JP4180492B2 - 浸炭処理装置 - Google Patents

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Description

この発明は,鋼材部品等の処理材を浸炭処理するのに用いる浸炭処理装置に係り、特に、上記の処理材を高速で浸炭処理できるようにすると共に、高速で浸炭処理するのに用いる一酸化炭素ガスの濃度が高い浸炭用ガスを効率よく安定して製造できるようにした点に特徴を有するものである。
従来から低炭素鋼や低合金鋼等の鋼材部品における強度を高めるため、その表面から炭素を内部に拡散浸透させる浸炭処理が施されている。
そして、このように鋼材部品等の処理材を浸炭処理するにあたっては、様々な方法が使用されており、例えば、図1に示すように、処理炉2内に処理材1を導入し、この処理炉2内に浸炭用ガス製造装置3から一酸化炭素ガスを含む浸炭用ガスを供給し、この処理炉2内において処理材1を加熱させる加熱工程と、このように加熱された処理材1に炭素を付与して浸炭させる浸炭工程と、このように処理材1に付与された炭素を、表面炭素濃度が所要値になるように処理材1の内部に拡散させる拡散工程と、このように炭素が内部に拡散された処理材1の温度を下げる降温工程とを経て、処理材1を浸炭処理することが行われている。
ここで、上記のように処理炉2内に一酸化炭素ガスを含む浸炭用ガスを供給する浸炭用ガス製造装置3としては、一般に、Ni触媒や、Rh,Pt等の貴金属触媒を収容させた触媒層3aの外周側に加熱装置3bを設け、この加熱装置3bによって触媒層3aを加熱させるようにしたものが用いられている。
そして、この浸炭用ガス製造装置3においては、ガス供給管3cによって導かれたLNGやLPG等の炭化水素ガスと、空気供給管3dによって導かれた空気とをガスミキサー3eにより混合させ、このように混合させた混合ガスを上記のように加熱された触媒層3a内に導き、この混合ガスを上記の触媒により反応させて一酸化炭素を含む浸炭用ガスを生成し、この浸炭用ガスを処理炉2内に供給するようにしている。
しかし、上記のようにLNGやLPG等の炭化水素ガスと空気とを混合させた混合ガスを用いて一酸化炭素ガスを含む浸炭用ガスを生成した場合、空気中には窒素ガスが多く含まれているため、一般に浸炭用ガス中における一酸化炭素ガス濃度は20〜25体積%程度にしかならず、このように一酸化炭素ガス濃度が20〜25体積%になった一酸化炭素ガス濃度の低い浸炭用ガスを用いた場合、処理材1に対する浸炭速度が遅くて、浸炭処理に多くの時間を要するという問題があった。
このため、従来においては、処理炉2内に上記の浸炭用ガスとは別にLNGやLPG等の炭化水素ガスを導入する等により、処理炉2内におけるカーボンポテンシャルを高めて、処理材1に対する浸炭速度を速め、処理時間を短縮させることが行われている。
しかし、上記のように一酸化炭素ガス濃度が20〜25体積%になった浸炭用ガスを導入させた処理炉2内に、LNGやLPG等の炭化水素ガスを導入させる等によって処理炉2内におけるカーボンポテンシャルを温度と鋼種によって決定される飽和値近くまで高める場合、カーボンポテンシャルを適切に制御することが困難であり、処理炉2内におけるカーボンポテンシャルが飽和値を越えて高くなりすぎ、煤が発生する等の問題があった。
また、従来においても、上記の浸炭用ガスにおける一酸化炭素ガス濃度を高めると、処理材1に対する浸炭速度が向上することが分かっており、近年においては、処理材1を浸炭処理するにあたり、上記の原料ガスにおける空気に代え、二酸化炭素ガスや酸素ガスを用い、一酸化炭素ガスの濃度が高くなった浸炭用ガスを得ることが検討されている。
ここで、上記の原料ガスにおける空気に代えて二酸化炭素ガスを用いた場合、炭化水素ガスと二酸化炭素ガスとの反応が吸熱反応であるため、上記のように外周側に設けた加熱装置3bで加熱させるだけでは、上記の触媒層3aが十分に加熱されず、この触媒層3a内における触媒の一部の温度が低下し、このように温度が低下した部分において、反応が十分に進みにくくなって煤が発生し、この煤が触媒層3aに詰まり、浸炭用ガスを安定して製造することができなくなるという問題があった。
このため、近年においては、炭化水素ガスと二酸化炭素ガスと酸素ガスとを爆発混合気範囲外で混合させた原料ガスを用いるようにしたもの(例えば、特許文献1参照。)や、炭化水素ガスと二酸化炭素ガスと酸素等とを混合させた原料ガスをニッケル触媒層に導入して反応させる前に、予熱器によって原料ガスを炭化水素の熱分解温度以下の温度に加熱するようにしたもの等(例えば、特許文献2〜4参照。)が提案されている。
しかし、上記のようにした場合においても、一酸化炭素ガスの濃度が高くなった浸炭用ガスを安定して製造することができず、また装置が複雑になる等の問題があった。
また、上記のような一酸化炭素ガスの濃度が高い浸炭用ガスを製造するのにはコストが高くつき、常に一酸化炭素ガス濃度が高い浸炭用ガスを用いて処理材を浸炭処理するようにした場合、ランニングコストが非常に高くつくという問題もあった。
特開2000−256824号公報 特開2001−152312号公報 特開2001−152313号公報 特開2001−152314号公報
この発明は、鋼材部品等の処理材を浸炭処理する場合における上記のような様々な問題を解決することを課題とするものであり、高速で安定した浸炭処理が行えるようにすると共に、高速で浸炭処理するのに用いる一酸化炭素の濃度が高い浸炭用ガスを効率よく安定して製造できるようにすることを課題とするものである。
この発明における浸炭処理装置においては、上記のような課題を解決するため、処理材を浸炭処理する処理炉内に一酸化炭素ガスを含む浸炭用ガスを供給し、加熱,浸炭,拡散の工程を経て処理材を浸炭処理する浸炭処理装置において、上記の処理炉に、触媒層が内管と外管との間に設けられると共にこの内管と外管とにそれぞれ加熱装置が設けられた浸炭用ガス製造装置を取り付け、少なくとも炭化水素ガスと二酸化炭素ガスとを混合させた第1原料ガスを上記の浸炭用ガス製造装置に供給する第1原料ガス供給装置と、少なくとも炭化水素ガスと空気とを混合させた第2原料ガスを上記の浸炭用ガス製造装置に供給する第2原料ガス供給装置と、上記の浸炭用ガス製造装置に供給する原料ガスを上記の第1原料ガス供給装置と第2原料ガス供給装置との間で切り換える切換装置とを設けた。
そして、上記の浸炭処理装置においては、浸炭時には上記の第1原料ガス供給装置から浸炭用ガス製造装置に少なくとも炭化水素ガスと二酸化炭素ガスとを混合させた第1原料ガスを供給させる一方、浸炭時以外には上記の第2原料ガス供給装置から浸炭用ガス製造装置に少なくとも炭化水素ガスと空気とを混合させた第2原料ガスを供給させることができる。
また、上記の触媒層に使用する触媒としては、一般に使用されているNi触媒や、Rh,Pt等の貴金属触媒を用いることができ、上記の原料ガスを、触媒層を通して効率よく反応させるためには、Rh,Pt等の貴金属触媒を用いることが好ましい。
この発明における浸炭処理装置においては、処理炉に取り付ける浸炭用ガス製造装置において、上記のように触媒層を内管と外管との間に設け、この内管と外管とをそれぞれ加熱装置によって加熱させるようにしたため、触媒層全体が内管と外管とを通して十分に加熱されるようになる。
このため、上記の第1原料ガス供給装置から少なくとも炭化水素ガスと二酸化炭素ガスとを混合させた第1原料ガスを上記の浸炭用ガス製造装置に供給して、一酸化炭素ガス濃度が高い浸炭用ガスを製造する場合に、触媒層の一部の温度が低下して煤が発生するのが防止され、触媒層に煤が詰まるということがなく、一酸化炭素ガス濃度が高い浸炭用ガスを効率よく安定して製造できるようになる。
この結果、この発明における浸炭処理装置においては、上記の浸炭用ガス製造装置により、上記のようにして一酸化炭素ガス濃度が高い浸炭用ガスを製造し、一酸化炭素ガス濃度が高い浸炭用ガスを処理炉内に安定して供給することができ、鋼材部品等の処理材を高速で安定して浸炭処理できるようになる。
また、この発明における浸炭処理装置においては、少なくとも炭化水素ガスと二酸化炭素ガスとを混合させた第1原料ガスを上記の浸炭用ガス製造装置に供給する第1原料ガス供給装置と、少なくとも炭化水素ガスと空気とを混合させた第2原料ガスを上記の浸炭用ガス製造装置に供給する第2原料ガス供給装置と、上記の浸炭用ガス製造装置に供給する原料ガスを上記の第1原料ガス供給装置と第2原料ガス供給装置との間で切り換える切換装置とを設けたため、第1原料ガス供給装置から少なくとも炭化水素ガスと二酸化炭素ガスとを混合させた第1原料ガスをこの浸炭用ガス製造装置に供給して浸炭用ガスを生成すると、一酸化炭素ガスの濃度が高くなった浸炭用ガスが得られるようになり、例えば、炭化水素ガスとしてメタンガスを用い、このメタンガスと二酸化炭素ガスとを混合させた第1原料ガスを浸炭用ガス製造装置に供給して浸炭用ガスを生成した場合には、一酸化炭素ガス濃度が約50体積%になった浸炭速度の最も速い浸炭用ガスが得られるようになる。
一方、上記の第2原料ガス供給装置から少なくとも炭化水素ガスと空気とを混合させた第2原料ガスを浸炭用ガス製造装置に供給して浸炭用ガスを生成すると、空気中には窒素ガスが多く含まれているため、得られた浸炭用ガス中における一酸化炭素ガス濃度が低くなり、例えば、炭化水素ガスとしてメタンガスを用い、このメタンガスと空気とを混合させた第2原料ガスを浸炭用ガス製造装置に供給して浸炭用ガスを生成した場合には、一酸化炭素ガス濃度が約20体積%になった浸炭用ガスが得られるようになる。
そして、上記のような浸炭処理装置を用いて、処理材を処理炉内で浸炭処理するにあたっては、浸炭用ガス製造装置に供給する原料ガスを、上記の切換装置によって第1原料ガス供給装置と第2原料ガス供給装置との間で切り換えるようにし、浸炭時には上記の第1原料ガス供給装置から浸炭用ガス製造装置に第1原料ガスを供給して一酸化炭素ガス濃度の高い浸炭用ガスを生成し、この一酸化炭素ガス濃度の高い浸炭用ガスを処理炉に供給する一方、浸炭時以外には、上記の第2原料ガス供給装置から浸炭用ガス製造装置に第2原料ガスを供給して一酸化炭素ガス濃度が低い浸炭用ガスを生成し、この一酸化炭素ガス濃度が低い浸炭用ガスを処理炉に供給することができる。
このようにすると、浸炭時には、一酸化炭素ガス濃度の高い浸炭用ガスが処理炉に供給されて、処理材に対する浸炭速度が速まり、処理時間が短縮されると共に、浸炭時以外には、一酸化炭素ガス濃度の低い浸炭用ガスが処理炉に供給されるようになり、常に一酸化炭素濃度の高い浸炭用ガスを供給する場合に比べて、ランニングコストも大幅に低減されるようになる。
以下、この発明の実施形態に係る浸炭処理装置に用いる浸炭用ガス製造装置及び浸炭処理装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明に係る浸炭処理装置は下記の実施形態に示すものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
(実施形態1)
この実施形態における浸炭用ガス製造装置10においては、図2に示すように、内管11と外管12との間に、Rh,Pt等の貴金属触媒を充填させた触媒層13を設けている。
そして、上記の内管11の内部に、この内管11を加熱させる電熱ヒーターからなる加熱装置14を設けると共に、上記の外管12の外周側に断熱材を用いた外装体15を設け、この外装体15と外管12との間に、外管12を加熱させる電熱ヒーターからなる加熱装置16を設けている。
ここで、この実施形態の浸炭用ガス製造装置10によって一酸化炭素ガス濃度の高い浸炭用ガスGbを製造するにあたっては、上記の各加熱装置14,16を加熱させて、内管11と外管12との間に設けた触媒層13を加熱させると共に、外管12に設けた原料ガス供給口17から、少なくとも炭化水素ガスと二酸化炭素ガスとを混合させた原料ガスGaを内管11と外管12との間に通して上記のように加熱された触媒層13に導くようにする。
そして、上記のように加熱された触媒層13において上記の原料ガスGaを反応させ、一酸化炭素と水素とを含む浸炭用ガスGbを生成し、この浸炭用ガスGbを外管12に設けた排出管18を通して浸炭処理を行う処理炉(図示せず)内に供給するようにしている。
ここで、この実施形態の浸炭用ガス製造装置においては、上記のように内管11と外管12との両方に加熱装置14,16を設け、各加熱装置14,16により内管11と外管12とを通して触媒層13を加熱させるようにしているため、触媒層13が十分に加熱されるようになり、上記のように少なくとも炭化水素ガスと二酸化炭素ガスとを混合させた原料ガスGaを、この触媒層13を通して反応させる場合に、触媒層13の一部の温度が低下するのが防止され、煤が発生して触媒層13に詰まるということがなく、一酸化炭素ガス濃度が高くなった浸炭用ガスGbを効率よく安定して製造できるようになる。
なお、この実施形態の浸炭用ガス製造装置においては、上記の各加熱装置14,16に電熱ヒーターを用いるようにしたが、各加熱装置14,16の種類は特に限定されず、バーナー等の公知の加熱装置を用いることができる。
次に、上記の実施形態における浸炭用ガス製造装置のように内管と外管との両方を加熱装置によって加熱させるようにした実施例のものと、外管だけを加熱装置によって加熱させるようにした比較例のものとを比較し、この実施例のものにおいては、原料ガスが触媒層において十分に反応されて煤の発生が抑制され、一酸化炭素の濃度が高くなった浸炭用ガスが効率よく製造されるようになることを明らかにする。
ここで、原料ガスとしては、13A都市ガスと二酸化炭素とを1:1.25の体積比で混合させたものを用い、実施例のものにおいては、内管と外管との両方を各加熱装置により加熱させて、外管温度が1000℃、内管温度が960℃になるようにする一方、比較例のものにおいては、加熱装置により外管だけを加熱させて、外管温度が1000℃になるようにした。
そして、触媒層を通して生成される浸炭用ガスの量を3m3 /hと5m3 /hとにした場合において、それぞれ生成された浸炭用ガス中に含まれる各ガス成分の割合(vol%)を求め、その結果を下記の表1に示した。
Figure 0004180492
この結果から明らかなように、内管と外管との両方をそれぞれ加熱装置によって加熱させるようにした実施例のものにおいては、加熱装置により外管だけを加熱させるようにした比較例のものに比べて、生成した浸炭用ガス中に含まれるCO2 やCH4 の割合が大きく低下しており、上記の原料ガスが触媒層において十分に反応されて煤の発生が抑制され、一酸化炭素の濃度が高い浸炭用ガスを効率よく製造することができた。
(実施形態2)
この実施形態に係る浸炭処理装置においては、図3に示すように、処理炉2の炉壁2aを挿通するようにして浸炭用ガス製造装置10を取り付け、この処理炉2内に処理材(図示せず)を導入し、上記の浸炭用ガス製造装置10によって製造した浸炭用ガスをこの処理炉2内に供給し、この処理炉2内において処理材を加熱させる加熱工程と、このように加熱された処理材に炭素を付与して浸炭させる浸炭工程と、このように処理材に付与された炭素を処理材の内部に拡散させる拡散工程と、このように炭素が内部に拡散された処理材の温度を下げる降温工程とを行うようにしている。
ここで、この実施形態においては、浸炭用ガス製造装置10として、上記の実施形態1に示したものと実質的に同様のものを用いるようにしており、内管11と外管12との間に、Rh,Pt等の貴金属触媒を充填させた触媒層13を設けている。
そして、上記の内管11の内部に、この内管11を加熱させる電熱ヒーターからなる加熱装置14を設けると共に、上記の外管12の外周側に断熱材を用いた外装体15を設け、この外装体15と外管12との間に、外管12を加熱させる電熱ヒーターからなる加熱装置16を設けている。
ここで、この実施形態においては、上記の浸炭用ガス製造装置10に原料ガスを供給するにあたり、第1電磁弁21aが設けられた第1ガス供給管21を通して導かれたLNGやLPG等の炭化水素ガスと、第2電磁弁22aが設けられた二酸化炭素ガス供給管22を通して導かれた二酸化炭素ガスとを第1ガスミキサー23により混合させるようにする一方、第3電磁弁24aが設けられた第2ガス供給管24を通して導かれたLNGやLPG等の炭化水素ガスと、第4電磁弁25aが設けられた空気供給管25を通して導かれた空気とを第2ガスミキサー26により混合させるようにしている。
そして、上記の第1ガスミキサー23によって混合させた炭化水素ガスと二酸化炭素ガスとからなる第1原料ガス、或いは上記の第2ガスミキサー26によって混合させた炭化水素ガスと空気とからなる第2原料ガスを、上記の浸炭用ガス製造装置10における外管12に設けられた原料ガス供給口17から上記の触媒層13に導くと共に、この触媒層13を上記の各加熱装置14,16によって加熱させ、この触媒層13において上記の第1又は第2の原料ガスを反応させるようにしている。
ここで、上記の第1ガスミキサー23によって混合させた炭化水素ガスと二酸化炭素ガスとからなる第1原料ガスを触媒層13において反応させて、一酸化炭素ガスを含む浸炭用ガスを生成すると、前記のように一酸化炭素ガス濃度が50体積%程度になった一酸化炭素ガス濃度の高い浸炭用ガスが得られるようになる。
一方、上記の第2ガスミキサー26によって混合させた炭化水素ガスと空気とからなる第2原料ガスを触媒層13において反応させて、一酸化炭素ガスを含む浸炭用ガスを生成すると、空気中に窒素ガスが多く含まれているため、前記のように一酸化炭素ガス濃度が20体積%程度になった一酸化炭素ガス濃度の低い浸炭用ガスが得られるようになる。
なお、炭化水素ガスとして、例えばブタンガスを用い、このブタンガスと二酸化炭素ガスとからなる第1原料ガスを触媒層13において反応させると、その反応式は、
10+4CO=8CO+5H
となり、一酸化炭素ガス濃度が高くなりすぎるため、この場合には、浸炭用ガスにおける一酸化炭素ガス濃度を調整するため、図示していないが、例えば、上記の第1ガスミキサー23に空気や酸素ガスを供給させることができる。
そして、この実施形態における浸炭処理装置において、鋼材部品等の処理材を浸炭処理するにあたっては、処理炉2内に処理材を導入し、この処理炉2内において処理材を加熱させる工程においては、上記の第1電磁弁21aと第2電磁弁22aとを閉じる一方、上記の第3電磁弁24aと第4電磁弁25aとを開け、上記の第2ガス供給管24と空気供給管25とを通して炭化水素ガスと空気とを第2ガスミキサー26に導いて混合させるようにする。
そして、このように炭化水素ガスと空気とを混合させた第2原料ガスを、浸炭用ガス製造装置10における上記の触媒層13において反応させて、一酸化炭素ガス濃度が20体積%程度になった一酸化炭素ガス濃度の低い浸炭用ガスを生成し、この浸炭用ガスを上記の外管12に設けた供給口19を通して処理炉2内に供給し、上記の処理材を所定の温度まで加熱させる。
次いで、このように加熱された処理材に炭素を付与して浸炭させる浸炭工程においては、上記の第3電磁弁24aと第4電磁弁25aとを閉じる一方、上記の第1電磁弁21aと第2電磁弁22aとを開け、上記の第1ガス供給管21と二酸化炭素ガス供給管22とを通して炭化水素ガスと二酸化炭素ガスとを第1ガスミキサー23に導いて混合させるようにする。
そして、このように炭化水素ガスと二酸化炭素ガスとを混合させた第1原料ガスを、浸炭用ガス製造装置10における上記の触媒層13において反応させて、一酸化炭素ガス濃度が50体積%程度になった一酸化炭素ガス濃度の高い浸炭用ガスを生成し、この浸炭用ガスを上記の外管12に設けた供給口19を通して処理炉2内に供給し、上記の処理材に炭素を付与して浸炭させる。
また、このように処理材に炭素を付与して浸炭させた後は、上記の第1電磁弁21aと第2電磁弁22aとを閉じる一方、上記の第3電磁弁24aと第4電磁弁25aとを開け、上記の加熱工程の場合と同様に、炭化水素ガスと空気とを混合させた第2原料ガスを、浸炭用ガス製造装置10における上記の触媒層13において反応させて、一酸化炭素ガス濃度が20体積%程度になった一酸化炭素ガス濃度の低い浸炭用ガスを生成し、この浸炭用ガスを上記の外管12に設けた供給口19を通して処理炉2内に供給し、上記のように処理材に付与された炭素を処理材の内部に拡散させる拡散工程と、このように炭素が内部に拡散された処理材の温度を下げる降温工程とを行うようにする。
ここで、鋼材部品等の処理材に対して、例えば0.9mmの有効浸炭深さを得るにあたって、上記の浸炭工程において、一酸化炭素ガス濃度が20体積%程度になった一酸化炭素ガス濃度の低い浸炭用ガスを処理炉2内に供給するようにした場合、浸炭工程と拡散工程とに要する合計時間が300分程度になるのに対して、上記の浸炭工程において一酸化炭素ガス濃度が50体積%程度になった一酸化炭素ガス濃度の高い浸炭用ガスを処理炉2内に供給するようにした場合、浸炭工程と拡散工程とに要する合計時間が180分程度になり、浸炭処理時間が大幅に短縮されるようになる。
また、上記のように浸炭工程において、一酸化炭素ガス濃度が50体積%程度になった一酸化炭素ガス濃度の高い浸炭用ガスを処理炉2内に供給すると、処理炉2内のカーボンポテンシャルを適切に制御することが容易に行え、カーボンポテンシャルが高くなりすぎて煤が発生するのを防止できるようになる。
さらに、上記のように浸炭工程においてのみ、処理炉2内に一酸化炭素ガス濃度の高い浸炭用ガスを処理炉2内に供給させ、浸炭工程以外の工程においては、処理炉2内に一酸化炭素ガス濃度の低い浸炭用ガスを供給させるようにすると、一酸化炭素ガス濃度の高い浸炭用ガスの量が少なくてすみ、常に高い一酸化炭素ガス濃度の浸炭用ガスを供給する場合に比べて、ランニングコストが大幅に低減される。
処理材を浸炭処理するのに使用する従来の浸炭処理装置を示した概略説明図である。 この発明の実施形態に係る浸炭処理装置に用いる浸炭用ガス製造装置を示した概略説明図である。 この発明の一実施形態に係る浸炭処理装置を示した部分説明図である。
符号の説明
1 処理材
2 処理炉
2a 炉壁
10 浸炭用ガス製造装置
11 内管
12 外管
13 触媒層
14 加熱装置
15 外装体
16 加熱装置
17 原料ガス供給口
18 排出管
19 供給口
21 第1ガス供給管
21a 第1電磁弁
22 二酸化炭素ガス供給管
22a 第2電磁弁
23 第1ガスミキサー
24 第2ガス供給管
24a 第3電磁弁
25 空気供給管
25a 第4電磁弁
26 第2ガスミキサー
Ga 原料ガス
Gb 浸炭用ガス

Claims (3)

  1. 処理材を浸炭処理する処理炉内に一酸化炭素ガスを含む浸炭用ガスを供給し、加熱,浸炭,拡散の工程を経て処理材を浸炭処理する浸炭処理装置において、上記の処理炉に、触媒層が内管と外管との間に設けられると共にこの内管と外管とにそれぞれ加熱装置が設けられた浸炭用ガス製造装置を取り付け、少なくとも炭化水素ガスと二酸化炭素ガスとを混合させた第1原料ガスを上記の浸炭用ガス製造装置に供給する第1原料ガス供給装置と、少なくとも炭化水素ガスと空気とを混合させた第2原料ガスを上記の浸炭用ガス製造装置に供給する第2原料ガス供給装置と、上記の浸炭用ガス製造装置に供給する原料ガスを上記の第1原料ガス供給装置と第2原料ガス供給装置との間で切り換える切換装置とを設けたことを特徴とする浸炭処理装置。
  2. 請求項1に記載した浸炭処理装置において、浸炭時には上記の第1原料ガス供給装置から浸炭用ガス製造装置に少なくとも炭化水素ガスと二酸化炭素ガスとを混合させた第1原料ガスを供給する一方、浸炭時以外には上記の第2原料ガス供給装置から浸炭用ガス製造装置に少なくとも炭化水素ガスと空気とを混合させた第2原料ガスを供給することを特徴とする浸炭処理装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載した浸炭処理装置において、上記の浸炭用ガス製造装置における触媒層の触媒に貴金属触媒を用いたことを特徴とする浸炭処理装置。
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