JP2004301433A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷蔵庫の背面左右の稜部に機械室の空気が上昇する上下方向の空気通路を形成した技術があるが、多数の機能を表示させるようにすれば電装部の基板も大きくなり、冷蔵庫背面に大きな収納凹部を形成して、ここにこの基板を収納する形態が採られる。しかし、大きな基板の収納凹部によって真空断熱材の配置面積が制限される。本発明は、冷蔵庫の背面を台所等の部屋の壁に当接させて設置できる冷蔵庫の効果を損なわず、機械室の空気の排気通路を確保し、庫内の冷却に悪影響を与えない部分に電装部の収納部を形成するものである。
【解決手段】冷蔵庫本体背面の左右稜部のうちの一方の稜部に沿った部分に機械室の空気が上昇する上下方向の空気通路が切り欠き形状に形成され、他方の稜部に沿った部分に冷蔵庫の電気回路部品が取り付けられた電装部の収納凹部が上下方向に長く形成されたことを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】冷蔵庫本体背面の左右稜部のうちの一方の稜部に沿った部分に機械室の空気が上昇する上下方向の空気通路が切り欠き形状に形成され、他方の稜部に沿った部分に冷蔵庫の電気回路部品が取り付けられた電装部の収納凹部が上下方向に長く形成されたことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前面に開口した冷蔵庫本体内を仕切って複数の貯蔵室が形成され前記冷蔵庫本体の下部には冷却システムの電動圧縮機と凝縮器が配置された機械室が形成された冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
前面に開口した冷蔵庫本体内を仕切って複数の貯蔵室が形成され前記冷蔵庫本体の下部には冷却システムの電動圧縮機と凝縮器が配置された機械室が形成された冷蔵庫において、冷蔵庫本体の背面左右の稜部に切り欠き形状によって機械室の空気が上昇する上下方向の空気通路を形成した冷蔵庫に係る技術がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
最近の冷蔵庫は液晶表示器を冷蔵庫の前面扉に配置して、冷蔵室や冷凍室の温度表示や時計表示に限らず、タイマー表示や、急速冷凍モード、急速製氷モード、冷蔵室の除菌モード、自動製氷機の清掃モード及び節電モード等の表示、さらにはレシピ等の表示もできるようにしている。これらの制御がマイクロコンピュータ方式によって行われるため、冷蔵庫の電気回路部品が多くなり、これらの部品を取り付ける基板も大きくなる。従来、図4に示すように、冷蔵庫本体の背面中央部に大きな収納凹部を形成して、ここにこの基板を収納する形態が採られている。
【0004】
図4のような形態においては、冷蔵庫本体背面中央部に収納凹部が配置されることにより、収納凹部の深さだけ冷蔵庫本体の背面の断熱厚さが薄くなるため、断熱効果が低下する。この断熱効果の低下を防止するために、冷蔵庫本体背壁部分の断熱厚みを厚くする必要が生じ、冷蔵庫の外形寸法を大きくしない場合には庫内容積が減少するという問題が生じる。また、最近の冷蔵庫は、断熱効果の向上のために真空断熱材が採用される(例えば、特許文献3参照)が、図4のような形態においては、基板の収納凹部によってこの真空断熱材を冷蔵庫の背壁に広く配置することができず、この背壁部分の断熱効果が低下する。このため、背壁部分の断熱厚みを厚くする必要が生じ、冷蔵庫の外形寸法を大きくしない場合には、庫内容積が減少するという問題が生じる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−107042号公報(第1〜3頁、図1〜3)
【特許文献2】
特公平4−71149号公報(第1〜5頁、図10〜11)
【特許文献3】
特開平10−205995号公報(第3〜4頁、図3〜5)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点に鑑み、冷蔵庫の背面を台所等の部屋の壁に近接又は当接させて設置できる冷蔵庫の効果を損なわないように、機械室の空気の排気通路を確保して機械室の圧縮機や凝縮器の放熱効果を得ると共に、冷蔵庫本体の貯蔵室の冷却に悪影響を与えない部分に電気回路部品が取り付けられた電装部の収納部を形成するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷蔵庫は、前面に開口した冷蔵庫本体内を仕切って複数の貯蔵室が形成され前記冷蔵庫本体の下部には冷却システムの電動圧縮機と凝縮器が配置された機械室が形成された冷蔵庫において、前記冷蔵庫本体背面の左右稜部のうちの一方の稜部に沿った部分には、前記機械室の空気が上昇する上下方向の空気通路が切り欠き形状に形成され、他方の稜部に沿った部分には冷蔵庫の電気回路部品が取り付けられた電装部の収納凹部が上下方向に長く形成されたことを特徴とする。
【0008】
これによって、前記機械室の空気は、前記冷蔵庫本体の背面左右の稜部のうちの一方の稜部に形成された上下方向の空気通路から排気されて、機械室の圧縮機や凝縮器の放熱効果が得られる。また、断熱厚みの厚い他方の稜部には電装部が上下方向に長く収納されるため、冷蔵庫本体の貯蔵室の冷却に悪影響を与えない部分に電装部を収納できる。このため、冷蔵庫の背面を台所等の部屋の壁に近接又は当接させて設置できる冷蔵庫の効果を損なわない。
【0009】
また、本発明の冷蔵庫は、前面に開口した冷蔵庫本体内を仕切って複数の貯蔵室が形成され前記冷蔵庫本体の下部には冷却システムの電動圧縮機と凝縮器が配置された機械室が形成された冷蔵庫において、前記冷蔵庫本体背面の左右稜部のうちの一方の稜部に沿った部分には、前記機械室の空気が上昇する上下方向の空気通路が切り欠き形状に形成され、他方の稜部に沿った部分には冷蔵庫の電気回路部品が取り付けられた電装部の収納凹部が上下方向に長く形成され、前記冷蔵庫本体の背壁の断熱材中にはこの背壁の上部から下部に渡る範囲に真空断熱材を配置したことを特徴とする。
【0010】
これによって、前記機械室の空気は、送風機によって冷蔵庫本体の底面と前面側の吸い込み口から吸い込まれて、前記冷蔵庫本体の背面左右の稜部のうちの一方の稜部に形成された上下方向の空気通路から排気されて、機械室の圧縮機や凝縮器の放熱効果が得られる。また、断熱厚みの厚い他方の稜部には電装部が上下方向に長く収納されるため、冷蔵庫本体の貯蔵室の冷却に悪影響を与えない部分に電装部を収納できる。このため、冷蔵庫の背面を台所等の部屋の壁に近接又は当接させて設置できる冷蔵庫の効果を損なわない。更に、真空断熱材を冷蔵庫の背壁中の広い面積に配置できるため、冷蔵庫の断熱効果の向上として大きな効果が期待できる。
【0011】
また、本発明の冷蔵庫は、前記冷蔵庫本体背面の左右稜部に沿って上下に配置した発泡断熱材の充填用孔を設け、前記収納凹部は、この上下配置の充填用孔の間に配置されたことを特徴とする。このため、上記の効果に加えて、充填用孔から充填される発泡断熱材は、収納凹部の裏側部分を含む外箱(外壁板)と内箱(内壁板)との間に良好に充填される。
【0012】
また本発明の冷蔵庫は、前記収納凹部の深さが冷蔵庫の左右幅方向の中心に向かって徐々に浅くなる構成であり、前記収納凹部に収納される電気回路部品は、冷蔵庫の左右幅方向の中心に向かって高さが低くなる順に配置されたことを特徴とする。これによって、上記の効果に加えて、収納凹部の背面開口を閉じる蓋が冷蔵庫の背面側へ突出することが抑制されるため、背面が略フラットな冷蔵庫を提供できることとなり、台所等の壁に当接又は近接した設置が可能な冷蔵庫となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明冷蔵庫の実施の形態について説明する。各図は本発明の実施形態を示しており、図1は本発明に係る冷蔵庫の縦断側面図、図2は本発明に係る冷蔵庫の背面斜視図、図3は本発明に係る冷蔵庫の背壁左右部分の構成を示す横断平面図、図4は本発明に至る前の発明に係る冷蔵庫の背面斜視図である。
【0014】
図において、1は冷蔵庫Rを構成する冷蔵庫本体であり、外箱(外壁板)3と内箱(内壁板)2との間に発泡断熱材4を充填した断熱構造である。前面に開口した冷蔵庫本体1内には、複数の貯蔵室として上から冷蔵室5、野菜室6、冷凍室7が仕切られて形成されている。冷蔵室5の前面開口は、冷蔵庫本体1の一側部にヒンジ装置にて横方向に回動して開閉される回動式扉10にて閉塞される。野菜室6の前面開口は、野菜室6内に設けた左右のレールとローラの組み合わせによる引き出し装置8によって前後方向へ引き出し可能に支持した野菜貯蔵容器9と共に前方へ引き出される引き出し式扉11にて閉塞されている。冷凍室7は野菜室6と同様に、冷凍室7内に設けた左右のレールとローラの組み合わせによる引き出し装置13に対してそれぞれ前後方向へ引き出し可能に支持した容器14と共に前方へ引き出される引き出し式扉12にて閉塞されている。
【0015】
15は冷媒を圧縮する電動圧縮機、16は冷媒の凝縮器、17は冷媒を蒸発させる冷蔵室用蒸発器(冷却器)であり冷蔵室5の背部の冷気通路に設置されている。18は冷媒を蒸発させる冷凍室用蒸発器(冷却器)であり冷凍室7の背部に設置されている。凝縮器16で凝縮された冷媒は、それぞれ冷媒の減圧装置としてのキャピラリチューブを通って冷蔵室用蒸発器17と冷凍室用蒸発器18へ流入する。凝縮器16を出た冷媒が冷蔵室用蒸発器17と冷凍室用蒸発器18のいずれか一方又は双方へ流れるかは、冷蔵室5と冷凍室7の温度を規定値に保つように三方切り替え弁によって制御される。これら符号15〜18の要素によって冷媒が循環する冷却システムが形成される。22は冷蔵室用蒸発器17で冷却した空気を冷蔵室5と野菜室6へ循環する電動送風機、23は冷凍室用蒸発器18で冷却した空気を冷凍室7へ循環する電動送風機である。
【0016】
27は冷蔵室用蒸発器17の除霜水を受ける露受け部であり、野菜貯蔵容器9の後方位置で冷蔵庫本体1に設けられる。露受け部27で受けた露は排水パイプ28から蒸発皿29へ導かれ、ここで凝縮器16の熱によって蒸発する仕組みである。また、冷凍室用蒸発器(冷却器)18の除霜水も排水パイプにて蒸発皿29へ導かれ、そこで凝縮器16の熱によって蒸発される。
【0017】
野菜貯蔵容器9は、野菜室6の前面開口を開閉する扉11と共に前方へ引き出し自在であり、通常の冷却運転サイクル中において野菜貯蔵容器9内の野菜の乾燥を防ぐために、扉11を閉めた状態でこの野菜貯蔵容器9の上面開口が野菜室6の天井部に取り付けた上板24によって略閉じられ、扉11を引き出した状態で上面開口が開放されるように構成している。そして、野菜貯蔵容器9内は、主としてこの野菜貯蔵容器9の周囲に循環する冷気によって冷却される。
【0018】
冷蔵室用蒸発器17で冷却した空気は、電動送風機22によって実線矢印の如く冷蔵室5の上方の通路から冷蔵室5の前面に吹き出されて冷蔵室5を冷却し、冷蔵室5と野菜室6との間に形成された冷気通路25を流れて再び冷蔵室用蒸発器17へ帰還する循環をする。この循環において、上板24の前端部から冷気が野菜室6へ流入して野菜貯蔵容器9の周囲を流れた後、冷蔵室用蒸発器17へ帰還する循環をする。
【0019】
冷蔵庫本体1の下部に形成した機械室20には、電動圧縮機15と凝縮器16が配置され、電動圧縮機15と凝縮器16の熱は、機械室20に配置した送風機21によって、機械室20の前方から吸い込まれて後方へ排出される空気によって放熱される。
【0020】
冷蔵庫本体1の背面30の左右稜部のうちの一方の稜部に沿った部分には、機械室20の空気が上昇する上下方向の空気通路31が切り欠き形状に形成されている。具体的には、冷蔵庫本体1の外箱(外壁板)3の一部である背面板3Aの左部分が、冷蔵庫本体1の外箱(外壁板)3の側面板3Bに向けて傾斜した面3Cを形成し、この傾斜した面3Cによって冷蔵庫本体1の背面30と側面を台所等の壁面に沿って設置したとき、この台所等の壁面との間に横断面が三角形状のような空間が形成されるため、この空間が空気通路31となる。
【0021】
冷蔵庫本体1の背面30の左右稜部のうちの他方の稜部に沿った部分には、空気通路31のような通路は形成されておらず、そのために、冷蔵庫本体1の背面30の右方側は略フラットであり、背面コーナ部の断熱厚みが厚い部分である。本発明では、この冷蔵庫本体1の背面30の左右稜部のうち、空気通路31となる稜部の他方の稜部に沿った部分に、冷蔵庫Rの電気回路部品32が基板34に取り付けられた電装部33の収納凹部35を上下方向に長く形成している。具体的には、冷蔵庫本体1の外箱(外壁板)3の一部である背面板3Aの右部分を上下方向に長く断熱材4方向へ窪ませて、冷蔵庫Rの背面側に開口した収納凹部35を形成している。収納凹部35が形成される部分は冷蔵庫本体1の背面平面部の稜部に相当するため、外箱(外壁板)3と内箱(内壁板)2との間に充填した発泡断熱材4の厚みが厚い箇所である。43は背面30の左右稜部に沿って上下に配置した発泡断熱材4の充填用孔であり、収納凹部35は、この上下配置の充填用孔43の間に配置されている。このため、充填用孔43から充填される発泡断熱材4は、収納凹部35の裏側部分を含む外箱(外壁板)3と内箱(内壁板)2との間に良好に充填される。
【0022】
この発泡断熱材4の厚みが厚い箇所に収納凹部35を形成するため、この収納凹部35の形成によって断熱効果が低下して冷蔵庫本体1内の冷えが悪くなることがない状態である。この好ましい形態として、図3に示すように収納凹部35は、その底面は背面30の右稜部に近接する側が深くなるように傾斜している。これによって、基板34に取り付ける電気回路部品32のうち、トランス等のように背の高い部品32Aを収納凹部35の深い側に配置し、収納凹部35の浅い側には背の低い部品32Bを配置した収納状態としている。即ち、収納凹部35の深さが冷蔵庫Rの左右幅方向の中心に向かって徐々に浅くなるように収納凹部35の底面35Aを傾斜構成しており、収納凹部35に収納される電気回路部品32は、冷蔵庫Rの左右幅方向の中心に向かって高さが低くなる順に配置されている。これによって、収納凹部35の背面開口を水密状態に閉じる蓋36が冷蔵庫Rの背面側へ突出することが抑制されるため、背面が略フラットな冷蔵庫Rを提供できることとなり、台所等の壁に当接又は近接した設置が可能な冷蔵庫Rとなる。
【0023】
機械室20は、冷蔵庫本体1の前面側に空気の吸い込み口を備え、左右側面は冷蔵庫本体1の外箱(外壁板)3の左右側壁によって覆われており、背面側は蓋板40によって覆われた構成である。この蓋板40は、冷蔵庫本体1の背面板3Aの傾斜した面3Cの形状に合わせて、その左側には傾斜した面40Cが形成され、この傾斜した面40Cの上下方向には、機械室20内の温風が排出される複数の温風排出孔41が形成されている。これによって、傾斜した面40Cと3Cが略連続した空気通路31を形成する。機械室20内の空気は、送風機21によって冷蔵庫本体1の底面と前面側の吸い込み口から吸い込まれて温風排出孔41から排出され、空気通路31を上昇して冷蔵庫Rの上方へ排出される。また、蓋板40の右方の側は、傾斜した面40Cと同様の傾斜した形状でもよいが、この蓋板40上方の冷蔵庫本体1の背面30の右方側は略フラットであるため、この形状に合わせた形状であってもよい。42は電装部33に接続したAC電源用プラグである。
【0024】
37は真空断熱材であり、冷蔵庫本体1の背壁の断熱材4中に、この背壁の上部から下部に渡る範囲に配置されている。真空断熱材37は、ガスの透過を阻止する多層ラミネート構造のフィルム(これを、ガスバリアフィルムという)の袋にシリカ、パーライト等の微粉末と、グラスファイバや連続気泡性の発泡ポリウレタン等からなる断熱材(これをコア材という)を収納し、このガスバリアフィルムの袋内を真空状態にして密封した構成である。具体的には、冷蔵庫本体1の外箱(外壁板)3の一部である背面板3Aの内側に沿って、冷蔵室5、野菜室6及び冷凍室7の背面側に位置する広い範囲に存在する。
【0025】
これによって、機械室20の空気は、冷蔵庫本体1の背面左右の稜部のうちの一方の稜部に形成された上下方向の空気通路31から排気されて、機械室20の圧縮機15や凝縮器16の放熱効果が得られる。また、断熱厚みの厚い他方の稜部には電装部33が上下方向に長く収納されるため、冷蔵庫本体1の貯蔵室の冷却に悪影響を与えない部分に電装部33を収納できる。このため、冷蔵庫Rの背面30を台所等の部屋の壁に近接又は当接させて設置できる冷蔵庫の効果を損なわない。また、冷蔵庫Rの背壁中央部に電装部の収納凹部を設ける場合に比して冷蔵庫Rの背壁の断熱厚みが薄くなることもない。更に、真空断熱材37を冷蔵庫Rの背壁中の広い面積に配置できるため、冷蔵庫Rの断熱効果の向上として大きな効果が期待できる。
【0026】
図4には本発明に至る前の発明に係る冷蔵庫Rの背面斜視図を示している。この冷蔵庫Rは、冷蔵庫本体1の背面30の左右稜部に沿った部分に、機械室20の空気が上昇する上下方向の空気通路31が背面30の傾斜した面30Cによって形成されている。機械室20の背面の蓋板40にも、機械室20内の温風が排出される複数の温風排出孔41が形成された傾斜した面40Cが形成され、傾斜した面30Cと40Cによって上下方向に空気通路31が形成される。これによって、冷蔵庫本体1の背面30の左右両側に空気通路31が形成された構成である。冷蔵庫本体1の背面の中間部には、冷蔵庫Rの電気回路部品32が基板34に取り付けられた電装部33の収納凹部35が、左右の傾斜した面30Cの間のフラット部分に長テ方向を上下方向にして形成している。収納凹部35の背面開口は蓋36によって水密状態に閉じられている。
【0027】
図4の構成では、電装部33の収納凹部35の存在によって、真空断熱材37は収納凹部35の上方の冷蔵庫Rの背壁に配置されるため、本発明に比して真空断熱材37の範囲が狭くなり、この背壁部分の断熱効果が低下する。このため、背壁部分の断熱厚みを厚くする必要が生じ、冷蔵庫Rの外形寸法を大きくしない場合には、庫内容積が減少するという問題が生じる。
【0028】
図示した上記の構成では、空気通路31が左側に形成され、電装部33の収納凹部35が右側に形成されたが、空気通路31を右側に形成し、電装部33の収納凹部35を左側に形成した構成でも、本発明の範囲を逸脱するものではなく、上記と同様の効果が期待できる。
【0029】
本発明は特許請求の範囲に記載した事項によって特徴を有する。このため、上記実施形態に限定されるものではなく、その範囲を逸脱しない部分における種種の実施形態を包含するものである。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、機械室の空気は、冷蔵庫本体の背面左右の稜部のうちの一方の稜部に形成された上下方向の空気通路から排気されて、機械室の圧縮機や凝縮器の放熱効果が得られる。また、断熱厚みの厚い他方の稜部には電装部が上下方向に長く収納されるため、冷蔵庫本体の貯蔵室の冷却に悪影響を与えない部分に電装部を収納できる。このため、冷蔵庫の背面を台所等の部屋の壁に近接又は当接させて設置できる冷蔵庫の効果を損なわない。
【0031】
また、請求項2の発明によって、機械室の空気は、冷蔵庫本体の背面左右の稜部のうちの一方の稜部に形成された上下方向の空気通路から排気されて、機械室の圧縮機や凝縮器の放熱効果が得られる。また、断熱厚みの厚い他方の稜部には電装部が上下方向に長く収納されるため、冷蔵庫本体の貯蔵室の冷却に悪影響を与えない部分に電装部を収納できる。このため、冷蔵庫の背面を台所等の部屋の壁に近接又は当接させて設置できる冷蔵庫の効果を損なわない。更に、真空断熱材を冷蔵庫の背壁中の広い面積に配置できるため、冷蔵庫の断熱効果の向上として大きな効果が期待できる。
【0032】
また、請求項3の発明によって、上記の効果に加えて、充填用孔から充填される発泡断熱材は、収納凹部の裏側部分を含む外箱(外壁板)と内箱(内壁板)との間に良好に充填される。
【0033】
また、請求項4の発明によって、上記の効果に加えて、収納凹部の背面開口を閉じる蓋が冷蔵庫の背面側へ突出することが抑制されるため、背面が略フラットな冷蔵庫を提供できることとなり、台所等の壁に当接又は近接した設置が可能な冷蔵庫となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷蔵庫の縦断側面図である。
【図2】本発明に係る冷蔵庫の背面斜視図である。
【図3】本発明に係る冷蔵庫の背壁左右部分の構成を示す横断平面図である。
【図4】本発明に至る前の発明に係る冷蔵庫の背面斜視図である。
【符号の説明】
1・・・冷蔵庫本体
2・・・内箱(内壁板)
3・・・外箱(外壁板)
3A・・・外箱(外壁板)の背面板
3C・・・傾斜した面
4・・・発泡断熱材
5・・・冷蔵室
6・・・野菜室
7・・・冷凍室
15・・・圧縮機
16・・・凝縮器
21・・・送風機
31・・・空気通路
32・・・気回路部品
33・・・電装部
34・・・基板
35・・・収納凹部
36・・・蓋
37・・・真空断熱材
40・・・機械室の蓋板
43・・・発泡断熱材の充填用孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、前面に開口した冷蔵庫本体内を仕切って複数の貯蔵室が形成され前記冷蔵庫本体の下部には冷却システムの電動圧縮機と凝縮器が配置された機械室が形成された冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
前面に開口した冷蔵庫本体内を仕切って複数の貯蔵室が形成され前記冷蔵庫本体の下部には冷却システムの電動圧縮機と凝縮器が配置された機械室が形成された冷蔵庫において、冷蔵庫本体の背面左右の稜部に切り欠き形状によって機械室の空気が上昇する上下方向の空気通路を形成した冷蔵庫に係る技術がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
最近の冷蔵庫は液晶表示器を冷蔵庫の前面扉に配置して、冷蔵室や冷凍室の温度表示や時計表示に限らず、タイマー表示や、急速冷凍モード、急速製氷モード、冷蔵室の除菌モード、自動製氷機の清掃モード及び節電モード等の表示、さらにはレシピ等の表示もできるようにしている。これらの制御がマイクロコンピュータ方式によって行われるため、冷蔵庫の電気回路部品が多くなり、これらの部品を取り付ける基板も大きくなる。従来、図4に示すように、冷蔵庫本体の背面中央部に大きな収納凹部を形成して、ここにこの基板を収納する形態が採られている。
【0004】
図4のような形態においては、冷蔵庫本体背面中央部に収納凹部が配置されることにより、収納凹部の深さだけ冷蔵庫本体の背面の断熱厚さが薄くなるため、断熱効果が低下する。この断熱効果の低下を防止するために、冷蔵庫本体背壁部分の断熱厚みを厚くする必要が生じ、冷蔵庫の外形寸法を大きくしない場合には庫内容積が減少するという問題が生じる。また、最近の冷蔵庫は、断熱効果の向上のために真空断熱材が採用される(例えば、特許文献3参照)が、図4のような形態においては、基板の収納凹部によってこの真空断熱材を冷蔵庫の背壁に広く配置することができず、この背壁部分の断熱効果が低下する。このため、背壁部分の断熱厚みを厚くする必要が生じ、冷蔵庫の外形寸法を大きくしない場合には、庫内容積が減少するという問題が生じる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−107042号公報(第1〜3頁、図1〜3)
【特許文献2】
特公平4−71149号公報(第1〜5頁、図10〜11)
【特許文献3】
特開平10−205995号公報(第3〜4頁、図3〜5)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点に鑑み、冷蔵庫の背面を台所等の部屋の壁に近接又は当接させて設置できる冷蔵庫の効果を損なわないように、機械室の空気の排気通路を確保して機械室の圧縮機や凝縮器の放熱効果を得ると共に、冷蔵庫本体の貯蔵室の冷却に悪影響を与えない部分に電気回路部品が取り付けられた電装部の収納部を形成するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷蔵庫は、前面に開口した冷蔵庫本体内を仕切って複数の貯蔵室が形成され前記冷蔵庫本体の下部には冷却システムの電動圧縮機と凝縮器が配置された機械室が形成された冷蔵庫において、前記冷蔵庫本体背面の左右稜部のうちの一方の稜部に沿った部分には、前記機械室の空気が上昇する上下方向の空気通路が切り欠き形状に形成され、他方の稜部に沿った部分には冷蔵庫の電気回路部品が取り付けられた電装部の収納凹部が上下方向に長く形成されたことを特徴とする。
【0008】
これによって、前記機械室の空気は、前記冷蔵庫本体の背面左右の稜部のうちの一方の稜部に形成された上下方向の空気通路から排気されて、機械室の圧縮機や凝縮器の放熱効果が得られる。また、断熱厚みの厚い他方の稜部には電装部が上下方向に長く収納されるため、冷蔵庫本体の貯蔵室の冷却に悪影響を与えない部分に電装部を収納できる。このため、冷蔵庫の背面を台所等の部屋の壁に近接又は当接させて設置できる冷蔵庫の効果を損なわない。
【0009】
また、本発明の冷蔵庫は、前面に開口した冷蔵庫本体内を仕切って複数の貯蔵室が形成され前記冷蔵庫本体の下部には冷却システムの電動圧縮機と凝縮器が配置された機械室が形成された冷蔵庫において、前記冷蔵庫本体背面の左右稜部のうちの一方の稜部に沿った部分には、前記機械室の空気が上昇する上下方向の空気通路が切り欠き形状に形成され、他方の稜部に沿った部分には冷蔵庫の電気回路部品が取り付けられた電装部の収納凹部が上下方向に長く形成され、前記冷蔵庫本体の背壁の断熱材中にはこの背壁の上部から下部に渡る範囲に真空断熱材を配置したことを特徴とする。
【0010】
これによって、前記機械室の空気は、送風機によって冷蔵庫本体の底面と前面側の吸い込み口から吸い込まれて、前記冷蔵庫本体の背面左右の稜部のうちの一方の稜部に形成された上下方向の空気通路から排気されて、機械室の圧縮機や凝縮器の放熱効果が得られる。また、断熱厚みの厚い他方の稜部には電装部が上下方向に長く収納されるため、冷蔵庫本体の貯蔵室の冷却に悪影響を与えない部分に電装部を収納できる。このため、冷蔵庫の背面を台所等の部屋の壁に近接又は当接させて設置できる冷蔵庫の効果を損なわない。更に、真空断熱材を冷蔵庫の背壁中の広い面積に配置できるため、冷蔵庫の断熱効果の向上として大きな効果が期待できる。
【0011】
また、本発明の冷蔵庫は、前記冷蔵庫本体背面の左右稜部に沿って上下に配置した発泡断熱材の充填用孔を設け、前記収納凹部は、この上下配置の充填用孔の間に配置されたことを特徴とする。このため、上記の効果に加えて、充填用孔から充填される発泡断熱材は、収納凹部の裏側部分を含む外箱(外壁板)と内箱(内壁板)との間に良好に充填される。
【0012】
また本発明の冷蔵庫は、前記収納凹部の深さが冷蔵庫の左右幅方向の中心に向かって徐々に浅くなる構成であり、前記収納凹部に収納される電気回路部品は、冷蔵庫の左右幅方向の中心に向かって高さが低くなる順に配置されたことを特徴とする。これによって、上記の効果に加えて、収納凹部の背面開口を閉じる蓋が冷蔵庫の背面側へ突出することが抑制されるため、背面が略フラットな冷蔵庫を提供できることとなり、台所等の壁に当接又は近接した設置が可能な冷蔵庫となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明冷蔵庫の実施の形態について説明する。各図は本発明の実施形態を示しており、図1は本発明に係る冷蔵庫の縦断側面図、図2は本発明に係る冷蔵庫の背面斜視図、図3は本発明に係る冷蔵庫の背壁左右部分の構成を示す横断平面図、図4は本発明に至る前の発明に係る冷蔵庫の背面斜視図である。
【0014】
図において、1は冷蔵庫Rを構成する冷蔵庫本体であり、外箱(外壁板)3と内箱(内壁板)2との間に発泡断熱材4を充填した断熱構造である。前面に開口した冷蔵庫本体1内には、複数の貯蔵室として上から冷蔵室5、野菜室6、冷凍室7が仕切られて形成されている。冷蔵室5の前面開口は、冷蔵庫本体1の一側部にヒンジ装置にて横方向に回動して開閉される回動式扉10にて閉塞される。野菜室6の前面開口は、野菜室6内に設けた左右のレールとローラの組み合わせによる引き出し装置8によって前後方向へ引き出し可能に支持した野菜貯蔵容器9と共に前方へ引き出される引き出し式扉11にて閉塞されている。冷凍室7は野菜室6と同様に、冷凍室7内に設けた左右のレールとローラの組み合わせによる引き出し装置13に対してそれぞれ前後方向へ引き出し可能に支持した容器14と共に前方へ引き出される引き出し式扉12にて閉塞されている。
【0015】
15は冷媒を圧縮する電動圧縮機、16は冷媒の凝縮器、17は冷媒を蒸発させる冷蔵室用蒸発器(冷却器)であり冷蔵室5の背部の冷気通路に設置されている。18は冷媒を蒸発させる冷凍室用蒸発器(冷却器)であり冷凍室7の背部に設置されている。凝縮器16で凝縮された冷媒は、それぞれ冷媒の減圧装置としてのキャピラリチューブを通って冷蔵室用蒸発器17と冷凍室用蒸発器18へ流入する。凝縮器16を出た冷媒が冷蔵室用蒸発器17と冷凍室用蒸発器18のいずれか一方又は双方へ流れるかは、冷蔵室5と冷凍室7の温度を規定値に保つように三方切り替え弁によって制御される。これら符号15〜18の要素によって冷媒が循環する冷却システムが形成される。22は冷蔵室用蒸発器17で冷却した空気を冷蔵室5と野菜室6へ循環する電動送風機、23は冷凍室用蒸発器18で冷却した空気を冷凍室7へ循環する電動送風機である。
【0016】
27は冷蔵室用蒸発器17の除霜水を受ける露受け部であり、野菜貯蔵容器9の後方位置で冷蔵庫本体1に設けられる。露受け部27で受けた露は排水パイプ28から蒸発皿29へ導かれ、ここで凝縮器16の熱によって蒸発する仕組みである。また、冷凍室用蒸発器(冷却器)18の除霜水も排水パイプにて蒸発皿29へ導かれ、そこで凝縮器16の熱によって蒸発される。
【0017】
野菜貯蔵容器9は、野菜室6の前面開口を開閉する扉11と共に前方へ引き出し自在であり、通常の冷却運転サイクル中において野菜貯蔵容器9内の野菜の乾燥を防ぐために、扉11を閉めた状態でこの野菜貯蔵容器9の上面開口が野菜室6の天井部に取り付けた上板24によって略閉じられ、扉11を引き出した状態で上面開口が開放されるように構成している。そして、野菜貯蔵容器9内は、主としてこの野菜貯蔵容器9の周囲に循環する冷気によって冷却される。
【0018】
冷蔵室用蒸発器17で冷却した空気は、電動送風機22によって実線矢印の如く冷蔵室5の上方の通路から冷蔵室5の前面に吹き出されて冷蔵室5を冷却し、冷蔵室5と野菜室6との間に形成された冷気通路25を流れて再び冷蔵室用蒸発器17へ帰還する循環をする。この循環において、上板24の前端部から冷気が野菜室6へ流入して野菜貯蔵容器9の周囲を流れた後、冷蔵室用蒸発器17へ帰還する循環をする。
【0019】
冷蔵庫本体1の下部に形成した機械室20には、電動圧縮機15と凝縮器16が配置され、電動圧縮機15と凝縮器16の熱は、機械室20に配置した送風機21によって、機械室20の前方から吸い込まれて後方へ排出される空気によって放熱される。
【0020】
冷蔵庫本体1の背面30の左右稜部のうちの一方の稜部に沿った部分には、機械室20の空気が上昇する上下方向の空気通路31が切り欠き形状に形成されている。具体的には、冷蔵庫本体1の外箱(外壁板)3の一部である背面板3Aの左部分が、冷蔵庫本体1の外箱(外壁板)3の側面板3Bに向けて傾斜した面3Cを形成し、この傾斜した面3Cによって冷蔵庫本体1の背面30と側面を台所等の壁面に沿って設置したとき、この台所等の壁面との間に横断面が三角形状のような空間が形成されるため、この空間が空気通路31となる。
【0021】
冷蔵庫本体1の背面30の左右稜部のうちの他方の稜部に沿った部分には、空気通路31のような通路は形成されておらず、そのために、冷蔵庫本体1の背面30の右方側は略フラットであり、背面コーナ部の断熱厚みが厚い部分である。本発明では、この冷蔵庫本体1の背面30の左右稜部のうち、空気通路31となる稜部の他方の稜部に沿った部分に、冷蔵庫Rの電気回路部品32が基板34に取り付けられた電装部33の収納凹部35を上下方向に長く形成している。具体的には、冷蔵庫本体1の外箱(外壁板)3の一部である背面板3Aの右部分を上下方向に長く断熱材4方向へ窪ませて、冷蔵庫Rの背面側に開口した収納凹部35を形成している。収納凹部35が形成される部分は冷蔵庫本体1の背面平面部の稜部に相当するため、外箱(外壁板)3と内箱(内壁板)2との間に充填した発泡断熱材4の厚みが厚い箇所である。43は背面30の左右稜部に沿って上下に配置した発泡断熱材4の充填用孔であり、収納凹部35は、この上下配置の充填用孔43の間に配置されている。このため、充填用孔43から充填される発泡断熱材4は、収納凹部35の裏側部分を含む外箱(外壁板)3と内箱(内壁板)2との間に良好に充填される。
【0022】
この発泡断熱材4の厚みが厚い箇所に収納凹部35を形成するため、この収納凹部35の形成によって断熱効果が低下して冷蔵庫本体1内の冷えが悪くなることがない状態である。この好ましい形態として、図3に示すように収納凹部35は、その底面は背面30の右稜部に近接する側が深くなるように傾斜している。これによって、基板34に取り付ける電気回路部品32のうち、トランス等のように背の高い部品32Aを収納凹部35の深い側に配置し、収納凹部35の浅い側には背の低い部品32Bを配置した収納状態としている。即ち、収納凹部35の深さが冷蔵庫Rの左右幅方向の中心に向かって徐々に浅くなるように収納凹部35の底面35Aを傾斜構成しており、収納凹部35に収納される電気回路部品32は、冷蔵庫Rの左右幅方向の中心に向かって高さが低くなる順に配置されている。これによって、収納凹部35の背面開口を水密状態に閉じる蓋36が冷蔵庫Rの背面側へ突出することが抑制されるため、背面が略フラットな冷蔵庫Rを提供できることとなり、台所等の壁に当接又は近接した設置が可能な冷蔵庫Rとなる。
【0023】
機械室20は、冷蔵庫本体1の前面側に空気の吸い込み口を備え、左右側面は冷蔵庫本体1の外箱(外壁板)3の左右側壁によって覆われており、背面側は蓋板40によって覆われた構成である。この蓋板40は、冷蔵庫本体1の背面板3Aの傾斜した面3Cの形状に合わせて、その左側には傾斜した面40Cが形成され、この傾斜した面40Cの上下方向には、機械室20内の温風が排出される複数の温風排出孔41が形成されている。これによって、傾斜した面40Cと3Cが略連続した空気通路31を形成する。機械室20内の空気は、送風機21によって冷蔵庫本体1の底面と前面側の吸い込み口から吸い込まれて温風排出孔41から排出され、空気通路31を上昇して冷蔵庫Rの上方へ排出される。また、蓋板40の右方の側は、傾斜した面40Cと同様の傾斜した形状でもよいが、この蓋板40上方の冷蔵庫本体1の背面30の右方側は略フラットであるため、この形状に合わせた形状であってもよい。42は電装部33に接続したAC電源用プラグである。
【0024】
37は真空断熱材であり、冷蔵庫本体1の背壁の断熱材4中に、この背壁の上部から下部に渡る範囲に配置されている。真空断熱材37は、ガスの透過を阻止する多層ラミネート構造のフィルム(これを、ガスバリアフィルムという)の袋にシリカ、パーライト等の微粉末と、グラスファイバや連続気泡性の発泡ポリウレタン等からなる断熱材(これをコア材という)を収納し、このガスバリアフィルムの袋内を真空状態にして密封した構成である。具体的には、冷蔵庫本体1の外箱(外壁板)3の一部である背面板3Aの内側に沿って、冷蔵室5、野菜室6及び冷凍室7の背面側に位置する広い範囲に存在する。
【0025】
これによって、機械室20の空気は、冷蔵庫本体1の背面左右の稜部のうちの一方の稜部に形成された上下方向の空気通路31から排気されて、機械室20の圧縮機15や凝縮器16の放熱効果が得られる。また、断熱厚みの厚い他方の稜部には電装部33が上下方向に長く収納されるため、冷蔵庫本体1の貯蔵室の冷却に悪影響を与えない部分に電装部33を収納できる。このため、冷蔵庫Rの背面30を台所等の部屋の壁に近接又は当接させて設置できる冷蔵庫の効果を損なわない。また、冷蔵庫Rの背壁中央部に電装部の収納凹部を設ける場合に比して冷蔵庫Rの背壁の断熱厚みが薄くなることもない。更に、真空断熱材37を冷蔵庫Rの背壁中の広い面積に配置できるため、冷蔵庫Rの断熱効果の向上として大きな効果が期待できる。
【0026】
図4には本発明に至る前の発明に係る冷蔵庫Rの背面斜視図を示している。この冷蔵庫Rは、冷蔵庫本体1の背面30の左右稜部に沿った部分に、機械室20の空気が上昇する上下方向の空気通路31が背面30の傾斜した面30Cによって形成されている。機械室20の背面の蓋板40にも、機械室20内の温風が排出される複数の温風排出孔41が形成された傾斜した面40Cが形成され、傾斜した面30Cと40Cによって上下方向に空気通路31が形成される。これによって、冷蔵庫本体1の背面30の左右両側に空気通路31が形成された構成である。冷蔵庫本体1の背面の中間部には、冷蔵庫Rの電気回路部品32が基板34に取り付けられた電装部33の収納凹部35が、左右の傾斜した面30Cの間のフラット部分に長テ方向を上下方向にして形成している。収納凹部35の背面開口は蓋36によって水密状態に閉じられている。
【0027】
図4の構成では、電装部33の収納凹部35の存在によって、真空断熱材37は収納凹部35の上方の冷蔵庫Rの背壁に配置されるため、本発明に比して真空断熱材37の範囲が狭くなり、この背壁部分の断熱効果が低下する。このため、背壁部分の断熱厚みを厚くする必要が生じ、冷蔵庫Rの外形寸法を大きくしない場合には、庫内容積が減少するという問題が生じる。
【0028】
図示した上記の構成では、空気通路31が左側に形成され、電装部33の収納凹部35が右側に形成されたが、空気通路31を右側に形成し、電装部33の収納凹部35を左側に形成した構成でも、本発明の範囲を逸脱するものではなく、上記と同様の効果が期待できる。
【0029】
本発明は特許請求の範囲に記載した事項によって特徴を有する。このため、上記実施形態に限定されるものではなく、その範囲を逸脱しない部分における種種の実施形態を包含するものである。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、機械室の空気は、冷蔵庫本体の背面左右の稜部のうちの一方の稜部に形成された上下方向の空気通路から排気されて、機械室の圧縮機や凝縮器の放熱効果が得られる。また、断熱厚みの厚い他方の稜部には電装部が上下方向に長く収納されるため、冷蔵庫本体の貯蔵室の冷却に悪影響を与えない部分に電装部を収納できる。このため、冷蔵庫の背面を台所等の部屋の壁に近接又は当接させて設置できる冷蔵庫の効果を損なわない。
【0031】
また、請求項2の発明によって、機械室の空気は、冷蔵庫本体の背面左右の稜部のうちの一方の稜部に形成された上下方向の空気通路から排気されて、機械室の圧縮機や凝縮器の放熱効果が得られる。また、断熱厚みの厚い他方の稜部には電装部が上下方向に長く収納されるため、冷蔵庫本体の貯蔵室の冷却に悪影響を与えない部分に電装部を収納できる。このため、冷蔵庫の背面を台所等の部屋の壁に近接又は当接させて設置できる冷蔵庫の効果を損なわない。更に、真空断熱材を冷蔵庫の背壁中の広い面積に配置できるため、冷蔵庫の断熱効果の向上として大きな効果が期待できる。
【0032】
また、請求項3の発明によって、上記の効果に加えて、充填用孔から充填される発泡断熱材は、収納凹部の裏側部分を含む外箱(外壁板)と内箱(内壁板)との間に良好に充填される。
【0033】
また、請求項4の発明によって、上記の効果に加えて、収納凹部の背面開口を閉じる蓋が冷蔵庫の背面側へ突出することが抑制されるため、背面が略フラットな冷蔵庫を提供できることとなり、台所等の壁に当接又は近接した設置が可能な冷蔵庫となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷蔵庫の縦断側面図である。
【図2】本発明に係る冷蔵庫の背面斜視図である。
【図3】本発明に係る冷蔵庫の背壁左右部分の構成を示す横断平面図である。
【図4】本発明に至る前の発明に係る冷蔵庫の背面斜視図である。
【符号の説明】
1・・・冷蔵庫本体
2・・・内箱(内壁板)
3・・・外箱(外壁板)
3A・・・外箱(外壁板)の背面板
3C・・・傾斜した面
4・・・発泡断熱材
5・・・冷蔵室
6・・・野菜室
7・・・冷凍室
15・・・圧縮機
16・・・凝縮器
21・・・送風機
31・・・空気通路
32・・・気回路部品
33・・・電装部
34・・・基板
35・・・収納凹部
36・・・蓋
37・・・真空断熱材
40・・・機械室の蓋板
43・・・発泡断熱材の充填用孔
Claims (4)
- 前面に開口した冷蔵庫本体内を仕切って複数の貯蔵室が形成され前記冷蔵庫本体の下部には冷却システムの電動圧縮機と凝縮器が配置された機械室が形成された冷蔵庫において、前記冷蔵庫本体背面の左右稜部のうちの一方の稜部に沿った部分には、前記機械室の空気が上昇する上下方向の空気通路が切り欠き形状に形成され、他方の稜部に沿った部分には冷蔵庫の電気回路部品が取り付けられた電装部の収納凹部が上下方向に長く形成されたことを特徴とする冷蔵庫。
- 前面に開口した冷蔵庫本体内を仕切って複数の貯蔵室が形成され前記冷蔵庫本体の下部には冷却システムの電動圧縮機と凝縮器が配置された機械室が形成された冷蔵庫において、前記冷蔵庫本体背面の左右稜部のうちの一方の稜部に沿った部分には、前記機械室の空気が上昇する上下方向の空気通路が切り欠き形状に形成され、他方の稜部に沿った部分には冷蔵庫の電気回路部品が取り付けられた電装部の収納凹部が上下方向に長く形成され、前記冷蔵庫本体の背壁の断熱材中にはこの背壁の上部から下部に渡る範囲に真空断熱材を配置したことを特徴とする冷蔵庫。
- 前記冷蔵庫本体背面の左右稜部に沿って上下に配置した発泡断熱材の充填用孔を設け、前記収納凹部は、この上下配置の充填用孔の間に配置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
- 前記収納凹部は、その深さが冷蔵庫の左右幅方向の中心に向かって徐々に浅くなる構成であり、前記収納凹部に収納される電気回路部品は、冷蔵庫の左右幅方向の中心に向かって高さが低くなる順に配置されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の冷蔵庫。
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2003
- 2003-03-31 JP JP2003095554A patent/JP2004301433A/ja active Pending
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