JP7394013B2 - スリーブ及びローラ - Google Patents

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Description

本発明は、スリーブ、及びスリーブを備えたローラに関するものである。
従来、ベルトコンベアでは、無端状のベルトを張架するローラとして、走行時のベルトの片寄りを防止するために、中央部の径が端部の径よりも大きいクラウン形状(すなわち外周面の断面が円弧形状)のローラを使用している。このようなローラは、例えば、ローラの外周面を切削してゆき、ローラ自体をクラウン形状に形成する方法もあるが、加工性がよくなく、また、片寄りが生じた際に応急処置を行うことも困難である。
そのため、多くのベルトコンベアでは、外周面が平坦なローラに、予め筒状に形成したゴム製又はポリウレタン製のスリーブを外嵌する方法が取られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009-40526号公報
このように、ローラの外周面に外嵌させるスリーブとしては、走行時のベルトの片寄りを防止する観点から、外周面が平坦な単なる円筒状のスリーブではなく、外周面をクラウン形状に形成したスリーブを用いることが望ましい。
しかしながら、外周面がクラウン形状のスリーブを製造する場合には、先ず、押し出し成形によって外周面がフラットな円筒状のスリーブを作製した後に、スリーブの平坦な外周面を所望のクラウン形状になるまで研磨してゆく必要がある。このため、スリーブの平坦な外周面をクラウン形状に研磨する加工が煩雑となり、所望の形状に膨出した外周面をスリーブに形成するには手間がかかるという問題があった。
そこで、本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来よりも、所望の形状に膨出した外周面を容易に形成できるスリーブ、及び、これを用いたローラを提供することを目的とする。
本発明に係るスリーブは、ベルトコンベア用のローラに外嵌され、前記ローラの外周面に固定される筒状のスリーブであって、対向する開口端部の間の中空部内径が、前記開口端部の開口端内径よりも小さく形成された貫通孔を有するスリーブ本体を備え、前記スリーブ本体は、前記ローラに外嵌されることで、外周面が変形して径方向に膨出可能な弾性部材からなる。
本発明に係るローラは、筒状のスリーブが外周面に固定される、ベルトコンベア用のローラであって、前記スリーブが、上記のスリーブである。
本発明によれば、スリーブ本体の外周面を所望の形状に予め形成するのではなく、スリーブ本体内の中空部内径を開口端内径よりも小さく形成したことで、スリーブ本体をローラに外嵌することで、所望の形状に膨出した外周面をスリーブ本体に形成できる。よって、従来のように、スリーブのフラットな外周面を所望の形状になるまで研磨する加工が不要となる分、従来よりも、所望の形状に膨出した外周面を容易に形成できるスリーブ、及び、これを用いたローラを実現できる。
ベルトコンベアの構成を示す上面図である。 ローラの構成を示す斜視図である。 ローラに外嵌される前のスリーブの構成を示す断面図である。 本実施形態のスリーブにローラを外嵌させるときの様子を示す概略図である。 ローラに外嵌した後のスリーブを示す概略図である。 湾曲面が形成された内周面を有した他の実施形態のスリーブと、テーパ面の両側に平坦面が形成された内周面を有した他の実施形態のスリーブと、平坦面の両側にテーパ面が形成された内周面を有した他の実施形態のスリーブと、を示す断面図である。 頂上部が中央部からずれている他の実施形態のスリーブと、外周面が湾曲状に凹んだ他の実施形態のスリーブと、を示す断面図である。 他の実施形態のベルトコンベアの構成を示す上面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(1)本実施形態のスリーブを用いたベルトコンベアの構成
図1は、本実施形態のスリーブ10を用いたベルトコンベア1の構成を示す。ベルトコンベア1は、並走するフレーム2の間に、所定距離を設けて複数のローラ3a,3bが配置されており、これら円柱状のローラ3a,3bに無端状のベルト5が掛け回されて張設された構成を有する。なお、本実施形態は、例えば、ローラ3aの一方の端部にモータ4が設けられており、モータ4によって当該ローラ3aが回転することによりベルト5を介して他のローラ3bが従動回転する。
また、本実施形態に係るローラ3aには、ベルト5が配置される外周面の中央に、本実施形態に係るスリーブ10が設けられおり、当該スリーブ10によって、走行時のベルト5の片寄り及び蛇行が防止されている。
図2は、本実施形態に係るスリーブ10が設けられたローラ3aの構成を示す斜視図である。なお、ローラ3aには、フレーム2に回転自在に軸支される棒状の回転軸6が両端面に設けられており、スリーブ10が外周面のほぼ中央位置に固定されている。
この場合、スリーブ10は、貫通孔12を有した筒状のスリーブ本体10aを有しており、スリーブ本体10aの貫通孔12に円柱状のローラ3aが挿通され、ローラ3aに外嵌される。スリーブ10は、ローラ3aに外嵌されることで、ローラ3aの軸方向x及び周方向Cdに移動不能な状態でローラ3aの外周面に固定される。
(2)スリーブ
次に、スリーブ10の構成について説明する。図3は、ローラ3aに外嵌される前のスリーブ10の状態を示した断面図である。スリーブ10は、天然ゴムや合成ゴム、ポリウレタン等の弾性部材からなる筒状のスリーブ本体10aからなり、ローラ3aに外嵌されることで、スリーブ本体10aの外周面13aが変形して径方向(軸方向xと直交する方向)に膨出可能な構成を有する。なお、スリーブ10は、ローラ3aから取り外されると、弾性力によって、スリーブ本体10aの外周面13aがローラ3aに外嵌される前の状態に戻り得る。
本実施形態のスリーブ本体10aは、外周面13a及び内周面13bの形状が、対向する開口端部14a,14bの間の中央部C1を中心として軸方向xに左右対称に形成されている。本実施形態のスリーブ本体10aは、外周面13aに凹凸が形成されておらず、外周面13aが平坦に形成されており、滑らかな外周面13aを有している。また、スリーブ本体10aには、軸方向xの厚みを貫通した貫通孔12が形成されており、当該貫通孔12にローラ3aを挿通可能な構成を有する。
この場合、貫通孔12は、当該貫通孔12の中心軸ax2が、スリーブ本体10aの中心軸ax1と一致するように形成されている。貫通孔12内に露出する内周面13bは、スリーブ本体10aの対向する開口端部14a,14bの間の中央部C1が、貫通孔12の中心軸ax2に向かって盛り上がった形状に形成されている。具体的には、中心軸ax2側に向かって盛り上がった中央部C1の頂上部16での中空部内径dが、開口端部14a,14bの開口端内径dよりも小さく形成されている。なお、ここでdは、貫通孔12の中空部内径のうち、スリーブ本体10aにおいて肉厚が最も厚く、貫通孔12内で最も中空部内径が小さい頂上部16での中空部内径を示す。dは、最も大きい開口端部14a,14bでの開口端内径dと、最も小さい中空部内径dとの内径差を示し、後述するスリーブ本体10aの肉厚差tと同じである。
この場合、スリーブ本体10aの内周面13bには、貫通孔12の開口端部14a,14bからそれぞれ貫通孔12内の頂上部16(本実施形態では中央部C1)へ向かうにつれて中心軸ax2側に傾斜して貫通孔12内の中空部内径が頂上部16に向けて次第に小さくなるテーパ面15a,15bが形成されている。また、スリーブ本体10aの内周面13bには、一方の開口端部14a側からのテーパ面15aと、他方の開口端部14b側からのテーパ面15bと、が交わる位置となる中央部C1に、頂上部16が形成されている。なお、本実施形態の頂上部16は、先端が尖った形状を有し、内周面13bの中央部C1において全周に形成されている。
これにより、本実施形態における貫通孔12は、開口端部14a,14bからそれぞれ中央部C1に進むにつれて断面積が次第に減少する2つの円錐台状空間12a,12bを有し、これら2つの円錐台状空間12a,12bの小径面同士が中央部C1で結合した空間を有している。
開口端部14a,14bの開口端内径dは、スリーブ本体10aの貫通孔12にローラ3aを挿通させ、スリーブ本体10aをローラ3aに外嵌させることができる大きさに選定されている。本実施形態のスリーブ本体10aは弾性部材により形成されていることから、例えば、弾性力に抗して開口端部14a,14bを広げ、貫通孔12内にローラ3aを挿通してスリーブ本体10aをローラ3aに固定可能であれば、開口端部14a,14bの開口端内径dをローラ3aの直径よりも小さくてもよい。
このようなスリーブ10は、図4に示すように、スリーブ本体10aの貫通孔12にローラ3aの端部を挿入し、そのままスリーブ本体10aの弾性力に抗してローラ3aを軸方向xに沿って貫通孔12内に挿入してゆくことで、図5に示すように、スリーブ10をローラ3aに外嵌させる。
スリーブ本体10aの頂上部16における中空部内径dと開口端内径dは、ローラ3aの外周面18がスリーブ本体10aの内周面13bに摺接しながらローラ3aに外嵌される寸法に形成されている。
ここで、本実施形態のスリーブ本体10aは、ローラ3aが初めに挿入される開口端部14a,14bの開口端内径dが最も大きく形成され、かつ、開口端部14a,14bから貫通孔12内の頂上部16に向かって貫通孔12の中空部内径が次第に小さくなるようなテーパ面15a,15bが貫通孔12内の内周面13bに形成されている。これにより、例えば、貫通孔12の開口端部14aから貫通孔12内にローラ3aを挿入させてゆく際に、貫通孔12内に向けて先細りするテーパ面15a,15bに沿ってローラ3aを貫通孔12内の頂上部16まで容易に案内させることができる。
スリーブ本体10aの貫通孔12内にローラ3aを挿通させる際には、貫通孔12内の内周面13bが中心軸ax2側に向かって盛り上がっていることから、内周面13bの弾性力に抗してローラ3aを挿入させてゆく。
スリーブ本体10aは、ローラ3aに外嵌されると、貫通孔12内にある頂上部16及びテーパ面15a,15bがローラ3aによって径方向外側に放射状に押されて、貫通孔12内の内周面13bがローラ3aの外周面18に沿って平坦化し得る。これにより、スリーブ本体10aは、内周面13bが平坦化した分だけ、外周面13aが外側に向けて盛り上がるように変形する。特に、本実施形態のスリーブ本体10aには、中央部C1にある頂上部16と、頂上部16からなだらかに傾斜するテーパ面15a,15bとによって、図5に示すように、中央部C1を中心に径方向外側に膨出して、なだらかに湾曲した、クラウン形状の外周面13aが形成される。
また、スリーブ本体10aは、ローラ3aに外嵌した際に、外嵌前に貫通孔12の内部に膨出していた頂上部16及びテーパ面15a,15bが平坦形状から元の形状に戻る弾性力によって、貫通孔12内の内周面13bがローラ3aの外周面18に密着し、ローラ3aの軸方向x及び周方向Cdに移動不能な状態でローラ3aに固定される。
なお、図5において、tは、ローラ3aに外嵌させた外嵌時のスリーブ本体10aにおいて最も厚い箇所の肉厚を示し、tは、スリーブ本体10aにおいて肉厚が最も薄い開口端部14a,14bでの肉厚を示す。また、tは、スリーブ本体10aにおいて肉厚が最も薄い開口端部14a,14bでの肉厚tを基準として、スリーブ本体10aをローラ3aに外嵌させることで膨出した外周面13aの膨出量を示す。
ここで、スリーブ10をローラ3aに外嵌させて当該ローラ3aを回転させ、ローラ3a及びスリーブ10に掛け回されたベルト5を走行させた場合、外嵌時のスリーブ本体10aの肉厚tが1.5[mm]以上になると、ローラ3aの外周面18と、スリーブ本体10aの外周面13aとで、回転する際の速度差が大きくなる。
その結果、ベルト5を走行させた際に回転の速度が異なるローラ3a及びスリーブ本体10aの両方にベルト5が接するため、その速度差から、ベルト5がローラ3aの外周面18又はスリーブ本体10aの外周面13a等に摺動してしまい、異音が発生する恐れがある。
ここで、ローラ3a上での速度をVとし、スリーブ10上での速度をVとすると、これら速度V,Vは以下の式(1)及び式(2)で表すことができる。
=π・D・n/60000[m/s] … (1)
=π・(D+2・t)・n/60000[m/s] … (2)
Dはローラ3aの直径[mm]を示し、nはローラ3aの回転数[rpm]を示し、tは、ローラ3aに外嵌させた外嵌時のスリーブ本体10aにおいて最も厚い箇所の肉厚[mm]を示す。
また、ローラ3a上での速度Vと、スリーブ10上での速度Vとの速度差Δvは下記の式(3)で表される。
Δv=V-V=2・t・π・n/60000[m/s] … (3)
上記の式(3)より、外嵌時のスリーブ本体10aの肉厚tが小さくなるほど(すなわち、肉厚tが薄くなるほど)、ローラ3a上での速度Vと、スリーブ10上での速度Vとの速度差Δvが小さくなることが確認できる。
そこで、本実施形態のスリーブ10では、ローラ3aの外周面18と、スリーブ本体10aの外周面13aとで、回転する際の速度差Δvを小さくし、ベルト5の走行時における異音の発生を抑制するために、外嵌時のスリーブ本体10aにおいて最も厚い肉厚tは、1.5[mm]未満とすることが望ましい。また、ベルト5の走行時における異音の発生を一段と抑制させる観点から、外嵌時のスリーブ本体10aにおいて最も厚い肉厚tは、1.3[mm]以下とすることが、より望ましい。
ここで、外嵌時のスリーブ本体10aの肉厚tを薄くするためには外嵌前のスリーブ本体10aの肉厚を薄くする必要があるが、スリーブ本体10aの肉厚を薄くすると、その分、スリーブ本体10aの剛性が低下してしまう。そのため、スリーブ本体10aの貫通孔12内にローラ3aを挿通させる際に、スリーブ本体10aが変形し易くなることから、ローラ3aを貫通孔12内に挿通し難くなる。
しかしながら、本実施形態のスリーブ10では、ローラ3aが初めに挿入される開口端部14a,14bの開口端内径dが最も大きく形成され、かつ、開口端部14a,14bから貫通孔12内の頂上部16に向かって貫通孔12の中空部内径が次第に小さくなるようなテーパ面15a,15bが貫通孔12内に形成されていることから、開口端部14a,14bから貫通孔12内に向けて先細りするテーパ面15a,15bに沿ってローラ3aを貫通孔12内にスムーズに挿通させることができる。
次に、ローラ3aに外嵌する前のスリーブ10の肉厚について説明する。ここで、図3中、tは、スリーブ本体10aにおいて肉厚が最も薄い開口端部14a,14bにおけるスリーブ本体10aの肉厚を示し、tは、スリーブ本体10aの肉厚が最も厚い頂上部16でのスリーブ本体10aの肉厚を示す。tは、開口端部14a,14bにおけるスリーブ本体10aの肉厚tと、スリーブ本体10aの肉厚が最も厚い頂上部16でのスリーブ本体10aの肉厚tと、の肉厚差を示す。
本実施形態では、スリーブ本体10aの肉厚差tは、スリーブ本体10aをローラ3aに外嵌した際に走行時のベルトの片寄りを防止し得る膨出形状となるように0.1[mm]以上であることが望ましい。また、スリーブ10をローラ3aに外嵌させた際にスリーブ本体10aがローラ3aの外周面から膨出し過ぎることによる、ベルト5の不安定な走行を防止するために、スリーブ本体10aの肉厚差tは、0.3[mm]以下であることが望ましい。よって、スリーブ本体10aの肉厚差tは0.1[mm]以上0.3[mm]以下であることが望ましい。
また、スリーブ本体10aにおいて肉厚が最も厚い頂上部16でのスリーブ本体10aの肉厚tは、スリーブ10をローラ3aに外嵌させた際に、ローラ3aとスリーブ10との速度差Δvを小さくし、ベルト5の走行時における異音の発生を抑制するために、外嵌時のスリーブ本体10aの肉厚tが1.5[mm]未満、より好ましくは1.3[mm]以下となる肉厚であることが望ましい。
外嵌前のスリーブ本体10aの肉厚tと外嵌後のスリーブ本体10aの肉厚tとが変化しない場合には、外嵌前のスリーブ本体10aの肉厚tは、ベルト5の走行時における異音の発生を抑制させる観点から、1.5[mm]未満、より好ましくは1.3[mm]以下とすることが望ましい。
このように、外周面13aが平坦に形成され、かつ、貫通孔12内の内周面13bにテーパ面15a,15bが形成されたスリーブ10は、例えば、射出成形によって製造することができる。スリーブ10を製造する際には、例えば、中央部C1を中心に左右対称でなる第1金型部と第2金型部(図示せず)を当接することにより、スリーブ10の形状を成す射出成形空間を内部に形成する金型を用いることができる。
この場合、金型の射出成形空間内にスリーブ10を成形した後、第1金型部と第2金型部とを軸方向xに沿って分離することにより射出成形空間から成形品であるスリーブ10を取り出すことができる。ここで、本実施形態のスリーブ10は、貫通孔12内の頂上部16から開口端部14a,14bに向かって貫通孔12の中空部内径が次第に大きくなり、外部付近の開口端部14a,14bの開口端内径dが最も大きくなるようなテーパ面15a,15bが貫通孔12内に形成される。
このため、金型の射出成形空間内にスリーブ10を成形した後、第1金型部と第2金型部とを軸方向xに沿って分離する際には、第1金型部と第2金型部の貫通孔12内に位置する部位を、滑らかなテーパ面15a,15bに沿って貫通孔12内から容易に引き抜くことができる。
(3)作用及び効果
以上の構成において、スリーブ10は、対向する開口端部14a,14bの間の中空部内径が、開口端部14a,14bの開口端内径dよりも小さく形成された貫通孔12を、弾性部材のスリーブ本体10aに形成し、スリーブ本体10aをローラ3aに外嵌したときに、内周面13bの変形に応じて外周面13aが変形し、外周面13aが径方向に膨出可能な構成とした。
このように、スリーブ10は、スリーブ本体10aの外周面13aを所望の形状に予め形成するのではなく、スリーブ本体10a内の中空部内径を開口端内径dよりも小さく形成したことで、スリーブ本体10aをローラ3aに外嵌することで外周面13aを変形させ、所望の形状に膨出した外周面13aをスリーブ本体10aに形成できる。よって、従来のように、スリーブのフラットな外周面を所望の形状になるまで研磨する加工が不要となる分、従来よりも、所望の形状に膨出した外周面13aを容易に形成できるスリーブ10を実現できる。
また、スリーブ10には、開口端部14a,14bから貫通孔12の内部の頂上部16へ向かうにつれて貫通孔12の中心軸ax2側に向けて傾斜し、貫通孔12内の中空部内径が頂上部16に向かうにつれて次第に小さくなるテーパ面15a,15bが貫通孔12の内周面13bに形成されている。これにより、スリーブ10は、ローラ3aに外嵌させた際に、中央部C1にある頂上部16とテーパ面15a,15bとによって、径方向外側に膨出して、なだらかに湾曲した、クラウン形状の外周面13aを形成することができる。
さらに、スリーブ10は、貫通孔12内の内周面13bに中心軸ax2に向かって盛り上がった頂上部16及びテーパ面15a,15bが形成されていることから、ローラ3aに外嵌させた際に、貫通孔12の内部に膨出していた頂上部16及びテーパ面15a,15bの弾性力によってローラ3aを締め付けているため、従来の単なる円筒状のスリーブよりも、ローラ3aの軸方向x及び周方向Cdに移動不能な状態でスリーブ本体10aをローラ3aに対して強固に固定させることができる。
また、スリーブ10は、貫通孔12内の中空部内径が開口端部14a,14bから頂上部16に向かうにつれて次第に小さくなるテーパ面15a,15bを貫通孔12内に形成したことにより、貫通孔12の開口端部14aから貫通孔12内にローラ3aが挿入される際に、貫通孔12内に向けて先細りするテーパ面15a,15bに沿ってローラ3aを貫通孔12内の頂上部16まで容易に案内させることができる。
さらに、スリーブ10では、このような貫通孔12内に向けて先細りするテーパ面15a,15bを内周面13bに形成するようにしたことで、スリーブ10を金型の射出成形空間内に成形する製造時に、第1金型部と第2金型部とを軸方向xに沿って分離して射出成形空間内から成形品であるスリーブ10を取り出す、金型の脱型時にも、滑らかなテーパ面15a,15bに沿って第1金型部と第2金型部を貫通孔12内から容易に引き抜くことができる。このように、スリーブ10では、内周面13bにテーパ面15a,15bを設けたことで、ローラ3aに外嵌させた際のクラウン形状の形成容易性と、成型製造時における脱型性向上と、の両立を図ることができる。
また、スリーブ10は、外嵌時のスリーブ本体10aにおいて最も厚い肉厚tを1.5[mm]未満、より好ましくは1.3[mm]以下としたことで、ローラ3aとの速度差Δvを小さくし得、ベルト5の走行時、ローラ3aやスリーブ本体10aに対するベルト5の摺動を抑えることができ、ベルト5の走行時における異音の発生を抑制させることができる。
そして、このように、スリーブ本体10aの肉厚tを薄くしても、貫通孔12内に向けて先細りするテーパ面15a,15bに沿ってローラ3aを貫通孔12内の頂上部16までスムーズに案内させることができるので、従来のように、貫通孔内が平坦な単なる円筒状のスリーブよりも摩擦抵抗を低減し得、スリーブ本体10aの変形を抑制し得、スリーブ10をローラ3aに容易に外嵌させることができる。従って、本実施形態のスリーブ10では、ローラ3aに外装させる際の作業者の労力を低減することができる。
(4)他の実施形態
上述した実施形態においては、対向する開口端部の間の中空部内径が開口端部の開口端内径よりも小さく形成した内周面として、貫通孔12の中空部内径が開口端部14a,14bから頂上部16に向かうにつれて次第に小さくなるテーパ面15a,15bと、先端が尖った頂上部16とを有した内周面13bを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らない。
例えば、図6の6Aに示すスリーブ20のように、中央部C1を中心に左右対称の構成を有し、貫通孔12の中空部内径が開口端部14a,14bから中央部C1に向かうにつれて曲線状に次第に小さくなる湾曲面を有した内周面21としてもよい。このスリーブ20の構成であっても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、図6の6Bに示すスリーブ25のように、中央部C1を中心に左右対称の構成を有し、開口端部14a,14bからそれぞれ貫通孔12内の所定位置まで開口端内径dを一定とした平坦面26a,26bと、貫通孔12の中空部内径が当該所定位置から中央部C1の頂上部16に向かうにつれて次第に小さくなるテーパ面27a,27bとを有した内周面28としてもよい。このスリーブ25の構成であっても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、図6の6Cに示すスリーブ30のように、中央部C1を中心に左右対称の構成を有し、開口端部14a,14bからそれぞれ貫通孔12内の所定位置まで、貫通孔12の中空部内径が次第に小さくなるテーパ面31a,31bと、テーパ面31a,31bの端部となる所定位置の間の中空部内径dを一定とした平坦面31cとを有した内周面31としてもよい。このスリーブ30の構成であっても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、図7の7Aに示すスリーブ35のように、中央部C1を中心に左右非対称の構成としてもよい。例えば、スリーブ35のように、開口端部14aから頂上部16aに向かうテーパ面36aと、開口端部14bから頂上部16aに向かうテーパ面36bと、のそれぞれの傾斜角度を変え、頂上部16aの位置を中央部C1からずらした位置Z1に設けるようにしてもよい。この場合、スリーブ35をローラ3aに外嵌させた際には、中央部C1から所定距離ずれた位置Z1を中心に径方向外側に膨出してなだらかに湾曲した外周面13aを形成できる。
また、上述した実施形態においては、ローラ3aに外嵌される外嵌前では外周面13aが平坦となるスリーブ10について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、図7の7Bに示すスリーブ38のように、ローラ3aに外嵌される外嵌前では湾曲状に凹んだ外周面39としてもよい。このようなスリーブ38では、ローラ3aに外嵌されることで、外嵌前に湾曲状に凹んだ外周面39が、所望の形状になって径方向外側に膨出した外周面39となるようにする。このようなスリーブ38の構成であっても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、ローラ3aに外嵌されることで、所望の形状になって径方向外側に膨出した外周面を形成することができれば、外装前の外周面の形状としては、必ずしも平坦である必要はなく、例えば、僅かに径方向外側に膨出した外周面等その他種々の形状の外周面であってもよい。
また、上述した実施形態においては、開口端部14a,14bから貫通孔12内の所定位置へ向かうにつれて貫通孔12の中心軸ax2側に向けて、なだらかに傾斜させ、貫通孔12内にローラ3aを挿入し易い形状のテーパ面15a,15bを設ける場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、テーパ面15a,15bの表面にシボ加工を施し、当該テーパ面15a,15bに、細かい凹凸模様や、シワ模様等を形成してもよい。
テーパ面15a,15bに滑らかな凹凸模様やシワ模様等を付すことにより、貫通孔12内にローラ3aを挿入する際に、テーパ面15a,15bとローラ3aとの接触面積が小さくなり、その分、摩擦抵抗を低減できることから、貫通孔12内にローラ3aを容易に挿入させることができる。
また、スリーブ10をローラ3aに外嵌させる際に、スリーブ本体10aの貫通孔12内の内周面13bに、例えば、シッカロール(登録商標)やラインパウダー等のような粒子が細かい粉体を塗布するようにしてもよい。この場合、貫通孔12内に向けて先細りするテーパ面15a,15bとローラ3aとの間に粉体を介在させることで、ローラ3aを貫通孔12内で滑らかに摺動させることができるので、貫通孔12内にローラ3aを容易に挿入させることができる。
さらに、スリーブ本体10aの貫通孔12内の内周面13bに粉体を塗布することで、ローラ3aとスリーブ10との間の摩擦抵抗が小さくなり、ローラ3aにスリーブ10を挿入後、ローラ3aの所望の位置までスリーブ10を容易に移動させることができるので、ローラ3aに対するスリーブ10の取付作業の負担を軽減することができる。
また、この際、上述したように、テーパ面15a,15bにシボ加工を施しつつ、内周面13bに粉体を塗布することで、テーパ面15a,15bの表面に形成された細かな凹凸に、より多くの粉体を付着させることができるので、貫通孔12内にローラ3aを一段と容易に挿入させることができる。
なお、他の実施形態としては、上述した図3に示した構成や、図6に示した構成、図7に示した構成、シボ加工を施す構成、貫通孔12の内周面に粉体を塗布する構成について適宜組み合わせた構成のスリーブを適用してもよい。
また、上述した実施形態においては、図1に示したように、ベルト5が配置される外周面の中央に、本実施形態に係るスリーブ10を設けたローラ3aについて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、図8に示すベルトコンベア40のように、ベルト5が配置されるローラ3aの外周面に所定間隔を設けて複数のスリーブ10を設けるようにしてもよい。なお、複数のスリーブが設けられるローラとしては、これら複数のスリーブのうち、少なくとも1つ以上を本実施形態のスリーブ10としたローラでもよい。
なお、上述した図1及び図8では、駆動ローラであるローラ3aにのみ本実施形態のスリーブ10を外嵌させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、従動回転するローラ3bの一部又は全部に設けてもよく、その他、必要に応じてテンションローラやリタンローラ等、ベルトコンベアに設けられる種々のローラに対して、種々の位置に、本実施形態のスリーブを設けるようにしてもよい。
1,40 ベルトコンベア
3a,3b ローラ
10,20,25,30,35,38 スリーブ
10a スリーブ本体
13a,39 スリーブ本体の外周面
13b,21,28,31,37 スリーブ本体の内周面
14a,14b 開口端部
開口端内径
中空部内径

Claims (9)

  1. ベルトコンベア用のローラに外嵌され、前記ローラの外周面に固定される筒状のスリーブであって、
    対向する開口端部の間の中空部内径が、前記開口端部の開口端内径よりも小さく形成された貫通孔を有するスリーブ本体を備え、
    前記スリーブ本体は、前記ローラに外嵌されることで、外周面が変形して径方向に膨出可能な弾性部材からなる、
    スリーブ。
  2. 前記スリーブ本体の前記中空部内径と前記開口端内径は、前記ローラの外周面が前記貫通孔の内周面に摺接しながら前記ローラに外嵌される寸法に形成されている、
    請求項1に記載のスリーブ。
  3. 前記スリーブ本体は、前記開口端部における肉厚と、前記貫通孔の内部の最も厚い箇所の肉厚との肉厚差が、0.1[mm]以上0.3[mm]以下である、
    請求項1または2に記載のスリーブ。
  4. 前記スリーブ本体は、前記ローラに外嵌される前の前記外周面に対して、前記ローラに外嵌された後の前記外周面が0.1[mm]以上0.3[mm]以下で膨出する、
    請求項1~3のいずれか1項に記載のスリーブ。
  5. 前記スリーブ本体には、前記開口端部から前記貫通孔の内部の所定位置へ向かうにつれて前記貫通孔の中心軸側に向けて傾斜し、前記中空部内径が前記所定位置に向かうにつれて次第に小さくなるテーパ面が前記貫通孔の内周面に形成されている、
    請求項1~4のいずれか1項に記載のスリーブ。
  6. 前記スリーブ本体の内周面にはシボ加工が施されている、
    請求項1~5のいずれか1項に記載のスリーブ。
  7. 前記スリーブ本体の内周面には粉体が塗布されている、
    請求項1~6のいずれか1項に記載のスリーブ。
  8. 前記スリーブ本体で最も厚い箇所の肉厚が1.5[mm]未満である、
    請求項1~7のいずれか1項に記載のスリーブ。
  9. 筒状のスリーブが外周面に固定される、ベルトコンベア用のローラであって、
    前記スリーブが、請求項1~8のいずれか1項に記載のスリーブである、
    ローラ。
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