JP7440763B2 - サイドシル構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の側面衝突において、高い衝撃吸収性能と軽量性を両立するサイドシル構造に関する。
自動車のサイドシルは、キャビン下部を構成し、車両幅方向外側に配置され、車両長方向に延伸する部材である。サイドシルの車両長方向を法線方向とする断面は略ハット形状のアウターとインナーから構成されるものが一般的である。サイドシルは、アウターが略ハット形状の凸部が車両幅方向の外側に向き、一方、インナーが略ハット形状の凸部が車両幅方向の内側に向き配置される閉断面構造を有し、アウターとインナーはそれぞれのフランジで結合される。サイドシルは車両幅方向に延伸するクロスメンバーと呼ばれる骨格部材で一般的に支持される。
自動車の側面衝突時、特にポール側突時には、クロスメンバー等で支持されたサイドシルには曲げ負荷が入力され、それによりサイドシルが塑性変形することで衝撃吸収する。
従来のサイドシル構造として、特許文献1および特許文献2に記載されたものがある。
特許文献1には、サイドシルの閉断面内に板状補強部材を配置し、トラス構造とすることで、衝撃吸収性能を高める技術が開示されている。特許文献2にはサイドシルの断面内に補強板を有し、補強板は車両長方向のセンターピラーが配置される位置に複数の穴を有し、複数の穴はそれぞれ三角形の開口周縁部を有し、開口周縁部には補強板の厚さ方向に折り曲げられた環状の段部が形成されることで、車体上下、前後、傾斜荷重の剛性を高めることを想定した技術が開示されている。
特開2007-62410号公報 特開2017-39338号公報
しかしながら、特許文献1には板状補強部材の配置に関しての開示はあるものの,板状補強部材の形状に関する開示はなく、衝突性能と軽量性のバランスを高める余地がある。
また、特許文献2には、補強板は車両長方向のセンターピラーが配置される位置に複数の穴を有し、穴の開口周縁部には補強板の厚さ方向に折り曲げられた環状の段部が形成されることで、車体上下、前後、傾斜荷重の剛性を高めることを想定した技術が開示されているものの、側面衝突、特にポール側突のように、衝突位置がセンターピラー位置以外の場合に、その断面の変形挙動および衝突性能と質量のバランスに優れることは開示されていないし、その効果が定量的にも開示されていない。また、車両長方向のセンターピラーが配置される位置において、補強板に穴が設けられていると、補強部材の面外変形の抵抗が低下し、衝突時の衝撃吸収性能が低下する問題がある。さらに、特許文献2では、傾斜荷重の剛性を高めるため、複数の穴はそれぞれ三角形の開口周縁部を有する。そのため、穴形状は、車両幅方向および車両長方向に平行な面に対して非対称となる。この非対称性により、穴の弱部側のサイドシルの天面、側面および補強板が大きく変形し、衝突性能と質量のバランスの向上効果への懸念がある。
本発明では、従来のサイドシルに比べ、衝突時の高い衝撃吸収性能と軽量性を両立したサイドシル構造を提供することを目的とする。
本発明者らは、サイドシルが車両幅方向に延伸するクロスメンバーで支持され,ポールで衝突する状況を想定したサイドシルの3点曲げ衝突評価を行った。
サイドシルおよび補強部材の衝突時の変形状態を詳細に観察し,その上でサイドシル補強部材の形状を誠心誠意検討した結果、以下の知見が得られた。
補強部材に車両長方向においてセンターピラー位置以外に少なくとも1つの穴を設け、その穴縁周りに縦壁を設けることで、補強部材の面外変形の抵抗が高まり、上記課題を解決できる。
本発明は以下に列記の通りである。
(1)自動車のキャビン下部を構成し車両幅方向の外側に配置され車両長方向に延伸するサイドシルの構造であって、前記サイドシルの車両長方向を法線とする断面は多角形形状を有する閉断面であり、前記サイドシルの断面内には略平板を基本形状とし車両上下方向に架け渡される補強部材が配置されており,前記補強部材には車両長方向においてセンターピラー位置以外に少なくとも一つ以上の穴が設けられており、前記補強部材の穴縁周りに車両幅方向と略平行に縦壁が設けられたことを特徴とするサイドシル構造。
(2)前記補強部材の穴縁周りの縦壁の端部が車両幅方向で車両内側に配置されたことを特徴とする上記(1)に記載のサイドシル構造。
(3)車両長方向において前記センターピラーの位置には前記穴が設けられていないことを特徴とする上記(1)または(2)に記載のサイドシル構造。
)前記補強部材の穴縁周りの縦壁高さhと、前記補強部材の穴縁周りの縦壁の立ち上がり稜線部の曲率半径Rwと、前記補強部材の穴縁周りの縦壁の立ち上がり稜線部の曲率止まりの径Dhとの関係が、h≧5mm、かつ、Dh/(Dh-2h-πRw)≦1.40を満たすことを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載のサイドシル構造。
)前記補強部材の少なくとも一つ以上の前記穴の内、隣接する前記穴の間の中心がクロスメンバー間の中央に配置されたことを特徴とする上記(1)~()のいずれかに記載のサイドシル構造。
)略ハット形状のアウター、略ハット形状のインナー、および前記補強部材から構成され、前記アウターと前記インナーがフランジで結合され、前記補強部材が前記アウターの側面および前記インナーの側面に結合され、かつ、前記フランジに対し車両幅方向で20mm以下の距離で結合されていることを特徴とする上記(1)~()のいずれかに記載のサイドシル構造。
)略ハット形状のアウター、略ハット形状のインナー、および前記補強部材から構成され、前記補強部材が前記アウターと前記インナーのフランジで結合されることを特徴とする上記(1)~()のいずれかに記載のサイドシル構造。
)前記サイドシルが引張強度780MPa以上の鋼板からなることを特徴とする上記(1)~()のいずれかに記載のサイドシル構造。
本発明によれば、衝突時の高い衝撃吸収性能と軽量性を両立したサイドシル構造を提供することができる。
本発明のサイドシルを示す図である。 従来のサイドシルの断面を示す図である。 本発明の第1の実施形態のサイドシルの断面を示す図である。 本発明の第2の実施形態のサイドシルの断面を示す図である。 本発明の第1の実施形態の補強部材を示す図である。 本発明の第1の実施形態の補強部材の断面を示す図である。 本発明の第3の実施形態の補強部材を示す図である。 従来のサイドシルの変形を示す図である。 本発明の第1の実施形態のサイドシルの変形を示す図である。 本発明の第2の実施形態のサイドシルの変形を示す図である。 3点曲げの評価条件を示す図である。 比較例と実施例のエネルギー吸収効率を示す図である。 補強部材穴縁周りの縦壁の高さとエネルギー吸収効率の関係を示す図である。
以下,本発明の実施形態に係るサイドシル構造について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1に示すように、サイドシル1はフロアパネル10の上部に配置されるクロスメンバー11に支持される。ポール側突時にサイドシル1はクロスメンバー11に支持された曲げ負荷により塑性変形し衝撃吸収する。
この曲げ負荷において、サイドシル1が最も塑性変形抵抗が得難い条件は複数配置されたクロスメンバー11の中央の位置でポールが衝突する場合であるため、この条件において、塑性変形抵抗、すなわち、エネルギー吸収と軽量性を両立させることが重要である。
図3の第一の実施形態に示すように、サイドシル1はアウター2とインナー3と補強部材4で構成される。アウター2は略ハット形状であり凸部、すなわちアウター天面2aが車両幅方向Wの外側を向いて、インナー3は略ハット形状であり凸部、すなわちインナー天面3aが車両幅方向Wの内側を向いて配置され閉断面を形成している。アウター2とインナー3はアウターフランジ2cとインナーフランジ3cで結合される。結合には例えばスポット溶接を用いる。
補強部材4はアウター2とインナー3で形成される断面内に配置される。補強部材4は、略平板形状で、図3に示す第一の実施形態では、補強部材4はアウターフランジ2cとインナーフランジ3cにそれぞれ結合される。結合には例えばスポット溶接を用いる。さらに、補強部材4には少なくとも一つ以上の補強部材穴4aが設けられている。補強部材穴4aは、車両長方向Lにおいてセンターピラー位置以外に設けられている。つまり、車両長方向Lにおいてセンターピラーの位置には、補強部材穴4aが設けられていない。図5の一点鎖線は隣接するクロスメンバー11間の中央を示しており、すなわち、一つの補強部材穴4aの中心はクロスメンバー11間の中央に配置されている。さらに、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bが補強部材穴4aから略車両幅方向と平行になるように設けられ、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの端部は、アウター2側に位置している。一方、図2は、従来のサイドシル100の断面を示す図である。図2に示す従来のサイドシル100では、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bは設けられていない。
図8に示す従来のサイドシル100の変形は、補強部材4が車両幅方向Wのアウター2側へ面外変形しており、変形の方向は図9に示す本発明のサイドシル1も同様である。しかし、本発明のサイドシル1では、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bが略車両幅方向と平行に設けられることにより、補強部材4が面外変形する際の抵抗が高まる。このことにより、従来のサイドシル100に比べ、本発明のサイドシル1の面外変形の抵抗が高まり、本発明のサイドシル1は優れたエネルギー吸収性能と軽量性の両立が可能となる。
次に、図4に示す第二の実施形態のサイドシル1について説明する。第二の実施形態のサイドシル1は第一の実施形態のサイドシル1に対し、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの端部がインナー3側へ配置されている。なお、第二の実施形態の補強部材穴4aの配置は、第一の実施形態(図5)と同様である。
図10に示す第二の実施形態のサイドシル1の補強部材4は、第一の実施形態のサイドシル1および従来のサイドシル100同様、車両幅方向Wのアウター側へ面外変形している。このことにより、第一の実施形態の補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの端部は引張変形となる一方、第二の実施形態の補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの端部は圧縮変形となる。後述する実施例で示すが、第二の実施形態のサイドシル1は第一の実施形態のサイドシル1に比べ、吸収エネルギーが高い。このことから、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの端部が圧縮変形となるよう、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bを配置することで、サイドシル1はさらに優れたエネルギー吸収性能と軽量性の両立が可能となる。
次に、図7に示す補強部材4を有する第三の実施形態のサイドシル1について説明する。図7の一点鎖線は、図5と同様、隣接するクロスメンバー11間の中央を示している。第三の実施形態のサイドシル1の補強部材4は、少なくとも一つ以上の補強部材穴4aの内、隣接する補強部材穴4aの間の中心が隣接するクロスメンバー11間の中央に配置されている。
後述する実施例から、サイドシル1の補強部材4に関して、少なくとも一つ以上の補強部材穴4aの内、隣接する補強部材穴4aの間の中心が隣接するクロスメンバー11間の中央に配置することで、サイドシル1はクロスメンバー11間の中央にポールが衝突した場合において、さらに優れたエネルギー吸収性能と軽量性の両立が可能となる。
次に、優れたエネルギー吸収性能と軽量性の両立の観点から、図6に示す補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの高さhと補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの立ち上がり稜線部の曲率半径Rwと補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの立ち上がり稜線部の曲率止まりの径Dhの関係が、h≧5mm、かつ、Dh/(Dh-2h-πRw)≦1.40を満たすことが好ましい。ここで、Dh/(Dh-2h-πRw)は、穴拡げ率を意味し、穴拡げ率が1.40を超えると、金属材料を用い、フランジアップ加工により穴縁周りの縦壁を成形した際、その縦壁の端部が局部的に肉薄になり、または、割れを生じ、エネルギー吸収性能の向上に寄与しなくなる。なお、縦壁4bの立ち上がり稜線部の曲率止まりの径Dhとは、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの立ち上がり稜線部の曲面とその外側の平面との境界の外径を意味する。
後述する実施例から、h≧5mmを満たすことで、サイドシル1は優れたエネルギー吸収性能と軽量性の両立が可能となる。hを大きくすることで,面外変形の抵抗が高まる。しかし、h<5ではその効果は不十分である。一方で、Dh/(Dh-2h-πRw)>1.40の場合、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bを成形する際に補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの端部の引張変形が高くなり、破断を回避するために、成形工程を多工程化することや成形金型が複雑になるなどの成形上の困難性がある。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、第一から第三の実施形態では、補強部材穴4aの形状を円としたが、必ずしも円である必要はなく、補強部材穴4aの形状によらず、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bを設けることで、本発明の効果を享受できる。
例えば、補強部材穴4aが丸角四角形でもよい。その場合、補強部材穴4aの曲線部における部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの高さhと補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの立ち上がり稜線部の曲率半径Rwと補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの立ち上がり稜線部の曲率止まりの長さDhの関係が、Dh/(Dh-2h-πRw)≦1.40を満たすことが好ましく、かつ、補強部材穴4aの直線部における部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの高さhが、h≧5mmを満たすことが好ましい。なお、縦壁4bの立ち上がり稜線部の曲率止まりの長さDhとは、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの立ち上がり稜線部の曲面とその外側の平面との境界について、丸角四角形の対向する2辺における2つの境界の間の距離を意味する。
また、補強部材穴4aは五角形でもよい。しかし、車両幅方向Wおよび車両長方向Lに平行な面に対し、補強部材穴4aが非対称な形状の場合、穴の弱部側のサイドシルの天面、側面および補強板が大きく変形し、衝突性能と質量のバランスの効果が十分に享受できない可能性がある。このため、補強部材穴4aの穴形状は、車両幅方向Wおよび車両長方向Lに平行な面に対し、略対象な形状が好ましい。
また、第一から第三の実施形態では、補強部材4をアウターフランジ2c、インナーフランジ3cで結合したが、補強部材4の結合位置がアウター側面2b、または、インナー側面3bでも、本発明の効果を享受できる。
補強部材4をアウター側面2b、または、インナー側面3bで結合した場合、補強部材4の結合部はフランジに対し車両幅方向Wで20mm以下の距離に配置されることが好ましい。この距離が20mm以上の場合、サイドシル1の断面の変形モードが変化し、本発明の効果を十分に享受できない可能性がある。
本発明のサイドシル1を構成する材料は、金属材料(例えば、鋼板、アルミニウム、チタン)が選択される。また、樹脂材料、炭素繊維材料でもよい。比強度および比剛性の高い材料が好ましい。
従来および本発明のサイドシル構造について、図11に示すサイドシル構造の一部を切り出した3点曲げのシミュレーションを実施した。従来のサイドシル構造とは図3に示すサイドシル構造に対して、図2に示したように、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bを除いた構造(比較例1)である。本発明のサイドシル構造とは図3の構造(実施例1)、図4の構造(実施例2)および図4に対し補強部材穴4aの配置を図7の配置にした構造(実施例3)である。実施例1~3における、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの高さhは7mm、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの立ち上がり稜線部の曲率止まりの径Dhは60mm、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの立ち上がり稜線部の曲率半径Rwは5mm、補強部材穴4aの間隔Lhは80mm等間隔とした。さらに実施例3に対し、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの立ち上がり稜線部の曲率半径Rwは2.5mmとし、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの高さhを2.5~12.5mmまで2mmピッチで変化させた構造も用意した。いずれの構造もサイドシル長さL1は800mm、アウター2とインナー3と補強部材4の結合はスポット溶接とし、スポット溶接ピッチは30mmとした。いずれの構造のアウター2およびインナー3は980MPa級・板厚1.4mmの鋼板製、補強部材4は980MPa級・板厚1.0mmの鋼板製とした。
3点曲げのインパクター(ポール)の曲率半径Riは127mm、支持点の曲率半径Rsは60mm、支持点の間隔Lsは300mmとし、インパクター速度Viが1m/sでサイドシル構造の支持点間の中央に向け移動させた.すなわち、隣接クロスメンバー間の中央にポールを衝突させる状況を模擬した。ポールとサイドシル構造間に発生する荷重およびポールの変位を計測した。エネルギー吸収量はポールの変位に対する荷重の積分値とし、ポールの変位100mm時点のエネルギー吸収量を評価した。
図12で比較例と実施例のエネルギー吸収効率を比較する。図の縦軸は、実施例のエネルギー吸収量をサイドシル構造の質量で除した値(エネルギー吸収量/質量)を、比較例1のエネルギー吸収量をサイドシル構造の質量で除した値(エネルギー吸収量/質量)で規格化した値を示している。この規格化した値が1を超えていれば、従来のサイドシル構造に比べ、優れたエネルギー吸収性能と軽量性の両立が可能となることを意味する。図12に示すように、すべての実施例の値は1を超えている。このことから、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bを設けた本発明のサイドシル構造は、優れたエネルギー吸収性能と軽量性の両立が可能となることが示された。
また、図12に示すように、実施例2の値は実施例1に比べ高い。このことから、補強部材穴4aの穴周りの縦壁4bをインナー3側に配置することで、サイドシル1はさらに優れたエネルギー吸収性能と軽量性の両立が可能となることが示された。
次に、実施例3の値は実施例2に比べ高い。このことから、サイドシル1の補強部材4に関して、少なくとも一つ以上の補強部材穴4aの内、隣接する補強部材穴4aの間の中心が隣接するクロスメンバー間の中央に配置することで、サイドシルはクロスメンバー間の中央にポールが衝突した場合において、さらに優れたエネルギー吸収性能と軽量性の両立が可能となることが示された。
次に、図13に補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの高さとエネルギー吸収効率の関係を示す。図の横軸は補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの高さ、縦軸は図12同様、実施例のエネルギー吸収量/質量を、比較例1のエネルギー吸収量/質量で規格化した値を示す。補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの高さが0~4.5mmまでは縦軸の値が急峻に増加し、4.5~6.5mmでは縦軸の値が緩やかに増加し、それ以降の縦軸の値はほとんど変化がない。このことから、優れたエネルギー吸収性能と軽量性の両立の観点から、補強部材穴4aの穴縁周りの縦壁4bの高さの好ましい範囲が存在することが示された。
本発明は自動車等に取り付けられるサイドシルに適用することができる。
1 サイドシル
2 アウター
2a アウター天面
2b アウター側面
2c アウターフランジ
3 インナー
3a インナー天面
3b インナー側面
3c インナーフランジ
4 補強部材
4a 補強部材穴
4b 縦壁
10 フロアパネル
11 クロスメンバー
100 従来のサイドシル
L 車両長方向
W 車両幅方向
V 車両高方向
Rw 補強部材穴縁周りの縦壁の立ち上がり稜線部の曲率半径
Dh 補強部材穴縁周りの縦壁の立ち上がり稜線部の曲率止まりでの径
h 補強部材穴縁周りの縦壁の高さ
Lh 補強部材穴の間隔
Ri インパクター曲率半径
Vi インパクター速度
Rs 支持点曲率半径
Ls 支持点間隔
L1 サイドシル長さ

Claims (8)

  1. 自動車のキャビン下部を構成し車両幅方向の外側に配置され車両長方向に延伸するサイドシルの構造であって、
    前記サイドシルの車両長方向を法線とする断面は多角形形状を有する閉断面であり、
    前記サイドシルの断面内には略平板を基本形状とし車両上下方向に架け渡される補強部材が配置されており、前記補強部材には車両長方向においてセンターピラー位置以外に少なくとも一つ以上の穴が設けられており、
    前記補強部材の穴縁周りに車両幅方向と略平行に縦壁が設けられたことを特徴とするサイドシル構造。
  2. 前記補強部材の穴縁周りの縦壁の端部が車両幅方向で車両内側に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のサイドシル構造。
  3. 車両長方向において前記センターピラーの位置には前記穴が設けられていないことを特徴とする請求項1または2に記載のサイドシル構造。
  4. 前記補強部材の穴縁周りの縦壁高さhと、前記補強部材の穴縁周りの縦壁の立ち上がり稜線部の曲率半径Rwと、前記補強部材の穴縁周りの縦壁の立ち上がり稜線部の曲率止まりの径Dhとの関係が、h≧5mm、かつ、Dh/(Dh-2h-πRw)≦1.40を満たすことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のサイドシル構造。
  5. 前記補強部材の少なくとも一つ以上の前記穴の内、隣接する前記穴の間の中心がクロスメンバー間の中央に配置されたことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のサイドシル構造。
  6. 略ハット形状のアウター、略ハット形状のインナー、および前記補強部材から構成され、前記アウターと前記インナーがフランジで結合され、前記補強部材がアウターの側面およびインナーの側面に結合され、かつ、前記フランジに対し車両幅方向で20mm以下の距離で結合されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のサイドシル構造。
  7. 略ハット形状のアウター、略ハット形状のインナー、および前記補強部材から構成され、前記補強部材が前記アウターと前記インナーのフランジで結合されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のサイドシル構造。
  8. 前記サイドシルが引張強度780MPa以上の鋼板からなることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のサイドシル構造。
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