JPH05330073A - インクジェット記録装置用記録ヘッドの吐出回復方法 - Google Patents

インクジェット記録装置用記録ヘッドの吐出回復方法

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JPH05330073A
JPH05330073A JP14297792A JP14297792A JPH05330073A JP H05330073 A JPH05330073 A JP H05330073A JP 14297792 A JP14297792 A JP 14297792A JP 14297792 A JP14297792 A JP 14297792A JP H05330073 A JPH05330073 A JP H05330073A
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ink
recording head
cap member
recording
airtightness
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JP14297792A
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Atsushi Saito
篤 齋藤
Akio Okubo
明夫 大久保
Yasuhiko Ikeda
靖彦 池田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インク循環系内の気泡を除去するとともに、
廃インクの量を最小限に抑えつつ、吐出口内の目詰りや
気泡を除去する。 【構成】 記録ヘッド5の吐出口5Aにキャップ部材1
1を密着させ、キャップ部材11内の気密を保持した
後、インクの循環を行い、さらに、キャップ部材11内
の気密を解除した後、短時間でインクの循環を停止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置用記録ヘッドの吐出回復方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータやワードプロセッ
サ,ファクシミリ,複写機等のOA機器が広く普及し、
これらの機器に用いられる記録装置には種々の記録方式
が採用されている。この中でも、熱エネルギによってイ
ンクに気泡を生成し、この気泡の生成に基づいてインク
を吐出するインクジェット記録方式は、他の記録方式と
比べて、半導体製造工程と同様の工程で製造できるから
高精細化が容易で廉価であり、しかも、気泡の生成およ
びこれに基づく吐出の駆動電気パルスに対する応答性が
よく高速記録性および静粛性に優れているという特徴を
有している。
【0003】ところで、かかるインクジェット記録装置
においては、インク内に浸入した気泡やインクの増粘
は、インク吐出に悪影響を及ぼす。例えば、その一端に
インク吐出口が開口されたインク路内のインクに気泡が
存在すると、吐出のためのエネルギがインクに良好に作
用せず、吐出インク量が少なくなったり、インクが全く
吐出されない(目詰り)等の吐出不良を引き起こすこと
がある。また、記録ヘッドへインクを供給するインク供
給系内のインクに気泡が存在している場合にも、気泡が
インク流を阻外しインク供給が良好になされない等の弊
害を生じることがある。
【0004】さらに、インク水分の蒸発等により、吐出
口近傍のインク路でその粘度を増したインクは、上記と
同様の吐出不良の他に、吐出方向を偏向させる等の問題
を生じさせ、この増粘が進行した場合には、乾燥インク
が吐出口近傍に固着して通常の処理では除去できない事
態を招くこともある。
【0005】以上のような気泡やインク増粘に起因した
吐出不良を未然に防止するため、あるいはこのような吐
出不良状態から正常な吐出状態に回復させるため、イン
クジェット記録装置では、いわゆる吐出回復処理が行わ
れる。
【0006】このような吐出回復処理の1つとして、イ
ンクの初期充填、およびインクの目詰りや気泡の除去を
目的とする吐出回復手段を開示した技術として特開昭5
4−160242号公報等が知られている。これは、イ
ンクを貯留するインクタンクと記録ヘッドとを複数の通
路で連結して循環系を形成し、ここでインクを循環させ
ることによってインクの初期充填や吐出回復を行うもの
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、インク循環の際に、記録ヘッドの吐出口か
らかなりの量のインクが流出し、これが廃インクとなる
ため、大がかりな廃インク回収手段を設ける必要が生じ
たり、廃インクの増加はインクの利用効率の低下につな
がり、利用効率の低下に起因するランニングコストの上
昇を招来している。また、吐出口からインクが流出し廃
インクと成る分だけインクタンクに戻される通路中のイ
ンクが減少し、この部分における流速低下による気泡の
除去効果が上がらないという問題も生じている。
【0008】本発明は、かかる従来技術に起因する問題
点を解消し、記録ヘッドから流出する廃インクの量を少
なくするとともに気泡の除去効果を高め、かつ、吐出口
における目詰りを防止したインクジェット記録装置用記
録ヘッドの吐出回復方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明は、インクジェット記録装置用記録ヘッドの
吐出口に覆蓋可能に配設されたキャップ部材を密着さ
せ、このキャップ部材内の気密を保持した後、インクを
貯留するインクタンクと前記記録ヘッドとを往路と復路
の通路により連結した循環系内でインクの循環を行うこ
と、および、これに加え、最後に短時間、前記キャップ
部材内の気密を解除した後、前記循環を停止させるこ
と、を特徴とする。
【0010】
【作用】本発明によれば、記録ヘッドの吐出口にキャッ
プ部材を密着させ、キャップ部材内の気密を保持した後
にインクを循環させるようにしたので、記録ヘッド内の
インクの圧力とキャップ部材内の圧力が平衡し、長時間
のインク循環動作を行っても前記吐出口からインクが流
出することがない。また、最後に短時間、気密を解除し
て循環を停止するので、圧力差により吐出口からインク
が流出し、目詰りや気泡を除去することができる。
【0011】
【実施例】以下、図面に示した実施例に基づき、本発明
にかかるインクジェット記録装置用記録ヘッドの吐出回
復方法について詳細に説明する。
【0012】図1は、一実施例としてインクジェット記
録装置をファクシミリ装置に適用した場合の構成図であ
る。このファクシミリ装置は、2点鎖線で囲んで示すよ
うに、原稿搬送系A,光学系B,電源部C,電気回路基
板D,被記録媒体(記録紙)搬送系E,デカール系F,
インク供給系Gおよび回復系Hによって構成される。原
稿搬送系Aおよび光学系Bにより、原稿1から原稿像を
読み取る原稿読取部が構成され、この原稿読取部では、
ファクシミリ装置の基本動作として、送信あるいは複写
に際して、原稿搬送系Aの原稿送り台2に原稿1がセッ
トされると、原稿1は駆動手段(不図示)により駆動さ
れるローラ列R1,R2,R3およびR4によって矢印
方向に搬送されるようになっている。そして、原稿1の
原稿情報は、搬送途中に設けられた所定の原稿読取ライ
ン(主走査ライン)位置において、ランプL1およびミ
ラーM1,M2で構成される光学系Bの反射光路を介し
て、集光レンズLeによりCCDセンサ3に伝達され、
CCDセンサ3により電気信号に変換されて読み取られ
る。
【0013】また、受信ないしは複写に際しては、記録
紙搬送系Eにおいて、ロール形状に巻かれた記録紙4が
駆動手段(不図示)によって駆動されるローラ列により
逐次搬送され、搬送途中の記録ラインにおいて原稿情報
に基づき記録ヘッドユニット5のインク吐出口5Aから
インクを吐出することにより記録が行われる。このイン
ク吐出口5Aからのインクの吐出は、インクに膜沸騰を
生じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換体を利用
し、インク中に気泡を発生させてその気泡の圧力変化に
よりインクを吐出させるインクジェット方式によって行
われるものである。
【0014】さらに、電源部Cは、外部からAC電源の
入力を得て必要箇所に電力を供給する役目をはたすとと
もに、電気回路基板Dには、マイクロコンピュータシス
テムを中心に、本装置各部の機能および動作を制御する
ための回路、および送信回線との接続・解放や、画像情
報信号の入出力用回路が構成されている。
【0015】インク供給系Gは、記録ヘッドユニット5
に対しインクを供給するためのインクを貯留したインク
タンクないしはカートリッジ6を有し、このカートリッ
ジ6は、その貯留するインクが無くなったときに新たな
カートリッジと交換できるように装置本体に対して着脱
自在に設けられている。このインクカートリッジ6と記
録ヘッドユニット5との間には、図2に示されるよう
に、カートリッジ6から記録ヘッドユニット5へインク
を送るためのインクチューブ7と記録ヘッドユニット5
からカートリッジ6へインクを送るためのインクチュー
ブ8が設けられ、インクチューブ7の途中に、このイン
ク輸送を行うためのポンプ9が設けられている。これら
により、後述するインク循環系が構成される。また、イ
ンクカートリッジ6の一部には、その内部を大気に開放
するための連通孔6Aが設けられている。
【0016】回復系Hは、記録ヘッドユニット5の吐出
口5Aが設けられた面をワイピングするためのブレード
10および後述するキャップ部材11を一体に有してい
る。このキャップ部材11には、キャップ部材11が受
容したインクを排出するための排出チューブ12が設け
られ、このチューブ12の途中には当該排出路の開閉を
行うためのバルブ13が設けられている。バルブ13の
開閉は公知の構成によって行われる。また、チューブ1
2には、当該排出のための吸引力を発生するポンプ(不
図示)が連結されている。
【0017】以上示した回復系Hに対して、ヘッドユニ
ット5が動作することにより、その吐出口面に対するブ
レード10によるワイピングおよびキャップ部材11に
よるキャッピングが可能となる。
【0018】すなわち記録ヘッドユニット5は、ベルト
14を介して伝達されるステッピングモータ15の駆動
力によるヘッド軸5Bの回転によって図中反時計回りに
回転する。この回転に伴う相対的な移動により、吐出口
面に対するブレード10によるワイピングおよびキャッ
プ部材11によるキャッピングが行われる。ヘッドユニ
ット5は、非記録時にはキャップ部材11によってキャ
ッピングがなされ、これにより、インク水分の蒸発を抑
制してインク増粘を防止する。
【0019】図2は、本発明にかかる吐出回復方法を実
施するための構成を模式的に示したものであるが、本実
施例では、記録ヘッド(ヘッドユニット)5が搬送され
る被記録媒体の幅に対応した長さにわたって吐出口5A
が配列されたいわゆるフルライン型記録ヘッドを用いた
場合が示されている。
【0020】記録ヘッド5には、キャップ部材がこれと
対向するともに近づいて覆蓋したり離れたりする。イン
クカートリッジ6と記録ヘッド5とは往路としてのイン
クチューブ7および復路としてのインクチューブ8によ
って連結され、インクの循環系を構成している。また、
インクチューブ7の途中にはポンプ9が配設され、吐出
回復動作時には、このポンプ9を作動することによりイ
ンクカートリッジ6内のインクがチューブ7、記録ヘッ
ド5、チューブ8と矢印Kのように圧送循環し、チュー
ブ7,8ないしは記録ヘッド5内に残存する気泡や増粘
インクがインクカートリッジ6内に集められて除去され
るようになっている。集められた気泡は、インクカート
リッジ6に設けられた孔6Aから大気中へ逃がされる。
【0021】上記インクの循環は、記録ヘッド5とキャ
ップ部材11とを密着させ、キャップ部材11内の気密
が保持されている間に行われるが、本発明では、吐出口
5Aの目詰りを防止するため、上記循環の最後で保持さ
れた気密をバルブ13によって解除し、この時に生じる
吐出口5Aとキャップ部材11内の圧力差を利用し、吐
出口5Aからインクを流出せしめている。
【0022】このように、本発明にかかる吐出回復方法
は、キャップ部材11を記録ヘッド5側へ密着させ、キ
ャップ部材11内の気密を保持してインクの循環を行う
とともに、その後、バルブ13を作動して気密を解除す
ることにより廃インクとなるインクの流出量を最小限に
抑えるようになっているが、図3および図4により、こ
の回復動作の手順について説明する。
【0023】まず、記録ヘッド5とキャップ部材11が
対向するとともにバルブ13が開放された初期設定状態
において(図3(a))、吐出回復の動作指令がくると
本処理が起動される。まず、ステップS1で、ステッピ
ングモータ15を起動し、キャップ部材11を記録ヘッ
ド5に当接させる。この当接では、キャップ部材11が
記録ヘッド5の吐出口面に対して押圧され、かつ、キャ
ップ部材11の当接部11Aが弾性を有した可撓性部材
よりなっているため、良好な密着性を保持することがで
きる。また、この当接はバルブ13を開とした状態で行
うので、キャップ部材11の当接動作に伴う変形によっ
てキャップ部材11内空間の体積が一時的に減少する場
合、これによる空間内圧力の上昇を防止できる。この結
果、不要なメニスカスの後退、いわゆるインク落ちを防
止できる。次にステップS2でバルブ13を閉鎖する。
これにより、キャップ部材11内は気密が保持される
(同図(b))。気密が保持された状態の下で、ステッ
プS3ではインクポンプ9を作動する。これにより、矢
印M方向へインクが圧送され、矢印K方向のインク循環
が行われる。この結果、チューブ7,8および記録ヘッ
ド5内に残存した気泡や増粘したインクが除去される
(同図(c))。この間、インク循環を生じさせるポン
プ9の圧送力は各インク路にもおよび、これにより、記
録ヘッド5内のインクの一部は吐出口5Aから記録ヘッ
ド5外へ排出される。この排出されたインクはキャップ
部材11等によって密閉された空間内に徐々に留まり、
この空間の体積を小さくして行く。この結果、空間内の
圧力は上昇し、記録ヘッド5内部のインクの圧力とキャ
ップ部材11等によって形成される空間内の圧力は平衡
に達し、インクは吐出口5Aから流出しなくなる。した
がって、廃インクとなるインクの流出を最小限に抑える
ことができ、また、インクタンク6に戻るチューブ8内
のインクの流量が減少しないので、確実な気泡等の除去
が可能となる。
【0024】しかしながら、上記インク循環によっては
吐出口5A内の目詰りおよび残存気泡の除去が不十分な
場合があるため、次にステップS4でバルブ13を開放
する。これにより、キャップ部材11内の空間は、チュ
ーブ12を介して、この空間内より低い圧力の雰囲気、
例えば大気に連通するので、記録ヘッド5内の圧力がキ
ャップ部材11内より高くなる。この圧力差を利用して
インク路内のインクが吐出口5Aから排出されて目詰り
や気泡が完全に除去される(同図(d))。この後、イ
ンクの循環は停止されることになるが、上記バルブ13
を開としたことによって流出するインクの量を最小限に
するため短時間、好ましくは約0.2秒後に循環を停止
する(ステップS5,S6)。
【0025】インクの循環が停止されると、ステップS
7で再びステッピングモータ15を起動し、キャップ部
材11を記録ヘッド5から離反し、ステップS8でキャ
ップ部材11内の廃インクを吸収し矢印N方向に除去す
る。これにより、キャップ部材11は初期設定状態に戻
される。
【0026】このように、上記シーケンスによって吐出
回復動作を行えば、流出する廃インクが多いという従来
技術の改善を、気泡や目詰り除去効果を低下せしめるこ
となく実現することができる。なお、上記実施例におい
ては、キャップ部材11内空間の気密状態の解除をバル
ブ13を用いて行うものとしたが、本発明の適用は必ず
しもこれに限られない。例えばキャップ部材11を、排
出チューブ12やこの途中に設けられるバルブ13を具
えない単なるキャップ部材11のみによって構成した場
合にも本発明の適用は可能である。すなわち上記気密状
態の解除を、キャップ部材11を記録ヘッド5から離間
させることによって実施できる。この際、離間後に吐出
口5Aから排出される廃インクはキャップ部材11内に
受け、この廃インクは吸引等によってキャップ部材外へ
排出されないことになるが、例えばキャップ部材11内
に適切なインク吸収体等を設ければ、廃インクを保持す
ることができる。そして、このような保持を行うことに
より、仮に、キャップの姿勢が変化しても廃インクがキ
ャップ外へ洩れ装置内を汚す等の問題も未然に防止でき
る。
【0027】また、上記実施例においては、いわゆるフ
ルライン型記録ヘッドを使用した場合について説明した
が、本発明にかかる吐出回復方法は、搬送される被記録
媒体の幅方向と直角方向に記録ヘッドを走査するいわゆ
るシリアル型記録ヘッドにおいても適用し得るのはいう
までもない。
【0028】なお、本発明は、特にインクジェット記録
方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用される
エネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気
熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギにより
インクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録
装置において優れた効果をもたらすものである。かかる
方式によれば記録の高密度化,高精細化が達成できるか
らである。
【0029】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0030】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0031】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0032】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0033】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0034】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0035】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0036】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0037】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、記録ヘッドにキャップ部材を密着させ、キャップ部
材内の気密を保持した後にインクの循環を行うようにし
たので、循環系内の気泡を除去することができるととも
に、上記操作に加え、キャップ部材内の気密を解除した
後、短時間でインクの循環を停止させるようにしたの
で、廃インクの量を最小限に抑えつつ吐出口内の目詰り
や気泡を完全に除去することができる。このため、イン
クの利用効率が向上し、ひいてはランニングコストの低
減を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例として、インクジェット記録装置をフ
ァクシミリ装置に適用した場合の構成図である。
【図2】本発明にかかる吐出回復方法を実施するための
構成を模式的に示した説明図である。
【図3】本発明に係る吐出回復動作の手順を示す説明図
である。
【図4】図3に示す手順のフローチャートである。
【符号の説明】
5 記録ヘッドユニット 5A 吐出口 6 インクタンク(インクカートリッジ) 7,8 インクチューブ 9 ポンプ 11 キャップ部材 13 バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9012−2C B41J 3/04 103 B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録装置用記録ヘッドの
    吐出口に覆蓋可能に配設されたキャップ部材を密着さ
    せ、 このキャップ部材内の気密を保持した後、 インクを貯留するインクタンクと前記記録ヘッドとを往
    路と復路の通路により連結した循環系内でインクの循環
    を行うこと、を特徴とする被記録媒体に対してインクを
    吐出するインクジェット記録装置用記録ヘッドの吐出回
    復方法。
  2. 【請求項2】 インクジェット記録装置用記録ヘッドの
    吐出口に覆蓋可能に配設されたキャップ部材を密着さ
    せ、 このキャップ部材内の気密を保持した後、 インクを貯留するインクタンクと前記記録ヘッドとを往
    路と復路の通路により連結した循環系内でインクの循環
    を行い、 最後に、前記キャップ部材内の気密を解除した後、短時
    間で前記循環を停止させること、を特徴とする被記録媒
    体に対してインクを吐出するインクジェット記録装置用
    記録ヘッドの吐出回復方法。
  3. 【請求項3】 前記記録ヘッドが搬送される被記録媒体
    の幅に対応した長さにわたって吐出口が配列されている
    請求項1または2記載のインクジェット記録装置用記録
    ヘッドの吐出回復方法。
  4. 【請求項4】 前記記録ヘッドが搬送される被記録媒体
    の搬送方向と直角方向に走査される請求項1または2記
    載のインクジェット記録装置用記録ヘッドの吐出回復方
    法。
  5. 【請求項5】 前記記録ヘッドは、インクの吐出に利用
    されるエネルギを発生する素子として、インクに膜沸騰
    を生じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換体を有す
    ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載
    のインクジェット記録装置用記録ヘッドの吐出回復方
    法。
JP14297792A 1992-06-03 1992-06-03 インクジェット記録装置用記録ヘッドの吐出回復方法 Pending JPH05330073A (ja)

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