JP7451391B2 - 橋桁架替工法 - Google Patents

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Description

本開示は、桁高が橋軸方向に変化する不定断面形状を有する連続桁形式の既設桁を有する橋梁において、既設桁を撤去して新桁を架設する橋桁架替工法に関する。
河川や運河などの上に架け渡される橋梁を架設する際に、構築物を複数のユニットに分けて工場で予め製作しておき、これらのユニットを架設現場で組み立てることによって工期の短縮が可能な橋桁の架設工法が実施されている。そのような工法として、一方の橋脚から他方の橋脚に向けて橋桁を押し出すことによって橋脚間に橋桁を架設する押出架設工法が公知である(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の押出架設工法は、橋梁の周囲に大型クレーンや支保工を設置する必要がなく、かつ、橋桁を短時間で架設することができる。
また、老朽化した橋梁の改修のため、既設の橋脚は残置し橋桁のみを新桁に架け替える橋桁架替工法が実施されている。そのような工法として、既設橋桁の撤去と新設橋桁の設置とを1橋脚間ごとに繰り返すものが公知である(例えば、特許文献2)。
特許第6475548号公報 特開2013-174075号公報
特許文献2に記載の橋桁架替工法では、既設橋桁の上方に仮設桁を配置し、仮設桁上に設けた仮吊り装置及び巻上装置によって既設橋桁の撤去及び新設橋桁の設置を行う。橋桁上に大型の装置を設置する必要があるため、この方法では、工期の短縮に限界がある。工期を更に短縮するためには、特許文献1に記載の押出工法を利用し、既設桁を新設桁で押し出すことによって橋桁を架け替えることが考えられる。しかし、桁高が橋軸方向に変化する不定断面形状を有する連続桁形式の橋桁を有する橋梁においては橋桁の架替に押出工法を適用することは難しいという問題がある。
本発明は、このような背景に鑑み、桁高が橋軸方向に変化する不定断面形状を有する連続桁形式の橋桁を有する橋梁において、橋桁の架替に必要な工期を更に短縮することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明のある実施形態は、橋脚(6)又は橋台(5)からなり、複数の径間を形成する複数の橋支持部(4)と、橋支持部によって支持されて複数の径間にわたって連続し、桁高が橋軸方向に変化する不定断面形状を有する連続桁形式の既設桁(7)とを有する橋梁(1)において、既設桁を撤去して新桁(11)を架設する橋桁架替工法であって、既設桁の下部に、桁高が一定となるように仮設桁(14)を取り付けるステップと、橋梁の前端に位置する橋支持部の前方に、既設桁の橋軸方向の一部を載置して解体するための解体作業スペース(17)を形成し、橋梁の後端に位置する橋支持部の後方に、新桁の橋軸方向の一部を製作するための製作作業スペース(18)を形成するスペース形成ステップと、製作作業スペースにて、後端に位置する橋支持部によって支持された既設桁又は新桁からなる橋桁(2)の後端から後方へ延長させるように新桁の一部を製作し、橋桁を延長させる橋桁延長ステップと、製作作業スペースに製作された新桁の一部及び既設桁を前方へ送り出すための送出装置(19)を設けるステップと、送出装置を用いて、新桁の一部及び既設桁を前方へ送り出す送り出しステップと、解体作業スペースに送り出された既設桁の一部を解体する解体ステップとを含み、橋桁延長ステップと送り出しステップと解体ステップとを繰り返し、既設桁を撤去して新桁を架設する。
この構成によれば、既設桁の下面の形状によらず、既設桁を新設桁で送り出しながら既設桁を新桁に架け替えることができる。よって、橋桁を架け替えるために必要な工期を短縮することができる。
好ましくは、既設桁は、橋脚と既設桁の一部をなす柱頭部とが剛結合された連続箱桁であり、橋脚の上部に、既設桁を橋軸方向にスライド可能に支持するスライド部材(22)を設けるステップと、スライド部材によって支持可能な状態で、橋脚と既設桁の柱頭部(8)とを切断する切断ステップとを更に含むとよい。
この構成によれば、既設桁の柱頭部が橋脚に剛結合されていても、橋桁を送り出すことが可能になり、橋桁を送り出しながら架け替えることができる。また、橋脚と剛結合された既設桁を新桁に架け替えることができる。
好ましくは、切断ステップより前に、既設桁の下縁に、橋軸方向に沿って緊張材(26)を設けるステップを更に含むとよい。
この構成によれば、橋桁の曲げ耐力を向上させることができる。よって、橋脚と既設桁の柱頭部とを切断して橋桁を送り出しても橋桁がひび割れ等の損傷を発生し難くなる。
好ましくは、スライド部材を設けるステップでは、橋脚の前後方向の少なくとも一方にブラケット(23)を設け、ブラケットと既設桁との間にスライド部材を設けるとよい。
この構成によれば、ブラケットによって予め既設桁を支持できるようにした状態で、橋脚と既設桁の柱頭部とを切断する作業を開始することができる。また、切断した部分にスライド部材を設ける場合に比べ、スライド部材を容易に且つ適切な位置に設けることができる。
好ましくは、新桁は、橋支持部によって支持されて複数の径間にわたって連続し、桁高が橋軸方向に変化する不定断面形状を有する連続桁形式の橋桁であり、橋桁延長ステップでは、新桁の一部の下部に、桁高が一定となるように仮設桁を取り付けるとよい。
この構成によれば、仮設桁を取り付けられた既設桁の下面と、新桁の下面とが平坦になる。よって、既設桁及び新桁を同時に送り出すことができる。
好ましくは、仮設桁は、橋軸方向に沿って所定の長さに分割され、仮設桁を取り付けるステップの前に、既設桁の橋軸直角方向にそれぞれ張り出す張出部(10)に、橋軸方向に沿って延びるレール(13)を取り付けるステップを更に含み、仮設桁を取り付けるステップでは、レールに沿って移動可能に吊り下げられた仮設桁を所望の位置まで移動させて既設桁の下部に取り付けるとよい。
この構成によれば、レールを利用して仮設桁を所望の位置まで移動させることができる。よって、仮設桁の取り付けが容易となる。
好ましくは、橋桁延長ステップでは、解体ステップにて既設桁の一部から解体された仮設桁を転用するとよい。
この構成によれば、橋桁の架け替えに必要な仮設桁の数を削減することができる。
好ましくは、橋桁延長ステップでは、レールを延長するように、新桁の一部の橋軸直角方向にそれぞれ張り出す張出部に、橋軸方向に沿って延びるレールを取り付け、解体ステップにて既設桁の一部から解体された仮設桁を、レールを介して解体作業スペースから製作作業スペースに運搬するとよい。
この構成によれば、解体作業スペースにて解体した仮設桁を、製作作業スペースへ容易に運搬することができる。また、仮設桁の取り付けに使用したレールを利用できるため、仮設桁の運搬のために新たな手段を用意する必要がない。
好ましくは、橋桁延長ステップと送り出しステップと解体ステップとを繰り返した後に、橋脚と新桁の柱頭部との間に支承(12)を設けるステップを更に含むとよい。
この構成によれば、新桁の荷重が支承を介して橋脚に伝達される。よって、温度変化や地震による新桁の変位に対応することができる。
好ましくは、橋桁延長ステップと送り出しステップと解体ステップとを繰り返した後に、橋脚と新桁の柱頭部とを剛結合するステップを更に含むとよい。
この構成によれば、既設桁の支持構造と新桁の支持構造とが同一である。よって、橋桁の架け替え後も景観を維持することができる。
好ましくは、新桁の架設が完了する前に車両が橋梁を通行することを可能にするために、製作作業スペースと解体作業スペースとを一時的に埋める仮埋めステップと、新桁の架設を再開するために、仮埋めされた製作作業スペースと解体作業スペースとにある仮埋め材を除去する仮埋め材除去ステップとを更に含むとよい。
この構成によれば、橋桁の架替作業中に必要に応じて橋梁上の道路を交通開放することができる。
このように本発明によれば、桁高が橋軸方向に変化する不定断面形状を有する連続桁形式の橋桁を有する橋梁において、橋桁の架替に必要な工期を更に短縮することができる。
(A)橋桁の架け替え前及び(P)架け替え後の橋梁の側面図 架け替え手順の一部を示す橋梁の側面図 架け替え手順の一部を示す橋梁の側面図 架け替え手順の一部を示す橋梁の側面図 架け替え手順の一部を示す橋梁の側面図 架け替え手順の一部を示す橋梁の側面図 仮設桁を取り付けるステップを示す概略図 別の態様に係る架け替え後の橋梁の側面図
以下、図面を参照して本実施形態について詳細に説明する。図1は、実施形態に係る橋梁1の側面図であり、(A)は橋桁2の架け替え前を示し、(P)は橋桁2の架け替え後の状態を示している。図1に示すように、橋梁1は、基礎3上に設けられた複数の橋支持部4と、橋支持部4によって支持された橋桁2とによって構築されている。
橋支持部4は、橋台5又は橋脚6からなり、複数の径間を形成する下部構造である。橋台5は橋梁1の両端に位置し、橋脚6は2つの橋台5の間であって橋梁1の中間部に位置している。本実施形態では、2つの橋脚6間の径間長D1は約70mであり、橋台5と橋脚6との間の径間長D2は約50mである。
図1(A)に示すように、架け替え前の橋桁2(既設桁7)は、橋支持部4によって支持され、複数の径間にわたって連続する部材である。既設桁7は橋脚6と既設桁7の一部をなす柱頭部8とが剛結合された連続箱桁であり、桁高が橋軸方向に変化する不定断面形状を有している。既設桁7は、断面視で略矩形の形状を有する本体部9と、本体部9から橋軸直角方向外向きに張り出す張出部10とを備えている(図7)。張出部10の上面10aは、本体部9の上面9aと平坦になっている。
図1(P)に示すように、架け替え後の橋桁2(新桁11)は、橋支持部4によって支持され、複数の径間にわたって連続するPCa製の部材である。本実施形態では、新桁11は、新桁11の一部をなす柱頭部8が支承12を介して橋脚6によって支持された連続箱桁であり、桁高が橋軸方向に変化する不定断面形状を有している。その他の構成については既設桁7と同様であるため、説明を省略する。
以下、図面を参照して橋桁2の架替方法について詳細に説明する。まず、図2(B)に示すように、既設桁7の両側の張出部10(図7参照)の下部であって張出部10の基端側に、橋軸方向に沿って延びるレール13を取り付ける(レール13を取り付けるステップ)。レール13は、例えばI形鋼などの高剛性の部材によって形成されているとよい。
次に、図2(C)に示すように、レール13を利用して、既設桁7の下部9b(図7(A))に、桁高が一定となるように仮設桁14を取り付ける(仮設桁14を取り付けるステップ)。仮設桁14は、橋梁1の橋軸方向に沿って所定の長さに分割され、橋軸直角方向に沿って二分割されている。なお、別の実施形態では、仮設桁14は橋軸直角方向に沿って3以上の数に分割されてもよく、分割されていなくてもよい。
図7は、仮設桁14を取り付けるステップを示す概略図である。本実施形態では、橋梁1は橋軸方向について対称であるため、一方の側部のみ図示し、他方の側部については図示を省略する。仮設桁14を取り付けるステップでは、まず、張出部10の下部に設けたレール13に対し、レール13に沿って走行可能な走行部材15を取り付ける。次に、走行部材15から吊り下げられた吊下部材16(例えば、チェーンなど)を介して、仮設桁14を走行部材15から吊り下げる。次に、吊り下げられた仮設桁14をレール13に沿って橋軸方向の所望の位置まで移動させる。その後、仮設桁14を回転させ(図7(A))、仮設桁14の外面14aが既設桁7の張出部10の張出方向と同一方向を向くように配置する。仮設桁14を所定の向きに配置した後、仮設桁14を既設桁7の本体部9の下方に移動させる(図7(B))。その後、仮設桁14の上部14bと既設桁7の本体部9の下部9bとをグラウト充填又はアンカー接合などの方法によって接合する。この作業を、仮設桁14が既設桁7の下部全体にわたって取り付けられるまで繰り返す。このようにレール13を利用して仮設桁14を所望の位置に移動させて配置することができるため、仮設桁14の取り付け作業は容易である。
次に、図2(D)に示すように、既設桁7を解体するための解体作業スペース17と、新桁11を製作するための製作作業スペース18とを形成する(スペース形成ステップ)。解体作業スペース17は、橋梁1の前端に位置する橋支持部4(橋台5)の前方に形成される。製作作業スペース18は、橋梁1の後端に位置する橋支持部4(橋台5)の後方に形成される。
次に、図3(E)に示すように、橋支持部4の前後にブラケット23を設置する(ブラケット23を設けるステップ)。ブラケット23はそれぞれ、少なくとも橋支持部4の前後方向に張り出している。
次に、図3(F)に示すように、橋支持部4の上部に、橋桁2を前方へ送り出すための送出装置19を設ける(送出装置19を設けるステップ)。より具体的には、作業者は、送出装置19を、橋支持部4の前方のブラケット23上に設ける。送出装置19は、反力架台20と、一端において反力架台20に接続され、他端において橋桁2を前方へ押し出す伸縮可能な水平ジャッキ21とを備えている。送出装置19は、仮設桁14または仮設桁14の下部に取り付けられたジャッキ受部材(図示せず)を押し出すことによって、橋桁2全体を前方に送り出すことができる。
次に、図3(G)に示すように、橋支持部4の上部に、既設桁7を橋軸方向にスライド可能に支持するスライド部材22を設ける(スライド部材22を設けるステップ)。より具体的には、作業者は、橋支持部4のブラケット23と既設桁7との間にプレート状のスライド部材22を設ける。これにより橋支持部4と橋桁2との間に生じる摩擦力が低減される。なお、本実施形態では橋支持部4の前方に送出装置19を設け、橋支持部4の後方にスライド部材22を設けているが、送出装置19及びスライド部材22はそれぞれ橋支持部4の前後いずれの側に設けられていてもよい。
次に、図4(H)に示すように、既設桁7の下縁に、橋軸方向に沿って延びる緊張材26を設ける(緊張材26を設けるステップ)。緊張材26は、橋支持部4の近傍部に圧縮応力を発生させるための部材(例えば、外ケーブル)である。既設桁7に緊張材26を設けることによって、既設桁7の曲げ耐力を向上させることができる。
次に、図4(I)に示すように、スライド部材22によって支持可能な状態で、橋脚6と既設桁7の柱頭部8とを切断する(切断ステップ)。これにより、既設桁7が橋軸方向に移動可能となるとともに、スライド部材22により支持される。また、ブラケット23を設けるステップの後に切断ステップを実施することにより、ブラケット23によって予め既設桁7を支持できるようにした状態で、橋脚6と既設桁7の柱頭部8とを切断する作業を開始することができる。更に、切断した部分にスライド部材22を設ける場合に比べ、スライド部材22を容易に且つ適切な位置に設けることができる。
次に、図4(J)に示すように、製作作業スペース18において新桁11の一部を製作し、橋桁2を延長させる(橋桁延長ステップ)。新桁11は、本実施形態では既設桁7と同一の不定断面形状を有している。作業者は、工場製作された複数のPCa部材を、橋梁1の後端に位置する橋支持部4(橋台5)によって支持された既設桁7又は新桁11からなる橋桁2の後端に橋桁2を後方へ延長させるように取り付け、新桁11の一部を製作する。その後、製作した新桁11の一部の下部に、桁高が一定となるように仮設桁14を取り付ける。これにより、仮設桁14を取り付けた既設桁7の下面と、新桁11の下面とが平坦になる。橋桁延長ステップでは、更に、レール13を取り付けるステップにて既設桁7に取り付けられたレール13を延長するとよい。より具体的には、既設桁7へのレール13の取り付けと同様に、新桁11の一部の橋軸直角方向にそれぞれ張り出す張出部10(図示せず)に、橋軸方向に沿って延びるレール13を取り付けるとよい。また、橋桁延長ステップでは、既設桁7に設けたものと同様の緊張材26を、製作した新桁11の一部にも設けるとよい。
次に、図5(K)に示すように、送出装置19を用いて新桁11の一部及び既設桁7を前方へ送り出す(送り出しステップ)。ここで、仮設桁14を取り付けたことによって既設桁7の下面と新桁11の下面とが平坦になっているため、作業者は既設桁7及び新桁11を同時に送り出すことができる。送り出しステップでは、送出装置19の水平ジャッキ21を繰り返し伸長させることによって送り出しを行う。1回の送り出しによって新桁11の一部及び既設桁7が前方へ送り出される距離(送出距離)は2つの橋脚間の径間長D1の約半分に相当する距離であるとよく、例えば、本実施形態では送出距離は約35mである。送り出しによって、送出距離と等しい長さの既設桁7の一部が解体作業スペース17に送り出される。橋支持部4にはスライド部材22が設けられているため、作業者は送り出しを容易に行うことができる。また、既設桁7を送り出すことによって、切断された既設桁7の柱頭部8が橋脚6と橋脚6との間に配置されても、既設桁7に緊張材26が設けられているため、既設桁7はひび割れ等の損傷を発生し難い。
次に、図5(L)に示すように、解体作業スペース17に送り出された既設桁7の一部を解体する(解体ステップ)。解体ステップでは、送り出された既設桁7の一部及び当該既設桁7の一部に取り付けられた仮設桁14を解体する。
この後、作業者は、橋桁延長ステップ、送り出しステップ及び解体ステップを繰り返す。これにより、既設桁7の一部が徐々に撤去されつつ新桁11の一部が徐々に架設される。ここで作業者は、解体ステップの最後に、解体した仮設桁14をレール13に吊り下げて解体作業スペース17から製作作業スペース18へ運搬し、更に、その後の橋桁延長ステップでは製作作業スペース18へ運搬された仮設桁14を再使用するとよい。これにより橋桁2の架け替えに必要な仮設桁14の数を削減することができる。また、仮設桁14の取り付けに使用したレール13を利用できるため、仮設桁14の運搬のために新たな手段を用意することなく仮設桁14を容易に運搬することができる。
橋桁2の架替作業中の任意の段階において、作業者は所望に応じて作業を中断し、図5(M)に示すように製作作業スペース18と解体作業スペース17とを一時的に仮埋めすることができる(仮埋めステップ)。より具体的には、作業者は製作作業スペース18及び解体作業スペース17にEPS(発泡スチロール)ブロックなどの仮埋め材24を充填し、その上面をアスファルト等の仮舗装材25によって仮舗装を行うことで仮埋めを行う。これにより、橋桁2の架替作業中であっても、必要に応じて車両が橋梁1を通行するように交通開放することが可能になる。
仮埋めステップ後、橋桁2の架替作業を再開するときには、図6(N)に示すように、図示しない仮舗装材25及び仮埋め材24を除去して架替作業を再開することができる(仮埋め材除去ステップ)。
橋桁延長ステップ、送り出しステップ及び解体ステップを繰り返すことにより全ての既設桁7の部分の撤去が完了すると、緊張材26、送出装置19、スライド部材22及びブラケット23を撤去し、図6(O)に示すように橋脚6と新桁11の柱頭部8との間に支承12を設けるとよい(支承12を設けるステップ)。これにより、新桁11の荷重が支承12を介して橋脚6に伝達されるため、橋桁2の架け替え後の橋梁1は、温度変化や地震による新桁11の変位に対応することができる。
最後に、新桁11に取り付けられている仮設桁14及びレール13を撤去することによって、図1(P)に示すように、橋梁1の橋桁2が新桁11に架け替えられる。
なお、支承12を設けるステップに代えて、橋脚6と新桁11の柱頭部8とを剛結合してもよい(剛結合するステップ)。これにより、図8に示すように、既設桁7(図1)の支持構造と新桁11の支持構造とが同一になる。これにより、橋桁2の架け替え後も景観を維持することができる。
以上説明したように、本実施形態では、仮設桁14を取り付けるステップと、スペース形成ステップと、橋桁延長ステップと、送出装置19を設けるステップと、送り出しステップと、解体ステップとを実施し、橋桁延長ステップと送り出しステップと解体ステップとを繰り返すことにより、既設桁7の下面の形状によらず、既設桁7を送り出しながら既設桁7を新桁11に架け替えることができる。また簡易な構成で作業を行うことができるため、橋桁2を架け替えるために必要な工期を短縮することができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、複数の送出装置19が各橋支持部4に設けられていたが、1つの送出装置19が製作作業スペース18に設けられて新桁11の一部及び既設桁7を前方へ押し出す構成、または解体作業スペース17に設けられて新桁11の一部及び既設桁7を前方へ引き出す構成であってもよい。また、上記実施形態では、橋桁延長ステップにて新桁11に緊張材26を設けたが、新桁11が充分な曲げ耐力を有している場合には緊張材26を設ける必要はない。更に、各ステップは必ずしも本明細書に記載された順番で実施される必要はなく、2以上のステップが並行して実施されてもよい。この他、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、素材、製造方法など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更することができる。一方、上記実施形態に示した各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。
1 橋梁
2 橋桁
4 橋支持部
5 橋台
6 橋脚
7 既設桁
8 柱頭部
10 張出部
11 新桁
12 支承
13 レール
14 仮設桁
17 解体作業スペース
18 製作作業スペース
19 送出装置
22 スライド部材
23 ブラケット
26 緊張材
D1 径間長
D2 径間長

Claims (11)

  1. 橋脚又は橋台からなり、複数の径間を形成する複数の橋支持部と、前記橋支持部によって支持されて複数の前記径間にわたって連続し、桁高が橋軸方向に変化する不定断面形状を有する連続桁形式の既設桁とを有する橋梁において、前記既設桁を撤去して新桁を架設する橋桁架替工法であって、
    前記既設桁の下部に、前記桁高が一定となるように仮設桁を取り付けるステップと、
    前記橋梁の前端に位置する前記橋支持部の前方に、前記既設桁の前記橋軸方向の一部を載置して解体するための解体作業スペースを形成し、前記橋梁の後端に位置する前記橋支持部の後方に、前記新桁の前記橋軸方向の一部を製作するための製作作業スペースを形成するスペース形成ステップと、
    前記製作作業スペースにて、前記後端に位置する前記橋支持部によって支持された前記既設桁又は前記新桁からなる橋桁の後端から後方へ延長させるように前記新桁の一部を製作し、前記橋桁を延長させる橋桁延長ステップと、
    前記製作作業スペースに製作された前記新桁の前記一部及び前記既設桁を前記前方へ送り出すための送出装置を設けるステップと、
    前記送出装置を用いて、前記新桁の前記一部及び前記既設桁を前記前方へ送り出す送り出しステップと、
    前記解体作業スペースに送り出された前記既設桁の一部を解体する解体ステップとを含み、
    前記橋桁延長ステップと前記送り出しステップと前記解体ステップとを繰り返し、前記既設桁を撤去して前記新桁を架設することを特徴とする橋桁架替工法。
  2. 前記既設桁は、前記橋脚と前記既設桁の一部をなす柱頭部とが剛結合された連続箱桁であり、
    前記橋脚の上部に、前記既設桁を前記橋軸方向にスライド可能に支持するスライド部材を設けるステップと、
    前記スライド部材によって支持可能な状態で、前記橋脚と前記既設桁の前記柱頭部とを切断する切断ステップとを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の橋桁架替工法。
  3. 前記スライド部材を設けるステップでは、前記橋脚の前後方向の少なくとも一方にブラケットを設け、前記ブラケットと前記既設桁との間に前記スライド部材を設けることを特徴とする請求項2に記載の橋桁架替工法。
  4. 前記切断ステップより前に、前記既設桁の下縁に、前記橋軸方向に沿って緊張材を設けるステップを更に含むことを特徴とする請求項2または3に記載の橋桁架替工法。
  5. 前記新桁は、前記橋支持部によって支持されて複数の前記径間にわたって連続し、桁高が前記橋軸方向に変化する不定断面形状を有する連続桁形式の橋桁であり、
    前記橋桁延長ステップでは、前記新桁の一部の下部に、前記桁高が一定となるように前記仮設桁を取り付けることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の橋桁架替工法。
  6. 前記仮設桁は、前記橋軸方向に沿って所定の長さに分割され、
    前記仮設桁を取り付けるステップの前に、前記既設桁の橋軸直角方向にそれぞれ張り出す張出部に、前記橋軸方向に沿って延びるレールを取り付けるステップを更に含み、
    前記仮設桁を取り付けるステップでは、前記レールに沿って移動可能に吊り下げられた前記仮設桁を所望の位置まで移動させて前記既設桁の下部に取り付けることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の橋桁架替工法。
  7. 前記橋桁延長ステップでは、前記解体ステップにて前記既設桁の前記一部から解体された前記仮設桁を転用することを特徴とする請求項6に記載の橋桁架替工法。
  8. 前記橋桁延長ステップでは、前記レールを延長するように、前記新桁の一部の前記橋軸直角方向にそれぞれ張り出す張出部に、前記橋軸方向に沿って延びるレールを取り付け、前記解体ステップにて前記既設桁の前記一部から解体された前記仮設桁を、前記レールを介して前記解体作業スペースから前記製作作業スペースに運搬することを特徴とする請求項7に記載の橋桁架替工法。
  9. 前記橋桁延長ステップと前記送り出しステップと前記解体ステップとを繰り返した後に、前記橋脚と前記新桁の柱頭部との間に支承を設けるステップを更に含むことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の橋桁架替工法。
  10. 前記橋桁延長ステップと前記送り出しステップと前記解体ステップとを繰り返した後に、前記橋脚と前記新桁の柱頭部とを剛結合するステップを更に含むことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の橋桁架替工法。
  11. 前記新桁の架設が完了する前に車両が前記橋梁を通行することを可能にするために、前記製作作業スペースと前記解体作業スペースとを一時的に埋める仮埋めステップと、
    前記新桁の架設を再開するために、仮埋めされた前記製作作業スペースと前記解体作業スペースとにある仮埋め材を除去する仮埋め材除去ステップとを更に含むことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の橋桁架替工法。
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