JP7402404B2 - キナゾリン誘導体を含有する固形製剤 - Google Patents

キナゾリン誘導体を含有する固形製剤 Download PDF

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Description

本発明は、光安定化物質および高分子で被覆したキナゾリン誘導体を含有する固形製剤に関する。本発明製剤は、光を照射しても類縁体がほとんど増加せず、しかもほとんど着色しない。詳しくは、本発明は、光安定化物質として波長450nm以下の光を遮断または吸収する物質、および高分子で被覆することによって、光を照射しても類縁体がほとんど増加せず、しかもほとんど着色しない固形製剤に関するものである。
チロシンキナーゼは蛋白質中のチロシン残基をリン酸化する酵素であり、細胞の分化・増殖や細胞内情報伝達系において重要な役割を果たすことが知られている。特に、HER2(ErbB2またはNeuとも呼ばれる)およびEGF受容体等の増殖因子受容体チロシンキナーゼ(以下、受容体チロシンキナーゼ)が癌の形成に深く関与していること、ヒト癌において受容体チロシンキナーゼ活性が亢進していることが知られている(非特許文献1、非特許文献2、および非特許文献3)。
また、EGF受容体とHER2の共発現によりEGF受容体単独による癌化がさらに加速されることが知られており(非特許文献4)、EGF受容体とHER2の両方のチロシンキナーゼを阻害するデュアル阻害剤は単独のキナーゼにのみ作用する化合物と比較して、適応疾患が広く、デュアル阻害の相乗作用によってより強い治療効果が得られる点で優れている。
特許文献1には、下式:
Figure 0007402404000001

で表されるキナゾリン誘導体が、EGF受容体およびHER2のデュアル阻害作用を有し、癌の治療および/または予防剤として有用であることが記載されている。またその実施例には、以下の化合物(VIII-102):
Figure 0007402404000002

が遊離塩基の形態で開示されている。しかし、その酸付加塩および/または溶媒和物は、具体的に開示されていない。また、その結晶についても具体的に開示されていない。
特許文献2には、式(VI’):
Figure 0007402404000003

で表されるキナゾリン誘導体の製造方法が記載されている。また、その実施例には、以下の化合物(VI-15):
Figure 0007402404000004

が遊離塩基の形態で開示されている。
特許文献3および4には、EGF受容体およびHER2のデュアル阻害作用を有する、ラパチニブ二トシル酸塩の水和物結晶および無水物結晶が開示されている。また、特許文献5には、ラパチニブの遊離塩基の無水物結晶が開示されている。
特許文献6~8において、光安定性に優れた医薬製剤が開示されている。
しかし、当該文献には、以下の式(I)で示される化合物(特許文献1の化合物(VIII-102)、特許文献2の化合物(VI-15)と同じ化合物)、またはその製薬上許容される塩を含有する製剤について、光を照射することによって、類縁体量が増加し、製剤が着色することは開示も示唆もされていない。
式(I):
Figure 0007402404000005
国際公開第2006/090717パンフレット 国際公開第2010/074150パンフレット 国際公開第2002/002552パンフレット 国際公開第2009/079541パンフレット 国際公開第2009/079547パンフレット 特開2013-014610号公報 国際公開第2002/060446パンフレット 国際公開第2007/052592パンフレット
キャンサー リサーチ(Cancer Res.)1991年、第51巻、p.4430-4435 キャンサー リサーチ(Cancer Res.)1992年、第52巻、p.3636-3641 キャンサー ケモセラピー アンド ファーマコロジー(Cancer Chemother. Pharmacol.)、1993年、第32巻、p.1-19 セル(Cell)1989年、第58巻、p.287-292
本発明者らは、式(I)で示される化合物またはその製薬上許容される塩や結晶を含有する製剤に、光を照射することによって、類縁体量が増加し、しかも製剤が着色することを見出した。本発明の課題は、類縁体量がほとんど増加せず、しかも、製剤の着色を低減することができる製剤を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、式(I)で示される化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの結晶を含有する製剤に、光安定化物質および高分子で被覆することによって、光を照射しても、類縁体量がほとんど増加せず、ほとんど着色しない製剤を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、医薬活性成分は、それぞれの固体形態によって、実質的に異なる物理的特性を有し得る。本発明においては、他の固体形態と比較して非常に有用な、式(I)で示される化合物の酸付加塩もしくはその溶媒和物、またはそれらの結晶を見出し、それらを用いて、本発明製剤を製造した。
すなわち、本発明は、
(1)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、式(I):
Figure 0007402404000006

で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤、
(2)被覆層中の光安定化物質が、波長450nm以下の光を遮蔽または吸収する物質である、上記(1)記載の固形製剤、
(3)被覆層中の光安定化物質が、食用タール色素、食用レーキ化したタール色素、食用天然色素、酸化鉄、酸化チタンおよびタルクからなる群から選択される1以上である、上記(1)記載の固形製剤、
(4)被覆層中の光安定化物質が、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用青色1号、食用青色2号、食用赤色3号アルミニウムレーキ、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用黄色5号アルミニウムレーキ、食用青色1号アルミニウムレーキ、食用青色2号アルミニウムレーキ、カルミン、銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィル、ベンガラ、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄、酸化チタンおよびタルクからなる群から選択される1以上である、上記(1)記載の固形製剤、
(5)被覆層中の光安定化物質が、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄、酸化チタンおよびタルクからなる群から選択される1以上である、上記(4)記載の固形製剤、
(6)被覆層中の光安定化物質が、黄色三二酸化鉄、酸化チタンおよびタルクからなる群から選択される1以上である、上記(5)記載の固形製剤、
(7)食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用青色1号、食用青色2号、食用赤色3号アルミニウムレーキ、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用黄色5号アルミニウムレーキ、食用青色1号アルミニウムレーキ、食用青色2号アルミニウムレーキ、カルミン、銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィル、ベンガラ、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄、酸化チタンおよびタルクからなる群から選択される1以上および高分子を含有する被覆層を有し、式(I):
Figure 0007402404000007

で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤、
(8)黄色三二酸化鉄、酸化チタン、タルクおよび高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する、上記(7)記載の固形製剤、
(9)被覆層中の高分子が、セルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上である、上記(1)から(8)のいずれかに記載の固形製剤、
(10)被覆層中の高分子が、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒプロメロースフタル酸エステル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートおよびエチルセルロースからなる群から選択される1以上のセルロース系高分子である、上記(1)から(8)のいずれかに記載の固形製剤、
(11)被覆層中のセルロース系高分子が、ヒプロメロースである、上記(10)記載の固形製剤、
(12)被覆層中の高分子が、メタアクリル酸コポリマー、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーEおよびアミノアルキルメタアクリレートコポリマーRSからなる群から選択される1以上のアクリル系高分子である、上記(1)から(8)のいずれかに記載の固形製剤、
(13)被覆層中のビニル系高分子が、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、クロスポビドンおよびポリビニルアルコール・メチルメタクリレート・アクリル酸共重合体から選択される1以上である、上記(1)から(8)のいずれかに記載の固形製剤、
(14)被覆層中の光安定化物質が、黄色三二酸化鉄、酸化チタンおよびタルク、高分子がヒプロメロースである、上記(1)から(13)のいずれかに記載の固形製剤、
(15)黄色三二酸化鉄、酸化チタン、タルクおよびヒプロメロースを含有する被覆層を有し、式(I):
Figure 0007402404000008

で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤、
(16)光安定化物質の量が、錠剤の表面積1mmあたり、0.001~0.1mgである上記(1)から(15)のいずれかに記載の固形製剤、
(17)総照射光量120万lux・hrの光を照射した際、式(I)で示される化合物のE体化合物を含む類縁物質の実験開始後からの増加量が0.3%以下である上記(1)から(16)のいずれかに記載の固形製剤、
(18)総照射光量120万lux・hrの光を照射した際、色差がΔ20以下である上記(1)から(17)のいずれかに記載の固形製剤、
(19)式(I):
Figure 0007402404000009

で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有し、総照射光量120万lux・hrの光を照射した際、式(I)で示される化合物のE体化合物を含む類縁物質の実験開始後からの増加量が0.3%以下である固形製剤、
(20)式(I):
Figure 0007402404000010

で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有し、総照射光量120万lux・hrの光を照射した際、色差がΔ20以下である固形製剤、
(21)波長450nm以下の光の吸収物または遮蔽物によって包装された、上記(1)から(20)のいずれかに記載の固形製剤、
(22)波長450nm以下の光の吸収物または遮蔽物によって包装された、式(I):
Figure 0007402404000011

で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤、
(23)有効成分が、式(I)で示される化合物の塩酸塩またはp-トルエンスルホン酸塩である上記(1)から(22)のいずれかに記載の固形製剤、
(24)有効成分が、式(I)で示される化合物の一塩酸塩である上記(23)記載の固形製剤、
(25)固形製剤が顆粒剤または錠剤である上記(1)から(24)のいずれかに記載の固形製剤、
(26)式(I):
Figure 0007402404000012

で示される化合物のE体化合物を含む類縁物質の量を高速液体クロマトグラフィーによって測定することを含む、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤中の不純物を測定する方法、
(27)分析の際のリファレンスとして利用する、式(I):
Figure 0007402404000013

で示される化合物のE体化合物、
(28)式(I):
Figure 0007402404000014

で示される化合物のE体化合物の量を低減することによって、製剤の色差ΔEを低減する方法、
(29)式(I):
Figure 0007402404000015

で示される化合物の塩酸塩を有効成分として含有する固形製剤、
(30)塩酸塩が一塩酸塩である上記(29)記載の固形製剤、
(31)一塩酸塩がI型結晶、V型結晶およびVI型結晶からなる群から選択される1以上の一塩酸塩である上記(29)または(30)記載の固形製剤、
に関する。
本発明によれば、光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤に光を照射しても、実験初期から類縁体はほとんど増加せず、しかも製剤も試験当初と比べ、ほとんど着色しない。
図1は、光の波長の変化による総類縁体物質の量の推移である。
本発明製剤中の有効成分として、式(I):
Figure 0007402404000016

で示される化合物、またはその製薬上許容される塩が用いられる。式(I)で示される化合物、その製薬上許容される塩の製法は、特許文献1または2およびWO2015/182682国際公開パンフレットに開示されている。
式(I)で示される化合物の製薬上許容される塩としては、例えば、式(I)で示される化合物と、無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、臭化水素酸、リン酸、ヨウ化水素酸等)、および有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸、グルタル酸、リンゴ酸、安息香酸、フタル酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等)との塩が挙げられる。特に塩酸、p-トルエンスルホン酸、硫酸、リン酸、フマル酸、酒石酸、メタンスルホン酸との塩等が挙げられる。塩酸、p-トルエンスルホン酸との塩が特に好ましい。これらの塩は、通常行われる方法によって形成させることができる。
たとえば、式(I)で示される化合物を各種有機溶媒に溶解させ、酸性条件下において結晶化させることにより、式(I)で示される化合物の酸付加塩またはその結晶を製造することができる。
式(I)で示される化合物の塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩もしくはその他の製薬上許容される塩は、溶媒和物(例えば、水和物、エタノール和物等)、共結晶および/または結晶多形を形成する場合があり、本発明はそのような各種の溶媒和物、共結晶および結晶多形も包含する。「溶媒和物」は、式(I)で示される化合物の塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩もしくはその他の製薬上許容される塩に対し、任意の数の溶媒分子(例えば、水分子等)と配位していてもよい。式(I)で示される化合物の塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩もしくはその他の製薬上許容される塩を、大気中に放置することにより、水分を吸収し、吸着水が付着する場合や、水和物を形成する場合がある。また、式(I)で示される化合物の塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩もしくはその他の製薬上許容される塩を、再結晶することで結晶多形を形成する場合がある。「共結晶」は、式(I)で示される化合物の塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩もしくはその他の製薬上許容される塩とカウンター分子が同一結晶格子内に存在することを意味し、任意の数のカウンター分子と形成していてもよい。
式(I)で示される化合物の塩酸塩において、一塩酸塩のI型、II型、III型、V型、VI型、VII型およびエタノール和物の結晶形が存在する。
また、式(I)で示される化合物の一p-トルエンスルホン酸塩;一硫酸塩および一硫酸塩水和物;一リン酸塩および一リン酸塩水和物;一フマル酸塩の結晶形が存在する。
上記の結晶形の中で、一塩酸塩のI型結晶、V型結晶およびVI型結晶ならびに一p-トルエンスルホン酸塩結晶が、他の結晶形に比べ、より熱力学的に安定である。
これらの結晶多形は、結晶化に用いる有機溶媒の種類と、式(I)で示される化合物として、式(I)で示される化合物の遊離塩基A(実施例1)または式(I)で示される化合物の遊離塩基B(実施例2)のいずれを用いるかによって作り分けることが可能である。
式(I)で示される化合物の一塩酸塩のI型結晶は、式(I)で示される化合物の遊離塩基Aをメタノールに溶解し、塩酸存在下で結晶化させることにより製造することができる。
式(I)で示される化合物の一塩酸塩のII型結晶は、式(I)で示される化合物の遊離塩基Aをメタノールと酢酸エチルの混合溶媒(メタノール:酢酸エチル=1:1)に溶解し、塩酸存在下で結晶化させることにより製造することができる。
式(I)で示される化合物の一塩酸塩のIII型結晶は、式(I)で示される化合物の遊離塩基Aをメタノールと酢酸エチルの混合溶媒(メタノール:酢酸エチル=1:4)に溶解し、塩酸存在下で結晶化させることにより製造することができる。
式(I)で示される化合物の一塩酸塩のV型結晶は、式(I)で示される化合物の遊離塩基Bを2-プロパノールに溶解し、酸存在下で結晶化させることにより製造することができる。
式(I)で示される化合物の一塩酸塩のVI型結晶は、式(I)で示される化合物の遊離塩基Aを2-プロパノールに溶解し、塩酸存在下で結晶化させることにより製造することができる。
式(I)で示される化合物の一塩酸塩のVII型結晶は、式(I)で示される化合物の一塩酸塩のVI型結晶を1,2-ジメトキシエタンに溶解し、結晶化させることにより製造することができる。
式(I)で示される化合物の一塩酸塩のエタノール和物結晶は、酢酸エチルおよびエタノール混合溶液中に、一塩酸塩I型結晶を種晶として加えることにより製造することができる。
式(I)で示される化合物の遊離塩基結晶は、式(I)で示される化合物の遊離塩基Bをヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶液に溶解し、結晶化させることにより製造することができる。
式(I)で示される化合物の一p-トルエンスルホン酸塩I型結晶は、式(I)で示される化合物の遊離塩基Aを、常法により精製後、酢酸エチルに溶解し、1mol/L p-トルエンスルホン酸メタノール溶液を加え、結晶化することにより製造することができる。
式(I)で示される化合物の一硫酸塩結晶は、式(I)で示される化合物の遊離塩基Aをアセトニトリルに溶解し、1mol/L硫酸メタノールを加え、結晶化することにより製造することができる。
式(I)で示される化合物の一硫酸塩一水和物結晶は、式(I)で示される化合物の三水和物結晶をアセトニトリルおよび2-プロパノールの混合溶液に溶解し、0.1mol/L硫酸を加えた後、濃縮する。さらにメタノールおよび水の混合溶液を加え、振とう後に濃縮することにより製造することができる。
式(I)で示される化合物の一リン酸塩結晶は、式(I)で示される化合物の三水和物結晶をアセトニトリルおよび2-プロパノールの混合溶液に溶解し、0.1mol/Lリン酸を加えた後、濃縮する。さらにエタノールおよび水の混合溶液を加え、振とう後に濃縮することにより製造することができる。
式(I)で示される化合物の一リン酸塩二水和物I型結晶は、式(I)で示される化合物の三水和物結晶をアセトニトリルおよび2-プロパノールの混合溶液に溶解し、0.1mol/Lリン酸を加えた後、濃縮する。さらにメタノールおよび水の混合溶液を加え、振とう後に濃縮することにより製造することができる。
式(I)で示される化合物の一フマル酸塩I型結晶は、式(I)で示される化合物の三水和物結晶をアセトニトリルおよび2-プロパノールの混合溶液に溶解し、0.1mol/Lフマル酸のメタノールおよび水の混合溶液を加え、濃縮する。さらにメタノールおよび水を加え、振とう後に濃縮することにより製造することができる。
式(I)で示される化合物の一フマル酸塩II型結晶は、式(I)で示される化合物の三水和物結晶をアセトニトリルおよび2-プロパノールの混合溶液に溶解し、0.1mol/Lフマル酸のメタノールおよび水の混合溶液を加え、濃縮する。さらにアセトニトリルおよび水を加え、振とう後に濃縮することにより製造することができる。
以下に、式(I)で示される化合物の結晶を特定する方法について説明する。
特に言及がなければ、本明細書中及び特許請求の範囲記載の数値は、おおよその値である。数値の変動は、装置キャリブレーション、装置エラー、物質の純度、結晶サイズ、サンプルサイズ、その他の因子に起因する。
本明細書中で用いる「結晶」とは、固体を構成する原子、イオン、分子などが規則正しく並んだ構造を持ち、その結果周期性、異方性を持つような構造を意味する。結晶形態の結晶化度は、例えば、粉末X線回折測定、水分吸脱着測定、示差走査熱量測定、示差熱熱重量同時測定、溶液比色測定、溶解特性を含めた多くの技術によって測定することができる。
粉末X線回折(XRPD)
一般に結晶性有機化合物は、3次元空間に周期的に配列された多数の原子よりなる。構造周期性は、通例、ほとんどの分光学的プローブ(例えば、X線回折、赤外スペクトル、ラマンスペクトル及び固体NMR)によって明確に区別可能な物理的特性を発現する。中でも粉末X線回折(XRPD)は、固体の結晶性を測定するための最も感度の良い分析法のうちの1つである。X線が結晶に照射されると、結晶格子面で反射し、互いに干渉しあい、ブラッグ則よって予測される条件を満たす方向の回折線のみ強度が増大し、構造の周期に対応した秩序だった回折線を示す。一方、非晶質固体については広範囲の秩序だった回折線は認められない。非晶質固体は、通常、その構造の中に秩序だった繰返し周期をもたないため、回折現象は起こらず特徴のないブロードなXRPDパターンを示す。
本出願明細書で開示する式(I)で示される化合物の酸付加塩の結晶形態は、好ましくは、区別可能な粉末X線回折プロフィールを有する。例えば、式(I)で示される化合物の一塩酸塩または一p-トルエンスルホン酸塩を含む結晶は、特徴的な回折ピークの存在によって、他の結晶形態と区別することができる。本明細書中で用いる特徴的な回折ピークは、観察された回折パターンから選択されるピークである。好ましくは、特徴的なピークは、回折パターンにおける約20本、より好ましくは約10本、最も好ましくは約5本から選択される。
一般に、粉末X線回折における回折角度(2θ)は±0.2°の範囲内で誤差が生じ得るので、粉末X線回折の回折角度の値は±0.2°程度の範囲内の数値も含むものとして理解される必要がある。したがって、粉末X線回折におけるピークの回折角度が完全に一致する結晶だけでなく、ピークの回折角度が±0.2°程度の誤差で一致する結晶も本発明に含まれる。
以下、各結晶において観測された粉末X線回折スペクトルにおいてピークが認められた回折角度(2θ)を記載する。

・式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶の回折角度(2θ):8.0±0.2°、14.1±0.2°、20.6±0.2°、21.0±0.2°、25.8±0.2°
・式(I)で示される化合物の一塩酸塩II型結晶の回折角度(2θ):11.3±0.2°、17.1±0.2°、25.5±0.2°、25.8±0.2°、26.4±0.2°
・式(I)で示される化合物の一塩酸塩III型結晶の回折角度(2θ):5.1±0.2°、9.9±0.2°、15.3±0.2°、21.4±0.2°、23.3±0.2°
・式(I)で示される化合物の一塩酸塩V型結晶の回折角度(2θ):23.9±0.2°、25.9±0.2°、26.2±0.2°、26.7±0.2°、28.4±0.2°
・式(I)で示される化合物の一塩酸塩VI型結晶の回折角度(2θ):5.4°±0.2°、16.3±0.2°、21.6±0.2°、23.2±0.2°、23.7±0.2°
・式(I)で示される化合物の一塩酸塩VII型結晶の回折角度(2θ):7.0±0.2°、12.3±0.2°、16.0±0.2°、19.1±0.2°、21.2±0.2°
・式(I)で示される化合物の一塩酸塩エタノール和物結晶の回折角度(2θ):8.3±0.2°、8.9±0.2°、12.9±0.2°、13.7±0.2°、14.7±0.2°
・式(I)で示される化合物のp-トルエンスルホン酸塩I型結晶の回折角度(2θ):13.7±0.2°、15.7±0.2°、20.0±0.2°、22.7±0.2°、25.3±0.2°
・式(I)で示される化合物の一硫酸塩結晶の回折角度(2θ):6.2±0.2°、14.0±0.2°、14.5±0.2°、16.8±0.2°、22.9±0.2°
・式(I)で示される化合物の一硫酸塩一水和物結晶の回折角度(2θ):5.0±0.2°、9.9±0.2°、13.8±0.2°、14.7±0.2°、17.0±0.2°
・式(I)で示される化合物の一リン酸塩結晶の回折角度(2θ):5.1±0.2°、6.2±0.2°、6.7±0.2°、9.8±0.2°、12.3±0.2°
・式(I)で示される化合物の一リン酸塩二水和物I型結晶の回折角度(2θ):5.1±0.2°、6.5±0.2°、9.6±0.2°、12.9±0.2°、18.6±0.2°
・式(I)で示される化合物の一フマル酸塩I型結晶の回折角度(2θ):8.0±0.2°、9.1±0.2°、16.1±0.2°、19.5±0.2°、19.9±0.2°
・式(I)で示される化合物の一フマル酸塩II型結晶の回折角度(2θ):5.4±0.2°、9.1±0.2°、13.3±0.2°、13.7±0.2°、18.1±0.2°
式(I)で示される化合物は、特許文献1に記載されている、EGF受容体/HER2デュアル阻害剤であり、当該化合物またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物は、癌の予防または治療に有用である。
本発明製剤は、「抗癌剤」および「癌の治療剤」として用いることができる。たとえば、脳腫瘍(例えば神経膠芽細胞腫)、泌尿器癌(例えば膀胱癌、腎臓癌)、生殖器癌(例えば前立腺癌、卵巣癌、子宮癌)、リンパ系腫瘍、消化器癌(例えば胃癌、食道癌、大腸癌、結腸癌)、咽喉癌、肺癌(例えば肺腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌)、膵臓癌、乳癌、頭頚部癌、甲状腺癌に用いることができる。特に、乳癌、脳腫瘍、膀胱癌、腎臓癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮癌、肺癌、膵臓癌、および頭頚部癌の治療剤として好ましく使用される。さらに好ましくは、乳癌である。
本発明製剤は、他の抗癌剤等と組み合わせることができる。本発明製剤は、他の抗癌剤と併用または合剤としても使用されうる。例えば、トラスツマブ、微小管阻害剤[ビノレルビン、タキサン系薬剤(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル等)、イリノテカン、エリブリンメシル酸塩]、Platinum系薬剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン等)、5-FU系薬剤(例えば、カペシタビン、5-フルオロウラシル等)、乳癌ホルモン療法、HER2阻害薬(トラスツズマブ、ペルツズマブ、ラパチニブトシル酸塩水和物、ネラチニブ、margetuximab)、HER2抗体コンジュゲート薬(トラスツズマブエムタンシン(T-DM1)、MM-302)、HDAC阻害薬(エンチノスタット)、PARP阻害薬(タラゾパリブ、ニラパリブ、オラパリブ、ベリパリブ)、免疫療法ワクチン(例えば、nelipepimut-S)、CDK4/6阻害薬(イブランス、リボシクリブ、アベマシクリブ)、PI3K/mTOR阻害薬(buparlisib、タセリシブ、エベロリムス、アルペリシブ)、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、PD1/PD-L1阻害薬(ニボルマブ、atezolizumab、ペムブロリズマブ)等が挙げられる。また、上記記載の抗癌剤を2剤以上組み合わせて用いることができる。
本発明製剤中における式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩の配合量としては、製剤全量に対し、1~80重量%、好ましくは、5~75重量%、より好ましくは10~70重量%である。
本発明製剤は、光安定化物質を含有する。本明細書中、光安定化物質としては、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を、光に対して、安定化することができ、また、製剤の変色を防止することができる添加物であればよく、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格および食品添加物公定書に収載されているものを使用することができる。
光安定化物質としては、光を遮蔽する遮光効果のある遮光物質や光を吸収する効果のある光吸収物質がある。本発明製剤の場合、特に好ましくは、波長450nm以下の光を遮蔽する遮光効果のある遮光物質または波長450nm以下の光を吸収する光吸収物質である。具体的には、食用タール色素、食用レーキ化したタール色素、食用天然色素、酸化鉄、酸化チタン、タルク等が挙げられる。好ましくは、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用青色1号、食用青色2号、食用赤色3号アルミニウムレーキ、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用黄色5号アルミニウムレーキ、食用青色1号アルミニウムレーキ、食用青色2号アルミニウムレーキ、カルミン、銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィル、ベンガラ、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄、酸化チタン、タルク等が挙げられる。より好ましくは、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄、酸化チタン、タルクであり、特に好ましくは黄色三二酸化鉄、酸化チタン、タルクである。
本発明製剤の光安定化物質は、製剤中に配合してもよく、製剤の表面を被覆してもよいが、好ましくは製剤の表面を被覆する、いわゆる被覆層中に光安定化剤を含有するのがよい。製剤の被覆層中に光安定化剤を含有すれば、製剤外からの光を吸収したり、遮蔽したりするので、製剤中に含有している式(I)で示される化合物の光安定性を向上し、または製剤の変色を防止することができる。
本発明製剤中の光安定化物質の含量は、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩が光に対し、安定化する量であればよい。具体的には、製剤の表面積1mmに対して、0.001~0.1mg、好ましくは0.00125~0.075mg、より好ましくは0.0015~0.05mgである。光安定化物質のうち、酸化チタンやタルクのような光を遮蔽する遮光物質は、製剤の表面積1mmに対して、0.00075~0.075mg、好ましくは0.001~0.05mg、より好ましくは0.0015~0.03mgであり、食用タール色素、食用レーキ化したタール色素、食用天然色素、酸化鉄のような光を吸収する光吸収物質は、製剤の表面積1mmに対して、0.0001~0.025mg、好ましくは0.0002~0.02mg、より好ましくは0.0003~0.015mgである。なお、製剤の表面積は、CADによって測定することができる。また、被覆層形成前の素錠重量に対する光安定化物質の含量は、具体的には、0.01~4重量%、好ましくは0.05~3.5重量%、より好ましくは0.1~3重量%である。光安定化物質のうち、酸化チタンやタルクのような光を遮蔽する遮光物質は、被覆層形成前の素錠重量に対して、0.005~3重量%、好ましくは0.03~2.75重量%、より好ましくは0.05~2.5重量%であり、食用タール色素、食用レーキ化したタール色素、食用天然色素、酸化鉄のような光を吸収する光吸収物質は、被覆層形成前の素錠重量に対して、0.001~1重量%、好ましくは0.0025~0.75重量%、より好ましくは0.005~0.5重量%である。これらの含量より少なければ、光安定化が不十分である恐れがある。
本発明製剤は、高分子を含有する。本明細書中、高分子としては、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格および食品添加物公定書に収載されているものを使用することができる。具体的には、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物等のセルロース系高分子、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、メタクリル酸コポリマー、2-メチル-5-ビニルピリジンメチルアクリレート・メタクリル酸コポリマー、乾燥メタクリル酸コポリマー、ジメチルアミノエチルメタアクリレート・メチルメタアクリレートコポリマー等のアクリル系高分子、ポリビニルピロリドン、クロスポビドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・メチルメタクリレート・アクリル酸共重合体およびポリビニルアルコールコポリマー等のビニル系高分子、カルナバロウ、ステアリルアルコール、セラック、セタノール等が挙げられるが、好ましくは、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)である。
本発明製剤の高分子は、製剤中に配合してもよく、製剤の表面を被覆してもよいが、好ましくは製剤の表面を被覆し、被覆層を形成する、いわゆるコーティング剤として用いるのがよい。製剤の被覆層中に高分子を含有すれば、光安定化物質とともに、製剤表面を被覆することができ、製剤中に含有している式(I)で示される化合物の光安定性を向上し、または製剤の変色を防止することができる。
本明細書中の被覆層中における高分子の含量は、光安定化物質を製剤表面に被覆できる量であればよい。
本発明製剤は、崩壊剤を含有してもよい。崩壊剤としては、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格および食品添加物公定書等に収載されている崩壊剤を使用することができる。具体的には、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられ、好ましくはカルメロースカルシウムである。
本発明製剤中の崩壊剤の含量は、製剤全量に対し、0.5~20重量%、好ましくは0.75~15重量%、より好ましくは1~10重量%である。この量よりも少なければ、固形製剤、特に錠剤が十分に崩壊しない可能性がある。
本発明製剤は、賦形剤を含有してもよい。賦形剤としては、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格および食品添加物公定書等に収載されている賦形剤を使用することができる。具体的には、D-マンニトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、オリゴ糖アルコール等の糖アルコール類、キシロース、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フラクトース)、麦芽糖(マルトース)、乳糖(ラクトース)ショ糖(シュクロース)、異性化糖、水飴、精製白糖、白糖、精製白糖球状顆粒、無水乳糖、白糖・デンプン球状顆粒等の糖類、半消化体デンプン、ブドウ糖水和物、粉糖、結晶セルロース、微結晶セルロース、プルラン、β-シクロデキストリン、アミノエチルスルホン酸、アメ粉、塩化ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、グリシン、グルコン酸カルシウム、L-グルタミン、酒石酸、酒石酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、デキストラン40、デキストリン、乳酸カルシウム、ポビドン、マクロゴール(ポリエチレングリコール)1500、マクロゴール1540、マクロゴール4000、マクロゴール6000、無水クエン酸、DL-リンゴ酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、L-アスパラギン酸、アルギン酸、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、クロスポビドン、グリセロリン酸カルシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、小麦粉、コムギデンプン、コムギ胚芽粉、小麦胚芽油、米粉、コメデンプン、酢酸フタル酸セルロース、酸化チタン、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、第三リン酸カルシウム、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、天然ケイ酸アルミニウム、トウモロコシデンプン、トウモロコシデンプン造粒物、バレイショデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸二水素カルシウム等が挙げられ、好ましくは、糖アルコール、結晶セルロースであり、より好ましくは、D-マンニトール、結晶セルロース、微結晶セルロースである。
本発明製剤中の賦形剤の含量は、製剤全量に対し、10~90重量%、好ましくは15~87.5重量%、より好ましくは20~85重量%である。
本発明製剤中の賦形剤として、結晶セルロースを用いる場合、結晶セルロースの含量は、製剤全量に対し、5~35重量%、好ましくは7.5~32.5重量%、より好ましくは10~30重量%である。この量よりも少なければ、顆粒を製造する際の造粒性が悪くなる可能性があり、この量よりも多ければ、式(I)で示される化合物の溶出性が改善しない恐れがある。
本発明製剤は、結合剤を含有してもよい。結合剤としては、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格および食品添加物公定書等に収載されている結合剤を使用することができる。具体的には、ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、アラビアゴム、アラビアゴム末、ゼラチン、カンテン、デキストリン、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、結晶セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース等が挙げられ、好ましくはヒドロキシプロピルセルロースである。
本発明製剤中の結合剤の含量は、製剤全量に対し、0.1~20重量%、好ましくは0.25~15重量%、より好ましくは0.5~10重量%である。
本発明製剤は、滑沢剤を含有してもよい。滑沢剤としては、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格および食品添加物公定書等に収載されている滑沢剤を使用することができる。具体的には、ステアリン酸金属塩、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、含水二酸化ケイ素、フマル酸ステアリルナトリウム等が挙げられるが、好ましくはステアリン酸金属塩である。ステアリン酸金属塩としては、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業、日本油脂、堺化学工業)、ステアリン酸カルシウム(関東化学、日本油脂、堺化学工業)等が挙げられるが、好ましくは、ステアリン酸マグネシウムである。
滑沢剤の含量は、製剤全量に対し、通常、0.05~10重量%、好ましくは0.075~7.5重量%、より好ましくは0.1~5重量%である。
高分子のコーティングの作業を効率よく行うために、本発明製剤の被覆層のコーティング剤中に、可塑剤や凝集防止剤を含有してもよく、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格および食品添加物公定書に収載されているものを使用することができる。具体的には、クエン酸トリエチル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ヒマシ油、タルクおよびマクロゴール(ポリエチレングリコール)等が挙げられる。
本発明製剤は、色素または着色剤を含有してもよく、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格または医薬品添加物規格等に収載されている色素を使用することができる。色素は錠剤中にでも、被覆層中にでも含有することができる。色素として、具体的には、酸化鉄、タール色素および天然色素等が挙げられる。酸化鉄としては、三二酸化鉄、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄等がある。タール色素としては、食用黄色4 号アルミニウムレーキ、食用青色1号アルミニウムレーキ、食用赤色3号アルミニウムレーキ、食用青色1 号、食用青色2号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用赤色102号、食用赤色2号、食用赤色3号等がある。天然色素としては、ウコン抽出液、β -カロチン、カロチン液、銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィル、ハダカムギ緑葉エキス末、裸麦緑葉青汁乾燥粉末、裸麦緑葉抽出エキス、酸化チタン、タルク等がある。色素は、光安定化物質で使用されるものも含まれる。
本発明製剤は、さらに必要であれば、上述以外の添加剤を含有してもよく、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格および食品添加物公定書に収載されている添加剤を使用することができる。また、これらの添加剤の含量は、任意の割合でよい。上述以外の添加剤としては、具体的には、香料、流動化剤、矯味剤等が挙げられる。
香料として、具体的には、オレンジエッセンス、オレンジ油、カラメル、カンフル、ケイヒ油、スペアミント油、ストロベリーエッセンス、チョコレートエッセンス、チェリーフレーバー、トウヒ油、パインオイル、ハッカ油、バニラフレーバー、ビターエッセンス、フルーツフレーバー、ペパーミントエッセンス、ミックスフレーバー、ミントフレーバー、メントール、レモンパウダー、レモン油、ローズ油等が挙げられる。
流動化剤として、具体的には、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、合成ケイ酸アルミニウム、タルク等が挙げられる。
矯味剤として、具体的には、アスパルテーム、スクラロース、グリシン、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩酸、希塩酸、クエン酸およびその塩、無水クエン酸、L-グルタミン酸およびその塩、コハク酸およびその塩、酢酸、酒石酸およびその塩、炭酸水素ナトリウム、フマル酸およびその塩、リンゴ酸およびその塩、氷酢酸、イノシン酸二ナトリウム、ハチミツ等が挙げられる。
本発明製剤は、固形製剤であればよい。具体的には、顆粒剤、細粒剤、錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤等であればよいが、好ましくは顆粒剤または錠剤である。
本発明製剤のうち顆粒剤の製造方法は、特に制限されないが、具体的には、有効成分、崩壊剤、賦形剤等の添加剤を混合して、混合末を製造後、当該混合末を造粒する方法であり、好ましくは水や結合剤を含有する水や溶媒を添加して造粒する湿式造粒法や圧縮成形して水を使用しない乾式造粒法や溶融造粒法である。有効成分や添加剤等を混合する機械として、V型混合機やコンテナブレンダーを使用することができる。また、造粒する機械としては、湿式押出造粒機、流動層造粒機、撹拌造粒機、乾式破砕造粒機や溶融押出造粒機を使用することができる。
本発明製剤のうち錠剤の製造方法は、特に制限されないが、具体的には、上記方法によって顆粒剤を製造し、さらに、この顆粒剤、崩壊剤および滑沢剤を混合し、当該混合末を打錠機で打錠する打錠法である。有効成分や添加剤等を混合する機械として、V型混合機やコンテナブレンダーを使用することができる。また、打錠機としては、単発打錠機、ロータリー式打錠機等を使用することができる。
本発明製剤は、上記の顆粒剤や錠剤を製造後、当該顆粒剤や錠剤を光安定化物質および高分子で被覆し、被覆層を形成することがある。顆粒剤に被覆層を形成する際、流動層造粒コーティング機、流動層転動コーティング機等を用いることができる。錠剤に被覆層を形成する際、パンコーティング機、通気式コーティング機等を用いることができる。光安定化物質および高分子によって製剤表面に被覆層を形成する際、光安定化物質および高分子を水やエタノール等の溶媒中に溶解または懸濁させ、コーティング液を調製する。コーティング機の中で、顆粒剤や錠剤を流動させながら、この顆粒剤や錠剤に当該コーティング液を噴霧、乾燥し、被覆層を形成する。
本発明製剤に、光を照射しても、類縁物質は、実験開始時からほとんど増加せず、また製剤の色差もほとんど変化しない。具体的には、曝光装置に製剤をいれ、総照射光量として、120万lux・hrの光を照射した際、製剤の色差は、Δ20以下であり、式(I)で示される化合物の光学異性体であるE体化合物を含む類縁物質の実験開始後からの増加量が0.3%以下である。
さらに、式(I)で示される化合物のE体化合物を含む類縁物質の量を高速液体クロマトグラフィーによって測定することができる。その際、式(I)で示される化合物のE体化合物を類縁物質測定の際のリファレンスとして用いることができる。さらに、式(I)で示される化合物のE体化合物を低減することによって、製剤の色差ΔEを低減することができる可能性がある。
なお、式(I):
Figure 0007402404000017

で示される化合物のE体化合物は、以下の構造である。
Figure 0007402404000018
錠剤中の式(I)に示す化合物の含量は、患者が服用しやすく、錠剤を製造することができる含量であればよいが、1錠あたり、10~400mg、好ましくは12.5~350mg、より好ましくは15~300mgである。
本発明は、光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤である。
好ましくは、被覆層中の光安定化物質として、波長450nm以下の光を遮蔽または吸収する物質を用いる固形製剤である。
光安定化物質としては、食用タール色素、食用レーキ化したタール色素、食用天然色素、酸化鉄、酸化チタンおよび光安定化物質からなる群から選択される1以上の光安定化物質が好ましい。
光安定化物質としては、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用青色1号、食用青色2号、食用赤色3号アルミニウムレーキ、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用黄色5号アルミニウムレーキ、食用青色1号アルミニウムレーキ、食用青色2号アルミニウムレーキ、カルミン、銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィル、ベンガラ、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄、酸化チタンおよびタルクからなる群から選択される1以上が好ましい。
特に、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄、酸化チタンおよびタルクからなる群から選択される1以上が好ましい。
さらには、黄色三二酸化鉄、酸化チタンおよびタルクからなる群から選択される1以上が好ましい。
また、被覆層中の高分子としては、セルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上が好ましい。
セルロース系高分子としては、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒプロメロースフタル酸エステル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートおよびエチルセルロースからなる群から選択される1以上が好ましい。
特に、ヒプロメロースが好ましい。
アクリル系高分子としては、メタアクリル酸コポリマー、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーEおよびアミノアルキルメタアクリレートコポリマーRSからなる群から選択される1以上が好ましい。
ビニル系高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、クロスポビドンおよびポリビニルアルコール・メチルメタクリレート・アクリル酸共重合体から選択される1以上が好ましい。
被覆層中の光安定化物質が、黄色三二酸化鉄、酸化チタンおよびタルクであり、高分子がヒプロメロースである場合が好ましい。
以下、好ましい態様を記載する。
波長450nm以下の光を遮蔽または吸収する光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤、特に好ましくは、黄色三二酸化鉄、酸化チタン、タルクおよび高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤である。
別の態様としては、光安定化物質および、セルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上の高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤、好ましくは、波長450nm以下の光を遮蔽または吸収する光安定化物質および、セルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上の高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤、より好ましくは、食用タール色素、食用レーキ化したタール色素、食用天然色素、酸化鉄、酸化チタンおよび光安定化物質からなる群から選択される1以上の光安定化物質および、セルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上の高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤、特に好ましくは、黄色三二酸化鉄、酸化チタン、タルクおよび、セルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上の高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤である。
別の態様としては、光安定化物質およびセルロース系高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤、好ましくは、波長450nm以下の光を遮蔽または吸収する光安定化物質およびセルロース系高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤、より好ましくは、食用タール色素、食用レーキ化したタール色素、食用天然色素、酸化鉄、酸化チタンおよび光安定化物質からなる群から選択される1以上の光安定化物質およびセルロース系高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤、特に好ましくは、黄色三二酸化鉄、酸化チタン、タルクおよびセルロース系高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤である。
別の態様としては、光安定化物質およびヒプロメロースを含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤、好ましくは、波長450nm以下の光を遮蔽または吸収する光安定化物質およびヒプロメロースを含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤、より好ましくは、食用タール色素、食用レーキ化したタール色素、食用天然色素、酸化鉄、酸化チタンおよび光安定化物質からなる群から選択される1以上の光安定化物質およびヒプロメロースを含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤、特に好ましくは、黄色三二酸化鉄、酸化チタン、タルクおよびヒプロメロースを含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物、またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する固形製剤である。
別の態様としては、光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩を有効成分として含有する固形製剤、好ましくは、波長450nm以下の光を遮蔽または吸収する光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩を有効成分として含有する固形製剤、より好ましくは、食用タール色素、食用レーキ化したタール色素、食用天然色素、酸化鉄、酸化チタンおよび光安定化物質からなる群から選択される1以上の光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩を有効成分として含有する固形製剤、特に好ましくは、黄色三二酸化鉄、酸化チタン、タルクおよび高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩を有効成分として含有する固形製剤である。
別の態様としては、光安定化物質および、セルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上の高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩を有効成分として含有する固形製剤、好ましくは、波長450nm以下の光を遮蔽または吸収する光安定化物質および、セルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上の高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩を有効成分として含有する固形製剤、より好ましくは、食用タール色素、食用レーキ化したタール色素、食用天然色素、酸化鉄、酸化チタンおよび光安定化物質からなる群から選択される1以上の光安定化物質および、セルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上の高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩を有効成分として含有する固形製剤、特に好ましくは、黄色三二酸化鉄、酸化チタン、タルクおよび、セルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上の高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩を有効成分として含有する固形製剤である。
別の態様としては、光安定化物質およびセルロース系高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩を有効成分として含有する固形製剤、好ましくは、波長450nm以下の光を遮蔽または吸収する光安定化物質およびセルロース系高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩を有効成分として含有する固形製剤、より好ましくは、食用タール色素、食用レーキ化したタール色素、食用天然色素、酸化鉄、酸化チタンおよび光安定化物質からなる群から選択される1以上の光安定化物質およびセルロース系高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩を有効成分として含有する固形製剤、特に好ましくは、黄色三二酸化鉄、酸化チタン、タルクおよびセルロース系高分子を含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩を有効成分として含有する固形製剤である。
別の態様としては、光安定化物質およびヒプロメロースを含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩を有効成分として含有する固形製剤、好ましくは、波長450nm以下の光を遮蔽または吸収する光安定化物質およびヒプロメロースを含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩を有効成分として含有する固形製剤、より好ましくは、食用タール色素、食用レーキ化したタール色素、食用天然色素、酸化鉄、酸化チタンおよび光安定化物質からなる群から選択される1以上の光安定化物質およびヒプロメロースを含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩を有効成分として含有する固形製剤、特に好ましくは、黄色三二酸化鉄、酸化チタン、タルクおよびヒプロメロースを含有する被覆層を有し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩を有効成分として含有する固形製剤である。
本発明製剤は、450nm以下の光の吸収物または遮蔽物によって包装した場合でも、総照射光量として、120万lux・hrの光を照射した際、製剤の色差は、Δ20以下であり、式(I)で示される化合物の光学異性体であるE体化合物を含む類縁物質の実験開始後からの増加量が0.3%以下とすることができる。さらに、単に式(I)で示される化合物を含有する製剤を、450nm以下の光の吸収物または遮蔽物によって包装した場合でも、総照射光量として、120万lux・hrの光を照射した際、製剤の色差は、Δ20以下であり、式(I)で示される化合物の光学異性体であるE体化合物を含む類縁物質の実験開始後からの増加量が0.3%以下とすることができる。当該光の吸収物または遮蔽物としては、アルミや着色フィルム等がある。
錠剤の形状としては、どのような形状も採用することができ、具体的には、丸形、楕円形、球形、棒状型、ドーナツ型の形状の錠剤とすることができる。また、積層錠、有核錠などであってもよいが、好ましくは製造法が簡便な単層錠が好ましい。さらには、識別性向上のためのマーク、文字などの刻印さらには分割用の割線を付けてもよい。
以下、実施例、比較例および参考例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
実施例1 式(I)で示される化合物の遊離塩基Aの合成
Figure 0007402404000019

化合物4(8.23g、18.5mmol)、化合物3(6.43g、27.7mmol)をジオキサン(326mL)に懸濁させ、2mol/Lメタンスルホン酸メタノール溶液(23.3mL)を加えた。60℃で4時間攪拌し、その後2mol/Lメタンスルホン酸(14.1mL)を追加して、60℃で17時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(815mL)と水(200mL)で希釈し、炭酸カリウム水溶液(炭酸カリウム20.65g、水150mL)を加え抽出した。有機層を食塩水(飽和食塩水50mL、水250mL)で洗浄した。次いで、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後に、濾液を濃縮して、式(I)で示される化合物の遊離塩基A(11.83g)を褐色油状物として得た。
実施例2 式(I)で示される化合物の遊離塩基Bの合成
化合物4(4.94g)を用いて、上記式(I)で示される化合物の遊離塩基Aの合成法に従い合成した遊離塩基A(6.88g)をメタノール(28mL)に溶解し、4mol/L塩酸酢酸エチル溶液(2.5mL)を加えた。室温で2時間攪拌したところ、沈殿が生じた。酢酸エチル(50mL)で希釈して、メタノールを減圧留去した。同操作を繰り返し、さらに酢酸エチル(30mL)で希釈して、室温で30分攪拌した。生じた固体を濾過し、酢酸エチル(30mL)で洗浄し、乾燥して、式(I)で示される化合物の一塩酸塩(5.04g)を得た。このうち、3.00gを酢酸エチル(50mL)に懸濁させ、0℃にて炭酸カリウム水溶液(炭酸カリウム1.04g、水15mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過後、濾液を減圧濃縮した。残渣にジエチルエーテル(24mL)、ヘキサン(6mL)を加え、生じた固体をヘキサン:ジエチルエーテル混液(1:1)で洗浄して、式(I)で示される化合物の遊離塩基B(2.63g)を淡黄色固体として得た。
実施例3 式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶の製造
化合物(I)の遊離塩基A(1.18g)を酢酸エチル(8mL)に溶解し濾過後、濾液を半分まで減圧濃縮して、4mol/L塩酸酢酸エチル溶液(0.42mL)を加えた。ジエチルエーテル(2mL)を加え生じた沈殿を濾過し、ジエチルエーテル:酢酸エチル混液(2:3)、次いでジエチルエーテルで洗浄した。濾取した固体(817mg)をメタノール(20mL)に加温溶解して、全量が3.6gとなるまで減圧濃縮し、室温で放置した。析出物を濾過し、冷メタノール、次いでジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して、式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶(701mg)を黄色結晶として得た。
(NMR測定および元素分析)
NMRデータを示す場合は、測定した全てのピークを記載していない場合が存在する。以下、式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶のNMRデータを示す。

H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ 2.28 (6H, s), 3.08-3.28 (2H, m), 3.58-3.75 (3H, m), 3.90-3.94 (1H, m), 4.03 (1H, dd, J = 12, 2.7 Hz), 4.44 (2H, d, J = 5.4 Hz), 5.27 (2H, s), 7.15-7.22 (1H, m), 7.26-7.35 (3H, m), 7.44-7.51 (1H, m), 7.72 (1H, dd, J = 9.0, 2.4 Hz), 7.82 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.99 (1H, d, J = 2.4 Hz), 8.26 (1H, dd, J = 8.7, 1.8 Hz), 8.60 (1H, s), 8.88 (1H, d, J = 1.5 Hz), 9.29 (1H, s), 10.20 (1H, s).
また、以下、式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶の元素分析の計算値、実測値を示す。
元素分析:
計算値: C, 60.41; H, 4.73; Cl, 11.89; F, 3.19; N, 11.74
実測値: C, 60.17; H, 4.79; Cl, 11.62; F, 3.06; N, 11.81
(粉末X線回折パターンの測定)
式(I)で示される化合物の結晶の粉末X線回折測定は、日本薬局方の一般試験法に記載された粉末X線回折測定法に従い、以下の測定条件で行った。
(メソッドA)
(装置)
Bruker社製D-8Discover
(操作方法)
試料について、以下の条件で測定を行った。
測定法:反射法
光源の種類:Cu管球
使用波長:CuKα線
管電流:40mA
管電圧:40kV
試料プレート:ガラス、アルミ
X線の入射角:3-40°
実施例1で得た式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶の粉末X線回析の結果を、表1に示す。(測定条件:メソッドA)
Figure 0007402404000020
実施例4 式(I)で示される化合物の一塩酸塩V型結晶の製造
式(I)で示される化合物の遊離塩基B(500mg)に2-プロパノール(5.0mL)を加え、65℃に加熱して溶解した。冷却後、4mol/L塩酸酢酸エチル溶液(212μL)を加えた。室温で5分攪拌後、全体量が3.09gとなるまで減圧濃縮した。生じた沈殿を濾過し、冷2-プロパノール(3mL)で洗浄した。得られた固体をメタノール(13mL)で加温溶解し、全量が3.03gとなるまで減圧濃縮した。酢酸エチル(6.0mL)で希釈して、全量が2.84gとなるまで再び減圧濃縮した。析出物を濾取し、冷酢酸エチル(5mL)で洗浄し、乾燥して、式(I)で示される化合物の一塩酸塩V型結晶(382mg)を黄色結晶として得た。
実施例3で得た式(I)で示される化合物の一塩酸塩V型結晶の粉末X線回析の結果を、表2に示す。(測定条件:メソッドA)
Figure 0007402404000021
実施例5 式(I)で示される化合物の二塩酸塩結晶の製造
式(I)で示される化合物の遊離塩基(約50g)を含むエタノール溶液(約400g)のうち、16gの溶液を分取し、実施例3で得た一塩酸塩I型結晶(2.5mg)を加えたのちに濃塩酸0.838g(2.5当量)を加えた。2時間撹拌後、析出した固体を濾取し、式(I)で示される化合物の二塩酸塩結晶を得た。
元素分析:
計算値: C, 57.59; H, 4.64; Cl, 15.87; F, 3.04; N, 11.19(1.8HCl salt)
実測値: C, 57.99; H, 5.51; Cl, 16.74; F, 2.86; N, 11.47

式(I)で示される化合物の二塩酸塩結晶の粉末X線回析を行った結果、ブロードなピークを示したことから、式(I)で示される化合物の二塩酸塩結晶は結晶性が低いことが判明した。
一般的に、結晶性が低い結晶は、物理的安定性が低い、化学的安定性が低い等の特徴が知られており、原薬のハンドリングが難しいと言われている(参考文献:難水溶性薬物の物性評価と製剤設計の新展開、2010年、215~216ページ)。例えば、結晶性の低い結晶を原薬として使用する場合、製造のスケールアップを行った際に、結晶性の良好な結晶に転移することがあり、一定の品質の原薬を提供することが難しい。また、安定性が低いため、長期保存には向かない。
式(I)で示される化合物の一塩酸塩の各種結晶は、結晶性の良好な結晶であり、式(I)で示される化合物を一塩酸塩とすることで、医薬品の原薬に適した結晶を得ることができた。
以上より、式(I)で示される化合物の一塩酸塩の結晶は、いずれの結晶形においても結晶性が良好であり、医薬品の原薬として使用するのに好適な結晶形であることが判明した。
実施例6 注射用水に対する溶解度試験
1.検量線の作成
式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶5 mgを精密に量り取り、アセトニトリル:水混液(1:1)に溶解させ、500μg/mLの溶液を得た。得られた溶液をそれぞれ、化合物の濃度が5 、50μg/mLになるようにアセトニトリル:水混液(1:1)で希釈し、調製し、標準の検量線を作成した。一塩酸塩II型結晶、一塩酸塩V型結晶、一塩酸塩VI型結晶、一p-トルエンスルホン酸塩I型結晶および遊離塩基結晶についても、同様の操作を行った。
2.試料溶液の作成
式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶1mgを精密に量り取り、4mL容のバイアル瓶に移した。水(注射用水)1mLを添加し、37℃で1時間攪拌した。攪拌後、この懸濁液を濾過し、濾液をアセトニトリル:水混液(1:1)で2倍に希釈した溶液を試料として、ピーク面積を測定した。濃度は、ピーク面積及び先に作成した検量線を用いて算出した。一塩酸塩II型結晶、一塩酸塩V型結晶、一塩酸塩VI型結晶、一p-トルエンスルホン酸塩I型結晶および遊離塩基結晶についても、同様の操作を行った。
(結果)
注射用水に対する式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶、一塩酸塩II型結晶、一塩酸塩V型結晶、一塩酸塩VI型結晶、一p-トルエンスルホン酸塩I型結晶および遊離塩基結晶の各溶解度を表3に示す。
Figure 0007402404000022


(N.D.:Not Detected、単位:μg/mL)

上記表から明らかな通り、式(I)で示される化合物の遊離塩基結晶は、注射用水に対して全く溶解しないのに対し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶、一塩酸塩II型結晶、一塩酸塩V型結晶、一塩酸塩VI型結晶および一p-トルエンスルホン酸塩I型結晶は、注射用水に対する高い溶解度を示した。
一般的に、薬剤の溶解度は体内動態に深く関与しており、原薬は高い溶解度を有することが望まれる。従って、式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶、一塩酸塩II型結晶、一塩酸塩V型結晶、一塩酸塩VI型結晶および一p-トルエンスルホン酸塩I型結晶は、高い溶解度を有し、医薬品の原薬として使用するのに好適な結晶形であることが判明した。
実施例7 有機溶媒に対する溶解度試験
式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶、一塩酸塩V型結晶、および遊離塩基結晶を、それぞれ2-プロパノール、アセトン、酢酸エチルに懸濁させて22℃下で4時間撹拌し、上澄み液の濃度を測定した。
(結果)2-プロパノール、アセトンおよび酢酸エチルに対するに溶解度を表4に示す。
Figure 0007402404000023


表4から明らかな通り、式(I)で示される化合物の遊離塩基結晶は、各種有機溶媒に対する濃度(重量%)が高く(約0.5重量%~約8重量%)、高い溶解度を示しているのに対し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶および一塩酸塩V型結晶は、各種有機溶媒にほとんど溶解していないことがわかる(いずれも0.1重量%以下)。つまり、式(I)で示される化合物を製造する際、生成した化合物(I)の有機溶媒に対する溶解度が高いと、生成物が有機溶媒から析出する割合が低くなり、収量が減少することになる。従って、式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶または一塩酸塩V型結晶は、医薬品の原薬として使用するのに好適な結晶形であることが判明した。
実施例8 晶析による不純物除去効果
式(I)で示される化合物の酢酸エチル溶液を調製し、当該溶液から、式(I)で示される化合物の遊離塩基結晶、一塩酸塩I型結晶および一塩酸塩VI型結晶をそれぞれ晶析した場合の、不純物除去効果を比較した。
Figure 0007402404000024

(工程1)式(I)で示される化合物の酢酸エチル溶液の製造
化合物4(30.04g、67.4mmol)をN-メチルピロリドン(70.86g)、テトラヒドロフラン(18.68g)に溶解し、化合物(IIA)(36.85g、77.3mmol)、p-トルエンスルホン酸一水和物(15.37g、80.8mmol)、テトラヒドロフラン(53.41g)、水(5.40g)のスラリー液に加え、57℃で5時間撹拌した。室温に冷却後、化合物4(0.25g)を加えた。その後、水酸化ナトリウム水溶液でpH9.0に調整し、酢酸エチル(651.52g)で抽出した。抽出液を107.39gまで濃縮し、酢酸エチル(162.40g)を加えることで、式(I)で示される化合物の酢酸エチル溶液(269.76g)を得た。
(工程2-1)式(I)で示される化合物の遊離塩基結晶の製造
式(I)で示される化合物の酢酸エチル溶液(89.92g)を22.97gまで濃縮し、ヘプタン(17.67g)、酢酸エチル(13.27g)を加えたのち、60℃に加温すると固体が析出した。酢酸エチル(12.31g)を加えて室温に冷却し、ヘプタン(41.26g)、酢酸エチル(6.0g)を加えて49.70gまで濃縮した。ヘプタン(49.83g)、酢酸エチル(27.0g)を加えて一晩静置したのちに濾過することで、式(I)で示される化合物の遊離塩基結晶(10.91g、86.7%)を得た。
(工程2-2)式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶の製造
式(I)で示される化合物の酢酸エチル溶液(40.72g)に水(0.13g)、2-プロパノール(16.26g)を加え45℃に加温した。I型結晶の種晶(225.7mg)を加えたのちに35%塩酸でpH4.07に調整した。25℃で約30分撹拌した後に濾過することで、式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶(5.50g、90.6%)を得た。
(工程2-3)式(I)で示される化合物の一塩酸塩VI型結晶の製造
式(I)で示される化合物の酢酸エチル溶液(45.20g)に2-プロパノール(7.85g)を加え60℃に加温した。35%塩酸でpH3.5に調整後、25℃で約30分撹拌し濾過することで、式(I)で示される化合物の一塩酸塩VI型結晶(5.84g、86.7%)を得た。
上記製造法により得られた式(I)で示される化合物の遊離塩基結晶、一塩酸塩I型結晶および一塩酸塩VI型結晶について、HPLCを用いて品質を評価した。
Figure 0007402404000025


(N.D.:Not Detected、単位:面積%)

上記で得られた各結晶の純度を比較すると、表5より明らかな通り、一塩酸塩VI型結晶、一塩酸塩I型結晶、遊離塩基結晶の順で、式(I)で示される化合物のピーク面積%の割合が大きく(順に、約%99.2、約98.4%、約97.8%)、含有される各種不純物の量が少量であることがわかる。従って、不純物が多く含まれる晶析前の溶液(酢酸エチル溶液)から晶析を行う際は、遊離塩基結晶として結晶を得るより、一塩酸塩VI型結晶または一塩酸塩I型結晶として結晶を得る方が、各種不純物を除去することができ、より高純度の結晶が得られることがわかった。
一般的に、不純物が多く含まれる結晶は、再結晶の工程を繰り返し、結晶の純度を上げる必要がある。また、再結晶工程を繰り返すと、母液に溶出する結晶の量が増え、収量が減少することになる。不純物によっては再結晶工程により除去される割合が小さいため、実用的な繰り返し回数では純度を上げることができない場合も多い。
従って、式(I)で示される化合物の一塩酸塩VI型結晶および一塩酸塩I型結晶は、一度の晶析で高純度の結晶が得られることから、大量合成に好適な結晶形であると言える。つまり、式(I)で示される化合物の一塩酸塩VI型結晶および一塩酸塩I型結晶は、医薬品の原薬として使用するのに好適な結晶形であることが判明した。
実施例9 水分吸脱着等温線測定
式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶、一塩酸塩V型結晶、一塩酸塩VI型結晶、遊離塩基結晶、一p-トルエンスルホン酸塩結晶および一硫酸塩結晶の水分増加質量比率を表6に示す。
Figure 0007402404000026

表6より明らかな通り、式(I)で示される化合物の一硫酸塩結晶は、約3.3%の水分増加が見られたのに対し、式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶、一塩酸塩II型結晶、一塩酸塩V型結晶、一塩酸塩VI型結晶および一p-トルエンスルホン酸塩I型結晶は、水分増加比率が少ないことが分かった。
一般的に、結晶を塩にすることでより吸湿の影響を受けやすくなることが考えられ、塩の種類により、吸収性は異なるといわれている(参考文献:難水溶性薬物の物性評価と製剤設計の新展開、2010年、117~118ページ)。また、水分が吸着しやすい結晶は潮解等の現象がみられ、結晶の取り扱いが困難である。さらに、そのような結晶は長期保存には適しておらず、原薬として選択されることはほとんどない。従って、式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶、一塩酸塩II型結晶、一塩酸塩V型結晶、一塩酸塩VI型結晶および一p-トルエンスルホン酸塩I型結晶は、水分増加比率が少ないことから、医薬品の原薬として使用するのに好適な結晶形であることが判明した。
実施例10 曝光試験
式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶、一塩酸塩II型結晶、一塩酸塩V型結晶、一塩酸塩VI型結晶および一p-トルエンスルホン酸塩I型結晶の曝光試験結果を表7に示す。
Figure 0007402404000027


(単位は面積%。*その他のピークについて曝光による変化はほとんど認められない。)

表7に示す通り、式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶、一塩酸塩II型結晶、一塩酸塩V型結晶および一塩酸塩VI型結晶を曝光試験に付すと、Z異性体からE異性体への変換がほとんど見られないか、または多くても約3.8%ほどしか増加しない。それに対し、式(I)で示される化合物の一p-トルエンスルホン酸塩I型結晶は、曝光後にE異性体が約33%増加していることから、光安定性が低いことがわかった。
一般的に、光安定性が低い結晶は、光によって分解等の現象が見られ、曝光によって許容できない変化が起きる場合がある。また、そのような結晶は、保存方法に細心の注意を払う必要があり、結晶の取り扱いが困難である。
従って、式(I)で示される化合物の一塩酸塩I型結晶、一塩酸塩II型結晶、一塩酸塩V型結晶および一塩酸塩VI型結晶は、曝光条件下において光安定性が良く、医薬品の原薬として使用するのに好適な結晶形であることが判明した。
実施例11 式(I)で示される化合物の光の影響
式(I)で示される化合物の光の影響を調べるために、一定量の光を照射した後、類縁体量を測定した。

a.光照射実験法
式(I)で示される化合物の一塩酸塩の一定量を採取し、pH7の緩衝液:メタノール:アセトニトリル=38:31:31の混合液に溶解し、800μg/mLの溶液を調製した。この溶液をガラス瓶にいれて密閉した。その後、溶液をいれたガラス瓶に、光照射装置(日本分光社製 CRM-FA)によって、波長の異なる光を照射し、類縁物質の量を測定した。

b.類縁物質測定法
以下の方法、条件によって、液体クロマトグラフで、類縁物質を測定した。主要な類縁物質は、式(I)で示される化合物の光学異性体のE体化合物であった。従って、類縁体量の分析において、式(I)で示される化合物の光学異性体のE体化合物を分析のリファレンスとして用いた。
・検出器:紫外吸光光度計 (測定波長225 nm)
・カラム:Cadenza CW-C18 3μ ,4.6×150 mm(Imtakt)
・カラム温度:35℃付近の一定温度
・移動相A:10mM酢酸アンモニウム溶液、移動相B:アセトニトリル/メタノール混液
(1:1)
・移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を表8のように変えて濃度勾配制御する。
Figure 0007402404000028


・流量:約1.0 mL/min (式(I)で示される化合物の保持時間約28分)
・注入量:100μL
・サンプルクーラー温度:約5°ンプ・オートインジェクター洗浄液:アセトニトリル/メタノール混液 (1:1)
・面積測定範囲:試料溶液注入後65分間

・類縁物質量の計算式
個々の類縁物質の量 (%) =
Figure 0007402404000029

類縁物質の合計量 (%)=
Figure 0007402404000030
ATi:試料溶液の個々の類縁物質のピーク面積
ΣAT:試料溶液のピーク面積の合計 (ブランク及びシステムピークは除く)
ΣATi:試料溶液の個々の類縁物質のピーク面積の合計

c.結果
光の波長の変化による、類縁物質量の推移を図1に示す。その結果、光の波長が450nmよりも低ければ、波長が低くなるに応じて、総類縁体量は増加した。しかし、光の波長が450nmよりも高ければ、波長が高くなっても、総類縁体物質の量は、ほとんど増加しなかった。
実施例12 錠剤の製造及び光の照射による類縁体量、色差の測定
a.素錠の製造方法
表9に本発明製剤1錠剤あたりの光安定化物質および高分子で被覆前の素錠の処方を示す。式(I)で示される化合物の一塩酸塩、D-マンニトール(ロケット社)、結晶セルロース(旭化成株式会社)および一部のカルメロースカルシウム(ニチリン化学)を袋内混合し、撹拌混合機(10型ハイスピードミキサー、深江工業社)に投入した。投入後、10重量%のヒドロキシプロピルセルロース(信越化学)の水溶液を噴霧し、撹拌造粒機内で造粒した。撹拌造粒機の造粒条件,造粒物の乾燥、調粒の条件は、以下の通りである。
(撹拌造粒の条件)
・アジテータ回転数:240rpm
・チョッパー回転数:2000rpm
・造粒前混合時間:0.5分
・造粒液の注液速度:120mL/min (60 mL/min L 2箇所)

造粒物の乾燥条件:WSG2&5型流動層造粒機
(給気温度設定:70℃,乾燥終点:乾燥時間30分)

造粒物の調粒条件:P-3型パワーミル
(バスケット:20mesh,回転数:3000rpm)

製造した造粒物、残りのカルメロースカルシウムおよびステアリン酸マグネシウムを袋内混合し、これらの混合物を打錠機(RTM-S30K-2S型打錠機、菊水製作所)によって、打錠し、直径8mmの錠剤を製造した。打錠の条件は、以下の通りある。

打錠の条件
・RTM-S30K-2S型打錠機打錠機で、回転数30rpm,杵臼3本立てによって打錠

Figure 0007402404000031


b.コーティング錠剤の製造方法
表10に、本発明製剤1錠剤あたりの素錠への光安定化物質(酸化チタン(フロイント産業)、黄色三二酸化鉄(巽化成)、タルク(メルク)および高分子(ヒプロメロース(信越化学))の被覆量、および表11に、錠剤単位面積当たりの光安定化物質(酸化チタン、黄色三二酸化鉄、タルク)の被覆量をそれぞれ示す。これらの光安定化物質および高分子を精製水に溶解・分散させて10%濃度のコーティング液とし、下記のコーティング条件で、素錠を被覆した。なお、錠剤の表面積は156.5mmであった。
表9の素錠を約1000gラボコーターHC-LABO(フロイント産業)に投入し、下記のコーティング条件で、表10記載の光安定化物質および高分子で被覆した。

コーティング条件
・素錠仕込み量:約1000g
・コーティング機:ラボコーターHC-LABO(フロイント産業)
・スプレーガン:70SS
・ノズル径:1.3mm
・スプレー流量:約50 L/min
・スプレー距離:20cm
・パン回転数:24 rpm
・給気温度:60 0温度
・パン内静圧:-50Pa
・給気風量:1.0m/min

Figure 0007402404000032


*1:( )内の%は、素錠に対するヒプロメロース、酸化チタン、黄色三二酸化鉄およびタルクの合計量の重量%である。
Figure 0007402404000033


c.光照射実験法および類縁物質測定法
表10の被覆層で被覆した錠剤に、光を照射した。錠剤を光照射装置(ナガノサイエンス社製 LTL-400D5)にいれ、総光照射量120万lux・hrの光を照射した。光照射後の錠剤から、類縁物質を抽出し、上記類縁物質測定法によって、類縁物質の量を測定した。

d.色差測定法
表10の被覆層で被覆した錠剤に、上記光照射実験法で光を照射し、色差測定法によって、錠剤の色差を測定した。製剤の色差の測定には、分光色差計(SE-200分光色差計(日本電色社))を用いた。

e.結果
製剤比較例1、製剤実施例1~4の錠剤に対し、光照射後の類縁物質量を表12に示す。その結果、被覆層を設けていない製剤比較例1は、光照射後の類縁物質量が高く、実験開始後からの類縁物質の増加量は、0.34%であった。一方、光安定化物質および高分子を含有する被覆層を設けた製剤実施例1~4は、類縁物質の増加量は低く、実験開始後からの類縁物質の増加量は、いずれも0.3%以下であり、錠剤の単位面積あたり光安定化物質の量が多いほど、概ね類縁物質の量は低減した。従って、素錠の表面に、光安定化物質および高分子を含有する被覆層を設けるによって、式(I)で示される化合物の類縁物質の量を低減できることが明らかとなった。

また、製剤比較例1、製剤実施例1~4の錠剤に対し、光照射後の錠剤の色差を表13に示す。その結果、被覆層を設けていない製剤比較例1は、光照射後の色差が明らかに高く、人の目によっても製剤の色が変わったことは明らかであった。一方、光安定化物質および高分子を含有する被覆層を設けた製剤実施例1~4は、色差の変動は小さく、色差はΔ20以下であった。さらに、被覆層の量が多いほど、概ね色差の変動は低減した。従って、素錠の表面に、光安定化物質および高分子を含有する被覆層を設けるによって、式(I)で示される化合物を含有する製剤の色差を低減できることが明らかとなった。

Figure 0007402404000034

Figure 0007402404000035

式(I)で示される化合物を含有する製剤に光を照射することによって、類縁物質が増加し、しかも製剤の色差が高くなるという新たな知見を見出した。そこで、製剤の表面に、光安定化物質および高分子で被覆することによって、類縁物質の量を低減し、色差も低減することができた。このことによって、式(I)で示される化合物を含有する製剤を光照射下においても、安定に保存することができる。

Claims (3)

  1. 式(I):
    Figure 0007402404000036

    で示される化合物の一塩酸塩を有効成分として含有し、抗癌剤として使用する固形製剤。
  2. 一塩酸塩が結晶であり、粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角度(2θ):8.0±0.2°、14.1±0.2°、20.6±0.2°、21.0±0.2°、25.8±0.2°にピークを有する結晶である請求項1記載の抗癌剤として使用する固形製剤。
  3. 一塩酸塩が結晶であり、粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角度(2θ):23.9±0.2°、25.9±0.2°、26.2±0.2°、26.7±0.2°、28.4±0.2°にピークを有する結晶である請求項1記載の抗癌剤として使用する固形製剤。
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