JP7401919B2 - 低温熱分解装置 - Google Patents

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Description

本発明は、低温熱分解装置に関し、特に廃有機物に対しダイオキシンを発生させずに低温熱分解処理し、炭化・セラミック化する低温熱分解装置に関する。
生ゴミや廃プラスチックなどの廃有機物を処理する装置としては、焼却装置(焼却炉)が一般的である。しかしながら、廃有機物の焼却時に400℃~700℃程度の温度で燃焼処理させた場合には、毒性の強いダイオキシンが発生することが知られている。ダイオキシンの発生を抑制するには、例えば800℃以上での高温燃焼処理が有効であるが、設備に係る費用が膨大となり、容易に設置することが困難であるという課題があった。
このような課題に対し、特許文献1では、ダイオキシンが発生しない低温での熱分解方法を開示している。特許文献1に開示された低温熱分解装置について、図16、図17を用いて説明する。図16は、特許文献1に開示された低温熱分解装置を模式的に示す側面図であり、図17は、その正面図である。
図16、図17に示す低温熱分解装置50を用いた低温熱分解方法は、廃有機物が投入された処理炉60内へ火種を投入する火入れ工程と、流体発磁機61の磁化方向に空気を挿通させて空気を磁化させる磁化工程と、処理炉60内へ前記磁化された空気を供給する供給工程と、熱処理によって生じた排ガスを外部へ放出する放出工程と、を備えている。
具体的には、まず、箱体部64の調節弁を閉めた状態で、蓋部65の開閉機構66を操作して蓋部65を開ける。そして、開口した投入口67から処理炉60内に廃有機物を投入し、再び開閉機構66を操作して蓋部を閉じる。
続いて火入れ工程に移行する。ここでは、収容体68に設けられた開口部70を開けて、図示しない点火された燻燃材を火種として処理炉60の内部に投入する。
そして、火種をもとに廃有機物を発火させ、領域ARにある程度火がまわった時点で前記開口部70を閉じ、磁化工程及び供給工程に移行する。
このとき、廃有機物は燻燃された状態となり、処理炉60の内部では底部71から上方に向かう気流が発生する。ここで、箱体部64の調節弁(図示せず)を所定の分量に開いて、導入管(図示せず)を介して箱体部64内に空気を導入する。
箱体部64内に導入された空気は、流体発磁機61のそれぞれの管部(図示せず)内に流入する。そして、磁石部(図示せず)を通過する際に、一対の磁石から生じる磁力線による空気の磁化(及びマイナスイオン化)が行われる(磁化工程)。磁化された空気は、複数の流体供給管部63を介して連続的に処理炉60内へ吸引される(供給工程)。
このとき、処理炉60内部では、流体供給管部63から送出された空気が領域ARを中心に鉛直上方から見て時計回りの渦を形成する。これにより廃有機物の熱処理が促され、燻燃された状態で炭化・セラミック化が進行して、処理が終了する。
特許第4486671号公報
ところで、特許文献1に示された低温熱分解装置50にあっては、処理炉60に廃有機物を投入し、火種を行い、所定温度で熱処理を行うことになるが、嵩密度が小さい廃有機物にあっては、空気が廃有機物の間に侵入しやすく、処理温度が高くなる。
一方、嵩密度が大きい廃有機物にあっては、空気が廃有機物の間に侵入し難く、処理温度が低くなる。
その結果、廃有機物によっては適正な処理温度が得られず、廃有機物を炭化・セラミック化することができない、あるいはダイオキシンが発生するという課題があった。
また、廃有機物全体を均一に熱処理できず、一部が炭化・セラミック化することができないという課題があった。
本発明者らは、廃有機物を熱処理し、すべての廃有機物を効率的に炭化・セラミック化するために、熱処理温度を適正温度に制御する方法について鋭意研究を行った。そして、原料を抑えるウェイト、及びそれを支持するアームを設けて、廃有機物を所定圧力で押さえつけ、あるいは解除する動作を行い、さらには、処理炉内に送り込む酸素量を制御することにより、すべての廃有機物を炭化・セラミック化できることを知見し、本発明を完成するに至った。
本発明は、嵩密度の異なる廃有機物であっても、ダイオキシンの発生しない低温熱分解処理を行い、すべての廃有機物を均一に熱処理して炭化・セラミック化することのできる低温熱分解装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するためになされた、本発明に係る低温熱分解装置は、廃有機物を処理する処理炉と、前記処理炉内に支持アームを介して回転軸に取り付けられ、廃有機物を押さえ付けるウェイトと、前記回転軸に連結されたウェイト駆動シリンダーと、前記ウェイト駆動シリンダーの駆動を制御する制御部と、前記処理炉内の温度を検出する温度センサと、を備え、前記制御部は、前記温度センサにより検出された温度が、予め設定した温度範囲より低い場合に、前記ウェイト駆動シリンダーにより前記ウェイトを上昇させ圧力を減少ないし解除し、前記温度センサにより検出された温度が、予め設定した温度範囲より高い場合に、前記ウェイト駆動シリンダーにより前記ウェイトを下降させ圧力を増大し、前記温度センサにより検出された温度に従い、前記ウェイト駆動シリンダーの動作を制御し、前記ウェイトによる廃有機物の圧縮力を可変することに特徴を有する。
尚、前記処理炉内に設けられ、調整弁によって前記処理炉内への酸素供給を制御する酸素供給ノズルを備え、前記制御部は、前記温度センサにより検出された温度に従い、前記調整弁を制御し、前記酸素供給ノズルによる処理炉内への酸素供給量を可変することが望ましい。
また、前記制御部は、前記温度センサにより検出された温度が、予め設定した温度範囲より低い場合に、前記調整弁をより開いて酸素供給ノズルによる処理炉内への酸素供給量を増加し、前記温度センサにより検出された温度が、予め設定した温度範囲より高い場合に、前記調整弁をより閉じて酸素供給ノズルによる処理炉内への酸素供給量を減少ないし供給停止することが望ましい。
また、前記処理炉への廃有機物の投入口において、観音開き式の一対の扉を備え、前記一対の扉は、それぞれ独立に開閉可能に構成されていることが望ましい。
また、前記処理炉の底部に、廃有機物の処理後物を炉外に搬送するためのスクリューコンベアを備え、前記スクリューコンベアは、処理炉内の一端から排出口が設けられた他端に向かって延びる長尺の回転軸と、該回転軸の周りに連続して形成されたスクリュー羽根とを有し、前記スクリュー羽根のピッチは、前記処理炉の一端側よりも前記排出口が設けられた他端側が大きく形成されていることが望ましい。
また、前記酸素供給ノズルに酸素を供給するエアポンプと、前記エアポンプから供給された酸素に対しカルマン渦を発生させるカルマン渦発生球と、前記カルマン渦を通過させ、酸素を磁化する環状のマグネットとを備え、前記酸素供給ノズルから磁化酸素を前記処理炉内に供給することが望ましい。
このような構成によれば、制御部が、処理炉内の温度を常に検出し、処理炉内の温度が適正な処理温度となるよう酸素の供給とウェイトによる廃有機物の押さえ付けを制御することで、すべての廃有機物に対し、ダイオキシンの発生しない低温熱分解処理を行い、均一に熱処理して炭化・セラミック化することができる。
また、処理炉内に廃有機物を投入する投入口において、観音開き式の一対の扉を設け、それぞれを独立に開閉可能な構成としたことにより、炉内における廃有機物の収容状態を変化させることができ、均一な熱処理や熱処理後物の排出を容易にすることができる。
また、スクリューコンベアにおけるスクリュー羽根のピッチが、排出方向に向かって大きくなるように形成されているため、熱処理後の廃有機物(熱処理後物)をスクリュー羽根間に詰まらせることなく、炉内に熱処理後物を残さず効率的に排出することができる。
本発明によれば、嵩密度の異なる廃有機物であっても、ダイオキシンの発生しない低温熱分解処理を行い、すべての廃有機物を均一に熱処理して炭化・セラミック化することのできる低温熱分解装置を提供することができる。
図1は、本発明に係る低温熱分解装置の平面図である。 図2は、本発明に係る低温熱分解装置の側面図である。 図3は、本発明に係る低温熱分解装置の正面図である。 図4は、本発明に係る低温熱分解装置を正面から見た断面図である。 図5は、図4とは異なる状態の本発明に係る低温熱分解装置を正面から見た断面図である。 図6は、図4、図5とは異なる状態の本発明に係る低温熱分解装置を正面から見た断面図である。 図7は、図3のA-A矢視断面図である。 図8は、図2の断面図である。 図9は、図3のB-B矢視断面図である。 図10は、本発明に係る低温熱分解装置の備える磁化酸素ノズルの構成を示す断面図及びブロック図である。 図11は、本発明に係る低温熱分解装置の動作フロー図である。 図12は、本発明に係る低温熱分解装置の状態遷移を示す断面図である。 図13は、本発明に係る低温熱分解装置の他の状態遷移を示す断面図である。 図14は、本発明に係る低温熱分解装置の他の状態遷移を示す断面図である。 図15は、本発明に係る低温熱分解装置の他の状態遷移を示す断面図である。 図16は、従来の低温熱分解装置を模式的に示す側面図である。 図17は、従来の低温熱分解装置を模式的に示す正面図である。
以下、本発明に係る低温熱分解装置について説明する。
本発明に係る低温熱分解装置は、一般廃棄物、産業廃棄物等の廃有機物を、最低限の酸素(空気)の存在下で乾燥分解し、炎を出さずに蒸し焼き状態で灰とするものである。
図1は、本発明に係る低温熱分解装置の平面図であり、図2は、図1の低温熱分解装置の側面図であり、図3は、図1の低温熱分解装置の正面図である。
この低温熱分解装置100は、収容体1(収容ケース)の上面側に2つの開閉可能な投入口2を備える。収容体1内には、図2に示すように断面V字型の底面を有する処理炉11が設けられている。処理炉11内は、図3に示すように中央に設けられた分離壁5によって2つに分割されており、前記2つの投入口2はそれら分割された処理炉11の各空間(処理炉11A、11Bと呼ぶ)にそれぞれ廃有機物を投入するために設けられている。
また、収容体1の背面側には、熱処理後に生じたダイオキシン等の有害物質を含む空気を浄化するための気体浄化機3が付設されている。この気体浄化機3は、処理炉11から処理後の空気を取り込み、浄化処理後に大気中に排出するものであり、周知の構成を採用することができる。
また、図9(図3のB-B矢視断面図)に示すようにV字型底面22には、多数の磁化酸素ノズル12(酸素供給ノズル)が突出するように所定方向に向けて設けられている。具体的には、図2に示すように、これらの磁化酸素ノズル12は、V字型底面22の下から上に向かって三段構成とされ、最下の一段目、及びその上の二段目のノズル12A、12Bは、その先端が斜面に沿って下方に向けられている。最上の三段目のノズル12Cは、水平方向に配置され、その先端が処理炉11の中央に向けられている。
また、図2に示すようにV字型の両側斜面に対配置された三段目の磁化酸素ノズル12Cは、図9に示すように処理炉11の平面視短手方向に沿って配置されている。また、一段目、及び二段目の磁化酸素ノズル12A、12Bは、図9に示すように処理炉11の平面視において処理炉11の短手方向から所定角度傾斜し、且つV字型の両側斜面に配置されたノズルの噴射方向が平面視において互いに対向するように配置されている。これにより、処理炉11内に供給される酸素を渦巻き状に環流させることができる。
図10に示すように、前記磁化酸素ノズル12には、ノズルに酸素を送り込むエアポンプ31と、流量を調整する電磁弁32と、流量を検出するために流量計33とが接続されている。
各磁化酸素ノズル12は、酸素の流れる方向に沿って複数の(図では2つ)の酸素磁化装置34が設けられている。酸素磁化装置34は、カルマン渦を発生させるためのカルマン渦発生球36と、酸素を磁化させるための円環状のマグネット35とが交互に複数(図では6個ずつ)設けられてなる。この磁化酸素装置34においては、流量計33を通過した酸素が供給されると、カルマン渦発生球36によりカルマン渦が発生され、それが環状のマグネット35の中を通過することにより酸素が磁化される構成となっている。
また、収容体1の外側には、図3に示す扉開閉シリンダー7等に圧縮空気を供給するためのエアコンプレッサ(図示せず)が設けられている。前記扉開閉シリンダー7は、投入口に設けられた一部の扉を開閉するために用いられる。具体的には、図3に示すように、前記投入口2には、二重構造の蓋が被せられている。即ち、外扉4と、その直下に配置され、扉開閉シリンダー7の駆動によって開閉動作する内扉6a、6bとにより構成される。外扉4は手動により開閉するように構成されている。
内扉6a、6bは、投入された廃有機物を一時的に受け止めるものであり、扉開閉シリンダー7の駆動により開くと、廃有機物が処理炉11内に落下するようになっている。即ち、図3に示すように内扉6a、6bは、観音開き式の扉であり、水平となった閉状態から扉開閉シリンダー7の駆動により下方に回動して開状態となり、廃有機物が落下するようになっている。
扉開閉シリンダー7は、その下端部が収容体1の外側面に設置され、そのシリンダーロッドの先端が、内扉6a、6bの長尺辺に沿って延びる回転軸8の端部に固定されたリンク板9に枢着される。これにより、シリンダーロッドの伸縮動作に伴いリンク板9及び回転軸8が一体に回動することで内扉6a、6bが開閉動作するようになっている。
このような二重蓋の構造の場合、先ず、内扉6a、6bが閉じた状態で、手動で外扉4を開け、廃有機物を投入し、閉じた状態の内扉6a、6b上に落とす。そして、手動で外扉4を閉じ、扉開閉シリンダー7を駆動して内扉6a、6bを開くことにより廃有機物をその自重で処理炉11内に落下させる。このように処理炉11内に直接廃有機物を落下させず、下側内扉6a、6bで一旦受け止めることにより、廃有機物を投入する際に、外気の処理炉11内への流入を抑え、処理炉11内の蒸気が逃げることを防止することができる。
また、図3に示すように、観音開き式の一対を構成する内扉6a、6bのそれぞれに扉開閉シリンダー7が設けられている。そのため、一対の内扉6a、6bのそれぞれの開閉動作を独立して制御することができる。
具体的には、内扉6上に廃有機物を乗せた状態から、最初に図4に示すように例えば処理炉11A側において内扉6aのみを開くようにすれば、処理炉11A内の一方側に廃有機物Wが偏って収容される。
続けて一対の内扉6を閉じ、内扉6上に廃有機物を乗せた状態から、図5に示すように処理炉11A側において内扉6bのみを開くようにすれば、処理炉11A内の他方側に新たな廃有機物Wが偏って収容される。
続けて一対の内扉6を閉じ、内扉6上に廃有機物を乗せた状態から、図6に示すように処理炉11A側において内扉6a、6bを開くと、処理炉11Aの中央に新たな廃有機物Wが収容される。
これにより処理炉11Aにおいては、略同じ高さに廃有機物Wが収容され、磁化酸素ノズル12から供給される磁化酸素が廃有機物Wに対して均一に行き届き、均一な熱処理を行いやすい状態となる。また、熱処理後物の排出が容易となる。
尚、図4乃至図6に示すように、処理炉11B側において、内扉6上に廃有機物を乗せた状態から、常に一対の内扉6a、6bをともに開くようにすれば、処理炉11Bの中央に山なりに廃有機物Wが収容されることになる。この場合、磁化酸素ノズル12から供給される磁化酸素が廃有機物Wに対して均一に行き届かず、均一な熱処理を行い難い。また、熱処理後物の排出が困難となる。
また、処理炉11A、11B内には、図7(図3のA-A矢視断面図)、図8(図2の断面図)に示すように炉内に投入された廃有機物に対し押さえつけて加圧するための前後一対のウェイト18(及び支持アーム19)がそれぞれ設けられている。各ウェイト18は、例えば80kgの先端鉄丸棒からなり、複数の支持アーム19を介して回転軸20に取り付けられている。処理炉11内に設けられた回転軸20は、収容体1の両側壁に設けられた軸受けに軸支されている。回転軸20の一端が配置される収容体1の外側には、一対のウェイト駆動シリンダー17が設けられ、そのシリンダーロッドの先端が、ウェイト18及び支持アーム19の回転軸20に固定されたリンク板21に枢着されている。尚、ウェイト駆動シリンダー17は、収容体1の外壁に設けられたエアコンプレッサ(図示せず)から供給される圧縮空気によって駆動する。
ウェイト18は、ウェイト駆動シリンダー17のエアの入出力を切り替えることで上下動する。具体的には、ウェイト駆動シリンダー17の作用により上方に引き上げられた後、ウェイト駆動シリンダー17のエア供給を切り替えることで押さえ方向に回動する。そして、V字型底面22上に堆積している廃有機物を支持アーム19とともにエア圧力にて処理物に対して押さえ込み、圧力を変えながら熱分解速度を一定させるようになっている。
尚、処理炉11Aと処理炉11Bとに対し、それぞれウェイト駆動シリンダー17が設けられているため、各ウェイト18及び回転アーム19は独立して回動させることが可能となっている。
また、処理炉11のV字型底面22の底部には、排出手段としてスクリューコンベア13が設けられている。このスクリューコンベア13は、処理炉11A側のスクリューコンベア14と処理炉11B側のスクリューコンベア15とからなる。図3に示すように前記スクリューコンベア14、15は、処理炉11A、11B内の一端(処理炉11の中央)から排出口(灰取出し口16)が設けられた他端に向かって延びる長尺の回転軸14a、15aと、該回転軸14a、15aの周りに連続して形成されたスクリュー羽根14b、15bとからなる。前記回転軸14a、15aは同一軸上に配置され、図示しないモーターにより軸周りに回転可能に設けられている。また、前記スクリュー羽根14b、15bの向きは逆方向に形成されており、それによりスクリューコンベア14による排出方向とスクリューコンベア15による搬送方向とが互いに逆の外側方向となっている。そのため、収容体1の両側面(排出口)には、それぞれ灰取出し口16が設けられている。
また、例えば図3に示すように各スクリューコンベア14、15にあっては、スクリュー羽根14b、15bのピッチが、処理炉11A、11B内の一端側(処理炉11内中央側)よりも排出口が設けられた他端側のほうが大きく形成されている(即ち、処理炉11内の中央側から排出方向側に向かってスクリューのピッチが徐々に大きくなるように形成されている)。
これにより熱処理後物を出口付近(灰取出し口16側)でスクリューに詰まらせることなく、効率的に排出することができる。
また、本発明に係る低温熱分解装置100にあっては、図1に示すように制御部30(コンピュータ)を備え、この制御部30によって処理炉11内の処理温度を自動制御する。この制御を行うために、図3に示すように処理炉11内には上側の温度センサ10aと、下側の温度センサ10bとが設けられる。
この温度センサ10a、10bにより検出された炉内温度のデータは、前記制御部30において所定の温度範囲内にあるか判断するために用いられ、その結果に従い制御部30は、磁化酸素ノズル12に酸素を送気する電磁弁32と、ウェイト18及び支持アーム19を上昇または下降させるためのウェイト駆動シリンダー17の動作(シリンダーに圧縮空気を送るエアコンプレッサの動作)を制御するようになっている。
即ち、温度センサ10a、10bは、炉内が一定の温度となるよう維持し、炎を出さないための制御、更には、いろりの炭のような燻った状態を維持するための制御に用いられる。
例えば、温度センサ10aの検出した炉内上部の温度が所定値よりも上昇した場合には、上部側に配置された磁化酸素ノズル12Cからのエア供給を停止し(上部側の磁化酸素ノズル12から段階的にエア供給停止する)、炉内温度を制御するように構成されている。
或いは、上部の温度が所定値よりも上昇した場合に、ウェイト18により廃有機物を予め設定した回数(例えば廃プラスチックの場合3回、木質系ゴミの場合6回、紙系ゴミの場合0回など)上から叩き押さえるようにしてもよい。そのようにすれば、廃有機物中にエアが入り込む隙間がなくなり、温度を低下させることができる。
尚、図2に示すように、処理炉11内に酸素濃度計40aと、処理炉11から気体浄化機3に至る管路中に酸素濃度計40bを設けることにより、精度の高い処理コントロールを行う事ができる。
例えば、この酸素濃度計40a、40bにより検出された炉内酸素濃度のデータは、前記制御部30において所定の温度範囲内にあるか判断するために用いられ、その結果に従い制御部30は、磁化酸素ノズル12に酸素を送気する電磁弁32と、ウェイト18及び支持アーム19を上昇または下降させるためのウェイト駆動シリンダー17の動作(シリンダーに圧縮空気を送るエア電磁弁の動作)を制御しても良い。
具体的には、酸素濃度が上昇した場合には、磁化酸素ノズル12からのエア供給を停止し、ウェイト18により廃有機物を上から叩き押さえ、熱分解中に発生した隙間(空間)をたたき、廃有機物に密にするが良い。一方、酸素濃度が下降した場合には、磁化酸素ノズル12からのエア供給を供給し、ウェイト18を上昇させ、ウェイト18の廃有機物に対する圧力を解除するのが好ましい。
更に、温度センサ10a、10bと、酸素濃度計40a、40bを用いて、炉内が一定の温度となるよう維持し、炎を出さないための制御、更には、いろりの炭のような燻った状態を維持するための制御を行うのがより好ましい。
図11の動作フロー、及び図12乃至図15を用いて例えば処理炉11A側の熱処理について説明する。
先ず、火種として炭を炉外で起こし、これを図示しない投入口から炉内に投入する(図11のステップS1)。
次に、廃有機物Wが投入口2から処理炉11A内の火種上に投入される(図11のステップS2)。具体的には、外扉4を手動で開けて、閉じた状態の内扉6a、6b上に廃有機物Wを投入する。次いで、例えば内扉6aのみを開いて廃有機物Wを処理炉11A内に投入する。これにより処理炉11A内の一方側に廃有機物が偏って収容される。
続けて内扉6aを閉じ、内扉6a、6b上に廃有機物Wを投入し、内扉6bのみを開いて廃有機物Wを処理炉11A内に投入する。これにより処理炉11A内の他方側に廃有機物が偏って収容される。
続けて内扉6bを閉じ、内扉6a、6b上に廃有機物Wを投入し、内扉6a、6bを開いて廃有機物Wを処理炉11A内に投入する。これにより処理炉11A内の中央に廃有機物が収容され、処理炉11A内の廃有機物Wは高さが略均一な状態となる。
そして、火種をもとに廃有機物Wを無炎燃焼させ、ある程度火がまわった時点で、制御部30は電磁弁を開いて磁化酸素ノズル12から磁化された酸素を炉内に導入し、処理を開始する(図11のステップS3)。
また、制御部30は、ウェイト駆動シリンダー17を駆動して図12に示すようにウェイト18を上方に引き上げた後、ウェイト駆動シリンダー17のエア電磁弁(図示せず)を切り替えて支持アーム19を下方に回動させる。即ち、ウェイト18は制御部30が設定したエア圧力に従い下方に回動し、図13に示すようにV字型底面22上に堆積している廃有機物Wを加圧する(図11のステップS4)。
これにより廃有機物同士が密着し、廃有機物同士の熱伝導が良好となって低温熱分解処理工程が進行する。
ここで、低温熱分解処理工程において、制御部30は、温度センサ10a、10bにより検出した炉内温度が予め設定した所定の温度範囲よりも高い場合(図11のステップS5)、磁化酸素ノズル12の電磁弁を閉じる方向に制御し、磁化酸素の供給量を減少させる(或いは停止する)とともに、ウェイト駆動シリンダー17のエア供給を電磁弁により切り替え、ウェイト18を下降させる。即ち、図14に示すようにウェイト18の自重及び制御部30が設定したエア圧力に従い廃有機物Wへの圧力を増大させる(図11のステップS6)。廃有機物Wは、圧縮力が増大して廃有機物同士がより密着し、嵩密度が大きくなることにより燻燃温度が低下して所定の温度範囲内となる。
一方、温度センサ10a、10bにより検出した温度が予め設定した所定の温度範囲よりも低い場合(図11のステップS5)、制御部30は磁化酸素ノズル12の電磁弁をより開いて(或いは全開して)、磁化酸素の供給量を増大させるとともに、ウェイト駆動シリンダー17のエア供給を電磁弁により切り替え、ウェイト18を上昇させる。即ち、図15に示すようにウェイト18を引き上げ、廃有機物Wへの圧力を減少あるいは解除する(図11のステップS7)。これにより、廃有機物Wの嵩密度が小さくなるとともに、廃有機物同士の隙間に磁化酸素がより入り込み、燻燃温度が上昇して所定の温度範囲内となる。
このようにして熱処理工程において、制御部30は、炉内温度が所定範囲内となるよう自動制御し、予め設定された時間が経過することにより、低温熱分解処理を完了する(図11のステップS8)。
このように本実施の形態にあっては、制御部30が、処理炉11内の温度を常に検出し、処理炉11内の温度が適正な処理温度となるよう磁化酸素の供給とウェイト18による廃有機物の押さえ付けを可変制御することで、すべての廃有機物に対し、ダイオキシンの発生しない低温熱分解処理を行い、均一に熱処理して効率的に炭化・セラミック化することができる。
また、処理炉11内に廃有機物を投入する投入口2において、観音開き式の一対の内扉6a、6bを設け、それぞれを独立に開閉可能な構成としたことにより、炉内における廃有機物の収容状態を変化させることができ、均一な熱処理や排出を容易にすることができる。
また、スクリューコンベア14、15におけるスクリュー羽根14b、15bのピッチが、排出方向に向かって(灰取出し口16側に向かって)徐々に大きくなるように形成されているため、熱処理後の廃有機物(熱処理後物)を出口付近(灰取出し口16側)でスクリュー羽根間に詰まらせることなく、炉内に熱処理後物を残さず効率的に排出することができる。
尚、前記した本実施の形態にあっては、磁化酸素ノズル12によって処理炉11内に磁化された酸素を供給するようにしたが、本発明にあっては、その形態に限定されるものではなく、酸素供給ノズルから磁化していない酸素を処理炉11内に供給し低温熱分解処理する構成にも適用することができる。
1 収容体
2 投入口
3 気体浄化機
4 外扉
5 仕切り壁
6a 内扉(扉)
6b 内扉(扉)
7 扉開閉シリンダー
8 回転軸
9 リンク板
10a 温度センサ
10b 温度センサ
11 処理炉
11A 処理炉
11B 処理炉
12 磁化酸素ノズル(酸素供給ノズル)
13 スクリューコンベア(排出手段)
14 スクリューコンベア
14a 回転軸
14b スクリュー羽根
15 スクリューコンベア
15a 回転軸
15b スクリュー羽根
16 灰取出し口
17 ウェイト駆動シリンダー
18 ウェイト
19 支持アーム
20 回転軸
21 リンク板
22 V字型底面
30 制御部
40a 酸素濃度計
100 低温熱分解装置
W 廃有機物

Claims (6)

  1. 廃有機物を処理する処理炉と、前記処理炉内に支持アームを介して回転軸に取り付けられ、廃有機物を押さえ付けるウェイトと、前記回転軸に連結されたウェイト駆動シリンダーと、前記ウェイト駆動シリンダーの駆動を制御する制御部と、前記処理炉内の温度を検出する温度センサと、を備え、
    前記制御部は、
    前記温度センサにより検出された温度が、予め設定した温度範囲より低い場合に、前記ウェイト駆動シリンダーにより前記ウェイトを上昇させ圧力を減少ないし解除し、
    前記温度センサにより検出された温度が、予め設定した温度範囲より高い場合に、前記ウェイト駆動シリンダーにより前記ウェイトを下降させ圧力を増大し、
    前記温度センサにより検出された温度に従い、前記ウェイト駆動シリンダーの動作を制御し、前記ウェイトによる廃有機物の圧縮力を可変することを特徴とする低温熱分解装置
  2. 前記処理炉内に設けられ、調整弁によって前記処理炉内への酸素供給を制御する酸素供給ノズルを備え、
    前記制御部は、前記温度センサにより検出された温度に従い、前記調整弁を制御し、前記酸素供給ノズルによる処理炉内への酸素供給量を可変することを特徴とする請求項1に記載された低温熱分解装置。
  3. 前記制御部は、
    前記温度センサにより検出された温度が、予め設定した温度範囲より低い場合に、前記調整弁をより開いて酸素供給ノズルによる処理炉内への酸素供給量を増加し、
    前記温度センサにより検出された温度が、予め設定した温度範囲より高い場合に、前記調整弁をより閉じて酸素供給ノズルによる処理炉内への酸素供給量を減少ないし供給停止することを特徴とする請求項2に記載された低温熱分解装置。
  4. 前記処理炉への廃有機物の投入口において、観音開き式の一対の扉を備え、
    前記一対の扉は、それぞれ独立に開閉可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された低温熱分解装置。
  5. 前記処理炉の底部に、廃有機物の処理後物を炉外に搬送するためのスクリューコンベアを備え、
    前記スクリューコンベアは、処理炉内の一端から排出口が設けられた他端に向かって延びる長尺の回転軸と、該回転軸の周りに連続して形成されたスクリュー羽根とを有し、
    前記スクリュー羽根のピッチは、前記処理炉の一端側よりも前記排出口が設けられた他端側が大きく形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された低温熱分解装置。
  6. 前記酸素供給ノズルに酸素を供給するエアポンプと、前記エアポンプから供給された酸素に対しカルマン渦を発生させるカルマン渦発生球と、前記カルマン渦を通過させ、酸素を磁化する環状のマグネットとを備え、
    前記酸素供給ノズルから磁化酸素を前記処理炉内に供給することを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載された低温熱分解装置。
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