化するためには、可能な限り迅速に捕捉された組織内で１００℃を達成して乾燥処理を開始することが望ましいことが見出された。

従って、様々な実施形態により、ＲＦエネルギが始動した後及び／又は様々なデバイス点検が行われた後で、電気手術発生器は、供給するＲＦエネルギを通して動的な電圧ランプを使用する。動的電圧ランプが完了した状態で、本発明のシステムは、電圧を予め決められたレベルまで低減し、供給するＲＦエネルギの電圧をゆっくりとランプアップさせる。ランプ発生の間に、乾燥に十分な温度を維持するために、十分な電力量が組織に印加される。それにより、封止の構造的破損を引き起こさない速度で連続的な蒸発が可能になり、血管の封止成績が改善する。

一実施形態では、高い電圧レベルの印加により、封止された組織が活性電極に付着する場合がある。従って、より低いピーク電圧で電圧ランプを終了させ、最後にその電圧出力を一定に保持することで、活性電極への組織付着の可能性を低減しながらエネルギ印加を継続することが可能になる。電圧ランプを終了するタイミングの決定は、様々な実施形態により、供給するＲＦエネルギの位相及び電流をモニタすることによって行われる。組織が乾燥する時に、位相はより容量性になり、電流の引き込みが少なくなる。電流が低下して位相が容量性になった時にある固定の電流値で電圧ランプを終了させることにより、組織の乾燥レベルを分類することができる。この可変電圧設定値により、封止サイクルでは、封止されている組織の電気的及び構造的な相違に基づいてエネルギ印加を調節することができる。

様々な実施形態では、適切な組織作用を達成するために、印加されるＲＦエネルギの位相角、電流、及び／又は電力が測定、計算、及び／又はモニタされる。図４から図７は、様々な実施形態による例示的封止サイクルのグラフィック表示を提供する。図７に示すように、電圧１１１ａは、電力１１１ｂ、インピーダンス１１１ｃ、エネルギ１１１ｄ、電流１１１ｅ、及び位相１１１ｆのような他のＲＦ出力読取値又はインジケータと比較して示されている。これに加えて、図４～図７に示すが、様々な実施形態では、電気手術発生器は、運転費及び電力費、及び消耗を低減するために、及び／又は電気手術発生器の部品数を低減するためにインジケータ又は読取値（例えば、インピーダンス）のうちの１又は２以上を測定しない又は計算しないように構成することができる。追加の情報又は読取値は、一般的に、関連上の目的で提供又は表示される。これに加えて、様々な実施形態では、インピーダンス又は温度の読取値は、そのような読取値が不正確又は非実用的である可能性があるために使用されない又は測定されない場合がある。

図７に示すように、ＲＦ出力１１１ａの電圧は、封止サイクルの初期に総封止時間と比べて相対的に短い時間にわたって増大し、ＲＦエネルギの電圧ランプ又はパルス１３１（図６に示す）を発生させる。様々な実施形態により、本発明のシステムは、ＲＦ出力ピーク条件１２１を決定し、又はそれに到達するようにされる。続いて、ＲＦ出力ピーク条件１２１に到達した後に、ＲＦエネルギの電圧は低減し、電圧パルスに比べて緩やかにランプアップする。様々な実施形態では、本発明のシステムによる緩やかな電圧ランプ１３２は、顎部間の組織を少なくとも１００℃の近くに維持し、それによって組織内の水の沸騰速度を制御しようとするものである。様々な実施形態では、組織封止に関する適切な組織作用を達成するために、印加されるＲＦエネルギの位相角、電流、及び／又は電力がモニタされる。次に、ＲＦエネルギの電圧は、組織付着の可能性を低減するために一定に保たれる（１３３）。封止完了時に（例えば、本発明のシステムによる予め決められた期間枠又は期間内で）、本発明のシステムによって供給されるＲＦエネルギが終了し、又はＲＦエネルギの供給が休止、中断、又は停止する（１３４）。様々な実施形態では、ＲＦエネルギの電圧ランプが終了し、本発明のシステムによる予め決められた期間の後で、本発明のシステムによって供給されるＲＦエネルギが終了し、又はＲＦエネルギの供給が休止、中断、又停止する。

様々な実施形態では、本発明のシステムは、例えば、発生器によって供給可能な最大の電流又は電力を引き込む一部の組織バンドルで提供される意図しない電流の引き込みを識別する。本発明のシステムがそのような電流条件下にある間、組織を封止するのに必要であるＲＦエネルギの供給が十分でないか、又は本発明のシステムによって効率的に供給されない可能性がある。様々な実施形態では、そのような条件に対処するために、本発明のシステムは、ＲＦエネルギ出力の電流が許容可能な最大電流、例えば、４５００ｍＡの９０％よりも大きいか否かを決定する。もし大きい場合に、本発明のシステムは、確実に電流が十分低下してそれによって組織の十分な乾燥が生じたことが示されるように更に待つ又は遅延する。そのような遅延の後で、電流が十分に低下しなかった場合に、エラーが表示され、及び／又は供給されるＲＦエネルギが休止する。様々な実施形態では、本発明のシステムは、電流が電流閾値（例えば、４１００ｍＡ）を下回った場合に、電流が十分に低下したと決定又は確証される。従って、本発明のシステムは、電流条件が終わったこと、及び／又は組織が蒸発又はピーク条件に到達したと決定する。

ここで図８を参照すると、一実施形態では、電気手術発生器１０は、ＡＣ主入力に接続され、電源４１は、電気手術発生器１０の様々な回路に給電するために、ＡＣ主入力からのＡＣ電圧をＤＣ電圧に変換する。電源はまた、ＲＦエネルギを発生させるＲＦ増幅器４２にＤＣ電圧を供給する。一実施形態では、ＲＦ増幅器４２は、電源からのＤＣ１００Ｖを３５０ｋＨｚの周波数を有する正弦波形に変換し、その正弦波形は、接続された電気手術器具又はツール２０を通して送出される。ＲＦセンサ回路４３は、接続された電気手術器具又はツール２０にＲＦエネルギを供給する電気手術発生器１０の出力での電圧、電流、電力、及び位相を測定／計算する。測定／計算された情報は、コントローラ４４に与えられる。

一実施形態では、ＲＦセンサ４３は、ＲＦ増幅器４２からの測定されたＡＣ電圧及び電流を分析して電圧、電流、電力、及び位相を含む制御信号に関するＤＣ信号を発生し、それらは、更に別の処理のためにコントローラ４４に送信される。一実施形態では、ＲＦセンサ４３は、出力電圧及び電流を測定し、電圧及び電流の実効値（ＲＭＳ）、ＲＦ出力エネルギの皮相電力、及び接続された電気手術器具又はツール２０を通して供給されるＲＦエネルギの電圧及び電流間の位相角を計算する。特に、出力ＲＦエネルギの電圧と電流は、ＲＦセンサのアナログ回路によって処理され、電圧と電流の両方の実数成分と虚数成分が発生される。これらの信号は、フィールドプログラマブルゲートアレイ（ＦＰＧＡ）によって処理され、ＡＣ信号のＲＭＳ測定値、電圧と電流の間の位相シフト、及び電力を含む電圧及び電流に関する様々な測定値を与える。従って、一実施形態では、出力電圧及び電流は、アナログで測定され、デジタルに変換され、ＲＭＳ電圧及び電流、皮相電力、及び電圧と電流の間の位相角を計算するためにＦＰＧＡによって処理され、その後に、コントローラ４４のためにアナログに戻される。

一実施形態では、コントローラ４４は、出力ＲＦエネルギに影響を及ぼすためにＲＦ増幅器４２を制御するか又はそれに信号伝達する。例えば、コントローラ４４は、ＲＦセンサ４３によって提供される情報を利用してＲＦエネルギを出力すべきか、調節すべきか、又は終了させるべきかを決定する。一実施形態では、コントローラ４４は、予め決められた電流、電力、及び／又は位相の閾値に到達した又はそれを超えたか否か、又はその時間を決定し、ＲＦエネルギの出力を終了させるタイミングを決定する。様々な実施形態では、コントローラ４４は、本明細書でより詳細に説明する溶解又は封止処理を実行し、一部の実施形態では、コントローラ４４は、封止処理を実行するための命令、設定値、又はスクリプトデータを電気手術器具又はツール２０から送信されたデータから受信する。

ＲＦ増幅器４２は、接続された電気手術器具又はツール２０を通過する高電力ＲＦエネルギを発生させる。一例では、電気手術器具又はツール２０は、組織を溶解又は封止するのに使用される。様々な実施形態によるＲＦ増幅器４２は、ＤＣ１００Ｖ電源を３５０ｋＨｚの周波数を有する高電力正弦波形に変換するように構成される。次に、変換された電力は、接続された電気手術器具又はツール２０に送出される。ＲＦセンサ４３は、ＲＦ増幅器４２からの測定されたＡＣ電圧及び電流を解釈し、電圧、電流、電力、及び位相を含む制御信号に関するＤＣ信号を発生し、それらは、コントローラ４４によって解釈される。

電気手術発生器１０（コントローラ４４及び／又はＲＦセンサ４３を含む）は、供給されているＲＦエネルギをモニタ及び／又は測定し、それが期待通りであるか否かを決定する。様々な実施形態では、本発明のシステム（例えば、コントローラ及び／又はＲＦセンサ）は、ＲＦエネルギの電圧及び／又は電流をモニタし、確実に電圧及び電流が予め決められた閾値を超えるようにする。同じく、本発明のシステム（例えば、コントローラ及び／又はＲＦセンサ）は、供給されたＲＦエネルギの位相及び／又は電力をモニタ、測定、及び／又は計算する。本発明のシステム（例えば、コントローラ及び／又はＲＦセンサ）は、供給されたＲＦエネルギ電圧、電流、位相、及び／又は電力が、予め決められた電圧、電流、位相、及び／又は電力の窓又は範囲にあることを保証する。一実施形態では、電圧、電流、位相、及び／又は電力の窓はそれぞれ、予め決められた最大の電圧、電流、位相、及び／又は電力と、予め決められた最小の電圧、電流、位相、及び／又は電力とによって予め決められる。ＲＦエネルギの電圧、電流、位相、及び／又は電力がそれぞれの窓から外れると、エラーが表示される。一実施形態では、ＲＦエネルギが器具の顎部間で組織を封止するために供給されている時に、それぞれの窓は、本発明のシステムによって摺動するか又は調節される。それぞれの窓の調節は、供給されたＲＦエネルギが期待通りであることを保証するためにある。本発明のシステムは、様々な実施形態では、供給されたＲＦエネルギの位相及び／又は電流、又は位相及び／又は電流の変化率をモニタし、位相及び／又は電流が予め決められた位相及び／又は電流の閾値に達したか、又はそれと交差したかを決定する。予め決められた位相及び／又は電流の閾値に関連して位相及び／又は電流の交差が生じた場合に、ＲＦエネルギは、終了する前に予め決められた期間にわたって供給される。

様々な実施形態により、コントローラ４４の作動エンジンにより、電気手術発生器１０は、異なる多くの電気手術器具又はツール、外科手順、及びプリファレンスを含むがこれらに限定されない様々な作動シナリオに適応するように構成可能なものとすることができる。作動エンジンは、外部ソースからデータを受信して解釈し、受信したデータに基づいて電気手術発生器１０の作動を具体的に構成する。

様々な実施形態により、作動エンジンは、電気手術ツール又は器具２０のメモリデバイスから読み出されるデータベーススクリプトファイルから構成データを受信することができる。データベーススクリプトファイルは、電気手術発生器１０が使用する状態論理を定義する。電気手術発生器１０によって決定された状態及び行われた測定に基づいて、データベーススクリプトファイルは、電気手術発生器１０に対する出力レベルと共に遮断基準を定義又は設定することができる。データベーススクリプトファイルは、一実施形態では、例えば、測定された位相が６０度よりも大きい場合の短絡条件、又は例えば測定された電流が１００ｍＡよりも小さい場合の開路条件の表示を含むトリガ事象を含む。

様々な実施形態により、動的電圧ランプの後で、比較的少ない量の電流又は電力を引き込む組織は容積が小さく、又は例えば図９に示すように既に高度に乾燥している可能性がある。高度に乾燥した組織は、二重又は反復封止状況で（例えば、外科医が、最初の封止サイクル又は既に完了した封止サイクルの後に、器具を移動するか又は器具を組織の異なる部分又は全く異なる組織に位置決めすることなく再度ＲＦエネルギを供給するために器具を作動させる場合に）、一般的に遭遇する可能性がある。二重又は反復封止は、熱を含むＲＦエネルギの追加の印加をもたらし、それによって焼痂の蓄積、熱拡散、及び／又は付着の可能性を増大させる。様々な実施形態では、本発明のシステムは、そのような反復封止が行われた時に高電圧を有するＲＦ出力を低減又は防止する。

様々な実施形態により、本発明のシステムは、器具と接触している組織の乾燥レベルを識別又は決定する。本発明のシステムは、封止サイクル中における低レベルの電流又は電力、高レベルのインピーダンス、低位相角、低エネルギ送出、及び／又は水分蒸発（例えば、水蒸気）の欠如を使用して組織の乾燥レベルを識別する。組織の乾燥レベルが識別された状態で、限定された時間又は電力レベルでＲＦエネルギを提供するなどでＲＦ出力が低減される。様々な実施形態では、これらの値のいずれかに対して固定的な閾値を使用して条件をトリガすることができ（例えば、５００ｍＡ）、及び／又は封止サイクル中に閾値を計算することができる（例えば、予想最大値から２０％低減）。

様々な実施形態では、本発明のシステムは、これらの閾値のうちの１又は２以上を使用して、既に封止された組織を識別し、封止サイクルの早期にトリガする。封止サイクルの終わりでは、最初の作動とその後の作動とは非常に似通っており、両方の場合に組織が乾燥している可能性がある。しかし、封止サイクルの開始時では、最初の作動は、組織内に水がまだ存在しているために、（そうではないその後の封止と比べて）より多くの電流又は電力を引き込むことになる。これに加えて、組織が封止される時に、引き込まれる電流又は電力は大幅に変化する可能性がある。既に封止された組織に対する起動は、遥かに低い変化率を有する可能性があり、従って、本発明のシステムは、組織に加えられている有意な変化を識別するのに使用することができる着目した測定値の微分値を利用する。

様々な実施形態では、本発明のシステムは、反復封止及び／又は薄い組織を識別するためにＲＦ出力の位相を特に封止サイクルの開始時に追跡する。二重封止は、２０度を超える位相値を有する傾向がある。反復封止又は薄い組織の断片が識別された状態で、その組織に対して代替ＲＦ経路を適用することができる。

様々な実施形態では、本発明のシステムは、初期位相の大きさに応じてＲＦ出力を調節する位相値のカスケードを使用する。例えば、位相が２０～２５度の場合に、ＲＦエネルギの適度な低減が適用される。しかし、位相が２５～３０度の場合に、当該タイプの組織が器具と接触していることがより確実であるように、適用されるＲＦエネルギは、更に又は積極的に低減される。この例を続けると、３０度を超える位相角は、ＲＦエネルギの最大の又は最も積極的な低減をもたらすことになる。

高度に乾燥した組織又は薄い組織が識別された状態で、ＲＦ出力の変化によって加えられる熱が低減する結果になり、良好な組織の封止効果がもたらされる。このタイプの組織にＲＦエネルギを追加すること又は低減しないことで、止血作用に対して更に別の利益を与えることなく追加の熱拡散、焼痂、付着、及び／又はより長い手順時間をもたらす可能性がある。

様々な実施形態により、電気手術システムは、閾値を使用して電圧ランプを停止する二重封止システムを含み、封止を通してより低い保持電圧をもたらし、及び／又は閾値を使用してＲＦ出力を終了又は休止し、及び／又は封止サイクルを終わらせる。様々な実施形態では、二重封止システムはまた、タイムアウト値に到達するのではなく、直ちに状態を離脱するために閾値を使用して総封止時間の低減をもたらすことができる。

様々な実施形態により、組織を溶解又は封止するための電気手術発生器及び関連の電気手術ツールに対する例示的ＲＦエネルギ制御処理、スクリプト、又はシステムを図１０に示している。第１の段階７１では、接続された電気手術ツールを通して、ＲＦエネルギが電気手術発生器によって供給される。電気手術発生器は、段階７２では、急峻なランプを有するＲＦエネルギを発生させるために、供給されたＲＦエネルギの電圧を設定する。様々な実施形態により、供給又は発生されるＲＦエネルギは、電圧が予め決められた期間（例えば、７５ｍｓ）によって予め決められた初期値（例えば、４０Ｖ）から最大値（例えば、６０Ｖ）まで増加し、及び／又は電流が同じ予め決められた期間（例えば、７５ｍｓ）によって予め決められた初期値（例えば、２５００ｍＡ）から予め決められた最大値（例えば、５０００ｍＡ）まで増加する急峻なランプである。電気手術発生器又はシステムは、段階７２で実行されたランプ方式でＲＦエネルギの供給を継続しながら段階７３でＲＦ出力ピーク条件を決定又は識別する。

様々な実施形態では、本発明のシステムは、電流及び／又は電力が低減しているか否か、又は予め決められた閾値に到達したか否かを決定するために、ＲＦ出力の電流及び／又は電力をモニタ又は測定する。これは、ピーク条件に到達したか否かを更に決定するために実行される。ピーク条件が識別されない又はそれに到達していない場合に、本発明のシステムは、段階７４で二重封止条件が存在するか否かを決定する。様々な実施形態では、本発明のシステムは、ＲＦ出力の電流をモニタ又は測定し、電流が低減しているか否か又は予め決められた電流閾値に到達したか否かを決定し、二重封止条件が存在するか否か又は識別されるか否かを決定する。ピーク条件及び／又は二重又は反復封止が識別された場合に、本発明のシステムは、段階７５でＲＦ出力の電圧を下げるように変更又は調節する。様々な実施形態では、本発明のシステムは、ＲＦエネルギを徐々にランプさせ（段階７５で）、予め決められた期間（例えば、５００ｍｓ）にわたって予め決められた初期値（例えば、３５Ｖ）から最大値（例えば、４５Ｖ）まで増大させる。

電気手術発生器又はシステムは、段階７５（上記）で上述のように、ＲＦエネルギをランプ方式で供給し続けながら、段階７６で、保持条件をモニタ、決定、又は識別する。電気手術発生器又はシステムは、様々な実施形態では、供給されたＲＦエネルギの少なくとも位相、電圧、電流、電力、及び／又はその変化／変化率を測定、計算、及び／又はモニタする。段階７６では、保持条件（例えば、位相及び電流の条件）に到達した、又は予め決められた閾値又は値に等しい、それを上回った又は下回った場合に、段階７７でＲＦ出力が調節される。様々な実施形態では、電気手術発生器は、供給するＲＦ出力の電圧を一定に保持するようにし、及び／又はランプを終了させる。様々な実施形態では、位相条件又は閾値が予め決められた位相閾値に到達した又は下回った場合、及び電流条件又は値が予め決められた電流閾値に到達した又は下回った場合に、電気手術発生器は、供給するＲＦエネルギの電圧を一定になるように調節する。位相及び電流の条件又は閾値に到達又は交差していない場合に、電気手術発生器は、ＲＦエネルギをランプ方式で供給し続け（段階７５により）、保持条件をモニタしながら（段階７６により）、予め決められた期間待機する。定電圧の状態で（段階７７により）、電気手術発生器は、ＲＦエネルギの供給及び／又は供給するＲＦエネルギの調節を継続しながら（段階７７で）、終了条件をモニタ、識別、又は決定する（段階７８により）。終了条件が決定又は識別された場合に、処理は完了したと見なされる。終了手続きが開始され、及び／又は発生器によって供給されるＲＦエネルギが停止する（段階７９で）。終了条件を表す電力条件又は閾値に到達した、又は予め決められた閾値又は値に等しい、それを上回った又は下回った場合に、処理は完了したと見なされる。その場合に、終了手続きを開始することができ、及び／又は発生器によって供給されるＲＦエネルギを停止させることができる。終了条件又は閾値に到達又は交差していない場合に、電気手術発生器は、電力条件をモニタしながらＲＦエネルギの供給を継続する。

様々な実施形態では、処理の開始前にインピーダンスを測定して、接続された電気手術ツールに送出される低電圧測定信号によって短絡条件又は開路条件を決定する。一実施形態では、受動インピーダンスを測定して、捕捉した組織が電気手術ツールの作動範囲内（例えば、２～２００Ω）にあるか否かを決定する。最初のインピーダンス点検に合格すると、ＲＦエネルギが電気手術ツールに供給され、その後に、インピーダンス／抵抗は再び測定されない又は無視される。

様々な実施形態では、最大電流値又は電力値は、固定的であるか又は予め予め決められ、メモリに格納されるか又は外部入力を通して提供又は設定される。様々な実施形態により、最大電流値又は電力値は、ＲＦエネルギの印加と、供給されたＲＦエネルギの電流及び／又は電力をモニタして電流又は電力のピークを決定することとを通して、本発明のシステムによって決定される。様々な実施形態では、最大電流値又は電力値は、電気手術器具と接触している組織の蒸発点を表している。様々な実施形態では、発生器は、高電圧の急峻ランプを与えて、組織を水分蒸発点に迅速にもたらす。

様々な実施形態により、最大位相値は、ＲＦエネルギの印加と、位相をモニタしてＲＦ出力ピーク条件を表す位相ピークを決定することとを通して、システムによって決定される。様々な実施形態では、顎部の面に埋め込まれた熱電対のような熱電対又は類似の温度センサ又は検出システムを本器具に設けて組織の温度をモニタし、水分蒸発が始まるまで発生する急速な温度上昇を潜在的に識別し、その蒸発点では、追加の熱で水蒸気が発生されるために状態変化が温度上昇を停止させることになり、及び従ってＲＦ出力ピーク条件を識別することができる。様々な実施形態により、最小インピーダンスは、ＲＦエネルギの印加と、組織のインピーダンスをモニタしてＲＦ出力ピーク底値を表すインピーダンス底値を決定することとを通して、本発明のシステムによって決定される。従って、この処理又はシステムは幾らか逆になっており、最大値ではなく最小値又は最小窓が決定される。

様々な実施形態では、電気手術発生器は、高電圧ランプ又はパルスを与えて、組織をＲＦ出力ピーク点又はピーク条件に迅速にもたらす。様々な実施形態では、ＲＦ出力ピーク条件は、水分蒸発点又は蒸発条件、例えば、組織内の体液が状態を変えて蒸発し始める時を表す又はそれに対応する。これは、封止されている組織から水蒸気が発生し始める時に観察することができる。この点又は条件は、様々な実施形態では、印加又は供給されるＲＦエネルギの電力出力又は電流出力が最大となった又はピークに到達した時に、予め決められるか又は識別される。パルス中に蒸発点又はピーク点に到達しなかった場合（例えば、アンダーパルス）、この封止サイクルでは、その後の電圧降下及び緩やかなランプアップが遅延する。アンダーパルスの組織は、そのアクティブ封止サイクル又は水の除去を予想よりも遥かに遅れて開始し、同じ時間内に除去される水の総量が少ないことをもたらす。

様々な実施形態により、電気手術発生器は、ＲＦエネルギの出力、電圧、電流、電力、及び／又は位相に関連付けられた様々なパラメータ又は機能の追加の調整を提供するように構成され、作動エンジンは、様々なパラメータ又は機能を利用してＲＦエネルギの出力を調節するように構成される。１つの例示的実施形態では、制御回路は、位相の直接調整のために追加の調整制御を提供し、その場合に、電圧、電流、及び／又は電力の出力が、作動エンジンによって与えられた指定の位相調整設定値を満たすように調節される。

様々な実施形態により、発生器は、電圧、電力、電流、及び／又は位相のモニタされた、測定された、及び／又は計算された値（例えば、制御インジケータ）を利用して作動条件を認識し、かつ作用／実行する。様々な実施形態では、追加の測定、又はＲＦ出力調整回路に関連付けられた測定値に基づく計算が、スクリプト又は作動エンジンによって提供され、追加の測定、又は他の測定値又は閾値に対する計算に関連付けられた又はそれによってトリガされる追加の又は異なる事象を認識し、それに基づいて作用するようになっている。一実施形態での追加の測定は、電圧、電流、及び／又は電力の出力、又は他の同様な調整パラメータを調整するのに使用されるパルス幅変調（ＰＷＭ）の負荷サイクルと組み合わせた誤差信号を含む。様々な実施形態で識別又はトリガすることができる異なる又は追加の事象又はインジケータは、１つの調整制御から別の調整制御への（例えば、電流調整から電力調整への）移行とすることができる。様々な実施形態では、後に続くインピーダンス又は温度の点検又は測定は、そのような点検又は測定が不正確及び／又は非実用的である可能性があるので実行されない場合がある。

様々な実施形態では、発生器は、多くの状態、制御点、又は点検を利用して、位相、電流、又は電力の値を正又は負の傾向についてそれぞれ識別する。電気手術発生器が予想される傾向を識別しない場合に、エラーを信号で通知する。多状態点検により、異なるタイプの組織にわたって予想されるＲＦ出力傾向を識別するのに電気手術発生器の分解能が高まるか又は強化される。

様々な実施形態では、電気手術発生器はまた、接続された電気手術ツールが電気的な開路条件又は短絡条件を体験したか否かを決定するために位相又は電流、及び／又は位相又は電流の変化率をモニタする。一例では、電気手術発生器は、印加又は供給されたＲＦエネルギの位相をモニタすることにより、接続された電気手術器具の電気的短絡条件を識別する。モニタされた位相が予め決められた最大位相値よりも大きい場合に電気的短絡条件が識別される。同様に、一例では、電気手術発生器は、印加又は供給されたＲＦエネルギの電流をモニタすることにより、接続された電気手術器具の電気的開路条件を識別する。モニタされた電流が予め決められた最小電流よりも小さい場合に電気的開路条件が識別される。いずれか又は両方の事例では、電気手術発生器は、開路条件及び／又は短絡条件を見つけるとエラーを表示し、供給されているＲＦエネルギが止まる。

様々な実施形態では、この出願の全体を通して説明する予め決められた処理は、電気手術器具への接続部及び／又はケーブル式接続部に対して取り外し可能に接続されたコネクタ内に組み込まれたメモリモジュールにロードされる。様々な実施形態では、デバイススクリプト又は処理は、デバイスコネクタ内に保管された又は製造／組み立て中にデバイスコネクタ又はコントローラ内の回路に結線されたアダプタＰＣＢＡ（プリント回路基板アセンブリ）上にプログラムされる。スクリプトソースファイルは、特注のテキストベースの言語で書かれ、スクリプトコンパイラにより、発生器だけが可読なスクリプトデータベースファイルにコンパイルされる。スクリプトファイルは、特定の電圧（例えば、１００Ｖ（ＲＭＳ））、電流（例えば、５０００ｍＡ（ＲＭＳ））、及び電力レベル（例えば、３００ＶＡ）を出力するように発生器を構成するように特別に選択されたパラメータを含有する。様々な実施形態では、デバイスキープログラマーデバイスは、スクリプトデータベースファイルを読み取り、次にアダプタＰＣＢＡのメモリの中にプログラムする。

ここで、様々な実施形態による本明細書に説明した電気手術ツール又は器具の作動態様の一部に移ると、血管又は組織のバンドルが溶解のために識別された状態で、第１の顎部３１及び第２の顎部３３が組織の周りに配置される。可動ハンドル２３を締め付けると、それによって第１の顎部３１と第２の顎部３３が一緒にピボット回転して組織を実質的に捕捉する。アクチュエータ２４は第１の又は初期の位置を有し、この位置では、可動ハンドル２３が固定ハウジング２８から離れて位置決めされた又は離間した状態で顎部２２が開放位置にある。

外科医が起動ボタン２９を押下げると、顎部２２間の組織に高周波エネルギが印加される。組織が溶解した状態で、可動ハンドル２３を解除して固定ハウジング２８から離間させることにより、アクチュエータ２４を再開することができる。顎部２２間の組織を切断するために、ユーザは、ブレードトリガ２５を作動させることができる。ブレードトリガを近位方向に移動すると、切断ブレードが遠位方向に移動して顎部２２間の組織を分割する。外科医がブレードトリガ２５を解除すると、ブレードバネが切断ブレードを元の位置に戻す。様々な実施形態により、アクチュエータ２４は切断位置を有し、この位置では、顎部２２が閉鎖位置にあり、可動ハンドル２３が閉じられてラッチされ、及びブレードトリガ２５が押下げられて切断ブレードをその最遠位位置に前進させる。

様々な実施形態では、顎部２２が閉じた又はその近くの位置にあるが、可動ハンドル２３がラッチされない中間位置又は非ラッチ位置が設けられる。従って、可動ハンドル２３が解除された場合に、可動ハンドル２３は、その元の位置又は初期位置に戻ることになる。一実施形態では、ブレードトリガ２５は、顎部２２間で組織を切断するように作動させなくてもよいが、起動ボタン又はスイッチ２９を起動して顎部２２間で組織を溶解することができる。様々な実施形態では、顎部２２が閉じた又はその近くの位置にあって可動ハンドル２３がラッチされたラッチ位置が設けられる。従って、可動ハンドル２３が解除された場合に、可動ハンドル２３はその元の位置又は初期位置に戻らないことになる。一実施形態では、起動ボタン又はスイッチ２９を起動して閉じた顎部２２間で組織を溶解させることができ、及び／又はブレードトリガ２５を起動して顎部２２間で組織を切断することができる。

上述のように、様々な実施形態により、電気手術器具は、顎部２２が互いに離間し、従って、可動ハンドル２３も固定ハウジング２８から離間している第１の（開）状態を有する。このようにして、電気手術器具は、顎部２２の間に組織を捕捉するように位置決めされる。器具の第２の（中間）状態では、顎部２２は、顎部２２間に組織を捕捉するために互いの近くにあり、同様に、可動ハンドル２３と固定ハウジング２８も互いの近くにある。外科医は、顎部２２を開き、それによって顎部２２を再び位置決めして当該組織又は他の組織を捕捉することにより、第２の状態から第１の状態に戻すことができる。電気手術器具の第３の（閉）状態では、可動ハンドル２３は、固定ハウジング２８に更に近づけられる。一部の実施形態では、可動ハンドル２３は、固定ハウジング２８にラッチすることができる。第３の状態へ移動すると、顎部２２間に捕捉された組織をブレードトリガ２５の起動によって切断することができる。可動ハンドル２３が固定ハウジング２８にラッチされる第３の状態への移動により、組織が意図せずに解除される可能性のある事態が低減される。同じく、組織の不注意な切断又は誤った組織線に沿う組織の切断をより良く回避することができる。これに加えて、第３の（閉）状態は、ＲＦエネルギの作動前、作動中、及び作動後に、顎部２２間の組織に一定の連続した予め決められた圧縮又は予め決められた範囲の圧縮を適用することを許容し、それにより、顎部２２間の組織の封止又は溶解を強化することができる。様々な実施形態により、ＲＦエネルギの印加は、可動ハンドル２３及び顎部２２が少なくとも第２の状態にあり、かつ起動ボタン２９を外科医が起動すると直ちに生じることができる。一部の実施形態では、ＲＦエネルギの印加は、可動ハンドル２３及び顎部２２が第３の状態にある場合に、起動ボタン２９を外科医が起動すると直ちに生じることができる。

様々な実施形態では、読み取り間違いを避けるために、電気手術発生器は、組織へのＲＦエネルギの供給中に組織の抵抗又はインピーダンスを測定しないことに注意されたい。様々な実施形態により、双極電気手術器具と接触している血管又は組織を封止するために、ＲＦエネルギの制御された効率的な供給を通して、熱拡散を低減し、効率的な電力送出を提供する電気手術システムを提供する。

この出願の全体を通して説明するように、電気手術発生器は、接続された電気手術器具にＲＦエネルギを供給する。電気手術発生器は、供給されるＲＦエネルギが指定されたパラメータを超えないことを保証し、故障又はエラー条件を検出する。様々な実施形態では、電気手術器具は、外科手順のためにＲＦエネルギを適切に印加するのに使用される指令又は論理を提供する。例えば、電気手術器具は、電気手術発生器と連動する器具の作動を命令する指令及びパラメータを有するメモリを含む。例えば、電気手術発生器は、ＲＦエネルギを供給することができるが、接続された電気手術器具は、ＲＦエネルギを印加する量又は時間を決定する。しかし、電気手術発生器は、接続された電気手術器具によって示された場合でも、ＲＦエネルギの供給が設定された閾値を超えることを許容せず、それにより、誤った器具指令に対する抑制又は保証を提供する。

一般的に上述し、かつ以下でより詳細に説明するように、様々な電気手術器具、ツール、又はデバイスを本明細書に説明した電気手術システムに使用することができる。例えば、本明細書で説明した態様のうちの１つ、いくつか、又は全てを組み込んだ電気手術捕捉器具、はさみ、ピンセット、プローブ、ニードル、及び他の器具は、電気手術システムでは様々な利点を提供することができる。様々な電気手術器具及び発生器の実施形態及びその組合せをこの出願の全体を通して説明している。この出願を通して一般的に説明した特徴のうちの１つ、いくつか、又は全ては、本明細書で説明した器具、発生器、及びその組合せに関する実施形態のいずれかに含むことができるように意図している。例えば、説明した器具の各々は、上述の発生器と対話するためのメモリを含むことが望ましく、逆も同様である。しかし、別の実施形態では、説明した器具及び／又は発生器は、器具メモリと対話することなく、標準双極高周波電源と対話するように構成することができる。これに加えて、説明を容易にするために、様々な実施形態をモジュール及び／又はブロックの観点から説明することができるが、そのようなモジュール及び／又はブロックは、１又は２以上のハードウエア構成要素、例えば、プロセッサ、デジタル信号プロセッサ（ＤＳＰ）、プログラマブル論理デバイス（ＰＬＤ）、特定用途向け集積回路（ＡＳＩＣ）、回路、レジスタ、及び／又はソフトウエア構成要素、例えば、プログラム、サブルーチン、論理、及び／又はハードウエア構成要素とソフトウエア構成要素の組合せによって実施することができる。同様に、そのようなソフトウエア構成要素は、ハードウエア構成要素又はその組合せと置換することができ、逆も同様である。

電気手術ユニット、器具、及びそれらの間の接続、及びそれらの作動及び／又は機能に関する更に別の例は、２００９年４月１日出願の「電気手術システム」という名称の米国特許出願第１２／４１６、６６８号明細書、２００９年４月１日出願の「電気手術システム」という名称の第１２／４１６、７５１号明細書、２００９年４月１日出願の「電気手術システム」という名称の第１２／４１６、６９５号明細書、２００９年４月１日出願の「電気手術システム」という名称の第１２／４１６、７６５号明細書、２００９年３月３１日出願の「電気手術システム」という名称の第１２／４１６、１２８号明細書、及び２０１５年９月８日出願の「電気手術システム」という名称の第１４／８４８、１１６号明細書であり、これらの開示内容全体は、これにより本明細書に完全に設定されているかのように引用によって組み込まれる。これらの電気手術発生器、ツール、及びシステムのある一定の態様を本明細書で説明しており、様々な実施形態に関する追加の詳細及び例は、２０１４年５月１６日出願の「電気手術溶解デバイス」という名称の米国仮特許出願第６１／９９４、２１５号明細書、２０１４年５月１６日出願の「同期式検出器を有する電気手術発生器」という名称の第６１／９９４、１８５号明細書、２０１４年５月１６日出願の「電気手術システム」という名称の第６１／９９４、４１５号明細書、及び２０１４年５月１６日出願の「電気手術発生器」という名称の第６１／９４４、１９２号明細書に説明されており、これらの開示内容全体は、これにより本明細書に完全に設定されているかのように引用によって組み込まれる。

以上の説明は、当業者が本明細書に説明する手術デバイスを製造及び使用し、本明細書に説明する方法を実行することを可能にするために提供され、本発明者が考えている本発明を実施する最良のモードを列挙している。しかし、当業者には様々な修正が明らかであろう。これらの修正は本発明の開示の範囲内であると考えられる。これに加えて、異なる実施形態又はそのような実施形態の態様を様々な図に示し、本明細書の全体を通して説明することができる。しかし、別々に図示又は説明する各実施形態及びその態様は、特に明記しない限り、他の実施形態及びその態様のうちの１又は２以上と組み合わせることができることに注意しなければならない。各組合せを明示的に説明しないのは、単に本明細書を読み易くするためである。同じく、本発明の実施形態は、あらゆる点で例示的であり限定的ではないように考えなければならない。

７１ ＲＦエネルギが電気手術発生器によって供給される第１の段階
７２ 供給されたＲＦエネルギの電圧を設定する段階
７４ 二重封止条件が存在するか否かを決定する段階
７５ ＲＦ出力の電圧を下げるように変更又は調節する段階
７６ ＲＦエネルギをランプ方式で供給し続けながら保持条件をモニタ、決定、又は識別する段階

Claims (30)

1. 組織を溶解又は封止するための電気手術発生器であって、
   前記電気手術発生器に接続された電気手術器具にＲＦエネルギを提供するように構成されたＲＦ増幅器と、
   コントローラを含み、
   前記コントローラは、
   組織の区域に第１の予め決められた量のＲＦエネルギを印加するように前記ＲＦ増幅器に命令し、
   前記第１の予め決められた量のＲＦエネルギによって影響された組織の前記区域の乾燥レベルを決定し、
   前記決定された乾燥レベルに基づいて組織の前記区域に印加されている前記第１の予め決められた量のＲＦエネルギを第２の量のＲＦエネルギまで低減するように前記ＲＦ増幅器に命令し、
   組織の前記区域に印加されているＲＦエネルギの前記第２の量を前記ＲＦエネルギの第３の量まで増大するように前記ＲＦ増幅器に命令し、印加されているＲＦエネルギの増加量のランプ速度と組織の該区域に印加される前記第３の量のＲＦエネルギとが、前記決定された乾燥レベルに基づいており、かつ、組織の前記区域に印可されているＲＦエネルギの前記第３の量が、前記第１の量のＲＦエネルギと該第２の量のＲＦエネルギとの間であり、
   組織の前記区域に印加されている前記第３の量のＲＦエネルギを第１の所定の期間にわたり維持するように前記ＲＦ増幅器に命令し、かつ
   第１の予め決められた期間が経過した後で組織の前記区域への前記ＲＦエネルギの前記第３の量の印加を終了するように前記ＲＦ増幅器に命令する、
   ことを特徴とする電気手術発生器。
2. 前記電気手術器具は、スクリプトを格納するメモリを含み、
   前記スクリプトは、前記電気手術器具の前記メモリから前記コントローラにダウンロードされ、
   前記スクリプトは、前記電気手術器具に対する予め定められた量のＲＦエネルギを発生するように電気手術発生器を構成する命令を含む、
   ことを特徴とする請求項１に記載の電気手術発生器。
3. ユーザ入力を受信するユーザインタフェースを更に含み、
   前記ユーザ入力に基づく量のＲＦエネルギを発生するように電気手術発生器に命令する命令が発生される、
   ことを特徴とする請求項１に記載の電気手術発生器。
4. 前記ＲＦ増幅器によって発生され、組織の前記区域に印可される前記第１の予め決められた量のＲＦエネルギ、前記第２の量のＲＦエネルギ、及び前記第３の量のＲＦエネルギは、電気手術発生器に接続された電気手術器具のタイプに基づいていることを特徴とする請求項１に記載の電気手術発生器。
5. 前記ＲＦ増幅器によって発生され、組織の前記区域に印可される前記第１の予め決められた量のＲＦエネルギ、前記第２の量のＲＦエネルギ、及び前記第３の量のＲＦエネルギは、実行されている関連の外科手順に基づいていることを特徴とする請求項１に記載の電気手術発生器。
6. 前記ＲＦ増幅器によって発生され、組織の前記区域に印可される前記第1の予め決められた量のＲＦエネルギ、前記第２の量のＲＦエネルギ、及び前記第３の量のＲＦエネルギは、受信されたユーザプリファレンスに基づいており、
   前記受信されたユーザプリファレンスは、電気手術発生器に関連付けられたユーザ入力を通じて得られる、
   ことを特徴とする請求項１に記載の電気手術発生器。
7. 前記コントローラによる前記組織の区域の乾燥レベルの決定が、前記組織の区域に印加されている前記ＲＦエネルギの電流ピーク条件を識別することを含む、ことを特徴とする請求項１に記載の電気手術発生器。
8. 前記コントローラによる前記組織の区域の乾燥レベルの決定が、前記組織の区域に印加されている前記ＲＦエネルギの電流ピーク条件が予め定められた閾値よりも低いことを識別することをさらに含む、ことを特徴とする請求項７に記載の電気手術発生器。
9. 前記予め定められた閾値は、二重封止条件に対応することを特徴とする、ことを特徴とする請求項８に記載の電気手術発生器。
10. 前記電流ピーク条件を識別することは、
    組織の前記区域に印加することができる電圧又は電流に対する最大量又は窓の百分率に基づく中断値を確立することと、
    現在の電圧又は電流測定値が前記中断値よりも高いことを検出することと、
    を含む、
    ことを特徴とする請求項８に記載の電気手術発生器。
11. 組織の前記区域に印加されている前記第１の量のＲＦエネルギと前記第２の量のＲＦエネルギとの差が、前記中断値を確立する際に使用された電圧又は電流に対する最大量又は窓の百分率に基づいていることを特徴とする請求項１０に記載の電気手術発生器。
12. 前記中断値を確立する際に関連付けられたより高い百分率に対する前記量は、該中断値を確立する段階に関連付けられたより低い百分率に対応する異なる量よりも高いことを特徴とする請求項１１に記載の電気手術発生器。
13. 前記コントローラによる前記コントローラによる前記電流ピーク条件を前記識別することは、
    組織の前記区域に印加されている前記ＲＦエネルギの前記電流及び／又は電力の変化率をモニタすることと、
    前記モニタされた変化率を前記電流ピーク条件が発生間近である又は発生しそうであるという識別に対応する予め決められた閾値と比較する段階と、
    を含む、ことを特徴とする請求項１０に記載の電気手術発生器。
14. 前記コントローラによる前記電流ピーク条件を前記識別することは、
    組織の前記区域に印加されている前記ＲＦエネルギに関連付けられた電流を調整することと、
    予め決められた閾値電圧よりも高い電圧の増加を検出することと、
    前記予め定められた閾値電圧よりも高い前記電圧の増加のタイミングを前記電流ピーク条件と関連付けることと、
    を含む、ことを特徴とする請求項１０に記載の電気手術発生器。
15. 組織の前記区域の前記乾燥レベルを前記決定する段階は、封止サイクル中の水分蒸発の量を識別する段階を含むことを特徴とする請求項１に記載の電気手術発生器。
16. 水分蒸発の前記量は、水蒸気の排出を検知することにより識別されることを特徴とする請求項１５に記載の電気手術発生器。
17. 前記第１の予め決められた量のＲＦエネルギから前記第２の量のＲＦエネルギへの減少は、組織の前記区域に印加することができるＲＦエネルギの予想最大量に関連付けられた百分率に基づいていることを特徴とする請求項１に記載の電気手術発生器。
18. 前記第２の量のＲＦエネルギは、事前設定値であることを特徴とする請求項１に記載の電気手術発生器。
19. 前記乾燥レベルを前記決定することは、組織の前記区域が既に溶解又は封止されている状況を識別することを含むことを特徴とする請求項１に記載の電気手術発生器。
20. 前記乾燥レベルを前記決定することは、組織の前記区域の厚みを識別することを含むことを特徴とする請求項１に記載の電気手術発生器。
21. 前記乾燥レベルを前記決定することは、組織の前記区域の容積を識別することを含むことを特徴とする請求項１に記載の電気手術発生器。
22. 組織の前記区域に印加される前記第１の予め決められた量のＲＦエネルギは、前記第２の予め決められた期間にわたる該ＲＦエネルギの電圧の予め決められた増加に対応する予め決められた傾斜電圧プロファイルを有することを特徴とする請求項１に記載の電気手術発生器。
23. 前記第２の予め決められた期間は、組織の前記区域の表面積に基づいていることを特徴とする請求項２２に記載の電気手術発生器。
24. 前記第２の予め決められた期間は最大時間閾値を含み、前記コントローラは、前記最大時間閾値に到達すると前記ＲＦエネルギの電圧の前記増加を終了させるように前記ＲＦ増幅器に指示するように構成されていることを特徴とする請求項２２に記載の電気手術発生器。
25. 前記第１の予め決められた期間は、組織の該区域の特性に基づいていることを特徴とする請求項１に記載の電気手術発生器。
26. 組織の前記区域の前記特性は、組織の該区域の厚み又は容積を含むことを特徴とする請求項２５に記載の電気手術発生器。
27. 組織の前記区域に印加される前記第１の予め決められた量のＲＦエネルギは、組織の該区域を１００℃の予め決められた温度まで加熱して乾燥を実行することを特徴とする請求項１に記載の電気手術発生器。
28. 組織の前記区域に印加される前記第３の量のＲＦエネルギは、継続する乾燥に十分な組織の該区域の温度を維持するように構成されていることを特徴とする請求項１に記載の電気手術発生器。
29. 前記コントローラは、
    前記ＲＦエネルギの量が前記第２の量から増加する時に該ＲＦエネルギの位相及び電流をモニタすることと、
    前記電流が降下する時及び前記位相が容量性になる時を検出することと、
    前記検出された電流降下及び容量性位相がいつ発生するかに基づいて前記第３の量を識別することと、
    に基づいて前記ＲＦ増幅器に組織の前記区域に印可されているＲＦエネルギの前記量を前記第２の量から前記第３の量まで増大するように指示する、
    ことを特徴とする請求項１に記載の電気手術発生器。
30. 前記コントローラは、組織の前記区域について異なる乾燥レベルを識別して
    前記組織の区域に適用されるべき異なる量のＲＦエネルギと、
    前記組織の区域を乾燥させるための前記異なる量のＲＦエネルギの間でのＲＦエネルギの異なるランプ速度と、
    を決定するように構成されていることを特徴とする請求項１に記載の電気手術発生器。

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