JP7407495B2 - 熱処理炉及び熱処理方法 - Google Patents

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Description

本開示は、熱処理炉及び熱処理方法に関し、特に炉内雰囲気ガスを制御した熱処理炉及び該熱処理炉を使用した熱処理方法に関する。
熱処理される部材(被熱処理物)が、熱処理炉内において空気中で昇温されると、被熱処理物中に含まれている炭素成分が脱炭されたり、酸化されたり、変色したりして、被熱処理物の品質に支障を及ぼす。
その対策として、熱処理炉内に窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスに水素を添加した還元性のガスを導入して、熱処理炉内雰囲気ガスとして使用する技術や、熱処理炉内にマッフルケースを設け、マッフルケース内に窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスや水素ガスを単独又は混合して導入して、金属製のマッフル内の酸素濃度を低く抑え、その中で熱処理する技術が知られている。
しかしながら、上記ガスの高純度のガスは、コストが高いために、熱処理炉内を不活性ガス雰囲気に保つために使用すると、稼働コストが更に高くなる。
そのため、熱処理炉内の雰囲気ガスとして使用する不活性ガスの低コスト化として、予熱炉内にガスバーナを配置してその燃焼熱を予熱の熱源として使用し、ガスバーナの燃焼によって生じる排気ガスを、熱処理炉内雰囲気ガスとして活用する技術が知られている(特許文献1参照)。
この技術は、熱処理炉の加熱域に隣接した昇温域に、燃焼用バーナを有する発熱型ガス発生装置を配置し、原料ガス(ブタン、プロパン等)と空気を混合した混合ガスを燃焼させて変成ガスを生成して、その燃焼熱で被熱処理物の予熱を行い、排気される変成ガスを変成ガス熱交換器で冷却、脱水し、冷凍脱水機でさらに冷却、脱水し、露点調節する構成である。この露点調節された変成ガスを、加熱域及び冷却域に送給し、炭素鋼等の被熱処理物の無酸化処理用の炉気として使用する。
日本国特公昭58-27323号公報
近年、熱処理の分野においては、熱処理された鋼の特性を高精度に制御することが求められる一方で、環境への配慮が求められ、二酸化炭素や一酸化炭素の排出量を少なくすることが求められている。
上記変成ガスは、窒素(N)以外に、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、水素(H)が含まれている。なお、変成ガスには、実際は、微量の水分(HO)、酸素(O)等も含まれている。特に、完全燃焼に比較的近い燃焼によって生じる発熱型変成ガス(DXガス)の場合の成分比は、一酸化炭素は少なくなり二酸化炭素が増加する。また、比較的不完全燃焼で生じる吸熱型変成ガス(RXガス)の場合の成分比は、一酸化炭素は多くなり二酸化炭素は少なくなる。
本開示の目的は、熱処理炉内雰囲気ガスとして十分な性能を有し、かつ、炭素系ガスの排出量を低減可能な熱処理炉及び熱処理方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本開示に係る第1の様態は、被熱処理物を加熱して熱処理を行う熱処理炉であって、前記熱処理炉は、雰囲気ガス供給装置が設けられており、前記雰囲気ガス供給装置は、変成炉を有し、炭化水素ガスと、前記炭化水素ガスの支燃性ガスとして1vol%以上15vol%以下の酸素ガスを有する窒素ガスとが混合された混合ガスに相当するガス前記変成炉で反応させて変成ガスを生成し、生成された前記変成ガスを雰囲気ガスとして前記熱処理炉内に供給するよう構成されている。前記熱処理炉内の前記雰囲気ガスのCOとCO の合計量は、4.74vol%以下であるとよい。
好ましくは、前記雰囲気ガス供給装置は、窒素ガス発生装置と、炭化水素供給装置と、窒素ガスと炭化水素ガスとは異なるガスを供給するその他のガス供給装置と、ガスを混合するための混合器と、前記混合器で混合したガスから変成ガスを生成するための変成炉と、を有する。
好ましくは、前記窒素ガス発生装置は、発生した窒素ガスの供給量を制御するための第1の制御弁と、前記窒素ガス発生装置で発生した窒素ガス中の酸素分圧を測定する酸素センサとを有し、前記その他のガス供給装置は、供給するガスの供給量を制御するための第2の制御弁を有し、前記その他のガス供給装置は、前記酸素分圧と前記窒素ガス発生装置から供給される窒素ガスの供給量とに基づいて、窒素ガス中の酸素ガスの濃度が所定の濃度となるように、前記その他のガス供給装置から供給するガスの供給量を制御するよう構成されている。
好ましくは、前記その他のガス供給装置から供給するガスは、空気又は酸素を含む。なお、例えば、前記被熱処理物は、モーターコア又は炭素鋼である。
また、本開示に係る第2の態様は、被熱処理物を加熱して熱処理を行う熱処理方法であって、炭化水素ガスと、前記炭化水素ガスの支燃性ガスとして1vol%以上15vol%以下の酸素ガスを有する窒素ガスとが混合された混合ガスに相当するガス変成炉で反応させて変成ガスを生成する第1工程と、被熱処理物を炉内雰囲気ガスとして前記変成ガスを用いて熱処理する第2工程とを有する。例えば、前記被熱処理物は、モーターコア又は炭素鋼である。前記炉内雰囲気ガスのCOとCO の合計量は、4.74vol%以下であるとよい。
本開示の上記第1及び第2の様態によれば、熱処理炉内雰囲気ガスとして十分な性能を有し、かつ、炭素系ガスの排出量を低減可能な熱処理炉及び熱処理方法を提供することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係る熱処理炉の構成を示す概略図である。 図2は、図1の熱処理炉における熱処理方法のフローチャートである。 図3は、支燃性ガスの酸素量に対する熱処理後の試料の炭素量を示す棒グラフである。
以下に、本開示の一実施形態に係る熱処理炉及びその熱処理炉での熱処理方法について、図面に基づいて説明する。
(熱処理炉の構成)
図1に、本開示の一実施形態に係る熱処理炉10を示す。熱処理炉10は、予熱室11と、加熱室12と、冷却室14とを備える。予熱室11の下流側に加熱室12が設けられ、加熱室12の下流側に冷却室14が設けられている。加熱室12は予熱室11に直接連通し、冷却室14は加熱室12に直接的に連通する。予熱室11と加熱室12との間に仕切扉は設けられていないが、設けられてもよい。同様に、加熱室12と冷却室14との間にも仕切扉は設けられていないが、設けられてもよい。予熱室11と加熱室12はそれぞれヒーターを備える。各ヒーターは、設置された部屋の温度が対応する目標温度になるように制御される。冷却室14は冷却手段、例えば水冷システムを備える。なお、予熱室11を設けない構成であっても良い。
熱処理炉10は、雰囲気ガス供給装置(以下、変成ガス供給装置)16を備えている。変成ガス供給装置16は、変成ガスを加熱室12及び/又は冷却室14に供給するように構成されており、変成ガスを生成する変成炉18を備える。
そして、本開示においては、燃料ガスと、燃料ガスの支燃性ガスとして1vol%以上15vol%以下の酸素ガスを有する窒素ガスとが所定割合に制御されて混合されて変成ガスを発生させるよう構成されている。
燃料ガスとしては、メタン(CH)、エタン(C)、プロパン(C)、ブタン(C10)等の炭化水素ガスが用いられるとよい。なお、燃料ガスは、上記ガスを単独で使用されてもよいし、例えば、13A都市ガス(主成分:メタン(CH):89.6%、エタン(C):5.62%、プロパン(C):3.43%、ブタン(C10):1.35%)等の混合炭化水素ガスが使用されてもよい。
燃料ガスの支燃性ガスとしては、上述の通り、1vol%以上15vol%以下の酸素ガスを有する窒素ガスが使用される。15%以下の酸素ガスを有する窒素ガスは、空気に、所定純度、所定濃度の窒素ガスを添加する構成であってもよいし、酸素ガスに、所定純度、所定濃度の窒素ガスを所定の割合で供給する構成であってもよいし、予め窒素発生装置で、所定濃度の窒素ガスを生成させて、それを供給する構成であってもよい。
窒素発生装置で窒素ガスを生成する場合、公知の分子篩を利用した圧力スウィング(PSA)式や高分子膜モジュールを利用した分離膜式で生成された窒素ガスを用いてもよい。前者の方式では、通常、99.5%~99.99%程度の純度の窒素を生成することができ、後者の方式では、通常、95%~99.5%程度の窒素ガス(残量の主成分は酸素)を生成することができる。
なお、上記の炭化水素ガスを燃料ガスとして変成ガスを生成する場合、変成比率等の変成条件の違いにより、得られる変成ガスの種類も異なってくる。以下、一例として炭化水素ガスとしてプロパン(C)を使用する場合について、簡単に説明する。
例えば、プロパンガスを原料に、大量の空気と反応させて完全燃焼させることで下記反応式1により変成ガスを生成することができる。
+ 5(O+3.76N) → 3CO + 18.8N + 4HO 式1
式1で生成される変成ガスは、例えば、圧延コイルなどの光輝焼鈍炉等に用いられる。
一方、同様にプロパンガスを原料として使用し、1000℃程度に加熱したニッケル触媒を通過させることで、下記反応式2により変成ガスを生成することができる。
+ 3/2(O +3.76N) → 3CO + 4H + 5.64N 式2
式2で生成される変成ガスは、例えば、ガス浸炭炉等に用いられる。
本開示の熱処理炉は、変成ガスを生成するための支燃性ガスとして、1vol%以上15vol%以下の酸素ガスを有する窒素ガスを使用する。そのため、例えば99.9995mass%以上といった高い純度を有する窒素を使用する必要がないため、変成ガスを生成するためのコストを抑制することができ、稼働コストも低減することができる。そして、本発明者らは、上記の変成ガスを使用することで、従来の発熱型変成ガス(DXガス)又は吸熱型変性ガス(RXガス)と比較しても同等以上の熱処理を実施することができる上に、炭素ガスの排出量を低減することができることを見出した。
図1に、本開示の変成ガス供給装置16の構成例について示している。図1に示した一例として、変成ガス供給装置16は、窒素ガス発生装置20と、炭化水素ガスを供給する炭化水素供給装置22と、その他のガス供給装置24と、これらのガスを混合するための混合器26と、混合ガスから変成ガスを生成するための変成炉18と、を有する。なお、変成ガスを生成する際に外部からの熱供給を要する場合には、図示しない外部からの熱供給源及び必要に応じてニッケル(Ni)触媒等を配することが好ましい。
窒素ガス発生装置20は、上述の方法などで窒素ガスを発生させる装置である。窒素ガス発生装置20で発生した所定濃度の窒素ガスを、安定的かつ連続的に定量供給できるように、窒素ガス発生装置20の下流側には、窒素ガスの供給量を制御するための制御弁V(第1の制御弁に該当)等を設けることが好ましい。
また、窒素ガス発生装置20は、供給する窒素ガス中の酸素分圧を測定可能な酸素センサを設けることが好ましく、窒素ガス中の酸素分圧等に応じて、炭化水素ガス供給装置22から供給する炭化水素ガスの供給量、及び/又は、その他のガス供給装置24の供給量を変更可能な構成とすることが好ましい。
炭化水素供給装置22は、例えば、所定の容積を有する高圧容器に充填された液化高純度炭化水素を、減圧気化して所望の供給圧で供給できる構成を有することが好ましく、通常、炭化水素供給装置22の下流側には、炭化水素ガスの供給量を制御するための制御弁V等を設けることが好ましい。
その他のガス供給装置24は、窒素ガス発生装置20で発生させる窒素ガス中の酸素濃度(酸素分圧等)に応じて、空気又は酸素ガス等のその他のガスを供給するためのガス供給装置であり、通常、その他のガス供給装置24の下流側には、その他のガスの供給量を制御するための制御弁V(第2の制御弁に該当)等を設けることが好ましい。なお、窒素ガス発生装置20で発生させる窒素ガスの濃度や供給量等が熱処理に要求されるレベルにある場合には、その他のガス供給装置を設けない構成であってもよい。また、制御弁V,V,Vは、各々の装置20,22,24に内蔵される構成であってもよいし、定量発生機能がある場合は、制御弁V,V,Vを設けない構成であってもよい。
窒素ガス発生装置20、炭化水素供給装置22及びその他のガス供給装置24から供給された各ガスは、例えば混合器26に導入されて混合した後、変成炉18に導入されて変成ガスへと変換される。
変成炉18で生成された変成ガスは、冷却及び/又は脱水されて、雰囲気ガスとして熱処理炉10の炉内に供給される。ここでは、こうしたガスは、図1に示すように、加熱室12内及び/又は冷却室14内のそれぞれに供給される。なお、予熱室11は加熱室12と連通している。ガス供給装置16は加熱室12のみ又は冷却室14にのみ接続されて、隣の部屋にガスが流れるようにしてもよい。なお、ガス供給装置16の変成炉18としての燃焼装置は、例えば予熱室11又は加熱室12に内蔵されるように設けられてもよい。これにより、予熱室11又は加熱室12の加熱効率を高めることができる。
熱処理炉10には種々のセンサが設けられる。酸素分圧を測定可能な酸素センサが設けられているとよいが、他にも温度を測定する温度センサなど種々のセンサが設けられ得る。例えば、水素分圧を測定する水素センサ、熱処理炉10内の露点を測定する露点センサ、一酸化炭素分圧を測定可能なCOセンサ、二酸化炭素分圧を測定可能なCOセンサ等が設けられていてもよい。特に、窒素発生装置は、供給する窒素ガス中の酸素分圧を測定する酸素センサや、調整弁、流量計を有することが好ましく、これらの調整・およびモニタ出力を制御信号として得ることが好ましい。
この熱処理炉10では、被熱処理物は、その入口10aから入り、予熱室11、加熱室12、冷却室14を順に通過し、出口10bから出るように搬送される。この搬送のために、熱処理炉10は、メッシュベルト若しくはハースローラーを備える搬送装置を備える。熱処理炉10では、加熱室12の下流に、徐冷室無しで、冷却室14が直接的につながる。したがって、加熱室12を出た被熱処理物は冷却室14で直ぐに冷却される。なお、従来からある、一般的なモーターコアの焼鈍を行う熱処理炉では、加熱室の下流側かつ冷却室の上流側に、被熱処理物を徐冷するために徐冷室が設けられている。
熱処理炉10では、冷却室14の下流端に出口10bが設けられている。
(熱処理方法)
次に、熱処理炉10での被熱処理物の熱処理方法について、図2に基づいて説明する。図2に、本実施形態に係る熱処理方法の一例のフローチャートを示す。
図2に示すように、本実施形態に係る熱処理方法は、
炭化水素ガスと、前記炭化水素ガスの支燃性ガスとして1vol%以上15vol%以下の酸素ガスを有する窒素ガスとを反応させて変成ガスを生成する第1工程(ステップS201)と、
被熱処理物を炉内雰囲気ガスとして前記変成ガスを用いて熱処理する第2工程(ステップS203)とを有する。
なお、本開示においては、第2工程(ステップS203)の前に、予熱室11で被熱処理物を予熱してもよい。なお、予熱室11での予熱は、被熱処理物に付着した油分などの除去等を目的に行われる場合がある。しかし、熱処理炉10に予熱室11を設けない場合、この工程は省略され得る。
第1工程(ステップS201)は、雰囲気ガス供給装置16が供給する炉内雰囲気ガス(変成ガス)を生成する工程である。上述の通り、本開示における変成ガスは、炭化水素ガスと、炭化水素ガスの支燃性ガスとして1vol%以上15vol%以下の酸素ガスを有する窒素ガスとが所定割合に制御されて混合されて生成した変成ガスである。
なお、後述する第2工程の熱処理内容に応じて、第1工程で生成した変成ガスの露点及びカーボンポテンシャル値(CP値)を調整する目的で、追加のガス、例えばエンリッチガスやリデュースガスを供給してもよい。
第2工程(ステップS203)は、生成した変成ガス雰囲気下で被熱処理物を熱処理する工程である。熱処理温度及び熱処理時間等は、所定の熱処理に応じて適宜設定することができる。
第2工程の後、熱処理された被熱処理物は、通常、冷却室14で冷却される。冷却は所望の熱処理内容に応じて、自然冷却してもよいし、冷却手段を用いて強制冷却してもよい。また、この冷却工程においても、冷却室14の室内雰囲気を前述の変成ガスとしてもよい。
(実施例1-実施例4)
実施例の被熱処理物としてS45C(JIS G 4051)を準備し、所定の熱処理を実施した。熱処理工程においては、熱処理温度は950℃(±10℃)とし、熱処理時間は30分とした。また、この熱処理工程においては、雰囲気ガスとして、プロパンガス又は13A都市ガスを燃料ガスとして使用し、5vol%の酸素ガスを含む窒素ガスを支燃性ガスとして使用した変成ガスを使用した。また、比較例として、雰囲気ガスとしてプロパンガス又は13A都市ガスを燃料ガスとして使用し、空気を支燃性ガスとして使用した発熱性変性ガス(DXガス)又は吸熱性変性ガス(RXガス)を使用した以外は実施例と同様の方法で、熱処理を実施した。表1に、使用した変成ガスの変成条件について示す。
Figure 0007407495000001
表1において、比較例1及び比較例2は、従来の発熱性変性ガス(DXガス)を使用した例であり、実施例1及び実施例2は、この従来のDXガスを使用した例との比較のために実施した実施例である。また、比較例3及び比較例4は、従来の吸熱性ガス(RXガス)を使用した例であり、実施例3及び実施例4は、この従来のRXガスを使用した例との比較のために実施した実施例である。また、表1には、参考のために、熱処理を実施していない被熱処理物のデータについても示している。
(評価)
評価については、先ず、熱処理済みの各試料について、表面から50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μmの表面深さ位置において、ビッカース硬さを測定した。なお、本明細書においてビッカース硬さは、JIS Z 2244に準拠して測定したものである。
また、熱処理炉の炉内雰囲気ガスの組成について、各ガス種のセンサを用いて算出し、熱処理炉内の一酸化炭素分圧pCO及び二酸化炭素分圧pCO2から、鋼の脱炭及び浸炭の指標となるカーボンポテンシャル値について算出した。
さらに、各試料について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた表面組織観察し、浸炭深さ、フェライト脱炭が見受けられる表面深さ、全脱炭が見受けられる表面深さについて算出した。
上記各種測定結果についても、表1に合わせて示している。
実施例1及び実施例2の試料と、比較例1乃至比較例2の試料とを比較した場合、全ての試料で脱炭が起きているが、5vol%の酸素を含む窒素ガスを支燃性ガスとして使用した実施例1及び実施例2の試料は、フェライト脱炭が起きておらず、また、全脱炭深さも小さかった。また、硬度についても、実施例1及び実施例2の試料は、比較例1及び比較例2の試料と同程度の軟化であった。
また、炉内雰囲気については、一酸化炭素及び二酸化炭素の排出量は、全ての試料において、実施例の試料が比較例の試料に対して少なくなった。
このことから、炭化水素ガスの支燃性ガスとして1%以上15%以下の酸素ガスを有する窒素ガスを使用することで、従来のDXガスと同等以上の熱処理が可能であることがわかった。
一方、実施例3及び実施例4の試料と、比較例3乃至比較例4の試料とを比較した場合、本実施形態の燃焼域内においては、全ての試料で浸炭しないことを確認できた。脱炭については、実施例及び比較例の試料のいずれの試料においても全脱炭が見受けられたが、エンリッチガス供給等のカーボンポテンシャル値の制御により抑制可能な範囲であった。
硬度については、全ての実施例において、比較例と比較して軟化していたが、許容範囲内であった。
また、炉内雰囲気については、一酸化炭素及び二酸化炭素の排出量は、全ての試料において、実施例の試料が比較例の試料に対して少なくなった。
このことから、炭化水素ガスの支燃性ガスとして1%以上15%以下の酸素ガスを有する窒素ガスを使用することで、従来のRXガスと同等程度の熱処理が可能であることがわかった。
(実施例5-9)
モーターコアを焼鈍する工程において、浸炭を防止することを確認した実施例について、下記に詳細に説明する。実施例の被熱処理物として、長さ×幅×高さで10mm×20mm×0.3mmの大きさのFe-4%Si-100ppmCを4枚準備し、これらを積層して所定の熱処理を実施した。熱処理工程においては、熱処理温度は850℃とし、熱処理時間は20分とした。また、この熱処理工程においては、雰囲気ガスとして、プロパンガスを燃料ガスとして使用し、1vol%(実施例5)、3vol%(実施例6)、5vol%(実施例7)、10vol%(実施例8)、15vol%(実施例9)の酸素ガスを含む窒素ガス又は空気(酸素含有量=20.9vol%:比較例5)を支燃性ガスとして使用した変成ガスを使用した。なお、5vol%、10vol%、15vol%の酸素ガスを含む窒素ガス及び空気を支燃性ガスとして使用した実施例については、2度同様の熱処理を実施した。
(評価)
評価については、4枚積層した熱処理済みの試料における中心側の2枚の試料について、炭素量を測定した。また、参考例として、熱処理前の試料についても、同様に炭素量を測定した。図3に、支燃性ガスの酸素量に対する熱処理後の試料の炭素量を示す棒グラフを示す。なお、炭素量の測定は、赤外線吸収法を採用する固体中炭素・硫黄分析装置EMIA(登録商標)-Pro(株式会社堀場製作所製)で行った。
一般的に、モーターコアの炭素量は少ないほど鉄損に良いと言われており、通常30-50ppm程度であれば問題なしと言われている。図3に示すように、炭化水素ガスと、前記炭化水素ガスの支燃性ガスとして1vol%以上15vol%以下の酸素ガスを有する窒素ガスとを反応させて変成ガスを使用した実施例については、炭素量が30-50ppmの基準内となっている。一方、空気(酸素含有量=20.9vol%)を使用した比較例については、その平均炭素量が30-50ppmの基準外となっていることがわかった。このことから、炭化水素ガスの支燃性ガスとして1vol%以上15vol%以下の酸素ガスを有する窒素ガスを使用することで、浸炭を防止することができることがわかった。
以上、本発明の代表的な実施形態などについて説明したが、本発明は上記実施形態などに限定されない。本願の請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、種々の置換、変更が可能である。例えば、本発明に係る熱処理炉及び該熱処理炉を使用した熱処理方法は、モーターコア、炭素鋼など種々の鋼の熱処理に用いることができる。この炭素鋼の炭素量は、例えば0.50mass%以下であるとよく、0.25mass%以下であってもよく、更に200ppm以下であってもよく、この場合、100ppm以下であってもよく、例えば50ppm以下であってもよく、その下限値は極微少量であってもよい。例えば、この炭素鋼は、炭素量が0.50mass%以下の鋼であり得、炭素量が10ppm以上100ppm以下の鋼も含むとよい。
10 熱処理炉
11 予熱室
12 加熱室
14 冷却室
16 雰囲気ガス供給装置(変成ガス供給装置)
18 変成炉
20 窒素発生装置
22 炭化水素供給装置
24 その他のガス供給装置
26 混合器
,V,V 制御弁

Claims (7)

  1. 被熱処理物を加熱して熱処理を行う熱処理炉であって、
    前記熱処理炉は、雰囲気ガス供給装置が設けられており、
    前記雰囲気ガス供給装置は、変成炉を有し、炭化水素ガスと、前記炭化水素ガスの支燃性ガスとして1vol%以上15vol%以下の酸素ガスを有する窒素ガスとが混合された混合ガスに相当するガスを前記変成炉で反応させて変成ガスを生成し、生成された前記変成ガスを雰囲気ガスとして前記熱処理炉内に供給するよう構成されてい
    前記熱処理炉内の前記雰囲気ガスのCOとCO の合計量は、4.74vol%以下である、
    熱処理炉。
  2. 前記雰囲気ガス供給装置は、窒素ガス発生装置と、炭化水素供給装置と、窒素ガスと炭化水素ガスとは異なるガスを供給するその他のガス供給装置と、ガスを混合するための混合器と、前記混合器で混合したガスから変成ガスを生成するための前記変成炉と、を有する、
    請求項1に記載の熱処理炉。
  3. 前記窒素ガス発生装置は、発生した窒素ガスの供給量を制御するための第1の制御弁と、前記窒素ガス発生装置で発生した窒素ガス中の酸素分圧を測定する酸素センサとを有し、
    前記その他のガス供給装置は、供給するガスの供給量を制御するための第2の制御弁を有し、
    前記その他のガス供給装置は、前記酸素分圧と前記窒素ガス発生装置から供給される窒素ガスの供給量とに基づいて、窒素ガス中の酸素ガスの濃度が所定の濃度となるように、前記その他のガス供給装置から供給するガスの供給量を制御するよう構成されている、請求項2に記載の熱処理炉。
  4. 前記その他のガス供給装置から供給するガスは、空気又は酸素を含む、請求項3に記載の熱処理炉。
  5. 前記被熱処理物は、モーターコア又は炭素鋼である、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の熱処理炉。
  6. 被熱処理物を加熱して熱処理を行う熱処理方法であって、
    炭化水素ガスと、前記炭化水素ガスの支燃性ガスとして1vol%以上15vol%以下の酸素ガスを有する窒素ガスとが混合された混合ガスに相当するガスを変成炉で反応させて変成ガスを生成する第1工程と、
    被熱処理物を炉内雰囲気ガスとして前記変成ガスを用いて熱処理する第2工程と
    を有し、
    前記炉内雰囲気ガスのCOとCO の合計量は、4.74vol%以下である、
    熱処理方法。
  7. 前記被熱処理物は、モーターコア又は炭素鋼である、
    請求項6に記載の熱処理方法。
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