JP7422287B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本開示は、冷凍機能を備えた冷蔵庫であって、冷凍品を解凍することが可能な貯蔵室を有する冷蔵庫に関する。
特許文献1は、変温室内に解凍装置を備えた冷蔵庫が示されている。この冷蔵庫は、解凍装置内の解凍室に冷気を供給して解凍室内の食品を冷却することが出来ると共に、高周波を照射すれば食品を解凍することも出来るように構成されている。そして、変温室の内背面に冷蔵庫冷却風路から冷気を吐出する冷気吐出口が設けられていて、冷気吐出口から吐出された冷気が変温室の内背面と解凍室との間に設けられた背面スペースを通って解凍室内に導入される構成となっている。
中国実用新案公告第207095130号明細書
本開示は、冷凍品を解凍することが可能な冷蔵庫において、解凍中に発生する水蒸気を解凍室から効率よく排出して結露や着霜を防止するとともに、解凍時間が長時間化するのを防止した冷蔵庫を提供する。
本開示における冷蔵庫は、保存物を収納可能で冷却可能な貯蔵空間を有する少なくとも一つの貯蔵室と、冷気を形成する冷却機構と、前記冷却機構からの冷気を前記貯蔵室内に分散させて導入する分散導入風路と、前記保存物を加熱する高周波電界を前記貯蔵室内に形成する発振電極及び対向電極と、前記発振電極と対向電極とで前記貯蔵室内に高周波電界を形成させる制御部と、前記貯蔵室内の冷気を排出する排出部と、を備え、前記制御部は前記高周波電界による保存物の加熱中に前記分散導入風路から前記貯蔵室内に冷気を分散導入する構成としてある。
本発明によれば、解凍中に貯蔵室内に冷気が分散して供給されるので、解凍中の食品から水蒸気が発生しても貯蔵室から効率よく確実に除去されると共に、少ない冷気量で水蒸気排出ができるので解凍の長時間化も抑制でき、かつ、冷気導入や水蒸気排出のために新設する風路スペースを最小化することも出来て冷蔵庫の有効内容積を従来技術よりも大きくすることが出来る。
実施の形態1の冷蔵庫の縦断面図 実施の形態1の冷蔵庫における冷凍/解凍室を示す正面断面図 図2のA-A断面図 実施の形態1の冷蔵庫における冷凍/解凍室の組み立てを示す図 実施の形態1の冷蔵庫における発振電極および対向電極の背面からの見取り図 実施の形態1の冷蔵庫における発振電極および対向電極の上からの見取り図 実施の形態1の冷蔵庫に設けられた誘電加熱機構の構成を示すブロック図 実施の形態1の冷蔵庫における高周波解凍中の冷気導入制御を示す波形図り図 実施の形態2の冷蔵庫における冷凍/解凍室を示す正面断面図 図9のB-B断面図 実施の形態2の冷蔵庫における冷凍/解凍室の組み立てを示す図 実施の形態3の冷蔵庫における冷凍/解凍室を示す正面断面図 図12のC-C断面図
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、特許文献1に記載された冷蔵庫が知られていた。この冷蔵庫は、解凍室内の食品を冷却することが出来るものの、解凍中は変温室ダンパーを閉じて冷気を導入しない運転を念頭に置いている。しかしながら、解凍中は食品温度が上がるために、食品から水蒸気が蒸発し解凍室内で結露したり着霜したりして、回路の絶縁部を導通させたり、風路の送風抵抗を増やしたり、扉やレールなど可動部に着霜固着させる懸念がある。
上記食品から蒸発した比較的高温の水蒸気は自然対流によりまず解凍室内の天面近くに上昇し、さらに解凍室内で対流して広がる。特許文献1に示された一箇所の冷気吐出口から解凍室内に冷気を導入すると、天面近くに広がった水蒸気を残さずに排出することは困難であり、解凍室の天面や背面側の隅などに着霜が発達し易い。また、導入冷気量を多くして水蒸気の排出効果を上げると、多くした冷気によって解凍の加熱能力が相殺され、解凍時間が長くなったり消費エネルギーが増大したりして効率が低減するという課題が生じる。
発明者らはこのような課題を見出し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで本開示は、解凍中に発生した水蒸気を解凍室となる貯蔵室から効率よく排出可能として着霜を防止するとともに解凍時間の長時間化を抑制した信頼性の高い高効率な冷蔵庫を提供する。
以下、本発明の冷蔵庫に係る実施の形態として、冷凍機能を備えた冷蔵庫について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本発明の冷蔵庫は、以下の実施の形態において説明する冷蔵庫の構成に限定されるものではなく、冷凍機能のみを有する冷凍庫においても適用可能であり、以下の実施の形態において説明する技術的特徴を有する各種冷蔵庫および冷凍庫を含むものである。従って、本発明において、冷蔵庫とは、冷蔵室、および/または冷凍室を備える構成である。
また、以下の実施の形態において示す数値、形状、構成、ステップ、およびステップの順序などは、一例を示すものであり、本発明を限定するものではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。なお、実施の形態においては、変形例においても同じ要素には同じ符号を付して、説明を省略する場合がある。また、図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。
(実施の形態1)
以下、本開示の冷蔵庫に係る実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。尚、本開示の冷蔵庫の説明に当たっては、理解を容易にするため各項目ごとに区切って説明していく。
[1-1.冷蔵庫の全体構成]
図1は、実施の形態1の冷蔵庫10の縦断面を示す図である。
図1において、左側が冷蔵庫10の正面側であり、右側が冷蔵庫10の背面側である。冷蔵庫10は、主に鋼板により形成された外箱1と、ABSなどの樹脂で成形された内箱2と、外箱1と内箱2との間の空間に充填発泡された断熱材(例えば、硬質発泡ウレタン)40とにより形成された断熱箱体で構成されている。
冷蔵庫10の断熱箱体は複数の貯蔵室を備えており、それぞれの貯蔵室の正面側開口には開閉可能な扉が配設されている。それぞれの貯蔵室は扉の閉成により冷気が漏洩しないように密閉される。実施の形態1の冷蔵庫10においては、最上部の貯蔵室が冷蔵室3である。冷蔵室3の直下の両側には、製氷室4と冷凍/解凍室5の2つの貯蔵室が並設されている。更に、製氷室4と冷凍/解凍室5の直下には冷凍室6が設けられており、冷凍室6の直下である最下部には野菜室7が設けられている。実施の形態1の冷蔵庫10における各貯蔵室は、上記の構成を有しているが、この構成は一例であり、各貯蔵室の配置構成は仕様などに応じて設計時に適宜変更可能である。
冷蔵室3は、食品などの保存物を冷蔵保存するために凍らない温度、具体的な温度例としては1℃~5℃の温度帯で維持される。野菜室7は、冷蔵室3と同等もしくは若干高い温度帯、例えば2℃~7℃に維持される。冷凍室6は、冷凍保存のために冷凍温度帯、具体的な温度例としては、例えば-22℃~-15℃に設定される。冷凍/解凍室5は、通常は冷凍室6と同じ冷凍温度帯に維持され、ユーザの解凍指令に応じて、収納されている保存物(冷凍品)を解凍するための解凍処理が行われる。冷凍/解凍室5の構成、及び解凍処理に関する詳細については後述する。
冷蔵庫10の上部には、機械室8が設けられている。機械室8には、圧縮機9および冷凍サイクル中の水分除去を行うドライヤ等の冷凍サイクルを構成する部品などが収容されている。なお、機械室8の配設位置としては冷蔵庫10の上部に特定されるものではなく、冷凍サイクルの配設位置などに応じて適宜決定されるものであり、冷蔵庫10の下部などの他の領域に配設してもよい。
冷蔵庫10の下側領域にある冷凍室6と野菜室7の背面側には、冷却室11が設けられている。冷却室11には、冷気を生成する冷凍サイクルの構成部品であって冷却機構としての冷却器12、および冷却器12が生成した冷気を各貯蔵室(3、4、5、6、7)に送風する冷却ファン13が設けられている。冷却器12が生成した冷気は、冷却ファン13により各貯蔵室に繋がる風路18を流れて、各貯蔵室に供給される。それぞれの貯蔵室に繋がる風路18にはダンパー19が設けられており、圧縮機9と冷却ファン13の回転数制御とダンパー19の開閉制御により、それぞれの貯蔵室が所定の温度帯に維持される。冷却室11の下部には、冷却器12やその周辺に付着する霜や氷を除霜するための除霜ヒータ14が設けられている。除霜ヒータ14の下部には、ドレンパン15、ドレンチューブ16、蒸発皿17が設けられており、除霜時などに生じる水分を蒸発させる構成を有する。
実施の形態1の冷蔵庫10には操作部47(後述の図7参照)が備えられている。ユーザが操作部47において冷蔵庫10に対する各種の指令(例えば、各貯蔵室の温度設定、急冷指令、解凍指令、製氷停止指令など)を行うことができる。また、操作部47には異常の発生などを報知する表示部を有している。なお、冷蔵庫10においては、無線通信部を備えて無線LANネットワークに接続して、ユーザの持つ外部端末から各種指令を入力する構成としてもよい。また、ユーザの外部端末のGPS機能により検知したユーザ位置や予想される帰宅時間に基づいて指令を入力する構成としてもよい。また、冷蔵庫10においては音声認識部を備えて、ユーザが音声による指令を入力する構成としてもよい。
[1-2.冷凍/解凍室の概略構成]
図2は冷蔵庫前面側から見た第1の実施形態の冷凍/解凍室の正面断面図、図3は図2のA-A断面図、図4は実施の形態1の冷蔵庫における冷凍/解凍室の組み立てを示す図である。
冷凍/解凍室5は、冷凍/解凍室5内に収納された食品等の保存物を冷凍温度帯で保持する冷凍庫であると共に、冷蔵庫10において当該保存物に対する解凍指令が入力されたときには、誘電加熱により解凍処理を行う解凍室となる。
冷凍/解凍室5において貯蔵空間の内面を構成する天面、背面、両側面、および底面は、電気絶縁性の材料で成形された樹脂材の内面部材32で形成されている。また、冷凍/解凍室5の正面側開口には扉29が設けられており、扉29の閉成により冷凍/解凍室5の貯蔵空間が密閉される。実施の形態1の冷凍/解凍室5には、上部が開放した収納ケース31が扉29の背面側に設けられており、扉29の前後方向への開閉動作により収納ケース31が同時に前後に移動する構成である。扉29の前後方向への開閉動作により、収納ケース31に対する食品などの保存物の投入、および取り出しを容易なものとしている。
冷凍/解凍室5の組み立て構成を図4に示す。冷凍/解凍室5は、上下を隔壁に囲まれた冷蔵庫本体の一部であり、背面側に冷気吹出用の専用の冷凍/解凍室吐出口28を有する。冷凍/解凍室5の内側に、内面部材32、発振電極24(図5参照)、対向電極25(図5参照)、電極保持基板52(図3参照)から成る高周波加熱モジュール53が組み込まれる。高周波加熱モジュール53の内部スペースに、扉29と収納ケース31から成る扉ユニット54が組み込まれる。内面部材32は、上面、両側面、下面、背面の5面が接合されて形成され、高周波加熱モジュール53の骨格構造の役割を果たす。一対の電極は、内面部材32に対して取り付けられることにより、電極板の平行な配置および電極孔41の上下位置関係(後述)が確保される。そのため、組立工程を簡素化することが可能になる。
[1-3.冷凍品解凍のための誘電加熱機構]
次に、冷凍/解凍室5に冷凍保存されている保存物に対して、解凍処理を行うために誘電加熱を行う誘電加熱機構について説明する。
図7は、実施の形態1の冷蔵庫10に設けられた誘電加熱機構の構成を示すブロック図である。実施の形態1における誘電加熱機構は、電源部48からの電力が入力されて所定の高周波信号を形成する発振回路22、整合回路23、発振電極24、対向電極25、および制御部50を備えている。半導体素子を用いて構成された発振回路22は、小型化されており、整合回路23ともに冷凍/解凍室5の背面側の空間である電極保持領域30(図3参照)の電極保持基板52に形成されている。発振回路22および整合回路23は、発振電極24と対向電極25との電極間に印加する高周波電界を形成するための高周波電界形成部となる。なお、上記発振回路22と整合回路23とは別々にしてリード線や同軸ケーブルで電気的に接続する等してもよく、このようにすることで、例えば空きスペースの大きな機械室8を利用して発振回路22を設置するなど冷蔵庫内の空きスペースを活用して合理的な配置構成とすることもできる。
発振電極24は、冷凍/解凍室5の天面側に配設された電極である。対向電極25は、冷凍/解凍室5の底面側に配設された電極である。発振電極24と対向電極25は、冷凍/解凍室5の貯蔵空間(解凍空間)を介して対向に、かつ対向間隔が予め設定された所定の間隔に設定されている。この結果、実施の形態1における誘電加熱機構においては、発振電極24と対向電極25とが略平行に配設される。なお、本発明において、「略平行」とは、本質的に平行の状態を示すものであるが、加工精度などのばらつきに起因する誤差を含むことを示している。
発振電極24は貯蔵空間の一方に設けられ、対向電極25は貯蔵空間を挟んで貯蔵空間の他方に設けられている。誘電加熱機構を構成する背面側の整合回路23、天面側の発振電極24、および底面側の対向電極25は、内面部材32により覆われており、保存物の接触による焼け(食品のジュール加熱)を確実に防止することができる。
なお、実施の形態1の構成においては、冷凍/解凍室5の貯蔵空間は、前方から見て左側の冷凍/解凍空間、右側の冷凍空間から成る。また、冷凍/解凍空間の天面側に発振電極24を設け、冷凍/解凍空間の底面側に対向電極25を設けた構成で説明するが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、発振電極24と対向電極25が冷凍/解凍空間を介して対向する構成であればよく、貯蔵空間全体に電極を設けたり、電極を上下逆の配置や、左右方向に対向する配置にしたりしても同様の効果を奏する。
発振回路22は、VHF帯の高周波(実施の形態1においては40.68MHz)の電圧を出力する。発振回路22が高周波電圧を出力することにより、発振回路22が接続された発振電極24と対向電極25との間に電界が形成され、冷凍/解凍室5の発振電極24と対向電極25との間の冷凍/解凍空間に配置された誘電体である保存物が誘電加熱され解凍される。
整合回路23は、発振電極24と対向電極25と冷凍/解凍室5に収容された保存物とによって形成される負荷インピーダンスが、発振回路22の出力インピーダンスと整合するように調節するものである。整合回路23は、インピーダンスを整合させることにより、出力した電磁波に対する反射波を最小化している。
実施の形態1における誘電加熱機構には、発振回路22から発振電極24へと出力される入射波と、発振電極24から発振回路22の方へ戻る反射波とを検出する入反射波検出部51が設けられている。従って、発振回路22は入反射波検出部51および整合回路23を介して発振電極24に電気的に接続されている。制御部50は、入反射波検出部51が検出した入射波と反射波とに基づいて、入射波出力に対する反射波出力の割合(反射率)を算出し、その算出結果に基づいて後述するように各種制御を行っている。或いは、整合回路23においてインピーダンス整合されて発振回路22から出力される電磁波の設定値と、入反射波検出部51が検出した反射波とに基づいて、電磁波出力に対する反射波出力の割合(反射率)を算出しても良い。また、電磁波の出力設定値や入射波の検出値によらず、反射波出力のみで後述の各制御を行っても良い。
図7のブロック図に示すように、誘電加熱機構においては、制御部50が、ユーザによる設定操作を行う操作部47や庫内温度を検出する温度センサ49などの信号に基づいて、発振回路22および整合回路23を駆動制御している。制御部50はCPUで構成されており、ROM等のメモリに格納された制御プログラムが実行されて各種制御を行っている。
[1-4.解凍中の着霜防止制御]
実施の形態1の冷蔵庫10において、解凍指令が入力されると、冷凍/解凍室5の発振電極24と対向電極25との間の保存物(冷凍品)に対する解凍処理が行われる。実施の形態1における解凍処理は、制御部50が発振回路22、入反射波検出部51、および整合回路23を有する誘電加熱機構を制御すると共に、圧縮機9および冷却器12などの冷凍サイクルを含む冷却機構、および冷却ファン13およびダンパー19などを含む冷気導入機構を制御している。
実施の形態1における解凍処理は、発振電極24と対向電極25との間に所定の高周波電圧を印加して、電極間の高周波電界により誘電体である冷凍品を誘電加熱している。この誘電加熱中において、冷凍/解凍室5に繋がるダンパー19の開閉制御を行って間欠的に冷気導入が行われている。図8は、解凍処理における誘電加熱機構(発振回路22)および冷気導入機構(冷凍/解凍室5に繋がるダンパー19)の制御信号の波形を示すと共に、そのときの保存物温度、冷凍/解凍室5の室温、および冷凍/解凍室5の湿度を示している。
図8に示すように、解凍処理においては、解凍指令が入力されると(解凍開始)、発振回路22がオン状態となり、例えば40.68MHzの高周波電圧が発振電極24と対向電極25との間に印加される。このとき、冷凍/解凍室5に繋がるダンパー19は開成状態であるため、冷凍/解凍室5の室温は冷凍温度t1(例えば-20℃)に維持されている。解凍開始から所定期間経過後に冷凍/解凍室5に繋がるダンパー19が閉成される。冷凍品が高周波電界を吸収して加熱されると、冷凍品の温度が上昇して表面の飽和水蒸気圧が上昇する。冷凍品から蒸発した水蒸気は、温まった空気と共に冷凍/解凍室5内の天面に向けて上昇する。高周波による加熱効果は冷凍品に集中的に吸収されるため、冷凍/解凍室5の天面や他の内面部材32の温度は解凍中の食品温度よりも常に低い。そのため結露対策なしの場合は、冷凍/解凍室5の天面で着霜や結露が生じ、着霜が成長すると送風経路を埋めて温度調整や冷凍運転できなくなる恐れがある。
そこでこの実施の形態の冷蔵庫では、整合回路23で整合されて発振電極24と対向電極25との間に供給された電磁波に対する、入反射波検出部51で検出された入射波に対する反射波の割合(反射率)に基づいて、制御部50が着霜防止のため冷凍/解凍室5に繋がるダンパー19を開閉制御する。制御部50は、反射率が予め設定された閾値に達して、反射率が大きくなったとき、冷凍/解凍室5に繋がるダンパー19を開成して冷凍/解凍室5の庫内湿度を低下させる。このように、解凍期間中にあえて冷凍/解凍室5に繋がるダンパー19を開閉制御して、冷凍/解凍室5に間欠的に冷気を導入することにより、着霜を防止して冷蔵庫としての信頼性を確保するようにしている。そして、上記着霜防止を効率よく行えるように次のような風路構成としてある。以下、その構成を説明する。
[1-5.着霜防止のための風路構成と送風方向]
着霜防止を効率よく確実に実現するための風路構成と送風方向については図2、図3を用いて説明する。
図2、図3に示すように、発振電極24から発振される電磁波を解凍空間以外の他室に漏らさないための電磁波シールド26のうち天面側電磁波シールド26aは発振電極24から所定の距離離して設ける必要があるので、発振電極24と天面側電磁波シールド26aとの間にはシールド空間27が形成される。このシールド空間27の背面側には冷凍/解凍室吐出口28が位置する。また、シールド空間27と冷凍/解凍室5の貯蔵空間との間を仕切る壁面、すなわち天面側内面部材32aには多数の冷気導入孔20が均等に設けられ、シールド空間27と貯蔵空間とは、天面側内面部材32aの全面に均等に設けられた上記冷気導入孔20で連通する。つまり、前記シールド空間27と冷気導入孔20とで冷凍/解凍室5への冷気の分散導入風路が構成される形となり、冷凍/解凍室吐出口28から供給される冷気がシールド空間27によって冷凍/解凍室5の上面全域に拡散した後、冷気導入孔20から冷凍/解凍室5内へと分散供給される。冷気導入孔20は、発振電極24も貫通して設けられている。なお、食材と発振電極24が冷気導入孔20で接触する可能性を無くすため、発振電極24の電極孔41の方が冷気導入孔20よりも大孔径に設けられている。また、本実施形態の冷凍/解凍室5は引出し扉式に設けられるため、収納ケース31は底部にスライド用のレール37を有する。そのため冷凍/解凍室5内の底部にレール空間38が存在する。レール空間38の底面側は、図2に示すように、冷気を廃棄する排出部となる冷気排気口21が設けられて、冷凍室6に連通している。
上記構成により、冷凍/解凍室用ダンパーが開成される間、冷却器12で生成した冷気は冷蔵庫10の背面側の風路18を通って冷凍/解凍室吐出口28を通り、シールド空間27で水平方向に面的に広がりながら前方に吐出拡散され、多数の冷気導入孔20を通って収納ケース31の底面に向けて流下する。収納ケース31から溢れた冷気は、レール空間38を通って冷気排気口21に吸い込まれ、冷凍室6を経て冷却器12に戻される。よって、冷凍/解凍室5内の天面近くに広がった水蒸気を残さずに排出することが可能となり、解凍室の天面や背面側の隅などに着霜するのを防止できる。
上記着霜を効果的に防止するためには、冷凍/解凍室5内の全体を冷気が通過するように均一に送風して水蒸気の滞留箇所を四隅などに残さないようにすることが重要である。本実施の形態で示すシールド空間27は貯蔵空間の全体を覆う面積を持つ空間となっており、多数の冷気導入孔20から冷気を分散供給するので冷気を均一に広げる機能を果たす分散導入風路の好適な例の一つとなある。なお、分散した均一な冷気が貯蔵空間内に導入される状態を、図3の矢印で示した。
また、本実施の形態では貯蔵空間内を略上下方向(上→下)に送風する構成としているが、そのメリットの一つは、冷気は暖気と比べて比重が大きいために冷却ファン13の必要送風能力を最小限にできることである。さらに他の送風形態として、冷凍/解凍室吐出口28と冷気排気口21の送風方向を逆にすることにより、略下→上方向に送風することが考えられる。この場合のメリットは、貯蔵空間天面付近に集まった高湿空気を収納ケース31内で分散することなく直接排出することが可能であるため、解凍中の冷却ファン13稼働時間を短縮できることであり、冷凍/解凍空間内の温度低減を抑制できる。
また、均一な分散冷気導入を実現する上記本実施の形態で示す風路構成は、冷凍運転の際に少ない冷気量でムラなく均一に速く冷凍することができ、解凍時間が長くなったり消費エネルギーが増大したりして効率が低減するのを抑制することも可能となる。
[1-6.発振電極および対向電極]
発振電極24および対向電極25には、図6に示しているように電極孔41,42が設けられる。電極孔41,42は、第一に均一加熱のための手段であるが、均一加熱を実現することにより着霜防止にも作用する。以下これを説明する。
図5は冷凍/解凍室5の天面側の発振電極24と対向電極25とを側面から見た概略図、図6は冷凍/解凍室5の天面側の発振電極24と対向電極25とを上方から見た平面図である。
図6に示すように、発振電極24のサイズは対向電極25よりもやや小さい面積で構成されている。また、発振電極24、および対向電極25には複数の電極孔41,42が形成されており、複数の電極孔41,42は、図5、図6に示す正極端子24a~24c、および対向電極25の陰極端子25a~25cが設けられた庫内背面側から前面側に向けた縦長のスリット形状となっている。このような形状とすることで、正極端子24a~24c側から入力された高周波電流が庫内背面側から前面側に向けて流れやすくなり、両電極間に発生する電界強度が強くなる。
一般に対向する2枚の電極間で高周波を発生させると、電極の周辺部で電界が強く形成される(周辺効果)が現れて、均一な加熱が出来ないという課題がある。そのような場合、加熱の強い箇所で被加熱物表面の飽和水蒸気圧が上昇し、水蒸気が発生してより低温の箇所(冷凍/解凍室吐出口28周辺など)で着霜が発生しがちである。
そのような課題を防ぐため、発振電極24、および対向電極25に設けられた電極孔41,42は、それぞれ上下対称位置ではなく、図6に示すように電極孔41の短径の約半分程度ずらして配置されている。発振電極24の電極面に複数の電極孔41が形成されているため、発振電極24の電極面において電界が強く形成される領域が均一的に分散されることになり、保存物に対する誘電加熱を均一に行うことが可能な構成となる。即ち、電極孔41における開口部分の縁部が電界集中領域となる。
なお、図6に示した電極孔41の形状および配置は例示であり、電極孔41の形状および配置は、冷蔵庫の仕様、構成などに応じて、効率、製造コストを考慮して適宜設計される。例えば電極孔41の形状は真円でもよく、発振電極24と対向電極25のそれぞれの電極孔41,42が上下対称位置になく、穴径の半分程度がずらされて配置されていることが望ましい。
なお、実施の形態1の構成においては、発振電極24の電極孔41の形状および配置としては、複数が配置された構成で説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、例えば、発振電極24に少なくとも1つの開口部分が形成された形状であってもよく、その開口部分の縁部が発振電極24の電極面において、電界が集中する電界集中領域となる。即ち、本発明としては、発振電極24の電極面において、電界集中領域が分散される構成であればよい。また、実施の形態1においては、対向電極25の電極面に複数の電極孔42を設けた構成について説明したが、本発明としては、対向電極25に複数の電極孔42を設けた構成に特定されるものではなく、発振電極24との電極間に所望の電界が形成されるよう形成された開口であればよい。
[1-7.電磁波シールド機構]
冷凍/解凍室5においては発振電極24と対向電極25との間の高周波電界の雰囲気に保存物である誘電体を配置して誘電加熱する構成であるため、冷凍/解凍室5においては電磁波が放射されている。この電磁波を冷蔵庫10の外部に漏洩することを防止するために、実施の形態1の冷蔵庫10には冷凍/解凍室5を取り巻くように電磁波シールド機構が設けられている。
図2、図3に示すように、冷凍/解凍室5の上部には天面側電磁波シールド26aが配設されている。天面側電磁波シールド26aは、冷凍/解凍室5の直上の冷蔵室3の底面側を構成する断熱材40と内箱2との間に配設されており、冷凍/解凍室5の天面側を覆うように配設されている。天面側電磁波シールド26aは、複数の開口を有しており、発振電極24に対する実質的な対向面積が小さくなるように構成されている。
このように構成された天面側電磁波シールド26aは、発振電極24との間で不要な電界の発生が抑制された構成となる。なお、天面側電磁波シールド26aとしては複数の開口を有するメッシュ構造でもよい。また、天面側電磁波シールド26aとしては、冷凍/解凍室5の直上に位置する冷蔵室3の内部に設けてもよいが、冷蔵室3にはパーシャル室やチルド室が設けられていることが多く、このパーシャル室やチルド室の天面を電磁波シールドとして利用してもよい。
また、冷凍/解凍室5の背面側に設けられた整合回路23などを有する電極保持領域30を覆うように背面側電磁波シールド26bが配設されている。このように背面側電磁波シールド26bを設けることにより、発振電極24と対向電極25との間に発生する電界や、整合回路23から発生した高周波ノイズが冷却ファン13およびダンパー19の電装部品の動作(制御)に影響を与えるのを防止する。なお、冷凍/解凍室5の側面側にも電磁波シールド(図示なし)が配設されている。
なお、実施の形態1の冷蔵庫10においては、外箱1が鋼板で構成されているため、この鋼板自体が電磁波シールドとしての機能を有している。このため、冷蔵庫10の内部の電磁波が冷蔵庫10の外部に漏洩することが確実に防止されている。
(実施の形態2)
図9は冷蔵庫前面側から見た第2の実施形態の冷凍/解凍室の正面断面図、図10は図9のB-B断面図である。
本実施の形態については、着霜防止のための風路構成について第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
実施の形態2の冷蔵庫10における冷凍/解凍室5においては、収納ケース31が冷凍/解凍室5の内部をスムーズに移動できるように、冷凍/解凍室5の両側面にレール37が設けられている。また、このレール37を摺動するフレーム55が収納ケース31の外側の両側面に設けられている。これらのレール37およびフレーム55の摺動部材は、誘電加熱されないように、冷凍/解凍室5の発振電極24と対向電極25との対向する領域である誘電加熱領域から外れた位置に設けられている。
本実施形態の高周波加熱モジュール53は、第1の実施形態と異なって、冷凍/解凍室吐出口28は高周波加熱モジュール53の外部に位置し、天面側電磁波シールド26aは図10に示すように冷凍/解凍室吐出口28からの冷気を導入するためのシールド開口部59を有し、冷気導入孔20はシールド空間27の前方にのみ多数分散して設けられる。また、収納ケース31は背面に収納ケース開口部56を有する。冷凍/解凍室5の背面側内面部材の、収納ケース開口部56と相対する位置には、冷気排気口21に接続する背面開口部57が設けられる。収納ケース開口部56、背面開口部57により冷凍/解凍空間は、冷気排気口21と連通する構造となっている。冷気排気口21は戻り風路34を介して冷凍室6に繋がっている。なお、上記収納ケース開口部56、及びこれに対応する背面開口部57は高さ方向に複数設けてもよいものである。
上記構成により、冷却器12で生成した冷気は、シールド開口部59を通って、天面側内面部材32a前方の冷気導入孔20から冷凍/解凍空間に吐出され、図10の矢印に示すように収納ケース31内に導入される。導入された冷気は高さ方向に拡散された後、冷気排気口21からの吸引圧によって収納ケース31内を後方に向けて移動して、収納ケース開口部56、背面開口部57、冷気排気口21を順に通って冷却器に還流される。
ここで、本実施の形態では、分散導入風路は、冷気導入孔20及び収納ケース31の背面に設けた収納ケース開口部56によって形成され、その収納ケース開口部56の高さ方向寸法を幅よりも大きく設けることにより、収納ケース31内で冷気を高さ方向に拡散した状態でそのまま収納ケース内の後方に向かって流すことが出来る。これにより、冷気は冷凍/解凍室5内全域を分散して流れることになり、冷凍/解凍室5の天面や背面側の隅などに着霜するのを効果的に防止できる。つまり、一般的な形状の冷凍/解凍室5は奥行方向の寸法が高さよりも2倍以上大きいために、本実施の形態で例示した前後方向の送風は高さ方向の送風よりも冷凍/解凍室5内を均一に換気して水蒸気を排出する効率が高い。よって本実施の形態の分散導入風路構成によれば、天面付近に集まった高湿空気を解凍室内に残すことなく効率よく排出することができ、解凍室の天面や背面側の隅などに着霜するのを防止できる。
また、実施の形態1に比較して、更なる本実施の形態の特長は、前方に設けた冷気導入孔20により扉周辺の水蒸気を効率的に除去し易く、扉周辺の着霜を確実に防止できる点である。加えて、冷気排気口21を冷凍/解凍室5の底面側に設ける場合に比べて、排出する冷気を冷凍室6経由で冷却器12に戻したり、冷凍室6との隔壁内に風路を設けて構成を複雑化することが無いことである。
なお、本実施形態の冷気排気口21は、冷凍/解凍室内に突出するように設けられることで、背面開口部57との距離を小さくすることができる。このような構成とすることにより、貯蔵空間から排出された高湿な空気が実施の形態1で示した電極保持領域30内で広がることを防ぎ、電極保持基板52上への結露や着霜をより確実に防ぐことができる。
また、他の実施形態として、冷凍/解凍室吐出口28と冷気排気口21の送風方向を逆にすることにより、後→前方向に送風することも可能である。この場合のメリットは、解凍室天面付近に集まった高湿空気を冷凍/解凍室5内で分散させず比較的効率よく排出できるため、解凍中の送風ファン稼働時間を短縮して解凍所要時間を抑制できることである。
図11に示すように、本実施の形態の高周波加熱モジュール53は、天面側電磁波シールド26a、底面側電磁波シールド26cおよびシールド空間27を含む点で実施の形態1と異なる。高周波加熱モジュール53は、内面部材32を外枠として構成されており、その外表面は電磁波シールド26で覆われている。この電磁波シールド26は、電磁波を冷蔵庫10の外部に漏洩することを防止するために設けられる。また、電極保持領域30は背面側内面部材32bbによって冷凍/解凍空間と区分けされており、背面側内面部材32bbの背面側にも背面側電磁波シールド26bが設置されている。背面側電磁波シールド26bは、冷凍/解凍空間と、整合回路23等を含む電極保持基板52とを区画することで互いのインピーダンスや電界に関する影響を防止することが主な目的である。
ここで、天面側電磁波シールド26aに設けられたシールド開口部59は、発振電極24の背面側に位置する入力部から離して発振電極24中心よりも前面側に設けられる。また、開口部寸法は左右方向よりも前後方向を2倍以上大きく設ける。このような位置および形状に設けることにより、電磁波漏洩防止効果が図れ、かつ冷凍/解凍空間における電界形成がより均一化する。
また、冷凍/解凍空間の上方には図9、図10に示すように天面側内面部材32aが水平方向に設けられ、その上側に発振電極24が搭載される。また、底面側内面部材32cの下側には対向電極25が設置されている。冷凍/解凍空間の側面を成す側面内面部材32bが、天面側内面部材32aと底面側内面部材32cとを略平行で所定距離に保持している。よって発振電極24と対向電極25は、電極保持基板52と内面部材(32a、32b、32bb、32c)によって略平行状態を保持することができる。外箱1は、充填発泡された断熱材40の発泡ばらつきにより、庫内上面と底面の平行が不十分となることがあるが、上述の構成によって、発泡の影響を受けることがなく、精度良く確実に略平行状態となる。
製造工程においては、高周波加熱モジュール53は予め組み立てられており、図11に示したように冷蔵庫の外箱1に差し込む形で組み込む。さらに、扉ユニット54を高周波加熱モジュール53内に差し込む形で冷蔵庫を完成させる。
なお、内面部材(32a~32c)は、冷凍室環境でも結露しにくい一般的な工業セラミック材の熱伝導率10W/(m・k)以下の材料が望ましく、本実施の形態ではポリプロピレン、ABS、ポリカーボネート等の樹脂材料で構成している。電磁波シールド(26a、26b、26c)は内面部材(32a~32c)よりも薄い厚さで構成され熱容量を抑制している。これにより、電磁波シールド26、および電磁波シールド26に接する内面部材(32a~32c)への結露を防止できる。
(実施の形態3)
図12は冷蔵庫前面側から見た第3の実施形態の冷凍/解凍室の正面断面図、図13は図12のC-C断面図である。
本実施の形態についても、着霜防止のための風路構成について第1、第2の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
第3の実施形態の冷蔵庫は、天面側電磁波シールド26aが断熱隔壁58の上部に設けられ、冷凍/解凍室5が有するシールド空間27の断面積が小さい点、および冷凍/解凍室5の左側に冷凍/解凍室吐出口28(図示せず)と冷気導入孔20、右側に冷気排気口21、戻り風路34(図13参照)が配置される点が他の実施形態と異なる。
第3の実施形態の冷凍/解凍室5の風路を説明する。図12に示すように、冷気は冷凍/解凍室5内の背面左側に設けられた冷凍/解凍室吐出口28から室内に導入され、内面部材32の背面左側に設けられた冷気導入孔20から左側レール空間38aに導入される。左側レール空間38aは、奥行方向に長い空間であるため、冷気は奥行方向に分散される。また、収納ケース31の左側面には、図13に示すように奥行方向に複数分散して設けられた左側収納ケース側面開口部56aを有する。貯蔵空間内の左側レール空間38aに導入された冷気は、収納ケース31内の左側レール空間38aを左右方向に流れて左側収納ケース側面開口部56aから収納ケース31に入り、右側収納ケース側面開口部(排気開口(図示せず))、右側レール空間38b(図12参照)、冷気排気口21を通って、戻り風路34に吸引される。左側レール空間38aおよび左側収納ケース側面開口部56aが、本実施の形態における分散導入風路として作用する。この結果、貯蔵空間内から効果的に高湿空気が排出されて、結露や着霜を防止できる。
本実施の形態の特長は、シールド空間27の容量を小さく構成できるため、冷凍/解凍室5の高さ方向の寸法に制約がある場合でも冷蔵庫内に設置することができることである。
[2-1.発明の効果等]
以上のように、本開示の態様における冷蔵庫は、保存物を収納可能で冷却可能な貯蔵空間を有する少なくとも一つの貯蔵室と、冷気を形成する冷却機構と、前記冷却機構からの冷気を前記貯蔵室内に分散させて導入する分散導入風路と、前記保存物を加熱する高周波電界を前記貯蔵室内に形成する発振電極及び対向電極と、前記発振電極と対向電極とで前記貯蔵室内に高周波電界を形成させる制御部と、前記貯蔵室内の冷気を排出する排出部と、を備え、前記制御部は前記高周波電界による保存物の加熱中に前記分散導入風路から前記貯蔵室内に冷気を分散導入するようにした構成としてある。
このように構成された冷蔵庫は、貯蔵室内に冷気が分散して供給されるので、貯蔵品の保存物を解凍する際に発生する水蒸気を、貯蔵室から効率よく排出して着霜による不具合の発生を確実に防止しつつ、少ない冷気量で水蒸気排出ができるので解凍の長時間化も抑制でき、小型で信頼性の高い高効率な冷蔵庫とすることができる。
本開示の冷蔵庫は上記のような構成と効果を有するが、第2の態様に係る冷蔵庫は、貯蔵室が、電磁波シールドと、前記電磁波シールドとの間に設けたシールド空間と、を備え、前記分散導入風路は前記シールド空間を利用して形成した構成としてもよい。
また、本開示の第3の態様に係る冷蔵庫は、前記第1または第2の態様において、前記シールド空間の貯蔵室との間の壁面に多数の冷気導入孔を設けて分散導入風路を形成した構成としてもよい。
また、本開示の第4の態様の冷蔵庫は、前記第3の態様において、前記冷気導入孔は貯蔵室の天井面となるシールド空間の壁面に設けるとともに冷気排出部は前記貯蔵室の底部に設けて冷気が前記貯蔵室内で略上下方向に通気するようにした構成としてもよい。
また、本開示の第5の態様の冷蔵庫は、前記第4の態様において、前記冷気導入孔は貯蔵室の天井面となるシールド空間壁面の貯蔵室長手方向における前部に設けるとともに冷気の排出部は前記貯蔵室の前記冷気導入孔とは反対側の後部に設けて貯蔵室内で冷気が略前方から略後方に通気するようにした構成としてもよい。
また、本開示の第6の態様の冷蔵庫は、前記第1の様態において、前記貯蔵室は、保存物を収納する収納ケースと、引き出し式扉と、前記収納ケースを前後に移動するためのレール部と、前記レール部を設置収納するために前記貯蔵室内に設けられたレール空間と、を備え、前記分散導入風路は前記レール空間を利用して形成した構成としてもよい。
また、本開示の第7の態様の冷蔵庫は、前記第6の様態において、前記貯蔵室のレール空間内の収納ケース側面に多数の冷気導入孔を設けるとともに収納ケースの反対側の側面に前記レール空間とは反対のレール空間を介して冷気の排出部へと繋がる排気開口を設けた構成としてもよい。
以上、本発明をある程度の詳細さをもって実施の形態において説明したが、実施の形態の開示内容は構成の細部において変化してしかるべきものであり、実施の形態における要素の置換、組合せ、および順序の変更は請求された本発明の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
本発明の冷蔵庫は、解凍中に発生した水蒸気を解凍室から効率よく排出可能として着霜を防止するとともに解凍時間の長時間化を抑制した信頼性の高い高効率な冷蔵庫とすることができる。そして、本開示の冷蔵庫においては高周波解凍装置を組み込んだ家庭用冷凍冷蔵庫への応用を念頭に説明したが、それ以外にも業務用冷凍/解凍庫、産業用の解凍装置、産業用の高周波加熱装置において発生する結露、着霜課題に対しても有用性を発揮するものである。
1 外箱
2 内箱
3 冷蔵室
4 製氷室
5 冷凍/解凍室(貯蔵室)
6 冷凍室
7 野菜室
8 機械室
9 圧縮機
10 冷蔵庫
11 冷却室
12 冷却器(冷気生成機構)
13 冷却ファン
14 除霜ヒータ
15 ドレンパン
16 ドレンチューブ
17 蒸発皿
18 風路
19 ダンパー(開閉手段)
20 冷気導入孔(分散導入風路)
21 冷気排気口(排出部)
22 発振回路
23 整合回路
24 発振電極
25 対向電極
26 電磁波シールド
26a 天面側電磁波シールド
26b 背面側電磁波シールド
26c 底面側電磁波シールド
27 シールド空間(分散導入風路)
28 冷凍/解凍室吐出口
29 扉
30 電極保持領域
31 収納ケース
32 内面部材
32a 天面側内面部材
32b 側面内面部材
32bb 背面側内面部材
32c 底面側内面部材
33 間隔規定部
34 戻り風路
35 クロスレール(枠部)
36 ガスケット
37 レール
38 レール空間
38a 左側レール空間(分散導入風路)
39 扉側電磁波シールド
40 断熱材
41 電極孔(発振電極孔)
42 電極孔(対向電極孔)
47 操作部
48 電源部
49 温度センサ
50 制御部
51 入反射波検出部
52 電極保持基板
53 高周波加熱モジュール
54 扉ユニット
55 フレーム
56 収納ケース開口部(分散導入風路)
56a 左側収納ケース側面開口部(分散導入風路)
57 背面開口部
58 断熱隔壁
59 シールド開口部

Claims (7)

  1. 保存物を収納可能で冷却可能な貯蔵空間を有する少なくとも一つの貯蔵室と、冷気を形成する冷却機構と、前記冷却機構からの冷気を前記貯蔵室内に分散させて導入する分散導入風路と、前記保存物を加熱する高周波電界を前記貯蔵室内に形成する発振電極及び対向電極と、前記発振電極と対向電極とで前記貯蔵室内に高周波電界を形成させる制御部と、前記貯蔵室内の冷気を排出する排出部と、を備え、前記発振電極に形成された電極孔の大きさは前記分散導入風路を構成する冷気導入孔よりも大孔径で形成され、前記制御部は前記高周波電界による保存物の加熱中に前記冷気導入孔から前記貯蔵室内に冷気を分散導入するようにした冷蔵庫。
  2. 前記貯蔵室は、電磁波シールドと、前記電磁波シールドとの間に設けたシールド空間と、を備え、前記分散導入風路は前記シールド空間を利用して形成した請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記シールド空間の貯蔵室との間の壁面に多数の前記冷気導入孔を設けて分散導入風路を形成した請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記冷気導入孔は貯蔵室の天井面となるシールド空間の壁面に設けるとともに冷気排出部は前記貯蔵室の底部に設けて冷気が前記貯蔵室内で略上下方向に通気するようにした請求項3に記載の冷蔵庫。
  5. 前記冷気導入孔は貯蔵室の天井面となるシールド空間壁面の貯蔵室長手方向における前部に設けるとともに冷気の排出部は前記貯蔵室の前記冷気導入孔とは反対側の後部に設けて貯蔵室内で冷気が略前方から略後方に通気するようにした請求項4に記載の冷蔵庫。
  6. 前記貯蔵室は、保存物を収納する収納ケースと、引き出し式扉と、前記収納ケースを前後に移動するためのレール部と、前記レール部を設置収納するために前記貯蔵室内に設けられたレール空間と、を備え、前記分散導入風路は前記レール空間を利用して形成した請求項1に記載の冷蔵庫。
  7. 前記貯蔵室のレール空間内の収納ケース側面に多数の前記冷気導入孔を設けるとともに収納ケースの反対側の側面に前記レール空間とは反対のレール空間を介して冷気の排出部へと繋がる排気開口を設けた請求項6記載の冷蔵庫。
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