JP7438436B1 - 表面性状に優れたNi基合金 - Google Patents

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Abstract

【課題】非金属介在物の組成、組織形態の制御を総合的に考察し、表面に欠陥のない健全な表面性状を持ち備えるNi基合金及び製造方法を提供する。【解決手段】以下質量%にて、C:0.001~0.1%、Si:0.01~0.4%、Mn:0.1~1%、P:0.03%以下、S:0.002%以下、Cr:13~35%、Mo:18%以下、W:5%以下、Cu:1%以下、Al:0.001~0.35%、Ti:0.001~0.2%、Ca:0.0001~0.02%、Mg:0.0001~0.02%、N:0.001~0.03%、Fe:2~11%、O:0.005%以下、Co、Nb、Bのうち1種又は2種以上を4%以下含有し、残部Ni及び不可避的不純物を含み、非金属介在物の平均組成がMgO:30~70%、Al2O3:15~40%、SiO2:30%以下、CaO:10~40%、MnO:1%以下であるNi基合金。【選択図】図1

Description

本発明は、表面性状に優れたNi-Cr-Mo-W-Fe系のNi基合金およびその製造方法に関わる。
耐食性および耐酸性に優れるNi基合金は、主要成分であるNiとともにCr、Mo、Wを含有しており、それらの金属は鉄と比べてきわめて高価な金属であることから、歩留まりを向上させ、製造コストを抑えることが非常に重要である。ここで、Ni基合金の表面に線状疵などの表面欠陥が発生すると、要求される耐食性を発揮しない他、溶接性も阻害する等課題が多い。さらに、欠陥部は歩留まりが大きく低下するため、表面性状に優れたNi基合金が求められていた。
特許文献1では、Ni基合金の非金属介在物の組成を鋭意制御して表面性状を改善する技術が開示されている。しかしながら、その非金属介在物の組織形態によっては、必ずしも欠陥が無くなるわけではなく、技術課題を抱えていた。
特許文献2では、Ni基合金の精錬方法が開示されている。しかし、非金属介在物の組織形態は行われていない。
特許文献3では、Ni基合金の表面処理に関する技術が示されている。不動態被膜を適切にすると耐食性が向上することを説明している。しかしながら、表面欠陥に関する技術開発はなされていなかった。
実際に、Ni基合金は、船舶や火力発電所で用いられる排煙脱硫装置は、厳しい硫酸環境で使用されるため、NiやCr、Mo、W等を多量に含有し、耐食性および耐酸性を向上させたNi基合金が広く用いられている。近年、船舶の排出ガスに関する環境規制が厳しくなるに伴いNi基合金の需要が拡大している。さらに、カーボンニュートラルの観点から、原子力発電の重要性が挙げられており、今後使途は増々拡大することが見込まれる。
特許文献4では、ステンレス鋼を原子力用途に改良した技術が開示されている。近年、過酷となる使用環境では、部位によるが、原子力の圧力容器内部にはNi基合金が必要である。
特許文献5、6では、高温水環境で長期にわたり使用される原子炉構造部材としての用途を前提とするNi基合金製品に関する技術が提示されている。しかしながら、表面欠陥については解決されていなかった。
特許第6990337号公報 特開2009-114544号公報 特開2015-183290号公報 特公昭35-16661号公報 特許第4340899号公報 特許第4433230号公報
上記の如く、本発明の主眼は、非金属介在物の組成のみではなく、その組織形態を制御することによって、粗大な表面欠陥となる非金属介在物のクラスター化を防止することにある。それと同時に、CaO介在物、Al介在物はクラスター化する傾向にあるために、その生成を防止せねばならない。さらに、MnO-Cr系の介在物となると、酸素濃度が高い環境下で形成するために総個数も多く、なおかつクラスター化も起こり易いため防止せねばならない。
すなわち、本発明の目的は、上記を総合的に考察し、表面に欠陥のない健全な表面性状を持ち備えるNi基合金およびその製造方法を提供することにある。
発明者は、上記従来技術が抱える問題点を解決するために、以下の通り、鋭意実験を繰り返し行った。
まず、実験室においてマグネシア坩堝を用いて、Ni-16%Cr-16%Mo-3%W-6%Fe合金20kgを溶解した。その際、溶解装置は高周波誘導炉を用いており、坩堝上方からアルゴンガスを吹き付けて大気と遮断した。原料は、電解鉄、フェロクロム、Mo、銅線、Wを用いた。最終的にSiとAlを添加して脱酸し、人工スラグであるCaO-Al-MgO-SiO-F系のスラグを1kg投入して、サンプリングして非金属介在物の組成を鋭意観察した。観察はSEMを用いて行った。その分析はEDSにより行った。特に元素マッピングを注意深く行い、その組織形態を注意深く観察した。組成的な特徴を見出すには介在物のうち最低10点の分析が必要であり、20点がより良く、30点以上であれば充分であることが分かった。
また、鋳型に鋳込んだNi基合金塊は、鍛造して20mmtにした後に表面を研削して冷間圧延を行った。最終の板厚は0.5mmとして、表面を注意深く観察して欠陥の有無を判別した。
その結果、欠陥発生は非金属介在物の組織形態と強く関連していて、CaO-Al-MgO系の酸化物がMgOあるいはMgO・Alを包含する組織形態は、クラスター化を抑止する能力が高い事を見出した。その模式図を図1に示す。図1(a)は、CaO-Al-MgO系酸化物がその略球面内にMgOあるいはMgO・Alを完全に包含しており、クラスター化を抑制できた良い形態である。一方で図1(b)のように、外縁部の一部がCaO-Al-MgO系であり、内部の大半が高融点のMgOあるいはMgO・Al酸化物であって介在物の略球面内から突出する形態であると、クラスター化を促進することが明らかとなった。その機構は不明な点が多いが、CaO-Al-MgO系融体が、所謂、精錬温度(1400~1550℃)にて焼結助剤の役割を担い、お互いに付着しては焼結するためと推定される。主たる焼結場所は、実機においては連続鋳造機の浸漬ノズル内壁と、経験上から憶測された。
その一方でMgO・Al、MgOの単体であると、焼結挙動が起きないことも確認した。周囲のCaO-Al-MgO系酸化物融体の組織形態が、最終品質に対して大きく影響を与えることが明らかとなった。
これをもって、一部の合金種にて70トン電気炉で原料を溶解して、AODにて脱炭、生石灰を上から投入すると同時にFeSiを投入し、Cr還元を実施し、その後、Alを投入して脱酸、脱硫を進めることで精錬した。その後連続鋳造機でスラブを製造して、表面研削後、熱間圧延、冷間圧延して最終の焼鈍酸洗ラインを通すことで、0.5mm厚の薄板を製造した。その表面を肉眼で観察して表面欠陥の有無を研究した。
すなわち、本願発明は、上記の実験室検討に始まり、実機試験を行って確認することで開発されたものであり、以下に示す通りである。
化学成分は、以下全て質量%であり、C:0.001~0.1%、Si:0.01~0.4%、Mn:0.1~1%、P:0.03%以下、S:0.002%以下、Cr:13~35%、Mo:18%以下、W:5%以下、Cu:1%以下、Al:0.001~0.35%、Ti:0.001~0.2%、Ca:0.0001~0.02%、Mg:0.0001~0.02%、N:0.001~0.03%、Fe:2~11%、O:0.005%以下、Co、Nb、Bのうち1種または2種以上を4%以下含有し、残部Niおよび不可避的不純物であり、非金属介在物の平均組成がMgO:30~70%、Al:15~40%、SiO:30%以下、CaO:10~40%、MnO:1%以下で構成されたNi基合金である。
本願発明のNi基合金は、非金属介在物の組織形態は、全非金属介在物に対して個数比率で70%以上の非金属介在物が以下のa~eの5種類のいずれか1または2以上であるとより好ましい態様である。
a:CaO-Al-MgO系酸化物が略球面内にMgO・Alを完全に包含する形態
b:CaO-Al-MgO系酸化物
c:CaO-Al-MgO系酸化物が略球面内にMgOを完全に包含する形態
d:MgO単体
e:MgO・Al単体
また、前記記載のCaO-Al -MgO系酸化物が含まれており、CaO-Al-MgO系酸化物は、CaO:20~60%、Al:30~60%、MgO:1~30%、SiO:20%以下、TiO:0.5%以下であること好ましい態様である。
ここで、前記記載のMgO・Al が含まれており、MgO・AlはMnOを0.5%以下含むことは良い。
さらに、前記記載のMgO単体が含まれており、MgO単体はAl:3%以下、SiO:1%以下、CaO:10%以下、MnO:1%以下を含有すると良い。
本願発明においては、製造方法も提供する。すなわち、原料を電気炉で溶解し、その後AODにて脱炭精錬し、生石灰、マグネシア含有廃煉瓦、蛍石およびフェロシリコン合金、Si、Alの1種または2種以上を投入してCr還元を実施し、さらにAlを投入して、CaO-Al-MgO-SiO-F系スラグを形成して、脱酸、脱硫を施した後、連続鋳造機にてスラブを製造し、表面を研削後、熱間圧延工程を経て、冷間圧延を実施するNi基合金の製造方法である。
本発明および発明外の非金属介在物の組織形態の比較図である。 本発明および発明外の非金属介在物の組織形態の分類を示す模式図である。
以下に、本願発明の数値限定の理由と科学的見地も併せて説明する。以下単位は質量%である。
C:0.001~0.1%
CはNi基合金の強度を保つことと、Crとの炭化物を形成して耐摩耗性を向上するのに重要な元素である。よって、0.001%は必要である。一方で0.1%を超えて添加すると、Ti、Nb等の炭化物も形成して脆化するという欠点もある。よって、0.001~0.1%と規定した。添加はAODにおいて脱硫後に銑鉄を投入して制御する。好ましくは、0.002~0.09%、より好ましくは、0.005~0.07%である。
Si:0.01~0.4%
Siは脱酸に有効である他に、耐熱性を向上する元素であり本願発明ではとても重要である。脱酸は下記の式にて進めることができる。すなわち、AODにおいてCr還元にFeSi合金を投入することで進める。
Si+2=(SiO) …(1)
ここで、下線は溶融合金中の成分、括弧はスラグ中の成分である。後述するが、スラグ中のSiOの活量係数を下げることで、有効に脱酸を進めることができて、本願発明の酸素濃度に制御できる。さらに脱硫することも同時に可能となる。その効果を発揮するには0.01%は必要であり、0.4%を超えて高くなるとσ相を形成して耐食性を低下させるだけではなく、脆化してしまう。よって、0.01~0.4%と規定した。好ましくは、0.02~0.38%、より好ましくは0.02~0.37%である。
Mn:0.1~1%
Mnは脱酸に有用な元素であるために有効な元素である。よって、0.1~1%と規定した。好ましくは0.2~0.9%、より好ましくは、0.3~0.8%である。
P:0.03%以下
Pは粒界に偏析して耐食性を低下させるのみではなく、溶接時に赤熱脆性をもたらし割れに繋がる有害元素である。よって、0.03%以下とした。好ましくは、0.028%以下であり、より好ましくは、0.025%以下である。
S:0.002%以下
Sは粒界に偏析する他、MnSを形成して孔食の起点となるため有害な元素である。さらに、熱間加工性も低下させて耳割れを引き起こす原因となる。よって0.002%以下に規定した。後に詳述するが、下記の反応式により脱硫を進めることができる。
3(CaO)+2Al+3=(Al)+3(CaS) …(2)
2(CaO)+Si+2=(SiO)+2(CaS) …(3)
スラグ中のアルミナ、シリカの活量係数を低下させると効率的に脱硫反応を進められる。0.002%以下であれば上記の問題を回避できるため本範囲に規定した。好ましくは、0.0018%以下であり、より好ましくは、0.0017%以下である。さらに好ましくは、0.0015%以下である。
Cr:13~35%
Crは本願発明の主要元素であり、Ni基合金の表面に緻密な不動態被膜を形成して、耐食性を維持するために不可欠である。そのため、13~35%と規定した。好ましくは、14~34%であり、より好ましくは、14.5~33%である。さらに好ましくは、15~32.5%である。
Mo:18%以下
Moは本願発明の重要元素である。孔食の進行を遅らせて耐食性を向上する役割を担う。しかしながら、高すぎると金属間化合物を形成して脆化させる。よって、18%以下と規定した。好ましくは、17%以下であり、より好ましくは、16%以下である。また、0.5%以上の含有は望ましい。さらに、2%以上の含有はより望ましい。
W:5%以下
Wは本願発明の重要元素である。孔食の進行を遅らせて耐食性を向上する役割を担う。しかしながら、高すぎると金属間化合物を形成して脆化させる。よって、5%以下と規定した。好ましくは、4.5%以下であり、より好ましくは、4.2%以下である。また、0.5%以上の含有は望ましい。さらに、2%以上の含有はより望ましい。
Cu:1%以下
Cuは耐酸性、耐硫酸性を向上するため耐食性を保つ重要元素であると共に、冷間で軟化させる効果もあり深絞り用途等では極めて重要な元素である。しかしながら、高すぎるとNi基合金が軟化してしまう。よって、1%以下と規定した。好ましくは、0.9%以下であり、より好ましくは、0.6%以下である。また、0.01%以上の含有は望ましい。
Al:0.001~0.35%
Alは脱酸に有用な元素である。さらに高温酸化性を向上する。その一方で、高過ぎるとAlNを形成して熱間加工性を損ねたり、Ca、Mg濃度が高くなり過ぎてしまい、本願発明の範囲の上限を超えてしまう。その結果、CaO系の有害な介在物を形成したり、NiMgという低融点化合物を形成して熱間加工性を低下させる。脱酸反応は下記の通り進める。
Al+3=(Al) …(4)
後に詳述するが、スラグ中のアルミナ活量を低下することで効率的に脱酸が進む。さらに脱硫することも同時に可能となる。したがって、0.001~0.35%と規定した。好ましくは、0.005~0.3%であり、より好ましくは、0.007~0.28%、さらに好ましくは、0.01~0.25%である。
Ti:0.001~0.2%
TiはNをTiNの形で固定して凝固時の窒素ガス放出によるブローホールを防止する効果を持つ。しかしながら、高すぎるとTiNが多くなりすぎる他、TiCが形成することで表面疵をもたらす原因ともなる。よって、0.001~0.2%の範囲で含有することと規定した。好ましくは、0.002~0.1%である。さらに好ましくは、0.002~0.05%である。
Ca:0.0001~0.02%
Caは非金属介在物の組織形態を好ましいCaO-Al-MgO系酸化物に制御するために重要な元素である。この形態に制御するとクラスター化せずに表面欠陥を形成しなくて健全な製品が製造できる。Caは下記の反応を利用して有効に添加する。
3(CaO)+2Al=(Al)+3Ca …(5)
2(CaO)+Si=(SiO)+2Ca …(6)
この反応を制御するためにはスラグ中のアルミナ、シリカの活量を適切な範囲に制御すればよい。これについては、製造方法にて詳しく説明する。反対に高すぎると有害なCaO介在物を形成してしまいクラスター化を進め欠陥を形成する。したがって、0.0001~0.02%に規定した。好ましくは、0.0003~0.018%であり、より好ましくは、0.0005~0.015%である。さらに、好ましくは0.0006~0.01%である。
Mg:0.0001~0.02%
Mgは非金属介在物の組織形態を好ましいCaO-Al-MgO系酸化物、MgO、MgO・Alに制御するために重要な元素である。この形態に制御するとクラスター化せずに表面欠陥を形成しなくて健全な製品が製造できる。Mgは下記の反応を利用して有効に添加する。
3(MgO)+2Al=(Al)+3Mg …(7)
2(MgO)+Si=(SiO)+2Mg …(8)
この反応を制御するためにはスラグ中のアルミナ、シリカの活量を適切な範囲に制御すればよい。これについては、製造方法にて詳しく説明する。反対に高すぎるとMgが凝固時に気化してブローホールを形成する。それによって、表面欠陥を形成する。したがって、0.0001~0.02%に規定した。好ましくは、0.0005~0.018%であり、より好ましくは、0.001~0.015%である。
Fe:2~11%
FeはNi基合金に固溶して強度を保つために重要な元素である。また、原料としてフェロアロイを用いることを可能にするためにコストを低減できる。しかしながら、高すぎると耐食性低下させてしまう。したがって、2~11%と規定した。好ましくは3~10.5%である、さらに、好ましくは4~10%である。
N:0.001~0.03%
NはNi基合金に固溶して強度を保つために有効である他、孔食にNHClをもたらすことで孔食を防止する役割を担う。よって、0.001~0.03%の範囲に規定した。好ましくは、0.002~0.028%である。より好ましくは、0.008~0.025%である。
O:0.005%以下
酸素は非金属介在物の個数を増やし表面欠陥を形成するために下げる必要がある。そのため、0.005%以下とした。好ましくは、0.003%以下、より好ましくは、0.002%以下であり、さらに好ましくは、0.001%以下である。
Co、Nb、Bのうち1種または2種以上を4%以下
CoはNiと同じ挙動をとるために有効な元素である。また、純Ni原料に含まれていることがあり、安価な原料を利用する意味でも重要な役割がある。Nbは固溶して強度を保つために有益である。Bは熱間加工性を改善する。これらの元素を1種または2種以上を4%以下含むことは、より好ましい様態である。つまり、必要に応じて添加して構わない。
本願発明のNi基合金の残部はNiである。また、不可避的不純物として、例えば、ごく微量のPb、Sn、Ta、Ag、Na、K、Zrを含む場合もあり得る。全て原料である屑から混入するものである。
引き続き、非金属介在物の平均組成を説明する。非金属介在物の平均組成は以下の通りである。
MgO:30~70%
MgOは無害なCaO-Al-MgO系酸化物を形成するために有効である他、同様に無害であるMgO単体、MgO・Al単体を形成するために極めて有効である。よって、30~70%と規定した。好ましくは、35~65%である。
Al:15~40%
Alは無害なCaO-Al-MgO系酸化物を形成するために有効である他、同様に無害であるMgO・Alを形成するために極めて有効である。しかし、40%を超えて高いと、有害なAl単体を形成するので欠陥をもたらす。よって、15~40%に規定した。好ましくは、18~39%である。
SiO:30%以下
SiOはCaO-Al-MgO系酸化物中に存在する化合物であり、その融点を低下させるので有効である。しかし、30%を超えて高くなると、酸素濃度が高くなる方向に作用し、非金属介在物の個数が多くなる他、有害なMnO-Cr系酸化物を形成することで欠陥を形成する。よって、30%以下と規定した。好ましくは、28%以下である。
CaO:10~40%
CaOは無害なCaO-Al-MgO系酸化物を形成するために有効であるが、高すぎると有害なCaO介在物を形成し欠陥をもたらしてしまう。よって、10~40%と規定した。好ましくは、12~39%である。より好ましくは、13~38%である。
MnO:1%以下
MnOはMgO単体、MgO・Al単体介在物のMgOのサイトに固溶するため無害である。しかし、高いと有害なMnO-Cr系酸化物を形成することで欠陥を形成する。したがって、1%以下に規定した。好ましくは、0.9%以下である。より好ましくは、0.8%以下である。
Cr:1.5%以下
特に限定はしないものの、Crが高いとMnO-Cr系介在物を形成し易くなる。さらに溶融合金中の酸素濃度も高くなり、非金属介在物の個数が増加して欠陥を発生させる。よって1.5%以下が望ましい。より望ましくは、1.3%以下である。さらに望ましくは、0.6%以下である。
ここで、平均組成を求めるには、幾つか方法がある。SEM/EDSにて10点無作為に分析すると明らかになる。この時、中心の外周部の2点を分析する必要があることと、マッピングを撮り画像解析により面積率を測ることで平均を求められる。好ましくは20点以上、より好ましくは、30点以上の分析が好ましい。もう一つは、所謂、電解方法でありSpeed法として広く知られている。つまり、適切な溶液中にて適正電位を印加して金属部分を溶解する。その後、残渣となった非金属介在物をろ過して集める。これを、化学分析に供すると平均組成が一遍に求まる。分析方法については限定されるものではない。
さらに、非金属介在物の組織形態について説明を加える。全非金属介在物に対して個数比率で70%以上の非金属介在物が以下のa~eの5種類のいずれか1または2以上であるとより好ましい態様である。なお、a~eに該当する組織形態を図2(a)~(e)に併せて示す。
a:CaO-Al-MgO系酸化物が略球面内にMgO・Alを完全に包含する形態
b:CaO-Al-MgO系酸化物
c:CaO-Al-MgO系酸化物が略球面内にMgOを完全に包含する形態
d:MgO単体
e:MgO・Al単体
ここで、略球面内に完全に包含するとは、図1(a)に示すように内部の物質が外縁部の物質に完全に内包されている状態をいい、図1(b)に示すように内部の物質が一部外部に突出するものは含まれない。
課題を解決するための手段においても説明したが、図1(b)の形態は下記の操作では現れない。これらの組織形態に制御するには、化学成分の内、Si、Al、Ca、Mg、O、Mnを本願発明の範囲に制御すれば良いが、それだけには留まらない。aとcは本願でも特徴的である。この組織形態とするには、AODでの脱炭工程以降に要点がある。Cr還元期に、まず生石灰を投入して、同時に蛍石、さらにはMgO含有の廃煉瓦を投入する。その後、フェロシリコン合金、Alを投入すると、既に形成された溶融スラグに、Si、Alが添加される。これが直接、スラグ中のCaOとMgOとに反応し有効にCaとMgを添加できる。
予め(7)、(8)式の反応に従いMgは溶融合金中に供給される。これは、原因は不明な点が多いが、Caの方が遅延する。この溶存Mgが元々の非金属介在物であるシリカ、アルミナと下記の如く先行して反応する。
Mg+SiO(介在物)=2MgO(介在物)+2Si …(9)
Mg+Al(介在物)=3MgO(介在物)+2Al …(10)
Mg+4Al+4SiO(介在物)=2MgO・Al(介在物)+4Si …(11)
Mg+4Al(介在物)=MgO・Al(介在物)+2Al …(12)
上記(9)~(12)式の通り、MgO単体、MgO・Al単体が初期に形成する。その後、スラグからCaが供給され、溶融合金中のCaと上記の介在物が反応することで、表面にCaO-Al-MgO系酸化物が旺盛に形成する。そして、本溶融酸化物がMgO単体、MgO・Al単体を覆い無害化する。つまり、融体であり無害なCaO-Al-MgO系介在物として振る舞う。したがって、非金属介在物が球形であると上記のように振る舞うので無害となる。
さらに、上記のCaO-Al-MgO系酸化物の組成範囲を説明する。
CaO:20~60%、Al:30~60%、MgO:1~30%、SiO:20%以下、TiO:0.5%以下
上記範囲であると、精錬温度つまり1500℃近傍にてCaO-Al-MgO系酸化物の溶融状態を維持できるため上記範囲とした。CaOが高すぎると有害なCaO単体介在物を形成するのでCaO:20~60%と規定した。Alが高すぎるとAl単体を形成するためAl:30~60%とした。MgOは溶融状態を保つためMgO:1~30%とした。SiOは高すぎると有害なMnO-Cr介在物を形成するため20%以下とした。TiOは0.5%以下であれば溶融状態を保つので、このように規定した。
MgO・Al中のMnO濃度:0.5%以下
MgO・AlのMgOのサイトにMnOが固溶するためMnOを無害にできる。よって、0.5%以下と規定した。
MgO単体介在物中Al:3%以下、SiO:1%以下、CaO:10%以下、MnO:1%以下含有
MgO単体介在物は無害であるためこの介在物にある程度固溶することは望ましい。固溶限を考慮して、Al:3%以下、SiO:1%以下、CaO:10%以下、MnO:1%以下含有とした。
本願発明では製造方法も提供する。すなわち、原料を電気炉で溶解し、その後AODにて脱炭精錬する。原料には、ステンレス屑、Ni、フェロニッケル合金、フェロシリコン合金、鉄屑、Mo、三酸化Mo、フェロモリブデン合金、フェロニオブ合金、フェロクロム合金、銅線等目的合金種に従いブレンドするのが良い。
脱炭工程が完了した後、溶融合金中のCrは酸化してCrを形成する。そこで、生石灰とFeSiを投入して下記の反応に従ってCr還元を実施する。
2(Cr)+3Si=3(SiO)+4Cr …(13)
さらにAlを投入して、CaO-Al-MgO-SiO-F系スラグを形成して、脱酸、脱硫を施した後、連続鋳造機にてスラブを製造し、表面を研削後、熱間圧延工程を経て、冷間圧延を実施するものである。この時、非金属介在物の組織形態を好ましい形態に制御するにはスラグ組成を適切な範囲に制御することが必要である。
CaO-Al-MgO-SiO-F系スラグは下記の範囲が望ましい。
CaO:35~70%
CaO濃度は生石灰を投入することで調整可能である。CaOは脱酸脱硫に絶大な効果がある。つまり、(2)~(3)式の通り、スラグ中にCaSとして安定的に存在させることで脱硫出来る。しかし、70%を超えて高いとCaO介在物を形成する。したがって、35~70%が良い。好ましくは、40~65%である。より好ましくは、50~63%である。
Al:30%以下
AlはCaO-Al-MgO-SiO-F系スラグを溶融状態とするために有効である。一方で、30%を超えると、Al単体介在物を作りクラスター化を進める。よって、30%以下が望ましい。好ましくは、25%以下である。より好ましくは、22%以下である。
MgO:3~25%
MgOはCaO-Al-MgO-SiO-F系スラグを溶融状態とするために有効である。一方で、MgO濃度が高いと溶融合金中のMg濃度が高くなり凝固時にMgガスを放出してブローホールを形成する。よって、3~25%が望ましい。より望ましくは、5~20%、さらに望ましくは7~15%である。
SiO:3~32%
SiOはCaO-Al-MgO-SiO-F系スラグを溶融状態とするために有効である。一方で、SiO濃度が高いと溶融合金中の酸素濃度が高くなり、非金属介在物組成もMnO-Cr系となってしまう。その結果表面欠陥を発生する。よって、3~32%が望ましい。より望ましくは、5~30%である。さらに望ましくは、5~20%である。
F:0.5~10%
Fは蛍石で添加する。FはCaO-Al-MgO-SiO-F系スラグを溶融状態とするために有効である。一方で、F濃度が高いと、AODの煉瓦や取鍋の煉瓦を溶損して寿命を縮める。したがって、0.5~10%が良い。より望ましくは、1~9%である。
さらにCr、FeO濃度は低いことが望ましい。
Cr:1%以下
Cr濃度が高いと酸素濃度が高くなってMnO-Cr系介在物を形成させる。したがって、1%以下が良い。望ましくは、0.7%以下である。より望ましくは、0.6%以下である。
FeO:1%以下
FeO濃度が高いと酸素濃度が高くなってMnO-Cr系介在物を形成させる。したがって、1%以下が良い。望ましくは、0.9%以下である。より望ましくは、0.8%以下である。
さらに、S濃度は高い方が望ましい。その理由は、脱硫が正常に進んだことを表すためである。0.3%以上が望ましくより望ましくは、0.4%以上である。
以下に実施例を示して、本願発明の有効性を明確にする。
原料を70トン電気炉で溶解し、その後AODにて脱炭精錬した。原料には、特殊鋼屑、ステンレス鋼屑、純Ni、フェロシリコン合金、フェロシリコン合金、鉄屑、Mo、三酸化Mo、フェロモリブデン合金、フェロニオブ合金、フェロクロム合金、タングステン、Ti、銅線等目的合金種に従いブレンドした。
脱炭工程が完了した後、スラグに移行したCrを還元した。すなわち、生石灰とマグネシア含有の廃煉瓦、さらに蛍石を投入して、その後Alを投入した。これにより、スラグ中のCr酸化物が還元されて、有価金属であるCrを溶融合金に戻すCr還元工程を完了した。
さらに、一部の合金種ではフェロシリコン合金を投入して、最終的にCaO-Al-MgO-SiO-F系スラグを形成した。Alを添加しない場合もFeSi合金中の不純物であるAlが酸化することでアルミナを供給した。
一部の合金種では、ここで、Nb、Mo、C、Co、W、Cr、B、Ni等の合金元素を添加して化学成分を精緻に調節した。このようにして、脱酸、脱硫を施した後、連続鋳造機にて200mmt×1200mmw×7m長さのスラブを製造し、表面のオシレーションマークを研削後、合金種によって1100~1250℃に加熱した後、熱間圧延工程を経て、最終的に冷間圧延を実施して焼鈍酸洗ラインを通した。これにより、全ての合金種で1mmの冷延コイルを製造した。
この時、評価は以下の方法により行った。
1)化学成分:連続鋳造機のタンディッシュで採取した、φ30mm×10mm高さの吸上げサンプルの表面をグラインダーで研削した。主要元素は蛍光X線分析により行った。一部、C、Sは燃焼法によって分析した。また、N、Oは赤外線吸収法によって分析した。さらに、場合によりHは水素分析装置にて値を得た。
2)スラグ成分:スラグを鉄棒で採取して砕いた。これを円筒状に圧粉したサンプルを作製した。このサンプルを、蛍光X線分析法を用いて値を求めた。Fは化学分析で求めた。
3)非金属介在物の平均組成:上記の吸上げサンプルを切出して、樹脂に埋め込み鏡面研磨した。これを、SEMに入れて観察すると共に、定量分析を行った。5μm以上の介在物を無作為に30点選択して、中心と外周を分析した。各介在物はマッピングにより元素分布を求めて、各相の比率を画像解析により算出して、加重平均を考慮して、各介在物粒子の代表分析値を得た。これを、30点の平均値を計算して求めた。
4)非金属介在物の組織形態:上記の通り観察・分析した際に、形態を分類した。なお、図1(b)にあたる形態は確認されなかった。
5)各酸化物の組成:上記の各酸化物相の組成から求めた。
6)総合評価:1mmtのNi基合金板を通板した際に検査員が肉眼にて評価した。下記の通り、評価結果を定めた。以下において切断しない許容範囲とは、鋼板表面10mあたりに長さ1mm以上の線状疵が3本までということを意味する。
合格:◎表面欠陥発生なし(出荷時良品率100%)
合格:〇表面欠陥一部に発生したが要求品質の許容範囲内(同良品率95%)
合格:△表面欠陥一部に発生したが部分切断で出荷可能(同良品率80%)
不合格:×表面欠陥がコイル全長に発生し屑化処理(同良品率0%)
Figure 0007438436000002
Figure 0007438436000003
実施例の組織形態は、図2(a)~(e)に、比較例の組織形態は、図2(f)~(h)に示す。実施例の化学成分が合計で100%に満たないのは不可避的不純物のためである。発明例のNo.1~14は、化学分析が範囲に入っており、かつ、スラグ組成も望ましい範囲を満たした。その結果、非金属介在物の組織形態もa~eの範囲を満たした。最終的に製品は全て合格判定であった。
ただし、No.5ではアルミナ介在物1つとMnO-Cr系介在物1つが確認されたので、評価は〇となった。No.8ではCaO単体介在物が1つ観察された。したがって、評価としては〇となった。No.10は若干スラグ中MnO、Cr濃度が高く、還元不良であったため、Al単体介在物およびMnO-Cr系介在物が確認された。そのため、評価は〇となった。さらに、No.11ではMgO・Al中のMnO濃度が高く、かつMgO介在物中のSiOとMnOが高くなったと同時に、CaO単体介在物、Al単体介在物およびMnO-Cr系介在物が確認された。その結果、評価は△であった。
続けて比較例について説明する。
No.15はSiが低くなってしまった。逆にAlが高く外れ、スラグ中のCaO濃度も望ましい範囲を上回ったために、Ca、Mg濃度が高くなってしまった。その結果、介在物の平均組成の中でもMgOとCaOが外れた。組織形態もf・CaO単体が多くなり、CaO-Al-MgO系酸化物中のCaOが高く外れた。つまり、CaO単体介在物が中心となってしまい欠陥が発生して屑化となった。
No.16はSi濃度が高く外れたためにCa、Mg濃度が高く外れた。Si濃度が高くなってしまったことで、スラグ中のSiO濃度も高くなってしまった。また、F濃度も低くスラグの流動性に欠けた。Ti濃度も高く外れTiNクラスターも形成した。介在物の平均組成においては、MgO、CaOが範囲を外れてしまい、CaO-Al-MgO系酸化物中のアルミナ、
MgO、SiOが範囲を外れ、組織形態もf・CaO単体介在物が多く形成した。TiN、CaO単体介在物が多く形成したことによって表面欠陥が多発して、コイルは屑化となった。
No.17はSiが低く外れたことと、Alが入らなかったことにより、Ca、Mg濃度が低くなってしまい、なおかつ酸素濃度が高濃度となったため、非金属介在物の個数も多くなった。また、スラグ組成もシリカが高く、CaOが低いなど、範囲を逸脱したことも介在物組成に悪影響を及ぼした。介在物の平均組成は全ての酸化物で範囲を外れてしまい、組織形態もh・MnO-Cr系介在物が多く形成してしまった。CaO-Al-MgO系酸化物にてもアルミナ、シリカが外れ、MnO-Cr系介在物が確認された。その結果表面欠陥が全長に発生してしまい屑化となった。
No.18はAl濃度が高く外れ、スラグ中のアルミナ濃度が高くなり、一方でCaO濃度は低く外れてしまった。非金属介在物の平均組成はアルミナ100%となり、組織形態もg・Al単体介在物のみとなってしまった。その結果、表面欠陥が全長に発生して屑化となってしまった。
No.19はAl濃度が低くなってしまったので、Ca、Mg濃度が低くなってしまい、酸素濃度が高く外れてしまった。非金属介在物の平均組成ではCrが高めであり、組織形態もf、g、hの3種類が形成した。特にh・MnO-Cr系介在物が多数観察された。さらに、MgO・Al単体介在物、MgO単体介在物中に固溶する成分も外れてしまった。また、TiおよびN濃度が高く、TiNクラスターも観察された。その結果、表面欠陥が全長に発生して屑化となってしまった。
No.20はTiとNが高く外れてしまったことで、TiNクラスターが多く発生して表面欠陥を発生したため屑化となった。なお、表2では介在物形態が全てaとbとなっていて一見良好に思われるが、これは介在物としてTiNはカウントしていないからである。


Claims (6)

  1. 以下、質量%にて、C:0.001~0.1%、Si:0.01~0.4%、Mn:0.1~1%、P:0.03%以下、S:0.002%以下、Cr:13~35%、Mo:18%以下、W:5%以下、Cu:1%以下、Al:0.001~0.35%、Ti:0.001~0.2%、Ca:0.0001~0.02%、Mg:0.0001~0.02%、N:0.001~0.03%、Fe:2~11%、O:0.005%以下、Co、Nb、Bのうち1種または2種以上を4%以下含有し、残部Niおよび不可避的不純物であり、非金属介在物の平均組成がMgO:30~70%、Al:15~40%、SiO:30%以下、CaO:10~40%、MnO:1%以下であることを特徴とする表面性状に優れたNi基合金。
  2. 前記非金属介在物の組織形態は、全非金属介在物に対して個数比率で70%以上の非金属介在物が以下のa~eの5種類のいずれか1または2以上であることを特徴とする請求項1に記載の表面性状に優れたNi基合金。
    a:CaO-Al-MgO系酸化物が略球面内にMgO・Alを完全に包含する形態
    b:CaO-Al-MgO系酸化物
    c:CaO-Al-MgO系酸化物が略球面内にMgOを完全に包含する形態
    d:MgO単体
    e:MgO・Al単体
  3. 前記CaO-Al -MgO系酸化物が含まれており、前記CaO-Al-MgO系酸化物は、CaO:20~60%、Al:30~60%、MgO:1~30%、SiO:20%以下、TiO2:0.5%以下であることを特徴とする請求項2に記載の表面性状に優れたNi基合金。
  4. 前記MgO・Al が含まれており、前記MgO・AlはMnOを0.5%以下含むことを特徴とする請求項2に記載の表面性状に優れたNi基合金。
  5. 前記MgO単体が含まれており、前記MgO単体はAl:3%以下、SiO:1%以下、CaO:10%以下、MnO:1%以下を含有することを特徴とする請求項2に記載の表面性状に優れたNi基合金。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載のNi基合金の製造方法であって、その製造方法は、原料を電気炉で溶解し、その後AODにて脱炭精錬、生石灰、マグネシア含有廃煉瓦、蛍石およびフェロシリコン合金、Si、Alの1種または2種以上を投入してCr還元を実施し、さらにAlを投入して、CaO-Al-MgO-SiO-F系スラグを形成して、脱酸、脱硫を施した後、連続鋳造機にてスラブを製造し、表面を研削後、熱間圧延工程を経て、冷間圧延を実施することを特徴とする表面性状に優れたNi基合金の製造方法。
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