JP7416654B2 - 改質石炭の製造方法および製造設備 - Google Patents

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Description

本発明は、改質石炭の製造方法および製造設備に関する。
従来から、石炭を乾留して改質石炭を製造する改質石炭の製造方法として、下記特許文献1に記載の方法が知られている。この製造方法では、乾留ガスを乾留の熱源として使用することで、熱効率を高めている。
ところで、この種の改質石炭の製造方法において、乾留ガスには高沸点成分のタールが含まれていることから、例えば、このタールが配管に付着して配管を閉塞する等し、乾留設備の稼働率が低下するおそれがある。
そこで、下記特許文献1に記載の製造方法では、低温加熱ガスおよび廃熱ガスを乾留ガスに混合することで、タールの配管などへの付着を抑制している。
特開2013-173831号公報
しかしながら、前記従来の改質石炭の製造方法では、石炭を乾留させる乾留装置の装置構成が複雑となり、運転が煩雑となるといった課題がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、改質石炭の製造設備における乾留装置の装置構成を簡素化し、運転も容易にすることを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
[1]軸線の回りに回転する内筒と、内筒を、内筒の径方向の外側から覆う加熱室と、内筒に、軸線方向に複数配置され、内筒を径方向に貫通して加熱室内に開口する排気管と、を有する乾留装置を備え、内筒において、軸線方向に沿った上流側に位置する端部から石炭が供給され、軸線方向に沿った下流側に位置する端部から改質石炭が排出される改質石炭の製造設備であって、加熱室内に酸素含有ガスを供給して加熱室内の温度を制御する温度制御部と、加熱室内のガスを排出する煙道と、を更に備え、煙道は、加熱室において上流側に位置する端部にのみ接続されている、改質石炭の製造設備。
[2]温度制御部は、煙道内の温度が600℃以上を維持し、かつ加熱室内の温度を600℃以上となるように制御する、[1]に記載の改質石炭の製造設備。
[3]温度制御部は、加熱室内を軸線方向に複数に区画してなる制御ゾーンごとに温度を制御し、煙道は、複数の制御ゾーンのうち、最も上流側の制御ゾーンに接続されている、[1]または[2]に記載の改質石炭の製造設備。
[4]内筒の内周面から軸線に向かって突出し、石炭を撹拌する撹拌部材をさらに備える、[1]から[3]のいずれか1項に記載の改質石炭の製造設備。
[5]内筒の内部で下流側の熱分解ゾーンに配置される撹拌部材は、上流側の水分蒸発ゾーンに配置される撹拌部材よりも、軸線に対する傾斜角が大きい、[4]に記載の改質石炭の製造設備。
[6]水分蒸発ゾーンに配置される撹拌部材の軸線に対する傾斜角が0である、[5]に記載の改質石炭の製造設備。
[7]撹拌部材は、軸線方向について、水分蒸発ゾーンおよび熱分解ゾーンからなる加熱領域の90%を超える範囲に配置される、[5]または[6]に記載の改質石炭の製造設備。
[8]撹拌部材と内筒の内周面との間に隙間が形成されている、[4]から[7]のいずれか1項に記載の改質石炭の製造設備。
[9]隙間の大きさは、内筒の径方向における撹拌部材の寸法の10%~25%である、[8]に記載の改質石炭の製造設備。
[10]撹拌部材は、内筒の径方向に対して傾斜する折り曲げ部を有する、[4]から[8]のいずれか1項に記載の改質石炭の製造設備。
[11]折り曲げ部は、撹拌部材の軸線側で内筒の内周面を基準にした撹拌部材の高さの30%以上~70%以下の範囲に形成され、
折り曲げ部の内筒の径方向に対する傾斜角は10°以上45°以下である、[10]に記載の改質石炭の製造設備。
[12]軸線の回りに回転する内筒と、内筒を、内筒の径方向の外側から覆う加熱室と、内筒に、軸線方向に複数配置され、内筒を径方向に貫通して加熱室内に開口する排気管と、を有する乾留装置を用いて、内筒において軸線方向に沿った上流側に位置する端部から石炭を供給し、軸線方向に沿った下流側に位置する端部から改質石炭を排出する改質石炭の製造方法であって、加熱室内に酸素含有ガスを供給して加熱室内の温度を制御する温度制御工程と、加熱室内のガスを排出するガス排出工程と、を含み、ガス排出工程では、加熱室において上流側に位置する端部からのみガスを排出する、改質石炭の製造方法。
[13]温度制御工程は、加熱室内の温度を600℃以上となるように制御する、[12]に記載の改質石炭の製造方法。
[14]温度制御工程は、加熱室内を軸線方向に複数に区画してなる制御ゾーンごとに温度を制御し、
ガス排出工程は、複数の制御ゾーンのうち、最も上流側の制御ゾーンからガスを排出する、[12]または[13]に記載の改質石炭の製造方法。
[15]内筒の内周面から軸線に向かって突出する撹拌部材を用いて石炭を撹拌する、[12]から[14]のいずれか1項に記載の改質石炭の製造方法。
[16]少なくとも内筒の内部で下流側の熱分解ゾーンに配置される撹拌部材が軸線に対する傾斜角を有し、石炭を上流側に押し戻すように撹拌する、[15]に記載の改質石炭の製造方法。
[17]撹拌部材と内筒の内周面との間に隙間が形成され、撹拌部材によって撹拌された石炭を隙間から落下させる、[15]または[16]に記載の改質石炭の製造方法。
[18]撹拌部材は内筒の径方向に対して傾斜する折り曲げ部を有し、撹拌部材によって撹拌された石炭を折り曲げ部から落下させる、[15]から[17]のいずれか1項に記載の改質石炭の製造方法。
上記の構成によれば、改質石炭の製造設備における乾留装置の稼働率を確保しつつ、改質石炭の製造設備における乾留装置の装置構成を簡素化し、運転も容易にすることができる。
本発明の第1の実施形態に係る改質石炭の製造設備のブロック図である。 図1に示す改質石炭の製造設備を構成する乾留装置の模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る乾留装置の内筒の展開内面図である。 図3に示す内筒の非展開状態のA-A線に沿った断面図である。 図3に示す内筒の非展開状態のB-B線に沿った断面図である。 図3に示す例における撹拌板の正面図である。 図3に示す例における撹拌板の側面図である。 本発明の第2の実施形態の変形例に係る乾留装置の内筒の断面図である。 本発明の第2の実施形態の変形例による撹拌板の正面図である。 本発明の第2の実施形態の変形例による撹拌板の側面図である。 検証試験における石炭の昇温速度と温度と揮発分との関係を示すグラフである。 検証試験における総括伝熱係数の測定結果を示すグラフである。 検証試験における隙間の大きさと飛散率および総括伝熱係数との関係を示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の第1の実施形態に係る改質石炭の製造設備を説明する。
図1に示すように、改質石炭の製造設備10は、乾燥装置11と、乾留装置12と、冷却装置13と、排ガスシステム14と、を備えている。この製造設備10は、例えば、褐炭や亜瀝青炭のような水分含有量の多い低品位炭を改質するのに好適に用いることができる。
乾燥装置11は、石炭を乾燥する。乾燥装置11は、例えば石炭の水分含有量が15重量%以下、好ましくは、10重量%以下になるまで、石炭を乾燥させる。乾留装置12は、乾燥された石炭を乾留する。乾留装置12は、例えば石炭の温度が500℃以上、具体的には550℃~800℃になるまで、石炭を乾留し、改質石炭にする。冷却装置13は、乾留された改質石炭を冷却する。冷却装置13は、例えば石炭の温度が70℃以下、好ましくは60℃以下になるまで、石炭を冷却させる。
排ガスシステム14は、乾留装置12から排出される水蒸気および部分燃焼(酸化)により一次燃焼された乾留ガスおよび同ガスに少量同伴される微粉炭を完全燃焼後に排ガスとして大気に放出する。排ガスシステム14は、二次燃焼装置15と、蒸気発生装置16と、除塵装置17と、吸引ファン18と、排ガス処理装置19と、を備えている。
二次燃焼装置15は、一次燃焼された乾留ガスを二次燃焼させて完全燃焼させる。完全燃焼の段階でNOが環境基準を上回るまで発生する場合には、後段に脱NO装置を設置することが好ましい。
蒸気発生装置16は、水蒸気および完全燃焼された乾留ガスからの廃熱回収により蒸気を発生させる。蒸気発生装置16は、回収した蒸気の一部もしくは全部を乾燥装置11に石炭の乾燥用熱源として供給する。除塵装置17は、蒸気発生装置16を通過したガスに同伴する微粉灰などを除去する。吸引ファン18は、除塵装置17からのガスを乾留装置12の加熱室内の圧力が一定となるように吸引し、排ガス処理装置19に送出する。排ガス処理装置19は、ガスからSO等を除去することで排ガスを精製し、この排ガスを大気に放出する。
ところで乾留装置12は、いわゆる外熱式ロータリーキルンである。図2に示すように、乾留装置12は、内筒21と、加熱室22と、温度制御部23と、を備えている。
乾留装置12において、石炭は、内筒21の内部を、内筒21の軸線O方向に通過する。内筒21において、軸線O方向に沿った上流側D1に位置する端部から石炭が定量で供給され、下流側D2に位置する端部から改質石炭が排出される。内筒21の上流側D1の端部は、乾燥装置11に接続され、内筒21の下流側D2の端部は、冷却装置13に接続されている。
内筒21の軸線Oは、水平方向に傾斜して延びている。具体的には、内筒21の軸線Oには、軸線O方向に沿った上流側D1から下流側D2に向かう下り緩勾配がつけられている。内筒21は、軸線O回りに回転可能に形成されている。内筒21の上流側D1の端部から供給された石炭は、内筒21が下流に向けて傾斜していること、軸線O回りに回転することで、内筒21の内周面を伝って所定の滞留時間をかけて徐々に下流側D2に向けて移動する。
加熱室22は、内筒21を、内筒21の径方向(以下、「径方向」という)の外側から覆っている。加熱室22には、内筒21が、軸線O方向に挿通されていて、内筒21の軸線O方向の両端部は、加熱室22から軸線O方向に突出している。
ここで内筒21には、排気管24が設けられていて、乾留装置12として、いわゆる角(つの)付きキルンが採用されている。
排気管24は、内筒21に、軸線O方向に複数配置されている。排気管24は、内筒21を径方向に貫通して加熱室22内に開口している。排気管24は、内筒21において、加熱室22内に位置する部分である加熱室内部分の21aに設けられている。図示された例において、排気管24は、加熱室内部分21aにおける軸線O方向の全長にわたって設けられている。排気管24は、軸線O方向に同等の間隔をあけて複数配置されている。排気管24は、内筒21の内部で石炭から発生したガスである水蒸気や高沸点成分のタールを含む乾留ガスを、加熱室22内に排出する。
温度制御部23は、加熱室22内に空気を供給して加熱室22内の温度を制御する。温度制御部23は、排気管24から加熱室22内に排出された高沸点成分のタールを含む乾留ガスを、空気により部分燃焼(酸化)させることで、加熱室22内を加熱する。なお空気と同様に、空気とは異なる酸素含有ガスを加熱室22内に供給することも可能である。ここで酸素含有ガスとは、酸素を含有し、乾留ガスを燃焼(酸化)させることができるガスを意味する。酸素含有ガスとしては、空気の他に、例えば酸素を含有する排ガス、酸素富化空気などが使用できる。さらに本実施形態では、温度制御部23は、加熱室22内を、加熱室22外の熱源すなわち燃料ガスにより加熱可能に形成されている。また、燃料ガスは、天然ガスやLPGガス等を使用することができ、立ち上げ時の系の予熱にも使用される。
温度制御部23は、制御ゾーンZ1~Z3ごとに温度を制御する。制御ゾーンZ1~Z3は、加熱室22内が軸線O方向に複数に区画されてなる。図示の例では、制御ゾーンZ1~Z3は、3つに区画されており、上流側D1から下流側D2に向けて、第1制御ゾーンZ1、第2制御ゾーンZ2、第3制御ゾーンZ3の順に区画されている。
温度制御部23には、複数の制御ゾーンZ1~Z3にそれぞれに対応する複数の制御系25が備えられている。各制御系25は、空気供給部26と、加熱部27と、温度検出部29と、制御本体部30と、を少なくとも備えている。図示の例では、上記に加え、制御ゾーンZ1~Z3に蒸気供給部28も備えた例を示す。なお空気供給部26は、空気以外の酸素含有ガスを供給する場合も含めると、酸素含有ガス供給部と言い換えることができる。
空気供給部26は、加熱室22内に空気を供給する。空気供給部26は、加熱室22に空気を供給する打ち込み空気ファン31と、打ち込み空気ファン31を加熱室22内に接続する第1配管32と、第1配管32に介装された第1制御弁33と、を備えている。第1配管32は、加熱室22の上壁および下壁部分に、上壁側および下壁側の配管が対向方向となるように、かつ上壁と下壁の配管を複数に分岐した後に接続されている。なお第1制御弁33に代わり、打ち込み空気ファン31のモーターをインバーターを用いて回転数変更する供給空気量制御方式も適用可能である。
加熱部27は、加熱室22内を、加熱室22外の燃料ガス(熱源)により加熱する。加熱部27は、加熱室22を加熱するバーナー34と、バーナー34に空気を供給するバーナーファン36と、バーナーファン36をバーナー34に接続する第2配管37と、第2配管37に介装された第2制御弁38と、バーナー34に燃料ガスを供給する第3配管39と、第3配管39に介装された第3制御弁40と、を備えている。バーナー34は、供給部から供給された空気と燃料ガスとを混合して燃料ガスを燃焼させる。バーナー34は、加熱室22の下壁部分に設けられ、第1配管32の下壁部分設置配管と同じ方向に設けられている。
蒸気供給部28は、加熱室22内に蒸気を供給し、加熱室22内を冷却する。蒸気供給部28は、例えば150℃程度の蒸気を加熱室22内に供給する。蒸気供給部28は、加熱室22内に蒸気を供給する第4配管41と、第4配管41に介装された第4制御弁42と、を備えている。第4配管41は、加熱室22の下壁に第1配管32の下壁部分設置配管と同じ方向に接続されている。
温度検出部29は、加熱室22内の温度を検出する。温度検出部29は、例えば温度センサにより構成することができる。
制御本体部30は、温度検出部29の検出結果に基づいて、空気供給部26、加熱部27および蒸気供給部28を制御する。図示の例では、制御本体部30は、第1~第4制御弁33、38、40、42を制御することで、空気供給部26、加熱部27および蒸気供給部28を制御する。制御本体部30は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)などの制御装置により構成され、分散制御システム(DCS:Distributed Control System)として実装されてもよい。
ここで加熱室22には、加熱室22からガスを排出する煙道43が設けられている。煙道43は、加熱室22に接続され、加熱室22内と二次燃焼装置15とを接続する。このとき、煙道43は、加熱室22における上流側D1に位置する端部にのみ接続されている。これにより、加熱室22内のガスは、加熱室22において上流側D1に位置する端部からのみ排出される。煙道43は、複数の制御ゾーンZ1~Z3のうち、最も上流側D1に位置する第1制御ゾーンZ1に接続されている。
次に、改質石炭の製造設備10および乾留装置12の作用について説明する。
改質石炭の製造設備10を用いた改質石炭の製造方法は、石炭を乾燥する乾燥工程と、乾燥した石炭を乾留する乾留工程と、乾留した石炭を冷却する冷却工程と、を備えている。乾燥工程は乾燥装置11により実施され、乾留工程は乾留装置12により実施され、冷却工程は冷却装置13により実施される。
ここで乾留工程では、まず、加熱室22を予熱する予熱工程を実施する。このとき、温度制御部23の加熱部27により、加熱室22内を加熱する。
また、内筒21の上流側D1の端部から石炭を供給し、下流側D2の端部から改質石炭を排出する。このとき、内筒21の内部を通過する石炭から高沸点成分のタールを含む乾留ガスが発生すると、この乾留ガスが、内筒21の内部から排気管24を通して加熱室22内に排出される。
そこで、加熱室22内に空気を供給して加熱室22内の温度を制御する温度制御を実施する(温度制御工程)。このとき、空気により乾留ガスを加熱室22内で部分燃焼(酸化)させることで、加熱室22内の温度を高め、内筒21の内部を通過する石炭を、内筒21を介して加熱することができる。また加熱室22内の温度を、加熱室22の壁面や煙道43の壁面にタールが付着しない程度に高めることができる。
本実施形態では、加熱室22の温度制御の際には、加熱室22内の全体の温度を600℃以上に制御する。このとき温度制御部23は、複数の制御ゾーンZ1~Z3のいずれの温度も600℃以上に制御する。温度制御部23は、加熱室22内の温度を過度に高めることなく、乾留装置12が操業可能な範囲で加熱室22内の温度を制御する。なお温度制御部23は、空気供給部26からの空気の供給量のみを制御することで、加熱室22の温度を制御することができる。また温度制御部23は、空気供給部26のみならず、加熱部27や蒸気供給部28を制御することで、加熱室22の温度を制御することも可能である。さらに、温度制御部23は、煙道43内の温度が600℃以上を維持するように温度制御を実施してもよい。
ここで、加熱室22内の温度は、例えば製造される改質石炭の用途などに応じて適宜変更することができる。加熱室22内の温度は、例えば、内筒21から排出される改質石炭の目標温度である改質石炭目標温度に基づいて設定することができる。具体的には、加熱室22内の温度を、改質石炭目標温度に対して100℃~150℃高い範囲で設定することが可能である。なお、改質石炭目標温度に対して、100℃~150℃高い範囲であることは、必須条件ではなく、改質石炭目標温度以上の温度であれば適用可能である。
なお、例えば改質石炭目標温度を650℃~850℃とすることで、石炭の揮発分(VM)を5~15質量%にして、改質石炭を無煙炭相当炭または半無煙炭相当炭とすることができる。さらに例えば、改質石炭目標温度を550℃~750℃とすることで、石炭の揮発分(VM)を10~30質量%にして、改質石炭を一般炭相当炭として好適に用いることができる。
ところで、加熱室22の温度制御の際、内筒21に上流側D1の端部から供給される石炭が150℃程度まで加熱される段階で石炭中の水分が蒸発する。その結果、内筒21において、上流側D1に位置する部分では、水分の蒸発に必要な熱量が加わるために石炭の加熱に必要な熱量が大きくなり、下流側D2に位置する部分では水分の蒸発がなくなるので石炭の加熱に必要な熱量が小さくなる。したがって、内筒21の内部では、上流側D1に位置する部分では石炭および雰囲気の温度が上昇し難い。また、内筒21の上流側D1に位置する部分では石炭中の水分の蒸発により水蒸気が多く発生し、下流側D2に向かうに連れて、乾留ガスの発生量が多くなる。その結果、排気管24から加熱室22内に排出される乾留ガスは、上流側D1において下流側D2より少なくなる。従って、加熱室22内についても、上流側D1に位置する部分では雰囲気ガスのカロリーが低いために温度が上昇し難い。
そこで、本実施形態では、加熱室22において上流側D1に位置する端部からのみガスを排出するようにガス排出を実施する(ガス排出工程)。つまり、加熱室22内のガスを上流側D1に位置する端部に設置した煙道43からのみ排出する。これにより、加熱室22内の下流側D2に位置する部分において多量に発生する乾留ガスが、加熱室22から排出される過程で、加熱室22内において上流側D1に位置する部分を通過する。このとき、乾留ガスに空気を供給して乾留ガスを部分燃焼(酸化)させることで、加熱室22内において上流側D1に位置する部分の温度を確実に上昇させることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る改質石炭の製造設備10、乾留装置12、改質石炭の製造方法および乾留方法によれば、乾留ガスを加熱室22内で部分燃焼(酸化)させることで、加熱室22内の温度を高めることができる。したがって、加熱室22内の温度を、加熱室22の壁面や煙道43の壁面にタールが付着しない程度に高めることで、改質石炭の製造設備10における乾留装置12の稼働率を確保しつつ、改質石炭の製造設備10における乾留装置12の装置構成を簡素化し、運転も容易にすることができる。
また温度制御部23が、煙道43内の温度が600℃以上を維持し、かつ加熱室22内の温度を600℃以上になるように制御するので、加熱室22の壁面や煙道43の壁面にタールが付着するのを確実に抑えることができる。これにより、改質石炭の製造設備10における乾留装置12の稼働率を確実に確保することができる。
さらに温度制御部23が、制御ゾーンZ1~Z3ごとに温度を制御するので、加熱室22内の温度を、加熱室22の壁面や煙道43の壁面にタールが付着しない程度に確実に高めることができる。例えば、複数の制御ゾーンZ1~Z3のうち、温度が上昇し易い下流側D2の第3制御ゾーンZ3において、乾留ガスが過剰に部分燃焼(酸化)するのを抑えて、未燃ガスを上流側へと移動させ、温度が上昇し難い上流側D1の第1制御ゾーンZ1において、下流側からの未燃ガスを含んだ乾留ガスを積極的に部分燃焼(酸化)させることができる。これにより、改質石炭の製造設備10における乾留装置12の稼働率を確実に確保することができる。
なお、本実施形態については、以下に例示するように種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した例では蒸気発生装置16が回収した蒸気を乾燥装置11に熱源として供給するが、蒸気発生装置16とは異なる装置から乾燥装置11に熱源が供給されてもよい。また、例えば、上述した例では温度制御部23が制御ゾーンZ1~Z3ごとに温度を制御しているが、温度制御部23が加熱室22内の温度を一体に制御してもよい。さらに、例えば、上述した例では加熱室22内に空気を供給するが、空気と同様に、空気とは異なる酸素含有ガスを加熱室22内に供給してもよい。ここで酸素含有ガスとは、酸素を含有し、乾留ガスを燃焼(酸化)させることができるガスを意味する。酸素含有ガスとしては、空気の他に、例えば酸素を含有する排ガス、酸素富化空気などが使用できる。その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、上述した例における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、変形例を適宜組み合わせてもよい。
次に、上記の第1の実施形態の作用効果を検証する第1~第3の検証試験を実施した。なお以下の第1~第3の検証試験では、加熱室22内に、酸素含有ガスとしての空気を供給した。
(第1の検証試験)
第1の検証試験では、煙道43の軸線O方向の位置の違いに基づく加熱室22内の温度について検証した。第1の検証試験では、試験例A1および試験例B1として2種類の乾留装置12を用いた。これらの2つの乾留装置12はいずれも、内筒21の直径は500mmとし、内筒21の加熱室内部分21aの軸線O方向の大きさは3000mmとし、内筒21の軸線Oの水平方向に対する傾斜角度は1.0度とし、内筒21の回転速度は3.1rpmとした。また、内筒21に供給される石炭の水分を11.8重量%とし、内筒21に供給される石炭の供給速度を、280kg/h~290kg/hとした。さらに、第2制御ゾーンZ2の温度に基づいて、各制御系25から制御ゾーンZ1~Z3それぞれに供給される空気量の供給速度を設定した。このとき、各制御ゾーンZ1~Z3に供給する空気量の供給速度を同等とし、3ゾーン合計の空気量の供給速度は280Nm/h~285Nm/hとした。
ここで、試験例A1と試験例B1とでは、煙道43の軸線O方向の位置を異ならせた。試験例A1では、上記の実施形態と同様に、煙道43を、加熱室22の上流側D1の端部の制御ゾーンZ1のみに接続した。試験例B1では、煙道43を、加熱室22の下流側D2の端部の制御ゾーンZ3のみに接続した。
この第1の検証試験では、第1~第3制御ゾーンZ3それぞれの温度と、内筒21から排出される石炭の温度である排出石炭温度と、を測定した。結果を以下表1に示す。
Figure 0007416654000001
この結果から、試験例A1では、試験例B1よりも加熱室22内の温度にばらつきが生じ難くなっていて、排出石炭温度も高められていることが確認された。
(第2の検証試験)
第2の検証試験では、加熱室22内の温度の違いに基づくタールの付着について検証した。第2の検証試験では、試験例A2および試験例B2として2種類の乾留装置12を用いた。これらの2つの乾留装置12はいずれも、内筒21の直径は500mmとし、内筒21の加熱室内部分21aの軸線O方向の大きさは3000mmとし、内筒21の軸線Oの水平方向に対する傾斜角度は1.0度とし、内筒21の回転速度は3.1rpmとした。また、内筒21に供給される石炭の水分を12.3重量%とし、内筒21に供給される石炭の供給速度を、275kg/h~280kg/hとした。さらに、煙道43を、加熱室22の上流側D1の端部の制御ゾーンZ1のみに接続した。
試験例A2と試験例B2とでは、加熱室22の運転温度によるタール付着の影響を比較するために、第2制御ゾーンZ2の目標温度を異ならせた。試験例A2では第2制御ゾーンZ2の温度が630℃程度とし、試験例B2では第2制御ゾーンZ2の温度が550℃程度とした。試験例A2および試験例B2では、それぞれの第2制御ゾーンZ2の目標温度に基づいて、各制御系25から制御ゾーンZ1~Z3それぞれに供給される空気量の供給速度を設定した。このとき、試験例A2および試験例B2それぞれにおいて、各制御ゾーンZ1~Z3に供給する空気量の供給速度を同等とした。具体的には、試験例A2では各制御ゾーンZ1~Z3の空気量の供給速度の合計を215Nm/hとし、試験例B2では各制御ゾーンZ1~Z3の空気量の供給速度の合計を163Nm/hとした。なお、この場合における第1~第3制御ゾーンZ3それぞれの温度および排出石炭温度を、以下表2に示す。
Figure 0007416654000002
この第2の検証試験では、試験例A2および試験例B2それぞれについて、5日間連続して操業し、1日目における内筒21から二次燃焼装置15までの間の圧力損失と、5日目における内筒21から二次燃焼装置15までの間の圧力損失とを測定した。ここで、内筒21から二次燃焼装置15までの間の圧力損失は、内筒21の下流側D2の端部と二次燃焼装置15側の端部との間のガスの圧力差によって測定する。
試験例A2および試験例B2とも、1日目の運転開始直後における煙道43の圧力損失は、0.02kPaであった。試験例A2では、5日目における煙道43の圧力損失は、0.03kPaであるのに対して、試験例B2では、5日目における煙道43の圧力損失は、1.45kPaであった。
この結果から、試験例A2では、試験例B1よりも煙道43の圧力損失が小さく、タールの付着が抑えられていることが確認された。
(第3の検証試験)
第3の検証試験では、制御ゾーンZ1~Z3ごとに温度を制御することによる石炭の揮発分の違いについて検証した。第3の検証試験では、試験例A3および試験例B3として2種類の乾留装置12を用いた。これらの2つの乾留装置12はいずれも、内筒21の直径は500mmとし、内筒21の加熱室内部分21aの軸線O方向の大きさは3000mmとし、内筒21の軸線Oの水平方向に対する傾斜角度は1.0度とし、内筒21の回転速度は3.1rpmとした。また、内筒21に供給される石炭の水分を12.1重量%とし、内筒21に供給される石炭の供給速度を、220kg/h~225kg/hとした。さらに、煙道43を、加熱室22の上流側D1の端部の制御ゾーンZ1のみに接続した。そして、排出改質石炭温度に基づいて、各制御系25から制御ゾーンZ1~Z3それぞれに供給される空気の供給速度を設定した。このとき、排出石炭温度が655℃前後となるように、各制御系25を制御した。
試験例A3と試験例B3とでは、加熱室22内における温度の分布を異ならせた。
すなわち、試験例A3では、温度制御部23により、各制御ゾーンZ1~Z3の温度がほぼ同等になるように、加熱室22の温度を制御した(表3参照)。このとき試験例A3では、各制御系25からの空気量の供給速度を異ならせて、第1制御ゾーンZ1には120Nm/hで空気を供給し、第2制御ゾーンZ2には70Nm/hで空気を供給し、第3制御ゾーンZ3には35Nm/hで空気を供給した。
一方、試験例B3では、各制御系25からの空気の供給速度を同等にして、各制御ゾーンZ1~Z3に各々75Nm/hで空気量の供給速度で空気を供給した。その結果、各制御ゾーンZ1~Z3の温度は、表3に示すように各ゾーンの温度がばらついた。
Figure 0007416654000003
この第3の検証試験では、試験例A3および試験例B3それぞれについて、内筒21から排出される改質石炭の揮発分を測定した。試験例A3では揮発分が6.2重量%であるのに対し、試験例B3では揮発分が9.2重量%であった。
この結果から、試験例A3では、排出石炭温度が試験例B3と同等であるにも関わらず試験例B3よりも揮発度が小さく、効果的に乾留されていることが確認された。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態でも上記の第1の実施形態と同様の外熱式ロータリーキルンの乾留装置を含む製造設備を用いて改質石炭が製造される。本実施形態では、以下で説明するように乾留装置の内筒の中で石炭を撹拌するための撹拌部材が設けられる。なお、それ以外の点については上記の第1の実施形態の例に限らず一般的な外熱式ロータリーキルンの構成を採用することが可能であり、例えば加熱室において煙道は必ずしも上流側の端部にのみ接続されなくてもよい。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る乾留装置における内筒の内周面の展開図である。図示された例において、内筒21の内部は上流側から下流側に向けて送り領域211と加熱領域212に区分され、加熱領域212は水分蒸発ゾーン212Aおよび熱分解ゾーン212Bにさらに区分される。また、熱分解ゾーン212Bの下流側は出口領域213である。本実施形態では、石炭を撹拌するための撹拌板51,52が、それぞれ水分蒸発ゾーン212Aおよび熱分解ゾーン212Bで内筒21の内周面21cから軸線O(図2参照)に向かって突出して設けられる。送り領域211には石炭を加熱領域212に送り込むための送りリフター211Lが設けられ、出口領域213には撹拌板およびリフターは設けられない。
撹拌板51,52は、内筒21の周方向について90°間隔で方向を変えて配列された排気管24とは別に、内筒21の周方向について所定間隔(図示された例では45°間隔)で配列される。水分蒸発ゾーン212Aでは、周方向に配列される複数の撹拌板51のそれぞれが軸線Oに対して平行に延びている。つまり、水分蒸発ゾーン212Aの撹拌板51の軸線Oに対する傾斜角は0である。図4Aは図3のA-A線に沿った断面図、すなわち展開されていない状態の内筒21の水分蒸発ゾーン212Aにおける断面図であり、各撹拌板51が内筒21の内周面21cから軸線Oに向かって突出し、かつ内筒21の周方向に等間隔に配列される例が示されている。撹拌板51は、軸線Oとは反対側の端部でブラケット53を介して内周面21cに取り付けられている。軸線Oの方向で隣接する撹拌板51は内筒21の周方向について間隔の1/2(図示された例では22.5°)だけ互いにずれて配列されている。本実施形態において、水分蒸発ゾーン212Aの撹拌板51は軸線Oの方向に例えば4列配列されている。
一方、熱分解ゾーン212Bでは、水分蒸発ゾーン212Aにおける撹拌板51の配列と同様な周方向の間隔(図では45°間隔)および長さ方向の間隔で、複数の撹拌板52が配列されている。熱分解ゾーン212Bでは、周方向に配列される複数の撹拌板52のそれぞれが軸線Oに対して傾斜角β(図3参照)を有する。傾斜角βの大きさは、例えば4.3°~4.5°程度である。熱分解ゾーン212Bでは、撹拌板52が傾斜角βを有することによって、内筒21を所定の向きに回転させた場合に通過する石炭を上流側に押し戻すように撹拌することができる。その一方で、水分蒸発ゾーン212Aでは傾斜角を有さない撹拌板51によって石炭が熱分解ゾーン212B側に送り出されるため、熱分解ゾーン212B内での石炭の充填率がより均一になり、滞留時間を長く設定することができる。図4Bは図3のB-B線に沿った断面図、すなわち展開されていない状態の内筒21の熱分解ゾーン212Bにおける断面図であり、各撹拌板52が内筒21の内周面21cから軸線Oに向かって突出し、かつ内筒21の周方向に等間隔に配列され、かつ軸線Oに対して傾斜角βを有するために端面だけではなく板面が見えている例が示されている。本実施形態において、熱分解ゾーン212Bの撹拌板52は軸線Oの方向に例えば8列配列されている。
加えて、熱分解ゾーン212Bにおける撹拌板52は、図5Aおよび図5Bに示すようにブラケット53を介して内周面21cに取り付けられ、撹拌板52と内筒21の内周面21cとの間には隙間54が形成されている。このような隙間54が形成されることで、内筒21の回転時に撹拌板52によって撹拌された石炭の一部を隙間54から内周面21cに沿って落下させることができ、石炭の粒子が軸線O側に飛散して排気管24に吸い込まれるのを防止しつつ、内筒21の内部での石炭の混合を促進させることができる。
本実施形態において、上記のような撹拌板51,52は、軸線Oの方向について、水分蒸発ゾーン212Aおよび熱分解ゾーン212Bからなる加熱領域212の全体に配置されている。石炭の飛散を防止しながら均一に撹拌混合するためには、撹拌板51,52を加熱領域212の90%を超える範囲に設置することが好ましい。
次に、上記の第1の実施形態で説明した図1もあわせて参照して、本実施形態における乾留装置を用いた改質石炭の製造方法について説明する。まず、図示しない駆動部を駆動させることで内筒21を軸線O回りに回転させるとともに、加熱部27によって加熱室22内を加熱する。そして、内筒21の内部が所定の高温になると石炭を内筒21の内部に投入し、加熱室22内の高熱によって乾留させる。
回転する内筒21の内部に石炭を投入すると、送り領域211の送りリフター211Lによって加熱領域212の水分蒸発ゾーン212Aに搬送され、石炭に含まれる水分が蒸発させられる。水分蒸発ゾーン212Aにおいて、撹拌板51は内筒21の軸線Oと平行に配列されているため、石炭の粒子は撹拌板51によって撹拌されながら内筒21の内周面21cに沿って搬送され、熱分解ゾーン212Bに搬送される。
熱分解ゾーン212Bでは、内筒21の回転によって撹拌板52が回転させられ、内筒21の内部で石炭が撹拌板52によって撹拌混合される。その際、一部の石炭は撹拌板52によって持ち上げられ、他の一部の石炭は撹拌板52で持ち上げられずに隙間54から落下して内周面21c上を流動する。撹拌板52上の石炭の全体が軸線O側に落下するのではないことによって、撹拌に伴う飛散量を抑制できる。
ここで、図4Bに示すように、熱分解ゾーン212Bに配置される撹拌板52は、撹拌板52の高さha(内周面21cを基準にした、内筒21の径方向における寸法)が石炭の充填高さhmに対して60%~90%となるように設計されることが好ましい。石炭の充填高さhmが撹拌板52の高さhaに対して小さすぎると撹拌効果が小さく、逆に大きすぎると石炭の飛散が増大する。内筒21への石炭の投入量を、撹拌板52の高さhaが石炭の充填高さhmに対して上記の範囲になるように調節してもよい。また、図5Aに示されるように、内周面21cと撹拌板52の延長面との交点(ブラケット53が内周面21cに接合される位置)から撹拌板52の軸線O側の端部までの距離を高さhaとし、隙間54の高さ、すなわち内周面21cと撹拌板52の延長面との交点から撹拌板52の内周面21c側の端部までの距離を高さhbとした場合、隙間54の高さhbは撹拌板52の高さhaの10%~25%の範囲、より好ましくは10%~20%の範囲にあることが好ましい。
このように、本実施形態では、内筒21の熱分解ゾーン212Bで石炭を乾留するにあたり、撹拌板52による撹拌によって、石炭の融着や塊状化を防止できる。これによって、内筒21の内部に堆積した石炭の温度偏差が小さくなり、加熱室22からの熱が効率的に伝達される。また、隙間54を設けることによって撹拌時における石炭の飛散を抑え、不揮発成分である炭化物の粒子が排気管24から排出されるのを抑制できる。
また、上述のように内筒21の軸線Oには下り緩勾配がつけられているため、内筒21の全体を通じて石炭は下流側に向かって移動するが、熱分解ゾーン212Bの撹拌板52が傾斜角βを有することによって、撹拌板52で撹拌された石炭の下流側への移動はある程度妨げられ、一部が上流側に押し戻される。その一方で、水分蒸発ゾーン212Aでは石炭が傾斜角を有さない撹拌板51によって下流側に送り出されるため、熱分解ゾーン212B内の石炭の充填率がより均一になり、滞留時間が長くなる。例えば、熱分解ゾーン212Bにおける温度を650℃とし、本実施形態とは異なり熱分解ゾーン212Bでも傾斜角を有さない撹拌板を設けた場合、内筒21に投入された石炭が熱分解ゾーン212Bに滞留する時間は例えば50分間程度である。他の条件は同様にして、本実施形態のように熱分解ゾーン212Bに傾斜角βを有する撹拌板52を設けた場合、石炭が熱分解ゾーン212Bに滞留する時間は約20%延長されて60分程度になり、これによって石炭の受熱面積が約8%向上する。つまり、上記の例では、撹拌板52が傾斜角βを有することによって乾留装置における石炭への伝熱効率が約8%向上する。
なお、本実施形態については、上記の第1の実施形態との組み合わせが可能である他、以下に例示するように種々の変更を加えることが可能である。また、上記で説明した撹拌板52が傾斜角βをもって配置される構成と、撹拌板52と内筒21の内周面21cとの間に隙間54を設ける構成とは、それぞれ別個に効果を奏するため、いずれか一方のみが採用されてもよい。
例えば、上述した例では、水分蒸発ゾーン212Aの撹拌板51を軸線Oに対して平行に設置したが、水分蒸発ゾーン212Aにおける撹拌板51も軸線Oに対して傾斜角をもって配置してもよい。この場合、軸線Oに対する撹拌板51の傾斜角は、撹拌板52の傾斜角βより小さく設定することが好ましい。
また、内筒21の周方向に配列される撹拌板52の設置間隔は、等間隔であることが好ましいが、不等間隔であってもよい。撹拌板52は、内筒21の内径に応じて4枚~12枚、より好ましくは6枚~10枚の範囲で設置できる。内周面21cの周方向に設置する撹拌板52の数は、石炭の混合撹拌効果を向上できる範囲で適宜設定できるが、撹拌板52の設置数を増やし過ぎると石炭の粒子が撹拌板52間で細かく区画されてしまい、混合割合が低下するので好ましくない。
次に、図6、図7Aおよび図7Bを参照して、本発明の第2の実施形態の変形例について説明する。本変形例では、撹拌板52に、内筒21の径方向に対して傾斜する折り曲げ部52bが形成される。具体的には、図7Aに示されるように、内周面21cと撹拌板52の延長面との交点(ブラケット53が内周面21cに接合される位置)から撹拌板52の軸線O側の端部までの距離を高さhaとし、隙間54の高さ、すなわち内周面21cと撹拌板52の延長面との交点から撹拌板52の内周面21c側の端部までの距離を高さhbとし、撹拌板52の軸線O側に形成される折り曲げ部52bとそれ以外の部分との境界の内周面21cからの距離を高さhcとした場合、高さhcは高さhaの30%~70%の範囲であることが好ましい。つまり、折り曲げ部52bは、撹拌板52の軸線O側で内筒21の内周面21cを基準にした撹拌板52の高さの30%以上~70%以下の範囲に形成されることが好ましい。また、折り曲げ部52bの内筒21の径方向に対する傾斜角γは10°以上45°以下であることが好ましい。上記の例では、撹拌板52によって撹拌された石炭のうち、折り曲げ部52b上にあるものが先行して落下することで、例えば折り曲げ部が形成されない撹拌板52の端部から石炭が(内筒21の回転によって撹拌板52の角度が水平を超えた時点で)一度に落下する場合に比べて石炭の飛散を抑制できる。
(第4の検証試験)
次に、本発明の第2の実施形態に係る検証試験の結果について説明する。第4の検証試験では、試験例A4および試験例A5として、揮発分が50wt%程度の褐炭を5mm以下に粉砕して乾燥させたものを原料炭として用いて熱分解試験を実施した。原料炭の加熱温度と生成された改質石炭のVM値(揮発分)との関係を図8のグラフに示す。試験例A4では石炭の昇温速度を7℃/分とし、試験例A5では25℃/分とした、それぞれ1分間保持した。試験例A4,A5のそれぞれで石炭温度が550℃、650℃、750℃の時にVM値を測定すると、昇温速度が低い試験例A4の場合の方が試験例A5と比較してVM値が低いという結果が得られた。この結果から、石炭の最終到達温度が同じであっても、昇温速度を比較的低く設定して熱分解ゾーンでの加熱(滞留)時間を長く維持することによって石炭のVM値を低減し、乾留炭の揮発を促進できることがわかる。
(第5の検証試験)
第5の検証試験では、内筒の内径φ500mm×加熱長L=3000mm(水分蒸発ゾーンおよび熱分解ゾーンを合わせた加熱領域の長さ)の外熱式ロータリーキルンを用いて石炭の乾留を行った。加熱領域の全長にわたって内筒の内周面周方向について4枚の撹拌板を配置し、撹拌板の傾斜角が0.0°(試験例B4)、4.0°(試験例A6)、6.0°(試験例A7)の3通りについて実験を行った。実験では、石炭投入量280kg/h、内筒の回転数を3.1rpm、内筒の下り勾配角度1.0°、撹拌板の高さha=90mmとし、試験例B4および試験例A6,A7について、実測滞留時間(min)および総括伝熱係数(kcal/mh℃)とを測定した。結果を表4に示す。
Figure 0007416654000004
表4に示す試験結果から、内筒の加熱領域に配置される撹拌板に傾斜角をもたせた試験例A6,A7において、傾斜角がない試験例B4と比較して実測滞留時間が長くなり、総括伝熱係数が大きくなることを確認できた。
(第6の検証試験)
第6の検証試験では、内筒の内径φ500mm、加熱長L=3000mm、内筒の下り勾配角度1.0°の外熱式ロータリーキルンを用いて石炭の乾留を行った。試験例B5では加熱領域の全長に渡って軸線に対して傾斜角をもたない撹拌板を設置し、試験例A8では加熱領域のうち内筒の上流側の端部から600mmの範囲までは傾斜角のない撹拌板を設置し、それ以降は傾斜角4°の撹拌板を設置した。試験例A9では加熱領域のうち内筒の上流側の端部から600mmの範囲までは傾斜角のない撹拌板を設置し、それ以降は傾斜角6°の撹拌板を設置した。実験では、石炭投入量280kg/h、内筒の回転数を3.1rpm、撹拌板の高さha=90mm、内筒の下流側の端部における炭化物の目標温度を640℃とし、試験例B5および試験例A8,A9について、実測滞留時間(min)、総括伝熱係数(kcal/mh℃)および乾留後の石炭揮発分(%)を測定した。結果を表5に示す。
Figure 0007416654000005
表5に示す試験結果から、水分蒸発ゾーンには傾斜角のない撹拌板を、熱分解ゾーンには傾斜角をもった撹拌板をそれぞれ設置した試験例A8,A9では、加熱領域の全長に傾斜角をもった撹拌板を設置した上記の試験例A6,A7に比べて主に水分蒸発ゾーンで実測滞留時間が若干短くなる。ただし、水分蒸発ゾーンでは石炭に含まれる水分が蒸発しきっていないために内筒の内外での温度差が大きく、滞留時間が長くなっても総括伝熱係数の増加にはつながらない。従って、熱分解ゾーンでの滞留時間が同程度である試験例A6,A7と試験例A8,A9の間で総括伝熱係数はほとんど変わらなかった。また、内筒の下流側の端部における炭化物の目標温度が同じである場合、実測滞留時間の長い試験例A6,A7の方がより揮発分の低い改質石炭が得られた。
(第7の検証試験)
第7の検証試験では、内筒の内径φ500mm、加熱長L=3000mm、内筒の下り勾配角度1.0°の外熱式ロータリーキルンを用いて石炭の乾留を行い、撹拌板の有無と設置数の違いによる内筒の内部の総括伝熱係数の測定値について試験した。石炭投入量190kg/h~280kg/h、内筒の回転数を2.2rpm~3.0rpm、加熱室の燃焼温度を790℃~840℃、内筒の内部における石炭の充填高さhmを100mm~140mmの範囲に設定した。試験例B6では撹拌板を設けず、試験例A10では撹拌板を周方向に2枚(180°間隔)で配置し、試験例A11では撹拌板を周方向に4枚(90°間隔)で配置し、試験例A12では撹拌板を周方向に8枚(45°間隔)で配置した。撹拌板の高さhaはいずれも75mmとした。各試験例について、撹拌板の配置長さを変更し、撹拌板の周方向の枚数×撹拌板の全長を加熱長Lで除した値Kを変化させながら石炭の乾留を行い、内筒の全内周面の面積を基準とする総括伝熱係数U(kcal/mh℃)を測定した。
図9は、第7の検証試験に係る総括伝熱係数の測定結果を示すグラフである。グラフに示されるように、撹拌板を設置することによって、また撹拌板の周方向の枚数および総面積が増大するに従って総括伝熱係数が大きくなることを確認できた。この結果は、撹拌板を設置し、周方向の枚数および総面積を増大させることで、内筒の内部における石炭の撹拌混合が促進されることを示している。
(第8の検証試験)
第8の検証試験では、内筒の内径φ2700mm、加熱長L=3000mmの外熱式ロータリーキルンにおける撹拌板の折り曲げ部の有無による石炭の飛散位置の違いをDEM(Discrete Element Method)による計算で求めた。内筒の回転数は2.7rpm、内筒の内部における石炭模擬粒子の充填高さhmは690mmとした。撹拌板は試験例B7、試験例A13ともに周方向に60°間隔で6枚配置した。試験例B7の撹拌板は内筒の径方向に延びる平板形状であり、試験例A13の撹拌板は図6に示すように撹拌板の上部に折り曲げ部を有する形状である。試験例B7、試験例A13とも、撹拌板と内筒の内周面との間には隙間が形成されない。試験例B7、試験例A13のそれぞれで、内筒が3回転する間に撹拌板によって撹拌された石炭の粒子が飛散する量を、内筒の中心軸線から内周面までの距離の関数として演算した。その結果を表6に示す。
Figure 0007416654000006
表6に示す結果から、試験例B7に比べて試験例A13では、石炭の粒子が飛散する範囲が軸線付近から内周面付近に移動していることがわかる。この結果は、撹拌板に折り曲げ部を設けることによって、内筒の軸線付近に飛散して排気管から排出される石炭の粒子を減少させられることを示している。
(第9の検証試験)
第9の検証試験では、内筒の内径φ500mm、加熱長L=3000mmの外熱式ロータリーキルンを用いて石炭の乾留を行い、撹拌板と内筒の内周面との間の隙間の有無による石炭の飛散状況を試験した。それぞれの例において撹拌板は内筒の内周面から上端までの高さhaが90mmであり、上部に折り曲げ部を有する形状である。撹拌板と内周面との間の隙間の大きさは、試験例B8では0(隙間なし)、試験例A14では15mm、試験例B9では高さ35mmとした。内筒に投入される石炭の含有水分を12.50%とし、内筒の回転数を3.1rpmとした。試験では、石炭の投入量および加熱後の温度から既知の収率関数を用いて、乾留後の改質石炭の排出量の予測値を計算した。この予測値と、内筒から排出された改質石炭の排出量の実測値との差分を、内筒の内部で飛散して排気管から排出された石炭粒子の量であるとみなして飛散率を算出した。結果を表7に示す。
Figure 0007416654000007
表7に示す結果から、撹拌板と内筒の内周面との間の隙間を大きくすることによって石炭の飛散量を低下させられることがわかる。ただし、以下の検証試験で示すように、隙間が大きすぎると石炭への伝熱係数が減少する場合があるため、隙間の大きさは適切な範囲で設定することが望ましい。
(第10の検証試験)
第10の検証試験では、内筒の内径φ500mm、加熱長L=3000mmの外熱式ロータリーキルンを用いて石炭の乾留を行い、撹拌板と内筒の内周面との間に隙間がある場合とない場合とにおける総括伝熱係数を実測した。それぞれの例において撹拌板は内筒の内周面から上端までの高さhaが90mmであり、撹拌板と内周面との間の隙間の大きさは、試験例B10では0(隙間なし)、試験例A15では15mm、試験例B11では35mmである。内筒の回転数は2.7rpm、石炭投入量は280kg/h、内筒の内部における石炭の充填高さhmは150mmとした。それぞれの例における総括伝熱係数の算出結果を表8に示す。
Figure 0007416654000008
表8に示す結果から、隙間の大きさを15mmとした試験例A15では隙間のない試験例B10に比べて総括伝熱係数が上昇するものの、隙間の大きさを35mmとした試験例B11ではかえって隙間のない試験例B10よりも総括伝熱係数が低下した。この結果から、撹拌板と内筒の内周面との間に適切な大きさの隙間を設けることによって石炭の撹拌の効率が向上するが、隙間が大きすぎると撹拌の効率が低下することがわかる。
図10は、上記の第9および第10の検証試験の結果について、内筒の内周面と撹拌板との間の隙間の大きさと石炭の飛散率および総括伝熱係数との関係を示すグラフである。グラフに示されるように、石炭粒子の飛散率は隙間が大きいほど少なくなる一方で、伝熱係数は隙間が所定の値(この例では15mm)の場合に最大になり、隙間が大きくなりすぎると低下する。例えば、グラフにおいて総括伝熱係数が10kcal/mh℃を上回る範囲を適切な範囲とすると、隙間の大きさについては9mm~23mm、すなわち撹拌板の高さhaの10%~25%の範囲が好ましく、高さhaの10%~20%の範囲がより好ましいといえる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10…製造設備、11…乾燥装置、12…乾留装置、13…冷却装置、14…排ガスシステム、15…二次燃焼装置、16…蒸気発生装置、17…除塵装置、18…吸引ファン、19…排ガス処理装置、21…内筒、21a…加熱室内部分、21c…内周面、211…送り領域、211L…送りリフター、212…加熱領域、212A…水分蒸発ゾーン、212B…熱分解ゾーン、213…出口領域、22…加熱室、23…温度制御部、24…排気管、25…制御系、26…空気供給部、27…加熱部、28…蒸気供給部、29…温度検出部、30…制御本体部、31…打ち込み空気ファン、32…第1配管、33…第1制御弁、34…バーナー、36…バーナーファン、37…第2配管、38…第2制御弁、39…第3配管、40…第3制御弁、41…第4配管、42…第4制御弁、43…煙道、51…撹拌板、52…撹拌板、52b…折り曲げ部、53…ブラケット、54…隙間、D1…上流側、D2…下流側、O…軸線、Z1…第1制御ゾーン、Z2…第2制御ゾーン、Z3…第3制御ゾーン。

Claims (16)

  1. 軸線の回りに回転する内筒と、
    前記内筒を、前記内筒の径方向の外側から覆う加熱室と、
    前記内筒に、前記軸線方向に複数配置され、前記内筒を前記径方向に貫通して前記加熱室内に開口する排気管と、を有する乾留装置を備え、
    前記内筒において、前記軸線方向に沿った上流側に位置する端部から石炭が供給され、前記軸線方向に沿った下流側に位置する端部から改質石炭が排出される改質石炭の製造設備であって、
    前記加熱室内に酸素含有ガスを供給して前記加熱室内の温度を制御する温度制御部と、
    前記加熱室内のガスを排出する煙道と、を更に備え、
    前記温度制御部は、前記加熱室内を前記軸線方向に複数に区画してなる制御ゾーンごとに温度を制御し、
    前記煙道は、複数の前記制御ゾーンのうち、最も前記上流側の制御ゾーンに接続されている、改質石炭の製造設備。
  2. 前記温度制御部は、前記煙道内の温度が600℃以上を維持し、かつ前記加熱室内の温度を600℃以上となるように制御する、請求項1に記載の改質石炭の製造設備。
  3. 前記内筒の内周面から前記軸線に向かって突出し、前記石炭を撹拌する撹拌部材をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の改質石炭の製造設備。
  4. 前記内筒の内部で前記下流側の熱分解ゾーンに配置される前記撹拌部材は、前記上流側の水分蒸発ゾーンに配置される前記撹拌部材よりも、前記軸線に対する傾斜角が大きい、請求項に記載の改質石炭の製造設備。
  5. 前記水分蒸発ゾーンに配置される前記撹拌部材の前記軸線に対する傾斜角が0である、請求項に記載の改質石炭の製造設備。
  6. 前記撹拌部材は、前記軸線方向について、前記水分蒸発ゾーンおよび前記熱分解ゾーンからなる加熱領域の90%を超える範囲に配置される、請求項または請求項に記載の改質石炭の製造設備。
  7. 前記撹拌部材と前記内筒の内周面との間に隙間が形成されている、請求項から請求項のいずれか1項に記載の改質石炭の製造設備。
  8. 前記隙間の大きさは、前記内筒の径方向における前記撹拌部材の寸法の10%~25%である、請求項に記載の改質石炭の製造設備。
  9. 前記撹拌部材は、前記内筒の径方向に対して傾斜する折り曲げ部を有する、請求項から請求項のいずれか1項に記載の改質石炭の製造設備。
  10. 前記折り曲げ部は、前記撹拌部材の前記軸線側で前記内筒の内周面を基準にした前記撹拌部材の高さの30%以上~70%以下の範囲に形成され、
    前記折り曲げ部の前記内筒の径方向に対する傾斜角は10°以上45°以下である、請求項に記載の改質石炭の製造設備。
  11. 軸線の回りに回転する内筒と、前記内筒を、前記内筒の径方向の外側から覆う加熱室と、前記内筒に、前記軸線方向に複数配置され、前記内筒を前記径方向に貫通して前記加熱室内に開口する排気管と、を有する乾留装置を用いて、前記内筒において前記軸線方向に沿った上流側に位置する端部から石炭を供給し、前記軸線方向に沿った下流側に位置する端部から改質石炭を排出する改質石炭の製造方法であって、
    前記加熱室内に酸素含有ガスを供給して前記加熱室内の温度を制御する温度制御工程と、
    前記加熱室内のガスを排出するガス排出工程と、を含み、
    前記温度制御工程は、前記加熱室内を前記軸線方向に複数に区画してなる制御ゾーンごとに温度を制御し、
    前記ガス排出工程は、複数の前記制御ゾーンのうち、最も前記上流側の制御ゾーンからガスを排出する、改質石炭の製造方法。
  12. 前記温度制御工程は、前記加熱室内の温度を600℃以上となるように制御する、請求項11に記載の改質石炭の製造方法。
  13. 前記内筒の内周面から前記軸線に向かって突出する撹拌部材を用いて前記石炭を撹拌する、請求項11または請求項12に記載の改質石炭の製造方法。
  14. 少なくとも前記内筒の内部で前記下流側の熱分解ゾーンに配置される前記撹拌部材が前記軸線に対する傾斜角を有し、前記石炭を前記上流側に押し戻すように撹拌する、前記請求項13に記載の改質石炭の製造方法。
  15. 前記撹拌部材と前記内筒の内周面との間に隙間が形成され、前記撹拌部材によって撹拌された石炭を前記隙間から落下させる、請求項13または請求項14に記載の改質石炭の製造方法。
  16. 前記撹拌部材は前記内筒の径方向に対して傾斜する折り曲げ部を有し、前記撹拌部材によって撹拌された石炭を前記折り曲げ部から落下させる、請求項13から請求項15のいずれか1項に記載の改質石炭の製造方法。
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