JP7456301B2 - 空調システム - Google Patents

空調システム Download PDF

Info

Publication number
JP7456301B2
JP7456301B2 JP2020101837A JP2020101837A JP7456301B2 JP 7456301 B2 JP7456301 B2 JP 7456301B2 JP 2020101837 A JP2020101837 A JP 2020101837A JP 2020101837 A JP2020101837 A JP 2020101837A JP 7456301 B2 JP7456301 B2 JP 7456301B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat source
temperature
air conditioning
source device
target
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020101837A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021196096A (ja
Inventor
誠 和田
章吾 玉木
修一 村山
冬樹 佐藤
宣明 田崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Mitsubishi Electric Building Solutions Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Mitsubishi Electric Building Solutions Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp, Mitsubishi Electric Building Solutions Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2020101837A priority Critical patent/JP7456301B2/ja
Publication of JP2021196096A publication Critical patent/JP2021196096A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7456301B2 publication Critical patent/JP7456301B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Description

本開示は、空調システムに関するものである。
空調システムにおいては、水を加熱又は冷却して吐出する熱源装置と、通過する空気と熱源装置から吐出される吐出水とを熱交換させる熱交換器を有し、熱交換器を通過した空気を対象空間に送る空気調和装置と、吐出水の温度の目標値である目標水温を設定する制御部と、を備え、制御部は、熱交換器を通過した空気の温度の目標値と、外気温と、に基づいて目標水温を設定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2018-173221号公報
特許文献1に示されるような空調システムにおいては、外気温から空調負荷を見積もって熱源機の目標水温を設定している。しかしながら、特に空気調和装置が運転を開始した直後等においては建物の躯体及び室内の什器等も空調負荷に影響する。この場合、外気温から見積もった空調負荷は過少であり、室温維持に必要な空調能力が確保できない可能性がある。
本開示は、このような課題を解決するためになされたものである。その目的は、室温維持が可能な空調能力の確保と、熱源機における消費エネルギー量の低減との両立を図ることが可能である空調システムを提供することにある。
本開示に係る空調システムは、熱媒体を目標熱源温度になるように冷却又は加熱する熱源機と、前記熱源機により冷却又は加熱された熱媒体と空気とを熱交換させる熱交換器と、外気温を取得する外気温取得手段と、外気温に応じた空調負荷を演算する負荷演算部と、過去の運転時における外気温と前記熱源機が実際に発揮した能力とを対応付けた実績データを記憶する記憶部と、前記目標熱源温度を設定する目標熱源温度設定部と、を備え、前記目標熱源温度設定部は、前記記憶部に記憶された前記実績データを用いて特定した前記熱源機の能力と前記負荷演算部が演算した空調負荷とのうち大きい方に基づいて前記目標熱源温度を設定する。
または、本開示に係る空調システムは、熱媒体を目標熱源温度になるように加熱する熱源機と、前記熱源機により加熱された熱媒体と空気とを熱交換させる熱交換器と、外気温を取得する外気温取得手段と、外気温に応じた空調負荷を演算する負荷演算部と、過去の一定期間内の運転時において、前記熱源機が運転を開始してから前記熱源機が実際に発揮した能力が前記負荷演算部により演算された空調負荷を初めて下回った時点のうち最遅の時点を設定開始時点として特定する設定開始時点特定部と、前記目標熱源温度を設定する目標熱源温度設定部と、を備え、前記目標熱源温度設定部は、前記設定開始時点の以降において、前記負荷演算部が演算した空調負荷に基づいて前記目標熱源温度を設定する。
本開示に係る空調システムによれば、室温維持が可能な空調能力の確保と、熱源機における消費エネルギー量の低減との両立を図ることが可能であるという効果を奏する。
実施の形態1に係る空調システムの全体構成を示す図である。 実施の形態1に係る空調システムにおける実績データの一例を示す図である。 実施の形態1に係る空調システムにおける外気温から演算される空調負荷の一例を示す図である。 実施の形態1に係る空調システムの動作の一例を示すフロー図である。 実施の形態2に係る空調システムが備えるシステム制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態2に係る空調システムにおける空調負荷の日変化の一例を示す図である。 実施の形態2に係る空調システムにおいて設定開始時点を特定する一例を説明する図である。
本開示に係る空調システムを実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。なお、本開示は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
実施の形態1.
図1から図4を参照しながら、本開示の実施の形態1について説明する。図1は空調システムの全体構成を示す図である。図2は空調システムにおける実績データの一例を示す図である。図3は空調システムにおける外気温から演算される空調負荷の一例を示す図である。図4は空調システムの動作の一例を示すフロー図である。
ここでは、この実施の形態に係る空調システムが、水空調システム1である場合の構成例について説明する。水空調システム1は、熱媒体として水を使用した空調システムである。なお、空調システムの熱媒体は水に限られない。熱媒体としてブラインを用いてもよい。
この実施の形態に係る水空調システム1は、図1に示すように、熱源機100と室内機200とを備えている。熱源機100は、例えば、水空調システム1が設置される建物の屋上等に設置される。室内機200は、水空調システム1が設置される建物の屋内に設置される。
熱源機100は空気熱源ヒートポンプである。熱源機100は、冷凍サイクルを備えており、熱媒体である水を加熱又は冷却する。それぞれの熱源機100の水出口からは、熱源機100により加熱又は冷却された水が排出される。
室内機200は、例えばエアーハンドリングユニットである。室内機200には、室内に設置された吸込口からダクトを介して室内空気が供給される。そして、室内機200で温調された空気は、ダクトを介して吹出口から室内に供給される。
熱源機100は、冷媒配管110、圧縮機101、四方弁102、熱源機熱交換器111、熱源機ファン104、膨張弁103及び水熱交換器112を備えている。室内機200は、室内機熱交換器211、室内機ファン201及び流量調整弁202を備えている。熱源機100と室内機200とは水配管10で接続されている。水配管10は、熱源機100の水熱交換器112と室内機200の室内機熱交換器211との間で循環的に設けられている。水配管10内には、熱媒体である水が封入されている。水配管10には、水ポンプ11が設けられている。
冷媒配管110は、熱源機100の熱源機熱交換器111と水熱交換器112との間で循環的に設けられている。冷媒配管110内には冷媒が封入されている。冷媒配管110内に封入される冷媒は、地球温暖化係数(GWP)の小さいものを用いることが地球環境保護上の観点からいって望ましい。
冷媒配管110は、圧縮機101、四方弁102、水熱交換器112、膨張弁103及び熱源機熱交換器111を環状に接続している。したがって、熱源機熱交換器111と水熱交換器112との間で冷媒が循環する冷媒回路が形成されている。圧縮機101は、供給された冷媒を圧縮して冷媒の圧力及び温度を高める機器である。圧縮機101は、例えば、ロータリ圧縮機、あるいは、スクロール圧縮機等を用いることができる。膨張弁103は、流入した冷媒を膨張させ、冷媒の圧力を低下させる。すなわち、膨張弁103は、冷媒を減圧させる減圧装置である。
熱源機熱交換器111は、熱源機熱交換器111に流入した冷媒と空気との間で熱を交換させる空気熱交換器である。熱源機ファン104は、熱源機100の筐体内に形成された風路中に気流を発生させ、外気が熱源機熱交換器111の周囲を通過するように送風する。熱源機熱交換器111は、流入した冷媒を蒸発又は凝縮させることにより、熱源機ファン104から送られる空気と冷媒との間で熱交換をさせる。
水熱交換器112は、水熱交換器112に流入した冷媒と水との間で熱を交換させる。水配管10は、室内機熱交換器211、水熱交換器112及び水ポンプ11を環状に接続している。そして、水ポンプ11は、環状に形成された水配管10と室内機熱交換器211及び水熱交換器112とに水を流通させる。
室内機熱交換器211は、室内機熱交換器211に流入した水と空気との間で熱を交換させる。室内機ファン201は、室内機200の筐体内に形成された風路中に気流を発生させ、室内空気が室内機熱交換器211の周囲を通過するように送風する。室内機熱交換器211は、流入した高温または低温の水を、室内機ファン201から送られる室内空気と熱交換させることで室内の空気と熱交換させる。
このようにして構成された冷媒回路及び水回路は、熱源機熱交換器111において冷媒と空気の間で熱交換を行い、水熱交換器112において冷媒と水の間で熱交換を行い、さらに、室内機熱交換器211において水と空気の間で熱交換を行うことにより、室内機200と熱源機100との間で熱を移動させるヒートポンプとして働く。この際、四方弁102を切り換えることにより、冷媒回路における冷媒の循環方向を反転させて冷房運転と暖房運転とを切り換えることができる。なお、熱源機100の冷媒回路は、水、ブライン等の熱媒体を用いた熱媒体回路であってもよい。
図示の構成例においては、水空調システム1はバイパス配管20を備えている。バイパス配管20により、熱源機100から流出した水を室内機200を通過させずに熱源機100に戻すバイパス流路が形成されている。バイパス配管20には、バイパス弁21が設けられている。バイパス弁21の開度を変えることにより、バイパス流路の水の流量、すなわち、熱源機100から流出してから室内機200を通過することなく、そのまま熱源機100に戻される水の流量を調節することができる。
この実施の形態の水空調システム1は、出口水温センサ121及び入口水温センサ122を備えている。出口水温センサ121及び入口水温センサ122は、熱源機100に設けられている。出口水温センサ121は、熱源機100の水熱交換器112から排出された水の温度を検出する。すなわち、出口水温センサ121は、熱源機100により加熱又は冷却された水の温度を検出するセンサである。また、入口水温センサ122は、熱源機100の水熱交換器112に流入する前の水の温度を検出する。すなわち、入口水温センサ122は、室内機200から戻ってきた、熱源機100により加熱又は冷却される前の水の温度を検出するセンサである。
この実施の形態の水空調システム1は、外気温センサ400を備えている。外気温センサ400は、水空調システム1が設置された建物の屋外の気温すなわち外気温を検出するセンサである。
水空調システム1は、熱源機制御装置310及びシステム制御装置320を備えている。システム制御装置320は、水空調システム1全体の動作全般を制御する。熱源機制御装置310とシステム制御装置320とは、通信可能に設けられている。熱源機制御装置310は、システム制御装置320による指令の下で熱源機100の動作を制御する。
熱源機制御装置310及びシステム制御装置320のそれぞれは、ハードウェアとして、例えば、プロセッサ及びメモリを備えたコンピュータから構成されている。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリには、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、又は、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD等が該当する。
熱源機制御装置310及びシステム制御装置320のそれぞれのメモリには、ソフトウェアとしてのプログラムが記憶される。そして、熱源機制御装置310及びシステム制御装置320のそれぞれは、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することによって予め設定された処理を実施し、ハードウェアとソフトウェアとが協働した結果として、以下に説明する熱源機制御装置310及びシステム制御装置320のそれぞれの機能を実現する。
なお、熱源機制御装置310及びシステム制御装置320のそれぞれの回路は、例えば、専用のハードウェアとして形成されてもよい。熱源機制御装置310及びシステム制御装置320のそれぞれの回路の一部が専用のハードウェアとして形成され、かつ、当該回路にプロセッサ及びメモリが備えられていてもよい。一部が専用のハードウェアとして形成される回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、または、これらを組み合わせたものが該当する。
システム制御装置320は、データ取得部321、記憶部322、負荷演算部323、目標熱源温度設定部324及び電力量監視部325を備えている。データ取得部321は、水空調システム1の制御に用いる各種データを取得する。この実施の形態においては、データ取得部321は、出口水温センサ121、入口水温センサ122及び外気温センサ400を検出結果を取得する。外気温センサ400及びデータ取得部321は、外気温を取得する外気温取得手段を構成している。また、データ取得部321は、熱源機100の消費電力量W[kWh]を取得し、熱源機100の消費電力量の積算値WT[kWh]を算出する。
さらに、データ取得部321は、次の(1)式を用いて、熱源機100の能力比qhr[%]を算出する。(1)式において、qh[kW]は熱源機100の能力であり、qh0[kW]は熱源機100の定格能力である。熱源機100の能力qhは、出口水温センサ121及び入口水温センサ122の検出結果から算出することができる。熱源機100の定格能力qh0は、熱源機100の仕様から定まる。
qhr=qh/qh0 ・・・ (1)
記憶部322は、熱源機100の実績データを記憶している。記憶部322が記憶する実績データは、データ取得部321により取得されたデータに基づいている。熱源機100の実績データは、過去の運転時における外気温と熱源機100が実際に発揮した能力とを対応付けたデータである。図2に、実績データの一例を示す。同図に示す例では、熱源機100が実際に発揮した能力として能力比qhrを用いている。また、記憶部322は、熱源機100の消費電力量の積算値WTについても記憶する。
負荷演算部323は、外気温Toに応じた空調負荷rを演算する。外気温Toに応じた空調負荷r[%]の演算には、例えば次の(2)式が用いられる。(2)式において、a、bはそれぞれ定数である。図3に(2)による外気温Toと空調負荷rとの関係の一例を示す。同図に示す例では、暖房の場合、a=-0.0834、b=1である。また、冷房の場合、a=0.0588、b=-1.0584である。なお、空調負荷rの取り得る値の範囲は0%から100%とする。
r=a×To+b ・・・ (2)
目標熱源温度設定部324は、目標熱源温度を設定する。そして、熱源機制御装置310は、出口水温センサ121により検出された水温が目標熱源温度設定部324により設定された目標熱源温度と等しくなるように、熱源機100の動作を制御する。したがって、熱源機100は、熱媒体である水を目標熱源温度になるように冷却又は加熱する。
次に、この実施の形態の水空調システム1における目標熱源温度設定部324による目標熱源温度の設定について説明する。目標熱源温度設定部324は、まず、記憶部322に記憶されている実績データを参照して、データ取得部321が取得した現在の外気温Toに対応する熱源機100の能力比qhrを特定する。次に、目標熱源温度設定部324は、現在の外気温Toに対応する熱源機100の能力比qhrと、負荷演算部323が演算した現在の外気温Toにおける空調負荷rとを比較する。そして、能力比qhrと空調負荷rとのうち大きい方に基づいて、目標熱源温度Two’を設定する。この際、目標熱源温度設定部324は、例えば、暖房運転の場合であれば次の(3)式を用いて目標熱源温度Two’[℃]を算出する。
Two’=X×Two+(1-X)×Tr+(1-X)×0.5×ΔT ・・・ (3)
この(3)式において、能力比qhrと空調負荷rとのうち大きい方をXとする。また、(3)式において、Two[℃]は定格目標熱源温度であり、ΔT[℃]は熱源機100の出入口水温差であり、Tr[℃]は室内温度である。定格目標熱源温度Twoは水空調システム1の仕様により定まる。例えば暖房運転の場合、定格目標熱源温度Twoは45[℃]等である。熱源機100の出入口水温差ΔTは、水空調システム1の仕様により定まる定格値を用いる。熱源機100の出入口水温差ΔTは、具体的に例えば、5[℃]等である。室内温度Trは、例えば一般的な空調時の設定温度とする。具体的に例えば、暖房運転時であれば、室内温度Trを20[℃]等とする。なお、室内機200による空調の設定温度が取得できれば、この設定温度を室内温度Trとしてもよい。
このようにして、目標熱源温度設定部324は、記憶部322に記憶された実績データを用いて特定した熱源機100の能力と負荷演算部323が演算した空調負荷とのうち大きい方に基づいて目標熱源温度を設定する。ここで、(3)式は次の(3)’式のように変形できる。
{(Two’-0.5×ΔT)-Tr}/({(Two-0.5×ΔT)-Tr}=X ・・・ (3)’
この(3)’の右辺Xは、過去の実績データから推定される熱源機100の能力比qhrと、外気温Toから演算される空調負荷rとのうちの大きい方である。また、(3)’の左辺は、定格目標熱源温度Twoを目標熱源温度Two’に緩和した場合の熱源機100の能力比である。なお、ここでいう目標熱源温度を緩和するというのは、暖房運転時であれば目標熱源温度を定格よりも低くし、冷房運転時であれば目標熱源温度を定格よりも高くすることを指す。(3)’の両辺が等しいということは、緩和された目標熱源温度Two’により、負荷Xに対して室温を維持する空調が可能であることを意味している。したがって、以上のように構成された水空調システム1によれば、過去の実績データにおいて、外気温Toから演算される空調負荷rよりも大きい負荷となるような温度条件においても、室温維持が可能な能力を確保しつつ、目標熱源温度Two’を定格よりも緩和して消費エネルギー量の低減を図ることが可能である。
以上のように構成された水空調システム1における目標熱源温度Two’の設定について、具体的な数値例を挙げて説明する。例えば、外気温To=3℃のときに暖房運転を行う場合、負荷演算部323により演算される空調負荷rは(2)式より75%である。一方、図2に示す例では、外気温To=3℃のときの能力比qhrは90%である。空調負荷r=75%と能力比qhr=90%とを比較すると、能力比qhr=90%の方が大きい。したがって、(3)式におけるXは能力比qhrの値である90%となる。よって、(3)式より、目標熱源温度Two’は42.75℃となる。ここで比較のために空調負荷r=75%を用いて算出した目標熱源温度Two’は、39.375℃となる。Xとして能力比qhr=90%を用いて算出した目標熱源温度Two’=42.75℃は、空調負荷r=75%を用いて算出した目標熱源温度Two’=39.375℃よりも高く、かつ、定格目標熱源温度Two=45℃よりも低い。したがって、室温維持が可能な能力を確保しつつ、目標熱源温度Two’を定格よりも緩和して消費エネルギー量の低減を図ることが可能である。なお、以上の(3)式、(3)’式及びこれらの式に関連する説明は暖房運転の場合についての例だが、冷房運転においても負荷Xに対して室温を維持する空調が可能なように、緩和された目標熱源温度Two’を決定することができる。
ここで、前述したように、記憶部322は、現在までの熱源機100の消費電力量の積算値WTを記憶している。この実施の形態の水空調システム1は、電力量監視部325を備えている。電力量監視部325は、記憶部322に記憶、蓄積される熱源機100の消費電力量の積算値WTについて監視している。電力量監視部325は、熱源機100の消費電力量の積算値WTが基準電力量以上であるか否かを判定する。基準電力量は、水空調システム1が設置された建物の管理者等が予め設定する。
そして、目標熱源温度設定部324は、電力量監視部325により熱源機100の消費電力量の積算値WTが基準電力量以上であると判定された場合に、(3)式を用いて算出した緩和された目標熱源温度Two’を設定するようにしてもよい。すなわち、目標熱源温度設定部324は、消費電力量の積算値が予め設定された基準電力量以上の場合に、記憶部322に記憶された実績データを用いて特定した熱源機100の能力と負荷演算部323が演算した空調負荷とのうち大きい方に基づいて目標熱源温度を設定するようにしてもよい。
このようにすることで、消費電力量の積算値が基準電力量以上となってしまい、これ以上の消費電力量増加を抑制したい場合に、目標熱源温度Two’を定格よりも緩和して消費エネルギー量の低減を図ることが可能である。そして、消費電力量の積算値が基準電力量まで余裕がある場合には、目標熱源温度を定格目標熱源温度Twoとすることで、確実に空調能力を担保できる。
また、目標熱源温度設定部324は、外気温Toが基準気温範囲内の場合に、(3)式を用いて算出した緩和された目標熱源温度Two’を設定するようにしてもよい。すなわち、目標熱源温度設定部324は、外気温が基準気温範囲内の場合に、記憶部322に記憶された実績データを用いて特定した熱源機100の能力と負荷演算部323が演算した空調負荷とのうち大きい方に基づいて目標熱源温度を設定するようにしてもよい。ここで、基準気温範囲は予め設定される気温範囲である。この際、基準気温範囲は、負荷演算部323により外気温Toから演算される負荷rが100[%]以下となる温度範囲にするとよい。図3の例では、基準気温範囲は0℃以上35℃以下の範囲内に含まれる温度範囲にする。外気温が基準気温範囲から外れた猛暑時、厳寒時には、目標熱源温度を定格目標熱源温度Twoとすることで、確実に空調能力を担保できる。
次に、図4のフロー図を参照しながら、以上のように構成された水空調システム1の動作例について説明する。まず、ステップS01において、データ取得部321は、各種データを取得する。続くステップS02において、電力量監視部325は、熱源機100の消費電力量の積算値WTが基準電力量以上であるか否かを判定する。熱源機100の消費電力量の積算値WTが基準電力量以上であれば、処理はステップS03へと進む。
ステップS03においては、負荷演算部323は、ステップS01でデータ取得部321が取得した外気温Toに基づいて、(2)式を用いて空調負荷rを演算する。続くステップS04において、目標熱源温度設定部324は、(3)式を用いてTwo’を算出し、算出したTwo’により目標熱源温度を設定する。ステップS04の処理が完了すると、一連の動作は終了となる。
一方、ステップS02において、熱源機100の消費電力量の積算値WTが基準電力量以上でない場合、処理はステップS05へと進む。ステップS05においては、目標熱源温度設定部324は、ステップS01でデータ取得部321が取得した外気温Toが基準温度範囲内であるか否かを判定する。外気温Toが基準温度範囲内であれば、処理はステップS03へと進む。一方、外気温Toが基準温度範囲内でない場合、処理はステップS06へと進む。ステップS06においては、目標熱源温度設定部324は、目標熱源温度を定格目標熱源温度Twoに設定する。ステップS06の処理が完了すると、一連の動作は終了となる。
実施の形態2.
図5から図7を参照しながら、本開示の実施の形態2について説明する。図5は空調システムが備えるシステム制御装置の構成を示すブロック図である。図6は空調システムにおける空調負荷の日変化の一例を示す図である。図7は空調システムにおいて設定開始時点を特定する一例を説明する図である。
ここで説明する実施の形態2は、前述した実施の形態1の構成において、過去の一定期間内の暖房運転時に、熱源機が運転を開始してから熱源機が実際に発揮した能力が負荷演算部が演算した空調負荷を初めて下回った時点のうち最遅の時点を設定開始時点として特定し、この特定した設定開始時点以降で、外気温から演算した空調負荷に基づいて目標熱源温度を設定するようにしたものである。以下、この実施の形態2に係る空調システムについて、実施の形態1との相違点を中心に説明する。説明を省略した構成については実施の形態1と基本的に同様である。以降の説明においては、実施の形態1と同様の又は対応する構成について、原則として実施の形態1の説明で用いたものと同じ符号を付して記載する。
この実施の形態に係る空調システムが備えるシステム制御装置320は、図5に示すように、データ取得部321、記憶部322、負荷演算部323、目標熱源温度設定部324及び電力量監視部325に加えて、さらに設定開始時点特定部326を備えている。これらの各部のうちデータ取得部321、負荷演算部323及び電力量監視部325については実施の形態1と同様であるため、その説明は省略する。
この実施の形態の記憶部322には、過去の一定期間である過去N日間のデータが記憶されている。ここでNは1以上の整数である。ここでは具体的に例えば、過去14日間のデータを記憶部322が記憶する。そして、記憶部322は、過去N日間のそれぞれの日において、熱源機100が運転を開始してから、熱源機100が実際に発揮した能力が負荷演算部323により演算された空調負荷を初めて下回った時点に関する情報を記憶する。
熱源機100が運転を開始してから、熱源機100が実際に発揮した能力が負荷演算部323により演算された空調負荷を初めて下回った時点について、図5を参照しながら説明する。図5において、実線で示すのは、負荷演算部323が演算した空調負荷rの時間変化である。また、破線で示すのは、データ取得部321が算出した熱源機100が実際に発揮した能力比qhrの時間変化である。主に暖房運転を行う冬季においては、夜間の暖房停止中に建物の躯体が冷却される。このため、1日における運転開始当初は、冷えた躯体を温めるために空調負荷が増大する。したがって、図中の矢印で示す時間帯では熱源機100が実際に発揮した能力が負荷演算部323が外気温から演算した空調負荷より大きい状態である。そして、暖房運転時間が経過して躯体が温められ、時点t0において、熱源機100が実際に発揮した能力が負荷演算部323が演算した空調負荷を初めて下回る。この時点t0が、熱源機100が運転を開始してから、熱源機100が実際に発揮した能力が負荷演算部323により演算された空調負荷を初めて下回った時点である。
このようにして、記憶部322は、過去N日間のそれぞれの日において、時点t0に関する情報を記憶している。設定開始時点特定部326は、図7に示すように、記憶部322に記憶されている過去N日間の時点t0について最も遅い時点を設定開始時点として特定する。図7に示す例では、1日前のt0を設定開始時点とする。そして、この実施の形態においては、目標熱源温度設定部324は、設定開始時点特定部326により特定された設定開始時点以降、負荷演算部323が演算した空調負荷に基づいて目標熱源温度を設定する。
設定開始時点より前については、負荷演算部323が演算した空調負荷に基づく目標熱源温度の設定は禁止される。すなわち、目標熱源温度設定部324は設定開始時点より前においては、負荷演算部323が演算した空調負荷に基づく目標熱源温度を設定を行わない。設定開始時点より前においては、目標熱源温度設定部324は例えば定格目標熱源温度を目標熱源温度とする。なお、負荷演算部323が演算した空調負荷に基づく目標熱源温度の設定においては、例えば、実施の形態1で説明した(3)式においてXを負荷演算部323が演算した空調負荷rとして目標熱源温度Two’を算出する。
以上のように構成された水空調システム1によれば、過去N日間の暖房運転時に、熱源機100が運転を開始してから熱源機100が実際に発揮した能力が負荷演算部323により演算された空調負荷を初めて下回った時点t0のうち最遅の時点を設定開始時点として特定し、この特定した設定開始時点以降では、外気温から演算した空調負荷に基づいて目標熱源温度を設定する。このため、冷えた建物躯体の影響で外気温から演算される負荷より空調負荷が大きくなる時間帯においては、目標熱源温度を定格から緩和させずに室温維持が可能な能力を確保しつつ、この時間帯以降においては外気温に応じて目標熱源温度Two’を定格よりも緩和して消費エネルギー量の低減を図ることが可能である。したがって、この実施の形態の空調システムにおいても、暖房運転時において、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
1 水空調システム
10 水配管
11 水ポンプ
20 バイパス配管
21 バイパス弁
100 熱源機
101 圧縮機
102 四方弁
103 膨張弁
104 熱源機ファン
110 冷媒配管
111 熱源機熱交換器
112 水熱交換器
121 出口水温センサ
122 入口水温センサ
200 室内機
201 室内機ファン
202 流量調整弁
211 室内機熱交換器
310 熱源機制御装置
320 システム制御装置
321 データ取得部
322 記憶部
323 負荷演算部
324 目標熱源温度設定部
325 電力量監視部
326 設定開始時点特定部
400 外気温センサ

Claims (4)

  1. 熱媒体を目標熱源温度になるように冷却又は加熱する熱源機と、
    前記熱源機により冷却又は加熱された熱媒体と空気とを熱交換させる熱交換器と、
    外気温を取得する外気温取得手段と、
    外気温に応じた空調負荷を演算する負荷演算部と、
    過去の運転時における外気温と前記熱源機が実際に発揮した能力とを対応付けた実績データを記憶する記憶部と、
    前記目標熱源温度を設定する目標熱源温度設定部と、を備え、
    前記目標熱源温度設定部は、前記記憶部に記憶された前記実績データを用いて特定した前記熱源機の能力と前記負荷演算部が演算した空調負荷とのうち大きい方に基づいて前記目標熱源温度を設定する空調システム。
  2. 前記記憶部は、現在までの前記熱源機の消費電力量の積算値をさらに記憶し、
    前記目標熱源温度設定部は、前記熱源機の消費電力量の積算値が予め設定された基準電力量以上の場合に、前記記憶部に記憶された前記実績データを用いて特定した前記熱源機の能力と前記負荷演算部が演算した空調負荷とのうち大きい方に基づいて前記目標熱源温度を設定する請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記目標熱源温度設定部は、外気温が予め設定された基準気温範囲内の場合に、前記記憶部に記憶された前記実績データを用いて特定した前記熱源機の能力と前記負荷演算部が演算した空調負荷とのうち大きい方に基づいて前記目標熱源温度を設定する請求項1又は請求項2に記載の空調システム。
  4. 熱媒体を目標熱源温度になるように加熱する熱源機と、
    前記熱源機により加熱された熱媒体と空気とを熱交換させる熱交換器と、
    外気温を取得する外気温取得手段と、
    外気温に応じた空調負荷を演算する負荷演算部と、
    過去の一定期間内の運転時において、前記熱源機が運転を開始してから前記熱源機が実際に発揮した能力が前記負荷演算部により演算された空調負荷を初めて下回った時点のうち最遅の時点を設定開始時点として特定する設定開始時点特定部と、
    前記目標熱源温度を設定する目標熱源温度設定部と、を備え、
    前記目標熱源温度設定部は、前記設定開始時点の以降において、前記負荷演算部が演算した空調負荷に基づいて前記目標熱源温度を設定する空調システム。
JP2020101837A 2020-06-11 2020-06-11 空調システム Active JP7456301B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020101837A JP7456301B2 (ja) 2020-06-11 2020-06-11 空調システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020101837A JP7456301B2 (ja) 2020-06-11 2020-06-11 空調システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021196096A JP2021196096A (ja) 2021-12-27
JP7456301B2 true JP7456301B2 (ja) 2024-03-27

Family

ID=79197769

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020101837A Active JP7456301B2 (ja) 2020-06-11 2020-06-11 空調システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7456301B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010236786A (ja) 2009-03-31 2010-10-21 Yamatake Corp 送水温度制御装置および方法
WO2012164684A1 (ja) 2011-05-31 2012-12-06 三菱電機株式会社 温度調節システム及び空気調和システム及び制御方法
JP2016044831A (ja) 2014-08-20 2016-04-04 株式会社Nttファシリティーズ 熱媒体循環システム
JP2016170715A (ja) 2015-03-13 2016-09-23 株式会社東芝 機器特性モデル学習装置、機器特性モデル学習方法、及びプログラム
JP2018173221A (ja) 2017-03-31 2018-11-08 ダイキン工業株式会社 空調システム
JP2019032101A (ja) 2017-08-07 2019-02-28 新菱冷熱工業株式会社 熱源システム制御方法及びその装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010236786A (ja) 2009-03-31 2010-10-21 Yamatake Corp 送水温度制御装置および方法
WO2012164684A1 (ja) 2011-05-31 2012-12-06 三菱電機株式会社 温度調節システム及び空気調和システム及び制御方法
JP2016044831A (ja) 2014-08-20 2016-04-04 株式会社Nttファシリティーズ 熱媒体循環システム
JP2016170715A (ja) 2015-03-13 2016-09-23 株式会社東芝 機器特性モデル学習装置、機器特性モデル学習方法、及びプログラム
JP2018173221A (ja) 2017-03-31 2018-11-08 ダイキン工業株式会社 空調システム
JP2019032101A (ja) 2017-08-07 2019-02-28 新菱冷熱工業株式会社 熱源システム制御方法及びその装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021196096A (ja) 2021-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110325804B (zh) 用于控制制冷***的***和方法
JP6570746B2 (ja) 熱媒体循環システム
US6871509B2 (en) Enhanced cooling system
JP2007522430A (ja) Hvacヒートポンプシステムの霜取りモード
TW201736790A (zh) 用以控制冷凍系統之系統及方法
CN110809697B (zh) 热交换单元以及空调装置
JPWO2018193518A1 (ja) 空気調和機
JP3702724B2 (ja) ヒートポンプシステムおよびヒートポンプシステムの据付方法
JPWO2016194098A1 (ja) 空気調和装置及び運転制御装置
KR102445224B1 (ko) 차량용 히트 펌프 시스템
WO2018043454A1 (ja) 空調給湯システム
JP6980089B2 (ja) 空気調和機
JP2011174662A (ja) 空気熱源ヒートポンプ給湯・空調装置
JP7456301B2 (ja) 空調システム
JP6071941B2 (ja) ヒートポンプシステム
JP6907653B2 (ja) 空調システム
JP2021046953A (ja) 空気調和機
JP2006220332A (ja) 複合型空気調和装置
US11408651B2 (en) Heating, ventilation, air-conditioning, and refrigeration system with variable speed compressor
JPH09236332A (ja) 空調用ヒートポンプ装置
JP2006220335A (ja) 複合型空気調和装置
CN114322222A (zh) 空调器、空调器的控制方法和计算机可读存储介质
JP6458456B2 (ja) 空調システム
JP7399321B2 (ja) チラーシステム及びチラーシステムを有する空気調和装置
KR100853175B1 (ko) 차량용 냉난방 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230519

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7456301

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150