JP7435013B2 - 脱気装置、脱気方法、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

脱気装置、脱気方法、及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、脱気装置、脱気方法、及びインクジェット記録装置に関する。
従来、インク吐出ヘッドに設けられたノズルから記録媒体に対してインクを吐出させて画像等を形成するインクジェット記録装置が広く普及している。インクジェット記録装置では、インク流路からインク吐出ヘッドに供給されるインク中に気体が含まれていると、インクを吐出させる際に加えられる圧力がインクに正常に伝わらなくなるため、インクの吐出不良が発生する可能性がある。そこで、インク吐出ヘッドに供給されるインクの中から気体を脱離(脱気)させる脱気部を設けて、インクの吐出不良の発生を抑制する技術がある(例えば、特許文献1)。
脱気部の多くは、気体透過性の脱気膜の一方の面をインク流路内のインクと接触させ、脱気膜の他方の面を真空経路に接触させることにより、インク中の気体を真空経路に吸引して脱離させる構成になっている。ただし、インクから脱離された気体には、脱気膜から染み出したインクの液体成分(例えば、モノマー)が混入している。そこで、真空経路の途中には、気体に混入したインクの液体成分が真空経路を真空状態とするための真空ポンプ内に侵入しないように、インクの液体成分を貯留するためのトラップが設けられている。
特開2010-58413号公報
特許文献1に開示された従来技術は、以下に説明するように、気体に混入したインクの液体成分が脱気部とトラップとを結ぶ経路の内部に固着することがあった。
例えば、インクジェット記録装置において、真空経路の、脱気部とトラップとを結ぶ経路(以下、「接続経路」と称する)は、比較的冷え易い部位である。そのため、気体に混入したインクの液体成分が気体と共に接続経路の内部を通ると、液体成分の温度が低下してしまい、液体成分が固体化して接続経路の内部に固着することがあった。その接続経路は、比較的小径に形成されている。そのため、固着したインクの液体成分によって接続経路が詰まってしまうことがあった。
本発明は上記従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、気体に混入したインクの液体成分が脱気部とトラップとを結ぶ経路の内部に固着することを抑制する脱気装置、脱気方法、及びインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。
(1)インクジェット記録装置に用いる脱気装置であって、インク流路を流れるインクから気体を脱離させる脱気部と、前記脱気部で脱離された気体が流れる真空経路と、前記真空経路上に設けられ、前記気体に混入したインクの液体成分を貯留するトラップと、前記真空経路のうち、前記脱気部と前記トラップとを結ぶ接続経路を加温する加温手段と、を備え、前記加温手段は、前記脱気部の熱を前記接続経路に伝える伝熱部材であり、前記伝熱部材の熱伝導率は、100W/m・K以上であることを特徴とする脱気装置。
(2) インクジェット記録装置に用いる脱気装置であって、インク流路を流れるインクから気体を脱離させる脱気部と、前記脱気部で脱離された気体が流れる真空経路と、前記真空経路上に設けられ、前記気体に混入したインクの液体成分を貯留するトラップと、前記真空経路のうち、前記脱気部と前記トラップとを結ぶ接続経路を加温する加温手段と、を備え、前記インクの液体成分は、前記脱気部の内部と大気圧の外部とを繋ぐ大気経路が大気開放された状態で、前記真空経路に接続された真空ポンプで前記脱気部から吸引されることにより、前記トラップに回収されることを特徴とする脱気装置。
)前記加温手段は、前記接続経路を前記インクの液体成分の融点以上の温度に加温することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の脱気装置。
)前記加温手段は、ヒーターであることを特徴とする上記(2)に記載の脱気装置。
)前記脱気部のハウジングの熱伝導率は、100W/m・K以上であることを特徴とする上記(1)に記載の脱気装置。
)前記インクは、当該インクを吐出するインク吐出ヘッドからの射出時の粘度が7センチポアズ以上のインクであることを特徴とする上記(1)乃至()のいずれか一項に記載の脱気装置。
)前記脱気部は、チューブ状の中空糸膜を有し、当該中空糸膜で前記インクを脱気しながら、当該中空糸膜の外部を脱気されたインクで満たすことを特徴とする上記(1)乃至()のいずれか一項に記載の脱気装置。
)前記接続経路は、前記トラップの上部に接続されていることを特徴とする上記(1)乃至()のいずれか一項に記載の脱気装置。
)前記トラップは、前記脱気部の近傍に配置されていることを特徴とする上記(1)乃至()のいずれか一項に記載の脱気装置。
10)インクジェット記録装置に用いる脱気方法であって、インクから気体を脱離させる脱気部と前記気体に含まれているインクの液体成分を貯留するトラップとを結ぶ接続経路を、100W/m・K以上の熱伝導率の伝熱部材で前記脱気部の熱を前記接続経路に伝えることにより加温することを特徴とする脱気方法。
(11)インクジェット記録装置に用いる脱気方法であって、インクから気体を脱離させる脱気部と前記気体に混入したインクの液体成分を貯留するトラップとを結ぶ接続経路を加温し、前記インクの液体成分は、前記脱気部の内部と大気圧の外部とを繋ぐ大気経路が大気開放された状態で、前記脱気部で脱離された気体が流れる真空経路に接続された真空ポンプで、前記脱気部から吸引されることにより、前記トラップに回収されることを特徴とする脱気方法。
12)インクジェット記録装置であって、上記(1)乃至()のいずれか一項に記載の脱気装置と、前記脱気装置により脱気されたインクが供給されるインク吐出ヘッドと、を備え、前記インク吐出ヘッドに設けられたノズルから前記インクを吐出して記録媒体に画像を形成することを特徴とするインクジェット記録装置。
本発明によれば、気体に混入したインクの液体成分が脱気部とトラップとを結ぶ経路の内部に固着することを抑制することができる。
実施形態に係る脱気装置を備えるインクジェット記録装置の概略構成図である。 インクジェット記録装置のインクヘッドユニット付近の概略構成図である。 脱気装置の概略構成図である。 脱気装置の脱気部付近の概略構成図である。 インクジェット記録装置の内部ブロック図である。 インクジェット記録装置の動作を示すフローチャートである。 脱気装置の加温手段の変形例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示しているに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
<インクジェット記録装置の構成>
以下、図1を参照して、本実施形態に係る脱気装置2を備えるインクジェット記録装置1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る脱気装置2を備えるインクジェット記録装置1の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る脱気装置2を備えるインクジェット記録装置1は、給紙部10と、画像記録部20と、排紙部30と、制御部60と、を備える。インクジェット記録装置1は、制御部60による制御下で、給紙部10に格納された記録媒体Pを画像記録部20に搬送し、画像記録部20で記録媒体Pに画像を記録し、画像が記録された記録媒体Pを排紙部30に搬送する。
記録媒体Pとしては、普通紙や塗工紙といった紙のほか、布帛又はシート状の樹脂等、表面に吐出されたインクを表面で固化させることが可能な種々の媒体を用いることができる。
給紙部10は、画像記録部20に記録媒体Pを供給する機構である。給紙部10は、記録媒体Pを格納する給紙トレー11と、給紙トレー11から画像記録部20に記録媒体Pを搬送して供給する媒体供給部12と、を有する。媒体供給部12は、2本のローラーに張架された輪状のベルトを備え、ベルト上に記録媒体Pを載置した状態でローラーを回転させることで記録媒体Pを搬送する。
画像記録部20は、記録媒体Pに画像を記録する機構である。画像記録部20は、搬送ドラム21(搬送部)と、受け渡しユニット22と、用紙加熱部23と、インクヘッドユニット24と、定着部25と、デリバリー部26と、を有する。
搬送ドラム21は、記録媒体Pを搬送する部材である。搬送ドラム21は、円柱状を呈しており、その外周面である搬送面21a上に記録媒体Pを保持した状態で図1の紙面に垂直な方向(以下、「幅方向」と称する)に延びた回転軸の周りで回転することで記録媒体Pを搬送面21aに沿った搬送方向に搬送する。搬送ドラム21は、搬送ドラム21を回転させるための図示しない搬送ドラムモーターに接続されており、搬送ドラムモーターの回転量に比例した角度だけ回転する。
受け渡しユニット22は、給紙部10の媒体供給部12により搬送された記録媒体Pを搬送ドラム21に引き渡すユニットである。受け渡しユニット22は、給紙部10の媒体供給部12と搬送ドラム21との間に設けられている。受け渡しユニット22は、媒体供給部12から受け渡しドラム222に記録媒体Pを受け渡すスイングアーム部221と、記録媒体Pを搬送ドラム21に受け渡す受け渡しドラム222と、を有する。
用紙加熱部23は、記録媒体Pを加熱する機構である。用紙加熱部23は、受け渡しドラム222の配置位置とインクヘッドユニット24の配置位置との間に設けられている。用紙加熱部23は、搬送ドラム21により搬送された記録媒体Pの温度が所定範囲内となるように、記録媒体Pを加熱する。
インクヘッドユニット24は、記録媒体Pにインクを吐出して画像を記録(形成)するユニットである。インクヘッドユニット24は、外部装置9(図5参照)からの印刷指示に基づいて、記録媒体Pが保持された搬送ドラム21の回転に応じた適切なタイミングで記録媒体Pに対してインクを吐出することで画像を記録する。本実施形態では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクにそれぞれ対応する4つのインクヘッドユニット24が記録媒体Pの搬送方向上流側からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色の順に所定の間隔で並ぶように配列されている。
定着部25は、搬送ドラム21の幅方向に沿って対向するように配置された発光部を有し、搬送ドラム21に載置された記録媒体Pに対して発光部から紫外線等のエネルギー線を照射して記録媒体P上に吐出されたインクを硬化させて定着させる。
デリバリー部26は、内側が2本のローラーにより支持された輪状のベルトを有するベルトループ262と、記録媒体Pを搬送ドラム21からベルトループ262に受け渡す円筒状の受け渡しドラム261とを有し、受け渡しドラム261により搬送ドラム21からベルトループ262上に受け渡された記録媒体Pをベルトループ262により搬送して排紙部30に送出する。
排紙部30は、デリバリー部26により画像記録部20から送り出された記録媒体Pが載置される板状の排紙トレー31を有する。
<インクヘッドユニット付近の構成>
以下、図2を参照して、インクヘッドユニット24付近の構成について説明する。図2は、インクヘッドユニット24付近の概略構成図である。図2は、インクヘッドユニット24を正面から見た場合の概略的な内部構成を示している。
図2に示すように、インクヘッドユニット24は、筐体24aと、筐体24aの内部に収容された複数(図示例では6つ)のインク吐出ヘッド240(記録ヘッド)と、を有する。インク吐出ヘッド240は、インクを吐出して記録媒体に画像を形成する機構である。
インク吐出ヘッド240の底部には、幅方向に沿って、インクを吐出するための複数のノズル(図示せず)が配置されている。インク吐出ヘッド240のノズルは、開口面が搬送ドラム21の搬送面21aに対向するように、筐体の24aの下面から下方に突出した状態で配置される。
各インク吐出ヘッド240は、インク吐出ヘッド240内に供給されるインクが流入するインレット240aと、インク吐出ヘッド240から排出されるインクが流出するアウトレット240bと、インク吐出ヘッド240内に供給されたインクを加熱するインク加熱部240cと、を有する。インクヘッドユニット24には、インレット240aに供給されるインクやアウトレット240bから排出されるインクが流れるインク流路242が設けられている。ただし、図2では、アウトレット240bに接続されるインク流路242を省略している。実線の矢印は、インク流路242内を流れるインクの流動方向を示している(以下、同様)。
インクヘッドユニット24の筐体24aの内部には、インク流路242を流れるインク中の気体を脱離(脱気)させる脱気モジュール41(脱気部)が設けられている。脱気モジュール41は、後記するトラップ42及び真空経路44とともに、インク中の気体を脱離させる脱気装置2を構成している。インクジェット記録装置1は、インク中の気体を脱気モジュール41で脱離させることで、インク吐出ヘッド240からインクを吐出させる際に加えられる圧力を正常にインクに伝えることができる。
脱気モジュール41は、真空経路44を介して真空ポンプ51と接続されている。真空ポンプ51は、脱気モジュール41及び真空経路44の内部の気体(空気)を吸引する真空吸引部である。真空ポンプ51は、インクヘッドユニット24の外部に設けられている。気体は、真空経路44の中を通って真空ポンプ51に導かれ、真空ポンプ51を通って外部に排出される。点線の矢印は、真空経路44内を流れる気体の流動方向を示している(以下、同様)。真空経路44としては、特には限られないが、例えばシリコン製のチューブ等を用いることができる。
真空経路44の途中には、気体に混入したインクの液体成分が真空ポンプ51内に侵入しないように、インクの液体成分を捕集して貯留するためのトラップ42が設けられている。トラップ42は、インクヘッドユニット24の筐体24aの内部において、脱気モジュール41の近傍(例えば、30cm以内の位置)に設けられている。トラップ42は、筐体24aの下面に設けられた貫通孔に篏合された状態で固定されている。
インク吐出ヘッド240から吐出されるインクとしては、例えば、紫外線を照射することによりモノマーが重合して硬化するインクであって、紫外線が照射されない状態では、温度に応じてゲル状態とゾル状態との間で相変化する特性を有するインク(相変化インク)が用いられる。ここで、ゲル状態は固体に含まれ、ゾル状態は液体に含まれるものとする。このインクは、所定の相変化温度(例えば、40℃~60℃程度)以上に加熱されることで一様に液化(ゾル化)する一方、通常の室温程度(0℃~30℃程度)を含む相変化温度以下の温度範囲ではゲル化する。
本実施形態では、インク吐出ヘッド240に設けられたインク加熱部240cによりインクがゾル状態となる温度に加熱され、ゾル状態のインクがノズルから吐出される。ノズルから吐出されて記録媒体Pに着弾したインクは、室温に冷却されて速やかにゲル状態となる。
脱気モジュール41(脱気部)は、インク流路242の途中に設けられており、インク中の気体を脱離させる脱気膜41e(中空糸膜)(図4参照)を内部に備えている。
<脱気装置の構成>
以下、図3及び図4を参照して、脱気装置2の概略構成について説明する。図3は、脱気装置2の概略構成図である。図4は、脱気装置2の脱気モジュール41(脱気部)付近の概略構成図である。
図3に示すように、脱気装置2は、前記した脱気モジュール41と、前記したトラップ42と、前記した真空経路44と、を有している。脱気装置2は、一つのインクヘッドユニット24に対して一つ設けられている。なお、図3では、インクヘッドユニット24に設けられた複数のインク吐出ヘッド240(図2参照)の中の一つのみを代表して示している。
インクヘッドユニット24は、第1サブタンク241と、前記した脱気モジュール41と、循環ポンプ243と、第2サブタンク245と、前記したインク吐出ヘッド240と、を有している。
第1サブタンク241は、インク吐出ヘッド240に供給するインクを一時的に貯留する小型の貯留部である。
循環ポンプ243は、脱気モジュール41で脱気されたインクを第2サブタンク245に送り込むためのポンプである。
第2サブタンク245は、脱気モジュール41で脱気された後のインクを一時的に貯留する小型の貯留部である。第2サブタンク245に貯留されたインクは、各インク吐出ヘッド240に供給される。第2サブタンク245は、インク流路242との接続箇所を除いて密閉されている。第2サブタンク245の容量は、特には限られないが、第1サブタンク241と同様の容量のものが用いられる。
インクヘッドユニット24の外部には、インク供給部27が設けられている。インク供給部27は、メインタンク271と、供給ポンプ272と、を有している。
メインタンク271は、インクヘッドユニット24に対応する色のインクを貯留する貯留部である。メインタンク271の容量は、特には限られないが、例えば数リットルから数十リットル程度の大容量のものが用いられる。
供給ポンプ272は、メインタンク271に貯留されたインクをインクヘッドユニット24内の第1サブタンク241に送り込むためのポンプである。
また、インクヘッドユニット24の外部には、前記した真空ポンプ51が設けられている。
インクは、インク流路242の内部を流れる。本実施形態では、インク流路242は、第1流路242aと、第2流路242bと、第3流路242cと、第4流路242dと、第5流路242eと、を含む構成となっている。
第1流路242aは、メインタンク271と第1サブタンク241とを結ぶ流路である。第1流路242aの途中には、前記した供給ポンプ272が設けられている。
第2流路242bは、第1サブタンク241と脱気モジュール41とを結ぶ流路である。
第3流路242cは、脱気モジュール41と第2サブタンク245とを結ぶ流路である。第3流路242cの途中には、前記した循環ポンプ243と、逆止弁244とが設けられている。逆止弁244は、脱気モジュール41から第2サブタンク245に送られたインクの逆流を防止する。脱気モジュール41で脱気されたインクは、循環ポンプ243により逆止弁244を経て第2サブタンク245に送られる。
第4流路242dは、第2サブタンク245とインク吐出ヘッド240とを結ぶ流路である。第4流路242dは、各インク吐出ヘッド240のインレット240aに接続されている。各インク吐出ヘッド240は、第4流路242dを介して第2サブタンク245からインクの供給を受ける。
第5流路242eは、インク吐出ヘッド240と第1サブタンク241とを結ぶ流路である。第5流路242eは、各インク吐出ヘッド240のアウトレット240bに接続されている。各インク吐出ヘッド240は、第5流路242eを介して記録媒体Pに吐出されないインクの一部を第1サブタンク241に還流する。第5流路242eの途中には、バルブ246が設けられている。バルブ246は、インク吐出ヘッド240から第1サブタンク241に還流させるインクの量を調整する。
インク流路242の第2流路242bから第5流路242eは、第1サブタンク241から、脱気モジュール41、第2サブタンク245、インク吐出ヘッド240を経て、第1サブタンク241に戻るインクの循環経路を形成している。
また、脱気モジュール41でインク中から脱離された気体は、真空経路44の内部を流れる。本実施形態では、真空経路44は、接続経路44aと、連通経路44bと、を含む構成となっている。接続経路44aは、脱気モジュール41とトラップ42とを結ぶ流路である。連通経路44bは、トラップ42と真空ポンプ51とを結ぶ流路である。
インク吐出ヘッド240内のインクは、インク加熱部240cにより加熱されてゾル状となっている。また、第1サブタンク241、脱気モジュール41、第2サブタンク245内のインクも、それぞれに設けられた図示しないインク加熱部により加熱されてゾル状となっている。
脱気モジュール41には、大気空間に連通する大気経路45が接続されている。大気経路45の途中には、大気連通弁451が設けられている。大気連通弁451は、大気経路45を選択的に開放又は閉鎖する弁機構である。
脱気モジュール41は、真空経路44を介して、トラップ42と、真空ポンプ51とに接続されている。脱気装置2は、脱気時に、インクの中から分離された気体を流動させ易くするために、大気連通弁451を開いて大気経路45を大気に開放した状態にし、真空ポンプ51で真空経路44内の空気を吸引する吸引動作を行う。これにより、脱気モジュール41においてインク中から気体が脱離され、脱離された気体が真空経路44を流れる。真空ポンプ51は、真空経路44内を必ずしも超高真空状態にまでする必要はなく、脱気に必要な程度の減圧を行う。
なお、脱気モジュール41は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4つのインクヘッドユニット24のそれぞれに設けられている。一方、真空ポンプ51は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4つのインクヘッドユニット24に対して1つのみ共通に設けられている。
図4に示すように、脱気モジュール41は、外殻41a(ハウジング)の内部において、中心管41bの周囲を脱気膜41e(中空糸膜)で覆った構成になっている。脱気膜41eは、多数の中空糸で構成された、チューブ状の気体透過性の膜体である。脱気膜41eは、一端が閉塞した多数の中空状の微細糸構造をなし、その膜面は、気体透過性を有する。中心管41bは、円形管で構成されている。脱気膜41eの上部部分と下部部分は、シリコンキャップ41fとシリコンキャップ41gとで保持されている。中心管41bの一端は、インク流路242の第2流路242bに接続されている。また、中心管41bの他方は、プラグ41cで封止されている。中心管41bの外壁には、複数の細穴41d(ミシン穴)が設けられている。
インク流路242の第2流路242bから中心管41bに流入したインクは、細穴41dから中心管41bの周囲に流出し、脱気膜41eの間を抜ける。その際に、インクは、脱気膜41eで脱気される。なお、脱気時において、脱気モジュール41の外殻41a(ハウジング)は、インクを流動させ易くするために、図示しないヒーターによってインクの液体成分の融点以上の温度(例えば、60℃以上の温度)に加熱されている。
脱気膜41eの間を抜けたインクは、脱気膜41eの周囲に設けられた空間SP1に貯留される。空間SP1は、外殻41a(ハウジング)の内部において、脱気膜41eの周囲に設けられ、かつ、シリコンキャップ41fとシリコンキャップ41gとで上下が挟まれた空間である。このような脱気モジュール41は、脱気膜41eでインクを脱気しながら、脱気膜41eの外部を脱気されたインクで満たす構成になっている。
空間SP1には、インク流路242の第3流路242cの一端が挿入されている。空間SP1に貯留されたインクは、インク流路242の第3流路242cを介して循環ポンプ243(図3参照)により第2サブタンク245(図3参照)に送られる。
外殻41a(ハウジング)の内部において、シリコンキャップ41fよりも上側には、空間SP2が設けられており、また、シリコンキャップ41gよりも下側には、空間SP3が設けられている。空間SP2には、大気経路45を介して大気から脱気モジュール41に導入される空気が貯留される。空間SP3には、脱気膜41eでインクの中から脱離された気体が貯留される。
空間SP2には、大気経路45が接続されている。一方、空間SP3には、真空経路44の接続経路44aが接続されている。
前記した通り、脱気装置2は、脱気時に、インクの中から分離された気体を流動させ易くするために、大気連通弁451を開いて大気経路45を大気に開放した状態にし、真空ポンプ51で真空経路44内の空気を吸引する吸引動作を行う。このとき、脱気膜41eの微細糸構造の内部が減圧される。この状態で、脱気膜41eの膜面にインクが接触することで、インク中の気体が選択的に膜面を透過して、インク中から気体が脱離(脱気)される。脱離された気体は、空間SP3を通って真空経路44を流れる。
その際に、通常でも僅かにインクの液体成分(主に、モノマー)が気体成分と共に脱気膜41eを通過して真空ポンプ51により減圧された空間SP3に染み出てる。これにより、インクの液体成分が気体に混入した状態で空間SP3から真空経路44の接続経路44aに漏出する場合がある。仮にインクの液体成分が真空ポンプ51に侵入すると、真空ポンプ51に不具合が生じる可能性がある。
そこで、前記した通り、真空経路44の途中には、気体に混入したインクの液体成分が真空ポンプ51内に侵入しないように、インクの液体成分を捕集して貯留するためのトラップ42が設けられている。トラップ42は、例えば、小型のタンク状の形状を呈している。トラップ42の内部には、脱気モジュール41の脱気膜41eから漏出したインクの液体成分が貯留される。トラップ42は、脱気膜41eから漏出するインクの液体成分の量は1日に数cc程度であるため、例えば数十cc程度のものが用いられる。トラップ42は、真空経路44に対して取り付け及び取り外しが自在な構成になっている。トラップ42は、インクの液体成分が貯留されると、任意のタイミングで真空経路44から取り外され、洗浄された後、真空経路44に再び取り付けられる。
ところで、真空経路44の接続経路44aと連通経路44bは、比較的冷え易い構成になっている。そのため、気体に混入したインクの液体成分が接続経路44aの内部を通ると、図示しないヒーターによって加熱されている脱気モジュール41から真空ポンプ51の方向に液体成分が進むにつれて、液体成分の温度が低下してしまう。その結果、接続経路44aの内部で液体成分が固体化してしまい、液体成分が接続経路44aの内部に固着し易くなる。
特にインクジェット記録装置1では、インク吐出ヘッド240から記録媒体Pに射出したときのインクの飛び散りを抑制することができるように、高粘度のインクが使用される場合がある。ここで、「粘度の高いインク」とは、例えば、ヘッド射出時の粘度(インク吐出ヘッド240からの射出時の粘度)が7cP(センチポアズ)以上(好ましくは、8cP以上)のインクである。
この点について、例えば記録媒体Pが光沢紙等のインクを弾き易い媒体である場合に、インクジェット記録装置1がインク吐出ヘッド240から記録媒体Pにインクを射出すると、インクが記録媒体Pに着弾したときに飛び散って、インク同士がくっつくことがある。高粘度のインクは、記録媒体Pに着弾したときに、記録媒体Pに確実に付着するため、飛び散りを抑制することができる。
その粘度の高いインクの液体成分は、温度が低下することで固体化し易い。しかも、粘度の高いインクは、高粘度を実現するために、ゲル成分を含んでいる場合が多いが、そのゲル成分は、特に固体化し易い。そのため、粘度の高いインクの液体成分が接続経路44aの内部を通ると、液体成分が接続経路44aの内部にさらに固着し易くなる。その接続経路44aは、比較的小径に形成されている。そのため、固着したインクの液体成分によって接続経路44aが詰まってしまう可能性がある。
そこで、本実施形態に係る脱気装置2は、接続経路44aの近傍にヒーター46を有している。ヒーター46は、接続経路44aを加温する加温手段である。ヒーター46としては、例えば、ニクロム線等の電熱線を通電して発熱させる構成を用いることができる。ヒーター46は、接続経路44a(特に、インクの液体成分が固体化し易い部分)をインクの液体成分の融点以上の温度(例えば、60℃以上の温度)に加温する。ヒーター46は、インクジェット記録装置1に電源が投入されている間、常時、接続経路44aを加温する。なお、ヒーター46の加温温度の上限は、インクの液体成分が気化してトラップ42を越えてしまわないように、インクの液体成分の沸点よりも低い温度にするとよい。
このような脱気装置2は、加温手段としてのヒーター46で接続経路44aを加温することで、接続経路44aの内部でインクの液体成分が固体化しないようにすることができる。そのため、脱気装置2は、インクの液体成分が接続経路44aの内部に固着することを抑制することができる。これにより、脱気装置2は、インクの液体成分によって接続経路44aが詰まってしまうことを防止することができる。
<インクジェット記録装置の内部構成>
以下、図5を参照して、インクジェット記録装置1の内部構成について説明する。図5は、インクジェット記録装置1の内部ブロック図である。
図5に示すように、インクジェット記録装置1は、上述した供給ポンプ272と、循環ポンプ243と、真空ポンプ51と、インク加熱部240cと、大気連通弁451と、を有する脱気装置2と、用紙加熱部23と、定着部25と、を備えている。また、インクジェット記録装置1は、CPU61(Central Processing Unit)(記録制御手段)、RAM62(Random Access Memory)、ROM63(Read Only Memory)及び記憶部64を有する制御部60と、インク吐出ヘッド制御部71と、ヘッドユニット移動駆動部72と、搬送駆動部73と、入出力インターフェース74と、バス75と、を備える。
CPU61は、ROM63に記憶された各種制御用のプログラムや設定データを読み出してRAM62に記憶させ、プログラムを実行して各種演算処理を行う。CPU61は、これによりインクジェット記録装置1の全体動作を統括制御する。
RAM62は、CPU61に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。
RAM62は、不揮発性メモリーを含んでいてもよい。
ROM63は、CPU61により実行される各種制御用のプログラムや設定データ等を格納する。なお、ROM63に代えてEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用いられてもよい。
記憶部64には、入出力インターフェース74を介して外部装置9から入力されたプリントジョブ(画像記録命令)及びプリントジョブに係る画像データ等が記憶される。記憶部64としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)が用いられ、また、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等が併用されてもよい。
インク吐出ヘッド制御部71は、制御部60からの制御信号に応じた適切なタイミングで、インク吐出ヘッド240に設けられたヘッド駆動部に対して各種制御信号や画像データを出力する。
ヘッドユニット移動駆動部72は、制御部60からの制御信号に応じて、ノズルの開口部が搬送ドラム21の搬送面21aに対向する位置と搬送面21aに対向しない位置との間でインクヘッドユニット24を移動させる。
搬送駆動部73は、制御部60から供給される制御信号に基づいて搬送ドラム21の図示しない搬送ドラムモーターに駆動信号を供給して、搬送ドラム21を所定の速度及びタイミングで回転させる。また、搬送駆動部73は、制御部60から供給される制御信号に基づいて媒体供給部12、受け渡しユニット22、及びデリバリー部26を動作させるための図示しないモーターに駆動信号を供給して、記録媒体Pの搬送ドラム21への供給及び搬送ドラム21からの排出を行わせる。
入出力インターフェース74は、外部装置9との間でデータの送受信を行う手段である。
バス75は、制御部60と他の構成との間で信号の送受信を行うための経路である。
外部装置9は、例えばパーソナルコンピューターであり、入出力インターフェース74を介して印刷指示(プリントジョブ及び画像データ等)を制御部60に供給する。
<脱気装置を備えるインクジェット記録装置の動作>
以下、図6を参照して、脱気装置2を備えるインクジェット記録装置1の動作について説明する。図6は、インクジェット記録装置1の動作を示すフローチャートである。
図6に示すように、インクジェット記録装置1は、電源が投入されることにより、接続経路44aの加温を開始する(ステップS110)。接続経路44aの加温は、電源が投入されている間、継続的に行われる。
そして、インクジェット記録装置1は、接続経路44aを加温しながら、外部装置9から印刷指示が出力されるのを待ち、外部装置9から印刷指示が出力されると、印刷指示を受け付ける(ステップS120)。
すると、インクジェット記録装置1は、インク供給を行うとともに、脱気処理を行う(ステップS130)。脱気処理では、大気連通弁451を開いて大気経路45を大気に開放した状態にし(ステップS130a)、真空経路44に接続された真空ポンプ51で脱気モジュール41から気体を吸引する(ステップS130b)。このとき、気体に混入しているインクの液体成分が、気体とともに、真空ポンプ51に吸引されて、真空経路44に流入する。そのインクの液体成分は、トラップ42を通過する際に、トラップ42に捕集されて、回収される。
そして、インクジェット記録装置1は、印刷を実行する(ステップS140)。インクジェット記録装置1は、印刷が完了すると、待機状態となり、外部装置9から次の印刷指示が出力されるのを待つ。
<脱気装置の主な特徴>
本実施形態に係る脱気装置2は、以下のような特徴を有している。
(1)図4に示すように、本実施形態に係る脱気装置2は、インク流路242を流れるインクから気体を脱離させる脱気モジュール41(脱気部)と、脱気モジュール41で脱離された気体が流れる真空経路44と、真空経路44上に設けられ、気体に混入したインクの液体成分を貯留するトラップ42と、真空経路44のうち、脱気モジュール41とトラップ42とを結ぶ接続経路44aを加温する加温手段(本実施形態では、ヒーター46)と、を備える。
このような本実施形態に係る脱気装置2は、脱気装置2は、加温手段としてのヒーター46で接続経路44aを加温することで、インクの液体成分が接続経路44aの内部に固着することを抑制することができる。これにより、脱気装置2は、インクの液体成分によって接続経路44aが詰まってしまうことを防止することができる。
(2)本実施形態に係る脱気装置2の加温手段は、接続経路44aをインクの液体成分の融点以上の温度(例えば、60℃以上の温度)に加温するとよい。本実施形態では、加温手段は、ヒーター46で構成されている。
このような本実施形態に係る脱気装置2は、インクの液体成分が接続経路44aの内部で固体化しないようにすることができる。
(3)本実施形態に係る脱気装置2で用いるインクは、インクを吐出するインク吐出ヘッド240からの射出時の粘度が7cP(センチポアズ)以上のインクであるとよい。
このようなインクは、記録媒体Pに着弾したときに、記録媒体Pに確実に付着するため、記録媒体Pに射出したときの飛び散りを抑制することができる。
(4)図4に示すように、本実施形態に係る脱気装置2の脱気モジュール41は、チューブ状の脱気膜41e(中空糸膜)を有し、脱気膜41eでインクを脱気しながら、脱気膜41eの外部を脱気されたインクで満たす構成であるとよい。
このような本実施形態に係る脱気装置2は、脱気膜41eの外部に満たされた脱気されたインクをインク吐出ヘッドに供給することができる。
(5)図4に示すように、本実施形態に係る脱気装置2の接続経路44aは、トラップ42の上部に接続されているとよい。
このような本実施形態に係る脱気装置2は、気体と共にインクの液体成分をトラップ42の上部に送り込み、トラップ42の内部でインクの液体成分を落下させることで、インクの液体成分を効率よく捕集することができる。
(6)図6に示すように、本実施形態に係る脱気装置2において、インクの液体成分は、脱気モジュール41の内部と大気圧の外部とを繋ぐ大気経路45が大気開放された状態で、真空経路44に接続された真空ポンプ51で脱気モジュール41から吸引されることにより、トラップ42に回収されるとよい。
このような本実施形態に係る脱気装置2は、脱気時に、大気経路45から外気(空気)を脱気モジュール41の内部に取り込むことができる。そのため、脱気装置2は、真空ポンプ51で気体と共にインクの液体成分を吸引することで、インクの液体成分を円滑に流動させて、トラップ42で効率よく捕集することができる。
(7)図3に示すように、本実施形態に係る脱気装置2のトラップ42は、脱気モジュール41の近傍(例えば、30cm以内)に配置されているとよい。
このような本実施形態に係る脱気装置2は、トラップ42と脱気モジュール41との距離が短いため、接続経路44aの長さを短くすることができる。これにより、脱気装置2は、接続経路44aでの放熱量を低減することができるため、接続経路44aを通過するインクの液体成分の温度を低下し難くすることができる。その結果、脱気装置2は、加温手段(本実施形態では、ヒーター46)の消費電力を低減することができる。
以上の通り、本実施形態に係る脱気装置2によれば、気体に混入したインクの液体成分が脱気モジュール41(脱気部)とトラップ42とを結ぶ接続経路44aの内部に固着することを抑制することができる。
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
例えば、前記した実施形態は、本発明の要旨を分かり易く説明するために詳細に説明したものである。そのため、本発明は、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されるものではない。また、本発明は、ある構成要素に他の構成要素を追加したり、一部の構成要素を他の構成要素に変更したりすることができる。また、本発明は、一部の構成要素を削除することもできる。
例えば、脱気装置2の加温手段は、図7に示すように、変形することができる。図7は、脱気装置2の加温手段の変形例を示す図である。
図7に示す例では、脱気装置2は、加温手段として、ヒーター46の代わりに、伝熱部材47を有する構成になっている。伝熱部材47は、脱気モジュール41(脱気部)の外殻41a(ハウジング)の熱を接続経路44aに伝える部材である。脱気モジュール41の外殻41a(ハウジング)は、図示せぬヒーターによってインクの液体成分の融点以上の温度に加温されている。伝熱部材47は、その外殻41a(ハウジング)の熱を接続経路44aに伝えることで、接続経路44aをインクの液体成分の融点以上の温度(例えば、60℃以上の温度)に加温する。これにより、脱気装置2は、インクの液体成分が接続経路44aの内部に固着することを抑制することができる。
なお、脱気モジュール41の外殻41a(ハウジング)は、図示せぬヒーターで良好に加温することができるように、比較的高い熱伝導率を有することが好ましい。また、伝熱部材47は、外殻41a(ハウジング)の熱を良好に接続経路44aに伝えることができるように、外殻41a(ハウジング)と同程度以上の熱伝導率を有することが好ましい。また、外殻41a(ハウジング)や伝熱部材47は、破損し難くするために、比較的高い強度を有することが好ましい。また、外殻41a(ハウジング)や伝熱部材47は、比較的高い耐食性、成形性、溶接性を有することが好ましい。このような要望を満たす材料としては、アルミニウム合金(例えば、A5052合金)がある。そこで、外殻41a(ハウジング)や伝熱部材47は、アルミニウム合金(例えば、A5052合金)で構成するとよい。A5052合金は、アルミニウムにマグネシウムを添加した合金である。A5052合金は、種々のアルミ合金の中ではほぼ中間程度の強度を示す材料であり、耐食性、成形性、溶接性に優れた材料である。そのA5052合金の熱伝導率は、140W/m・Kとなっている。なお、外殻41a(ハウジング)や伝熱部材47の材料の熱伝導率としては、A5052合金に近い熱伝導率(例えば、100W/m・K以上の熱伝導率)であるとよい。
このように、脱気装置2は、加温手段として、ヒーター46の代わりに、伝熱部材47を有することによっても、インクの液体成分が接続経路44aの内部に固着することを抑制することができる。
1 インクジェット記録装置
2 脱気装置
9 外部装置
10 給紙部
11 給紙トレー
12 媒体供給部
20 画像記録部
21 搬送ドラム(搬送部)
21a 搬送面
22 受け渡しユニット
23 用紙加熱部
24 インクヘッドユニット
24a 筐体
25 定着部
26 デリバリー部
27 インク供給部
30 排紙部
31 排紙トレー
41 脱気モジュール(脱気部)
41a 外殻(ハウジング)
41b 中心管
41c プラグ
41d 細穴(ミシン穴)
41e 脱気膜(中空糸膜)
41f シリコンキャップ
41g シリコンキャップ
42 トラップ
44 真空経路
44a 接続経路
44b 連通経路
45 大気経路
46 ヒーター(加温手段)
47 伝熱部材(加温手段)
51 真空ポンプ
60 制御部
61 CPU
62 RAM
63 ROM
64 記憶部
71 インク吐出ヘッド制御部
72 ヘッドユニット移動駆動部
73 搬送駆動部
74 入出力インターフェース
221 スイングアーム部
222 受け渡しドラム
240 インク吐出ヘッド
240a インレット
240b アウトレット
240c インク加熱部
241 第1サブタンク
242 インク流路
242a 第1流路
242b 第2流路
242c 第3流路
242d 第4流路
242e 第5流路
243 循環ポンプ
244 逆止弁
245 第2サブタンク
246 バルブ
261 受け渡しドラム
262 ベルトループ
271 メインタンク
272 供給ポンプ
451 大気連通弁
SP1,SP2,SP3 空間
P 記録媒体

Claims (12)

  1. インクジェット記録装置に用いる脱気装置であって、
    インク流路を流れるインクから気体を脱離させる脱気部と、
    前記脱気部で脱離された気体が流れる真空経路と、
    前記真空経路上に設けられ、前記気体に混入したインクの液体成分を貯留するトラップと、
    前記真空経路のうち、前記脱気部と前記トラップとを結ぶ接続経路を加温する加温手段と、を備え
    前記加温手段は、前記脱気部の熱を前記接続経路に伝える伝熱部材であり、
    前記伝熱部材の熱伝導率は、100W/m・K以上である
    ことを特徴とする脱気装置。
  2. インクジェット記録装置に用いる脱気装置であって、
    インク流路を流れるインクから気体を脱離させる脱気部と、
    前記脱気部で脱離された気体が流れる真空経路と、
    前記真空経路上に設けられ、前記気体に混入したインクの液体成分を貯留するトラップと、
    前記真空経路のうち、前記脱気部と前記トラップとを結ぶ接続経路を加温する加温手段と、を備え、
    前記インクの液体成分は、前記脱気部の内部と大気圧の外部とを繋ぐ大気経路が大気開放された状態で、前記真空経路に接続された真空ポンプで前記脱気部から吸引されることにより、前記トラップに回収される
    ことを特徴とする脱気装置。
  3. 前記加温手段は、前記接続経路を前記インクの液体成分の融点以上の温度に加温する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の脱気装置。
  4. 前記加温手段は、ヒーターである
    ことを特徴とする請求項に記載の脱気装置。
  5. 前記脱気部のハウジングの熱伝導率は、100W/m・K以上である
    ことを特徴とする請求項に記載の脱気装置。
  6. 前記インクは、当該インクを吐出するインク吐出ヘッドからの射出時の粘度が7センチポアズ以上のインクである
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の脱気装置。
  7. 前記脱気部は、チューブ状の中空糸膜を有し、当該中空糸膜で前記インクを脱気しながら、当該中空糸膜の外部を脱気されたインクで満たす
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の脱気装置。
  8. 前記接続経路は、前記トラップの上部に接続されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の脱気装置。
  9. 前記トラップは、前記脱気部の近傍に配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の脱気装置。
  10. インクジェット記録装置に用いる脱気方法であって、
    インクから気体を脱離させる脱気部と前記気体に混入したインクの液体成分を貯留するトラップとを結ぶ接続経路を、100W/m・K以上の熱伝導率の伝熱部材で前記脱気部の熱を前記接続経路に伝えることにより加温する
    ことを特徴とする脱気方法。
  11. インクジェット記録装置に用いる脱気方法であって、
    インクから気体を脱離させる脱気部と前記気体に混入したインクの液体成分を貯留するトラップとを結ぶ接続経路を加温し、
    前記インクの液体成分は、前記脱気部の内部と大気圧の外部とを繋ぐ大気経路が大気開放された状態で、前記脱気部で脱離された気体が流れる真空経路に接続された真空ポンプで、前記脱気部から吸引されることにより、前記トラップに回収される
    ことを特徴とする脱気方法。
  12. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の脱気装置と、
    前記脱気装置により脱気されたインクが供給されるインク吐出ヘッドと、を備え、
    前記インク吐出ヘッドに設けられたノズルから前記インクを吐出して記録媒体に画像を形成する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
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