JP3082058B2 - 6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アスコルビン酸またはその塩およびその製造法並びにその用途 - Google Patents

6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アスコルビン酸またはその塩およびその製造法並びにその用途

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JP3082058B2 JP04155857A JP15585792A JP3082058B2 JP 3082058 B2 JP3082058 B2 JP 3082058B2 JP 04155857 A JP04155857 A JP 04155857A JP 15585792 A JP15585792 A JP 15585792A JP 3082058 B2 JP3082058 B2 JP 3082058B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は安定性に優れたL−アス
コルビン酸糖誘導体すなわち、6−O−α−D−ガラク
トピラノシル−L−アスコルビン酸またはその塩および
その製造法並びにその用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】L−アスコルビン酸(ビタミンC)はホ
乳動物では肝臓でL−グロノラクトンから合成される
が、ヒト、サル、モルモットでは合成酵素が欠損してい
るため必須ビタミンとして外部から取り入れる必要があ
る。L−アスコルビン酸は、生体内では、生体結合組織
の主成分であるコラーゲンの合成に必要なプロリンとリ
シンのヒドロキシル化に関与していたり、チトクローム
CのFe3+を還元してFe2+にするなどの酸化還元反応
に関与したり、さらには、ラジカルによる障害防止作
用、白血球増加による免疫増強作用、コレステロール生
成抑制による抗動脈硬化、抗ヒスタミン作用による抗ア
レルギー作用などが知られており、生体の健康維持、増
進に重要な役割をなしている。壊血病は、L−アスコル
ビン酸の欠乏症として古くから知られ、皮膚の虚弱化、
点状出血、班状出血、歯肉や骨髄下出血などを呈する。
これを予防するためには、日本人成人男子で50mg/
日のL−アスコルビン酸の摂取が必要と考えられてい
る。上述のように、L−アスコルビン酸の用途は、必須
栄養素供給剤としてのビタミンC強化剤だけでなく、そ
の化学構造、生理活性作用から、例えば、酸味剤、還元
剤、酸化防止剤、漂白剤、安定剤などとして各種化学反
応基剤、飲食物などに、また、ウィルス性疾患、細菌性
疾患、悪性腫瘍、糖尿病などの感受性疾患の予防剤、治
療剤すなわち抗感受性疾患剤に、さらには紫外線吸収
剤、メラニン生成抑制作用による美肌剤、色白剤などと
して化粧品にまでおよび、その用途範囲は極めて広い。
しかし、このL−アスコルビン酸は、非常に不安定な物
質であり、熱、光、酸素、金属イオンなどによって容易
に分解や変性を受けることが知られている。このように
不安定なL−アスコルビン酸を安定化する試みは数多く
なされており、いくつかの誘導体が開発されている。た
とえばアスコルビン酸リン酸エステル(特開昭57−1
40789号)、グリコシルアスコルビン酸(特公昭5
8−5920号)、アスコルビン酸脂肪酸エステル(特
開昭62−84072号)、L−アスコルビン酸誘導体
及びその製造法(特開平2−311490号)などを具
体例としてあげることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、各種
のアスコルビン酸誘導体が開発されているが、これらの
うちで糖誘導体は安定性に優れており実用化が期待され
てはいるものの、酵素反応時の収率が低く解決すべき課
題が残されていた。本発明は安全で、保存安定性に優
れ、かつ生体内でL−アスコルビン酸の生理活性を十分
発揮することができるL−アスコルビン酸糖誘導体また
はその塩、およびその収率よい製造法を提供することを
目的とするものであり、さらにそのL−アスコルビン酸
糖誘導体を有効成分として含有する飲食物、抗感受性疾
患剤、化粧品を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、L−アスコ
ルビン酸またはその塩とガラクトース供与体との混合物
に、α−ガラクトシダーゼを温和な条件で作用させ、α
−ガラクトシダーゼの糖転移反応を利用することによ
り、収率良く目的のL−アスコルビン酸糖誘導体を合成
することができることを見い出し、本発明を完成するに
至った。
【0005】すなわち、本発明は下記の式で表される6
−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アスコルビン
酸またはその塩、およびL−アスコルビン酸またはその
塩とα−ガラクトシル基を含む化合物との溶液にα−ガ
ラクトシダーゼを作用させることを特徴とする6−O−
α−D−ガラクトピラノシル−L−アスコルビン酸また
はその塩の製造法、並びに6−O−α−D−ガラクトピ
ラノシル−L−アスコルビン酸またはその塩を有効成分
としてなることを特徴とする飲食物、抗感受性疾患剤、
および化粧品を要旨とするものである。
【0006】
【化2】
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アスコルビ
ン酸は上記の式化2で示される構造を持ち、医薬品、食
品、化粧品などに用いられる成分であるL−アスコルビ
ン酸とガラクトースから構成されており、本発明の飲食
物、抗感受性疾患剤、化粧品の有効成分として用いる
際、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩な
どの塩であってもよい。
【0008】本発明に用いられるα−ガラクトシダーゼ
は、ガラクトシル基を含む化合物とL−アスコルビン酸
を含む溶液に作用させた場合、糖転移反応によって6−
O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アスコルビン酸
を合成するものであればよく、起源、種類は限定されな
い。たとえば、ピクノポラス シナバリヌス(Pycnopor
us cinnabarinus )、ストレプトコッカス ボビス(St
reptococcus bovis )、ディプロコッカス ニューモニ
ア(Diplococcus pneumoniae)、モルティエレラ ビナ
セ(Mortierella vinacea )、アスペルギルス ニガー
(Aspergillusnigar )、エシェリヒア コリ(Escheri
chia coli)、シュ−ドモナス フルオレッセンス(Pse
udomonas fluorescens )、キャンディダ ギリエルモ
ンディー(Candida guilliermondii)などの微生物やビ
シア サティバ(Visia sativa)、緑色コーヒー豆(Gr
een coffee bean )などの植物が生産するα−ガラクト
シダーゼが使用できるが、収率の観点からキャンディダ
ギリエルモンディー(Candida guilliermondii)の生
産するα−ガラクトシダーゼが好ましい。
【0009】本発明に用いられるCandida guilliermond
iiとしてはATCC6260、ATCC9058、AT
CC9390、ATCC14242、ATCC2201
7、ATCC22948、ATCC22949、ATC
C22995、ATCC26860、ATCC2887
3、ATCC32542、ATCC34134、ATC
C38290、ATCC42050、ATCC5682
2、IFO0437、IFO0454、IFO067
9、IFO0837、IFO0838、IFO191
3、IFO1972、H−404(微工研菌寄第FER
M P−11026号)を挙げることができるが、反応
収率の点においてCandida guilliermondiiH−404
(微工研菌寄第FERM P−11026号)が優れて
いる。
【0010】これらの微生物からα−ガラクトシダーゼ
を生産する方法は、通常液体培養もしくは固体培養が用
いられる。液体培養の場合はその培養上清液を、固体培
養の場合はその抽出液をそのまま酵素剤として利用でき
る。また、場合によっては菌体をそのまま酵素剤として
利用することも可能である。また、必要に応じて公知の
方法で生成した酵素も利用できる。これらの酵素あるい
は酵素を生産する菌体は固定化して連続式で、あるいは
バッチ式で繰り返し反応に利用することも可能である。
また、必要ならばα−ガラクトシル基の転移反応能を有
する微生物の増殖中に、L−アスコルビン酸とα−ガラ
クトシル基を含む化合物とを共存させて、6−O−α−
D−ガラクトピラノシル−L−アスコルビン酸を生成さ
せることもできる。
【0011】本発明においてL−アスコルビン酸には、
遊離のL−アスコルビン酸だけでなく、そのアルカリ金
属塩もしくはアルカリ土類金属塩などのL−アスコルビ
ン酸金属塩、または、それらの混合物が含まれる。ま
た、α−ガラクトシダーゼの基質として用いるα−ガラ
クトシル基を含む化合物はその起源を問わず、天然物あ
るいは有機合成や酵素反応生成物でもよい。天然物とし
ては、メリビオース、マンニノトリオース、ラフィノー
ス、スタキオース、ベルバスコース、グアガムやローカ
ストビーンガムなどのガラクトマンナンやこれらの混合
物、有機合成物としては、フェニル−α−ガラクトシ
ド、パラニトロフェニル−α−ガラクトシド、オルトニ
トロフェニル−α−ガラクトシド、メタニトロフェニル
−α−ガラクトシドなどが、酵素反応生成物としてはメ
リビオース、グアガムやローカストビーンガムなどのガ
ラクトマンナンの酵素分解物、あるいは、高濃度のガラ
クトース、乳糖加水分解物にα−ガラクトシダーゼを作
用させ生成したα−ガラクトオリゴ糖組成物が用いられ
る。
【0012】本発明において、反応時のL−アスコルビ
ン酸の濃度としては、1〜60%(W/V)が適当であ
り、5〜40%(W/V)が好ましく、10〜30%
(W/V)がさらに好ましい。メリビオースの濃度とし
ては1〜80%(W/V)が適当であり、5〜60%
(W/V)が好ましく、10〜40%(W/V)がさら
に好ましい。乳糖の濃度としては、1〜80%(W/
V)が適当であり、5〜60%(W/V)が好ましく、
10〜40%(W/V)がさらに好ましい。
【0013】また、反応時のpHは3.5〜8.0が適
当であるが、使用する酵素に応じてpHを選択すれば良
い。
【0014】次に反応温度は10〜90℃の範囲が適当
であり、30〜80℃の範囲が好ましく、40〜70℃
の範囲がさらに好ましい。
【0015】反応時間は特に限定されないが、L−アス
コルビン酸糖誘導体の生成量が最大になるような時間を
選べばよい。
【0016】このような方法により生成するL−アスコ
ルビン酸糖誘導体は、膜分離、イオン交換カラムクロマ
トグラフィー、活性炭カラムクロマトグラフィー、液体
クロマトグラフィー、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー等、通常の分離手段で分離することができる。この
際に、分離される未反応のL−アスコルビン酸、α−ガ
ラクトシル基を含む化合物を、再度、糖転移反応の原料
として利用することも可能である。
【0017】本発明の飲食物、抗感受性疾患剤、化粧品
の有効成分である6−O−α−D−ガラクトピラノシル
−L−アスコルビン酸は安定性、安全性の高いビタミン
C強化剤としてだけでなく、呈味改善剤、酸味剤、安定
剤、品質改良剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤などとして、
飲食物、嗜好物、飼料、感受性疾患の予防剤、治療剤さ
らに美肌剤、色白剤などの化粧品などに、その目的に応
じて0.001重量%以上配合して、有利に利用でき
る。
【0018】また6−O−α−D−ガラクトピラノシル
−L−アスコルビン酸は、酸味、塩辛味、渋味、うま
味、苦味などの呈味を有する各種物質ともよく調和し、
耐酸性、耐熱性も大きいので、普通一般の飲食物、嗜好
物、例えば、合成酒、果実酒、洋酒、チューハイなどの
酒類、紅茶、ジュース、炭酸飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲
料、スポーツドリンクなどの清涼飲料水、即席ジュー
ス、即席紅茶、即席スープなどの即席飲食品、醤油、粉
末醤油、味噌、粉末味噌、諸味、ソース、ケチャップ、
マヨネーズ、ドレッシング、レモン果汁、食酢、三杯
酢、すし酢、粉末すし酢、みりん、みりん風調味料、天
ぷらのつゆ、麺つゆ、中華の素、餃子のタレ、焼き肉の
タレ、カレールウ、シチュールウ、スープの素、ダシの
素、複合調味料などの各種調味料、サラダオイル、マー
ガリンなどの油脂食品、果実のシロップ漬け、氷蜜など
のシロップ類、バタークリーム、カスタードクリーム、
ピーナッツペースト、フラワーペースト、フルーツペー
ストなどのスプレッドペースト類、ジャム、マーマレー
ド、シロップ漬け、糖果などの果実、野菜の加工食品、
煎餅、あられ、おこし、饅頭、ういろう、餅類、あん
類、ようかん、ゼリー、カステラ、飴玉などの各種和菓
子、パン、クッキー、クラッカー、パイ、ビスケット、
プリン、ケーキ、シュークリーム、ワッフル、ドーナ
ツ、チョコレート、チューインガム、キャラメル、キャ
ンディー、スナック菓子などの各種洋菓子、アイスクリ
ーム、シャーベットなどの氷菓子、パン類、米飯類など
の穀類加工食品、漬物類、畜肉製品類、魚肉製品類、佃
煮類、惣菜食品類、乳飲料、乳製品、畜肉、魚肉、果
実、野菜などの瓶詰め類、缶詰め類などにビタミンC強
化剤、呈味改善剤、酸味剤、品質改良剤、安定剤、抗酸
化剤などの目的で有利に利用することができる。また、
家畜、家禽、蜜蜂、蚕、魚などの飼育動物のための飼
料、餌料などにもビタミンC強化剤、呈味改善剤、品質
改良剤、安定剤、抗酸化剤、嗜好性改善などの目的で配
合することができる。
【0019】その他、トローチ、肝油ドロップ、複合ビ
タミン剤、経管栄養剤、内服薬、注射剤、練歯みがきペ
ースト、口中清涼剤、うがい薬、口紅、アイシャドウ、
ローション、ファウンデーション、乳液、ハンドクリー
ム、日焼け止めクリーム、洗顔石鹸、シャンプー、リン
ス、整髪料などの各種固形、ペースト状、液状の嗜好
物、美肌剤、白色剤などの化粧品などに配合して有利に
実施できる。さらには、紫外線吸収剤、劣化防止剤など
としてプラスチック製品などに配合して利用することも
できる。
【0020】6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L
−アスコルビン酸によって予防または治療される疾患
を、本発明では感受性疾患とし、例えば、ウィルス性疾
患、細菌性疾患、外傷性疾患、免疫疾患、アレルギー疾
患、糖尿病、白内障、悪性腫瘍、動脈硬化などであって
もよい。6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−ア
スコルビン酸感受性疾患の予防剤または治療剤は、その
目的に応じてその形状を自由に選択できる。例えば、噴
霧剤、点眼剤、点鼻剤、うがい剤、注射剤などの液剤、
軟膏、発布剤、ペースト剤、粉剤、顆粒、カプセル剤、
錠剤、座剤などの固形剤などである。製剤にあたっては
必要に応じて、他の成分、例えば、治療剤、生理活性物
質、抗生物質、補助剤、増量剤、安定剤、着色剤、着香
剤、賦形剤などの1種または2種以上と併用することも
可能である。
【0021】6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L
−アスコルビン酸の投与量は、含量、投与経路、投与頻
度などによって適宜調製することができる。成人1日当
たり0.0005〜100gがよく、好ましくは0.0
05〜50g、さらに好ましくは0.01〜10gの範
囲が適当である。
【0022】6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L
−アスコルビン酸を含有させる方法としては、それらの
製品が完成するまでの工程で、例えば、混和、溶解、浸
漬、散布、塗布、噴霧、注入など公知の方法が適宜選択
できる。また、6−O−α−D−ガラクトピラノシル−
L−アスコルビン酸が遊離の酸の場合には、必要によ
り、これを水酸化金属、炭酸金属などの水溶液と反応さ
せて、6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アス
コルビン酸の塩にして、pHの調製を行うとともにビタ
ミンC作用とミネラルとを併せもつ物質を調製し、これ
を栄養強化剤、化学薬品などとして利用することもでき
る。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 L−アスコルビン酸ナトリウム(石津製薬特級試薬)1
0gおよびメリビオース(シグマ社製)20gを蒸留水
に溶解し100mlとしたのちpHを4.5に調製し
た。これにCandida guilliermondiiH−404(微工研
菌寄第FERMP−11026号)由来の溶液型α−ガ
ラクトシダーゼを1900ユニット加えて、50℃で
5.5時間反応した。溶液型α−ガラクトシダーゼはCa
ndida guilliermondiiH−404(微工研菌寄第FER
M P−11026号)を1%メリビオース、3%ポリ
ペプトン、0.5%酵母エキス、0.05%K2 HPO
4 、0.01%MgSO4 ・7H2 O、0.01%KC
lを含む滅菌液体培地(pH7.0)60mlを500
ml坂口フラスコで30℃で4日間振盪培養することに
より、その上清中に0.8ユニット/ml、湿菌体中に
35ユニット/g得ることができた。なお、活性の測定
は10mMパラニトロフェニル−α−ガラクトシド0.
2mlと40mM緩衝液(pHは酵素の至適pHに準ず
る)0.2mlにα−ガラクトシダーゼ溶液0.05m
lを加えて40℃で10分間反応させ、0.2M Na
2 CO3 0.5mlを加えて反応を停止させ、遊離した
パラニトロフェノールの量を400nmの吸光度を測定
することにより測定した。1ユニットは1分間に1μm
oleのパラニトロフェノールを生成する酵素量と定義
した。
【0024】得られた反応物をバイオラッド(BIO-RAD
)社製高速液体カラムクロマトグラフィー用カラムア
ミネックスイオンエクスクルージョン(AMINEX ION EXC
LUSION)HPX−87Hを用いて分析した。このとき、
溶出液として0.01NのH2SO4 を用い、流速0.
6ml/minで反応物を溶出させた。また、そのとき
の検出をUV245 で行った。その結果、6.1gのL−
アスコルビン酸糖誘導体が生成していた。このときの反
応収率は30.5%であった。
【0025】次に上記の反応物50mlを450mlの
活性炭カラム(和光純薬製クロマトグラフィー用)にか
け、10ml/minで水溶出させた。このとき、L−
アスコルビン酸、L−アスコルビン酸糖誘導体の順に溶
出してくるので、この溶出したL−アスコルビン酸糖誘
導体のみを集め濃縮した。濃縮液を5mlの陰イオン交
換樹脂ダウエツクス(Dowex )2×8カラム(Cl-
型)にかけ、流速1ml/minで100mlの蒸留水
を通液させたのち、100mlの0.04M−NaCl
を通液し、目的のL−アスコルビン酸糖誘導体を溶出さ
せた。この画分を電気透析器(旭化成社製、マイクロア
シライザー)により脱塩し、凍結乾燥して2.1gのL
−アスコルビン酸糖誘導体を得た。このときの精製収率
は68.8%であった。
【0026】得られたL−アスコルビン酸糖誘導体につ
いて13C−NMR分析を行ったところ、次のような結果
が得られた。 13C−NMR(σ値ppm) ガラクトースのC−1 101.5 ガラクトースのC−2 71.2 ガラクトースのC−3 71.3 ガラクトースのC−4 72.1 ガラクトースのC−5 72.3 ガラクトースのC−6 64.0 L−アスコルビン酸のC−1 116.3 L−アスコルビン酸のC−2 180.1 L−アスコルビン酸のC−3 176.9 L−アスコルビン酸のC−4 81.1 L−アスコルビン酸のC−5 73.9 L−アスコルビン酸のC−6 70.6
【0027】また、得られたL−アスコルビン酸糖誘導
体をアスペルギルス ニガー(Aspergillus niger) 由来
のα−ガラクトシダーゼで加水分解することにより、L
−アスコルビン酸とガラクトースが生成した。
【0028】以上の結果から、上記で得られたL−アス
コルビン酸糖誘導体の構造は6−O−α−D−ガラクト
ピラノシル−L−アスコルビン酸であることが判明し
た。
【0029】実施例2 乳糖(石津製薬特級試薬)20gを蒸留水に溶解し、p
H6に調整した後80mlとした。この溶液にアスペル
ギルス オリーゼ(Aspergillus oryzae)由来のβ−ガ
ラクトシダーゼ(シグマ社製)を800ユニット添加
し、40℃で10時間反応させた。反応終了後煮沸によ
り酵素を失活させ、乳糖加水分解物を得た。これにCand
ida guilliermondiiH−404(微工研菌寄第FERM
P−11026号)由来のα−ガラクトシダーゼを1
890ユニット加え、50℃で16時間反応させ、α−
ガラクトオリゴ糖組成物を合成した。その後、L−アス
コルビン酸ナトリウム(石津製薬特級試薬)を15g添
加し、溶解させて100mlとし、50℃で5.5時間
反応した。
【0030】実施例1と同様にして高速液体クロマトグ
ラフィーで分析したところ、9.7gのL−アスコルビ
ン酸糖誘導体が生成していた。この時の反応収率は3
2.3%であった。
【0031】次に、実施例1と同様にしてL−アスコル
ビン酸誘導体の精製を行い、6.7gのL−アスコルビ
ン酸糖誘導体を得た。この時の精製収率は69.0%で
あった。
【0032】実施例3 ラフィノース5水和物1.7gとL−アスコルビン酸1
gに市販のモルティエレラ ビナセ由来のα−ガラクト
シダーゼ(生化学工業)90ユニットを含むpH5.5
の溶液10mlを調製し、50℃で8時間反応させた。
反応液を実施例1の方法に準じて精製し、濃縮、粉末化
して、粉末状の製品を0.13g得た。次に実施例1と
同様にして構造を解析したところ、6−O−α−D−ガ
ラクトピラノシル−L−アスコルビン酸であった。
【0033】実施例4 6−O−α−D−ガラクトピラ
ノシル−L−アスコルビン酸の安定性試験 以下の成分を用い、常法に従ってグレープフルーツ果汁
入り清涼飲料水を得た。 成分 重量% グレープフルーツ果汁 20.0 砂糖 12.0 クエン酸 1.0 実施例1で得られた 6−O−α−D−ガラクトピラノシル −L−アスコルビン酸 0.1 水 100%に調製
【0034】得られた清涼飲料水を40℃にて120日
間保存し、安定性試験を行った。すなわち、清涼飲料水
中に残存するビタミンCを高速液体クロマトグラフィー
(島津製作所製LC−2、カラム:バイオラッドAMI
NEX HPX−87H、流速:0.6ml/分、溶媒
液:0.01M H2 SO4 、検出波長:245nm)
にて定量した。その結果を表1に示した。なお、表1の
数字はビタミンCの残存率を示す。
【0035】
【表1】
【0036】次に、実施例4で得られた清涼飲料水のビ
タミンC活性試験を行った。すなわち、脱脂粉乳、脱脂
大豆にビタミンC以外の各種ビタミンを添加した基礎飼
料を用い、ハートレー系雄モルモット(体重約250
g、10尾)を20日間飼育しながら、得られた清涼飲
料水(6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アス
コルビン酸濃度:1.7mg/ml)を、毎日1mlず
つ経口投与し、体重変化を測定した。対照群として、蒸
留水を毎日1mlずつ経口投与した。その試験結果を表
2に示した。なお、表2中の数字はモルモットの平均体
重の変化を示す。
【0037】
【表2】
【0038】比較例1 6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アスコルビ
ン酸の代わりに2−O−グリコシル−L−アスコルビン
酸を使用する他は実施例4と同様に行って清涼飲料水を
得、実施例4と同様に安定性試験を行った。その安定性
試験の結果を表3に示した。
【0039】比較例2 6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アスコルビ
ン酸の代わりに6−O−ステアリル−L−アスコルビン
酸を使用する他は実施例4と同様に行って清涼飲料水を
得、実施例4と同様に安定性試験を行った。その安定性
試験の結果を表3に示した。
【0040】比較例3 6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アスコルビ
ン酸の代わりにL−アスコルビン酸を使用する他は実施
例4と同様に行って清涼飲料水を得、実施例4と同様に
安定性試験を行った。その安定性試験の結果を表3に示
した。
【0041】
【表3】
【0042】表3から明らかなごとく、L−アスコルビ
ン酸(比較例3)および6−O−ステアリル−L−アス
コルビン酸を成分として含む清涼飲料水(比較例2)は
非常に不安定であり、添加ビタミンC量は経日とともに
減少した。また、2−O−グリコシル−L−アスコルビ
ン酸を成分として含む清涼飲料水(比較例1)は比較的
安定であるが、本発明の清涼飲料水に比べて安定性はそ
れほど優れたものではなかった。これに対して本発明の
6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アスコルビ
ン酸を成分として含む清涼飲料水(実施例4)は40℃
においても長期にわたって非常に安定であった。
【0043】
【表4】
【0044】表4から明らかなごとく、対照群は、基礎
飼料は与えられるがビタミンCが欠乏するため7日目以
降体重増加がほとんど見られず、14日目以降に10尾
中3尾が死亡した。これに対し、6−O−α−D−ガラ
クトピラノシル−L−アスコルビン酸を成分として含む
清涼飲料水(実施例4)を投与した群は、L−アスコル
ビン酸を成分として含む清涼飲料水(比較例3)を投与
した群と同様に1日平均4〜5gの体重増加を示し、投
与期間中異常は認められなかった。すなわち、本発明の
6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アスコルビ
ン酸を成分として含む清涼飲料水(実施例4)は生体内
においてL−アスコルビン酸と同様のビタミンC活性を
示すものであった。
【0045】実施例5 6−O−α−D−ガラクトピラ
ノシル−L−アスコルビン酸の抗酸化能試験 実施例1で得られた6−O−α−D−ガラクトピラノシ
ル−L−アスコルビン酸1gを蒸留水10mlに溶解
し、その全量をフライ豆100gに噴霧し乾燥して豆菓
子を得た。
【0046】得られた豆菓子を40℃で保存し、経時的
に5gを秤り取り、溶剤(クロロホルム:氷酢酸=2:
3)で抽出した後ヨウ化カリウムを加え、遊離したヨウ
素を滴定し、その過酸化物価の上昇を測定することによ
り抗酸化能試験を行った。対照群として未噴霧の豆菓子
を得、同様に抗酸化能試験を行った。その試験結果を表
5に示した。なお、表5中の数字は過酸化物価を示す。
【0047】比較例4 6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アスコルビ
ン酸の代わりに、2−O−グルコシル−L−アスコルビ
ン酸を使用する他は実施例5と同様に行って豆菓子を
得、実施例5と同様に抗酸化能試験を行った。その抗酸
化能試験の結果を表5に示した。
【0048】比較例5 6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アスコルビ
ン酸の代わりに、BHA(ブチルヒドロキシアニソー
ル)を使用する他は実施例5と同様に行って豆菓子を
得、実施例5と同様に抗酸化能試験を行った。その抗酸
化能試験の結果を表5に示した。
【0049】
【表5】
【0050】表5から明らかなごとく、抗酸化活性中心
と考えられるL−アスコルビン酸の2位のヒドロキシル
基をグルコシル化した2−O−グルコシル−L−アスコ
ルビン酸を噴霧した豆菓子(比較例4)の過酸化物価
は、対照群とほぼ同様の上昇を示した。これに対して本
発明の6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アス
コルビン酸を噴霧した豆菓子(実施例5)では、過酸化
物価の上昇は対照群の約6割に抑えられ、抗酸化物とし
て知られるBHAを噴霧した場合(比較例5)と比較す
ると、約3割の増加にとどまっており、高い抗酸化活性
を示した。すなわち、本発明の6−O−α−D−ガラク
トピラノシル−L−アスコルビン酸を噴霧した豆菓子
(実施例4)は高い抗酸化活性を示すものである。ま
た、実施例5で得られた豆菓子は、実施例4と同程度の
安定性、生体内ビタミンC活性を有していた。
【0051】実施例6 グレープフルーツ果汁入り清涼
飲料の製法 これらの成分を用い、常法に従ってグレープフルーツ果
汁入り清涼飲料を得た。
【0052】実施例7 チューインガムの製法 これらの成分を用い、常法に従ってチューインガムを得
た。
【0053】実施例8 菓子パンの製法 これらの成分を用い、常法に従って菓子パンを得た。
【0054】実施例9 マヨネーズの製法 これらの成分を用い、常法に従ってマヨネーズを得た。
【0055】実施例10 点眼剤の製法と眼刺激性試験 実施例1で得られた6−O−α−D−ガラクトピラノシ
ル−L−アスコルビン酸を用い、下記の処方により、常
法に従って点眼剤を調製した。 次に、50名のパネルで上記の処方の点眼剤の眼刺激性
を評価した。その結果、ほとんどの者が刺激性を訴えな
かった。
【0056】実施例11 練歯磨の製法と保存着色性試
【0057】比較例6 6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アスコルビ
ン酸(実施例11)のかわりに、L−アスコルビン酸を
同量配合した練歯磨及びこれらを添加しない対照練歯磨
を調製した。実施例11と比較例6の練歯磨を各々30
℃にて6ケ月、40℃にて3ケ月、50℃にて3ケ月保
存し、着色度を以下の基準に従って判定した。 −;無着色 +;軽度の着色 ++;重度の着色
【0058】その結果を表6に示す。
【0059】
【表6】
【0060】表6から明らかなように、L−アスコルビ
ン酸を添加した練歯磨(比較例6)は著しく着色した
が、6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アスコ
ルビン酸を添加した練歯磨(実施例11)は全く着色を
示さなかった。
【0061】次に実施例11と比較例6の練歯磨を歯槽
膿漏第1度の患者30名に6ケ月間使用させ、歯肉の発
赤、腫膿の消失、盲嚢改善、歯牙の動揺改善および歯肉
の改善を指標にその有効性を判定した。試験中、患者に
は該歯磨により朝夕2回歯磨を実施させた。判定は2ケ
月毎に以下の基準に従って行った。 5点:前記指標中の5項目が改善された。 4点:前記指標中の4項目が改善された。 3点:前記指標中の3項目が改善された。 2点:前記指標中の2項目が改善された。 1点:前記指標中の1項目が改善された。 0点:改善なしまたは悪化した。 各判定日における各歯磨使用群の総点数を患者数で除し
たものを表7に示した。
【0062】
【表7】
【0063】6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L
−アスコルビン酸配合練歯磨(実施例10)の使用によ
り悪化した例はなく、またその使用による口腔内異常、
違和感も認められなかった。
【0064】実施例13 口腔用パスタの製法 実施例1で得られた6−O−α−D−ガラクトピラノシ
ル−L−アスコルビン酸を用いて下記の処方により、常
法に従って口腔用パスタを得た。 成分 重量g エタノール 10.0 スクワレン 20.0 沈降性シリカ 5.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.1 ラウリル硫酸ナトリウム 0.2 EDTAカルシウム 0.1 香料 0.6 ソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0 グリチルリチン酸 0.1 サッカリンナトリウム 0.6 6−O−α−D−ガラクトピラノシル −L−アスコルビン酸 0.5 実施例13で得られた口腔用パスタは実施例11と同程
度の安定性、改善効果を示した。
【0065】実施例14 口腔用トローチの製法 実施例1で得られた6−O−α−D−ガラクトピラノシ
ル−L−アスコルビン酸を用いて下記の処方により、常
法に従って、よく混和し、直接打錠により口腔用トロー
チを得た。 成分 重量g ラクトース 97.0 ポリオキシエチレンモノステアレート 0.2 ラウリル硫酸ナトリウム 0.05 クロルヘキシジングルコン酸塩 0.02 ステビア抽出物 0.2 香料 0.1 ヒドロキシエチルセルロース 1.93 6−O−α−D−ガラクトピラノシル −L−アスコルビン酸 0.5 実施例14で得られた口腔用トローチは実施例11と同
程度の安定性、改善効果を示した。
【0066】実施例15 マウスウオッシュの製法 実施例1で得られた6−O−α−D−ガラクトピラノシ
ル−L−アスコルビン酸を用いて下記の処方により、常
法に従ってよく混和し、マウスウオッシュを得た。 成分 重量g ソルビット 10.0 エタノール 5.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.1 ショ糖モノパルミテート 0.2 ラウリル硫酸ナトリウム 0.05 サッカリンナトリウム 0.2 炭酸水素ナトリウム 0.05 EDTAカルシウム 0.05 香料 0.6 蒸留水 83.65 6−O−α−D−ガラクトピラノシル −L−アスコルビン酸 0.1 実施例15で得られたマウスウオッシュは実施例11と
同程度の安定性、改善効果を示した。
【0067】実施例16 クリーム状化粧料の製法 下記の処方の成分を用い、常法に従ってクリーム状化粧
料を得た。 成分 重量g スクワラン 25.0 ワックス 5.0 オリーブ油 3.0 キサンタンガム 1.0 グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.3 メチルパラベン 0.2 蒸留水 61.5 香料 適量 6−O−α−D−ガラクトピラノシル −L−アスコルビン酸 4.0
【0068】色黒、しみ、そばかすに悩む被験者(女
子)20名のパネラーの顔面に上記のクリームを1日2
回、2カ月間連続塗布してもらい、パネラー本人がその
効果を有効、やや有効、無効の3段階で評価した。ま
た、6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アスコ
ルビン酸の代わりにL−アスコルビン酸を同量配合し、
クリーム状の化粧料を得、同様に試験し、結果を表8に
示した。
【0069】
【表8】
【0070】また、上記のクリームを40℃、6カ月間
保存し外観状の変化および変臭の有無を調べ、表9に実
験結果を示した。
【0071】
【表9】
【0072】表8、9から明らかなように本発明の皮膚
化粧料は保存安定性、美白効果、荒れ肌改善効果におい
て有効性が認められた。
【0073】
【発明の効果】本発明のL−アスコルビン酸糖誘導体で
ある6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−アスコ
ルビン酸またはその塩は、収率良く安価に製造すること
ができ、安定性に優れ、生体内で容易に加水分解される
ために無毒であり、しかも生体内で十分なビタミンC活
性を示し、安定剤、品質改良剤、抗酸化剤、生理活性
剤、紫外線吸収剤等として、飲料、加工食品、調味料、
嗜好物など飲食物、感受性疾患の予防剤、治療剤、さら
には美肌剤、色白剤などの化粧品などに含有させて有利
に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A23L 2/02 A23L 2/02 A61K 7/00 A61K 7/00 H X 7/16 7/16 7/48 7/48 31/70 31/70 A61P 3/02 A61P 3/02 37/02 37/02 C09K 15/06 C09K 15/06 C12P 19/58 C12P 19/58 (72)発明者 川中 聡 京都府宇治市宇治小桜24 (72)発明者 鈍宝 宗彦 京都府宇治市宇治小桜24 (72)発明者 中島 宏 京都府宇治市宇治小桜24 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 1/00 - 23/00 A21D 2/00 - 17/00 A23G 3/00 - 3/32 A23L 1/00 - 3/54 A61K 7/00 - 48/00 A61P 1/00 - 43/00 C09K 15/00 - 15/34 C12P 19/00 - 19/64 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) REGISTRY(STN) WPI(DIALOG)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式で表される6−O−α−D−ガ
    ラクトピラノシル−L−アスコルビン酸またはその塩。 【化1】
  2. 【請求項2】 L−アスコルビン酸またはその塩と、α
    −ガラクトシル基を含む化合物とを含有する溶液にα−
    ガラクトシダーゼを作用させることを特徴とする請求項
    1記載の6−O−α−D−ガラクトピラノシル−L−ア
    スコルビン酸またはその塩の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の6−O−α−D−ガラク
    トピラノシル−L−アスコルビン酸またはその塩を有効
    成分として含有することを特徴とする飲食物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の6−O−α−D−ガラク
    トピラノシル−L−アスコルビン酸またはその塩を有効
    成分として含有することを特徴とする抗感受性疾患剤。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の6−O−α−D−ガラク
    トピラノシル−L−アスコルビン酸またはその塩を有効
    成分として含有することを特徴とする化粧品。
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