JP4470520B2 - 有機物含有汚泥の炭化処理装置 - Google Patents
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Description
この排水処理に伴って有機汚泥が発生するが、排水処理量の増加とともに有機汚泥の発生量も年々増加し、その処理処分が大きな問題になっている。
しかしながら汚泥を焼却或いは溶融処理すると多量のエネルギーを消費し、処理コストが高いものとなる。
そこでエネルギー消費の少ない有機汚泥の減量化処理の1つの方法として、汚泥を乾留処理により炭化することが提案されている。
図中200は受入ホッパであり、含水率80%程度まで脱水された汚泥ケーキがこの受入ホッパ200に先ず受け入れられる。
ここに受け入れられた汚泥ケーキは、定量供給装置202にて乾燥炉204へと送られ、そこで所定の含水率、例えば40%程度の含水率まで乾燥処理される。
尚この乾燥炉204では、汚泥ケーキの乾燥と併せてその粉砕が行われる。
この炭化炉208には、図7にも示しているように炉体210の内部に乾留容器としての円筒形状の回転ドラム214が設けられており、前段の乾燥炉204で乾燥処理された汚泥がコンベヤ206により、更には回転ドラム214の前端部(図中左端部)位置に設けられたスクリューフィーダ(図示せず)により回転ドラム214内部に投入される。
すると汚泥中に含まれていた可燃ガスが、回転ドラム214に設けられた吹出パイプ220を通じて外熱室218の雰囲気中に抜け出し、そしてこの可燃ガスが着火して、以後はその可燃ガスの燃焼により回転ドラム214内部の汚泥の加熱が行われる。
この段階では助燃バーナ216は燃焼停止される。
この排ガス処理室222には排ガス処理室用バーナ224が設けられており、排ガス処理室222内に導かれた排ガス中の未燃ガスが、この排ガス処理室用バーナ224にて2次燃焼される。
このようにして得られた炭化物(炭化製品)は物性的には木炭に近い性状を有するものであり、園芸用土壌,融雪剤等に利用されている。
尚ここではパイロットバーナ用にLPGが用いられ、燃焼バーナ用に灯油が用いられている。
即ち熱風炉226で発生した熱風は、乾燥炉204,集塵機228を通る循環路230を、循環ファン232により循環流通させられるようになっている。
この循環系では、乾燥炉204においてリークエアが循環する熱風中に入り込む。
ここで分岐路234に取り出された熱風の、熱風炉熱交換器236で熱交換された後の温度は約400℃程度であり、そして空気取入口240からの外気の取入れによる希釈・冷却により、排ガスファン238の下流部で温度は約200〜250℃程度となる。
また循環路230を循環流通する熱風は、熱風炉熱交換器236で熱交換されることによりそこで温度上昇させられた上、熱風炉226の入口に戻される。
この排気路250に取り出された炭化炉208からの排ガスは、温度が800〜1000℃程度の高温度であり、そこで先ず空気取入口258からの外気の取入れによって希釈及び冷却された上で、循環路230上に設けられた炭化炉熱交換器252で熱交換され、そこで温度降下された後、更に炭化炉熱交換器252の下流部において、空気取入口260からの外気の取入れにより再び希釈・冷却された上で、排ガスファン254により排気路256,244を通じて煙突246から外部に放出される。
この炭化炉208にはLPG,灯油等の燃料が燃焼空気とともに供給される。ここでLPGはパイロットバーナの燃焼用として用いられ、また灯油は燃焼バーナ用の燃料として用いられる。
しかしながらこの炭化処理装置の場合、乾燥炉204,炭化炉208がそれぞれ別の炉として必要であるとともに、乾燥炉204から出た排ガスを処理して煙突246から排出するための排ガスライン及び炭化炉208から排出された排ガスを処理して煙突246から排出するための排ガスラインがそれぞれ別系統の排ガスラインとして必要であり、装置全体の機器点数が多くなって装置コストが高くなるとともに、装置自体も必然的に大型化してしまうといった問題を内包している。
またこれに伴って装置そのものをコンパクト化することができる。
図1は本発明の一実施形態である有機物含有汚泥、ここでは下水の排水処理で生じた有機汚泥の炭化処理装置の全体構成を示したもので、図中10は受入ホッパであり、含水率80%程度まで脱水された汚泥ケーキがこの受入ホッパ10に先ず受け入れられる。
尚この乾燥炉16における汚泥ケーキの乾燥の際には、汚泥ケーキの粉砕が併せて行われる。
この炭化炉14にはLPG,灯油等の燃料が燃焼空気とともに供給される。ここでLPGはパイロットバーナの燃焼用として用いられ、また灯油は燃焼バーナ用の燃料として用いられる。
この炭化炉14と煙突22との間の排気路20上には調整弁24,排ガスファン26及び集塵機28が設けられている。
ここで調整弁24は炭化炉14の炉内圧調整のための弁である。
調整弁34は、冷却及び希釈用空気として導入される空気量を調整する弁である。
尚、必要に応じて排気路20上に熱交換器36を設けておいても良い。
これらの図に示しているように炭化炉14は炉体38を有しており、その内部に乾留容器となる回転ドラム40が回転可能に設けられている。
炉体38内部且つ回転ドラム40の外部には外熱室42が形成されており、そこに複数の燃焼バーナ44が配設されている。
尚、回転ドラム40にはその内部と外熱室42とを連通させるようにしてパイプ46が設けられている。
ここで排ガス処理室48は隔壁52にて外熱室42と区画されている。
そして2次燃焼後の排ガスが、排気口54から上記の排気路20を構成する排気管55へと排出される。
このスクリューコンベヤ56はスパイラル状の羽根58を有しており、その羽根58の回転に伴って、乾燥炉16で乾燥処理された汚泥が炭化炉14の回転ドラム40内部に連続的に供給される。
尚このスクリューコンベヤ56の内側の空間は、回転ドラム40内の高温のガスを図中左向き、即ち乾燥炉16側に流通させるための通路60を形成している。
即ちこの実施形態では炭化炉14と乾燥炉16とが一体構造体として構成されている。いわば炭化炉14が従来の乾燥炉16を兼用した形態で構成されている。
そしてその乾燥用熱風は、回転ドラム62の図中右端から左端に向けて回転ドラム62内部を移動し、その過程で回転ドラム62内部で汚泥の乾燥処理が行われる。
尚乾燥炉16における回転ドラム62もまた、炭化炉14における回転ドラム40と同じ勾配で図中右向きに傾斜している。
ここで撹拌軸66は、図5に詳しく示しているように回転ドラム62の中心から偏心した位置に設けられている。
一方回転ドラム62の内周面には、周方向に所定間隔で複数の板状のリフター70が回転ドラム62と一体回転する状態で設けられている。
回転ドラム62内部の汚泥は、このような撹拌作用を受けながらその内部に導かれた乾燥用熱風に曝されて乾燥処理され、次第に含有水分が減少して行く。
そして炭化炉14の入口部のスクリューコンベヤ56の送り作用で、炭化炉14の回転ドラム40内部に連続的に送り出される。
この実施形態において、撹拌軸66は片持状態で支持されることとなり、そのためこの実施形態ではかかる撹拌軸66を軸方向に距離をおいた2箇所で一対の軸受72によりこれを安定的に支持するようになしている。
一方回転ドラム62は1分間に4回転ぐらいの低速回転である。
投入された汚泥ケーキは、スクリューフィーダ82によって図中右方に前進送りされ、その先端から乾燥炉16の回転ドラム62内部に投入される。
その撹拌パドル84の回転軸86には駆動モータ88が作動的に連結され、その駆動モータ88により撹拌パドル84が回転駆動される。
本実施形態では、図1の受入ホッパ10に受け入れられた汚泥が定量供給装置12によって図4の投入ホッパ78へと投入され、続いてスクリューフィーダ82によって乾燥炉16の回転ドラム62内に連続供給される。
そしてその移動の過程で、炭化炉14の回転ドラム60側から図中左向きに流れ込んで、回転ドラム62内を汚泥の進行方向とは逆向きに流れる高温のガス即ち乾燥用熱風に曝されて、そこで乾燥処理されて行く。
そして2次燃焼後の排ガスが、排気口54を通じて排気路20に取り出され、そしてその排気路20を流通した後、煙突22から外部に放出される。
またこれに伴って装置そのものをコンパクト化することができる。
例えば本発明においては炭化炉14における回転ドラム40と乾燥炉16における回転ドラム62とを継目のない一体物として構成しておくこともできるし、或いはまたそれぞれを別の部材で構成して互いを連結一体化するといったことも可能である。
その他本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
16 乾燥炉
38 炉体
40,62 回転ドラム
48 排ガス処理室
Claims (3)
- (イ)乾燥容器としての回転ドラムを有し、その軸方向の一端側から内部に供給された有機物含有汚泥を、該回転ドラムを回転させつつその内部に沿って軸方向に移動させ、該移動の過程で熱風による該汚泥の乾燥処理を行うとともに、乾燥後の汚泥を軸方向の他端側から排出する乾燥炉と
(ロ)炉体内部に回転ドラムを乾留容器として有し、該回転ドラムの軸方向の一端側から内部に供給された乾燥後の前記汚泥を、該回転ドラムを回転させつつその内部に沿って軸方向に移動させ、該移動の過程で該汚泥を乾留処理により炭化させて、炭化物を該回転ドラムの軸方向の他端側から排出する炭化炉と、を備えた有機物含有汚泥の炭化処理装置において、
前記炭化炉の前記回転ドラムから前記乾燥炉の回転ドラムを軸方向に連続する形態で突出形成して、それら炭化炉と乾燥炉とを一体構造化し、該乾燥炉で乾燥した前記汚泥を別途の移送装置を経由することなく該乾燥炉の前記回転ドラムから前記炭化炉の回転ドラムに直接的に移行させるようになすとともに、
前記炭化炉における回転ドラム内部の高温のガスを、前記汚泥の進行方向とは逆向きに該炭化炉の回転ドラム内部から前記乾燥炉の回転ドラム側に乾燥用熱風として流すようになしてあることを特徴とする有機物含有汚泥の炭化処理装置。 - 請求項1において、前記炭化処理装置が前記乾燥炉に供給する熱風を発生させる熱風炉を独立に有しておらず、該炭化炉が該熱風炉を兼用していることを特徴とする有機物含有汚泥の炭化処理装置。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記炭化炉の回転ドラム内の高温のガスを前記乾燥用熱風として前記乾燥炉の回転ドラム内に通した後に、再び該炭化炉の排ガス処理室に通して、該排ガス処理室内で2次燃焼させ、未燃ガスを燃焼処理するようになしてあることを特徴とする有機物含有汚泥の炭化処理装置。
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