JP7429487B2 - 織物、及び、織物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも地経糸、地緯糸及び緯平糸等を有した織物や、この織物の製造方法に関する。
従来、箔織物が知られている(特許文献1)。
この箔織物は、カラミ糸1と地経糸2を一組の経糸Aとして整経し、これに地緯糸を平組織にて織り込んでなるものであり、絵緯糸を地緯糸の2分の1越で、カラミ糸により綴じつけるように織り込んでなること、並びに、地経糸、地緯糸及び絵緯糸の少なくとも一部に箔糸を使用する。
特開平11-43844号公報
しかしながら、特許文献1に記載された箔織物は、その段落0012等に記載されたように、絵緯糸4a~4dと黒地の経糸Aの間から平箔糸が露顕するものの、平箔糸が露顕しない部分が、絵緯糸4a~4dと黒地の経糸Aの間を貫通する孔となるため、非常に隙間の多い織物となる。
又、特許文献1に記載の箔織物は、表裏何れの面においても、平箔糸が、同じように露顕するだけであるため、表裏面で異なる性状を露出させることが出来ない。
そこで、本発明は、地経糸で部分的に組織された緯平糸を、地緯糸に被さるように配置した平被せ領域を有する等により、「織物密度の向上」や「表裏面での異性状露出」等を実現できる織物、及び、織物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る織物1は、少なくとも地経糸、地緯糸及び緯平糸を有した織物であって、前記地経糸及び地緯糸は、規則的な地組織を構成し、前記緯平糸の少なくとも一部は、前記地経糸で部分的に組織され、当該織物は、前記緯平糸が地緯糸に被さるように配置された平被せ領域を有し、前記地経糸は、前記緯平糸と地緯糸の両方を組織する平地経糸と、前記地緯糸だけを組織する組織地経糸を含み、前記緯平糸は、前記平地経糸で組織されていない部分の面積である露出面積が、前記平地経糸で組織されている部分の面積より広いことを第1の特徴とする。
尚、本発明における「緯平糸」とは、緯糸として用いられる平糸である。
又、本発明における「平糸」とは、例えば、断面形状が略矩形状や略楕円形状等であるなど、断面形状に長手方向がある糸を含む糸であって、例えば、箔糸や干渉発色糸などであったり、これら箔糸や干渉発色糸などを用いた後述するタスキ撚糸などであっても良い。
本発明に係る織物1の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、前記平地経糸は、前記緯平糸を4本に1本の間隔で又は8本に1本の間隔で組織している点にある
本発明に係る織物1の第3の特徴は、上記第1又は2の特徴に加えて、前記平地経糸の経飛びの距離が、前記組織地経糸の経飛びの距離より長い点にある
本発明に係る織物1の第4の特徴は、少なくとも地経糸、地緯糸及び緯被糸を有した織物であって、前記地経糸及び地緯糸は、規則的な地組織を構成し、前記緯被糸の少なくとも一部は、前記地経糸で部分的に組織され、当該織物は、前記緯被糸が地緯糸に被さるように配置された被せ領域を有し、前記地経糸は、前記緯被糸と地緯糸の両方を組織する被地経糸と、前記地緯糸だけを組織する組織地経糸を含み、前記緯被糸は、前記被地経糸で組織されていない部分の面積である露出面積が、前記被地経糸で組織されている部分の面積より広い点にある。
本発明に係る織物1の第5の特徴は、上記第4の特徴に加えて、前記被地経糸は、前記緯被糸を4本に1本の間隔で又は8本に1本の間隔で組織している点にある。
本発明に係る織物1の第6の特徴は、上記第4又は5の特徴に加えて、前記被地経糸の経飛びの距離が、前記組織地経糸の経飛びの距離より長い点にある。
、本発明における「緯被糸」とは、緯糸として用いられる被糸(かぶせいと)である。
又、本発明における「被糸」とは、例えば、断面形状が略矩形状や略楕円形状等であるなど、断面形状に長手方向がある平糸だけでなく、平糸以外の(その断面形状が、略円形や略三角形などのように、長手方向を有さない)糸も含む糸であって、例えば、箔糸や干渉発色糸などであったり、これら箔糸や干渉発色糸などを用いた後述するタスキ撚糸だけでなく、丸撚糸や蛇腹撚糸、羽衣撚糸、ブリヤン撚糸などであっても良い。
これらの特徴により、地経糸2で部分的に組織された緯平糸4を、地緯糸3に被さるように配置した平被せ領域6を有することによって、特許文献1とは異なり、緯平糸4を高密度で織り込むことが可能となり、隙間の少ない織物となる(「織物密度の向上」)。
これと同時に、平被せ領域6の緯平糸4における性状と、この平被せ領域6(緯平糸4に覆われた部分)の地緯糸3等における性状を異なるものにすれば、織物1の表裏面で異なる性状を露出させることが可能となったり(「表裏面での異露出」)、緯平糸4が潰れ難くなるとも言える(「緯平糸4の潰れ抑制」)。
又、緯平糸4の幅4Wの値を、地緯糸3の直径3Lの値より大きくすることによって、より確実に、緯平糸4で地緯糸3を覆うことが出来、更なる「織物密度の向上」や「表裏面での異露出」が図れる。
更に、緯平糸4の平カバーファクター値CFを10以上とすることによっても、更に確実に緯平糸4で地緯糸3を覆うことが可能となる、「織物密度の向上」や「表裏面での異露出」の更なる実現が図れる。
そして、緯平糸4を組織する地経糸2(平地経糸2a)を分繊糸にすることによって、当該地経糸2が緯平糸4を組織した部分においても、分繊した糸それぞれの隙間から、緯平糸4が更に露出することとなり、織物1における緯平糸4の露出面積を増加できる。
その他、緯平糸4の少なくとも一部を箔糸などにしたり、緯平糸4の少なくとも一部を干渉発色糸などにしても良い。
その他、緯平糸4を緯被糸4’に代え、この緯被糸4’を、地緯糸3に被さるように配置した被せ領域6’を有しても良い。
本発明に係る織物1の製造方法は、少なくとも地経糸、地緯糸及び緯被糸を有した織物の製造方法であって、且つ、前記緯被糸の少なくとも一部を地経糸で部分的に組織する際において、前記地緯糸を打ち込んだ後に、前記地経糸の巻取りを停止し、前記緯被糸を打ち込むことによって、前記緯被糸の少なくとも一部を、前記地緯糸に被さるように配置し、前記地経糸に、前記緯被糸と地緯糸の両方を組織する被地経糸と、前記地緯糸だけを組織する組織地経糸を含ませ、前記被地経糸の経飛びの距離を、前記組織地経糸の経飛びの距離より長くすることを第1の特徴とする。
本発明に係る織物1の製造方法の第2の特徴は、前記緯被糸において、前記被地経糸で組織されていない部分の面積である露出面積を、前記被地経糸で組織されている部分の面積より広くする点にある。
れらの特徴により、地緯糸3を打ち込んだ後に、地経糸2の巻取りを停止し、緯被糸4’を打ち込むことによって、緯被糸4’を、地緯糸3に被さるように配置することにより、特許文献1とは異なり、緯被糸4’の少なくとも一部を、高密度で織り込むことが可能となり、隙間の少ない織物を製造することが出来る(「織物密度の向上」)。
これと同時に、地緯糸3に被さるように配置された被せ領域6’の緯被糸4’における性状と、この被せ領域6’(緯被糸4’に覆われた部分)の地緯糸3等における性状を異なるものにすることによって、「表裏面での異露出」も実現でき、緯被糸4’が潰れ難くなるとも言える(「緯被糸4’の潰れ抑制」)。
本発明に係る織物、及び、織物の製造方法によると、地経糸で部分的に組織された緯平糸を、地緯糸に被さるように配置した平被せ領域を有する等により、「織物密度の向上」等を実現できる。
本発明に係る織物を示す概要図であって、(a)は織成中の断面視と平面視を示し、(b)は(a)の緯順を変えた織成中の断面視を示し、(c)は緯平糸が地緯糸に被さった状態の断面視と平面視を示す。 織物の表面(一方面)を例示する図面代用写真である。 同じ織物の表面を別の角度から見た状態を示す図面代用写真である。 図2中のYの範囲における第1平被せ領域(第1被せ領域)を例示する拡大図面代用写真である。 図2中のZの範囲における第2平被せ領域(第2被せ領域)を例示する拡大図面代用写真である。 織物の裏面(他方面)を例示する図面代用写真である。 本発明に係る織物の別の例(緯被糸が2種類の地緯糸に被さった場合)を示す断面概要図である。
<織物1>
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1~7には、本発明に係る織物1が例示されている。
織物1は、少なくとも地経糸2、地緯糸3及び緯平糸4を有している。
織物1は、地経糸2及び地緯糸3は規則的な地組織5を構成し、緯平糸4の少なくとも一部は地経糸2で部分的に組織され、織物1は、緯平糸4が地緯糸3に被さる平被せ領域6を有している。
尚、地緯糸3に被さる緯平糸4は、織物1の表面(一方面)1a側に配置されている(表面1a側で露出している)とも言える。
織物1は、緯平糸4の代わりに、緯被糸4’を有していても良く、この場合、織物1は、地経糸2及び地緯糸3は規則的な地組織5を構成し、緯被糸4’の少なくとも一部は地経糸2で部分的に組織され、織物1は、緯被糸4’が地緯糸3に被さる被せ領域6’を有することになる。尚、この場合も、地緯糸3に被さる緯被糸4’は、表面(一方面)1a側に配置されている(表面1a側で露出している)とも言える。
1つの織物1においては、地経糸2として、1種類だけ(例えば、後述する分繊糸など)を有していても良いが、複数種類の地経糸2を有していても構わない。
又、1つの織物1においては、地緯糸3と緯平糸4(又は、緯被糸4’)の少なくとも2つの異なる緯糸を有することになるが、地緯糸3として、1種類だけを有していたり、複数種類を有していても良い。
織物1は、カーテンやブラインド等として窓に用いられたり、壁装、間仕切り、緞子張り、床、天井、タペストリー、舞台幕及び額装品などの内装材や、照明器具のカバー(照明カバー)や椅子などのインテリア部材に用いられたり、帯などの他、衣類等に用いられても良い。
このような織物1における地経糸2や地緯糸3、緯平糸4(緯被糸4’)を構成(織成、編成)する繊維としては、特に限定されないが、熱可塑性の素材であるポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル繊維、ナイロン(ポリアミド)繊維、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)を主成分とするアクリル繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(ビニロン繊維)、ポリウレタン(PU)繊維などの合成繊維でも良く、その他、ガラス繊維、羊毛、絹などであり、これらを単独又は組み合わせて用いられても良い。
又、織物1の地経糸2や地緯糸3、緯平糸4(緯被糸4’)を構成する繊維の繊度も、何れの値でも良いが、例えば、総繊度で、20dtex以上3000dtex以下であっても構わない。
織物1の地経糸2や地緯糸3、緯平糸4(緯被糸4’)には、所望により、酸化チタン、炭酸カルシウム等の体質顔料やフィラー(充填材)を任意に添加したり、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、撥水剤、防汚剤、着色剤、香料、発泡剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等を添加した素材を用いても良い。
織物1の地経糸2や地緯糸3、緯平糸4(緯被糸4’)の色彩についても、赤色系、橙色系、黄色系、緑色系、青色系、紫色系、黒色系、白色系など何れの色調でも良く、彩度や明度についても何れの値でも構わない。
又、織物1の地経糸2や地緯糸3、緯平糸4(緯被糸4’)の断面形状についても、特に限定はなく、略円形や略楕円形であったり、異形(例えば、略三角形や略矩形であったり、略五角形や略六角形などの略多角形であったり、略星形など)であっても良い。
<地経糸2>
図1~7に示したように、地経糸2は、後述する地組織5を、後述する地緯糸3と共に構成すると同時に、後述する緯平糸4(緯被糸4’)を部分的に組織する糸である。
地経糸2のうち、緯平糸4を組織する平地経糸2aは、例えば、後述する分繊糸やマルチフィラメントであっても良いが、逆に、分繊糸など以外の糸(例えば、モノフィラメントなど)であっても構わない。
又、地経糸2のうち、緯被糸4’を組織する被地経糸2a’も、例えば、後述する分繊糸やマルチフィラメントであっても良いが、逆に、分繊糸など以外の糸(例えば、モノフィラメントなど)であっても構わない。
尚、図1に示すように、平地経糸2aや被地経糸2a’は、緯平糸4や緯被糸4’を部分的に組織すると共に、地緯糸3も組織している。
一方、地経糸2のうち、緯平糸4や緯被糸4’を組織する以外の地経糸2(緯平糸4と共に地組織5を構成する組織地経糸2b)は、分繊糸などであったり、分繊糸以外の糸(例えば、モノフィラメントなど)であっても良い。
尚、図1に示すように、組織地経糸2bは、地緯糸3のみを組織している。
<分繊糸など>
地経糸2のうち、平地経糸2aや被地経糸2a’等が分繊糸である場合、その分繊糸全体の繊度(総繊度)は、1dtex以上300dtex以下、好ましくは5dtex以上200dtex以下、更に好ましくは10dtex以上100dtex以下(33dtexなど)であっても良い。
分繊糸の単繊維繊度が、0.1dtex以上30.0dtex以下、好ましくは0.5dtex以上20.0dtex以下、更に好ましくは1.0dtex以上10.0dtex以下(約2.0dtex(1.375dtex)など)であっても良い。
又、平地経糸2a等は、マルチフィラメントであるとも言え、その場合も、総繊度は、1dtex以上300dtex以下、好ましくは5dtex以上200dtex以下、更に好ましくは10dtex以上100dtex以下(33dtexなど)であっても良い。
この場合の各フィラメントの単繊維繊度は、0.1dtex以上30.0dtex以下、好ましくは0.5dtex以上20.0dtex以下、更に好ましくは1.0dtex以上10.0dtex以下(約2.0dtex(1.375dtex)など)であっても良い。
尚、地経糸2(例えば、組織地経糸2b)が分繊糸でもマルチフィラメントでもない(つまり、モノフィラメントである)場合には、その総繊度は、1dtex以上300dtex以下、好ましくは5dtex以上200dtex以下、更に好ましくは10dtex以上100dtex以下(22dtexなど)であっても良い。
ここまで述べた地経糸2(平地経糸2a、被地経糸2a’、組織地経糸2b)について、その経飛び(緯糸(緯平糸4や緯被糸4’等)が、経糸(平地経糸2aや被地経糸2a’等)の上を乗り越えて、織物1の表面1aで露出している距離)は、特に限定はないが、例えば、0.1mm以上5.0mm以下、好ましくは0.5mm以上4.5mm以下、更に好ましくは1.0mm以上4.0mmであっても良く、経飛びが大きいと手触りに影響し、経飛びが小さいと光沢に影響するとも言える、又、手触りや光沢については、経糸(平地経糸2aや被地経糸2a’等)の飛びよりも、緯糸(緯平糸4や緯被糸4’等)の飛び(経糸で綴じられず、織物1の表面1aで露出している距離)が影響するとも言える。
尚、上述した平地経糸2a(被地経糸2a’)は、緯平糸4(緯被糸4’)を部分的に組織している(緯平糸4(緯被糸4’)の上を部分的に乗り越える)だけでなく、地緯糸3も組織している(地緯糸3の上も乗り越えている)ことから、地緯糸3だけを組織している(地緯糸3の上だけを乗り越えている)組織地経糸2bよりも、経飛びの距離(織物1の表面1aで露出している距離)は、(特に、織成中などは)長いと言える(図1中の符号X参照)。
又、地経糸2の密度(地経密度)の具体的な値も、特に限定はないが、例えば、100本/10cm以上1200本/10cm以下、好ましくは150本/10cm以上1000本/10cm以下、更に好ましくは200本/10cm以上800本/10cm以下(347本/10cmなど)であっても良い。
<地緯糸3>
図1~7に示したように、地緯糸3は、後述する地組織5を、上述した地経糸2と共に構成する糸である。
地緯糸3は、上述したように、1つの織物1において、1種類だけでなく、複数種類が織成されて(打ち込まれて)いても良い。
ここで、地緯糸3において種類が異なるとは、光沢糸(ブライト糸)か、セミダル糸、ダル糸であるかであったり(酸化チタンの添加量(含有量)が異なっていたり)、総繊度やフィラメント数が異なっていたり、各繊維の断面形状が異なっていたり(丸断面か、異形断面か等であったり)、ウーリー加工など所定の加工の有無が異なっていたり、これらが組み合わさって異なっていても良い。
種類が異なる地緯糸3は、織物1を織成する織機においては、異なる杼(シャトル、丁目)にて織成される(打ち込まれる)。
このような地緯糸3は、例えば、上述した光沢糸や、セミダル糸、ダル糸であったり、後述する箔糸や干渉発色糸を用いた丸撚糸や、蛇腹撚糸、羽衣撚糸、ブリヤン撚糸などであっても良い。
<地緯糸3の直径3L>
上述した地緯糸3の直径3Lは、地緯糸3の断面形状が略円形であれば、その直径であり、地緯糸3の断面形状が略楕円形であれば、その長径(又は短径)であり、地緯糸3の断面形状が異形であれば、当該断面において、ある周縁から略対向する別の周縁までが最も長い距離(又は、最も短い距離)であっても良い。
又、地緯糸3の直径3Lは、地緯糸3の断面形状が略円形であるとして、当該地緯糸3の繊度(dtex)と、その素材の比重(g/cm3 )から計算しても良く、その繊度を「Adtex」、その比重を「Bg/cm3 」とすれば、地緯糸3の直径3Lは、「3L≒11.3×√(A/B)μm」となる。
その他、地緯糸3の直径3Lについては、当該地緯糸3を走査型電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)等の電子顕微鏡で撮像し、撮像した写真(画像)において地緯糸3の直径3Lを実測しても良く、この実測方法も、特に限定はないが、例えば、撮像した画像において、地緯糸3の長手方向(長さ方向)に略直交した方向に沿った当該地緯糸3の長さ(幅)の値を、地緯糸3の直径3L(又は、幅3W)の値とする方法や、撮像した画像において、地緯糸3の長手方向に略直交した方向に沿った当該地緯糸3の長さの値が、実測する場所によって異なる場合には、その略直交した方向に沿った当該地緯糸3の長さの値を、複数の場所で実測し、実測した複数の値の平均値や、最小値、最大値、中間値等を、地緯糸3の直径3L(又は、幅3W)の値とする方法などで実測しても構わない。
このような地緯糸3の直径3Lは、後述する緯平糸4の幅4W(又は、後述する緯被糸4’の幅4W’)の値より小さくても良い。
尚、1つの織物1が複数種類の地緯糸3を有する場合には、少なくとも1種類の地緯糸3の直径3Lが、緯平糸4の幅4W(又は、緯被糸4’の幅4W’)の値より小さければ良いとも言える。
地緯糸3の直径3Lの具体的な値について、特に限定はないが、例えば、10μm以上1000μm以下、好ましくは20μm以上500μm以下、更に好ましくは30μm以上300μm以下(約124μmなど)であっても良い。
尚、地緯糸3の繊度(総繊度)の具体的な値についても、特に限定はないが、例えば、10dtex以上2000dtex以下、好ましくは20dtex以上1000dtex以下、好ましくは30dtex以上500dtex以下(167dtexなど)であっても構わない。
又、地緯糸3の密度(地緯密度)の具体的な値も、特に限定はないが、例えば、100本/10cm以上1000本/10cm以下、好ましくは150本/10cm以上800本/10cm以下、更に好ましくは200本/10cm以上600本/10cm以下(165本/10cm、180本/10cm、250本/10cmなど)であっても良い。
<緯平糸4>
図1~7に示したように、緯平糸4は、その少なくとも一部が、上述した地経糸2で部分的に組織され、上述した地緯糸3に被さるように配置される糸である。尚、緯平糸4が地経糸2で部分的に組織されている点は、後に詳解する。
緯平糸4は、その断面形状において、略矩形や略楕円形などのように、長手方向を有していれば良い。
緯平糸4の少なくとも一部は、後述する箔糸及び/又は箔糸を用いた糸であったり、後述する干渉発色糸及び/又は干渉発色糸を用いた糸であっても良い。
その他、緯平糸4は、箔糸などや干渉発色糸などを用いた糸以外であっても良く、例えば、光沢糸などであっても良い。
<緯被糸4’>
上述した緯平糸4の代わりに、織物1は、緯被糸4’を有していても良い。
図7に示したように、緯被糸4’も、その少なくとも一部が、上述した地経糸2で部分的に組織され、上述した地緯糸3に被さるように配置される糸であるが、緯被糸4’は、地緯糸3に被さるように配置されていれば、その断面形状に、特に限定はない。尚、緯被糸4’が地経糸2で部分的に組織されている点も、後に詳解する。
つまり、緯被糸4’は、上述した緯平糸4だけでなく、緯平糸4以外の(その断面形状が、略円形や略三角形などのように、長手方向を有さない)糸も含む。
緯被糸4’の少なくとも一部も、後述する箔糸などであったり、後述する干渉発色糸などであっても良く、その他、緯被糸4’も、箔糸などや干渉発色糸など以外であっても良く、例えば、光沢糸などであっても構わない。
<箔糸など>
本発明における「箔糸」とは、雁皮紙や鳥の子紙などの和紙、合成樹脂の不織布に対して金や銀、アルミニウム、亜鉛、ステンレスなどの箔や螺鈿(らでん)を、漆や硫黄などで貼りつけ細く裁断した糸であったり、ポリエステルやポリウレタン、ポリアミドなどの合成樹脂のフィルムに対してアルミニウムや銅、亜鉛、ステンレスなどを付着(蒸着やスパッタリング等)させ細く裁断した糸であっても良く、切箔糸や平箔糸、スリット糸、ラメ糸とも言える。
箔糸そのものは、その断面形状が、略矩形であると言え、長手方向を有している(つまり、箔糸そのものは、緯平糸4であるとも言える)。
このような箔糸を用いた糸とは、例えば、レーヨンやポリアミド等の合成樹脂、絹、金属糸、水溶性糸などの芯糸に対して、箔糸を隙間なく巻きつけたもの(丸撚糸とも言う)であっても良く、丸撚糸では、箔糸を隙間なく巻きつけているため、芯糸が露出していないとも言える。
丸撚糸の断面形状は、芯糸の断面形状に因る(芯糸の断面形状に相似する)とも言えることから、芯糸の断面形状が略円形などのように長手方向を有さない場合には、丸撚糸の断面形状も長手方向を有さず、芯糸の断面形状が略矩形などのように長手方向を有する場合には、丸撚糸の断面形状も長手方向を有する(つまり、丸撚糸は、少なくとも緯被糸4’であるとも言える)。
又、箔糸を用いた糸とは、例えば、レーヨンやポリアミド等の合成樹脂、絹、金属糸、水溶性糸などの芯糸に対して、箔糸を間隔を空けて巻きつけた(又は、撚り合わせた)もの(蛇腹撚糸とも言う)であっても良く、蛇腹撚糸では、箔糸を間隔を空けて巻きつける等をしているため、芯糸が露出しているとも言える。
蛇腹撚糸の断面形状も、芯糸の断面形状に因る(芯糸の断面形状に相似する)とも言えることから、芯糸の断面形状が略円形などのように長手方向を有さない場合には、蛇腹撚糸の断面形状も長手方向を有さず、芯糸の断面形状が略矩形などのように長手方向を有する場合には、蛇腹撚糸の断面形状も長手方向を有する(つまり、蛇腹撚糸は、少なくとも緯被糸4’であるとも言える)。
更に、箔糸を用いた糸とは、例えば、レーヨンやポリアミド等の合成樹脂、絹、金属糸、水溶性糸などの芯糸に対して、箔糸を撚り合わせたもの(羽衣撚糸とも言う)であっても良く、羽衣撚糸では、芯糸と箔糸を撚り合わせただけであるため、芯糸は当然、露出しているとも言える。
羽衣撚糸の断面形状も、芯糸の断面形状に因る(芯糸の断面形状に相似する)とも言えることから、芯糸の断面形状が略円形などのように長手方向を有さない場合には、羽衣撚糸の断面形状も長手方向を有さず、芯糸の断面形状が略矩形などのように長手方向を有する場合には、羽衣撚糸の断面形状も長手方向を有する(つまり、羽衣撚糸は、少なくとも緯被糸4’であるとも言える)。
その他、箔糸を用いた糸とは、例えば、箔糸を芯糸とし、この芯糸に対して、ポリエステルやポリアミド等の合成樹脂、絹、金属糸、水溶性糸などの糸を、2本たすき状に撚り合わせたもの(タスキ撚糸とも言う)であっても良く、タスキ撚糸では、芯糸(箔糸)とポリエステル等の糸をたすき状に撚り合わせたものであるため、芯糸は当然、露出しているとも言える。
タスキ撚糸の断面形状は、芯糸(箔糸)の断面形状に因る(芯糸の断面形状に相似する)ため、略矩形であると言え、長手方向を有している(つまり、タスキ撚糸は、緯平糸4であるとも言える)。
その他、箔糸を用いた糸とは、例えば、レーヨンやポリアミド等の合成樹脂、絹、金属糸、水溶性糸などの芯糸に対して、箔糸と共に、ポリエステルやポリアミド等の合成樹脂の糸も撚り合わせたもの(ブリヤン撚糸とも言う)であっても良く、ブリヤン撚糸では、芯糸と、箔糸及びポリエステル等の糸を撚り合わせただけであるため、芯糸は当然、露出しているとも言える。
ブリヤン撚糸の断面形状も、芯糸の断面形状に因る(芯糸の断面形状に相似する)とも言えることから、芯糸の断面形状が略円形などのように長手方向を有さない場合には、ブリヤン撚糸の断面形状も長手方向を有さず、芯糸の断面形状が略矩形などのように長手方向を有する場合には、ブリヤン撚糸の断面形状も長手方向を有する(つまり、ブリヤン撚糸は、少なくとも緯被糸4’であるとも言える)。
<干渉発色糸など>
本発明における「干渉発色糸」とは、光の干渉の原理を利用して構造発色する糸であって、複数の層を積層して構成されている。
このような干渉発色糸は、その厚さや見る角度に応じて、干渉して強め合う色が決まる(ある厚さの干渉発色糸をある角度で見た際、例えば、青色が強め合って青色に見えるが、厚さや角度が変わると青色は強め合わず、赤色などの違う色が強め合って当該赤色に見える)。
干渉発色糸を構成する複数の層には、ポリエステルやポリアミドなどの合成樹脂の層が複数積層されたフィルムが、少なくとも含まれており、このフィルム以外に、樹脂コーティング層や、金属付着層が含まれていても良い。
干渉発色糸は、例えば、1枚のフィルムにおける一方面に対して、金属付着層と樹脂コーティング層を、この順に積層して構成されていたり、この構成に更に加えて、当該フィルムの他方面に対して、樹脂コーティング層を積層して構成されていても良い。
又、干渉発色糸は、例えば、1枚のフィルムにおける一方面に対して、金属付着層ともう一枚のフィルムを、この順に積層して(2枚のフィルムの間に金属付着層を挟むように積層して)構成されていたり、1枚のフィルムにおける一方面に対して、樹脂コーティング層と金属付着層ともう1つの樹脂コーティング層ともう1枚のフィルムを、この順に積層して(2つの樹脂コーティング層の間に金属付着層を挟み、この3層を、2枚のフィルムの間に挟むように積層して)構成されていても良い。
干渉発色糸を構成するフィルムについて、当該フィルムにおける合成樹脂の層の数は、特に限定はないが、例えば、数百であっても良い。尚、このフィルム自体には、色素や金属によって着色はされていない。
干渉発色糸を構成する樹脂コーティング層について、透明(無色透明)であったり、黄色やオレンジ(有色透明)に着色されていても良い。この樹脂コーティング層は、ポリエステルやポリウレタン、ポリアミドなどの合成樹脂の層であっても構わない。
干渉発色糸を構成する金属付着層について、付着(蒸着やスパッタリング等)させ細く裁断した糸でされる金属は、金や銀、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレスなどであっても良い。
干渉発色糸そのものは、その断面形状が、略矩形であると言え、長手方向を有している(つまり、干渉発色糸そのものは、緯平糸4であるとも言える)。
このような干渉発色糸を、上述した箔糸の代わりに用いて、上述した丸撚糸や蛇腹撚糸、羽衣撚糸、タスキ撚糸、ブリヤン撚糸などとしても良い(つまり、干渉発色糸は、少なくとも緯被糸4’であるとも言える)。
<緯平糸4の幅4W、緯被糸4’の幅4W’>
上述した緯平糸4の幅4Wは、当該緯平糸4の平面視における幅(緯平糸4を平面視で視た時の幅)であって、上述した長手方向の長さであるとも言える。
一方、上述した緯被糸4’の幅4W’は、当該緯被糸4’の断面形状が略円形であれば(つまり、長手方向を有さなければ)、その緯被糸4’の直径4L’と同じ値であるとも言える。尚、緯被糸4’も、当該緯被糸4’を平面視で視た時の幅は、その緯被糸4’の直径4L’が、緯被糸4’の幅4W’として見えるとも言える。
このような緯平糸4の幅4W(又は、緯被糸4’の幅4W’)は、上述した地緯糸3の直径3Lより大きくても良い。
尚、1つの織物1が複数種類の地緯糸3を有する場合には、緯平糸4の幅4W(又は、緯被糸4’の幅4W’)は、少なくとも1種類の地緯糸3の直径3Lより大きければ良いとも言える。
緯平糸4の幅4W(又は、緯被糸4’の幅4W’)の具体的な値は、特に限定はないが、例えば、20μm以上2000μm以下、好ましくは30μm以上1000μm以下、更に好ましくは50μm以上500μm以下(151.5μm、252.5μm、378.75μmなど)であっても良い。
尚、緯平糸4(又は、緯被糸4’)が上述した箔糸などや、干渉発色糸などであれば、その緯平糸4の幅4W(又は、緯被糸4’の幅4W’)は、曲尺の一寸である「30.3mm」を80や120、200等で割った値(切幅とも言う)となり、80で割った際には「80切(=0.37875mm=378.75μm)」、120で割った際には「120切(=0.2525mm=252.5μm)」、200で割った際には「200切(=0.1515mm=151.5μm)」とも言う。
<緯平糸4の厚さ・密度、緯被糸4’の厚さ・密度>
このような緯平糸4や緯被糸4’の断面形状が、長手方向を有していれば、当然、短手方向も有していることとなり、この短手方向は、緯平糸4や緯被糸4’の厚さであるとも言える。
緯平糸4(又は、緯被糸4’)の厚さの具体的な値も、特に限定はないが、例えば、1μm以上100μm以下、好ましくは2μm以上80μm以下、更に好ましくは5μm以上50μm以下(10μm、12μm、25μmなど)であっても良い。
又、緯平糸4(又は、緯被糸4’)の密度(緯平密度、緯被密度)の具体的な値も、特に限定はないが、例えば、100本/10cm以上1000本/10cm以下、好ましくは120本/10cm以上800本/10cm以下、更に好ましくは140本/10cm以上600本/10cm以下、より更に好ましくは160本/10cm以上300本/10cm以下(165本/10cm、180本/10cm、250本/10cmなど)であっても良い。
<緯平糸4の平カバーファクター値CF、緯被糸4’の被カバーファクター値CF’>
本発明における「緯平糸4の平カバーファクター値CF」とは、下記式(1)で表される値である。
尚、式(1)において、緯平糸4の密度の単位は「本/10cm」であり、緯平糸4の幅4Wの単位は「mm」であり、当該平カバーファクター値CFは、緯平糸4に沿った緯方向におけるカバーファクターに相当する値であるとも言える。
Figure 0007429487000001
又、本発明における「緯被糸4’の被カバーファクター値CF’」とは、下記式(2)で表される値である。
尚、式(2)において、緯被糸4’の密度の単位も「本/10cm」であり、緯被糸4’の幅4W’の単位も「mm」であり、当該被カバーファクター値CF’は、緯被糸4’に沿った緯方向におけるカバーファクターに相当する値であるとも言える。
Figure 0007429487000002
緯平糸4の上述した平カバーファクター値CFは、特に限定はないが、例えば、10以上であっても良く、好ましくは15以上、更に好ましくは20以上(24.9975、37.875、63.125、94.6875、113.625など)であっても構わない。
尚、平カバーファクター値CFは、上限がなくても良いが、例えば、300以下であったり、200以下や150以下でも構わない。
ここで、上述した下限値及び上限値は、10以上300以下や、10以上200以下のように、互いに組み合わせて、平カバーファクター値CFの範囲としても良い。
又、緯被糸4’の上述した被カバーファクター値CF’も、特に限定はないが、例えば、10以上であっても良く、好ましくは15以上、更に好ましくは20以上(24.9975、37.875、63.125、94.6875、113.625など)であっても構わない。
尚、被カバーファクター値CF’は、上限がなくても良いが、例えば、300以下であったり、200以下や150以下でも構わない。
ここで、上述した下限値及び上限値は、10以上300以下や、10以上200以下のように、互いに組み合わせて、被カバーファクター値CF’の範囲としても良い。
<緯平糸4、緯被糸4’が地経糸2と構成する部分的な組織>
ここまで述べた緯平糸4、緯被糸4’の少なくとも一部は、上述したように、地経糸2(平地経糸2a、被地経糸2a’)で部分的に組織されているが、本発明における「部分的に組織する」とは、緯平糸4において平地経糸2aで組織されていない部分が存在するとの意味や、緯被糸4’において被地経糸2a’で組織されていない部分が存在するとの意味である。
例えば、図4に示されたように、第1平被せ領域6Aにおいて、ある1本の緯平糸4は、ある1本の平地経糸2aに組織されてから(その平地経糸2aが、その緯平糸4の上を乗り越え、下に潜り込んでから)、緯方向に平地経糸2aの所定本数分だけ間隔を空けて、また別の1本の平地経糸2aに組織されている。
又、図4の例示において、経方向に着目すれば、ある1本の平地経糸2aは、ある1本の緯平糸4を組織してから、経方向に緯平糸4の所定本数分だけ間隔を空けて、また別の1本の緯平糸4に組織している。
一方、第1平被せ領域6Aは、第1被せ領域6A’であるとも言えることから、ある1本の緯被糸4’は、ある1本の被地経糸2a’に組織されてから(その被地経糸2a’が、その緯被糸4’の上を乗り越え、下に潜り込んでから)、緯方向に被地経糸2a’の所定本数分だけ間隔を空けて、また別の1本の被地経糸2a’に組織されているとも言える。
又、図4の例示において、経方向に着目すれば、ある1本の被地経糸2a’は、ある1本の緯被糸4’を組織してから、経方向に緯被糸4’の所定本数分だけ間隔を空けて、また別の1本の緯被糸4’に組織している。
従って、緯方向に平地経糸2a(被地経糸2a’)の所定本数分だけ空いた間隔の部分や、経方向に緯平糸4(緯被糸4’)の所定本数分だけ空いた間隔の部分が、上述した緯平糸4(緯被糸4’)において平地経糸2a(被地経糸2a’)で組織されていない部分であることから、第1平被せ領域6A(第1被せ領域6A’)において、緯平糸4(緯被糸4’)は、平地経糸2a(被地経糸2a’)に部分的に組織されている。
尚、第1平被せ領域6A(第1被せ領域6A’)において、緯平糸4(緯被糸4’)に対する平地経糸2a(被地経糸2a’)の部分的な組織は、朱子織(繻子織)組織であるとも言える。
<地組織5など>
図1~7に示したように、地組織5は、上述した地経糸2(平地経糸2aや被地経糸2a’、組織地経糸2b)及び地緯糸3によって規則的に構成(織成)された組織である。
地組織5は、地経糸2及び地緯糸3によって規則的に構成されていれば、特に限定はないが、例えば、平織組織や、斜文織(綾織)組織、朱子織(繻子織)組織などであっても良い。
ここで、図1で示したように、1つの織物1において、地緯糸3が1種類である場合は、その1種類の地緯糸3のみが、地経糸2と規則的な地組織5を構成する。
この場合、1つの地組織5は、当然、1つの層状となり、この地組織5は、平織組織であっても良い。
その他、上述したように、1つの織物1において、地緯糸3が複数種類ある場合(複数の杼にて複数種類の地緯糸3が打ち込まれる場合)、それぞれの地緯糸3ごとに、地経糸2と規則的な地組織5を構成する(それぞれの地緯糸3ごとに、地経糸2と規則的に組織される)こととなる。
これは、図7で示したように、各地緯糸3と地経糸2(平地経糸2a(被地経糸2a’))との組織のされ方によるが、1つの地組織5において、複数種類の地緯糸3ごとに複数の層(地組織層)を有する場合がある。
この場合、これら複数の地組織層のうち、平地経糸2a(被地経糸2a’)と構成する組織が平織組織である地組織層は、主地組織層5aとも言え、この主地組織層5aを組織する地緯糸3を、主地緯糸3aとも言える。
又、複数の地組織層のうち、平地経糸2a(被地経糸2a’)と構成する組織が平織組織以外(朱子織組織など)である地組織層は、従地組織層5bとも言え、この従地組織層5bを組織する地緯糸3を、従地緯糸3bとも言える。
尚、主地組織層5aは平織組織であり、主地緯糸3aが地経糸2と組織された箇所(地経糸2が、主地緯糸3aの上を乗り越え、下に潜り込む箇所、謂わば、係止された箇所)は、何れの組織より多いとも言える。
又、従地組織層5bは平織組織以外(朱子織組織など)であるため、従地緯糸3bが地経糸2と組織された箇所(地経糸2が、従地緯糸3bの上を乗り越え、下に潜り込む箇所)は、主地組織層5aより少ないとも言える。
このように、地経糸2と組織された箇所(地経糸2に係止された箇所)がより少ない従地組織層5bは、主地組織層5aに対して、経方向に動き易い(転び易い)とも言える。
より動き易い従地組織層5bは、主地組織層5aに対して、当該主地組織層5aの裏面(他方面)1b側に動くか、表面(一方面)1a側に動くかは、当該従地組織層5bそのものの組織に因ると共に、織物1を織成する織機における何番目の杼(何丁目、又は、緯順)にて、従地緯糸3bが打ち込まれるかにも因ると言える(図1参照)。
<緯平糸4、緯被糸4’が経方向に動き易い(転び易い)組織と、緯順>
これは、上述した緯平糸4、緯被糸4’が地経糸2(平地経糸2a、被地経糸2a’)と構成する部分的な組織も同様である。
1つの織物1において地緯糸3が1種類であり、且つ、その1種類の地緯糸3が地経糸2と構成する地組織5が平織組織である場合であれば、緯平糸4、緯被糸4’が地経糸2と構成する部分的な組織は、地経糸2に組織されていない部分を有している分だけ、当然、地経糸2と組織された箇所(地経糸2に係止された箇所)がより少ないため、地織組5に対して、経方向に動き易い(転び易い)とも言える(図1(a)、(c))。
その他、図7に示したように、1つの織物1において地緯糸3が複数種類あって、複数種類の地緯糸3ごとに複数の地組織層を有し、且つ、それら複数の地組織層が平織組織である主地組織層5aを含む場合であっても、緯平糸4、緯被糸4’が地経糸2と構成する部分的な組織は、地経糸2に組織されていない部分を有している分だけ、当然、地経糸2と組織された箇所(地経糸2に係止された箇所)がより少ないため、地織組5(特に、主地組織層5a)に対して、経方向に動き易い(転び易い)とも言える。
動き易い緯平糸4、緯被糸4’の部分的な組織も、地組織5(特に、主地組織層5a)に対して、当該地織組5の表面(一方面)1a側に動くか、裏面(他方面)1b側に動くかは、当該部分的な組織そのものに因ると共に、織物1を織成する織機における何番目の杼(何丁目、又は、「緯順」)にて、緯平糸4や緯被糸4’が打ち込まれるかに因るとも言える(図1(a)の緯順では、緯平糸4等が図中の下向き矢印方向に動き易いが、図1(b)の緯順では、緯平糸4等が既に経飛びした地経糸2(平地経糸2a等)の下方側にあるため、緯平糸4等が図中の下向きに動き難い)。
又、図1中の符号Xで示したように、経方向に動き易い組織においては、上述した平地経糸2a(被地経糸2a’)が緯平糸4(緯被糸4’)の上だけでなく地緯糸3の上も連続して乗り越えた部分(経飛びの距離(織物1の表面1aで露出している距離)がより長い部分)を有しているとも言える。
<織物1の製造方法>
図1に示したように、織物1の製造方法は、上述した地経糸2、地緯糸3及び緯被糸44’(緯平糸4を含む)を少なくとも有した織物1を製造する方法である。
この製造方法は、地経糸2及び地緯糸3で規則的な地組織5を構成し、且つ、緯被糸4’の少なくとも一部を地経糸2(被地経糸2a’等)で部分的に組織する際において、地緯糸3を打ち込んだ後に、地経糸2の巻取りを停止し、緯被糸4’(緯平糸4を含む)を打ち込むことによって、緯被糸4’の少なくとも一部を、地緯糸3に被さるように配置する。
ここで、本発明における「地経糸2及び地緯糸3で規則的な地組織5を構成し、且つ、緯被糸4’の少なくとも一部を地経糸2で部分的に組織する」とは、緯被糸4’や地緯糸3に対して、地経糸2(被地経糸2a’や組織地経糸2b)を組織させていけば(緯被糸4’や地緯糸3ごとに、その上を乗り越えたり、その下に潜り込めば)、地経糸2及び地緯糸3で規則的な地組織5を構成すると同時に、緯被糸4’の少なくとも一部を地経糸2で部分的に組織することになることを意味する(図1参照)。
又、本発明における「地経糸2の巻取りを停止し、緯被糸4’を打ち込む」とは、巻取りを停止した直後に、緯被糸4’を打ち込む場合だけでなく、巻取りを停止した後、別の1本又は複数本の地緯糸3を打ち込み、その後、緯被糸4’を打ち込む場合も含む。
この製造方法で用いる織機において、例えば、地緯糸3が1種類であれば、緯被糸4’と合わせて、織機の杼は1、2丁目を用いる。尚、1、2丁目の杼から打ち込まれた1種類の地緯糸3と緯被糸4’を、1つのセットとして「1越」と言う。
又、地緯糸3が2種類であれば、緯被糸4’と合わせて、織機の杼は1~3丁目を用いる。尚、1~3丁目の杼から打ち込まれた2種類の地緯糸3と緯被糸4’を、1つのセットとして「1越」と言う。
尚、図1に示したように、この「1越」ごとの各緯糸(地緯糸3や緯被糸4’)は、打ち込まれる際には、断面視や平面視で略並列しており(ほぼ並んで列をなしており)、略並列している分だけ、密度(緯密度)は低いとも言える。
しかし、上述した緯被糸4’が経方向に動き易い組織や、緯順、地経糸2の巻取り停止を所定のタイミングで行うことによって、地緯糸3や緯被糸4’が地経糸2で組織される際には、織物1における表面(一方面)1a側で、緯被糸4’が地緯糸3に被さるように配置することとなる。つまり、この製造方法によって、緯被糸4’を、より高密度で織り込むことが可能となり、隙間の少ない織物1を製造できる。
例えば、2種類の地緯糸3と緯被糸4’を、それぞれ250本/10cmの緯密度(つまり、1~3丁目で合計750本/10cmの緯密度)にて打ち込んだとしても、緯被糸4’が経方向に動き易い組織や、緯順、地経糸2の巻取り停止を所定のタイミングで行うことによって、緯糸は、485本/10cmの緯密度となる。
同様に、例えば、2種類の地緯糸3と緯被糸4’をそれぞれ180本/10cmの緯密度(1~3丁目で合計540本/10cmの緯密度)にて打ち込んでも、緯糸は349本/10cmの緯密度となり、2種類の地緯糸3と緯被糸4’をそれぞれ165本/10cmの緯密度(1~3丁目で合計495本/10cmの緯密度)にて打ち込んでも、緯糸は320本/10cmの緯密度となる。
上述した織物1の製造方法において、地緯糸3を打ち込んだ後に、地経糸2の巻取りを停止し、緯平糸4(緯被糸4’)を打ち込んだ結果の地緯糸3や緯平糸4(又は、緯被糸4’)を合わせた密度(出来上がり緯密度)の具体的な値も、特に限定はないが、例えば、100本/10cm以上1200本/10cm以下、好ましくは150本/10cm以上1000本/10cm以下、更に好ましくは200本/10cm以上800本/10cm以下(320本/10cm、349本/10cm、485本/10cmなど)であっても良い。
<平被せ領域6、被せ領域6’>
図1~6や、図7に示したように、上述した緯平糸4、緯被糸4’が経方向に動き易い組織や、緯順、織物1の製造方法によって、当該織物1は、緯平糸4、緯被糸4’が地緯糸3に被さるように配置された平被せ領域6、被せ領域6’を有するようになる。
尚、図2~6に示したように、緯平糸4(緯被糸4’)が干渉発色糸である場合、第1平被せ領域6A及び第2平被せ領域6Bにおいては、各領域6A、6Bごとに緯平糸4の向きが異なっていれば、これにより、1つの織物1として視た際に、同じ厚さの干渉発色糸を各緯平糸4に用いているにも関わらず、各領域6A、6Bごとに色が異なって見える。
尚、「各領域6A、6Bごとに緯平糸4の向きが異なる」とは、図2~6においては、緯平糸4の表面(露出面)を経方向に略沿って奥側又は手前側に傾斜していたり、緯平糸4の一部が奥側又は手前側に捻じれたり、緯平糸4自体が湾曲したりすることによって、当該緯平糸4の表面の向きが、それぞれで異なっていることを意味する。
又、第1平被せ領域6A及び第2平被せ領域6B(第1被せ領域6A’及び第2被せ領域6B’)それぞれの表面において、緯平糸4(緯被糸4’)を部分的に組織している地経糸2(平地経糸2a、被地経糸2a’)が露出している箇所の数(経飛びの数)は、特に限定はなく、各領域6A、6B(6A’、6B’)ごとに異なっていても良い。
ここからは、本発明に係る織物1の実施例1~8について言及する。
<実施例1>
織物1は、地経糸2のうち、緯平糸4を組織する平地経糸2aをポリエステルモノフィラメント糸(22dtexの347本/10cm)とし、組織地経糸2bをポリエステルマルチフィラメント糸(33dtexの347本/10cm)とし、地緯糸3のうち、織機の1丁目にて打ち込む従地緯糸3bをポリエステルウーリー加工糸(167dtexの250本/10cm)とし、織機の2丁目にて打ち込む主地緯糸3aをポリエステルウーリー加工糸(167dtexの250本/10cm)とし、織機の3丁目にて打ち込む緯平糸4を箔糸(幅4W「80切」の250本/10cm)とし、組織地経糸2b、従地緯糸3b及び主地緯糸3aで規則的な地組織5を構成し、且つ、緯平糸4の少なくとも一部を平地経糸2aで部分的に組織する際において、2丁目の主地緯糸3aを打ち込んだ後に、地経糸2(平地経糸2a及び組織地経糸2b)の巻取りを停止し、その直後に、3丁目の緯平糸4を打ち込むことによって、緯平糸4の少なくとも一部を、地緯糸3に被さるように配置して、実施例1の織物1を織成した。
尚、実施例1の織物1は、1丁目の従地緯糸3bが、平地経糸2aと構成する従地組織層5bは朱子織組織であり、2丁目の主地緯糸3aが、平地経糸2aと構成する主地組織層5aは平織組織であり、3丁目の緯平糸4が、平地経糸2aと構成する部分的な組織は朱子織組織であり、1丁目の従地緯糸3bが、組織地経糸2bと構成する地組織5は平織組織である。
<実施例2>
実施例1の織物1について、織機の1丁目にて打ち込む従地緯糸3bにおける密度を180本/10cmとし、織機の2丁目にて打ち込む主地緯糸3aにおける密度も180本/10cmとし、織機の3丁目にて打ち込む緯平糸4における密度も180本/10cm)とすることで、実施例2の織物1を得た。
<実施例3>
実施例2の織物1について、織機の1丁目にて打ち込む従地緯糸3bをポリエステルウーリー加工糸(167dtexの180本/10cm、2本撚り)とすることで、実施例3の織物1を得た。
<実施例4>
実施例2の織物1について、織機の2丁目にて打ち込む主地緯糸3aをポリエステルウーリー加工糸(167dtexの180本/10cm、2本撚り)とすることで、実施例4の織物1を得た。
<実施例5>
実施例2の織物1について、織機の3丁目にて打ち込む緯糸を、緯被糸4’として、ポリエステルウーリー加工糸(167dtexの180本/10cm、2本撚り)とすることで、実施例5の織物1を得た。
<実施例6>
実施例1の織物1について、織機の1丁目にて打ち込む従地緯糸3bをポリエステルウーリー加工糸(167dtexの165本/10cm、2本撚り)とし、織機の2丁目にて打ち込む主地緯糸3aをポリエステルウーリー加工糸(167dtexの165本/10cm、2本撚り)とし、織機の3丁目にて打ち込む緯糸を、緯被糸4’として、ポリエステルウーリー加工糸(167dtexの165本/10cm)とすることで、実施例6の織物1を得た。
<実施例7>
実施例6の織物1について、織機の3丁目にて打ち込む緯被糸4’をポリエステルウーリー加工糸(167dtexの165本/10cm、2本撚り)とすることで、実施例7の織物1を得た。
<実施例8>
実施例6の織物1について、織機の3丁目にて打ち込む緯被糸4’を、緯平糸4として、箔糸(幅4W「80切」の180本/10cm)とすることで、実施例8の織物1を得た。
<その他>
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。織物1、及び、織物1の製造方法等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
地緯糸3は、上述では、1種類又は2種類を例示したが、当然、3種類以上でも良く、例えば、地緯糸3が3種類であれば、緯平糸4(緯被糸4’)と合わせて、織機の杼は1~4丁目までを用い、地緯糸3が4種類であれば、緯平糸4(緯被糸4’)と合わせて、織機の杼は1~5丁目までを用いることとなり、その後も同様である。
地緯糸3が複数種類であれば、1つの地組織5の中に複数の地組織層が存在する場合があるが、この場合、複数の地組織層のうち、平織組織である主地組織層5aは、上述では1つだけであったが、主地組織層5aが複数存在しても良い。
緯平糸4の幅4Wの値は、地緯糸3の直径3Lの値より大きくなくとも良く、緯平糸4の幅4Wの値は、地緯糸3の直径3Lの値と略同じであったり、逆に、緯平糸4の幅4Wの値は、地緯糸3の直径3Lの値より小さくとも構わない。
緯平糸4の平カバーファクター値CFは、10以上でなくとも良く、10未満であっても構わない。又、緯被糸4’の被カバーファクター値CF’も、10以上でなくとも良く、10未満であっても構わない。
緯平糸4(又は、緯被糸4’)は、エンボス加工等が施された箔糸を含んでいたり、このエンボス加工等が施された箔糸を用いた糸を含んでいても良い。
緯平糸4(又は、緯被糸4’)は、エンボス加工等が施された干渉発色糸を含んでいたり、このエンボス加工等が施された干渉発色糸を用いた糸を含んでいても良い。
緯平糸4(又は、緯被糸4’)の全てが、地経糸2で部分的に組織されていても良い。
本発明の織物は、上述したように、カーテンやブラインド等として窓に用いられたり、壁装、間仕切り、緞子張り、床、天井、タペストリー、舞台幕及び額装品などの内装材や、照明器具のカバー(照明カバー)や椅子などのインテリア部材に用いられたり、帯などの他、衣類等に用いられるなど幅広く利用可能である。
本発明の織物の製造方法は、上述したように、カーテンやブラインド等として窓に用いられたり、壁装、間仕切り、緞子張り、床、天井、タペストリー、舞台幕及び額装品などの内装材や、照明器具のカバー(照明カバー)や椅子などのインテリア部材に用いられたり、帯などの他、衣類等に幅広く用いられる織物に対して、利用可能である。
1 織物
2 地経糸
3 地緯糸
3L 地緯糸の直径
4 緯平糸
4W 緯平糸の幅
4’ 緯被糸
5 地組織
6 平被せ領域
6’ 被せ領域
CF 緯平糸の平カバーファクター値

Claims (8)

  1. 少なくとも地経糸、地緯糸及び緯平糸を有した織物であって、
    前記地経糸及び地緯糸は、規則的な地組織を構成し、
    前記緯平糸の少なくとも一部は、前記地経糸で部分的に組織され、
    当該織物は、前記緯平糸が地緯糸に被さるように配置された平被せ領域を有し
    前記地経糸は、前記緯平糸と地緯糸の両方を組織する平地経糸と、前記地緯糸だけを組織する組織地経糸を含み、
    前記緯平糸は、前記平地経糸で組織されていない部分の面積である露出面積が、前記平地経糸で組織されている部分の面積より広いことを特徴とする織物。
  2. 前記平地経糸は、前記緯平糸を4本に1本の間隔で又は8本に1本の間隔で組織していることを特徴とする請求項1に記載の織物。
  3. 前記平地経糸の経飛びの距離が、前記組織地経糸の経飛びの距離より長いことを特徴とする請求項1又は2に記載の織物。
  4. 少なくとも地経糸、地緯糸及び緯被糸を有した織物であって、
    前記地経糸及び地緯糸は、規則的な地組織を構成し、
    前記緯被糸の少なくとも一部は、前記地経糸で部分的に組織され、
    当該織物は、前記緯被糸が地緯糸に被さるように配置された被せ領域を有し
    前記地経糸は、前記緯被糸と地緯糸の両方を組織する被地経糸と、前記地緯糸だけを組織する組織地経糸を含み、
    前記緯被糸は、前記被地経糸で組織されていない部分の面積である露出面積が、前記被地経糸で組織されている部分の面積より広いことを特徴とする織物。
  5. 前記被地経糸は、前記緯被糸を4本に1本の間隔で又は8本に1本の間隔で組織していることを特徴とする請求項4に記載の織物。
  6. 前記被地経糸の経飛びの距離が、前記組織地経糸の経飛びの距離より長いことを特徴とする請求項4又は5に記載の織物。
  7. 少なくとも地経糸、地緯糸及び緯被糸を有した織物の製造方法であって、
    前記地経糸及び地緯糸で規則的な地組織を構成し、且つ、前記緯被糸の少なくとも一部を地経糸で部分的に組織する際において、
    前記地緯糸を打ち込んだ後に、前記地経糸の巻取りを停止し、前記緯被糸を打ち込むことによって、前記緯被糸の少なくとも一部を、前記地緯糸に被さるように配置し、
    前記地経糸に、前記緯被糸と地緯糸の両方を組織する被地経糸と、前記地緯糸だけを組織する組織地経糸を含ませ、
    前記被地経糸の経飛びの距離を、前記組織地経糸の経飛びの距離より長くすることを特徴とする織物の製造方法。
  8. 前記緯被糸において、前記被地経糸で組織されていない部分の面積である露出面積を、前記被地経糸で組織されている部分の面積より広くすることを特徴とする請求項7に記載の織物の製造方法。
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