JP7392544B2 - 車載ecu、プログラム及び情報処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車載ECU、プログラム及び情報処理方法に関する。
車両には、例えば、ワイパー駆動装置、車両の内外の灯火装置、ドアロック装置、パワーウインドウ等のボディ系の装置の制御を統括して行う車載ECUであるボディECUが搭載されている(例えば特許文献1)。特許文献1のワイパー駆動装置は、車載ECU(ボデーECU)を含み、車載ECUに適用されている制御プログラムにより駆動される。
特開2017-224926号公報
しかしながら、特許文献1の車載ECUにおいては、当該車載ECUを含むワイパー駆動装置の動作確認等を行う検査用プログラムに関する考慮がされていないという問題点がある。
本開示は、自装置の動作確認を行う検査用プログラムを効率的に用いることができる車載ECU等を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る車載ECUは、車両に搭載される車載装置を制御する車載ECUであって、前記車載装置を制御するための制御プログラム及び、前記車載装置又は前記車載ECUの動作確認を行うための検査用プログラムが記憶される記憶部と、前記制御プログラム又は前記検査用プログラムを実行する制御部とを備え、前記記憶部には、前記検査用プログラムの有効又は無効を示す有効性情報が記憶されており、前記制御部は、前記記憶部に記憶される前記有効性情報を参照し、前記検査用プログラムが有効である場合は、前記検査用プログラムを実行し、前記検査用プログラムが無効である場合は、前記制御プログラムを実行する。
本開示の一態様によれば、自装置の動作確認を行う検査用プログラムを効率的に用いる車載ECU等を提供することができる。
実施形態1に係る車載ECU等を含む車載システムの構成を例示する模式図である。 車載ECU等の内部構成を例示するブロック図である。 車載ECUの制御部の処理を例示するフローチャートである。 実施形態2(要求信号)に係る車載ECUの制御部の処理を例示するフローチャートである。 実施形態3(監視)に係る車載ECUの制御部の処理を例示するフローチャートである。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(1)本開示の一態様に係る車載ECUは、車両に搭載される車載装置を制御する車載ECUであって、
前記車載装置を制御するための制御プログラム及び、前記車載装置又は前記車載ECUの動作確認を行うための検査用プログラムが記憶される記憶部と、
前記制御プログラム又は前記検査用プログラムを実行する制御部とを備え、
前記記憶部には、前記検査用プログラムの有効又は無効を示す有効性情報が記憶されており、
前記制御部は、前記記憶部に記憶される前記有効性情報を参照し、
前記検査用プログラムが有効である場合は、前記検査用プログラムを実行し、
前記検査用プログラムが無効である場合は、前記制御プログラムを実行する。
本態様にあたっては、車載装置を制御する車載ECUの記憶部には、車載装置を制御するための制御プログラムと、車載装置の動作確認を行うための検査用プログラムとが、記憶されている。記憶部には、更に検査用プログラムの有効又は無効を示す有効性情報が記憶されている。車載ECUの制御部は、例えば、当該車載ECUの起動時において、記憶部にアクセスし、当該記憶部に記憶されている有効性情報を読み出す。制御部は、有効性情報にて検査用プログラムが有効であると示されている場合、検査用プログラムを実行する。制御部は、有効性情報にて検査用プログラムが無効であると示されている場合、制御プログラムを実行する。従って、制御部は、当該有効性情報によって示される内容に基づき、検査用プログラム又は制御プログラムを選択的に実行し、当該検査用プログラムを効率的に用いることができる。
(2)本開示の一態様に係る車載ECUは、前記記憶部に記憶される前記有効性情報は、前記車載ECU又は前記車両の製造工程において、有効から無効に変更される。
本態様にあたっては、記憶部に記憶される有効性情報は、車載ECU又は車両の製造工程において、有効から無効に変更されるため、製造工程を終えて出荷された車両においては、有効性情報は無効、すなわち当該有効性情報は、検査用プログラムは無効である旨を示す状態となっている。従って、市場に出荷された車両において、検査用プログラムが車載ECUの制御部により実行されることを効率的に防止することができる。
(3)本開示の一態様に係る車載ECUは、前記記憶部には、前記車載ECUの起動時に実行されるブートプログラムが記憶されており、
前記記憶部は、前記制御プログラムを実行中の制御部からのアクセスが可能な第1領域と、前記制御プログラムを実行中の制御部からのアクセスが制限される第2領域とを含み、
前記有効性情報は、前記第2領域に記憶されており、
前記ブートプログラムを実行中の制御部は、物理アドレスにより前記第2領域にアクセスする。
本態様にあたっては、記憶部は、制御プログラムを実行中の制御部からのアクセスが可能な第1領域と、制御プログラムを実行中の制御部からのアクセスが制限される第2領域とを含み、有効性情報は、第2領域に記憶されている。従って、車両の走行時等の通常時において、制御部により実行される制御プログラムからのアクセスが制限される記憶領域(第2領域)に、有効性情報は記憶されている。これにより、当該有効性情報が制御プログラムを実行中の制御部により改変されることを、効率的に防止することができる。
(4)本開示の一態様に係る車載ECUは、前記第2領域における記憶容量は、前記第1領域における記憶容量よりも小さい。
本態様にあたっては、有効性情報が記憶される第2領域における記憶容量は、制御プログラムを実行中の制御部からのアクセスが可能な第1領域における記憶容量よりも小さい。制御プログラムを実行中の制御部は、例えば、車載装置の制御又は駆動のログデータを、アクセスが可能な第1領域に書き込み、記憶部に記憶する。従って、第2領域の記憶容量を、第1領域の記憶容量よりも小さくすることにより、当該第1領域の記憶容量を十分に確保して車載装置の制御等に関し必要なデータを記憶すると共に、例えばビットフラグを用いた有効性情報を記憶するために必要な第2領域を確保し、記憶部の記憶容量を有効活用することができる。
(5)本開示の一態様に係る車載ECUは、前記制御部は、前記車両外の外部装置から送信される要求信号を取得した場合、
前記記憶部に記憶される前記有効性情報を参照し、
前記有効性情報に基づき、前記検査用プログラムが有効又は無効であるかを判定する。
本態様にあたっては、制御部は、前記車両外の外部装置から送信される要求信号を取得した場合、記憶部に記憶される有効性情報を参照し、当該有効性情報に基づき検査用プログラムが有効又は無効であるかを判定する。従って、検査用プログラムが実行されるためには、要求信号の取得及び検査用プログラムが有効であることの2つの要件が満たされた場合となる。これにより、検査用プログラムが実行される要件を更に厳格化し、当該検査用プログラムが誤って実行されることを効率的に防止することができる。
(6)本開示の一態様に係る車載ECUは、前記外部装置から送信される要求信号に含まれる識別子は、前記車両内に搭載される他の車載ECU間の通信にて用いられる識別子とは異なる。
本態様にあたっては、外部装置から送信される要求信号に含まれる識別子は、車両内に搭載される他の車載ECU間の通信にて用いられる識別子とは異なる。従って、外部装置から送信される要求信号を取得する処理を行うにあたり、車両内に搭載される他の車載ECU間の通信による影響は効率的に排除し、当該要求信号の取得処理における信頼性を効率的に担保することができる。
(7)本開示の一態様に係る車載ECUは、前記有効性情報が記憶されている記憶部へのアクセスを受け付ける受付部を備え、
前記記憶部に記憶される前記有効性情報は、前記受付部を介して受け付けた信号によって、無効から有効に変更される。
本態様にあたっては、車載ECUは、有効性情報が記憶されている記憶部へのアクセスを受け付けるための入出力I/F等の受付部を備える。車載ECUは、受付部に接続されたダイアグ装置から出力された信号を、当該受付部を介して受け付ける。例えば、車載ECU又は車両の製造工程において、有効から無効に変更された有効性情報は、受付部を介して受け付けた信号によって、無効から有効に変更される。このような受付部を用いて、ダイアグ装置から出力された信号を受け付けることにより、有効性情報を無効から有効に変更することができ、例えば、車両が出荷された後であっても、必要に応じて再度、検査用プログラムを実行することができる。
(8)本開示の一態様に係る車載ECUは、前記車載装置は、前記車両に搭載される蓄電装置と車載負荷との間に介在する電気配線箱であり、
前記電気配線箱は、前記蓄電装置から前記車載負荷への電力の給断を行うリレーを含み、
前記制御部は、前記電気配線箱に含まれる前記リレーの開閉制御を行う。
本態様にあたっては、車載装置は車両に搭載される蓄電装置と車載負荷との間に介在する電気配線箱であり、当該電気配線箱に含まれ、蓄電装置から車載負荷への電力の給断を行うリレーは、制御部によって開閉制御される。従って、検査用プログラムは、例えば、リレーの動作確認を行うために用いられ、制御部は、有効性情報を参照することにより、当該リレーを開閉制御するための制御プログラムと、当該リレーの動作確認を行うための検査用プログラムとを、選択的に実行することができる。
(9)本開示の一態様に係る車載ECUは、前記制御プログラムを実行中の制御部は、
前記有効性情報が有効から無効に変更された後、所定のタイミングで前記有効性情報を監視し、
前記検査用プログラムが有効である旨が前記有効性情報にて示されている場合、前記監視の結果に関する情報を出力する。
本態様にあたっては、制御プログラムを実行中の制御部は、有効性情報が有効から無効に変更された後、例えば、車両の起動時、停止時又は予め決定された時刻等の所定のタイミングで有効性情報を監視する。そして、制御プログラムを実行中の制御部は、検査用プログラムが有効である旨が有効性情報にて示されている場合、前記監視の結果に関する情報を、車両に搭載されているディスプレイ装置等のHMI装置等に出力する。本来的に出荷後の車両においては、有効性情報は、無効であることを示す状態が維持される。その上で、制御プログラムを実行中の制御部は、所定のタイミングにて定期的又は定常的に有効性情報を監視している。従って、有効性情報が記憶される記憶領域において、例えばビット反転等の現象が発生し、当該有効性情報が有効な状態に変更された場合であっても、有効性情報が有効な旨、すなわち意図せず、有効な状態に変更された旨をHMI装置等に出力し、車両の操作者等に報知することができる。
(10)本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに
車載装置を制御するための制御プログラム、前記車載装置又は前記車載装置を制御する車載ECUの動作確認を行うための検査用プログラム及び、前記検査用プログラムの有効又は無効を示す有効性情報が記憶される記憶部を参照し、
前記有効性情報が、前記検査用プログラムは有効である旨を示す場合、前記検査用プログラムを実行し、
前記有効性情報が、前記検査用プログラムは無効である旨を示す場合、前記制御プログラムを実行する
処理を実行させる。
本態様にあたっては、コンピュータを自装置の動作確認を行う検査用プログラムを効率的に用いる車載ECUとして動作させることができる。
(11)本開示の一態様に係る情報処理方法は、車載装置を制御するための制御プログラム、前記車載装置又は前記車載装置を制御する車載ECUの動作確認を行うための検査用プログラム及び、前記検査用プログラムの有効又は無効を示す有効性情報が記憶される記憶部を参照し、
前記有効性情報が、前記検査用プログラムは有効である旨を示す場合、前記検査用プログラムを実行し、
前記有効性情報が、前記検査用プログラムは無効である旨を示す場合、前記制御プログラムを実行する
処理をコンピュータに実行させる。
本態様にあたっては、コンピュータを自装置の動作確認を行う検査用プログラムを効率的に用いる車載ECUとして動作させる情報処理方法を提供することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る車載ECU2の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(実施形態1)
以下、実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係る車載ECU2等を含む車載システムSの構成を例示する模式図である。図2は、車載ECU2等の内部構成を例示するブロック図である。車載システムSは、車載ECU2及び車載ECU2に接続される電気配線箱3(車載装置)を含む。当該車載ECU2は、車載中継装置1を介して他の車載ECU(ECU)、アクチュエータ又は車外通信装置11等の車載機器と通信可能に接続され、例えば、これら車載機器から出力された信号等に基づき、自ECUである車載ECU2に接続される電気配線箱3等の車載装置の制御を行う。
車載中継装置1は、例えば、制御系ECU等の車載機器、安全系ECU等の車載機器及び、BCU(Body Control Unit)等のボディ系の車載機器など、複数系統のセグメントを統括し、これらセグメント間での車載機器同士の通信を中継する。車載中継装置1は、例えばゲートウェイ又はイーサスイッチであり、レイヤ2スイッチ、レイヤ3スイッチ及びCANゲートウェイとして機能するものであってもよい。車載中継装置1には、更に車外通信装置11及びHMI装置12が接続される。車載中継装置1と、車載ECU2等とは、例えば、イーサネット(登録商標)ケーブル、又はCANケーブル等の通信線10により、接続される。
車外通信装置11は、例えば、LTE、4G、5G、WiFi等の移動体通信のプロトコルを用いて無線通信をするための通信装置であり、車外通信装置11に接続されたアンテナを介して、車両C外に位置する外部サーバ(図示せず)とデータの送受信を行う。
HMI装置12は、カーナビゲーションのディスプレイ等の表示装置である。表示装置は、車載中継装置1を介して、車載ECU2から出力された情報を表示する。
電気配線箱3は、例えばFET等の半導体によるリレー31及びヒューズ(図示せず)を含み、蓄電装置4と車載負荷5との間に介在して設けられている。蓄電装置4は、鉛電池又は、リチウム電池等の二次電池であり、車両Cに搭載される車載負荷5に対する電力源である。車載負荷5は、例えばカーエアコン、ランプ装置等の負荷装置であり、蓄電装置4から供給された電力によって駆動する。
電気配線箱3と、蓄電装置4及び車載負荷5とは、電力線41により接続されている。電気配線箱3と車載ECU2とは信号線221により接続されており、電気配線箱3のリレー31は、信号線221を介して車載ECU2から出力された信号に基づき、当該リレー31のオン(閉)又はオフ(開)に制御される。電気配線箱3のリレー31がオン・オフ制御されることにより、蓄電装置4から車載負荷5への電力の供給又は遮断が行われる。
電気配線箱3は、車載ECU2に接続される車載装置の一例であり、これに限定されない。車載ECU2に接続される車載装置は、例えば、ドア駆動装置又はランプ装置等、車両Cに搭載される種々にアクチュエータであってもよい。
車載ECU2は、制御部20、記憶部21、入出力I/F22、通信部23及び受付部24を含む。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等により構成してあり、記憶部21に記憶されたプログラム及びデータを読み出し実行して制御処理等を行う。
記憶部21は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性のメモリ素子又は、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)若しくはフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子により構成されている。記憶部21には、プログラム及びプログラムを実行するためのデータが記憶されている。これらプログラム等は、車載ECU2が読み取り可能な記録媒体から読み出されたプログラム等を記憶したものであってもよい。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからこれらプログラム等をダウンロードし、記憶部21に記憶させたものであってもよい。
記憶部21に記憶されたプログラムは、ブートプログラム等の起動用プログラム、制御プログラム及び検査用プログラムを含む。記憶部21には、更に検査用プログラムが有効であるか否かであるかを示す有効性情報が記憶されている。記憶部21は、複数の領域に区分化されており、当該区分化の一例として、ブートプログラム領域210、第1領域211及び第2領域212に区分化されている。ブートプログラム領域210には、ブートプログラム等の起動用プログラムが格納(記憶)されている。第1領域211には、制御プログラム及び検査用プログラムが格納(記憶)されている。第2領域212には、検査用プログラムが有効であるか否かであるかを示す有効性情報が格納(記憶)されている。有効性情報は、その値が例えば0又は1にて示されるビットフラグにより定義されるものであってもよい。当該ビットフラグの一例として、0は、検査用プログラムが無効であることを示し、1は、検査用プログラムが有効であることを示すものであってもよい。第2領域212における記憶容量は、第1領域211における記憶容量よりも小さい(少ない)容量となるように、第1領域211及び第2領域212は、区分化されている。
入出力I/F22は、シリアルケーブル等のワイヤーハーネスによる信号線221が接続され、制御部20が生成した信号は、入出力I/F22及び信号線221を介して、電気配線箱3に出力される。
通信部23は、100BASE-T1又は1000BASE-T1等のイーサネットケーブルによる通信線10にて伝送されるTCP/IPのパケットに対応するイーサネットPHY部である。又は、通信部23は、CANプロコトルに対応したCANトランシーバであってもよい。
受付部24は、記憶部21に直接アクセスし、当該記憶部21に記憶されている情報を直接、変更するために用いられるROMライター等の書換装置7が接続される入出力ポートである。受付部24に接続される書換装置7により、記憶部21の第2領域212に記憶されている有効性情報を変更する(書き換える)ことができる。
外部装置6は、車両C又は、電気配線箱3が接続される車載ECU2の製造段階において、車載ECU2の通信部23を介して接続される製品検査用のダイアグ装置である。外部装置6は、例えばパソコン、タブレットPC又はスマートホン等の汎用情報端末に専用アプリケーションをインストールした装置、又はハードウェアを含み専用情報端末として構成された装置である。外部装置6は、車載中継装置1を介して、車載ECU2と通信可能に接続されるものであってもよい。外部装置6は、検査用プログラムの実行要求(エントリ要求)に関する信号(要求信号)を車載ECU2に出力(送信)する。詳細は後述するが、車載ECU2の制御部20は、外部装置6から検査用プログラムの実行要求(エントリ要求)に関する信号(要求信号)を受信した場合、検査用プログラムの起動に関する処理を行うものであってよい。
車載ECU2の起動時、車載ECU2の制御部20はブートプログラム等の起動用プログラムを実行し、起動処理を行う起動処理部として機能する。ブートプログラム等の起動用プログラムを実行中の制御部20は、車載ECU2の起動処理の一環として、記憶部21における物理アドレスに基づき、第2領域212に記憶されている有効性情報を参照し、当該有効性情報(ビットフラグ)の値(0又は1)に応じて、制御プログラム又は検査用プログラムを選択的に実行する。車載ECU2の制御部20は制御プログラムを実行することにより、自ECUに接続されている電気配線箱3等の車載装置の制御に関する処理を行う車載装置制御処理部として機能する。車載ECU2の制御部20は検査用プログラムを実行することにより、自ECUの自己診断処理、自ECUに接続されている電気配線箱3等の車載装置との接続確認処理等の検査用処理を行う検査用処理部として機能する。
記憶部21におけるブートプログラム領域210は、例えば、記憶部21の物理アドレスにおける最初の番地(0ブロック目)からなる領域にて区分化されている。車載ECU2の制御部20は、自ECUの起動時において、ブートプログラム領域210に記憶されているブートプログラムを実行し、第2領域212に記憶されている有効性情報に基づき、制御プログラム又は検査用プログラムを選択的に実行する。
記憶部21における第1領域211は、制御プログラムを実行中の制御部20からのアクセスが可能な領域として区分化されている。すなわち、制御プログラムを実行中の制御部20は、論理アドレスにてアドレッシングされた第1領域211に対し、参照系アクセス及び書込み系アクセスを行う。
記憶部21における第2領域212は、制御プログラムを実行中の制御部20からのアクセスが制限される領域として区分化されている。第2領域212は論理アドレスによるアドレッシングがされていないため、制御プログラムを実行中の制御部20は、第2領域212に対し、第1領域211と同様に論理アドレスを用いたアクセスをすることができない。第2領域212にアクセスするためには、制御部20は、物理アドレスを用いて当該第2領域212にアクセスする必要がある。ブートプログラム等の起動用プログラムを実行中の制御部20は、予め定められている物理アドレスに基づき、第2領域212に記憶されている有効性情報を参照する。
第2領域212は、車載ECU2の起動時に参照される有効性情報を記憶するための領域であるため、第2領域212の記憶容量は、第1領域211の記憶容量よりも小さい容量となるように、第1領域211及び第2領域212は、記憶部21において区分化されている。このように第1領域211及び第2領域212を区分化することにより、電気配線箱3等の車載装置を制御する際に用いられる第1領域211の記憶容量を十分に確保し、記憶部21の記憶容量を有効活用することができる。
本実施形態において、車載ECU2の起動時に制御部20が実行する起動用プログラムは、ブートプログラムであると記載したが、これに限定されない。車載ECU2の起動時に制御部20が実行する起動用プログラムは、車載ECU2に接続される車載装置を制御するための制御プログラムであってもよい。車載ECU2の起動時、制御部20は制御プログラムを実行し、制御プログラムを実行中の制御部20は、物理アドレスに基づき、第2領域212に記憶されている有効性情報を参照するものであってもよい。
車両C又は、電気配線箱3が接続される車載ECU2の製造段階において検査用プログラムが実行される前は、有効性情報は、検査用プログラムが有効である旨を示している。すなわち、検査用プログラムが実行される前は、有効性情報の値は、1(検査用プログラムは有効)であるとして、第2領域212に記憶されている。
車両C又は、電気配線箱3が接続される車載ECU2の製造段階において検査用プログラムが実行され、車載ECU2及び電気配線箱3の検査が完了した後、有効性情報は、検査用プログラムが無効である旨を示すように変更される。すなわち、検査用プログラムが実行された後、有効性情報の値は、0(検査用プログラムは無効)に変更されて、第2領域212に記憶される。
有効性情報の値が、0(検査用プログラムは無効)に変更されて第2領域212に記憶された後、車載ECU2を含む車両Cは、市場に出荷されるものとなる。車両Cの出荷後、第2領域212に記憶された有効性情報の値(0:検査用プログラムは無効)は、変更されることなく維持されるため、製造工程以降、検査用プログラムが、意図せず実行されることを効率的に防止することができる。その上で、車両Cが故障した場合、修理又は故障要因の分析を要する場合、受付部24に書換装置7を接続し、第2領域212に記憶されている有効性情報を直接、1(検査用プログラムは有効)に書き換えることにより、再度、検査用プログラムを実行することができる。
図3は、車載ECU2の制御部20の処理を例示するフローチャートである。車載ECU2の制御部20は、例えば、車両Cの起動又は停止を行うイグニッション・スイッチ(IGスイッチ)がオンにされた場合等、車載ECU2への起動要求が行われた場合、以下の処理を行う。
車載ECU2の制御部20は、ブートプログラム等の起動用プログラムを実行する(S101)。制御部20は、例えば、駆動電力が供給又は起動要求の信号が入力等、車載ECU2への起動要求が行われた場合、ブートプログラム等の起動用プログラムを実行する。当該ブートプログラムは、記憶部21の物理アドレスにおける最初の番地(0ブロック目)からなるブートプログラム領域210に記憶(格納)されており、制御部20は、当該ブートプログラム領域210を参照することにより、ブートプログラムを読み出し、実行する。起動用プログラムは、車載ECU2の起動時のみ実行されるブートプログラムに限定されず、車載ECU2に接続される車載装置を制御するための制御プログラムであってもよい。
車載ECU2の制御部20は、第2領域212に記憶されている有効性情報を参照する(S102)。車載ECU2の起動時に実行されるブートプログラム又は制御プログラムによる起動用プログラムは、記憶部21の物理アドレスに基づき、予め物理アドレスの番地が決定されている第2領域212を参照するようにコーディングされている。起動用プログラムを実行中の制御部20は、物理アドレスに基づき、第2領域212に記憶(格納)されている有効性情報を参照することにより、当該有効性情報の値を取得する。有効性情報が、例えば0又は1にて示されるビットフラグにより定義される場合、制御部20は、当該ビットの番地を示す物理アドレスに基づき、有効性情報の値を取得するものであってもよい。
車載ECU2の制御部20は、有効性情報に基づき、検査用プログラムは有効であるか否かを判定する(S103)。有効性情報(ビットフラグ)の値の一例として、0は、検査用プログラムが無効であることを示し、1は、検査用プログラムが有効であることを示す場合、制御部20は、当該値に基づき、検査用プログラムが有効であるか否かを判定する。
検査用プログラムが有効である場合(S103:YES)、車載ECU2の制御部20は、検査用プログラムを実行する(S1031)。ブートプログラム等の起動用プログラムを実行中の制御部20は、検査用プログラムが有効である場合、検査用プログラムを実行した後、当該起動用プログラムを終了するものであってもよい。制御部20は、検査用プログラムを実行した後、起動用プログラムを終了することにより、実行中のプログラムを起動用プログラムから検査用プログラムに移行させ、車載ECU2の動作状態(処理態様)を、起動処理状態から検査処理状態に遷移させる。
車載ECU2の制御部20は、検査用プログラムに基づき、車載ECU2(自ECU)の検査を実行する(S1032)。制御部20は、検査用プログラムにてコーディングされている処理内容に基づき、例えば、自ECUの自己診断処理、自ECUに接続されている電気配線箱3等の車載装置との接続確認処理、電気配線箱3に含まれるリレー31、スイッチ等の動作確認処理等の検査用処理を行う。
検査用プログラムが有効でない場合(S103:NO)、すなわち検査用プログラムが無効である場合、車載ECU2の制御部20は、制御プログラムを実行する(S104)。ブートプログラム等の起動用プログラムを実行中の制御部20は、検査用プログラムが有効でない場合(無効である場合)、制御プログラムを実行した後、起動用プログラムを終了することにより、実行中のプログラムを起動用プログラムから制御プログラムに移行させ、車載ECU2の動作状態(処理態様)を、起動処理状態から、制御処理状態に遷移させる。S101の処理において、起動用プログラムとして制御プログラムを実行している場合は、車載ECU2の制御部20は、制御プログラムを実行している状態を維持し、制御プログラムの実行を継続するものであってもよい。すなわち、制御プログラムにおける処理シーケンスは、有効性情報の判定処理を行った後処理として、自ECUに接続される車載装置の制御に関する処理を行うものであってもよい。
車載ECU2の制御部20は、制御プログラムに基づき、自ECUに接続される電気配線箱3等の車載装置の制御を開始する(S105)。車載ECU2が車両C全体を制御するボディECU(BCU)である場合、車載ECU2は、例えば、車両Cの操作者による操作に基づき出力された信号を受信し、当該信号に基づき自ECUに接続される車載装置を駆動するための制御を行う。車載ECU2の制御部20は、S105又はS1032の処理の実行後、本フローにおける一連の処理を終了する。又は、車載ECU2の制御部20は、S105の処理を実行した後、再度S104及びS105を実施すべくループ処理を行い、車載装置の制御を継続するものであってもよい。
本実施形態によれば、車載ECU2の制御部20は、記憶部21の第2領域212に記憶されている有効性情報によって示される内容(ビットフラグの値)に基づき、検査用プログラム又は制御プログラムを選択的に実行し、当該検査用プログラムを効率的に用いることができる。
第2領域212に記憶されている有効性情報は、車載ECU2又は車両Cの製造工程において、有効から無効に変更されるため、製造工程を終えて出荷された車両Cにおいては、有効性情報は無効(検査用プログラムは無効)である旨を示す状態に書き換えられている。従って、市場に出荷された車両Cにおいて、検査用プログラムが意図せず実行されることを効率的に防止することができる。その上で、車両Cが故障等した場合は、車載ECU2の受付部24に書換装置7を直接、接続することにより、当該書換装置7から出力されたデータ又は信号等により、有効性情報を無効から有効に書き換え、車両Cの修理工程等において再度、検査用プログラムを実行することができる。
本実施形態によれば、検査用プログラムの有効性情報が記憶される第2領域212は、制御プログラムを実行中の制御部20からのアクセスが制限される領域として区分化されている。すなわち、有効性情報は、制御プログラムを実行する制御部20が記憶部21(第1領域211)にアクセスする際に用いられる論理アドレスが定義されていない第2領域212にて、記憶されている。従って、車両Cの走行時等の通常時において、有効性情報が、制御プログラムを実行する制御部20により、改変されることを効率的に防止することができる。
(実施形態2)
図4は、実施形態2(要求信号)に係る車載ECU2の制御部20の処理を例示するフローチャートである。車載ECU2の制御部20は、例えば、車両Cの起動又は停止を行うイグニッション・スイッチ(IGスイッチ)がオンにされた場合等、車載ECU2への起動要求が行われた場合、以下の処理を行う。車載ECU2の制御部20は、実施形態1の処理S101と同様にS201の処理を行う。
車載ECU2の制御部20は、検査用プログラムに関する要求を受け付けたか否かを判定する(S202)。上述のとおり、車載ECU2等の製造段階又は保守作業時においては、車載ECU2の通信部23を介して、外部装置6が接続されている。この場合、車載ECU2の起動時に、当該外部装置6から、検査用プログラムの実行要求(エントリ要求)に関する要求信号が出力(送信)される。外部装置6から要求信号が出力された場合、制御部20は、通信部23を介して当該要求信号を取得(受信)する。
外部装置6は、要求信号を出力する際、車両C内に搭載される他の車載ECU間の通信にて用いられる識別子とは異なる識別子にて、当該要求信号を出力するものであってもよい。車両C内における車載ECU2間の通信が、例えばCANで行われる場合、当該識別子はCAN-IDに相当し、例えばイーサネット(TCP/IP)で行われる場合、当該識別子はポート番号に相当するものであってもよい。このように識別子を異ならせることにより、車載ECU2の制御部20が、外部装置6から送信される要求信号を取得する処理を行うにあたり、車両C内に搭載される他の車載ECU間の通信による影響を効率的に排除し、当該要求信号の取得処理における信頼性を担保することができる。外部装置6が通信部23に接続されていない場合、制御部20は、要求信号(エントリ要求)を取得することはない。
検査用プログラムに関する要求を受け付けた場合(S202:YES)、制御部20は、実施形態1の処理S102と同様にS203の処理を行う。制御部20は、実施形態1におけるS102の以降の処理であるS103からS105、S1032と同様に、S204からS206、S2042までの処理を行う。
検査用プログラムに関する要求を受け付けなかった場合(S202:NO)、制御部20は、実施形態1の処理S104、S105と同様にS205、S206の処理を行う。車載ECU2の制御部20は、S206又はS2042の処理の実行後、本フローにおける一連の処理を終了する。又は、車載ECU2の制御部20は、S206の処理を実行した後、再度S205及びS206を実施すべくループ処理を行い、車載装置の制御を継続するものであってもよい。
本実施形態によれば、車載ECU2の制御部20は、車両C外の外部装置6から送信される要求信号を取得した場合、記憶部21に記憶される有効性情報を参照し、当該有効性情報に基づき検査用プログラムが有効又は無効であるかを判定する。従って、検査用プログラムが実行されるためには、要求信号の取得及び検査用プログラムが有効であることの2つの要件具備が必要となり、検査用プログラムが実行される要件を更に厳格化し、当該検査用プログラムが誤って実行されることを効率的に防止することができる。
(実施形態3)
図5は、実施形態3(監視)に係る車載ECU2の制御部20の処理を例示するフローチャートである。車載ECU2の制御部20は、例えば、車両Cの起動又は停止を行うイグニッション・スイッチ(IGスイッチ)がオンにされた場合等、車載ECU2への起動要求が行われた場合、以下の処理を行う。車載ECU2の制御部20は、実施形態1の処理S101からS104、及びS1031,S1032と同様に、S301からS304、及びS3031,S3032までの処理を行う。
車載ECU2の制御部20は、S304の処理にて制御プログラムを実行することにより、実施形態1のS105と同様に車載装置の制御を開始する処理(S305)を行うと共に、検査用プログラムが無効であるか否かの判定を行う(S306)。制御プログラムを実行中の制御部20は、例えばサブプロセスを生成することにより、S305の処理である車載装置の制御に関する処理を行うと共に、検査用プログラムが無効であるか否かの判定を行う処理を並行処理として実施するものであってもよい。車載ECU2の制御部20は、S305、S307又はS3032の処理の実行後、本フローにおける一連の処理を終了する。又は、車載ECU2の制御部20は、S305、S307の処理を実行した後、再度S305、S306及びS307を実施すべくループ処理を行い、車載装置の制御及び、検査用プログラムが無効であることを示す有効性情報の監視を継続するものであってもよい。
制御部20は、S303の処理と同様に第2領域212に記憶(格納)されている有効性情報を参照し、当該有効性情報の値を取得する。有効性情報は、例えば、0又は1にて示されるビットフラグにより定義されており、0は、検査用プログラムが無効であることを示し、1は、検査用プログラムが有効であることを示すものであってもよい。
本フローにおける一連の処理においては、S303にて、検査用プログラムが有効ではない(0:検査用プログラムが無効である)という条件の下、S306の処理を行われるものであり、これら処理の間においては、検査用プログラムの有効性を示す有効性情報(ビットフラグ)は、制御部20が実行する制御プログラムによって変更される情報ではない。しかしながら、有効性情報が記憶されている第2領域212において、例えば、電気ノイズ又は宇宙線の衝突等により、ビット反転(0から1に反転)する現象が発生することも可能性としては、あり得るものである。従って、制御部20は、制御プログラムを実行中であっても、例えばサブプロセスを生成して検査プログラムが無効であるかの監視を継続的に行うことにより、ビット反転等により有効性情報が意図せず変更された事象を検知することができる。
制御部20は、検査プログラムが無効であるかの監視を行うにあたり、有効性情報が記憶されている第2領域212に対し、物理アドレスに基づきアクセスし、当該有効性情報を参照するものであってもよい。従って、制御プログラムを実行中の制御部20は、車載装置を制御するための処理については論理アドレスに基づき記憶部21の第1領域211に参照及び書込み系のアクセスを行い、検査プログラムが無効であるかの監視処理については物理アドレスに基づき記憶部21の第2領域212に参照系のアクセスを行う。このように処理の種類に応じて、記憶部21にアクセスするアドレス系統を異ならせることにより、第2領域212に記憶されている有効性情報に対する堅牢性を担保することができる。
検査用プログラムが無効である場合(S306:YES)、車載ECU2の制御部20は、再度S306の処理を実行すべく、ループ処理を行う。当該ループ処理を行うことにより、制御プログラムを実行中の制御部20は、検査プログラムが無効であるかの監視を周期的及び継続的に行うことができる。
検査用プログラムが無効でない場合(S306:NO)、すなわち検査用プログラムが有効となっている場合、車載ECU2の制御部20は、有効性情報が変更された旨を出力する。
検査用プログラムが無効でない場合とは、上述のとおり、ビット反転等により、有効性情報が意図せず無効から有効に変更された場合である。検査用プログラムが有効となっている場合、車載ECU2の制御部20は、有効性情報が意図せず無効から有効に変更された旨を示す情報を、例えば、車載中継装置1を介してHMI装置又は、車載中継装置1及び車外通信装置11を介して外部サーバに出力する。有効性情報が変更された旨を、例えばHMI装置12又は外部サーバに出力することにより、当該旨を車両Cの操作者又は外部サーバの管理者に効率的に報知することができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
C 車両
S 車載システム
1 車載中継装置(Gateway)
10 通信線
11 車外通信装置
12 HMI装置
2 車載ECU
20 制御部
21 記憶部
210 ブートプログラム領域
211 第1領域
212 第2領域
21A 記録媒体
22 入出力I/F
221 信号線
23 通信部
24 受付部
3 電気配線箱(車載装置)
31 リレー
4 蓄電装置
41 電力線
5 車載負荷
6 外部装置(ダイアグ装置)
7 書換装置

Claims (9)

  1. 車両に搭載される車載装置を制御する車載ECUであって、
    前記車載装置を制御するための制御プログラム及び、前記車載装置又は前記車載ECUの動作確認を行うための検査用プログラムが記憶される記憶部と、
    前記制御プログラム又は前記検査用プログラムを実行する制御部と
    を備え、
    前記記憶部には、前記検査用プログラムの有効又は無効を示す有効性情報が記憶されており、
    前記制御部は、前記記憶部に記憶される前記有効性情報を参照し、
    前記検査用プログラムが有効である場合は、前記検査用プログラムを実行し、
    前記検査用プログラムが無効である場合は、前記制御プログラムを実行し、
    前記記憶部には、前記車載ECUの起動時に実行されるブートプログラムが記憶されており、
    前記記憶部は、前記制御プログラムを実行中の制御部からのアクセスが可能な第1領域と、前記制御プログラムを実行中の制御部からのアクセスが制限される第2領域とを含み、
    前記有効性情報は、前記第2領域に記憶されており、
    前記ブートプログラムを実行中の制御部は、物理アドレスにより前記第2領域にアクセスし、
    前記制御プログラムを実行中の制御部は、前記車載装置の制御又は駆動のログデータを前記第1領域に書き込み、
    前記第2領域における記憶容量は、前記第1領域における記憶容量よりも小さい
    車載ECU。
  2. 前記記憶部に記憶される前記有効性情報は、前記車載ECU又は前記車両の製造工程において、有効から無効に変更される
    請求項1に記載の車載ECU。
  3. 前記制御部は、前記車両外の外部装置から送信される要求信号を取得した場合、
    前記記憶部に記憶される前記有効性情報を参照し、
    前記有効性情報に基づき、前記検査用プログラムが有効又は無効であるかを判定する
    請求項1又は請求項2に記載の車載ECU。
  4. 前記外部装置から送信される要求信号に含まれる識別子は、前記車両内に搭載される他の車載ECU間の通信にて用いられる識別子とは異なる
    請求項に記載の車載ECU。
  5. 前記有効性情報が記憶されている記憶部へのアクセスを受け付ける受付部を備え、
    前記記憶部に記憶される前記有効性情報は、前記受付部を介して受け付けた信号によって、無効から有効に変更される
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車載ECU。
  6. 前記車載装置は、前記車両に搭載される蓄電装置と車載負荷との間に介在する電気配線箱であり、
    前記電気配線箱は、前記蓄電装置から前記車載負荷への電力の給断を行うリレーを含み、
    前記制御部は、前記電気配線箱に含まれる前記リレーの開閉制御を行う
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車載ECU。
  7. 前記制御プログラムを実行中の制御部は、
    前記有効性情報が有効から無効に変更された後、所定のタイミングで前記有効性情報を監視し、
    前記検査用プログラムが有効である旨が前記有効性情報にて示されている場合、前記監視の結果に関する情報を出力する
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車載ECU。
  8. コンピュータに
    車載装置を制御するための制御プログラム、前記車載装置又は前記車載装置を制御する車載ECUの動作確認を行うための検査用プログラム及び、前記検査用プログラムの有効又は無効を示す有効性情報が記憶される記憶部を参照し、
    前記有効性情報が、前記検査用プログラムは有効である旨を示す場合、前記検査用プログラムを実行し、
    前記有効性情報が、前記検査用プログラムは無効である旨を示す場合、前記制御プログラムを実行し、
    前記記憶部には、前記車載ECUの起動時に実行されるブートプログラムが記憶されており、
    前記記憶部は、前記制御プログラムを実行中の前記コンピュータからのアクセスが可能な第1領域と、前記制御プログラムを実行中の前記コンピュータからのアクセスが制限される第2領域とを含み、
    前記有効性情報は、前記第2領域に記憶されており、
    前記ブートプログラムを実行中の前記コンピュータは、物理アドレスにより前記第2領域にアクセスし、
    前記制御プログラムを実行中の前記コンピュータは、前記車載装置の制御又は駆動のログデータを前記第1領域に書き込み、
    前記第2領域における記憶容量は、前記第1領域における記憶容量よりも小さい
    処理を実行させるプログラム。
  9. コンピュータに
    車載装置を制御するための制御プログラム、前記車載装置又は前記車載装置を制御する車載ECUの動作確認を行うための検査用プログラム及び、前記検査用プログラムの有効又は無効を示す有効性情報が記憶される記憶部を参照し、
    前記有効性情報が、前記検査用プログラムは有効である旨を示す場合、前記検査用プログラムを実行し、
    前記有効性情報が、前記検査用プログラムは無効である旨を示す場合、前記制御プログラムを実行し、
    前記記憶部には、前記車載ECUの起動時に実行されるブートプログラムが記憶されており、
    前記記憶部は、前記制御プログラムを実行中の前記コンピュータからのアクセスが可能な第1領域と、前記制御プログラムを実行中の前記コンピュータからのアクセスが制限される第2領域とを含み、
    前記有効性情報は、前記第2領域に記憶されており、
    前記ブートプログラムを実行中の前記コンピュータは、物理アドレスにより前記第2領域にアクセスし、
    前記制御プログラムを実行中の前記コンピュータは、前記車載装置の制御又は駆動のログデータを前記第1領域に書き込み、
    前記第2領域における記憶容量は、前記第1領域における記憶容量よりも小さい
    処理を実行させる情報処理方法。
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