JP7396530B2 - 化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、化粧シートに関する。
化粧シートは、住宅建築が産業として発展する過程で開発され、発展をしてきた。もともと、住宅には、木材や石材等、地域の特性に合わせた材料が用いられてきたが、住宅産業の発展と共に工業化が進み、天然素材から人工素材への転換が行われてきた。また、近年では、高級な木材や石材を多用することが、森林破壊や環境問題に繋がる恐れがあることも、化粧シートの需要を拡大させる一要因となっている。例えば、合板、MDF(中質繊維版)、パーティクルボード等の木質基材、樹脂基材、無機不燃基材、金属基材等に化粧シートを貼り合わせた化粧材が広く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
また、化粧シートの意匠としては、木材や石材等の表面を模されることが多い。
特許第5045180号公報
ところで、化粧シートは、本物の木材や石材等と比較すると、表面の質感が平坦になりやすい。実際の木材や石材は、表面の材質や構造等の違いによって場所ごとに凹凸に差があり質感の差が存在する。質感が違う部分では色味も異なることが多いが、化粧シートではその表現がされておらず、意匠面では高価な本物の方が大きく優れている。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、より本物に近い質感を持ち、優れた意匠性を有する化粧シートを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、絵柄層を有する化粧シートであって、着色樹脂層の一方の面に順に積層された絵柄層と透明樹脂層と表面保護層と、着色樹脂層の他方の面に積層された、着色樹脂層よりも所定波長の光に対して光吸収性を有する所定の材料が絵柄層の絵柄と同調して配置されたパターン層と、を備え、所定の材料は、カーボンブラックを有する墨インキであり、表面保護層の、平面視で前記所定の材料で形成される部分と重なる位置に、エンボス部が形成され化粧シート、が提供される。
本発明の一態様によれば、建材に使用される木材や石材等の表面の質感に近い質感を持ち、優れた意匠性を有する化粧シートを得ることができる。
本発明の一実施形態に係る化粧シートの製造方法により作成した化粧シートの一例を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る化粧シートの作製手順の一例を模式的に示す工程図である。
以下、図面を参照して、本技術の実施形態を説明する。本実施形態では、床用又は建具用の化粧シート及び化粧材を例に挙げて説明するが、他の部位に使用する化粧シートであってもよい。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、及び構造等が下記のものに特定されるものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
本発明の一実施形態に係る化粧シートの製造方法は、絵柄と同調するエンボス形状を有する化粧シートの製造方法であって、着色樹脂層の一方の面に、絵柄層と透明樹脂層と表面保護層とをこの順に積層する工程と、前記着色樹脂層の他方の面に、前記着色樹脂層よりも所定波長の光に対して光吸収性を有する所定の材料を利用して前記絵柄と同調するパターン層を形成する工程と、前記所定波長の光のパワーが他の波長の光のパワーよりも強い照射光を照射する工程と、前記照射光を照射する工程の後に、前記表面保護層に前記エンボス形状形成用のエンボス版を版押しする工程と、を備えた化粧シートの製造方法である。
また、本発明の他の実施形態に係る化粧シートは、絵柄層を有する化粧シートであって、着色樹脂層の一方の面に順に積層された絵柄層と透明樹脂層と表面保護層と、前記着色樹脂層の他方の面に積層された、前記着色樹脂層よりも所定波長の光に対して光吸収性を有する所定の材料が前記絵柄層の絵柄と同調して配置されたパターン層と、を備え、前記表面保護層の、平面視で前記所定の材料で形成される部分と重なる位置に、エンボス部が形成されている化粧シートである。
本発明の一実施形態に係る化粧シートの製造方法によって形成される化粧シート1は、例えば図1に示すように、着色熱可塑性樹脂層2と、絵柄層5と、透明熱可塑性樹脂層(透明樹脂層)6と、表面保護層7とがこの順に積層して形成され、表面保護層7には、エンボス部(エンボス形状)7aが形成されている。また、着色熱可塑性樹脂層2の、絵柄層5とは逆側の面には、グロスマット発現用柄部3からなるパターン層8aと、プライマー層8とが形成されている。
〔着色熱可塑性樹脂層〕
基材としての着色熱可塑性樹脂層2は、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン- アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等が挙げられる。なかでも環境適合性や加工性、価格の点でポリオレフィン系樹脂を好ましく用いることができる。樹脂のグレードや組成は、その他にシーティングの容易さや印刷適性、曲げ加工に対する適性を考慮して選択することができる。
着色熱可塑性樹脂層2としては、絵柄層5の下地色として色相を適宜、選択することができる。着色熱可塑性樹脂層2は、例えば熱可塑性樹脂のシーティングに際して、顔料等の着色剤を混合、練りこむ等しておくことで着色ができる。或いはグロスマット発現用柄部3を設ける前にベタインキ層として、コーティングあるいは印刷の手法を用いて着色層を設けることもできる。
〔絵柄層〕
絵柄層5は、化粧シート1に意匠性を付与するために、絵柄模様が印刷された印刷層である。絵柄層5の形成方法としては、既知の印刷手法を採用できる。印刷手法は、特に限定されるものではないが、生産性、絵柄の品質を考慮すれば、グラビア印刷法が好ましい。また例えば、着色熱可塑性樹脂層2が巻取りの状態で用意できる場合には、ロールツーロールの印刷装置を用いることで、絵柄層5の形成のための印刷を行うことができる。これらの他にも、印刷手法としては、例えば、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法、転写シートからの転写印刷法等が挙げられる。このような印刷手法を用いる場合、絵柄層5の絵柄模様は、通常の黄色、赤色、青色及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成することができる他、絵柄模様を構成する個々の色の板を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成することができる。
また、絵柄層5の絵柄模様は、床材又は建具としての意匠性を考慮して任意の絵柄模様を採用すればよい。例えば、大理石等の石材の床をイメージして、大理石の石目等を絵柄模様とすることもできる。また、例えば、木質系の絵柄であれば、各種木目、コルクを絵柄模様とすることもできる。また、例えば、天然材料の絵柄模様以外にも、これらをモチーフとした人工的絵柄模様や幾何学模様等の人工的絵柄模様も用いることができる。これらの他にも、絵柄模様としては、例えば、年輪断面の春材領域及び秋材領域、導管部等から構成される木目模様、レザー(皮シボ)模様、大理石、花崗岩、砂岩等の石材表面の石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様、草花模様、風景、キャラクター等が挙げられる。
印刷インキは、溶剤と、着色剤、バインダー樹脂等の固形分との混合物である。
溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸-2-メトキシエチル、酢酸-2-エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。溶剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、バインダー樹脂としては、塩素系樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)、酢酸セルロース樹脂等が挙げられる。塩素系樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン-塩化ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-(メタ)アクリル共重合体等のポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化プロピレン、塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリルは、アクリル又はメタクリルの意味である。バインダー樹脂は、1種の単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
また、着色剤としては、例えば、カーボンブラック、鉄黒、チタン白(酸化チタン)、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料等が挙げられる。着色剤は、1種の単独でもよいし、2種以上を組み合わせでもよい。
ここで、印刷インキに含まれる溶剤は、最終的に揮発する。そのため、絵柄層5は、主として、着色剤、バインダー樹脂等の固形分により形成される。
また、印刷インキは、その他の成分として、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を含んでもよい。印刷インキとしては、印刷方式に応じたインキを採用すればよい。特に、着色熱可塑性樹脂層2に対する密着性や印刷適性、床材又は建具としての耐候性を考慮して選択することが好ましい。絵柄層5の厚さは、絵柄層5に求められる装飾性、化粧シート1の三次元成形性等を考慮して適宜調整できる。絵柄層5の厚さは、通常1μm以上1mm以下、好ましくは2μm以上0.1mm以下、さらに好ましくは2μm以上50μm以下である。
絵柄層5と透明熱可塑性樹脂層6との接着性向上を目的として、絵柄層5の透明熱可塑性樹脂層6と接する側の面に接着層(不図示)を設けてもよい。これらの接着を強固にすることによって、化粧シート1に対し、曲面や直角面に追随する曲げ加工性を付与することができる。接着層(不図示)に用いる樹脂は、特に限定されるものではない。例えば、2液硬化型ウレタン系樹脂を採用できる。また、接着性樹脂をウレタン系接着剤により絵柄層5に接着してもよい。接着層(不図示)に用いる樹脂の塗布には、例えば、コーティング装置、グラビア印刷装置を採用できる。
また、化粧シート1の奥行感や、輝度感といった意匠効果を好適に付与することを目的として、絵柄層5と透明熱可塑性樹脂層6との間に光輝性層(不図示)を設けてもよい。光輝性層(不図示)は、光輝性顔料及びバインダー樹脂を含むことが好ましい。光輝性顔料としては、パール顔料及び金属顔料等が挙げられる。特に、パール顔料は、光輝性層の光透過率が低下することを抑制できるため、絵柄層5の視認性を損なわないため好ましい。
パール顔料は、真珠光沢を付与し得る顔料である。例えば、母体粒子の表面を金属酸化物で被覆したものが挙げられる。母体粒子としては、雲母等の鱗片状粒子が好ましい。金属酸化物としては、チタン、鉄、ジルコニウム、ケイ素、アルミニウム及びセリウム等金属の酸化物が挙げられる。金属酸化物は、1種単独でもよいし、2種類以上であってもよい。具体例としては、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、紺青被覆雲母チタン、紺青-酸化鉄被覆雲母チタン、酸化クロム被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆合成マイカ等の酸化物被覆雲母;酸化チタン被覆ガラス粉末、酸化鉄被覆ガラス粉末等の酸化物被覆ガラス粉末;酸化チタン被覆アルミニウム粉末等の酸化物被覆金属粒子;塩基性炭酸鉛、砒酸水素鉛、酸化塩化ビスマス等の鱗片状箔片;魚鱗粉、貝殻片、真珠片等が挙げられる。
また、金属顔料としては、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、錫、亜鉛、銅、ニッケル、金粉及び銀等の金属、これらの金属の合金等からなる顔料が挙げられる。金属顔料は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
光輝性顔料の平均粒子径は、優れた意匠効果を付与する観点から、例えば、グラビア印刷を用いて光輝性層を形成する場合には、40μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。同様の観点から、[光輝性顔料の平均粒子径/光輝性層の厚み]の比は、0.01以上15以下であることが好ましく、0.5以上10以下であることがより好ましい。なお、本明細書において、「平均粒子径」とは、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50として求めることができる値である。
また、バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂、硬化型樹脂組成物の硬化物等が挙げられ、耐久性の観点から硬化型樹脂組成物の硬化物が好ましい。硬化型樹脂組成物の硬化物としては、熱硬化型樹脂組成物の硬化物及び電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化物が挙げられる。層間密着性の観点からは、熱硬化型樹脂組成物の硬化物が好ましい。
光輝性層に用いられる熱硬化型樹脂組成物としては、ポリエステル樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、ポリウレタン樹脂組成物、アミノアルキッド樹脂組成物、メラミン樹脂組成物、グアナミン樹脂組成物、尿素樹脂組成物及び熱硬化型アクリル樹脂組成物等が挙げられる。これら熱硬化型樹脂組成物は、各樹脂を構成するモノマー及び/又はプレポリマーと、必要に応じて添加する硬化剤等が挙げられる。光輝性層に用いられる電離放射線硬化型樹脂組成物としては、後述する表面保護層7の電離放射線硬化型樹脂組成物と同様のものを用いることができる。
光輝性層中における光輝性顔料の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上90質量部以下であることが好ましく、50質量部以上80質量部以下であることがより好ましい。光輝性顔料の含有量を10質量部以上とすることにより、艶感を充分に付与することができ、90質量部以下とすることにより、後述する絵柄層の視認性が損なわれることを抑制できる。同様の観点から、光輝性層の厚みは、1μm以上30μm以下であることが好ましく、5μm以上20μm以下であることがより好ましい。
光輝性層は、付与したい意匠によって任意のパターンを形成することができる。例えば、木目模様、レザー模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様、草花模様、風景、キャラクター等が挙げられる。また、任意のパターンは、意匠効果をより高めるために、濃淡を有することが好ましい。濃淡は、網点の大小や網点の厚みから形成してもよいが、網点の粗密から形成すること(つまり、網点の大きさは均一として網点の密度で濃淡を形成すること)が好ましい。
光輝性層は、例えば、光輝性顔料及びバインダー樹脂を含む塗布液を、グラビア印刷等の汎用の印刷手段で形成できる。なお、光輝性層の濃淡を網点の粗密から形成する場合、印刷版の網点をFM(frequency modulation)スクリーンによって形成すればよい。
〔透明熱可塑性樹脂層〕
透明熱可塑性樹脂層6は、意匠的に厚みや深みを出すとともに、化粧シート1の耐候性、耐磨耗性能が向上するように、絵柄層5を保護して良好な表面物性を付与するための樹脂層である。透明熱可塑性樹脂層6の材料としては、例えば、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂)を用いることができる。特に、環境適合性、加工性、価格を考慮すれば、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。また、樹脂のグレードや組成は、環境適合性、加工性、価格の他にも、シーティングの容易さ、印刷適性、曲げ加工に対する適性を考慮して選択することができる。曲げ加工に対する適性としては、曲げ部の白化や割れが発生しないことを考慮して選択することが重要である。
透明熱可塑性樹脂層6の形成方法としては、ラミネート手法を採用することができる。また、例えば、透明熱可塑性樹脂層6と接着層(不図示)とを同時に形成する場合、共押し出しで両者を同時に押し出して形成する方法を採用できる。
〔表面保護層〕
表面保護層7は、化粧シート1に耐磨耗性等の表面物性を付与するための層である。また、表面保護層7は、化粧シート1の表面の光沢を調節するための層でもある。表面保護層7は、単層でもよく、多層でもよい。例えば、表面保護層7として、透明熱可塑性樹脂層6の上に、第1表面保護層(不図示)及び第2表面保護層(不図示)の2層をこの順に設けることもできる。第1表面保護層(不図示)および第2表面保護層(不図示)からなる表面保護層7を設ける場合には、それぞれの層を、硬化型樹脂の種類に応じて、既知のコーティング装置、熱乾燥装置、電離放射線照射装置を用いて塗布、塗膜の硬化を行えばよい。
表面保護層7は、硬化型樹脂を主成分とする。すなわち、表面保護層7の樹脂成分が実質的に硬化型樹脂から構成されることが好ましい。実質的とは、例えば、樹脂全体を100質量部とした場合に80質量部以上を指す。表面保護層7には、必要に応じて、耐侯剤、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤、溶剤等を含んでもよい。
表面保護層7の材料としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂、2液硬化型ウレタン系樹脂を採用できる。電離放射線硬化型樹脂としては、特に限定されるものではない。例えば、赤外線、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)および/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂を採用できる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数を混合して使用できる。具体的には、プレポリマー又はモノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物が挙げられる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子量としては、250~10万程度が好ましい。
また、ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。
また、ポリエン系のプレポリマーとしては、例えば、ジオールおよびジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したものが挙げられる。また、チオール系のプレポリマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールが挙げられる。
電離放射線としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂(組成物)中の分子を硬化反応させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子を採用できる。硬化反応としては、例えば、架橋硬化反応が挙げられる。また、紫外線源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源を採用できる。紫外線の波長としては、例えば、190nm以上380nm以下が好ましい。また、電子線源としては、例えば、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の電子線加速器を採用できる。特に、100keV以上1000keV以下のエネルギーをもつ電子(より好ましくは100keV以上300keV以下のエネルギーをもつ電子)を照射できるものが好ましい。
また、2液硬化型ウレタン系樹脂は、特に限定されるものではない。例えば、主剤としてOH基を有するポリオール成分と、硬化剤成分としてイソシアネート成分とを含むものを採用できる。OH基を有するポリオール成分としては、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオールが挙げられる。また、イソシアネート成分としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネートが挙げられる。
〔エンボス部〕
表面保護層7の表面には、所与の意匠性を付与するために、凹凸模様からなるエンボス部7aが形成されている。凹凸模様としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝が挙げられる。このエンボス部7aは、その凹凸模様が絵柄層5の絵柄と同調するように設けられる。
凹凸模様の形成方法としては、例えば、エンボス加工を採用できる。エンボス加工の方法は、特に限定されない。例えば、公知の枚葉式のエンボス機、輪転式のエンボス機を採用できる。
〔グロスマット発現用柄部〕
グロスマット発現用柄部3は、所定波長の光に対して光吸収性を有する材料で形成され、例えば赤外線吸収作用を有する材料で形成される。グロスマット発現用柄部3は、カーボンブラックを有する墨インキを含む材料で形成され、例えば、ウレタン系印刷インキで形成される。グロスマット発現用柄部3は、絵柄層5の絵柄と同調する位置に配置される。例えば、木目模様の絵柄層5である場合には、平面視で絵柄層5の木目板導管溝と重なる位置にグロスマット発現用柄部3が形成される。なお、ここでいう同調とは平面視でグロスマット発現用柄部3と絵柄層5の絵柄とが重なる位置に形成されていることを言う。
グロスマット発現用柄部3の厚みは、後述のエンボス加工時に、表面保護層7に凹凸形状を十分に形成することができる程度に透明熱可塑性樹脂層6及び表面保護層7を軟化させることができる厚みであればよい。また、十分なグロスマット効果を得るためには、グロスマット発現用柄部3が形成された部分と、形成されていない部分との光沢度差が5以上あることが好ましく、すなわち画像濃度水準が60%以上であることが好ましい。
〔所定波長の光〕
前述のように、グロスマット発現用柄部3は、所定波長の光に対して光吸収性を有する材料で形成される。所定波長の光とは、例えば、赤外線、紫外線、可視光線、電子線、X線、イオン線などがあげられる。
〔パターン層〕
パターン層8aは、着色熱可塑性樹脂層2の、絵柄層5とは逆側の面に形成される。パターン層8aは、例えば赤外線に対して光吸収性を有する材料で形成されるグロスマット発現用柄部3のみから構成される。
〔プライマー層〕
プライマー層8は、下地となる層であって、化粧シート1を貼り付ける図示しない基材との密着性及び耐食性を向上させるための層である。プライマー層8は、パターン層8aの、着色熱可塑性樹脂層2とは逆側に設けられている。
プライマー層8は、例えば、ポリエステル系樹脂、有機添加剤、顔料等を用いて形成される。プライマー層8には、耐食性を向上させる目的で防錆顔料を配合してもよい。プライマー層8の厚さは、例えば、1μm以上10μm以下の範囲内である。
〔化粧シートの製造方法〕
次に、本実施形態に係る化粧シートの製造方法の一例を、図2を伴って説明する。
まず、着色熱可塑性樹脂層2を形成する。例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート樹脂)を用いて、例えば厚さ50μmで形成する(図2(a))。
次に、着色熱可塑性樹脂層2の上に、例えばウレタン系印刷インキを用いて絵柄層5を印刷し、さらに絵柄層5の上に透明熱可塑性樹脂層6として例えば厚さ38μmのPP(ポリプロピレン)を積層する。そして、透明熱可塑性樹脂層6の上に、表面保護層7を積層する。
次に、着色熱可塑性樹脂層2の、絵柄層5とは逆側の面に、グロスマット発現用柄部3を形成しパターン層8aを形成する。例えばカーボンブラックを含むウレタン系の墨インキを用いて、絵柄層5の絵柄と同調する所定の位置にグロスマット発現用柄部3を形成する(図2(b))。
次に、グロスマット発現用柄部3を含む着色熱可塑性樹脂層2の上に、グロスマット発現用柄部3どうしの隙間を埋めると共に、その上面を覆うように、例えばポリエステル系樹脂からなるプライマー層8を積層する。
続いて、これら各層が積層された積層体全体に赤外線(照射光)照射を行い(図2(d))、赤外線照射の直後に表面保護層7の表面にエンボスロール等のエンボス版を版押しする(図2(e))。これによってエンボス部7aが形成され、化粧シート1が形成される。
ここで、グロスマット発現用柄部3は、赤外線吸収特性を有する墨インキで形成されている。そのため、積層体に赤外線照射を行うと、平面視で表面保護層7の、グロスマット発現用柄部3と重なる部分は、グロスマット発現用柄部3と重ならない部分と比較して、透明熱可塑性樹脂層6及び表面保護層7が軟化しやすい。つまり、赤外線照射を行った後の透明熱可塑性樹脂層6及び表面保護層7には、軟化しやすい部分と軟化しにくい部分とが存在する。そのため、この状態で透明熱可塑性樹脂層6及び表面保護層7にエンボス版を版押しすると、軟化した部分は凹凸が形成されやすく、軟化しにくい部分は凹凸が形成されにくい。そのため、透明熱可塑性樹脂層6及び表面保護層7の軟化した部分、すなわち、平面視でグロスマット発現用柄部3と重なる部分には凹凸が形成されやすい。そのため、平面視で透明熱可塑性樹脂層6及び表面保護層7のグロスマット発現用柄部3と重なる位置のみにグロスマット発現用柄部3と同調した凹凸形状からなるエンボス部7aが形成され易くなる。
これによって、絵柄層5と同調した位置にエンボス部7aを形成することができ、すなわち、高精度な位置決め操作を行うことなく、絵柄層5と同調したエンボス部7aを容易に作成することができる。
なお、赤外線照射を行った後に透明熱可塑性樹脂層6及び表面保護層7にエンボス版を版押しするタイミングは、赤外線照射を行った直後に限るものではなく、透明熱可塑性樹脂層6及び表面保護層7の表面に版押しすることで、赤外線照射により軟化した部分に選択的に凹凸形状を形成することができるタイミングであればよい。
また、表面保護層7を作成する工程と、赤外線照射を行う工程との間に、他の工程が含まれていてもよく、要は、赤外線照射は、透明熱可塑性樹脂層6及び表面保護層7が形成されている状態で行われればよい。
〔本実施形態の効果〕
(1)本実施形態に係る化粧シート1の製造方法によれば、各層が積層された積層体に赤外線照射を行った後にエンボス版を版押しすることで、平面視で、グロスマット発現用柄部3と重なる部分に強くエンボス加工を行うことができる。つまり、エンボス版を版押しする領域の位置決め等を高精度に行わなくとも、所望の位置に容易にエンボス部を形成することができる。その結果、優れた意匠性を有する化粧シートを容易に得ることができる。
(2)また、グロスマット発現用柄部3を、着色熱可塑性樹脂層2の下層に設けているため、化粧シート1を、表面保護層7側から見たときに、グロスマット発現用柄部3の視認性が低くなる。その結果、グロスマット発現用柄部3として赤外線吸収特性を有する濃度の高い墨インキを用いているが、化粧シート1を表面保護層7側から見たときに、グロスマット発現用柄部3が視認されることを抑制することができる。このため、絵柄層5として濃色柄を用いなくとも、墨インキを含むグロスマット発現用柄部3が視認されることを抑制することができ、その結果、絵柄層5として淡色柄を採用することも可能となり、グロスマット発現用柄部3を設けることにより生じる、絵柄層5による柄表現の制約を抑制することができる。
また、赤外線吸収特性を有する濃度の高い墨インキを用いたグロスマット発現用柄部3からなるパターン層8aの上に、着色熱可塑性樹脂層2及び絵柄層5、さらに、透明熱可塑性樹脂層6及び表面保護層7を積層し、表面保護層7の平面視でグロスマット発現用柄部3と重なる位置に、エンボス部7aを形成しているため、墨インキを用いたグロスマット発現用柄部3の視認性を下げることができ、化粧シート1の製造過程で有用なグロスマット発現用柄部3が、化粧シート1の外観に与える影響を抑制することができ、絵柄層5の絵柄とエンボス部7aとが同調した意匠性の高い化粧シート1を得ることができる。
(3)さらに、グロスマット発現用柄部3を、絵柄層5の絵柄と同調させて設けているため、絵柄層5の絵柄と同調した凹凸部を形成することができ、すなわち、絵柄と同調したグロスマット効果を容易に発現させることができる。
(4)また、凹凸を設けることで、グロスマット表現を行っているため、グロスマットの柄取れ等が生じることを抑制することができる。そのため、例えば、床材等においても同調グロスマット表現を行うことができる。
〔変形例〕
(1)上記実施形態においては、グロスマット発現用柄部3として墨インキを含む材料を用い、赤外線照射を行うことで、透明熱可塑性樹脂層6及び表面保護層7を部分的に軟化させる場合について説明したがこれに限るものではない。グロスマット発現用柄部3の材料として所定波長の光に対して光吸収性を有する成分からなる任意のインキを含む材料を用い、前記所定波長の光を照射する光源を用いることで、透明熱可塑性樹脂層6及び表面保護層7を部分的に軟化させるようにしてもよい。
(実施例1)
厚さ50μmのPBT層からなる着色熱可塑性樹脂層2の一方の面に、ウレタン系印刷インキからなる絵柄層5と、厚さ38μmのPP層からなる透明熱可塑性樹脂層6と、アクリル系樹脂組成物を主成分とする表面保護層7とをこの順に積層した。また、着色熱可塑性樹脂層2の他方の面に、ウレタン系印刷インキからなる墨インキをパターン印刷してグロスマット発現用柄部3を形成し、このグロスマット発現用柄部3を含む着色熱可塑性樹脂層2の上にプライマー層8を形成し、積層体を得た。
このとき、画像濃度水準を変化させた印刷版を用いて墨インキをベタ印刷して形成することで、画像濃度水準の異なるグロスマット発現用柄部3を有する複数の積層体を作成した。画像濃度水準は、0%、20%、40%、60%、70%、80%、90%とした。なお、ここでいう画像濃度水準とは、一定面積中のインキが塗工されている面積の割合を意味する。
透明熱可塑性樹脂層6は、絵柄層5の上にラミネートすることで形成した。プライマー層8を形成した後、この積層体を赤外線ヒーターにより加熱し、その後、エンボスロールを表面保護層7に押し当てることによりエンボス部7aを形成し、図1に示す化粧シートを得た。このとき、積層体の温度は125℃、凹凸模様は高さ60μmの梨地、ニップ圧は850Kgとした。
(比較例1)
比較例1として、絵柄層5と透明熱可塑性樹脂層6との間にウレタン系印刷インキからなる墨インキをパターン印刷してグロスマット発現用柄部3を形成した以外は実施例1と同様の化粧シートを作成した。画像濃度水準は、60%、70%、80%、90%とした。
(比較例2)
比較例2として、厚さ50μmのPBT層からなる着色熱可塑性樹脂層2からなる原反を作成した。
〔評価〕
実施例1及び比較例1の画像濃度水準の異なる化粧シートそれぞれと、比較例2の原反とについて、赤外線透過率を測定した。赤外線透過率は以下に記載した方法により測定した。
実施例1の画像濃度水準毎の化粧シートと、比較例1の画像濃度水準毎の化粧シートと、比較例2の原反とのそれぞれについて、色差、光沢度、光沢度の差を取得した。取得方法としては、以下に記載した方法を用いた。取得結果を表1に示す。表1に示した数値は画像濃度水準ごとに測定した結果の平均値である。
〔赤外線透過率測定〕
画像濃度水準の異なる実施例1及び比較例1の化粧シートそれぞれと、比較例2の原反とのそれぞれについて、赤外線透過率を測定した。具体的には、SHIMADZU製の紫外・可視分光高度計UV3600を用い、波長2000nmであるときの赤外線透過率を測定した。
〔色差測定〕
画像濃度水準の異なる実施例1の各化粧シート及び比較例1の各化粧シートと、比較例2の原反とに対し、色差を測定した。具体的には、コニカミノルタジャパン株式会社製の色彩色差計CR-400を用い、標準板に対する色差ΔEを算出した。
〔光沢度測定〕
画像濃度水準の異なる実施例1の各化粧シート及び比較例1の各化粧シートと、比較例2の原反とについて、エンボス加工を施した後、グロスマット発現用柄部の直上の表面保護層7について、BYK社製のmicro-TRI-glossを用いて、入射角85°で鏡面光沢度測定を行った。
〔光沢度の差〕
画像濃度水準の異なる実施例1の各化粧シート及び比較例1の各化粧シートと、比較例2の原反とについて、エンボス加工を施した後、グロスマット発現用柄部が形成されていない部分の直上の表面保護層について、光沢度測定時と同様の方法で鏡面光沢度を測定し、グロスマット発現用柄部の直上の表面保護層の光沢度との差をそれぞれ求めた。光沢度の差により、グロスマット発現の有無を確認した。
Figure 0007396530000001
〔結果〕
実施例1の化粧シートは、光沢度に多少の差があるものの、色差への影響を抑え、比較例1の化粧シートと同等の光沢度を得ることができ、比較例2の原反との光沢度差は、5前後であり、一般的にグロスマット表現が確認可能となる光沢度差3を満足することから、グロスマット表現が得られることが確認された。また、実施例1の化粧シートは、比較例1の化粧シートと比較して、標準板との色差が低く抑えることができるので、グロスマット発現用柄部が視認されることを抑制できている。
すなわち、着色熱可塑性樹脂層の裏面にグロスマット発現用柄部3を設けることで、色差に大幅な影響を与えることなく、比較例1の化粧シートと同等の光沢度差を得ることが可能な化粧シート1を得られることが確認された。つまり、比較例1の化粧シートと同等のグロスマット表現が可能な化粧シートを、得られることが確認できた。
1 化粧シート
2 着色熱可塑性樹脂層
3 グロスマット発現用柄部
5 絵柄層
6 透明熱可塑性樹脂層
7 表面保護層
7a エンボス部
8 プライマー層
8a パターン層

Claims (1)

  1. 絵柄層を有する化粧シートであって、
    着色樹脂層の一方の面に順に積層された絵柄層と透明樹脂層と表面保護層と、
    前記着色樹脂層の他方の面に積層された、前記着色樹脂層よりも所定波長の光に対して光吸収性を有する所定の材料が前記絵柄層の絵柄と同調して配置されたパターン層と、
    を備え、
    前記所定の材料は、カーボンブラックを有する墨インキであり、
    前記表面保護層の、平面視で前記所定の材料で形成される部分と重なる位置に、エンボス部が形成されていることを特徴とする化粧シート。
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