JP7436151B2 - ビタミンb12類の光安定化方法 - Google Patents

ビタミンb12類の光安定化方法 Download PDF

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Description

本発明は、光暴露によるビタミンB12類の分解を抑制する、ビタミンB12類の光安定化方法に関する。
ビタミンB12類は、水溶性ビタミンの一種であり、生命を維持するために不可欠な栄養素である。ビタミンB12類は、ビタミンB12類欠乏症、巨赤芽球性貧血、広節裂頭条虫症、悪性貧血、吸収不全症候群、眼精疲労、栄養性貧血、妊娠性貧血、神経痛等の症状の予防又は改善、肌荒れ改善等に有効であることが知られており、飲食品、口腔ケア製品、医薬品、化粧料等で使用されている。一方、ビタミンB12類は、光暴露により分解され易いことが知られており、ビタミンB12類を含む製品を実用化する上では、ビタミンB12類に対して光安定性を備えさせることが不可欠になっている。
従来、ビタミンB12類に光安定性を備えさせる製剤技術について種々報告されている。例えば、特許文献1には、ビタミンB12、及びブタノールを含む製剤が、ビタミンB12に光安定性を付与できることが開示されている。また、特許文献2には、ビタミンB12、及び特定のフェニルプロペンカルボニル構造を有するビタミン安定剤を含むビタミン組成物が、ビタミンB12に光安定性を付与できることが開示されている。また、特許文献3には、ビタミンB12にシクロデキストリン又はその誘導体を添加することによって、ビタミンB12に光安定化が図られることが開示されている。
このように、従来、ビタミンB12類の光安定化を図る製剤技術については検討されているものの、近年、製品の多様化や品質向上に対する要望が向上しており、このような要望に追従するために、ビタミンB12類の光安定化を図る新たな技術の開発が望まれている。
国際公開第2008/113483号 特開2007-125018号公報 特開平4-49239号公報
本発明の目的は、光暴露によるビタミンB12類の分解を抑制できるビタミンB12類の光安定化方法を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、ビタミンB12類を含む組成物にビタミンE類を含有させることにより、光暴露によるビタミンB12類の分解を抑制でき、ビタミンB12類の光安定化が図れることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. ビタミンB12類を含む組成物にビタミンE類を含有させる、ビタミンB12類の光安定化方法。
項2. ビタミンB12類1重量部当たり、含有させるビタミンE類が0.00125~1000重量部である、項1に記載のビタミンB12類の光安定化方法。
項3. ビタミンB12類を含む組成物に、ビタミンB12類1重量部当たり10重量部以下となる比率で界面活性剤を含有させる、項1又は2に記載のビタミンB12類の光安定化方法。
項4. ビタミンB12類を含む組成物が水性組成物である、項1~3のいずれかに記載のビタミンB12類の光安定化方法。
本発明によれば、光暴露によるビタミンB12類の分解を抑制できるので、ビタミンB12類を含む各種製品の保存安定性を向上させることが可能になる。
本発明の光安定化方法は、光暴露によるビタミンB12類の分解を抑制するための方法であって、ビタミンB12類を含む組成物にビタミンE類を含有させることを特徴とする。以下、本発明の光安定化方法について、詳述する。
[ビタミンB12類]
ビタミンB12類とは、ビタミンB12(シアノコバラミン)、その誘導体、及びそれらの塩を指す。本発明で使用されるビタミンB12類の種類については、飲食品、口腔ケア製品、医薬品、化粧料等の製品に配合可能であることを限度として特に制限されない。例えば、ビタミンB12の誘導体としては、メチルコバラミン、ヒドロキソコバラミン、アデノシルコバラミン、アクアコバラミン等が挙げられる。また、ビタミンB12及びその誘導体の塩としては、例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等のカルボン酸塩;メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等の有機スルホン酸塩;塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン塩;ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩等が挙げられる。これらのビタミンB12類は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのビタミンB12類の中でも、好ましくはシアノコバラミンが挙げられる。
本発明の光安定化方法において、組成物中のビタミンB12類の濃度については、当該組成物の形状や製品形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.0001~0.2重量%、好ましくは0.0002~0.02重量%、より好ましくは0.0002~0.002重量%が挙げられる。
[ビタミンE類]
本発明の光安定化方法では、ビタミンB12類の光安定化を図るために、ビタミンB12類を含む組成物にビタミンE類を配合する。
ビタミンE類とは、ビタミンE(トコフェロール、トコトリエノール)、及びその誘導体を指す。本発明で使用されるビタミンE類の種類については、飲食品、口腔ケア製品、医薬品、化粧料等の製品に配合可能であることを限度として特に制限されない。例えば、トコフェロール及びトコトリエノールは、α-、β-、γ-、及びδ-のいずれであってもよく、またd体又はdl体のいずれであってもよい。また、例えば、ビタミンEの誘導体としては、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、リノール酸トコフェロール、リノレイン酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、(リノール酸/オレイン酸)トコフェロール等のトコフェロール有機酸エステル等が挙げられる。これらのビタミンE類は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのビタミンE類の中でも、より一層効果的にビタミンB12類の光安定化を図るという観点から、好ましくはトコフェロールの誘導体、より好ましくはトコフェロール酢酸エステルが挙げられる。
本発明の光安定化方法において、組成物中でビタミンB12類とビタミンE類とを共存させる際の両者の比率としては、例えば、ビタミンB12類1重量部当たり、ビタミンE類が0.00125~1000重量部、好ましくは0.025~250重量部、より好ましくは2.5~250重量部が挙げられる。
また、本発明の光安定化方法において、組成物中のビタミンE類の濃度については、前記比率を充足する範囲で適宜設定すればよいが、例えば、0.00025~0.1重量%、好ましくは0.0005~0.05重量%、より好ましくは0.0005~0.005重量%が挙げられる。
[界面活性剤]
本発明の光安定化方法において、ビタミンB12類を含む組成物には、ビタミンE類に加えて界面活性剤を含有させてもよい。特に、ビタミンB12類を含む組成物が水性組成物である場合には、ビタミンE類を水性組成物中で可溶化させるために、界面活性剤が含有されていることが望ましい。
本発明で使用される界面活性剤は、飲食品、口腔ケア製品、医薬品、化粧料等に使用可能であることを限度として特に制限されず、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれを使用してもよい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグセリン脂肪酸エステル、ソショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、レシチン誘導体等が挙げられる。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとは、脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、ジエステル、又はトリエステルであるソルビタン脂肪酸エステルにエチレンオキサイドが縮合している化合物である。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数としては、例えば、8~30、好ましくは10~22、より好ましくは12~18が挙げられる。また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルに縮合されているエチレンオキサイドの平均付加モル数としては、例えば、6~160、好ましくは6~60、より好ましくは6~30が挙げられる。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、具体的には、ポリソルベート20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート)、ポリソルベート40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、ポリソルベート60(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート)、ポリソルベート65(ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート)、ポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、ポリソルベート85(ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート)、ステアリン酸PEG-6ソルビタン、イソステアリン酸PEG-20ソルビタン、オレイン酸PEG-6ソルビタン、ポリソルベート85等が挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステルとは、脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、ジエステル、又はトリエステルである。ソルビタン脂肪酸エステルとして、具体的には、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン等が挙げられる。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とは、硬化ヒマシ油をポリオキシエチレン鎖でエーテル化した化合物である。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油として、具体的には、PEG-5水添ヒマシ油、PEG-10水添ヒマシ油、PEG-20水添ヒマシ油、PEG-30水添ヒマシ油、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-50水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、PEG-70水添ヒマシ油、PEG-80水添ヒマシ油、PEG-90水添ヒマシ油、PEG-100水添ヒマシ油等が挙げられる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン鎖がアルキル基とエーテル結合している化合物である。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとしては、具体的には、PPG-4セテス-1、PPG-4セテス-10、PPG-4セテス-20、PPG-8セテス-20、PPG-6デシルテトラデセス-12、PPG-6デシルテトラデセス-20、PPG-6デシルテトラデセス-30等が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルとは、脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、ジエステル、又はトリエステルである。グリセリン脂肪酸エステルとして、具体的には、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル等が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとは、脂肪酸とポリグリセリンとのエステルである。ポリグリセリン脂肪酸エステルとして、具体的には、ステアリン酸ポリグリセリル-2(モノステアリン酸ジグリセリル)、オレイン酸ポリグリセリル-2(モノオレイン酸ジグリセリル)、オレイン酸ポリグリセリル-4(モノオレイン酸テトラグリセリル)、オレイン酸ポリグリセリル-10(モノオレイン酸デカグリセリル)、トリオレイン酸ポリグリセリル-10(トリオレイン酸デカグリセリル)、パルミチン酸ポリグリセリル-10(モノパルミチン酸デカグリセリル)、イソステアリン酸ポリグリセリル-2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ステアリン酸ポリグリセリル-4、トリステアリン酸ポリグリセリル-6、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-10等が挙げられる。
ショ糖脂肪酸エステルとは、脂肪酸とショ糖とのエステルである。ショ糖脂肪酸エステルとしては、具体的には、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等が挙げられる。
ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステルとは、脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステルである。ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステルとしては、具体的には、ラウリン酸PEG-10、ステアリン酸PEG-10、ステアリン酸PEG-25、ステアリン酸PEG-40等が挙げられる。
ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルとは、ソルビトール脂肪酸エステルにエチレンオキサイドが縮合している化合物である。ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルとしては、具体的には、ラウリン酸ソルベス-6、テトラステアリン酸ソルベス-60、テトラオレイン酸ソルベス-6、テトラオレイン酸ソルベス-30、テトラオレイン酸ソルベス-40、テトラオレイン酸ソルベス-60、テトライソステアリン酸ソルベス-30等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとは、ポリオキシエチレン鎖とアルキル基がエーテル結合している化合物である。ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル等が挙げられる。
レシチン誘導体としては、具体的には、水添レシチン、水添リゾレシチン等が挙げられる。
また、アニオン性界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、N-ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、N-ミリストリルサルコシン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム、N-パルミトイルグルタルミン酸ナトリウム、N-メチル-N-アシルタウリンナトリウム等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、具体的には、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、具体的には、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミンオキシド、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、N-ラウリルジアミノエチルグリシン、N-ミリスチルジアミノエチルグリシン、N-アルキル-1-ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム、レシチン等が挙げられる。
これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの界面活性剤の中でも、好ましくは非イオン性界面活性剤、より好ましくはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、更に好ましくはポリソルベート80が挙げられる。
本発明の安定化方法において、ビタミンB12類に対する界面活性剤の比率が所定値以下であると、光暴露によるビタミンB12類の分解をより一層効果的に抑制することができる。具体的には、光暴露によるビタミンB12類の分解をより一層効果的に抑制するという観点から、ビタミンB12類と界面活性剤の比率としては、ビタミンB12類1重量部当たり、界面活性剤が10重量部以下、好ましくは1~10重量部、より好ましくは2.5~10重量部が挙げられる。
また、本発明の光安定化方法において界面活性剤を含有させる場合、組成物中の界面活性剤の濃度としては、例えば、0.001~0.1重量%、好ましくは0.0025~0.05重量%、より好ましくは0.005~0.01重量%が挙げられる。
[カンフル]
本発明の光安定化方法において、ビタミンB12類を含む組成物には、更にカンフルを含有させてもよい。カンフルを含有させることによって、より一層効果的にビタミンB12類の光安定化を図ることが可能になる。
本発明で使用されるカンフルは、d体、l体、dl体のいずれであってもよいが、好ましくはd体が挙げられる。
本発明の安定化方法においてカンフルを含有させる場合、ビタミンB12類とカンフルの比率については、特に制限されないが、例えば、ビタミンB12類1重量部当たり、カンフルが6~1000重量部、好ましくは6~500重量部、より好ましくは6~50重量部が挙げられる。
また、本発明の光安定化方法においてカンフルを含有させる場合、組成物中のカンフルの濃度については、特に制限されないが、例えば、0.001~0.1重量%が挙げられる。より一層効果的にビタミンB12類の光安定化を図るという観点から、組成物中のカンフルの濃度として、好ましくは0.006重量%以上、より好ましくは0.006~0.1重量%、特に好ましくは0.006~0.01重量%が挙げられる。
[キレート剤]
本発明の光安定化方法において、ビタミンB12類を含む組成物には、更にキレート剤を含有させてもよい。本発明で使用されるキレート剤の種類については、飲食品、口腔ケア製品、医薬品、化粧料等の製品に配合可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、エデト酸、クエン酸、コハク酸、及びこれら塩等が挙げられる。塩の形態としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩等が挙げられる。これらのキレート剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのキレート剤の中でも、好ましくはエデト酸及びその塩、より好ましくはエデト酸ナトリウムが挙げられる。
また、本発明の光安定化方法においてキレート剤を含有させる場合、組成物中のキレート剤の濃度については、特に制限されないが、例えば、0.001~0.3重量%、好ましくは0.005~0.1重量%、より好ましくは0.01~0.1重量%が挙げられる。
[多価アルコール]
本発明の光安定化方法において、ビタミンB12類を含む組成物に、更に多価アルコールを含有させてもよい。本発明で使用される多価アルコールの種類としては、例えば、エチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの多価アルコールの中でも、好ましくプロピレングリコールが挙げられる。
また、本発明の光安定化方法において多価アルコールを含有させる場合、組成物中の多価アルコールの濃度については、特に制限されないが、例えば、0.01~10重量%、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.1~1重量%が挙げられる。
[その他の成分]
本発明の光安定化方法において、ビタミンB12類を含む組成物には、前記成分の他に、当該組成物の形状や製品形態に応じて、各種の薬理成分、食品素材、添加剤等の成分を含有させてもよい。このような成分の種類については、ビタミンB12類を含む組成物の形状や製品形態に応じて使用可能なものを適宜選定すればよいが、例えば、水、薬理成分、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、水溶性高分子、金属石鹸、1価低級アルコール類、pH調整剤、緩衝剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、防腐剤、香料、粉体、増粘剤、色素等が挙げられる。これらの成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの成分の濃度については、使用する成分の種類や組成物の形状及び製品形態等に応じて適宜設定される。
[組成物の形状・製品形態等]
本発明の光安定化方法において、ビタミンB12類を含む組成物は、水性組成物又は非水性組成物のいずれであってもよい。一般的にビタミンB12類は水性組成物中で光暴露により分解され易くなる傾向があるが、本発明によれば、水性組成物中でも光暴露によるビタミンB12類の分解を効果的に抑制できる。このような本発明の効果を鑑みると、本発明の光安定化方法において、ビタミンB12類を含む組成物の好適な例として水性組成物が挙げられる。
水性組成物とは、水を含有する組成物である。水性組成物における水の濃度としては、具体的には、50重量%以上、好ましくは50~99.99重量%、より好ましくは60~99.8重量%が挙げられる。水性組成物の形状としては、例えば、液状、ゲル状、ペースト状等が挙げられる。
ビタミンB12類を含む組成物が水性組成物である場合、そのpHとしては、例えば、4.0~8.0、好ましくは5.0~7.7、より好ましくは5.5~7.0が挙げられる。
また、非水性組成物とは、配合成分の吸湿によって不可避的に含まれる水を除いて、水が実質的に配合されていない組成物である。非水性組成物の形状としては、例えば、粉末状、顆粒状、錠剤状、丸剤状、軟膏状等が挙げられる。
本発明の光安定化方法において、ビタミンB12類を含む組成物の製品形態については、特に制限されず、例えば、飲食品、口腔ケア製品、医薬品、化粧料等が挙げられる。
飲食品としては、例えば、清涼飲料水、酒類、栄養ドリンク、コーヒー、茶、牛乳、果汁飲料、清涼飲料等の飲料;錠剤、顆粒剤、粉剤、ゼリー剤、散剤、懸濁剤、シロップ剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、ハードカプセル剤)等のサプリメント;チーズ、ウインナー、ソーセージ、ハム、魚介加工品等の副菜;アイスクリーム、クッキー、ケーキ、ゼリー、プリン、キャンディー、チューインガム、ヨーグルト、グミ、チョコレート、ビスケット等の菓子類等が挙げられる。
口腔ケア製品としては、例えば、練歯磨剤、粉歯磨剤、液体歯磨剤等の歯磨剤;歯用クリーム;マウスウォッシュ、含嗽剤等の洗口剤;口腔用パスタ剤、マウススプレー、口腔内崩壊性フィルム、ゲル、トローチ、タブレット、チュアブル、口腔用軟膏剤等が挙げられる。
医薬品としては、例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、液剤等の内服用の医薬品;輸液、注射剤等の皮下、血管内又は腹腔内投与用の医薬品;液剤(ローション剤、スプレー剤、エアゾール剤、及び乳液剤を含む)、水溶性軟膏剤、油脂性軟膏剤、クリーム剤、フォーム剤、ジェル剤、貼付剤、点眼剤、洗眼剤等の皮膚又は粘膜用の医薬品等が挙げられる。
化粧料としては、例えば、軟膏、クリーム、乳液、化粧水、ローション、パック、ゲル等の基礎化粧料;ファンデーション、アイシャドウ、口紅、頬紅等のメークアップ化粧料等が挙げられる。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例1
表1に示す組成の水性組成物を調製した。500ml容の透明容器(ポリエチレンテレフタレート製)に得られた水性組成物500mlを充填し、昼間に直射日光が当たる室内(南側の窓から10cm離れた場所)に23日間静置した。23日間の静置後に、水性組成物の外観を目視にて観察し、以下の判定基準に従って、シアノコバラミンの保存安定性を判定した。なお、シアノコバラミンはピンク色の色調を呈し、分解されると退色するため、本試験において、退色が多い程、シアノコバラミンの分解が進んでいることを示している。
<シアノコバラミンの保存安定性>
◎ :製造直後に比べて、色調が同等である。
○ :製造直後に比べて、僅かに退色が認められるが許容範囲内である。
× :製造直後に比べて、明らかに退色が認められ許容できない。
××:退色が著しく、ほぼ無色になっている。
結果を表1に示す。この結果、水性組成物中で、シアノコバラミンとトコフェロール酢酸エステルを共存させることによって、光暴露によるシアノコバラミンの分解を抑制できることが明らかとなった。また、水性組成物中でシアノコバラミンとトコフェロール酢酸エステルと共にポリソルベート80を含有させ、且つシアノコバラミン1重量部当たりポリソルベート80を10重量部以下にすることによって、光暴露によるシアノコバラミンの分解を格段効果的に抑制できることも明らかとなった。
Figure 0007436151000001
処方例
表2に示す組成の水性組成物を調製した。得られた水性組成物を、前記試験例1と同様の方法でシアノコバラミンの保存安定性を評価したところ、いずれも、光暴露によるシアノコバラミンの分解を効果的に抑制できていた。
Figure 0007436151000002

Claims (4)

  1. ビタミンB12類を含む組成物にトコフェロール酢酸エステルを含有させる、ビタミンB12類の光安定化方法。
  2. ビタミンB12類1重量部当たり、含有させるトコフェロール酢酸エステルが0.00125~1000重量部である、請求項1に記載のビタミンB12類の光安定化方法。
  3. ビタミンB12類を含む組成物に、ビタミンB12類1重量部当たり10重量部以下となる比率で界面活性剤を含有させる、請求項1又は2に記載のビタミンB12類の光安定化方法。
  4. ビタミンB12類を含む組成物が水性組成物である、請求項1~3のいずれかに記載のビタミンB12類の光安定化方法。
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