JP7412635B2 - 中性子束計測装置 - Google Patents

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Description

本願は、中性子束計測装置に関するものである。
従来より、原子炉内の中性子束、またはその分布を連続的に計測するために、中性子を検出する自己出力型中性子検出器の出力を用いた中性子束計測装置が利用されている。
一般に自己出力型中性子検出器は、エミッタ材と呼ばれる中性子との反応が比較的生じやすい物質、例えばロジウム、バナジウム等が用いられる。これらの物質は、中性子との反応確率を意味する中性子捕獲断面積が高いため、中性子との相互作用による放射化反応が優位に多く生じ、中性子捕獲による核変換から、安定元素へ遷移する際にベータ崩壊する。一方、エミッタ材の外側には、コレクタ材と呼ばれる中性子捕獲断面積が低い物質が絶縁体を介して配置されている。これにより、コレクタ材は、相対的にエミッタ材よりも中性子との相互作用が生じにくく、また、両者は電気的には絶縁された状態となっている。
ここで、ロジウム、バナジウム等をエミッタ材に用いる自己出力型中性子検出器は、中性子照射によるエミッタ材の放射化に伴うベータ崩壊によって放出される電子を起源とする電流を出力する。したがって、この中性子束と比例する出力電流を計測することで間接的に中性子束の計測を行っている。この自己出力型中性子検出器は、中性子との相互作用によってエミッタ材の消耗が生じるため、中性子の照射量に応じて中性子に対する検出器感度が低下する。このため、同一の中性子束に対し、エミッタ材の消耗の程度に応じて自己出力型検出器からの出力電流は低下する。したがって、自己出力型検出器を交換できない期間、少なくとも原子炉の運転サイクル期間中には、定期的に検出器感度を補正する必要があった。
一般に、原子炉内の中性子束は、原子炉出力と関係があるため、炉内に固定する検出器の中性子照射量は、運転サイクル期間中の原子炉の運転モードに依存する。従来は、経済性、あるいは、確実な運転確保の観点から、原子炉の出力は過度に変動させない、もしくは、日本国内のようにベースロード電源としての定格出力を一定とする運転モードを採用していた。このような原子炉出力が頻繁に変動しない場合における、検出器感度の低下を補正する中性子束計測装置として、以下のような原子炉炉内中性子束計測装置が開示されている。
即ち、従来の中性子束計測装置としての原子炉炉内中性子束計測装置は、炉心内に固定して設置される自己出力型中性子検出器を用いる原子炉炉心内中性子束計測装置において、一定計測間隔Δtごとに、
Sn=Sn-1・exp(-σ)・φn-1・Δt
Sn:時刻tn-1=tn-Δtllにおける自己出力型中性子検出器の中性子感度
Sn-1:時刻t-1=tn-Δtにおける自己出力型中性子検出器の中性子感度
σ:自己出力型中性子検出器のエミッタ物質の中性子吸収断面積
φn-1:時刻tn-1=tn-△tにおける中性子検出器位置での中性子束
なる式により自己出力型中性子検出器の中性子感度補正を行う補正手段を付加する(例えば、特許文献1参照)。
特開昭57-184991号公報
特許文献1では、原子炉の出力変動がほとんどない運転モード、つまり、炉内の中性子束の計測間隔Δtあたりの変化が小さいと仮定し、現在時刻t=tnにおける検出器感度Snを、tnからΔtだけさかのぼった時点(tn-Δt)における検出器感度Snのみを用いて近似している。即ち、計測開始時点において計測した中性子束が単純な減衰となると仮定し、測定の時間に対する総中性子照射量に応じた単純な減衰演算を用いてエミッタ材の消耗を予測し、自己出力型中性子検出器の検出器感度の低下を補正していた。
しかしながら、近年考案されている発電源のエネルギーミックスにおいては、出力調整機能を有しない再生可能エネルギによる発電方式と、原子力発電とを組み合わせた発電形態が用いられている。この場合、原子力発電の発電量の方を柔軟に変化させる運転モード、例えば、負荷追従運転モードを取り入れる必要があり、原子炉内の中性子束も原子炉出力の変動に伴い頻繁に変化する。このため、上記特許文献1の原子炉炉内中性子束計測装置では、検出器感度の補正が正確に行えない。そしてこのように、エミッタ材の消耗による自己出力型中性子検出器の検出器感度の低下を正確に補正できないことから、運転サイクル末期においては、検出器感度の補正誤りの積み重ねが生じ、中性子束の計測精度が大きく損なわれるという課題があった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、原子炉の出力が変動するような場合であっても、精度良い中性子束の計測を行える中性子束計測装置を提供することを目的とする。
本願に開示される中性子束計測装置は、
原子炉内における中性子を検出する自己出力型検出器と、
前記自己出力型検出器の出力に基づいて、前記原子炉内の中性子束を計測する中性子束計数部と、
第1設定期間における前記原子炉の出力の調整制御に応じた前記原子炉内の中性子束の変化を示す計測値を記録データとして記録する記憶部と、
前記記録データに基づいて、前記第1設定期間より後の第2設定期間における前記調整制御に応じて、該第2設定期間の経過時点である時点t1における前記自己出力型検出器の中性子の検出器感度の補正を行い、該補正された検出器感度を用いて前記時点t1における中性子束を導出する演算部と、を備えた、
ものである。
本願に開示される中性子束計測装置によれば、原子炉の出力が変動するような場合であっても、精度良い中性子束の計測を行える中性子束計測装置が得られる。
実施の形態1による中性子束計測装置の概略構成を示すブロック図である。 実施の形態1による自己出力型中性子検出器の概略構成を示す図である。 補正が行われた検出器感度の変化を示す図である。 実施の形態2による中性子束計測装置の概略構成を示すブロック図である。 ロジウムとバナジウムの中性子捕獲の反応断面積の変化を示す図である。 反応断面積の温度依存性を示す模式図である。 実施の形態3による中性子束計測装置に関する演算部が備える学習装置の構成図である。 実施の形態3によるニューラルネットワークの構成を示す図である。 実施の形態3による学習装置の学習処理に関するフローチャートである。 実施の形態3による中性子束計測装置に関する推論装置の構成を示す図である。 実施の形態3による推論装置の学習処理に関するフローチャートである。 実施の形態3による演算部のハードウエア構成の一例を示す図である。
実施の形態1.
以下、原子炉内の中性子束の計測を行う本実施の形態の中性子束計測装置100について説明する。
図1は、実施の形態1による中性子束計測装置100の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、中性子束計測装置100は、自己出力型検出器としての自己出力型中性子検出器1と、中性子束計数部2と、演算部10と、上位装置3と、を備える。
以下、中性子束計測装置100を構成するこれら各部の詳細について説明する。
先ず、自己出力型中性子検出器1について説明する。
図2は、図1に示した自己出力型中性子検出器1の概略構成を示す図である。
自己出力型中性子検出器1は、原子炉の炉心内に配置されて、炉心内の中性子を検出する。
図2に示すように、自己出力型中性子検出器1は、例えば、有感部の金属となるエミッタ材1aと、被覆材となるコレクタ材1bと、エミッタ材1aとコレクタ材1bとの間に配置される絶縁体1cと、エミッタ材1aとコレクタ材1bに各々接続される信号線1d、1eと、を備える。
自己出力型中性子検出器1は、中性子がエミッタ材1aに入射することによる核反応、あるいは放射化反応により電流が生じ、この生じた電流を外部に出力する。そのため、自己出力型中性子検出器1は、中性子を検出可能な状態に駆動させるための外部電源の供給を不要とし、炉内に配置される位置における中性子束に応じて一意に決まる大きさの電流を出力する。出力される電流は、信号線1d、1eを介して中性子束計数部2に入力される。
なお、エミッタ材1aの金属材料としては、一般的に、中性子に対する放射化断面積の大きさ、放射化後の崩壊時定数、等の条件から、ロジウムまたはバナジウムの他、コバルトが用いられている。
次に中性子束計数部2について説明する。
中性子束計数部2は、自己出力型中性子検出器1が出力した電流を入力とし、入力された電流の大きさに基づいた中性子束への変換を行い、変換した中性子束を計数する機能を持つ。中性子束計数部2は、このように入力された電流から中性子束への変換を行うために、以下式(1)による計算を行う。
Figure 0007412635000001
但し、
φは、単位時間に単位面積を通過した中性子数、あるいは、単位時間に単位体積中の中性子が走った距離の総和を示す中性子束を表す。
Iは、自己出力型中性子検出器1が出力した電流の値を表す。
Sは、自己出力型中性子検出器1からの電流を中性子束密度で除した、自己出力型中性子検出器1の検出器感度を表す。
自己出力型中性子検出器1の検出器感度が変わらない、即ち、エミッタ材1aの消耗が生じていない場合には、計測開始時刻(時点t0)における自己出力型中性子検出器1の検出器感度は、自己出力型中性子検出器1が中性子計測を開始した計測開始時刻(時点t0)での検出器感度S0となる。この場合、中性子束計数部2から中性子束補正演算部11へ伝達される中性子束は、以下(2)式で表される。
Figure 0007412635000002
但し、
Φ’は、計測開始時刻(時点t0)において中性子束計数部2で計測された中性子束の値を表す。
検出器感度は、自己出力型中性子検出器1のエミッタ材1aが放射化して消耗するにしたがってその値が変わる。そのため、計測開始時刻(時点t0)から、第2設定期間としての計測期間T2が経過した経過時点である(時点t1)における中性子束を正しく計測するために、検出器感度の補正を行う必要がある。
なお、以下の説明では、時点t0から計測期間T2が経過した時点t1は、現在時刻として記載する。
以下、自己出力型中性子検出器1の検出器感度を補正する原理について説明する。
自己出力型中性子検出器1のエミッタ材1aが原子炉内の中性子によって放射化する量は以下の式(3)で表される。
Figure 0007412635000003
但し、
Nは自己出力型中性子検出器1のエミッタ材1aの放射化する原子数を表す。
σは、自己出力型中性子検出器1のエミッタ材1aに入射した粒子が、エミッタ材1a中の原子核と反応を起こす確率を示す反応断面積を表す。
Φは、自己出力型中性子検出器1のエミッタ材1aに入る中性子束を表す。
なお、反応断面積については、各国が公開する評価済み核データライブラリー、例えば、日本の場合はJENDL(Japanese Evaluated Nuclear Data Library)、米国の場合にはENDF(Evaluated Nuclear Data File)等から引用する。
自己出力型中性子検出器1のエミッタ材1aに入る中性子束は、原子炉の出力によって変化するため、上記式(3)のように時間の関数になる。上記式(3)を、自己出力型中性子検出器1の検出器の有感部における放射化する原子数Nに対して解くと、以下、式(4)となる。
Figure 0007412635000004
但し、N0は、自己出力型中性子検出器1が中性子束計測を開始した計測開始時刻(時点t0)における原子数を表す。
上記式(4)から、原子炉内の自己出力型中性子検出器1のエミッタ材1aが放射化して減少する原子数Nは、中性子束の計測開始時刻(時点t0)から、計測期間T2経過後の現在時刻(時点t1)までの中性子束の積分結果に影響されることが判る。
ここで、原子炉内の自己出力型中性子検出器1の検出器感度は、エミッタ材1aの原子数に比例するので、以下式(5)と表すことができる。
Figure 0007412635000005
但し、
Sは、現在時刻(時点t1)における自己出力型中性子検出器1の検出器感度を表す。
Kは、自己出力型中性子検出器1の検出器感度と自己出力型中性子検出器1のエミッタ材1aの原子数との比例係数を表す。
上記式(5)から、中性子束の計測を続けていくと時間の経過に応じて検出器感度は減少していくことが判る。したがって、検出器感度の補正を行わない場合には、原子炉内の中性子束に変化がない場合でも、見かけ上、中性子束が減少しているように計測されてしまう。
ここで、自己出力型中性子検出器1の検出器感度の補正をするための演算は、以下式(6)により表すことができる。
Figure 0007412635000006
但し、S0は中性子束の計測開始時刻(時点t0)での自己出力型中性子検出器1の検出器感度を表す。
上記式(6)に示すように、現在時刻(時点t1)の自己出力型中性子検出器1の検出器感度Sは、中性子束の計測開始時刻(時点t0)での自己出力型中性子検出器1の検出器感度S0に対して、expの関数で示される分を補正することで導出できる。
ここで、理想的には、中性子束を連続的に計測し、計測期間T2に渡って、上記(6)式に示されるように積分することで補正量を正確に計算することができる。しかしながら現実的には、計測期間T2における計測間隔は有限となるため、補正量の演算は以下式(7)のように差分の式で演算を行う。
Figure 0007412635000007
但し、Δtは、計測期間T2における計測間隔を表す。
ここで、以下に図を用いて説明するように、中性子束の計測間隔Δtが有限である場合において、計測間隔Δtを、原子炉出力もしくは原子炉内の中性子束が変化する時間よりも短くすることで、式(6)から式(7)に補正の演算式を変更した影響を無くすことができる。
図3は、上記式(7)に基づいて、補正が行われた検出器感度の変化を示す図である。
本図において、中性子束の計測を行う計測間隔Δtを、原子炉出力もしくは原子炉内の中性子束が変化する時間よりも短くした場合で補正を行った検出器感度Ssと、長くした場合で補正を行った検出器感度Slと、を示す。
一般的に、原子炉内の中性子束が増加する期間tiでは、中性子束の照射量の増大に応じて検出器感度の減少は急峻となるが、中性子束が減少した時には、検出器感度の減少は緩やかになる。図3に示すように、原子炉出力もしくは原子炉内の中性子束が変化する時間よりも計測間隔Δtが長い検出器感度slの場合、補正が正しく行えていない。
本実施の形態の演算部10は、以下に説明するように、中性子束の計測期間T2中における中性子束の計測間隔Δtを、原子炉内の中性子束が変化する時間よりも短くすることで、中性子束の計測を高精度化する。
以下、本実施の形態の中性子束計測装置100の演算部10が、自己出力型中性子検出器1の検出器感度の消耗の程度に応じて、現在時刻(時点t1)において計数された中性子束を補正する制御について説明する。
図1に戻り、演算部10は、中性子束補正演算部11と、中性子束記憶部12と、検出器感度補正演算部13と、を備える。
先ず、中性子束記憶部12について説明する。
中性子束記憶部12は、検出された中性子束の値を記憶保持する機能を持ち、例えばメモリ、ハードディスク、外付けの記憶媒体、等が用いられ、記憶する記録データの量に応じた記憶媒体が選定されて構成される。
中性子束記憶部12は、計測開始時点t0よりも過去の第1設定期間T1において計数した複数の中性子束の計数値を記録データDとして予め記憶している。この記録データD内の複数の中性子束は、第1設定期間T1において行われた原子炉の出力の調整制御に対応してそれぞれ記録されている。よって、この記録データD内の複数の中性子束は、原子炉の出力の調整制御に応じた原子炉内の中性子束の計数値の変化を示す。
次に、検出器感度補正演算部13の制御について説明する。
検出器感度補正演算部13は、中性子束記憶部12に記録された記録データDに基づいて、現在時刻(時点t1)における自己出力型中性子検出器1の検出器感度の補正を行う。
前述のように、中性子束記憶部12が記録している記録データDは、過去の第1設定期間T1において計数した、原子炉の出力の調整制御に応じた原子炉内の中性子束の計数値の変化を示すものである。
本実施の形態の検出器感度補正演算部13は、この記録された記録データDに基づくことで、第1設定期間T1より後の計測期間T2の計測開始時刻(時点t0)における原子炉の調整制御に基づいて、計測期間T2における原子炉内の中性子束が変化する時間間隔Δtcを推測する。そして、検出器感度補正演算部13は、この推測される原子炉内の中性子束が変化する時間間隔Δtcよりも短くなるように、計測期間T2における計測間隔Δtを設定する。
計測期間T2では、設定されたこの計測間隔Δt毎に、中性子束計数部2により中性子束の計測が行われる。計測されたこれら複数の中性子束は、中性子束記憶部12内の記録データD内に記録される。そして、検出器感度補正演算部13は、記録データD内に記録された複数の中性子束の計測値を用いて、上記式(7)に基づいて、現在時刻(時点t1)における自己出力型中性子検出器1の検出器感度の補正を行う。
以上のように、検出器感度補正演算部13は、原子炉の出力調整制御に応じて変化する中性子束の時間間隔Δtcよりも短い計測間隔Δt毎に計測された複数の中性子束を用いて、現在時刻(時点t1)における検出器感度を精度良く導出する。
導出された現在時刻(時点t1)における検出器感度は、中性子束補正演算部11に入力される。
中性子束補正演算部11は、中性子束計数部2から入力された中性子束に対して、検出器感度補正演算部13から入力された補正済の検出器感度の変化の分を補正して中性子束を演算する。
中性子束補正演算部11において行われる上記の中性子束の演算について説明する。
中性子束補正演算部11は、検出器感度補正演算部13から伝達される、補正済みの現在時刻(時点t1)における検出器感度を用い、以下、(8)式に従って、中性子束計数部2から入力された中性子束の値を補正する。
Figure 0007412635000008
但し、
Φは、中性子束計数部2で計測された補正済みの中性子束の値を表す。
Φ’は、中性子束計数部2で計測された補正前の中性子束の値を表す。
中性子束補正演算部11は、補正した現在時刻(時点t1)における中性子束を、中性子束記憶部12へ伝達する。
中性子束記憶部12は、補正した現在時刻(時点t1)における中性子束を記録データD内に記録し、現在時刻(t1)より後の中性子束の補正において用いる。
更に中性子束補正演算部11は、得られた補正後の中性子束を、上位装置3に対して出力する。
上位装置3は、中性子束補正演算部11から伝達される中性子束を処理する装置であり、例えば原子炉制御用のコンピュータ、原子炉状態監視用の表示画面等である。
以上のように、本実施の形態の中性子束計測装置は、原子炉の出力制御の調整に応じて、自己出力型中性子検出器の劣化の度合いが変化する場合でも、この劣化度合い依存しない現在時刻における原子炉内の実際の中性子束を精度よく導出できる。
上記のように構成された本実施の形態の中性子計測装置は、
原子炉内における中性子を検出する自己出力型検出器と、
前記自己出力型検出器の出力に基づいて、前記原子炉内の中性子束を計測する中性子束計数部と、
第1設定期間における前記原子炉の出力の調整制御に応じた前記原子炉内の中性子束の変化を示す計測値を記録データとして記録する記憶部と、
前記記録データに基づいて、前記第1設定期間より後の第2設定期間における前記調整制御に応じて、該第2設定期間の経過時点である時点t1における前記自己出力型検出器の中性子の検出器感度の補正を行い、該補正された検出器感度を用いて前記時点t1における中性子束を導出する演算部と、を備えた、
ものである。
このように、中性子束計測装置は、過去の第1設定期間における原子炉の出力の調整制御に応じた、原子炉内の中性子束の変化を示す計測値を記録データとして記録する記憶部を備える。そして、中性子束計測装置は、この過去の第1設定期間における記録データに基づいて、計測期間である第2設定期間における原子炉の調整制御に応じて、当該計測期間の経過時点である現在時刻の時点t1における中性子の検出器感度の補正を行う。
こうして、計測期間である第2設定期間において原子炉の出力が調整制御により頻繁に変動する場合でも、この原子炉の調整制御による中性子の照射量の変動に応じた検出器感度の補正を行える。そのため、中性子の照射量の変動による自己出力型検出器の劣化度合いの変動に依存しない、精度よい中性子束を得られる。
また、このように、原子炉の出力変動に応じた自己出力型中性子検出器1の検出器感度の補正を精度良く行えるため、炉内に校正用検出器を別途設ける必要がない。そのため、補正対象とする自己出力型中性子検出器の設置位置における中性子照射量と、校正用検出器との照射量の値とが一致しないこと等に起因する補正誤差が生じない。
また、校正用検出器を炉内に別途配置する必要がないために、機器点数を増加させず、機器の保守、保全業務を不要とでき、コスト削減を図れる。
また、上記のように構成された本実施の形態の中性子計測装置においては、
前記演算部は、
前記記録データに基づいて、前記第2設定期間における前記原子炉の前記調整制御に応じた前記原子炉内の中性子束の計数が変化する時間間隔Δtcを推測し、
前記時間間隔Δtcに基づいて、前記第2設定期間における前記中性子束計数部による計測間隔Δtを調整して、前記時点t1における前記自己出力型検出器の検出器感度の補正を行う、
ものである。
このように、中性子計測装置は、過去の原子炉の出力の調整制御に応じた中性子束の変化を示す記録データに基づくことで、計測期間である第2設定期間において、原子炉の出力の調整制御に応じた中性子束の変化する時間間隔Δtcを推測できる。
そしてこの精度よく推測された中性子束が変化する時間間隔Δtcに基づいて、計測期間における計測間隔Δtを調整することで、原子炉の出力の調整制御による中性子の照射量の変動に応じた検出器感度の精度良い補正を行える。
また、上記のように構成された本実施の形態の中性子計測装置においては、
前記計測間隔Δtは、推測される前記時間間隔Δtcよりも短く設定される、
ものである。
これにより、計測期間である第2設定期間において頻繁に原子炉の出力が変動し、原子炉内の中性子束が増加、あるいは減少する場合でも、精度良く検出器感度を補正できる。
また、上記のように構成された本実施の形態の中性子計測装置においては、
前記演算部は、
前記時点t1における前記自己出力型検出器の検出器感度を、前記第2設定期間の計測開始時点である時点t0における前記自己出力型検出器の検出器感度を用いて、以下式に基づき導出し、

Figure 0007412635000009
但し、
Sは、前記時点t1における前記自己出力型検出器の検出器感度であり、
S0は、前記時点t0における前記自己出力型検出器の検出器感度であり、
σは、前記自己出力型検出器の、中性子との反応断面積であり、
φは、前記計測間隔ごとの計測時点における中性子束であり、
前記演算部は、
前記時点t1における前記自己出力型検出器の検出器感度の補正において、
前記第2設定期間内において計測された全ての前記計測時点における中性子束を用いる、
ものである。
このように、中性子計測装置は、中性子束の計測間隔Δtが有限である場合において、
計測期間である第2設定期間内において計測された、全ての計測間隔Δt毎の計測時点における中性子束を用いて、現在時刻である時点t1における自己出力型検出器の検出器感度の補正を行う。
このように、計測間隔Δt毎に計測された全ての中性子束を用い、大幅な近似を行う演算を行わないため、補正誤差の積み重ねが増大することを抑制でき、精度よい検出器感度の補正が行える。
実施の形態2.
以下、本実施の形態2の中性子束計測装置200について、実施の形態1と異なる部分を中心に図を用いて説明する。実施の形態1と同様の部分は同一符号を伏して説明を省略する。
図4は、実施の形態2による中性子束計測装置200の概略構成を示すブロック図である。
実施の形態1では、検出器感度補正演算部13は、原子炉の出力の調整制御に応じた、自己出力型検出器の劣化度合いの変動に依存しない検出器感度の補正を行った。
図4に示すように、本実施の形態の検出器感度補正演算部13には、原子炉内の炉内温度Taが入力される。そして検出器感度補正演算部13は、入力される原子炉内の炉内温度Taに基づいた自己出力型検出器の反応面積の温度依存性を反映した検出器感度の補正を行う。
ここで、炉内温度Taは、例えば、炉内に設置する各々の自己出力型中性子検出器1のエミッタ材1aの周辺の温度を測定する複数の温度計により計測されてもよい。あるいは、炉内温度Taは、原子炉内の代表的な炉内温度Taを測定する、少なくとも1個の温度計により計測されてもよい。
なお、炉内温度Taは、例えば、温度計から感度補正演算部に直接入力する他、一旦、上位装置3に集約された炉内温度Ta、または、炉心シミュレータ等によって算出された炉内温度Taでも良い。
以下、反応断面積の温度依存性について説明する。反応断面積は、中性子のエネルギに対して各元素の同位体ごとに異なる。
図5は、一般的な自己出力型中性子検出器1に用いられるエミッタ材1aのロジウムとバナジウムの中性子捕獲の反応断面積の変化を示す図である。
図6は、反応断面積の温度依存性を示す模式図である。
図6において、低温時の反応断面積σ21と、高温時の反応断面積σ22とが示されている。
反応断面積は、炉内温度Taが上昇した際に物質の原子核の熱運動が活発になって中性子を吸収しやすくなるドップラー効果と呼ばれる効果により、温度との相関を示すことが一般に知られている。
例えば、自己出力型中性子検出器1のエミッタ材1aにロジウムを用いる場合は、図6に示すように、特定の中性子エネルギ帯に特徴的なピーク形状をもつ共鳴吸収ピークと呼ばれるエネルギ帯の反応断面積は、ドップラー効果の持つ温度依存性によってその形状が変化する。したがって、低温時の反応断面積σ21から炉内温度が上昇することで、高温時の反応断面積σ22となるため、炉内温度Taが上昇することでドップラー効果の影響により、中性子と相互反応する確率が増加し、低温時に比べエミッタ材1aの消耗が早まり検出器感度が低下する。
例えば、原子炉出力の変動を頻繁に生じさせる運転モードである場合、炉心の核反応を調整するために、制御棒の出し入れする。また、その他、加圧水式原子炉の場合には、冷却材中に希釈するホウ酸濃度の調整を行い、また沸騰水型原子炉等の場合には、炉内流量の調整を行うことで、核反応に起因する炉内温度Taを変動させて、原子炉出力が調整される。
その際、特に制御棒の出し入れ時には、局部的な核反応の調整が行われることに伴って、炉内温度Taも局部的に変動が生じる。よって、検出器感度補正演算部13が行う検出器感度の補正において、反応断面積に対して炉内温度Taを反映させることで、エミッタ材1aの消耗を補正する精度を向上できる。これにより、実際よりも過小または過大な演算を行うことを抑止できる。
また、制御棒の出し入れほどではないが、ホウ酸濃度、流量の調整等によっても、炉心温度は温度分布を生じるため、検出器感度の補正に、計測時点毎の反応断面積の温度依存性を対応させることで、エミッタ材1aの消耗を補正する精度を確実に確保できる。
そこで、エミッタ材1aの消耗を補正する精度を炉心温度に応じさせるために、検出器感度補正演算部13の検出器感度を算出する上記式(7)に対して、ドップラー効果による反応断面積を、炉内温度Taに対する関数σ(t)として式(9)のように表すことができる。
Figure 0007412635000010
なお、炉内温度Taは、検出器感度補正演算部13に用いる中性子束を測定した時点での温度と対応するものを適用する。
炉内温度Taに対する反応断面積については、炉内温度Taに対する反応断面積を関数化した結果から与えても良く、または、あらかじめ、離散化した炉内温度Taに対する反応断面積データから、対応する炉内温度Taに一致または近い値を与えても良い。
なお、前述のように反応断面積については、各国が公開する評価済み核データライブラリーから引用するが、温度に対する反応断面積は、代表的な温度に対して離散的に用意されているため、炉内温度Taに対する関数化、内挿や外挿補間による離散化の他、実測、シミュレーション等を用いて、炉内温度Taに対する反応断面積データを作成してもよい。
上記のように構成された本実施の形態の中性子計測装置は、
前記原子炉の炉内温度を検出する温度検出器を備え、
前記演算部は、前記温度検出器により検出された温度に応じて、前記自己出力型検出器の中性子の反応断面積の値を補正する、
ものである。
このように、検出される炉内温度に応じて、自己出力型中性子検出器の放射化する反応断面積の温度依存性を反映できるようにしたので、原子炉内において温度が頻繁に変化する場合でも、自己出力型中性子検出器の検出器感度の補正を更に高精度に実施できる。
また、上記のように構成された本実施の形態の中性子束計測装置においては、
前記演算部は、
前記自己出力型検出器の反応断面積は、温度変化に伴うドップラー効果による前記計測時点毎の反応断面積の変化を示す関数、あるいは、前記原子炉の温度に対応する反応断面積を該温度毎に離散化したデータ、に基づいて補正する、
ものである。
このように、反応断面積の補正において、温度変化に伴うドップラー効果による計測時点毎の反応断面積の変化を示す関数、あるいは、原子炉の温度に対応する反応断面積を該温度毎に離散化したデータを用いることで、温度変化に応じた自己出力型中性子検出器の検出器感度の補正を高精度に行える。
実施の形態3.
以下、本実施の形態3の中性子束計測装置について、実施の形態2と異なる部分を中心に図を用いて説明する。実施の形態2と同様の部分は同一符号を伏して説明を省略する。
図7は、実施の形態3による中性子束計測装置に関する演算部10が備える学習装置14の構成図である。
本実施の形態3においては、演算部10は、以下に説明する学習装置14と推論装置15とを更に備える。
先ず、学習装置14の構成について説明する。
図7に示すように、学習装置14は、データ取得部14aと、モデル生成部14bと、学習済モデル記憶部Mとを備える。以下、これら各部について説明する。
データ取得部14aは、第1入力信号S1と、第2入力信号S2と、第3入力信号S3と、を学習用データとして取得する。
第1入力信号S1は、中性子束計数部2が出力する中性子束の計測値である。
第2入力信号S2は、原子炉の運転状態を示す種々のプラントパラメータである。この第2入力信号S2において示される原子炉の運転状態を示す種々のプラントパラメータは、例えば、原子炉の出力の調整制御量、炉内温度Ta、制御棒の出し入れ量、炉内冷却材の流量、冷却材中のホウ酸濃度、等の原子炉出力の調整に関するパラメータである。
第2入力信号S2には、このようなパラメータが少なくとも一つ以上用いられる。
なお、これらのパラメータは、原子炉内における中性子束の分布を成すために関連しており、自己出力型中性子検出器1の中性子照射量に影響するパラメータではある。しかしながら、一般的には、自己出力型中性子検出器1のエミッタ材1aの消耗と一意に関連させることは困難である。
第3入力信号S3は、理論計算に基づいて導出された理想的な検出器感度であり、実施の形態1、2における中性子束計測装置が行った演算に基づき導出された自己出力型検出器の劣化度合いに依存しない検出器感度である。
更に、この第3入力信号は、実施の形態1、2における中性子束計測装置が行った演算に基づき導出されたた自己出力型検出器の劣化度合いに依存しない中性子束も含む。
データ取得部14aは、取得したこれらの第1入力信号S1と、第2入力信号S2と、第3入力信号S3と、を学習用データとしてモデル生成部14bに出力する。
モデル生成部14bは、データ取得部14aから出力される第1入力信号S1と、第2入力信号S2と、第3入力信号S3と、に基づいて、入力される中性子束の計測値および原子炉の運転状態に対応する、自己出力型検出器1の劣化度合いに依存しない検出器感度および中性子束を学習する。
すなわち、中性子束計数部2が出力する中性子束と、種々のプラントパラメータと、理論計算に基づいた理想的な検出器感度および中性子束とから、自己出力型検出器1の劣化度合いに依存しない検出器感度および中性子束を推論する学習済モデルMoを生成する。
以上のように、第1入力信号S1、第2入力信号S2、第3入力信号S3は、中性子束計数部2が出力する中性子束、原子炉の状態を示す種々のプラントパラメータ、および理論計算に基づいた理想的な中性子束、を互いに関連付けた学習用データである。
なお、第3入力信号S3において示される、理論計算に基づいて導出される理想的な中性子束については、あらかじめ、臨界計算が可能な汎用中性子・光子輸送計算モンテカルロコード、例えば、MVP(onte Carlo codes)、MCNP(Monte Carlo N-Particle code)など、の他、中性子輸送方程式、中性子拡散方程式による決定論手法であっても良く、炉心モデルを再現することで得られる自己出力型中性子検出器1を設置する位置における中性子束を意味する。
なお、炉心モデルとしては、原子炉を構成する燃料集合体の種類、配置の他、制御棒位置などの前記原子炉の出力の調整に関するパラメータを含み再現されている。
モデル生成部14bが用いる学習アルゴリズムは教師あり学習、教師なし学習、強化学習等の公知のアルゴリズムを用いることができる。一例として、ニューラルネットワークを適用した場合について説明する。
モデル生成部14bは、例えば、ニューラルネットワークモデルに従って、いわゆる教師あり学習により、検出器の劣化度合いに依存しない検出器感度と、中性子束を学習する。
ここで、教師あり学習とは、入力と結果(ラベル)のデータの組を学習装置14に与えることで、それらの学習用データにある特徴を学習し、入力から結果を推論する手法をいう。
ニューラルネットワークは、複数のニューロンからなる入力層、複数のニューロンからなる中間層(隠れ層)、及び複数のニューロンからなる出力層で構成される。中間層は、1層、又は2層以上でもよい。
例えば、図8に示すような3層のニューラルネットワークであれば、複数の入力が入力層(X1‐X3)に入力されると、その値に重みW1(w11‐w16)を掛けて中間層(Y1‐Y2)に入力され、その結果にさらに重みW2(w21‐w26)を掛けて出力層(Z1‐Z3)から出力される。この出力結果は、重みW1とW2の値によって変わる。
本願において、ニューラルネットワークは、前述のように、データ取得部14aによって取得される前記中性子束計数部2が出力する中性子束である第1入力信号S1と、種々のプラントパラメータである第2入力信号S2と、理論計算に基づいた理想的な検出器感度および中性子束を示す第3入力信号S3、の組合せに基づいて作成される学習用データに従って、いわゆる教師あり学習により、検出器の劣化度合いに依存しない検出器感度と中性子束を学習する。
すなわち、ニューラルネットワークは、入力層に前記中性子束計数部2が出力する中性子束と、種々のプラントパラメータを入力して出力層から出力された結果が、理論計算に基づいた理想的な検出値、中性子束に近づくように重みW1とW2を調整することで学習する。
次に、図9を用いて、学習装置14が学習する処理について説明する。
図9は、実施の形態3による学習装置14の学習処理に関するフローチャートである。
先ず、ステップs11において、データ取得部14aは、第1設定期間T1における、第1入力信号S1と、第1設定期間T1における第2入力信号S2と、第3入力信号S3とを取得する。
なお、第1入力信号S1と、第2入力信号S2と、第3入力信号S3とは、同時に取得するものに限定するものではない。これら第1入力信号S1と、第2入力信号S2と、第3入力信号S3とを関連づけて入力できれば良く、それぞれ別のタイミングで取得しても良い。
ステップs12において、モデル生成部14bは、データ取得部14aによって取得される第1入力信号S1と、第2入力信号S2と、第3入力信号S3との組合せに基づいた学習用データに従って、教師あり学習により、自己出力型中性子検出器の劣化度合いに依存しない検出器感度と、中性子束を学習し、学習済モデルMoを生成する。
ステップs13において、学習済モデル記憶部Mは、モデル生成部14bが生成した学習済モデルMoを記憶する。
以上のステップs11~s13を経て、中性子束計数部2が出力する中性子束、原子炉の状態を示す種々のプラントパラメータ、および理論計算に基づいた理想的な中性子束、を互いに関連付けた学習が実行されて、学習済モデルMoが生成されて記憶される。
次に、この記憶された学習済モデルMoを活用する推論装置15の動作について説明する。
図10は、実施の形態1による中性子束計測装置に関する推論装置15の構成を示す図である。
推論装置15は、データ取得部15aと、推論部15bとを備える。
データ取得部15aは、第2設定期間T2における、中性子束計数部2が出力する中性子束を示す第1入力信号S1と、種々のプラントパラメータである第2入力信号S2とを取得し、推論部15bに出力する。
推論部15bは、入力された第1入力信号S1と第2入力信号S2とに基づいて、学習済モデルMoを利用して得られる自己出力型中性子検出器1の劣化度合いに依存しない検出器感度および中性子束を推論する。
すなわち、学習済モデルMoを用いることで、データ取得部15aで取得した中性子束計数部2が出力する中性子束を示す第1入力信号S1と、種々のプラントパラメータである第2入力信号S2とから、自己出力型中性子検出器1の劣化度合いに依存しない検出器感度と中性子束を出力することができる。
次に、図10を用いて、推論装置15を使って自己出力型中性子検出器1の劣化度合いに依存しない検出器感度および中性子束を得るための処理を説明する。
図11は、実施の形態3による推論装置15の学習処理に関するフローチャートである。
先ず、ステップs21において、データ取得部15aは、第1設定期間T1より後の第2設定期間T2における、中性子束計数部2が出力する中性子束を示す第1入力信号S1と、原子炉の運転状態を示す種々のプラントパラメータを示す第2入力信号S2とを取得する。
ステップs22において、推論部15bは、学習済モデル記憶部Mに記憶された学習済モデルMoに対して、第1入力信号S1と第2入力信号S2とを入力し、自己出力型中性子検出器1の劣化度合いに依存しない検出器感度および中性子束を得る。
ステップs23において、推論部15bは、学習済モデルMoにより得られた自己出力型中性子検出器1の劣化度合いに依存しない検出器感度と中性子束を上位装置3に出力する。
これにより、原子炉出力の変動を頻繁に生じさせる運転モードにおいても、自己出力型中性子検出器1の中性子照射量に応じたエミッタ材1aの消耗による感度の低下を補償して、正確な中性子束を上位装置3に出力できる。
なお、本実施の形態では、モデル生成部14bが用いる学習アルゴリズムに教師あり学習を適用した場合について説明したが、これに限られるものではない。学習アルゴリズムについては、教師あり学習以外にも、強化学習、教師なし学習、又は半教師あり学習等を適用することも可能である。
また、モデル生成部14bは、複数の中性子束計測装置に対して作成される学習用データに従って、自己出力型中性子検出器1の劣化度合いに依存しない中性子束を学習するようにしてもよい。
なお、モデル生成部14bは、同一のエリアで使用される複数の中性子束計測装置から学習用データを取得してもよいし、異なるエリアで独立して動作する複数の中性子束計測装置から収集される学習用データを利用して自己出力型中性子検出器1の劣化度合いに依存しない検出器感度と中性子束を学習してもよい。
また、学習用データを収集する中性子束計測装置を途中で対象に追加したり、対象から除去することも可能である。
さらに、ある中性子束計測装置に関して自己出力型中性子検出器1の劣化度合いに依存しない中性子束を学習した学習装置を、これとは別の中性子束計測装置に適用し、当該別の中性子束計測装置に関して自己出力型中性子検出器1の劣化度合いに依存しない中性子束を再学習して更新するようにしてもよい。
また、モデル生成部に用いられる学習アルゴリズムとしては、特徴量そのものの抽出を学習する、深層学習(Deep Learning)を用いることもでき、他の公知の方法、例えば遺伝的プログラミング、機能論理プログラミング、サポートベクターマシンなどに従って機械学習を実行しても良い。
また、学習装置及び推論装置は、中性子束計測装置の自己出力型中性子検出器の劣化度合いに依存しない検出器感度と中性子束を学習するために使用されるが、例えば、ネットワークを介して中性子束計測装置に接続され、この中性子束計測装置とは別個の装置であってもよい。
また、学習装置及び推論装置は、中性子束計測装置に内蔵されていてもよい。さらに、学習装置及び推論装置は、クラウドサーバ上に存在していてもよい。
なお、本実施の形態では、中性子束計測装置のモデル生成部で学習した学習済モデルを用いて自己出力型中性子検出器1の劣化度合いに依存しない中性子束を出力するものとして説明したが、他の中性子束計測装置等の外部から学習済モデルを取得し、この学習済モデルに基づいて自己出力型中性子検出器1の劣化度合いに依存しない中性子束を出力するようにしてもよい。
図12は、実施の形態3による演算部10のハードウエア構成の一例を示す図である。
なお、演算部10のハードウエアは、その構成の一例を図12に示すように、プロセッサ16Aと記憶装置16Bから構成される。記憶装置16Bは、図示していない、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを備える。
また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を備えてもよい。プロセッサ16Aは、記憶装置16Bから入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶措置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ16Aにプログラムが入力される。また、プロセッサ16Aは、演算結果等のデータを記憶装置16Bの揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
上記のように構成された本実施の形態の中性子束計測装置は、
前記演算部は、
前記第1設定期間における、前記原子炉内の中性子を検出する前記中性子束計測装置の前記自己出力型検出器が出力する第1入力信号と、
前記第1設定期間における、前記原子炉の運転状態を示す第2入力信号と、
前記第1入力信号および前記第2入力信号に対応する前記自己出力型検出器の検出器感度および中性子束を示す第3入力信号と、を含む学習用データを取得するデータ取得部と、
前記学習用データを用いて、前記第1設定期間より後の前記第2設定期間における前記第1入力信号および前記第2入力信号から、前記第2設定期間における前記自己出力型検出器の中性子の検出器感度および中性子束を推論するための学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、
前記第3入力信号に用いられる前記自己出力型検出器の検出器感度および中性子束は、実施の形態1から2に記載の中性子束計測装置の前記演算部による制御により導出される、
ものである。
また、上記のように構成された本実施の形態の中性子束計測装置は、
前記演算部は、
前記学習済モデルを用いて、前記第1入力信号および前記第2入力信号から、前記第2設定期間における前記自己出力型検出器の中性子の検出器感度および中性子束を出力する推論部、を備える、
ものである。
こうして、中性子束計測装置は、過去の第1設定期間において中性子束計数部が出力した中性子束の計測値と、この過去の第1設定期間における原子炉の運転状態を示す種々のプラントパラメータと、理論計算に基づいて導出された理想的な検出器感度および中性子束から自己出力型検出器の劣化度合いに依存しない検出器感度および中性子束を学習する。
そして、その後の第2設定期間において中性子束計数部が出力した中性子束の計測値とと、この第2設定期間における原子炉の運転状態を示す種々のプラントパラメータとから、自己出力型検出器の劣化度合いに依存しない検出器感度および中性子束を推論できる。
こうして、処理能力が向上され、精度良い検出器感度および中性子束を推論できる中性子束計測装置が得られる。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 自己出力型中性子検出器、2 中性子束計数部、10 演算部、12 中性子束記憶部(記憶部)、100,200 中性子束計測装置。

Claims (8)

  1. 原子炉内における中性子を検出する自己出力型検出器と、
    前記自己出力型検出器の出力に基づいて、前記原子炉内の中性子束を計測する中性子束計数部と、
    第1設定期間における前記原子炉の出力の調整制御に応じた前記原子炉内の中性子束の変化を示す計測値を、記録データとして記録する記憶部と、
    前記記録データに基づいて、前記第1設定期間より後の第2設定期間における前記調整制御に応じて、該第2設定期間の経過時点である時点t1における前記自己出力型検出器の中性子の検出器感度の補正を行い、該補正された検出器感度を用いて前記時点t1における中性子束を導出する演算部と、を備えた、
    中性子束計測装置。
  2. 前記演算部は、
    前記記録データに基づいて、前記第2設定期間における前記原子炉の前記調整制御に応じた前記原子炉内の中性子束の計数が変化する時間間隔Δtcを推測し、
    前記時間間隔Δtcに基づいて、前記第2設定期間における前記中性子束計数部による計測間隔Δtを調整して、前記時点t1における前記自己出力型検出器の検出器感度の補正を行う、
    請求項1に記載の中性子束計測装置。
  3. 前記計測間隔Δtは、前記演算部により推測される前記時間間隔Δtcよりも短く設定される、
    請求項2に記載の中性子束計測装置。
  4. 前記演算部は、
    前記時点t1における前記自己出力型検出器の検出器感度を、前記第2設定期間の計測開始時点である時点t0における前記自己出力型検出器の検出器感度を用いて、以下(1)式に基づき導出し、
    Figure 0007412635000011
    但し、
    Sは、前記時点t1における前記自己出力型検出器の検出器感度であり、
    S0は、前記時点t0における前記自己出力型検出器の検出器感度であり、
    σは、前記自己出力型検出器の、中性子との反応断面積であり、
    φは、前記計測間隔ごとの計測時点における中性子束であり、
    前記演算部は、
    前記時点t1における前記自己出力型検出器の検出器感度の補正において、
    前記第2設定期間内において計測された全ての前記計測時点における中性子束を用いる、
    請求項2または請求項3に記載の中性子束計測装置。
  5. 前記原子炉の炉内温度を検出する温度検出器を備え、
    前記演算部は、前記温度検出器により検出された温度に応じて、前記自己出力型検出器の中性子の反応断面積の値を補正して、該補正された反応断面積を用いて前記時点t1における前記自己出力型検出器の中性子の検出器感度の補正を行う、
    請求項4に記載の中性子束計測装置。
  6. 前記演算部は、
    前記自己出力型検出器の反応断面積は、温度変化に伴うドップラー効果による前記計測時点毎の反応断面積の変化を示す関数、あるいは、前記原子炉の温度に対応する反応断面積を該温度毎に離散化したデータ、に基づいて補正する、
    請求項4または請求項5に記載の中性子束計測装置。
  7. 前記演算部は、
    前記第1設定期間における、前記原子炉内の中性子を検出する前記中性子束計測装置の前記自己出力型検出器が出力する第1入力信号と、
    前記第1設定期間における、前記原子炉の運転状態を示す第2入力信号と、
    前記第1入力信号および前記第2入力信号に対応する前記自己出力型検出器の検出器感度および中性子束を示す第3入力信号と、を含む学習用データを取得するデータ取得部と、
    前記学習用データを用いて、前記第1設定期間より後の前記第2設定期間における前記第1入力信号および前記第2入力信号から、前記第2設定期間における前記自己出力型検出器の中性子の検出器感度および中性子束を推論するための学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、
    前記第3入力信号に用いられる前記自己出力型検出器の検出器感度および中性子束は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の中性子束計測装置の前記演算部による制御により導出される、
    中性子束計測装置。
  8. 前記演算部は、
    前記学習済モデルを用いて、前記第1入力信号および前記第2入力信号から、前記第2設定期間における前記自己出力型検出器の中性子の検出器感度および中性子束を出力する推論部、を備える、
    請求項7に記載の中性子束計測装置。
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