JP7384223B2 - 電極バインダー用共重合体、電極バインダー樹脂組成物、及び非水系二次電池電極 - Google Patents

電極バインダー用共重合体、電極バインダー樹脂組成物、及び非水系二次電池電極 Download PDF

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Description

本発明は、電極バインダー用共重合体、電極バインダー樹脂組成物、及び非水系二次電池電極に関する。
本願は、2019年12月27日に、日本に出願された特願2019-239174号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
非水系二次電池は、金属酸化物などを活物質とした正極、黒鉛等の炭素材料を活物質とした負極、および電解液を含む構成を有し、イオンが正極と負極間を移動することにより電池の充放電が行われる二次電池である。
非水系二次電池としてリチウムイオン二次電池が代表例として挙げられる。非水系二次電池は、小型化、軽量化の面からノート型パソコン、携帯電話、電動工具、電子・通信機器の電源として使用されている。また、最近では環境車両適用の観点から電気自動車やハイブリッド自動車用にも使用されている。その中で、非水系二次電池の高出力化、高容量化、長寿命化等が強く求められてきている。
正極および負極に使用されるバインダーには、活物質同士および活物質と集電体を結着させる役割がある。非水系二次電池の容量向上、作業環境保全のため、水分散系バインダーの開発が進められている。たとえば、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を併用したスチレン-ブタジエンゴム(SBR)系の水分散体が知られている。
特許文献1~5では、スチレン、エチレン性不飽和カルボン酸エステル、エチレン性不飽和カルボン酸および内部架橋剤を含有するエチレン性不飽和単量体を、界面活性剤の存在下、乳化重合して得られる非水系二次電池電極用バインダーが提案されている。
特許第5211794号公報 特許第5701519号公報 特許第5991321号公報 特開2017-174804号公報 中国特許出願公開第104882612号明細書
しかしながら、特許文献1~5に記載のバインダーを用いた場合では、充放電サイクル特性向上の余地があった。
本発明は、耐電解液性が良好な電極バインダーが得られ、集電体に対する剥離強度が高い電極活物質層を有する電極が得られ、さらに充放電サイクル特性が良好な非水系二次電池が得られる電極バインダー用共重合体、及び電極バインダー樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、耐電解液性が良好な電極バインダーを含み、集電体に対する剥離強度が高い電極活物質層を有し、充放電サイクル特性が良好な非水系二次電池が得られる非水系二次電池電極を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の構成は以下の[1]~[15]の通りである。
[1] 分子内に含まれるエチレン性不飽和結合が1個である(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び分子内に含まれるエチレン性不飽和結合が1個である炭化水素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる単量体(a1)に由来する構造単位と、 分子内に含まれるエチレン性不飽和結合が1個であるカルボン酸、及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種類からなる単量体(a2)に由来する構造単位と、
1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる内部架橋剤(a3)に由来する構造単位と、
下記の式(1)で示される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位と、
を含む共重合体であって、
前記単量体(a1)に由来する構造単位を、50質量%以上98質量%以下含み、
前記単量体(a2)に由来する構造単位を、1.0質量%以上15質量%以下含み、 前記内部架橋剤(a3)に由来する構造単位を、0.020質量%以上10質量%以下含み、
前記重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位を、0.010質量%以上10質量%以下含む
ことを特徴とする電極バインダー用共重合体。
Figure 0007384223000001
式(1)中、Xは水素原子またはSONHであり、mは1以上4以下の整数、nは5以上40以下の整数である。
[2] 前記単量体(a1)は、ホモポリマーのガラス転移点Tgが5℃以上である高Tg単量体(a11)と、ホモポリマーのガラス転移点Tgが-5℃以下である低Tg単量体(a12)とを含む[1]に記載の電極バインダー用共重合体。
[3] 前記高Tg単量体(a11)に由来する構造単位の含有量と、前記低Tg単量体(a12)に由来する構造単位の含有量との質量比は、30:70~70:30である[2]に記載の電極バインダー用共重合体。
[4] 前記単量体(a1)に由来する構造単位の含有率は、70質量%以上97質量%以下である[1]~[3]のいずれかに記載の電極バインダー用共重合体。
[5] 前記単量体(a2)に由来する構造単位の少なくとも一部は、カルボキシ基と塩基性物質との塩を形成している[1]~[4]のいずれかに記載の電極バインダー用共重合体。
[6] 前記単量体(a2)に由来する構造単位の含有率は、2.0質量%以上10質量%以下である[1]~[5]のいずれかに記載の電極バインダー用共重合体。
[7] 前記内部架橋剤(a3)に由来する構造単位の含有率は、0.50質量%以上5.0質量%以下である[1]~[6]のいずれかに記載の電極バインダー用共重合体。
[8] 式(1)中、Xは、SONHである[1]~[7]のいずれかに記載の電極バインダー用共重合体。
[9] 式(1)中、nは、8以上25以下である[1]~[8]のいずれかに記載の電極バインダー用共重合体。
[10] 前記重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位の含有率は、0.10質量%以上3.0質量%以下である[1]~[9]のいずれかに記載の電極バインダー用共重合体。
[11] さらに、前記単量体(a1)と前記単量体(a2)と前記内部架橋剤(a3)と前記重合性界面活性剤(a4)とのいずれにも該当しない、エチレン性不飽和結合を有するスルホン酸またはその塩に由来する構造単位を含む[1]~[10]のいずれかに記載の電極バインダー用共重合体。
[12] [1]~[11]のいずれかに記載の電極バインダー用共重合体が水性媒体(B)中に分散している電極バインダー樹脂組成物。
[13] [1]~[11]のいずれかに記載の電極バインダー用共重合体と、電極活物質と、が水性媒体中に分散している電極スラリー。
[14] [1]~[11]のいずれかに記載の電極バインダー用共重合体及び電極活物質を含む電極活物質層が、金属シートからなる集電体上に形成された非水系二次電池電極。
[15] [1]~[11]のいずれかに記載の電極バインダー用共重合体を、正極及び負極の少なくとも一方に含む非水系二次電池。
本発明によれば、耐電解液性が良好な電極バインダーが得られ、集電体に対する剥離強度が高い電極活物質層を有する電極が得られ、さらに充放電サイクル特性が良好な非水系二次電池が得られる電極バインダー用共重合体、及び電極バインダー樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、耐電解液性が良好な電極バインダーを含み、集電体に対する剥離強度が高い電極活物質層を有し、充放電サイクル特性が良好な非水系二次電池が得られる非水系二次電池電極を提供することができる。
「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの総称であり、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの総称である。
「不揮発分」は、直径5cmのアルミ皿に組成物を1g秤量し、1気圧(1013hPa)で、乾燥器内で空気を循環させながら105℃で1時間乾燥させ後に残った成分である。組成物の形態は、溶液、分散液、スラリーが挙げられるが、これらに限られない。
「不揮発分濃度」とは、乾燥前の組成物の質量(1g)に対する、上記条件下で乾燥後の不揮発分の質量割合(質量%)である。
「エチレン性不飽和結合」とは、特に断りがない限り、ラジカル重合性を有するエチレン性不飽和結合を指す。
エチレン性不飽和結合を有する化合物の重合体において、あるエチレン性不飽和結合を有する化合物に由来する構造単位は、その化合物のエチレン性不飽和結合以外の部分の化学構造と、重合体におけるその構造単位の主鎖を形成する部分以外の部分の化学構造とが同じであるとする。例えば、アクリル酸に由来する構造単位は、重合体として主鎖以外の部分にCOOHの構造を有している。
また、重合後に主鎖以外の部分を化学反応させる等、単量体の化学構造と重合体の化学構造とで対応しない場合は、重合後の化学構造を基準とする。また、カルボキシ基等のアニオン性官能基は、塩を形成してもよい。例えば、COONHもカルボキシ基とする。
<1.電極バインダー用共重合体(A)>
本発明にかかる電極バインダー用共重合体(A)(以下、共重合体(A)とすることもある)は、後述する単量体(a1)に由来する構造単位と、後述する単量体(a2)に由来する構造単位と、後述する内部架橋剤(a3)に由来する構造単位と、後述する重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位と、を含む。共重合体(A)は、その他の単量体(a5)に由来する構造単位を含んでもよい。
〔1-1.単量体(a1)〕
単量体(a1)は、分子内に含まれるエチレン性不飽和結合が1個である(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び分子内に含まれるエチレン性不飽和結合が1個である炭化水素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、(メタ)アクリロイルオキシ基以外の部分が炭化水素構造である。単量体(a1)は、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び上記炭化水素化合物の両方を含むことが好ましい。単量体(a1)は、電極活物質と共重合体(A)との密着性の観点から、エチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物を含むことが好ましい。
エチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物としては、例えば、スチレン系化合物、ビニルナフタレン系化合物、ビニルビフェ二ル系化合物等のビニル芳香族化合物が挙げられる。スチレン系化合物としては、例えば、スチレン、t-ブチルスチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、及び1,1-ジフェニルエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく、スチレン、α-メチルスチレンがより好ましく、スチレンが更に好ましい。
単量体(a1)は、ホモポリマーのガラス転移点Tgが5℃以上である高Tg単量体(a11)と、ホモポリマーのガラス転移点Tgが-5℃以下である低Tg単量体(a12)とを含むことが好ましい。共重合体(A)のガラス転移点を仕様に応じて適切な値にコントロールするためである。また、単量体(a1)中の、高Tg単量体(a11)及び低Tg単量体(a12)の合計含有率は、60質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。単量体(a1)には、ホモポリマーのガラス転移点Tgが5℃未満-5℃超の単量体が含まれていてもよい。
共重合体(A)における、高Tg単量体(a11)に由来する構造単位の含有量と、低Tg単量体(a12)に由来する構造単位の含有量との質量比は、30:70以上であることが好ましく、40:60以上であることがより好ましい。共重合体(A)における、高Tg単量体(a11)に由来する構造単位の含有量と、低Tg単量体(a12)に由来する構造単位の含有量との質量比は、70:30以下であることが好ましく、60:40以下であることがより好ましい。
高Tg単量体(a11)としては、スチレン(100℃)、アクリル酸メチル(8℃)、メタクリル酸メチル(105℃)、メタクリル酸エチル(65℃)、メタクリル酸n-プロピル(35℃)、メタクリル酸イソプロピル(81℃)、メタクリル酸n-ブチル(20℃)、メタクリル酸イソブチル(53℃)、メタクリル酸tert-ブチル(107℃)、アクリル酸tert-ブチル(14℃)、メタクリル酸シクロヘキシル(83℃)、メタクリル酸ステアリル(38℃)、アクリル酸ステアリル(10℃)、メタクリル酸イソボルニル(155℃)、アクリル酸イソボルニル(94℃)等が挙げられるが、これらに限られない。なお、ここで挙げた化合物名の後ろに付した()内の温度はその化合物のホモポリマーのTgの値である。ここで挙げた化合物の中でも、乳化重合の容易さ及び耐溶出性の観点から、高Tg単量体(a11)は、スチレン、(メタ)アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-ブチルから選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
低Tg単量体(a11)としては、アクリル酸エチル(-22℃)、アクリル酸n-プロピル(-48℃)、アクリル酸n-ブチル(-52℃)、アクリル酸iso-ブチル(-24℃)、メタクリル酸2-エチルヘキシル(-10℃)、アクリル酸2-エチルヘキシル(-70℃)、メタクリル酸ラウリル(-65℃)等が挙げられるが、これらに限られない。なお、ここで挙げた化合物名の後ろに付した()内の温度はその化合物のホモポリマーのTgの値である。ここで挙げた化合物の中でも、乳化重合の容易さや耐溶出性の観点から、低Tg単量体(a11)は、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリルから選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
〔1-2.単量体(a2)〕
単量体(a2)は、分子内に含まれるエチレン性不飽和結合が1個であるカルボン酸、及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる。単量体(a2)は、繰り返し数3以上のアルキレンオキサイド構造を含まないことがより好ましい。
単量体(a2)としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル等が挙げられる。これらの中でも、単量体(a2)は(メタ)アクリル酸、イタコン酸のうち少なくとも1つを含むことが好ましい。
共重合体(A)に含まれる、単量体(a2)に由来する構造単位の少なくとも一部が、カルボキシ基と塩基性物質との塩を形成していてもよい。少なくとも一部の成分をカルボン酸塩とした単量体(a2)を原料として用いて重合することで塩を形成させてもよい。また、共重合体(A)の合成後に塩基性物質を添加することで、共重合体(A)に含まれる単量体(a2)由来の構造単位の少なくとも一部を塩としてもよい。
〔1-3.内部架橋剤(a3)〕
内部架橋剤(a3)は、1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる。
1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物の具体例は、ジビニルベンゼン、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレートが挙げられる。
〔1-4.重合性界面活性剤(a4)〕
重合性界面活性剤(a4)は、以下の式(1)に示される構造を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる。なお、以下の式(1)以外の構造を有し、界面活性剤としての機能を有する単量体については、本発明においてはその他の単量体(a5)とする。
Figure 0007384223000002
式(1)中、Xは水素原子またはSONHであり、mは1以上4以下の整数、nは5以上40以下の整数である。XはSONHであることが好ましい。mは1以上3以下であることが好ましい。nは8以上40以下であることが好ましく、8以上25以下であることがより好ましく、8以上15以下であることがさらに好ましい。
重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位は、共重合体(A)において界面活性効果を有する部分を構成する。共重合体(A)を水性媒体中で乳化重合によって合成する場合は、生成する粒子の安定性が重合性界面活性剤(a4)によって向上する。
共重合体(A)が、重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位を含むことで、共重合体(A)は良好な耐電解液性を示しつつ、共重合体(A)を電極バインダーとして用いた非水系二次電池のサイクル特性(サイクル容量維持率)が向上することが、本発明で見出された。
重合性界面活性剤(a4)の炭酸エチルメチルに対する接触角(以下、特に断りがなければ、この値を重合性界面活性剤(a4)の接触角と称する)は、15°以下であることが好ましく、10°以下であることがより好ましく、6°以下であることがさらに好ましい。電解液の浸透性を向上させるためである。接触角は、重合性界面活性剤(a4)の20質量%水溶液を、ドクターブレードを用いてガラス板に塗布し、60℃で5分間乾燥させて皮膜を形成させ、この皮膜に炭酸エチルメチルを4μL滴下したときの1/2θ法で求めた静的接触角である。
〔1-5.その他の単量体(a5)〕
その他の単量体(a5)は、単量体(a1)と単量体(a2)と内部架橋剤(a3)と重合性界面活性剤(a4)と(「単量体(a1)~(a4)」ともいうことがある。)のいずれにも該当しない化合物で、かつ単量体(a1)~(a4)と共重合可能な化合物である。その他の単量体(a5)としては、例えば、エチレン性不飽和結合を有するスルホン酸またはその塩、エチレン性不飽和結合及びリン酸基を有する化合物またはその塩、グリシジル基及びエチレン性不飽和結合を有する化合物、ヒドロキシ基及びエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられる。
エチレン性不飽和結合を有するスルホン酸の具体例は、p-スチレンスルホン酸、p-スチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
エチレン性不飽和結合及びリン酸基を有する化合物の具体例は、2-メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート、3-クロロ2-アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、メタクロイルオキシエチルアシッドホスフェート・モノエタノールアミン塩等が挙げられる。
グリシジル基及びエチレン性不飽和結合を有する化合物の具体例は、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシ基及びエチレン性不飽和結合を有する化合物の具体例は、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等が挙げられる。
その他の単量体(a5)としては、エチレン性不飽和結合を有し、かつ界面活性剤としての機能を有する化合物で、重合性界面活性剤(a4)以外の単量体が含まれていてもよい。このような単量体の例としては、以下の化学式(2)~(5)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0007384223000003
式(2)中、Rはアルキル基であることが好ましく、pは10~40の整数であることが好ましい。Rの炭素数は10~40であることがより好ましく、Rは炭素数10~40の直鎖無置換アルキル基であることがさらに好ましい。
Figure 0007384223000004
式(3)中、Rはアルキル基であることが好ましく、qは10~12の整数であることが好ましい。Rの炭素数は10~40であることがより好ましく、Rは炭素数10~40の直鎖無置換アルキル基であることがさらに好ましい。
Figure 0007384223000005
式(4)中、Rはアルキル基であることが好ましく、MはNHまたはNaであることが好ましい。Rの炭素数は10~40であることがより好ましく、Rは炭素数10~40の直鎖無置換アルキル基であることがさらに好ましい。
Figure 0007384223000006
式(5)中、Rはアルキル基であることが好ましく、MはNHまたはNaであることが好ましい。Rの炭素数は10~40であることがより好ましく、Rは炭素数10~40の直鎖無置換アルキル基であることがさらに好ましい。
〔1-6.共重合体(A)の各構造単位の含有率〕
単量体(a1)に由来する構造単位の、共重合体(A)中の含有率は、50質量%以上であり、70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。電極活物質層の剥離強度が向上するため、及び乳化重合により共重合体(A)を合成する際に、重合安定性が向上するためである。
単量体(a1)に由来する構造単位の、共重合体(A)中の含有率は、98質量%以下であり、97質量%以下であることが好ましく、96質量%以下であることがより好ましい。単量体(a2)~(a4)に由来する構造単位の含有率を確保するためである。
単量体(a2)に由来する構造単位の、共重合体(A)中の含有率は、1.0質量%以上であり、2.0質量%以上であることが好ましく、3.0質量%以上であることがより好ましい。共重合体(A)の機械的安定性が向上するためである。また、乳化重合により共重合体(A)を合成する際に、重合安定性が向上するためである。
単量体(a2)に由来する構造単位の、共重合体(A)中の含有率は、15質量%以下であり、10質量%以下であることが好ましく、7.0質量%以下であることがより好ましい。共重合体(A)を含む電極活物質層の集電体に対する結着性及び電極活物質間での結着性が向上するためである。
内部架橋剤(a3)に由来する構造単位の、共重合体(A)中の含有率は、0.020質量%以上であり、0.50質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましい。共重合体(A)を含む電極の耐電解液性が向上するためである。
内部架橋剤(a3)に由来する構造単位の、共重合体(A)中の含有率は、10質量%以下であり、5.0質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以下であることがより好ましく、2.0質量%以下であることが特に好ましい。共重合体(A)により良好な可撓性を示す電極を作製することができるためである。
重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位の、共重合体(A)中の含有率は、0.010質量%以上であり、0.10質量%以上であることが好ましく、0.17質量%以上であることがより好ましい。共重合体(A)が良好な耐電解液性を示しつつ、共重合体(A)を電極バインダーとして用いた非水系二次電池のサイクル特性が向上するためである。
重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位の、共重合体(A)中の含有率は、10質量%以下であり、3.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることがより好ましく、0.50質量%以下であることがさらに好ましく、0.35質量%以下であることが特に好ましい。このような構成の共重合体(A)を電極バインダーとして含むことで、良好な可撓性を示す電極が得られるためである。
他の単量体(a5)に由来する構造単位の、共重合体(A)中の含有率は、本発明の目的が達成できる範囲であれば特に限定されない。このような他の単量体(a5)に由来する構造単位の、共重合体(A)中の含有率としては、10質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以下であることがより好ましく、3.0質量%以下であることがさらに好ましい。
〔1-7.共重合体(A)のガラス転移点〕
共重合体(A)のTgは、日立ハイテクサイエンス社製 EXSTAR DSC/SS7020を用いて昇温速度10℃/分、窒素ガス雰囲気下でDSC測定を行い、DSCの温度微分として得られるDDSCチャートのピークトップ温度である。
共重合体(A)のガラス転移点Tgは、-30℃以上であることが好ましく、-10℃以上であることがより好ましく、0℃以上であることがさらに好ましい。共重合体(A)を電極バインダーとして用いた非水系二次電池のサイクル特性が向上するためである。
共重合体(A)のガラス転移点Tgは、100℃以下であることが好ましく、50℃以下であることがより好ましく、30℃以下であることがさらに好ましい。共重合体(A)を電極バインダーとして含む電極活物質層の集電箔に対する密着性が向上するためである。
<2.電極バインダー用共重合体の合成方法>
電極バインダー用共重合体(A)は、単量体(a1)~(a4)、及び必要に応じて他の単量体(a5)を共重合することで得られる。ここで、共重合体(A)のための単量体を総称する場合は、単量体(a)とする。すなわち、単量体(a)には、単量体(a1)~(a4)、必要に応じて他の単量体(a5)が含まれる。重合方法としては、例えば、水性媒体(b)中での単量体(a)の乳化重合が挙げられる。乳化重合による共重合体(A)の合成において用いられるその他の成分としては、例えば、重合性を有さない界面活性剤(c)、塩基性物質(d)、重合開始剤(e)、連鎖移動剤(f)等が挙げられる。
〔2-1.水性媒体(b)〕
水性媒体(b)は、水、親水性の溶媒、またはこれらの混合物である。親水性の溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、およびN‐メチルピロリドン等が挙げられる。重合安定性の観点から、水性媒体(b)は水であることが好ましい。なお、重合安定性を損なわない限り、水性媒体(b)として、水に親水性の溶媒を添加したものを用いてもよい。
〔2-2.重合性を有さない界面活性剤(c)〕
単量体(a)の乳化重合において、重合性を有さない界面活性剤(c)を用いてもよい。界面活性剤(c)は、重合中及び/または重合後の分散液(エマルジョン)の分散安定性を向上させることができる。界面活性剤(c)としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸塩が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。
上記の界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
〔2-3.塩基性物質(d)〕
単量体(a)を水性媒体(b)中で乳化重合する場合は、塩基性物質(d)を加えてもよい。塩基性物質(d)を加えることで、単量体(a)及び/または共重合体(A)に含まれる酸性成分を中和し、pHを調整することができる。pHを調整することで、乳化重合中及び/または乳化重合後の分散液の機械的安定性、化学的安定性を向上させることができる。
分散液の23℃でのpHは、1.5~10であることが好ましく、6.0~9.0であることがより好ましく、5.0~9.0であることがさらに好ましい。後述の電極スラリー中の活物質の沈降を抑制するためである。
塩基性物質(d)としては、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。これらの塩基性物質(d)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
〔2-4.ラジカル重合開始剤(e)〕
乳化重合の際に用いられるラジカル重合開始剤(e)としては、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;過酸化水素;アゾ化合物;t-ブチルハイドロパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、クメンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられる。中でも、過硫酸塩および有機過酸化物が好ましい。本実施形態においては、乳化重合の際にラジカル重合開始剤と、重亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、アスコルビン酸等の還元剤とを併用して、レドックス重合してもよい。
ラジカル重合開始剤の添加量は、単量体(a)100質量部に対して0.10質量部以上であることが好ましく、0.80質量部以上であることがより好ましい。単量体(a)の重合時の共重合体(A)への転化率を高くすることができるためである。ラジカル重合開始剤の添加量は、単量体(a)100質量部に対して3.0質量部以下であることが好ましく、2.0質量部以下であることがより好ましい。共重合体(A)の分子量を高くすることができ、電極活物質層の電解液に対する膨潤率を下げることができるためである。
〔2-5.連鎖移動剤(f)〕
連鎖移動剤(f)は、乳化重合において共重合体(A)の分子量を調整するために用いられる。連鎖移動剤(f)としては、n-ドデシルメルカプタン、tert-ドデシルメルカプタン、n-ブチルメルカプタン、2-エチルヘキシルチオグリコレート、2-メルカプトエタノール、β-メルカプトプロピオン酸、メチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、t-ブチルアルコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
〔2-6.乳化重合法〕
乳化重合法としては、例えば、乳化重合に使用する各成分を連続供給しながら乳化重合する方法等が挙げられる。乳化重合の温度は、特に限定はされないが、例えば、30~90℃であり、50~85℃であることが好ましく、55~80℃であることがさらに好ましい。乳化重合は攪拌しながら行うことが好ましい。また、単量体(a)及びラジカル重合開始剤は反応容器内で均一になるよう連続供給することが好ましい。
<3.電極バインダー樹脂組成物>
本実施形態の電極バインダー樹脂組成物(以下、バインダー組成物とすることもある)は、電極バインダー用共重合体(A)が水性媒体(B)中に分散している。バインダー組成物は、これらの成分の他に、例えば、共重合体(A)の合成に用いた上記の成分等を含んでいてもよい。バインダー組成物は、上記の電極バインダー用共重合体(A)の合成方法によって得られた分散液でもよく、乳化重合以外の方法で得られた共重合体(A)を水性媒体(B)に分散させることにより得られる分散液でもよく、その他の方法により得られる分散液でもよい。
本実施形態の電極バインダー樹脂組成物が、電極バインダーと水性媒体(B)とを含む。電極バインダーは、上述の電極バインダー用共重合体(A)を含み、上述の電極バインダー用共重合体(A)であることが好ましい。
〔3-1.水性媒体(B)〕
水性媒体(B)は、水、親水性の溶媒、またはこれらの混合物である。親水性の溶媒の例は、電極バインダー用共重合体(A)の合成における水性媒体(b)の説明で挙げた通りである。水性媒体(B)は、共重合体(A)の合成に用いた水性媒体(b)と同じでもよく、異なっていてもよい。
水性媒体(B)は、共重合体(A)の合成に用いる水性媒体(b)をそのまま用いてもよく、水性媒体(b)に水性溶媒を添加した構成でもよく、共重合体(A)の合成後に水性媒体(b)を新たな水性溶媒に置き換えたものでもよい。ここで、添加する、あるいは置き換える水性溶媒は、共重合体(A)の合成に用いた溶媒と同じ組成でもよく、異なる組成でもよい。
〔3-2.電極バインダー樹脂組成物の不揮発分濃度および粘度〕
バインダー組成物の不揮発分濃度は、20質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。バインダー組成物中に含まれる有効成分の量を多くするためである。バインダー組成物の不揮発分濃度は、水性媒体(B)の量により調整できる。
バインダー組成物の粘度は、3000mPa・s以下であることが好ましく、1000mPa・s以下であることがより好ましく、80mPa・s以下であることがさらに好ましい。後述する電極スラリー作製時のバインダーのロス削減、及びスラリーの脱泡工程の時間短縮のためである。バインダー組成物の粘度は、ブルックフィールド型粘度計を用いて、液温23℃、回転数60rpm、No.1、No.2、No.3またはNo.4のローターを用いて測定した値である。バインダー組成物の粘度は、バインダー組成物の不揮発分濃度による影響が大きい。
<4.電極スラリー>
次に、電極スラリーについて詳述する。電極スラリーは、共重合体(A)と電極活物質と、が水性媒体中に分散している構成を有する。電極スラリーは、これらの成分の他に、増粘剤、導電助剤、共重合体(A)の合成に用いた上記の成分等を含んでもよい。
〔4-1.電極バインダー用共重合体(A)の含有量〕
共重合体(A)の含有量は、電極活物質100質量部に対して、0.50質量部以上であることが好ましく、1.0質量部以上であることがより好ましい。共重合体(A)による効果を十分に発現させるためである。
共重合体(A)の含有量は、電極活物質100質量部に対して、5.0質量部以下であることが好ましく、4.0質量部以下であることがより好ましく、3.0質量部以下であることがさらに好ましい。電極スラリーを用いて作製される電極活物質層において、電極活物質の含有率を高めるためである。
〔4-2.電極活物質〕
電極活物質は、リチウムイオン等の電荷キャリアとなるイオンを挿入(Intercaration)/脱離(Deintercalation)可能な材料である。電荷キャリアとなるイオンがアルカリ金属イオンであることが好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンであることがより好ましく、リチウムイオンであることがさらに好ましい。
電極が負極である場合、電極活物質、すなわち負極活物質は、炭素材料、ケイ素を含む材料、チタンを含む材料のうち少なくともいずれかを含むことが好ましい。電極活物質として用いられる炭素材料としては、例えば、石油コークス、ピッチコークス、石炭コークス等のコークス、有機高分子の炭素化物、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛が挙げられる。ケイ素を含む材料としては、例えば、ケイ素単体、酸化ケイ素等のケイ素化合物が挙げられる。チタンを含む材料としては、例えばチタン酸リチウム等が挙げられる。これらの材料は、単独で用いてもよいが、混合あるいは複合化して用いてもよい。
負極活物質は、炭素材料、ケイ素を含む材料のうち少なくともいずれかを含むことが好ましく、炭素材料を含むことがより好ましい。本発明のバインダー用共重合体(A)による電極活物質間、及び電極活物質と集電体との間の結着性を向上させる効果が非常に大きいためである。
電極が正極である場合、電極活物質、すなわち正極活物質は、負極活物質よりも標準電極電位が貴な物質を用いる。正極活物質としては、Ni-Co-Mn系のリチウム複合酸化物、Ni-Mn-Al系のリチウム複合酸化物、Ni-Co-Al系のリチウム複合酸化物などのニッケルを含むリチウム複合酸化物;コバルト酸リチウム(LiCoO);スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn);オリビン型燐酸鉄リチウム;TiS、MnO、MoO、V等のカルコゲン化合物等が挙げられる。正極活物質として、これらの物質は1種で用いてもよく、あるいは2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
〔4-3.増粘剤〕
増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、セルロース類のアンモニウム塩、セルロース類のアルカリ金属塩、ポリビニルアルコ-ル、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。増粘剤は、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩、カルボキシメチルセルロースアルカリ金属塩のうち少なくともいずれかを含むことが好ましい。電極スラリー中で電極活物質が分散しやすくなるためである。
電極スラリーにおける増粘剤の含有量は、電極活物質100質量部に対して0.50質量部以上であることが好ましく、0.80質量部以上であることがより好ましい。電極スラリーを用いて作製される電極活物質層において、電極活物質間、及び電極活物質と集電体との間の結着性を向上させるためである。
電極スラリーにおける増粘剤の含有量は、電極活物質100質量部に対して3.0質量部以下であることが好ましく、2.0質量部以下であることがより好ましく、1.5質量部以下であることがさらに好ましい。電極スラリーの塗布性が向上するためである。
〔4-4.水性媒体〕
水性媒体は、水、親水性の溶媒、またはこれらの混合物である。親水性の溶媒の例は、電極バインダー用共重合体(A)の合成における水性媒体(b)の説明で挙げた通りである。電極スラリーに含まれる水性媒体は、電極バインダー樹脂組成物に含まれる水性媒体(B)、あるいは共重合体(A)の合成に用いた水性媒体(b)と同じでもよく、異なっていてもよい。
〔4-5.導電助剤〕
導電助剤としては、カーボンブラック、炭素繊維等を用いることが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、デンカブラック(登録商標)(デンカ株式会社製)、ケッチェンブラック(登録商標)(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製)等が挙げられる。炭素繊維は、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等が挙げられ、カーボンナノチューブとしては、気相法炭素繊維であるVGCF(登録商標、昭和電工株式会社製)が好ましい例として挙げられる。
〔4-6.電極スラリーの性質〕
電極スラリーの不揮発分濃度は、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましい。電極スラリー中の有効成分の濃度が高くなり、少ない電極スラリーの量で、十分な量の電極活物質層を形成できるためである。電極スラリーの不揮発分濃度は、電極スラリー中の水性媒体の量で調整できる。
電極スラリーの粘度は、20000mPa・s以下であることが好ましく、10000mPa・s以下であることがより好ましく、5000mPa・s以下であることがさらに好ましい。電極スラリーの集電体への塗布性を向上させ、電極の生産性が向上するためである。電極スラリーの粘度は、電極スラリーの不揮発分濃度、及び増粘剤の種類及び量により大きく影響される。
23℃における電極スラリーのpHは、好ましくは2.0~10であり、より好ましくは4.0~9.0であり、さらに好ましくは6.0~9.0である。電極スラリーを用いて作製される電池の耐久性を向上させるためである。
〔4-7.電極スラリーの製造方法〕
本実施形態において電極スラリーを調製する方法としては、バインダー組成物と、電極活物質と、必要に応じて増粘剤と、必要に応じて水性媒体と、必要に応じて導電助剤と、必要に応じてその他の成分とを混合する。添加する成分の順序は、特に限定されず、適宜決めればよい。混合方法としては、攪拌式、回転式、振とう式等の混合装置を使用する方法が挙げられる。
<5.非水系二次電池電極>
本実施形態にかかる非水系二次電池電極(以下、「電極」とすることもある)は、集電体と、集電体上に形成された電極活物質層と、を備える。電極の形状としては、例えば、積層体や捲回体が挙げられるが、特に限定されない。また、集電体上への電極活物質層の形成範囲は特に限定されず、集電体の全面に形成されていてもよく、集電体の一部の面に形成されていてもよい。集電体が板、箔等の形状である場合、電極活物質層は、両面に形成されていてもよく、片面のみに形成されていてもよい。
〔5-1.集電体〕
集電体は、厚さ0.001mm以上0.5mm以下の金属シートであることが好ましく、金属としては、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス等が挙げられる。金属シートは、例えば、金属箔でもよく金属板でもよい。非水系電池電極が、リチウムイオン二次電池の負極である場合、集電体は、銅箔であることが好ましい。
〔5-2.電極活物質層〕
本実施形態にかかる電極活物質層は、バインダー用共重合体(A)及び電極活物質を含む。電極活物質層は、上記のバインダー組成物に含まれるその他の成分を含んでもよく、上記の電極スラリーに含まれるその他の成分を含んでもよい。
〔5-3.電極の製造方法〕
電極の製造方法としては、例えば、電極スラリーを集電体上に塗布し、乾燥させて電極活物質層を形成した後、適当な大きさに切断することにより製造できる。
電極スラリーを集電体上に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ドクターブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法、スクイーズ法等が挙げられる。これらの中でも、電極スラリーの粘性等の諸物性及び乾燥性を考慮すると、ドクターブレード法、ナイフ法、またはエクストルージョン法を用いることが好ましい。表面が滑らかで、厚さのばらつきが小さな電極活物質層を得ることができるためである。
電極スラリーは、集電体の片面にのみ塗布してもよいし、両面に塗布してもよい。電極スラリーを集電体の両面に塗布する場合は、片面ずつ逐次塗布してもよいし、両面同時に塗布してもよい。また、電極スラリーは、集電体へ連続的に塗布してもよいし、間欠的に塗布してもよい。電極スラリーの塗布量は、電池の設計容量、及び電極スラリーの組成などに応じて適宜決定できる。電極スラリーの塗布量は、電極スラリーの性質にもよるが、13mg/cm以下(両面に塗布する場合、片面あたりの塗布量)であることが好ましい。電極スラリーの乾燥工程において電極表面の亀裂の発生を抑制できるためである。
集電体上に塗布された電極スラリーを乾燥することにより、集電体上に電極活物質層が形成される。電極スラリーの乾燥方法は、特に限定されないが、例えば、熱風、減圧あるいは真空環境、(遠)赤外線、低温風を単独あるいは組み合わせて用いることができる。電極スラリーの乾燥温度及び乾燥時間は、電極スラリー中の不揮発分濃度、集電体への塗布量等によって適宜調整することができる。乾燥温度は、40℃以上350℃以下であることが好ましく、生産性の観点から、60℃以上100℃以下であることがより好ましい。乾燥時間は1分以上30分以下であることが好ましい。
集電体上に電極活物質層が形成された電極シートは、電極として適当な大きさ及び形状にするために切断されてもよい。電極シートの切断方法は特に限定されないが、例えば、スリット、レーザー、ワイヤーカット、カッター、トムソン等を用いることができる。
電極シートを切断する前または後に、必要に応じて電極シートをプレスしてもよい。それによって電極活物質を集電体により強固に結着させ、さらに電極を薄くすることによる非水系電池の小型化が可能になる。プレスの方法としては、一般的な方法を用いることができ、特に金型プレス法またはロールプレス法を用いることが好ましい。金型プレス法の場合、プレス圧は、特に限定されないが、0.5t/cm以上5t/cm以下とすることが好ましい。ロールプレス法の場合、線圧は、特に限定されないが、0.5t/cm以上5t/cm以下とすることが好ましい。プレスによる上記効果を得つつ、電極活物質へのリチウムイオン等の電荷キャリアの挿入及び脱離容量の低下を抑制するためである。
<6.非水系二次電池>
本実施形態にかかる非水系二次電池の好ましい一例として、リチウムイオン二次電池について説明するが、電池の構成はここで説明したものに限られない。本実施形態にかかる非水系二次電池は、正極と、負極と、電解液と、必要に応じてセパレータ等の部品と、が外装体に収容されたものであり、正極及び負極のうちの一方または両方に上記の方法により作製された電極を用いる。本実施形態にかかる非水系二次電池において、正極及び負極の少なくとも一方が、電極バインダー中に共重合体(A)を含むが、少なくとも負極が共重合体(A)を含むことが好ましい。
〔6-1.電解液〕
電解液としては、イオン伝導性を有する非水系の液体を使用する。電解液としては、電解質を有機溶媒に溶解させた溶液、イオン液体等が挙げられるが、前者が好ましい。製造コストが低く、内部抵抗の低い非水系電池が得られるためである。
電解質としては、アルカリ金属塩を用いることができ、電極活物質の種類等に応じ適宜選択できる。電解質としては、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiB10Cl10、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiB(C、CFSOLi、CHSOLi、LiCFSO、LiCSO、Li(CFSON、脂肪族カルボン酸リチウム等が挙げられる。また、電解質として、その他のアルカリ金属塩を用いることもできる。
電解質を溶解する有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ビニレンカーボネート(VC)等の炭酸エステル化合物;アセトニトリル等のニトリル化合物;酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピルなどのカルボン酸エステルが挙げられる。これらの有機溶媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、直鎖カーボネート系溶媒を組合せたものを用いることが好ましい。直鎖カーボネート系溶媒としては炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルが挙げられる。
〔6-2.外装体〕
外装体としては、例えばアルミニウム箔と樹脂フィルムとのラミネート材などを適宜使用できるが、これに限られない。電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角型、扁平型等、いずれの形状であってもよい。
以下の実施例では、本発明の構成の一例としてリチウムイオン二次電池の負極、及びリチウムイオン二次電池を作製し、比較例にかかるリチウムイオン二次電池の負極、及びリチウムイオン二次電池と比較して、本発明の効果を確認する。なお、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例で用いられる水は、特に断りがなければ、イオン交換水である。
<1.電極バインダー用共重合体(A)の合成工程>
〔1-1.実施例1〕
水を356質量部と、スチレンを270質量部と、メタクリル酸メチルを0.24質量部と、アクリル酸2-エチルヘキシルを210質量部と、イタコン酸を10質量部と、アクリル酸80%水溶液を20質量部(アクリル酸を16質量部及び水を4.0質量部)と、ジビニルベンゼンを6.9質量部と、アクアロン(登録商標)AR10(詳細は表2に示す)を1.2質量部と、p-スチレンスルホン酸ナトリウムを3.0質量部と、重合性を有さない界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(第一工業製薬株式会社製、ハイテノール08E)を1.0質量部と、β-メルカプトプロピオン酸を0.10質量部と、を混合して乳化した単量体乳化液を作製した。
冷却管、温度計、攪拌機、滴下ロートを有するセパラブルフラスコに、水169質量部を入れて、75℃に昇温した。このセパラブルフラスコに、上記の単量体乳化液と、重合開始剤として過硫酸カリウム2.2質量部を水48質量部に溶解した水溶液と、を80℃で4時間かけて攪拌しながら滴下し、乳化重合した。単量体乳化液と過硫酸カリウム水溶液とを滴下した後、セパラブルフラスコ内の混合液を80℃で60分攪拌した。
次に、tert-ブチルパーオキシベンゾエート(化薬アクゾ株式会社製、カヤブチルB)0.81質量部及びアスコルビン酸0.52質量部を、8.1質量部の水に溶解した水溶液を加えた。次に、tert-ブチルヒドロパーオキサイド(化薬アクゾ株式会社製、カヤブチルH-70)2.3質量部を15質量部の水に溶解した水溶液と、ロンガリット2.3質量部を15質量部の水に溶解した水溶液と、を滴下しながら60分攪拌し、重合を行った。共重合体(A)の水系エマルジョンが得られた。
〔1-2.比較例1~3〕
アクアロンAR10の代わりに、比較例1ではアデカリアソープ(登録商標)SR10を、比較例2ではアクアロン(登録商標)KH10を、比較例3ではエレミノール(登録商標)JS20を、それぞれ、実施例1と同じく1.2質量部用いた。このこと以外は各比較例とも実施例1と同様である。なお、比較例1~3で用いたこれらの成分はいずれも界面活性剤としての機能を有する単量体であるが、重合性界面活性剤(a4)には該当しない。
アクアロンAR10、アデカリアソープSR10、アクアロンKH10、及びエレミノールJS20に詳細について表2に示す。
<2.電極バインダー樹脂組成物の調製工程>
実施例及び各比較例で同様に行った。得られた共重合体(A)の水系エマルジョンを室温までに冷却し、セパラブルフラスコに、25質量%のアンモニア水19質量部、及び水155質量部を添加して中和して、共重合体(A)を含むバインダー組成物を得た。
共重合体(A)の合成及びバインダー組成物の調製に用いた成分の使用量を表1に示す。なお、表1で、水の量は、上記合成工程及び調製工程で用いられた水の合計量であり、上記のアクリル酸水溶液及びアンモニア水に含まれている水も計算に含まれる。また、表1において、アクリル酸及びアンモニアの添加量は、上記のアクリル酸水溶液及びアンモニア水に含まれる溶質のみの量である。
Figure 0007384223000007
Figure 0007384223000008
表2に示す成分の接触角は次のように測定した。表2に示される成分各々について20質量%水溶液を調製した。ドクターブレードを用いてガラス板に、調製した水溶液を塗布し、60℃で5分間乾燥させ、皮膜を形成させた。この皮膜に炭酸エチルメチルを4μL滴下したときの1/2θ法で求めた静的接触角を測定した。測定結果は、表2に示した通りである。
<3.バインダー組成物の評価>
実施例および比較例で得られたバインダー組成物、これらバインダー組成物を用いて得た電池の物性および性能評価試験は、以下の方法により行った。評価結果を表3に示す。
Figure 0007384223000009
〔3-1.不揮発分濃度〕
直径5cmのアルミ皿にバインダー組成物を1g秤量し、1気圧(1013hPa)で、乾燥器内で空気を循環させながら105℃で1時間乾燥させ後に残った成分の質量を測定した。乾燥前のバインダー組成物の質量(1g)に対する、乾燥後に残った上記成分の質量割合(質量%)を不揮発分濃度として算出した。
〔3-2.粘度〕
ブルックフィールド型粘度計を用いて、液温23℃、回転数60rpm、No.1、No.2、No.3またはNo.4のローターを用いて測定した。
<4.電極バインダーの評価>
ポリエチレンシート上にバインダー組成物を流延し、50℃、5時間乾燥させたのち、50℃で1時間真空乾燥させて厚さ0.5mmのフィルムを得た。このフィルムを用いて以下の評価を行った。評価結果を表3に示す。
〔4-1.共重合体(A)のガラス転移点Tg〕
得られたフィルムを2mm×2mmにカットし、アルミパンに密封して日立ハイテクサイエンス社製 EXSTAR DSC/SS7020を用いて昇温速度10℃/分、窒素ガス雰囲気下でDSC測定を行った。DSCの温度微分として得られるDDSCチャートのピークトップ温度を測定し、この温度を共重合体(A)のガラス転移点Tg(℃)とした。測定温度範囲は-40℃~200℃とした。
〔4-2.電極バインダーの耐電解液性〕
上記フィルムを30mm×10mmのサイズにカッターナイフで切り出した。切り出したフィルムの質量M0を測定した。切り出されたフィルムをエチルメチルカーボネート(EMC)に、密閉容器中で60℃、24時間浸漬して、フィルムを取り出した。取り出した直後のフィルムの質量M1を測定した。次に、フィルムを60℃で、12時間真空乾燥させ、乾燥後のフィルムの質量M2を測定した。測定された質量M0、M1及びM2から以下の式(6)及び(7)により、電極バインダーの電解液中での膨潤率(質量%)、電解液に対する溶出率(質量%)を算出した。
膨潤率(質量%)=100×(M2-M1)/M1 (6)
溶出率(質量%)=100×(M2-M0)/M0 (7)
<5.電極及び電池性能の評価>
各実施例及び比較例で作製したバインダー組成物を用いて、負極及びリチウムイオン二次電池を作製して、評価を行った。
〔5-1.電池の作製〕
[5-1-1.正極の作製]
正極活物質としてLiNi0.6Mn0.2Co0.2を94質量部、導電助剤としてアセチレンブラックを3質量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン3質量部を混合したものに、N-メチルピロリドンを50質量部加えてさらに混合して正極スラリーを作製した。
厚さ15μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面に、正極スラリーを、ダイレクトロール法により塗布した。正極集電体への正極スラリーの塗布量は、後述するロールプレス処理後の厚さが片面当たり125μmになるように調整した。
正極集電体上に塗布された正極スラリーを、120℃で5分乾燥し、ロールプレスにより(サンクメタル社製、プレス荷重5t、ロール幅7cm)でプレスし、正極活物質層が形成された正極シートを得た。得られた正極シートを50mm×40mmに切り出し、導電タブをつけて正極を作製した。
[5-1-2.負極の作製]
負極活物質として人造黒鉛(G49、江西紫宸科技有限公司製)を100質量部、各実施例及び比較例で作製したバインダー組成物を3.9質量部(不揮発分として1.5質量部)、およびCMC(カルボキシメチルセルロース-ナトリウム塩・日本製紙ケミカル(株)製サンローズ(登録商標)MAC500LC)の2質量%水溶液を62質量部混合し、さらに水を28質量部添加して、負極スラリーを得た。
厚さ10μmの銅箔(負極集電体)の両面に、負極スラリーを、ダイレクトロール法により塗布した。負極集電体への負極スラリーの塗布量は、後述するロールプレス処理後の厚さが片面当たり170μmになるように調整した。
負極集電体上に塗布された負極スラリーを、90℃で10分乾燥させ、ロールプレスにより(サンクメタル社製、プレス荷重8t、ロール幅7cm)プレスし、集電体上に負極活物質層が形成された負極シートを得た。得られた負極シートを52mm×42mmに切り出し、導電タブをつけて負極を作製した。
[5-1-3.電池の作製]
正極と負極との間にポリオレフィン系の多孔性フィルムからなるセパレータ(ポリエチレン製、25μm)を介在させて、正極活物質層と負極活物質層とが互いに対向するようにアルミラミネート外装体(電池パック)の中に収納した。この外装体中に電解液を注液し真空含浸を行い、真空ヒートシーラーでパッキングし、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。電解液は、エチレンカーボネート(EC)/エチルメチルカーボネート(EMC)/ジエチルカーボネート(DEC)=30/50/20(体積比)の混合溶媒にLiPFを1.0mol/Lで溶解させた溶液99質量部に、ビニレンカーボネート1質量部を混合して作製した。
〔5-2.電極及び電池の評価〕
[5-2-1.負極活物質層の剥離強度(電極性能)]
負極活物質層の集電体に対する剥離強度を以下のように測定した。上記の負極作製工程におけるプレス後の負極シートを25mm×100mmのサイズにカットし、試験片とした。試験片上の負極活物質層と、幅50mm、長さ200mmSUS板とを両面テープ(NITTOTAPE(登録商標) No.5、日東電工(株)製)を用いて、試験片の中心とSUS板の中心とが一致するように貼り合わせた。なお、両面テープは試験片の全範囲をカバーするように貼り合わせた。
試験片とSUS板とを貼り合わせた状態で10分放置した後、負極活物質層を、試験片の一端から長さ方向に20mm剥がし、銅箔側の試験片を180°折り返し、この部分(負極活物質層を剥がした試験片の部分の銅箔側)を試験機の上側のチャックで掴んだ。さらに、負極活物質層を剥がした側のSUS板の一端を下側チャックで掴んだ。その状態で、試験片から銅箔を100±10mm/minの速度で引き剥がし、剥離長さ(mm)-剥離力(mN)のグラフを得た。得られたグラフにおいて剥離長さ10~45mmにおける剥離力の平均値(mN)を算出し、剥離力の平均値を試験片の幅25mmで割った数値を負極活物質層の剥離強度(mN/mm)とした。なお、いずれの実施例及び比較例においても、試験中、両面テープとSUS板の間での剥離、及び両面テープと負極活物質層との間での界面剥離は起こらなかった。
[5-2-2.高温下でのサイクル容量維持率(電池性能)]
電池の、高温下でのサイクル容量維持率は、45℃の条件下、以下の工程(i)~(iv)の順で繰り返し行った。ここで、(i)~(iv)の一連の操作1回分を1サイクルとする。
(i)電圧4.2Vになるまで、電流1Cで充電する(定電流(CC)充電)。
(ii)電圧4.2Vで、電流0.05Cになるまで充電する(定電圧(CV)充電)。(iii)30分静置する。
(iv)電圧2.75Vになるまで電流1Cで放電する(定電流(CC)放電)。
工程(i)及び(ii)における、電流の時間積分値を充電容量、工程(iv)における、電流の時間積分値を放電容量とする。1サイクル目の放電容量、及び200サイクル目の放電容量を測定した。100×(200サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)[%]を電池の高温下でのサイクル容量維持率として算出し、表3に示した。
<6.評価結果>
表3の実施例1からわかるように、式(1)で示される構造の重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位を有する共重合体(A)を含む電極バインダー樹脂組成物を用いて作製された電極バインダーは耐電解液性が良好である。また、この共重合体(A)を電極バインダーとして含むことで、集電体に対する剥離強度が高い電極活物質層を有する電極が得られることがわかる。さらに、この電極を用いて作製された電池は優れたサイクル特性を有することがわかる。
一方、式(1)で示される構造の重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位を含まない共重合体を電極バインダーとした比較例1~3においては、いずれも作製された電池のサイクル特性が劣るものであった。

Claims (13)

  1. 分子内に含まれるエチレン性不飽和結合が1個である(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び分子内に含まれるエチレン性不飽和結合が1個である炭化水素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる単量体(a1)に由来する構造単位と、
    分子内に含まれるエチレン性不飽和結合が1個であるカルボン酸、及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種類からなる単量体(a2)に由来する構造単位と、
    1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる内部架橋剤(a3)に由来する構造単位と、
    下記の式(1)で示される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位と、
    を含む共重合体が水性媒体(B)中に分散している電極バインダー樹脂組成物であって、
    前記単量体(a1)に由来する構造単位を、50質量%以上98質量%以下含み、
    前記単量体(a2)に由来する構造単位を、1.0質量%以上15質量%以下含み、
    前記内部架橋剤(a3)に由来する構造単位を、0.020質量%以上10質量%以下含み、
    前記重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位を、0.010質量%以上10質量%以下含み、
    前記単量体(a1)は、ホモポリマーのガラス転移点Tgが5℃以上である高Tg単量体(a11)と、ホモポリマーのガラス転移点Tgが-5℃以下である低Tg単量体(a12)とを含む
    ことを特徴とする電極バインダー樹脂組成物
    Figure 0007384223000010
    式(1)中、Xは水素原子またはSONHであり、mは1以上4以下の整数、nは5以上40以下の整数である。
  2. 前記高Tg単量体(a11)に由来する構造単位の含有量と、前記低Tg単量体(a12)に由来する構造単位の含有量との質量比は、30:70~70:30である請求項に記載の電極バインダー樹脂組成物。
  3. 前記単量体(a1)に由来する構造単位の含有率は、70質量%以上97質量%以下である請求項1又は2に記載の電極バインダー樹脂組成物
  4. 前記単量体(a2)に由来する構造単位の少なくとも一部は、カルボキシ基と塩基性物質との塩を形成している請求項1~のいずれか1項に記載の電極バインダー樹脂組成物
  5. 前記単量体(a2)に由来する構造単位の含有率は、2.0質量%以上10質量%以下である請求項1~のいずれか1項に記載の電極バインダー樹脂組成物
  6. 前記内部架橋剤(a3)に由来する構造単位の含有率は、0.50質量%以上5.0質量%以下である請求項1~のいずれか1項に記載の電極バインダー樹脂組成物
  7. 式(1)中、Xは、SONHである請求項1~のいずれか1項に記載の電極バインダー樹脂組成物
  8. 式(1)中、nは、8以上25以下である請求項1~のいずれか1項に記載の電極バインダー樹脂組成物
  9. 前記重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位の含有率は、0.10質量%以上3.0質量%以下である請求項1~のいずれか1項に記載の電極バインダー樹脂組成物
  10. さらに、前記単量体(a1)と前記単量体(a2)と前記内部架橋剤(a3)と前記重合性界面活性剤(a4)とのいずれにも該当しない、エチレン性不飽和結合を有するスルホン酸またはその塩に由来する構造単位を含む請求項1~のいずれか1項に記載の電極バインダー樹脂組成物
  11. 電極バインダー用共重合体と、電極活物質と、が水性媒体中に分散している電極スラリーであって、
    前記電極バインダー用共重合体は、
    分子内に含まれるエチレン性不飽和結合が1個である(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び分子内に含まれるエチレン性不飽和結合が1個である炭化水素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる単量体(a1)に由来する構造単位と、
    分子内に含まれるエチレン性不飽和結合が1個であるカルボン酸、及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種類からなる単量体(a2)に由来する構造単位と、
    1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる内部架橋剤(a3)に由来する構造単位と、
    下記の式(1)で示される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位と、
    を含み、
    前記電極バインダー用共重合体は、
    前記単量体(a1)に由来する構造単位を、50質量%以上98質量%以下含み、
    前記単量体(a2)に由来する構造単位を、1.0質量%以上15質量%以下含み、
    前記内部架橋剤(a3)に由来する構造単位を、0.020質量%以上10質量%以下含み、
    前記重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位を、0.010質量%以上10質量%以下含み、
    前記単量体(a1)は、ホモポリマーのガラス転移点Tgが5℃以上である高Tg単量体(a11)と、ホモポリマーのガラス転移点Tgが-5℃以下である低Tg単量体(a12)とを含む
    ことを特徴とする電極スラリー。
    Figure 0007384223000011
    式(1)中、Xは水素原子またはSO NH であり、mは1以上4以下の整数、nは5以上40以下の整数である。
  12. 電極バインダー用共重合体及び電極活物質を含む電極活物質層が、金属シートからなる集電体上に形成された非水系二次電池電極であって、
    前記電極バインダー用共重合体は、
    分子内に含まれるエチレン性不飽和結合が1個である(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び分子内に含まれるエチレン性不飽和結合が1個である炭化水素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる単量体(a1)に由来する構造単位と、
    分子内に含まれるエチレン性不飽和結合が1個であるカルボン酸、及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種類からなる単量体(a2)に由来する構造単位と、
    1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる内部架橋剤(a3)に由来する構造単位と、
    下記の式(1)で示される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位と、
    を含み、
    前記電極バインダー用共重合体は、
    前記単量体(a1)に由来する構造単位を、50質量%以上98質量%以下含み、
    前記単量体(a2)に由来する構造単位を、1.0質量%以上15質量%以下含み、
    前記内部架橋剤(a3)に由来する構造単位を、0.020質量%以上10質量%以下含み、
    前記重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位を、0.010質量%以上10質量%以下含み、
    前記単量体(a1)は、ホモポリマーのガラス転移点Tgが5℃以上である高Tg単量体(a11)と、ホモポリマーのガラス転移点Tgが-5℃以下である低Tg単量体(a12)とを含む
    ことを特徴とする非水系二次電池電極。
    Figure 0007384223000012
    式(1)中、Xは水素原子またはSO NH であり、mは1以上4以下の整数、nは5以上40以下の整数である
  13. 電極バインダー用共重合体を、正極及び負極の少なくとも一方に含む非水系二次電池であって、
    前記電極バインダー用共重合体は、
    分子内に含まれるエチレン性不飽和結合が1個である(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び分子内に含まれるエチレン性不飽和結合が1個である炭化水素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる単量体(a1)に由来する構造単位と、
    分子内に含まれるエチレン性不飽和結合が1個であるカルボン酸、及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種類からなる単量体(a2)に由来する構造単位と、
    1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる内部架橋剤(a3)に由来する構造単位と、
    下記の式(1)で示される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位と、
    を含み、
    前記電極バインダー用共重合体は、
    前記単量体(a1)に由来する構造単位を、50質量%以上98質量%以下含み、
    前記単量体(a2)に由来する構造単位を、1.0質量%以上15質量%以下含み、
    前記内部架橋剤(a3)に由来する構造単位を、0.020質量%以上10質量%以下含み、
    前記重合性界面活性剤(a4)に由来する構造単位を、0.010質量%以上10質量%以下含み、
    前記単量体(a1)は、ホモポリマーのガラス転移点Tgが5℃以上である高Tg単量体(a11)と、ホモポリマーのガラス転移点Tgが-5℃以下である低Tg単量体(a12)とを含む
    ことを特徴とする非水系二次電池。
    Figure 0007384223000013
    式(1)中、Xは水素原子またはSO NH であり、mは1以上4以下の整数、nは5以上40以下の整数である
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