JP7388038B2 - 化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、化粧シートに関する。
従来、化粧シートとしては、ポリ塩化ビニル樹脂フィルムに絵柄印刷を施したものが主流であった。近年では、環境問題への対応を考慮して、燃焼時の塩化水素又はダイオキシン等の有害物質の発生のおそれが少ない、ポリオレフィン系樹脂等の非塩素系樹脂フィルムを使用した化粧シートも開発され、広く使用される様になりつつある。
上記化粧シートには、耐傷付き性や耐摩耗性が求められることがある。具体的には、上記化粧シートには、物をぶつけたり、移動の際に擦ったりした際に表面に傷がつかないことが求められる。
耐傷付き性や耐摩耗性を備えた非塩素系の材料としては、例えば、特許文献1に記載のメラミン板があるが、メラミン板は大きさにある程度の規定がある。このため、化粧シートの製品加工時にメラミン板をカットして落とす部分が多いと歩留まりが悪くなることがある。また、メラミン板を用いると、枚葉での貼り合せ加工となるため作業の効率性も悪く、その重さゆえの作業性が悪くなることもある。
特開2014-188941号公報
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、メラミン板を備えない化粧シートであってもメラミン板と同等の耐傷付き性能や耐摩耗性能を付与することができ、且つ、加工性や生産性に優れた化粧シートを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る化粧シートは、基材層上に、絵柄模様層、接着剤層、透明熱可塑性樹脂層、及び表面保護層がこの順に積層され、前記基材層は、熱可塑性樹脂と、無機質材料とを含有し、前記無機質材料の含有量は、前記基材層の質量に対して、15質量%以上90質量%以下の範囲内であり、前記透明熱可塑性樹脂層の厚みは、50μm以上150μm以下の範囲内であり、前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂を含んでいる。
本発明の一態様に係る化粧シートであれば、メラミン板を備えた化粧シートと同等の耐傷付き性能や耐摩耗性能を備え、且つ加工性や生産性に優れた化粧シートを提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る化粧シートの構成を示す断面図である。
図面を参照して、本発明の実施形態を以下において説明する。ただし、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係や、各層の厚さの比率等は、現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚さや寸法は、以下の説明を参酌して判断すべきものである。
さらに、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質や、それらの形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(化粧シート10の構成)
本実施形態の化粧シート10の構造の例を図1に示す。化粧シート10は、木質系基材、無機質系基材、合成樹脂基材、金属系基材等々の基材へ貼り合わせるオレフィン系化粧シートまたはポリエステル系化粧シートであり、特に、耐傷付き性や耐摩耗性が求められる部分に使用される化粧シートである。以下、化粧シート10の構成について、具体的に説明する。
化粧シート10は、プライマー層8、裏面アンカー層1b、原反層(基材層)1、表面アンカー層1a、絵柄模様層2、接着剤層5、透明熱可塑性樹脂層6、及び表面保護層7がこの順に積層されている。また、原反層1は、熱可塑性樹脂と無機質材料とを含有しており、その無機質材料の含有量は、原反層1の質量に対して、15質量%以上90質量%以下の範囲内である。また、透明熱可塑性樹脂層6の厚みは、50μm以上150μm以下の範囲内である。また、表面保護層7は、紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂を含んでいる。
なお、透明熱可塑性樹脂層6は、接着剤層5側に形成され、第1の樹脂を含む第1の樹脂層6aと、第1の樹脂層6a上に形成され、第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含む第2の樹脂層6bとを備えてもよい。さらに、第1の樹脂は、例えば、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂であり、第2の樹脂は、例えば、透明ポリプロピレン樹脂であってもよい。
以下、上記各層の詳細について説明する。
〔原反層(基材層)1〕
原反層1は、化粧シート10の基材となる層(シート)であって、熱可塑性樹脂と、無機質材料とを含んだ層である。
<無機質材料>
本実施形態の無機質材料の含有量は、原反層1の質量に対して、15質量%以上90質量%以下の範囲内であればよく、20質量%以上80質量%以下の範囲内であればより好ましく、60質量%以上80質量%以下の範囲内であればさらに好ましい。無機質材料の含有量が原反層1の質量に対して、15質量%未満であると、相対的に熱可塑性樹脂の割合が多くなるため、原反層1の表面をホフマンスクラッチテスターを用いて引っ掻いた際に、視認できる程度の傷が付く、即ち十分な表面硬度が得られないことがある。一方、無機質材料の含有量が原反層1の質量に対して、90質量%を超えると、相対的に熱可塑性樹脂の割合が少なくなる。このため、原反層1表面にアンカー層塗工もしくは印刷等を行った際に原反層1表面に所謂「粉吹き」が発生することがある。ここで、「粉吹き」とは、原反層1に含まれた無機質材料が原反層1の表面に浮き出ることをいう。また、絵柄模様層2の形成時に、原反層1から浮き出た無機質材料によってインキが積層しにくくなる、即ち印刷適性が低下することがある。また、表面アンカー層1a、裏面アンカー層1b、絵柄模様層2、及び表面保護層7の少なくとも一つを形成したシートをロール状または枚葉で木質系基材及び石系基材にラミネートする際にラミネートしにくくなる、即ちラミネート適性が低下する傾向がある。また、表面アンカー層1a、裏面アンカー層1b、絵柄模様層2、及び表面保護層7の少なくとも一つを形成したシートを折り曲げて再び開いた際に、折り曲げた部分から割れが発生したり、無機質材料が落ちたりすることがある。また、絵柄模様層2を形成したシートの表面にセロハンテープを圧着した後、強く引き剥がし、絵柄模様層2内または原反層1(表面アンカー層1a)と絵柄模様層2との間で剥離が生じる、即ちインキ密着性が低下することがある。
このように、本実施形態の無機質材料の含有量が原反層1の質量に対して、15質量%以上90質量%以下、好ましくは20質量%以上80質量%以下、さらに好ましくは60質量%以上80質量%以下の範囲内であれば、粉吹きの発生を低減し、印刷適性を向上させ、ラミネート適性を向上させ、且つシートの折り曲げ部における割れの発生を低減することができ、さらに十分な表面硬度を得ることができ、インキ密着性を向上させることできる。
また、本実施形態の無機質材料は、粉末形状(粉体形状)であることが好ましく、その平均粒子径が1μm以上3μm以下の範囲内であり、且つ最大粒子径が50μm以下であることが好ましい。無機質材料の平均粒子径及び最大粒子径が上記数値範囲内であれば、熱可塑性樹脂に対する無機質材料の分散性を向上させつつ、原反層1表面の平坦性を維持することができる。無機質材料の平均粒子径が1μm未満であると、無機質材料同士の凝集力が高まり、後述する熱可塑性樹脂への分散性が低下することがある。また、無機質材料の平均粒子径が3μmを超えると、原反層1表面の平坦性が低下し、後述する表面アンカー層1aまたは裏面アンカー層1bの厚みが不均一となったり、ムラや欠けが発生したりすることがある。また、無機質材料の最大粒子径が50μmを超えると、原反層1表面の平坦性が低下し、後述する表面アンカー層1aまたは裏面アンカー層1bの厚みが不均一となったり、ムラや欠けが発生したりすることがある。なお、本実施形態において、「平均粒子径」とは、モード径を意味する。
無機質材料は、例えば、炭酸カルシウム及び炭酸カルシウム塩の少なくとも一方を含有した粉末である。炭酸カルシウム及び炭酸カルシウム塩の少なくとも一方を含む粉体は、50質量%以上100質量%以下の範囲内で含むものが好ましい。つまり、炭酸カルシウム及び炭酸カルシウム塩の少なくとも一方を含む粉体の純度は、炭酸カルシウム等が50質量%以上100質量%以下の範囲内であることが好ましい。炭酸カルシウム等の含有量が50質量%以上含む炭酸カルシウム及び炭酸カルシウム塩の少なくとも一方を含む粉体であれば、原反層1に、十分な不燃性または十分な難燃性を付与することができると共に、十分な機械的強度を付与することができる。
なお、無機質材料としては、上記炭酸カルシウム及び炭酸カルシウム塩の少なくとも一方を含む粉体以外に、例えば、シリカ(特に中空シリカ)、アルミナ、三酸化アンチモン、アンチモンソーダ、珪酸ジルコン、酸化ジルコンなどのジルコニウム化合物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、硼砂、ホウ酸亜鉛、三酸化モリブデンあるいはジモリブデン酸アンチモンと水酸化アルミニウムとの錯体など、三酸化アンチモンとシリカとの錯体、三酸化アンチモンと亜鉛華との錯体、ジルコニウムのケイ酸、ジルコニウム化合物と三酸化アンチモンとの錯体、並びにそれらの塩などの少なくとも一種が挙げられる。特に、炭酸カルシウム及び炭酸カルシウム塩は製造手法による粒径のコントロールや熱可塑性樹脂との相溶性の制御が容易であり、また、材料コストとしても安価であるため化粧シートの低廉化の観点からも好適である。
また、無機質材料は、結晶性を有する粉末材料、所謂結晶粉末であってもよいし、結晶性を有さない粉末材料、所謂アモルファスタイプの粉末材料であってもよい。無機質材料が結晶性を有する粉末材料であれば、粉末自体が均質で等方性を備えるため、粉末自体の機械的強度が向上し、化粧シートの耐傷性や耐久性が向上する傾向がある。また、無機質材料がアモルファスタイプの粉末材料であれば、粉末自体の電気伝導性や熱伝導性、あるいは光透過率や光吸収率を適宜調整することが可能となるため、触感や艶等のバリエーションが豊富な意匠性を付与することが可能となる。
表面が被覆されていない炭酸カルシウム等の無機質材料は、一般に粉体の流動性が低く、また耐アルカリ性も高くないため、色相に変化が生じ易い傾向がある。
これに対し、前処理、即ち表面処理した炭酸カルシウム等の無機質材料を用いた場合には、一般に粉体の流動性が改善され、耐アルカリ性、及び色相が改善される傾向がある。また、前処理に適切な処理剤を選定することで耐候性も改良することが可能となる。
そこで、本実施形態では、炭酸カルシウム等の無機質材料について、粉体の流動性改善、耐アルカリ性、色相改善、その他、炭酸カルシウム填料の特性を向上させる目的で、必要に応じて、各種表面処理剤で表面処理(被覆)をしてもよい。以下、この点について説明する。
本実施形態の無機質材料は、その表面が、有機リン系表面処理剤、無機リン酸系表面処理剤、ポリカルボン酸系表面処理剤及びカップリング剤系表面処理剤の少なくとも1種で処理されたものであってもよい。なお、本実施形態において「表面処理」とは、表面処理剤によってその表面が覆われている、即ち表面が被覆されていることをいう。
無機質材料の表面処理に使用可能な有機リン系表面処理剤としては、例えば、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル、リン酸メチル酸、リン酸エチル酸等の有機リン酸系やそれらの塩類が挙げられる。
また、無機質材料の表面処理に使用可能な無機リン酸系表面処理剤としては、例えば、ピロリン酸やポリリン酸類、ヘキサメタリン酸に代表される縮合リン酸やその塩類が挙げられる。
なお、これらの表面処理剤は、単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いることができる。
また、無機質材料の表面処理に使用可能なポリカルボン酸系表面処理剤としては、例えば、ポリアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸や、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸等のジカルボン酸が挙げられる。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。また、ポリプロピレングリコール(PPG)やポリエチレングリコール(PEG)等の官能基を有する化合物との共重合物も問題なく使用できる。
また、無機質材料の表面処理に使用可能なカップリング剤系表面処理剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネートで代表されるチタネート系カップリング剤、メチルハイドロジェンで代表されるシリコーン系オイル等が挙げられる。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
これら表面処理剤の中でも、樹脂への相溶性や、耐熱性、及び炭酸カルシウム等の無機質材料の不活性化や脱水・脱気性の観点から、リン酸トリメチル(TMP)やリン酸トリエチル(TEP)、縮合リン酸類、シリコーン系処理が好ましい。特に、エステル結合を有するポリエステル系樹脂の場合、耐アルカリ性が低いために表面処理剤は好適である。
表面処理剤の使用量は、炭酸カルシウム等の無機質材料の比表面積や、コンパウンド条件等に応じて変わるので一概には規定し難いが、本実施形態の目的用途から、通常、炭酸カルシウム等の無機質材料に対して0.01質量%以上5質量%以下の範囲内が好ましい。使用量が0.01質量%未満では充分な表面処理効果が得られ難く、一方、5質量%を超えて添加した場合、樹脂混練時に表面処理剤が分解揮発等により樹脂の色相を黄変化するなどの問題が生じる可能性があるため、より好ましくは0.05質量%以上3質量%以下の範囲内、さらに好ましくは0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲内である。
炭酸カルシウム等の無機質材料への表面処理方法としては、例えばスーパーミキサーやヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー、ニーダーミキサー、バンバリーミキサー等のミキサーを用い、炭酸カルシウム等の無機質材料粉体に直接表面処理剤を混合し、必要に応じて加熱して表面処理する乾式処理法や、表面処理剤を水溶媒等で溶解し、炭酸カルシウム等の無機質材料懸濁液中に必要に応じて加熱して表面処理した後、脱水、乾燥する湿式処理法、または、その両者の複合で炭酸カルシウム等の無機質材料懸濁液を脱水したケーキを表面処理してもよい。
また、原反層1の効能を阻害しない範囲で、必要に応じて、例えば滑剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、スリップ剤、着色剤等を配合してもよい。
<熱可塑性樹脂>
本実施形態の熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリエステルの少なくとも1種であれば好ましく、ポリプロピレンであればより好ましい。熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリエステルの少なくとも1種を使用することで、無機質材料の分散性が向上する。また、熱可塑性樹脂として、ポリプロピレンを使用することで、無機質材料の分散性がさらに向上する。
また、熱可塑性樹脂と無機質材料との合計含有量は、原反層1の質量に対して、90質量%以上100質量%以下の範囲内であることが好ましい。熱可塑性樹脂と無機質材料との合計含有量が上記数値範囲内であれば、十分な表面強度を得つつ、印刷適性やラミネート適性を向上させ、且つシートの折り曲げ部に発生する割れを低減することができる。熱可塑性樹脂と無機質材料との合計含有量が原反層1の質量に対して、90質量%未満であると、十分な表面強度が得られないことがある。また、印刷適性やラミネート適性が低下したり、シートの折り曲げ部に割れが発生したりすることがある。
なお、熱可塑性樹脂と無機質材料との合計含有量は、原反層1の質量に対して、100質量%である場合には、熱可塑性樹脂の含有量を10質量%以上85質量%以下の範囲内とし、無機質材料の含有量を15質量%以上90質量%以下の範囲内とすることが好ましい。また、熱可塑性樹脂の含有量を20質量%以上80質量%以下の範囲内とし、無機質材料の含有量を20質量%以上80質量%以下の範囲内とすることがより好ましい。また、熱可塑性樹脂の含有量を20質量%以上40質量%以下の範囲内とし、無機質材料の含有量を60質量%以上80質量%以下の範囲内とすることがさらに好ましい。熱可塑性樹脂と無機質材料との合計含有量が上記数値範囲内であれば、十分な表面強度を確実に得つつ、印刷適性やラミネート適性を確実に向上させ、且つシートの折り曲げ部に発生する割れを確実に低減することができる。
また、原反層1の厚みは、50μm以上250μm以下の範囲内であることが好ましく、70μm以上200μm以下の範囲内であることがより好ましい。原反層1の厚みが上記数値範囲内であれば、シート全体の機械的強度が向上し、且つシートの折り曲げ部に発生する割れを低減することができる。原反層1の厚みが50μm未満であると、ラミネート適性が低下する傾向がある。また、原反層1の厚みが250μmを超えると、シートの折り曲げ部に割れが発生することがある。
また、原反層1は、無延伸の原反層であることが好ましい。原反層1が無延伸の原反層であれば、化粧シート10全体の機械的強度を高めることができる。
なお、原反層1の表面(絵柄模様層2側の面)及び裏面(プライマー層8側の面)の少なくとも一方に、例えば、後述する表面アンカー層(第1のアンカー層)1a及び裏面アンカー層(第2のアンカー層)1bを形成する前に、コロナ処理やプラズマ処理等の表面処理を施すことが好ましい。原反層1の表面及び裏面の少なくとも一方に、コロナ処理やプラズマ処理等の表面処理を施すことで、表面アンカー層1a及び裏面アンカー層1bと、原反層1との接着性(密着性)が向上する。
また、表面アンカー層1a及び裏面アンカー層1bを形成する前に、例えば、原反層1の表面及び裏面の少なくとも一方をブラッシングして、粉吹きした無機質材料、例えば炭酸カルシウム及び炭酸カルシウム塩の少なくとも一方を含む粉体を事前に落とすようにしてもよい。
〔表面アンカー層〕
表面アンカー層1aは、原反層1の表面全体を覆うように形成された層であって、原反層1に含まれる無機質材料の粉落ちを防止するための層である。印刷時や樹脂塗工時に原反層1に含まれる無機質材料が印刷系内、具体的には印刷装置内で粉落ちすると、その印刷系内を汚染することがある。また、原反層1に含まれる無機質材料が粉落ちすると、インキ抜け等の不具合が発生する可能性がある。ここで、「インキ抜け」とは、インキが部分的に印刷されないことをいう。
また、表面アンカー層1aは、原反層1と、後述する絵柄模様層2を形成するインキとの密着性を向上させるための機能も備えている。表面アンカー層1aを備えない場合には、絵柄模様層2を形成するインキが原反層1に密着せずに剥離してしまうことがある。
表面アンカー層1aは、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂を含有していることが好ましい。ここで、「塩酢ビ」とは、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体を意味する。また、「塩酢ビを含むウレタン系樹脂」とは、塩酢ビとウレタン系樹脂とを含んだ組成物であり、塩酢ビの含有量とウレタン系樹脂の含有量との比(塩酢ビの含有量(質量)/ウレタン系樹脂の含有量(質量))は80/20~1/99の範囲内であればよく、50/50~5/95の範囲内であれば好ましく、20/80~10/90の範囲内であればさらに好ましい。
また、「塩酢ビを含むウレタン系樹脂」は、前述の塩酢ビ及びウレタン系樹脂以外に硬化剤を含んでいてもよい。この硬化剤は、塩酢ビを含むウレタン系樹脂を確実に硬化させるために添加されるものであり、その含有量については特に限定されない。例えば、塩酢ビを含むウレタン系樹脂の含有量と、硬化剤の含有量との比(塩酢ビを含むウレタン系樹脂の含有量(質量)/硬化剤の含有量(質量))は99/1~1/99の範囲内であればよく、99/1~50/50の範囲内であれば好ましく、95/5~90/10の範囲内であればさらに好ましい。
表面アンカー層1aにおける、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量は、表面アンカー層1aの質量に対し、15質量%以上100質量%以下の範囲内が好ましく、80質量%以上100質量%以下の範囲内がより好ましく、85質量%以上95質量%以下の範囲内がさらに好ましい。表面アンカー層1aにおける、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量が上記数値範囲内であれば、表面アンカー層1aと絵柄模様層2との層間強度を十分なものにしつつ、均一でムラや欠けのない表面アンカー層1aを形成することができる。表面アンカー層1aにおける、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量が表面アンカー層1aの質量に対し、15質量%未満であると、表面アンカー層1aと絵柄模様層2との層間強度が不十分となることがある。また、表面アンカー層1aにおける、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量が表面アンカー層1aの質量に対し、80質量%未満であると、使用上何ら問題はないが、表面アンカー層1aの原反層1への食い込み比率が低下し、表面アンカー層1aと原反層1との層間強度が低下することが僅かながらある。なお、表面アンカー層1aにおける、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量が表面アンカー層1aの質量に対し、100質量%以下であれば使用上何ら問題はないが、95質量%、より正確には98質量%を超えると、硬化不足で表面アンカー層1aに欠けが生じたり、表面アンカー層1aと原反層1、もしくは表面アンカー層1aと絵柄模様層2との層間強度が低下したりすることがある。
また、表面アンカー層1aにおける塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量は、後述する裏面アンカー層1bにおける塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量と同じであってもよい。即ち、表面アンカー層1aにおける塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量は、裏面アンカー層1bにおける塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量の1.0倍(0.95倍以上1.04倍以下の範囲内)であってもよい。表面アンカー層1aにおける塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量が、裏面アンカー層1bにおける塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量と同じである場合には、表面アンカー層1aの物性と裏面アンカー層1bの物性がほぼ同じになるため、原反層1が表面アンカー層1a及び裏面アンカー層1bを備えた状態において、歪みや反り等の発生を低減することができる。そのため、化粧シート全体の歪みや反り等の発生を低減することができる。また、表面アンカー層1aを形成するための塗工液と、裏面アンカー層1bを形成するための塗工液とを共通化することができるため、製造コストを低減するとともに、作業効率を向上させることができる。
また、表面アンカー層1aにおける塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量は、裏面アンカー層1bにおける塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量よりも多くてもよいし、少なくてもよい。表面アンカー層1aにおける塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量が、裏面アンカー層1bにおける塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量よりも多い、または少ない場合には、表面アンカー層1aの物性と裏面アンカー層1bの物性が異なるため、表面アンカー層1a及び裏面アンカー層1bを備えた原反層1に、歪みや反り等を付与することができる。このように、表面アンカー層1a及び裏面アンカー層1bを備えた原反層1に歪みや反り等を付与することで、その原反層1を湾曲した表面を備える基材等に隙間なく貼り合せることができる。例えば、表面アンカー層1aにおける塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量は、裏面アンカー層1bにおける塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量の1.1倍以上10倍以下であってもよく、0.1倍以上0.9倍以下であってもよい。
表面アンカー層1aの厚みは、例えば、0.5μm以上20μm以下の範囲内であり、好ましくは、0.5μm以上10μm以下の範囲内である。また、表面アンカー層1aの厚みは、裏面アンカー層1bの厚みと同じであってもよい。表面アンカー層1aの厚みが裏面アンカー層1bの厚みと同じである場合には、表面アンカー層1aの物性と裏面アンカー層1bの物性がほぼ同じになるため、原反層1が表面アンカー層1a及び裏面アンカー層1bを備えた状態において、歪みや反り等の発生を低減することができる。
また、表面アンカー層1aの厚みは、裏面アンカー層1bの厚みよりも厚くてもよいし、薄くてもよい。表面アンカー層1aの厚みと裏面アンカー層1bの厚みを異なるものとすることで、光沢差が生じるため、原反層1の表面側と裏面側とを容易に視認することができる。そうすることで、原反層1の表面に、例えば印刷面であることを表示する識別マーク等を形成することなく、絵柄模様層2を印刷することができる。その結果、原反層1の裏面(非印刷面)側に絵柄模様層2を形成することで生ずる製品ロスを低減することができる。
〔絵柄模様層2〕
原反層1(表面アンカー層1a)の表面には、任意の絵柄が印刷された絵柄模様層2が設けられる。絵柄模様層2のなす絵柄の種類は特に限定されず、例えば、木目柄、石目柄、布目柄、砂目柄、抽象柄、幾何学図形、文字又は記号、或いはそれらの組み合わせ等である。絵柄模様層2の形成に使用する印刷インキの種類は特に限定されず、化粧シートの形成に使用されている公知の印刷インキを使用することができる。具体的には、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂系、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂系、ブチラール系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系、アルキド系、ポリアミド系等のバインダー樹脂に、有機又は無機の染料又は顔料や、必要に応じて体質顔料、充填剤、粘着付与剤、分散剤、消泡剤、安定剤その他の添加剤を適宜添加し、適当な希釈溶剤で所望の粘度に調整した印刷インキであってもよい。
〔接着剤層5〕
絵柄模様層2の上には接着剤層5が形成されている。接着剤層5は、絵柄模様層2の上に、接着剤層5を形成するための組成物を塗布して形成してもよい。接着剤層5に含まれる接着剤は、透明熱可塑性樹脂層6に含まれる透明熱可塑性樹脂の組み合わせに応じて、例えば、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系等の中から任意に選択可能である。
〔透明熱可塑性樹脂層6〕
透明熱可塑性樹脂層6は、エンボスが形成された層であって、例えば、複数層からなるシート状の層である。透明熱可塑性樹脂層6を構成する各層は、絵柄模様層2の絵柄が透けて見えるように、例えば透明な熱可塑性樹脂で形成される。透明熱可塑性樹脂層6に含まれる熱可塑性樹脂は、透明であればよく、例えば、塩化ビニル樹脂以外の種々の樹脂であってもよい。透明熱可塑性樹脂層6を構成する各層の樹脂の組み合わせは、目的とする特性により、様々な組合せが可能である。透明熱可塑性樹脂層6において、層の数は、4層以上も可能だが、押出し機の構造が複雑化し作業の煩雑さが大きくなるため、3層までが好ましい。もちろん、2層であってもよいし、1層であってもよい。
また、透明熱可塑性樹脂層6の厚みは、50μm以上150μm以下の範囲内であれば好ましい。透明熱可塑性樹脂層6の厚みが上記数値範囲内であれば、高い透明性が維持されるため絵柄模様層2に対する視認性の低下を防止でき、且つ十分な摩耗耐性を得ることができる。また、透明熱可塑性樹脂層6の厚みが上記数値範囲内であれば、化粧シート10としての可撓性と機械的強度を損なうことがなく、またインラインでのロールラミネートなど化粧板への加工性、さらに化粧板としての加工性などに支障をきたすことがなく、使い勝手がよい。
図1では、透明熱可塑性樹脂層6は、接着剤層5側から、予め定めた樹脂(以下、「第1の樹脂」とも呼ぶ)を含んで構成される第1の樹脂層6a、及び第1の樹脂とは異なる樹脂(以下、「第2の樹脂」とも呼ぶ)を含んで構成される第2の樹脂層6bの2層がこの順に積層されて形成されている。
本実施形態において、第1の樹脂層6aの厚みは、10μm以上であればよく、透明熱可塑性樹脂層6全体の厚みの20%以下であればよい。第1の樹脂層6aの厚みが10μm未満であれば、塗膜の厚みの均一性、または平面平滑性が低下するため、第1の樹脂層6aの密着安定性が低下する傾向がある。
また、第1の樹脂層6aの厚みが透明熱可塑性樹脂層6全体の厚みの20%超であれば、相対的に、摩耗耐性に優れた第2の樹脂層6bの厚みが薄くなるため、化粧シート10全体の表面強度が低下する傾向がある。つまり、第1の樹脂層6aの厚みが10μm以上であり、且つ透明熱可塑性樹脂層6全体の厚みの20%以下であれば、第1の樹脂層6aの密着安定性を維持しつつ、化粧シート10全体の表面強度を維持することができる。また、第1の樹脂層6aの厚みは、10μm以上であり、且つ第1の樹脂層6a及び第2の樹脂層6bの2層のみで構成された透明熱可塑性樹脂層6全体の厚みの20%以下であってもよく、その場合であっても第1の樹脂層6aの密着安定性を維持しつつ、化粧シート10全体の表面強度を維持することができる。
また、第1の樹脂層6aに対する透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂の含有率(質量%)は、第2の樹脂層6bに対する透明ポリプロピレン樹脂の含有率(質量%)より大きくてもよい。この場合であっても第1の樹脂層6aの密着安定性を維持しつつ、化粧シート10全体の表面強度を維持することができる。また、上記構成であれば、第1の樹脂層6aが接着剤層5との接着性を担保し、第2の樹脂層6bが主要部分となって、その他の物性を担うなど、材料の設計の巾を広げることが可能となる。つまり、第1の樹脂層6aを透明マレイン酸変性ポリプロピレンとすることで、層間の接着性をよくすることができる。また、第2の樹脂層6bを透明ポリプロピレンを含んでなる層とすることで、樹脂内部の耐脆化に効果をあらわすことができる。
第1の樹脂及び第2の樹脂としては、例えば、化粧シート10の表面の耐傷性、耐候性、耐汚染性、耐光性、透明性、折り曲げ性、及び熱成形性等を考慮し、更に材料コスト等を考慮すれば、第1の樹脂は好ましくは透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂であり、第2の樹脂は好ましくは透明ポリプロピレン樹脂である。なお、第1の樹脂層6aは、第1の樹脂である透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂とともに、紫外線吸収剤及び光安定剤のいずれか一方を含んで構成される層であってもよい。また、第2の樹脂層6bは、第2の樹脂である透明ポリプロピレン樹脂とともに、紫外線吸収剤及び光安定剤のいずれか一方を含んで構成される層であってもよい。
本実施形態の透明なポリプロピレン樹脂としては、例えば、自由末端長鎖分岐を付与したポリプロピレン樹脂(a)と、自由末端長鎖分岐を付与していないポリプロピレン樹脂(b)との混合物で、その混合物の質量平均分子量/数平均分子量として定義される分子量分布Mw/Mnが1以上5以下の範囲内にあり、かつ、そのポリプロピレン樹脂(a)とポリプロピレン樹脂(b)の混合樹脂の、沸騰ヘプタン可溶残分率として規定されるアイソタクチック指数が、1%以上90%以下の範囲内にあるものを用いるようにしてもよい。これにより、化粧シート10を、例えば鋼板基材に貼り合わせた後の折り曲げ加工において、白化や割れを抑制することができる。
ここで、分子量分布は、分子量Miの分子がNi個存在する場合に、数平均分子量Mn=Σ(Mi×Ni)/ΣNi、質量平均分子量Mw=Σ(Ni×Mi2)/Σ(Ni×Mi)の比、Mw/Mnとして定義される値である。1に近いほど分子量の分布が狭く、均一性が高くなる。この分子量分布が5以下になるようにすれば、分子量を必要十分な大きさに揃えることができ、白化や割れの抑制に寄与するようになる。一般的には、分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定することができる。
また、沸騰ヘプタン可溶残分率として規定されるアイソタクチック指数は、ポリプロピレン樹脂中の結晶化度を調べる指標として有用である。具体的には、試料を沸騰n-ヘプタンで一定時間抽出を行い、抽出されない部分の質量(%)を求めてアイソタクチックインデックスを算出する。詳しくは、円筒濾紙を110±5℃で2時間乾燥し、恒温恒湿の室内で2時間以上放置してから、円筒濾紙中に試料(粉体またはフレーク状)8g以上10g以下を入れ、秤量カップ、ピンセットを用いて精秤する。これをヘプタン約80ccの入った抽出器の上部にセットし、抽出器と冷却器を組み立てる。これをオイルバスまたは電機ヒーターで加熱し、12時間抽出する。加熱は、冷却器からの滴下数が1分間130滴以上であるように調節する。続いて、抽出残分の入った円筒濾紙を取り出し、真空乾燥器にいれて80℃、100mmHg以下の真空度で5時間乾燥する。乾燥後、恒温恒湿中に2時間放置した後、精秤し、(P/Po)×100によりアイソタクチック指数を算出する。ただし、Poは抽出前の試料質量(g)、Pは抽出後の試料質量(g)である。
アイソタクチック指数を90%以下にすることで、ポリプロピレン結晶起因によるシート剛性を抑制することができる。アイソタクチック指数を下げる方法としては、例えば、非晶質ポリプロピレン成分(シンジオタクチックポリプロピレンやアダクチックポリプロピレン等)を一部に使う方法や、エチレンやα-オレフィン等のオレフィンモノマーを1種類以上ランダム共重合させる方法、各種ゴム成分(例えばエチレン-プロピレンゴム(EPR)、エチレンープロピレンージエンゴム(EPDM)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)等の成分)を添加する方法を用いることができる。
また、ポリプロピレン樹脂(a)とポリプロピレン樹脂(b)との混合樹脂の溶融張力(2.0mm径のノズルキャピラリーレオメーターを用い、温度条件230℃、60mm/分で押し出し、2mm/分で引き取るときの張力)は、100mN以上500mN以下の範囲内にあることが望ましい。500mNを超えると、溶融粘度が高くなりすぎて、安定した成膜ができなくなる。また100mN以下では、長鎖分岐成分が不十分となり、所望の性能を得難い。
また、ポリプロピレン樹脂(a)とポリプロピレン樹脂(b)との混合物の、JIS-K6760にて規定される230℃におけるメルトフローレートが5g/10min以上50g/10min以下の範囲内にすることで、分子量をある一定値以上で、かつ安定的な製膜状態を保持することができる。より好適なメルトフローレートの範囲は、10g/10min以上30g/10min以下の範囲内であり、更に好ましくは10g/10min以上25g/10min以下の範囲内である。メルトフローレートが50g/10minを超えると、Tダイによる溶融押出時に、Tダイから溶融押出された樹脂が、中央に集まろうとする効果(ネックイン)が大きくなり、Tダイから溶融押出された樹脂の端部厚みが増大してしまう。端部の厚み増大は冷却効率の低下と巾方向の厚み安定性に影響を与えるため、安定した製膜がしづらくなる。また、5g/10minよりも低いと、溶融樹脂のドローレゾナンスが悪くなり、Tダイから出た直後の溶融樹脂の速度(初速)と冷却ロールに触れた直後の樹脂の速度とのギャップに溶融樹脂が対応できなくなってしまい、安定した製膜がしづらくなる。
また、透明熱可塑性樹脂層6に添加する紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系等から適宜選定する。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール,2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール,2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体を用いることができる。
また、トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノール、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-イソ-オクチルオキシフェニル)-s-トリアジン等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体を用いることができる。
さらに、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、オクタベンゾンや変性物、重合物、誘導体等を用いることができる。イソシアネート添加による架橋による樹脂成分との結合を望めるため、紫外線吸収剤としては、特に、水酸基を有するものが適している。添加部数は、所望の耐候性に応じて設定すればよいが、樹脂固形分に対して0.1%以上50%以下の範囲内、好ましくは1%以上30%以下の範囲内とする。
また、透明熱可塑性樹脂層6に添加する光安定剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ポペリジニル)セバケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体等を用いることができる。
添加部数は、所望の耐候性に応じて添加すればよいが、樹脂固形分に対して0.1質量%以上50質量%以下の範囲内、好ましくは1質量%以上30質量%以下の範囲内とする。
上記以外では、例えば、熱安定剤、難燃剤、ブロッキング防止剤等を添加してもよい。熱安定剤としては、例えば、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3、5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)]-プロピオネート、2、4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌル酸等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイトに代表される燐系酸化防止剤等やこれらの混合物、つまり、1種、または2種以上を組み合わせたものを用いることができる。
また、難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機系化合物や燐酸エステル系の難燃剤等を用いることができる。さらに、ブロッキング防止剤としては、例えば、珪酸アルミニウム、酸化珪素、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム等の無機系ブロッキング防止剤、脂肪酸アミド等の有機系ブロッキング防止剤等を用いることができる。また、透明熱可塑性樹脂層6の厚さは、50μm以上150μm以下の範囲内が好適である。
(エンボス模様)
エンボス模様9は、例えば、絵柄模様層2の絵柄と同調した凹部と凸部とからなる模様である。エンボス模様9の凹部と凸部により、視覚または触感による立体感を付与可能となっている。エンボス模様9と絵柄模様層2の絵柄とのずれは、例えば、絵柄模様の形状に対して長手方向には10mm以下、短手方向(幅方向)には3mm以下の範囲内とすることが好ましい。例えば、絵柄模様が木目である場合には、木目の導管が伸びている方向が「絵柄模様の形状に対する長手方向」となり、長手方向と直交する方向が「絵柄模様の形状に対する短手方向」となる。特に、木目の導管が化粧シート10の長手方向に沿って伸びている場合には、化粧シート10の長手方向が「絵柄模様の形状に対する長手方向」となり、化粧シート10の短手方向(幅方向)が「絵柄模様の形状に対する短手方向」となる。エンボス模様9は、透明熱可塑性樹脂層6及び表面保護層7が透明であるため、斜光の反射により初めて強く視認されるが、エンボス模様9と絵柄模様層2の絵柄とのずれが上記範囲内であれば、反射光と同時に絵柄模様層2の透過光を視認することが困難なため違和感がない。エンボス模様9と絵柄模様層2の絵柄とのずれを一定範囲内へ抑えることにより、パターンの形状と分布を等しくシート全面で精度よく一致させた化粧シート10を得ることができる。また、エンボス模様9の凹部と凸部との高低差は、例えば、3μm以上200μm以下の範囲内とする。高低差は、目的とする化粧シート10の意匠に適した数値を選ぶことができる。例えば、最大高低差(200μm)内で連続的な多段形状を取ることもできる。特に、巨視的な立体物としての形状を得るために、高低差は、10μm以上150μm以下の範囲がより好ましい。
〔表面保護層7〕
表面保護層7は、紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂を含むことが好ましい。具体的には、表面保護層7の材料としては、例えば、熱硬化型樹脂と紫外線硬化型樹脂(UV硬化型樹脂)との混合物(ブレンド樹脂)が好ましい。このように、表面保護層7は、熱硬化型樹脂と紫外線硬化型樹脂、つまり、硬度が高い樹脂を含むため、表面に露出した表面保護層7によって、化粧シート10の耐傷性を向上できる。また、溶剤としては、酢酸エチル、酢酸nブチルを用いることができる。
熱硬化型樹脂としては、例えば、化粧シート10の変形追従性、耐擦傷性等を考慮すれば、2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタン結合を有する熱硬化型樹脂を用いるのが好ましい。
2液硬化型ウレタン樹脂としては、例えば、ポリオールを主体とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂を用いることができる。
ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するものであって、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオールを用いることができる。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートを用いることができる。多価イソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートを用いることができる。また、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体を用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等がある。なお、上記イソシアネートにおいて脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートは、耐候性、耐熱黄変性も良好にできる点で好ましく、例えば1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートを使用できる。
紫外線硬化型樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂を使用できる。
〔裏面アンカー層〕
裏面アンカー層1bは、原反層1の裏面全体を覆うように形成された層であって、原反層1に含まれる無機質材料の粉落ちを防止するための層である。印刷時や樹脂塗工時に原反層1に含まれる無機質材料が印刷系内、具体的には印刷装置内で粉落ちすると、その印刷系内を汚染することがある。
また、裏面アンカー層1bは、原反層1と、後述するプライマー層8との密着性を向上させるための機能も備えている。裏面アンカー層1bを備えない場合には、プライマー層8を形成する塗液が原反層1に密着せずに剥離してしまうことがある。
裏面アンカー層1bは、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂を含有していることが好ましい。
裏面アンカー層1bにおける、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量は、例えば、裏面アンカー層1bの質量に対し、15質量%以上100質量%以下の範囲内が好ましく、80質量%以上100質量%以下の範囲内がより好ましく、85質量%以上95質量%以下の範囲内がさらに好ましい。裏面アンカー層1bにおける、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量が上記数値範囲内であれば、裏面アンカー層1bとプライマー層8との層間強度を十分なものにしつつ、均一でムラや欠けのない裏面アンカー層1bを形成することができる。裏面アンカー層1bにおける、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量が裏面アンカー層1bの質量に対し、15質量%未満であると、裏面アンカー層1bとプライマー層8との層間強度が不十分となることがある。また、裏面アンカー層1bにおける、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量が裏面アンカー層1bの質量に対し、80質量%未満であると、使用上何ら問題はないが、裏面アンカー層1bの原反層1への食い込み比率が低下し、裏面アンカー層1bと原反層1との層間強度が低下することが僅かながらある。なお、裏面アンカー層1bにおける、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量が裏面アンカー層1bの質量に対し、100質量%以下であれば使用上何ら問題はないが、95質量%、より正確には98質量%を超えると、硬化不足で裏面アンカー層1bに欠けが生じたり、裏面アンカー層1bと原反層1、もしくは裏面アンカー層1bとプライマー層8との層間強度が低下したりすることがある。
また、裏面アンカー層1bの厚みは、例えば、0.5μm以上20μm以下の範囲内であり、好ましくは、0.5μm以上10μm以下の範囲内である。
〔プライマー層8〕
プライマー層8としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、これらの混合物等を使用することができる。更に、ポリオールとイソシアネートによる2液タイプにすることで、原反層1(裏面アンカー層1b)とプライマー層8との密着性及びプライマー層8自体の凝集力が向上する。ポリオールとしては、例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。また、イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4′ジフェニルメタンジイソシアネートといった芳香族系、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートといった脂肪族系が挙げられる。反応性の早さの点、耐熱性の点で芳香族系のポリオールが好ましい。
プライマー層8の厚みは、1μm以上が好ましい。プライマー層8の厚みは1μm未満となると接着剤の溶剤種によっては溶解してしまい、プライマー層8が消失することから密着性が向上しないことがある。
(化粧シート10の製造方法)
以下、化粧シート10の製造方法の一例について簡単に説明する。
まず、原反層1の両面にアンカー層(表面アンカー層1a及び裏面アンカー層1b)を形成する。次に、表面アンカー層1a上に、例えば、印刷によって絵柄模様層2を形成する。
その後、その絵柄模様層2上に、溶融した透明熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を多層押出機から押し出して形成した複数の層を積層することで、透明熱可塑性樹脂層6、即ち第1の樹脂層6a及び第2の樹脂層6bを形成する。次に、透明熱可塑性樹脂層6にエンボス加工を行う。最後に、エンボス加工が施された透明熱可塑性樹脂層6上に、例えば、ウレタン系樹脂に、硬化剤、紫外線吸収剤及び光安定剤を添加した樹脂組成物を塗布した後、その樹脂組成物を乾燥させて表面保護層7を形成する。こうして、本実施形態に係る化粧シート10を製造する。
なお、本実施形態に係る化粧シート10の製造方法では、絵柄模様層2と透明熱可塑性樹脂層6との間に接着剤層5を形成する工程を含んでもよい。
(本実施形態の効果)
本実施形態の化粧シート10は、原反層1上に、絵柄模様層2、接着剤層5、透明熱可塑性樹脂層6、及び表面保護層7がこの順に積層されている。また、原反層1は、熱可塑性樹脂と無機質材料とを含有しており、その無機質材料の含有量は、原反層1の質量に対して、15質量%以上90質量%以下の範囲内である。また、透明熱可塑性樹脂層6の厚みは、50μm以上150μm以下の範囲内である。また、表面保護層7は、紫外線硬化型樹脂を含んでいる。
このような構成であれば、メラミン板を備えた化粧シートと同等の耐傷付き性や耐摩耗性を備え、且つ加工性や生産性に優れた化粧シートを提供することが可能となる。
また、本実施形態の化粧シート10に備わる透明熱可塑性樹脂層6は、接着剤層5側に形成され、第1の樹脂を含んで形成される第1の樹脂層6aと、第1の樹脂層6a上に形成され、第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含んで形成される第2の樹脂層6bとを備えていてもよい。また、第1の樹脂は、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂であってもよく、第2の樹脂は、透明ポリプロピレン樹脂であってもよい。
このような構成であれば、第1の樹脂層6aが原反層1との接着性を担保し、第2の樹脂層6bが層の主要部分となって、その他の物性を担うなど、材料の設計の巾を広げることが可能となる。第1の樹脂層6aを、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を含んだ層とすることで、熱可塑性樹脂との接着性をよくすることができる。また、第2の樹脂層6bを、透明ポリプロピレン樹脂を含んだ層とすることで、第2の樹脂層6b内部の耐脆化に効果をあらわすことができる。
また、本実施形態の化粧シート10に備わる第1の樹脂層6aの厚みは、10μm以上であり、且つ、透明熱可塑性樹脂層6全体の厚みの20%以下であってもよい。
このような構成であれば、第1の樹脂層6aの密着安定性を向上させつつ、化粧シート10全体の表面強度を維持することができる。
また、本実施形態の化粧シート10に備わる原反層1を構成する無機質材料は、粉末形状であり、平均粒子径が1μm以上3μm以下の範囲内であり、且つ最大粒子径が50μm以下であってもよい。
このような構成であれば、原反層1に十分な表面強度を付与することができる。
また、本実施形態の化粧シート10に備わる原反層1を構成する無機質材料は、三酸化アンチモン、アンチモンソーダ、珪酸ジルコン、酸化ジルコン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、硼砂、ホウ酸亜鉛、炭酸カルシウム、三酸化モリブデンあるいはジモリブデン酸アンチモンと水酸化アルミニウムとの錯体、三酸化アンチモンとシリカとの錯体、三酸化アンチモンと亜鉛華との錯体、ジルコニウムのケイ酸、及びジルコニウム化合物と三酸化アンチモンとの錯体、並びにそれらの塩の少なくとも一種であってもよい。
このような構成であれば、原反層1に十分な表面強度を確実に付与することができる。
また、本実施形態の化粧シート10に備わる原反層1を構成する熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリエステルの少なくとも1種であってもよい。
このような構成であれば、原反層1に十分な可撓性を付与することができる。
また、本実施形態の化粧シート10に備わる原反層1を構成する熱可塑性樹脂と無機質材料との合計含有量は、原反層1の質量に対して、90質量%以上100質量%以下の範囲内であってもよい。
このような構成であれば、原反層1に十分な表面強度と不燃性を付与することができる。
また、本実施形態の化粧シート10に備わる原反層1の厚みは、50μm以上250μm以下の範囲内であってもよい。
このような構成であれば、原反層1に十分な表面強度を付与することができる。
また、本実施形態の化粧シート10に備わる表面アンカー層1aと裏面アンカー層1bは、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂をそれぞれ含むものであってもよい。
このような構成であれば、無機質材料の粉落ちを防止することができる。
また、本実施形態の化粧シート10は、ISO5660-1に準拠したコーンカロリーメーター試験機による発熱性試験において(1)加熱開始後20分間の総発熱量(MJ/m)が8MJ/m以下であり(2)加熱開始後20分間の最高発熱速度として、10秒以上継続して200kW/mを超えず(3)基材に亀裂や穴のないという条件を満たす不燃性を有している。
(実施例)
〔実施例1〕
原反層1として、熱可塑性樹脂であるポリスチレンと、無機質材料であるシリカとを含有したシートを用い、表面側に表面アンカー層1aを形成した。なお、シリカの含有量は、原反層1の質量に対して、15質量%とした。また、原反層1の厚みを45μmとした。
次に、表面アンカー層1a上にグラビア印刷法によって木目模様を印刷して絵柄模様層2を形成した。
続いて、この絵柄模様層2上に、ウレタン樹脂系接着剤を塗布し温風乾燥で接着剤層5を形成した。
続いて、この接着剤層5上に、溶融した透明熱可塑性樹脂を含んでなる複数層を多軸エクストルーダーよりTダイで押し出して積層することで、透明熱可塑性樹脂層6を形成した。第1の樹脂には、透明ポリプロピレン樹脂にフェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製「IRGANOX1010」)を0.2質量部、ヒンダードアミン系光安定剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製「TINUVIN622」)を0.3質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製「TINUVIN326」)を0.5質量部添加した樹脂を用い、第2の樹脂には、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(理研ビタミン(株)製)を用いた。
同時に、導管エンボス版とゴムロールとによって、原反層1、絵柄模様層2、接着剤層5、及び透明熱可塑性樹脂層6の積層体をニップして、エンボス加工とラミネートとを同時に行った。ここで、第1の樹脂層6aの厚さは8μmとし、第2の樹脂層6bの厚さは42μmとした。つまり、透明熱可塑性樹脂層6の厚さを50μmとした。
この化粧シート10のエンボス面に表面処理を施した後、トップコート樹脂としてウレタン系樹脂(東洋インキ(株)製「URV238ワニス」)に硬化剤(東洋インキ(株)製「UR150Bワニス」)を10質量部添加したものに、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製「TINUVIN326」)0.5質量部、ヒンダードアミン系光安定剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製「TINUVIN622」)を1質量部添加したものを、グラビアコートで乾燥後の塗布量が5g/mとなるようにコートし表面保護層7を得た。
更に、原反層1の裏面に表面処理を施した後、この面に裏面アンカー層1bを形成した。
続いて、裏面アンカー層1b上にポリオール(東洋インキ(株)製「ラミスターEM」)100質量部に対して、シリカ10質量部を添加して含有させ、イソシアネート(東洋インキ(株)製「LPNYB硬化剤」)3質量部を加えたものをプライマー塗工液とし、グラビアコートで乾燥後の塗布量が3g/mとなるようにコートしプライマー層8を得た。
このような手順により、実施例1の化粧シートを形成した。
〔実施例2〕
透明熱可塑性樹脂層6の厚さを150μmとし、第2の樹脂層6bの厚さは142μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例3〕
シリカの含有量を、原反層1の質量に対して、90質量%とした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例4〕
透明熱可塑性樹脂層6の厚さを150μmとした以外は、実施例3と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例5〕
第1の樹脂には、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(理研ビタミン(株)製)を用い、第2の樹脂には、透明ポリプロピレン樹脂にフェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製「IRGANOX1010」)を0.2質量部、ヒンダードアミン系光安定剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製「TINUVIN622」)を0.3質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製「TINUVIN326」)を0.5質量部添加した樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例6〕
第1の樹脂層6aの厚さを10μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例7〕
シリカの平均粒子径を1μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例8〕
シリカの平均粒子径を3μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例9〕
原反層1に含まれる無機質材料を三酸化アンチモンとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例10〕
原反層1に含まれる無機質材料を酸化ジルコンとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例11〕
原反層1に含まれる無機質材料を炭酸カルシウムとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例12〕
原反層1に含まれる無機質材料を炭酸カルシウム塩とした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例13〕
原反層1に含まれる熱可塑性樹脂をポリプロピレンとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例14〕
原反層1に含まれる熱可塑性樹脂をポリエチレンとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例15〕
原反層1に含まれる熱可塑性樹脂をポリエステルとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例16〕
原反層1の厚みを50μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例17〕
原反層1の厚みを250μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例18〕
原反層1に含まれる無機質材料を炭酸カルシウムとし、その平均粒子径を1μmとし、原反層1に含まれる熱可塑性樹脂をポリプロピレンとし、原反層1の厚みを50μmとし、第1の樹脂層6aの厚さを10μmとし、第1の樹脂には、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(理研ビタミン(株)製)を用い、第2の樹脂には、透明ポリプロピレン樹脂にフェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製「IRGANOX1010」)を0.2質量部、ヒンダードアミン系光安定剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製「TINUVIN622」)を0.3質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製「TINUVIN326」)を0.5質量部添加した樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔比較例1〕
シリカの含有量を、原反層1の質量に対して、13質量%とした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔比較例2〕
シリカの含有量を、原反層1の質量に対して、92質量%とした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔比較例3〕
透明熱可塑性樹脂層6の厚さを45μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔比較例4〕
透明熱可塑性樹脂層6の厚さを160μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
Figure 0007388038000001
以下、表1に示された評価項目について説明する。
<評価項目>
6mmのMDF(中密度繊維板)にエチレン-酢酸ビニル共重合エマルジョン型接着剤を塗布し、化粧シートと貼り合せ化粧板を得た。そして、各実施例及び各比較例の化粧板及び化粧シート単体を用いて、以下の試験を実施した。
〔耐摩耗性〕
化粧板を JAS フローリングの日本農林規格に規定される耐摩耗試験において、絵柄の消失が始まるまでの回転数を確認した。摩耗紙の交換は1000回転毎とした。
◎:3000回転以上
○:2500回転以上3000回転未満
△:2000回転以上2500回転未満
×:2000回転未満
〔耐傷性〕
化粧板を JIS K 5600に規定される鉛筆硬度試験にかけ、傷の付き方を確認した。
◎:7H以上で傷なし
○:4H~6Hで傷なし
△:H~3Hで傷なし
×:Hより軟らかいレベルで傷なし
〔加工性〕
化粧シートを化粧板に加工する際に選定可能な方法について確認した。
◎:インラインでのロールラミネート可能。
○:インラインでのロールラミネート可能。加工にやや慎重性を要する。
△:インラインでのロールラミネート可能だが、加工にかなりの慎重性を要する。
×:ロールラミネート不可。枚葉での貼り合せのみ。
〔切削性〕
化粧板を丸ノコで切断加工及びハンドルータにより表面がMDFに達する切削加工試験を行い、シートのバリの発生の有無を確認した。
◎:バリが発生しない。
○:バリが一部見られるが容易に修正可能。
△:バリが一部見られ、修正が必要。
×:バリがほぼ全面に発生し、手作業での修正も困難。
〔生産性〕
透明熱可塑性樹脂層6を押出積層する際の生産のしやすさを確認した。
◎:安定して生産可能。
○:◎よりは生産に気を配る必要があるが、安定して生産可能。
△:ロングラン生産で経時でロールとられる可能性があり、生産に慎重性を要する。
×:シワの発生やロールとられなどがあり、生産は非常に困難。
〔不燃性〕
ISO5660-1に準拠したコーンカロリーメーター試験機による発熱性試験において下記の要件を満たしているか否か評価した。
1.総発熱量が8MJ/m以下
2.最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えない
3.防炎上有害な裏面まで貫通する亀裂および穴が生じない
なお、不燃性基材としては、石こうボードを用いた。また、評価基準は以下の通りである。
○:上記要件を全て満たす
×:上記要件の少なくとも1つを満たさない
表1に示すように、本実施例に係る化粧シートは、耐傷付き性能や耐摩耗性能を備え、且つ、加工性や生産性にも優れた化粧シートである。また、本実施例に係る化粧シートであれば、不燃性も備える。
本実施形態の化粧シート及び本実施形態の化粧シートの製造方法により製造された化粧シートは、建築物の床面、壁面、天井等の内装、家具、各種キャビネット等の表面装飾材料、建具の表面化粧、車両の内装等に用いる表面化粧用として利用が可能である。
1:原反層(基材層)
1a:表面アンカー層(第1のアンカー層)
1b:裏面アンカー層(第2のアンカー層)
2:絵柄模様層
5:接着剤層
6:透明熱可塑性樹脂層
6a:透明熱可塑性樹脂層(第1の樹脂層)
6b:透明熱可塑性樹脂層(第2の樹脂層)
7:表面保護層
8:プライマー層
9:エンボス模様
10:化粧シート

Claims (15)

  1. 基材層上に、絵柄模様層、接着剤層、透明熱可塑性樹脂層、及び表面保護層がこの順に積層され、
    前記基材層は、熱可塑性樹脂と、無機質材料とを含有し、
    前記無機質材料の含有量は、前記基材層の質量に対して、15質量%以上90質量%以下の範囲内であり、
    前記透明熱可塑性樹脂層の厚みは、50μm以上150μm以下の範囲内であり、
    前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂を含み、
    前記透明熱可塑性樹脂層は、前記接着剤層側に形成され、第1の樹脂を含んで形成される第1の樹脂層と、前記第1の樹脂層上に形成され、前記第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含んで形成される第2の樹脂層とを備え、
    前記第1の樹脂は、透明ポリプロピレン樹脂であり、
    前記第2の樹脂は、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂であることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記第1の樹脂層の厚みは、10μm以上であり、且つ、前記透明熱可塑性樹脂層全体の厚みの20%以下であることを特徴とする請求項に記載の化粧シート。
  3. 前記無機質材料は、粉末形状であり、平均粒子径が1μm以上3μm以下の範囲内であり、且つ最大粒子径が50μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化粧シート。
  4. 前記無機質材料は、三酸化アンチモン、アンチモンソーダ、珪酸ジルコン、酸化ジルコン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、硼砂、ホウ酸亜鉛、炭酸カルシウム、三酸化モリブデンあるいはジモリブデン酸アンチモンと水酸化アルミニウムとの錯体、三酸化アンチモンとシリカとの錯体、三酸化アンチモンと亜鉛華との錯体、ジルコニウムのケイ酸、及びジルコニウム化合物と三酸化アンチモンとの錯体、並びにそれらの塩の少なくとも一種であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の化粧シート。
  5. 前記無機質材料は、三酸化アンチモン、アンチモンソーダ、珪酸ジルコン、酸化ジルコン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、硼砂、ホウ酸亜鉛、三酸化モリブデンあるいはジモリブデン酸アンチモンと水酸化アルミニウムとの錯体、三酸化アンチモンとシリカとの錯体、三酸化アンチモンと亜鉛華との錯体、ジルコニウムのケイ酸、及びジルコニウム化合物と三酸化アンチモンとの錯体、並びにそれらの塩の少なくとも一種であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の化粧シート。
  6. 前記基材層に含まれる前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリエステルの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の化粧シート。
  7. 前記基材層に含まれる前記熱可塑性樹脂は、ポリエステルであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の化粧シート。
  8. 前記基材層に含まれる前記熱可塑性樹脂と、前記無機質材料との合計含有量は、前記基材層の質量に対して、90質量%以上100質量%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の化粧シート。
  9. 前記基材層の厚みは、50μm以上250μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の化粧シート。
  10. 前記基材層の前記絵柄模様層側の面に形成された第1のアンカー層と、
    前記基材層の前記第1のアンカー層が形成された面とは反対側の面に形成された第2のアンカー層と、をさらに備え、
    前記第1のアンカー層及び前記第2のアンカー層は、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、または塩酢ビを含むアクリル系樹脂をそれぞれ含むことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の化粧シート。
  11. 前記基材層の前記絵柄模様層側の面に形成された第1のアンカー層と、
    前記基材層の前記第1のアンカー層が形成された面とは反対側の面に形成された第2のアンカー層と、をさらに備え、
    前記第1のアンカー層及び前記第2のアンカー層は、塩酢ビを含むアクリル系樹脂を含むことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の化粧シート。
  12. 前記第1のアンカー層の厚みは、0.5μm以上20μm以下の範囲内であり、
    前記第2のアンカー層の厚みは、0.5μm以上20μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の化粧シート。
  13. 前記第1のアンカー層の厚みは、前記第2のアンカー層の厚みと同じであることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の化粧シート。
  14. 前記第1のアンカー層の厚みは、前記第2のアンカー層の厚みよりも厚い、または薄いことを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の化粧シート。
  15. ISO5660-1に準拠したコーンカロリーメーター試験機による発熱性試験において(1)加熱開始後20分間の総発熱量(MJ/m)が8MJ/m以下であり(2)加熱開始後20分間の最高発熱速度として、10秒以上継続して200kW/mを超えず(3)基材に亀裂や穴のないという条件を満たす不燃性を有することを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の化粧シート。
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