JP7410755B2 - インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタに関する。
印刷データに応じて印刷媒体に画像を形成するインクジェットプリンタが実用化されている。インクジェットプリンタは、例えば、インクジェットヘッドと、インクジェットヘッドを制御するヘッドコントローラとを備える。インクジェットヘッドは、インクを吐出する為のアクチュエータと、ヘッドコントローラの制御に基づいてアクチュエータを駆動するドライバICとを備える。ドライバICは、ヘッドコントローラの制御に基づいて、論理回路により半導体スイッチをスイッチングすることにより、高電位の電源供給ラインから供給される電流をアクチュエータに供給する。
ドライバICにおいて、論理回路に電源が供給されないで高圧電源が供給された場合、すなわち論理回路の電源が何らかの要因でGNDと短絡などの不具合が発生した状態で高圧電源が供給された場合、ドライバIC内で、高圧電源供給ラインからGNDに貫通電流が流れる場合がある。貫通電流が流れると、ドライバICの温度が急激に上昇し、ドライバICのパッケージが破損し、封止剤がガス化し、発煙、発火が生じる可能性がある。電源供給ラインにヒューズを設けることにより、貫通電流が流れ続けることを防ぐことができる。しかしながら、ドライバICの通常動作時に電源供給ラインを流れる電流によってヒューズが溶断されることを防ぐために、容量(アンペア数)が大きいヒューズを用いる必要がある。ヒューズのサイズは、容量に比例する為、インクジェットヘッドが大型化する可能性があるという課題がある。
特開2010-776号公報 特開平6-86597号公報
本発明は、安全性と小型化とを両立可能なインクジェットヘッド及びインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
実施形態に係るインクジェットヘッドは、アクチュエータと、ドライバICと、ヒューズと、コンデンサと、スイッチング素子とを備える。前記アクチュエータは、インクを吐出するためのノズルからインクを吐出させる。前記ドライバICは、前記アクチュエータを駆動する。前記ヒューズは、前記ドライバICに電源を供給する電源供給ラインに設けられている。前記コンデンサは、前記ヒューズよりも前記ドライバICに近い位置で前記電源供給ラインに接続されている。前記スイッチング素子は、前記コンデンサの負極側とGNDの間に設けられている。
図1は、第1の実施形態に係るインクジェットプリンタの構成の例についての説明図である。 図2は、第1の実施形態に係るインクジェットヘッド及びヘッドコントローラの構成の例についての説明図である。 図3は、第1の実施形態に係るスイッチング素子のドレイン電流の波形の例についての説明図である。 図4は、第1の実施形態に係る電源電圧及びスイッチング素子のゲート電位の例についての説明図である。 図5は、第1の実施形態に係るインクジェットヘッドのアクチュエータに印加される電界の例についての説明図である。 図6は、第1の実施形態に係るヒューズに流れる電流の例についての説明図である。 図7は、第1の実施形態に係るヒューズに流れる電流の例についての説明図である。 図8は、第1の実施形態に係るヒューズに流れる電流の例についての説明図である。 図9は、第2の実施形態に係るインクジェットヘッド及びヘッドコントローラの構成の例についての説明図である。 図10は、第2の実施形態に係るヒューズに流れる電流の例についての説明図である。 図11は、第2の実施形態に係るヒューズに流れる電流の例についての説明図である。 図12は、第2の実施形態に係るヒューズに流れる電流の例についての説明図である。
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態に係るインクジェットプリンタ及びインクジェットヘッドについて図面を参照して説明する。
まず、インクジェットプリンタ1について説明する。図1は、一実施形態に係るインクジェットプリンタ1の構成例を示す説明図である。
インクジェットプリンタ1は、インクジェット記録装置の一例である。なお、インクジェット記録装置はこれに限らず、複写機のような他の装置であっても良い。
インクジェットプリンタ1は、例えば、記録媒体である印刷媒体を搬送しながら画像形成等の各種処理を行う。インクジェットプリンタ1は、制御部11、ディスプレイ12、操作部13、通信インタフェース14、搬送モータ15、モータ駆動回路16、ポンプ17、ポンプ駆動回路18、インクジェットヘッド19、ヘッドコントローラ20、及び電源回路21を備える。さらに、インクジェットプリンタ1は、図示されない給紙カセット及び排紙トレイを備える。
制御部11は、インクジェットプリンタ1の各種の制御を行う。制御部11は、プロセッサ31とメモリ32とを備える。プロセッサ31は、演算処理を実行する演算素子である。プロセッサ31は、例えば、メモリ32に記憶されているプログラム及びプログラムで用いられるデータに基づいて種々の処理を行う。メモリ32は、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。
ディスプレイ12は、プロセッサ31、または図示されないグラフィックコントローラなどの表示制御部から入力される映像信号に応じて画面を表示する表示装置である。
操作部13は、操作に基づいて、操作信号を生成する操作部材を有する。操作部材は、例えば、タッチセンサ、テンキー、電源キー、用紙フィードキー、種々のファンクションキー、またはキーボードなどである。タッチセンサは、例えば、抵抗膜式タッチセンサ、または静電容量式タッチセンサ等である。タッチセンサは、ある領域内において指定された位置を示す情報を取得する。タッチセンサは、上記のディスプレイ12と一体にタッチパネルとして構成されることにより、ディスプレイ12に表示された画面上のタッチされた位置を示す信号を生成する。
通信インタフェース14は、他の機器と通信するインタフェースである。通信インタフェース14は、例えば、インクジェットプリンタ1に印刷データを送信するホストPC2との通信に用いられる。通信インタフェース14は、有線で構成されたネットワークを介して、ホストPC2と通信する。また、通信インタフェース14は、無線で構成されたネットワークを介して、ホストPC2と通信する構成でもよい。
搬送モータ15は、回転することによって、印刷媒体を搬送する為の図示されない搬送路の搬送部材を動作させる。搬送部材は、印刷媒体を搬送するベルト、ローラ、及びガイドなどである。搬送モータ15は、印刷媒体を保持するベルトと連動して動作するローラを駆動することによって印刷媒体をガイドに沿って搬送させる。
モータ駆動回路16は、搬送モータ15を駆動する回路である。モータ駆動回路16は、制御部11から入力された搬送制御信号に従って搬送モータ15を駆動する。これにより、給紙カセットの印刷媒体が、インクジェットヘッド19を経由して排紙トレイに搬送される。給紙カセットは、複数の印刷媒体を収容するカセットである。排紙トレイは、インクジェットプリンタ1から排出された印刷媒体を収容するトレイである。
ポンプ17は、例えばインクが保持されているインクタンク(図示せず)とインクジェットヘッド19とを連通するチューブを備える。具体的には、チューブは、インクジェットヘッド19の図示されない共通インク室と連通されている。
ポンプ駆動回路18は、プロセッサ31から入力されたインク供給制御信号に従ってポンプ17を駆動することによって、インクタンク内のインクをインクジェットヘッド19の共通インク室に供給させる。
インクジェットヘッド19は、印刷媒体に画像を形成する画像形成部である。インクジェットヘッド19は、ヘッドコントローラ20から供給される電源電圧及び制御信号に基づき、搬送モータ15及び図示されない保持ローラによって搬送される印刷媒体にインクを吐出することにより、画像を形成する。インクジェットプリンタ1は、例えば、シアン、マゼンダ、イエロー、及びブラック等の各色にそれぞれ対応した複数のインクジェットヘッド19を備えていてもよい。
ヘッドコントローラ20は、インクジェットヘッド19を制御する回路である。ヘッドコントローラ20は、インクジェットヘッド19を動作させることにより、インクジェットヘッド19からインクを吐出させる。ヘッドコントローラ20は、インクジェットヘッド19に複数の電源電圧を供給する。また、ヘッドコントローラ20は、通信インタフェース14を介して入力された印刷データに基づいて制御信号を生成する。ヘッドコントローラ20は、電源電圧及び制御信号を供給することにより、印刷媒体に対してインクジェットヘッド19により画像を形成させる。
電源回路21は、商用電源から供給された交流電力を直流電力に変換する。電源回路21は、直流電力をインクジェットプリンタ1内の各構成に供給する。
図2は、インクジェットヘッド19及びヘッドコントローラ20の詳細な構成について説明する為の説明図である。インクジェットヘッド19とヘッドコントローラ20とは、伝送用のフレキシブルプリント回路(FPC)基板を介して接続される。これにより、ヘッドコントローラ20は、インクジェットヘッド19に対して電源電圧及び制御信号を供給することができる。
まずヘッドコントローラ20について説明する。
ヘッドコントローラ20は、電源電圧生成回路41、及び制御信号生成回路42を備える。
電源電圧生成回路41は、電源回路21から供給された直流電圧DCVを用いて、インクジェットヘッド19の動作に必要な複数の電源電圧、及び制御信号生成回路42の動作に必要な電源電圧を生成する。
例えば、電源電圧生成回路41は、直流電圧DCVを用いて、電源電圧VAA、電源電圧VCC、及び電源電圧VDDを生成する。電源電圧VAA、電源電圧VCC、及び電源電圧VDDは、インクジェットヘッド19で用いられる電源電圧である。電源電圧生成回路41は、電源電圧VAA、電源電圧VCC、及び電源電圧VDDをインクジェットヘッド19に供給する。また、電源電圧生成回路41は、直流電圧DCVを用いて、制御信号生成回路42を動作させる為の電源電圧を生成する。電源電圧生成回路41は、制御信号生成回路42用の電源電圧を制御信号生成回路42に供給する。本例では、電源電圧VAAは、31[V]とする。電源電圧は、駆動電源ともいう。
制御信号生成回路42は、通信インタフェース14を介して入力された印刷データに基づいて、制御信号を生成する。制御信号は、クロック信号CK、リセット信号RST、初期化信号INIT、及び印刷データSDIなどを含む。制御信号生成回路42は、制御信号をインクジェットヘッド19に出力する。
次にインクジェットヘッド19について説明する。
インクジェットヘッド19は、チャネル群51、ドライバIC52、及びヘッド基板53を備える。ドライバIC52、ドライバIC52とチャネル群51とを接続する配線、及びヘッド基板53とドライバIC52とを接続する配線は、Chip On Film(COF)パッケージとして構成されている。COFパッケージは、ポリイミドフイルムなどのフィルム状の樹脂素材上に、配線が形成され、ドライバIC52が搭載されて構成される。またさらに、インクジェットヘッド19は、ドライバIC52の熱を放出する為のヒートシンク(放熱フィン)を備えていてもよい。
チャネル群51は、インクを吐出する部材である。チャネル群51は、印加された電圧に応じてインクを吐出するチャネルが複数配列されて構成される。チャネル群51は、第1の圧電部材、第1の圧電部材に接合された第2の圧電部材、複数の電極、及びノズルプレートを備える。
第1の圧電部材及び第2の圧電部材は、互いに分極方向が対向するように接合される。第1の圧電部材及び第2の圧電部材には、第2の圧電部材側から第1の圧電部材に至る複数の平行な溝が形成されている。また、溝毎に電極が形成されている。2つの溝に形成された2つの電極により挟まれた第1の圧電部材及び第2の圧電部材は、2つの電極の電位差によって変形するアクチュエータとして構成される。
ノズルプレートは、溝を封止する部材である。ノズルプレートは、溝とインクジェットヘッド19の外部とを連通させる複数の吐出ノズルが溝毎に形成されている。また、ノズルプレートにより封止された溝は、ポンプ17によりインクが充填され、且つ壁が1対のアクチュエータにより構成される圧力室として機能する。
ドライバIC52から駆動波形が圧力室の壁を構成するアクチュエータの電極に入力された場合、アクチュエータが変形し、圧力室の容積が変化する。これにより、圧力室の圧力が変化し、圧力室内のインクが吐出ノズルから吐出される。本例では、圧力室と、吐出ノズルとの組合せをチャネルと称する。即ち、チャネル群51は、溝の数に応じたチャネルを備える。
ドライバIC52は、チャネル群51の複数のアクチュエータの電極の電位を制御することにより、チャネル群51の複数のアクチュエータを駆動する。ドライバIC52は、電源電圧VAA、電源電圧VCC、及び電源電圧VDDなどの電源入力、並びにクロック信号CK、リセット信号RST、初期化信号INIT、及び印刷データSDIなどの制御信号に基づき、駆動波形を生成する。ドライバIC52は、駆動波形をチャネル群51のアクチュエータの電極に入力することにより、アクチュエータを変形させて、圧力室の容積を変化させる。これにより、ドライバIC52は、圧力室内のインクを吐出ノズルから吐出させる。
例えば、ドライバIC52は、論理回路、レベルシフタ、及びドライバを備える。論理回路は、電源電圧VDDにより動作する。論理回路は、制御信号として入力されたクロック信号CK、リセット信号RST、初期化信号INIT、及び印刷データSDIに基づき、ドライバIC52のドライバのスイッチング素子を制御する為の駆動信号を生成する。論理回路は、駆動信号をレベルシフタに入力する。
レベルシフタは、論理回路から入力された駆動信号の電圧レベルを、電源電圧VCCを用いて変換する。レベルシフタは、電圧レベルを変換した駆動信号をドライバに入力する。
ドライバは、例えばp-MOSFETにより構成されたスイッチング素子と、n-MOSFETにより構成されたスイッチング素子とを、チャネル群51の電極毎に備える。スイッチング素子のゲートは、それぞれレベルシフタの出力端子に接続されている。p-MOSFETのソースは、電源電圧VAAに接続されている。また、n-MOSFETのソースは、GNDに接続されている。また、2つのスイッチング素子の接続点であるそれぞれのドレインは、チャネル群51の電極に接続されている。このような構成により、ドライバは、電源電圧VAAまたはGNDレベルを、レベルシフタから入力された駆動信号に応じたタイミングで出力する。これにより、ドライバは、チャネル群51の各電極に駆動波形を入力する。この結果、ドライバは、チャネル群51の吐出ノズルからインクを吐出させる。
ヘッド基板53は、ヘッドコントローラ20からドライバIC52への電源入力及び制御信号の供給を中継する。ヘッド基板53は、保護回路54を備える。また、ヘッド基板53は、ヘッドコントローラ20から供給された電源電圧VAAをドライバIC52に供給する電源供給ライン61と、GNDの配線とを備える。またさらに、ヘッド基板53は、ヘッドコントローラ20から供給された電源電圧VCC、電源電圧VDD、クロック信号CK、リセット信号RST、初期化信号INIT、及び印刷データSDIをドライバIC52に供給する複数の供給ラインを備える。
保護回路54は、ドライバIC52の論理回路に電源が供給されないで高圧電源が供給されるような不具合の発生で、ドライバIC52内で電源供給ライン61からGNDに貫通電流が流れた場合に、ドライバIC52内で貫通電流が流れ続けることを防ぐ回路である。
保護回路54は、第1の抵抗71、第2の抵抗72、ヒューズ73、コンデンサ74、スイッチング素子75及びコンデンサ76を備える。
第1の抵抗71及び第2の抵抗72は、電源電圧VAAとGNDの間で直列に接続されている。第1の抵抗71の第1端子は、電源電圧VAAに接続されている。第1の抵抗71の第2端子は、第2の抵抗72の第1端子に接続されている。第2の抵抗72の第2端子は、GNDに接続されている。例えば、第1の抵抗71は、47[kΩ]であるものとする。第2の抵抗72は、10[kΩ]であるものとする。
ヒューズ73は、電源供給ライン61に設けられている。ヒューズ73は、定格電流の250%以上の電流が5秒間流れた場合に溶断し、回路を開く素子である。ヒューズ73は、定格内の電流が流れている場合、導体として機能する。ヒューズ73は、電流が流れた際に生じるジュール熱によって溶断する。ヒューズ73は、定格内の電流が流れている場合、電源供給ライン61の一部として機能する。また、ヒューズ73は、定格電流の250%以上の電流が5秒間流れた場合に溶断し、電源供給ライン61とドライバIC52との接続を切る。電流iは、ヒューズ73を流れる電流である。
ヒューズ73の容量(アンペア数)の選定について説明する。
ヒューズ73の溶断特性は、ドライバIC52において生じる貫通電流に応じて決定される。ドライバIC52で貫通電流が生じた場合の発熱によって、ドライバIC52またはCOFパッケージなどが破損する際の電流の下限が3.5[A]であるとする。この場合、ヒューズ73は、ドライバIC52における貫通電流が3.5[A]に達する前に、電源供給ライン61とドライバIC52とを切断するように、溶断特性が決定される必要がある。本例では、ヒューズ73により遮断する電流(異常電流)の値を3.2[A]とする。
3.2[A]で確実に溶断できるヒューズとして、一般的なメーカーの製品として、例えば定格電流1.25[A]の250[%]の溶断特性を備える素子がある。この溶断特性は、3.125[A]の電流が流れたとき、5[sec]以内に溶断するヒューズであることを示す。
通常使用において、ヒューズ73を溶断させないためには、以下の2つの判定基準を満足する必要がある。
1つ目の判定基準は、ジュール積分値による10万回パルス耐久ラインの値を超えないことである。これは、電源のオンオフなどによる10万回の繰り返しパルスの耐性を見極める目安である。つまり、1つ目の判定基準は、この値を超えなければヒューズ73は溶断しない、この値を超えればヒューズ73は溶断するという判定基準である。単位時間を100[us]としたときは、ジュール積分値は0.002[A^2*sec]である。これを電流の実効値に換算すると、電流の実効値は4.47[A]となる。1つ目の判定基準は、電源電圧VAA投入時の電流iの実効値の判定基準に使用される。
2つ目の判定基準は、ジュール積分値による溶断特性の値の25[%]を超えないことである。これは、インクジェットヘッド19の通常駆動時(以下では、単に、「通常駆動時」ともいう)の耐性を見極める目安である。ジュール積分値による溶断特性の値に至ればヒューズ73は溶断する、この溶断特性の値の25[%]以内でマージンを持って使用すればヒューズ73は溶断しないという判定基準である。インクジェットヘッド19の通常駆動は決まった周期で駆動を繰り返すという性格上、電流の実効値は一定と考えて計算される。単位時間を100[sec]としたときは、ジュール積分値による溶断特性の値は784[A^2*sec]である。これを電流の実効値に換算すると、電流の実効値は2.80[A]である。このジュール積分値による溶断特性の値の25[%]は、196[A^2*sec]である。これを電流の実効値に換算すると、電流の実効値は1.40[A]である。2つ目の判定基準は、通常駆動時の電流iの実効値の判定基準に使用される。
このように、通常使用において、ヒューズ73を溶断させないための2つの判定基準は以下のとおりである。
電源電圧VAA投入時の電流iの実行値の判定基準は、4.47[A]である。
通常駆動時の電流iの実行値の判定基準は、1.4[A]である。
コンデンサ74は、ヒューズ73よりもドライバIC52に近い位置で電源供給ライン61に接続されている。コンデンサ74の正極側(高圧側)の端子は、電源供給ライン61に接続されている。コンデンサ74の負極側(低圧側)の端子は、スイッチング素子75に接続されている。コンデンサ74の負極側の端子は、スイッチング素子75のドレインに接続されている。コンデンサ74は、ドライバIC52に高速に電流を供給するための大容量のバイパスコンデンサである。コンデンサ74は、例えば高誘導電率のセラミックコンデンサである。コンデンサ74は、電源供給ライン61からの電源電圧VAAによって充電される。なお、コンデンサ74は、電界コンデンサであってもよい。
コンデンサ74の静電容量値について説明する。
コンデンサ74の静電容量値は、駆動するアクチュエータの静電容量の合計の100倍から1000倍の値である。これは、通常駆動時に、コンデンサ74がアクチュエータへ充電しても、電源電圧VAAの電位が降下しない、または、駆動波形の性能を満足する値とするためである。バイアスが印加されていない場合のコンデンサ74の静電容量値は、仕様値10[μF]であるものとする。
コンデンサ74のバイアス特性について説明する。
コンデンサ74は、高誘導電率のセラミックコンデンサであるため、印加されるバイアスに応じて静電容量値が変化する。電源電圧VAA投入時では、コンデンサ74は、電圧が掛かっていない0[V]の状態から開始する。そのため、コンデンサ74の静電容量値は、仕様値10[μF]である。通常駆動時では、コンデンサ74は、VAA電圧が掛かる。コンデンサ74のバイアス特性により、コンデンサ74の静電容量値は、仕様値10[μF]の40[%]である4[μF]に低下する。つまり、バイアスが印加されている場合のコンデンサ74の静電容量値が4[μF]である。
スイッチング素子75は、電源電圧VAA投入時と通常駆動時とでインピーダンスの変動する素子である。例えば、スイッチング素子75は、FET(Field Effect Transistor)である。ここでは、スイッチング素子75は、n-MOSFETであるものとする。スイッチング素子75は、コンデンサ74の負極側とGNDの間に設けられている。スイッチング素子75のドレインは、コンデンサ74の負極側の端子に接続されている。スイッチング素子75のソースは、GNDに接続されている。スイッチング素子75のゲートは、第1の抵抗71と第2の抵抗72との間に接続されている。スイッチング素子75のゲートは、第1の抵抗71の第2端子及び第2の抵抗72の第1端子に接続されている。スイッチング素子75におけるゲート電位は、第1の抵抗71と第2の抵抗72の抵抗分割によって作成される。
本例では、スイッチング素子75におけるゲート電位は、{31/(47k+10k)}×10k=5.44[V]である。スイッチング素子75におけるゲート電位が5[V]以上である場合にインピーダンスの低くなるスイッチング素子75が用いられる。電源電圧VAA投入時では、スイッチング素子75のインピーダンスは、数百[Ω]から数十[Ω]で過渡的に低くなるように遷移する。例えば、電源電圧VAA投入時とは、スイッチング素子75におけるゲート電位が過渡的な遷移により5.44[V]に立ち上がるまでである。通常駆動時では、スイッチング素子75が完全なオン状態となり、スイッチング素子75のインピーダンスは、一桁[Ω]以下となる。例えば、通常駆動時とは、スイッチング素子75におけるゲート電位が5.44[V]に立ち上がった後である。このように、スイッチング素子75におけるゲート電位が大きくなるにつれ、スイッチング素子75のインピーダンスは低くなる。
コンデンサ76は、スイッチング素子75のゲートとソースの間に設けられている。コンデンサ76の正極側の端子は、スイッチング素子75のゲートに接続されている。コンデンサ76の負極側の端子は、スイッチング素子75のソースと同様にGNDに接続されている。コンデンサ76は、電源VAA投入時のスイッチング素子75におけるゲート電位の過渡的な遷移をより遅延させるためのものである。例えば、コンデンサ76は、470[pF]である。なお、コンデンサ76が保護回路54に設けられていなくても、電源VAA投入時のゲート電位の過渡的な遷移は起こる。そのため、コンデンサ76は、保護回路54に設けられていなくてもよい。
次に、スイッチング素子75の特性について説明する。
図3は、スイッチング素子75のドレイン・ソース間を流れる電流IDの波形の例を示す。図3の横軸は、スイッチング素子75のゲート・ソース間の電圧VGSを示し、縦軸は、電流IDを示す。上述のようなスイッチング素子75のインピーダンス特性により、電圧VGSが低い場合、スイッチング素子75のインピーダンスは高いので、電流IDは小さい。電圧VGSが大きくなるにつれ、スイッチング素子75のインピーダンスは低くなり、電流IDは大きくなる。
次に、電源電圧VAA電位及びスイッチング素子75のゲート電位の遷移について説明する。
図4は、電源電圧VAA電位及びスイッチング素子75のゲート電位の波形の例を示す。
図4の横軸は、時間を示し、縦軸は、電圧値を示す。
0[μsec]~100[μsec]の期間を電源電圧VAA投入時の期間とする。125[μsec]~179[μsec]の期間を通常駆動時の期間とする。
電源電圧VAA投入時では、スイッチング素子75のゲート電位は、電源電圧VAAの立ち上がりに対して、0[V]から5.44[V]まで過渡的な遷移により立ち上がる。スイッチング素子75のインピーダンスは、上述のようなスイッチング素子75のインピーダンス特性により、通常駆動時よりも高い。電源電圧VAA投入時では、このようなスイッチング素子75の状態で、コンデンサ74の充電は行われる。
通常駆動時では、スイッチング素子75におけるゲート電位は、5.44[V]に立ち上がっている。スイッチング素子75のインピーダンスは、上述のようなスイッチング素子75のインピーダンス特性により、電源電圧VAA投入時よりも低い。
次に、インクジェットヘッド19の動作について説明する。
図5は、アクチュエータの駆動波形の例を示す。
図5の横軸は、時間を示し、縦軸は、アクチュエータに係る電界の強度を示す。
ドライバIC52は、図5に示す駆動波形をチャネル群51のアクチュエータの電極に入力することにより、チャネル群51を駆動する。図5の例は、インクジェットヘッド19の製品仕様の最大の駆動電圧で駆動した場合の駆動波形である。
次に、ヒューズ73に流れる電流iについて説明する。
図6は、電流iの波形の例を示す。
図6の横軸は、時間を示し、縦軸は、電流iの電流値を示す。
0[μsec]~100[μsec]の期間を電源電圧VAA投入時の期間とする。125[μsec]~179[μsec]の期間を通常駆動時の期間とする。
図7は、電源電圧VAA投入時の電流iの波形の例を示す。
図7の横軸は、時間を示し、縦軸は、電流iの電流値を示す。
図7は、図6に示される電流iの波形のうち電源電圧VAA投入時の期間を抜き出した電流iの波形を示す。
電源電圧VAA投入時では、コンデンサ74は空である。コンデンサ74は、電源供給ライン61を介して入力された電源電圧VAAによって充電される。コンデンサ74を充電する電流は、ヒューズ73を通りコンデンサ74に供給される。スイッチング素子75のインピーダンスは高いので、スイッチング素子75のドレイン・ソース間を流れる電流は緩和される。そのため、コンデンサ74への充電は緩慢になる。ヒューズ73を流れる電流iの実効値は、スイッチング素子75が設けられていない場合と比べて、低くなる。
本例では、電源電圧VAA投入時の電流iの実効値は、4.25[A]である。4.25[A]は、電源電圧VAA投入時の電流iの実行値の判定基準である4.47[A]以下である。本例は、この判定基準を満たす。
図8は、通常駆動時の電流iの波形の例を示す。
通常駆動時では、コンデンサ74は、負荷であるドライバIC52におけるスイッチングに応じて、アクチュエータを充電するスイッチング電流をドライバIC52へ供給する。ヒューズ73とコンデンサ74の位置関係により、コンデンサ74からドライバIC52へ流れるスイッチング電流は、ヒューズ73へは流れない。ヒューズ73には、コンデンサ74からドライバIC52へのスイッチング電流の供給に応じて、コンデンサ74で放電された電荷を補充する電流iが若干流れる。
本例では、通常駆動時の電流iの実効値は、0.71[A]である。0.71[A]は、通常駆動時の電流iの実行値の判定基準である1.4[A]以下である。本例は、この判定基準を満たす。
上記したように、インクジェットヘッド19は、貫通電流が発生した場合に、電力供給源であるヘッドコントローラ20とドライバIC52との接続を遮断する保護回路54を備える。保護回路54は、ドライバIC52に電源を供給する電源供給ライン61に設けられているヒューズ73を備える。保護回路54は、ヒューズ73よりもドライバIC52に近い位置で電源供給ライン61に接続されているコンデンサ74を備える。保護回路54は、コンデンサ74の負極側とGNDの間に設けられているスイッチング素子75を備える。
第1の実施形態によれば、ドライバIC52の通常動作時の電流を確保しつつ、電源電圧VAA投入時の電流iの実行値及び通常駆動時の電流iの実行値は、何れも判定基準を満たす。電源電圧VAA投入時及び通常駆動時の何れでもヒューズ73が溶断することはない。この結果、ヒューズ73の容量(アンペア数)を抑えることができる。即ち、ヒューズのサイズを抑え、インクジェットヘッド19を小型化することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、保護回路54の構成が第1の実施形態と異なっている。ここでは、第1の実施形態と異なる部分を主として説明し、第1の実施形態と同様であってもよい部分については、第1の実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
図9は、インクジェットヘッド19及びヘッドコントローラ20の詳細な構成について説明する為の説明図である。
保護回路54は、第1の抵抗81、第2の抵抗82、ヒューズ83、コンデンサ84、スイッチング素子85、コンデンサ86及びコンデンサ87を備える。
第1の抵抗81及び第2の抵抗82は、電源電圧VAAとGNDの間で直列に接続されている。第1の抵抗81の第1端子は、電源電圧VAAに接続されている。第1の抵抗81の第2端子は、第2の抵抗82の第1端子に接続されている。第2の抵抗82の第2端子は、GNDに接続されている。例えば、第1の抵抗81は、47[kΩ]であるものとする。第2の抵抗82は、10[kΩ]であるものとする。
ヒューズ83は、電源供給ライン61に設けられている。電流iは、ヒューズ83を流れる電流である。ヒューズ83は、第1の実施形態で説明したヒューズ73と同様の特性である。
そのため、通常使用において、ヒューズ83を溶断させないための2つの判定基準は以下のとおりである。
電源電圧VAA投入時の電流iの実行値の判定基準は、4.47[A]である。
通常駆動時の電流iの実行値の判定基準は、1.4[A]である。
コンデンサ84は、ヒューズ83よりもドライバIC52に近い位置で電源供給ライン61に接続されている。コンデンサ84の正極側の端子は、電源供給ライン61に接続されている。コンデンサ84の負極側の端子は、後述するスイッチング素子85に接続されている。コンデンサ84の負極側の端子は、スイッチング素子85のドレインに接続されている。コンデンサ84は、ヒューズ83を流れる電流iの実効値を低減させるためのコンデンサである。コンデンサ84は、ドライバIC52に高速に電流を供給するためのコンデンサでもある。コンデンサ84の静電容量値は、後述するコンデンサ86の静電容量値よりも低い。コンデンサ84は、例えば高誘導電率のセラミックコンデンサである。コンデンサ84は、電源供給ライン61を介して電源電圧VAA及びコンデンサ86によって充電される。なお、コンデンサ84は、電界コンデンサであってもよい。
コンデンサ84の静電容量値について説明する。
コンデンサ84の静電容量値は、電源電圧VAA投入時の電流iの実行値の判定基準及び通常駆動時の電流iの実行値の判定基準を満足する範囲内の値である。バイアスが印加されていない場合のコンデンサ74の静電容量値は、仕様値2.2[μF]であるものとする。
コンデンサ84のバイアス特性について説明する。
コンデンサ84は、高誘導電率のセラミックコンデンサであるため、印加されるバイアスに応じて静電容量値が変化する。電源電圧VAA投入時では、コンデンサ84は、電圧が掛かっていない0[V]の状態から開始する。そのため、コンデンサ84の静電容量値は、仕様値2.2[μF]である。通常駆動時では、コンデンサ84は、VAA電圧が掛かる。コンデンサ84のバイアス特性により、コンデンサ84の静電容量値は、仕様値2.2[μF]の40[%]である0.88[μF]に低下する。つまり、バイアスが印加されている場合のコンデンサ84の静電容量値が0.88[μF]である。
スイッチング素子85は、第1の実施形態のスイッチング素子75と同様に電源電圧VAA投入時と通常駆動時とでインピーダンスの変動する素子である。スイッチング素子85は、コンデンサ84の負極側とGNDの間に設けられている。スイッチング素子85は、コンデンサ86の負極側とGNDの間に設けられている。スイッチング素子85のドレインは、コンデンサ84の負極側の端子及びコンデンサ86の負極側の端子に接続されている。スイッチング素子85のソースは、GNDに接続されている。スイッチング素子85のゲートは、第1の抵抗81と第2の抵抗82との間に接続されている。スイッチング素子85のゲートは、第1の抵抗81の第2端子及び第2の抵抗82の第1端子に接続されている。スイッチング素子85におけるゲート電位は、第1の抵抗81と第2の抵抗82の抵抗分割によって作成される。
本例では、スイッチング素子85におけるゲート電位は、{31/(47k+10k)}×10k=5.44[V]である。スイッチング素子85におけるゲート電位が5[V]以上である場合にインピーダンスの低くなるスイッチング素子85が用いられる。スイッチング素子85では、スイッチング素子75と同様に、スイッチング素子85におけるゲート電位が大きくなるにつれ、スイッチング素子85のインピーダンスは低くなる。
コンデンサ86は、ヒューズ83よりもドライバIC52から遠い位置で電源供給ライン61に接続されている。コンデンサ86は、コンデンサ84との間にヒューズ83を挟むように電源供給ライン61に接続されている。コンデンサ86の正極側の端子は、電源供給ライン61に接続されている。コンデンサ86の負極側の端子は、スイッチング素子85に接続されている。コンデンサ86の負極側の端子は、スイッチング素子85のドレインに接続されている。コンデンサ86は、ドライバIC52に高速に電流を供給するための大容量のバイパスコンデンサである。コンデンサ86は、例えば高誘導電率のセラミックコンデンサである。コンデンサ86は、電源供給ライン61からの電源電圧VAAによって充電される。なお、コンデンサ86は、電界コンデンサであってもよい。コンデンサ86は、コンデンサ84に対して他のコンデンサということもある。
コンデンサ86の静電容量値は、第1の実施形態のコンデンサ74の静電容量値と同様である。本例では、バイアスが印加されていない場合のコンデンサ86の静電容量値は、仕様値10[μF]であるものとする。
コンデンサ86のバイアス特性は、第1の実施形態のコンデンサ74のバイアス特性と同様である。つまり、バイアスが印加されている場合のコンデンサ86の静電容量値が4[μF]である。
コンデンサ87は、スイッチング素子85のゲートとソースの間に設けられている。コンデンサ87の正極側の端子は、スイッチング素子85のゲートに接続されている。コンデンサ87の負極側の端子は、スイッチング素子85のソースと同様にGNDに接続されている。コンデンサ87は、第1の実施形態のコンデンサ76と同様に、電源VAA投入時のスイッチング素子85におけるゲート電位の過渡的な遷移をより遅延させるためのものである。例えば、コンデンサ87は、470[pF]である。なお、コンデンサ87が保護回路54に設けられていなくても、電源VAA投入時のゲート電位の過渡的な遷移は起こる。そのため、コンデンサ87は、保護回路54に設けられていなくてもよい。
次に、ヒューズ83に流れる電流iについて説明する。
図10は、電流iの波形の例を示す。
図10の横軸は、時間を示し、縦軸は、電流iの電流値を示す。
0[μsec]~100[μsec]の期間を電源電圧VAA投入時の期間とする。125[μsec]~179[μsec]の期間を通常駆動時の期間とする。
図11は、電源電圧VAA投入時の電流iの波形の例を示す。
図11の横軸は、時間を示し、縦軸は、電流iの電流値を示す。
図11は、図10に示される電流iの波形のうち電源電圧VAA投入時の期間を抜き出した電流iの波形を示す。
電源電圧VAA投入時では、コンデンサ86を充電する電流は、ヒューズ83を通らない。コンデンサ84を充電する電流は、ヒューズ83を通りコンデンサ84に供給される。スイッチング素子85のインピーダンスは高いので、スイッチング素子85のドレイン・ソース間を流れる電流は緩和される。そのため、コンデンサ84への充電は緩慢になる。ヒューズ83を流れる電流iの実効値は、スイッチング素子85が設けられていない場合と比べて、低くなる。
本例では、電源電圧VAA投入時の電流iの実効値は、0.85[A]である。0.85[A]は、電源電圧VAA投入時の電流iの実行値の判定基準である4.47[A]以下である。本例は、この判定基準を満たす。
図12は、通常駆動時の電流iの波形の例を示す。
通常駆動時では、アクチュエータを充電するスイッチング電流は、コンデンサ84及びコンデンサ86からドライバIC52へ供給される。ヒューズ83とコンデンサ84の位置関係により、コンデンサ84からドライバIC52へ流れるスイッチング電流は、ヒューズ83へは流れない。ヒューズ83には、コンデンサ86からドライバIC52へのスイッチング電流の供給に応じて、アクチュエータを充電するため及びコンデンサ84で放電された電荷を補充するための電流iが若干流れる。アクチュエータを充電するスイッチング電流は、コンデンサ84によって積極的に供給されるので、コンデンサ86からの供給によってヒューズ83を流れる電流iの実効値は低減する。
本例では、通常駆動時の電流iの実効値は、1.25[A]である。1.25[A]は、通常駆動時の電流iの実行値の判定基準である1.4[A]以下である。本例は、この判定基準を満たす。
上記したように、インクジェットヘッド19は、貫通電流が発生した場合に、電力供給源であるヘッドコントローラ20とドライバIC52との接続を遮断する保護回路54を備える。保護回路54は、ドライバIC52に電源を供給する電源供給ライン61に設けられているヒューズ83を備える。保護回路54は、ヒューズ83よりもドライバIC52に近い位置で電源供給ライン61に接続されているコンデンサ84を備える。保護回路54は、コンデンサ84との間にヒューズ83を挟むように電源供給ライン61に接続されているコンデンサ86を備える。保護回路54は、コンデンサ84の負極側及びコンデンサ86の負極側とGNDの間に設けられているスイッチング素子85を備える。
第2の実施形態によれば、ドライバIC52の通常動作時の電流を確保しつつ、電源電圧VAA投入時の電流iの実行値及び通常駆動時の電流iの実行値は、何れも判定基準を満たす。電源電圧VAA投入時及び通常駆動時の何れでもヒューズ83が溶断することはない。この結果、ヒューズ83の容量(アンペア数)を抑えることができる。即ち、ヒューズのサイズを抑え、インクジェットヘッド19を小型化することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…インクジェットプリンタ、2…ホストPC、11…制御部、12…ディスプレイ、13…操作部、14…通信インタフェース、15…搬送モータ、16…モータ駆動回路、17…ポンプ、18…ポンプ駆動回路、19…インクジェットヘッド、20…ヘッドコントローラ、21…電源回路、31…プロセッサ、32…メモリ、41…電源電圧生成回路、42…制御信号生成回路、51…チャネル群、52…ドライバIC、53…ヘッド基板、54…保護回路、61…電源供給ライン、71…第1の抵抗、72…第2の抵抗、73…ヒューズ、74…コンデンサ、75…スイッチング素子、76…コンデンサ、81…第1の抵抗、82…第2の抵抗、83…ヒューズ、84…コンデンサ、85…スイッチング素子、86…コンデンサ、87…コンデンサ。

Claims (4)

  1. インクを吐出するためのノズルからインクを吐出させるためのアクチュエータと、
    前記アクチュエータを駆動するドライバICと、
    前記ドライバICに電源を供給する電源供給ラインに設けられているヒューズと、
    前記ヒューズよりも前記ドライバICに近い位置で前記電源供給ラインに接続されているコンデンサと、
    前記コンデンサの負極側とGNDの間に設けられているスイッチング素子と、
    を具備するインクジェットヘッド。
  2. 前記コンデンサとの間に前記ヒューズを挟むように前記電源供給ラインに接続されている他のコンデンサをさらに備え、
    前記他のコンデンサの負極側は、前記コンデンサの負極側に接続されている前記スイッチング素子の端子に接続されている、
    請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記コンデンサの静電容量値は、前記他のコンデンサの静電容量値よりも低い、請求項2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 印刷媒体を搬送する搬送モータと、
    前記搬送モータにより搬送される前記印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドに電源電圧及び制御信号を供給するヘッドコントローラと、 を具備し、
    前記インクジェットヘッドは、
    インクを吐出するためのノズルからインクを吐出させるためのアクチュエータと、
    前記アクチュエータを駆動するドライバICと、
    前記ドライバICに電源を供給する電源供給ラインに設けられているヒューズと、
    前記ヒューズよりも前記ドライバICに近い位置で前記電源供給ラインに接続されているコンデンサと、
    前記コンデンサの負極側とGNDの間に設けられているスイッチング素子と、
    を具備するインクジェットプリンタ。
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