JP7387115B2 - cP1Pまたはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む幹細胞増殖促進用組成物 - Google Patents

cP1Pまたはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む幹細胞増殖促進用組成物 Download PDF

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Description

本発明は、cP1Pまたはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む増殖促進および機能強化用組成物、並びに幹細胞培養液添加用組成物に関する。
全能性幹細胞(Pluripotent Stem Cells,PSCs)は、無限に増殖することができるだけでなく、人体を構成するあらゆる種類の細胞および組織に分化することができる特徴を有し、これを機能性細胞へ分化誘導し、培養皿中で疾患モデルを生産し、難治性疾患の治療などに活用することができる。
現在までPSCsは、全世界的に1,000種以上のヒト胚性幹細胞(human Embryonic Stem Cells,hESCs)と、1,200種以上の人工多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem Cells,iPSCs)が確立されているとして知られているが、このようなPSCsの確立を始め、維持培養、保存、特定細胞への分化誘導など、幹細胞ベースの研究のほとんどが、実験室環境下、動物由来源が添加された培養液を用いた培養方法により行われており、PSCs本来のナイーブ状態の基準もまた研究室によってさまざまなため、その基準においてもあいまいな状態である。
世界各国では、既に樹立された研究グレードPSCsを臨床グレードに転換するために、xeno非依存及びGMPグレードの幹細胞を確保しようと努めており、外国ではすでに臨床グレードの全能性細胞治療剤を開発するための前作業が進められており、多様な臨床用研究段階の培養液が開発され市販されている。しかし、世界各国において、xeno-非依存およびGMPグレードの無血清培養液の開発が進められているものの、その研究のほとんどが抗体などの生物学的製剤を生産するための培養液に集中している。現在市販中の臨床用研究段階の培養液は、血清培養液に比べて細胞増殖効果が劣り、血清を完全に代替できるだけの添加物質がほとんどないのが実情である。また、市販中の臨床用研究段階の培養液には、産業界で使用するには非常に高価な成長因子が添加されており、生産単価が非常に高いといった問題があるので、現在まで臨床グレードとして商用化されたPSCs培養用の培養液がないのが実情である。
近年、米国、日本を中心に臨床応用が可能な幹細胞用の無血清培養液の開発が活発に進行中である。韓国内でも多数の企業や研究所でPSCs培養用の培養液が開発されているが、試作や商用化に成功したところがないので、100%輸入に依存しており、輸入された研究用の幹細胞培養用の無血清培養液の価格は、500mL基準で40万ウォン~150万ウォンと非常に高価である。ヒトPSCの場合、serum-free、feeder-freeのdefinedされた培養システムを指向するようになってから、ナイーブ状態の幹細胞を維持、増殖させることにおいて、より困難性が増している。現在までマウスモデルの2i(GSK3b and MEK inhibitors)システムにあらゆる種類の成長因子と阻害剤を添加して、ヒトPSCsを培養し、維持しているが、完全にナイーブな状態のPSCsは、確立されていない。
本発明の目的は、cP1P(o-cyclic phytosphingosine-1-phosphate)またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む幹細胞増殖促進用組成物を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、cP1Pまたはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む幹細胞培養液添加用組成物を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、前記幹細胞増殖促進用組成物を幹細胞に処理して培養する段階を含む幹細胞培養方法を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、前記幹細胞増殖促進用組成物を含む体外環境における幹細胞死滅抑制用キットを提供することである。
上記目的を達成すべく本発明は、cP1Pまたはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む幹細胞増殖促進用組成物を提供する。
また、本発明は、cP1Pまたはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む幹細胞培養液添加用組成物を提供する。
また、本発明は、前記幹細胞増殖促進用組成物を幹細胞に処理して培養する段階を含む幹細胞培養方法を提供する。
また、本発明は、前記幹細胞増殖促進用組成物を含む体外環境における幹細胞死滅抑制用キットを提供する。
さらに、本発明は、cP1P(o-cyclic phytosphingosine-1-phosphate)またはその薬学的に許容可能な塩を幹細胞培養液に添加して幹細胞を培養する段階を含む幹細胞増殖促進方法を提供する。
本発明は、cP1Pまたはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む全能性幹細胞増殖促進用組成物および幹細胞培養液添加用組成物に関するものであって、本発明による幹細胞増殖促進用組成物および幹細胞培地添加用組成物を用いて幹細胞を培養する場合、幹細胞特性(stemness)を強化し、増殖を促進し、アポトーシスを阻害することができる。
cP1P(o-cyclic phytosphingosine-1-phosphate)、S1P(Sphingosine-1-phosphate)およびP1P(Phytosphingosine-1-phosphate)の化学構造を示したものである。 hPSCにcP1P、P1P、またはS1Pを処理した後、細胞増殖能の変化を顕微鏡で確認したものである。 hPSCsに1~500nM濃度のcP1P、P1P、またはS1Pを処理した後、細胞の増殖割合を測定した結果である。 hPSCsに対照群(vehicle、DMSO)またはcP1Pを処理してから、アルカリンホスファターゼ染色キットを用いて染色した後、光学顕微鏡で観察した結果である。 hPSCsに対照群(vehicle、DMSO)またはcP1Pを処理した後、コロニー数および大きさの変化を確認した結果である。 hPSCsに対照群(vehicle、DMSO)またはcP1Pを処理した後、継代培養による全細胞数の変化を確認した結果である。 hPSCsに対照群(vehicle、DMSO)またはcP1Pを処理した後、細胞周期変化を確認した結果である。 hPSCsに対照群(vehicle、DMSO)またはcP1Pを処理した後、アポトーシスの変化を確認した結果である。 hPSCsに対照群(vehicle、DMSO)またはcP1Pを処理した後、全能性特性の変化を確認した結果である。 hPSCsに対照群(vehicle、DMSO)またはcP1Pを長期的に処理した後、遺伝子発現の変化を確認した結果である。 hPSCsにcP1Pを含む培養添加剤または培養液を処理し、全能性が強化された幹細胞を大量生産することができることを図式化して示したものである。
以下、本発明を参考例及び実施例に基づいて詳細に説明する。ただし、以下における参考例及び実施例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。
実施例1.cP1P濃度によるhPSC細胞増殖能の確認
cP1P(o-cyclic phytosphingosine-1-phosphate)濃度によるhPSCs増殖能の変化を確認するため、hPSCsを培養し、cP1Pを濃度別に処理した後、hPSCs増殖の変化を確認した。
hPSCsを培養する前に、培養皿を10μg/ml vitronectin XF(STEMCELL)で2時間常温でコーティングし、それからコーティング溶液を除去し、培養皿の細胞接着性を向上させるために10μM Y27632(ROCK inhibitor,(TOCRIS)が含まれたEssential 8培養液(E8、STEMCELL)を入れた。培養皿に2000cells/cm密度でhPSCs(CHA-ESC15;CHA医科大学)細胞を植え、上下左右に振って細胞をむらなく分散させた後、37℃ CO培養器で24時間以内培養し、培養液をY27632が除去されたE8培養液に交換した後、次の継代まで毎日培養液を入れ替えて細胞を培養した。
上記のように継代培養したhPSCsに50nM、100nM、または500nMのcP1P(韓国公開特許第10-2017-0129460号、株式会社AXCESO BIOPHARMA製)を2日ごとに交換して処理し、6日間培養し、7日目に細胞を光学顕微鏡を用いて100倍の倍率で観察した。
また、細胞数を測定するために培養7日目に細胞の培養液を除去し、PBSで一度洗浄した後、PBSが除去された細胞にCell dissociation buffer(STEMCELL)を用いて単細胞化させて分離した細胞を1000rpm、2分の条件で遠心分離し、バッファーを除去した後、E8培地に懸濁し、EVETM Automated Cell Counter(NanoEnTek)を用いて細胞数を測定した。
一方、対照群は上記と同様の方式で実験を行ったが、hPSCsにDMSO(AppliChem GE,A3672,0100)を処理した。
その結果、図2に示すように、hPSCsにcP1Pを処理した場合、P1P、またはS1Pを処理した場合に比べて細胞増殖能が著しく増加することが確認された。また、陽性対照群として用いたS1PまたはP1Pを処理した場合、アポトーシスが発生することを顕微鏡写真で確認することができた。
実施例2.cP1P処理によるhPSCs増殖能の確認
hPSCs増殖能を示すcP1Pの最適濃度を決定するために、1-500nM濃度において細胞増殖能を確認した。
実施例1と同様の方法で実験を行ったが、継代培養したhPSCs細胞に1nM、10nM、50nM、100nM、または500nMのP1P、cP1P、またはS1Pを2日ごとに交換して処理したり、或いは対照群(vehicle、DMSO)を2日ごとに交換して処理したりして6日間培養し、hPSCsを7日目に観察した。増殖割合は{(P1P、cP1P、またはS1P処理群の全細胞数)/(対照群の全細胞数)}X100で計算した。
その結果、図3に示すように、10nMのS1Pを処理した場合、細胞増殖率が対照群に比べて1.25倍程度増加し、10nMのP1Pを処理した場合、細胞増殖率が対照群に比べて1.55倍程度増加しただけであるが、10nMのcP1Pを処理した場合、細胞増殖率が対照群に比べて1.78倍程度増加した。
したがって、10nMの低濃度においても陽性対照群として使用した薬物に比べてcP1PをhPSC細胞に処理した場合、細胞増殖率が著しく高くなることが分かった。
実施例3.cP1P処理による分化能変化の確認
cP1P処理によるhPSCsの分化能変化の有無を確認するために、実施例2と同様の方法で10nM cP1PをhPSC細胞に処理したり、或いは対照群(vehicle,DMSO)を処理した後、アルカリンホスファターゼ染色キット(Sigma-Aldrich US,SCR004)を用いて染色した後、光学顕微鏡で観察した。
その結果、図4に示すように、cP1PをhPSCsに処理した場合、対照群に比べて未分化性が良好に維持されることを確認することができた。
実施例4.cP1P処理によるコロニー数及び大きさの変化の確認
cP1P処理によるコロニー数及び大きさの変化を以下のような方法で確認した。具体的には、実施例1と同様の方法でhPSCsに1nM、10nM、100nM、1,000nM、または10,000nMのcP1Pを処理し、6日間培養し、7日目に光学顕微鏡下でコロニー数および大きさを確認した。
その結果、図5に示すように、10nM以上のcP1PをhPSCsに処理した場合、対照群に比べて大きさが150mm以上のコロニー数が有意に増加した(P<0.01)。
実施例5.cP1P処理によるhPSCsの増殖能の変化が継代培養時、持続するか否かを確認
cP1P処理によるhPSCs増殖能の変化が継代培養時、持続するか否かを確認するために、実施例1と同様の方法で10nM cP1PをhPSCsに持続的に処理しながら3回の継代培養を行った後、hPSCs細胞増殖能の変化を確認した。
その結果、図6に示すように、cP1PをhPSCsに処理した場合、継代を繰り返すほど全細胞数が有意に増加したことを確認した(P<0.01)。
実施例6.cP1P処理によるhPSCs細胞周期の変化の確認
cP1P処理によるhPSCs細胞周期の変化を確認するために、フローサイトメトリー解析(flow cytometer)、アポトーシス解析、及び細胞周期調節遺伝子の発現解析を行った。
フローサイトメトリー解析を行うために、実施例1と同様の方法で10nMのcP1PをhPSCsに処理し、hPSCsをcell dissociation buffer(Thermo Fisher Scientific US,A1110501)を用いて細胞分離し、収穫した細胞をDPBS(pH7.4)で3回洗浄した後、上澄み液を除去し、洗浄中に細胞ペレットに冷たい(cold)70%(v/v)のエタノールを1滴ずつ加え、4℃で1時間固定した後、DPBS(pH7.4)で3回洗浄し、2,000rpm、5分の条件で遠心分離した後、100μg/ml RNase(Sigma-Aldrich US,R4642)50uLを加え、十分に混合し、200μlのPI(propidium iodide)(Sigma-Aldrich US,P4170)/ml)を添加し、DNAを染色した後、フローサイトメトリー(BD)を用いてDNA含有量(content)を測定した。
アポトーシスを確認するために、実施例1と同様の方法で10nM cP1PをhPSCs細胞に処理し、hPSCsをcell dissociation buffer(Thermo Fisher Scientific US,A1110501)を用いて細胞分離し、収穫した細胞をDPBS(pH7.4)で2回洗浄した後、2,000rpm、5分の条件で遠心分離した後、10x binding buffer(0.1M HEPES、1.4M NaCl、25mM CaCl2、pH7.4)を1xに希釈したbinding buffer 100ul当たり1x105細胞で懸濁し(resuspension)、Annexin V(BD bioscience US,556422)と7-AAD(BD bioscience US,1559925)をそれぞれ5ulずつ入れ、ゆっくりと混ぜてあげて、室温の暗室で15分間培養し、400ulの1x binding bufferを追加した後、 Annexin V apoptosis detection kit(BD Pharmingen US,556547)を用いて解析した。
細胞周期調節遺伝子の発現解析のために、実施例1と同様の方法で10nM cP1PをhPSCsに処理し、hPSCsをPBS洗浄した後、4%(w/v)PFA(Santa Cruz Biotechnology US,30525-89-4)に5分間固定したり、或いはhPSCs細胞のタンパク質を回収してから電気泳動後、anti-REX1(Abcam UK,ab50828)、anti-OCT4(Santa Cruz Biotechnology US,sc-5279)、anti-SOX2(Abcam UK,ab97959))、anti-NANOG(Cell signaling US,4893s)、anti-E-cadherin(Cell signaling US,24E10)、またはanti-SSEA4(Merck millipore US, 90231)抗体を用いて全能性遺伝子の発現を解析(免疫蛍光解析又はウェスタンブロット解析)した。一方、対照群は上記と同様の方法で実験を行ったが、hPSCsにDMSO(AppliChem GE、A3672,0100)を処理した。
その結果、図7Aに示すように、10nM cP1PをhPSCsに処理した場合、対照群に比べて約12%以上の細胞増殖が増加(対照群(48%)、実験群(60%))であることを確認することができ、図7Bに示すように10nM cP1PをhPSCsに処理した場合、対照群に比べて細胞増殖が活発に起こっているG2/M phaseに属する細胞数が有意に増加し(P<0.01)、10nM cP1PをhPSCs細胞に処理した場合、対照群に比べてアポトーシス(apoptosis)された細胞に相当するサブG0フェーズに属する細胞数は有意に減少した(P>0.05)。
また、図7C~Eに示すように、10nM cP1PをhPSCsに処理した場合、対照群に比べて細胞周期を調節する遺伝子(CDK1、Cyclin B)の発現が増加した。
実施例7.アポトーシスおよび細胞毒性の解析
cP1PをhPSCsに処理する場合、アポトーシスおよび細胞毒性が誘導されるかどうかを確認するために、実施例6と同様の方法で10nMまたは100nM cP1PをhPSCsに5日間処理した後、Annexin V apoptosis detection kit(BD Pharmingen US,556547)を用いて解析した。
その結果、図8に示すように、アポトーシス初期マーカーであるannexin Vと後期マーカーである7-AADを介してcP1PをhPSCsに処理する場合(cP1P 10nM:0.9%/3.9%、100nM:1.9%/5.3%)、対照群(DMSO:0.5%/6.2%)に比べてアポトーシスが減少し、細胞毒性も著しく低くなることを確認することができた。
実施例8.cP1P処理によるhPSCsの全能性特性の増加の確認
cP1P処理によってhPSCsの全能性特性が増加するか否かを以下の方法で確認した。
具体的には、実施例1と同様の方法で100nM cP1PをhPSCsに処理し、実施例6と同様の方法で免疫蛍光解析を行い、pluripotent array kit(R&D System US,ARY101)を用いた全能性関連遺伝子の発現を解析し、実施例6と同様の方法でフローサイトメトリー解析を行った。
その結果、図9Aに示すように、対照群に比べてcP1Pを処理した実験群において、全能性マーカー遺伝子であるREX1、E-Cadherin、OCT4およびSOX2の発現が増加しており、図9Bに示すように対照群に比べてcP1Pを処理した場合、全能性関連遺伝子であるOCT4、NANOG、SOX2およびE-Cadherinのスポットが高く検出され、図9Dに示すように対照群に比べてcP1Pを処理した場合、全能性関連遺伝子であるOCT4およびE-Cadherinのタンパク質の発現が増加し、図9Cに示すように、対照群に比べてcP1Pを処理した実験群において、全能性関連遺伝子であるREX1(86.8%->95.7%)、E-Cadherin(81.8%->85.6%)、OCT4(95.2%->96.5%)およびSSEA-4(68.8%->82.2%)のタンパク質の発現が増加した。
実施例9.hPSCsにcP1Pの長期処理による影響を分析
ヒトPSCsを長期培養する場合、増殖速度が減少したり、幹細胞の性質が微細に変わるなどの変化をもたらしたりするため、hPSCsにcP1Pを長期的に処理する場合、hPSCsの特性に変化が発生するかどうかを確認した。
具体的には、実施例1と同様の方法で10nM cP1PをhPSCsに処理したり、或いは対照群としてDMSOを処理したりして培養し、cP1Pを最初に処理した継代を0とし、計15継代まで培養し、細胞を回収してRNAを抽出した後、DGIST(大邱慶北科学技術院)に依頼し、次世代シーケンサー(Illumina HiSeq 2500)でRNA sequencing解析を行った。
その結果、図10に示すように、初期継代(0継代)の遺伝子発現と比較してみたとき、cP1Pを処理した場合では197個の遺伝子発現変化(DEG)が確認され、cP1Pを処理しなかった場合には575個の遺伝子発現の変化が確認された。
前記遺伝子発現の変化集団を、15継代培養後に発現が増加した群(C2)と、発現が減少した群(C5)とに分けて、そのgene ontologyを解析した(図10B、C)。cP1Pを処理しなかった対照群からは、アポトーシス過程および酸化ストレス(oxidative stress)に反応する遺伝子群であるcluster 2(C2)遺伝子発現が増加したが、cP1Pを長期的に処理した場合、C2遺伝子発現が減少したので、このことからcP1Pを長期的に処理した場合、アポトーシスを抑制し、長期培養時に増加する酸化ストレスを減少させる効果があるものと判断される。また、cP1Pを処理していない対照群からは、細胞発達(cell development)、胚発達(embryo development)および細胞増殖(cell proliferation)関連遺伝子群であるcluster 5(C5)遺伝子発現が減少し、発生において機能不全になると判断されるが、cP1Pを長期的に処理した場合、C5遺伝子発現が減少されずに安定して維持され、正常な発生過程が開始しうる遺伝子群の発現を維持する効果があるものと判断される。
すなわち、cP1PをヒトPSCs長期継代時に処理してあげれば、アポトーシスを抑制し、長期培養時に増加する酸化ストレスを減少させ、全能性を強化し、増殖能を維持させてくれる顕著な効果があるものと判断される。
本発明の具体的な実施例からは、ヒトPSCs(hPSCs)にcP1Pを処理した場合、P1P(Phytosphingosine-1-phosphate)、またはS1P(Sphingosine-1-phosphate)を処理した場合に比べて細胞増殖能が著しく増加することが確認された。
もう一つの実施例からは、cP1PをhPSCsに処理した場合、対照群に比べて未分化性が良好に維持されることを確認した。
もう一つの実施例からは、cP1PをhPSCsに処理した場合、対照群に比べてコロニー数が増加し、コロニー大きさが増加することを確認した。
もう一つの実施例からは、cP1PをhPSCsに処理した場合、対照群に比べて継代を繰り返すほど全細胞数が有意に増加することを確認した。
もう一つの実施例からは、cP1PをhPSCsに処理した場合、対照群に比べて細胞周期を調節する遺伝子(CDK1、サイクリンB)の発現が増加することを確認した。
もう一つの実施例からは、cP1PをhPSCsに処理した場合、対照群に比べてアポトーシスが減少し、細胞毒性も著しく低くなることを確認した。
もう一つの実施例からは、cP1PをhPSCsに処理した場合、対照群に比べて細胞の全能性特性が増加することを確認した。
もう一つの実施例からは、cP1PをhPSCsに長期的に処理した場合、対照群に比べて細胞の全能性特性が増加することを確認した。
もう一つの実施例からは、cP1PをhPSCsに長期的に処理した場合、対照群に比べて細胞の全能性特性が増加することを確認した。
以下、本発明をより詳細に説明する。本発明で使用されるすべての技術用語は、特に断りがない限り、本発明の関連分野における当業者が通常に理解されるような意味で使用される。
本発明の一態様は、cP1P(o-cyclic phytosphingosine-1-phosphate)またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む幹細胞増殖促進用組成物に関する。
本明細書に記載のcP1P、S1P(Sphingosine-1-phosphate)およびP1P(Phytosphingosine-1-phosphate)は公知の物質であり、その化学構造は図1に示されている。
本願によるcP1P化合物、その薬学的に許容可能な塩、またはその溶媒和物は、有機化学の分野で知られている通常の知識を利用して製造することができず、例えば(S.Li,W.K.Wilson、G.J.Schroepfer,Chemical synthesis of D-ribo-phytosphingosine-1-phosphate,potential modulator of cellular processes.J.Lipid Res.40:117-125,1999)に開示されている方法を用いてP1Pを製造することはできるが、これは本願のcP1Pを合成する技術と異なり、本願のcP1Pは、本発明者の登録特許「新規なフィトスフィンゴシン-1-ホスフェート誘導体、その製造方法並びにそれを含む脱毛の予防、治療又は育毛用組成物」(大韓民国登録特許第10-1340556号)に開示された方法によってのみ合成が可能である。
前記塩は、生理学的に許容され、ヒトに投与したとき、通常のアレルギー反応または同様の反応を引き起こさないことを意味し、前記塩としては、遊離酸(free acid)によって形成された酸付加塩が好ましい。前記遊離酸は、有機酸と無機酸を用いることができる。上記有機酸は、クエン酸、酢酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、ギ酸、プロピオン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、グルコン酸、メタスルホン酸、グリコール酸、コハク酸、4-トルエンスルホン酸、グルタン酸、及びアスパラギン酸を含むことができるが、これに限定されるものではない。さらに、前記無機酸は、塩酸、臭素酸、硫酸およびリン酸を含むことができるが、これに限定されるものではない。本願による一実施形態において、薬学的に許容可能な塩は、前記cP1P、S1P、またはP1P化合物が遊離酸と共に塩を形成する酸付加塩として存在し得る。さらに、本願によるcP1P、S1P、またはP1P化合物は、薬学的に許容可能な塩だけでなく、通常の方法によって製造しうるすべての塩、水和物、溶媒和物をいずれも含むことができる。
本願における用語「幹細胞」とは、1つの細胞があらゆる種類の異なる細胞を産生することができる多分化能を有する細胞であって、我々身体において損傷を受けた部位の細胞を新たに再生することができる細胞の通称である。幹細胞は、自己と同じ細胞を持続的に作り出すことができる自己再生能力、特定環境で機能性特定細胞に分化することができる分化能、免疫細胞と反応して免疫反応を調節する免疫調節能を有する。幹細胞の種類は、分化する細胞の領域によって人体を構成する200種余りの細胞に全部分化する能力を持つ全能性幹細胞(pluripotent stem cell)と特定の種類の細胞に分化できるように特化された組織特異的幹細胞(tissue-specific stem cell)とに分けられる。また、幹細胞を獲得するための供給源によって受精卵から出発した胚または胚盤胞(blastocyte)から得られる胚性幹細胞(embryonic stem cell)と発生過程が終わった新生児または成人の身体の各組織から得られる成体幹細胞(adult stem cell)とに分類することができる。
本願において、前記幹細胞は、胚性幹細胞(Embryonic stem cell)または人工多能性幹細胞(induced Pluripotent stem cell)であってもよく、前記幹細胞は、通常、当技術分野で公知された任意の方法を用いて獲得することができる。
本願における用語「胚性幹細胞(embryonic stem cell)」とは、受精卵が母体の子宮に着床する直前の包胚期胚から内細胞塊(inner cell mass)を抽出して体外で培養したものであって、個体の全組織における細胞に分化できる多能性(pluripotent)または全能性(totipotent)であることができる細胞を意味し、広い意味では、胚性幹細胞に由来する胚様体(embryoid bodies)も含まれる。胚様体は、胚性幹細胞の様々な組織形態への自発的分化過程で幹細胞によって形成される中間構造であり、胚性幹細胞の培養中に形成された凝集物(aggregate)の形態である。一方、本発明の胚性幹細胞は、ヒトを含む哺乳動物に由来することができ、好ましくはヒト胚性幹細胞であることができる。
胚性幹細胞は、外胚葉、中胚葉および内胚葉性幹細胞に分化することができる。
本願における「分化(differentiation)」とは、細胞が***増殖して成長する間に細胞の構造や機能が特殊化される現象を意味する。多能性胚性幹細胞は、系統が限定された前駆細胞(例えば、外胚葉性細胞、中胚葉性細胞または内胚葉性細胞など)に分化された後、他の形態の前駆細胞にさらに分化されることができ(例えば、血管芽細胞など)、その後、特定組織(例えば、血管など)において特徴的な役割をする末期分化細胞(例えば、血管内皮細胞および血管平滑筋細胞など)に分化されることができる。
本願において「人工多能性幹細胞」または「iPSC」は、体細胞または既に分化された細胞を処理して多能性を有するようになった細胞を意味する。ここで処理する方法としては、化合物、遺伝的変換または特定の条件で培養する方法などが含まれるが、これに限定されるものではない。「ヒト人工多能性幹細胞」または「hiPSC」は、ヒトの体細胞またはヒトの分化した細胞を処理して多能性を有するようになった細胞を意味する。上記のヒト人工多能性幹細胞は線維芽細胞由来であってもよいが、これに制限されるものではなく、血液など様々な起源に由来することができる。また、ヒト人工多能性幹細胞は、ヒト線維芽細胞にOct4、Sox2、Klf4、c-Mycなどのリプログラミング関連遺伝子を発現させて作製することができる。この場合、Oct4、Sox2、Klf4、およびc-Myc遺伝子などの発現は、レトロウイルス感染またはエピゾーマルシステム(episomal system)に由来することができる。
本願においてcP1P、これら誘導体化合物、またはその塩は、幹細胞の増殖または成長促進、または本願に開示される効果を達成するために、前記物質を含む幹細胞増殖促進用組成物または細胞培養用培地組成物であって、幹細胞培養に使用される通常の培地に添加して使用することができる。
本願において幹細胞増殖促進用組成物にcP1P、これらの誘導体化合物またはその塩を添加すると、幹細胞の増殖が促進され、幹細胞死が阻害され、幹細胞コロニーの数および大きさが増加し、幹細胞の全能性が強化され、好ましくは胚性幹細胞または人工多能性幹細胞の増殖が促進され、アポトーシスが阻害され、コロニーの数および大きさが増加し、全能性(stemness, naive state)が強化され得る。
前記幹細胞増殖促進用組成物に含まれるcP1Pの濃度範囲は、0.1nM~10,000nM、好ましくは0.5~200nMであってもよく、前記濃度範囲のcP1Pを幹細胞培養用培地に添加することができる。
上記によるcP1P化合物、その薬学的に許容可能な塩、またはその溶媒和物は、本願の目的に適う限り、目的とする具体的な細胞の種類に応じて適切な濃度で含むことができる。
前記cP1Pを有効成分として含む組成物を細胞培養容器に添加して幹細胞を培養する場合、細胞培養容器で幹細胞が単一細胞から多数のコロニー(colony、細胞群集形成)を効果的に形成して成長することができ、好ましくは、胚性幹細胞、または人工多能性幹細胞がコロニーを形成して成長することができる。
幹細胞がコロニーを形成して成長する場合、幹細胞が生体内で成長する形態と類似するため、cP1Pを有効成分として含む組成物を用いて幹細胞を培養する場合、生体内で成長するものと類似する特性を有する幹細胞を得ることができる。
本願において幹細胞培養に用いられる培地は、この技術分野における通常の技術者に広く知られている培地であれば制限されることなく用いることができる。前記培地としては、人工的に合成して製造することができ、商業的に調製された培地を用いることもできる。商業的に調製された培地の例としては、DMEM(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)、MEM(Minimal Essential Medium)、BME(Basal Medium Eagle)、RPMI 1640、F-10、F-12、α-MEM(α-Minimal essential Medium)、G-MEM(Glasgow’s Minimal Essential Medium)、IMDM(Isocove’s Modified Dulbecco’s Medium)、またはMEFが挙げられるが、これに制限されるものではない。
上記によるcP1P化合物、その薬学的に許容可能な塩、またはその溶媒和物は、本願の目的に適う限り、目的とする具体的な細胞の種類に応じて適切な濃度で含むことができる。
一方、本願によるcP1P化合物、その薬学的に許容可能な塩、またはその溶媒和物を培地(または培養液)に添加する場合、血清成分のない無血清培地または血清成分が減少した低血清培地状態でも幹細胞の増殖が行われた。
本願の前記幹細胞増殖促進用組成物は、無血清または血清成分を0.1~3重量%含有するものであってもよい。
前記無血清培地は、ヒトを含む動物由来の血清(動物由来の血清)を一定含有量以上含まない任意の培養培地を意味する。例えば、無血清培地は、動物由来の血清を総組成物含有量に対して0.1重量%未満または0.01重量%未満含むことができ、具体的には動物由来の血清を含まなくてもよい。
本願は、幹細胞の増殖および培養に必要な動物由来の血清の代わりにcP1P化合物、その薬学的に許容可能な塩、またはその溶媒和物を含む幹細胞培地添加用組成物または無血清培地組成物を提供する。したがって、本発明は、動物由来の血清を代替可能な程度に幹細胞を安定的に増殖し、培養することができ、再現性のある試験および生産工程の確立が可能である。
低血清培地には、細胞培養に通常用いられる血清が0.1~3重量%のウシ胎児血清(FBS)を添加し、動物由来の血清と類似する成分を有する化合物、例えば、BPE(bovine pituitary extract)などを使用することもできる。
本願の前記「幹細胞」は、上記の通りであり、骨髄、脂肪組織、臍帯血(cord blood)、末梢血、新生児組織(neonatal tissues)、胎盤など様々な成体組織および骨髄由来細胞に由来するものであることが好ましいが、これに制限されるものではない。
別の態様として、本発明は、cP1Pまたはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む幹細胞培養液添加用組成物に関する。
上記幹細胞増殖促進用組成物に関する事項は、幹細胞培養液添加用組成物の本質から逸脱しない範囲で、幹細胞培養液添加用組成物についても同様に適用することができる。
前記幹細胞は、胚性幹細胞(Embryonic stem cell)または人工多能性幹細胞(induced Pluripotent stem cell)であってもよい。
前記幹細胞培養液添加用組成物に含まれるcP1Pの濃度範囲は、0.1nM~10,000nM、好ましくは0.5~200nMであってもよく、前記濃度範囲のcP1Pを幹細胞培養用培地に添加することができる。
別の態様として、本発明は、前記幹細胞増殖促進用組成物を幹細胞に処理して培養する段階を含む幹細胞培養方法に関する。
上記幹細胞増殖促進用組成物に関する事項は、幹細胞培養方法の本質から逸脱しない範囲で、幹細胞培地添加用組成物についても同様に適用することができる。
前記幹細胞は、胚性幹細胞(Embryonic stem cell)または人工多能性幹細胞(induced Pluripotent stem cell)であってもよい。
上記幹細胞増殖促進用組成物を幹細胞に処理して培養する場合、幹細胞の増殖が促進され、幹細胞死が阻害され、幹細胞コロニーの数及び大きさが増加し、幹細胞の全能性が強化され、好ましくは、胚性幹細胞または人工多能性幹細胞の増殖が促進され、アポトーシスが阻害され、コロニーの数および大きさが増加し、全能性(stemness, naive state)が強化され得る。
また、前記幹細胞増殖促進用組成物を幹細胞に処理して培養する場合、細胞培養容器で幹細胞がコロニー(colony、細胞群集形成)を形成して成長させることができ、好ましくは胚性幹細胞、または人工多能性幹細胞がコロニーを形成して成長することができる。
別の態様として、本発明は、前記幹細胞増殖促進用組成物を含む体外環境(in vitro)における幹細胞死滅抑制用キットに関する。
上記幹細胞増殖促進用組成物に関する事項は、体外培養環境における幹細胞死滅抑制用キットの本質から逸脱しない範囲で、体外環境における幹細胞死滅抑制用キットについても同様に適用することができる。
本願によるキットに含まれる有効成分は、前述のように参照することができ、体外培養環境における上記目的とする効果のための追加の成分および使用法などを含むことができる。
前記幹細胞は、胚性幹細胞(Embryonic stem cell)または人工多能性幹細胞(induced Pluripotent stem cell)であってもよい。
前記体外培養環境における幹細胞死滅抑制用キットに含まれるcP1Pの濃度は、0.1nM~10,000nMであってもよいが、好ましくは0.5~200nMであってもよく、前記濃度のcP1Pが体外培養環境における幹細胞死滅抑制用キットに添加することができるが、これに制限されるものではない。
上記幹細胞増殖促進用組成物を含む体外培養環境における幹細胞死滅抑制用キットで幹細胞を培養する場合、幹細胞死が阻害および抑制され、幹細胞コロニーの数及び大きさが増加し、幹細胞の全能性(stemness、naive state)を強化することができる。
別の態様として、本発明は、前記幹細胞増殖促進用組成物を含む体外培養環境(in vitro)における幹細胞増殖促進用キットに関する。
上記幹細胞増殖促進用組成物に関する事項は、体外培養環境における幹細胞増殖促進用キットの本質から逸脱しない範囲で、体外培養環境における幹細胞増殖促進用キットについても同様に適用することができる。
本願によるキットに含まれる有効成分は、前述のものを参照にすることができ、体外培養環境における上記目的とする効果のための追加の成分および使用法などを含むことができる。
前記幹細胞は、胚性幹細胞(Embryonic stem cell)または人工多能性幹細胞(induced Pluripotent stem cell)であってもよい。
前記体外培養環境における幹細胞増殖促進用キットに含まれるcP1Pの濃度は、0.1nM~10,000nMであってもよいが、好ましくは0.5~200nMであってもよく、前記濃度のcP1Pが体外培養環境における幹細胞増殖促進用キットに添加することができるが、これに制限されるものではない。
前記幹細胞増殖促進用組成物を含む体外培養環境における幹細胞増殖促進用キットで幹細胞を培養する場合、幹細胞の増殖が促進され、全能性が強化されることができる。
別の態様として、本発明は、cP1P(o-cyclic phytosphingosine-1-phosphate)またはその薬学的に許容可能な塩を幹細胞培養液に添加し、幹細胞を培養する段階を含む幹細胞増殖促進方法に関する。
上記幹細胞増殖促進用組成物に関する事項は、幹細胞増殖促進方法の本質から逸脱しない範囲で、幹細胞増殖促進方法についても同様に適用することができる。
前記幹細胞は、胚性幹細胞(Embryonic stem cell)または人工多能性幹細胞(induced Pluripotent stem cell)であってもよい。
前記cP1Pまたはその薬学的に許容可能な塩を幹細胞培養液に添加して幹細胞を培養する場合、幹細胞死が阻害され、幹細胞コロニーの数および大きさが増加し、幹細胞の全能性が強化され、好ましくは、胚性幹細胞または人工多能性幹細胞の増殖が促進され、アポトーシスが阻害され、コロニーの数および大きさが増加し、全能性(stemness、naive state)を強化することができ、これにより幹細胞の増殖を著しく促進することができる。
本発明は、cP1Pまたはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む全能性幹細胞増殖促進用組成物および幹細胞培養液添加用組成物に関するものであって、本発明に係る幹細胞増殖促進用組成物および幹細胞培地添加用組成物を用いて幹細胞を培養する場合、幹細胞特性(stemness)を強化し、増殖を促進し、アポトーシスを阻害することができ、医薬産業において有用である。

Claims (13)

  1. cP1P(o-cyclic phytosphingosine-1-phosphate)またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む幹細胞増殖促進用組成物であって、
    前記幹細胞は、胚性幹細胞(Embryonic stem cell)または人工多能性幹細胞(induced Pluripotent stem cell)である、幹細胞増殖促進用組成物。
  2. 前記cP1Pは、0.1nM~10,000nM濃度であることを特徴とする、請求項1に記載の幹細胞増殖促進用組成物。
  3. 前記組成物は、幹細胞の増殖を促進し、アポトーシスを阻害することを特徴とする、請求項1に記載の幹細胞増殖促進用組成物。
  4. 前記組成物は、幹細胞コロニーの数を増加させ、コロニーの大きさを増加させることを特徴とする、請求項1に記載の幹細胞増殖促進用組成物。
  5. 前記組成物は、幹細胞の全能性(stemness, naive state)を強化することを特徴とする、請求項1に記載の幹細胞増殖促進用組成物。
  6. 前記幹細胞培養用組成物は、無血清または血清成分を0.1~3重量%含有することを特徴とする、請求項1に記載の幹細胞増殖促進用組成物。
  7. 幹細胞培養物に添加する組成物であって、前記組成物はcP1Pまたはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含み、
    前記幹細胞は、胚性幹細胞(Embryonic stem cell)または人工多能性幹細胞(induced Pluripotent stem cell)である、幹細胞培養液添加用組成物。
  8. 前記cP1Pは、0.1nM~10,000nM濃度であることを特徴とする、請求項7に記載の幹細胞培養液添加用組成物。
  9. 請求項1に記載の組成物を幹細胞に処理して培養する段階を含む、幹細胞培養方法であって、
    前記幹細胞は胚性幹細胞(Embryonic stem cell)または人工多能性幹細胞(induced Pluripotent stem cell)である、幹細胞培養方法
  10. 請求項1に記載の組成物を含む、体外培養環境における幹細胞死滅抑制用キットであって、
    前記幹細胞は胚性幹細胞(Embryonic stem cell)または人工多能性幹細胞(induced Pluripotent stem cell)である、キット
  11. 請求項1に記載の組成物を含む、体外培養環境における幹細胞増殖促進用キットであって、
    前記幹細胞は胚性幹細胞(Embryonic stem cell)または人工多能性幹細胞(induced Pluripotent stem cell)である、キット
  12. cP1P(o-cyclic phytosphingosine-1-phosphate)またはその薬学的に許容可能な塩を幹細胞培養物に添加して幹細胞を培養する段階を含む、幹細胞増殖促進方法であって、
    前記幹細胞は胚性幹細胞(Embryonic stem cell)または人工多能性幹細胞(induced Pluripotent stem cell)である、幹細胞増殖促進方法
  13. 前記cP1Pは、0.1nM~10,000nM濃度であることを特徴とする、請求項12に記載の幹細胞増殖促進方法。
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