以下、図面を参照して実施形態に係る電磁継電器1について説明する。図1は、実施形態に係る電磁継電器1の斜視図である。図2及び図3は、電磁継電器1の分解斜視図である。図4は、電磁継電器1の縦断面図である。図5及び図6は、電磁継電器1の上面図である。
電磁継電器1は、接点ブロック2と、ハウジング3と、コイルブロック4と、第1固定端子13と、第2固定端子14とを備える。接点ブロック2とコイルブロック4とは、ハウジング3内に配置されている。ハウジング3は、ベース11と、ケース12とを含む。ベース11及びケース12は、例えば樹脂製である。なお、図1では、ケース12は省略されている。ベース11は、第1固定端子13と、第2固定端子14と、接点ブロック2と、コイルブロック4とを支持する。
本実施形態において、移動方向(Y1,Y2)と、支持方向(Z1,Z2)と、横方向(X1,X2)とは、以下のように定義される。移動方向(Y1,Y2)は、接点ブロック2とコイルブロック4とが互いに並ぶ方向である。移動方向(Y1,Y2)は、第1移動方向(Y1)と第2移動方向(Y2)とを含む。第1移動方向(Y1)は、接点ブロック2からコイルブロック4に向かう方向である。第2移動方向(Y2)は、第1移動方向(Y1)と反対の方向である。第2移動方向(Y2)は、コイルブロック4から接点ブロック2に向かう方向である。
支持方向(Z1,Z2)は、移動方向(Y1,Y2)に垂直な方向である。支持方向(Z1,Z2)は、ベース11と接点ブロック2とが互いに並ぶ方向である。支持方向(Z1,Z2)は、第1支持方向(Z1)と第2支持方向(Z2)とを含む。第1支持方向(Z1)は、接点ブロック2からベース11に向かう方向である。第2支持方向(Z2)は、第1支持方向(Z1)と反対の方向である。第2支持方向(Z2)は、ベース11から接点ブロック2に向かう方向である。或いは、支持方向(Z1,Z2)は、ベース11とコイルブロック4とが互いに並ぶ方向であってもよい。
横方向(X1,X2)は、移動方向(Y1,Y2)と支持方向(Z1,Z2)とに垂直な方向である。横方向(X1,X2)は、第1横方向(X1)と第2横方向(X2)とを含む。第2横方向(X2)は、第1横方向(X1)と反対の方向である。
第1固定端子13と第2固定端子14とは、例えば銅などの導電性を有する材料で形成されている。第1固定端子13と第2固定端子14とは、それぞれ支持方向(Z1,Z2)に延びている。第1固定端子13と第2固定端子14とは、横方向(X1,X2)に互いに離れて配置されている。第1固定端子13は、ベース11に固定される。第1固定端子13の先端は、ベース11から外方へ突出している。第2固定端子14は、ベース11に固定される。第2固定端子14の先端は、ベース11から外方へ突出している。
第1固定端子13には、第1固定接点21と第3固定接点23とが接続されている。第1固定接点21と第3固定接点23とは、第1固定端子13において支持方向(Z1,Z2)に互いに離れて配置されている。第2固定端子14には、第2固定接点22と第4固定接点24とが接続されている。第2固定接点22と第4固定接点24とは、第2固定端子14において支持方向(Z1,Z2)に互いに離れて配置されている。第1~第4固定接点21-24は、例えば銀、或いは銅などの導電性を有する材料で形成されている。
接点ブロック2は、第1可動接触片15と、第2可動接触片16と、移動部材17とを含む。第1可動接触片15と第2可動接触片16とは、横方向(X1,X2)に延びている。第1可動接触片15と第2可動接触片16とは、互いに別体である。第1可動接触片15と第2可動接触片16とは、支持方向(Z1,Z2)に互いに離れて配置されている。第1可動接触片15は、支持方向(Z1,Z2)において、第2可動接触片16とベース11との間に配置されている。第1可動接触片15と第2可動接触片16とは、例えば銅などの導電性を有する材料で形成されている。
第1可動接触片15には、第1可動接点31と第2可動接点32とが接続されている。第1可動接点31と第2可動接点32とは、横方向(X1,X2)に互いに離れて配置されている。第1可動接点31は、第1固定接点21と向かい合って配置されている。第2可動接点32は、第2固定接点22と向かい合って配置されている。
第2可動接触片16には、第3可動接点33と第4可動接点34とが接続されている。第3可動接点33と第4可動接点34とは、横方向(X1,X2)に互いに離れて配置されている。第3可動接点33は、第3固定接点23と向かい合って配置されている。第4可動接点34は、第4固定接点24と向かい合って配置されている。第1~第4可動接点31-34は、例えば銀、或いは銅などの導電性を有する材料で形成されている。
移動部材17は、第1可動接触片15と第2可動接触片16とを保持している。移動部材17は、電気絶縁性を有する樹脂製である。移動部材17は、支持方向(Z1,Z2)に、ハウジング3に支持されている。移動部材17は、ハウジング3に対して移動方向(Y1,Y2)に摺動可能である。移動部材17は、閉位置と開位置とに移動可能である。図5では、移動部材17は、開位置に位置している。移動部材17が開位置で、可動接点31-34が、それぞれ固定接点21-24から開離する。図6では、移動部材17は、閉位置に位置している。移動部材17が閉位置で、可動接点31-34が、それぞれ固定接点21-24に接触する。
コイルブロック4は、電磁力によって第1可動接触片15と第2可動接触片16とを移動させる。コイルブロック4は、第1移動方向(Y1)及び第2移動方向(Y2)に第1可動接触片15と第2可動接触片16とを移動させる。第1移動方向(Y1)は、移動方向(Y1,Y2)において、可動接点31-34が固定接点21-24に接触する方向である。第2移動方向(Y2)は、移動方向(Y1,Y2)において、可動接点31-34が固定接点21-24から離れる方向である。コイルブロック4は、コイル61と、スプール62と、可動鉄心63と、固定鉄心64と、ヨーク65とを含む。
コイル61は、スプール62に巻回されている。コイル61の軸線は、移動方向(Y1,Y2)に延びている。コイル61は、コイル端子66,67に接続されている。図2及び図3に示すように、コイル端子66,67は、コイルブロック4から第1支持方向(Z1)に突出している。コイル端子66,67は、ベース11から外方へ突出している。
図4に示すように、スプール62は、移動方向(Y1,Y2)に延びるスプール孔621を含む。可動鉄心63の少なくとも一部は、スプール62のスプール孔621内に配置されている。可動鉄心63は、第1移動方向(Y1)及び第2移動方向(Y2)に移動可能に設けられている。固定鉄心64は、スプール62のスプール孔621内に配置されている。固定鉄心64は、移動方向(Y1,Y2)において、可動鉄心63と向かい合って配置されている。コイル61は、通電されることで可動鉄心63を第1移動方向(Y1)に移動させる電磁力を発生させる。
可動鉄心63は、移動部材17に接続されている。第1可動接触片15と可動鉄心63とは、移動部材17によって電気的に絶縁されている。第2可動接触片16と可動鉄心63とは、移動部材17によって電気的に絶縁されている。可動鉄心63は、移動部材17と移動方向(Y1,Y2)に一体的に移動する。可動鉄心63は、コイル61から発生する磁力に応じて第1移動方向(Y1)に移動する。この可動鉄心63の移動に伴い、移動部材17が閉位置に移動する。移動部材17の移動に伴い、第1可動接触片15と第2可動接触片16とが第1移動方向(Y1)又は第2移動方向(Y2)に移動する。
ヨーク65は、コイル61を囲むように配置されている。ヨーク65は、コイル61によって構成される磁気回路上に配置されている。ヨーク65は、第1ヨーク73と、第2ヨーク74と、第3ヨーク75と、第4ヨーク76とを含む。第1ヨーク73と第2ヨーク74とは、横方向(X1,X2)及び支持方向(Z1,Z2)に延びている。第1ヨーク73と第2ヨーク74とは、移動方向(Y1,Y2)において、コイル61と向かい合っている。コイル61は、移動方向(Y1,Y2)において、第1ヨーク73と第2ヨーク74との間に位置する。第2ヨーク74は、固定鉄心64に接続されている。
第3ヨーク75と第4ヨーク76とは、移動方向(Y1,Y2)及び支持方向(Z1,Z2)に延びている。第3ヨーク75と第4ヨーク76とは、横方向(X1,X2)において、コイル61と向かい合っている。コイル61は、横方向(X1,X2)において、第3ヨーク75と第4ヨーク76との間に位置する。
図7は、移動部材17及びその周辺の斜視図である。移動部材17は、支持部25と、接続部26と、連結部27とを含む。支持部25は、第1可動接触片15と第2可動接触片16とを支持している。接続部26は、可動鉄心63に接続される。連結部27は、支持部25と接続部26との間に位置する。連結部27は、支持部25と接続部26とを接続している。連結部27は、支持方向(Z1,Z2)において支持部25の中央部に接続される。連結部27は、支持方向(Z1,Z2)において、第1可動接触片15と第2可動接触片16との間の位置において、支持部25に接続される。連結部27は、移動方向(Y1,Y2)に延びている。
支持部25は、支持方向(Z1,Z2)に延びている。支持部25は、第1可動接触片15からベース11に向かって、第1支持方向(Z1)に延びている。図4に示すように、支持部25は、第2可動接触片16からケース12の天面123に向かって、第2支持方向(Z2)に延びている。支持部25は、第1支持孔28と、第2支持孔29と、隔壁30とを含む。第1可動接触片15は、第1支持孔28内に配置されている。第1可動接触片15は、第1可動接点31と第2可動接点32との間において、支持部25に支持されている。第1可動接触片15は、支持部25から、第1横方向(X1)と第2横方向(X2)とに延びている。
第2可動接触片16は、第2支持孔29内に配置されている。第2可動接触片16は、第3可動接点33と第4可動接点34との間において、支持部25に支持されている。第2可動接触片16は、支持部25から、第1横方向(X1)と第2横方向(X2)とに延びている。隔壁30は、第1支持孔28と第2支持孔29とを区画する。隔壁30は、第1可動接触片15と第2可動接触片16との間に配置される。
図2及び図4に示すように、ベース11は、底面55と、第1壁部56と、第2壁部57と、第3壁部58と、第4壁部59とを含む。底面55は、支持方向(Z1,Z2)において、接点ブロック2とコイルブロック4とを支持している。底面55は、接点ブロック2とコイルブロック4とに対して第1支持方向(Z1)に位置している。第1壁部56と、第2壁部57と、第3壁部58と、第4壁部59とは、底面55から第2支持方向(Z2)に延びている。
第1壁部56と第2壁部57とは、移動方向(Y1,Y2)に互いに離れて配置されている。第1壁部56と第2壁部57とは、移動方向(Y1,Y2)に移動部材17の支持部25と向かい合っている。支持部25は、移動方向(Y1,Y2)において、第1壁部56と第2壁部57との間に位置する。第1壁部56と第2壁部57とは、横方向(X1,X2)に延びている。第3壁部58と第4壁部59とは、横方向(X1,X2)に支持部25と向かい合っている。支持部25は、横方向(X1,X2)において、第1壁部56と第2壁部57との間に位置する。第3壁部58と第4壁部59とは、移動方向(Y1,Y2)に延びている。
移動部材17は、第1部材17aと第2部材17bとを含む。第1部材17aと第2部材17bとは、互いに別体である。第2部材17bは、スナップフィットにより第1部材17aに連結される。第1支持孔28と第2支持孔29とは、第1部材17aと第2部材17bとの間に設けられる。第1可動接触片15と第2可動接触片16とは、移動方向(Y1,Y2)において第1部材17aと第2部材17bとの間に保持される。第1部材17aは、連結部27に接続されている。第1部材17aは、連結部27及び接続部26と一体的に形成されている。
図4に示すように、接点ブロック2は、第1接点バネ51と第2接点バネ52とを含む。第1接点バネ51は、第1可動接触片15と支持部25との間に配置されている。第1接点バネ51は、第1支持孔28内に配置されている。第1可動接点31が第1固定接点21に接触し、且つ、第2可動接点32が第2固定接点22に接触している状態で、第1接点バネ51は、第1可動接触片15を第1固定端子13及び第2固定端子14に向けて押圧する。第1接点バネ51は、コイルバネであり、移動部材17が開位置のとき、自然長の状態にある。第1可動接触片15は、第1接点バネ51を介して、移動部材17に接続されている。
第2接点バネ52は、第2可動接触片16と支持部25との間に配置されている。第2接点バネ52は、第2支持孔29内に配置されている。第3可動接点33が第3固定接点23に接触し、且つ、第4可動接点34が第4固定接点24に接触している状態で、第2接点バネ52は、第2可動接触片16を第1固定端子13及び第2固定端子14に向けて押圧する。第2接点バネ52は、コイルバネであり、移動部材17が開位置のとき、自然長の状態にある。第2可動接触片16は、第2接点バネ52を介して、移動部材17に接続されている。
接続部26は、横方向(X1,X2)に延びている。図7に示すように、接続部26は、コア接続部37と、第1取付部38と、第2取付部39とを含む。コア接続部37は、第1取付部38と第2取付部39との間に位置する。コア接続部37は、連結部27に接続されている。図4及び図7に示すように、コア接続部37は、孔43と係止溝44とを含む。孔43は、支持方向(Z1,Z2)に延びている。孔43は、第1支持方向(Z1)に向かって開かれている。係止溝44は、孔43に連通しており、第2支持方向(Z2)に向かって延びている。係止溝44の幅は、孔43の幅よりも狭い。
可動鉄心63は、筒部71と、軸部77と、ヘッド部78とを含む。軸部77は、筒部71から移動部材17側へ突出している。軸部77の外径は、筒部71の外径よりも小さい。ヘッド部78の外径は、軸部77の外径よりも大きい。ヘッド部78の外径は、係止溝44の幅よりも大きい。軸部77は、係止溝44内に配置される。ヘッド部78は、孔43内に配置される。
図7に示すように、第1取付部38は、コア接続部37から第1横方向(X1)に延びている。第1取付部38は、第1突起45を含む。第1突起45は、第1取付部38からコイルブロック4に向かって突出している。第2取付部39は、コア接続部37から第2横方向(X2)に延びている。第2取付部39は、第2突起46を含む。第2突起46は、第2取付部39からコイルブロック4に向かって突出している。
電磁継電器1は、第1復帰バネ53と第2復帰バネ54とを含む。第1復帰バネ53と第2復帰バネ54とは、移動部材17とコイルブロック4との間に配置されている。第1復帰バネ53は、コア接続部37に対して、第1横方向(X1)に位置する。第2復帰バネ54は、コア接続部37に対して、第2横方向(X2)に位置する。言い換えれば、コア接続部37は、横方向(X1,X2)において第1復帰バネ53と第2復帰バネ54との間に位置する。第1復帰バネ53と第2復帰バネ54とは、移動部材17を第2移動方向(Y2)に付勢する。第1突起45には、第1復帰バネ53が取り付けられる。第2突起46には、第2復帰バネ54が取り付けられる。
次に、電磁継電器1の動作について説明する。コイル61に通電されていないときには、コイルブロック4は励磁されていない。この場合、移動部材17は、可動鉄心63と共に、復帰バネ53,54の弾性力によって第2移動方向(Y2)に押圧されており、移動部材17が図5に示す開位置に位置している。この状態では、移動部材17を介して、第1可動接触片15及び第2可動接触片16も第2移動方向(Y2)に押圧されている。従って、移動部材17が開位置で、第1可動接点31及び第2可動接点32は、第1固定接点21及び第2固定接点22から開離している。同様に、移動部材17が開位置で、第3可動接点33及び第4可動接点34は、第3固定接点23及び第4固定接点24から開離している。
コイル61に通電されると、コイルブロック4が励磁される。この場合、コイル61の電磁力により、可動鉄心63が、復帰バネ53,54の弾性力に抗して、第1移動方向(Y1)に移動する。それにより、移動部材17と第1可動接触片15と第2可動接触片16とが共に第1移動方向(Y1)に移動する。従って、図6に示すように、移動部材17は、閉位置へ移動する。その結果、移動部材17が閉位置で、第1可動接点31及び第2可動接点32は、第1固定接点21及び第2固定接点22にそれぞれ接触する。同様に、移動部材17が閉位置で、第3可動接点33及び第4可動接点34は、第3固定接点23及び第4固定接点24にそれぞれ接触する。それにより、第1可動接触片15及び第2可動接触片16とは、第1固定端子13と第2固定端子14に対して、電気的に接続される。
コイル61への電流が停止され消磁されると、可動鉄心63は、復帰バネ53,54の弾性力によって第2移動方向(Y2)に押圧される。それにより、移動部材17と第1可動接触片15と第2可動接触片16とが共に第2移動方向(Y2)に移動する。従って、図5に示すように、移動部材17は、開位置へ移動する。その結果、移動部材17が開位置で、第1可動接点31及び第2可動接点32は、第1固定接点21及び第2固定接点22から開離する。同様に、移動部材17が開位置で、第3可動接点33及び第4可動接点34は、第3固定接点23及び第4固定接点24から開離する。
次に、第1、第2固定端子13,14のベース11への固定構造について説明する。図8は、ベース11と第1、第2固定端子13,14との斜視図である。図9は、ベース11と第1、第2固定端子13,14との下面図である。なお、以下の説明において、下方は、第1支持方向(Z1)を意味する。上方は、第2支持方向(Z2)を意味する。図8及び図9に示すように、電磁継電器1は、固定部材80を備えている。第1、第2固定端子13,14は、固定部材80によって、ベース11に固定される。ベース11は、例えば、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂製である。
図10及び図11は、ベース11と固定部材80の分解図である。図12は、図9におけるXII-XII断面図である。図10及び図11に示すように、ベース11は、第1孔91と、第2孔92と、開口93とを含む。第1孔91と第2孔92とは、上下方向にベース11を貫通している。開口93は、第1孔91及び第2孔92に隣接している。図9に示すように、第1孔91内には、第1固定端子13が配置される。第1固定端子13は、第1孔91を通って延びている。第2孔92内には、第2固定端子14が配置される。第2固定端子14は、第2孔92を通って延びている。開口93は、ベース11の下面に配置されている。開口93は、第1孔91及び第2孔92に隣接している。
固定部材80は、ベース11と別体である。固定部材80は、熱硬化性樹脂よりも高い弾性を有する材料で形成されている。固定部材80は、例えば、ナイロン製である。固定部材80は、第1固定端子13と第2固定端子14とをベース11に固定する。図11に示すように、固定部材80は、第1支持壁81と、第2支持壁82と、連結部83とを含む。第1支持壁81と、連結部83と、第2支持壁82は、互いに一体的に形成されている。
第1支持壁81は、連結部83から上方へ延びている。第1支持壁81は、第1固定端子13に沿って上方へ延びている。第1支持壁81は、第1孔91の内面と第1固定端子13との間に配置される。第1支持壁81の上面は、ベース11の底面55よりも上方に位置している。第1支持壁81の上面には、第1凹部84が配置されている。第1凹部84は、第1固定端子13に臨んでいる。第1凹部84は、第1固定端子13側に開かれている。
図8及び図12に示すように、第1凹部84には、第1接着剤85が充填されている。なお、図8では、理解の容易のために、第1接着剤85にハッチングが付されている。第1接着剤85は、固化されており、第1支持壁81と第1固定端子13とを接着している。第1接着剤85は、固定部材80よりも硬い材料製である。すなわち、第1接着剤85は、固定部材80よりも高い剛性を有する。第1接着剤85は、例えばエポキシ樹脂系の接着材である。
第2支持壁82は、第1支持壁81と横方向(X1,X2)に並んでいる。第2支持壁82は、連結部83から上方へ延びている。第2支持壁82は、第2固定端子14に沿って上方へ延びている。第2支持壁82は、第2孔92の内面と第2固定端子14との間に配置される。第2支持壁82の上面は、ベース11の底面55よりも上方に位置している。第2支持壁82の上面には、第2凹部86が配置されている。第2凹部86は、第2固定端子14に臨んでいる。第2凹部86は、第2固定端子14側に開かれている。
第2凹部86には、第2接着剤87が充填されている。なお、理解の容易のために図8では、第2接着剤87にハッチングが付されている。第2接着剤87は、固化されており、第2支持壁82と第2固定端子14とを接着している。第2接着剤87は、固定部材80よりも硬い材料製である。すなわち、第2接着剤87は、固定部材80よりも高い剛性を有する。第2接着剤87は、例えばエポキシ樹脂系の接着材である。
連結部83は、第1支持壁81と第2支持壁82とを連結している。連結部83は、横方向(X1,X2)に延びている。連結部83の高さは、第1支持壁81及び第2支持壁82の高さよりも低い。連結部83は、開口93内に配置される。
固定部材80は、複数の第1突起88a,88bと、複数の第2突起89a,89bとを含む。複数の第1突起88a,88bと、複数の第2突起89a,89bとは、連結部83から突出している。複数の第1突起88a,88bと、複数の第2突起89a,89bとは、開口93内に配置される。複数の第1突起88a,88bと、複数の第2突起89a,89bとは、開口93の内面へ向かって突出している。複数の第1突起88a,88bは、移動方向(Y1,Y2)において、第1支持壁81と並ぶ。複数の第2突起89a,89bは、移動方向(Y1,Y2)において、第2支持壁82と並ぶ。複数の第1突起88a,88bと複数の第2突起89a,89bとは、開口93の内面に接触しており、固定部材80は、圧入により、開口93内に配置されている。
図13は、第1突起88aの拡大図である。図13に示すように、第1突起88aは、曲面状の先端881を含む。他の第1突起88b及び第2突起89a,89bは、第1突起88aと同じ形状を有している。第1突起88a,88bの数は、2つに限らず、1つであってもよい。或いは、第1突起88a,88bの数は、2つより多くてもよい。第2突起89a,89bの数は、2つに限らず、1つであってもよい。或いは、第2突起89a,89bの数は、2つより多くてもよい。
図9及び図10に示すように、ベース11は、第1切り欠き94と第2切り欠き95とを含む。第1切り欠き94は、ベース11の下面において、第1孔91の縁に配置されている。第1切り欠き94は、第1固定端子13に臨んでいる。第2切り欠き95は、ベース11の下面において、第2孔92の縁に配置されている。第2切り欠き95は、第2固定端子14に臨んでいる。
以上説明した本実施形態に係る電磁継電器1では、ベース11は熱硬化性樹脂製である。そのため、高い耐熱性を有している。また、第1固定端子13と第2固定端子14とは、固定部材80によって、ベース11に固定される。固定部材80は、熱硬化性樹脂よりも高い弾性を有している。そのため、ベース11の割れ、或いは樹脂屑の発生が抑えられる。さらに、第1固定端子13と第1支持壁81とは、第1接着剤85によって接着されている。第2固定端子14と第2支持壁82とは、第2接着剤87によって接着されている。そのため、第1固定端子13と第2固定端子14とが、固定部材80に強固に固定される。また、電磁継電器1の動作時に、第1固定端子13と第2固定端子14とのバウンスが抑えられる。
ベース11に、第1切り欠き94と第2切り欠き95とが設けられている。電磁継電器1の組み立て時には、第1固定端子13が第1孔91に配置された状態で、第1切り欠き94に接着剤を充填することで、第1固定端子13をベース11に仮止めすることができる。また、第2固定端子14が第2孔92に配置された状態で、第2切り欠き95に接着剤を充填することで、第2固定端子14をベース11に仮止めすることができる。その後、固定部材80をベース11に取り付けることで、第1固定端子13と第2固定端子14とのベース11への固定が容易になる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、コイルブロック4が、移動部材17を第2移動方向(Y2)に押し出すことで、可動接点31-34が固定接点21-24から開離する。また、コイルブロック4が移動部材17を第1移動方向(Y1)に引き込むことで、可動接点31-34が固定接点21-24に接触する。しかし、接点を開閉するための移動部材17の動作方向は、上記の実施形態と逆であってもよい。すなわち、コイルブロック4が移動部材17を第2移動方向(Y2)に押し出すことで、可動接点31-34が固定接点21-24に接触してもよい。コイルブロック4が移動部材17を第1移動方向(Y1)に引き込むことで、可動接点31-34が固定接点21-24から開離してもよい。
第1固定端子13、第2固定端子14、第1可動接触片15、及び第2可動接触片16の形状、或いは配置が変更されてもよい。例えば、第1固定端子13と第2固定端子14とは、上記の実施形態と異なる方向にベース11から突出してもよい。第1可動接触片15と第2可動接触片16とは、一体であってもよい。すなわち、一体の可動接触片に、第1~第4可動接点31-34が接続されてもよい。或いは、第2可動接触片16と第3、第4可動接点33,34と、第3、第4固定接点23,24とは、省略されてもよい。
コイル61、スプール62、可動鉄心63、固定鉄心64、或いはヨーク65の形状、或いは配置が変更されてもよい。第1~第4固定接点21-24の形状、或いは配置が変更されてもよい。第1~第4可動接点31-34の形状、或いは配置が変更されてもよい。ベース11の形状は、変更されてもよい。
第1固定接点21、及び/又は、第3固定接点23は、第1固定端子13と一体であってもよい。第1固定接点21、及び/又は、第3固定接点23は、第1固定端子13の一部であって、第1固定端子13の他の部分と面一であってもよい。第2固定接点22、及び/又は、第4固定接点24は、第2固定端子14と一体であってもよい。第2固定接点22、及び/又は、第4固定接点24は、第2固定端子14の一部であって、第2固定端子14の他の部分と面一であってもよい。
第1可動接点31、及び/又は、第2可動接点32は、第1可動接触片15と一体であってもよい。第1可動接点31、及び/又は、第2可動接点32は、第1可動接触片15の一部であって、第1可動接触片15の他の部分と面一であってもよい。第3可動接点33、及び/又は、第4可動接点34は、第2可動接触片16と一体であってもよい。第3可動接点33、及び/又は、第4可動接点34は、第2可動接触片16の一部であって、第2可動接触片16の他の部分と面一であってもよい。
移動部材17の形状は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。第1部材17aの形状が変更されてもよい。例えば、第1部材17aは、連結部27及び接続部26と別体であってもよい。第2部材17bの形状が変更されてもよい。連結部27の形状が変更されてもよい。接続部26の形状が変更されてもよい。
ベース11、固定部材80、第1接着剤85、及び第2接着剤87の材料は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。ベース11の形状は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、第1孔91と第2孔92の位置、或いは形状は変更されてもよい。開口93の位置、或いは形状は変更されてもよい。第1切り欠き94、及び、第2切り欠き95の位置、或いは形状は変更されてもよい。第1切り欠き94、及び、第2切り欠き95は、省略されてもよい。
固定部材80の形状は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、第1支持壁81と第2支持壁82との位置、或いは形状が変更されてもよい。連結部83の位置、或いは形状は、変更されてもよい。第1突起88a,88b、及び、第2突起89a,89bの位置、或いは形状は、変更されてもよい。第1突起88a,88b、及び、第2突起89a,89bは、省略されてもよい。固定部材80は、2つ以上の部品に分割されていてもよい。例えば、固定部材80は、連結部83において分割されてもよい。第1固定端子13と第2固定端子14とは、それぞれ分割された部品で固定されてもよい。