JP7455236B2 - ディスクブレーキ、ブレーキキャリパ、ブレーキキャリパの鋳造方法、ブレーキキャリア及びブレーキキャリアの鋳造方法 - Google Patents

ディスクブレーキ、ブレーキキャリパ、ブレーキキャリパの鋳造方法、ブレーキキャリア及びブレーキキャリアの鋳造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ディスクブレーキ、ブレーキキャリパ、ブレーキキャリパの鋳造方法、ブレーキキャリア及びブレーキキャリアの鋳造方法に関する。本願は、2020年12月18日に、日本国に出願された特願2020-210469号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
鋳造部品にインサートを鋳込んで剛性を調整する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
日本国特表2008-540127号公報
ディスクブレーキにおいては、高コスト化を抑制することが望まれている。
本発明の目的は、高コスト化を抑制することが可能となるディスクブレーキ、ブレーキキャリパ、ブレーキキャリパの鋳造方法、ブレーキキャリア及びブレーキキャリアの鋳造方法を提供することにある。
本発明に係るディスクブレーキの第1の態様は、車両の非回転部に固定され、ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリアと、前記ブレーキキャリアに移動可能に設けられ、前記ディスクの軸方向における一方の面に対向して配置される第1摩擦パッドと、前記ブレーキキャリアに移動可能に設けられ、前記ディスクの軸方向における他方の面に対向して配置される第2摩擦パッドと、前記第1摩擦パッドを押圧するピストンを前記ディスクの軸方向に収容したブレーキキャリパであって、第1スライドピンと、第2スライドピンと、前記ブレーキキャリアに前記第1スライドピン及び前記第2スライドピンを介して支持されるキャリパ本体部と、を備え、前記キャリパ本体部は、前記ピストンが収容されるシリンダ孔を有するシリンダ部と、前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部と、前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部と、前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第1ピン配設部の側にあり、前記キャリパ本体部の鋳造時の湯口痕が設けられている第1ブリッジ部と、前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第2ピン配設部の側にある第2ブリッジ部と、を備え、前記ディスクの軸方向からみて、前記第1ピン配設部の中心と、前記第2ピン配設部の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線で前記キャリパ本体部を分割したときに、前記第2ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面二次モーメントと比較して、前記第1ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面二次モーメントが大きくなる形状をとるブレーキキャリパと、を備える。
本発明に係るディスクブレーキの第2の態様は、車両の非回転部に固定され、ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリアと、前記ブレーキキャリアに移動可能に設けられ、前記ディスクの軸方向における一方の面に対向して配置される第1摩擦パッドと、前記ブレーキキャリアに移動可能に設けられ、前記ディスクの軸方向における他方の面に対向して配置される第2摩擦パッドと、前記第1摩擦パッドを押圧するピストンを前記ディスクの軸方向に収容したブレーキキャリパであって、第1スライドピンと、第2スライドピンと、前記ブレーキキャリアに前記第1スライドピン及び前記第2スライドピンを介して支持されるキャリパ本体部と、を備え、前記キャリパ本体部は、前記ピストンが収容されるシリンダ孔を有するシリンダ部と、前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部と、前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部と、前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第1ピン配設部の側にあり、前記キャリパ本体部の鋳造時の湯口痕が設けられている第1ブリッジ部と、前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第2ピン配設部の側にある第2ブリッジ部と、を備え、前記ディスクの軸方向からみて、前記第1ピン配設部の中心と、前記第2ピン配設部の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線で前記キャリパ本体部を分割したときに、前記第1ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面積と比較して、前記第2ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面積が大きくなる形状をとるブレーキキャリパと、を備える。
本発明に係るブレーキキャリパの第1の態様は、摩擦パッドをディスクに押圧するブレーキキャリパであって、第1スライドピンと、第2スライドピンと、キャリパ本体部と、を備え、前記キャリパ本体部は、ピストンが収容されるシリンダ孔を有するシリンダ部と、前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部と、前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部と、前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第1ピン配設部の側にあり、前記キャリパ本体部の鋳造時の湯口痕が設けられている第1ブリッジ部と、前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第2ピン配設部の側にある第2ブリッジ部と、を備え、前記ディスクの軸方向からみて、前記第1ピン配設部の中心と、前記第2ピン配設部の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線で前記キャリパ本体部を分割したときに、前記第2ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面二次モーメントと比較して、前記第1ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面二次モーメントが大きくなる形状をとる。
本発明に係るブレーキキャリパの第2の態様は、摩擦パッドをディスクに押圧するブレーキキャリパであって、第1スライドピンと、第2スライドピンと、キャリパ本体部と、を備え、前記キャリパ本体部は、ピストンが収容されるシリンダ孔を有するシリンダ部と、前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部と、前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部と、前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第1ピン配設部の側にあり、前記キャリパ本体部の鋳造時の湯口痕が設けられている第1ブリッジ部と、前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第2ピン配設部の側にある第2ブリッジ部と、を備え、前記ディスクの軸方向からみて、前記第1ピン配設部の中心と、前記第2ピン配設部の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線で前記キャリパ本体部を分割したときに、前記第1ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面積と比較して、前記第2ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面積が大きくなる形状をとる。
本発明に係るブレーキキャリパの鋳造方法の第1の態様は、摩擦パッドをディスクに押圧するブレーキキャリパの鋳造方法であって、第1の工程と、第2の工程とを含み、前記第1の工程は、ピストンが収容されるシリンダ孔を有するシリンダ部と、前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部と、前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部と、前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第1ピン配設部の側にある第1ブリッジ部と、前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第2ピン配設部の側にある第2ブリッジ部と、を備えるキャリパ本体部であって、前記ディスクの軸方向からみて、前記第1ピン配設部の中心と、前記第2ピン配設部の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線で前記キャリパ本体部を分割したときに、前記第2ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面二次モーメントと比較して、前記第1ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面二次モーメントが大きくなる形状をとる、前記キャリパ本体部用の鋳型を準備する工程であり、前記第2の工程は、前記第1ブリッジ部の側から前記鋳型に注湯を行う工程である。
本発明に係るブレーキキャリパの鋳造方法の第2の態様は、摩擦パッドをディスクに押圧するブレーキキャリパの鋳造方法であって、第1の工程と、第2の工程とを含み、前記第1の工程は、ピストンが収容されるシリンダ孔を有するシリンダ部と、前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部と、前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部と、前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第1ピン配設部の側にある第1ブリッジ部と、前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第2ピン配設部の側にある第2ブリッジ部と、を備えるキャリパ本体部であって、前記ディスクの軸方向からみて、前記第1ピン配設部の中心と、前記第2ピン配設部の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線で前記キャリパ本体部を分割したときに、前記第1ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面積と比較して、前記第2ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面積が大きくなる形状をとる、前記キャリパ本体部用の鋳型を準備する工程であり、前記第2の工程は、前記第1ブリッジ部の側から前記鋳型に注湯を行う工程である。
本発明に係るディスクブレーキの第3の態様は、ディスクの軸方向における一方の面に対向して配置される第1摩擦パッドと、前記ディスクの軸方向における他方の面に対向して配置される第2摩擦パッドと、第1スライドピンと、第2スライドピンと、前記第1摩擦パッドを押圧するピストンを前記ディスクの軸方向に収容したキャリパ本体部と、を備えるブレーキキャリパであって、前記キャリパ本体部は、前記ピストンが収容されるシリンダ孔を有するシリンダ部と、前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部と、前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部と、を備えるブレーキキャリパと、前記第1摩擦パッド及び前記第2摩擦パッドを移動可能に設け、車両の非回転部に固定され、前記ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリアであって、前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第1固定部と、前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第2固定部と、前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1固定部から前記第1ピン配設部の方向に延出し、前記ブレーキキャリアの鋳造時の湯口痕が設けられている第1接続部と、前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第2固定部から前記第2ピン配設部の方向に延出する第2接続部と、を備え、前記第2接続部の断面二次モーメントと比較して、前記第1接続部の断面二次モーメントが大きくなる形状をとるブレーキキャリアと、を備える。
本発明に係るディスクブレーキの第4の態様は、ディスクの軸方向における一方の面に対向して配置される第1摩擦パッドと、前記ディスクの軸方向における他方の面に対向して配置される第2摩擦パッドと、第1スライドピンと、第2スライドピンと、前記第1摩擦パッドを押圧するピストンを前記ディスクの軸方向に収容したキャリパ本体部と、を備えるブレーキキャリパであって、前記キャリパ本体部は、前記ピストンが収容されるシリンダ孔を有するシリンダ部と、前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部と、前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部と、を備えるブレーキキャリパと、前記第1摩擦パッド及び前記第2摩擦パッドを移動可能に設け、車両の非回転部に固定され、前記ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリアであって、前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第1固定部と、前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第2固定部と、前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1固定部から前記第1ピン配設部の方向に延出し、前記ブレーキキャリアの鋳造時の湯口痕が設けられている第1接続部と、前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第2固定部から前記第2ピン配設部の方向に延出する第2接続部と、を備え、前記第1接続部の断面積と比較して、前記第2接続部の断面積が大きくなる形状をとるブレーキキャリアと、を備える。
本発明に係るブレーキキャリアの第1の態様は、ディスクの軸方向における一方の面に対向して配置される第1摩擦パッド、及び前記ディスクの軸方向における他方の面に対向して配置される第2摩擦パッドを移動可能に設け、車両の非回転部に固定され、前記ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリアであって、前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第1固定部と、前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第2固定部と、前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1固定部から延出し、前記ブレーキキャリアの鋳造時の湯口痕が設けられている第1接続部と、前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第2固定部から延出する第2接続部と、を備え、前記第2接続部の断面二次モーメントと比較して、前記第1接続部の断面二次モーメントが大きくなる形状をとる。
本発明に係るブレーキキャリアの第2の態様は、ディスクの軸方向における一方の面に対向して配置される第1摩擦パッド、及び前記ディスクの軸方向における他方の面に対向して配置される第2摩擦パッドを移動可能に設け、車両の非回転部に固定され、前記ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリアであって、前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第1固定部と、前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第2固定部と、前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1固定部から延出し、前記ブレーキキャリアの鋳造時の湯口痕が設けられている第1接続部と、前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第2固定部から延出する第2接続部と、を備え、前記第1接続部の断面積と比較して、前記第2接続部の断面積が大きくなる形状をとる。
本発明に係るブレーキキャリアの鋳造方法の第1の態様は、ディスクの軸方向における一方の面に対向して配置される第1摩擦パッド、及び前記ディスクの軸方向における他方の面に対向して配置される第2摩擦パッドを移動可能に設け、車両の非回転部に固定され、前記ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリアの鋳造方法であって、第1の工程と、第2の工程とを含み、前記第1の工程は、前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第1固定部と、前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第2固定部と、前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1固定部から延出し、前記ブレーキキャリアの鋳造時の湯口痕が設けられている第1接続部と、前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第2固定部から延出する第2接続部と、を備えるブレーキキャリアであって、前記第2接続部の断面二次モーメントと比較して、前記第1接続部の断面二次モーメントが大きくなる形状をとる、前記ブレーキキャリア用の鋳型を準備する工程であり、前記第2の工程は、前記第1接続部の側から前記鋳型に注湯を行う工程である。
本発明に係るブレーキキャリアの鋳造方法の第2の態様は、ディスクの軸方向における一方の面に対向して配置される第1摩擦パッド、及び前記ディスクの軸方向における他方の面に対向して配置される第2摩擦パッドを移動可能に設け、車両の非回転部に固定され、前記ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリアの鋳造方法であって、第1の工程と、第2の工程とを含み、前記第1の工程は、前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第1固定部と、前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第2固定部と、前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1固定部から延出し、前記ブレーキキャリアの鋳造時の湯口痕が設けられている第1接続部と、前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第2固定部から延出する第2接続部と、を備えるブレーキキャリアであって、前記第1接続部の断面積と比較して、前記第2接続部の断面積が大きくなる形状をとる、前記ブレーキキャリア用の鋳型を準備する工程であり、前記第2の工程は、前記第1接続部の側から前記鋳型に注湯を行う工程である。
本発明の各態様によれば、高コスト化を抑制することが可能となる。
第1実施形態のディスクブレーキを示す斜視図。 第1実施形態のディスクブレーキを示す図1のII-II断面図。 第1実施形態のディスクブレーキのブレーキキャリアを示す背面図。 第1実施形態のディスクブレーキのブレーキキャリアを示す図3のIV-IV断面図。 第1実施形態のディスクブレーキのキャリパ本体部を示す平面図。 第1実施形態のディスクブレーキのキャリパ本体部を示す図5のVI-VI断面図。 第1実施形態のディスクブレーキのキャリパ本体部を示す下面図。 第2実施形態のディスクブレーキのキャリパ本体部を示す平面図。 第2実施形態のディスクブレーキのキャリパ本体部を示す図8のIX-IX断面図。 第3実施形態のディスクブレーキのキャリパ本体部を示す平面図。 第3実施形態のディスクブレーキのキャリパ本体部を示す図10のXI-XI断面図。 第3実施形態のディスクブレーキのキャリパ本体部を示す下面図。 第4実施形態のディスクブレーキのキャリパ本体部を示す平面図。 第4実施形態のディスクブレーキのキャリパ本体部を示す図13のXIV-XIV断面図。 第4実施形態のディスクブレーキのキャリパ本体部のブリッジ部を模式的に示す断面図。 第5実施形態のディスクブレーキのブレーキキャリアを示す背面図。 第5実施形態のディスクブレーキのブレーキキャリアを示す図16のXVII-XVII断面図。 第6実施形態のディスクブレーキのブレーキキャリアを示す背面図。 第6実施形態のディスクブレーキのブレーキキャリアを示す図18のXIX-XIX断面図。 第7実施形態のディスクブレーキのブレーキキャリアを示す背面図。 第7実施形態のディスクブレーキのブレーキキャリアを示す図20のXXI-XXI断面図。
[第1実施形態]
第1実施形態を図1~図7を参照して以下に説明する。図1及び図2に示す第1実施形態のディスクブレーキ10は、自動車等の車両用であって車両に制動力を付与するものである。ディスクブレーキ10は、具体的には四輪自動車の制動用のものである。ディスクブレーキ10は、図示略の車輪と共に回転する円板状のディスク11の回転を止めることで車両を制動する。
図1に示すように、ディスクブレーキ10は、ブレーキキャリア20と、ブレーキキャリパ21と、一対の第1ピンブーツ22及び第2ピンブーツ23と、一対の第1パッドスプリング24及び第2パッドスプリング25と、を備えている。また、ディスクブレーキ10は、図2に示すように、一対の第1摩擦パッド26及び第2摩擦パッド27を備えている。
以下、ディスク11の中心軸線をディスク軸線、ディスク軸線の延びる方向をディスク軸方向と称す。また、ディスクブレーキ10内におけるディスク11の径方向をディスク径方向、ディスクブレーキ10内におけるディスク11の周方向つまり回転方向をディスク周方向と称す。また、ディスク径方向におけるディスク11の中心側をディスク径方向内側、ディスク径方向におけるディスク11の中心とは反対側をディスク径方向外側と称す。また、ディスク周方向におけるブレーキキャリア20及びブレーキキャリパ21の中央側をディスク周方向内側、ディスク周方向におけるブレーキキャリア20及びブレーキキャリパ21の中央とは反対側をディスク周方向外側と称す。また、ディスク軸線と、ブレーキキャリア20及びブレーキキャリパ21のディスク周方向の中央とを通ってディスク径方向に沿う線を径方向基準線と称す。この径方向基準線はディスク軸線に直交する。また、この径方向基準線とディスク軸線とを含む平面を径方向基準面と称す。また、このディスクブレーキ10が設けられた車両の車幅方向における外側をアウタ側と称し、内側をインナ側と称す。また、このディスクブレーキ10が設けられた車両の前進走行時のディスク11の回転方向Rにおけるディスクブレーキ10内でのディスク11の出口側をディスク回出側と称し、同じく前進走行時のディスク11の回転方向Rにおけるディスクブレーキ10内でのディスク11の入口側をディスク回入側と称す。
図1に示すように、ブレーキキャリア20は、ディスク11の外周側を跨いで設けられた状態で車両の非回転部に固定される。ブレーキキャリア20は、インナ側配置部31と、アウタ側配置部32と、これらを連結する一対の第1連結部33及び第2連結部34と、を備えている。ブレーキキャリア20は、径方向基準面を基準とする略鏡面対称の形状となっている。言い換えれば、径方向基準面がブレーキキャリア20のディスク周方向の中央位置を通る。
インナ側配置部31は、ディスク11に対しディスク軸方向の一側に配置されて車両の非回転部分に取り付けられる。ここで、ブレーキキャリア20が取り付けられる車両の非回転部分は、ディスク11に対しインナ側に配置されており、この非回転部分に取り付けられるインナ側配置部31も、ディスク11に対しインナ側に配置される。インナ側配置部31は、ディスク11に対してインナ側に配置されてディスク11の一方のインナ側の面11aに対向する。インナ側配置部31は、図2に示す第1摩擦パッド26を支持する。第1摩擦パッド26も、インナ側配置部31と同様、ディスク11に対してインナ側に配置されてディスク11のインナ側の面11aに対向する。
アウタ側配置部32は、ディスク11に対しディスク軸方向の他側であるアウタ側に配置される。アウタ側配置部32は、ディスク11に対してアウタ側に配置されてディスク11の他方のアウタ側の面11bに対向する。アウタ側配置部32は第2摩擦パッド27を支持する。第2摩擦パッド27も、アウタ側配置部32と同様、ディスク11に対してアウタ側に配置されてディスク11のアウタ側の面11bに対向する。
図1に示すように、第1連結部33及び第2連結部34は、ディスク軸方向に延びており、ディスク11の外周側をディスク軸方向に跨いで設けられている。第1連結部33は、インナ側配置部31及びアウタ側配置部32のディスク径方向の外側、かつディスク周方向の同じ一側の端部同士を連結する。第2連結部34は、インナ側配置部31及びアウタ側配置部32のディスク径方向の外側、かつディスク周方向の同じ他側の端部同士を連結する。
図3に示すように、インナ側配置部31は、ネジ穴41を有する第1固定部42と、ネジ穴43を有する第2固定部44と、第1固定部42と第2固定部44とを接続するインナビーム部45(ビーム部)と、を備えている。また、インナ側配置部31は、第1固定部42から延出する第1接続部46と、第2固定部44から延出する第2接続部47と、を備えている。第1固定部42、第2固定部44、インナビーム部45、第1接続部46及び第2接続部47は、ディスク11に対しインナ側に配置されている。インナ側配置部31は、ディスク11の一方のインナ側の面11aに対向する。
第1固定部42は、インナ側配置部31のディスク周方向における一端側に設けられており、第2固定部44は、インナ側配置部31のディスク周方向における他端側に設けられている。インナビーム部45は、ディスク周方向に延びている。ネジ穴41は、第1固定部42にディスク軸方向に沿って穿設されている。ネジ穴43は、第2固定部44にディスク軸方向に沿って穿設されている。ブレーキキャリア20は、第1固定部42がディスク回出側に配置され、第2固定部44がディスク回入側に配置される。ブレーキキャリア20は、第1固定部42及び第2固定部44が車両の非回転部分である図示略の取付部に突き当てられた状態で、ネジ穴41,43に螺合されるボルトによってこの取付部に取り付けられる。言い換えれば、第1固定部42及び第2固定部44がブレーキキャリア20を車両の非回転部に固定する。車両の非回転部に固定された第1固定部42及び第2固定部44は、互いにディスク軸方向の位置を合わせている。インナビーム部45は第1固定部42及び第2固定部44とディスク軸方向の位置を重ね合わせている。
第1接続部46は、第1固定部42とディスク軸方向の位置を重ね合わせて第1固定部42からディスク径方向外側に延出する。第2接続部47は、第2固定部44とディスク軸方向の位置を重ね合わせて第2固定部44からディスク径方向外側に延出する。第1接続部46には、そのディスク周方向内側に向く内面からディスク周方向外方に向かって凹む形状の第1凹部51が形成されている。第2接続部47には、そのディスク周方向内側に向く内面からディスク周方向外方に向かって凹む形状の第2凹部52が形成されている。よって、第1凹部51と第2凹部52とは、互いにディスク周方向に対向しており、ディスク周方向に沿って互いに離れる方向に凹む凹形状をなしている。第1凹部51は第1接続部46をディスク軸方向に貫通している。第2凹部52は第2接続部47をディスク軸方向に貫通している。
第1連結部33は、インナ側配置部31のディスク周方向一側に位置する。第1連結部33は、第1接続部46のディスク径方向外側の端部から、アウタ側に向けディスク軸方向に沿って延出する。第1連結部33は、ディスク11の外周面よりもディスク径方向外側を跨いで延びる。第2連結部34は、インナ側配置部31のディスク周方向他側に位置する。第2連結部34は、第2接続部47のディスク径方向外側の端部から、アウタ側に向けディスク軸方向に沿って延出する。第2連結部34は、ディスク11の外周面よりもディスク径方向外側を跨いで延びる。
第1連結部33には、ディスク軸方向に沿って延びる第1ピン挿入穴55が形成されている。第1ピン挿入穴55は、第1連結部33のインナ側の端面から、第1連結部33内の途中位置まで形成されている。第2連結部34には、ディスク軸方向に沿って延びる第2ピン挿入穴56が形成されている。第2ピン挿入穴56は、第2連結部34のインナ側の端面から、第2連結部34内の途中位置まで形成されている。
図4に示すように、アウタ側配置部32は、第1連結部33から延出する第3接続部61と、第2連結部34から延出する第4接続部62と、第3接続部61及び第4接続部62を連結する図3に示すアウタビーム部63と、を備えている。第3接続部61、第4接続部62及びアウタビーム部63は、ディスク11に対しアウタ側に配置されている。アウタ側配置部32は、ディスク11のアウタ側の面11bに対向する。
第3接続部61は、第1連結部33のディスク軸方向における第1接続部46とは反対側の端部から、図2に示すようにディスク径方向内方に延出している。第4接続部62は、図1に示すように第2連結部34のディスク軸方向における第2接続部47とは反対側の端部からディスク径方向内方に延出している。アウタビーム部63は、図2に示す第3接続部61及び図1に示す第4接続部62のディスク径方向内側の端部同士を連結している。アウタビーム部63は、ディスク周方向に延びている。
第3接続部61には、図4に示すように、そのディスク周方向内側に向く内面からディスク周方向外方に向かって凹む形状の第3凹部66が形成されている。第4接続部62には、そのディスク周方向内側に向く内面からディスク周方向外方に向かって凹む形状の第4凹部67が形成されている。よって、第3凹部66と第4凹部67とは、互いにディスク周方向に対向しており、ディスク周方向に沿って互いに離れる方向に凹む凹形状をなしている。第3凹部66は第3接続部61をディスク軸方向に貫通している。第4凹部67は第4接続部62をディスク軸方向に貫通している。
第1凹部51と第3凹部66とは同形状であってディスク径方向及びディスク周方向の位置を互いに合わせている。第2凹部52と第4凹部67とは同形状であってディスク径方向及びディスク周方向の位置を互いに合わせている。第1凹部51と第2凹部52とは鏡面対称状であってディスク径方向及びディスク軸方向の位置を合わせている。第3凹部66と第4凹部67とは径方向基準面を基準とする鏡面対称状であってディスク径方向及びディスク軸方向の位置を互いに合わせている。
ブレーキキャリア20は、インナ側配置部31が、第1接続部46の第1凹部51及び第2接続部47の第2凹部52で、図2に示す第1摩擦パッド26を支持する。また、ブレーキキャリア20は、アウタ側配置部32が、第3接続部61の第3凹部66及び第4接続部62の第4凹部67で、図2に示す第2摩擦パッド27を支持する。
ブレーキキャリア20は、第1固定部42、第1接続部46、第1連結部33及び第3接続部61がディスク回出側に配置される。ブレーキキャリア20では、第2固定部44、第2接続部47、第2連結部34及び第4接続部62がディスク回入側に配置される。
図2に示すインナ側の第1摩擦パッド26とアウタ側の第2摩擦パッド27とは、略同形状の部品である。第1摩擦パッド26及び第2摩擦パッド27は、それぞれ、裏板71と、裏板71の板厚方向の一面側に貼着されたライニング72と、を有している。
インナ側の第1摩擦パッド26の裏板71とアウタ側の第2摩擦パッド27の裏板71とは、同形状の共通部品となっている。裏板71は、ライニング72が貼着される主体部75と、主体部75のディスク周方向の両端部からディスク周方向に沿って互いに反対方向に突出する一対の突出部(図示略)と、を有している。
インナ側の第1摩擦パッド26は、ライニング72をディスク11のインナ側の面11aに対向させた状態で配置される。第1摩擦パッド26では、裏板71のディスク周方向一側の突出部(図示略)は、第1パッドスプリング24を介して、第1接続部46の第1凹部51に嵌合される。裏板71のディスク周方向他側の突出部(図示略)は、第2パッドスプリング25を介して、第2接続部47の第2凹部52に嵌合される。これにより、第1摩擦パッド26が、ディスク周方向及びディスク径方向の移動が制限された状態でディスク軸方向に移動可能となるようにブレーキキャリア20に支持される。
また、アウタ側の第2摩擦パッド27が、ライニング72をディスク11のアウタ側の面11bに対向させた状態で配置される。第2摩擦パッド27では、裏板71のディスク周方向一側の突出部(図示略)が第1パッドスプリング24を介して、第3接続部61の第3凹部66に嵌合される。第2摩擦パッド27では、裏板71のディスク周方向他側の突出部(図示略)が第2パッドスプリング25を介して、第4接続部62の第4凹部67に嵌合される。これにより、第2摩擦パッド27が、ディスク周方向及びディスク径方向の移動が制限された状態でディスク軸方向に移動可能となるようにブレーキキャリア20に支持される。
ここで、第1パッドスプリング24及び第2パッドスプリング25は、第1摩擦パッド26及び第2摩擦パッド27のディスク軸方向の摺動を案内する。さらに、第1パッドスプリング24及び第2パッドスプリング25は、第1摩擦パッド26及び第2摩擦パッド27をディスク径方向外方に向けて付勢する。
図1に示すように、ブレーキキャリパ21は、キャリパ本体部101と、第1スライドピン102と、第2スライドピン103と、第1スライドピン102をキャリパ本体部101に固定する取付ボルト104と、第2スライドピン103をキャリパ本体部101に固定する取付ボルト105と、を備えている。第1スライドピン102と第2スライドピン103とは同形状の共通部品である。取付ボルト104及び取付ボルト105も同形状の共通部品である。また、ブレーキキャリパ21は、図2に示すように、ピストン111と、ピストンシール112と、ピストンブーツ113と、を備えている。
図1に示すように、ブレーキキャリパ21は、径方向基準面を基準とする略鏡面対称の形状となっている。径方向基準線及び径方向基準面が、ブレーキキャリパ21のディスク周方向の中央位置を通る。ブレーキキャリパ21は、一対の第1スライドピン102及び第2スライドピン103が、互いに軸方向の位置を合わせると共に平行に配置されてキャリパ本体部101に固定されている。ブレーキキャリパ21は、第1スライドピン102が、図3に示すブレーキキャリア20の第1連結部33に形成された第1ピン挿入穴55に、摺動可能に嵌合する。第2スライドピン103が、ブレーキキャリア20の第2連結部34に形成された第2ピン挿入穴56に、摺動可能に嵌合する。これにより、ブレーキキャリパ21は、ディスク周方向の両側に一対の第1スライドピン102及び第2スライドピン103が配置される。
ブレーキキャリパ21は、キャリパ本体部101が、第1スライドピン102及び第2スライドピン103を介して、ディスク軸方向に摺動可能にブレーキキャリア20に支持される。ブレーキキャリア20では、一対の第1連結部33及び第2連結部34が、ディスク軸方向に摺動可能にブレーキキャリパ21を支持する。具体的に、ブレーキキャリパ21は、ディスク周方向一側に設けられた第1スライドピン102が、ブレーキキャリア20の第1連結部33の図3に示す第1ピン挿入穴55に摺動可能に嵌合される。ブレーキキャリパ21では、ディスク周方向他側に設けられた第2スライドピン103が、ブレーキキャリア20の第2連結部34の図3に示す第2ピン挿入穴56に摺動可能に嵌合されることになる。これにより、ブレーキキャリパ21は、ブレーキキャリア20に、ディスク軸方向に移動可能に設けられる。第1ピンブーツ22は、第1スライドピン102のブレーキキャリア20から突出する部分を被覆する。第2ピンブーツ23は、第2スライドピン103のブレーキキャリア20から突出する部分を被覆する。
キャリパ本体部101は、鋳造により継ぎ目なく一体成形されている。キャリパ本体部101も径方向基準面を基準とする略鏡面対称の形状となっている。径方向基準線及び径方向基準面は、キャリパ本体部101のディスク周方向の中央位置を通る。図2に示すように、キャリパ本体部101は、ディスク11に対しディスク軸方向のインナ側に配置されるシリンダ部121と、シリンダ部121のディスク径方向外側の部分からディスク11の外周を跨ぐようにディスク軸方向に沿ってアウタ側に延出するブリッジ部122と、ブリッジ部122のシリンダ部121とは反対側の部分からディスク径方向内側に延出してディスク11のディスク軸方向のアウタ側に配置される押圧部123と、を備えている。また、図1に示すように、キャリパ本体部101は、ディスクの周方向において、シリンダ部121の一端側に設けられる第1ピン配設部124と、ディスクの周方向において、シリンダ部121の他端側に設けられる第2ピン配設部125と、を備えている。キャリパ本体部101は、第1ピン配設部124がディスク回出側に配置され、第2ピン配設部125がディスク回入側に配置されている。
キャリパ本体部101は、図5~図7に示す形状をなしている。図6に示すように、ディスク回出側の第1ピン配設部124には、ディスク軸方向に貫通する第1ピン取付穴126が形成されている。ディスク回入側の第2ピン配設部125には、ディスク軸方向に貫通する第2ピン取付穴127が形成されている。第1ピン取付穴126の中心を第1ピン配設部124の中心とする。第2ピン取付穴127の中心を第2ピン配設部125の中心とする。径方向基準線は、第1ピン配設部124の中心と第2ピン配設部125の中心とを結ぶ線分を二等分する直線となる。径方向基準面は、第1ピン配設部124の中心と第2ピン配設部125の中心とを結ぶ線分を二等分し、かつこの線分に直交する平面となる。
キャリパ本体部101には、ディスク周方向一側の第1ピン配設部124に、図1に示す第1スライドピン102が取り付けられる。第1スライドピン102は、第1ピン取付穴126に挿通される取付ボルト104で取り付けられている。また、キャリパ本体部101には、ディスク周方向他側の第2ピン配設部125に、第2スライドピン103が取り付けられる。第2スライドピン103は、第2ピン取付穴127に挿通される取付ボルト105で取り付けられている。よって、第1ピン配設部124には、第1スライドピン102がディスク軸方向に延びて設けられている。第2ピン配設部125には、第2スライドピン103がディスク軸方向に延びて設けられている。
第1スライドピン102がブレーキキャリア20の第1連結部33の第1ピン挿入穴55に挿入されることで、ブレーキキャリパ21の第1ピン配設部124が、ブレーキキャリア20の第1連結部33とディスク径方向及びディスク周方向の位置を重ね合わせることになる。また、第2スライドピン103がブレーキキャリア20の第2連結部34の第2ピン挿入穴56に挿入されることで、ブレーキキャリパ21の第2ピン配設部125が、ブレーキキャリア20の第2連結部34とディスク径方向及びディスク周方向の位置を重ね合わせることになる。
この状態で、ブレーキキャリア20の第1接続部46は、ディスク軸方向に対して直交する平面において、第1固定部42からブレーキキャリパ21の第1ピン配設部124に向かう方向に延出する。また、ブレーキキャリア20の第2接続部47は、ディスク軸方向に対して直交する平面において、第2固定部44からブレーキキャリパ21の第2ピン配設部125に向かう方向に延出する。第1接続部46は、ディスク径方向において、インナビーム部45よりも外側、かつ第1連結部33及び第1ピン配設部124より内側の第1区間にある。第2接続部47は、ディスク径方向において、インナビーム部45よりも外側、かつ第2連結部34及び第2ピン配設部125より内側の第2区間にある。
図2に示すように、キャリパ本体部101のシリンダ部121は、ピストン111が収容されるシリンダ孔131を有している。シリンダ孔131は、シリンダ部121の胴部130の内側にディスク軸方向に沿って形成されている。よって、ピストン111は、シリンダ部121のシリンダ孔131に、ディスク軸方向に移動可能となるように収容されている。
シリンダ孔131は、ディスク軸方向の一端側が開口して開口端部132となっており、ディスク軸方向の他端側がシリンダ部121の底部133で閉塞されている。シリンダ孔131の開口端部132は、シリンダ部121のディスク軸方向における押圧部123側の端部の端面121aに配置されている。この端面121aは、押圧部123のディスク軸方向におけるシリンダ部121側の端部の端面123aに対向している。シリンダ部121の底部133には、シリンダ孔131内に連通する接続穴134がディスク軸方向に貫通して形成されている。接続穴134には図示略のブレーキ配管が接続される。
シリンダ部121の胴部130には、シリンダ孔131の開口端部132よりもディスク軸方向の底部133側の位置に、胴部130の内周面よりも径方向外方に凹む円環状のブーツ嵌合溝136が形成されている。また、胴部130には、シリンダ孔131のブーツ嵌合溝136よりもディスク軸方向の底部133側の位置に、胴部130の内周面よりも径方向外方に凹む円環状のシール収容溝137が形成されている。ピストンシール112は、円環状であり、シール収容溝137に嵌合される。ピストンシール112は、胴部130とピストン111との隙間をシールする。ピストンブーツ113は、蛇腹の筒状であり、一端側がブーツ嵌合溝136に嵌合され、他端側がピストン111の外周部に嵌合される。ピストンブーツ113は、ピストン111のシリンダ部121から突出する部分を被覆する。
ブレーキキャリパ21において、ピストン111が、インナ側の第1摩擦パッド26のディスク11とは反対側に配置されている。ピストン111は、ディスク軸方向に移動して第1摩擦パッド26を押圧する。言い換えれば、ブレーキキャリパ21は、第1摩擦パッド26を押圧するピストン111をディスク軸方向に収容している。ブレーキキャリパ21において、押圧部123は、アウタ側の第2摩擦パッド27のディスク11とは反対側に配置されていて第2摩擦パッド27を押圧する。
図5~図7に示すように、ブリッジ部122は、ディスク周方向において径方向基準面よりも第1ピン配設部124の側にある第1ブリッジ部141と、ディスク周方向において径方向基準面よりも第2ピン配設部125の側にある第2ブリッジ部142とに、径方向基準面を境として領域が分けられる。第1ブリッジ部141及び第2ブリッジ部142は、いずれもディスク11の外周側を跨いで設けられる。ブリッジ部122は、第1ブリッジ部141がディスク回出側に配置され、第2ブリッジ部142がディスク回入側に配置される。
第1ブリッジ部141は、ディスク軸方向において、第1区間部151と、第2区間部152と、第3区間部153と、の3つに領域が分けられる。第1区間部151は、ディスク軸方向においてシリンダ部121と位置が重なり合う領域である。第2区間部152は、ディスク軸方向において、シリンダ部121のシリンダ孔131の開口端部132と押圧部123との間に位置する領域である。第3区間部153は、ディスク軸方向において押圧部123と位置が重なり合う領域である。第2区間部152は、具体的には、第1ブリッジ部141におけるシリンダ部121の押圧部123側の端面121aと、押圧部123のシリンダ部121側の端面123aと、の間の区間となっている。
さらに、第2ブリッジ部142も、ディスク軸方向において、第1区間部161と、第2区間部162と、第3区間部163と、の3つに領域が分けられる。第1区間部161は、ディスク軸方向においてシリンダ部121と位置が重なり合う領域である。第2区間部162は、ディスク軸方向において、シリンダ孔131の開口端部132と押圧部123との間に位置する領域である。第3区間部163は、ディスク軸方向において押圧部123と位置が重なり合う領域である。第2区間部162は、具体的には、第2ブリッジ部142におけるシリンダ部121の端面121aと、押圧部123の端面123aと、の間の区間となっている。
ブリッジ部122には、第2区間部152と第2区間部162とに跨がる位置に、ブリッジ部122をディスク軸方向に貫通する貫通穴165が形成されている。
第1ブリッジ部141の第1区間部151には、第1区間部151の第1区間本体部170からディスク径方向外方に突出するリブ171が形成されている。第1区間部151は、リブ171を除く部分が第1区間本体部170となっている。リブ171は、ディスク軸方向に延在しており、ディスク軸方向において第1ブリッジ部141とシリンダ部121とに連続して跨がっている。リブ171は、シリンダ部121のリブ171を除くシリンダ本体部172からディスク径方向外方に突出している。言い換えれば、リブ171は、一部が第1ブリッジ部141に設けられており、残りの一部がシリンダ部121に設けられている。リブ171は、ディスク軸方向に対して直交する平面において、第1摩擦パッド26から離間する方向に、第1ブリッジ部141の第1区間本体部170及びシリンダ部121のシリンダ本体部172から突出している。
第2ブリッジ部142の第1区間部161には、第1区間部161の第1区間本体部175からディスク径方向外方に突出する円柱状の突起176が形成されている。第1区間部161は、突起176を除く部分が第1区間本体部175となっている。突起176は、ディスク軸方向に対して直交する平面において、第1摩擦パッド26から離間する方向に第1区間部161の第1区間本体部175から突出している。
リブ171と突起176とは、ディスク軸方向における押圧部123側の端部の位置を互いに合わせており、ディスク径方向の位置を互いに合わせ、ディスク周方向に互いに離間して配置されている。リブ171と突起176とは、ディスク周方向の幅が同じであり、ディスク径方向の突出高さも同じである。リブ171は、突起176よりもディスク軸方向に長い。よって、リブ171は、突起176よりも体積が大きい。キャリパ本体部101は、機械加工される際に、加工装置の治具にリブ171及び突起176を接触させて載置される。
キャリパ本体部101を鋳造する際に用いられる鋳型181は、キャリパ本体部101を形成するためのキャビティ182と、キャビティ182内に溶湯を注入するための湯口183とを有する。湯口183は、第1ブリッジ部141の第2区間部152のディスク周方向外側の端部に対向するように配置される。言い換えれば、湯口183は、第1ブリッジ部141の第2区間部152のディスク周方向における第2ブリッジ部142とは反対側の端部に対向するように配置される。このため、鋳造直後のキャリパ本体部101には、第1ブリッジ部141の第2区間部152のディスク周方向外側の端部に、湯口183にあった溶湯が固まることで形成される湯口残存部185が残存することになる。湯口残存部185は、鋳造後に機械加工で削り取られることになる。よって、キャリパ本体部101は、完成品の状態で、第1ブリッジ部141の第2区間部152のディスク周方向外側の端部に、湯口残存部185を除去した後に残る切削面である湯口痕191を有する。キャリパ本体部101は、湯口痕191の周囲が鋳肌となっている。湯口痕191は、キャリパ本体部101の鋳造時の湯口183の痕である。言い換えれば、第1ブリッジ部141には、キャリパ本体部101の鋳造時の湯口痕191が設けられている。
ブレーキキャリパ21は、キャリパ本体部101をディスク軸方向からみて、第1ピン配設部124の中心と、第2ピン配設部125の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線でキャリパ本体部101を分割したときに、第2ブリッジ部142の側のキャリパ本体部101の断面二次モーメントと比較して、湯口痕191が設けられている第1ブリッジ部141の側のキャリパ本体部101の断面二次モーメントが、リブ171を備えることにより大きくなる形状をとっている。
キャリパ本体部101は、第2ブリッジ部142の断面二次モーメントと比較して、第1ブリッジ部141の断面二次モーメントが、リブ171を備えることにより大きくなる形状をとっている。
キャリパ本体部101をディスク軸方向からみて、第1ピン配設部124の中心と、第2ピン配設部125の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線でキャリパ本体部101を分割したときに、第2ブリッジ部142の側のキャリパ本体部101の断面二次モーメントと比較して、湯口痕191が設けられている第1ブリッジ部141の側のキャリパ本体部101の断面二次モーメントが、リブ171を備えることにより大きくなる形状をとる、キャリパ本体部101用の鋳型181を準備する工程と、第1ブリッジ部141の側から鋳型181に注湯を行う第2の工程と、を含んで、キャリパ本体部101が鋳造される。
第2ブリッジ部142の断面二次モーメントと比較して、第1ブリッジ部141の断面二次モーメントが、リブ171を備えることにより大きくなる形状をとる、キャリパ本体部101用の鋳型181を準備する工程と、第1ブリッジ部141の側から鋳型181に注湯を行う第2の工程と、を含んで、キャリパ本体部101が鋳造される。
ここで、第1ブリッジ部141及び第2ブリッジ部142の上記した断面二次モーメントの方向は、キャリパ本体部101がディスク軸方向に弾性変形する方向である。リブ171は、このディスク軸方向に延びている。
ディスクブレーキ10には、図示略のブレーキ配管を介して、ブレーキキャリパ21のシリンダ部121のシリンダ孔131内にブレーキ液が導入される。すると、シリンダ部121においてピストン111にブレーキ液圧が作用する。その結果、ピストン111が、ディスク11側に前進し、これらピストン111とディスク11との間に配置されたインナ側の第1摩擦パッド26をディスク11に向かって押圧する。すると、インナ側の第1摩擦パッド26は、第1パッドスプリング24及び第2パッドスプリング25を介してブレーキキャリア20で案内されてディスク軸方向に移動し、ライニング72においてディスク11の一方の面11aに接触する。
また、この押圧の反力で、キャリパ本体部101がブレーキキャリア20に対し第1スライドピン102及び第2スライドピン103をスライドさせてディスク軸方向に移動する。これにより、押圧部123が、押圧部123とディスク11との間に配置されたアウタ側の第2摩擦パッド27をディスク11に向かって押圧する。すると、アウタ側の第2摩擦パッド27は、第1パッドスプリング24及び第2パッドスプリング25を介してブレーキキャリア20で案内されてディスク軸方向に移動し、ライニング72においてディスク11の他方の面11bに接触する。
ブレーキキャリア20に摺動可能に支持されたブレーキキャリパ21は、このようにして、ピストン111の作動により、このピストン111と押圧部123とで一対の第1摩擦パッド26及び第2摩擦パッド27をディスク軸方向の両側から挟持してこれら第1摩擦パッド26及び第2摩擦パッド27をディスク11の両側の面11a,11bに押圧する。その結果、ブレーキキャリパ21は、ディスク11に摩擦抵抗を付与して、制動力を発生させることになる。言い換えれば、ブレーキキャリア20に移動可能に設けられた一対の第1摩擦パッド26及び第2摩擦パッド27は、ブレーキキャリパ21によりディスク11の両側の面11a,11bに押圧される。その際に、車両の前進走行時においては、ブレーキキャリア20の主としてディスク回出側の第1接続部46及び第3接続部61が第1摩擦パッド26及び第2摩擦パッド27からの制動トルクを受けることになる。車両の後進走行時においては、ブレーキキャリア20の主として第2接続部47及び第4接続部62が第1摩擦パッド26及び第2摩擦パッド27からの制動トルクを受けることになる。ブレーキキャリパ21は、いわゆるフィスト型(スライド型)のキャリパである。
上記した特許文献1には、鋳造部品の鋳造方法として、以下の点が開示されている。
鋳造部品との一体鋳造のためのインサートを選択することを含む。ここでインサートは鋳造部品のNVH特性を変え得る材料からなり、鋳造中に溶融金属によって侵入され得て、かつ、インサート材料の組成変化によって鋳造部品のNVH特性を変え得る特性を有するものである。そして、望みのNVH特性を達成するために要求される材料組成を決定することを含み、そして更にインサートが鋳造部品内に挿入されるべき適切な位置を決定すること、及びインサートをその位置で部品中に鋳造することを含む。しかしながら、上記のようにインサート材を鋳込むことにより所定部位の剛性調整をするのでは、インサート材の位置決めや材料費に起因してコストが高くなるおそれがある。
ここで、キャリパ本体部101用の鋳型181を用いての鋳造時に、キャリパ本体部101における湯口183とは反対側となる第2ブリッジ部142は、注湯した高温鋳鉄溶湯用の鋳型181への放熱が湯口183の近傍の第1ブリッジ部141に対して早く、結果、鋳鉄溶湯の冷却速度が速くパーライト化し易くなる。このパーライト化の傾向が強い第2ブリッジ部142は固く、延性が少ない鋳鉄組成となる。一方、湯口183側の第1ブリッジ部141は高温鋳鉄溶湯が断続的に流入するため、冷却速度が遅く、湯口183とは反対側となる第2ブリッジ部142に比べて黒鉛が相対的に成長し易くなる。これにより、湯口183側の第1ブリッジ部141の鋳鉄は延性が大きい組成となる。キャリパ本体部が、径方向基準面を基準とする対称形状であるとキャリパ本体部内で、このような剛性の不均一が生じてしまう。すると、第1摩擦パッド26及び第2摩擦パッド27への押圧力に不均一性が生じ、第1摩擦パッド26及び第2摩擦パッド27に偏摩耗を生じる可能性がある。
このため、特許文献1に開示されるようにインサート材を鋳込むことにより所定部位の剛性調整をすることも考えられる。しかし、インサート材を鋳込むのでは、インサート材の位置決めに起因した型の高額化や、インサート材自体の材料費に起因した高コスト化を招くおそれがある。
第1実施形態のブレーキキャリパ21及びこれを備えるディスクブレーキ10は、ブレーキキャリパ21及びキャリパ本体部101が、ディスク軸方向からみて、第1ピン配設部124の中心と、第2ピン配設部125の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線でキャリパ本体部101を分割したときに、第2ブリッジ部142の側のキャリパ本体部101の断面二次モーメントと比較して、湯口痕191が設けられている第1ブリッジ部141の側のキャリパ本体部101の断面二次モーメントが大きくなる形状を、リブ171を形成することによりとっている。すなわち、キャリパ本体部101の出来上がり形状に、湯口痕191の近傍である第1ブリッジ部141の側のキャリパ本体部101の断面二次モーメントが、その対称側である第2ブリッジ部142の側のキャリパ本体部101の断面二次モーメントよりも大きくなるように差を設けておく。これにより、キャリパ本体部101を鋳造する鋳鉄の溶湯の冷却速度の違いにより生じる延性の差異によるキャリパ本体部101内の剛性の不均一を、インサート材を鋳込むことなく、形状により相殺して、剛性の不均一を抑制することができる。したがって、ブレーキキャリパ21及びこれを備えるディスクブレーキ10の高コスト化を抑制しつつ剛性の不均一を抑制することができる。
第1実施形態のブレーキキャリパ21の鋳造方法は、キャリパ本体部101の鋳造方法であって、キャリパ本体部101を上記形状とするためのキャリパ本体部101用の鋳型181を準備する第1の工程と、第1ブリッジ部141の側から鋳型181に注湯を行う第2の工程と、を含んで、ブレーキキャリパ21のキャリパ本体部101が鋳造される。これにより、キャリパ本体部101が上記形状になるため、キャリパ本体部101を鋳造する鋳鉄の溶湯の冷却速度の違いにより生じる延性の差異によるキャリパ本体部101内の剛性の不均一を、インサート材を鋳込むことなく、形状により相殺して、剛性の不均一を抑制することができる。したがって、ブレーキキャリパ21及びこれを備えるディスクブレーキ10の高コスト化を抑制しつつ剛性の不均一を抑制することができる。
また、第1実施形態のディスクブレーキ10は、キャリパ本体部101の第1ブリッジ部141及び第2ブリッジ部142の上記した断面二次モーメントの方向が、キャリパ本体部101がディスク軸方向に弾性変形する方向である。ここで、キャリパ本体部101の湯口痕191側の第1ブリッジ部141は、ディスク軸方向に口開きしている傾向が強い。このため、第1ブリッジ部141のディスク軸方向の断面二次モーメントを第2ブリッジ部142のディスク軸方向の断面二次モーメントに比して大きくすることで、より有効に剛性の不均一を抑制することができる。
また、第1ブリッジ部141は、ディスク軸方向に対して直交する平面において、第1摩擦パッド26から離間する方向に突出するリブ171を備えることで、第2ブリッジ部142に対して断面二次モーメントを異ならせる。このため、リブ171によってキャリパ本体部101の剛性の調整を容易に行うことができる。
以上のようにブレーキキャリパ21及びキャリパ本体部101の剛性の不均一を抑制することにより、第1摩擦パッド26及び第2摩擦パッド27への押圧力の不均一を抑制することができる。よって、第1摩擦パッド26及び第2摩擦パッド27の偏摩耗を抑制でき、偏摩耗に起因したスキールノイズ、ジャダ、引き摺りトルクの悪化といった性能低下を抑制することができる。これは、ブレーキキャリパ21に上記構成を適用することによる特有の効果である。特に小型の車両に取り付けられ、車両における配置レイアウトが狭い小型のブレーキキャリパ21における効果が高い。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を主に図8及び図9に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第2実施形態においては、図8及び図9に示すように、キャリパ本体部101とは一部異なるキャリパ本体部101Aが用いられる。よって、第2実施形態のブレーキキャリパ21Aは、キャリパ本体部101とは一部異なるキャリパ本体部101Aを備えている。第2実施形態のディスクブレーキ10Aは、ブレーキキャリパ21とは一部異なるブレーキキャリパ21Aを備えている。
キャリパ本体部101Aも、鋳造により継ぎ目なく一体成形されており、略鏡面対称の形状で、径方向基準線及び径方向基準面がディスク周方向の中央位置を通る。キャリパ本体部101Aは、シリンダ部121とは一部異なるシリンダ部121Aと、ブリッジ部122とは一部異なるブリッジ部122Aと、を備えている。
シリンダ部121A及びブリッジ部122Aには、リブ171は設けられていない。シリンダ部121Aは、リブ171が設けられていない点がシリンダ部121と異なっている。ブリッジ部122Aは、第1ブリッジ部141とは一部異なる第1ブリッジ部141Aを有しており、第1ブリッジ部141Aは、第1区間部151とは一部異なる第1区間部151Aと、第2区間部152とは一部異なる第2区間部152Aとを有している。第2区間部152Aも第1ブリッジ部141Aにおける開口端部132と押圧部123との間の区間となり、第1ブリッジ部141Aにおける端面121aと端面123aとの間の区間となっている。第1ブリッジ部141Aは、第1区間部151Aに、リブ171にかえて突起176Aが設けられている。第1ブリッジ部141A及び第2ブリッジ部142も径方向基準面を境としている。
突起176Aは、円柱状をなして、第1ブリッジ部141Aの第1区間本体部170からディスク径方向外方に突出している。言い換えれば、突起176Aは、ディスク軸方向に対して直交する平面において、第1摩擦パッド26から離間する方向に第1区間部151Aの第1区間本体部170から突出している。
突起176Aと突起176とは、ディスク軸方向における位置を互いに合わせ、ディスク径方向の位置を互いに合わせて、ディスク周方向に互いに離間して配置されている。突起176Aと突起176とは、鏡面対称形状であり、同径及び同高さの円柱状である。キャリパ本体部101Aは機械加工される際に、加工装置の治具に突起176A及び突起176を接触させて載置される。
第1ブリッジ部141Aの第1区間部151A及び第2区間部152Aには、第1区間部151Aの第1区間本体部170と、第2区間部152Aの第2区間本体部201Aとからディスク径方向外方に突出するリブ171Aが形成されている。第1区間部151Aは、突起176A及びリブ171Aを除く部分が第1区間本体部170となっており、第2区間部152Aは、リブ171Aを除く部分が第2区間本体部201Aとなっている。リブ171Aは、ディスク軸方向に延在しており、ディスク軸方向において、第1区間部151Aと第2区間部152Aとに連続して跨がっている。言い換えれば、リブ171Aは、一部が第1区間部151Aに設けられており、残りの一部が第2区間部152Aに設けられている。リブ171Aは、ディスク軸方向に対して直交する平面において、第1摩擦パッド26から離間する方向に第1ブリッジ部141Aの第1区間本体部170及び第2区間本体部201Aから突出している。
キャリパ本体部101Aを鋳造する際に用いられる鋳型181Aは、キャリパ本体部101Aを形成するためのキャビティ182Aと、キャビティ182A内に溶湯を注入するための湯口183Aとを有する。この湯口183Aは、第1ブリッジ部141Aの第2区間部152Aのディスク周方向外側の端部に対向するように配置される。このため、鋳造直後のキャリパ本体部101Aには、第1ブリッジ部141Aの第2区間部152Aのディスク周方向外側の端部に、湯口183Aにあった溶湯が固まることで形成される湯口残存部185Aが残存することになる。
よって、キャリパ本体部101Aは、完成品の状態で、第1ブリッジ部141Aの第2区間部152Aのディスク周方向外側の端部に、湯口残存部185Aを除去した後に残る切削面である湯口痕191Aを有する。キャリパ本体部101Aは、湯口痕191Aの周囲が鋳肌となっている。湯口痕191Aは、キャリパ本体部101Aの鋳造時の湯口183Aの痕である。言い換えれば、第1ブリッジ部141Aには、キャリパ本体部101Aの鋳造時の湯口痕191Aが設けられている。
ブレーキキャリパ21Aは、キャリパ本体部101Aをディスク軸方向からみて、第1ピン配設部124の中心と、第2ピン配設部125の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線でキャリパ本体部101Aを分割したときに、第2ブリッジ部142の側のキャリパ本体部101Aの断面二次モーメントと比較して、湯口痕191Aが設けられている第1ブリッジ部141Aの側のキャリパ本体部101Aの断面二次モーメントが、リブ171Aを備えることにより大きくなる形状をとっている。
キャリパ本体部101Aは、第2ブリッジ部142の断面二次モーメントと比較して、第1ブリッジ部141Aの断面二次モーメントが、リブ171Aを備えることにより大きくなる形状をとっている。
キャリパ本体部101Aは、第2ブリッジ部142の第2区間部162の断面二次モーメントと比較して、第1ブリッジ部141Aの第2区間部152Aの断面二次モーメントが、リブ171Aを備えることにより大きくなる形状をとっている。
キャリパ本体部101Aをディスク軸方向からみて、第1ピン配設部124の中心と、第2ピン配設部125の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線でキャリパ本体部101Aを分割したときに、第2ブリッジ部142の側のキャリパ本体部101Aの断面二次モーメントと比較して、湯口痕191Aが設けられている第1ブリッジ部141Aの側のキャリパ本体部101Aの断面二次モーメントが、リブ171Aを備えることにより大きくなる形状をとる、キャリパ本体部101A用の鋳型181Aを準備する工程と、第1ブリッジ部141Aの側から鋳型181Aに注湯を行う第2の工程と、を含んで、キャリパ本体部101Aが鋳造される。
第2ブリッジ部142の断面二次モーメントと比較して、第1ブリッジ部141Aの断面二次モーメントが、リブ171Aを備えることにより大きくなる形状をとる、キャリパ本体部101A用の鋳型181Aを準備する工程と、第1ブリッジ部141Aの側から鋳型181Aに注湯を行う第2の工程と、を含んで、キャリパ本体部101Aが鋳造される。
第2ブリッジ部142の第2区間部162の断面二次モーメントと比較して、第1ブリッジ部141Aの第2区間部152Aの断面二次モーメントが、リブ171Aを備えることにより大きくなる形状をとる、キャリパ本体部101A用の鋳型181Aを準備する工程と、第1ブリッジ部141Aの側から鋳型181Aに注湯を行う第2の工程と、を含んで、キャリパ本体部101Aが鋳造される。
ここで、第1ブリッジ部141A及び第2ブリッジ部142の上記した断面二次モーメントの方向は、キャリパ本体部101Aがディスク軸方向に弾性変形する方向である。リブ171Aは、このディスク軸方向に延びている。
また、第1ブリッジ部141Aの上記した断面二次モーメントは、ディスク軸方向において、第1摩擦パッド26と対向するシリンダ孔131の開口端部132と、第2摩擦パッド27の押圧部123と、の区間である第2区間部152Aにおける断面から求められる。第2ブリッジ部142の上記した断面二次モーメントは、ディスク軸方向において、開口端部132と、押圧部123と、の区間である第2区間部162における断面から求められる。
ブレーキキャリパ21Aは、ディスク軸方向からみて、第1ピン配設部124の中心と、第2ピン配設部125の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線でキャリパ本体部101Aを分割したときに、第2ブリッジ部142の側のキャリパ本体部101Aの断面積と比較して、湯口痕191Aが設けられている第1ブリッジ部141Aの側のキャリパ本体部101Aの断面積が、リブ171Aを備えることにより大きくなる形状をとっている。
キャリパ本体部101Aは、第1ブリッジ部141Aの第2区間部152Aにおける、リブ171Aを通ってディスク軸線に直交する平面での断面の断面積が、第2ブリッジ部142の第2区間部162における同じ平面での断面の断面積と比較して、リブ171Aを備えることにより大きくなる形状をとっている。
第2実施形態のブレーキキャリパ21A及びこれを備えるディスクブレーキ10Aは、キャリパ本体部101Aの第1ブリッジ部141Aの上記した断面二次モーメントが、第2ブリッジ部142の上記した断面二次モーメントよりも、ディスク軸方向に対して直交する平面において、第1摩擦パッド26から離間する方向に突出するリブ171Aを備えることにより大きくなる。このため、リブ171Aによって、キャリパ本体部101Aの剛性の調整を容易に行うことができる。
また、キャリパ本体部101Aの第1ブリッジ部141Aの上記した断面二次モーメントが、ディスク軸方向において、第1摩擦パッド26と対向するシリンダ孔131の開口端部132と、第2摩擦パッド27の押圧部123と、の区間である第2区間部152Aにおける断面から求められる。また、第2ブリッジ部142の上記した断面二次モーメントは、ディスク軸方向において、開口端部132と押圧部123と、の区間である第2区間部162における断面から求められる。このため、キャリパ本体部101Aの剛性の調整を効果的に行うことができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を主に図10~図12に基づいて第2実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第2実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第3実施形態においては、図10~図12に示すように、キャリパ本体部101Aとは一部異なるキャリパ本体部101Bが用いられる。よって、第3実施形態のブレーキキャリパ21Bは、キャリパ本体部101Aとは一部異なるキャリパ本体部101Bを備えている。第3実施形態のディスクブレーキ10Bは、ブレーキキャリパ21Aとは一部異なるブレーキキャリパ21Bを備えている。
キャリパ本体部101Bも、鋳造により継ぎ目なく一体成形されており、略鏡面対称の形状で、径方向基準線及び径方向基準面がディスク周方向の中央位置を通る。キャリパ本体部101Bは、ブリッジ部122Aとは一部異なるブリッジ部122Bを備えている。
ブリッジ部122Bには、リブ171Aは設けられていない。ブリッジ部122Bは、第1ブリッジ部141Aとは一部異なる第1ブリッジ部141Bを有しており、第1ブリッジ部141Bは、第1区間部151Aとは一部異なる第1区間部151Bと、第2区間部152Aとは一部異なる第2区間部152Bとを有している。第2区間部152Bも第1ブリッジ部141Bにおける開口端部132と押圧部123との間の区間となり、第1ブリッジ部141Bにおける端面121aと端面123aとの間の区間となっている。第1区間部151B及び第2区間部152Bは、リブ171Aが設けられていない点が第1区間部151A及び第2区間部152Aと異なっている。
ブリッジ部122Bは、第2ブリッジ部142とは一部異なる第2ブリッジ部142Bを有しており、第2ブリッジ部142Bは、第2区間部162とは一部異なる第2区間部162Bを有している。第2区間部162Bも第2ブリッジ部142Bにおける開口端部132と押圧部123との間の区間となり、第2ブリッジ部142Bにおける端面121aと端面123aとの間の区間となっている。第2ブリッジ部142Bの第2区間部162Bは、ディスク径方向内側の端面からディスク径方向外方に向けて凹む鋳抜き部205Bを備えている。鋳抜き部205Bは、ディスク軸方向に延在している。鋳抜き部205Bは、ディスク軸方向に対して直交する平面において、第2区間部162Bの第1摩擦パッド26に近づく方向の側に、第1摩擦パッド26から離れる方向に凹んで設けられている。第1ブリッジ部141B及び第2ブリッジ部142Bも径方向基準面を境としている。
キャリパ本体部101Bを鋳造する際に用いられる鋳型181Bは、キャリパ本体部101Bを形成するためのキャビティ182Bと、キャビティ182B内に溶湯を注入するための湯口183Bとを有する。この湯口183Bは、第1ブリッジ部141Bの第2区間部152Bのディスク周方向外側の端部に対向するように配置される。このため、鋳造直後のキャリパ本体部101Bには、第1ブリッジ部141Bの第2区間部152Bのディスク周方向外側の端部に、湯口183Bにあった溶湯が固まることで形成される湯口残存部185Bが残存することになる。
よって、キャリパ本体部101Bは、完成品の状態で、第1ブリッジ部141Bの第2区間部152Bのディスク周方向外側の端部に、湯口残存部185Bを除去した後に残る切削面である湯口痕191Bを有する。キャリパ本体部101Bは、湯口痕191Bの周囲が鋳肌となっている。湯口痕191Bは、キャリパ本体部101Bの鋳造時の湯口183Bの痕である。言い換えれば、第1ブリッジ部141Bには、キャリパ本体部101Bの鋳造時の湯口痕191Bが設けられている。
ブレーキキャリパ21Bは、キャリパ本体部101Bをディスク軸方向からみて、第1ピン配設部124の中心と、第2ピン配設部125の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線でキャリパ本体部101Bを分割したときに、第2ブリッジ部142Bの側のキャリパ本体部101Bの断面二次モーメントと比較して、湯口痕191Bが設けられている第1ブリッジ部141Bの側のキャリパ本体部101Bの断面二次モーメントが、第2ブリッジ部142Bの側に鋳抜き部205Bを備えることにより大きくなる形状をとっている。
キャリパ本体部101Bは、第2ブリッジ部142Bの断面二次モーメントと比較して、第1ブリッジ部141Bの断面二次モーメントが、第2ブリッジ部142Bの側に鋳抜き部205Bを備えることにより大きくなる形状をとっている。
キャリパ本体部101Bは、第2ブリッジ部142Bの第2区間部162Bの断面二次モーメントと比較して、第1ブリッジ部141Bの第2区間部152Bの断面二次モーメントが、第2区間部162Bの側に鋳抜き部205Bを備えることにより大きくなる形状をとっている。
キャリパ本体部101Bをディスク軸方向からみて、第1ピン配設部124の中心と、第2ピン配設部125の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線でキャリパ本体部101Bを分割したときに、第2ブリッジ部142Bの側のキャリパ本体部101Bの断面二次モーメントと比較して、湯口痕191Bが設けられている第1ブリッジ部141Bの側のキャリパ本体部101Bの断面二次モーメントが、第2ブリッジ部142Bの側に鋳抜き部205Bを備えることにより大きくなる形状をとる、キャリパ本体部101B用の鋳型181Bを準備する工程と、第1ブリッジ部141Bの側から鋳型181Bに注湯を行う第2の工程と、を含んで、キャリパ本体部101Bが鋳造される。
第2ブリッジ部142Bの断面二次モーメントと比較して、第1ブリッジ部141Bの断面二次モーメントが、第2ブリッジ部142Bの側に鋳抜き部205Bを備えることにより大きくなる形状をとる、キャリパ本体部101B用の鋳型181Bを準備する工程と、第1ブリッジ部141Bの側から鋳型181Bに注湯を行う第2の工程と、を含んで、キャリパ本体部101Bが鋳造される。
第2ブリッジ部142Bの第2区間部162Bの断面二次モーメントと比較して、第1ブリッジ部141Bの第2区間部152Bの断面二次モーメントが、第2区間部162Bの側に鋳抜き部205Bを備えることにより大きくなる形状をとる、キャリパ本体部101B用の鋳型181Bを準備する工程と、第1ブリッジ部141Bの側から鋳型181Bに注湯を行う第2の工程と、を含んで、キャリパ本体部101Bが鋳造される。
ここで、第1ブリッジ部141B及び第2ブリッジ部142Bの上記した断面二次モーメントの方向は、キャリパ本体部101Bがディスク軸方向に弾性変形する方向である。鋳抜き部205Bは、このディスク軸方向に延びている。
また、第1ブリッジ部141Bの上記した断面二次モーメントは、ディスク軸方向において、第1摩擦パッド26と対向するシリンダ孔131の開口端部132と、第2摩擦パッド27の押圧部123と、の区間である第2区間部152Bにおける断面から求められる。第2ブリッジ部142Bの上記した断面二次モーメントは、ディスク軸方向において、開口端部132と押圧部123と、の区間である第2区間部162Bにおける断面から求められる。
ブレーキキャリパ21Bは、ディスク軸方向からみて、第1ピン配設部124の中心と、第2ピン配設部125の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線でキャリパ本体部101Bを分割したときに、第2ブリッジ部142Bの側のキャリパ本体部101Bの断面積と比較して、湯口痕191Bが設けられている第1ブリッジ部141Bの側のキャリパ本体部101Bの断面積が、第2ブリッジ部142Bの側に鋳抜き部205Bを備えることにより大きくなる形状をとっている。
キャリパ本体部101Bは、第2ブリッジ部142Bの第2区間部162Bにおける、鋳抜き部205Bを通ってディスク軸線に直交する平面での断面の断面積と比較して、第1ブリッジ部141Bの第2区間部152Bにおける同じ平面での断面の断面積が、第2区間部162Bの側に鋳抜き部205Bを備えることにより大きくなる形状をとっている。
第3実施形態のブレーキキャリパ21B及びこれを備えるディスクブレーキ10Bは、キャリパ本体部101Bの第1ブリッジ部141Bの上記した断面二次モーメントが、第2ブリッジ部142Bの上記した断面二次モーメントよりも、第2ブリッジ部142Bにディスク軸方向に対して直交する平面において第1摩擦パッド26側に鋳抜き部205Bを備えることにより大きくなる。この鋳抜き部205Bによって、キャリパ本体部101Bの剛性の調整を容易に行うことができる。
また、キャリパ本体部101Bの第1ブリッジ部141Bの上記した断面二次モーメントが、ディスク軸方向において、第1摩擦パッド26と対向するシリンダ孔131の開口端部132と、第2摩擦パッド27の押圧部123と、の区間である第2区間部152Bにおける断面から求められる。また、第2ブリッジ部142Bの上記した断面二次モーメントは、ディスク軸方向において、開口端部132と押圧部123と、の区間である第2区間部162Bにおける断面から求められる。このため、キャリパ本体部101Bの剛性の調整を効果的に行うことができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態を主に図13~図15に基づいて第2実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第2実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第4実施形態においては、図13及び図14に示すように、キャリパ本体部101Aとは一部異なるキャリパ本体部101Cが用いられる。よって、第4実施形態のブレーキキャリパ21Cは、キャリパ本体部101Aとは一部異なるキャリパ本体部101Cを備えている。第4実施形態のディスクブレーキ10Cは、ブレーキキャリパ21Aとは一部異なるブレーキキャリパ21Cを備えている。
キャリパ本体部101Cも、鋳造により継ぎ目なく一体成形されており、略鏡面対称の形状で、径方向基準線及び径方向基準面がディスク周方向の中央位置を通る。キャリパ本体部101Cは、ブリッジ部122Aとは一部異なるブリッジ部122Cを備えている。
ブリッジ部122Cには、リブ171Aは設けられていない。ブリッジ部122Cは、第1ブリッジ部141Aとは一部異なる第1ブリッジ部141Cを有しており、第1ブリッジ部141Cは、第1区間部151Aとは一部異なる第1区間部151Cと、第2区間部152Aとは一部異なる第2区間部152Cと、第3区間部153Aとは一部異なる第3区間部153Cとを有している。第2区間部152Cも第1ブリッジ部141Cにおける開口端部132と押圧部123との間の区間となり、第1ブリッジ部141Cにおける端面121aと端面123aとの間の区間となっている。
ブリッジ部122Cは、第2ブリッジ部142とは一部異なる第2ブリッジ部142Cを有しており、第2ブリッジ部142Cは、第1区間部161とは一部異なる第1区間部161Cと、第2区間部162とは一部異なる第2区間部162Cと、第3区間部163とは一部異なる第3区間部163Cと、を有している。第2区間部162Cも第2ブリッジ部142Cにおける開口端部132と押圧部123との間の区間となり、第2ブリッジ部142Cにおける端面121aと端面123aとの間の区間となっている。第1ブリッジ部141C及び第2ブリッジ部142Cも径方向基準面を境としている。
ブリッジ部122Cには第2区間部152Cと第2区間部162Cとに跨がる位置に、ブリッジ部122Cをディスク軸方向に貫通する貫通穴165Cが形成されている。
キャリパ本体部101Cは、第2ブリッジ部142Cのディスク軸線に直交する面での断面の断面積が、第1ブリッジ部141Cのディスク軸線に直交する面での断面の断面積より大きくなっている。
具体的に、第2ブリッジ部142Cの第2区間部162Cにおける、貫通穴165Cを通ってディスク軸線に直交する平面での断面の断面積が、第1ブリッジ部141Cの第2区間部152Cにおける同じ平面での断面の断面積より大きくなっている。言い換えれば、第1ブリッジ部141Cの上記した断面積は、第1ブリッジ部141Cの第2区間部152Cにおける断面から求められ、第2ブリッジ部142Cの上記した断面積は、第2区間部162Cにおける断面から求められる。
そして、第2区間部152Cの大きさに合わせて第2区間部152Cと連続するように第1区間部151C及び第3区間部153Cが形成されており、第2区間部162Cの大きさに合わせて第2区間部162Cと連続するように第1区間部161C及び第3区間部163Cも形成されている。
キャリパ本体部101Cを鋳造する際に用いられる鋳型181Cは、キャリパ本体部101Cを形成するためのキャビティ182Cと、キャビティ182C内に溶湯を注入するための湯口183Cとを有する。この湯口183Cは、第1ブリッジ部141Cの第2区間部152Cのディスク周方向外側の端部に対向するように配置される。このため、鋳造直後のキャリパ本体部101Cには、第1ブリッジ部141Cの第2区間部152Cのディスク周方向外側の端部に、湯口183Cにあった溶湯が固まることで形成される湯口残存部185Cが残存することになる。
よって、キャリパ本体部101Cは、完成品の状態で、第1ブリッジ部141Cの第2区間部152Cのディスク周方向外側の端部に、湯口残存部185Cを除去した後に残る切削面である湯口痕191Cを有する。キャリパ本体部101Cは、湯口痕191Cの周囲が鋳肌となっている。湯口痕191Cは、キャリパ本体部101Cの鋳造時の湯口183Cの痕である。言い換えれば、第1ブリッジ部141Cには、キャリパ本体部101Cの鋳造時の湯口痕191Cが設けられている。
ブレーキキャリパ21Cは、キャリパ本体部101Cをディスク軸方向からみて、第1ピン配設部124の中心と、第2ピン配設部125の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線でキャリパ本体部101Cを分割したときに、第2ブリッジ部142Cの側のキャリパ本体部101Cの断面二次モーメントと比較して、湯口痕191Cが設けられている第1ブリッジ部141Cの側のキャリパ本体部101Cの断面二次モーメントが大きくなる形状をとっている。
キャリパ本体部101Cは、第2ブリッジ部142Cの断面二次モーメントと比較して、第1ブリッジ部141Cの断面二次モーメントが大きくなる形状をとっている。
キャリパ本体部101Cは、第2ブリッジ部142Cの第2区間部162Cの断面二次モーメントと比較して、第1ブリッジ部141Cの第2区間部152Cの断面二次モーメントが大きくなる形状をとっている。
キャリパ本体部101Cをディスク軸方向からみて、第1ピン配設部124の中心と、第2ピン配設部125の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線でキャリパ本体部101Cを分割したときに、第2ブリッジ部142Cの側のキャリパ本体部101Cの断面二次モーメントと比較して、湯口痕191Cが設けられている第1ブリッジ部141Cの側のキャリパ本体部101Cの断面二次モーメントが大きくなる形状をとる、キャリパ本体部101C用の鋳型181Cを準備する工程と、第1ブリッジ部141Cの側から鋳型181Cに注湯を行う第2の工程と、を含んで、キャリパ本体部101Cが鋳造される。
第2ブリッジ部142Cの断面二次モーメントと比較して、第1ブリッジ部141Cの断面二次モーメントが大きくなる形状をとる、キャリパ本体部101C用の鋳型181Cを準備する工程と、第1ブリッジ部141Cの側から鋳型181Cに注湯を行う第2の工程と、を含んで、キャリパ本体部101Cが鋳造される。
第2ブリッジ部142Cの第2区間部162Cの断面二次モーメントと比較して、第1ブリッジ部141Cの第2区間部152Cの断面二次モーメントが大きくなる形状をとる、キャリパ本体部101C用の鋳型181Cを準備する工程と、第1ブリッジ部141Cの側から鋳型181Cに注湯を行う第2の工程と、を含んで、キャリパ本体部101Cが鋳造される。
ここで、第1ブリッジ部141C及び第2ブリッジ部142Cの上記した断面二次モーメントの方向は、キャリパ本体部101Cがディスク軸方向に弾性変形する方向である。
また、第1ブリッジ部141Cの上記した断面二次モーメントは、ディスク軸方向において、第1摩擦パッド26と対向するシリンダ孔131の開口端部132と、第2摩擦パッド27の押圧部123と、の区間である第2区間部152Cにおける断面から求められる。第2ブリッジ部142Cの上記した断面二次モーメントは、ディスク軸方向において、開口端部132と押圧部123と、の区間である第2区間部162Cにおける断面から求められる。
ブレーキキャリパ21Cは、キャリパ本体部101Cをディスク軸方向からみて、第1ピン配設部124の中心と、第2ピン配設部125の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線でキャリパ本体部101Cを分割したときに、湯口痕191Cが設けられている第1ブリッジ部141Cの側のキャリパ本体部101Cの断面積と比較して、第2ブリッジ部142Cの側のキャリパ本体部101Cの断面積が大きくなる形状をとっている。
キャリパ本体部101Cは、第1ブリッジ部141Cの第2区間部152Cにおけるディスク軸方向に直交する平面での断面の断面積と比較して、第2ブリッジ部142Cの第2区間部162Cにおける同じ平面での断面の断面積が大きくなる形状をとっている。
キャリパ本体部101Cは、第1ブリッジ部141Cの第2区間部152Cにおける、貫通穴165Cを通ってディスク軸方向に直交する平面での断面の断面積と比較して、第2ブリッジ部142Cの第2区間部162Cにおける同じ平面での断面の断面積が大きくなる形状をとっている。
キャリパ本体部101Cをディスク軸方向からみて、第1ピン配設部124の中心と、第2ピン配設部125の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線でキャリパ本体部101Cを分割したときに、湯口痕191Cが設けられている第1ブリッジ部141Cの側のキャリパ本体部101Cの断面積と比較して、第2ブリッジ部142Cの側のキャリパ本体部101Cの断面積が大きくなる形状をとる、キャリパ本体部101C用の鋳型181Cを準備する工程と、第1ブリッジ部141Cの側から鋳型181Cに注湯を行う第2の工程と、を含んで、キャリパ本体部101Cが鋳造される。
鋳型181Cは、第1ブリッジ部141Cの第2区間部152Cにおけるディスク軸方向に直交する平面での断面の断面積と比較して、第2ブリッジ部142Cの第2区間部162Cにおける同じ平面での断面の断面積が大きくなる形状をとるキャリパ本体部101C用の鋳型181Cとなる。
鋳型181Cは、第1ブリッジ部141Cの第2区間部152Cにおける、貫通穴165Cを通ってディスク軸方向に直交する面での断面の断面積と比較して、第2ブリッジ部142Cの第2区間部162Cにおける同じ平面での断面の断面積が大きくなる形状をとるキャリパ本体部101C用の鋳型181Cとなる。
以上のように、キャリパ本体部101Cは、第2ブリッジ部142Cの第2区間部162Cの断面二次モーメントと比較して、第1ブリッジ部141Cの第2区間部152Cの断面二次モーメントが大きくなる形状をとっている。その上で、キャリパ本体部101Cは、第1ブリッジ部141Cの第2区間部152Cにおけるディスク軸方向に直交する平面での断面の断面積と比較して、第2ブリッジ部142Cの第2区間部162Cにおける同じ平面での断面の断面積が大きくなる形状をとっている。
例えば、図15に模式的に示すように、第1ブリッジ部141Cの第2区間部152Cのディスク周方向の幅を35A、ディスク径方向の高さを17Aとし、第2ブリッジ部142Cの第2区間部162Cの幅を37.5A、ディスク径方向の高さを16Aとする。すると、第2区間部152Cの断面二次モーメントと第2区間部162Cの断面二次モーメントとの比は103:100となる。すなわち、第2区間部152Cの断面二次モーメントが第2区間部162Cの断面二次モーメントよりも大きくなる。また、このとき、第2区間部152Cの断面積と第2区間部162Cの断面積との比は99:100となる。すなわち、第2区間部152Cの断面積よりも第2区間部162Cの断面積が大きくなる。
第4実施形態のブレーキキャリパ21C及びこれを備えるディスクブレーキ10Cは、キャリパ本体部101Cが、ディスク軸方向からみて、第1ピン配設部124の中心と、第2ピン配設部125の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線でキャリパ本体部101を分割したときに、湯口痕191Cが設けられている第1ブリッジ部141Cの側のキャリパ本体部101Cの断面積と比較して、第2ブリッジ部142Cの側のキャリパ本体部101Cの断面積が大きくなる形状をとっている。すなわち、キャリパ本体部101Cの出来上がり形状に、湯口痕191Cの近傍である第1ブリッジ部141Cの側のキャリパ本体部101Cの断面積よりも、その対称側である第2ブリッジ部142Cの側のキャリパ本体部101Cの断面積の方が大きくなるように差を設けている。具体的には湯口痕191Cの近傍となる第1ブリッジ部141Cの第2区間部152Cに比べて、その対称側となる第2ブリッジ部142Cの第2区間部162Cの鋳物容積を増やす出来上がり形状とする。このようにして、鋳造時に湯口183Cとは反対側の第2ブリッジ部142Cが湯口183C側の第1ブリッジ部141Cよりも冷めづらくなるようにしている。これにより、キャリパ本体部101Cを鋳造する鋳鉄の溶湯の冷却速度の違いを抑制し、この違いがあった場合に生じる延性の差異によるキャリパ本体部101C内の剛性の不均一を、インサート材を鋳込むことなく、形状により相殺して、剛性の不均一を抑制することができる。したがって、ブレーキキャリパ21C及びこれを備えるディスクブレーキ10Cの高コスト化を抑制しつつ剛性の不均一を抑制することができる。
第4実施形態のブレーキキャリパ21Cの鋳造方法は、キャリパ本体部101Cの鋳造方法であって、キャリパ本体部101Cを上記形状とするためのキャリパ本体部101C用の鋳型181Cを準備する第1の工程と、第1ブリッジ部141Cの側から鋳型181Cに注湯を行う第2の工程と、を含んで、ブレーキキャリパ21Cのキャリパ本体部101Cが鋳造される。これにより、キャリパ本体部101Cが上記形状になるため、鋳造時に湯口183Cとは反対側の第2ブリッジ部142Cが湯口183C側の第1ブリッジ部141Cよりも冷めづらくなる。キャリパ本体部101Cを鋳造する鋳鉄の溶湯の冷却速度の違いを抑制し、この違いがあった場合に生じる延性の差異によるキャリパ本体部101C内の剛性の不均一を、インサート材を鋳込むことなく、形状により相殺して、剛性の不均一を抑制することができる。したがって、ブレーキキャリパ21C及びこれを備えるディスクブレーキ10Cの高コスト化を抑制しつつ剛性の不均一を抑制することができる。
また、第1ブリッジ部141Cと第2ブリッジ部142Cとが、ディスク軸方向に対して直交する平面において断面積を異ならせるため、キャリパ本体部101Cの剛性の調整を容易に行うことができる。したがって、ブレーキキャリパ21C及びこれを備えるディスクブレーキ10Cの高コスト化をさらに抑制しつつ剛性の不均一を抑制することができる。
第4実施形態のブレーキキャリパ21C及びこれを備えるディスクブレーキ10Cは、キャリパ本体部101Cの第1ブリッジ部141Cの上記した断面積が、第2区間部152Cにおける断面から求められ、第2ブリッジ部142Cの上記した断面積が、第2区間部162Cにおける断面から求められる。このため、キャリパ本体部101Cの剛性の調整を効果的に行うことができる。
なお、鋳造時に湯口183Cとは反対側の第2ブリッジ部142Cを湯口183C側の第1ブリッジ部141Cよりも冷めづらくする方策として、上記のように、鋳造品の形状を工夫する以外にも、製造装置側でも対応可能である。例えば、湯口183C側の冷却速度と、湯口183Cとは対称側の冷却速度と、の差異が小さくなるように、鋳型に、湯口183Cとは反対側を加熱する装置を設ける等する。このようにしても、鋳物のパーライト化の傾向を均一にすることで、出来上がりの鋳造品の剛性を均一化することができる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態を主に図16及び図17に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第5実施形態においては、図16及び図17に示すように、ブレーキキャリア20とは一部異なるブレーキキャリア20Dが用いられる。よって、第5実施形態のディスクブレーキ10Dは、ブレーキキャリア20とは一部異なるブレーキキャリア20Dを備えている。
ブレーキキャリア20Dは、インナ側配置部31とは一部異なるインナ側配置部31Dを備えている。インナ側配置部31Dは、ディスク軸方向のインナ側にリブ211Dを有する第1接続部46Dを備えている。第1接続部46Dも、ディスク軸方向に対して直交する平面において、第1固定部42からブレーキキャリパ21の第1ピン配設部124の方向に延出する。第1接続部46Dは、ディスク軸方向において、第1摩擦パッド26から離間する方向に、第1接続本体部212Dから突出するリブ211Dを備えている。第1接続本体部212Dは、第1接続部46Dにおけるリブ211Dを除く部分であり、第1接続部46と同形状である。リブ211Dはディスク径方向に延びており、径方向基準線に平行に延びている。第1接続部46Dは、ディスク径方向において、インナビーム部45よりも外側、かつ第1連結部33及び第1ピン配設部124より内側の第1区間にある。リブ211Dも、この第1区間にある。
ブレーキキャリア20Dを鋳造する際に用いられる鋳型221Dは、ブレーキキャリア20Dを形成するためのキャビティ222Dと、キャビティ222D内に溶湯を注入するための湯口223Dとを有する。この湯口223Dは、第1接続部46Dのディスク周方向における第2接続部47とは反対側の端部に対向するように配置される。このため、鋳造直後のブレーキキャリア20Dには、第1接続部46Dのディスク周方向における第2接続部47とは反対側の端部に、湯口223Dにあった溶湯が固まることで形成される湯口残存部225Dが残存することになる。この湯口残存部225Dは、鋳造後に削り取られることになる。よって、ブレーキキャリア20Dは、完成品の状態で、第1接続部46Dのディスク周方向における第2接続部47とは反対側の端部に、湯口残存部225Dを除去した後に残る切削面である湯口痕231Dを有する。ブレーキキャリア20Dは、湯口痕231Dの周囲が鋳肌となっている。湯口痕231Dは、ブレーキキャリア20Dの鋳造時の湯口223Dの痕である。言い換えれば、第1接続部46Dには、ブレーキキャリア20Dの鋳造時の湯口痕231Dが設けられている。
ブレーキキャリア20Dは、第2接続部47の断面二次モーメントと比較して、湯口痕231Dが設けられている第1接続部46Dの断面二次モーメントが、リブ211Dを備えることにより大きくなる形状をとっている。
第2接続部47の断面二次モーメントと比較して、湯口痕231Dが設けられている第1接続部46Dの断面二次モーメントが、リブ211Dを備えることにより大きくなる形状をとる、ブレーキキャリア20D用の鋳型221Dを準備する工程と、第1接続部46Dの側から鋳型221Dに注湯を行う第2の工程と、を含んで、ブレーキキャリア20Dが鋳造される。
ここで、第1接続部46D及び第2接続部47の上記した断面二次モーメントの方向は、車両の前進時に、ブレーキキャリア20Dがディスク周方向すなわちディスク11の回転方向に弾性変形する方向である。
また、第1接続部46Dの上記した断面二次モーメントは、インナビーム部45よりも外側、かつ第1連結部33及び第1ピン配設部124より内側の第1区間の断面から求められる。第2接続部47の上記した断面二次モーメントは、インナビーム部45よりも外側、かつ第2連結部34及び第2ピン配設部125より内側の第2区間の断面から求められる。
ブレーキキャリア20Dは、湯口痕231Dが設けられている第1接続部46Dの断面積が、リブ211Dを備えることにより、第2接続部47Dの断面積と比較して大きくなる形状をとっている。
ブレーキキャリア20Dは、第1接続部46Dのリブ211Dを通り径方向基準線に直交する平面での断面の断面積が、リブ211Dを備えることにより、第2接続部47Dの同じ平面での断面の断面積と比較して大きくなる形状をとっている。
ブレーキキャリア20D用の鋳型221Dを用いての鋳造時に、ブレーキキャリア20Dにおける湯口223Dとは反対側となる第2接続部47は、注湯した高温鋳鉄溶湯用の鋳型221Dへの放熱が湯口223Dの近傍の第1接続部46Dに対して早く、結果、鋳鉄溶湯の冷却速度が速くパーライト化し易くなる。このパーライト化の傾向が強い第2接続部47は固く、延性が少ない鋳鉄組成となる。一方、湯口223D側の第1接続部46Dは高温鋳鉄溶湯が断続的に流入するため、冷却速度が遅く、湯口223Dとは反対側となる第2接続部47に比べて相対的に黒鉛が成長し易くなる。これにより、湯口223D側の第1接続部46Dの鋳鉄は延性が大きい組成となる。ブレーキキャリアが対称形状であるとブレーキキャリア内で、このような剛性の不均一が生じてしまう。すると、第1摩擦パッド26及び第2摩擦パッド27に不均一性が生じ、第1摩擦パッド26及び第2摩擦パッド27に偏摩耗を生じる可能性がある。
このため、上記のようにインサート材を鋳込むことにより所定部位の剛性調整をすることも考えられるが、インサート材を鋳込むのでは、インサート材の位置決めに起因した型の高額化や、インサート材自体の材料費に起因した高コスト化を招くおそれがある。
第5実施形態のブレーキキャリア20D及びこれを備えるディスクブレーキ10Dは、ブレーキキャリア20Dが、第2接続部47の断面二次モーメントと比較して、湯口痕191が設けられている第1接続部46Dの断面二次モーメントが大きくなる形状を、リブ211Dを備えることによりとっている。すなわち、ブレーキキャリア20Dの出来上がり形状に、湯口痕231Dの近傍である第1接続部46Dの断面二次モーメントが、その対称側である第2接続部47の断面二次モーメントよりも大きくなるように差を設けておく。これにより、ブレーキキャリア20Dを鋳造する鋳鉄の溶湯の冷却速度の違いにより生じる延性の差異によるブレーキキャリア20D内の剛性の不均一を、インサート材を鋳込むことなく、形状により相殺して、剛性の不均一を抑制することができる。したがって、ブレーキキャリア20D及びこれを備えるディスクブレーキ10Dの高コスト化を抑制しつつ剛性の不均一を抑制することができる。
第5実施形態のブレーキキャリア20Dの鋳造方法は、ブレーキキャリア20Dを上記形状とするためのブレーキキャリア20D用の鋳型221Dを準備する第1の工程と、第1接続部46Dの側から鋳型221Dに注湯を行う第2の工程と、を含んで、ブレーキキャリア20Dが鋳造される。これにより、ブレーキキャリア20Dが上記形状になるため、ブレーキキャリア20Dを鋳造する鋳鉄の溶湯の冷却速度の違いにより生じる延性の差異によるブレーキキャリア20D内の剛性の不均一を、インサート材を鋳込むことなく、形状により相殺して、剛性の不均一を抑制することができる。したがって、ブレーキキャリア20D及びこれを備えるディスクブレーキ10Dの高コスト化を抑制しつつ剛性の不均一を抑制することができる。
以上のようにブレーキキャリア20Dの剛性の不均一を抑制することにより、第1摩擦パッド26及び第2摩擦パッド27の偏摩耗を抑制でき、偏摩耗に起因したスキールノイズ、ジャダ、引き摺りトルクの悪化といった性能低下を抑制することができる。これは、ブレーキキャリア20Dに上記構成を適用することによる特有の効果である。特に小型の車両に取り付けられ、車両における配置レイアウトが狭い小型のブレーキキャリア20Dにおける効果が高い。
また、ブレーキキャリア20Dは、第1接続部46D及び第2接続部47の上記した断面二次モーメントの方向が、車両の前進時に、ブレーキキャリア20Dがディスク周方向すなわちディスク11の回転方向に弾性変形する方向である。これにより、ブレーキキャリア20Dの剛性均一化によって、車両前進時の制動によるトルクを受ける第1接続部46D側の剛性低下を抑制することができる。
また、第1接続部46Dの上記した断面二次モーメントは、インナビーム部45よりも外側、かつ第1連結部33及び第1ピン配設部124より内側の第1区間の断面から求められる。第2接続部47の上記した断面二次モーメントは、インナビーム部45よりも外側、かつ第2連結部34及び第2ピン配設部125より内側の第2区間の断面から求められる。このため、ブレーキキャリア20Dの剛性の調整を効果的に行うことができる。
また、湯口痕231Dを有する第1接続部46Dは、車両の前進時のディスク回出側にあるため、ブレーキキャリア20Dの剛性均一化によって、車両前進時の制動によるトルクを受ける第1接続部46D側の剛性低下を抑制することができる。
また、ブレーキキャリア20Dは、第1接続部46Dが、ディスク軸方向において、第1摩擦パッド26から離間する方向に突出するリブ211Dを備えていることによって、第1接続部46Dの上記した断面二次モーメントが、第2接続部47の上記した断面二次モーメントよりも大きくなる。よって、キャリパ本体部101Aの剛性の調整を容易に行うことができる。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態を主に図18及び図19に基づいて第5実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第5実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第6実施形態においては、図18及び図19に示すように、ブレーキキャリア20Dとは一部異なるブレーキキャリア20Eが用いられる。よって、第6実施形態のディスクブレーキ10Eは、ブレーキキャリア20Dとは一部異なるブレーキキャリア20Eを備えている。
ブレーキキャリア20Eは、インナ側配置部31Dとは一部異なるインナ側配置部31Eを備えている。インナ側配置部31Eは、リブ211Dが設けられていない第1接続部46Eを備えている。第1接続部46Eも、ディスク軸方向に対して直交する平面において、第1固定部42からブレーキキャリパ21の第1ピン配設部124の方向に延出する。第1接続部46Eは、ディスク周方向の幅が、第2接続部47のディスク周方向の幅よりも大きくなっている。言い換えれば、インナビーム部45の延出方向における第1接続部46Eの幅は、インナビーム部45の延出方向における第2接続部47の幅より大きい。第1接続部46Eは、ディスク径方向において、インナビーム部45よりも外側、かつ第1連結部33及び第1ピン配設部124より内側の第1区間にある。
ブレーキキャリア20Eを鋳造する際に用いられる鋳型221Eは、ブレーキキャリア20Eを形成するためのキャビティ222Eと、キャビティ222E内に溶湯を注入するための湯口223Eとを有する。この湯口223Eは、第1接続部46Eのディスク周方向における第2接続部47とは反対側の端部に対向するように配置される。このため、鋳造直後のブレーキキャリア20Eには、第1接続部46Eのディスク周方向における第2接続部47とは反対側の端部に、湯口223Eにあった溶湯が固まることで形成される湯口残存部225Eが残存することになる。この湯口残存部225Eは、鋳造後に削り取られることになる。よって、ブレーキキャリア20Eは、完成品の状態で、第1接続部46Eのディスク周方向における第2接続部47とは反対側の端部に、湯口残存部225Eを除去した後に残る切削面である湯口痕231Eを有する。ブレーキキャリア20Eは、湯口痕231Eの周囲が鋳肌となっている。湯口痕231Eは、ブレーキキャリア20Eの鋳造時の湯口223Eの痕である。言い換えれば、第1接続部46Eには、ブレーキキャリア20Eの鋳造時の湯口痕231Eが設けられている。
ブレーキキャリア20Eは、第2接続部47の断面二次モーメントと比較して、湯口痕231Eが設けられている第1接続部46Eの断面二次モーメントが、ディスク周方向の幅が広いことにより大きくなる形状をとっている。
第1接続部46Eの上記した断面二次モーメントは、インナビーム部45よりも外側、かつ第1連結部33及び第1ピン配設部124より内側の第1区間の断面から求められる。第2接続部47の上記した断面二次モーメントは、インナビーム部45よりも外側、かつ第2連結部34及び第2ピン配設部125より内側の第2区間の断面から求められる。
第2接続部47の断面二次モーメントと比較して、湯口痕231Eが設けられている第1接続部46Eの断面二次モーメントが、ディスク周方向の幅が広いことにより大きくなる形状をとる、ブレーキキャリア20E用の鋳型221Eを準備する工程と、第1接続部46Eの側から鋳型221Eに注湯を行う第2の工程と、を含んで、ブレーキキャリア20Eが鋳造される。
ここで、第1接続部46E及び第2接続部47の上記した断面二次モーメントの方向は、車両の前進時に、ブレーキキャリア20Eがディスク周方向すなわちディスク11の回転方向に弾性変形する方向である。
ブレーキキャリア20Eは、湯口痕231Eが設けられている第1接続部46Eの断面積が、ディスク周方向の幅を第2接続部47よりも大きくすることにより、第2接続部47の断面積と比較して大きくなる形状をとっている。
ブレーキキャリア20Eは、第1接続部46Eにおける第1連結部33及び第1ピン配設部124の近傍部分を通ると共に湯口痕231Eを通り径方向基準線に直交する平面での断面の断面積が、ディスク周方向の幅を第2接続部47よりも大きくすることにより、第2接続部47の同じ平面での断面の断面積と比較して大きくなる形状をとっている。
第6実施形態のブレーキキャリア20E及びこれを備えるディスクブレーキ10Eは、ブレーキキャリア20Eが、第1接続部46Eのディスク周方向の幅を第2接続部47のディスク周方向の幅よりも大きくすることにより、第1接続部46Eの上記した断面二次モーメントを、第2接続部47の断面二次モーメントと比較して大きくする。このように第1接続部46Eのディスク周方向の幅を調整するため、ブレーキキャリア20Eの剛性の調整を容易に行うことができる。
また、第1接続部46Eの上記した断面二次モーメントは、インナビーム部45よりも外側、かつ第1連結部33及び第1ピン配設部124より内側の第1区間の断面から求められ、第2接続部47の上記した断面二次モーメントは、インナビーム部45よりも外側、かつ第2連結部34及び第2ピン配設部125より内側の第2区間の断面から求められる。このため、ブレーキキャリア20Eの剛性の調整を効果的に行うことができる。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態を主に図20及び図21に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第7実施形態においては、図20及び図21に示すように、ブレーキキャリア20とは一部異なるブレーキキャリア20Fが用いられる。よって、第7実施形態のディスクブレーキ10Fは、ブレーキキャリア20とは一部異なるブレーキキャリア20Fを備えている。第7実施形態のディスクブレーキ10Fは、第1実施形態のディスクブレーキ10に対し車両の前進時のディスク11の回転方向が逆となるように車両に取り付けられる。
ブレーキキャリア20Fは、インナ側配置部31とは一部異なるインナ側配置部31Fを備えている。インナ側配置部31Fは、第2接続部47とは一部異なる第2接続部47Fを備えている。第2接続部47Fも、ディスク軸方向に対して直交する平面において、第2固定部44からブレーキキャリパ21の第2ピン配設部125の方向に延出する。第1接続部46は、ディスク径方向において、インナビーム部45よりも外側、かつ第1連結部33及び第1ピン配設部124より内側の第1区間にある。第2接続部47Fは、ディスク径方向において、インナビーム部45よりも外側、かつ第2連結部34及び第2ピン配設部125より内側の第2区間にある。
ブレーキキャリア20Fでは、第2固定部44、第2接続部47F及び第2連結部34がディスク回出側に配置され、第1固定部42、第1接続部46及び第1連結部33がディスク回入側に配置される。
ブレーキキャリア20Fを鋳造する際に用いられる鋳型221Fは、ブレーキキャリア20Fを形成するためのキャビティ222Fと、キャビティ222F内に溶湯を注入するための湯口223Fとを有する。この湯口223Fは、第1接続部46のディスク周方向における第2接続部47Fとは反対側の端部に対向するように配置される。このため、鋳造直後のブレーキキャリア20Fには、第1接続部46のディスク周方向における第2接続部47Fとは反対側の端部に、湯口223Fにあった溶湯が固まることで形成される湯口残存部225Fが残存することになる。この湯口残存部225Fは、鋳造後に削り取られることになる。よって、ブレーキキャリア20Fは、完成品の状態で、第1接続部46のディスク周方向における第2接続部47Fとは反対側の端部に、湯口残存部225Fを除去した後に残る切削面である湯口痕231Fを有する。ブレーキキャリア20Fは、湯口痕231Fの周囲が鋳肌となっている。湯口痕231Fは、ブレーキキャリア20Fの鋳造時の湯口223Fの痕である。言い換えれば、第1接続部46には、ブレーキキャリア20Fの鋳造時の湯口痕231Fが設けられている。
ブレーキキャリア20Fは、湯口痕231Fが設けられている第1接続部46の断面積と比較して、第2接続部47Fの断面積が大きくなる形状をとっている。
第1接続部46の上記した断面積は、インナビーム部45よりも外側、かつ第1連結部33及び第1ピン配設部124より内側の第1区間の断面から求められる。第2接続部47Fの上記した断面積は、インナビーム部45よりも外側、かつ第2連結部34及び第2ピン配設部125より内側の第2区間の断面から求められる。
ブレーキキャリア20Fは、第1接続部46における第1連結部33及び第1ピン配設部124の近傍部分を通ると共に湯口痕231Fを通り径方向基準線に直交する平面での断面の断面積と比較して、第2接続部47Fの同じ平面での断面の断面積が大きくなる形状をとっている。
湯口痕231Fが設けられている第1接続部46の断面積と比較して、第2接続部47Fの断面積が大きくなる形状をとる、キャリパ本体部101F用の鋳型221Fを準備する工程と、第1接続部46の側から鋳型221Fに注湯を行う第2の工程と、を含んで、ブレーキキャリア20Fが鋳造される。
鋳型221Fは、第1接続部46における第1連結部33及び第1ピン配設部124の近傍部分を通ると共に湯口痕231Fを通り径方向基準線に直交する平面での断面の断面積と比較して、第2接続部47Fの同じ平面での断面の断面積が大きくなる形状をとるブレーキキャリア20F用の鋳型221Fとなる。
第7実施形態のブレーキキャリア20F及びこれを備えるディスクブレーキ10Fは、ブレーキキャリア20Fが、湯口痕231Fが設けられている第1接続部46の断面積と比較して、第2接続部47Fの断面積が大きくなる形状をとっている。すなわち、ブレーキキャリア20Fの出来上がり形状に、湯口痕231Fの近傍である第1接続部46の断面積よりも、その対称側である第2接続部47Fの断面積の方が大きくなるように差を設けておく。これにより、鋳造時に湯口223Fとは反対側の第2接続部47Fを湯口223F側の第1接続部46よりも冷めづらくなるようにしている。これにより、ブレーキキャリア20Fを鋳造する鋳鉄の溶湯の冷却速度の違いを抑制し、この違いがあった場合に生じる延性の差異によるブレーキキャリア20F内の剛性の不均一を、インサート材を鋳込むことなく、形状により相殺して、剛性の不均一を抑制することができる。
第7実施形態のブレーキキャリア20Fの鋳造方法は、ブレーキキャリア20Fを上記形状とするためのブレーキキャリア20F用の鋳型221Fを準備する第1の工程と、第1接続部46の側から鋳型221Fに注湯を行う第2の工程と、を含んで、ブレーキキャリア20Fが鋳造される。これにより、ブレーキキャリア20Fが上記形状になるため、鋳造時に湯口223Fとは反対側の第2接続部47Fが湯口223F側の第1接続部46よりも冷めづらくなり、ブレーキキャリア20Fを鋳造する鋳鉄の溶湯の冷却速度の違いにより生じる延性の差異によるブレーキキャリア20F内の剛性の不均一を、インサート材を鋳込むことなく、形状により相殺して、剛性の不均一を抑制することができる。したがって、ブレーキキャリア20F及びこれを備えるディスクブレーキ10Fの高コスト化を抑制しつつ剛性の不均一を抑制することができる。
また、第1接続部46と第2接続部47Fとが、径方向基準線に対して直交する平面において断面積を異ならせるため、ブレーキキャリア20Fの剛性の調整を容易に行うことができる。
また、ブレーキキャリア20Fの第1接続部46の上記した断面積が、インナビーム部45よりも外側、かつ第1連結部33及び第1ピン配設部124より内側の第1区間の断面から求められ、第2接続部47Fの上記した断面積が、インナビーム部45よりも外側、かつ第2連結部34及び第2ピン配設部125より内側の第2区間の断面から求められる。このため、ブレーキキャリア20Fの剛性の調整を効果的に行うことができる。
また、湯口痕231Fがある第1接続部46よりも断面積が大きい第2接続部47Fが、車両の前進時のディスク回出側にあるため、ブレーキキャリア20Fの剛性均一化によって、車両前進時の制動によるトルクを受ける第2接続部46F側の剛性を向上させることができる。
なお、鋳造時に湯口223Fとは反対側の第2接続部47Fを湯口223F側の第1接続部46よりも冷めづらくする方策として、上記のように、鋳造品の形状を工夫する以外にも、製造装置側でも対応可能である。例えば、湯口223F側の冷却速度と、湯口223Fとは対称側の冷却速度と、の差異が小さくなるように、鋳型に、湯口223Fとは対称側を加熱する装置を設ける等する。このようにしても、鋳物のパーライト化の傾向を均一にすることで、出来上がりの鋳造品の剛性を均一化することができる。
第5~第7実施形態においては、第1実施形態のブレーキキャリパ21を適用することになるが、第5実施形態のブレーキキャリア20Dに、第2実施形態のブレーキキャリパ21Aを組み合わせても良く、第3実施形態のブレーキキャリパ21Bを組み合わせても良く、第4実施形態のブレーキキャリパ21Cを組み合わせても良く、その他のブレーキキャリパを組み合わせても良い。また、第6実施形態のブレーキキャリア20Eに、第2実施形態のブレーキキャリパ21Aを組み合わせても良く、第3実施形態のブレーキキャリパ21Bを組み合わせても良く、第4実施形態のブレーキキャリパ21Cを組み合わせても良く、その他のブレーキキャリパを組み合わせても良い。また、第7実施形態のブレーキキャリア20Fに、第2実施形態のブレーキキャリパ21Aを組み合わせても良く、第3実施形態のブレーキキャリパ21Bを組み合わせても良く、第4実施形態のブレーキキャリパ21Cを組み合わせても良く、その他のブレーキキャリパを組み合わせても良い。
以上に述べた実施形態の第1の態様は、
車両の非回転部に固定され、ディスク(例えばディスク11)の外周側を跨いで設けられるブレーキキャリア(例えばブレーキキャリア20)と、
前記ブレーキキャリアに移動可能に設けられ、前記ディスクの軸方向における一方の面(例えば面11a)に対向して配置される第1摩擦パッド(例えば第1摩擦パッド26)と、前記ブレーキキャリアに移動可能に設けられ、前記ディスクの軸方向における他方の面(例えば面11b)に対向して配置される第2摩擦パッド(例えば第2摩擦パッド27)と、
前記第1摩擦パッドを押圧するピストン(例えばピストン111)を前記ディスクの軸方向に収容したブレーキキャリパ(例えばブレーキキャリパ21,21A,21B,21C)であって、
第1スライドピン(例えば第1スライドピン102)と、第2スライドピン(例えば第2スライドピン103)と、前記ブレーキキャリアに前記第1スライドピン及び前記第2スライドピンを介して支持されるキャリパ本体部(例えばキャリパ本体部101,101A,101B,101C)と、を備え、
前記キャリパ本体部は、
前記ピストンが収容されるシリンダ孔(例えばシリンダ孔131)を有するシリンダ部(例えばシリンダ部121,121A)と、
前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部(例えば第1ピン配設部124)と、
前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部(例えば第2ピン配設部125)と、
前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第1ピン配設部の側にあり、前記キャリパ本体部の鋳造時の湯口痕(例えば湯口痕191,191A,191B,191C)が設けられている第1ブリッジ部(例えば第1ブリッジ部141,141A,141B,141C)と、
前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第2ピン配設部の側にある第2ブリッジ部(例えば第2ブリッジ部142,142B,142C)と、
を備え、
前記ディスクの軸方向からみて、前記第1ピン配設部の中心と、前記第2ピン配設部の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線で前記キャリパ本体部を分割したときに、前記第2ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面二次モーメントと比較して、前記第1ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面二次モーメントが大きくなる形状をとるブレーキキャリパと、
を備える。
第2の態様は、第1の態様において、
前記断面二次モーメントの方向は、前記キャリパ本体部が前記ディスクの軸方向に弾性変形する方向である。
第3の態様は、第2の態様において、
前記第1ブリッジ部は、前記ディスクの軸方向において、前記第1摩擦パッドと対向する前記シリンダ孔の開口端部(例えば開口端部132)と、前記第2摩擦パッドの押圧部(例えば押圧部123)と、の区間であり、
前記第2ブリッジ部は、前記区間であり、
前記断面二次モーメントは、前記区間の断面から求められる。
第4の態様は、第3の態様において、
前記第1ブリッジ部は、前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1摩擦パッドから離間する方向に突出するリブ(例えばリブ171A)を備える。
第5の態様は、第3の態様において、
前記第2ブリッジ部は、前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1摩擦パッドに近づく方向の側に鋳抜き部(例えば鋳抜き部205B)を備える。
第6の態様は、
車両の非回転部に固定され、ディスク(例えばディスク11)の外周側を跨いで設けられるブレーキキャリア(例えばブレーキキャリア20)と、
前記ブレーキキャリアに移動可能に設けられ、前記ディスクの軸方向における一方の面(例えば面11a)に対向して配置される第1摩擦パッド(例えば第1摩擦パッド26)と、
前記ブレーキキャリアに移動可能に設けられ、前記ディスクの軸方向における他方の面(例えば面11b)に対向して配置される第2摩擦パッド(例えば第2摩擦パッド27)と、
前記第1摩擦パッドを押圧するピストン(例えばピストン111)を前記ディスクの軸方向に収容したブレーキキャリパ(例えばブレーキキャリパ21C)であって、
第1スライドピン(例えば第1スライドピン102)と、第2スライドピン(例えば第2スライドピン103)と、前記ブレーキキャリアに前記第1スライドピン及び前記第2スライドピンを介して支持されるキャリパ本体部(例えばキャリパ本体部101C)と、を備え、
前記キャリパ本体部は、
前記ピストンが収容されるシリンダ孔(例えばシリンダ孔131)を有するシリンダ部(例えばシリンダ部121A)と、
前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部(例えば第1ピン配設部124)と、
前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部(例えば第2ピン配設部125)と、
前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第1ピン配設部の側にあり、前記キャリパ本体部の鋳造時の湯口痕(例えば湯口痕191C)が設けられている第1ブリッジ部(例えば第1ブリッジ部141C)と、
前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第2ピン配設部の側にある第2ブリッジ部(例えば第2ブリッジ部142C)と、
を備え、
前記ディスクの軸方向からみて、前記第1ピン配設部の中心と、前記第2ピン配設部の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線で前記キャリパ本体部を分割したときに、前記第1ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面積と比較して、前記第2ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面積が大きくなる形状をとるブレーキキャリパと、
を備える。
第7の態様は、第6の態様において、
前記第1ブリッジ部は、前記ディスクの軸方向において、前記第1摩擦パッドと対向する前記シリンダ孔(例えばシリンダ孔131)の開口端部(例えば開口端部132)と、前記第2摩擦パッドの押圧部(例えば押圧部123)と、の区間であり、
前記第2ブリッジ部は、前記区間であり、
前記断面積は、前記区間の断面から求められる。
第8の態様は、
摩擦パッド(例えば第1摩擦パッド26,第2摩擦パッド27)をディスク(例えばディスク11)に押圧するブレーキキャリパ(例えばブレーキキャリパ21,21A,21B,21C)であって、
第1スライドピン(例えば第1スライドピン102)と、第2スライドピン(例えば第2スライドピン103)と、キャリパ本体部(例えばキャリパ本体部101,101A,101B,101C)と、を備え、
前記キャリパ本体部は、
ピストン(例えばピストン111)が収容されるシリンダ孔(例えばシリンダ孔131)を有するシリンダ部(例えばシリンダ部121,121A)と、
前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部(例えば第1ピン配設部124)と、
前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部(例えば第2ピン配設部125)と、
前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第1ピン配設部の側にあり、前記キャリパ本体部の鋳造時の湯口痕(例えば湯口痕191,191A,191B,191C)が設けられている第1ブリッジ部(例えば第1ブリッジ部141,141A,141B,141C)と、
前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第2ピン配設部の側にある第2ブリッジ部(例えば第2ブリッジ部142,142B,142C)と、
を備え、
前記ディスクの軸方向からみて、前記第1ピン配設部の中心と、前記第2ピン配設部の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線で前記キャリパ本体部を分割したときに、前記第2ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面二次モーメントと比較して、前記第1ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面二次モーメントが大きくなる形状をとる。
第9の態様は、
摩擦パッド(例えば第1摩擦パッド26,第2摩擦パッド27)をディスク(例えばディスク11)に押圧するブレーキキャリパ(例えばブレーキキャリパ21C)であって、 第1スライドピン(例えば第1スライドピン102)と、第2スライドピン(例えば第2スライドピン103)と、キャリパ本体部(例えばキャリパ本体部101C)と、を備え、
前記キャリパ本体部は、
ピストンが収容されるシリンダ孔(例えばシリンダ孔131)を有するシリンダ部(例えばシリンダ部121A)と、
前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部(例えば第1ピン配設部124)と、
前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部(例えば第2ピン配設部125)と、
前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第1ピン配設部の側にあり、前記キャリパ本体部の鋳造時の湯口痕(例えば湯口痕191C)が設けられている第1ブリッジ部(例えば第1ブリッジ部141C)と、
前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第2ピン配設部の側にある第2ブリッジ部(例えば第2ブリッジ部142C)と、
を備え、
前記ディスクの軸方向からみて、前記第1ピン配設部の中心と、前記第2ピン配設部の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線で前記キャリパ本体部を分割したときに、前記第1ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面積と比較して、前記第2ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面積が大きくなる形状をとる。
第10の態様は、
摩擦パッド(例えば第1摩擦パッド26,第2摩擦パッド27)をディスク(例えばディスク11)に押圧するブレーキキャリパ(例えばブレーキキャリパ21,21A,21B,21C)の鋳造方法であって、
第1の工程と、第2の工程とを含み、
前記第1の工程は、
ピストン(例えばピストン111)が収容されるシリンダ孔(例えばシリンダ孔131)を有するシリンダ部(例えばシリンダ部121,121A)と、
前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に第1スライドピン(例えば第1スライドピン102)が設けられる第1ピン配設部(例えば第1ピン配設部124)と、
前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に第2スライドピン(例えば第2スライドピン103)が設けられる第2ピン配設部(例えば第2ピン配設部125)と、
前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第1ピン配設部の側にある第1ブリッジ部(例えば第1ブリッジ部141,141A,141B,141C)と、
前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第2ピン配設部の側にある第2ブリッジ部(例えば第2ブリッジ部142,142B,142C)と、
を備えるキャリパ本体部(例えばキャリパ本体部101,101A,101B,101C)であって、
前記ディスクの軸方向からみて、前記第1ピン配設部の中心と、前記第2ピン配設部の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線で前記キャリパ本体部を分割したときに、前記第2ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面二次モーメントと比較して、前記第1ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面二次モーメントが大きくなる形状をとる、前記キャリパ本体部用の鋳型(例えば鋳型181,181A,181B,181C)を準備する工程であり、
前記第2の工程は、前記第1ブリッジ部の側から前記鋳型に注湯を行う工程である。
第11の態様は、
摩擦パッド(例えば第1摩擦パッド26,第2摩擦パッド27)をディスク(例えばディスク11)に押圧するブレーキキャリパ(例えばブレーキキャリパ21C)の鋳造方法であって、
第1の工程と、第2の工程とを含み、
前記第1の工程は、
ピストン(例えばピストン111)が収容されるシリンダ孔(例えばシリンダ孔131)を有するシリンダ部(例えばシリンダ部121A)と、
前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に第1スライドピン(例えば第1スライドピン102)が設けられる第1ピン配設部(例えば第1ピン配設部124)と、
前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に第2スライドピン(例えば第2スライドピン103)が設けられる第2ピン配設部(例えば第2ピン配設部125)と、
前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第1ピン配設部の側にある第1ブリッジ部(例えば第1ブリッジ部141C)と、
前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第2ピン配設部の側にある第2ブリッジ部(例えば第2ブリッジ部142C)と、
を備えるキャリパ本体部(例えばキャリパ本体部101C)であって、
前記ディスクの軸方向からみて、前記第1ピン配設部の中心と、前記第2ピン配設部の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線で前記キャリパ本体部を分割したときに、前記第1ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面積と比較して、前記第2ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面積が大きくなる形状をとる、前記キャリパ本体部用の鋳型(例えば鋳型181C)を準備する工程であり、
前記第2の工程は、前記第1ブリッジ部の側から前記鋳型に注湯を行う工程である。
第12の態様は、
ディスク(例えばディスク11)の軸方向における一方の面(例えば面11a)に対向して配置される第1摩擦パッド(例えば第1摩擦パッド26)と、
前記ディスクの軸方向における他方の面(例えば面11b)に対向して配置される第2摩擦パッド(例えば第2摩擦パッド27)と、
第1スライドピン(例えば第1スライドピン102)と、第2スライドピン(例えば第2スライドピン103)と、前記第1摩擦パッドを押圧するピストン(例えばピストン111)を前記ディスクの軸方向に収容したキャリパ本体部(例えばキャリパ本体部101)と、を備えるブレーキキャリパ(例えばブレーキキャリパ21)であって、
前記キャリパ本体部は、
前記ピストンが収容されるシリンダ孔(例えばシリンダ孔131)を有するシリンダ部(例えばシリンダ部121)と、
前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部(例えば第1ピン配設部124)と、
前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部(例えば第2ピン配設部125)と、
を備えるブレーキキャリパと、
前記第1摩擦パッド及び前記第2摩擦パッドを移動可能に設け、車両の非回転部に固定され、前記ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリア(例えばブレーキキャリア20D,20E)であって、
前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第1固定部(例えば第1固定部42)と、
前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第2固定部(例えば第2固定部44)と、
前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1固定部から前記第1ピン配設部の方向に延出し、前記ブレーキキャリアの鋳造時の湯口痕(例えば湯口痕231D,231E)が設けられている第1接続部(例えば第1接続部46D,46E)と、 前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第2固定部から前記第2ピン配設部の方向に延出する第2接続部(例えば第2接続部47)と、
を備え、
前記第2接続部の断面二次モーメントと比較して、前記第1接続部の断面二次モーメントが大きくなる形状をとるブレーキキャリアと、
を備える。
第13の態様は、第12の態様において、
前記断面二次モーメントの方向は、前記車両の前進時に、前記ブレーキキャリアが前記ディスクの回転方向に弾性変形する方向である。
第14の態様は、第13の態様において、
前記ブレーキキャリアは、前記第1固定部と前記第2固定部とを接続するビーム部(例えばインナビーム部45)を備え、
前記第1接続部は、前記ディスクの径方向において、前記ビーム部よりも外側、かつ前記第1ピン配設部より内側の第1区間にあり、
前記第2接続部は、前記ディスクの径方向において、前記ビーム部よりも外側、かつ前記第2ピン配設部より内側の第2区間にあり、
前記第1接続部の断面二次モーメントは前記第1区間の断面から求められ、前記第2接続部の断面二次モーメントは前記第2区間の断面から求められる。
第15の態様は、第14の態様において、
前記第1接続部は、前記車両の前進時の前記ディスクの回転方向における回出側にある。
第16の態様は、第14の態様において、
前記第1接続部は、前記ディスクの軸方向において、前記第1摩擦パッドから離間する方向に突出するリブ(例えばリブ211D)を備える。
第17の態様は、第14の態様において、
前記ディスクの軸方向の平面において、前記ビーム部の延出方向における前記第1接続部(例えば第1接続部46E)の幅は、前記ビーム部の延出方向における前記第2接続部(例えば第2接続部47)の幅より大きい。
第18の態様は、
ディスク(例えばディスク11)の軸方向における一方の面(例えば面11a)に対向して配置される第1摩擦パッド(例えば第1摩擦パッド26)と、
前記ディスクの軸方向における他方の面(例えば面11b)に対向して配置される第2摩擦パッド(例えば第2摩擦パッド27)と、
第1スライドピン(例えば第1スライドピン102)と、第2スライドピン(例えば第2スライドピン103)と、前記第1摩擦パッドを押圧するピストン(例えばピストン111)を前記ディスクの軸方向に収容したキャリパ本体部(例えばキャリパ本体部101)と、を備えるブレーキキャリパ(例えばブレーキキャリパ21)であって、
前記キャリパ本体部は、
前記ピストンが収容されるシリンダ孔(例えばシリンダ孔131)を有するシリンダ部(例えばシリンダ部121)と、
前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部(例えば第1ピン配設部124)と、
前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部(例えば第2ピン配設部125)と、
を備えるブレーキキャリパと、
前記第1摩擦パッド及び前記第2摩擦パッドを移動可能に設け、車両の非回転部に固定され、前記ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリア(例えばブレーキキャリア20F)であって、
前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第1固定部(例えば第1固定部42)と、
前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第2固定部(例えば第2固定部44)と、
前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1固定部から前記第1ピン配設部の方向に延出し、前記ブレーキキャリアの鋳造時の湯口痕(例えば湯口痕231F)が設けられている第1接続部(例えば第1接続部46)と、
前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第2固定部から前記第2ピン配設部の方向に延出する第2接続部(例えば第2接続部47F)と、
を備え、
前記第1接続部の断面積と比較して、前記第2接続部の断面積が大きくなる形状をとるブレーキキャリアと、
を備える。
第19の態様は、第18の態様において、
前記ブレーキキャリアは、前記第1固定部と前記第2固定部とを接続するビーム部(例えばインナビーム部45)を備え、
前記第1接続部は、前記ディスクの径方向において、前記ビーム部よりも外側、かつ前記第1ピン配設部より内側の第1区間にあり、
前記第2接続部は、前記ディスクの径方向において、前記ビーム部よりも外側、かつ前記第2ピン配設部より内側の第2区間にあり、
前記第1接続部の断面積は前記第1区間の断面から求められ、前記第2接続部の断面積は前記第2区間の断面から求められる。
第20の態様は、第19の態様において、
前記第2接続部は、前記車両の前進時の前記ディスクの回転方向における回出側にある。
第21の態様は、
ディスク(例えばディスク11)の軸方向における一方の面(例えば面11a)に対向して配置される第1摩擦パッド(例えば第1摩擦パッド26)、及び前記ディスクの軸方向における他方の面(例えば面11b)に対向して配置される第2摩擦パッド(例えば第2摩擦パッド27)を移動可能に設け、車両の非回転部に固定され、前記ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリア(例えばブレーキキャリア20D,20E)であって、
前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第1固定部(例えば第1固定部42)と、
前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第2固定部(例えば第2固定部44)と、
前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1固定部から延出し、前記ブレーキキャリアの鋳造時の湯口痕(例えば湯口痕231D,231E)が設けられている第1接続部(例えば第1接続部46D,46E)と、
前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第2固定部から延出する第2接続部(例えば第2接続部47)と、
を備え、
前記第2接続部の断面二次モーメントと比較して、前記第1接続部の断面二次モーメントが大きくなる形状をとる。
第22の態様は、
ディスク(例えばディスク11)の軸方向における一方の面(例えば面11a)に対向して配置される第1摩擦パッド(例えば第1摩擦パッド26)、及び前記ディスクの軸方向における他方の面(例えば面11b)に対向して配置される第2摩擦パッド(例えば第2摩擦パッド27)を移動可能に設け、車両の非回転部に固定され、前記ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリア(例えばブレーキキャリア20F)であって、 前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第1固定部(例えば第1固定部42)と、
前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第2固定部(例えば第2固定部44)と、
前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1固定部から延出し、前記ブレーキキャリアの鋳造時の湯口痕(例えば湯口痕231F)が設けられている第1接続部(例えば第1接続部46)と、
前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第2固定部から延出する第2接続部(例えば第2接続部47F)と、
を備え、
前記第1接続部の断面積と比較して、前記第2接続部の断面積が大きくなる形状をとる。
第23の態様は、
ディスク(例えばディスク11)の軸方向における一方の面(例えば面11a)に対向して配置される第1摩擦パッド(例えば第1摩擦パッド26)、及び前記ディスクの軸方向における他方の面(例えば面11b)に対向して配置される第2摩擦パッド(例えば第2摩擦パッド27)を移動可能に設け、車両の非回転部に固定され、前記ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリア(例えばブレーキキャリア20D,20E)の鋳造方法であって、
第1の工程と、第2の工程とを含み、
前記第1の工程は、
前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第1固定部(例えば第1固定部42)と、
前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第2固定部(例えば第2固定部44)と、
前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1固定部から延出し、前記ブレーキキャリアの鋳造時の湯口痕(例えば湯口痕231D,231E)が設けられている第1接続部(例えば第1接続部46D,46E)と、
前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第2固定部から延出する第2接続部(例えば第2接続部47)と、
を備えるブレーキキャリアであって、
前記第2接続部の断面二次モーメントと比較して、前記第1接続部の断面二次モーメントが大きくなる形状をとる、前記ブレーキキャリア用の鋳型(例えば鋳型221D,221E)を準備する工程であり、
前記第2の工程は、前記第1接続部の側から前記鋳型に注湯を行う工程である。
第24の態様は、
ディスク(例えばディスク11)の軸方向における一方の面(例えば面11a)に対向して配置される第1摩擦パッド(例えば第1摩擦パッド26)、及び前記ディスクの軸方向における他方の面(例えば面11b)に対向して配置される第2摩擦パッド(例えば第2摩擦パッド27)を移動可能に設け、車両の非回転部に固定され、前記ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリア(例えばブレーキキャリア20F)の鋳造方法であって、
第1の工程と、第2の工程とを含み、
前記第1の工程は、
前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第1固定部(例えば第1固定部42)と、
前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第2固定部(例えば第2固定部44)と、
前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1固定部から延出し、前記ブレーキキャリアの鋳造時の湯口痕(例えば湯口痕231F)が設けられている第1接続部(例えば第1接続部46)と、
前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第2固定部から延出する第2接続部(例えば第2接続部47F)と、
を備えるブレーキキャリアであって、
前記第1接続部の断面積と比較して、前記第2接続部の断面積が大きくなる形状をとる、前記ブレーキキャリア用の鋳型(例えば鋳型221F)を準備する工程であり、
前記第2の工程は、前記第1接続部の側から前記鋳型に注湯を行う工程である。
10,10A~10F ディスクブレーキ
11 ディスク
11a,11b 面
20,20D,20E,20F ブレーキキャリア
21,21A,21B,21C ブレーキキャリパ
26 第1摩擦パッド
27 第2摩擦パッド
42 第1固定部
44 第2固定部
46,46D,46E 第1接続部
47,47F 第2接続部
101,101A,101B,101C キャリパ本体部
102 第1スライドピン
103 第2スライドピン
111 ピストン
121,121A シリンダ部
123 押圧部
124 第1ピン配設部
125 第2ピン配設部
131 シリンダ孔
132 開口端部
141,141A,141B,141C 第1ブリッジ部
142,142B,142C 第2ブリッジ部
171A リブ
181,181A,181B,181C 鋳型
191,191A,191B,191C 湯口痕
205B 鋳抜き部
211D リブ
221D,221E,221F 鋳型
231D,231E,231F 湯口痕

Claims (24)

  1. 車両の非回転部に固定され、ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリアと、
    前記ブレーキキャリアに移動可能に設けられ、前記ディスクの軸方向における一方の面に対向して配置される第1摩擦パッドと、
    前記ブレーキキャリアに移動可能に設けられ、前記ディスクの軸方向における他方の面に対向して配置される第2摩擦パッドと、
    前記第1摩擦パッドを押圧するピストンを前記ディスクの軸方向に収容したブレーキキャリパであって、
    第1スライドピンと、第2スライドピンと、前記ブレーキキャリアに前記第1スライドピン及び前記第2スライドピンを介して支持されるキャリパ本体部と、を備え、
    前記キャリパ本体部は、
    前記ピストンが収容されるシリンダ孔を有するシリンダ部と、
    前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部と、
    前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部と、
    前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第1ピン配設部の側にあり、前記キャリパ本体部の鋳造時の湯口痕が設けられている第1ブリッジ部と、
    前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第2ピン配設部の側にある第2ブリッジ部と、
    を備え、
    前記ディスクの軸方向からみて、前記第1ピン配設部の中心と、前記第2ピン配設部の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線で前記キャリパ本体部を分割したときに、前記第2ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面二次モーメントと比較して、前記第1ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面二次モーメントが大きくなる形状をとるブレーキキャリパと、
    を備えるディスクブレーキ。
  2. 請求項1に記載のディスクブレーキであって、
    前記断面二次モーメントの方向は、前記キャリパ本体部が前記ディスクの軸方向に弾性変形する方向である、
    ディスクブレーキ。
  3. 請求項2に記載のディスクブレーキであって、
    前記第1ブリッジ部は、前記ディスクの軸方向において、前記第1摩擦パッドと対向する前記シリンダ孔の開口端部と、前記第2摩擦パッドの押圧部と、の区間であり、
    前記第2ブリッジ部は、前記区間であり、
    前記断面二次モーメントは、前記区間の断面から求められる、
    ディスクブレーキ。
  4. 請求項3に記載のディスクブレーキであって、
    前記第1ブリッジ部は、前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1摩擦パッドから離間する方向に突出するリブを備える、
    ディスクブレーキ。
  5. 請求項3に記載のディスクブレーキであって、
    前記第2ブリッジ部は、前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1摩擦パッドに近づく方向の側に鋳抜き部を備える、
    ディスクブレーキ。
  6. 車両の非回転部に固定され、ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリアと、
    前記ブレーキキャリアに移動可能に設けられ、前記ディスクの軸方向における一方の面に対向して配置される第1摩擦パッドと、
    前記ブレーキキャリアに移動可能に設けられ、前記ディスクの軸方向における他方の面に対向して配置される第2摩擦パッドと、
    前記第1摩擦パッドを押圧するピストンを前記ディスクの軸方向に収容したブレーキキャリパであって、
    第1スライドピンと、第2スライドピンと、前記ブレーキキャリアに前記第1スライドピン及び前記第2スライドピンを介して支持されるキャリパ本体部と、を備え、
    前記キャリパ本体部は、
    前記ピストンが収容されるシリンダ孔を有するシリンダ部と、
    前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部と、
    前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部と、
    前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第1ピン配設部の側にあり、前記キャリパ本体部の鋳造時の湯口痕が設けられている第1ブリッジ部と、
    前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第2ピン配設部の側にある第2ブリッジ部と、
    を備え、
    前記ディスクの軸方向からみて、前記第1ピン配設部の中心と、前記第2ピン配設部の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線で前記キャリパ本体部を分割したときに、前記第1ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面積と比較して、前記第2ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面積が大きくなる形状をとるブレーキキャリパと、
    を備えるディスクブレーキ。
  7. 請求項6に記載のディスクブレーキであって、
    前記第1ブリッジ部は、前記ディスクの軸方向において、前記第1摩擦パッドと対向する前記シリンダ孔の開口端部と、前記第2摩擦パッドの押圧部と、の区間であり、
    前記第2ブリッジ部は、前記区間であり、
    前記断面積は、前記区間の断面から求められる、
    ディスクブレーキ。
  8. 摩擦パッドをディスクに押圧するブレーキキャリパであって、
    第1スライドピンと、第2スライドピンと、キャリパ本体部と、を備え、
    前記キャリパ本体部は、
    ピストンが収容されるシリンダ孔を有するシリンダ部と、
    前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部と、
    前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部と、
    前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第1ピン配設部の側にあり、前記キャリパ本体部の鋳造時の湯口痕が設けられている第1ブリッジ部と、
    前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第2ピン配設部の側にある第2ブリッジ部と、
    を備え、
    前記ディスクの軸方向からみて、前記第1ピン配設部の中心と、前記第2ピン配設部の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線で前記キャリパ本体部を分割したときに、前記第2ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面二次モーメントと比較して、前記第1ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面二次モーメントが大きくなる形状をとるブレーキキャリパ。
  9. 摩擦パッドをディスクに押圧するブレーキキャリパであって、
    第1スライドピンと、第2スライドピンと、キャリパ本体部と、を備え、
    前記キャリパ本体部は、
    ピストンが収容されるシリンダ孔を有するシリンダ部と、
    前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部と、
    前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部と、
    前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第1ピン配設部の側にあり、前記キャリパ本体部の鋳造時の湯口痕が設けられている第1ブリッジ部と、
    前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第2ピン配設部の側にある第2ブリッジ部と、
    を備え、
    前記ディスクの軸方向からみて、前記第1ピン配設部の中心と、前記第2ピン配設部の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線で前記キャリパ本体部を分割したときに、前記第1ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面積と比較して、前記第2ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面積が大きくなる形状をとるブレーキキャリパ。
  10. 摩擦パッドをディスクに押圧するブレーキキャリパの鋳造方法であって、
    第1の工程と、第2の工程とを含み、
    前記第1の工程は、
    ピストンが収容されるシリンダ孔を有するシリンダ部と、
    前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部と、
    前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部と、
    前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第1ピン配設部の側にある第1ブリッジ部と、
    前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第2ピン配設部の側にある第2ブリッジ部と、
    を備えるキャリパ本体部であって、
    前記ディスクの軸方向からみて、前記第1ピン配設部の中心と、前記第2ピン配設部の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線で前記キャリパ本体部を分割したときに、前記第2ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面二次モーメントと比較して、前記第1ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面二次モーメントが大きくなる形状をとる、前記キャリパ本体部用の鋳型を準備する工程であり、
    前記第2の工程は、前記第1ブリッジ部の側から前記鋳型に注湯を行う工程である、
    ブレーキキャリパの鋳造方法。
  11. 摩擦パッドをディスクに押圧するブレーキキャリパの鋳造方法であって、
    第1の工程と、第2の工程とを含み、
    前記第1の工程は、
    ピストンが収容されるシリンダ孔を有するシリンダ部と、
    前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部と、
    前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部と、
    前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第1ピン配設部の側にある第1ブリッジ部と、
    前記ディスクの外周側を跨いで設けられ、前記ディスクの周方向において、前記第2ピン配設部の側にある第2ブリッジ部と、
    を備えるキャリパ本体部であって、
    前記ディスクの軸方向からみて、前記第1ピン配設部の中心と、前記第2ピン配設部の中心と、を結ぶ線分を二等分する直線で前記キャリパ本体部を分割したときに、前記第1ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面積と比較して、前記第2ブリッジ部の側の前記キャリパ本体部の断面積が大きくなる形状をとる、前記キャリパ本体部用の鋳型を準備する工程であり、
    前記第2の工程は、前記第1ブリッジ部の側から前記鋳型に注湯を行う工程である、
    ブレーキキャリパの鋳造方法。
  12. ディスクの軸方向における一方の面に対向して配置される第1摩擦パッドと、
    前記ディスクの軸方向における他方の面に対向して配置される第2摩擦パッドと、
    第1スライドピンと、第2スライドピンと、前記第1摩擦パッドを押圧するピストンを前記ディスクの軸方向に収容したキャリパ本体部と、を備えるブレーキキャリパであって、
    前記キャリパ本体部は、
    前記ピストンが収容されるシリンダ孔を有するシリンダ部と、
    前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部と、
    前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部と、
    を備えるブレーキキャリパと、
    前記第1摩擦パッド及び前記第2摩擦パッドを移動可能に設け、車両の非回転部に固定され、前記ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリアであって、
    前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第1固定部と、
    前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第2固定部と、
    前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1固定部から前記第1ピン配設部の方向に延出し、前記ブレーキキャリアの鋳造時の湯口痕が設けられている第1接続部と、
    前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第2固定部から前記第2ピン配設部の方向に延出する第2接続部と、
    を備え、
    前記第2接続部の断面二次モーメントと比較して、前記第1接続部の断面二次モーメントが大きくなる形状をとるブレーキキャリアと、
    を備えるディスクブレーキ。
  13. 請求項12に記載のディスクブレーキであって、
    前記断面二次モーメントの方向は、前記車両の前進時に、前記ブレーキキャリアが前記ディスクの回転方向に弾性変形する方向である、
    ディスクブレーキ。
  14. 請求項13に記載のディスクブレーキであって、
    前記ブレーキキャリアは、前記第1固定部と前記第2固定部とを接続するビーム部を備え、
    前記第1接続部は、前記ディスクの径方向において、前記ビーム部よりも外側、かつ前記第1ピン配設部より内側の第1区間にあり、
    前記第2接続部は、前記ディスクの径方向において、前記ビーム部よりも外側、かつ前記第2ピン配設部より内側の第2区間にあり、
    前記第1接続部の断面二次モーメントは前記第1区間の断面から求められ、前記第2接続部の断面二次モーメントは前記第2区間の断面から求められる、
    ディスクブレーキ。
  15. 請求項14に記載のディスクブレーキであって、
    前記第1接続部は、前記車両の前進時の前記ディスクの回転方向における回出側にある、
    ディスクブレーキ。
  16. 請求項14に記載のディスクブレーキであって、
    前記第1接続部は、前記ディスクの軸方向において、前記第1摩擦パッドから離間する方向に突出するリブを備える、
    ディスクブレーキ。
  17. 請求項14に記載のディスクブレーキであって、
    前記ディスクの軸方向の平面において、前記ビーム部の延出方向における前記第1接続部の幅は、前記ビーム部の延出方向における前記第2接続部の幅より大きい、
    ディスクブレーキ。
  18. ディスクの軸方向における一方の面に対向して配置される第1摩擦パッドと、
    前記ディスクの軸方向における他方の面に対向して配置される第2摩擦パッドと、
    第1スライドピンと、第2スライドピンと、前記第1摩擦パッドを押圧するピストンを前記ディスクの軸方向に収容したキャリパ本体部と、を備えるブレーキキャリパであって、
    前記キャリパ本体部は、
    前記ピストンが収容されるシリンダ孔を有するシリンダ部と、
    前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の一端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第1スライドピンが設けられる第1ピン配設部と、
    前記ディスクの周方向において、前記シリンダ部の他端側に設けられ、前記ディスクの軸方向に前記第2スライドピンが設けられる第2ピン配設部と、
    を備えるブレーキキャリパと、
    前記第1摩擦パッド及び前記第2摩擦パッドを移動可能に設け、車両の非回転部に固定され、前記ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリアであって、
    前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第1固定部と、
    前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第2固定部と、
    前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1固定部から前記第1ピン配設部の方向に延出し、前記ブレーキキャリアの鋳造時の湯口痕が設けられている第1接続部と、
    前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第2固定部から前記第2ピン配設部の方向に延出する第2接続部と、
    を備え、
    前記第1接続部の断面積と比較して、前記第2接続部の断面積が大きくなる形状をとるブレーキキャリアと、
    を備えるディスクブレーキ。
  19. 請求項18に記載のディスクブレーキであって、
    前記ブレーキキャリアは、前記第1固定部と前記第2固定部とを接続するビーム部を備え、
    前記第1接続部は、前記ディスクの径方向において、前記ビーム部よりも外側、かつ前記第1ピン配設部より内側の第1区間にあり、
    前記第2接続部は、前記ディスクの径方向において、前記ビーム部よりも外側、かつ前記第2ピン配設部より内側の第2区間にあり、
    前記第1接続部の断面積は前記第1区間の断面から求められ、前記第2接続部の断面積は前記第2区間の断面から求められる、
    ディスクブレーキ。
  20. 請求項19に記載のディスクブレーキであって、
    前記第2接続部は、前記車両の前進時の前記ディスクの回転方向における回出側にある、
    ディスクブレーキ。
  21. ディスクの軸方向における一方の面に対向して配置される第1摩擦パッド、及び前記ディスクの軸方向における他方の面に対向して配置される第2摩擦パッドを移動可能に設け、車両の非回転部に固定され、前記ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリアであって、
    前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第1固定部と、
    前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第2固定部と、
    前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1固定部から延出し、前記ブレーキキャリアの鋳造時の湯口痕が設けられている第1接続部と、
    前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第2固定部から延出する第2接続部と、
    を備え、
    前記第2接続部の断面二次モーメントと比較して、前記第1接続部の断面二次モーメントが大きくなる形状をとるブレーキキャリア。
  22. ディスクの軸方向における一方の面に対向して配置される第1摩擦パッド、及び前記ディスクの軸方向における他方の面に対向して配置される第2摩擦パッドを移動可能に設け、車両の非回転部に固定され、前記ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリアであって、
    前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第1固定部と、
    前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第2固定部と、
    前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1固定部から延出し、前記ブレーキキャリアの鋳造時の湯口痕が設けられている第1接続部と、
    前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第2固定部から延出する第2接続部と、
    を備え、
    前記第1接続部の断面積と比較して、前記第2接続部の断面積が大きくなる形状をとるブレーキキャリア。
  23. ディスクの軸方向における一方の面に対向して配置される第1摩擦パッド、及び前記ディスクの軸方向における他方の面に対向して配置される第2摩擦パッドを移動可能に設け、車両の非回転部に固定され、前記ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリアの鋳造方法であって、
    第1の工程と、第2の工程とを含み、
    前記第1の工程は、
    前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第1固定部と、
    前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第2固定部と、
    前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1固定部から延出し、前記ブレーキキャリアの鋳造時の湯口痕が設けられている第1接続部と、
    前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第2固定部から延出する第2接続部と、
    を備えるブレーキキャリアであって、
    前記第2接続部の断面二次モーメントと比較して、前記第1接続部の断面二次モーメントが大きくなる形状をとる、前記ブレーキキャリア用の鋳型を準備する工程であり、
    前記第2の工程は、前記第1接続部の側から前記鋳型に注湯を行う工程である、
    ブレーキキャリアの鋳造方法。
  24. ディスクの軸方向における一方の面に対向して配置される第1摩擦パッド、及び前記ディスクの軸方向における他方の面に対向して配置される第2摩擦パッドを移動可能に設け、車両の非回転部に固定され、前記ディスクの外周側を跨いで設けられるブレーキキャリアの鋳造方法であって、
    第1の工程と、第2の工程とを含み、
    前記第1の工程は、
    前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第1固定部と、
    前記一方の面に対向して設けられ、前記ブレーキキャリアを前記車両の非回転部に固定する第2固定部と、
    前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第1固定部から延出し、前記ブレーキキャリアの鋳造時の湯口痕が設けられている第1接続部と、
    前記ディスクの軸方向に対して直交する平面において、前記第2固定部から延出する第2接続部と、
    を備えるブレーキキャリアであって、
    前記第1接続部の断面積と比較して、前記第2接続部の断面積が大きくなる形状をとる、前記ブレーキキャリア用の鋳型を準備する工程であり、
    前記第2の工程は、前記第1接続部の側から前記鋳型に注湯を行う工程である、
    ブレーキキャリアの鋳造方法。
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