JP7383170B2 - 衛星見守りシステム、衛星情報伝送システム、および、監視システム - Google Patents

衛星見守りシステム、衛星情報伝送システム、および、監視システム Download PDF

Info

Publication number
JP7383170B2
JP7383170B2 JP2022551966A JP2022551966A JP7383170B2 JP 7383170 B2 JP7383170 B2 JP 7383170B2 JP 2022551966 A JP2022551966 A JP 2022551966A JP 2022551966 A JP2022551966 A JP 2022551966A JP 7383170 B2 JP7383170 B2 JP 7383170B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
satellite
communication
constellation
satellites
orbit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022551966A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2022065256A1 (ja
Inventor
久幸 迎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2022065256A1 publication Critical patent/JPWO2022065256A1/ja
Priority to JP2023132349A priority Critical patent/JP2023144041A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7383170B2 publication Critical patent/JP7383170B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/14Relay systems
    • H04B7/15Active relay systems
    • H04B7/185Space-based or airborne stations; Stations for satellite systems
    • H04B7/1851Systems using a satellite or space-based relay
    • H04B7/18519Operations control, administration or maintenance
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64GCOSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
    • B64G1/00Cosmonautic vehicles
    • B64G1/10Artificial satellites; Systems of such satellites; Interplanetary vehicles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64GCOSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
    • B64G1/00Cosmonautic vehicles
    • B64G1/22Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles
    • B64G1/42Arrangements or adaptations of power supply systems
    • B64G1/44Arrangements or adaptations of power supply systems using radiation, e.g. deployable solar arrays
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64GCOSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
    • B64G1/00Cosmonautic vehicles
    • B64G1/22Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles
    • B64G1/46Arrangements or adaptations of devices for control of environment or living conditions
    • B64G1/50Arrangements or adaptations of devices for control of environment or living conditions for temperature control
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64GCOSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
    • B64G3/00Observing or tracking cosmonautic vehicles
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/11Arrangements specific to free-space transmission, i.e. transmission through air or vacuum
    • H04B10/118Arrangements specific to free-space transmission, i.e. transmission through air or vacuum specially adapted for satellite communication
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/14Relay systems
    • H04B7/15Active relay systems
    • H04B7/185Space-based or airborne stations; Stations for satellite systems
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/14Relay systems
    • H04B7/15Active relay systems
    • H04B7/185Space-based or airborne stations; Stations for satellite systems
    • H04B7/195Non-synchronous stations

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Astronomy & Astrophysics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Radar, Positioning & Navigation (AREA)
  • Biodiversity & Conservation Biology (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Radio Relay Systems (AREA)

Description

本開示は、衛星見守りシステム、衛星情報伝送システム、地上設備、通信衛星、監視システム、構成衛星、人工衛星、通信衛星コンステレーション、衛星コンステレーション、および、衛星に関する。
通信衛星を経由する遠距離あるいは辺境地域との情報授受、気象衛星ひまわりの画像を使った天気予報、および、準天頂測位衛星による地理空間情報の活用といった、衛星を使った社会インフラストラクチャは社会生活に定着している。これらの実用衛星群が社会生活に不可欠なクリティカルインフラストラクチャとなっている。
一方で、宇宙環境の物体数増加によるデブリ衝突といった要因により、クリティカルインフラストラクチャの故障あるいは喪失のリスクを伴う危険事象が増加している。
そこで、クリティカルインフラストラクチャを見守り、必要であれは危険回避行動をとる仕組みが必要になっている。
特許文献1は、太陽光が逆光になる空間でスペースデブリを観測するための方法が開示されている。
特開2011-218834号公報
地球周回軌道(LEO)を飛翔する衛星群では、緊急対応を要する事態が発生した場合にインフラストラクチャ衛星が地球の裏側を飛翔していると、見守りセンターとの通信環境確保ができないという課題がある。なお、地球周回軌道は、例えば、軌道高度500km以上2000km以下の軌道である。LEOは、Low Earth Orbitの略語である。
特許文献1には、地球周回軌道において、クリティカルインフラストラクチャを見守る方法については開示されていない。
本開示は、地球周回軌道を飛翔する衛星群において、見守り衛星と見守りセンターとの通信環境を確保することを目的とする。
本開示に係る衛星見守りシステムでは、
宇宙空間における社会インフラストラクチャであるクリティカルインフラストラクチャであって、軌道高度500km以上2000km以下の地球周回軌道(LEO)を飛翔するインフラストラクチャ衛星から成るインフラストラクチャ衛星群により構成されるクリティカルインフラストラクチャと、
軌道高度2000km以下の軌道を飛翔して、前記インフラストラクチャ衛星群を監視するとともに軌道上サービスを実施する見守り衛星から成る見守り衛星群と、
地上に設置され、前記インフラストラクチャ衛星群の各インフラストラクチャ衛星と情報授受を実施する地上設備と、
地上に設置され、前記見守り衛星と情報授受を実施する見守りセンターと
を備え、
前記インフラストラクチャ衛星群は、通信衛星から成る通信衛星群を含み、
前記通信衛星群は、
1日に整数周回する太陽同期軌道となる軌道高度と軌道傾斜角を有する軌道を均等配置で飛翔し、
前記通信衛星は、
前後を飛翔する通信衛星と通信し、
前記通信衛星群は、
前記地上設備と通信する第1の衛星と、
前記見守り衛星と通信する第2の衛星と、
前後を飛翔する通信衛星との通信のみを実施する第3の衛星と
を備え、
前記見守り衛星と前記見守りセンターとは、
前記通信衛星群を経由して情報授受を実施する。
本開示に係る衛星見守りシステムでは、インフラストラクチャ衛星群に含まれる通信衛星群は、1日に整数周回する太陽同期軌道となる軌道高度と軌道傾斜角を有する軌道を略均等配置で飛翔する。そして、見守り衛星と見守りセンターとは、通信衛星群を経由して情報授受を実施する。よって、本開示に係る衛星見守りシステムによれば、地球周回軌道を飛翔する衛星群において、見守り衛星と見守りセンターとの通信環境を確保することができるという効果がある。
実施の形態1に係る衛星見守りシステムの全体構成例を示す図。 実施の形態1に係る見守りセンターの構成例を示す図。 実施の形態1に係る宇宙物体の一例である衛星の構成例を示す図。 実施の形態1に係る通信衛星の構成例を示す図。 実施の形態1に係る観測衛星の構成例を示す図。 実施の形態1に係る観測衛星の構成の別例を示す図。 実施の形態1に係る衛星見守りシステムの構成例を示す図。 実施の形態1に係る通信衛星群の構成例3を示す図。 実施の形態1に係る通信衛星群の構成例4を示す図。 実施の形態1に係る通信衛星群の通信方式を示す図。 実施の形態2に係る衛星情報伝送システムの構成例を示す図。 実施の形態2に係る衛星情報伝送システムの全体構成例を示す図。 実施の形態2に係る通信衛星群の通信方式を示す図。 実施の形態3に係る地上設備を説明する図を示す図。 実施の形態3に係る通信衛星の例1を説明する図を示す図。 実施の形態3に係る衛星情報伝送システムの例を示す図を示す図。 実施の形態3に係る通信衛星の例2を説明する図を示す図。 実施の形態4に係る監視システムの構成例を示す図。 実施の形態4に係る第1の衛星コンステレーションの例1の構成例を示す図。 実施の形態4に係る第1の衛星コンステレーションの例2の構成例を示す図。 実施の形態4に係る第2の衛星コンステレーションの例4の構成例を示す図。 実施の形態5に係る衛星情報伝送システムの通信方式例1を示す図。 実施の形態5に係る衛星情報伝送システムの全体構成例を示す図。 実施の形態5に係る衛星情報伝送システムの通信方式例6を示す図。 実施の形態6に係る人工衛星の構成例を示す図。 実施の形態6に係る通信衛星コンステレーションの構成例を示す図。 実施の形態6に係る衛星コンステレーションの構成例を示す図。 実施の形態6に係る衛星コンステレーションの構成の別例を示す図。 実施の形態6に係る衛星情報伝送システムの例1の構成例を示す図。 実施の形態6に係る衛星情報伝送システムの例2の構成例を示す図。 実施の形態6に係る衛星情報伝送システムの例3の構成例を示す図。 実施の形態6に係る衛星情報伝送システムの例4の構成例を示す図。 実施の形態6に係る衛星情報伝送システムの例5の構成例を示す図。
以下、本開示の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。また、以下の図面では各構成の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった方向あるいは位置が示されている場合がある。それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置、器具、あるいは部品といった構成の配置および向きを限定するものではない。
実施の形態1.
***衛星見守りシステム500の全体構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る衛星見守りシステム500の全体構成例を示す図である。
衛星見守りシステム500は、クリティカルインフラストラクチャ51を監視する見守り衛星群52と、見守りセンター53を備える。衛星見守りシステム500は、見守り衛星群52と見守りセンター53に加え、クリティカルインフラストラクチャ51を備えるとしてもよい。見守り衛星521は、監視衛星あるいは監視装置ともいう。
クリティカルインフラストラクチャ51は、宇宙空間におけるインフラストラクチャである。
クリティカルインフラストラクチャ51の具体例は、以下のような社会インフラストラクチャを構成する衛星群により形成される。
・通信衛星を経由する遠距離あるいは辺境地域との情報授受
・気象衛星ひまわりの画像を使った天気予報
・準天頂測位衛星による地理空間情報の活用
また、クリティカルインフラストラクチャ51を構成する衛星を、インフラストラクチャ衛星511という。
見守り衛星群52は、クリティカルインフラストラクチャ51を構成するインフラストラクチャ衛星511を監視する見守り衛星521から構成される。
見守りセンター53は、地上に設置され、見守り衛星群52の見守り衛星521との間で情報授受を実施する。
見守り衛星群52の見守り衛星521と見守りセンター53とは、インフラストラクチャ衛星511に具備された通信装置を経由して情報授受を実施する。
クリティカルインフラストラクチャ51を構成する衛星群は、見守りセンター53と通信する通信装置を具備する衛星をインフラストラクチャ衛星511として含む。
インフラストラクチャ衛星511には、通信衛星401と、データ中継衛星402と、気象衛星403と、観測衛星404と、第1観測監視衛星405と、測位衛星406と、第2観測監視衛星407と、宇宙基地408と、月惑星探査衛星409と、探査衛星410と、輸送機411との全てまたは一部が含まれる。探査衛星410は、月以外のその他の惑星あるいは資源を探査する探査衛星である。
第1観測監視衛星405は、例えば、静止軌道、モルニヤ軌道といった高い軌道に配備され、地上の広範囲な観測または監視等を行う衛星である。
第2観測監視衛星407は、例えば、大規模災害、その他の重要な各種画像情報を集めるための観測または監視衛星である。
また、クリティカルインフラストラクチャ51に対応するインフラストラクチャ毎地上設備54が地上に設置されている。インフラストラクチャ毎地上設備54は、地上に設置され、インフラストラクチャ衛星群510の各インフラストラクチャ衛星と情報授受を実施する地上設備の例である。
宇宙環境の物体数増加によるデブリ衝突といった要因により、クリティカルインフラストラクチャ51の故障あるいは喪失のリスクを伴う危険事象が増加している。
そこで、クリティカルインフラストラクチャ51を見守り、必要であれは危険回避行動をとる仕組みが必要になっている。
見守り衛星群52は、見守りセンター53と通信する通信装置を具備するインフラストラクチャ衛星511を見守り衛星521として含む。
見守り衛星521には、光学見守り衛星421と、電波見守り衛星423と、赤外見守り衛星422と、サービス衛星424と、デブリ除去衛星425との全てまたは一部が含まれる。光学見守り衛星421は、光学系を用いてインフラストラクチャ衛星511を監視する。電波見守り衛星423は、電波を用いてインフラストラクチャ衛星511を監視する。赤外見守り衛星422は、赤外線検知を用いてインフラストラクチャ衛星511を監視する。サービス衛星424は、インフラストラクチャ衛星511に対して軌道上サービスを実施する。デブリ除去衛星425は、デブリを除去する。
軌道上サービスには、捕獲と、検査と、修理と、燃料補給と、移動と、軌道離脱(ADR:Active Debris Removal)と、レーザ照射との全てまたは一部が含まれる。
見守り衛星群52による見守りサービスは、目、耳、手、および口の役割とのアナロジーで考えると分かりやすい。クリティカルインフラストラクチャ51を目で視覚的に見守る目的を衛星で実現するには、光学望遠鏡あるいはレーダ画像により視覚的にデブリといった不審物体を監視する方法が有効である。また、赤外線検知により異常な温度環境を監視する方法も有効である。
また、耳で聴覚的に見守る見守りサービスには、音波の伝播しない宇宙空間における電波の監視という目的がある。クリティカルインフラストラクチャ51を耳で聴覚的に見守る目的を衛星で実現するには、周辺を飛び交う電波を受信して誤動作の原因になる電波状況を監視する方法が有効である。
また、見守りの延長サービスとして、手で操作する役割とのアナロジーとして軌道上サービスがあげられる。軌道上サービスとしては、故障衛星の捕獲、検査、および修理といったサービスがある。また、燃料不足に陥った衛星への燃料補給、サービスの位置を移動する移動サービス、および寿命完遂後に自力で軌道離脱できない衛星の能動的軌道離脱(ADR)といったサービスも含まれる。また、レーザを照射して、デブリといった不審物体との距離を監視するサービスも含まれる。
このように、目、耳、あるいは手の役割を、見守り衛星521が実現することが期待されている。
しかし、口の役割、すなわち見守り情報590を伝達する通信手段には制約があり、工夫が必要となる。
本実施の形態では、口の役割を担う見守り衛星521、すなわち見守り情報590を伝達する見守り衛星521として、インフラストラクチャ衛星511を用いる。
見守り衛星521には、口の役割を担う見守り衛星521としてインフラストラクチャ衛星511が含まれる。また、インフラストラクチャ衛星511には、口の役割を担う見守り衛星521が含まれる。つまり、衛星見守りシステム500には、見守り衛星521であり、かつ、インフラストラクチャ衛星511である衛星が存在する。ここでは、このような衛星は、主に、口の役割を担うインフラストラクチャ衛星511であると説明したが、目、耳、および手の役割を担う衛星であってもよい。
図1に示すように、遠距離の通信を実施する見守り衛星521には、第1の衛星群601における通信衛星401およびデータ中継衛星402が含まれる。また、第2の衛星群602における通信衛星401が含まれる。また、第3の衛星群603における月惑星探査衛星409が含まれる。
近距離の通信を実施する見守り衛星521には、第1の衛星群601における気象衛星403、測位衛星406、および観測衛星404が含まれる。
図1に示すように、衛星見守りシステム500は、第1の衛星群601と、第2の衛星群602と、第3の衛星群603と、見守りセンター53を備える。
第1の衛星群601は、静止軌道(GEO:Geostationary Earth Orbit)近傍または準天頂軌道(QZO:Quasi-Zenith Orbit)近傍を飛翔する衛星群により構成される。
第2の衛星群602は、中高度地球周回軌道(MEO:Medium Earth Orbit)近傍または低高度地球周回軌道(LEO:Low Earth Orbit)近傍を飛翔する衛星群により構成される。
第3の衛星群603は、月と地球の間の空間であるシスルナ空間または月以遠を飛翔する衛星群により構成される。
図2は、本実施の形態に係る見守りセンター53の構成例である。
見守りセンター53は、地上に設置された地上設備701ともいう。ここでは、地上設備701として説明する。
地上設備701とは、コンピュータを備える。
地上設備701は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
地上設備701は、機能要素の一例として、見守り管理部710と記憶部720を備える。記憶部720には、見守り情報590が記憶されている。
見守り管理部710の機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部720は、メモリ921に備えられる。あるいは、記憶部720は、補助記憶装置922に備えられていてもよい。また、記憶部720は、メモリ921と補助記憶装置922に分けられて備えられてもよい。
地上設備701は、インフラストラクチャ衛星511を介して、見守り衛星521との間で見守り情報590の授受を実施する。見守り管理部710は、見守り衛星521との間で授受された見守り情報590を用いて、クリティカルインフラストラクチャ51の故障あるいは喪失のリスクに対処する機能を実現する。例えば、見守り管理部710は、クリティカルインフラストラクチャ51における、危険の警告、危険の予防、あるいは危険の回避といった機能を実現する。
プロセッサ910は、見守り管理プログラムを実行する装置である。見守り管理プログラムは、地上設備701および衛星見守りシステム500の各構成要素の機能を実現するプログラムである。
プロセッサ910は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910の具体例は、CPU、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM(Static Random Access Memory)、あるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB(Universal Serial Bus)端子である。なお、入力インタフェース930は、LAN(Local Area Network)と接続されるポートであってもよい。
出力インタフェース940は、ディスプレイといった表示機器941のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)である。
通信装置950は、レシーバとトランスミッタを有する。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNIC(Network Interface Card)である。
見守り管理プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、見守り管理プログラムだけでなく、OS(Operating System)も記憶されている。プロセッサ910は、OSを実行しながら、見守り管理プログラムを実行する。見守り管理プログラムおよびOSは、補助記憶装置に記憶されていてもよい。補助記憶装置に記憶されている見守り管理プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、見守り管理プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
地上設備701は、プロセッサ910を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、見守り管理プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910と同じように、見守り管理プログラムを実行する装置である。
見守り管理プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ921、補助記憶装置922、または、プロセッサ910内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
見守り管理部710の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えてもよい。また見守り管理処理の「処理」を「プログラム」、「プログラムプロダクト」または「プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体」に読み替えてもよい。
見守り管理プログラムは、見守り管理部の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えた各処理、各手順あるいは各工程を、コンピュータに実行させる。また、見守り管理方法は、地上設備701が見守り管理プログラムを実行することにより行われる方法である。
見守り管理プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体あるいは記憶媒体に格納されて提供されてもよい。また、見守り管理プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
また、プロセッサは電子回路で代替されてもよい。プロセッサと電子回路の各々は、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。つまり、衛星見守りシステム500の各装置の機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
図3は、本実施の形態に係る宇宙物体の一例である衛星30の構成例である。
衛星30は、衛星制御装置310と通信装置32と推進装置33と姿勢制御装置34と電源装置35とを備える。その他、各種の機能を実現する構成要素を備えるが、図3では、衛星制御装置310と通信装置32と推進装置33と姿勢制御装置34と電源装置35について説明する。衛星30は、宇宙物体の一例である。
衛星制御装置310は、推進装置33と姿勢制御装置34とを制御するコンピュータであり、処理回路を備える。具体的には、衛星制御装置310は、地上装置から送信される各種コマンドにしたがって、推進装置33と姿勢制御装置34とを制御する。
衛星通信装置32は、地上設備あるいは地上装置と通信する装置である。具体的には、通信装置32は、自衛星に関する各種データを地上装置へ送信する。また、通信装置32は、地上装置から送信される各種コマンドを受信する。
推進装置33は、衛星30に推進力を与える装置であり、衛星30の速度を変化させる。具体的には、推進装置33は、アポジキックモーターまたは化学推進装置、または電気推進装置である。アポジキックモーター(AKM:Apogee Kick Motor)は、人工衛星の軌道投入に使われる上段の推進装置のことであり、アポジモーター(固体ロケットモーター使用時)、またはアポジエンジン(液体エンジン使用時)とも呼ばれている。
化学推進装置は、一液性ないし二液性燃料を用いたスラスタである。電気推進装置としては、イオンエンジンまたはホールスラスタである。アポジキックモーターは軌道遷移に用いる装置の名称であり、化学推進装置の一種である場合もある。
姿勢制御装置34は、衛星30の姿勢と衛星30の角速度と視線方向(Line Of Sight)といった姿勢要素を制御するための装置である。姿勢制御装置34は、各姿勢要素を所望の方向に変化させる。もしくは、姿勢制御装置34は、各姿勢要素を所望の方向に維持する。姿勢制御装置34は、姿勢センサとアクチュエータとコントローラとを備える。姿勢センサは、ジャイロスコープ、地球センサ、太陽センサ、スター・トラッカ、スラスタおよび磁気センサといった装置である。アクチュエータは、姿勢制御スラスタ、モーメンタムホイール、リアクションホイールおよびコントロール・モーメント・ジャイロといった装置である。コントローラは、姿勢センサの計測データまたは地上装置からの各種コマンドにしたがって、アクチュエータを制御する。
電源装置35は、太陽電池、バッテリおよび電力制御装置といった機器を備え、衛星30に搭載される各機器に電力を供給する。
衛星制御装置310に備わる処理回路について説明する。
処理回路は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。
処理回路において、一部の機能が専用のハードウェアで実現されて、残りの機能がソフトウェアまたはファームウェアで実現されてもよい。つまり、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせで実現することができる。
専用のハードウェアは、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGAまたはこれらの組み合わせである。
ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。
図4は、本実施の形態に係る通信衛星401の構成例を示す図である。
図5は、本実施の形態に係る観測衛星404の構成例を示す図である。
図6は、本実施の形態に係る観測衛星404の構成の別例を示す図である。
なお、図3から図6において、同一名称の構成は同様の機能を有し、その説明を省略する場合がある。
図4に基づいて、通信衛星401の構成を説明する。
通信衛星401は、通信装置121、推進装置122、電源装置123、およびカメラ124を備える。
例えば、カメラ124は、第1指向アンテナ121Eまたは第2指向アンテナ121Wの指向方向と同じ方向を指向する広角カメラである。
通信衛星401によって、観測衛星と、静止軌道または静止軌道の近傍の軌道を飛翔する他の宇宙物体と、を視覚的に捉えることができる。このため、通信衛星401の周囲が通信による干渉および雑音の原因となる障害物がない環境であることを視覚的に確認することができる。
他の宇宙物体は、観測衛星によって観測される宇宙物体とは別の宇宙物体である。
通信衛星401から地球への方向が視線ベクトルとなるようにカメラ124が配置されることにより、観測衛星404と、静止軌道または静止軌道の近傍の軌道を飛翔する他の宇宙物体を視覚的に捉えることができる。さらに、軌道上の他の宇宙物体の位置を推定することが可能になる。このため、通信衛星401の周囲が通信による干渉および雑音がない環境であることを視覚的に確認することができる。
図5に基づいて、観測衛星404の構成を説明する。
観測衛星404は、観測装置111、衛星制御装置112、通信装置113、推進装置114、姿勢制御装置115、電源装置116、およびカメラ117を備える。
観測装置111は、宇宙物体を観測するための装置である。観測装置111は監視機器ともいう。
カメラ117は、例えば、通信衛星401を指向する広角カメラである。
カメラ117により、通信衛星401と、静止軌道または静止軌道の近傍の軌道を飛翔する他の宇宙物体を視覚的に捉えることができる。このため、観測衛星404の周囲が通信によって干渉および雑音がない環境であることを視覚的に確認することができる。
観測衛星404から通信衛星401への方向が視線ベクトルとなるようにカメラ117が配置されることにより、通信衛星401と、静止軌道または静止軌道の近傍の軌道を飛翔する他の宇宙物体を視覚的に捉えることができる。さらに、軌道上の他の宇宙物体の位置を推定することが可能となる。このため、観測衛星404の周囲が通信による干渉および雑音がない環境であることを視覚的に確認することができる。
図6に基づいて、観測衛星404の構成の別例を説明する。
観測衛星404は、観測装置201、衛星制御装置202、通信装置203、推進装置204、姿勢制御装置205、および電源装置206を備える。
観測装置201は、宇宙物体を観測するための装置である。
観測装置201は、宇宙物体を光学系で検知する装置である。観測装置201は、観測衛星の軌道高度と異なる高度を飛翔する宇宙物体を光学系で撮影する。具体的には、観測装置201は可視光学センサである。
観測装置201は、観測データを生成する。観測データは、観測装置201が行う観測によって得られるデータである。例えば、観測データは、宇宙物体が映った画像を表すデータに相当する。
衛星制御装置202は、観測衛星404を制御するコンピュータである。
衛星制御装置202は、既定の手順、または、地上設備から送信される各種コマンドにしたがって、観測装置201と推進装置204と姿勢制御装置205とを制御する。
通信装置203は、地上設備と通信する装置である。衛星通信装置ともいう。
通信装置203は、例えば、観測データを地上設備へ送信する。また、通信装置203は、例えば、地上設備から送信される各種コマンドを受信する。
***衛星見守りシステム500の構成および動作の説明***
本実施の形態では、主に、図1に示した第2の衛星群602における衛星見守りシステム500の構成および動作について説明する。
<衛星見守りシステム500の全体構成例>
本実施の形態において、クリティカルインフラストラクチャ51は、宇宙空間における社会インフラストラクチャである。クリティカルインフラストラクチャ51は、軌道高度500km以上2000km以下の地球周回軌道(LEO:Low Earth Orbit)を飛翔するインフラストラクチャ衛星511から成るインフラストラクチャ衛星群510により構成される。
見守り衛星群52は、軌道高度2000km以下の軌道を飛翔して、インフラストラクチャ衛星群510を監視するとともに軌道上サービスを実施する見守り衛星521から成る。
インフラストラクチャ毎地上設備54は、地上に設置され、インフラストラクチャ衛星群510の各インフラストラクチャ衛星511と情報授受を実施する地上設備の例である。
見守りセンター53は、地上に設置され、見守り衛星521と情報授受を実施する地上設備の例である。
図1に示すように、インフラストラクチャ衛星群510は、通信衛星401から成る通信衛星群44を含む。
通信衛星群44は、1日に整数周回する太陽同期軌道となる軌道高度と軌道傾斜角を有する軌道を略均等配置で飛翔する。
通信衛星401は、前後を飛翔する通信衛星と通信する。
通信衛星群44は、インフラストラクチャ毎地上設備54といった地上設備と通信する第1の衛星61と、見守り衛星521bと通信する第2の衛星62と、前後を飛翔する通信衛星との通信のみを実施する第3の衛星63とを備える。
見守り衛星521bと見守りセンター53とは、通信衛星群44を経由して情報授受を実施する。
図7は、本実施の形態に係る衛星見守りシステム500の構成例を示す図である。
図7では、耳の役割を担う見守り衛星521bが、インフラストラクチャ衛星511であり、かつ、口の役割を担う見守り衛星である通信衛星401と通信する。見守り衛星521bと通信する通信衛星401は、第2の衛星62の例である。ここで、耳の役割を担う見守り衛星521bは、目の役割を担う見守り衛星521a、あるいは、手の役割を担う見守り衛星521cであってもよい。
耳の役割を担う見守り衛星521bと第2の衛星62の例である通信衛星401は、インフラストラクチャ衛星同士で通信する第2の通信装置42を備える。
第1の衛星61の例である通信衛星401は、地上設備と通信する第1の通信装置41を備える。また、第1の衛星61の例である通信衛星401は、インフラストラクチャ衛星同士で通信する第2の通信装置42も備える。
前後を飛翔する通信衛星との通信のみを実施する第3の衛星63の例である通信衛星401は、インフラストラクチャ衛星同士で通信する第2の通信装置42を備える。
LEOを飛翔する衛星群では、インフラストラクチャ衛星511が地球の裏側を飛翔時に、緊急対応を要する事態が発生しても、見守りセンター53との通信環境確保ができない場合がある。
しかし、本実施の形態に係る衛星見守りシステム500によれば、複数通信衛星が相互に通信する環境を具備して、地球の裏側から複数通信衛星を経由して見守り情報を授受できる。よって、見守り情報をいつでもどこでも見守りセンターと授受できるという効果がある。
このためインフラストラクチャ衛星511に対し、デブリといった危険な宇宙物体が接近した場合に、即座に危険回避行動をとることができるという効果がある。
<通信衛星群44の構成例1>
通信衛星群44の各通信衛星401は、軌道高度約1666kmの太陽同期軌道で、1日に12周回する軌道を飛翔する。通信衛星群44は、5機以上の通信衛星401から構成される。
1日に12周回する軌道高度が約1666kmであって、軌道傾斜角77°(180°-103°)に設定すると太陽同期軌道となる。
5機の衛星が均等な位相でこの軌道を飛翔した場合に、形成される五角形の内接円半径は地球半径よりも大きくなるので、衛星間の通信視野を確保できる。
大気の影響を無視できる高度を300kmと仮定すれば、6機以上の衛星であれば、地表から高度585km以上の上空で通信回線を確保できるという効果がある。
また、同じ緯度に毎日同じ時刻、2時間毎に再訪するので、地上設備で毎日決まった時刻に2時間毎の頻度で情報授受ができるという効果がある。
<通信衛星群44の構成例2>
通信衛星群44の各通信衛星401は、軌道高度約1248kmの太陽同期軌道で、1日に13周回する軌道を飛翔する。通信衛星群44は、6機以上の通信衛星から構成される。
1日に13周回する軌道高度が約1248kmであって、軌道傾斜角79°(180°-101°)に設定すると太陽同期軌道となる。
6機の衛星が均等な位相でこの軌道を飛翔した場合に、形成される六角形の内接円半径は地球半径よりも大きくなるので、衛星間の通信視野を確保できる。
大気の影響を無視できる高度を300kmと仮定すれば、7機以上の衛星であれば、地表から高度491km以上の上空で通信回線を確保できるという効果がある。
同じ緯度に毎日同じ時刻、111分毎に再訪するので、地上設備で毎日決まった時刻に111分毎の頻度で情報授受ができるという効果がある。
<通信衛星群44の構成例3>
通信衛星群44の各通信衛星401は、軌道高度約881kmの太陽同期軌道で、1日に14周回する軌道を飛翔する。通信衛星群44は、7機以上の通信衛星から構成される。
図8は、本実施の形態に係る通信衛星群44の構成例3を示す図である。
1日に14周回する軌道高度が約881kmであって、軌道傾斜角81°(180°-99°)に設定すると太陽同期軌道となる。
軌道高度881kmで太陽同期する軌道パラメータを設定すれば、1日に14周回する軌道が実現できる。
7機の衛星が均等な位相でこの軌道を飛翔した場合に、形成される六角形の内接円半径は地球半径よりも大きくなるので、衛星間の通信視野を確保できる。
大気の影響を無視できる高度を300kmと仮定すれば、8機以上の衛星であれば、地表から高度327km以上の上空で通信回線を確保できるという効果がある。
同じ緯度に毎日同じ時刻、103分毎に再訪するので、地上設備で毎日決まった時刻に103分毎の頻度で情報授受ができるという効果がある。
なお、軌道傾斜角77°は定義次第で103°と同じである。また、軌道傾斜角79°は定義次第で101°と同じである。また、軌道傾斜角81°は定義次第で99°と同じである。
<通信衛星群44の構成例4>
通信衛星群44は、太陽同期軌道であり、かつ、LST9:00とLST15:00の2軌道面の衛星群により構成される。LSTは、Local Sun Timeの略語である。
図9は、本実施の形態に係る通信衛星群44の構成例4を示す図である。
地球観測衛星では太陽同期軌道が多用されている。光学衛星では日照条件のよいLST10:30とLST13:30近傍が多用されている。またレーダ衛星では太陽光発電に有利なLST06:00とLST18:00が多用されている。
通信衛星の軌道高度が881kmの場合に、正8角形の内接円は6727kmとなるので、あらゆるLSTの見守り衛星との通信回線が確保可能となる。なお、見守り衛星は、通信衛星群44を通信回線として利用するユーザ衛星でもよい。
このため、通信衛星がLST09:00とLST15:00の2軌道面に配備されていれば、地球観測で多用される衛星群の全てと通信可能になるという効果がある。
<通信衛星群44の通信方式>
図10は、本実施の形態に係る通信衛星群44の通信方式を示す図である。
通信衛星401と見守り衛星521とは、受信機能と送信機能とを切り替えることによって受信と送信とを実現する送受切替装置64を備えた双方向通信端末65を具備する。
見守りセンター53である地上設備701は、見守り衛星521へ送信するコマンドのデータ量αと、見守り衛星521から受信する見守りデータとテレメトリのデータ量βに基づき、見守り衛星521の受信時間と送信時間比がα対βとなるよう送受切替装置64を動作させる。具体的には、地上設備701は、見守り衛星521へ送信するコマンドのデータ量αと、見守り衛星521から受信する見守り報告データのデータ量βに基づき、双方向通信端末65における受信機能が動作する受信動作時間と送信機能が動作する送信動作時間との比がα対βとなるよう送受切替装置64を動作させる。
見守り衛星521と地上設備701とは、通信衛星401を経由して情報授受を実施する。
本実施の形態では、見守り衛星と見守りセンターとの間で、コマンドと見守り報告データを情報授受する構成例を説明した。しかし、見守り衛星は、通信衛星群44を通信回線として利用するその他のユーザ衛星でもよい。
実施の形態2.
本実施の形態では、主に、実施の形態1に追加する点あるいは異なる点について説明する。なお、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
実施の形態1では、主に、見守り衛星521と見守りセンター53が、インフラストラクチャ衛星群510に含まれる通信衛星群44を介して、情報授受を実施する構成について説明した。
本実施の形態では、ユーザ衛星531と地上設備702が、インフラストラクチャ衛星群510に含まれる通信衛星群44を介して、情報授受を実施する衛星情報伝送システム501について説明する。
図11は、本実施の形態に係る衛星情報伝送システム501の構成例を示す図である。
図12は、本実施の形態に係る衛星情報伝送システム501の全体構成例を示す図である。
衛星情報伝送システム501の基本的な構成は、実施の形態1で説明した衛星見守りシステム500と同様である。衛星情報伝送システム501は、実施の形態1で説明した衛星見守りシステム500において、見守り衛星521をユーザ衛星531に、見守りセンター53を地上設備702に置き換えたものと同様である。
図11および図12では、地上設備702と通信する第1の衛星61を「第1」で表し、ユーザ衛星531と通信する第2の衛星62を「第2」で表し、前後を飛翔する通信衛星との通信のみを実施する第3の衛星63を「第3」で表している。
衛星情報伝送システム501は、LEOを飛翔するインフラストラクチャ衛星群510により構成されるクリティカルインフラストラクチャ51と、インフラストラクチャ衛星群510の各インフラストラクチャ衛星と情報授受を実施する地上設備702を備える。
インフラストラクチャ衛星群510は、通信衛星群44と、通信衛星群44を通信回線として利用するユーザ衛星531から成るユーザ衛星群530とにより構成される。
図11および図12に示すように、通信衛星群44は、1日に整数周回する太陽同期軌道となる軌道高度と軌道傾斜角を有する軌道を略均等配置で飛翔する。通信衛星401は、前後を飛翔する通信衛星と通信する。
通信衛星群44は、地上設備702と通信する第1の衛星61と、ユーザ衛星531と通信する第2の衛星62と、前後を飛翔する通信衛星との通信のみを実施する第3の衛星63とを備える。そして、ユーザ衛星531と地上設備702とは、通信衛星群44を経由して情報授受を実施する。
<通信衛星群44の構成例1から構成例4>
また、本実施の形態に係る通信衛星群44の構成例についても、実施の形態で説明した通信衛星群44の構成例1から構成例4と同様の構成を適用することが可能である。
<通信衛星群44の通信方式>
本実施の形態に係る通信衛星群44の通信方式についても、実施の形態で説明した通信衛星群44の通信方式と同様の通信方式を適用することが可能である。
図13は、本実施の形態に係る通信衛星群44の通信方式を示す図である。
通信衛星401とユーザ衛星531とは、送受切替装置64を備えた双方向通信端末65を具備する。地上設備702は、ユーザ衛星531へ送信するコマンドのデータ量αと、ユーザ衛星531から受信するユーザ情報データのデータ量βに基づき、ユーザ衛星531の受信時間と送信時間比がα対βとなるよう送受切替装置64を動作させる。
ユーザ衛星531と地上設備702とは、通信衛星群44の各通信装置を経由して情報授受を実施する。
実施の形態3.
本実施の形態では、主に、実施の形態1,2に追加する点あるいは異なる点について説明する。なお、実施の形態1,2と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
<地上設備>
本実施の形態では、実施の形態1,2で説明した衛星見守りシステム500、あるいは、衛星情報伝送システム501に用いられる地上設備について説明する。地上設備の例は、見守りセンター53が有する地上設備701、インフラストラクチャ毎地上設備54、あるいは、ユーザ衛星531と情報授受を実施する地上設備702である。
図14は、本実施の形態に係る地上設備を説明する図である。
実施の形態1,2で説明した衛星見守りシステム500、あるいは、衛星情報伝送システム501に用いられる地上設備は、緯度60°以上に設置され、毎周回、第1の衛星61である「第1」と通信する。
地球の自転周期と軌道面の公転周期が異なる。このため、LST09:00の軌道を飛翔する通信衛星が地上設備と通信する場合、例えば赤道付近に設置された地上設備では、AM09:00前後と、PM09:00前後の2度しか通信できない可能性がある。これに対して高緯度地上に設置された地上設備では、地球の自転周期と軌道面の公転周期が異なっていても、通信衛星が地球を周回する毎周回で地上設備との通信ができるという効果がある。
<通信衛星の例1>
次に、実施の形態1,2で説明した衛星見守りシステム500、あるいは、衛星情報伝送システム501に用いられる通信衛星401の例1について説明する。
図15は、本実施の形態に係る通信衛星の例1を説明する図である。
通信衛星の例1では、通信衛星401は、地上設備と通信する第1の通信装置41と、インフラストラクチャ衛星同士で通信する3つの第2の通信装置42とを具備する。通信衛星の例1では、通信衛星401は、同一軌道面を飛翔する通信衛星および、見守り衛星またはユーザ衛星と同時に通信する。
地上設備と通信する第1の通信装置を一式と、インフラストラクチャ衛星間で通信する第2の通信装置を3式具備していれば、同一軌道面を飛翔する通信衛星、および、見守り衛星またはユーザ衛星と同時に通信することができる。
また、本実施の形態に係る通信衛星の例1に係る通信衛星によれば、ユーザ衛星と通信した情報をリアルタイムで地上設備に伝送できるという効果がある。
したがって、クリティカルインフラストラクチャ構築途上において、同一軌道面を飛翔する衛星数が少ない状況においても、ユーザ衛星と地上設備の情報授受が可能になるという効果がある。
また通信端末を標準化できるので、トータルコストを低減できるという効果がある。
<通信衛星の例2>
次に、実施の形態1,2で説明した衛星見守りシステム500、あるいは、衛星情報伝送システム501に用いられる通信衛星の例2について説明する。
図16は、本実施の形態に係る衛星情報伝送システム501の例を示す図である。
通信衛星の例2では、通信衛星401は、地上設備と通信する第1の通信装置41と、インフラストラクチャ衛星同士で通信する第2の通信装置42と、見守り衛星521またはユーザ衛星531と通信する第3の通信装置43とを備える。
図17は、本実施の形態に係る通信衛星の例2を説明する図である。
通信衛星の例2では、通信衛星401は、地上設備と通信する第1の通信装置を1式と、軌道面前後を飛翔するインフラストラクチャ衛星間と通信する第2の通信装置を2式と、見守り衛星またはユーザ衛星と通信する第3の通信装置を1式具備する。これにより、ユーザ衛星と通信した情報をリアルタイムで地上設備に伝送できるという効果がある。
したがって、クリティカルインフラストラクチャ構築途上において、同一軌道面を飛翔する衛星数が少ない状況においても、ユーザ衛星と地上設備の情報授受が可能になるという効果がある。
また見守り衛星あるいはユーザ衛星の端末を専用とすることで、開口径の小さい小型端末でも通信が可能になるので、見守り衛星あるいはユーザ衛星を小型衛星で実現できるという効果がある。
実施の形態4.
本実施の形態では、主に、実施の形態1から3に追加する点あるいは異なる点について説明する。なお、実施の形態1から3と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
本実施の形態では、地球、飛翔体、および宇宙物体を監視する第1の衛星コンステレーション810の構成衛星が、第2の衛星コンステレーション820の構成衛星を介して、地上設備と衛星情報の情報授受を実施する監視システム502について説明する。
<監視システム502の全体構成例>
図18は、本実施の形態に係る監視システム502の構成例を示す図である。
監視システム502では、地球、飛翔体、および宇宙物体を監視する第1の衛星コンステレーション810の構成衛星811が、第2の衛星コンステレーション820の構成衛星812を介して、地上設備と衛星情報の情報授受を実施する。
第1の衛星コンステレーション810は、3機以上の構成衛星から成る衛星群が連携して地球、飛翔体、および宇宙物体を監視する。
地上設備は、第1の衛星コンステレーション810を構成する構成衛星と情報授受を実施する。
第2の衛星コンステレーション820は、軌道高度800km以上の太陽同期軌道を略均等配置で飛翔し、同一軌道面の前後を飛翔する衛星と通信する6機以上の通信衛星からなる通信衛星群が連携して、衛星情報を中継する。すなわち、第2の衛星コンステレーション820の構成衛星は、6機以上の通信衛星からなる通信衛星群である。
第1の衛星コンステレーション810を構成する構成衛星は、第2の衛星コンステレーション820を経由して地上設備との情報授受を実施する。
近年、超音速で滑空する飛翔体の登場により、衛星による打上げおよび飛行経路追跡が期待されている。しかし、LEOコンステレーションでは常時通信環境を確立することが難しい場合がある。
静止軌道上のデータ中継衛星経由で情報授受するという技術もある。しかし、軌道上衛星数が増加し、データ中継衛星の利用頻度が増加すると、緊急時に通信回線を利用できない場合がある。またLEO衛星から静止軌道経由で地上設備に情報伝送するため、時間遅れが生じる場合もある。
本実施の形態に係る監視システム502では、低高度太陽同期軌道に構成した通信衛星群を経由して、第1の衛星コンステレーションと地上設備の情報授受を常時通信可能とする。
また静止軌道上のデータ中継衛星を経由するよりも短時間に情報授受できるという効果がある。
また第2の衛星コンステレーションの衛星機数を増やすことにより、同時にデータ授受できる第1の衛星コンステレーション構成衛星の数を増やすことができる。よって、同時に多数の監視対象の監視データを授受できるという効果がある。
また第2の衛星コンステレーションの衛星機数を増やすことにより、同時にデータ授受できる地上設備の数を増やすことができる。よって、同時に多数の監視対象に対する対処行動が可能になるという効果がある。
また、可視高分解能光学監視装置により地球、飛翔体ないし宇宙物体を監視するため、太陽同期軌道衛星を採用する場合にも、特定経度に設置した地上設備で情報授受できる時間が限定的になるという課題がある。静止データ中継衛星を採用する場合であっても同様の課題があった。本実施の形態に係る監視システム502では、低軌道通信衛星群を経由した常時通信環境の実現により、災害時等の緊急対応に利用できるという効果がある。
赤道上空衛星は静止軌道が一般的に利用されているが、高度36000kmを飛翔する静止衛星では高分解能監視が難しいという課題がある。このため、赤道上空を1日に複数周回する軌道を採用すれば、高分解能監視が可能になるという効果がある。ただしこの場合も特定経度に設置された地上設備だけでは常時通信ができないという課題がある。そこで、常時通信可能な赤道上空周回衛星群を実現できるという効果がある。
<第1の衛星コンステレーション810の例1>
第1の衛星コンステレーション810の例1は、軌道高度1000km以上6000km以下の傾斜円軌道を1日に複数周回する衛星コンステレーションである。第1の衛星コンステレーション810に含まれる複数の構成衛星によって形成される複数の軌道面は、互いの法線がアジマス方向において均等な角度ずつずれており、各軌道面の飛翔位置が同期制御されている。
図19は、本実施の形態に係る第1の衛星コンステレーション810の例1の構成例である。
各構成衛星が地球を1日に周回する回数を「N」とする。
第1の衛星コンステレーション810は、N機の構成衛星を備える。
各構成衛星は、傾斜円軌道を移動し、地球を1日にN周回する。各構成衛星が移動する軌道が成す面を軌道面と称する。
N機の構成衛星によって形成されるN個の軌道面は、互いの法線がアジマス方向においてN分の360度ずつずらされている。言い換えると、アジマス成分の相対角度がN分の360度ずつずれている。アジマス方向は、構成衛星の進行方向に相当する。つまり、アジマス方向は、経度方向、東西方向に相当する。
具体的には、第1の衛星コンステレーション810は、8機の構成衛星(A~H)を備え、8つの軌道面を形成する。
各構成衛星は、地球を1日に8周回する。
8つの軌道面の各法線は、互いにアジマス成分の相対角度が45度ずつずれている。
N機の構成衛星(A~H)が各々の軌道面の最北端を通過するタイミングは同期されている。つまり、N機の構成衛星(A~H)は、各々の軌道面の最北端を同じ時刻に通過する。
<第1の衛星コンステレーション810の例2>
第1の衛星コンステレーション810の例2は、近地点高度300km以上遠地点高度6000km以下の太陽同期非凍結楕円軌道を飛翔する。第1の衛星コンステレーション810に含まれる複数の構成衛星によって形成される複数の軌道面は、互いの長径のアジマス方向成分が均等な角度ずつずれている。
図20は、本実施の形態に係る第1の衛星コンステレーション810の例2の構成例である。
図20は、軌道面の法線方向から見た第1の衛星コンステレーション810の例2を示している。
第1の衛星コンステレーション810は、複数の構成衛星(A~C)を備える。各構成衛星は太陽同期の楕円軌道を周回する。各楕円軌道は高離心率と軌道傾斜角とを有する。つまり、各構成衛星の軌道は、太陽同期軌道であり、かつ、傾斜軌道であり、かつ、楕円軌道である。また、各構成衛星の楕円軌道は非凍結軌道である。つまり、各構成衛星の楕円軌道は凍結軌道ではなく、時間の経過と共に各楕円軌道の長軸が軌道面内で地球を中心に回転する。
3機の構成衛星(A~C)は、近地点、遠地点または中間点から交互に地球の対象地域を監視する。中間点は近地点と遠地点との間に位置する地点である。
近地点では、短時間ではあるが高分解能で監視を行うことができる。
遠地点では、低分解能ではあるが長時間の監視を行うことができる。
3つの楕円軌道のそれぞれの長軸は、軌道面の円周方向に対して約120°ずつ均等な間隔で傾いている。アジマス方向は、経度方向、すなわち、東西方向に相当する。
各楕円軌道の長軸は太陽102に対して回転するが、3つの楕円軌道の相対関係は維持される。
<第1の衛星コンステレーション810の例3>
第1の衛星コンステレーション810の例3は、赤道上空軌道を1日に複数周回し、アジマス方向成分が均等な角度ずつずれて飛翔位置が同期制御される。
図19の第1の衛星コンステレーション810の例1では、各構成衛星は、傾斜円軌道を移動し、地球を1日にN周回するとした。
一方、第1の衛星コンステレーション810の例3では、各構成衛星は、赤道上空軌道を移動し、地球を1日にN周回する。
各構成衛星は、傾斜円軌道を移動し、地球を1日にN周回する。そして、各構成衛星が移動する軌道面は、アジマス方向成分が均等な角度ずつずれて飛翔位置が同期制御される。
<第2の衛星コンステレーションの例4>
図21は、本実施の形態に係る第2の衛星コンステレーション820の例4の構成例を示す図である。
第2の衛星コンステレーション820の例4は、地上設備と通信する第1の衛星61と、第1の衛星コンステレーション810を構成する構成衛星と通信する第2の衛星62と、前後を飛翔する衛星との通信のみを実施する第3の衛星63とを含む。
<第2の衛星コンステレーションの例5>
第2の衛星コンステレーション820の例5は、太陽同期軌道であり、かつ、LST09:00とLST15:00との各軌道面を飛翔する6機以上の通信衛星から成る通信衛星群が連携して、衛星情報を中継する。
地球観測衛星では太陽同期軌道が多用されている。光学衛星では日照条件のよいLST10:30とLST13:30近傍が多用されている。またレーダ衛星では太陽光発電に有利なLST06:00とLST18:00が多用されている。
通信衛星の軌道高度が881kmの場合に、正8角形の内接円は6727kmとなるので、あらゆるLSTの見守り衛星との通信回線が確保可能となる。なお、見守り衛星は、通信衛星群44を通信回線として利用するユーザ衛星でもよい。
このため、図18に示すように、第2の衛星コンステレーション820の構成衛星がLST09:00とLST15:00の2軌道面に配備されていれば、地球観測で多用される衛星群の全てと通信可能になるという効果がある。
***他の構成***
本実施の形態に係る監視システム502の地上設備は、移動体であってもよい。
例えば、超音速で滑空する飛翔体の発射探知をした場合、直接対処行動をする航空機、UAV(unmanned aerial vehicle)、艦船、あるいは車両といった移動体に情報伝送するのが、短時間の対処行動を実施する上で合理的である。
実施の形態5.
本実施の形態では、主に、実施の形態1から4に追加する点あるいは異なる点について説明する。なお、実施の形態1から4と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
本実施の形態では、主に、衛星情報伝送システム501の通信方式について説明する。
<衛星情報伝送システム501の通信方式例1>
図22は、本実施の形態に係る衛星情報伝送システム501の構成例を示す図である。
図23は、本実施の形態に係る衛星情報伝送システム501の全体構成例を示す図である。
本実施の形態に係る衛星情報伝送システム501は、地球を周回するユーザ衛星群を構成するユーザ衛星531と地上設備702との間の衛星情報を中継する。
衛星情報伝送システム501は、軌道高度500km以上2000km以下の地球周回軌道(LEO)における太陽同期軌道を、略均等配置で周回し、同一軌道面の前後を飛翔する通信衛星と通信する6機以上の通信衛星から成る通信衛星群44を備える。
通信衛星401は、前後を飛翔する通信衛星と通信する。
衛星情報伝送システム501の通信方式例1では、通信衛星群44は、地上設備702と光通信する第1の衛星61と、ユーザ衛星531と光通信する第2の衛星62と、前後を飛翔する通信衛星との通信のみを実施する第3の衛星63とを具備する。通信衛星群44では、前後を飛翔する通信衛星間を電波通信する。
光通信は光通信端末544により実施する。また、電波通信は電波通信端末542により実施する。
光通信は大容量データ伝送が可能というメリットがある。しかし、衛星間で光軸を高精度に合わせる必要があるため、ユーザ衛星も通信衛星も2軸の高精度指向制御をする必要がある。
地上設備と通信衛星は相対位置関係が大きく変動するので時々刻々変動する指向方向をリアルタイム高精度制御する必要がある。
またユーザ衛星と通信衛星の相対位置関係が大きく変動する場合にも、同様に時々刻々変動する指向方向をリアルタイム高精度制御する必要がある。
相対位置変動が大きい場合には、通信可能時間も限定されるため、大容量通信をする必要がある。
仮に前後の通信衛星間と、ユーザ衛星と、地上設備との通信を1機の衛星が同時に全て光通信を実現するためには、同時に異なる対象との高精度の光軸合わせをする必要がある。これは、技術的に難度が高く、通信が中断するリスクも高いという課題がある。
電波通信では、遠距離の高速大容量データ伝送を実現する場合は、前記光通信と同様に、電波のメインビームの中心軸を高精度に合わせる必要がある。しかし、近傍通信、低速通信、あるいはデータ量の限定的な通信においては固定アンテナあるいは無指向性アンテナにより、高精度な軸合わせをしない通信も可能である。
上述の実施の形態に係る通信衛星群の前後の通信では、衛星間距離が限定的であり、しかも前後の衛星同士の相対角度変動が小さいので、高精度指向制御を必要とする光通信あるいは高速大容量電波通信ではなく、固定アンテナによる電波通信でも実現可能である。
さらに常時通信可能なので、低速通信であっても時間をかければ大容量の通信ができるという効果がある。
前後の衛星間を高精度指向制御が不要の電波通信で実現すれば、第1の衛星が地上設備と光通信する場合も、第3の衛星がユーザ衛星と光通信する場合も、同時に高精度指向制御する通信対象が1つに限定される。よって、指向制御が容易であり、通信が途絶するリスクも十分小さく抑制できるという効果がある。
<衛星情報伝送システム501の通信方式例2>
衛星情報伝送システム501の通信方式例2では、前後を飛翔する通信衛星間の電波をスペクトル拡散する。
同一軌道を飛翔する前後の衛星が電波通信する場合に、前方ないし後方を飛翔する複数衛星が電波干渉、ないし誤送信するリスクがあるという課題がある。スペクトル拡散して、所望の衛星信号だけを復元することにより、電波干渉ないし誤送信を回避できるという効果がある。
<衛星情報伝送システム501の通信方式例3>
衛星情報伝送システム501の通信方式例3では、通信衛星は、前後を飛翔する通信衛星と通信する送受切替機能付き双方向通信端末65を具備する。
通信衛星が前方衛星への送信端末と、後方衛星からの受信端末を具備して、同一軌道で全ての衛星が前後の衛星と通信すれば、衛星情報伝送システムとして成立する。しかしながら衛星を軌道投入する整備段階、あるいは、軌道上で故障が発生した場合には、通信が途絶するリスクが高いという課題がある。送受信切替機能付き双方向通信端末65を具備していれば、軌道上で全ての衛星が揃っていなくても、衛星情報伝送が可能になるという効果がある。
<衛星情報伝送システム501の通信方式例4>
衛星情報伝送システム501の通信方式例4では、通信衛星は、送信と受信で異なる偏波を採用する。
前後の通信衛星との相対位置と相対姿勢は維持しているので、送受信で異なる偏波を採用することにより、電波干渉あるいは誤送信のリスクが解消できるという効果がある。
<衛星情報伝送システム501の通信方式例5>
衛星情報伝送システム501の通信方式例5では、通信衛星群44は、地上設備と光通信するとともに、ユーザ衛星と光通信する第4の衛星を具備する。
緊急性を有する衛星情報について、ユーザ衛星と地上設備との情報授受を1機の衛星が同時に実施すれば、遅延時間最小に抑制できるという効果がある。
同時に2つの対象と高精度指向制御をする必要があるので技術難度は高く、高コストシステムになる。しかし、仮に前後衛星との通信も光通信であって、4機の異なる対象と高精度指向制御する場合と比較して、各段に実用が容易であり、低コストになるという効果がある。
また緊急性がない場合には、ユーザ衛星と地上設備が同時に通信可能な飛翔位置は限定的であるので、1機の衛星が双方との通信機能を具備し、時分割的に通信をすれば、同時に高精度指向制御する対象は1つに限定できる。
<衛星情報伝送システム501の通信方式例6>
図24は、本実施の形態に係る衛星情報伝送システム501の通信方式例6を示す図である。
第4の衛星644は、地上設備702との光通信とユーザ衛星531との光通信とを同一の光通信端末544で共用する。第4の衛星644は、衛星進行方向軸回りに回転し、地上設備702との光通信とユーザ衛星531との光通信とを時分割して実施する。
緊急性がない場合には、ユーザ衛星と地上設備が同時に通信可能な飛翔位置は限定的であるので、1機の衛星が双方との通信機能を具備し、時分割的に通信をすれば、同時に高精度指向制御する対象は1つに限定できる。
さらに、ユーザ衛星および地上設備との通信端末を標準化すれば、コスト低減効果がある。
軌道上に十分な数の通信衛星が飛翔し、進行方向軸回りに回転しても電波視野から逸脱しない場合に有効である。
***他の構成***
本実施の形態に係る地上設備702は、移動体であってもよい。
緊急性を有する衛星情報について、固定地上設備から移動体に伝送する必要がある場合に、直接通信衛星から移動体に衛星情報伝送をすれば遅延時間最小に抑制できるという効果がある。飛翔体の発射探知をしてから対処行動を指示するような、秒単位の時間遅延もリスク増加に繋がるような場合に有効である。
また、通信衛星群44は、地上設備702と電波通信する第1の衛星61と、ユーザ衛星531と光通信する第2の衛星62と、前後を飛翔する通信衛星との通信のみを実施する第3の衛星63とを具備してもよい。そして、通信衛星群44は、前後を飛翔する通信衛星間を電波通信する。通信衛星と地上設備間の光通信では、雲があると通信できないという課題がある。このため、通信方式例1の衛星情報伝送システムを利用する地上設備701が、被雲率の高い地域である場合は電波通信を利用することによりアベイラビリティが向上するという効果がある。
実施の形態6.
本実施の形態では、主に、実施の形態1から5に追加する点あるいは異なる点について説明する。なお、実施の形態1から5と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
本実施の形態では、主に、実施の形態1から5で説明した太陽同期軌道を飛翔する衛星を用いた、通信衛星コンステレーション、衛星コンステレーション、および、衛星情報伝送システムの構成について説明する。
<人工衛星80の構成>
図25は、本実施の形態に係る人工衛星80の構成例を示す図である。
本実施の形態に係る人工衛星80は、AI(Artificial Intelligence)を具備する計算機またはスーパーコンピュータと、クラウドサーバまたはエッジサーバの少なくともひとつを情報処理装置81として具備する。
人工衛星80は、LST06:00またはLST18:00の太陽同期軌道を飛翔する。このとき、人工衛星80は、太陽光入射側に太陽電池が指向し、太陽光入射の反対側に情報処理装置81の放熱面を具備する。人工衛星80は、太陽光入射側に太陽電池が指向し、太陽光入射の反対側に、例えば、計算機あるいはエッジサーバの放熱面を具備する。
太陽同期軌道は極域上空を通過する極軌道の一種である。太陽同期軌道は、軌道面の南北軸周りの回転周期が地球の公転周期と同期する。このため、太陽同期軌道では、軌道面に対する太陽の入射角が年間を通じて一定となる。
また、LST06:00またはLST18:00の軌道では、軌道面の法線ベクトルが太陽方向を指向する軌道となるため、低軌道周回衛星であっても地球の陰にならずに常時太陽光が照射される。なお厳密には地軸の傾斜に起因して法線ベクトルが太陽方向から傾斜するが、その影響は軽微である。
見守り衛星における頭脳の役割を担う計算機およびサーバは、AIの登場、および、サーバ容量増大と高速化に伴い大電力化が進み、高発熱機器として排熱対策が課題となる。
太陽同期軌道のLST06:00またはLST18:00はドーンダスク軌道とも呼ばれる。このドーンダスク軌道は、低軌道周回衛星でありながら、地球の陰に入らず、常時太陽電池による発電ができる。さらに、ドーンダスク軌道は、太陽入射の反対側は常に深い宇宙を指向するので、放射冷却による排熱性能に優れた軌道である。このため、ドーンダスク軌道では、大電力の確保と高発熱機器の排熱とができるという効果がある。
情報処理装置81は、高発熱機器の例である。
また、近年のクラウドコンピューティングの大規模化と高速化に伴い、地上システムにおけるクラウド環境でも大電力化と高発熱機器の排熱対策とが課題となっている。そこでエッジサーバを具備する人工衛星80をIOTと見做して、分散コンピューティングすることにより、地上システムの負荷を軽減してSDGsに貢献できるという効果がある。
さらに、スーパーコンピュータあるいはクラウドサーバを人工衛星80に具備して、集中的計算装置を宇宙空間に整備することにより、地上システムの負荷を軽減してSDGsに貢献できるという効果がある。
IOTは、Internet of Thingsの略語である。SDGsは、Sustainable Development Goalsの略語である。
<通信衛星コンステレーション801の構成例>
図26は、本実施の形態に係る通信衛星コンステレーション801の構成例を示す図である。
通信衛星コンステレーション801は、LST06:00またはLST18:00の太陽同期軌道を飛翔する衛星コンステレーションである。
通信衛星コンステレーション801は、地上との通信装置を具備する通信衛星を含む。通信衛星は、人工衛星80の例である。
また、通信衛星コンステレーション801は、同一軌道面の前後を飛翔する通信衛星同士が通信する通信装置を具備して円環状通信網を形成する。
通信衛星コンステレーション801によれば、通信衛星において、固定式太陽電池で常時発電できるので、通信衛星を低コストで実現できるという効果がある。
<衛星コンステレーション802の構成例>
図27は、本実施の形態に係る衛星コンステレーション802の構成例を示す図である。
図27では、衛星コンステレーション802では、衛星はエッジサーバを具備している。
衛星コンステレーション802は、LST06:00またはLST18:00の太陽同期軌道を飛翔する。
衛星コンステレーション802は、衛星を具備する。衛星は、人工衛星80の例である。
衛星は、衛星AIを具備する計算機またはスーパーコンピュータと、クラウドサーバまたはエッジサーバの少なくともひとつを情報処理装置81として具備する。また、衛星では、太陽光入射側に太陽電池が指向し、太陽光入射の反対側に情報処理装置81の放熱面を具備する。衛星では、太陽光入射側に太陽電池が指向し、太陽光入射の反対側に、例えば、計算機あるいはエッジサーバの放熱面を具備する。
衛星は、地上との通信装置を具備する。
衛星コンステレーション802は、同一軌道面の前後を飛翔する衛星同士が通信する通信装置を具備して円環状通信網を形成する。すなわち、衛星コンステレーション802を構成する衛星は、同一軌道面の前後を飛翔する衛星同士が通信する通信装置を具備して円環状通信網を形成する。
太陽同期軌道は、毎周回、極域を通過する。よって、衛星コンステレーション802によれば、円環状通信網を経由して、全ての衛星が高緯度帯に設置された地上データセンタと常時通信することができるという効果がある。
図28は、本実施の形態に係る衛星コンステレーション802の構成の別例を示す図である。
図28では、衛星コンステレーション802は、通信衛星と、スーパーコンピュータを具備した衛星と、クラウドサーバを具備した衛星とから構成される。
図28の衛星コンステレーション802によれば、軌道上で解析処理した結果を地上のユーザに送達できるので、地上システムの負担を軽減できるという効果がある。
<衛星情報伝送システム503の例1の構成例>
図29は、本実施の形態に係る衛星情報伝送システム503の例1の構成例を示す図である。
図29では、衛星情報伝送システム503を太陽方向から見ている状態を示している。
衛星情報伝送システム503の例1は、ユーザ衛星群と、通信衛星群と、地上設備とにより構成される。
ユーザ衛星群は、軌道高度500km以上2000km以下の地球周回軌道(LEO)を飛翔するユーザ衛星から成る。
通信衛星群は、LST06:00またはLST18:00の太陽同期軌道を飛翔する複数の通信衛星から成る。
通信衛星群の各衛星は、人工衛星80の例である。
通信衛星群は、地上設備と通信する第1の衛星と、ユーザ衛星と通信する第2の衛星とを備える。通信衛星群は、前後を飛翔する通信衛星と通信する。
ユーザ衛星と地上設備とは、通信衛星群を経由して情報授受を実施する。
太陽同期軌道の衛星では、地球自転の効果により、低緯度帯から中緯度帯にかけては、LSTが同じ時間帯でのみ、地上設備との通信が可能となる。一方、極域上空から視野が確保される範囲であれば、LSTの時間帯に限定されずに、常時地上設備との通信が可能となる。そこで、前後の衛星と通信して円環状通信網を形成し、極域付近を通過する衛星が代表して地上設備と通信すれば、常時地上設備との通信が可能となる。
ユーザ衛星は、飛翔体の発射探知と追跡を担う飛翔体追跡システムを構成する。ユーザ衛星の情報は、緊急事態において迅速に衛星情報を転送する必要がある。
衛星情報伝送システム503の例1によれば、円環状通信網を経由して高緯度帯に設置された地上設備に衛星情報を迅速に伝送できるという効果がある。
なお、飛翔体追跡システムを構成する構成するユーザ衛星には、赤外検出装置を具備する監視衛星および傾斜軌道に形成された通信衛星群が含まれる。
<衛星情報伝送システム503の例2の構成例>
図30は、本実施の形態に係る衛星情報伝送システム503の例2の構成例を示す図である。
図30では、衛星情報伝送システム503を北極から見ている状態を示している。
衛星情報伝送システム503の例2は、第1の通信コンステレーション831と、第2の通信コンステレーション832と、地上設備とにより構成される。
第1の通信コンステレーション831は、赤道上空軌道を飛翔する。また、第1の通信コンステレーション831は、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する第1の通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する。
第2の通信コンステレーション832は、太陽同期軌道を飛翔する。また、第2の通信コンステレーション832は、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する第1の通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する。
第1の通信コンステレーション831と第2の通信コンステレーション832との各衛星は、第1の通信コンステレーション831と第2の通信コンステレーション832とが通信する第2の通信装置を具備する。
第1の通信コンステレーション831と第2の通信コンステレーション832との各衛星は、第1の通信コンステレーション831と第2の通信コンステレーション832とを経由して衛星情報を地上設備に伝送する。
あるいは、第1の通信コンステレーションと第2の通信コンステレーションとの各衛星が、ユーザ衛星と通信する通信装置を具備してもよい。
ユーザ衛星は、第1の通信コンステレーション831と第2の通信コンステレーション832とを経由して衛星情報を地上設備に伝送してもよい。
赤道上空軌道を飛翔する衛星が取得した衛星情報を、中緯度帯から高緯度帯に設置された地上設備に伝送する場合がある。このような場合、経度方向に円環状通信網を形成する赤道上空衛星と、緯度方向に円環状通信網を形成する太陽同期衛星とが相互に通信するのが合理的である。
太陽同期衛星が極域通過時に通信視野を確保できる高緯度帯に地上設備があれば、太陽同期の1軌道面だけで、赤道上空衛星が取得した衛星情報をほぼリアルタイムで地上設備に伝送できるという効果がある。
なお、第1の通信コンステレーションと第2の通信コンステレーションとが、それぞれユーザ衛星との通信装置を具備してもよいことは言うまでもない。
<衛星情報伝送システム503の例3の構成例>
図31は、本実施の形態に係る衛星情報伝送システム503の例3の構成例を示す図である。
図31では、衛星情報伝送システム503を北極から見ている状態を示している。
衛星情報伝送システム503の例3は、第1の通信コンステレーション831と、第2の通信コンステレーション832と、第3の通信コンステレーション833と、地上設備とにより構成される。
第1の通信コンステレーション831は、赤道上空軌道を飛翔する。また、第1の通信コンステレーション831は、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する第1の通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する。
第2の通信コンステレーション832は、太陽同期軌道を飛翔する。また、第2の通信コンステレーション832は、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する第1の通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する。
第3の通信コンステレーション833は、傾斜軌道を飛翔する。また、第3の通信コンステレーション833は、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する第1の通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する。
第1の通信コンステレーション831と第2の通信コンステレーション832と第3の通信コンステレーション833との各衛星は、第2の通信装置を具備する。
第2の通信装置は、第1の通信コンステレーションと第2の通信コンステレーション、または、第2の通信コンステレーションと第3の通信コンステレーション、または、第3の通信コンステレーションと第1の通信コンステレーション、とが通信するための通信装置である。
第1の通信コンステレーション831と第2の通信コンステレーション832と第3の通信コンステレーション833との各衛星は、第1の通信コンステレーション831と第2の通信コンステレーション832と第3の通信コンステレーション833との少なくとも2つを経由して衛星情報を地上設備に伝送する。
あるいは、第1の通信コンステレーションと第2の通信コンステレーションと第3の通信コンステレーション833との各衛星が、ユーザ衛星と通信する通信装置を具備してもよい。
ユーザ衛星は、第1の通信コンステレーション831と第2の通信コンステレーション832と第3の通信コンステレーション833との少なくとも2つを経由して衛星情報を地上設備に伝送してもよい。
赤道上空軌道衛星が取得した衛星情報を、中緯度帯に設置された地上設備に伝送する場合がある。このような場合、中緯度帯を経度方向に飛翔する傾斜軌道に円環状通信網を形成する傾斜軌道衛星と、経度方向に円環状通信網を形成する赤道上空衛星と、緯度方向に円環状通信網を形成する太陽同期衛星と、が相互に通信するのが合理的である。
例えば、地上設備が北緯35度に設置されている場合に、軌道傾斜角35度の傾斜軌道衛星では地上設備上空を経度方向に飛翔するので、地上設備との通信時間を長く確保できるという効果がある。傾斜軌道衛星群として法線ベクトルが経度方向に分散した複数の軌道面をもつ傾斜軌道衛星群を具備すれば、赤道上空衛星が取得した衛星情報をほぼリアルタイムで地上設備に伝送できるという効果がある。
<衛星情報伝送システム503の例4の構成例>
図32は、本実施の形態に係る衛星情報伝送システム503の例4の構成例を示す図である。
図32では、衛星情報伝送システム503を北極から見ている状態を示している。
衛星情報伝送システム503の例4は、第1の通信コンステレーション831aと、第2の通信コンステレーション832と、地上設備とにより構成される。
第1の通信コンステレーション831aは、太陽同期軌道を飛翔する。また、第1の通信コンステレーション831aは、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する第1の通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する。
第2の通信コンステレーション832は、第1の通信コンステレーション831aとは異なるLSTの太陽同期軌道を飛翔する。また、第2の通信コンステレーション832は、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する第1の通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する。
第1の通信コンステレーション831aと第2の通信コンステレーション832との各衛星は、第1の通信コンステレーション831aと第2の通信コンステレーション832とが極域近傍通過時に通信する第2の通信装置を具備する。
第1の通信コンステレーション831aと第2の通信コンステレーション832との各衛星は、第1の通信コンステレーション831aと第2の通信コンステレーション832を経由して衛星情報を地上設備に伝送する。
太陽同期衛星は極域上空近傍を通過する極軌道衛星となる。よって、円環状通信網を形成する第1の通信コンステレーション831aと第2の通信コンステレーション832には、極域上空近傍で通信できる衛星が含まれる。異なるLSTの通信コンステレーションの円環状通信網に衛星情報を伝送することにより、所望の時間帯に、地上設備の設置された緯度帯に関わらずに衛星情報を伝送できるという効果がある。
<衛星情報伝送システム503の例5の構成例>
図33は、本実施の形態に係る衛星情報伝送システム503の例5の構成例を示す図である。
図33では、衛星情報伝送システム503を赤道上空から見ている状態を示している。
衛星情報伝送システム503の例5は、第1の通信コンステレーション831と、第2の通信コンステレーション832aと、地上設備とにより構成される。
第1の通信コンステレーション831は、赤道上空軌道を飛翔する。また、第1の通信コンステレーション831は、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する第1の通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する。
第2の通信コンステレーション832aは、傾斜軌道を飛翔する。また、第2の通信コンステレーション832aは、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する第1の通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する。
第1の通信コンステレーション831と第2の通信コンステレーション832aとの各衛星は、第1の通信コンステレーション831と第2の通信コンステレーション832aとが通信する第2の通信装置を具備する。
第1の通信コンステレーション831と第2の通信コンステレーション832aとの各衛星は、第1の通信コンステレーション831と第2の通信コンステレーション832aを経由して衛星情報を地上設備に伝送する。
衛星情報伝送システム503の例5によれば、赤道上空軌道の衛星が取得した衛星情報を、中緯度帯に設置された地上設備に伝送できるという効果がある。また、第2の通信コンステレーション832aが地上設備上空を飛翔する時間帯は予め計画軌道情報で既知である。よって、第2の通信コンステレーション832aが法線ベクトルの異なる複数の軌道面で構成される場合に所望の時間帯に地上設備に衛星情報を伝送できるという効果がある。
なお、実施の形態1で説明したように、衛星は、地上設備から送信されるコマンドにより制御される。地上設備は、衛星コンステレーションを形成する衛星コンステレーション形成部をプロセッサに備え、各衛星と通信することによって衛星コンステレーションを形成する。また、衛星側にも衛星コンステレーション形成部が具備され、複数の衛星の各衛星の衛星コンステレーション形成部と、地上設備に具備された衛星コンステレーション形成部とが連携して、衛星コンステレーションの制御を実現する。なお、衛星の衛星コンステレーション形成部は、例えば、衛星制御装置に備えられている。
以上の実施の形態1から6では、衛星見守りシステム、衛星情報伝送システム、地上設備、通信衛星、監視システム、構成衛星、通信衛星コンステレーション、衛星コンステレーション、人工衛星、および、衛星といった各システムおよび各装置の各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、各システムおよび各装置の構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。各システムおよび各装置の機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。また、各システムおよび各装置は、1つの装置でも、複数の装置から構成されたシステムでもよい。
また、実施の形態1から6のうち、複数の部分あるいは実施例を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つの部分あるいは実施例を実施しても構わない。その他、これらの実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1から6では、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本開示の範囲、本開示の適用物の範囲、および本開示の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。
30 衛星、310,112,202 衛星制御装置、33,122,114,204 推進装置、34,115,205 姿勢制御装置、35,123,116,206 電源装置、111,201 観測装置、32,121,113,203 通信装置、124,117 カメラ、41 第1の通信装置、42 第2の通信装置、43 第3の通信装置、44 通信衛星群、401 通信衛星、402 データ中継衛星、403 気象衛星、404 観測衛星、405 第1観測監視衛星、406 測位衛星、407 第2観測監視衛星、408 宇宙基地、409 月惑星探査衛星、410 探査衛星、411 輸送機、421 光学見守り衛星、422 赤外見守り衛星、423 電波見守り衛星、424 サービス衛星、425 デブリ除去衛星、51 クリティカルインフラストラクチャ、510 インフラストラクチャ衛星群、511 インフラストラクチャ衛星、52 見守り衛星群、521,521a,521b,521c 見守り衛星、53 見守りセンター、54 インフラストラクチャ毎地上設備、530 ユーザ衛星群、531 ユーザ衛星、542 電波通信端末、544 光通信端末、590 見守り情報、61 第1の衛星、62 第2の衛星、63 第3の衛星、644 第4の衛星、64 送受切替装置、65 双方向通信端末、601 第1の衛星群、602 第2の衛星群、603 第3の衛星群、500 衛星見守りシステム、501,503 衛星情報伝送システム、502 監視システム、701,702 地上設備、710 見守り管理部、720 記憶部、80 人工衛星、81 情報処理装置、801 通信衛星コンステレーション、802 衛星コンステレーション、810 第1の衛星コンステレーション、811,812 構成衛星、820 第2の衛星コンステレーション、831,831a 第1の通信コンステレーション、832,832a 第2の通信コンステレーション、833 第3の通信コンステレーション、910 プロセッサ、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、941 表示機器、950 通信装置。

Claims (32)

  1. 宇宙空間における社会インフラストラクチャであるクリティカルインフラストラクチャであって、軌道高度500km以上2000km以下の地球周回軌道(LEO:Low Earth Orbit)を飛翔するインフラストラクチャ衛星から成るインフラストラクチャ衛星群により構成されるクリティカルインフラストラクチャと、
    軌道高度2000km以下の軌道を飛翔して、前記インフラストラクチャ衛星群を監視するとともに軌道上サービスを実施する見守り衛星から成る見守り衛星群と、
    地上に設置され、前記インフラストラクチャ衛星群の各インフラストラクチャ衛星と情報授受を実施する地上設備と、
    地上に設置され、前記見守り衛星と情報授受を実施する見守りセンターと
    を備え、
    前記インフラストラクチャ衛星群は、通信衛星から成る通信衛星群を含み、
    前記通信衛星群は、
    1日に整数周回する太陽同期軌道となる軌道高度と軌道傾斜角を有する軌道を均等配置で飛翔し、
    前記通信衛星は、
    前後を飛翔する通信衛星と通信し、
    前記通信衛星群は、
    前記地上設備と通信する第1の衛星と、
    前記見守り衛星と通信する第2の衛星と、
    前後を飛翔する通信衛星との通信のみを実施する第3の衛星と
    を備え、
    前記見守り衛星と前記見守りセンターとは、
    前記通信衛星群を経由して情報授受を実施する衛星見守りシステム。
  2. 前記通信衛星群の各通信衛星は、
    軌道高度1666kmの太陽同期軌道で、1日に12周回する軌道を飛翔し、
    前記通信衛星群は、
    5機以上の通信衛星から構成される請求項1に記載の衛星見守りシステム。
  3. 前記通信衛星群の各通信衛星は、
    軌道高度1248kmの太陽同期軌道で、1日に13周回する軌道を飛翔し、
    前記通信衛星群は、
    6機以上の通信衛星から構成される請求項1に記載の衛星見守りシステム。
  4. 前記通信衛星群の各通信衛星は、
    軌道高度881kmの太陽同期軌道で、1日に14周回する軌道を飛翔し、
    前記通信衛星群は、
    7機以上の通信衛星から構成される請求項1に記載の衛星見守りシステム。
  5. 前記通信衛星群は、
    太陽同期軌道であり、かつ、LST(Local Sun Time)9:00とLST15:00の2軌道面の衛星群により構成される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の衛星見守りシステム。
  6. 前記通信衛星と前記見守り衛星とは、
    受信機能と送信機能とを切り替えることによって受信と送信とを実現する送受切替装置を備えた双方向通信端末を具備し、
    前記見守りセンターは、
    前記見守り衛星へ送信するコマンドのデータ量αと、前記見守り衛星から受信する見守り報告データのデータ量βに基づき、前記双方向通信端末における前記受信機能が動作する受信動作時間と前記送信機能が動作する送信動作時間との比がα対βとなるよう前記送受切替装置を動作させ、
    前記見守り衛星と前記見守りセンターとは、前記通信衛星を経由して情報授受を実施する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の衛星見守りシステム。
  7. 宇宙空間における社会インフラストラクチャであるクリティカルインフラストラクチャであって、軌道高度500km以上2000km以下の地球周回軌道(LEO:Low Earth Orbit)を飛翔するインフラストラクチャ衛星から成るインフラストラクチャ衛星群により構成されるクリティカルインフラストラクチャと、
    地上に設置され、前記インフラストラクチャ衛星群の各インフラストラクチャ衛星と情報授受を実施する地上設備と
    を備え、
    前記インフラストラクチャ衛星群は、
    通信衛星から成る通信衛星群と、
    前記通信衛星群を通信回線として利用するユーザ衛星から成るユーザ衛星群とにより構成され、
    前記通信衛星群は、
    1日に整数周回する太陽同期軌道となる軌道高度と軌道傾斜角を有する軌道を均等配置で飛翔し、
    前記通信衛星は、
    前後を飛翔する通信衛星と通信し、
    前記通信衛星群は、
    前記地上設備と通信する第1の衛星と、
    前記ユーザ衛星と通信する第2の衛星と、
    前後を飛翔する通信衛星との通信のみを実施する第3の衛星と
    を備え、
    前記ユーザ衛星と前記地上設備とは、
    前記通信衛星群を経由して情報授受を実施する衛星情報伝送システム。
  8. 前記通信衛星群の各通信衛星は、
    軌道高度1666kmの太陽同期軌道で、1日に12周回する軌道を飛翔し、
    前記通信衛星群は、
    5機以上の通信衛星から構成される請求項7に記載の衛星情報伝送システム。
  9. 前記通信衛星群の各通信衛星は、
    軌道高度1248kmの太陽同期軌道で、1日に13周回する軌道を飛翔し、
    前記通信衛星群は、
    6機以上の通信衛星から構成される請求項7に記載の衛星情報伝送システム。
  10. 前記通信衛星群の各通信衛星は、
    軌道高度881kmの太陽同期軌道で、1日に14周回する軌道を飛翔し、
    前記通信衛星群は、
    7機以上の通信衛星から構成される請求項7に記載の衛星情報伝送システム。
  11. 前記通信衛星群は、
    太陽同期軌道であり、かつ、LST(Local Sun Time)9:00とLST15:00の2軌道面の衛星群により構成される請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の衛星情報伝送システム。
  12. 前記通信衛星と前記ユーザ衛星とは、
    受信機能と送信機能とを切り替えることによって受信と送信とを実現する送受切替装置を備えた双方向通信端末を具備し、
    前記地上設備は、
    前記ユーザ衛星へ送信するコマンドのデータ量αと、前記ユーザ衛星から受信するユーザ情報データのデータ量βに基づき、前記双方向通信端末における前記受信機能が動作する受信動作時間と前記送信機能が動作する送信動作時間との比がα対βとなるよう前記送受切替装置を動作させ、
    前記ユーザ衛星と前記地上設備とは、前記通信衛星群の各通信装置を経由して情報授受を実施する請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の衛星情報伝送システム。
  13. 3機以上の衛星から成る衛星群が連携して地球、飛翔体、および宇宙物体を監視する第1の衛星コンステレーションと、
    前記第1の衛星コンステレーションを構成する衛星と情報授受を実施する地上設備と、
    軌道高度800km以上の太陽同期軌道を均等配置で飛翔し、同一軌道面の前後を飛翔する衛星と通信する6機以上の通信衛星からなる通信衛星群が連携して、衛星情報を中継する第2の衛星コンステレーションと
    を備え、
    前記第1の衛星コンステレーションを構成する衛星は、
    前記第2の衛星コンステレーションを経由して前記地上設備との情報授受を実施する監視システム。
  14. 前記第1の衛星コンステレーションは、
    軌道高度1000km以上6000km以下の傾斜円軌道を1日に複数周回し、
    前記第1の衛星コンステレーションに含まれる複数の衛星によって形成される複数の軌道面は、
    互いの法線がアジマス方向において均等な角度ずつずれており、各軌道面の飛翔位置が同期制御されている請求項1に記載の監視システム。
  15. 前記第1の衛星コンステレーションは、
    近地点高度300km以上遠地点高度6000km以下の太陽同期非凍結楕円軌道を飛翔し、
    前記第1の衛星コンステレーションに含まれる複数の衛星によって形成される複数の軌道面は、
    互いの長径のアジマス方向成分が均等な角度ずつずれている請求項1に記載の監視システム。
  16. 前記第1の衛星コンステレーションは、
    赤道上空軌道を1日に複数周回し、アジマス方向成分が均等な角度ずつずれて飛翔位置が同期制御される請求項1に記載の監視システム。
  17. 前記第2の衛星コンステレーションは、
    前記地上設備と通信する第1の衛星と、
    前記第1の衛星コンステレーションを構成する衛星と通信する第2の衛星と、
    前後を飛翔する衛星との通信のみを実施する第3の衛星と
    を含む請求項1から請求項1のいずれか1項に記載の監視システム。
  18. 前記第2の衛星コンステレーションは、
    太陽同期軌道であり、かつ、LST(Local Sun Time)09:00とLST15:00との各軌道面を飛翔する6機以上の通信衛星から成る通信衛星群が連携して、前記衛星情報を中継する請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の監視システム。
  19. 前記地上設備は、移動体である請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の監視システム。
  20. 地球を周回するユーザ衛星群を構成するユーザ衛星と地上設備との間の衛星情報を中継する衛星情報伝送システムであって、
    軌道高度500km以上2000km以下の地球周回軌道(LEO:Low Earth Orbit)における太陽同期軌道を、均等配置で周回し、同一軌道面の前後を飛翔する通信衛星と通信する6機以上の通信衛星から成る通信衛星群を備え、
    前記通信衛星は、
    前後を飛翔する通信衛星と通信し、
    前記通信衛星群は、
    前記地上設備と光通信する第1の衛星と、
    前記ユーザ衛星と光通信する第2の衛星と、
    前後を飛翔する通信衛星との通信のみを実施する第3の衛星と
    を具備し、
    前後を飛翔する通信衛星間を電波通信する衛星情報伝送システム。
  21. 前後を飛翔する通信衛星間の電波をスペクトル拡散する請求項2に記載の衛星情報伝送システム。
  22. 前記通信衛星は、
    前後を飛翔する通信衛星と通信する送受切替機能付き双方向通信端末を具備する請求項2に記載の衛星情報伝送システム。
  23. 前記通信衛星は、
    送信と受信で異なる偏波を採用する請求項2から請求項2のいずれか1項に記載の衛星情報伝送システム。
  24. 前記通信衛星群は、
    前記地上設備と光通信するとともに、前記ユーザ衛星と光通信する第4の衛星を具備する請求項2から請求項2のいずれか1項に記載の衛星情報伝送システム。
  25. 前記第4の衛星は、
    前記地上設備との光通信と前記ユーザ衛星との光通信とを同一の通信装置で共用し、衛星進行方向軸回りに回転し、前記地上設備との光通信と前記ユーザ衛星との光通信とを時分割して実施する請求項24に記載の衛星情報伝送システム。
  26. 前記地上設備が移動体である請求項2から請求項25のいずれか1項に記載の衛星情報伝送システム。
  27. 地球を周回するユーザ衛星群を構成するユーザ衛星と地上設備との間の衛星情報を中継する衛星情報伝送システムであって、
    軌道高度500km以上2000km以下の地球周回軌道(LEO:Low Earth Orbit)における太陽同期軌道を、均等配置で周回し、同一軌道面の前後を飛翔する通信衛星と通信する6機以上の通信衛星から成る通信衛星群を備え、
    前記通信衛星は、
    前後を飛翔する通信衛星と通信し、
    前記通信衛星群は、
    前記地上設備と電波通信する第1の衛星と、
    前記ユーザ衛星と光通信する第2の衛星と、
    前後を飛翔する通信衛星との通信のみを実施する第3の衛星と
    を具備し、
    前後を飛翔する通信衛星間を電波通信する衛星情報伝送システム。
  28. 軌道高度500km以上2000km以下の地球周回軌道であるLEO(LowEarth Orbit)を飛翔するユーザ衛星から成るユーザ衛星群と、
    LST06:00またはLST18:00の太陽同期軌道を飛翔する複数の通信衛星から成る通信衛星群と、
    地上設備と、
    により構成される衛星情報伝送システムであって、
    前記通信衛星群は、各通信衛星が前後を飛翔する通信衛星と通信し、
    前記地上設備と通信する第1の衛星と、前記ユーザ衛星と通信する第2の衛星と、を備え、
    前記ユーザ衛星と前記地上設備とは、
    前記通信衛星群を経由して情報授受を実施する衛星情報伝送システム。
  29. 赤道上空軌道を飛翔し、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する第1の通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する第1の通信コンステレーションと、
    太陽同期軌道を飛翔し、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する第1の通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する第2の通信コンステレーションと、
    地上設備と、
    により構成され、
    前記第1の通信コンステレーションと前記第2の通信コンステレーションとの各衛星は、
    前記第1の通信コンステレーションと前記第2の通信コンステレーションとが通信する第2の通信装置を具備し、前記第1の通信コンステレーションと前記第2の通信コンステレーションとを経由して衛星情報を地上設備に伝送する衛星情報伝送システム。
  30. 赤道上空軌道を飛翔し、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する第1の通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する第1の通信コンステレーションと、
    太陽同期軌道を飛翔し、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する第1の通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する第2の通信コンステレーションと、
    傾斜軌道を飛翔し、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する第1の通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する第3の通信コンステレーションと、
    地上設備と、
    により構成され、
    前記第1の通信コンステレーションと前記第2の通信コンステレーションと前記第3の通信コンステレーションとの各衛星は、
    前記第1の通信コンステレーションと前記第2の通信コンステレーション、または、前記第2の通信コンステレーションと前記第3の通信コンステレーション、または、前記第3の通信コンステレーションと前記第1の通信コンステレーション、とが通信する第2の通信装置を具備し、前記第1の通信コンステレーションと前記第2の通信コンステレーションと前記第3の通信コンステレーションとの少なくとも2つを経由して衛星情報を地上設備に伝送する衛星情報伝送システム。
  31. 太陽同期軌道を飛翔し、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する第1の通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する第1の通信コンステレーションと、
    前記第1の通信コンステレーションとは異なるLST(Local Sun Time)の太陽同期軌道を飛翔し、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する第1の通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する第2の通信コンステレーションと、
    地上設備と、
    により構成され、
    前記第1の通信コンステレーションと前記第2の通信コンステレーションとの各衛星は、
    前記第1の通信コンステレーションと前記第2の通信コンステレーションとが極域近傍通過時に通信する第2の通信装置を具備し、
    前記第1の通信コンステレーションと前記第2の通信コンステレーションを経由して衛星情報を地上設備に伝送する衛星情報伝送システム。
  32. 赤道上空軌道を飛翔し、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する第1の通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する第1の通信コンステレーションと、
    傾斜軌道を飛翔し、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する第1の通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する第2の通信コンステレーションと、
    地上設備と、
    により構成され、
    前記第1の通信コンステレーションと前記第2の通信コンステレーションとの各衛星は、
    前記第1の通信コンステレーションと前記第2の通信コンステレーションとが通信する第2の通信装置を具備し、前記第1の通信コンステレーションと前記第2の通信コンステレーションを経由して衛星情報を地上設備に伝送する衛星情報伝送システム。
JP2022551966A 2020-09-28 2021-09-17 衛星見守りシステム、衛星情報伝送システム、および、監視システム Active JP7383170B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023132349A JP2023144041A (ja) 2020-09-28 2023-08-15 地上設備、通信衛星、構成衛星、人工衛星、通信衛星コンステレーション、衛星コンステレーション、および、衛星

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020162718 2020-09-28
JP2020162718 2020-09-28
PCT/JP2021/034410 WO2022065256A1 (ja) 2020-09-28 2021-09-17 衛星見守りシステム、衛星情報伝送システム、地上設備、通信衛星、監視システム、構成衛星、人工衛星、通信衛星コンステレーション、衛星コンステレーション、および、衛星

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023132349A Division JP2023144041A (ja) 2020-09-28 2023-08-15 地上設備、通信衛星、構成衛星、人工衛星、通信衛星コンステレーション、衛星コンステレーション、および、衛星

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2022065256A1 JPWO2022065256A1 (ja) 2022-03-31
JP7383170B2 true JP7383170B2 (ja) 2023-11-17

Family

ID=80845369

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022551966A Active JP7383170B2 (ja) 2020-09-28 2021-09-17 衛星見守りシステム、衛星情報伝送システム、および、監視システム
JP2023132349A Pending JP2023144041A (ja) 2020-09-28 2023-08-15 地上設備、通信衛星、構成衛星、人工衛星、通信衛星コンステレーション、衛星コンステレーション、および、衛星

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023132349A Pending JP2023144041A (ja) 2020-09-28 2023-08-15 地上設備、通信衛星、構成衛星、人工衛星、通信衛星コンステレーション、衛星コンステレーション、および、衛星

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20240014894A1 (ja)
JP (2) JP7383170B2 (ja)
WO (1) WO2022065256A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11999512B2 (en) * 2021-04-20 2024-06-04 At&T Intellectual Property I, L.P. System and method for satellite-based masking and amplification
JPWO2023008145A1 (ja) * 2021-07-28 2023-02-02
CN115459828B (zh) * 2022-07-25 2023-11-28 中国人民解放军军事科学院国防科技创新研究院 一种面向低轨星座边缘微云的服务自主迁移方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140263843A1 (en) 2013-03-12 2014-09-18 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Universal Spacecraft Architecture
JP2016521225A (ja) 2013-04-09 2016-07-21 ロッキード マーティン コーポレイションLockheed Martin Corporation 宇宙機並びに熱制御システム及び熱制御パネル
JP2018506919A (ja) 2015-02-03 2018-03-08 クラウド コンステレーション コーポレイション 宇宙ベースの電子データストレージおよび転送ネットワークシステム
JP2019507513A (ja) 2015-12-18 2019-03-14 エアバス・ディフェンス・アンド・スペース・エスアーエス 観測衛星コンステレーションによる画像取得のための方法およびシステム
CN109917431A (zh) 2019-04-02 2019-06-21 中国科学院空间应用工程与技术中心 一种天基实现gnss卫星自主导航的方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08244693A (ja) * 1995-03-08 1996-09-24 Toshiba Corp 軌道上作業システム
JPH10258799A (ja) * 1997-03-18 1998-09-29 Fujitsu Ltd 太陽同期軌道衛星システム
DE19836602C2 (de) * 1998-08-12 2002-02-07 Soc Europ Des Satellites Sa Modularer Satellit

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140263843A1 (en) 2013-03-12 2014-09-18 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Universal Spacecraft Architecture
JP2016521225A (ja) 2013-04-09 2016-07-21 ロッキード マーティン コーポレイションLockheed Martin Corporation 宇宙機並びに熱制御システム及び熱制御パネル
JP2018506919A (ja) 2015-02-03 2018-03-08 クラウド コンステレーション コーポレイション 宇宙ベースの電子データストレージおよび転送ネットワークシステム
JP2019507513A (ja) 2015-12-18 2019-03-14 エアバス・ディフェンス・アンド・スペース・エスアーエス 観測衛星コンステレーションによる画像取得のための方法およびシステム
CN109917431A (zh) 2019-04-02 2019-06-21 中国科学院空间应用工程与技术中心 一种天基实现gnss卫星自主导航的方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2022065256A1 (ja) 2022-03-31
JP2023144041A (ja) 2023-10-06
JPWO2022065256A1 (ja) 2022-03-31
US20240014894A1 (en) 2024-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7383170B2 (ja) 衛星見守りシステム、衛星情報伝送システム、および、監視システム
JP7434649B2 (ja) 衛星情報伝送システム
US20230137711A1 (en) Space situational awareness business device, space traffic business device, space traffic management system, and observation satellite
JPWO2022064721A5 (ja)
JP7503195B2 (ja) 飛翔体対処システム、および、傾斜軌道衛星システム
JP2024032957A (ja) ハイブリッドコンステレーション、ハイブリッドコンステレーション形成方法、衛星情報伝送システム、地上システム、ミッション衛星、および、地上設備
JP7394801B2 (ja) 滑空飛翔体追跡方法、飛翔体追跡システム、飛翔体対処システム、および、地上システム
WO2023008145A1 (ja) クラウドコンピューティングシステム及びエッジコンピューティングシステム
JP2023155474A (ja) デブリ除去衛星、地上設備、デブリ除去制御装置、および、デブリ除去制御方法
US20220250772A1 (en) Satellite constellation forming system, satellite constellation forming method, satellite constellation, and ground facility
JP7274042B2 (ja) ジャミング衛星回避方法、および、メガコンステレーション事業装置
WO2022137341A1 (ja) 衛星コンステレーション、飛翔体監視システム、人工衛星、傾斜軌道衛星システム、傾斜軌道衛星およびハイブリッドコンステレーション
JP7394725B2 (ja) 衛星見守りシステム、インフラストラクチャ衛星、見守り衛星、通信装置、および、見守りセンター
JP7511776B2 (ja) 衛星見守りシステム、衛星情報伝送システム、見守り衛星、インフラストラクチャ衛星、双方向通信標準端末、見守りセンター、データ中継衛星、シスルナデータ中継衛星、および、輸送機
WO2023054154A1 (ja) 衛星見守りシステム、衛星情報伝送システム、見守り衛星、インフラストラクチャ衛星、双方向通信標準端末、見守りセンター、データ中継衛星、シスルナデータ中継衛星、および、輸送機
WO2022070237A1 (ja) 光通信システムおよび飛翔体対応システム
JP2023180776A (ja) 衛星コンステレーション、地上設備、人工衛星、ミッション衛星、通信衛星、制御方法、および制御プログラム
JP7460824B2 (ja) ロケット打上支援装置、ロケット打上支援方法、およびロケット打上支援プログラム
JP2023018590A (ja) マルチレイヤコンステレーション
JP7479316B2 (ja) 観測衛星
JP7499975B2 (ja) 測位方法
JP2023112710A (ja) 衛星見守りシステム、見守り衛星、見守りセンター、インフラストラクチャ衛星、および、衛星情報伝送方法
JP2023077874A (ja) 衛星情報伝送システム、静止衛星、および、地上設備
JP7446251B2 (ja) 衛星コンステレーションシステムおよび衛星コンステレーション
JP2023077873A (ja) 衛星情報伝送システム、静止衛星、および、地上設備

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230815

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231010

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7383170

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150