(実施の形態に至る経緯)
また、従来のリード端子高さの計測方法では、リード端子の先端部分が切断加工されて所定の表面粗さの傾斜面を有する場合には、2台のステレオカメラに対して垂直方向になるように配置されたリード端子のエッジを検出し、検出されたエッジの位置に基づいて、リード端子高さを計測していた。しかし、このリード端子高さの計測方法は、検出されたリード端子のエッジが直線状でない場合、リード端子高さの計測に用いるエッジの位置と、このエッジの位置に基づいて計測されたリード端子高さとに誤差が生じることがあった。したがって、従来のリード端子高さの計測方法では、リード端子ごとのリード浮きを正確に検出することが困難となり、部品実装時の部品検査において不良部品と誤判定されて廃棄したり、部品検査において不良部品と判定されなかった不良部品を基板に実装したりすることがあった。
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る部品実装装置およびリード端子高さ計測方法を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。尚、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
例えば、実施の形態でいう「部」または「装置」とは単にハードウェアによって機械的に実現される物理的構成に限らず、その構成が有する機能をプログラムなどのソフトウェアにより実現されるものも含む。また、1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成により実現されても、または2つ以上の構成の機能が例えば1つの物理的構成によって実現されていてもかまわない。
図1を参照し、部品実装装置1の構成について説明する。図1は、実施の形態に係る部品実装装置1を上から見た図である。また、図2は、図1に示す部品実装装置1の機械的構成例を示す側面図である。なお、図1および図2において、部品実装装置1の正面側(図1の紙面で下側、図2の紙面で左側)を前側、部品実装装置1の裏面側(図1の紙面で上側、図2の紙面で右側)を後側ともいう。
部品実装装置1は、実装基板を製造する部品実装ライン(不図示)に配置され、搬入された基板Wに1個以上の部品P(例えば、IC(Integrated Circuit)、トランジスタ、コンデンサなどの電子部品、またはBGA部品)などを実装する装置である。また、部品実装装置1は、基台12(下述参照)の内部に部品実装装置1の各部を制御する制御部40を収納して備える。
なお、本実施の形態に係る部品実装装置1は、基板Wを搬送する一対の基板搬送機構13の両側方(Y方向,-Y方向)に一対の部品供給機構15のそれぞれを備える例を示すが、片側のみに備える構成であってもよい。さらに、実施の形態に係る部品実装装置1は、1つの基板を搬送可能なシングルレーンの構成を有する例を示すが、2つの基板のそれぞれを同時に搬送可能なデュアルレーンの構成を有してもよい。
さらに、図1および図2に示す実施の形態に係る部品実装装置1は、基板Wに実装される基板実装用の部品Pを供給する方法として、部品Pが収納されたテープフィーダ18を使用する例について説明する。しかし、部品を供給する方法は、テープフィーダ18に限定されず、例えば部品が収納されたパレットを使用してもよいし、テープフィーダ18とパレットとを併用してもよい。なお、部品実装装置1は、テープフィーダ18を使用する場合には、部品供給機構15にテープフィーダを含む構成となり、パレットを使用する場合には、部品供給機構15にトレイフィーダを含む構成となる。
実装機本体11の基台12の中央部には、図1に示すX方向(基板Wの搬送方向)に沿って基板搬送機構13が配設される。基板搬送機構13は、X方向に沿って延設される一対のコンベア部14を有し、その一対のコンベア部14の上に載置される基板Wを搬送して所定の実装作業位置で位置決めして保持する。
基板搬送機構13の前後両側(図1の紙面で上下両側、図2の紙面で左右両側)には、前後一対の部品供給機構15のそれぞれが対向して配設される。この一対の部品供給機構15のそれぞれはスロット17が設けられるフィーダベース16を有しており、スロット17にはパーツフィーダとして部品Pを収納した複数のテープフィーダ18のそれぞれが並列に装着される。
また、部品実装装置1は、フィーダーカート19をさらに有する。フィーダーカート19は、その下側に複数の車輪が配設される台車部20と、台車部20の上側に配設される複数のリールストック部(不図示)と、を含んで構成される。複数のリールストック部のそれぞれには、リール21が収容される。部品Pを収納したキャリヤテープ22は、リール21のそれぞれから引き出されて部品供給機構15のテープフィーダ18に送られ、取り出し(ピックアップ)が実行される取出位置に部品Pを供給する。これにより、部品供給機構15のテープフィーダ18は、キャリヤテープ22をテープ送り方向にピッチ送りすることにより、下述する部品実装機構23の実装ヘッド26によって部品Pの取り出し(ピックアップ)が実行される部品取出位置に供給する。
部品実装機構23は、基台12の上方に配設されており、部品供給機構15が設けられた部品取出位置と基板Wが搬送された基板搬送位置とに亘って移動可能に構成される。具体的には、部品実装機構23は、基板Wの表面と略平行する平面上で互いに直交配置されるX軸テーブル機構25およびY軸テーブル機構24とによってX方向およびY方向に沿って直動移動可能である。
基台12の上面には、Y軸テーブル機構24がY方向に沿って配設される。また、前後一対のX軸テーブル機構25がX方向に沿って配設されており、Y方向に沿ってスライド移動可能にY軸テーブル機構24のそれぞれに取り付けられる。また、前後一対のX軸テーブル機構25のそれぞれの先端部には、実装ヘッド26がX方向に沿ってスライド移動可能に取り付けられる。すなわち、実施の形態では、部品実装機構23に実装ヘッド26が搭載されており、実装ヘッド26はX軸テーブル機構25およびY軸テーブル機構24によって互いに独立に移動可能に設けられる。これにより、実装ヘッド26は基板Wの表面と略平行する平面上、つまり水平面(XY平面)において任意に位置決めされる。なお、X軸テーブル機構25およびY軸テーブル機構24はいずれもリニアガイド駆動機構により構成される。
前後一対の部品供給機構15と基板搬送機構13との間には、部品認識カメラ28(撮像部の一例)が配設される。部品供給機構15から部品Pを取り出して保持した状態で実装ヘッド26に装着される部品保持ノズル27(下述参照)が部品認識カメラ28の上方を移動して通過する。このとき、部品認識カメラ28は、その通過する部品保持ノズル27に吸着保持された部品Pを所定のタイミングで撮像する。
部品認識カメラ28は、複数の異なる角度に配置されたカメラのそれぞれ(具体的に、右カメラ28A,左カメラ28B,下カメラ28Cのそれぞれ)により構成される。なお、部品認識カメラ28は、この部品Pが部品Pの側面から突出する複数のリード端子のそれぞれを備えるリード部品である場合、制御部40から入力された制御信号に基づいて、右カメラ28A,左カメラ28Bによりそれぞれ異なる角度からリード部品を撮像する。
また、前後一対の部品供給機構15と基板搬送機構13との間には、ノズルホルダ38および廃棄ボックス37がさらに配設される。ノズルホルダ38は、実装ヘッド26の部品保持ノズル27を保持対象の部品Pに対応して複数種類収納する。実装ヘッド26をノズルホルダ38にアクセスさせて所定のノズル交換動作を実行させることにより、実装ヘッド26には保持対象に適した部品保持ノズル27(下述)が装着される。廃棄ボックス37は箱状に形成されて内部空間を有し、その内部空間には、部品認識カメラ28によって撮像結果を認識した結果、不良と判定された部品Pなどが廃棄される。
次に、図3を参照しながら、実装ヘッド26の構成およびその動作について説明する。図3は、実装ヘッド26による部品Pの吸着から実装までの部品実装手順を示す斜視図である。なお、図3に示す実装ヘッド26は、説明を簡単にするために1つ部品保持ノズル27を備える例を示すが、複数の部品保持ノズルのそれぞれを装着した多連型ヘッド(不図示)であってもよい。また、実装ヘッド26には、透過照明部(不図示)から照射される照明光を反射させるための反射板(不図示)が固設される。反射板は、保持された部品Pの上方に配置される。
部品保持ノズル27は、例えば空気圧を利用して部品供給機構15の部品取出位置まで送られたテープフィーダ18から部品Pを真空吸着して保持し、昇降する。また、実装ヘッド26は、部品保持ノズル27を昇降させるZ軸昇降機構(不図示)と、部品保持ノズル27をノズル軸回に個別に回転させるθ軸回転機構(不図示)と、をさらに有する。Y軸テーブル機構24およびX軸テーブル機構25が駆動することにより、実装ヘッド26は水平面(XY平面)において任意に位置決めされる。この移動により、実装ヘッド26は、部品供給機構15のテープフィーダ18の取出位置から部品Pを部品保持ノズル27によって吸着して取り出す。
実装ヘッド26には、X軸テーブル機構25の下面側に配設され、実装ヘッド26と一体に移動する基板認識カメラ36(図1参照)が固設される。実装ヘッド26が移動することにより、基板認識カメラ36は、基板搬送機構13によって基板搬送位置に搬送され、位置決めされた基板Wの上方を通過して基板Wを撮像する。この撮像結果(撮像情報)が同様に制御部40によって認識処理されることにより、基板Wの搬送位置および姿勢が検出される。
基板Wの搬送位置および姿勢の検出結果、実装ヘッド26は、制御部40の制御指令に基づいて、部品保持ノズル27によって部品Pを、所定の部品実装位置に所定の姿勢で実装する。このようにして、部品Pは、部品取出位置から部品実装位置までの間を実装ヘッド26の部品保持ノズル27によって保持されて移動された後、基板W上に装着される。
部品実装装置1は、基板W上の複数の実装位置への部品の実装がすべて完了するまで、実装ヘッド26の部品保持ノズル27による複数の部品Pの取出、実装そして部品取出位置への戻り移動の一連の作業を繰り返し実行する。この作業の繰り返しにより、順次搬送される基板Wのそれぞれには多数の部品Pが順次実装され、部品実装装置1により実装されるべきすべての部品Pが実装された基板Wは、次の工程(下流工程)に搬送される。このように、実装機本体11と部品実装機構23とは協調して動作しており、この協調動作は制御部40の指示によって実行される。
次に、図4を参照しながら、部品認識カメラ28の構成について説明する。図4は、部品認識カメラ28の内部構造例を示す斜視図である。
図4に示すように、部品認識カメラ28は、複数の右カメラ28Aのそれぞれと、複数の左カメラ28Bのそれぞれと、下カメラ28Cと、を備える。下カメラ28Cの鏡体281Cを挟んで対向する1台の右カメラ28Aおよび1台の左カメラ28Bは、1組のステレオカメラとして機能する。なお、本実施の形態に係る部品認識カメラ28では、より広い画角を得るために2台の右カメラ28Aと2台の左カメラ28Bとを備える例を示すが、右カメラ28Aおよび左カメラ28Bの台数は、それぞれ1台ずつであっても、3台ずつ備える構成であってもよい。
右カメラ28Aのそれぞれは、鏡体283Aのそれぞれに内蔵されたレンズ281Aと、右カメラ用のイメージセンサ282Aと、を含んで構成される。
左カメラ28Bのそれぞれは、鏡体283Bのそれぞれに内蔵されたレンズ(不図示)と、左カメラ用のイメージセンサ282Bと、を含んで構成される。
下カメラ28Cは、鏡体281Cのそれぞれに内蔵されたレンズ(不図示)と、下カメラ用のイメージセンサ282C,283Cと、プリズム281Pと、を含んで構成される。
イメージセンサ282A,282B,282C,283Cは、例えばCCD(Charge Coupled Device)もしくはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などにより構成される。
右カメラ28A、左カメラ28B、および下カメラ28Cは、その光軸が垂直方向(Z方向)に沿うように配設され、部品認識カメラ28の上方を移動する部品Pを撮像することが可能である。また、右カメラ28A、左カメラ28B、および下カメラ28Cは、シャッタ機能を有しており、制御部40の撮像処理部43(下述参照)の制御指令に従って所定のタイミングで撮像可能に構成される。右カメラ28A、左カメラ28B、および下カメラ28Cは、撮像された結果(撮像画像)を制御部40に送信する。
次に、図5を参照して、部品認識カメラ28がリード部品LPを撮像する時の位置関係について説明する。図5は、部品認識カメラ28とリード部品LPとの位置関係を説明する図である。
撮像部の一例であって、部品認識カメラ28が備えるステレオカメラとしての右カメラ28Aおよび左カメラ28Bは、実装ヘッド26に装着された部品保持ノズル27により吸着保持された状態で、部品認識カメラ28上を搬送されるリード部品LPの下面をそれぞれ異なる角度から撮像する。2台の右カメラ28Aおよび2台の左カメラ28Bのそれぞれは、撮像した撮像画像を撮像処理部43に送信する。
撮像処理部43は、2台の右カメラ28Aおよび2台の左カメラ28Bのそれぞれから送信された複数の撮像画像に基づいて、撮像画像に映るリード部品LP(図6参照)が備える複数のリード端子Lのそれぞれの端部のエッジ(例えば、図11に示す破線枠R31,R32,R41,R42のそれぞれで囲まれた部分)、またはリード端子Lのそれぞれのサイド(例えば、図12に示す破線枠R33,R34,R35,R36,R43,R44,R45,R46のそれぞれで囲まれた部分)を検出する。
また、撮像処理部43は、右カメラおよび左カメラのそれぞれが備える各レンズの光軸上であって、各レンズ表面から等しい距離H1の点を通過する平面を基準面H0として設定される。ここで、基準面H0を設定するための距離H1は、例えば4mmなどの値で設定される。
撮像処理部43は、2台の右カメラ28Aおよび2台の左カメラ28Bのそれぞれにより撮像された複数の撮像画像のそれぞれを用いて検出されたそれぞれのリード端子Lの端部のエッジに基づいて、下面から撮像されたそれぞれのリード端子Lの端部のエッジから基準面H0までの距離をリード端子高さH2として計測する。また、撮像処理部43は、2台の右カメラ28Aおよび2台の左カメラ28Bのそれぞれにより撮像された複数の撮像画像のそれぞれを用いて検出されたそれぞれのリード端子Lのサイドに基づいて、下面から撮像されたそれぞれのリード端子Lのサイドから基準面H0までの距離をリード端子高さH2として計測する。なお、具体的なリード端子高さH2の計測方法については、図8の撮像処理部43に含まれる各構成(エッジ形状判定部43Bおよびリード端子高さ計測部43C)の説明で述べる。
次に、図6および図7を参照して、実施の形態に係る部品実装装置1により基板W上に実装されるリード端子Lを備えるリード部品LPの一例について説明する。図6は、リード端子Lを備えるリード部品LPの上面および下面の一例を示す図である。図7は、リード端子Lを備えるリード部品LPの側面およびリード端子Lの先端部分TPの一例を示す図である。なお、図6および図7に示すリード部品LPは、略矩形状を有する本体Tのうち対向する1対の辺のそれぞれ(つまり、本体TのX方向側の辺および-X方向側の辺)のみに複数のリード端子Lのそれぞれを備える例を示すが、例えば本体Tのうち任意の3辺または4辺に複数のリード端子Lのそれぞれを備えてもよい。
リード部品LPは、本体Tと、複数のリード端子Lのそれぞれと、を有して構成される。本体Tは、略矩形状に形成されて半導体素子(半導体チップ)を内蔵する半導体デバイスである。複数のリード端子Lのそれぞれは、本体Tのうち対向する1対の辺のそれぞれに沿って略等間隔で並んで設けられ、部品実装装置1による部品実装工程よりも後工程に実行されるリフロー工程により本体Tに内蔵された半導体素子(半導体チップ)と基板W上のランドまたは半田との間で電気的接続を可能にする。
本実施の形態に係る複数のリード端子Lのそれぞれは、これらリード端子Lの先端部分TPの端部が傾斜面CSを有するように切断加工が施されている。なお、この切断加工の加工精度が低い場合、リード端子Lの端部は、図7に示す傾斜面CSSように所定の表面粗さを有する。
次に、図8を参照して、実施の形態に係る部品実装装置1の制御部40の機能について説明する。図8は、部品実装装置1の制御部40の機能的構成を例示するブロック図である。
部品実装装置1の制御部40は、例えばCPU(Central Processing unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成され、記憶部41と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、制御部40は、記憶部41に保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。ここでいう各部は、例えば機構駆動部42、および撮像処理部43などである。制御部40は、これら各部により、部品認識カメラ28により撮像された撮像画像を画像処理する機能、画像処理により撮像画像に映るそれぞれのリード端子の端部のエッジまたはリード端子のサイドを検出する機能、検出されたリード端子の端部のエッジに基づいて、リード端子の高さを計測する機能、計測されたそれぞれのリード端子高さに基づいて、リード浮きを検出する機能、リード部品LPが不良部品であるか否かを判定する機能などを実行する。
制御部40は、実装ヘッド26により取り出される部品がリード端子を備えるリード部品LPである場合、部品認識カメラ28の右カメラ28Aおよび左カメラ28Bによってリード部品LPを撮像させる。一方、制御部40は、実装ヘッド26により取り出される部品がリード端子を備えない部品である(つまり、リード部品LPでない)場合には、下カメラ28C、あるいは下カメラ28Cと他のカメラ(右カメラ28Aまたは左カメラ28B)とを組み合わせて部品を撮像させる。
記憶部41は、例えば制御部40の各処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)と、制御部40の動作を規定したプログラムおよびデータを格納するROM(Read Only Memory)とを有する。RAMには、制御部40により生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、制御部40の動作を規定するプログラムが書き込まれている。記憶部41は、実装データ41Aと、部品データ41Bと、非直線エッジリード情報41Cと、リード端子高さ情報41Dと、リード浮き情報41Eと、を記憶する。
実装データ41Aは、基板Wに関する情報、および基板Wに実装される複数の部品のそれぞれに関する情報であって、基板Wの高さ情報(つまり、厚み情報)、複数のスロット17それぞれに配設されたそれぞれのキャリヤテープ22により供給される部品の情報、部品ごとの部品実装位置の情報などを含むデータである。
部品データ41Bは、部品に関する情報であって、例えば部品名、部品の大きさ、部品の厚さ(Z方向における高さ)、部品を個別に識別可能な識別情報と、部品に設けられた電極の数および位置などの情報を含む。また、部品データ41Bは、部品がリード部品LPである場合には、部品がリード部品LPであることを示す情報、リード部品LPの方向を特定するための基準点の位置情報、リード端子Lの数、リード端子Lの配置または間隔に関する情報などを記憶する。また、部品データ41Bは、リード部品LPが備えるリード端子Lのリード浮きについて、リード部品LPが不良部品であるか否かを判定するための閾値の情報を含む。
非直線エッジリード情報41Cは、エッジ形状判定部43Bにより非直線エッジが検出されたリード端子を識別可能な情報を記憶する。ここでいう非直線エッジとは、リード端子Lの下面USの端部のエッジが直線状でない(つまり、非直線状である)と判定されたエッジである。
リード端子高さ情報41Dは、撮像処理部43により計測された複数のリード端子Lのそれぞれの高さであり、リード部品LPと対応付けて記憶される。リード端子高さ情報41Dは、部品のそれぞれの識別情報(つまり、部品データ41B)と関連付けて記憶され、リード端子高さ計測部43Cにより計測されたリード端子Lごとのリード端子高さH2(具体的に、基準面H0(図5参照)からリード端子Lの下面USまでの距離)を記憶する。
リード浮き情報41Eは、リード浮き検出部43Dにより出力されたリード浮き情報をリード部品LPごとの識別情報に対応付けて記憶する。
機構駆動部42は、制御部40から出力された制御指令に基づいて、基板搬送機構13、部品実装機構23、およびテープ送り機構29のそれぞれを駆動させる。なお、ここでいうテープ送り機構29は、基板W上に実装されるそれぞれの部品を収納したキャリヤテープ22をテープ送りして、部品取出位置まで部品を供給するための機構である。機構駆動部42は、部品回転制御部42Aを含んで構成される。
機構駆動部42は、基板搬送機構13を駆動させて基板Wを基板搬送位置まで搬送する。また、機構駆動部42は、制御部40より補正後の基板搬送位置および複数の部品Pのそれぞれの部品実装位置の情報が入力されると、テープ送り機構29を駆動させ、基板W上に実装される複数の部品のそれぞれを各部品取出位置まで送り出す。機構駆動部42は、部品実装機構23を駆動させて、各部品取出位置の部品を吸着保持して取り出し、部品認識カメラ28上を通過するように搬送する。
部品回転部の一例としての部品回転制御部42Aは、エッジ形状判定部43Bによりリード部品LPが備えるすべてのリード端子Lのうちいずれか1つのリード端子の端部のエッジが直線状でないと判定された場合に、部品実装機構23の実装ヘッド26により吸着保持されているリード部品LPを所定の角度(例えば、90°)だけ回転させる制御指令を生成して出力する。
なお、部品回転制御部42Aは、回転後に撮像される撮像画像においてそれぞれのリード端子Lのサイドが右カメラ28Aおよび左カメラ28Bから略等距離となるように撮像されることが望ましい。よって、部品回転制御部42Aは、リード端子Lのサイド(例えば、図12に示す紙面上下方向(平行方向))が右カメラ28Aおよび左カメラ28Bの配置方向(例えば、図12に示す紙面左右方向)に対して略垂直となる角度まで回転させることがより望ましいが、単に設定された所定の角度だけ回転させる制御であってもよい。
また、部品回転制御部42Aは、撮像処理部43により部品認識カメラ28により撮像されたそれぞれの撮像画像から実装ヘッド26により吸着保持されたリード部品LPの保持姿勢(角度)が計測される場合、計測された保持姿勢(角度)に基づいて、リード端子Lのサイドが右カメラ28Aおよび左カメラ28Bの配置方向に対して略垂直となるための角度を算出し、回転させてもよい。
また、部品回転制御部42Aは、回転させる制御指令を生成した後、不良部品判定部43Eから出力された制御指令に基づいて、再び部品実装機構23の実装ヘッド26により吸着保持されているリード部品LPを所定の角度だけ回転させる制御指令を生成して出力する。
なお、部品回転制御部42Aは、2回目の回転制御を実行させる場合、1回目に回転させた回転方向と逆の回転方向に所定の角度だけリード部品LPを回転させる制御指令を生成してもよい。また、部品回転制御部42Aは、1回目に回転させた回転方向と同じ回転方向に360°から所定の角度だけ引いた角度(例えば、1回目の回転で90°回転させた場合には、270°)だけリード部品LPを回転させる制御指令を生成してもよい。
機構駆動部42は、不良部品判定部43Eにより実装ヘッド26により吸着保持されているリード部品LPが不良部品でないと判定された場合、実装ヘッド26を駆動させてリード部品LPを基板W上の所定の部品実装位置に実装させる制御指令を生成し、部品実装機構23に出力する。また、機構駆動部42は、不良部品判定部43Eにより実装ヘッド26により吸着保持されているリード部品LPが不良部品と判定された場合、実装ヘッド26を駆動させてリード部品LPを廃棄ボックス37に廃棄させる制御指令を生成し、部品実装機構23に出力する。
姿勢計測部の一例としての撮像処理部43は、部品認識カメラ28により撮像された撮像画像に画像処理を実行してリード部品LPが備えるそれぞれのリード端子Lのリード端子高さH2を計測し、リード部品LPが不良部品であるか否かを判定する。また、撮像処理部43は、基板認識カメラ36により撮像された撮像画像に基づいて、基板搬送位置まで搬送された基板Wの位置および姿勢を検出する。撮像処理部43は、カメラ制御部43Aと、エッジ形状判定部43Bと、リード端子高さ計測部43Cと、リード浮き検出部43Dと、不良部品判定部43Eと、を含んで構成される。
カメラ制御部43Aは、制御部40から出力された制御指令に基づいて、部品認識カメラ28を制御する。具体的に、カメラ制御部43Aは、実装ヘッド26により吸着保持された部品がリード部品LPである場合、リード部品LPが部品認識カメラ28の上方を通過するタイミングで複数の右カメラ28Aおよび複数の左カメラ28Bにリード部品LPを撮像させる。一方、撮像処理部43は、実装ヘッド26により吸着保持された部品がリード部品LPでない場合、部品が部品認識カメラ28の上方を通過するタイミングで下カメラ28Cに部品を撮像させる。複数の右カメラ28A、複数の左カメラ28Bまたは下カメラ28Cは、撮像した撮像画像を撮像処理部43に送信する。
エッジ形状判定部43Bは、複数の右カメラ28Aによって撮像された撮像画像を用いて、リード部品LPが備えるすべてのリード端子Lのそれぞれの端部のエッジを検出する。また、エッジ形状判定部43Bは、複数の左カメラ28Bにより撮像された撮像画像を用いて、リード部品LPが備えるすべてのリード端子Lのそれぞれの端部のエッジを検出する。
エッジ形状判定部43Bは、それぞれの撮像画像から検出されたリード端子Lごとの下面USの端部のエッジが直線状であるか否かを判定する。エッジ形状判定部43Bは、それぞれの撮像画像で検出されたリード端子Lごとの下面USの端部のエッジがともに直線状でないと判定された場合、非直線エッジであると判定し、非直線エッジと判定されたリード端子の情報を非直線エッジリード情報41Cに出力して、記憶させる。また、エッジ形状判定部43Bは、非直線エッジがあると判定した場合、部品回転制御部42Aにリード部品LPを所定の角度だけ回転させる制御指令を生成して出力する。
エッジ形状判定部43Bは、リード部品LPが所定の角度だけ回転された後、複数の右カメラ28Aおよび複数の左カメラ28Bにより撮像されたリード部品LPの撮像画像を受信する。エッジ形状判定部43Bは、複数の右カメラ28Aによって撮像された撮像画像を用いて、リード部品LPが備える非直線エッジと判定されたリード端子Lのエッジを再検出する。また、エッジ形状判定部43Bは、複数の左カメラ28Bにより撮像された撮像画像を用いて、非直線エッジと判定されたリード端子Lのエッジを再検出する。
リード端子高さ計測部43Cは、リード端子Lごとの下面USの端部のエッジがともに直線状であると判定されたエッジ(以降、「直線エッジ」と記載)について、右カメラ28Aおよび左カメラ28Bにより撮像されたそれぞれの撮像画像に映るリード端子Lごとの直線エッジの画素位置の差分を計測する。リード端子高さ計測部43Cは、計測された画素位置の差分に基づいて、それぞれのリード端子高さH2(図5に示す基準面H0からリード端子Lの下面USまでの距離)を計測する。
また、リード端子高さ計測部43Cは、非直線エッジであると判定されたリード端子Lについて、リード部品LPが所定の角度だけ回転された後のそれぞれの撮像画像に映るリード端子Lのサイド(図6に示す平行方向に沿ったリード端子Lのサイド)について、右カメラ28Aおよび左カメラ28Bにより撮像されたそれぞれの撮像画像に映るリード端子Lごとのサイドの画素位置の差分を計測する。リード端子高さ計測部43Cは、計測された画素位置の差分に基づいて、それぞれのリード端子Lのリード端子高さH2を計測する。
リード端子高さ計測部43Cは、計測されたすべてのリード端子高さH2をリード端子高さ情報41Dに出力して、記憶させる。
リード浮き検出部43Dは、リード端子高さ計測部43Cにより計測されたすべてのリード端子Lのリード端子高さH2に基づいて、リード部品LPが備えるリード端子Lのそれぞれが浮いているか否かを判定するとともに、リード端子Lごとの判定結果をリード浮き情報41Eに出力して、記憶させる。
不良部品判定部43Eは、部品データ41Bに記憶されたリード部品LPごとのリード端子Lのリード端子高さH2について、リード部品LPが不良部品であるか否かを判定するための所定の閾値の情報を取得する。不良部品判定部43Eは、リード浮き検出部43Dにより検出されたリード端子Lごとのリード浮きが所定の閾値以下である場合、このリード部品LPを不良部品でないであると判定する。一方、不良部品判定部43Eは、このリード部品LPを不良部品であると判定した場合、このリード部品LPを廃棄させる制御指令を生成し、機構駆動部42に出力する。
以上により、本実施の形態に係る撮像処理部43は、例えばリード端子Lの端部に施された切断加工の加工精度が低く、図7に示す傾斜面CSSように所定の表面粗さを有している場合であっても、それぞれのリード端子Lのリード端子高さH2をより正確に計測し、リード部品LPが不良部品であるか否かをより正確に判定できる。
具体的に、撮像処理部43は、リード部品LPを下面US(-Z方向)から撮像する時に、下面USに照射される撮像用の照明(不図示)の光が所定の表面粗さを有する傾斜面CSSで乱反射し、撮像画像に映る傾斜面CSSが映り込むことがある。このような場合、撮像処理部43は、リード端子Lの下面USの端部のエッジとして傾斜面CSSを含む領域を下面USの端部のエッジとして誤検出する。なお、ここで誤検出された端部のエッジは、乱反射して映り込んだ傾斜面CSSの一部分を含んで検出されるため、非直線状のエッジとなる。
したがって、上述した本実施の形態に係る部品実装装置1は、検出された端部のエッジが直線状でないと判定した場合、実装ヘッド26により吸着保持されたリード部品LPを所定の角度だけ回転させ、右カメラ28Aおよび左カメラ28Bにより撮像された複数の撮像画像を用いて端部のエッジよりも検出しやすいサイドを検出する。また、本実施の形態に係る部品実装装置1は、このサイドに基づいて、リード端子Lのリード端子高さH2を計測ことにより、例えば切断加工の加工精度が低いリード端子Lを備えるリード部品LPであっても、それぞれのリード端子Lのリード端子高さH2をより正確に計測できるとともに、リード部品LPが不良部品であるか否かをより正確に判定できる。
次に、図9~図12を参照して、部品実装装置1により実行されるリード端子高さの計測処理について説明する。図9は、実施の形態に係る部品実装装置1におけるリード端子高さ計測手順例を説明するフローチャートである。図10は、実施の形態に係る部品実装装置1におけるリード端子高さ計測手順例を説明するフローチャートである。図11は、実施の形態に係る部品実装装置1におけるリード端子高さ計測手順例を説明する図である。図12は、実施の形態に係る部品実装装置1におけるリード端子高さ計測手順例を説明する図である。
なお、図9~図12では、一例として実装ヘッド26が部品として4本のリード端子L1,L2,L3,L4のそれぞれと、本体T1と、を備えるリード部品LP1を吸着して基板W上に実装する例について説明する。
部品実装装置1は、部品取出位置まで搬送されたリード部品LP1を実装ヘッド26に装着された部品保持ノズル27により吸着保持して(St1)、実装ヘッド26を部品認識カメラ28の上方へ移動させる(St2)。
部品実装装置1は、実装ヘッド26により吸着保持されたリード部品LP1が部品認識カメラ28の上方、つまりリード端子L1~L4の下面を撮像可能な位置に移動したタイミングで、右カメラ28Aおよび左カメラ28Bによりリード部品LP1の下面を撮像させる(St3)。
ここで、図11に示す図は、リード部品LP1、右カメラ28Aおよび左カメラ28Bの位置関係を上(Z方向)から見た概略図である。右カメラ28Aおよび左カメラ28Bは、複数のリード端子L1~L4のそれぞれの端部が、右カメラ28Aおよび左カメラ28Bのそれぞれが配置された方向(紙面左右方向)を向くように配置される。これにより、右カメラ28Aおよび左カメラ28Bは、後述するステップSt6のリード端子高さの計測処理に用いられる端部のエッジが右カメラ28Aおよび左カメラ28Bから略等距離となるように撮像できるため、リード端子高さの計測に必要な端部のエッジの位置をより正確に計測できる。
部品実装装置1は、右カメラ28Aにより撮像された撮像画像を用いて、リード部品LP1が備えるすべてのリード端子L1~L4のそれぞれの端部のエッジを検出する。また、エッジ形状判定部43Bは、左カメラ28Bにより撮像された撮像画像を用いて、リード部品LP1が備えるすべてのリード端子L1~L4のそれぞれの端部のエッジを検出する。部品実装装置1は、リード部品LP1が備えるすべてのリード端子L1~L4のうちいずれか1つのリード端子について、右カメラ28Aおよび左カメラ28Bにより撮像されたそれぞれの撮像画像から検出された端部のエッジがともに直線状であるか否か(つまり、端部のエッジが非直線であるか否か)を判定する(St4)。
ここで、図11に示す撮像画像P11,P21のそれぞれを参照して、検出された端部のエッジがともに直線状であるか否かを判定する処理について、リード端子L3,L4の例を用いてより詳細に説明する。撮像画像P11は、左カメラ28Bにより撮像された撮像画像のうち2つのリード端子L3,L4のそれぞれが映る部分を切り出した画像である。また、撮像画像P21は、右カメラ28Aにより撮像された撮像画像のうち2つのリード端子L3,L4のそれぞれが映る部分を切り出した画像である。なお、図11に示す撮像画像P11,P21のそれぞれは、リード端子高さ計測処理を分かりやすく説明するためのものである。
まず、部品実装装置1は、右カメラ28Aにより撮像された撮像画像P21を用いて、リード部品LP1が備えるリード端子L3の端部のエッジ(破線枠R32で囲まれた部分)およびリード端子L4の端部のエッジ(破線枠R42で囲まれた部分)を検出する。また、部品実装装置1は、左カメラ28Bにより撮像された撮像画像P11を用いて、リード部品LP1が備えるリード端子L3の端部のエッジ(破線枠R31で囲まれた部分)およびリード端子L4の端部のエッジ(破線枠R41で囲まれた部分)を検出する。
部品実装装置1は、リード部品LP1が備える複数のリード端子のうちリード端子L3について、撮像画像P11から検出された端部のエッジと、撮像画像P12から検出された端部のエッジとがともに直線状であるか否かを判定する。また、同様に、部品実装装置1は、リード部品LP1が備える複数のリード端子のうちリード端子L4について、撮像画像P11から検出された端部のエッジと、撮像画像P21から検出された端部のエッジとがともに直線状であるか否かを判定する。
なお、図11に示す例では、リード端子L3,L4は、撮像画像P11を用いて検出された端部のエッジがともに非直線であると判定されて、非直線エッジのリード端子として非直線エッジリード情報41Cに記憶される。
部品実装装置1は、ステップSt4の処理において、端部のエッジが非直線エッジであると判定した場合(St4,YES)、非直線エッジと判定されたリード端子の情報を非直線エッジのリード端子として記憶部41における非直線エッジリード情報41Cに記憶する(St5)。
一方、部品実装装置1は、ステップSt4の処理において、端部のエッジが非直線エッジでない(つまり、直線エッジである)と判定した場合(St4,NO)、このリード端子において撮像画像P11から検出された直線エッジと、撮像画像P21から検出された直線エッジとに基づいて、このリード端子高さを計測し、記憶部41におけるリード端子高さ情報41Dに記憶する(St5)。
部品実装装置1は、リード部品LP1が備えるすべてのリード端子L1~L4のうちステップSt4の判定処理が実行されていない未判定のリード端子があるか否かを判定する(St7)。
部品実装装置1は、ステップSt7の処理において、リード部品LP1が備えるすべてのリード端子L1~L4のうちステップSt4の判定処理が実行されていないリード端子がないと判定した場合(St7,NO)、さらに非直線エッジリード情報41Cから参照して、非直線エッジのリード端子として記憶されたリード端子があるか否かを判定する(St8)。一方、部品実装装置1は、ステップSt7の処理において、リード部品LP1が備えるすべてのリード端子L1~L4のうちステップSt4の判定処理が実行されていないリード端子があると判定した場合(St7,NO)、再度ステップSt4の処理に戻る。
部品実装装置1は、ステップSt8の処理において、非直線エッジリード情報41Cから参照して、非直線エッジのリード端子として記憶されたリード端子があると判定した場合(St8,YES)、部品実装機構23を制御し、実装ヘッド26により吸着保持されているリード部品LP1を所定の方向に90°回転させる(St9)。なお、ここで示す90°は、回転角度の一例であってこれに限定されなくてもよい。例えば、部品回転制御部42Aは、撮像処理部43により部品認識カメラ28により撮像されたそれぞれの撮像画像から実装ヘッド26により吸着保持されたリード部品LPの保持姿勢(角度)が計測される場合、計測された保持姿勢(角度)に基づいて、リード端子Lのサイドが右カメラ28Aおよび左カメラ28Bの配置方向に対して略垂直となるための角度を算出し、回転させてもよい。
一方、部品実装装置1は、ステップSt8の処理において、非直線エッジリード情報41Cから参照して、非直線エッジのリード端子として記憶されたリード端子がないと判定した場合(St8,NO)、ステップSt6の処理で計測されたすべてのリード端子L1~L4のそれぞれのリード端子高さに基づいて、リード端子L1~L4のリード浮きを検出(算出)する(St13)。部品実装装置1は、検出(計測)されたリード端子L1~L4のリード浮きを記憶部41におけるリード浮き情報41Eに記憶する。
部品実装装置1は、右カメラ28Aおよび左カメラ28Bにより回転後のリード部品LP1の下面を撮像する(St10)。図12に示すように、ステップSt10における右カメラ28Aおよび左カメラ28Bは、90°回転されたリード部品LP1の下面を撮像する。
ここで、図12に示す図は、リード部品LP1、右カメラ28Aおよび左カメラ28Bの位置関係を上(Z方向)から見た概略図である。右カメラ28Aおよび左カメラ28Bは、複数のリード端子L1~L4のそれぞれのサイドが、右カメラ28Aおよび左カメラ28Bのそれぞれが配置された方向(紙面左右方向)を向くように配置される。これにより、右カメラ28Aおよび左カメラ28Bは、後述するステップSt11のリード端子高さの計測処理に用いられるサイドが右カメラ28Aおよび左カメラ28Bから略等距離となるように撮像できるため、リード端子高さの計測に必要なリード端子のサイドの位置をより正確に計測できる。
部品実装装置1は、撮像された撮像画像に基づいて、非直線エッジのリード端子として記憶されたリード端子のうちいずれかのリード端子高さを計測し、記憶部41におけるリード端子高さ情報41Dに記憶する(St11)。
ここで、図12に示す撮像画像P12,P22のそれぞれを参照して、検出されたサイドに基づくリード端子高さの計測処理について、リード端子L3,L4の例を用いてより詳細に説明する。撮像画像P12は、左カメラ28Bにより撮像された撮像画像のうち2つのリード端子L3,L4のそれぞれが映る部分を切り出した画像である。また、撮像画像P22は、右カメラ28Aにより撮像された撮像画像のうち2つのリード端子L3,L4のそれぞれが映る部分を切り出した画像である。なお、図11に示す撮像画像P12,P22のそれぞれは、リード端子高さ計測処理を分かりやすく説明するためのものである。
まず、部品実装装置1は、右カメラ28Aにより撮像された撮像画像P22を用いて、リード部品LP1が備えるリード端子L3のサイド(破線枠R35,R36で囲まれた側方部分)、およびリード端子L4のサイド(破線枠R45,R46で囲まれたリード端子の側方部分)を検出する。なお、ここで検出されるリード端子のサイドは、1つのリード端子に対して1本のサイド(つまり、リード端子L3の場合、破線枠R35,R36で囲まれた2本のサイドのうちいずれか一方のサイド)が検出されてもよい。
また、同様に、部品実装装置1は、左カメラ28Bにより撮像された撮像画像P12を用いて、リード部品LP1が備えるリード端子L3サイド(破線枠R33,R34で囲まれた側方部分)、およびリード端子L4のサイド(破線枠R43,R44で囲まれたリード端子の側方部分)を検出する。なお、ここで検出されるサイドは、1つのリード端子に対して1本のサイド(つまり、リード端子L3の場合、破線枠R33,R34で囲まれた2本のサイドのうちいずれか一方のサイド)が検出されてもよい。
部品実装装置1は、ステップSt11の処理で、いずれか1つのリード端子において撮像画像P12から検出されたサイドと、撮像画像P22から検出されたサイドとに基づいて、このリード端子高さを計測する。
部品実装装置1は、非直線エッジのリード端子として記憶されたリード端子のうちリード端子高さが未計測のリード端子があるか否かを判定する(St12)。
部品実装装置1は、ステップSt12の処理において、リード端子高さが未計測のリード端子があると判定した場合(St12,YES)、ステップSt11の処理に移行する。一方、部品実装装置1は、ステップSt12の処理において、リード端子高さが未計測のリード端子があると判定した場合(St12,NO)、ステップSt13の処理に移行する。
部品実装装置1は、ステップSt6およびステップSt11の処理で計測されたすべてのリード端子L1~L4のそれぞれのリード端子高さに基づいて、リード端子L1~L4のリード浮きを検出(算出)する(St13)。部品実装装置1は、検出(計測)されたリード端子L1~L4のリード浮きを記憶部41におけるリード浮き情報41Eに記憶する。
部品実装装置1は、検出(算出)されたリード端子L1~L4のリード浮きに基づいて、このリード部品LP1が不良部品であるか否かを判定する(St14)。具体的に、部品実装装置1は、リード部品LP1が不良部品と判定されるための閾値と検出されたリード端子L1~L4のそれぞれのリード浮きとを比較して、リード部品LP1が不良部品であるか否かを判定する。
部品実装装置1は、ステップSt14の処理において、リード部品LP1が不良部品でないと判定した場合(St14,NO)、さらにステップSt9におけるリード部品LP1を90°回転させる処理を実行したか否かを判定する。部品実装装置1は、リード部品LP1を90°回転させていた場合、再びリード部品LP1を所定の角度(例えば、ステップSt9で回転させた回転方向と逆方向に90°、またはステップSt9で回転させた回転方向に270°)だけ回転させ、リード部品LP1の姿勢を戻す処理を実行して、リード部品LP1を基板W上の所定の部品実装位置に実装する(St15)。なお、部品実装装置1は、リード部品LP1を90°回転させていない場合、上述した処理を省略し、リード部品LP1を基板W上の所定の部品実装位置に実装する(St15)。
また、ステップSt15の処理で回転させる回転角度は、ステップSt9でリード部品LP1を回転させた回転角度に対応する角度であってよい。例えば、部品実装装置1は、ステップSt9の処理で所定の回転方向に100°回転させた場合、この所定の回転方向と逆方向に100°回転させてもよいし、所定の回転方向と同じ方向に260°だけ回転させてもよい。
一方、部品実装装置1は、ステップSt14の処理において、リード部品LP1が不良部品でないと判定した場合(St14,NO)、このリード部品LP1を廃棄ボックス37に廃棄する。
以上により、実施の形態に係る部品実装装置1は、実装ヘッド26により保持されたリード部品LPの側面から突出する複数のリード端子Lの端部のエッジを複数の異なる方向から撮像する右カメラ28Aおよび左カメラ28Bと、右カメラ28Aおよび左カメラ28Bにより複数の異なる方向から撮像された複数の撮像画像のそれぞれを用いてリード端子Lの端部のエッジを検出して、検出されたそれぞれのリード端子Lの端部のエッジが直線状であるか否かを判定するエッジ形状判定部43Bと、エッジ形状判定部43Bにより直線状であると判定されたリード端子Lのリード端子高さH2を、それぞれの撮像画像から検出された端部のエッジに基づいて計測するリード端子高さ計測部43Cと、エッジ形状判定部43Bにより直線状でないと判定されたリード端子Lがある場合、実装ヘッドにリード部品LPを回転させる部品回転制御部42Aと、を備える。右カメラ28Aおよび左カメラ28Bは、回転後のリード部品LPのリード端子Lのサイドを複数の異なる方向から再度撮像する。また、リード端子高さ計測部43Cは、再度撮像された複数の撮像画像のそれぞれを用いて直線状でないと判定されたリード端子Lのサイドを検出し、このリード端子Lのサイドに基づいて、リード端子Lのリード端子高さH2を計測する。
これにより、実施の形態に係る部品実装装置1は、リード端子Lの端部のエッジがきちんと検出できない場合(つまり、検出された端部のエッジが直線状でないと判定した場合)に、リード部品LPを回転させることにより、リード端子Lのサイドからリード端子Lのリード端子高さH2を計測できるため、リード部品LPが備えるそれぞれのリード端子Lのリード端子高さH2の計測誤差を低減できる。
また、実施の形態に係る部品実装装置1におけるリード端子高さ計測部43Cは、エッジ形状判定部43Bによりそれぞれの撮像画像から検出されたリード端子Lの端部のエッジがすべて直線状であると判定された場合に、リード端子Lのリード端子高さH2を計測する。これにより、実施の形態に係る部品実装装置1は、それぞれの撮像画像から検出されたリード端子Lの端部のエッジがすべて直線状である場合、リード端子Lの端部のエッジを適切に撮像できたと判定し、これらの撮像画像に映るリード端子Lの端部のエッジの画素位置のそれぞれに基づいて、計測誤差がより小さいリード端子高さH2を計測できる。
また、実施の形態に係る部品実装装置1は、リード端子高さ計測部43Cにより計測されたリード端子高さH2に基づいて、リード部品LPが不良部品であるか否かを判定する不良部品判定部43E、をさらに備える。これにより、実施の形態に係る部品実装装置1は、計測誤差がより小さいリード端子高さH2に基づいて、リード部品LPが不良部品であるか否かを判定するため、誤判定により不良部品と判定されるリード部品LPを少なくできるとともに、誤判定により不良部品でないと判定された不良部品が実装された不良基板の生産数を低減できるため、部品ロスを低減することができる。
また、実施の形態に係る部品実装装置1における部品回転制御部42Aは、リード部品LPを90°回転する。これにより、実施の形態に係る部品実装装置1は、部品回転制御部42Aによる部品回転制御を容易に実行できる。また、部品実装装置1は、一度90°回転させたリード部品LPを基板Wに実装する時に、元の保持姿勢に戻すための部品回転制御を容易に実行できる。
また、実施の形態に係る部品実装装置1は、撮像画像に基づいて、リード部品の保持姿勢を計測する撮像処理部43、をさらに備える。部品回転制御部42Aは、計測されたリード部品LPの保持姿勢に基づいて、リード端子Lのサイドが複数の撮像部の配置方向に対して平行となるようにリード部品LPを回転させる。これにより、実施の形態に係る部品実装装置1は、リード端子Lのサイド(例えば、図12に示す紙面上下方向(平行方向))が右カメラ28Aおよび左カメラ28Bの配置方向(例えば、図12に示す紙面左右方向)に対して略垂直となる角度までより正確に回転させることができる。したがって、部品実装装置1は、回転後に検出されるリード端子Lのサイドの画素位置の位置誤差をより小さくできるため、リード端子高さH2の計測誤差を低減できる。
以上、添付図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。