JP7411783B2 - 電動ブレーキ装置および電動ブレーキ制御装置 - Google Patents

電動ブレーキ装置および電動ブレーキ制御装置 Download PDF

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Description

本開示は、例えば、自動車等の車両に制動力を付与する電動ブレーキ装置および電動ブレーキ制御装置に関する。
自動車等の車両に設けられるブレーキ装置として、車両の停車、駐車時等に、電動機(電動モータ)の駆動(回転)により制動部材(例えば、ブレーキパッド)を被制動部材(例えば、ディスクロータ)へ押圧し制動力を保持する電動ブレーキ装置が知られている。特許文献1のディスクブレーキ装置は、制動力の保持を解除するときに、モータ電流の微分値から制動力が解除されたことを検知し、それ以降のモータ回転量からブレーキパッドとディスクロータとのクリアランスを確保した状態で、電動モータの駆動を停止する。
特開2013-209041号公報(特許第6017162号公報)
特許文献1に示されている技術の場合、制動力の保持を解除したときに、制動部材と被制動部材とのクリアランスがばらつく可能性がある。
本発明の一実施形態の目的は、制動力の保持を解除したときに、制動部材と被制動部材とのクリアランスを精度よく確保できる電動ブレーキ装置および電動ブレーキ制御装置を提供することにある。
本発明の一実施形態に係る電動ブレーキ装置は、制動部材を被制動部材へ押圧し制動力を保持する電動機構を駆動する電動機と、前記電動機の駆動を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、制動力の保持を解除する場合、前記電動機の電流値が一定の電流幅の範囲内に入ってから無負荷電流値となるまでの時間と、前記制動部材と前記被制動部材とのクリアランスを確保するために必要な時間と、を加算した駆動時間が経過したときに前記電動機の停止をするものであって、前記駆動時間は、前記電動機へ通電し、前記電動機の電流値が上昇後に下降し始め突入電流が収束する時間が経過してからの前記一の電流幅の範囲内に入ってから無負荷電流値となるまでの電流変化量と、前記電動機の電流変化量が無負荷電流値になっていることを判定するための閾値以下に収束したときの電流値とに応じて、変更する。
また、本発明の一実施形態に係る電動ブレーキ装置は、制動部材を被制動部材へ押圧し制動力を保持する電動機構を駆動する電動機と、前記電動機の駆動を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、制動力の保持を解除する場合、前記電動機の電流値が一定の電流幅の範囲内に入ってから無負荷電流値となるまでの時間と、前記制動部材と前記被制動部材とのクリアランスを確保するために必要な時間と、を加算した駆動時間が経過したときに前記電動機の停止をするものであって、前記駆動時間は、前記電動機へ通電し、前記電動機の電流値が上昇後に下降し前記電動機の電流値が前記一定の電流幅の範囲に入ってから制御周期ごとに取得した電流値と、前記電流値が略一定となった電流値とに基づいて変更する。
また、本発明の一実施形態は、制動部材を被制動部材へ押圧し制動力を保持する電動機構を駆動する電動機を制御する電動ブレーキ制御装置であって、前記電動ブレーキ制御装置は、制動力の保持を解除する場合、前記電動機の電流値が一定の電流幅の範囲内に入ってから無負荷電流値となるまでの時間と、前記制動部材と前記被制動部材とのクリアランスを確保するために必要な時間と、を加算した駆動時間が経過したときに前記電動機の停止をするものであって、前記駆動時間は、前記電動機へ通電し、前記電動機の電流値が上昇後に下降し始め突入電流が収束する時間が経過してからの前記一の電流幅の範囲内に入ってから無負荷電流値となるまでの電流変化量と、前記電動機の電流変化量が無負荷電流値になっていることを判定するための閾値以下に収束したときの電流値とに応じて、変更する。
本発明の一実施形態によれば、制動力の保持を解除したときに、制動部材と被制動部材とのクリアランスを精度よく確保できる。
実施形態による電動ブレーキ装置および電動ブレーキ制御装置が搭載された車両の概念図。 図1中の後輪側に設けられた電動パーキングブレーキ機能付のディスクブレーキを拡大して示す縦断面図。 図1中のパーキングブレーキ制御装置を後輪側ディスクブレーキ等と共に示すブロック図。 図1中のパーキングブレーキ制御装置で行われるリリース制御処理を示す流れ図。 図4中のS5の無負荷電流範囲内継続判定の処理を示す流れ図。 無負荷電流値(空走電流値)の判定の処理を示す流れ図。 補正時間算出の処理を示す流れ図。 電動モータの電流値の時間変化の一例を示す特性線図。 電動モータの電流値の時間変化の一例を対応する制御処理(ステップ番号)と共に示す説明図。 電動モータの電流値の時間変化の一例を補正時間算出の処理と共に示す説明図。 温度が低く回転抵抗が大きいとき(空走電流値が高いとき)の電動モータの電流値の時間変化の一例を示す説明図。 温度が高く回転抵抗が小さいとき(空走電流値が低いとき)の電動モータの電流値の時間変化の一例を示す説明図。 大きい時定数のフィルタと小さい時定数のフィルタとにより取得される電流値に基づいて電動モータの駆動時間を決定する処理を説明する説明図。 フィルタ遅れの誤差とモータ回転量の誤差を説明する説明図。
以下、実施形態による電動ブレーキ装置および電動ブレーキ制御装置を、4輪自動車に搭載した場合を例に挙げ、添付図面に従って説明する。なお、図4ないし図7に示す流れ図の各ステップは、それぞれ「S」という表記を用いる(例えば、ステップ1=「S1」とする)。
図1ないし図13は、実施形態を示している。図1において、車両のボディを構成する車体1の下側(路面側)には、例えば左右の前輪2(FL,FR)と左右の後輪3(RL,RR)とからなる合計4個の車輪が設けられている。車輪(各前輪2、各後輪3)は、車体1と共に車両を構成している。車両には、制動力を付与するためのブレーキシステムが搭載されている。以下、車両のブレーキシステムについて説明する。
前輪2および後輪3には、それぞれの車輪(各前輪2、各後輪3)と共に回転する被制動部材(回転部材)としてのディスクロータ4が設けられている。前輪2用のディスクロータ4は、液圧式のディスクブレーキである前輪側ディスクブレーキ5により制動力が付与される。後輪3用のディスクロータ4は、電動パーキングブレーキ機能付の液圧式のディスクブレーキである後輪側ディスクブレーキ6により制動力が付与される。
左右の後輪3に対応してそれぞれ設けられた一対(一組)の後輪側ディスクブレーキ6は、液圧によりブレーキパッド6C(図2参照)をディスクロータ4に押圧して制動力を付与する液圧式のブレーキ機構(液圧ブレーキ)である。図2に示すように、後輪側ディスクブレーキ6は、例えば、キャリアと呼ばれる取付部材6Aと、ホイルシリンダとしてのキャリパ6Bと、制動部材(摩擦部材、摩擦パッド)としての一対のブレーキパッド6Cと、押圧部材としてのピストン6Dとを備えている。この場合、キャリパ6Bとピストン6Dは、シリンダ機構、即ち、液圧によってピストン6Dが移動してブレーキパッド6Cをディスクロータ4に押圧するシリンダ機構を構成している。
取付部材6Aは、車両の非回転部に固定されており、ディスクロータ4の外周側を跨いで配置されている。キャリパ6Bは、取付部材6Aにディスクロータ4の軸方向への移動を可能に設けられている。キャリパ6Bは、シリンダ本体部6B1と、爪部6B2と、これらを接続するブリッジ部6B3とを含んで構成されている。シリンダ本体部6B1には、シリンダ(シリンダ穴)6B4が設けられており、シリンダ6B4内にはピストン6Dが挿嵌されている。ブレーキパッド6Cは、取付部材6Aに移動可能に取付けられており、ディスクロータ4に当接可能に配置されている。ピストン6Dは、ブレーキパッド6Cをディスクロータ4に押圧する。
ここで、キャリパ6Bは、ブレーキペダル9の操作等に基づいてシリンダ6B4内に液圧(ブレーキ液圧)が供給(付加)されることにより、ブレーキパッド6Cをピストン6Dで推進する。このとき、ブレーキパッド6Cは、キャリパ6Bの爪部6B2とピストン6Dとによりディスクロータ4の両面に押圧される。これにより、ディスクロータ4と共に回転する後輪3に制動力が付与される。
さらに、後輪側ディスクブレーキ6は、電動アクチュエータ7と回転直動変換機構8とを備えている。電動アクチュエータ7は、電動機としての電動モータ7Aと、該電動モータ7Aの回転を減速する減速機(図示せず)とを含んで構成されている。電動モータ7Aは、ピストン6Dを推進するための推進源(駆動源)となるものである。回転直動変換機構8は、ブレーキパッド6Cの押圧力を保持する保持機構(押圧部材保持機構)を構成している。
この場合、回転直動変換機構8は、電動モータ7Aの回転をピストン6Dの軸方向の変位(直動変位)に変換すると共に該ピストン6Dを推進する回転直動部材8Aを含んで構成されている。回転直動部材8Aは、例えば、雄ねじが形成された棒状体からなるねじ部材8A1と、雌ねじ穴が内周側に形成された推進部材となる直動部材8A2とにより構成されている。回転直動変換機構8は、電動モータ7Aの回転をピストン6Dの軸方向の変位に変換すると共に、電動モータ7Aにより推進したピストン6Dを保持する。即ち、回転直動変換機構8は、電動モータ7Aによりピストン6Dに推力を与え、該ピストン6Dによりブレーキパッド6Cを推進してディスクロータ4を押圧し、該ピストン6Dの推力を保持する。
回転直動変換機構8は、電動モータ7Aと共に、電動ブレーキ装置(電動パーキングブレーキ装置)の電動機構を構成している。電動機構は、電動モータ7Aの回転力を減速機と回転直動変換機構8とを介して推力に変換し、ピストン6Dを推進(変位)することにより、ブレーキパッド6Cをディスクロータ4に押圧して車両の制動力を保持する。電動モータ7Aは、電動機構を駆動する。このような電動機構(即ち、電動モータ7Aおよび回転直動変換機構8)は、後述のパーキングブレーキ制御装置24と共に、電動ブレーキ装置を構成している。
後輪側ディスクブレーキ6は、ブレーキペダル9の操作等に基づいて発生するブレーキ液圧によりピストン6Dを推進させ、ブレーキパッド6Cでディスクロータ4を押圧することにより、車輪(後輪3)延いては車両に制動力を付与する。これに加えて、後輪側ディスクブレーキ6は、後述するように、パーキングブレーキスイッチ23からの信号等に基づく作動要求に応じて、電動モータ7Aにより回転直動変換機構8を介してピストン6Dを推進させ、車両に制動力(パーキングブレーキ、必要に応じて走行中の補助ブレーキ)を付与する。
即ち、後輪側ディスクブレーキ6は、電動モータ7Aを駆動し、回転直動部材8Aによりピストン6Dを推進することにより、ブレーキパッド6Cをディスクロータ4に押圧して保持する。この場合、後輪側ディスクブレーキ6は、パーキングブレーキ(駐車ブレーキ)を付与するためのアプライ要求となるパーキングブレーキ要求信号(アプライ要求信号)に応じて、ピストン6Dを電動モータ7Aで推進して車両の制動を保持する。これと共に、後輪側ディスクブレーキ6は、ブレーキペダル9の操作に応じて、液圧源(後述のマスタシリンダ12、必要に応じて液圧供給装置16)からの液圧供給により車両を制動する。
このように、後輪側ディスクブレーキ6は、電動モータ7Aによりディスクロータ4にブレーキパッド6Cを押圧し該ブレーキパッド6Cの押圧力を保持する回転直動変換機構8を有し、かつ、電動モータ7Aによる押圧とは別に付加される液圧によりディスクロータ4にブレーキパッド6Cを押圧可能に構成されている。
一方、左右の前輪2に対応してそれぞれ設けられた一対(一組)の前輪側ディスクブレーキ5は、パーキングブレーキの動作に関連する機構を除いて、後輪側ディスクブレーキ6とほぼ同様に構成されている。即ち、図1に示すように、前輪側ディスクブレーキ5は、取付部材(図示せず)、キャリパ5A、ブレーキパッド(図示せず)、ピストン5B等を備えているが、パーキングブレーキの作動、解除を行うための電動アクチュエータ7(電動モータ7A)、回転直動変換機構8等を備えていない。しかし、前輪側ディスクブレーキ5は、ブレーキペダル9の操作等に基づいて発生する液圧によりピストン5Bを推進させ、車輪(前輪2)延いては車両に制動力を付与する点で、後輪側ディスクブレーキ6と同様である。即ち、前輪側ディスクブレーキ5は、液圧によりブレーキパッドをディスクロータ4に押圧して制動力を付与する液圧式のブレーキ機構(液圧ブレーキ)である。
なお、前輪側ディスクブレーキ5は、後輪側ディスクブレーキ6と同様に、電動パーキングブレーキ機能付のディスクブレーキとしてもよい。また、実施形態では、電動ブレーキ機構(電動パーキングブレーキ)として、電動モータ7Aを備えた液圧式のディスクブレーキ6を用いている。しかし、これに限定されず、電動ブレーキ機構は、例えば、電動モータによりシューをドラムに押付けて制動力を付与する電動式ドラムブレーキ、電動ドラム式のパーキングブレーキを備えたディスクブレーキ、電動モータでケーブルを引っ張ることによりパーキングブレーキをアプライ作動させるケーブルプラー式電動パーキングブレーキ等を用いてもよい。即ち、電動ブレーキ機構は、電動モータ(電動アクチュエータ)の駆動に基づいて摩擦部材(パッド、シュー)を回転部材(ロータ、ドラム)に押圧(推進)し、その押圧力の保持と解除とを行うことができる構成であれば、各種の電動ブレーキ機構を用いることができる。
車体1のフロントボード側には、ブレーキペダル9が設けられている。ブレーキペダル9は、車両のブレーキ操作時に運転者(ドライバ)によって踏込み操作される。各ディスクブレーキ5,6は、ブレーキペダル9の操作に基づいて、常用ブレーキ(サービスブレーキ)としての制動力の付与および解除が行われる。ブレーキペダル9には、ブレーキランプスイッチ、ペダルスイッチ(ブレーキスイッチ)、ペダルストロークセンサ等のブレーキ操作検出センサ(ブレーキセンサ)10が設けられている。
ブレーキ操作検出センサ10は、ブレーキペダル9の踏込み操作の有無、または、その操作量を検出し、その検出信号をESC制御装置17に出力する。ブレーキ操作検出センサ10の検出信号は、例えば、車両データバス20、または、ESC制御装置17とパーキングブレーキ制御装置24とを接続する通信線(図示せず)を介して伝送される(パーキングブレーキ制御装置24に出力される)。
ブレーキペダル9の踏込み操作は、倍力装置11を介して、油圧源(液圧源)として機能するマスタシリンダ12に伝達される。倍力装置11は、ブレーキペダル9とマスタシリンダ12との間に設けられた負圧ブースタ(気圧倍力装置)または電動ブースタ(電動倍力装置)として構成されている。倍力装置11は、ブレーキペダル9の踏込み操作時に、踏力を増力してマスタシリンダ12に伝える。このとき、マスタシリンダ12は、マスタリザーバ13から供給(補充)されるブレーキ液により液圧を発生させる。マスタリザーバ13は、ブレーキ液が収容された作動液タンクとなるものである。ブレーキペダル9により液圧を発生する機構は、上記の構成に限られるものではなく、ブレーキペダル9の操作に応じて液圧を発生する機構、例えば、ブレーキバイワイヤ方式の機構等であってもよい。
マスタシリンダ12内に発生した液圧は、例えば一対のシリンダ側液圧配管14A,14Bを介して、液圧供給装置16(以下、ESC16という)に送られる。ESC16に送られた液圧は、ブレーキ側配管部15A,15B,15C,15Dを介して各ディスクブレーキ5,6に供給される。ESC16は、各ディスクブレーキ5,6とマスタシリンダ12との間に配置されている。ここで、ESC16は、液圧ブレーキ(前輪側ディスクブレーキ5、後輪側ディスクブレーキ6)の液圧を制御する液圧制御装置である。このために、ESC16は、複数の制御弁と、ブレーキ液圧を加圧する液圧ポンプと、該液圧ポンプを駆動する電動モータと、余剰のブレーキ液を一時的に貯留する液圧制御用リザーバ(いずれも図示せず)とを含んで構成されている。ESC16の各制御弁および電動モータは、ESC制御装置17と接続されており、ESC16は、ESC制御装置17を含んで構成されている。
ESC16の各制御弁の開閉と電動モータの駆動は、ESC制御装置17により制御される。即ち、ESC制御装置17は、ESC16の制御を行うESC用コントロールユニット(ESC用ECU)である。ESC制御装置17は、マイクロコンピュータを含んで構成されており、ESC16(の各制御弁のソレノイド、電動モータ)を電気的に駆動制御する。この場合、ESC制御装置17は、例えば、ESC16の液圧供給を制御し、かつ、ESC16の故障を検出する演算回路、電動モータおよび各制御弁を駆動する駆動回路(いずれも図示せず)等が内蔵されている。
ESC制御装置17は、ESC16の各制御弁(のソレノイド)、液圧ポンプ用の電動モータを個別に駆動制御する。これにより、ESC制御装置17は、ブレーキ側配管部15A-15Dを通じて各ディスクブレーキ5,6に供給するブレーキ液圧(ホイールシリンダ液圧)を減圧、保持、増圧または加圧する制御を、それぞれのディスクブレーキ5,6毎に個別に行う。この場合、ESC制御装置17は、ESC16を作動制御することにより、例えば、制動力配分制御、アンチロックブレーキ制御(液圧ABS制御)、車両安定化制御、坂道発進補助制御、トラクション制御、車両追従制御、車線逸脱回避制御、障害物回避制御(自動ブレーキ制御、衝突被害軽減ブレーキ制御)を実行する。
ESC16は、運転者のブレーキ操作による通常の動作時においては、マスタシリンダ12で発生した液圧を、ディスクブレーキ5,6(のキャリパ5A,6B)に直接供給する。これに対し、例えば、アンチロックブレーキ制御等を実行する場合は、増圧用の制御弁を閉じてディスクブレーキ5,6の液圧を保持し、ディスクブレーキ5,6の液圧を減圧するときには、減圧用の制御弁を開いてディスクブレーキ5,6の液圧を液圧制御用リザーバに逃がすように排出する。さらに、車両走行時の安定化制御(横滑り防止制御)等を行うため、ディスクブレーキ5,6に供給する液圧を増圧または加圧するときは、供給用の制御弁を閉弁した状態で電動モータにより液圧ポンプを作動させ、該液圧ポンプから吐出したブレーキ液をディスクブレーキ5,6に供給する。このとき、液圧ポンプの吸込み側には、マスタシリンダ12側からマスタリザーバ13内のブレーキ液が供給される。
ESC制御装置17には、車両電源となるバッテリ18(ないしエンジンによって駆動されるジェネレータ)からの電力が、電源ライン19を通じて給電される。図1に示すように、ESC制御装置17は、車両データバス20に接続されている。なお、ESC16の代わりに、公知のABSユニットを用いることも可能である。さらに、ESC16を設けずに(即ち、省略し)、マスタシリンダ12とブレーキ側配管部15A-15Dとを直接的に接続することも可能である。
車両データバス20は、車体1に搭載されたシリアル通信部としてのCAN(Controller Area Network)を構成している。車両に搭載された多数の電子機器(例えば、ESC制御装置17、パーキングブレーキ制御装置24等を含む各種のECU)は、車両データバス20により、それぞれの間で車両内の多重通信を行う。この場合、車両データバス20に送られる車両情報としては、例えば、ブレーキ操作検出センサ10、イグニッションスイッチ、シートベルトセンサ、ドアロックセンサ、ドア開センサ、着座センサ、車速センサ、操舵角センサ、アクセルセンサ(アクセル操作センサ)、スロットルセンサ、エンジン回転センサ、ステレオカメラ、ミリ波レーダ、勾配センサ(傾斜センサ)、シフトセンサ(トランスミッションデータ)、加速度センサ(Gセンサ)、車輪速センサ、車両のピッチ方向の動きを検知するピッチセンサ等からの検出信号(出力信号)による情報(車両情報)が挙げられる。さらに、車両データバス20に送られる車両情報としては、ホイルシリンダ圧(W/C圧)を検出するW/C圧力センサ21からの検出信号、マスタシリンダ圧(M/C圧)を検出するM/C圧力センサ22からの検出信号も挙げられる。
次に、パーキングブレーキスイッチ23およびパーキングブレーキ制御装置24について説明する。
車体1内には、運転席(図示せず)の近傍となる位置に、電動パーキングブレーキのスイッチとしてのパーキングブレーキスイッチ(PKB-SW)23が設けられている。パーキングブレーキスイッチ23は、運転者によって操作される操作指示部である。パーキングブレーキスイッチ23は、運転者の操作指示に応じたパーキングブレーキの作動要求(保持要求となるアプライ要求、解除要求となるリリース要求)に対応する信号(作動要求信号)を、パーキングブレーキ制御装置24へ伝達する。即ち、パーキングブレーキスイッチ23は、電動モータ7Aの駆動(回転)に基づいてピストン6D延いてはブレーキパッド6Cをアプライ作動(保持作動)またはリリース作動(解除作動)させるための作動要求信号(保持要求信号となるアプライ要求信号、解除要求信号となるリリース要求信号)を、パーキングブレーキ制御装置24に出力する。パーキングブレーキ制御装置24は、パーキングブレーキ用コントロールユニット(パーキングブレーキ用ECU)である。
運転者によりパーキングブレーキスイッチ23が制動側(アプライ側)に操作されたとき、即ち、車両に制動力を付与するためのアプライ要求(制動保持要求)があったときは、パーキングブレーキスイッチ23からアプライ要求信号(パーキングブレーキ要求信号、アプライ指令)が出力される。この場合は、後輪側ディスクブレーキ6の電動モータ7Aに、該電動モータ7Aを制動側に回転させるための電力が、パーキングブレーキ制御装置24を介して給電される。このとき、回転直動変換機構8は、電動モータ7Aの回転に基づいてピストン6Dをディスクロータ4側に推進(押圧)し、推進したピストン6Dを保持する。これにより、後輪側ディスクブレーキ6は、パーキングブレーキ(ないし補助ブレーキ)としての制動力が付与された状態、即ち、アプライ状態(制動保持状態)となる。
一方、運転者によりパーキングブレーキスイッチ23が制動解除側(リリース側)に操作されたとき、即ち、車両の制動力を解除するためのリリース要求(制動解除要求)があったときは、パーキングブレーキスイッチ23からリリース要求信号(パーキングブレーキ解除要求信号、リリース指令)が出力される。この場合は、後輪側ディスクブレーキ6の電動モータ7Aに、該電動モータ7Aを制動側とは逆方向に回転させるための電力が、パーキングブレーキ制御装置24を介して給電される。このとき、回転直動変換機構8は、電動モータ7Aの回転によりピストン6Dの保持を解除する(ピストン6Dによる押圧力を解除する)。これにより、後輪側ディスクブレーキ6は、パーキングブレーキ(ないし補助ブレーキ)としての制動力の付与が解除された状態、即ち、リリース状態(制動解除状態)となる。
制御装置(電動ブレーキ制御装置)としてのパーキングブレーキ制御装置24は、後輪側ディスクブレーキ6(の電動モータ7Aおよび回転直動変換機構8)と共に、電動ブレーキ装置を構成している。パーキングブレーキ制御装置24は、電動モータ7Aの駆動を制御する。このために、図3に示すように、パーキングブレーキ制御装置24は、マイクロコンピュータ等によって構成される演算回路(CPU)25およびメモリ26を有している。パーキングブレーキ制御装置24には、バッテリ18(ないしエンジンによって駆動されるジェネレータ)からの電力が電源ライン19を通じて給電される。
パーキングブレーキ制御装置24は、後輪側ディスクブレーキ6,6の電動モータ7A,7Aの駆動を制御し、車両の駐車、停車時(必要に応じて走行時)に制動力(パーキングブレーキ、補助ブレーキ)を発生させる。即ち、パーキングブレーキ制御装置24は、左右の電動モータ7A,7Aを駆動することにより、ディスクブレーキ6,6をパーキングブレーキ(必要に応じて補助ブレーキ)として作動(アプライ・リリース)させる。このために、パーキングブレーキ制御装置24は、入力側がパーキングブレーキスイッチ23に接続され、出力側は各ディスクブレーキ6,6の電動モータ7A,7Aに接続されている。そして、パーキングブレーキ制御装置24は、運転者の操作(パーキングブレーキスイッチ23の操作)の検出、電動モータ7A,7Aの駆動可否判定、電動モータ7A,7Aの停止の判定等を行うための演算回路25と、電動モータ7A,7Aを制御するためのモータ駆動回路28,28とを内蔵している。
パーキングブレーキ制御装置24は、運転者のパーキングブレーキスイッチ23の操作による作動要求(アプライ要求、リリース要求)、オートアプライ・オートリリースの判定による作動要求等に基づいて、左右の電動モータ7A,7Aを駆動し、左右のディスクブレーキ6,6のアプライ(保持)またはリリース(解除)を行う。このとき、後輪側ディスクブレーキ6では、各電動モータ7Aの駆動に基づいて、回転直動変換機構8によるピストン6Dおよびブレーキパッド6Cの保持または解除が行われる。このように、パーキングブレーキ制御装置24は、ピストン6D(延いてはブレーキパッド6C)の保持作動(アプライ)または解除作動(リリース)のための作動要求信号に応じて、ピストン6D(延いてはブレーキパッド6C)を推進するべく電動モータ7Aを駆動制御する。
図3に示すように、パーキングブレーキ制御装置24の演算回路25には、記憶部としてのメモリ26に加えて、パーキングブレーキスイッチ23、車両データバス20、電圧センサ部27、モータ駆動回路28、電流センサ部29等が接続されている。車両データバス20からは、パーキングブレーキの制御(作動)に必要な車両の各種状態量、即ち、各種車両情報を取得することができる。また、パーキングブレーキ制御装置24は、車両データバス20または前記通信線を介して、ESC制御装置17を含む各種ECUに情報や指令を出力することができる。
なお、車両データバス20から取得する車両情報は、その情報を検出するセンサをパーキングブレーキ制御装置24(の演算回路25)に直接的に接続することにより取得する構成としてもよい。また、パーキングブレーキ制御装置24の演算回路25は、車両データバス20に接続された他の制御装置(例えばESC制御装置17)からオートアプライ・オートリリースの判定による作動要求が入力されるように構成してもよい。この場合は、オートアプライ・オートリリースの判定の制御を、パーキングブレーキ制御装置24に代えて、他の制御装置、例えばESC制御装置17で行う構成とすることができる。即ち、ESC制御装置17にパーキングブレーキ制御装置24の制御内容を統合することが可能である。
パーキングブレーキ制御装置24は、例えばフラッシュメモリ、ROM、RAM、EEPROM等からなる記憶部としてのメモリ26を備えている。メモリ26には、パーキングブレーキの制御に用いる処理プログラムが格納されている。例えば、メモリ26には、後述の図4ないし図7に示す処理フローを実行するための処理プログラム、即ち、電動パーキングブレーキのリリース時の制御処理に用いる処理プログラム等が格納されている。なお、実施形態では、パーキングブレーキ制御装置24をESC制御装置17と別体としたが、パーキングブレーキ制御装置24とESC制御装置17とを一体に(即ち、1個の制動用制御装置により一体に)構成してもよい。また、パーキングブレーキ制御装置24は、左右で2つの後輪側ディスクブレーキ6,6を制御するようにしているが、左右の後輪側ディスクブレーキ6,6毎に設けるようにしてもよく、この場合には、それぞれのパーキングブレーキ制御装置24を後輪側ディスクブレーキ6に一体的に設けることもできる。
図3に示すように、パーキングブレーキ制御装置24には、電源ライン19からの電圧を検出する電圧センサ部27、左右の電動モータ7A,7Aをそれぞれ駆動する左右のモータ駆動回路28,28、左右の電動モータ7A,7Aのそれぞれのモータ電流を検出する左右の電流センサ部29,29等が内蔵されている。これら電圧センサ部27、モータ駆動回路28、電流センサ部29は、それぞれ演算回路25に接続されている。これにより、パーキングブレーキ制御装置24の演算回路25では、駐車ブレーキのアプライまたはリリースを行うときに、電流センサ部29により検出される電動モータ7Aの電流値(の変化)に基づいて、電動モータ7Aの駆動の停止の判定(アプライ完了の判定、リリース完了の判定)等を行うことができる。なお、図示の例では、電圧センサ部27は、電源電圧を検出(計測)する構成としているが、例えば、電圧センサ部(電圧センサ)は、電動モータ7A,7Aの端子間電圧を左右独立して計測する構成としてもよい。
ところで、電動パーキングブレーキは、位置センサおよび軸力センサを用いずに、アクチュエータである電動モータ7Aをタイミングよく停止できることが好ましい。ここで、電動パーキングブレーキのリリースを考える。例えば、電動パーキングブレーキをアプライ状態からリリースしたときに、電動モータ7Aを停止させるタイミングが早い場合には、推進部材である直動部材8A2の戻り量が不足し、ブレーキパッド6Cとディスクロータ4とのクリアランス量が不足する可能性がある。これにより、ディスクロータ4の回転抵抗が大きくなる可能性がある。一方、電動モータ7Aを停止させるタイミングが遅い場合には、直動部材8A2の戻り量が過剰(過大)となり、次回のアプライ作動時に、推力発生までの時間が長くなる可能性がある。即ち、アプライ時の応答性が低下する可能性がある。
このような不都合を抑制するために、例えば、図14に示すように、電動モータの電流、電圧波形から推力(制動力)が解除されたことを判定し、その後の電動モータの制御量(モータ回転量)を適切に規制することにより、推進部材の変位量(戻り量)、延いては、クリアランス量を確保することが考えられる。しかし、推力が解除されたことの判定(換言すれば、ブレーキパッドが離脱したことの判定)は、ノイズ、リプルの影響を抑制するために、大きい時定数のフィルタを用いる必要がある。この結果、フィルタ分の遅延により、クリアランスを精度よく確保することが難しくなる可能性がある。また、電動モータの制御を、電流、電圧波形から推定したモータ回転量を用いて行う場合、電動モータの特性のばらつき、リリース時の発生力等を考慮して、電動モータを停止するモータ回転量の閾値を決定する必要がある。しかも、電流、電圧のモニタ誤差が各周期の計算時に発生することにより、必要計算時間分、誤差が増加する可能性がある。このため、電動モータを停止するモータ回転量の閾値を大き目に設定する必要があり、この面からも、クリアランスを精度よく確保することが難しくなる可能性がある。
より具体的に説明すると、前述した特許文献1のディスクブレーキ装置は、モータ電流の微分値が一定値に落ち着いたか否かにより、ブレーキパッドが離脱したことを判定する。しかし、実際の電流波形には、リプルが生じる。また、回転直動機構のねじ部の摩擦がねじ位置によりばらつくことで、電流が変化する。これらにより、パッドが離脱したことを精度よく判定することが難しくなると考えられる。一方、正確な判定のために、電流に強いフィルタを用いることが考えられる。しかし、この場合は、電流の変化に対して遅れが生じ、制御精度を確保し難くなる可能性がある。また、特許文献1のディスクブレーキ装置は、モータ回転量によりクリアランスを確保する。この場合、モータ回転量は、電圧、電流から計算した回転数を積算して算出する。しかし、電圧、電流のモニタ誤差、モータの定数、抵抗による誤差が積算されてしまう可能性がある。これにより、モータ回転量が大きくなる程、クリアランスのばらつきが大きくなり、電動モータの制御精度を十分に確保できない可能性がある。
これに対して、実施形態では、クリアランスを精度よく確保できるように、電動モータ7Aのリプル、回転直動変換機構8のねじ部のばらつき、他メカのばらつき等により想定される「電動モータ7Aの電流の幅」でブレーキパッド6Cの離脱状態を判定し、その離脱後の制御量を誤差の要因が少ない「時間」を用いて制御する。この場合、離脱後の制御量である「時間」を、「ブレーキパッド6Cの離脱後の一定の電流値」と「離脱状態の判定の電流幅に入った電流値」とから補正する。これにより、離脱後の制御量として「回転量」を用いる場合よりも、制御精度を向上させることができる。また、離脱後の「時間」を補正しない場合よりも、制御精度を向上させることができる。
即ち、図13に示すように、実施形態では、電動モータ7Aの電流を大きい時定数のフィルタと小さい時定数のフィルタとから取得する。図13では、小さい時定数のフィルタから取得された電動モータ7Aの電流51を実線の特性線で示しており、大きい時定数のフィルタから取得された電動モータ7Aの電流52を破線の特性線で示している。実施形態では、小さい時定数のフィルタから取得された電流51が一定の電流幅IB(後述の無負荷電流範囲内閾値幅IB)に入った時点を、仮のパッド離脱(制御認識のパッド離脱)と判定する。また、大きい時定数のフィルタから取得される電流52の傾きから空走電流値(即ち、電動モータ7Aが推力ゼロで進む電流値、後述の無負荷電流値ID)を検知する。
この上で、「小さい時定数のフィルタから得られる電動モータ7Aの電流51が一定の電流幅IBの範囲内に入ってから空走電流値(無負荷電流値ID)となるまでの時間T1(後述の時間Tb)」と「クリアランスを確保するために必要な時間T2(後述の時間Ta)」とを加算した時間T3(後述の時間Tc)が経過したときに、リリース完了と判定し、電動モータ7Aを停止する。時間T1は、カウンタ値C1に対応し、時間T2は、カウンタ値C2に対応する。カウンタ値がC1とC2とを加算した値となったときに、電動モータ7Aを停止する。これにより、リリース時の電流波形に生じるリプル等のノイズの影響を低減することができ、精度よくクリアランスを確保することができる。
このために、実施形態では、図4ないし図12に示すように、パーキングブレーキ制御装置24は、制動力の保持を解除する場合、電動モータ7Aへ通電し、電動モータ7Aの電流値が上昇後に下降し始め所定時間が経過してからの所定区間(後述の時間Tbの区間)における電流変化量と、電動モータ7Aの電流変化量が所定値(後述の閾値Df)以下に収束したときの電流値(後述の無負荷電流値ID)とに応じて、電動モータ7Aの駆動時間(後述の時間Tc)を変更する。この場合、所定時間は、例えば、突入電流が収束する時間として設定することができる。即ち、パーキングブレーキ制御装置24は、リリースのときに、突入電流が収束すると、「所定区間(時間Tbの区間)における電動モータ7Aの電流変化量」と「電流変化量が所定値(閾値Df)以下に収束したときの電流値(無負荷電流値ID)」とに応じて、電動モータ7Aの駆動時間(時間Tc)を変更する。後述するように、所定区間(時間Tbの区間)は、電動モータ7Aの温度による電流値のばらつき幅に応じて変化する。また、電動モータ7Aの電流変化量が所定値(閾値Df)以下に収束したときの電流値(無負荷電流値ID)は、微分フィルタによって得られる電流波形から検出する。
このような制御を行うため、パーキングブレーキ制御装置24は、所定の周期毎に電流値を一時的に記憶する記憶領域を備えている。より具体的には、パーキングブレーキ制御装置24は、予め設定された格納数のバッファに、制御周期毎に電流値を順次格納するリングバッファ(循環バッファ)を備えている。リングバッファは、例えば、バッファの最初(配列0番目)から順番に電流値を格納し、格納数を超えると、即ち、最後のバッファに電流値を格納すると、最初(配列0番目)に戻り、以前に格納された電流値を順番に破棄しつつ格納(上書き更新)を続ける。
これにより、パーキングブレーキ制御装置24は、制動力の保持を解除する場合、電動モータ7Aへ通電し、電動モータ7Aの電流値が上昇後に下降し電動モータ7Aの電流値が所定の電流値範囲(無負荷電流範囲内閾値幅IB)に入ってから所定周期ごとに取得した電流値と、この電流値が略一定となった電流値(無負荷電流値ID)とに基づいて、電動モータ7Aの駆動時間(時間Tc)を変更する。即ち、パーキングブレーキ制御装置24は、リリースのときに、「所定の電流値範囲(無負荷電流範囲内閾値幅IB)に入ってから所定周期ごとに取得した電流値」と「所定周期ごとに取得した電流値が略一定となった電流値(無負荷電流値ID)」とに基づいて、電動モータ7Aの駆動時間(時間Tc)を変更する。後述するように、電流値範囲(無負荷電流範囲内閾値幅IB)は、電動モータ7Aの温度による電流値のばらつき幅に応じて変化する。また、電流値が略一定となった電流値(無負荷電流値ID)は、微分フィルタによって得られる電流値の微分値の変化が所定値以下となるときの電流値である。なお、このようなパーキングブレーキ制御装置24による電動モータ7Aのリリース駆動の制御、即ち、図4ないし図7に示す制御処理については、後で詳しく述べる。
実施形態による4輪自動車のブレーキシステムは、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
車両の運転者がブレーキペダル9を踏込み操作すると、その踏力が倍力装置11を介してマスタシリンダ12に伝達され、マスタシリンダ12によってブレーキ液圧が発生する。マスタシリンダ12内で発生したブレーキ液圧は、シリンダ側液圧配管14A,14B、ESC16およびブレーキ側配管部15A,15B,15C,15Dを介して各ディスクブレーキ5,6に供給され、左右の前輪2と左右の後輪3とにそれぞれ制動力が付与される。
この場合、各ディスクブレーキ5,6では、キャリパ5A,6B内のブレーキ液圧の上昇に従ってピストン5B,6Dがブレーキパッド6Cに向けて摺動的に変位し、ブレーキパッド6Cがディスクロータ4,4に押し付けられる。これにより、ブレーキ液圧に基づく制動力が付与される。一方、ブレーキ操作が解除されたときには、キャリパ5A,6B内へのブレーキ液圧の供給が停止されることにより、ピストン5B,6Dがディスクロータ4,4から離れる(後退する)ように変位する。これによって、ブレーキパッド6Cがディスクロータ4,4から離間し、車両は非制動状態に戻される。
次に、車両の運転者がパーキングブレーキスイッチ23を制動側(アプライ側)に操作したときは、パーキングブレーキ制御装置24から左右の後輪側ディスクブレーキ6の電動モータ7Aに給電が行われ、電動モータ7Aが回転駆動される。後輪側ディスクブレーキ6では、電動モータ7Aの回転運動が回転直動変換機構8により直線運動に変換され、回転直動部材8Aによりピストン6Dが推進する。これにより、ブレーキパッド6Cによりディスクロータ4が押圧される。このとき、回転直動変換機構8(直動部材8A2)は、例えば、螺合による摩擦力(保持力)により制動状態を保持される。これにより、後輪側ディスクブレーキ6は、パーキングブレーキとして作動(アプライ)される。即ち、電動モータ7Aへの給電を停止した後にも、回転直動変換機構8により、ピストン6Dは制動位置に保持される。
一方、運転者がパーキングブレーキスイッチ23を制動解除側(リリース側)に操作したときには、パーキングブレーキ制御装置24から電動モータ7Aに対してモータが逆転するように給電される。この給電により、電動モータ7Aがパーキングブレーキの作動時(アプライ時)と逆方向に回転される。このとき、回転直動変換機構8による制動力の保持が解除され、ピストン6Dがディスクロータ4から離れる方向に変位することが可能になる。これにより、後輪側ディスクブレーキ6は、パーキングブレーキとしての作動が解除(リリース)される。
次に、パーキングブレーキ制御装置24の演算回路25で行われる制御処理について、図4ないし図7を参照しつつ説明する。なお、図4ないし図7の制御処理は、例えば、パーキングブレーキ制御装置24に通電している間、所定の制御周期(例えば、10ms)で繰り返し実行される。また、図8は、電動モータ7Aの電流値の時間変化と図4ないし図7の制御処理で判定される電動モータ7Aの駆動時間(判定時間Tc)との関係を示している。図9は、電動モータ7Aの電流値の時間変化と図4ないし図7の制御処理の各ステップとの関係を示している。図10は、電動モータ7Aの電流値の時間変化と図7の補正時間算出処理との関係を示している。図8ないし図10では、リングバッファに格納される電流値を特性線上(電流51上)に丸を付して表している(後述の図11および図12も同様)。
ECU(Electronic Control Unit)であるパーキングブレーキ制御装置24が起動すると、図4の制御処理が開始される。パーキングブレーキ制御装置24は、S1で、リリース作動開始か否かを判定する。即ち、パーキングブレーキスイッチ23がリリース側へ操作されることによりリリース指令が出力されると、または、パーキングブレーキのリリース判定ロジックに基づいてリリース指令が出力されると、電動モータ7Aに電力が供給される。これにより、電動モータ7Aがリリース方向に駆動する。S1では、リリース指令に基づいて電動モータ7Aの駆動が開始されたか否かを判定する。
S1で「NO」、即ち、リリースが開始(リリース方向の電動モータ7Aの駆動が開始)されていないと判定された場合は、リターンする。即ち、図4の「エンド」を介して「スタート」に戻り、S1以降の処理を繰り返す。これに対して、S1で「YES」、即ち、リリースが開始されたと判定された場合は、S2に進む。この場合、即ち、図4のS1で「YES」と判定されると、図5ないし図7の処理も開始される。図5ないし図7の処理については後述する。
S2では、電流センサ部29で検出される電動モータ7Aの電流信号をフィルタ処理する。即ち、S2では、無負荷電流判定用のフィルタ処理を行う。フィルタは、例えば、タスク周期と遅れ時間から考慮して設定する。実施形態では、例えば、1ms信号に対しカットオフ周波数50Hz以下かつ、90%応答が制御判定周期の10ms以下となるように設定している。なお、フィルタは、応答性の向上のために、これ以外を設定してもよい。図8ないし図10では、S2(および図5のS11、図7のS31)のフィルタ処理で取得される電流51を実線の特性線で示している。
S2に続くS3では、リリースが開始されてから電流マスク時間が経過したか否かを判定する。即ち、S3では、電動モータ7Aの回転の開始直後に発生する突入電流が収束するのに十分な時間が経過したか否かを判定する。この時間(電流マスク時間)は、例えば、「リリース開始が判定されてからリレー動作までの時間」と「突入電流が継続する時間」との和にマージンを考慮した値とすることができる。リリース開始は、リリース指令の出力により判定できる。S3で「NO」、即ち、リリース開始(リリース指令出力)から電流マスク時間が経過していないと判定された場合は、リターンする。これに対して、S3で「YES」、即ち、リリース開始(リリース指令出力)から電流マスク時間が経過したと判定された場合は、S4に進む。
S4では、S2でフィルタ処理された電動モータ7Aの電流値が無負荷判定電流値IA以下であるか否かを判定する。即ち、S4では、リリース開始からマスク時間経過後の電流値が無負荷状態領域に入っているか否かを判定する。無負荷状態とは、ブレーキパッド6Cからピストン6Dが離れている状態、換言すれば、ピストン6Dから直動部材8A2が離れている状態に対応する。無負荷判定電流値IA、即ち、無負荷状態であるか否かを判定する電流の閾値IAは、無負荷状態での電流ばらつきを考慮した上限値から設定することができる。ここで、電流ばらつきの要因は、温度による特性の変化、構成部品の機械抵抗、粘性抵抗、効率のばらつきをすべて考慮して決定する。
具体的には、ねじ部、ベアリング、Oリング等の回直部品の摺動抵抗によるトルクのばらつき、グリスの粘性抵抗によるトルクのばらつき、モータのインダクタンス抵抗、トルク定数、イナーシャ、モータ抵抗(ハーネス抵抗、コイル抵抗、端子間抵抗)を考慮して決定する。これらの他にも、無負荷状態でのトルク・電流変化を起こす要因を加えて算出した電流値としてもよい。無負荷判定の閾値IAは、計算、実験、試験、シミュレーション等によって予め設定する。S4で「NO」、即ち、電動モータ7Aの電流値が無負荷判定電流値IAよりも大きいと判定された場合は、リターンする。これに対して、S4で「YES」、即ち、電動モータ7Aの電流値が無負荷判定電流値IA以下であると判定された場合は、S5に進む。
S5では、無負荷電流範囲内継続判定を行う。即ち、S5では、図5の処理により、電動モータ7Aの電流値が所定の電流幅IB内(即ち、無負荷電流範囲内閾値幅IB内)を継続しているか否かを判定する。ここで、リリース時間は、1秒程度が一般的であり、その時間内でのリリース中の電動モータ7Aの温度は、ほぼ一定とみなせる。このため、すべてのばらつきを考慮した無負荷電流範囲、即ち、無負荷判定電流値IA以下の範囲において、無負荷電流の変動範囲は、これよりも狭い電流幅IBに規定可能(IA>IB)であることを利用して、判定を行う。無負荷電流範囲内での閾値幅となる電流幅IBは、前述の無負荷判定電流値IAの変動要素のうち、温度特性変化要素を除いたものにより計算可能である。S5、即ち、図5の処理では、電動モータ7Aの電流値が無負荷電流範囲内閾値幅IB内を継続しているか否かを判定する。
図4のS1で「YES」と判定されると、図5の処理(無負荷電流範囲内継続判定処理)がスタートする。図5のS11は、図4のS2と同様の処理であり、図5のS12は、図4のS4と同様の処理である。図5のS12で「NO」と判定された場合は、リターンする。即ち、エンドを介してスタートに戻り、S11以降の処理を繰り返す。S12で「YES」と判定されると、S13に進む。S13では、電流値をリングバッファに格納する。即ち、S13では、電流値が無負荷電流範囲内を継続しているか否かを判定するために、電流値を毎周期リングバッファに格納する。必要格納数は、例えば、ブレーキパッド6Cのクリアランスの確保に必要な最大の時間Taと、電流値が無負荷電流範囲内閾値幅IBに入ってから無負荷電流値に落ち着くまでの想定最大時間Tbの和とすることができる。
Taの最大時間は、「必要クリアランス」、「ねじのリード」、「減速比」、「モータ回転速度(最も遅い条件)」に基づいて設定することができる。即ち、パッドクリアランス確保時間Taは、次の数1式となる。
Tbは、無負荷電流範囲内閾値幅IBと推力の減少勾配(剛性)とに依存するため、想定しているキャリパ剛性、パッドの剛性で最も低い条件から算出できる。算出式としては、次の数2式となる。
この数2式は、次の数3式となる。
S13に続くS14では、リングバッファに格納された電流値の最大と最小の差分から、電流値の変化が無負荷電流範囲内閾値幅IB以内にあるかを確認し、無負荷状態であるかを監視する。即ち、S14では、[0]から[Tc相当分]のリングバッファ値の最大と最小の差が無負荷電流範囲内閾値幅IB以下であるか否かを判定する。この判定は、[0]から[Tc相当分]のリングバッファに電流値がたまってから判定を行う。それまでは、電流値をリングバッファに格納する(S13に進む)。Tcは、パッドクリアランス確保時間Taと後述の補正時間Tb′とを加算した時間(判定時間Tc)に対応する(Tc=Ta+Tb′(Tb′の最大はTb′=Tb))。S14で「NO」、即ち、リングバッファ値の最大と最小の差が無負荷電流範囲内閾値幅IBを超えていると判定された場合は、S13の前に戻る。これに対して、S14で「YES」、即ち、リングバッファ値の最大と最小の差が無負荷電流範囲内閾値幅IB以下であると判定された場合は、S15に進む。
ここで、液圧発生によりOリングやベアリングの摺動抵抗が変化し、電流値が無負荷電流範囲内閾値幅IBを超えた場合は、S14が成立せずS13およびS14を継続する。このようなS13およびS14の処理により、無負荷電流範囲内(無負荷判定電流値IA以下の範囲内)において、実際の空走電流が落ち着く位置に応じて、無負荷電流の変動範囲が無負荷電流範囲内閾値幅IBに収まることを判定する。
S15では、図8に示すように、S14の判定、即ち、ある温度で無負荷状態が判定時間Tc継続することを判定することで、無負荷電流範囲内継続判定成立と判定し、リターンする。この場合は、図4のS6で「YES」と判定される。ここで、判定時間Tcは、前述の時間Taと、図6に示す微分判定処理および図7に示す補正時間算出処理により算出される補正時間Tb′との和である(Tc=Ta+Tb′)。補正時間Tb′は、図6に示す微分判定処理で算出される無負荷電流値ID(空走電流値)を使用し、図7に示す補正時間算出処理にて算出する。
図6の微分判定処理について説明する。図4のS1で「YES」と判定されると、図6の処理(微分判定処理)がスタートする。S21では、微分判定用のフィルタ処理を行う。即ち、S21では、リプル、ノイズの影響を取り除くため、大きい時定数のフィルタ処理を行う。より具体的には、S21では、図5のS2、図6のS11および後述の図7のS31のフィルタ処理よりも大きい時定数のフィルタ(微分フィルタ)を用いて電動モータ7Aの電流信号をフィルタ処理する。ここで、補正時間は、パッドクリアランス確保前に算出が完了している必要がある。このため、S21では、例えば、前述のリングバッファの必要数(必要時間)の間にマージンを引いた時間で90%応答となるようなフィルタ処理とする。図9および図10では、S21のフィルタ処理で取得される電流52を鎖線の特性線で示している。
S21に続くS22では、S21でフィルタ処理された電動モータ7Aの電流値が無負荷判定電流値IA以下であるか否かを判定する。S22で「NO」と判定された場合は、リターンする。即ち、エンドを介してS21に戻り、S21以降の処理を繰り返す。これに対して、S22で「YES」と判定された場合は、S23に進む。S23では、電流微分値を算出する。S24からS26は、電流微分値が閾値Df以下である状態が規定時間(所定時間)継続していることを判定する。電流微分値の閾値Dfは、電流が無負荷電流値ID(図10)になっていることを判定するための閾値であり、推力が最も緩やかに低下する場合の電流の傾きDbと、無負荷時に想定される電流幅で変化した場合の微分値Dcとの間の任意の値とすることができる(Dc<Df<Db)。電流の傾きは、例えば、剛性、回直の摺動抵抗、モータの仕様を考慮して算出することができる。規定時間は、電流が無負荷電流値IDに収束したことを適切に判定するための時間(微分値がDf以下に落ち着いたことを判定する時間)として設定することができる。
S24では、S23で算出された電流微分値が閾値Df以下であるか否かを判定する。S24で「NO」、即ち、電流微分値が閾値Dfを超えていると判定された場合は、リターンする。一方、S24で「YES」、即ち、電流微分値が閾値Df以下であると判定された場合は、S25に進む。S25では、カウントアップし、続くS26では、カウンタが規定時間を超えたか否かを判定する。S26で「NO」、即ち、カウンタが規定時間以内であると判定された場合は、リターンする。一方、S26で「YES」、即ち、カウンタが規定時間を超えたと判定された場合は、S27に進む。S27では、S27に進んだときの電流値を無負荷電流値IDとして保持する。即ち、S27では、微分値がDf以下に落ち着いたときの電流値を無負荷電流値IDとして保持し、リターンする。
次に、図7の補正時間算出処理について説明する。補正時間算出処理では、電流値が無負荷電流範囲内閾値幅IBに収まるまでの時間を実際の波形に基づいて補正する。この狙いは、無負荷電流範囲内閾値幅IBに入った最初の電流バッファ値から前述の微分判定により算出した無負荷電流値IDになるまでの時間の算出である。図7のS31-S33は、図4のS11-S13と同様の処理である。即ち、S31で無負荷電流判定用のフィルタ処理を行い、S32では、無負荷状態と判断可能な電流値IA以下となることを判断する。S32で「NO」と判定された場合は、リターンする。即ち、エンドを介してスタートに戻り、S31以降の処理を繰り返す。S32で「YES」と判定されると、S33に進む。S33では、リングバッファに電流値を格納する(無負荷電流算出と同じバッファ値を使用する)。S33に続くS34では、リングバッファの配列0番目から順番に無負荷電流相当値IE(「無負荷電流検出補正値IE」ともいう)との比較を行う。
即ち、S34では、リングバッファの値と無負荷電流相当値IEとが一致したか否かを判定する。図10に示すように、無負荷電流相当値IEは、前述の微分判定により算出した無負荷電流値IDに無負荷状態での摺動抵抗変化とモニタ誤差による変動分(IC)を加算した電流である。本処理(補正時間算出処理)でのフィルタは、微分判定よりも時定数が低く設定されているため、無負荷電流相当値IEは、変動の影響を考慮した値とした。S34で「NO」、即ち、リングバッファの値が無負荷電流相当値IEと一致していないと判定された場合は、リターンする。S34で「YES」、即ち、リングバッファの値が無負荷電流相当値IEと一致したと判定された場合は、S35に進む。S35では、S34で一致したリングバッファの配列(例えば、配列N番目)から補正時間を算出する。図10に示すように、配列0番目は、無負荷電流範囲内閾値幅IBに入った点、配列N番目(例えば3番目)は、無負荷電流に達した点とみなせるため、補正対象の時間区間そのものである。即ち、補正時間Tb′は、配列数Nとタスク周期(制御周期)から、次の数4式で表すことができる。
ここで、補正時間Tb′は、既定の時間Toriginalを事前に設定し、その値との差分をフィードバックしてもよい。この場合、補正時間Tb′が既定の時間Toriginalよりも長い(Tb′>Toriginal)ときは、判定時間Tcを規定よりも長く制御することになる。これは、ブレーキパッド6Cの想定外の摩擦抵抗などから電流波形の傾きがゆっくりとなる場合にも対応可能とするためである。いずれにしても、S35で補正時間Tb′を算出したら、リターンする。S35で算出された補正時間Tb′は、パッドクリアランス確保時間Taと加算され、図5のS14の判定時間Tcとして用いられる(Tc=Ta+Tb′)。
S14およびS15では、電流値が無負荷電流範囲内閾値幅IBに入ってから判定時間Tc達するまでのリングバッファに格納された電流値の最大と最小の差分が無負荷電流範囲内閾値幅IB以下であると、無負荷電流範囲内継続判定成立と判定される。これにより、図4のS6で「YES」と判定され、S7で、電動モータ7Aの駆動を停止する。また、S7でリングバッファ値をクリアし、リターンする。このように、S6では、図5の処理による判定結果から無負荷電流範囲内継続判定が成立したか否かを判定し、成立の場合は、S7で電動モータ7Aの駆動を停止し、リリースを完了させる。
図11は、温度が低く回転抵抗が大きいとき(空走電流が高いとき)の電動モータ7Aの電流値の時間変化の一例を示している。即ち、図11は、低温時等、グリスの粘性抵抗等が大きく空走電流が高いときの特性を示している。図12は、温度が高く回転抵抗が小さいとき(空走電流が低いとき)の電動モータ7Aの電流値の時間変化の一例を示している。即ち、図12は、高温時等、グリスの粘性抵抗が小さく空走電流が低いとき、および/または、モータ効率、機械効率がよく、空走電流が低いときの特性を示している。図11および図12に示すように、所定区間に対応するTb′の区間は、電動モータ7Aの温度による電流値のばらつき幅に応じて変化する。所定区間(Tb′)は、温度に応じて長く、または、短くなる。また、電流値範囲に対応する無負荷電流範囲内閾値幅IBは、電動モータ7Aの温度による電流値のばらつき幅に応じて変化する。電流値範囲(幅IB)は、温度に応じて電流が高い側または低い側に平行移動する。このような実施形態では、図6の処理(微分判定)により求めた無負荷電流値IDと図7の処理(時間判定)により求めた補正時間Tb′とを、図4および図5のリリース処理に用いる判定時間Tcに反映することにより、クリアランスを精度よく制御することが可能である。なお、図12の白丸は、リングバッファの格納数に達することにより、閾値IA以下で幅IBにTc間収まったことを判断した区間より過去のデータが破棄されたことを示している。
以上のように、実施形態では、パーキングブレーキのリリースのときに、電動モータ7Aを駆動する時間である駆動時間(判定時間Tc)を用いて電動モータ7Aを停止する。この場合、「所定区間(Tb′の区間)における電流変化量」と「電流変化量が所定値(閾値Df)以下に収束したときの電流値(無負荷電流値ID)」とに応じて電動モータ7Aの駆動時間(判定時間Tc)を変更する。換言すれば、「電動モータ7Aの電流値が所定の電流値範囲(無負荷電流範囲内閾値幅IB)に入ってから所定周期ごとに取得した電流値」と「電流値が略一定となった電流値(無負荷電流値ID)」とに応じて電動モータ7Aの駆動時間(判定時間Tc)を変更する。このため、モータ回転量を用いる場合と比較して、精度よく電動モータ7Aの駆動の停止(リリース完了)を判定することができる。これにより、クリアランスを精度よく確保でき、クリアランスのばらつきを抑制できる。この結果、次回のアプライ時の応答性を高い領域で安定させることができる。
実施形態では、図11および図12に示すように、所定区間(Tb′の区間)および(電流値範囲(無負荷電流範囲内閾値幅IB)は、温度による電流値のばらつき幅に応じて変化する。このため、周囲の温度に拘わらず、精度よくクリアランスを確保することができる。また、実施形態では、電動モータ7Aの電流変化量が所定値(閾値Df)以下に収束したときの電流値である無負荷電流値IDは、微分フィルタによって得られる電流波形から検出される。換言すれば、電流値が略一定となった電流値である無負荷電流値IDは、微分フィルタによって得られる電流値の微分値の変化が所定値(閾値Df)以下となるときの電流値である。このため、時定数の大きい微分フィルタによって無負荷電流値IDを精度よく安定して得ることができる。これにより、フィルタ後の電流値を用いて駆動時間(判定時間Tc)を変更することで、電動モータ7Aの駆動の停止(リリース完了)を安定して判定することができる。
なお、実施形態では、後輪側ディスクブレーキ6を電動パーキングブレーキ機能付の液圧式ディスクブレーキとすると共に、前輪側ディスクブレーキ5を電動パーキングブレーキ機能が付いていない液圧式ディスクブレーキとした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、後輪側ディスクブレーキ6を電動パーキングブレーキ機能が付いていない液圧式ディスクブレーキとすると共に、前輪側ディスクブレーキ5を電動パーキングブレーキ機能付の液圧式ディスクブレーキとしてもよい。さらに、前輪側ディスクブレーキ5と後輪側ディスクブレーキ6との両方を、電動パーキングブレーキ機能付の液圧式ディスクブレーキとしてもよい。要するに、車両の車輪のうち少なくとも左右一対の車輪のブレーキを電動パーキングブレーキにより構成することができる。
実施形態では、電動ブレーキ機構として、電動パーキングブレーキ付の液圧式ディスクブレーキ6を例に挙げて説明した。しかし、ディスクブレーキ式のブレーキ機構に限らず、ドラムブレーキ式のブレーキ機構として構成してもよい。さらに、ディスクブレーキにドラム式の電動パーキングブレーキを設けたドラムインディスクブレーキ、電動モータでケーブルを引っ張ることによりパーキングブレーキの保持を行う構成等、電動パーキングブレーキの構成は各種のものを採用することができる。
以上説明した実施形態に基づく電動ブレーキ装置として、例えば下記に述べる態様のものが考えられる。
第1の態様に係る電動ブレーキ装置は、制動部材を被制動部材へ押圧し制動力を保持する電動機構を駆動する電動機と、前記電動機の駆動を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、制動力の保持を解除する場合、前記電動機へ通電し、前記電動機の電流値が上昇後に下降し始め所定時間が経過してからの所定区間における電流変化量と、前記電動機の電流変化量が所定値以下に収束したときの電流値とに応じて、前記電動機の駆動時間を変更する。
この第1の態様によれば、制動力の保持を解除する場合に、電動機を駆動する時間である駆動時間を用いて電動機を停止する。この場合、「所定区間における電流変化量」と「電流変化量が所定値以下に収束したときの電流値」とに応じて電動機の駆動時間を変更する。このため、モータ回転量を用いる場合と比較して、精度よく電動機の駆動の停止(リリース完了)を判定することができる。これにより、クリアランスを精度よく確保でき、次回のアプライ時の応答性を高い領域で安定させることができる。
第2の態様としては、第1の態様において、前記所定区間は、前記電動機の温度による電流値のばらつき幅に応じて変化する。この第2の態様によれば、周囲の温度に拘わらず、精度よくクリアランスを確保することができる。
第3の態様としては、第1の態様または第2の態様において、前記電動機の電流変化量が前記所定値以下に収束したときの電流値は、微分フィルタによって得られる電流波形から検出される。この第3の態様によれば、微分フィルタによって電流変化量が所定値以下に収束したときの電流値を精度よく安定して得ることができる。これにより、フィルタ後の電流値を用いて駆動時間を変更することで、電動機の駆動の停止(リリース完了)を安定して判定することができる。
第4の態様に係る電動ブレーキ装置は、制動部材を被制動部材へ押圧し制動力を保持する電動機構を駆動する電動機と、前記電動機の駆動を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、制動力の保持を解除する場合、前記電動機へ通電し、前記電動機の電流値が上昇後に下降し前記電動機の電流値が所定の電流値範囲に入ってから所定周期ごとに取得した電流値と、前記電流値が略一定となった電流値とに基づいて前記電動機の駆動時間を変更する。
この第4の態様によれば、制動力の保持を解除する場合に、電動機を駆動する時間である駆動時間を用いて電動機を停止する。この場合、「電動機の電流値が所定の電流値範囲に入ってから所定周期ごとに取得した電流値」と「電流値が略一定となった電流値」とに応じて電動機の駆動時間を変更する。このため、モータ回転量を用いる場合と比較して、精度よく電動機の駆動の停止(リリース完了)を判定することができる。これにより、クリアランスを精度よく確保でき、次回のアプライ時の応答性を高い領域で安定させることができる。
第5の態様としては、第4の態様において、前記電流値範囲は、前記電動機の温度による電流値のばらつき幅に応じて変化する。この第5の態様によれば、周囲の温度に拘わらず、精度よくクリアランスを確保することができる。
第6の態様としては、第4の態様または第5の態様において、前記電流値が略一定となった電流値は、微分フィルタによって得られる前記電流値の微分値の変化が所定値以下となるときの電流値である。この第6の態様によれば、微分フィルタによって電流値が略一定となった電流値を精度よく安定して得ることができる。これにより、フィルタ後の電流値を用いて駆動時間を変更することで、電動機の駆動の停止(リリース完了)を安定して判定することができる。
第7の態様としては、制動部材を被制動部材へ押圧し制動力を保持する電動機構を駆動する電動機を制御する電動ブレーキ制御装置であって、前記電動ブレーキ制御装置は、制動力の保持を解除する場合、前記電動機へ通電し、前記電動機の電流値が上昇後に下降し始め所定時間が経過してからの所定区間における電流変化量と、前記電動機の電流変化量が所定値以下に収束したときの電流値とに応じて、前記電動機の駆動時間を変更する。
この第7の態様によれば、制動力の保持を解除する場合に、電動機を駆動する時間である駆動時間を用いて電動機を停止する。この場合、「所定区間における電流変化量」と「電流変化量が所定値以下に収束したときの電流値」とに応じて電動機の駆動時間を変更する。このため、モータ回転量を用いる場合と比較して、精度よく電動機の駆動の停止(リリース完了)を判定することができる。これにより、クリアランスを精度よく確保でき、次回のアプライ時の応答性を高い領域で安定させることができる。
尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
本願は、2020年3月31日付出願の日本国特許出願第2020-062317号に基づく優先権を主張する。2020年3月31日付出願の日本国特許出願第2020-062317号の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書を含む全開示内容は、参照により本願に全体として組み込まれる。
4 ディスクロータ(被制動部材) 6 後輪側ディスクブレーキ 6C ブレーキパッド(制動部材) 7A 電動モータ(電動機、電動機構) 8 回転直動変換機構(電動機構) 24 パーキングブレーキ制御装置(制御装置、電動ブレーキ制御装置)

Claims (7)

  1. 電動ブレーキ装置であって、該電動ブレーキ装置は、
    制動部材を被制動部材へ押圧し制動力を保持する電動機構を駆動する電動機と、
    前記電動機の駆動を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    制動力の保持を解除する場合、
    前記電動機の電流値が一定の電流幅の範囲内に入ってから無負荷電流値となるまでの時間と、前記制動部材と前記被制動部材とのクリアランスを確保するために必要な時間と、を加算した駆動時間が経過したときに前記電動機の停止をするものであって、
    前記駆動時間は、前記電動機へ通電し、前記電動機の電流値が上昇後に下降し始め突入電流が収束する時間が経過してからの前記一の電流幅の範囲内に入ってから無負荷電流値となるまでの電流変化量と、前記電動機の電流変化量が無負荷電流値になっていることを判定するための閾値以下に収束したときの電流値とに応じて、変更することを特徴とする電動ブレーキ装置。
  2. 請求項1において、
    前記一定の電流幅は、前記電動機の温度による電流値のばらつき幅に応じて変化することを特徴とする電動ブレーキ装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記電動機の電流変化量が前記値以下に収束したときの電流値は、微分フィルタによって得られる電流波形から検出されることを特徴とする電動ブレーキ装置。
  4. 電動ブレーキ装置であって、該電動ブレーキ装置は、
    制動部材を被制動部材へ押圧し制動力を保持する電動機構を駆動する電動機と、
    前記電動機の駆動を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    制動力の保持を解除する場合、
    前記電動機の電流値が一定の電流幅の範囲内に入ってから無負荷電流値となるまでの時間と、前記制動部材と前記被制動部材とのクリアランスを確保するために必要な時間と、を加算した駆動時間が経過したときに前記電動機の停止をするものであって、
    前記駆動時間は、前記電動機へ通電し、前記電動機の電流値が上昇後に下降し前記電動機の電流値が前記一定の電流幅の範囲に入ってから制御周期ごとに取得した電流値と、前記電流値が略一定となった電流値とに基づいて変更することを特徴とする電動ブレーキ装置。
  5. 請求項4において、
    前記一定の電流は、前記電動機の温度による電流値のばらつき幅に応じて変化することを特徴とする電動ブレーキ装置。
  6. 請求項4または5において、
    前記電流値が略一定となった電流値は、微分フィルタによって得られる前記電流値の微分値の変化が無負荷電流値になっていることを判定するための閾値以下となるときの電流値であることを特徴とする電動ブレーキ装置。
  7. 制動部材を被制動部材へ押圧し制動力を保持する電動機構を駆動する電動機を制御する電動ブレーキ制御装置であって、
    前記電動ブレーキ制御装置は、
    制動力の保持を解除する場合、
    前記電動機の電流値が一定の電流幅の範囲内に入ってから無負荷電流値となるまでの時間と、前記制動部材と前記被制動部材とのクリアランスを確保するために必要な時間と、を加算した駆動時間が経過したときに前記電動機の停止をするものであって、
    前記駆動時間は、前記電動機へ通電し、前記電動機の電流値が上昇後に下降し始め突入電流が収束する時間が経過してからの前記一の電流幅の範囲内に入ってから無負荷電流値となるまでの電流変化量と、前記電動機の電流変化量が無負荷電流値になっていることを判定するための閾値以下に収束したときの電流値とに応じて、変更することを特徴とする電動ブレーキ制御装置。
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