JP7456423B2 - 車両用樹脂パネルの取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は 車両用樹脂パネルの取付構造に関する。
特許文献1に従来の車両用樹脂パネルの取付構造(以下、単に取付構造という。)が開示されている。この取付構造は、ボデーと、樹脂パネルと、接着体と、クリップと、保持部材とを備えている。ボデーには開口が形成されている他、フランジ部と固定部とが形成されている。フランジ部及び固定部はそれぞれ開口内に位置している。フランジ部は、開口の周方向に延びている。固定部はフランジ部と接続している。また、固定部には、クリップが挿通される挿通孔が形成されている。
樹脂パネルは板状に形成されている。より具体的には、樹脂パネルは、ルーフパネルであり、外周縁から中心に向かって凸状に湾曲している。樹脂パネルは、ボデーに取り付けられて開口を上方から覆っている。接着体はウレタン樹脂製であり、弾性変形可能となっている。接着体は、フランジ部と樹脂パネルとの間に設けられている。
クリップは、固定部と樹脂パネルとの間に配置されている。保持部材は、樹脂パネルに一体に形成されており、固定部と樹脂パネルとの間に配置されている。保持部材はクリップを保持している。より具体的には、保持部材は、固定部と対向するクリップ座を有しており、クリップ座には、クリップを案内可能な保持孔が形成されている。
この取付構造では、接着体によって、フランジ部、ひいてはボデーに樹脂パネルが接着されている。ところで、接着体は、固化して接着力を発揮するまでに時間を要する。このため、接着体が固化するまでの間に、ボデーに対する樹脂パネルの位置ずれが生じたり、フランジ部や樹脂パネルと接着体との間に隙間が生じたりすることが懸念される。
この点、この取付構造では、保持部材にクリップを保持させた状態で固定部の挿通孔にクリップを挿通することにより、クリップによってもボデーに樹脂パネルが固定されている。これにより、この取付構造では、接着体が固化するまでの間に、ボデーに対する樹脂パネルの位置ずれが生じたり、フランジ部や樹脂パネルと接着体との間に隙間が生じたりすることが防止されている。そして、接着体が固化した後は、接着体による接着と、クリップによる固定とによって、ボデーに樹脂パネルが取り付けられる。こうして、この取付構造では、ボデーに樹脂パネルを好適に取り付けることが可能となっている。
特許第5282714号公報
ところで、高温の環境下においては、樹脂パネルが熱膨張する。この熱膨張により、樹脂パネルは、自己の中心から外周縁に向かって放射方向に変形するだけでなく、板厚方向でボデーから離れる方向にも変形する。
ここで、上記従来の取付構造では、接着体が弾性変形できる。このため、弾性体は、ボデーに樹脂パネルを接着した状態を維持しつつ、樹脂パネルの熱膨張に応じて弾性変形することにより、熱膨張による樹脂パネルの上記の変形を許容する。これに対し、クリップは、挿通孔に挿通された状態を維持してボデーに樹脂パネルを固定した状態を維持しようとする。これにより、クリップは、熱膨張によって樹脂パネルが板厚方向でボデーから離れる方向に変形することを規制してしまう。この結果、この取付構造では、樹脂パネルが熱膨張することにより、クリップ及び保持部材から離隔した位置において、樹脂パネルに歪みが生じることが懸念される。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、ボデーに樹脂パネルを好適に取り付けつつ、熱膨張による樹脂パネルの歪みの発生を抑制可能な車両用樹脂パネルの取付構造を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の車両用樹脂パネルの取付構造は、開口が形成されたボデーと、
板状に形成され、前記ボデーに取り付けられて前記開口を覆う樹脂パネルと、
弾性変形可能であり、前記ボデーと前記樹脂パネルとの間に設けられて前記ボデーに前記樹脂パネルを接着する接着体と、
前記接着体とは異なる個所で前記ボデーと前記樹脂パネルとの間に配置され、前記ボデーに前記樹脂パネルを固定するクリップと、
前記樹脂パネルに設けられて前記ボデーと前記樹脂パネルとの間に配置され、前記クリップを保持する保持部材とを備え、
前記ボデーには、前記開口内に位置して前記開口の周方向に延び、前記接着体が設けられるフランジ部と、前記開口内に位置して前記フランジ部と接続する固定部とが形成され、
前記固定部には、前記クリップが挿通される挿通孔が形成され、
前記保持部材は、前記固定部と対向するクリップ座を有し、
前記クリップ座には、前記クリップを案内しつつ、前記樹脂パネルの熱膨張に伴い前記保持部材が固定部に対して前記樹脂パネルの外周縁に向かって相対移動することを許容する保持孔が形成され、
前記クリップ座は、前記樹脂パネルの中央側から前記外周縁側に向かうにつれて、前記固定部から前記樹脂パネルの板厚方向に離隔するように傾斜していることを特徴とする。
本発明の車両用樹脂パネルの取付構造では、接着体によってボデーに樹脂パネルが接着されるとともに、固定部の挿通孔に挿通されたクリップによってボデーに樹脂パネルが固定される。これにより、この取付構造では、接着体が固化するまでの間に、ボデーに対する樹脂パネルの位置ずれが生じたり、フランジ部や樹脂パネルと接着体との間に隙間が生じたりすることを防止できる。そして、この取付構造では、接着体が固化した後は、接着体による接着と、クリップによる固定とによって、ボデーに樹脂パネルを好適に取り付けることができる。
また、接着体は弾性変形が可能であるため、弾性体は、ボデーに樹脂パネルを接着した状態を維持しつつ、樹脂パネルの熱膨張に応じて弾性変形する。これにより、接着体は、熱膨張による樹脂パネルの変形を許容する。
さらに、この取付構造において、保持部材はクリップ座を有しており、このクリップ座は、固定部と対向するとともに、クリップを保持可能である。ここで、クリップは保持孔を有しており、この保持孔は、クリップを案内しつつ、樹脂パネルの熱膨張に伴い保持部材が固定部に対して樹脂パネルの外周縁に向かって相対移動することを許容する。このため、クリップは、熱膨張によって、樹脂パネルが中央から外周縁に向かって放射方向に変形することを規制し難い。
また、この取付構造において、クリップ座は、樹脂パネルの中央から樹脂パネルの外周縁に向かうにつれて、固定部から樹脂パネルの板厚方向に離隔するように傾斜している。このため、この取付構造では、樹脂パネルの熱膨張に伴って保持部材が固定部に対して樹脂パネルの外周縁に向かって相対移動することにより、クリップ座は、樹脂パネルの板厚方向で固定部に接近する。これにより、熱膨張によって樹脂パネルが板厚方向でボデーから離隔するように変形しても、保持部材は、クリップに対して樹脂パネルの板厚方向で固定部から離隔させる荷重を付加し難い。この結果、この取付構造では、クリップは、熱膨張によって樹脂パネルが板厚方向でボデーから離れる方向に変形することを規制し難い。
したがって、本発明の車両用樹脂パネルの取付構造によれば、ボデーに樹脂パネルを好適に取り付けつつ、熱膨張による樹脂パネルの歪みの発生を抑制できる。
樹脂パネルと保持部材とは別体に形成され得る。また、樹脂パネルは、第1面と、第1面の反対側に位置してフランジ部及び固定部に面する第2面とを有し得る。そして、保持部材は、クリップ座と接続しつつ第2面に固定される基部を有していることが好ましい。この場合には、樹脂パネルと保持部材とを一体で形成する場合に比べて、保持部材の設計の自由度を高くすることができる。また、この取付構造では、樹脂パネルの製造も容易化することができる。
本発明の車両用樹脂パネルの取付構造によれば、ボデーに樹脂パネルを好適に取り付けつつ、熱膨張による樹脂パネルの歪みの発生を抑制できる。
図1は、実施例の取付構造を採用した車両の天井部分を示す上面図である。 図2は、実施例の取付構造に係り、図1のX1部分を示す要部拡大上面図である。 図3は、実施例の取付構造に係り、図1のX1部分を示す斜視図である。 図4は、実施例の取付構造に係り、接着体及び固定部を示す図3と同様の斜視図である。 図5は、実施例の取付構造に係り、図3のA-A断面を示す要部拡大断面図である。 図6は、実施例の取付構造に係り、クリップ及び保持部材を示す斜視図である。 図7は、実施例の取付構造に係り、保持部材を下方から見た平面図である。 図8は、実施例の取付構造に係り、ボデーに対する樹脂パネルの取り付けを示す図5と同様の要部拡大断面図である。 図9は、実施例の取付構造に係り、ボデーに対する樹脂パネルの取り付けを示す図5と同様の要部拡大断面図である。 図10は、実施例の取付構造に係り、樹脂パネルが熱膨張した際における図5と同様の要部拡大断面図である。 図11は、比較例の取付構造を示す図5と同様の要部拡大断面図である。 図12は、比較例の取付構造に係り、樹脂パネルが熱膨張した際における図11と同様の要部拡大断面図である。
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、実施例の取付構造1は、車両100に採用されている。より具体的には、車両100は乗用自動車であり、取付構造1は、車両100の天井部分に採用されている。取付構造1は、ボデー3と、ルーフパネル5と、接着体7と、4個のクリップ9と、第1~4保持部材11a~11dとを備えている。ルーフパネル5は、本発明における「樹脂パネル」の一例である。また、第1~4保持部材11a~11dは、本発明における「保持部材」の一例である。
本実施例では、図1及び図2に示す各矢印によって、車両100及びルーフパネル5の前後方向を規定している他、幅方向である左右方向を規定している。そして、図3以降では、図1及び図2に対応して、車両100及びルーフパネル5の前後方向及び左右方向を規定している他、上下方向を規定している。これらの前後方向、左右方向及び上下方向は、互いに直交している。また、上下方向は、本発明における「板厚方向」に対応している。なお、これらの各方向は説明の便宜上のための一例である。
図1に示すボデー3は金属製である。図示を省略するものの、ボデー3は、車両100の外形を形成するアウタパネルと、アウタパネルに接合されたインナパネルとを有している。また、ボデー3の天井部分には、開口13が形成されている。開口13は、前後方向及び左右方向に延びる矩形状に形成されている。より具体的には、開口13は、左右方向の長さに比べて前後方向の長さが長い矩形状に形成されており、略直角に屈曲する4つのコーナ部と、各コーナ部と接続する4つの直線部とを有している。また、開口13は、ボデー3を上下方向に貫通しており、図5に示す車室CRに連通している。なお、開口13の形状は適宜設計可能である。
また、図1に示すように、ボデー3には、フランジ部15と、第1~4固定部17a~17dとが形成されている。第1~4固定部17a~17dは、本発明における「固定部」の一例である。フランジ部15及び第1~4固定部17a~17dは、開口13内に位置している。フランジ部15は、開口13の形状に沿いつつ、開口13の周方向に一周している。これにより、フランジ部15は、上面視で矩形の環状をなしており、4つのコーナ部位を有している。
第1~4固定部17a~17dは、第1~4固定部17a~17dは、それぞれフランジ部15のコーナ部位に一体に形成されている。より具体的には、図2~図4に示すように、第1固定部17aは、フランジ部15における右後方のコーナ部位に一体に形成されている。図1に示すように、第2固定部17bは、フランジ部15における左後方のコーナ部位に一体に形成されている。第3固定部17cは、フランジ部15における右前方のコーナ部位に一体に形成されている。そして、第4固定部17dは、フランジ部15における左前方のコーナ部位に一体に形成されている。こうして、第1~4固定部17a~17dは、開口13内であって、フランジ部15の内周側となる個所にそれぞれ配置されている。なお、開口13及びルーフパネル5の形状等に応じて、第1~4固定部17a~17dの個数は適宜設計可能である。また、フランジ部15と、第1~4固定部17a~17dとを別体に形成し、第1~4固定部17a~17dを溶接等によってフランジ部15に接続する構成であっても良い。さらに、アウタパネルにフランジ部15を形成するとともに、インナパネルに第1~4固定部17a~17dを形成し、アウタパネルとインナパネルとを接合することによって、フランジ部15と第1~4固定部17a~17dとが接続される構成であっても良い。
図4に示すように、第1固定部17aには、挿通孔19が形成されている。挿通孔19は円形をなしており、第1固定部17aを上下方向に貫通している。図示を省略するものの、第2~4固定部17b~17dにも、第1固定部17aと同様に挿通孔19が形成されている。ここで、第1固定部17aと第2固定部17bとは左右対称の形状である。また、第1固定部17aと第3固定部17cとは前後方向で対称の形状である。そして、第1固定部17aと第4固定部17dとは、左右対称であるとともに前後方向で対称の形状である。なお、図1及び図2では、説明を容易にするため、第1~4固定部17a~17dの形状を簡略化して図示している。また、図2及び図3では、ルーフパネル5を仮想線で示している。さらに、図4では、ルーフパネル5及び第1保持部材11aの図示を省略している。
ルーフパネル5は、ポリカーボネートを主成分とする樹脂製であり、前後方向及び左右方向に延びる矩形の板状に形成されている。より具体的には、図1に示すように、ルーフパネル5は、開口13の形状に対応して左右方向の長さに比べて前後方向の長さが長い矩形状に形成されている。これにより、ルーフパネル5は、開口13と同様、略直角に屈曲する4つのコーナ部と、各コーナ部と接続する4つの直線部とを有している。ここで、ルーフパネル5の前後方向及び左右方向の各長さは、開口13の前後方向及び左右方向の長さよりも短く形成されている。つまり、ルーフパネル5は、開口13よりも小さい矩形状をなしている。なお、ポリカーボネート以外を主成分とする樹脂によってルーフパネル5を形成しても良い。
図5に示すように、ルーフパネル5は、第1面5aと第2面5bと外周縁5cとを有している。第1面5aは、ルーフパネル5の表面を構成している。第2面5bは、第1面5aの反対側に位置しており、ルーフパネル5の裏面を構成している。外周縁5cは、ルーフパネル5の周方向に一周しており、第1面5aと第2面5bとに接続している。ここで、ルーフパネル5は、外周縁5cから図1に示す自己の中央Oに向かうにつれて上方に湾曲する形状をなしている。なお、ルーフパネル5は、湾曲することなく平坦に形成されていても良い。
ルーフパネル5は、無色透明に形成されている。これにより、ルーフパネル5は、第1面5aから第2面5bまで透光性を有している。また、第2面5bには、隠蔽部5dが設けられている。隠蔽部5dは、ルーフパネル5に沿いつつルーフパネル5の周方向に環状に一周している。ここで、このルーフパネル5では、第2面5bに対してルーフパネル5に沿って環状に不透明の黒色を着色することによって、第2面5bに隠蔽部5dを設けている。なお、ルーフパネル5を有色の透明に形成したり、半透明色や不透明色で形成したりしても良い。また、黒色以外の不透明色を第2面5bに着色することによって第2面5bに隠蔽部5dを設けても良く、隠蔽部5dを省略しても良い。さらに、第2面に対して、不透明色の樹脂を射出成型することによって、隠蔽部5dを設けても良い。なお、図5では、説明を容易にするため、隠蔽部5dの厚さを誇張して図示している。後述する図8~図12についても同様である。
接着体7は、ウレタン製の接着剤によって構成されている。これにより、接着体7は固化しても一定程度弾性変形が可能となっている。図1に示すように、接着体7は、フランジ部15、ひいては開口13に沿ってフランジ部15を一周する矩形の環状に延びている。また、図5に示すように、接着体7は、上下方向の断面が矩形状をなしている。
接着体7は、ボデー3とルーフパネル5との間、より具体的には、フランジ部15と、第2面5bにおける隠蔽部5dとの間に設けられている。これにより、接着体7は、開口13内においてボデー3にルーフパネル5を接着している。なお、接着体7は、ウレタン以外の接着剤によって構成されていても良い。
図5及び図6に示すクリップ9は樹脂製である。クリップ9は、成型型(図示略)に樹脂を射出することによって形成されている。なお、クリップ9を3Dプリンタによって形成しても良い。また、クリップ9を形成する樹脂の種類は適宜選択可能である。さらに、クリップ9を金属製としても良い。なお、図5では、説明を容易にするため、クリップ9の形状を簡略化して図示している。図8~図12についても同様である。
図6に示すように、クリップ9は、頂部9aと、第1軸部9bと、シール部9cと、第2軸部9dと、第1爪部9eと、第2爪部9fを有している。頂部9aは、クリップ9の上端に位置しており、略円盤状をなしている。第1軸部9bは上下方向に延びる円柱状をなしており、上端で頂部9aと接続している。シール部9cは、上方から下方に向かうにつれて徐々に拡径する略円錐状をなしている。ここで、シール部9cの下端は、第1~4固定部17a~17dの挿通孔19よりも大径をなしている。シール部9cは、上端で第1軸部9bの下端と接続している。
第2軸部9dは上下方向に延びる矩形の柱状をなしており、上端でシール部9cと接続している。第1爪部9e及び第2爪部9fは、それぞれ上下方向に延びる矩形の柱状をなしている。第1爪部9eと第2爪部9fとは、第2軸部9dを挟んで配置されており、上方から下方に向かうにつれて徐々に第2軸部9dに接近するように傾斜している。第1爪部9e及び第2爪部9fは、下端で第2爪部9fと接続している。
図1に示すように、クリップ9は、それぞれ第1~4保持部材11a~11dに保持された状態でボデー3とルーフパネル5との間に配置されている。この際、各クリップ9は、接着体7の内周側、つまり、接着体7とは異なる個所でボデー3とルーフパネル5との間に配置されている。各クリップ9は、第1~4固定部17a~17dの挿通孔19にそれぞれ挿通されて第1~4固定部17a~17dに係止されることにより、開口13内でボデー3にルーフパネル5を固定している。なお、第1~4保持部材11a~11dによるクリップ9の保持と、クリップ9によるボデー3に対するルーフパネル5の固定とについての詳細は後述する。
第1~4保持部材11a~11dは樹脂製である。第1~4保持部材11a~11dは、成型型(図示略)に樹脂を射出することによって形成されている。ここで、第1~4保持部材11a~11dについても、クリップ9と同様に3Dプリンタによって形成しても良い。また、第1~4保持部材11a~11dを形成する樹脂の種類は適宜選択可能である。この際、第1~4保持部材11a~11dを形成する樹脂と、クリップ9を形成する樹脂とは異なっていても良く、同一であっても良い。また、第1~4保持部材11a~11dを形成する樹脂と、ルーフパネル5を形成する術とについても、同一であっても良く異なっていても良い。さらに、第1~4保持部材11a~11dを金属製としても良い。
ここで、第1~4保持部材11a~11dのうち、第1保持部材11aと第3保持部材11cとは、同一の形状である。一方、第1保持部材11a及び第3保持部材11cと、第2保持部材11bと第4保持部材11dとは左右対称の形状である。以下、第1保持部材11aを基に構成を説明する。
図6及び図7に示すように、第1保持部材11aは、基部110と、第1立壁111と、第2立壁112と、第3立壁113と、クリップ座114とを有している。基部110は、前後方向及び左右方向に延びる略矩形の板状をなしている。基部110は、接着面110aと、接着面110aの反対側に位置する形成面110bとを有している。
第1立壁111は上下方向に延びており、上端で基部110の形成面110bと一体をなしている。第2立壁112は、基部110の幅方向で第1立壁111から離隔して配置されており、第1立壁111と対向している。第2立壁112は上下方向に延びており、上端で形成面110bに一体となしている。ここで、第2立壁112は、第1立壁111に比べて上下方向の長さが短くされている。
第3立壁113は、第1立壁111と第2立壁112との間に配置されている。第3立壁113は上下方向に延びており、上端で形成面110bと一体をなしている。こうして、第1~3立壁111は基部110とそれぞれ接続している。また、第3立壁113は、略円弧形状に延びつつ、第1立壁111と第2立壁112とに接続している。上記のように、第2立壁112は第1立壁111に比べて上下方向の長さが短いため、第3立壁113は、第1立壁111側から第2立壁112側に向かうにつれて、上下方向の長さが短くなっている。
クリップ座114は、前後方向及び左右方向に延びる板状に形成されている。クリップ座114は、第1~3立壁111~113の各下端と接続している。これにより、クリップ座114は、第1~3立壁111~113における上下方向の長さの分だけ、形成面110b、ひいては基部110から下方に離隔している。ここで、第2立壁112の上下方向の長さが第1立壁111の上下方向の長さに比べて短いため、クリップ座114は、第1立壁111側から第2立壁112側に向かうにつれて登り傾斜している。つまり、クリップ座114は、第1立壁111側から第2立壁112側に向かうにつれて、基部110に近づくように傾斜している。
また、図6に示すように、第1保持部材11aでは、形成面110b、第1~3立壁111~113及びクリップ座114によって開口部115が形成されている。さらに、図7に示すように、クリップ座114には、保持孔116と接続孔117とが形成されている。保持孔116及び接続孔117は、クリップ座114を上下方向に貫通している。
保持孔116は、開口部115側から第3立壁113側に向かって略矩形に延びる長孔形状をなしている。ここで、第1、3保持部材11a、11cでは、保持孔116は、開口部115側から第3立壁113側に向かうにつれて、第2立壁112に近づく方向に傾斜している。これに対し、第2、4保持部材11b、11dは、第1、3保持部材11a、11cとは左右対称の形状であるため、保持孔116は、開口部115側から第3立壁113側に向かうにつれて、第1立壁111に近づく方向に傾斜している(図1参照)。
図7に示すように、接続孔117は、保持孔116と接続している。また、接続孔117は、保持孔116とは反対側で開口部115に臨んでいる。保持孔116及び接続孔117には、クリップ9の第1軸部9bが進入可能となっている。
図1に示すように、第1~4保持部材11a~11dは、それぞれ基部110の接着面110aを両面テープ(図示略)によってルーフパネル5の第2面5bに接着することにより、ルーフパネル5に固定されている。より具体的には、第1~4保持部材11a~11dは、第2面5bの隠蔽部5dにおいて、ボデー3の第1~4固定部17a~17dに対向する位置にそれぞれ接着されている。つまり、隠蔽部5dにおいて、第1保持部材11aは、第1固定部17aに対向するようにルーフパネル5の右後方のコーナ部となる個所に接着されており、第2保持部材11bは、第2固定部17bに対向するようにルーフパネル5の左後方のコーナ部となる個所に接着されている。また、隠蔽部5dにおいて、第3保持部材11cは、第3固定部17cに対向するようにルーフパネル5の右前方のコーナ部となる個所に接着されており、第4保持部材11dは、第4固定部17dに対向するようにルーフパネル5の左前方のコーナ部となる個所に接着されている。
ところで、ルーフパネル5は、中央Oを伸縮中心として放射方向に熱伸縮する。つまり、高温の環境下では、ルーフパネル5は、図1の破線矢印で示すように、中央Oから外周縁5cに向かって放射状に広がるように熱膨張することになる。一方、低温の環境下では、ルーフパネル5は、外周縁5cから中央Oに向かって図1の破線矢印とは反対方向に収縮することになる。
そこで、第1~4保持部材11a~11dは、それぞれの保持孔116がルーフパネル5の伸縮方向に沿うように向きを調整した上で、隠蔽部5dに接着されている。具体的には、図2及びに示すように、第1保持部材11aは、開口部115が前方に臨む状態で隠蔽部5dに接着されている。これにより、第1保持部材11aでは、保持孔116が中央O側から外周縁5c側に向かって右後方に傾斜して延びる状態となっている。
また、図1に示すように、第3保持部材11cは、開口部115が左方に臨む状態で隠蔽部5dに接着されており、保持孔116が中央O側から外周縁5c側に向かって右前方に傾斜して延びる状態となっている。第2保持部材11bは、第1保持部材11aと同様に開口部115が前方に臨む状態で隠蔽部5dに接着されている。ここで、上記のように、第2保持部材11b及び第4保持部材11dは、第1保持部材11a及び第3保持部材11cと左右対称の形状である。このため、第2保持部材11bでは、保持孔116が中央O側から外周縁5c側に向かって左後方に傾斜して延びる状態となっている。そして、第4保持部材11dは、開口部115が右方に臨む状態で隠蔽部5dに接着されており、保持孔116が中央O側から外周縁5c側に向かって左前方に傾斜して延びる状態となっている。
また、図5及び図6に示すように、第1保持部材11aでは、開口部115及び接続孔117を通じて、クリップ9の第1軸部9bを保持孔116内に進入させている。こうして、第1保持部材11aは、クリップ座114によってクリップ9を保持している。そして、クリップ座114に保持された状態において、第1保持部材11aでは、クリップ9のシール部9c、第2軸部9d及び第1、2爪部9e、9fをクリップ座114よりも下方に突出させている。一方、クリップ9の頂部9aは、クリップ座114に対して上方から当接することにより、第1軸部9b、ひいてはクリップ9が保持孔116内から下方に脱落することを防止している。図1に示す第2~4保持部材11b~11dについても同様に、各クリップ座114によって各クリップ9を保持している。
この取付構造1では、以下の方法によってボデー3にルーフパネル5を取り付ける。まず初めに、図8に示すように、準備工程を行いボデー3とルーフパネル5とを準備する。この際、準備されたボデー3には、開口13、フランジ部15及び第1~4固定部17a~17dが形成されている。また、準備されたルーフパネル5では、第2面5bに隠蔽部5dが設けられている。さらに、ルーフパネル5には第1~4保持部材11a~11dが接着されて固定されている他、第1~4保持部材11a~11dにはクリップ9がそれぞれ保持されている。なお、ルーフパネル5に対する第1~4保持部材11a~11dの固定が完了した後に、クリップ9を第1~4保持部材11a~11dにそれぞれ保持させても良く、クリップ9を予め保持させた状態でルーフパネル5に第1~4保持部材11a~11dを固定しても良い。
次に、組付工程を行う。組付工程では、隠蔽部5dに対して接着体7を設ける。より具体的には、隠蔽部5dにおいて、外周縁5cと第1~4保持部材11a~11dとの間、すなわち、第1~4保持部材11a~11dよりも外周側となる個所に接着体7を設ける。また、隠蔽部5dに設けられた際の接着体7は固化前の状態にあり、断面が略三角形状をなしている。
このように隠蔽部5dに接着体7を設けた後、第2面5bをボデー3に向けた状態としつつ、ルーフパネル5をボデー3に接近させる。そして、ルーフパネル5を上方から開口13内に進入させる。これにより、図8の実線矢印で示すように、第1保持部材11aに保持されたクリップ9では、第2軸部9d及び第1、2爪部9e、9fが第1固定部17aの挿通孔19内に進入する。また、図示を省略するものの、第2~4保持部材11b~11dに保持された各クリップ9についても、第2軸部9d及び第1、2爪部9e、9fが第2~4固定部17b~17dの挿通孔19内にそれぞれ進入する。
ここで、第1~4保持部材11a~11dでは、クリップ座114が基部110に対して傾斜しているため、第1~4保持部材11a~11dに保持されたクリップ9は、挿通孔19に対して傾斜した状態で挿通孔19内に進入する。なお、図8の他、図5、図9及び図10では、説明を様にするため、クリップ座114の傾斜及びこれに基づくクリップ9の傾斜を誇張して図示している。
そして、ルーフパネル5をボデー3に更に接近させることにより、図9に示すように、接着体7がフランジ部15に当接する。これにより、接着体7は、隠蔽部5dとフランジ部15とに挟持され、断面の形状が略矩形状に変形する。
また、各クリップ9では、第2軸部9d及び第1、2爪部9e、9fが各挿通孔19内により深く進入する。この際、各クリップ9では、第1、2爪部9e、9fがそれぞれ第2軸部9dに接近するように弾性変形する。そして、第1、2爪部9e、9fは、各挿通孔19内から下方に脱出することにより、第2軸部9dから離隔するように弾性変形しつつ、各挿通孔19の周囲で第1~4固定部17a~17dに係止される。これにより、各クリップ9は、各挿通孔19からの抜け止めがされる。こうして、各クリップ9は、接着体7よりも内側、つまり、接着体7とは異なる個所に配置されつつ、ボデー3にルーフパネル5を固定する。さらに、第1、2爪部9e、9fが第1~4固定部17a~17dに係止されることにより、各クリップ9では、シール部9cが第1~4固定部17a~17dに上方から当接しつつ、挿通孔19を覆う状態となる。こうして、組付工程が完了する。
また、各クリップ9によってボデー3にルーフパネル5が固定されることにより、第1~4保持部材11a~11dは、第1~4固定部17a~17dと隠蔽部5dとの間に配置される。これにより、図5に示すように、第1保持部材11aでは、クリップ座114が第1固定部17aに対して上下方向で対向する。ここで、クリップ座114は、第1立壁111側から第2立壁112側に向かうにつれて、基部110に近づくように傾斜している。このため、クリップ座114は第1固定部17aとは平行となっておらず、第1固定部17aに対して、角度θで傾斜した状態となっている。より具体的には、クリップ座114は、ルーフパネル5の中央O側から外周縁5c側に向かうにつれて、角度θで第1固定部17aから上方に離隔するように傾斜している。換言すれば、クリップ座114は、第1立壁111側から第2立壁112側に向かうにつれて、角度θで第1固定部17aから上方に離隔するように傾斜している。図示を省略するものの、第2~4保持部材11b~11dにおいても同様に、クリップ座114は、それぞれルーフパネル5の中央O側から外周縁5c側に向かうにつれて、角度θで第2~4固定部17b~17dから上方に離隔するように傾斜している。
ここで、本実施例では角度θについて約10°に設定している。なお、角度θは、0°よりも大きければ、ルーフパネル5の形状等に応じて適宜設計可能である。
組付工程が完了した後、接着工程を行う。接着工程では、各クリップ9によってボデー3にルーフパネル5を固定した状態としつつ、接着体7を固化させる。こうして、接着体7が固化することにより、図5に示すように、接着体7は、フランジ部15と隠蔽部5dとの間に位置しつつ、フランジ部15、ひいてはボデー3にルーフパネル5を接着する。これにより、接着工程が完了し、ボデー3に対するルーフパネル5の取り付けが完了する。こうして、ボデー3に取り付けられたルーフパネル5は、開口13内に位置して開口13を上方から覆っている。
このように、この取付構造1では、接着体7によってボデー3にルーフパネル5が接着されるとともに、第1~4固定部17a~17dの各挿通孔19に挿通された各クリップ9によってボデー3にルーフパネル5が固定される。これにより、この取付構造1では、接着体7が固化するまでの間に、ボデー3に対するルーフパネル5の位置ずれが生じたり、フランジ部15やルーフパネル5と接着体7との間に隙間が生じたりすることを防止できる。そして、接着体7が固化した後は、取付構造1では、接着体7による接着と、各クリップ9による固定とによって、ボデー3にルーフパネル5を好適に取り付けることが可能となっている。ここで、第1~4固定部17a~17dは、フランジ部15の内周側に位置しているため、各クリップ9は、接着体7の内周側、つまり、接着体7による接着箇所とは異なる位置でボデー3にルーフパネル5を固定している。
ところで、図1の破線矢印で示すように、高温の環境下では、ルーフパネル5は、中央Oから外周縁5cに向かって放射状に広がるように熱膨張することになる。また、ルーフパネル5は樹脂製であるため、金属製のボデー3に比べて熱膨張係数が高く、高温の環境下において、より熱膨張し易くなっている。
この点、この取付構造1において、接着体7はウレタン樹脂製であることから、固化していても弾性変形が可能となっている。このため、図10に示すように、接着体7は、ボデー3にルーフパネル5を接着した状態を維持しつつ、ルーフパネル5の熱膨張に応じて弾性変形する。これにより、接着体7は、熱膨張によるルーフパネル5の変形、すなわち、ルーフパネル5が放射状に広がるように変形すること許容する。なお、図10では、熱膨張による変形が生じる前のルーフパネル5を仮想線で図示している。
また、第1~4保持部材11a~11dのクリップ座114は、保持孔116を有しており、この保持孔は略矩形の長孔形状をなしている(図7参照)。そして、図1に示すように、この取付構造1では、第1~4保持部材11a~11dについて、それぞれの保持孔116がルーフパネル5の伸縮方向に沿うように向きを調整した上で、隠蔽部5dに接着している。
このため、第1保持部材11aを例に説明すると、熱膨張によってルーフパネル5が放射状に広がるように変形することに伴い、第1保持部材11aは第1固定部17aに対して外周縁5cに向かって相対移動しようとする。この際、クリップ座114に保持されたクリップ9は、保持孔116に案内されつつ、保持孔116内を移動する。これにより、保持孔116は、第1保持部材11aが第1固定部17aに対して外周縁5cに向かって相対移動することを許容する。第2~4保持部材11b~11dについても同様に、各保持孔116は、第2~4保持部材11b~11dが第2~4固定部17b~17dに対して外周縁5cに向かって相対移動することを許容する。
こうして、この取付構造1では、接着体7及び各クリップ9は、熱膨張によって、ルーフパネル5が中央Oから外周縁5cに向かって放射方向に広がるように変形することを規制し難くなっている。このため、この取付構造1では、ルーフパネル5は、外周縁5cに向かって放射方向に好適に広がるように変形ことができるため、ルーフパネル5に歪みが生じ難くなっている。なお、ルーフパネル5は、低温の環境下では、外周縁5cから中央Oに向かって図1の破線矢印とは反対方向に収縮することになるものの、この場合であっても、接着体7及び各クリップ9は、ルーフパネル5の収縮を規制し難い。このため、この取付構造1では、収縮によるルーフパネル5の歪みも生じ難くなっている。
ここで、ルーフパネル5は、熱膨張によって中央Oから外周縁5cに向かって放射状に広がるように変形するだけでなく、ルーフパネル5の板厚方向でボデー3から離隔するようにも変形する。つまり、この取付構造1では、ルーフパネル5は、熱膨張によってボデー3に対して上方に離隔するようにも変形する。この点、この取付構造1では、熱膨張によってルーフパネル5がボデー3に対して上方に離隔するように変形しても、ルーフパネル5に歪みが生じ難くなっている。この作用効果について、図11に示す比較例の取付構造10との対比を基に説明する。
比較例の取付構造10においても、接着体7による接着と、各クリップ9による固定とによって、ボデー3にルーフパネル5を取り付けている。ここで、比較例の取付構造10では、第1保持部材11aにおいて、クリップ座114は、第1立壁111側から第2立壁112側に向かって略水平に延びている。このため、比較例の取付構造10では、各クリップ9によってボデー3にルーフパネル5が固定されることにより、第1保持部材11aでは、クリップ座114と第1固定部17aとが略平行となっている。図示を省略するものの、第2~4保持部材11b~11dにおいても、クリップ座114と第2~4固定部17b~17dとが略平行となっている。比較例の取付構造10における他の構成は、実施例の取付構造1と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
図12に示すように、比較例の取付構造10では、熱膨張によってルーフパネル5がボデー3に対して上方に離隔するように変形すれば、それに応じて、接着体7は、フランジ部15と隠蔽部5dとの間で上下方向に弾性変形する。こうして、接着体7は、熱膨張によってルーフパネル5がボデー3から上方に離隔するように変形することについても許容する。
この一方、比較例の取付構造10では、熱膨張によってルーフパネル5がボデー3から上方に離隔するように変形することに伴い、第1~4保持部材11a~11dは、第1~4固定部17a~17dに対して上方に離隔しようとする。この際、第1~4保持部材11a~11dは、クリップ9に対してルーフパネル5の板厚方向で第1~4固定部17a~17dから離隔させる荷重を付加する。つまり、第1~4保持部材11a~11dは、各クリップ座114を通じてクリップ9を保持しつつ、クリップ9を挿通孔19から上方に引き抜こうとする。
しかし、クリップ9では、第1、2爪部9e、9fが挿通孔19の周囲で第1~4固定部17a~17dに係止されている。このため、図12の白色矢印で示すように、クリップ9は、第1~4保持部材11a~11dからの上記の荷重に対して抵抗し、挿通孔19から上方に引き抜かれることを阻止しようとする。この結果、比較例の取付構造10では、各クリップ9は、熱膨張によってルーフパネル5がボデー3から上方に離隔するように変形することを規制する。これにより、比較例の取付構造10では、ルーフパネル5が熱膨張することにより、各クリップ9及び第1~4保持部材11a~11dから離隔した位置において、ルーフパネル5に板厚方向の歪みが生じ易くなる。
これに対し、図5及び図10に示すように、実施例の取付構造1では、第1~4保持部材11a~11dでは、各クリップ座114が第1~4固定部17a~17dに対して上下方向で対向しつつ、第1~4固定部17a~17dに対して角度θで傾斜している。これにより、各クリップ座114は、それぞれルーフパネル5の中央O側から外周縁5c側に向かうにつれて、角度θで第1~4固定部17a~17dから上方に離隔するように傾斜している。
このため、図10に示すように、実施例の取付構造1では、熱膨張によってルーフパネル5が放射状に広がるように変形することに伴い、第1~4保持部材11a~11dが第1~4固定部17aに対して外周縁5cに向かって相対移動すれば、第1~4保持部材11a~11dは、それぞれ第1~4固定部17aに対して下方に向かって接近することになる。
これにより、実施例の取付構造1では、熱膨張によってルーフパネル5がボデー3に対して上方に離隔するように変形しても、第1~4保持部材11a~11dは、各クリップ9に対してルーフパネル5の板厚方向で第1~4固定部17a~17dから離隔させる荷重を付加し難い。つまり、実施例の取付構造1では、第1~4保持部材11a~11dがクリップ9を挿通孔19から上方に引き抜こうとすることがない。このため、実施例の取付構造1では、各クリップ9は、第1~4保持部材11a~11dに対して抵抗することがなく、結果として、各クリップ9は、熱膨張によってルーフパネル5がボデー3から上方に離隔するように変形することを規制し難い。これにより、実施例の取付構造1では、ルーフパネル5が熱膨張しても、各クリップ9及び第1~4保持部材11a~11dから離隔した位置において、ルーフパネル5には板厚方向の歪みが生じ難い。
このように、実施例の取付構造1では、ルーフパネル5は、熱膨張によって放射方向に好適に変形できるだけでなく、第1~4固定部17a~17dから離隔する方向にも好適に変形できる。
したがって、実施例の取付構造1によれば、ボデー3にルーフパネル5を好適に取り付けつつ、熱膨張によるルーフパネル5の歪みの発生を抑制できる。
特に、この取付構造1では、第1~4固定部17a~17dに対して第1~4固定部17a~17dが傾斜する角度θについて、約10°に設定している。このため、この取付構造1では、上記の作用効果を好適に生じさせつつ、第1~4固定部17a~17dに各クリップ9を保持させた状態において、各クリップ9が第1~4固定部17a~17dに対して過度に傾斜することを防止できる。このため、この取付構造1では、各クリップ9を各挿通孔19挿通させ易く、また、各クリップ9の第1、2爪部9e、9fを第1~4固定部17a~17dに好適に係止させることが可能となっている。ここで、発明者の知見によれば、角度θを0°よりも大きく、かつ、10°以下の範囲で設定すれば同様の作用効果を奏することができるため、角度θは、この範囲で設定することが好ましい。より詳細に説明すると、角度θが0°よりも大きく10°以下の範囲であっても、角度θが10°に近づくほど、熱膨張によるルーフパネル5の歪みの発生を抑制する効果が高くなる。一方、角度θが0°に近づくほど、各クリップ9を各挿通孔19挿通させ易くなるため、ボデー3に対するルーフパネル5の取付性が向上する。
また、この取付構造1では、ルーフパネル5の第2面5bには隠蔽部5dが設けられており、隠蔽部5dは不透明の黒色をなしている。そして、接着体7は、フランジ部15と隠蔽部5dとの間に設けられており、また、第1~4保持部材11a~11dについても、隠蔽部5dに設けられている。これらのため、第1~4保持部材11a~11dに保持された各クリップ9を含め、この取付構造1では、接着体7、クリップ9及び第1~4保持部材11a~11dがルーフパネル5の第1面5a側からは見えなくなっている。このため、この取付構造1では、車両100の美観を高くすることも可能となっている。
さらに、この取付構造1では、接着体7がフランジ部15を一周する環状をなしている。このため、接着体7は、ボデー3とルーフパネル5との間において、好適に止水を行うことが可能となっている。これにより、この取付構造1では、開口13を通じて車室CR内に雨水等が浸入することを好適に防止できる。さらに、各クリップ9では、シール部9cが第1~4固定部17a~17dに当接しつつ、挿通孔19を上方から覆っている。このため、この取付構造1では、雨水等が挿通孔19を通じてボデー3の内部に進入することも好適に防止できる。
また、この取付構造1では、ルーフパネル5と、第1~4保持部材11a~11dとが別体に形成されており、第1~4保持部材11a~11dは、基部110接着面110aを隠蔽部5dに接着することによって、第2面5b、すなわちルーフパネル5に固定されている。これにより、ルーフパネル5に対して第1~4保持部材11a~11dを一体に形成する場合に比べて、この取付構造1では、第1~4保持部材11a~11dの設計の自由度を高くすることが可能となっている。このため、この取付構造1では、上記の作用効果を好適に奏することが可能となっている。また、ルーフパネル5と、第1~4保持部材11a~11dとを別体に形成することにより、この取付構造1では、ルーフパネル5の製造を容易化することも可能となっている。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例の取付構造1では、ルーフパネル5と、第1~4保持部材11a~11dとを別体に形成しているが、これに限らず、ルーフパネル5の第2面5bに第1~4保持部材11a~11dを一体に形成しても良い。
また、第2面5bに対して、不透明色の樹脂を射出成型することによって隠蔽部5dを形成しても良い。この場合には、隠蔽部5dの形成と同時に第1~4保持部材11a~11dを形成しても良い。
さらに、ルーフパネル5に対して、ルーフウィンドウを移動可能に設けても良い。
また、実施例の取付構造1では、ルーフパネル5を本発明における「樹脂パネル」とすることで、ボデー3にルーフパネル5を取り付けている。しかし、これに限らず、実施例の取付構造1によって、ボデー3にサイドウィンドウパネルやリヤウィンドウパネル等を取り付けても良い。
本発明は、乗用自動車の他、運送車両や産業車両等の車両に利用可能である。
1…取付構造
3…ボデー
5…ルーフパネル(樹脂パネル)
5a…第1面
5b…第2面
5c…外周縁
7…接着体
9…クリップ
11a~11d…第1~4保持部材(保持部材)
13…開口
15…フランジ部
17a~17d…第1~4固定部(固定部)
19…挿通孔
110…基部
114…クリップ座
116…保持孔
O…中央

Claims (2)

  1. 開口が形成されたボデーと、
    板状に形成され、前記ボデーに取り付けられて前記開口を覆う樹脂パネルと、
    弾性変形可能であり、前記ボデーと前記樹脂パネルとの間に設けられて前記ボデーに前記樹脂パネルを接着する接着体と、
    前記接着体とは異なる個所で前記ボデーと前記樹脂パネルとの間に配置され、前記ボデーに前記樹脂パネルを固定するクリップと、
    前記樹脂パネルに設けられて前記ボデーと前記樹脂パネルとの間に配置され、前記クリップを保持する保持部材とを備え、
    前記ボデーには、前記開口内に位置して前記開口の周方向に延び、前記接着体が設けられるフランジ部と、前記開口内に位置して前記フランジ部と接続する固定部とが形成され、
    前記固定部には、前記クリップが挿通される挿通孔が形成され、
    前記保持部材は、前記固定部と対向するクリップ座を有し、
    前記クリップ座には、前記クリップを案内しつつ、前記樹脂パネルの熱膨張に伴い前記保持部材が固定部に対して前記樹脂パネルの外周縁に向かって相対移動することを許容する保持孔が形成され、
    前記クリップ座は、前記樹脂パネルの中央側から前記外周縁側に向かうにつれて、前記固定部から前記樹脂パネルの板厚方向に離隔するように傾斜していることを特徴とする車両用樹脂パネルの取付構造。
  2. 前記樹脂パネルと前記保持部材とは別体に形成され、
    前記樹脂パネルは、第1面と、前記第1面の反対側に位置して前記フランジ部及び前記固定部に面する第2面とを有し、
    前記保持部材は、前記クリップ座と接続しつつ前記第2面に固定される基部を有している請求項1記載の車両用樹脂パネルの取付構造。
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