JP7445689B2 - 脂肪分解促進剤 - Google Patents

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Description

本発明は、脂肪分解促進剤に関する。
体脂肪は消費エネルギーに対し摂取エネルギーが過剰である場合に、その過剰分が、白色脂肪細胞の中性脂肪として蓄積して生じるものである。過剰な脂肪の蓄積によって肥満となり、その結果、この肥満は様々な生活習慣病の原因となるばかりでなく、美容面でも大きな問題となっている。体脂肪のうち内臓脂肪としての蓄積が大きい肥満は、インスリン抵抗性や動脈硬化などの病態との関係が指摘され、また、皮下脂肪として蓄積が大きい肥満は美容の観点から男女を問わず大きな関心事となっている。
従来から、肥満の予防と改善については、食事制限、消化管における糖質吸収阻害物質の探索等、摂取エネルギーを制限するような様々な対策が行われてきた。しかし、エネルギー摂取の制限は基礎代謝量を低下させる要因にもなり、肥満が改善されないことがある。また、エネルギー摂取の制限によって必要な栄養が不足し、健康を害することもある。そのため、肥満を解消するためには、蓄積された脂肪を積極的に分解して熱エネルギーとして発散することが理想的であると考えられるようになってきている。このような状況下、近年、食品素材中から脂肪分解促進作用を有する機能性成分の探索が活発に行われ、多くの脂肪分解促進剤及び飲食品が提案されている。
例えば、サケ白子抽出物、ビール酵母抽出物、大麦若葉エキス、及びトリコラーゲン(チキンコラーゲン)を組み合わせて調製した混合物が、優れた脂肪分解促進作用を有すること(特許文献1:特開2011-074051)、カバノキ科シラカバの抽出物及びイネ科クマザサの抽出物の少なくともいずれかが、全身あるいは局所の脂肪組織における脂肪の分解の促進を通じて肥満体質の改善、及び脂肪組織の増大を防止すること(特許文献2:特開2006-045120)、セイヨウネズ等の特定の植物又はその抽出物が、脂肪組織に蓄積された中性脂肪の分解を促進し、肥満の抑制、防止又は改善等の痩身効果を発揮する医薬、食品又は化粧料として有用であること(特許文献3:特開2012-229266)等が知られている。しかし、これらの植物の抽出物等の脂肪分解効果は十分とはいえないのが現状である。また特許文献4には、甘草疎水性抽出物と、抗酸化成分等を組み合わせた組成物が、体脂肪蓄積抑制、体脂肪分解促進およびエネルギー産生促進効果を奏することが開示されているが、甘草疎水性抽出物のみでは十分な脂肪分解促進効果は得られていない。
特開2011-074051号 特開2006-045120号 特開2012-229266号 国際公開公報2008/143182号
本発明が解決しようとする課題は、脂肪分解促進作用に優れる新規の脂肪分解促進剤を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、甘草の含水エタノール抽出物中の特定の成分である「グリアスペリンB」が、優れた脂肪分解促進作用を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]グリアスペリンBを有効成分として含有する、脂肪分解促進剤。
[2]上記グリアスペリンBが、甘草抽出物由来である、[1]に記載の脂肪分解促進剤。
[3]上記甘草抽出物が、甘草の含水エタノール抽出物である、[2]に記載の脂肪分解促進剤。
[4]上記含水エタノール中のエタノール濃度が、0.1%(v/v)~99.9%(v/v)である、[3]に記載の脂肪分解促進剤。
[5]上記含水エタノール中のエタノール濃度が、30%(v/v)~70%(v/v)である、[4]に記載の脂肪分解促進剤。
[6]グリアスペリンBの含有量が、0.00001質量%~50質量%である、[1]から[5]のいずれかに記載の脂肪分解促進剤。
本発明の脂肪分解促進剤は、グリアスペリンBを有効成分として含有することにより、優れた脂肪分解促進作用を奏する。本発明の脂肪分解促進剤を用いることで、脂肪細胞中の脂肪を効率よく分解し、皮下脂肪、内臓脂肪等の体脂肪を減少させることができる。よって、本発明の脂肪分解促進剤によると、肥満や生活習慣病を長期的に予防し、また改善することができ、健康の維持・増進を実現することができる。
カンゾウ抽出物及びグリアスペリンBの脂肪分解促進効果を示す図である。 カンゾウ抽出物の体重、BMI及び内臓脂肪レベルへの効果を示す図である。
以下に、本発明の脂肪分解促進剤について詳細に説明する。
<脂肪分解促進剤>
本発明の脂肪分解促進剤は、グリアスペリンBを有効成分として含有する。本発明の脂肪分解促進剤は、必須成分であるグリアスペリンBに加えて、本発明の効果を損なわない範囲でその他の成分を含有していてもよい。以下に、本発明の脂肪分解促進剤が含むグリアスペリンB、及びその他の成分、本発明の脂肪分解促進剤の形態等について説明する。
(グリアスペリンB)
グリアスペリンB(Glyasperin B、以下「GB」ともいう)は、下記式で表される、イソフラバノン誘導体である。3-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-5-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-6-(3-メチル-2-ブテニル)-7-メトキシ-4H-1-ベンゾピラン-4-オン、3-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-5-ヒドロキシ-6-(3-メチル-2-ブテニル)-7-メトキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-オン、又は3-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-5-ヒドロキシ-7-メトキシ-6-(3-メチルブタ-2-エン-1-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-オンとも表される。
Figure 0007445689000001
グリアスペリンBは、甘草抽出物中に含まれることが確認されている成分であり、本発明におけるグリアスペリンBとしても、甘草抽出物由来のものが好ましい。これまで、甘草抽出物が脂肪分解促進効果を奏することは知られており、甘草抽出物中に多く含まれるグラブリジンが脂肪分解促進効果を奏する可能性を示唆する文献は存在した(特許文献4等参照)。しかしながら、甘草抽出物中のどの成分が脂肪分解促進作用を奏するのかは明らかではなかった。今回、本発明者らは、甘草抽出物中に多数存在する成分のうち、グリアスペリンBが脂肪分解促進効果を奏することを初めて見出し、このグリアスペリンBを有効成分として含有する脂肪分解促進剤の発明を完成させた。
本発明におけるグリアスペリンBは、甘草に由来するものであってもよいし、化学合成品であってもよい。
上記甘草の種類は特に限定されないが、マメ科グリキルリーザ(Glycyrrhiza)属の植物、例えば、グリキルリーザ ウラレンシス(G.uralensis Fisch.et DC;ウラルカンゾウ)、グリキルリーザ インフラータ(G.inflata BAT.;チョウカカンゾウ)、グリキルリーザ グラブラ(G.glabra L.;ヨウカンゾウ)、グリキルリーザ グラブラ(G.glabra L.var glandu rifera Regel et Herder;ナンキンカンゾウ)、グリキルリーザ アスペラ(G.aspera)、グリキルリーザ エチナータ(G.echinata L.;シナカンゾウ)、グリキルリーザ パリディフローラ(G.pallidiflora Maxim;イヌカンゾウ)等が挙げられる。
甘草に由来するグリアスペリンBを取得する方法としては、甘草抽出物から精製する方法が挙げられる。甘草抽出物とは、具体的には、甘草の全草、又は一部(例えば、根、茎、ストロン、葉、花、果実等)の粉砕物を溶媒で抽出した甘草抽出物であり、得られた甘草抽出物を噴霧乾燥、凍結乾燥したものでもよい。上記抽出溶媒としては、水、もしくはメタノール、エタノール等のアルコール類、又は水とアルコール類もしくはアセトン等のケトン類との混合溶媒等が挙げられる。これらのうち、抽出溶媒としては、水、アルコール、含水アルコールが好ましく、熱水、エタノール、含水エタノールがより好ましい。
上記含水アルコールのアルコール濃度は、0.1質量%~99.9質量%であり、10質量%~99.9質量%であることが好ましく、30質量%~70質量%であることがより好ましく、40質量%~60質量%であることが更に好ましく、50質量%であることが特に好ましい。或いは、0.1%(v/v)~99.9%(v/v)であり、10%(v/v)~99.9%(v/v)であることが好ましく、30%(v/v)~70%(v/v)であることがより好ましく、40%(v/v)~60%(v/v)であることが更に好ましく、50%(v/v)であることが特に好ましい。
上記甘草抽出物の乾燥品に蒸留水を加えて溶解し、甘草抽出物水溶液を調製する。この水溶液の容量に対して半量の酢酸エチル等の有機溶媒を加えて混和し二層に分離した状態とし、そこから酢酸エチル等の有機溶媒層を回収する操作を複数回、好ましくは3回程度繰り返す。得られた有機溶媒層に無水硫酸ナトリウムを加えた後、ろ過をすることで有機画分を得ることができる。有機画分をエバポレーターにて濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフにて、ヘキサン:酢酸エチル=1:1(v/v)等で溶出した画分を、ODSカラムを用いた高速液体クロマトグラフ(アセトニトリル:水=60:40,45:55(いずれもv/v))により精製を繰り返すことで、化合物(グリアスペリンB)を得ることができる。
本発明の脂肪分解促進剤におけるグリアスペリンBの含有量は、0.00001質量%~50質量%であり、0.0001質量%~20質量%であることが好ましく、0.0005質量%~10質量%であることがより好ましく、0.001質量%~5質量%であることがさらに好ましい。
(その他の成分)
本発明の脂肪分解促進剤は、グリアスペリンBに加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、担体、賦形剤、溶媒、その他の任意成分を含有してもよい。
本発明の脂肪分解促進剤は、グリアスペリンBを含有する際に、上述のような甘草抽出物から精製されたグリアスペリンBや、化学合成品であるグリアスペリンBを配合してもよいし、最終的に脂肪分解促進剤におけるグリアスペリンBの含有量が上記数値範囲となるように、甘草抽出物を配合してもよい。甘草抽出物中に脂肪分解作用を阻害(抑制)する成分が含まれている可能性が考えられるため、本発明の脂肪分解促進剤は、グリアスペリンBを含有する際に、上述のような甘草抽出物から精製されたグリアスペリンBや、化学合成品であるグリアスペリンBを配合したものであることが好ましい。また、本発明の脂肪分解促進剤は、脂肪分解促進作用の観点から、グリアスペリンBの含有量が上記数値範囲内となると共に、グリアスペリンB以外の甘草由来成分を含有しないか、又はグリアスペリンB以外の甘草由来成分を含む場合には、日本薬局方における甘草エキスの定量指標であるグリチルリチン酸を比較基準として、グリアスペリンBの含有量とグリチルリチン酸の含有量の比(グリアスペリンBの含有量をグリチルリチン酸の含有量で除した値)が、0.001以上であることが好ましい。
本発明の脂肪分解促進剤は、飲食品、機能性表示食品、特定保健用食品、栄養機能食品、化粧品、医薬部外品、医薬品又は化粧料等として、脂肪を効率よく分解し、皮下脂肪、内臓脂肪等の体脂肪を減少させるために用いられる。
本発明の脂肪分解促進剤を飲食品として調製する場合、グリアスペリンBの他に、甘味料、着色料、保存料、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤(防ばい剤)、イーストフード、ガムベース、香料、酸味料、調味料、乳化剤、pH調整剤、かんすい、膨脹剤、栄養強化剤、その他飲食品素材等を混合して、所望の形態に調製すればよい。本発明の脂肪分解促進剤を飲食品形態にする場合、その形態については、特に制限されるものではない。一例として、ゲル状剤、顆粒、細粒、カプセル、錠剤、粉末、液剤、半固形剤等のサプリメントタイプの食品;炭酸飲料、清涼飲料、乳飲料、アルコール飲料、果汁飲料、茶類、栄養飲料等の飲料;粉末ジュース、粉末スープ等の粉末飲料;ガム、タブレット、キャンディー、クッキー、グミ、せんべい、ビスケット、ゼリー等の菓子類;パン、麺類、シリアル、ジャム、調味料等が例示される。これらの食品は、脂肪を効率よく分解し、皮下脂肪、内臓脂肪等の体脂肪を減少させるための飲食品として使用され、例えば、一般の飲食品の他、栄養補助食品、機能性表示食品、特定保健用食品、病者用食品等のニュートラシューティカルとしても使用できる。
本発明の脂肪分解促進剤を医薬品(医薬部外品を含む)として調製する場合、グリアスペリンBの他に、必要に応じて、他の薬効成分、薬学的に許容される担体や添加剤等を任意に配合してもよい。薬学的に許容される担体及び添加剤としては、具体的には、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、湿潤化剤、緩衝剤、保存剤、香料等が例示される。本発明の脂肪分解促進剤を医薬品として調製する場合、その形態については、特に制限されるものではない。一例として、注射剤、外用剤、吸入剤、座剤、フィルム剤、トローチ剤、液剤、散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、点眼剤、洗眼剤、点鼻剤等を挙げることができる。これらの中でも、経口投与に適した形態(即ち、内服用医薬品)が好ましく、かかる形態として具体的にはトローチ剤、液剤、散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤等を挙げることができる。これらの医薬品(医薬部外品を含む)は、脂肪を効率よく分解し、皮下脂肪、内臓脂肪等の体脂肪を減少させるための医薬品として使用される。
本発明の脂肪分解促進剤を化粧料(機能性化粧料を含む)又は外用医薬部外品として調製するには、グリアスペリンBに加えて、薬学的又は化粧学的に許容される担体(水、油性成分等)を配合して、所望の形態に調製すればよい。上記化粧料は、皮膚に適用可能である限り、その形態については、特に制限されるものではない。一例として、液状、乳液状、粉末状、固形状、懸濁液状、クリーム状、軟膏状、ムース状、顆粒状、錠剤状、ゲル状、ゼリー状、ペースト状、ジェル状、エアゾール状、スプレー状、リニメント剤、パック剤等の形態を挙げることができる。これらの化粧料は、脂肪を効率よく分解し、皮下脂肪等を減少させるための化粧料として使用される。
本発明の脂肪分解促進剤の用量、適用量は、使用する人の年齢、体重、健康状態、肥満度、疾患の状態等によって適宜決定することができるが、例えば、成人1日当たり、グリアスペリンBの総量換算で、0.1μg~5000μg、好ましくは0.5μg~1000μg、より好ましくは1μg~500μg、さらに好ましくは5μg~100μgを使用する。
以下に実施例を示して本発明を更に詳しく説明するが、本発明の範囲をこれらに限定するものではない。
<試験1>グリアスペリンBの調製
カンゾウ抽出物1gあたり10mlの蒸留水を加えて溶解させカンゾウ抽出物水溶液を調製した。この水溶液の容量に対して半量の酢酸エチルを加えて混和し二層に分離した状態とし、そこから酢酸エチル層を回収する操作を3度繰り返した。得られた酢酸エチル層に無水硫酸ナトリウムを加えた後、ろ過をすることで有機画分を得た。有機画分をエバポレーターにて濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフにて、ヘキサン:酢酸エチル=1:1(v/v)で溶出した画分を、ODSカラムを用いた高速液体クロマトグラフ(アセトニトリル:水=60:40,45:55(いずれもv/v))により精製を繰り返すことで、化合物(グリアスペリンB)を得た。ここで得られたグリアスペリンB(GB)を以下のマウス前駆脂肪細胞3T3-L1を使用した試験において被験物質として用いた。
なお、上記カンゾウ抽出物は、以下の方法によって得られたものである。即ち、甘草の茎、根及びストロンの部分を粉砕し、甘草粉末を得た。甘草粉末50gを20℃で含水50%エタノール500mLを用いて抽出して得られた抽出物を凍結及びエバポレーターにて乾燥し、甘草の含水50%エタノール抽出物を得た。
化合物のスペクトルデータは以下に示す通りであり、文献(Zeng L. et al., Heterocycles 34:575-587(1992))においてGlycyrrhiza属植物より単離報告がなされているグリアスペリンBのスペクトルデータと非常によい一致を示しており、構造情報との矛盾が認められないことから、化合物がグリアスペリンB(GB)であると同定した。
1H-NMR(重アセトン)ppm:1.63(3H, s), 1.74(3H, s), 3.24(2H, d, J=7.0 Hz), 3.90(3H, s), 4.27(1H, dd, J=5.5及び10.5 Hz), 4.48(1H, dd, J=5.0及び11.5 Hz), 4.62(1H, t, J=10.5 Hz), 5.17(1H, t, J=7.0 Hz), 6.13(1H, s), 6.33(1H, dd, J=2.0及び8.5 Hz), 6.45(1H, d, J=2.0 Hz), 6.94(1H, d, J=8.5Hz), 8.30(1H, bs), 8.63(1H, bs), 12.48(1H, s)
13C-NMR(重アセトン)ppm:17.6, 21.4, 25.7, 47.2, 56.2, 71.0, 91.3, 103.5, 103.7, 107.6, 109.7, 113.5, 123.3, 131.1,131.5, 156.8, 158.7, 161.1, 162.7, 165.8, 198.7
ESI+-MS m/z:393.13059[M+Na]+(計算値、C21H22O6Na:393.13086)
カンゾウ抽出物に含まれるグリアスペリンB(GB)は、以下に詳細を記載する高速液体クロマトグラフ法により定量した。その結果、グリアスペリンB(GB)の含有量は、甘草抽出物1gあたり132.6μgであった。また、上記カンゾウ抽出物に含まれるグリチルリチン酸は、甘草抽出物1gあたり123mgであり、グリアスペリンB(GB)含有量/グリチルリチン酸含有量の値(比)は、0.00107であった。
(グリアスペリンB(GB)の分析条件)
カラム;TSKgel ODS-100V 5μm(東ソー)4.6mm(内径)×150mm(長さ)
カラム温度;40℃、移動相;アセトニトリル:水=45:55(v/v)
流速;1ml/min
検出波長;290nm
GBの保持時間;33.2分
<試験2>カンゾウ抽出物及びグリアスペリンB(GB)の脂肪分解効果の検討
マウス前駆脂肪細胞3T3-L1を、分化誘導培地(0.5mM Isobutyl-methylxanthine、1μM Dexamethasone、1μg/mL Insulin in 10%FBS/DMEM)にて2日間培養した後、1μg/mLのInsulinを含有する10%FBS/DMEM培地に交換して7日間培養した。被験物質(カンゾウ抽出物及びGB)は分化誘導開始から9日目において添加し、その後19時間培養した。カンゾウ抽出物としては、試験1で用いたカンゾウ抽出物を用い(最終濃度100μg/mL、200μg/mL、300μg/mL)、GBとしては、試験1で調製したGBを用いた(最終濃度13.5ng/mL、27ng/mL、40ng/mL)。各群3例として試験を行った。細胞中に蓄積している中性脂肪が分解して培地中に放出されるグリセロールを、ラボアッセイ(TM)トリグリセライド(富士フィルム和光純薬)にて定量した。結果を図1に示す。グリセロール量は、平均値±標準偏差で示した。図1中の各符号は以下を示す。** p<0.01 vs.無処置(Student’s t検定)。
図1に示すとおり、GBの濃度依存的に放出されるグリセロール量が増加しており、細胞内の脂肪分解がGBの濃度依存的に起こることが示され、GBは脂肪細胞の脂肪分解促進作用を有することがわかった。一方、カンゾウ抽出物によっても脂肪細胞からグリセロールが放出されたが、カンゾウ抽出物の濃度が300μg/mLの場合には、100μg/mLや200μg/mLの場合よりも放出されるグリセロール量が減少した。なお、カンゾウ抽出物のそれぞれの濃度100μg/mL、200μg/mL、300μg/mLは、含まれるGB量に換算するとそれぞれ13.5ng/mL、27ng/mL、40ng/mLとなる。カンゾウ抽出物でも優れた脂肪分解効果を奏するが、その濃度が高くなると脂肪分解効果が低減することから、カンゾウ抽出物中には、種々の成分が含まれており、その中には脂肪分解を阻害する成分が含まれている可能性が示唆された。このことから、より高い脂肪分解効果を得るためには、カンゾウ抽出物よりもGBの精製品を用いる方が好ましいといえる。
<試験3>カンゾウ抽出物の体重、BMI及び内臓脂肪レベル(内臓脂肪蓄積の指標値)への効果
被験者(59歳の男性1名)は、試験1で用いたカンゾウ抽出物を一日あたり200mg、100日間摂取した。被験者には記録用紙を渡し、タニタの体組成計にて測定した体重、BMI及び内臓脂肪レベルをカンゾウ抽出物の摂取開始前(0日目)、摂取30日目、摂取45日目、摂取72日目、摂取83日目、摂取92日目及び最終摂取日翌日(101日目)に記録させた。摂取開始前からの体重、BMI及び内臓脂肪レベルの変化量を図2に示す。
図2に示すとおり、GBを含むカンゾウ抽出物を摂取することにより、先行して内臓脂肪レベルが低下し、追って体重およびBMIが低下することが示された。上記試験2の結果と考え合わせると、カンゾウ抽出物中のGBが脂肪細胞中の脂肪を効率よく分解し、内臓脂肪等の体脂肪を減少させたものと考えられた。
本発明の脂肪分解促進剤は、グリアスペリンBを有効成分として含有することにより、優れた脂肪分解促進作用を奏する。本発明の脂肪分解促進剤を用いることで、脂肪細胞中の脂肪を効率よく分解し、皮下脂肪、内臓脂肪等の体脂肪を減少させることができる。よって、本発明の脂肪分解促進剤によると、肥満や生活習慣病を長期的に予防し、また改善することができ、健康の維持・増進を実現することができる。

Claims (8)

  1. グリアスペリンBを有効成分として含有する、脂肪分解促進剤。
  2. 上記グリアスペリンBが、甘草抽出物由来である、請求項1に記載の脂肪分解促進剤。
  3. 上記甘草抽出物が、甘草の含水エタノール抽出物である、請求項2に記載の脂肪分解促進剤。
  4. 上記含水エタノール中のエタノール濃度が、0.1%(v/v)~99.9%(v/v)である、請求項3に記載の脂肪分解促進剤。
  5. 上記含水エタノール中のエタノール濃度が、30%(v/v)~70%(v/v)である、請求項4に記載の脂肪分解促進剤。
  6. グリアスペリンBの含有量が、0.00001質量%~50質量%である、請求項1から5のいずれか1項に記載の脂肪分解促進剤。
  7. グリアスペリンB量として1日あたり5μg~100μgで投与される、請求項1から6のいずれか1項に記載の脂肪分解促進剤。
  8. グリチルリチン酸を含有しないか、又はグリチルリチン酸を含有する場合にはグリアスペリンBの含有量をグリチルリチン酸の含有量で除した値が0.001以上である、請求項1から7のいずれか1項に記載の脂肪分解促進剤。
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J. Nutri.,2003年,vol.133, no.11,pp.3369-3377
天然有機化合物討論会講演要旨集,2003年,vol.45, no.50(P-15),pp.293-298

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