JP7422561B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

本願は、印刷装置に関する。
従来から、複数のプリントヘッドと、複数のサブタンクと、一つのメインタンクとを含むインクジェット式プリンタが提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1では、1つのメインタンクから複数のサブタンクにインクが供給される。サブタンクはプリントヘッドと一対一で設けられており、対応するプリントヘッドにインクを供給する。各プリントヘッドは、供給されたインクを用いて印刷を行う。
特開2009-286144号公報
メインタンクが複数のサブタンクに対して同時にインクを供給することがある。つまり、メインタンクから複数のサブタンクに対して並行してインクを供給することがある。この場合、メインタンクと各サブタンクとの間の配管の圧力損失に応じて、各サブタンクに供給されるインクの流量に偏りが生じる。配管の圧力損失はプリンタの設置環境に応じて決まるので、インクの流量の偏りもプリンタの設置環境に応じて決まる。
少ない流量でインクが供給されるサブタンクには、インク切れが生じやすい。サブタンクにインク切れが生じると、そのサブタンクに接続されたプリントヘッドが印刷不能となり、印刷が中断される。
プリンタの設置環境によっては、圧力損失の配管間のばらつきが大きくなり、サブタンクに供給されるインクの流量もばらつきが大きくなる。ばらつきが非常に大きくなると、あるサブタンクには、非常に少ない流量でインクが供給されることとなる。このようなサブタンクには、他のサブタンクに比べて早期にインク切れが生じ得る。つまり、当該サブタンクに接続されたプリントヘッドが他のプリントヘッドに比べて早期に印刷不能となり得る。
そこで、本願は、複数の印刷部が並行して印刷を継続できる期間を調整することができるインクジェット式の印刷装置を提供することを目的とする。
印刷装置の第1の態様は、印刷媒体に対してインクを塗布して印刷を行う第1印刷部と、前記第1印刷部に対してインクを供給する第1サブタンクと、印刷媒体に対してインクを塗布して印刷を行う第2印刷部と、前記第2印刷部に対してインクを供給する第2サブタンクと、前記第1サブタンクに対してインクを供給する第1枝管と、前記第2サブタンクに対してインクを供給する第2枝管と、前記第1枝管および前記第2枝管にインクを供給する共通管と、前記共通管にインクを供給するメインタンクと、前記第1枝管に介装された第1バルブと、前記第2枝管に介装された第2バルブと、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのいずれに対して優先的にインクを供給するのかを、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクの各々のインク残量、ならびに、前記第1印刷部および前記第2印刷部の各々のインクの予測消費量の少なくともいずれか一方に基づいて決定し、その決定結果に基づいて前記第1バルブおよび前記第2バルブを制御する制御部とを備える。
印刷装置の第2の態様は、第1の態様にかかる印刷装置であって、前記制御部は、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのインク残量を比較し、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのうち、インク残量の少ない方のサブタンクに対してインクを優先的に供給すると決定する。
印刷装置の第3の態様は、第2の態様にかかる印刷装置であって、前記第1印刷部が印刷処理中であり、前記第2印刷部が印刷処理中でないときには、前記制御部は、前記第2サブタンクよりも前記第1サブタンクに対して優先的にインクを供給する、と決定する。
印刷装置の第4の態様は、第2の態様にかかる印刷装置であって、前記第1印刷部が印刷画像データに基づく印刷処理中であり、前記第2印刷部がそれ以外の状態であるときには、前記制御部は、前記第2サブタンクよりも前記第1サブタンクに対して優先的にインクを供給する、と決定する。
印刷装置の第5の態様は、第4の態様にかかる印刷装置であって、前記制御部は、前記第1印刷部が印刷画像データに基づく印刷処理中であり、前記第2印刷部が印刷状態を確認するための印刷処理を実行中であるときには、前記制御部は、前記第2サブタンクよりも前記第1サブタンクに対して優先的にインクを供給する、と決定する。
印刷装置の第6の態様は、第4の態様にかかる印刷装置であって、前記制御部は、前記第1印刷部が印刷画像データに基づく印刷処理中であり、前記第2印刷部が回復処理を実行中であるときには、前記制御部は、前記第2サブタンクよりも前記第1サブタンクに対して優先的にインクを供給する、と決定する。
印刷装置の第7の態様は、第2から第6のいずれか一つの態様にかかる印刷装置であって、前記制御部は、前記第1サブタンクのインク残量がある補充基準値よりも少ないときに、前記第1サブタンクへのインクの供給が必要であると判断し、前記第2サブタンクのインク残量が前記補充基準値よりも少ないときに、前記第2サブタンクへのインクの供給が必要であると判断し、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのインク残量がいずれも前記補充基準値よりも少なく、かつ、前記第1サブタンクのインク残量と前記第2サブタンクのインク残量との差がある差基準値よりも小さいときには、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのうちインク残量が前記補充基準値を下回ったタイミングが早い方のサブタンクに対して優先的にインクを供給する、と決定する。
印刷装置の第8の態様は、第1から第7のいずれか一つの態様にかかる印刷装置であって、前記制御部は、現時点から所定期間が経過するまでの前記第1印刷部の予測インク消費量および前記第2印刷部の予測インク消費量を算出し、前記第1印刷部の予測インク消費量が前記第2印刷部の予測インク消費量よりも多いときに、前記所定期間において前記第2サブタンクよりも前記第1サブタンクに対して優先的にインクを供給する、と決定する。
印刷装置の第9の態様は、第1から第8のいずれか一つの態様にかかる印刷装置であって、前記制御部は、現時点から所定期間が経過するまでの前記第1印刷部の予測インク消費量および前記第2印刷部の予測インク消費量を算出し、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクの各々について、インクを供給する優先度を、対応する印刷部の予測インク消費量が多く、かつ、現時点のインク残量が少ないサブタンクほど高く決定する。
印刷装置の第10の態様は、第9の態様にかかる印刷装置であって、前記制御部は、前記第1サブタンクのインク残量および前記第1印刷部の予測インク消費量に基づいて、前記所定期間の経過後の前記第1サブタンクの予測インク残量を算出し、前記第2サブタンクのインク残量および前記第2印刷部の予測インク消費量に基づいて、前記所定期間の経過後の前記第2サブタンクの予測インク残量を算出し、前記所定期間において、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのうち、予測インク残量の少ない方のサブタンクに対して優先的にインクを供給する、と決定する。
印刷装置の第11の態様は、第9の態様にかかる印刷装置であって、前記制御部は、前記第1サブタンクのインク残量および前記第1印刷部の予測インク消費量にそれぞれ重みづけを行って前記第1サブタンクの優先度を算出し、前記第2サブタンクのインク残量および前記第2印刷部の予測インク消費量にそれぞれ重みづけを行って前記第2サブタンクの優先度を算出する。
印刷装置の第12の態様は、第6から第11のいずれか一つの態様にかかる印刷装置であって、前記制御部は、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのインク残量の両方が切替基準値以上であるときには、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのいずれに対して優先的にインクを供給するのかを、前記第1印刷部および前記第2印刷部の予測インク残量を用いずに、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのインク残量に基づいて決定し、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのインク残量の少なくともいずれか一方が前記切替基準値未満であるときには、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのいずれに対して優先的にインクを供給するのかを、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのインク残量ならびに前記第1印刷部および前記第2印刷部の予測インク残量に基づいて決定する。
印刷装置の第13の態様は、第1から第12のいずれか一つの態様にかかる印刷装置であって、前記制御部は、印刷画像データの残りの印刷に必要な前記第1印刷部の予測インク全消費量および前記第2印刷部のインクの予測全消費量を算出し、前記第1サブタンクのインク残量から前記第1印刷部のインクの予測全消費量を減算した第1値と、前記第2サブタンクのインク残量から前記第2印刷部のインクの予測全消費量を減算した第2値とを算出し、前記第1値が正であり前記第2値が負であるときに、前記第2サブタンクに対して優先的にインクを供給する、と決定する。
印刷装置の第14の態様は、第1から第13のいずれか一つの態様にかかる印刷装置であって、前記共通管に介装されたメインポンプと、前記第1サブタンクから前記第1印刷部にインクを送液する少なくとも一つのサブポンプと、前記第1サブタンクのインク残量が第1基準値であることを検出する第1液面センサとを備え、前記制御部は、前記第1バルブおよび前記第2バルブを相互に排他的に制御し、前記第1バルブが開いた状態で前記メインポンプが作動する作動時間と、前記メインポンプの送液能力の値とに基づいて、前記メインポンプから前記第1サブタンクに供給されるインクの流入量を求め、前記サブポンプの作動時間と、前記サブポンプの送液能力の値とに基づいて、前記第1サブタンクから前記第1印刷部に供給されるインクの流出量を求め、前記第1サブタンクのインク残量が前記第1基準値となったことを前記第1液面センサが検出した時点からの前記第1サブタンクへのインクの流入量および流出量に基づいて、前記第1サブタンクのインク残量を算出する。
印刷装置の第15の態様は、第14の態様にかかる印刷装置であって、前記第1サブタンクのインク残量が、前記第1基準値よりも大きな第2基準値であることを検出する第2液面センサを備え、前記第1印刷部は、前記第1サブタンクからインクが供給される表面印刷部と、前記第1サブタンクからインクが供給される裏面印刷部とを含み、前記少なくとも一つのサブポンプは、前記第1サブタンクから前記表面印刷部にインクを送液する表面側ポンプと、前記第1サブタンクから前記裏面印刷部にインクを送液する裏面側ポンプとを含み、前記制御部は、前記第1サブタンクのインク残量が前記第2基準値から前記第1基準値に至るまでのサブ測定期間内における前記表面側ポンプの作動時間と前記表面側ポンプの送液能力の値との第1積、および、前記サブ測定期間内における前記裏面側ポンプの作動時間と前記裏面側ポンプの送液能力の値との第2積の和であるインクの流出量の算出値と、前記第2基準値と前記第1基準値との差であるインクの流出量の実際値とに基づいて、前記表面側ポンプの送液能力の値および前記裏面側ポンプの送液能力の値を更新する。
印刷装置の第1の態様によれば、第1印刷部および第2印刷部が並行して印刷を継続できる期間を調整することができる。
印刷装置の第2の態様によれば、第1サブタンクおよび第2サブタンクのインク残量の差を低減することができる。よって、第1印刷部および第2印刷部が並行して印刷を継続できる期間をより長くすることができる。
印刷装置の第3から第6の態様によれば、第1印刷部が印刷を継続できる。
印刷装置の第7の態様によれば、インク残量が同程度である場合には、先にインクの供給を必要したサブタンクに対してインクを供給できる。
印刷装置の第8の態様によれば、より多くのインクが流出する第1サブタンクに対して優先的にインクを供給する。第1サブタンクにインク切れが生じる可能性を効果的に低減できる。
印刷装置の第9の態様によれば、インクの流出量が多く、かつ、インク残量が少ないサブタンクほど、優先的にインクが供給される。よって、第1印刷部および第2印刷部が並行して印刷を継続できる期間をより適切に長くすることができる。
印刷装置の第10の態様によれば、予測インク残量の少ない方のサブタンクに優先的にインクを供給するので、第1印刷部および第2印刷部が並行して印刷を継続できる期間をさらに適切に長くすることができる。
印刷装置の第11の態様によれば、インク残量および予測インク消費量の各々を相対的に程度重視するのかを、重みづけにより、適宜に設定できる。
印刷装置の第12の態様によれば、第1サブタンクおよび第2サブタンクの両方のインク残量が多いときには予測インク残量を用いないので、処理を軽くできる。一方で、第1サブタンクおよび第2サブタンクの少なくともいずれか一方のインク残量が少ないときには、インク残量のみならず予測インク残量も用いるので、より高い精度で第1サブタンクおよび第2サブタンクのインク残量を調整できる。
印刷装置の第13の態様によれば、第1サブタンクには、第1印刷部での印刷画像データの印刷に必要な量のインクが貯留されているので、第1サブタンクにはインク切れは生じない。一方で、第2サブタンクには、優先的にインクが供給される。よって、第2サブタンクにインク切れが生じる可能性も低減できる。
印刷装置の第14の態様によれば、第1バルブおよび第2バルブが相互に排他的に制御されるので、第1バルブが開いた状態でメインポンプが作動すると、メインポンプは第2サブタンクではなく第1サブタンクにインクを供給する。よって、第1バルブが開いた状態でのメインポンプの作動時間と、メインポンプの送液能力とに基づいて、適切に第1サブタンクへのインクの流入量を算出できる。ひいては、第1サブタンクのインク残量を適切に算出できる。つまり、簡易な第1液面センサを利用して、第1サブタンクのインク残量を測定することができる。
印刷装置の第15の態様によれば、送液能力の値を実測値に基づいて更新するので、送液能力を実際の値に近づけることができる。よって、以後、より高い精度でサブタンクのインク残量を算出できる。
印刷装置の構成の一例を概略的に示す図である。 印刷部の構成の一例を概略的に示す図である。 制御部の内部構成の一例を概略的に示す図である。 インク供給処理の一例を示すフローチャートである。 サブタンクのインク残量の時間変化の一例を示すグラフである。 インク供給処理の他の一例を示すフローチャートである。 インク供給処理の他の一例を示すフローチャートである。 印刷画像データの一例を示す図である。 インク供給処理の他の一例を示すフローチャートである。 インク供給処理の他の一例を示すフローチャートである。 インク供給処理の他の一例を示すフローチャートである。 優先度を決定する構成の一例を概略的に示すブロックである。 インク供給処理の他の一例を示すフローチャートである。 サブタンクの構成の一例を概略的に示す図である。 インク残量を測定する構成の一例を概略的に示すブロック図である。 送液能力算出処理の一例を示すフローチャートである。
以下、添付の図面を参照しながら、実施の形態について説明する。なお、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本開示の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法および数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「中心」「同心」「同軸」など)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」など)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば、「四角形状」または「円筒形状」など)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸や面取りなどを有する形状も表すものとする。一の構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」または「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「A,BおよびCの少なくともいずれか一つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A,BおよびCのうち任意の2つ、ならびに、A,BおよびCの全てを含む。
<印刷装置>
図1は、印刷装置100の構成の一例を概略的に示す図である。印刷装置100は、複数の印刷部10と、複数のサブタンク20と、メインタンク40とを含んでいる。各印刷部10は、後に詳述するように、印刷媒体の一例である連続紙WPに対して印刷を行う。図1の例では、複数の印刷部10として2つの印刷部10A,10Bが示されている。
複数のサブタンク20は複数の印刷部10に対応して設けられている。具体的には、サブタンク20は印刷部10と一対一で設けられている。図1の例では、2つの印刷部10A,10Bが設けられているので、サブタンク20として2つのサブタンク20A,20Bが設けられている。各サブタンク20はインクを貯留し、自身に対応する印刷部10に対してインクを供給する。具体的には、サブタンク20Aは印刷部10Aにインクを供給し、サブタンク20Bは印刷部10Bにインクを供給する。
各サブタンク20は、複数種のインクをそれぞれ貯留する複数のタンクを含んでいる。例えば、各サブタンク20は、ブラック(K)用のインク、シアン(C)用のインク、マゼンタ(M)用のインクおよびイエロー(Y)用のインクをそれぞれ貯留するための4つのタンクを含んでいる。以下では、説明の簡単のために、主として一つの色のタンクについて述べる。
印刷部10はインクジェット式の印刷装置である。図1の例では、印刷部10は、表面印刷部13と、裏面印刷部16とを含んでいる。後に詳述するように、表面印刷部13は、印刷媒体の一例である連続紙WPの表面に対して印刷を行い、裏面印刷部16は連続紙WPの裏面に対して印刷を行う。
以下では、印刷部10Aに属する各構成の符号の末尾に「A」を付記し、印刷部10Bに属する各構成の符号の末尾に「B」を付記することがある。例えば、印刷部10Aに属する表面印刷部13を表面印刷部13Aと呼ぶことがある。
サブタンク20Aは供給管21Aを介して表面印刷部13Aに接続され、供給管22Aを介して裏面印刷部16Aに接続される。供給管21Aにはポンプ23A(表面側ポンプに相当)およびバルブ24Aが介装され、供給管22Aにはポンプ25A(裏面側ポンプに相当)およびバルブ26Aが介装される。以下では、ポンプ23A,25Aをそれぞれサブポンプ23A,25Aと呼ぶ。バルブ24Aは供給管21Aの開閉を切り替え、バルブ26Aは供給管22Aの開閉を切り替える。サブポンプ23Aはサブタンク20Aから表面印刷部13Aにインクを送液し、サブポンプ25Aはサブタンク20Aから裏面印刷部16Aにインクを送液する。
バルブ24Aが開いた状態でサブポンプ23Aが作動することにより、サブタンク20Aからのインクが供給管21Aの内部を流れて表面印刷部13Aに供給される。また、バルブ26Aが開いた状態でサブポンプ25Aが作動することにより、サブタンク20Aからのインクが供給管22Aの内部を流れて裏面印刷部16Aに供給される。
サブタンク20Bは供給管21Bを介して表面印刷部13Bに接続され、供給管22Bを介して裏面印刷部16Bに接続される。供給管21Bにはポンプ23B(表面側ポンプに相当)およびバルブ24Bが介装され、供給管22Bにはポンプ25B(裏面側ポンプに相当)およびバルブ26Bが介装される。以下では、ポンプ23B,25Bをそれぞれサブポンプ23B,25Bと呼ぶ。バルブ24Bは供給管21Bの開閉を切り替え、バルブ26Bは供給管22Bの開閉を切り替える。サブポンプ23Bはサブタンク20Bから表面印刷部13Bにインクを送液し、サブポンプ25Bはサブタンク20Bから裏面印刷部16Bにインクを送液する。
バルブ24Bが開いた状態でサブポンプ23Bが作動することにより、サブタンク20Bからのインクが供給管21Bの内部を流れて表面印刷部13Bに供給される。また、バルブ26Bが開いた状態でサブポンプ25Bが作動することにより、サブタンク20Bからのインクが供給管22Bの内部を流れて裏面印刷部16Bに供給される。
メインタンク40はインクを貯留し、各サブタンク20にインクを供給(補充)する。メインタンク40もサブタンク20と同様に、複数種のインクをそれぞれ貯留する複数のタンクを含んでいる。メインタンク40は、例えば、ブラック(K)用のインク、シアン(C)用のインク、マゼンタ(M)用のインクおよびイエロー(Y)用のインクをそれぞれ貯留するための4つのタンクを含んでいる。以下では、説明の簡単のために、主として一つ色のタンクについて述べる。
メインタンク40の容量は各サブタンク20の容量よりも大きく、例えばサブタンク20の数倍以上、望ましくは10倍以上である。例えば、各サブタンク20の容量は18L(リットル)であり、メインタンク40の容量は200L(リットル)である。
メインタンク40は共通管31の一端に接続されている。メインタンク40は共通管31にインクを供給する。共通管31の他端は枝管32Aの一端および枝管32Bの一端に共通して接続されている。共通管31は枝管32A,32Bにインクを供給する。枝管32Aの他端はサブタンク20Aに接続され、枝管32Bの他端はサブタンク20Bに接続される。枝管32Aはサブタンク20Aにインクを供給し、枝管32Bはサブタンク20Bにインクを供給する。共通管31にはポンプ(以下、メインポンプと呼ぶ)33が介装され、枝管32Aにはバルブ34Aが介装され、枝管32Bにはバルブ34Bが介装される。バルブ34Aは枝管32Aの開閉を切り替え、バルブ34Bは枝管32Bの開閉を切り替える。
バルブ34Aが開いた状態でメインポンプ33が作動することにより、メインタンク40からのインクが共通管31および枝管32Aの内部を流れて、サブタンク20Aに供給される。これにより、サブタンク20Aにインクが補充される。バルブ34Bが開いた状態でメインポンプ33が作動することにより、メインタンク40からのインクが共通管31および枝管32Bの内部を流れて、サブタンク20Bに供給される。これにより、サブタンク20Bにインクが補充される。
以上のように、印刷装置100によれば、単一のメインポンプ33によって、単一のメインタンク40から複数のサブタンク20A,20Bにインクが供給される。したがって、複数のサブタンク20のそれぞれに対応したポンプが設けられる場合に比して、印刷装置100の構成を簡易にでき、製造コストを低減できる。
図1の例では、印刷部10には、中央制御部50が設けられている。具体的には、印刷部10Aには中央制御部50Aが設けられ、印刷部10Bには中央制御部50Bが設けられている。中央制御部50Aは、印刷部10Aで印刷される画像データを印刷用の印刷画像データに変換する。印刷部10Aはその印刷画像データに基づいて印刷処理を行って、連続紙WPにその印刷画像データを印刷する。なお、ここでは、印刷画像データは表面用の印刷画像データと裏面用の印刷画像データを含んでいる。中央制御部50Bは、印刷部10Bで印刷される画像データを印刷用の印刷画像データに変換する。印刷部10Bはその印刷画像データに基づいて印刷処理を行って、連続紙WPにその印刷画像データを印刷する。印刷部10A,10Bで印刷される印刷画像データは互いに相違し得る。
中央制御部50A,50Bは有線または無線によって、互いに通信可能に接続されており、後述のように種々の情報を送受信する。
図1の例では、各サブタンク20に対応してタンク側制御部27が設けられている。つまり、サブタンク20A,20Bにそれぞれ対応してタンク側制御部27A,27Bが設けられている。タンク側制御部27Aはサブポンプ23A,25Aおよびバルブ24A,26A,34Aを制御し、タンク側制御部27Bはサブポンプ23B,25Bおよびバルブ24B,26B,34Bを制御する。図1の例では、メインタンク40に対応してタンク側制御部42が設けられている。タンク側制御部42はポンプ33を制御する。タンク側制御部27,42がこれらを制御することにより、メインタンク40からサブタンク20へのインクの供給、および、サブタンク20から印刷部10へのインクの供給を制御する。なお、ポンプ33はタンク側制御部27によって制御されてもよい。
中央制御部50は、メインタンク40からサブタンク20A,20Bのいずれに優先的にインクを供給するかを決定する。この点は後に詳述する。
なお、以下では、符号A,Bで区別される構成を、符号A,Bを省略して呼ぶことがある。例えばサブポンプ23A,23Bを区別する必要がない場合には、これらをサブポンプ23と呼ぶことがある。
<印刷部10>
図2は、印刷部10の構成の一例を概略的に示す図である。印刷部10は、給紙部11と、温度調節装置12と、表面印刷部13と、反転装置14と、冷却装置15と、裏面印刷部16と、排紙部17とを含んでいる。
給紙部11は、印刷媒体の一例であるロール状の連続紙WPを水平軸周りに回転可能に保持し、温度調節装置12に対して連続紙WPを巻き出して供給する。供給される連続紙WPの温度は、給紙部11の設置されている環境温度とほぼ同一の温度である。ここでは、当該温度は例えば25℃である。温度調節装置12は、連続紙WPに対して加熱および冷却のどちらも実施可能な装置である。表面印刷部13は、例えば、インク滴を吐出して画像を形成するインクジェット式の印刷装置であり、連続紙WPの表面に対して印刷を行う。反転装置14は、図示しない複数本のターンバーを備え、連続紙WPの表裏を反転させる。これにより、連続紙WPの裏面が上側を向く。冷却装置15は、表面印刷部13で印刷され、反転装置14で反転された連続紙WPを冷却する。裏面印刷部16は、例えば、表面印刷部13と同様の構成を有しており、連続紙WPの裏面に対して印刷を行う。排紙部17は、表面印刷部13および裏面印刷部16で処理された連続紙WPを水平軸周りにロール状に巻き取る。
表面印刷部13は、温度調節装置12からの連続紙WPを取り込むための駆動ローラ131を上流側に含んでいる。温度調節装置12で加熱または冷却された連続紙WPは、駆動ローラ131によって複数個の搬送ローラ132に沿って下流側に搬送される。表面印刷部13は、その最下流に、駆動ローラ138を含んでいる。駆動ローラ131と駆動ローラ138との間には、上流側から温度センサ133と、第1印刷部134と、第1ヒートローラ136と、検査部137とが配置されている。温度調節装置12と第1印刷部134との間に温度センサ133を設置することで、表面印刷時の連続紙WPの紙面温度を測定する。温度センサ133として、例えば非接触式温度センサが挙げられる。第1印刷部134は、インクジェット式の印刷ヘッド135を含んでいる。表面側制御部139は、温度センサ133の測定温度に基づいて、温度調節装置12の第1設定温度を調節し、連続紙WPの測定温度が目標温度となるように制御する。第1設定温度は熱媒体の設定温度であり、目標温度は、例えば、30℃である。第1ヒートローラ136は、熱源を内蔵し、外周面に巻き付けられた連続紙WPを加熱して印刷面を乾燥させる。検査部137は、連続紙WPに印刷された画像を検査する。
第1印刷部134は、例えば、4個の印刷ヘッド135を含んでいる。具体的には、上流側から順に、ブラック(K)用の印刷ヘッド135と、シアン(C)用の印刷ヘッド135と、マゼンタ(M)用の印刷ヘッド135と、イエロー(Y)用の印刷ヘッド135とを含んでいる。各印刷ヘッド135は、連続紙WPの搬送方向に沿って所定間隔を隔てて配置されている。
各印刷ヘッド135はサブタンク20から供給されたインクを連続紙WPに吐出して、印刷を行う。なお、サブタンク20と印刷ヘッド135との間に、サブタンク20よりも小さい容量を有するバッファタンク(不図示)が設けられてもよい。
表面側制御部139は駆動ローラ138および印刷ヘッド135も制御する。表面側制御部139は有線または無線により中央制御部50と通信可能に接続されており、中央制御部50から表面用の印刷画像データを受信する。表面側制御部139が表面用の印刷画像データに基づいて印刷ヘッド135を制御する。これにより、連続紙WPの表面には、表面用の印刷画像データに応じてインクが塗布される。
裏面印刷部16は、上述した表面印刷部13とほぼ同様の構成を有する。具体的には、裏面印刷部16は、駆動ローラ161と、搬送ローラ162と、温度センサ163と、印刷ヘッド165を有する第2印刷部164と、第2ヒートローラ166と、検査部167と、駆動ローラ168と、裏面側制御部169とを含んでいる。これらは、それぞれ、表面印刷部13の各部と同様である。
裏面印刷部16の第2印刷部164は、冷却装置15で冷却された連続紙WPの裏面に対して印刷を行う。冷却装置15と第2印刷部164との間に温度センサ163を設置することで、裏面印刷時の連続紙WPの紙面温度を測定する。裏面側制御部169は、温度センサ163の測定温度に基づいて、冷却装置15の第2設定温度を調節し、連続紙WPの測定温度が目標温度となるように制御する。第2設定温度は冷媒の温度である。これにより、第1ヒートローラ136により乾燥されて例えば40℃であった連続紙WPは30℃にまで冷却される。この場合の冷却装置15の第2設定温度は20℃に設定されている。第2ヒートローラ166は、熱源を内蔵し、外周面に巻き付けられた連続紙WPを加熱して印刷面を乾燥させる。
各印刷ヘッド165はサブタンク20から供給されたインクを連続紙WPに吐出して、印刷を行う。なお、サブタンク20と印刷ヘッド165との間に、サブタンク20よりも小さい容量を有するバッファタンク(不図示)が設けられてもよい。
裏面側制御部169は駆動ローラ168および印刷ヘッド165も制御する。裏面側制御部169は有線または無線により中央制御部50と通信可能に接続されており、中央制御部50から裏面用の印刷画像データを受信する。裏面側制御部169が裏面用の印刷画像データに基づいて印刷ヘッド165を制御する。これにより、連続紙WPの裏面には、裏面用の印刷画像データに応じてインクが塗布される。
各制御部50,27,42,139,169は制御回路とも言える。図3は、中央制御部50の内部構成の一例を概略的に示す図である。制御部50は演算処理部501と記憶媒体502とを含む。演算処理部501は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの処理装置を含む。記憶媒体502は例えば非一時的な記憶媒体5021と一時的な記憶媒体5022とを含む。非一時的な記憶媒体5021は、例えばROM(Read Only Memory)などのメモリを含む。一時的な記憶媒体5022は、例えばRAM(Random Access Memory)などのメモリを含む。図3の例では、演算処理部501および記憶媒体502はバス503によって相互に接続されている。中央制御部50に電気的に接続される上述の各種構成は、直接または通信回路を介してバス503に接続される。
非一時的な記憶媒体5021には、演算処理部501によって実行されるプログラムが格納されている。演算処理部501が当該プログラムを実行することにより、中央制御部50は各種の機能を実行することができる。ただし、中央制御部50が実行する機能の一部または全部は、プログラムなどのソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。なお、制御部27,42,139,169も中央制御部50と同様の構成を有していてもよい。
<ポンプの送液能力>
この印刷装置100においては、各サブタンク20が、対応する印刷部10(表面印刷部13および裏面印刷部16)にインクを供給する。サブタンク20から供給されるインクの量は、各印刷部10で連続紙WPに吐出されるインクの量に応じて増減する。具体的には、印刷画像データの印字率が大きいほど、印刷部10がより多くのインクを連続紙WPに吐出するので、これに応じて、各サブタンク20から印刷部10に供給されるインクの量も多くなる。このように印刷画像データにおける印字率が高いほど、より多くのインクがサブタンク20から印刷部10に供給されるので、サブタンク20のインク残量は高い速度で低下する。なお、印字率は像密度とも呼ばれ得る。
図1を参照して、サブタンク20Aから表面印刷部13Aにインクを供給するサブポンプ23Aは、表面印刷部13Aが印字率100%で印刷処理を行っているときであってもインクを十分に表面印刷部13Aに供給できる程度の送液能力を有している。ここでいう送液能力とは、ポンプが供給可能なインクの流量を意味する。サブポンプ25Aも同様に、裏面印刷部16Aが印字率100%で印刷処理を行っているときであってもインクを十分に裏面印刷部16Aに供給できる程度の送液能力を有している。よって、サブタンク20Aにインクが貯留されている限りにおいて、サブポンプ23A,25Aはそれぞれ適切に表面印刷部13Aおよび裏面印刷部16Aにインクを供給し続けることができる。サブポンプ23B,25Bの送液能力も同様である。
一方、複数のサブタンク20A,20Bには、単一のメインポンプ33によってメインタンク40からインクが供給(補充)される。ここで、メインポンプ33の送液能力が、複数の印刷部10におけるサブポンプ23,25の送液能力の総和以上の送液能力を有している場合について考慮する。つまり、メインポンプ33の送液能力が、サブポンプ23A,23B,25A,25Bの送液能力の総和以上である場合について考慮する。この場合、たとえ各印刷部10A,10Bの両方が印字率100%で印刷処理を行っても、サブタンク20A,20Bにインク切れを生じさせること無く、メインタンク40からサブタンク20A,20Bにインクを供給することが可能である。なお、印刷部10における印字率100%とは、その印刷部10の表面印刷部13および裏面印刷部16がそれぞれ印字率100%で連続紙WPの表面および裏面に印刷処理を行うことを意味する。
ポンプ33の送液能力が高い場合には、サブタンク20のインク切れを回避でき得るものの、送液能力の高いメインポンプ33は高価である上にサイズが大きい。また、印字率100%で複数の印刷部10の全てが印刷を行い続ける期間は短い場合が多いと考えられる。つまり、メインポンプ33として、複数の印刷部10のサブポンプ23,25の送液能力の総和以上の送液能力を有するポンプを選定しても、その送液能力を活用できる機会は少ない。
また、印刷部10を新たに増設すると、その分だけサブポンプ23,25の数も増えるので、この増設により、メインポンプ33の送液能力が複数の印刷部10のサブポンプ23,25の送液能力の総和を下回ることもあり得る。
そこで、本実施の形態では、メインポンプ33の送液能力が、複数の印刷部10のサブポンプ23,25の送液能力の総和未満に選定された場合について述べる。この場合、印刷部10A,10Bでの印字率が両方とも高ければ、メインタンク40からサブタンク20A,20Bにインクを供給しても、メインポンプ33の送液能力の不足により、サブタンク20A,20Bのインク残量の総量は時間の経過とともに徐々に低下し得る。
ただし、メインポンプ33の送液能力は、1つの印刷部10におけるサブポンプ23,25の送液能力の和以上に設定されるとよい。サブポンプ23A,25Aの送液能力の和とサブポンプ23B,25Bの送液能力の和とが互いに相違しているときには、メインポンプ33の送液能力はより大きい方の和以上に設定されるとよい。これによれば、1つの印刷部10のみが印字率100%で印刷処理を行っているときに、メインポンプ33は、その印刷部10に対応するサブタンク20にインク切れを生じさせずに、そのサブタンク20にインクを供給することが可能である。
以下では、サブタンク20A,20Bのいずれに対して優先的にインクを供給するのかの決定方法について、複数の例を述べる。なお、本実施の形態では、サブタンク20へのインクの供給は、サブタンク20のインク残量が補充基準値(例えば17L)以下となったときに行われるものとする。
<優先度決定:インク残量>
以下、サブタンク20A,20Bのインク残量の両方が補充基準値(例えば17L)よりも少ない状況におけるインク供給方法について説明する。
中央制御部50は、メインタンク40から複数のサブタンク20のいずれに対して優先的にインクを供給するのかを、例えばサブタンク20A,20Bのインク残量に基づいて決定する。つまり、中央制御部50は複数のサブタンク20の優先度をサブタンク20A,20Bのインク残量に基づいて決定する。
図1に例示するように、サブタンク20には、インク残量を測定する残量センサ28が設けられている。残量センサ28は、サブタンク20に貯留されたインクの量(つまりインク残量)を測定し、その測定結果を示す残量情報をタンク側制御部27に出力する。具体的には、残量センサ28Aはサブタンク20Aのインク残量を測定して、サブタンク20Aの残量情報をタンク側制御部27Aに出力し、残量センサ28Bはサブタンク20Bのインク残量を測定して、サブタンク20Bの残量情報をタンク側制御部27Bに出力する。
タンク側制御部27は有線または無線により中央制御部50と通信可能に接続されている。図2の例では、タンク側制御部27は有線または無線により表面側制御部139および裏面側制御部169とも通信可能に接続されており、これらを介して中央制御部50と通信する。もちろん、タンク側制御部27は中央制御部50と直接に通信してもよい。タンク側制御部27はサブタンク20の残量情報を中央制御部50に送信する。具体的には、タンク側制御部27Aがサブタンク20Aの残量情報を中央制御部50Aに送信し、タンク側制御部27Bがサブタンク20Bの残量情報を中央制御部50Bに送信する。
中央制御部50は両残量情報に基づいてサブタンク20A,20Bのインク残量を比較し、インク残量が少ない方のサブタンク20に対して優先的にインクを供給する、と決定する。つまり、中央制御部50は、インク残量が少ない方のサブタンク20の優先度を、インク残量が多い方のサブタンク20の優先度よりも高く決定する。中央制御部50は、その決定結果を示す優先情報をタンク側制御部27A,27Bに送信する。また、中央制御部50(図1の例では中央制御部50A)は有線または無線によりタンク側制御部42とも通信可能に接続されており、タンク側制御部42にポンプ33の作動を指示する。
タンク側制御部27A,27Bは優先情報に基づいて、バルブ34A,34Bをそれぞれ制御する。例えば、タンク側制御部27A,27Bは優先度の高いサブタンク20に対応したバルブ34を開き、優先度の低いサブタンク20に対応したバルブ34を閉じる。また、タンク側制御部42はポンプ33を作動させる。これにより、メインタンク40から優先度の高いサブタンク20にインクが供給され、優先度の低いサブタンク20にはインクが供給されない。よって、インク残量の少ないサブタンク20に対して優先的にインクが供給される。
図4は、当該インク供給処理の一例を示すフローチャートである。まず、各サブタンク20のインク残量が測定される(ステップS1)。具体的には、残量センサ28A,28Bがサブタンク20A,20Bのインク残量をそれぞれ測定し、その残量情報をタンク側制御部27A,27Bにそれぞれ出力する。タンク側制御部27A,27Bは残量情報を中央制御部50A,50Bにそれぞれ送信する。中央制御部50A,50Bの一方は他方に残量情報を送信する。例えば、中央制御部50Bがサブタンク20Bの残量情報を中央制御部50Aに送信する。
次に、中央制御部50(例えば中央制御部50A)は各サブタンク20の残量情報に基づいてサブタンク20のインク残量を互いに比較する(ステップS2)。次に、当該中央制御部50はその比較結果に基づいて、各サブタンク20の優先度を決定する(ステップS3)。具体的には、中央制御部50はインク残量が少ない方のサブタンク20の優先度を、他方のサブタンク20の優先度よりも高く決定する。サブタンク20Aのインク残量がサブタンク20Bのインク残量よりも少ないときには、中央制御部50はサブタンク20Aの優先度をサブタンク20Bの優先度よりも高く設定する。中央制御部50は優先度を示す優先情報を各タンク側制御部27に送信する。例えば中央制御部50Aは優先情報をタンク側制御部27Aに送信するとともに、中央制御部50Bにも送信する。中央制御部50Bはこの優先情報をタンク側制御部27Bに送信する。
なお、上述の例では、一方の中央制御部50が優先度を決定しているものの、両方が優先度を決定してもよい。例えば中央制御部50は残量情報を互いに送信し合い、各中央制御部50が上述のように優先度を決定して、対応するタンク側制御部27に優先情報を送信してもよい。この点は後に述べる他の実施例でも同様である。
次に、タンク側制御部27は優先情報に基づいてバルブ34を制御する(ステップS4)。タンク側制御部27は、優先度の高いサブタンク20にインクを供給すべく、優先度の高いサブタンク20に対応するバルブ34を開き、優先度の低いサブタンク20に対応するバルブ34を閉じる。また、タンク側制御部42はポンプ33を作動させる。これにより、インク残量の少ないサブタンク20に対してインクを供給することができる。これにより、当該サブタンク20のインク残量が時間の経過とともに増加する。
次に、中央制御部50は印刷部10A,10Bの印刷処理の両方が終了したか否かを判断する(ステップS5)。印刷処理が終了していれば、処理を終了する。
印刷処理が終了していなければ、タンク側制御部27は、供給先のサブタンク20のインク残量が予め設定された補充量(例えば1L)だけ増加したか否かを判断する(ステップS6)。インクの増加量が補充量未満であるときには、タンク側制御部27は再びステップS6を実行する。つまり、タンク側制御部27は、供給先のサブタンク20に補充量のインクが供給されるまで、対応するバルブ34を開き続ける。
例えば、サブタンク20Aのインク残量がサブタンク20Bのインク残量よりも少ない場合について説明する。この場合、タンク側制御部27Aがバルブ34Aを開いて、メインタンク40からサブタンク20Aにインクが供給される(ステップS4)。これにより、サブタンク20Aのインク残量は時間の経過とともに増加する。このとき、サブタンク20Aのインク残量が予め設定された補充量だけ増加するまでは、バルブ34Aの開状態を維持する(ステップS6)。つまり、たとえサブタンク20Aのインク残量がサブタンク20Bのインク残量よりも多くなったとしても、サブタンク20Aのインク残量の増加量が補充量に至るまでは、バルブ34Aの開状態を維持する。これによれば、バルブ34A,34Bの切り替え頻度を低減することができる。
ステップS6においてインク残量の増加量が補充量以上であるときには、再びステップS1が実行される。これにより、再びサブタンク20のインク残量が比較され(ステップS1,S2)、その比較時点においてインク残量の少ない方のサブタンク20に対して、インクが供給されることになる(ステップS3,S4)。
図5は、上記のインク供給処理におけるインク残量の時間変化の一例を示すグラフである。図5では、印刷部10A,10Bが印字率100%で印刷処理を行ったときの一例を示している。図5では、サブタンク20Aのインク残量の時間変化を実線のグラフで示し、サブタンク20Bのインク残量の時間変化を破線のグラフで示している。
図5では、サブタンク20A,20Bのインク残量は補充基準値(ここでは17L)よりも少ない。例えば時点t0において、サブタンク20A,20Bのインク残量が互いに比較される(ステップS2)。ここでは、サブタンク20Aのインク残量がサブタンク20Bのインク残量よりも若干少ないものとする。よって、中央制御部50はサブタンク20Bよりもサブタンク20Aに対して優先的にインクを供給する、と決定する(ステップS3)。この決定に応じて、タンク側制御部27Aはバルブ34Aを開き、タンク側制御部27Bはバルブ34Bを閉じたままとする(ステップS4)。また、タンク側制御部42はメインポンプ33を作動させる。これにより、時点t0以降において、サブタンク20Aのインク残量は時間の経過と共に増加し、サブタンク20Bのインク残量は時間の経過と共に低下する。
メインポンプ33の送液能力は、印刷部10A,10Bのサブポンプ23,25の送液能力の総和未満であるので、サブタンク20Bのインク残量の低下速度はサブタンク20Aのインク残量の増加速度よりも高い。
サブタンク20Aのインク残量が所定の補充量(ここでは1L)だけ増加した時点t1において、再びサブタンク20A,20Bのインク残量が互いに比較される(ステップS2)。時点t1では、サブタンク20Bのインク残量がサブタンク20Aのインク残量よりも少ないので、中央制御部50は今度はサブタンク20Aよりもサブタンク20Bに対して優先的にインクを供給する、と決定する(ステップS3)。この決定に応じて、タンク側制御部27Aはバルブ34Aを閉じ、タンク側制御部27Bはバルブ34Bを開く(ステップS4)。これにより、時点t1以降において、サブタンク20Bのインク残量は時間の経過と共に増加し、サブタンク20Aのインク残量は時間の経過と共に低下する。サブタンク20Aのインク残量の低下速度はサブタンク20Bのインク残量の増加速度よりも高い。
サブタンク20Bのインク残量が所定の補充量だけ増加した時点t2において、再びサブタンク20A,20Bのインク残量が互いに比較される(ステップS2)。時点t2では、サブタンク20Aのインク残量がサブタンク20Bのインク残量よりも若干少ない。よって、中央制御部50は再びサブタンク20Bよりもサブタンク20Aに対して優先的にインクを供給する、と決定する(ステップS3)。この決定に応じて、タンク側制御部27Aはバルブ34Aを開き、タンク側制御部27Bはバルブ34Bを閉じる(ステップS4)。これにより、時点t2以降において、サブタンク20Aのインク残量は時間の経過と共に増加し、サブタンク20Bのインク残量は時間の経過と共に低下する。以後、同様の動作を繰り返す。
インク残量の低下速度はインク残量の増加速度よりも高いので、全体としては、時間の経過と共に徐々にインク残量が低下する。ただし、上述の例では、サブタンク20A,20Bのインク残量を繰り返し比較し、その都度、インク残量の少ない方のサブタンク20に対して優先的にインクを供給する。よって、サブタンク20のインク残量の一方が他方に対して偏って少なくなることを回避できる。言い換えれば、サブタンク20A,20Bのインク残量の差を所定範囲内に維持することができる。よって、印刷部10A,10Bは互いに同程度の時期まで印刷処理を行い続けることができる。言い換えれば、印刷部10A,10Bの両方が並行して動作できる期間を長くすることができる。
なお、上述の例では、タンク側制御部27はバルブ34A,34Bを相互に排他的に制御している。しかしながら、必ずしもこれに限らない。例えばバルブ34がインクの流量を調整可能なバルブである場合には、バルブ34A,34Bの両方を開きつつも、インク残量の少ない方のサブタンク20に対して優先的にインクを供給することができる。例えば、タンク側制御部27は、優先度の高いサブタンク20に対応するバルブ34の流量が、優先度の低いサブタンク20に対応するバルブ34の流量よりも大きくなるように、バルブ34を制御してもよい。この点は、後述の他の実施例でも同様である。
これによっても、インク残量の少ない方のサブタンク20により多くのインクを供給することができる。したがって、サブタンク20のインク残量のうち一方が他方に対して偏って少なくなることを回避できる。
インクの流量はバルブ34の開度を調整することによって制御されてもよいし、あるいは、バルブ34の開閉のデューティを調整することによって制御されてもよい。
<優先度決定:印刷ステータス>
上述の例では、中央制御部50はサブタンク20A,20Bのインク残量の大小に応じて優先度を決定した。しかしながら、必ずしもこれに限らない。例えば、印刷部10A,10Bの一方のみが印刷処理を行っている場合、中央制御部50は、サブタンク20A,20Bのインク残量に拘わらず、当該一方の印刷部10に対応するサブタンク20に対して優先的にインクを供給する、と決定してもよい。
ところで、中央制御部50は印刷部10の表面側制御部139および裏面側制御部169にそれぞれ印刷画像データを送信して印刷を指示することができる。よって、中央制御部50は、印刷部10が印刷処理を行っているか否かを示す印刷ステータス情報を管理している。そこで、中央制御部50は印刷ステータス情報に基づいてサブタンク20の優先度を決定してもよい。
例えば、中央制御部50Bは印刷部10Bの印刷ステータス情報を中央制御部50Aに送信してもよい。中央制御部50Aは印刷部10A,10Bの印刷ステータス情報に基づいて、サブタンク20の優先度を決定する。具体的には、中央制御部50Aは、印刷部10A,10Bの一方が印刷処理中であり、他方が印刷処理中でないときには、その一方の印刷部10に対応するサブタンク20に対して優先的にインクを供給する、と決定する。言い換えれば、中央制御部50Aは、当該一方の印刷部10に対応するサブタンク20の優先度を、他方のサブタンク20の優先度よりも高く決定する。
図6は、当該インク供給処理の一例を示すフローチャートである。まず、中央制御部50は印刷ステータス情報を送信する(ステップS11)。例えば、中央制御部50Bが印刷部10Bの印刷ステータス情報を中央制御部50Aに送信する。次に、中央制御部50(例えば中央制御部50A)は印刷部10A,10Bのうち一方のみが印刷処理を行っているか否かを印刷ステータス情報に基づいて判断する(ステップS12)。
一方の印刷部10のみが印刷処理を行っているときには、中央制御部50は他方の印刷部10に対応するサブタンク20よりも、一方の印刷部10に対応するサブタンク20に対して優先的にインクを供給する、と決定する(ステップS13)。つまり、サブタンク20A,20Bのインク残量に拘わらず、印刷処理中の印刷部10に対応するサブタンク20に対して優先的にインクを供給する。中央制御部50はその優先情報をタンク側制御部27に送信し、またタンク側制御部42にポンプ33の作動を指示する。
ステップS12において否定的な判断(NO)がなされたときには、ステップS14~16を実行する。ステップS14~S16はそれぞれステップS1~S3と同様である。つまり、両方の印刷部10A,10Bが印刷処理を行っているときには、既述のように、サブタンク20A,20Bのインク残量の大小に基づいて優先度を決定する。
ステップS13またはステップS16の次に、タンク側制御部27A,27Bはその優先情報に応じてバルブ34A,34Bを制御する(ステップS17)。ステップS17はステップS4と同様である。またタンク側制御部42がポンプ33を作動させる。次に、ステップS5,S6と同様のステップS18,S19が実行される。
上述の処理によれば、一方の印刷部10のみが印刷処理中であるときには、その一方の印刷部10のサブタンク20に対して優先的にインクが供給される(ステップS12,S13,S17)。よって、一方の印刷部10に対するサブタンク20にインク切れが生じる可能性を低減することができる。他方の印刷部10は印刷処理を行っていないので、他方のサブタンク20にはインク切れは生じない。
また、両方の印刷部10が印刷処理中であるときには、インク残量の少ないサブタンク20に対して優先的にインクが供給される(ステップS12,S14~S17)。したがって、一方のサブタンク20のインク残量が他方のサブタンク20のインク残量に比べて偏って少なくなることを回避できる。
なお、上述の処理では、一方の印刷部10のみが印刷処理中で、他方の印刷部10が印刷処理中でない場合に、その一方の印刷部10のサブタンク20に対して優先的にインクが供給されたが、一方の印刷部10のみが印刷画像データに基づく印刷処理中で、他方の印刷部10がそれ以外の状態である場合に、その一方の印刷部10のサブタンク20に対して優先的にインクが供給されるようにしてもよい。印刷画像データに基づく印刷処理中でない状態とは、例えば、各印刷ヘッド135から連続紙WPにインクを吐出して各印刷ヘッド135の作動状態を確認するためのテスト用の印刷を行うケースが例示される。また、各印刷ヘッド135がフラッシング、クリーニング、およびキャッピングなどの回復処理を実行するケースが例示される。これにより、一方の印刷部10による印刷画像データの印刷処理を優先的に継続することができる。
<優先度決定:インク要求順>
印刷部10A,10Bが印刷処理中であり、サブタンク20A,20Bのインク残量が補充基準値以下で互いにほぼ等しい場合には、サブタンク20A,20Bのうち先にインクの補充が必要となった方に対して優先的にインクを供給してもよい。言い換えれば、サブタンク20A,20Bのうち先にインクを要求した方に対して優先的にインクを供給してもよい。
ここでは、中央制御部50は、インク残量が補充基準値(ここでは17L)以下であるときに、サブタンク20に対するインク供給が必要であると判断する。つまり、中央制御部50は、インク残量が補充基準値以下となったときに、サブタンク20がインクを要求していると判断する。中央制御部50はインク残量が補充基準値以下となったタイミング(以下、補充必要タイミングと呼ぶ)を記憶媒体502に記憶(上書き)する。補充必要タイミングは、不図示のタイマ回路により測定できる。これにより、中央制御部50はサブタンク20ごとに補充必要タイミングを記憶することができる。
図7は、当該インク供給処理の一例を示すフローチャートである。図7のフローでは、図4のフローに比べて、ステップS2a,S3aがさらに実行される。ステップS2aはステップS2の後に実行される。ステップS2aでは、中央制御部50はサブタンク20A,20Bのインク残量が互いにほぼ等しいか否かを判断する。なお、インク残量が互いにほぼ等しいとは、両インク残量の差が所定の差基準値よりも小さいことを意味する。差基準値は例えば予め設定される。
インク残量がほぼ等しいときには、中央制御部50はサブタンク20A,20Bの補充必要タイミングを互いに比較し、補充必要タイミングが早い方のサブタンク20に対して優先的にインクを供給する、と決定する(ステップS3a)。つまり、中央制御部50は、インク残量が先に補充基準値を下回った方のサブタンク20の優先度を、インク残量が後に補充基準値を下回った方のサブタンクの優先度よりも高く決定する。
一方、ステップS2aにおいてインク残量が互いに相違しているときには、中央制御部50はインク残量の少ない方のサブタンク20に対して優先的にインクを供給する、と決定する(ステップS3)。ステップS3またはステップS3aの次には、ステップS4~S6が実行される。
上述の処理によれば、サブタンク20A,20Bのインク残量が同程度であるときには、先にインクの補充が必要となった方のサブタンク20に対して優先的にインクを供給することができる。
<優先度決定:点数制>
中央制御部50は、印刷ステータス情報、インク残量およびインク要求順序に応じた数値を導入し、これらを加算することで、サブタンク20の優先度を算出してもよい。インク要求順序とは、サブタンク20へのインクの補充が必要となった時間的な順番を意味する。つまり、インク要求順序とは、インク残量が補充基準値を下回った順番を意味する。
例えば、印刷ステータス情報に応じた数値β1と、インク残量に応じた数値β2と、インク要求順序に応じた数値β3を導入する。数値β1は、印刷部10が印刷処理中であるときの数値β1が、印刷部10が印刷処理中でないときの数値β1よりも大きくなるように設定される。数値β2は、インク残量が少ないほど大きくなるように設定される。数値β3は、先にインクを要求したサブタンク20に対する数値β3が、後にインクを要求したサブタンク20の数値β3よりも大きくなるように、設定される。
中央制御部50はサブタンク20の優先度を例えば数値β1~β3の和で算出する。つまり、サブタンク20Aの優先度を、印刷部10Aについての数値β1と、サブタンク20Aについての数値β2,β3との総和で算出し、サブタンク20Bの優先度を、印刷部10Bについての数値β1と、サブタンク20Bについての数値β2,β3との総和で算出する。中央制御部50は、優先度の高いサブタンク20に対して優先的にインクを供給する、と決定する。
<優先度決定:インク消費量>
次に、印刷部10における将来のインクの消費量の予測値に基づいて、サブタンク20の優先度を決定する方法について述べる。以下では、インクの消費量の予測値を予測インク消費量と呼ぶ。
中央制御部50は、各印刷部10で消費されるインクの予測インク消費量を、例えば各印刷部10の印刷画像データに基づいて算出する。より具体的には、中央制御部50は、現時点から所定期間Tが経過するまでに各印刷部10で消費されるインクの予測消費量を算出する。図8は、印刷部10が印刷する印刷画像データ(以下、印刷画像データIMと呼ぶ)の一部の一例を概略的に示す図である。図8では、印刷画像データIMのうち、所定期間Tで印刷される領域R1が斜線のハッチングで示されている。この領域R1の印刷は未だ行われておらず、直後の所定期間Tにおいて行われる。この領域R1の長さLは、連続紙WPの搬送方向における領域R1の長さであり、連続紙WPの搬送速度Vと所定期間Tとの積(V・T)で示される。搬送速度Vは例えば予め設定される。
中央制御部50は、印刷部10の印刷画像データIM内の領域R1におけるインクの予測インク消費量を、その印刷画像データIMに基づいて求める。予測インク消費量の算出方法は任意であるものの、例えば、印刷画像データIMの各色の画素の画素値がインク量を示している場合には、中央制御部50はその領域R1内の色ごとの画素値の総和に基づいて、予測インク消費量を色ごとに求めてもよい。ここでは、印刷部10は表面印刷部13および裏面印刷部16を含んでいるので、中央制御部50は表面用の印刷画像データIMの領域R1内の画素値と裏面用の印刷画像データIMの領域R1内の画素値とに基づいて、印刷部10における予測インク消費量を求める。
中央制御部50は、所定期間Tにおいてサブタンク20A,20Bのいずれに対して優先的にインクを供給するのかを、印刷部10A,10Bの予測インク残量に基づいて決定する。具体的には、中央制御部50は、予測インク残量の多い印刷部10に対応するサブタンク20に対して優先的にインクを供給する、と決定する。
図9は、当該インク供給処理の一例を示すフローチャートである。まず、中央制御部50A,50Bは現時点から所定期間Tが経過するまでに印刷部10A,10Bがそれぞれ消費するインクの予測インク消費量を算出する(ステップS21)。所定期間Tは予め設定されており、例えば数秒から数分程度に設定され得る。
中央制御部50の一方は他方に、予測インク消費量を示す予測消費情報を送信する。例えば中央制御部50Bは印刷部10Bの予測消費情報を中央制御部50Aに送信する。
次に、中央制御部50(例えば中央制御部50A)は、印刷部10A,10Bの予測インク消費量を互いに比較する(ステップS22)。次に、中央制御部50はその比較結果に基づいて、サブタンク20A,20Bのうちのいずれに優先的にインクを供給するのかを決定する(ステップS23)。具体的には、中央制御部50は予測インク消費量の多い印刷部10に対応するサブタンク20に対して優先的にインクを供給する、と決定する。言い換えれば、中央制御部50は予測インク消費量の多い方の印刷部10に対応するサブタンク20の優先度を、他方の印刷部10に対応するサブタンク20の優先度よりも高く設定する。中央制御部50はその優先度を示す優先情報をタンク側制御部27に送信する。また、中央制御部50はタンク側制御部42にポンプ33の作動を指示する。
次に、タンク側制御部27は優先情報に基づいてバルブ34を制御する(ステップS24)。具体的には、タンク側制御部27は次の所定期間Tにおいて、優先度の高いサブタンク20に対応するバルブ34を開き、優先度の低いサブタンク20に対応するバルブ34を閉じる。また、タンク側制御部42はポンプ33を作動させる。これにより、この所定期間Tにおいて、予測インク消費量が大きい印刷部10に対応したサブタンク20にインクが供給される。
次に、中央制御部50は印刷部10A,10Bの印刷処理の両方が終了したか否かを判断し(ステップS25)、印刷処理が終了していれば処理を終了する。印刷処理が終了していなければ、中央制御部50は、ステップS24のバルブ制御の開始から所定期間Tが経過したか否かを判断し(ステップS26)、所定期間Tが経過していなければ、再びステップS26を実行する。所定期間Tが経過していれば、再びステップS21が実行される。つまり、その所定期間Tにおいては、バルブ34の開閉状態が維持され、優先度の高いサブタンク20へのインクの供給が維持される。
上述の処理によれば、所定期間Tでの予測インク消費量が多い印刷部10に対応するサブタンク20に対して優先的にインクを供給する。よって、所定期間Tにおいてインク残量がより大幅に減る方のサブタンク20に対して、所定期間Tにおいて優先的にインクを補充できる。よって、サブタンク20にインク切れが生じる可能性を低減することができる。
<優先度決定:予測インク残量>
中央制御部50は、サブタンク20の将来のインク残量を予測し、その予測値に基づいてサブタンク20の優先度を決定してもよい。まず、中央制御部50は所定期間Tの経過後のサブタンク20のインク残量の予測値を求める。ここでいうインク残量の予測値とは、サブタンク20へのインクの供給が行われないと仮定したときの、サブタンク20のインク残量の予測値である。以下では、この予測値を予測インク残量と呼ぶ。
中央制御部50は、残量センサ28によって測定されたサブタンク20の現時点のインク残量から、所定期間Tでの印刷部10の予測インク消費量を減算して、所定期間Tの経過後の予測インク残量を算出する。予測インク消費量は既述のようにして算出される。中央制御部50は予測インク残量の少ない方のサブタンク20に対して優先的にインクを供給する、と決定する。
図10は、当該インク供給処理の一例を示すフローチャートである。まず、各中央制御部50は、次の所定期間Tにおける各印刷部10での予測インク消費量を算出する(ステップS31)。ステップS31はステップS21と同様である。次に、各サブタンク20の現時点のインク残量が測定される(ステップS32)。ステップS32はステップS1と同様である。次に、中央制御部50は、所定期間Tの経過後の各サブタンク20の予測インク残量を、インク残量および予測インク消費量に基づいて算出する(ステップS33)。具体的には、中央制御部50Aは、サブタンク20Aの現時点のインク残量から印刷部10Aでの次の所定期間Tにおける予測インク消費量を減算して、サブタンク20Aの予測インク残量を算出する。サブタンク20Bも同様である。中央制御部50の一方は他方に、予測インク残量を示す予測残量情報を送信する。例えば中央制御部50Bはサブタンク20Bの予測残量情報を中央制御部50Aに送信する。
次に、中央制御部50(例えば中央制御部50A)はサブタンク20A,20Bの予測インク残量を互いに比較する(ステップS34)。次に、中央制御部50はその比較結果に基づいて、サブタンク20A,20Bのいずれに対して優先的にインクを供給するかを決定する(ステップS35)。具体的には、中央制御部50は予測インク残量の少ない方のサブタンク20に優先的にインクを供給する、と決定する。言い換えれば、中央制御部50は予測インク残量の少ない方のサブタンク20の優先度を、予測インク残量の多い方のサブタンク20の優先度よりも高く設定する。中央制御部50はその優先度を示す優先情報をタンク側制御部27に送信する。また中央制御部50はタンク側制御部42にポンプ33の作動を指示する。
次に、タンク側制御部27は優先情報に基づいてバルブ34を制御する(ステップS36)。ステップS36はステップS24と同様である。具体的には、タンク側制御部27は次の所定期間Tにおいて、予測インク残量の少ない方のサブタンク20に対応するバルブ34を開き、他方のバルブ34を閉じる。次にステップS25,S26とそれぞれ同様のステップS37,S38を実行する。
上述の処理によれば、所定期間Tの経過後の予測インク残量が少ない方のサブタンク20に対して、所定期間Tにおいてインクを優先的に供給できる(ステップS31~S36)。したがって、一方のサブタンク20のインク残量が他方のサブタンク20のインク残量に対して偏って低下することをより確実に回避することができる。
<優先度決定:予測インク全消費量>
中央制御部50は、次の所定期間Tにおける各印刷部10の予測インク消費量のみならず、印刷画像データIMのうち残りの領域R2(図8も参照)の印刷で消費されるインクの量の予測値を算出してもよい。以下では、この領域R2におけるインクの消費量の予測値を予測インク全消費量と呼ぶ。予測インク全消費量の算出方法は、予測インク消費量と同様である。
中央制御部50は、残量センサ28によって測定されたサブタンク20の現時点のインク残量と、そのサブタンク20に対応する印刷部10の予測インク全消費量とを比較する。インク残量が予測インク全消費量よりも多いことは、現時点のサブタンク20のインク残量で、印刷画像データIMの領域R2の印刷を賄うことができることを意味する。この場合、当該サブタンク20へのインクの供給の緊急性は低い。よって、中央制御部50は他方のサブタンク20に対して優先的にインクを供給する、と決定してもよい。
図11は、当該インク供給処理の一例を示すフローチャートである。まず、各中央制御部50は、ステップS31と同様に次の所定期間Tにおける各印刷部10での予測インク消費量を算出するとともに、各印刷部10での予測インク全消費量も算出する(ステップS41)。領域R2についての予測インク全消費量は、領域R1についての予測インク消費量と同様にして算出される。
次に、各サブタンク20のインク残量が測定される(ステップS42)。ステップS42はステップS32と同様である。次に、中央制御部50は、インク残量と予測インク全消費量との差をサブタンク20ごとに算出する(ステップS43)。具体的には、中央制御部50Aは、サブタンク20Aのインク残量から印刷部10Aの予測インク全消費量を減算して当該差(第1値)を算出し、中央制御部50Bは、サブタンク20Bのインク残量から印刷部10Bの予測インク全消費量を減算して当該差(第2値)を算出する。
当該差が正であることは、印刷部10が残りの領域R2を印刷するのに、そのサブタンク20内に貯留されたインクで足りることを意味する。当該差が負であることは、印刷部10が残りの領域R2を印刷するのに、そのサブタンク20内に貯留されたインクでは足りないことを意味する。つまり、当該差が正であれば、サブタンク20へのインクの補充は必ずしも必要ではなく、当該差が負であれば、サブタンク20へのインクの補充が必要である。
中央制御部50の一方は他方に、当該差を示す情報を送信する。例えば中央制御部50Bはサブタンク20Bについての当該差を示す情報を中央制御部50Aに送信する。
次に、中央制御部50(例えば中央制御部50A)はサブタンク20A,20Bについての当該差の一方のみが正であるか否かを判断する(ステップS44)。当該差の一方のみが正であるときには、中央制御部50は、当該差が負であるサブタンク20に対して優先的にインクを供給する、と決定する(ステップS45)。つまり、中央制御部50は、当該差が負であるサブタンク20の優先度を、当該差が正であるサブタンク20の優先度よりも高く決定する。要するに、印刷画像データIMの残りの領域R2の印刷のためにインクの補充が必要であるサブタンク20に対して優先的にインクを供給する。
ステップS44において否定的な判断(NO)がなされたときには、ステップS33~S35と同様のステップS46~S48を実行する。つまり、予測インク残量の少ないサブタンク20に対して優先的にインクを供給する。
ステップS45またはステップS48の次に、タンク側制御部27は優先度情報に基づいてバルブ34を制御する(ステップS49)。ステップS49はステップS36と同様である。また、タンク側制御部42はポンプ33を作動させる。次に、ステップS37,S38と同様のステップS50,S51を実行する。
上述の処理によれば、一方のサブタンク20に、印刷画像データIMの印刷を終了するのに必要な量のインクが貯留されており、他方のサブタンク20に、印刷画像データIMの印刷を終了するのに必要な量のインクが貯留されていない場合には、他方のサブタンク20にインクが優先的に供給される。これによれば、一方のサブタンク20にはインク切れが生じず、また、他方のサブタンク20においてインク切れが生じる可能性も低減することができる。
また、両方のサブタンク20に、印刷画像データIMの印刷を終了するのに必要なインクが貯留されていない場合には、予測インク残量の低い方のサブタンク20に優先的にインクが供給される。よって、サブタンク20のインク残量の一方が他方に比べて偏って低下することを回避できる。
<優先度決定:重み付け>
次に、インク残量と予測インク消費量とを用いた優先度決定の他の一例について説明する。中央制御部50は、現時点のサブタンク20のインク残量と、次の所定期間Tにおける印刷部10での予測インク消費量とに対して重み付けを行って、サブタンク20の優先度を算出してもよい。図12は、サブタンク20についての優先度(以下では、優先度SPとも呼ぶ)を算出する構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。例えば中央制御部50は乗算器51,52と減算器53とを含んでいる。
乗算器51には、重み付け係数α1および次の所定期間Tにおける予測インク消費量(以下、予測インク消費量Cとも呼ぶ)が入力される。重み付け係数α1は例えば予め設定される。乗算器51は重み付け係数α1と予測インク消費量Cとの積(α1・C)を減算器53に出力する。乗算器52には、重み付け係数α2、および、残量センサ28によって測定されたサブタンク20のインク残量(以下、インク残量F20とも呼ぶ)が入力される。重み付け係数α2は例えば予め設定される。乗算器52は重み付け係数α2とインク残量F20との積(α2・F20)を減算器53に出力する。減算器53は積(α1・C)から積(α2・F20)を減算した値を、優先度SPとして出力する。これを式で示すと、以下の通りとなる。
SP=α1・C-α2・F20 ・・・(1)
この優先度SPは、予測インク消費量Cが多いほど、かつ、インク残量F20が少ないほど、高くなる。
中央制御部50はサブタンク20ごとに優先度SPを算出する。例えば、中央制御部50Aはサブタンク20Aのインク残量F20および印刷部10Aの予測インク消費量Cを式(1)に代入して、サブタンク20Aの優先度SPを算出し、中央制御部50Bはサブタンク20Bのインク残量F20および印刷部10Bの予測インク消費量Cを式(1)に代入して、サブタンク20Bの優先度SPを算出する。
中央制御部50はサブタンク20Aの優先度SPとサブタンク20Bの優先度SPとを互いに比較し、優先度SPが高い方のサブタンク20に対して、次の所定期間Tで優先的にインクを供給する、と決定する。
これによれば、重み付け係数α1,α2を適宜に調整することで、インク残量および予測インク消費量を相対的に程度重視するのかを、適宜に設定できる。
<優先度決定:切り替え>
サブタンク20のインク残量が比較的に多い場合には、予測インク消費量を用いずに、インク残量に基づいてサブタンク20にインクを供給し、インク残量が比較的に低い場合には、インク残量および予測インク消費量の両方に基づいてサブタンク20にインクを供給してもよい。
図13は、当該インク供給処理の一例を示すフローチャートである。まず、サブタンク20A,20Bのインク残量が測定される(ステップS61)。ステップS61はステップS1と同様である。
次に、中央制御部50(例えば中央制御部50A)はサブタンク20A,20Bのインク残量の両方が切替基準値以上であるか否かを判断する(ステップS62)。切替基準値は補充基準値よりも小さく、例えば5Lである。切替基準値は例えば予め設定される。
インク残量の両方が切替基準値以上であるときには、中央制御部50は予測インク消費量を用いずにインク残量に基づいたインク供給処理を行う(ステップS63)。このインク供給処理は、図4~図7を参照して説明したインク供給処理と同様である。例えば、印刷装置100はインク残量の少ない方のサブタンク20に対して優先的にインクを供給する。
一方で、インク残量の少なくともいずれか一方が切替基準値未満であるときには、中央制御部50はインク残量および予測インク残量に基づいたインク供給処理を行う(ステップS64)。このインク供給処理は、図8~図12を参照して説明したインク供給処理と同様である。例えば印刷装置100は予測インク残量の少ない方のサブタンク20に対して優先的にインクを供給する。
これによれば、インク残量の両方が切替基準値以上であるときに、優先度決定の処理負荷を軽くすることができる。一方で、インク残量の少なくともいずれか一方が切替基準値未満であるときには、インク残量の偏りをより確実に回避して、印刷部10A,10Bが並行して印刷を続行できる期間を長くできる。
<予測インク消費量:ページ数>
上述の例では、中央制御部50は、印刷画像データIMの領域R1での各色の画素値に基づいて、所定期間Tにおける予測インク消費量を算出し、印刷画像データIMの領域R2での各色の画素値に基づいて予測インク全消費量を算出した。しかしながら、中央制御部50はより簡易的に予測インク消費量および予測インク全消費量を算出してもよい。例えば、印刷画像データIMの領域R1または領域R2のページ数(小数を含む)に基づいて、予測インク消費量または予測インク全消費量を算出してもよい。具体的には、中央制御部50は当該ページ数と所定の係数を乗算して予測インク消費量または予測インク全消費量を算出してもよい。
<予測インク消費量:メンテナンス処理>
印刷部10は、印刷処理とは別の処理において、インクを消費することもある。このような処理の一例としてフラッシング処理などのメンテナンス処理が挙げられる。フラッシング処理とは、印刷ヘッド135,165の吐出口の状態を良好にすべく、印刷ヘッド135,165からインクを吐出する処理である。また、印刷ヘッド135,165の各々の吐出口に吸引装置を当接させ、吸引装置がインクを吸引する処理もある。
このように、インクが消費されるメンテナンス処理が予定されている場合には、中央制御部50は、そのメンテナンス処理に使用されるインクの消費量も含めて、予測インク消費量を求めてもよい。メンテナンス処理が行われるタイミングは予め設定されていてもよい。例えば、印刷部10の起動時、終了時、印刷処理の開始時および印刷処理の終了時の少なくともいずれかのタイミングでメンテナンス処理を行ってもよい。また、メンテナンス処理で消費されるインクの量も例えば予め設定されていてもよい。
例えば、次の所定期間Tにおいて印刷部10でメンテナンス処理のみが行われる場合には、中央制御部50は、その印刷部10の予測インク消費量として、予め設定されたインクの消費量を設定する。また、次の所定期間Tにおいて印刷部10でメンテナンス処理および印刷処理の両方が行われる場合には、中央制御部50は、メンテナンス処理で使用されるインクの消費量と、印刷画像データIMに基づいて算出されたインクの消費量との和を、予測インク消費量として算出する。
<インク残量の測定>
次に、残量センサ28について説明する。残量センサ28の種類は特に限定される必要はないものの、以下では、その一例について述べる。図14は、サブタンク20の構成の一例を概略的に示す図である。サブタンク20内には、残量センサ28が設けられる。図14の例では、残量センサ28は液面センサ281,282を含んでいる。液面センサ281はいわゆるレベルセンサであって、サブタンク20内の第1高さ位置に設けられている。液面センサ281は第1高さ位置において、インクの液面を検出する。つまり、液面センサ281はインクの液面が第1高さ位置を含む所定範囲内にあることを検出する。第1高さ位置は、インク残量が第1基準値となるときの高さ位置である。よって、液面センサ281はインク残量が第1基準値を含む所定範囲内にあることを検出する、ともいえる。所定範囲は小さいので、実質的には、液面センサ281はインク残量が第1基準値となったことを検出できる。第1基準値は、サブタンク20の容量(ここでは18L)よりも小さい値に設定され、例えばサブタンク20の容量よりも1Lだけ小さい値(例えば17L)に設定される。ここでは、第1基準値は補充基準値と等しい。
液面センサ282もいわゆるレベルセンサであって、サブタンク20内において、第1高さ位置よりも高い第2高さ位置に設けられている。液面センサ282は第2高さ位置において、液面を検出する。つまり、液面センサ282は、インクの液面が第2高さ位置を含む所定範囲内にあることを検出する。第2高さ位置は、インク残量が第2基準値となるときの高さ位置である。よって、液面センサ282は実質的には、インク残量が第2基準値となったことを検出する。第2基準値は、サブタンク20の容量(ここでは18L)以下の値に設定され、例えばサブタンク20の容量と同じ値(例えば18L)に設定される。
本実施の形態では、サブタンク20のインク残量をより高い精度で求める。図15は、インク残量の測定機能を実現する構成の一例を概略的に示すブロック図である。以下では、説明の簡単のために、代表的にサブタンク20Aのインク残量の測定について述べる。
図15の例では、インク残量算出部271、作動時間測定部272、送液能力算出部273およびバルブ・ポンプ制御部274が設けられている。これらの機能部は、適宜に制御部27A,42などに実装される。
インク残量算出部271はサブタンク20Aのインク残量を算出する。図1も参照して、インク残量算出部271は、後に詳述するように、サブポンプ23A,25Aの作動時間と送液能力とに基づいて、サブタンク20Aから印刷部10Aへのインクの流出量を算出し、バルブ34Aが開いた状態でのメインポンプ33の作動時間と送液能力とに基づいて、メインタンク40からサブタンク20Aへのインクの流入量を算出し、算出したインクの流入量および流出量に基づいて、サブタンク20Aのインク残量を算出する。インク残量算出部271は例えばタンク側制御部27Aに実装され得る。
送液能力算出部273は、サブポンプ23Aの送液能力、サブポンプ25Aの送液能力およびメインポンプ33の送液能力を取得する。これらの送液能力は後に詳述する手法で算出することができるものの、予め設定された値を採用してもよい。送液能力算出部273の機能は例えばタンク側制御部27に実装され得る。
バルブ・ポンプ制御部274はサブポンプ23A,25A、メインポンプ33およびバルブ24A,26A,34Aにそれぞれ制御信号を出力してこれらを制御する。なお、ここでは、バルブ・ポンプ制御部274はバルブ34A,34Bを相互に排他的に制御する。つまり、バルブ34Aが開いているときには、バルブ34Bは閉じており、バルブ34Bが開いているときは、バルブ34Aは閉じている。バルブ・ポンプ制御部274の機能は、例えば、タンク側制御部27Aおよびタンク側制御部42に適宜に実装される。
作動時間測定部272は例えばタイマ回路(不図示)を含んでおり、上記制御信号に基づいてサブポンプ23Aの作動時間、サブポンプ25Aの作動時間およびメインポンプ33の作動時間をそれぞれ累積して測定する。より具体的には、作動時間測定部272は、バルブ24Aが開いた状態でのサブポンプ23Aの作動時間を累積して測定し、バルブ26Aが開いた状態でのサブポンプ25Aの作動時間を累積して測定し、バルブ34Aが開いた状態でのメインポンプ33の作動時間を累積して測定する。作動時間測定部272は例えばタンク側制御部27Aに実装され得る。
インク残量算出部271は、サブタンク20A内の液面センサ281が液面を検出したとき、つまり、サブタンク20Aのインク残量が第1基準値となったときに、作動時間測定部272に作動時間の測定を指示する。よって、作動時間測定部272は、インク残量が第1基準値となった時点(以下、基準時点と呼ぶ)から現時点までの各ポンプ23A,25A,33の作動時間を測定する。
基準時点から現時点までの期間においてメインタンク40からサブタンク20Aに供給されるインクの流入量は、バルブ34Aが開いた状態でのポンプ33の作動時間と送液能力との積で表される。よって、インク残量算出部271は以下の式(2)に基づいて、基準時点から現時点までのサブタンク20からのインクの流入量(以下、流入量Fi20とも呼ぶ)を算出する。
Fi20=t33・P33 ・・・(2)
ここで、t33は、基準時点から現時点までの期間において、バルブ34Aが開いた状態でのメインポンプ33の作動時間の累積値を示し、P33は、メインポンプ33の送液能力を示す。
また、基準時点から現時点までの期間においてサブタンク20Aから印刷部10Aに供給されるインクの流出量は、バルブ24Aが開いた状態でのポンプ23Aの作動時間と送液能力との積、および、バルブ26Aが開いた状態でのポンプ25Aの作動時間と送液能力との積の和で表される。よって、インク残量算出部271は以下の式(3)に基づいて、基準時点から現時点までのサブタンク20へのインクの流出量(以下、流出量Fo20とも呼ぶ)を算出する。
Fo20=t23・P23+t25・P25 ・・・(3)
ここで、t23は、基準時点から現時点までの期間においてバルブ24Aが開いた状態でのサブポンプ23Aの作動時間の累積値を示し、t25は、基準時点から現時点までの期間においてバルブ26Aが開いた状態でのサブポンプ25Aの作動時間の累積値を示し、P23,P25はそれぞれサブポンプ23A,25Aの送液能力を示す。
インク残量算出部271は、第1基準値(以下、第1基準値Fref1とも呼ぶ)とインクの流入量Fi20と流出量Fo20とに基づいて、以下の式でサブタンク20Aのインク残量(以下、インク残量F20とも呼ぶ)を算出する。
F20=Fref1+Fi20-Fo20 ・・・(4)
これによれば、簡易な液面センサ281(レベルセンサ)を用いて、サブタンク20Aのインク残量F20を算出することができる。サブタンク20Bも同様である。
<ポンプの送液能力>
次に、サブポンプ23A,25Aの送液能力P23,P25の算出方法の一例について述べる。まず、送液能力P23,P25の初期値を設定する。例えばサブポンプ23A,25Aの設計仕様から送液能力P23,P25の初期値を設定してもよい。
図16は、送液能力算出処理の一例を示すフローチャートである。このフローは印刷部10Aの印刷処理の実行中に実行され得る。まず、送液能力算出部273は、液面センサ282が液面を検出したか否かを判断する(ステップS71)。つまり、サブタンク20Aのインク残量が第2基準値であるか否かを判断する。インク残量が第2基準値となっていなければ、送液能力算出部273は後述の処理を実行せずに、再びステップS71を実行する。
インク残量が第2基準値となったときには、送液能力算出部273は作動時間測定部272に、サブポンプ23A,25Aの作動時間の測定を指示する(ステップS72)。なお、ここでは、サブタンク20Aのインク残量が第1基準値(=補充基準値)よりも多いときには、サブタンク20Aにインクが供給されない。よって、インク残量が第2基準値となった時点以後において、インク残量が第1基準値以下になるまでは、サブタンク20Aにはインクが供給されない。したがって、ここでは、作動時間測定部272はメインポンプ33の作動時間を測定する必要がない。
作動時間測定部272は当該指示に応答して、サブポンプ23Aが作動しているか否かを判断する(ステップS73)。具体的には、作動時間測定部272はバルブ24Aが開いた状態でサブポンプ23Aが作動しているか否かを判断する。サブポンプ23Aが作動しているときには、作動時間測定部272はサブポンプ23Aの作動時間を累積する(ステップS74)。具体的には、作動時間測定部272は、サブポンプ23Aの作動開始に同期してサブポンプ23A用のタイマ回路を初期化しつつ動作させる。そして、サブポンプ23Aが作動している期間では、当該タイマ回路を中断せずに、タイマ回路によるタイマ値のカウントを継続させる。一方で、サブポンプ23Aが作動していないときには、作動時間を累積しない。つまり、サブポンプ23A用のタイマ回路のカウントを中断する。
次に、作動時間測定部272はサブポンプ25Aが作動しているか否かを判断する(ステップS75)。具体的には、作動時間測定部272はバルブ26Aが開いた状態でサブポンプ25Aが作動しているか否かを判断する。サブポンプ25Aが作動しているときには、作動時間測定部272はサブポンプ25Aの作動時間を累積する(ステップS76)。具体的には、作動時間測定部272は、サブポンプ25Aの作動開始に同期してサブポンプ25A用のタイマを初期化しつつ動作させる。そして、サブポンプ25Aが作動している期間では、当該タイマ回路を中断せずに、タイマ回路によるタイマ値のカウントを継続させる。一方で、サブポンプ25Aが作動していないときには、作動時間を累積しない。つまり、サブポンプ25A用のタイマ回路のカウントを中断する。
次に、送液能力算出部273は、液面センサ281が液面を検出したか否かを判断する(ステップS77)。つまり、送液能力算出部273は、サブタンク20Aのインク残量が第1基準値であるか否かを判断する。インク残量が第1基準値となっていなければ、再びステップS73が実行される。つまり、インク残量が第1基準値に低下するまで、サブポンプ23A,25Aの作動時間が累積される。
インク残量が第1基準値となっているときには、送液能力算出部273は、サブポンプ23A,25Aの作動時間に基づいて、以下に説明するように、サブポンプ23A,25Aの送液能力を算出(更新)する(ステップS78)。以下では、まず、送液能力の算出手法の考え方について説明する。
上述のステップS71~S77によって、インク残量が第2基準値から第1基準値に低下するまでの期間(以下、サブ測定期間とも呼ぶ)におけるサブポンプ23A,25Aの作動時間(以下、作動時間t23d,t25dとも呼ぶ)が測定される。このサブ測定期間においてサブタンク20Aから印刷部10Aに供給されるインクの流出量の算出値Fo20cは、以下の式で表すことができる。
Fo20c=F23c+F25c ・・・(5)
F23c=t23d・P23 ・・・(6)
F25c=t25d・P25 ・・・(7)
ここで、F23cは、サブ測定期間においてサブポンプ23Aを介して印刷部10Aに供給されるインクの流出量の算出値を示し、F25cは、サブ測定期間においてサブポンプ25Aを介して印刷部10Aに供給されるインクの流出量の算出値を示す。
一方で、サブ測定期間におけるインクの流出量の実際値Fo20aは以下の式で表される。
Fo20a=Fref2-Fref1 ・・・(8)
ここで、Fref1,Fref2はそれぞれ第1基準値および第2基準値を示す。
サブポンプ23A,25Aの送液能力P23,P25(初期値)が実態に即した適切な値であれば、式(5)~(7)に基づいて得られたインクの流出量の算出値Fo20cは、インクの流出量の実際値Fo20aと一致する。しかしながら、初期値が実態に即した値となっていなければ、算出値Fo20cは実際値Fo20aと相違する。
そこで、送液能力算出部273は、算出値Fo20cと実際値Fo20aとの差ΔF20(=Fo20c-Fo20a)を算出し、その差ΔF20に基づいて、サブポンプ23A,25Aの送液能力P23,P25の値をそれぞれ以下の式で算出(更新)する。
P23=(F23c-ΔF20・F23c/Fo20c)/t23d ・・・(9)
P25=(F25c-ΔF20・F25c/Fo20c)/t25d ・・・(10)
これにより、よりサブポンプ23A,25Aの送液能力P23,P25の値を実際の値に近づけることができる。サブポンプ23B,25Bの送液能力も同様である。
なお、図16の送液能力算出処理は繰り返し行われてもよい。これによれば、サブタンク20Aのインク残量が第2基準値から第1基準値に低下するたびに、サブポンプ23A,25Aの送液能力P23,P25が更新される。よって、サブポンプ23A,25Aに経年劣化が生じても、その経年劣化を反映して送液能力P23,P25を更新することができる。また、インクの種類が変わると、サブポンプ23A,25Aの送液能力も変化するものの、そのようなインクの変更に応じて、サブポンプ23A,25Aの送液能力P23,P25を更新することもできる。
次に、メインポンプ33の送液能力P33の算出方法について述べる。送液能力算出部273は、印刷部10Aの印刷処理の実行中において、サブタンク20Aのインク残量が第1基準値Fref1(17L)となるたびに、後述の送液能力P33の算出処理を実行してもよい。
中央制御部50は、サブタンク20Aのインク残量が第1基準値Fref1以下であるときには、サブタンク20Aへのインクの補充が必要であると判断する。この場合、サブタンク20A,20Bの優先度に応じて、バルブ34Aが開いてサブタンク20Aにインクが供給される。印刷部10A,10Bでの印字率がさほど高くない場合には、サブタンク20A,20Bのインク残量は再び第2基準値まで増加し得る。
送液能力算出部273は、サブタンク20Aの液面センサ281が液面を検出したときに、作動時間測定部272に対して、サブポンプ23A,25Aおよびメインポンプ33の作動時間の測定を指示する。つまり、送液能力算出部273は、サブタンク20Aのインク残量が第1基準値Fref1となったときに、作動時間の測定を指示する。
作動時間測定部272は、当該指示に応じて、サブポンプ23A用のタイマ回路、サブポンプ25A用のタイマ回路およびポンプ33用のタイマ回路を初期化する。これにより、インク残量が第1基準値Fref1となった時点以後のサブポンプ23A,25Aおよびメインポンプ33の作動時間をそれぞれ累積して測定できる。ただし、作動時間測定部272は、バルブ34Aが開いた状態でのメインポンプ33の作動時間を測定する。言い換えれば、バルブ34Bが開いているときには、メインポンプ33の作動時間を累積しない。
送液能力算出部273は液面センサ282が液面を検出したときに、メインポンプ33の送液能力P33を算出(更新)する。つまり、送液能力算出部273は、サブタンク20Aのインク残量が第2基準値となったときに、送液能力P33を算出する。以下では、まず、送液能力P33の算出方法の考え方について述べる。
サブタンク20Aのインク残量が第1基準値Fref1から第2基準値Fref2に増加するまでの期間(以下、メイン測定期間と呼ぶ)でのインク残量の増加量ΔFuは、第1基準値Fref1および第2基準値Fref2を用いて以下の式で表される。
ΔFu=Fref2-Fref1 ・・・(11)
一方で、増加量ΔFuは、メイン測定期間におけるサブタンク20Aのインクの流入量および流出量の差で表されるので、以下の式でも表される。
ΔFu=t33u・P33-t23u・P23-t25u・P25 ・・・(12)
ここで、t33uは、メイン測定期間においてバルブ34Aが開いた状態でのメインポンプ33の作動時間の累積値を示し、t23u,t25uは、それぞれ、メイン測定期間におけるポンプ23A,25Aの作動時間の累積値を示す。
式(11)および式(12)から以下の式を導くことができる。
P33={(Fref2-Fref1)+t23u・P23+t25u・P25}/t33u ・・・(13)
送液能力算出部273は式(13)を用いて、メインポンプ33の送液能力P33を算出する。
なお、メイン測定期間において、印刷部10Aが印刷処理などのインク消費を伴う処理を行っていない場合、作動時間t23u,t25uが零となる。この場合、式(13)から理解できるように、送液能力P23,P25の値を用いずに送液能力P33を算出することができる。よって、送液能力P23,P25の誤差に影響されずに、高い精度で送液能力P33を算出することができる。
以上のように、この印刷装置100は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この印刷装置100がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
例えば、印刷部10A,10Bの一方のみが印刷処理を行っているときに、当該一方に対応するサブタンク20に対して優先的にインクを供給し、印刷部10A,10Bの両方が印刷処理を行っているときに、サブタンク20A,20Bのいずれに対して優先的にインクを供給するのかを、サブタンク20A,20Bの予測インク残量に基づいて決定してもよい。
また、例えば、印刷装置100は3以上の印刷部10および3以上のサブタンク20を含んでいてもよい。複数のサブタンク20のうち最も優先度の高いサブタンク20のみにインクを供給してもよく、優先度に応じた流量でインクを各サブタンク20に供給してもよい。
また、3以上のサブタンク20が設けられている場合には、サブタンク20の個数未満のメインタンク40およびメインポンプ33が設けられてもよい。この場合、メインポンプ33の送液能力の総和は、複数の印刷部10のサブポンプ23,25の総和未満に設定される。
また、上述の例では、中央制御部50、タンク側制御部27,42が設けられている。しかるに、これらが担う機能は単一の制御部によって実現されてもよい。あるいは、各機能の少なくともいずれか一つが上述の説明とは別の制御部によって実現されてもよい。例えば、ポンプ33の制御はタンク側制御部27によって行われてもよい。
また、上述の例では、サブタンク20Aのインク残量とサブタンク20Bのインク残量とが同程度となるように、バルブ34A,34Bが制御されている態様を説明した。しかしながら、必ずしもこれに限らない。例えば、サブタンク20Bのインク残量に対するサブタンク20Aのインク残量の比が所定比を含む所定の範囲内となるように、バルブ34A,34Bを制御してもよい。これによっても、印刷部10が並行して印刷処理を行う期間を適宜に調整することができる。
上述の例では、印刷装置100は、複数の印刷部10として2つの印刷部10A、10Bを備えていた。そして、2つの印刷部10A、10Bのそれぞれにサブタンク20A、20Bを設けると共に、これらのサブタンク20A、20Bに対してメインタンク40からインクを選択的に供給していた。しかし、印刷部10の表面印刷部13、裏面印刷部16のそれぞれに、バルブ24、26およびサブタンク20、20を設けると共に、これらのサブタンク20、20に対してメインタンク40からインクを供給することも可能である。この場合、中央制御部50がバルブ24、26を制御することによりメインタンク20からサブタンク20、20にインクを選択的に供給することが可能になる。
10A 第1印刷部(印刷部)
10B 第2印刷部(印刷部)
13A,13B 表面印刷部
16A,16B 裏面印刷部
20A 第1サブタンク(サブタンク)
20B 第2サブタンク(サブタンク)
23A 表面側ポンプ(サブタンク)
25A 裏面側ポンプ(サブタンク)
27,42,50 制御部
31 共通管
32A 第1枝管(枝管)
32B 第2枝管(枝管)
34A 第1バルブ(バルブ)
34B 第2バルブ(バルブ)
40 メインタンク
100 印刷装置

Claims (15)

  1. 印刷媒体に対してインクを塗布して印刷を行う第1印刷部と、
    前記第1印刷部に対してインクを供給する第1サブタンクと、
    印刷媒体に対してインクを塗布して印刷を行う第2印刷部と、
    前記第2印刷部に対してインクを供給する第2サブタンクと、
    前記第1サブタンクに対してインクを供給する第1枝管と、
    前記第2サブタンクに対してインクを供給する第2枝管と、
    前記第1枝管および前記第2枝管にインクを供給する共通管と、
    前記共通管にインクを供給するメインタンクと、
    前記第1枝管に介装された第1バルブと、
    前記第2枝管に介装された第2バルブと、
    前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのいずれに対して優先的にインクを供給するのかを、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクの各々のインク残量、ならびに、前記第1印刷部および前記第2印刷部の各々のインクの予測消費量の少なくともいずれか一方に基づいて決定し、その決定結果に基づいて前記第1バルブおよび前記第2バルブを制御する制御部と
    を備える、印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのインク残量を比較し、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのうち、インク残量の少ない方のサブタンクに対してインクを優先的に供給すると決定する、印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記第1印刷部が印刷処理中であり、前記第2印刷部が印刷処理中でないときには、前記制御部は、前記第2サブタンクよりも前記第1サブタンクに対して優先的にインクを供給する、と決定する、印刷装置。
  4. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記第1印刷部が印刷画像データに基づく印刷処理中であり、前記第2印刷部がそれ以外の状態であるときには、前記制御部は、前記第2サブタンクよりも前記第1サブタンクに対して優先的にインクを供給する、と決定する、印刷装置。
  5. 請求項4に記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、前記第1印刷部が印刷画像データに基づく印刷処理中であり、前記第2印刷部が印刷状態を確認するための印刷処理を実行中であるときには、前記制御部は、前記第2サブタンクよりも前記第1サブタンクに対して優先的にインクを供給する、と決定する、印刷装置。
  6. 請求項4に記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、前記第1印刷部が印刷画像データに基づく印刷処理中であり、前記第2印刷部が回復処理を実行中であるときには、前記制御部は、前記第2サブタンクよりも前記第1サブタンクに対して優先的にインクを供給する、と決定する、印刷装置。
  7. 請求項2から請求項6のいずれか一つに記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、
    前記第1サブタンクのインク残量がある補充基準値よりも少ないときに、前記第1サブタンクへのインクの供給が必要であると判断し、
    前記第2サブタンクのインク残量が前記補充基準値よりも少ないときに、前記第2サブタンクへのインクの供給が必要であると判断し、
    前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのインク残量がいずれも前記補充基準値よりも少なく、かつ、前記第1サブタンクのインク残量と前記第2サブタンクのインク残量との差がある差基準値よりも小さいときには、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのうちインク残量が前記補充基準値を下回ったタイミングが早い方のサブタンクに対して優先的にインクを供給する、と決定する、印刷装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、現時点から所定期間が経過するまでの前記第1印刷部の予測インク消費量および前記第2印刷部の予測インク消費量を算出し、前記第1印刷部の予測インク消費量が前記第2印刷部の予測インク消費量よりも多いときに、前記所定期間において前記第2サブタンクよりも前記第1サブタンクに対して優先的にインクを供給する、と決定する、印刷装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、現時点から所定期間が経過するまでの前記第1印刷部の予測インク消費量および前記第2印刷部の予測インク消費量を算出し、
    前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクの各々について、インクを供給する優先度を、対応する印刷部の予測インク消費量が多く、かつ、現時点のインク残量が少ないサブタンクほど高く決定する、印刷装置。
  10. 請求項9に記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、前記第1サブタンクのインク残量および前記第1印刷部の予測インク消費量に基づいて、前記所定期間の経過後の前記第1サブタンクの予測インク残量を算出し、前記第2サブタンクのインク残量および前記第2印刷部の予測インク消費量に基づいて、前記所定期間の経過後の前記第2サブタンクの予測インク残量を算出し、前記所定期間において、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのうち、予測インク残量の少ない方のサブタンクに対して優先的にインクを供給する、と決定する、印刷装置。
  11. 請求項9に記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、前記第1サブタンクのインク残量および前記第1印刷部の予測インク消費量にそれぞれ重みづけを行って前記第1サブタンクの優先度を算出し、前記第2サブタンクのインク残量および前記第2印刷部の予測インク消費量にそれぞれ重みづけを行って前記第2サブタンクの優先度を算出する、印刷装置。
  12. 請求項6から請求項11のいずれか一つに記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、
    前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのインク残量の両方が切替基準値以上であるときには、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのいずれに対して優先的にインクを供給するのかを、前記第1印刷部および前記第2印刷部の予測インク残量を用いずに、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのインク残量に基づいて決定し、
    前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのインク残量の少なくともいずれか一方が前記切替基準値未満であるときには、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのいずれに対して優先的にインクを供給するのかを、前記第1サブタンクおよび前記第2サブタンクのインク残量ならびに前記第1印刷部および前記第2印刷部の予測インク残量に基づいて決定する、印刷装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか一つに記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、
    印刷画像データの残りの印刷に必要な前記第1印刷部の予測インク全消費量および前記第2印刷部のインクの予測全消費量を算出し、
    前記第1サブタンクのインク残量から前記第1印刷部のインクの予測全消費量を減算した第1値と、前記第2サブタンクのインク残量から前記第2印刷部のインクの予測全消費量を減算した第2値とを算出し、
    前記第1値が正であり前記第2値が負であるときに、前記第2サブタンクに対して優先的にインクを供給する、と決定する、印刷装置。
  14. 請求項1から請求項13のいずれか一つに記載の印刷装置であって、
    前記共通管に介装されたメインポンプと、
    前記第1サブタンクから前記第1印刷部にインクを送液する少なくとも一つのサブポンプと、
    前記第1サブタンクのインク残量が第1基準値であることを検出する第1液面センサと
    を備え、
    前記制御部は、
    前記第1バルブおよび前記第2バルブを相互に排他的に制御し、
    前記第1バルブが開いた状態で前記メインポンプが作動する作動時間と、前記メインポンプの送液能力の値とに基づいて、前記メインポンプから前記第1サブタンクに供給されるインクの流入量を求め、
    前記サブポンプの作動時間と、前記サブポンプの送液能力の値とに基づいて、前記第1サブタンクから前記第1印刷部に供給されるインクの流出量を求め、
    前記第1サブタンクのインク残量が前記第1基準値となったことを前記第1液面センサが検出した時点からの前記第1サブタンクへのインクの流入量および流出量に基づいて、前記第1サブタンクのインク残量を算出する、印刷装置。
  15. 請求項14に記載の印刷装置であって、
    前記第1サブタンクのインク残量が、前記第1基準値よりも大きな第2基準値であることを検出する第2液面センサを備え、
    前記第1印刷部は、
    前記第1サブタンクからインクが供給される表面印刷部と、
    前記第1サブタンクからインクが供給される裏面印刷部と
    を含み、
    前記少なくとも一つのサブポンプは、
    前記第1サブタンクから前記表面印刷部にインクを送液する表面側ポンプと、
    前記第1サブタンクから前記裏面印刷部にインクを送液する裏面側ポンプと
    を含み、
    前記制御部は、前記第1サブタンクのインク残量が前記第2基準値から前記第1基準値に至るまでのサブ測定期間内における前記表面側ポンプの作動時間と前記表面側ポンプの送液能力の値との第1積、および、前記サブ測定期間内における前記裏面側ポンプの作動時間と前記裏面側ポンプの送液能力の値との第2積の和であるインクの流出量の算出値と、前記第2基準値と前記第1基準値との差であるインクの流出量の実際値とに基づいて、前記表面側ポンプの送液能力の値および前記裏面側ポンプの送液能力の値を更新する、印刷装置。
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