JP7381327B2 - 車両のフレーム構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のフレーム構造に関する。
従来、シャシフレームと、シャシフレーム上に取り付けられたキャブと、キャブの後方のシャシフレーム上に取り付けられた荷台と、を備える車両が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2019-151199号公報
上記車両では、前輪及び後輪からの入力と、キャブ及び荷台の支持荷重とが、互いに異なる向き及び大きさで、シャシフレームに加えられることがある。そのため、フレームにおける前輪と後輪との間に補強を施して剛性特性の改善が図られる。
ここで、例えば車両の仕向先での使われ方等に応じてフレーム構造体における左右一対のサイドレールに加わる荷重の設計上の想定値が異なる場合に、荷重の想定値ごとに複数の補強部材を使い分けると、仕様数が増加する。その結果、各種コストの増加及び生産性の悪化を招くおそれがある。
本発明は、補強部材を使い分けることなくサイドレールの剛性特性を変化させることが可能な車両のフレーム構造を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る車両のフレーム構造は、車幅方向に交差する第1底板と第1底板の車両上下方向両端から起立して互いに対向する一対の第1側板とを有して車両前後方向に延びるサイドレールが車幅方向に一対併設されている車両のフレーム構造であって、一対の第1側板の間のフレーム内空間に位置するように第1底板に取り付けられ、車両前後方向に所定の延在長で延在する補強部材を備え、補強部材は、第1底板に固定される第2底板と、第2底板の車両上下方向両端から起立して互いに対向する一対の第2側板と、を有し、補強部材における車両前後方向の少なくとも一方側において、第2側板は、第1側板に固定されず第1側板に対して所定間隔で離間しており、所定間隔は、車両上下方向の所定のシビア条件入力想定荷重がサイドレールに作用する場合に、サイドレールが車両前後方向における延在長の範囲で弾性範囲で変形可能な間隔である。
本発明の一態様に係る車両のフレーム構造では、補強部材における車両前後方向の少なくとも一方側において、第2側板は、第1側板に固定されず第1側板に対して所定間隔で離間している。所定間隔は、車両上下方向の所定のシビア条件入力想定荷重がサイドレールに作用する場合に、サイドレールが車両前後方向における延在長の範囲で弾性範囲で変形可能な間隔である。そのため、シビア条件入力想定荷重がサイドレールに作用する場合に、第1底板に沿う面内におけるサイドレールの曲げ弾性変形により、第1側板と第2側板とが接触し得る。第1側板と第2側板とが接触すると、接触箇所において第1側板と第2側板との間で実質的に力の伝達が可能となり、サイドレールの剛性特性が変化する。したがって、車両のフレーム構造によれば、補強部材を使い分けることなくサイドレールの剛性特性を変化させることが可能となる。
一実施形態において、車両のフレーム構造は、フレーム内空間に配置され、車幅方向に交差する第3底板と第3底板の車両上下方向両端から起立して互いに対向する一対の第3側板とを有して車両前後方向に延びるインナーレールを更に備える。第3側板は、第1側板におけるフレーム内空間側の表面に接合されていてもよい。この場合、インナーレールにより、第1底板に沿う面内における曲げ剛性が更に向上される。
一実施形態において、第2側板は、車幅方向に延在すると共に第3側板の間に達しており、第3側板に固定されず第3側板に対して所定間隔で離間していてもよい。この場合、シビア条件入力想定荷重がサイドレールに作用する場合に、第1底板に沿う面内におけるサイドレールの曲げ弾性変形により、第2側板と第3側板とが接触することで、サイドレールの剛性特性を変化させることができる。
一実施形態において、サイドレールは、車両前後方向の前方側に配置され前輪及びキャブを支持するフロントサイドレールと、フロントサイドレールに連結され、車両前後方向の後方側に配置され後輪を支持するリヤサイドレールと、を有し、補強部材は、フロントサイドレールとリヤサイドレールとの連結箇所に取り付けられていてもよい。この場合、前輪、キャブ、及び後輪の支持荷重による応力が集中し易い連結箇所のサイドレールの剛性特性を変化させることができる。
一実施形態において、補強部材における車両前後方向の前方側において、第2側板は、フロントサイドレールの第1側板に固定されず第1側板に対して離間しており、補強部材における車両前後方向の後方側において、第2側板は、リヤサイドレールの第1側板に固定されていてもよい。この場合、フロントサイドレールの第1側板と第3側板とが接触することで、サイドレールの剛性特性を変化させることができる。
本発明によれば、補強部材を使い分けることなくサイドレールの剛性特性を変化させることが可能となる。
一実施形態の車両のフレーム構造の概略平面図である。 図1の車両のフレーム構造の概略側面図である。 図1の車両のフレーム構造の連結箇所の側面図である。 (a)は、図3のA-A線に沿っての切断面を示す図である。(b)は、図3のB-B線に沿っての切断面を示す図である。(c)は、図3のC-C線に沿っての切断面を示す図である。 図1の車両のフレーム構造における補強部材の側面図である。 図5の補強部材の下面図である。 剛性特性の変化を例示する図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において、前後方向、左右方向、及び上下方向は、それぞれ、車両進行方向、車幅方向、及び車両上下方向を意味する。各図において、方向Fは前方に対応し、方向Lは車幅方向(車両進行方向の左側)に対応し、方向Uは上方に対応する。
図1は、一実施形態の車両のフレーム構造10の概略平面図である。図2は、車両のフレーム構造10の概略側面図である。図1及び図2に示されるように、車両1は、車両のフレーム構造10を備えている。車両のフレーム構造10は、車両前後方向へ延びると共に車幅方向に一対併設されているサイドレール11と、車幅方向へ延びて左右のサイドレール11同士を連結する複数のクロスメンバ12と、を有するフレーム構造体100を備えている。一対のサイドレール11は、左右で略対称の形状とされている。
一対のサイドレール11には、例えば板バネ等の懸架装置(図示省略)を介して、車両前後方向の前方側に位置する前輪2と、車両前後方向の後方側に位置する後輪3と、が取り付けられている。サイドレール11は、金属製の長尺部材であり、例えば鋼により形成されている。サイドレール11は、車両前後方向の前方側のフロントサイドレール20と、車両前後方向の後方側のリヤサイドレール30と、を有している。フロントサイドレール20は、車両前後方向の前方側に配置され前輪2及びキャブ4を支持している。リヤサイドレール30は、車両前後方向の後方側に配置され後輪3を支持している。フロントサイドレール20の後端部とリヤサイドレール30の前端部とは、連結箇所13において互いに連結されて一体化されている。
図3は、車両のフレーム構造10の連結箇所13の側面図である。図4(a)は、図3のA-A線に沿っての切断面を示す図である。図4(b)は、図3のB-B線に沿っての切断面を示す図である。図4(c)は、図3のC-C線に沿っての切断面を示す図である。一対のサイドレール11は、左右で略対称の形状とされているところ、図3及び図4では、車両進行方向の右側の連結箇所13を例示している。車両進行方向の左側の連結箇所13については、車両の中央に関して左右対称な構成とすることができるため、詳細な説明は省略する(図5及び図6において同じ)。
図3及び図4に示されるように、サイドレール11は、車幅方向に交差する第1底板11aと、第1底板11aの車両上下方向両端11bから起立して互いに対向する一対の第1側板11cと、を有している。
具体的には、フロントサイドレール20は、車幅方向に交差する第1底板21と、第1底板21の車両上下方向両端22から起立して互いに対向する一対の第1側板23と、を有している。一対の第1側板23は、例えば互いに同形状に形成されており、第1底板21から垂直に起立している。これにより、フロントサイドレール20は、長手方向に垂直な断面が略U字状(略コの字状)を呈している。フロントサイドレール20は、例えば、平坦な鋼板を幅方向に折り曲げ加工することにより形成することができる。フロントサイドレール20は、例えば4~5mm程度の厚さを有している。フロントサイドレール20は、例えば単体で見て車幅方向内側(図中IN方向)に開口する向きとされており、一対の第1側板23の間にフレーム内空間Sが形成されている。
また、リヤサイドレール30は、車幅方向に交差する第1底板31と、第1底板31の車両上下方向両端32から起立して互いに対向する一対の第1側板33と、を有している。一対の第1側板33は、例えば同形状に形成されており、第1底板21から垂直に起立している。これにより、リヤサイドレール30は、長手方向に垂直な断面が略U字状(略コの字状)を呈している。リヤサイドレール30は、例えば、平坦な鋼板を幅方向に折り曲げ加工することにより形成することができる。リヤサイドレール30は、例えば4~5mm程度の厚さを有している。リヤサイドレール30は、例えば単体で見て車幅方向内側(図中IN方向)に開口する向きとされている。
フロントサイドレール20に囲まれるフレーム内空間Sには、インナーレール50が配置されている。インナーレール50は、車幅方向に交差する第3底板51と第3底板51の車両上下方向両端52から起立して互いに対向する一対の第3側板53とを有して車両前後方向に延びている。インナーレール50は、例えば車幅方向外側に開口している。第3底板51は、車両前後方向の後方の一部を除いて、車両上下方向両端52に近付くにつれて第3側板53の起立方向とは反対方向に屈曲して延びる傾斜部51aを含んでいる。傾斜部51aにより、第3底板51がフレーム内空間Sの中央側にオフセットされるため、第3底板51の外側の空間を例えばハーネス等を配索するためのスペースとして利用できる。第3側板53は、第1側板23におけるフレーム内空間S側の表面23aに接合されている。インナーレール50は、例えば鋼鈑をプレス成型することによって形成することができる。インナーレール50は、例えば3~4mm程度の厚さを有している。インナーレール50は、例えば単体で見て車幅方向外側(図中INとは反対方向)に開口する向きとされている。
図3に示されるように、車両のフレーム構造10は、サイドレール11に取り付けられた補強部材40を備えている。本実施形態では、補強部材40は、フロントサイドレール20とリヤサイドレール30との連結箇所13に取り付けられている。補強部材40は、車両前後方向に所定の延在長で延在している。補強部材40は、フレーム内空間Sに位置するように、サイドレール11の第1底板11aに取り付けられている。
図5は、車両のフレーム構造10における補強部材40の側面図である。図6は、補強部材40の下面図である。図5及び図6には、右側のサイドレール11に取り付けられる補強部材40が示されている。なお、左側のサイドレール11に取り付けられる補強部材40は、図5及び図6の補強部材40と比べて、車幅方向について略対称の形状となる。
図5及び図6に示されるように、補強部材40は、フロントサイドレール20の第1底板21に固定される第2底板41と、第2底板41の車両上下方向両端42から起立して互いに対向する一対の第2側板43と、を有している。一対の第2側板43は、第2底板41から垂直に起立している。これにより、補強部材40は、長手方向に垂直な断面が略U字状(略コの字状)を呈している。第2側板43は、車幅方向に延在している。補強部材40は、例えば4~5mm程度の厚さを有している。補強部材40は、例えば単体で見て車幅方向内側(図中IN方向)に開口する向きとなるようにフロントサイドレール20の第1底板21に取り付けられる。
ここでの補強部材40は、フロントサイドレール20の第1底板21に取り付けられることで、第1底板21に沿う面内におけるフロントサイドレール20の曲げ剛性を向上させる。例えば、補強部材40は、第2底板41に接合された複数のナット44を有している。ナット44にボルト45が螺合されることで、補強部材40が第1底板21に取り付けられる(図4(b)及び(c)参照)。また例えば、補強部材40は、第2底板41に形成された複数の貫通孔46を有している。貫通孔46は、フロントサイドレール20の第1底板21を露出させる。貫通孔46の内縁と第1底板21とが隅肉溶接されることで、補強部材40が第1底板21に取り付けられる(図4(a)参照)。ナット44の数及び配置、並びに、貫通孔46の数及び配置は、フロントサイドレール20の第1底板21との接合強度に応じて、例えばシミュレーションを用いた設計手法により定めることができる。
また例えば、補強部材40は、第2底板41における車両前後方向の前端部及び後端部に形成された切欠部47を有している。前端部の切欠部47の縁とフロントサイドレール20の第1底板21とが隅肉溶接されることで、補強部材40が第1底板21に取り付けられる。後端部の切欠部47の縁とリヤサイドレール30の第1底板31とが隅肉溶接されることで、補強部材40が第1底板31に取り付けられる。切欠部47の形状及び配置は、フロントサイドレール20の第1底板21との接合強度、及び、リヤサイドレール30の第1底板31との接合強度に応じて、例えばシミュレーションを用いた設計手法により定めることができる。
なお、ここでの隅肉溶接は、例えば当該螺合の軸力を効果的に発揮させるために、ナット44とボルト45との螺合に先立って行われてもよい。
図4(a)~(c)に示されるように、車両のフレーム構造10では、フロントサイドレール20の第1底板21に補強部材40の第2底板41が沿うように取り付けられている。連結箇所13における車両前後方向の前方側において、インナーレール50の第3側板53は、車幅方向に延在すると共にフロントサイドレール20の第1側板23の間に達している。連結箇所13における車両前後方向の後方側において、インナーレール50の第3側板53は、車幅方向に延在すると共にフロントサイドレール20の第1側板23及びリヤサイドレール30の第1側板33の間に達している。
また、補強部材40の第2側板43は、車幅方向に延在すると共にインナーレール50の第3側板53の間に達している。補強部材40の第2側板43とインナーレール50の第3側板53とは、断面視にて車幅方向についてそれぞれの先端部の存在範囲が重複している。このような構成の場合、インナーレール50は、補強部材40がフロントサイドレール20に取り付けられた後で、フロントサイドレール20に取り付けられる。インナーレール50の第3側板53は、フロントサイドレール20の第1側板23と補強部材40の第2側板43との間に差し込まれて、第1側板23におけるフレーム内空間S側の表面23aに接合される。したがって、補強部材40がフレーム内空間Sに収容されることとなる。
図3及び図5に示されるように、補強部材40における車両前後方向の後方側において、補強部材40の長手方向に交差する幅寸法(車両上下方向の寸法)は、フロントサイドレール20の一対の第1側板23同士の離間距離と略同等とされている。補強部材40における車両前後方向の後方側において、第2側板43は、リヤサイドレール30の第1側板33に固定されている。図4の(b)に示されるように、連結箇所13において、フロントサイドレール20とリヤサイドレール30とが連結されると共に、補強部材40の後端部が連結されている。連結箇所13では、フレーム内空間Sの中央側から順に、補強部材40の第2側板43、インナーレール50の第3側板53、フロントサイドレール20の第1側板23、そしてリヤサイドレール30の第1側板33、が互いに重ね合わせられており、各部材に同軸となるように形成された貫通孔に挿通されたリベットにより、互いに締結されている。
図3に示されるように、補強部材40における車両前後方向の前方側において、補強部材40の長手方向に交差する幅寸法(車両上下方向の寸法)は、フロントサイドレール20の一対の第1側板23同士の離間距離よりも小さくされている。補強部材40における車両前後方向の前方側において、補強部材40の長手方向に交差する幅寸法は、インナーレール50の一対の第3側板53同士の離間距離(表面53a同士の距離)よりも小さくされている。つまり、補強部材40を第1底板21に取り付けた状態において、補強部材40における車両前後方向の前方側において、第2側板43は、フロントサイドレール20の第1側板23に固定されず第1側板11cに対して離間しており、インナーレール50の第3側板53に固定されず第3側板53に対して離間している。
図3、図4の(a)及び(c)に示されるように、補強部材40における車両前後方向の少なくとも一方側(ここでは前方側)において、フロントサイドレール20の第1側板23と、補強部材40の第2側板43とは、互いに所定間隔で離間している。この所定間隔は、車両上下方向の所定のシビア条件入力想定荷重がサイドレール11に作用する場合に、サイドレール11が車両前後方向における延在長の範囲で弾性範囲で変形可能な間隔である。シビア条件入力想定荷重とは、シビア条件において発生し易いと想定される、サイドレール11に入力され得る設計上の荷重の想定値である。シビア条件とは、サイドレール11における設計上の過酷な条件を意味する。例えば路面の整備状況の観点、及び、車両1の使われ方の観点(例えば過積載状態で使われるリスク)を考慮すると、走行中の路面からの想定入力荷重の比較において、先進国向けの車両1に対して新興国向けの車両1の方がシビア条件に該当し易い。シビア条件入力想定荷重としては、上述の過酷度を考慮して、先進国向けの車両1におけるサイドレール11への入力想定荷重よりも一定割合だけ割り増しされた荷重とすることができる。
このように構成されていることにより、車両のフレーム構造10では、サイドレール11に入力される荷重の大きさに応じて、サイドレールの剛性特性が変化する。図7は、剛性特性の変化を例示する図である。図7の横軸は、サイドレール11への荷重の入力を示している。図7の縦軸は、サイドレール11の剛性を示している。ここでのサイドレール11への荷重の入力とは、例えば、第1底板21の面内におけるフロントサイドレール20の曲げ荷重(曲げ応力)に相当する。サイドレール11の剛性とは、例えば、第1底板21に沿う面内におけるフロントサイドレール20の曲げ剛性を意味する。
図7に示されるように、サイドレール11に入力される荷重の大きさが入力F1よりも小さい荷重から入力F1まで増大する場合、サイドレール11の剛性は剛性G1で略一定となっている。この剛性の推移は、第1底板11aに沿う面内におけるサイドレール11の曲げ弾性変形によっても、第2側板43と第3側板53とが未だ接触していないことに対応する。
一方、サイドレール11に入力される荷重の大きさが入力F1以上の荷重から入力F2まで増大する場合、サイドレール11の剛性は剛性G1から剛性G2まで高くなっている。この剛性の変化は、第1底板11aに沿う面内におけるサイドレール11の曲げ弾性変形によって、第2側板43と第3側板53とが接触を開始して、接触箇所の近傍の各部材の弾性変形が平衡状態に至るまでの推移に対応する。その後、サイドレール11に入力される荷重の大きさが入力F2以上の荷重で増大する場合、サイドレール11の剛性は略一定の剛性G2となっている。この剛性の推移は、接触箇所において平衡状態となった第2側板43と第3側板53との間で実質的に力の伝達が可能な状態が維持されていることに対応する。
[作用及び効果]
以上、本実施形態に係る車両のフレーム構造10では、補強部材40における車両前後方向の少なくとも一方側(前方側)において、補強部材40の第2側板43は、サイドレール11の第1側板11c(フロントサイドレール20の第1側板23)に固定されていない。また、補強部材40の第2側板43は、車幅方向に延在すると共にインナーレール50の第3側板53の間に達しており、インナーレール50の第3側板53に固定されず第3側板53に対して所定間隔で離間している。この所定間隔は、車両上下方向の所定のシビア条件入力想定荷重がサイドレール11に作用する場合に、サイドレール11が車両前後方向における延在長の範囲で弾性範囲で変形可能な間隔である。そのため、シビア条件入力想定荷重がサイドレール11に作用する場合に、第1底板11aに沿う面内におけるサイドレール11の曲げ弾性変形により、第2側板43と第3側板53とが接触し得る。第2側板43と第3側板53とが接触すると、接触箇所において第2側板43と第3側板53との間で実質的に力の伝達が可能となり、サイドレール11の剛性特性が変化する。したがって、車両のフレーム構造10によれば、補強部材40を使い分けることなくサイドレール11の剛性特性を変化させることが可能となる。
車両のフレーム構造10は、フレーム内空間Sに配置され、車幅方向に交差する第3底板51と第3底板51の車両上下方向両端52から起立して互いに対向する一対の第3側板53とを有して車両前後方向に延びるインナーレール50を更に備える。第3側板53は、第1側板11cにおけるフレーム内空間S側の表面23aに接合されている。このようなインナーレール50により、第1底板11aに沿う面内における曲げ剛性が更に向上される。
なお、フロントサイドレール20は、単体で見て車幅方向内側(図中IN方向)に開口する向きとされている。補強部材40は、単体で見て車幅方向内側(図中IN方向)に開口する向きとなるようにフロントサイドレール20の第1底板21に取り付けられる。インナーレール50は、単体で見て車幅方向外側(図中INとは反対方向)に開口するような向きでフロントサイドレール20の第1側板23に取り付けられる。このような構成の場合、インナーレール50の第3側板53は、フロントサイドレール20の第1側板23と補強部材40の第2側板43との間に差し込まれて、第1側板23におけるフレーム内空間S側の表面23aに接合される。したがって、補強部材40をフロントサイドレール20に取り付けた後で、インナーレール50をフロントサイドレール20に容易に取り付けることができる。その結果、例えば剛性特性の観点等により補強部材40を必要としないような仕向地が存在する場合に、補強部材40を取り付けるフレーム構造体100と、補強部材40を取り付けないフレーム構造体とで、インナーレール50の取り付け工程の共通化を図ることができる。
車両のフレーム構造10では、サイドレール11は、車両前後方向の前方側に配置され前輪2及びキャブ4を支持するフロントサイドレール20と、フロントサイドレール20に連結され、車両前後方向の後方側に配置され後輪3を支持するリヤサイドレール30と、を有する。補強部材40は、フロントサイドレール20とリヤサイドレール30との連結箇所13に取り付けられている。これにより、前輪2、キャブ4、及び後輪3の支持荷重による応力が集中し易い連結箇所13のサイドレール11の剛性特性を変化させることができる。
車両のフレーム構造10では、補強部材40における車両前後方向の前方側において、第2側板43は、フロントサイドレール20の第1側板23に固定されず第1側板23に対して離間している。補強部材40における車両前後方向の後方側において、第2側板43は、リヤサイドレール30の第1側板33に固定されている。これにより、フロントサイドレール20の第1側板23と第3側板53とが接触することで、サイドレール11の剛性特性を変化させることができる。
なお、車両のフレーム構造10では、補強部材40がフレーム内空間Sに収容されている。そのため、例えば補強部材40を設けない場合のフロントサイドレール20及びインナーレール50の外形形状の大きさと比べて、補強部材40を設ける場合のフロントサイドレール20及びインナーレール50の外形形状の大きさを維持することができる。その結果、フロントサイドレール20及びインナーレール50の外形に沿って取り付けられる補機類及び排気装置等の搭載性に、補強部材40の取り付けの有無によって影響が生じることを抑えることができる。
[変形例]
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではない。
上記実施形態では、補強部材40の第2側板43とインナーレール50の第3側板53とは、断面視にて車幅方向についてそれぞれの先端部の存在範囲が重複していたが、これに限定されない。例えば、補強部材40の第2側板43は、インナーレール50の第3側板53の間に達しない程度に車幅方向に延在していてもよい。つまり、補強部材40の第2側板43とインナーレール50の第3側板53とは、断面視にて車幅方向についてそれぞれの先端部の存在範囲が重複しなくてもよい。この場合、補強部材40の第2側板43は、インナーレール50の第3側板53に代えて、フロントサイドレール20の第1側板23に対して所定間隔で離間していればよい。
上記実施形態では、フロントサイドレール20にインナーレール50が取り付けられ、フロントサイドレール20と共にサイドレール11を構成していたが、インナーレール50が省略されていてもよい。
上記実施形態では、フロントサイドレール20の一対の第1側板23は、互いに同形状に形成されていたが、これに限定されない。リヤサイドレール30の一対の第1側板33は、互いに同形状に形成されていたが、これに限定されない。また、フロントサイドレール20の外側にリヤサイドレール30が配置されていたが、これに限定されない。要は、補強部材40は、サイドレール11(インナーレール50、フロントサイドレール20、又はリヤサイドレール30)の直ぐ内側に配置されており、補強部材40の第2側板43は、インナーレール50の第3側板53、フロントサイドレール20の第1側板23、又はリヤサイドレール30の第1側板33に対して所定間隔で離間していればよい。
上記実施形態では、一対のサイドレール11は、左右で略対称の形状とされていたが、非対称であってもよい。
上記実施形態では、サイドレール11は、車両前後方向の前方側のフロントサイドレール20と、車両前後方向の後方側のリヤサイドレール30と、を有しており、連結箇所13にて一体化されていたが、前後が分割されずに前後が一体的なサイドレール11であってもよい。この場合、連結箇所13に対応する箇所に補強部材40が設けられていてもよい。
上記実施形態では、補強部材40における車両前後方向の後方側において、補強部材40の第2側板43がリヤサイドレール30の第1側板33に固定されていたが、補強部材40の固定箇所は、これに限定されない。補強部材40の固定箇所は、車両前後方向の前方側であってもよいし、車両前後方向の中央部であってもよい。要は、補強部材40における車両前後方向の少なくとも一方側において、補強部材40の第2側板43は、サイドレール11の第1側板11cに固定されず第1側板11cに対して所定間隔で離間していればよい。
1…車両、2…前輪、3…後輪、4…キャブ、10…フレーム構造、11…サイドレール、11a,21,31…第1底板、11b,22,32,42,52…車両上下方向両端、11c,23,33…第1側板、13…連結箇所、20…フロントサイドレール(サイドレール)、23a…表面、30…リヤサイドレール(サイドレール)、40…補強部材、41…第2底板、43…第2側板、50…インナーレール(サイドレール)、51…第3底板、53…第3側板、S…フレーム内空間。

Claims (5)

  1. 車幅方向に交差する第1底板と前記第1底板の車両上下方向両端から起立して互いに対向する一対の第1側板とを有して車両前後方向に延びるサイドレールが車幅方向に一対併設されている車両のフレーム構造であって、
    一対の前記第1側板の間のフレーム内空間に位置するように前記第1底板に取り付けられ、車両前後方向に所定の延在長で延在する補強部材を備え、
    前記補強部材は、
    前記第1底板に固定される第2底板と、
    前記第2底板の車両上下方向両端から起立して互いに対向する一対の第2側板と、を有し、
    前記補強部材における前記車両前後方向の前方側、後方側、又は中央部の何れかにおいて、前記第2側板は、前記第1側板に固定されており、
    前記補強部材における前記車両前後方向の少なくとも一方側において、前記第2側板は、前記第1側板に固定されず前記第1側板に対して所定間隔で離間しており、
    前記所定間隔は、車両上下方向の所定のシビア条件入力想定荷重が前記サイドレールに作用する場合に、前記サイドレールが車両前後方向における前記延在長の範囲で弾性範囲で変形可能な間隔であり、
    前記サイドレールに作用する荷重は、前記第2側板が前記第1側板に固定されている位置を基準として前記第1底板に沿う面内において前記サイドレール及び前記補強部材に曲げ弾性変形を生じさせるような車両上下方向に沿う荷重であり、
    前記サイドレールの前記第1底板と前記補強部材の第2底板とが固定された状態で前記サイドレールに作用する荷重によって、前記フレーム内空間において前記第1側板と前記第2側板とが互いに接近するように変形し、
    前記サイドレールに作用する荷重が前記シビア条件入力想定荷重未満である場合に、互いに接近した前記第1側板と前記第2側板とが接触せず、
    前記サイドレールに作用する荷重が前記シビア条件入力想定荷重以上である場合に、互いに接近した前記第1側板と前記第2側板とが接触する、車両のフレーム構造。
  2. 前記フレーム内空間に配置され、前記車幅方向に交差する第3底板と前記第3底板の車両上下方向両端から起立して互いに対向する一対の第3側板とを有して車両前後方向に延びるインナーレールを更に備え、
    前記第3側板は、前記第1側板における前記フレーム内空間側の表面に接合されており、
    前記サイドレールに作用する荷重が前記シビア条件入力想定荷重未満である場合に、互いに接近した前記第1側板と前記第3側板とが接触せず、
    前記サイドレールに作用する荷重が前記シビア条件入力想定荷重以上である場合に、互いに接近した前記第1側板と前記第3側板とが接触する、請求項1記載の車両のフレーム構造。
  3. 前記第2側板は、前記車幅方向に延在すると共に前記第3側板の間に達しており、前記第3側板に固定されず前記第3側板に対して前記所定間隔で離間している、請求項2記載の車両のフレーム構造。
  4. 前記サイドレールは、
    前記車両前後方向の前方側に配置され前輪及びキャブを支持するフロントサイドレールと、
    前記フロントサイドレールに連結され、前記車両前後方向の後方側に配置され後輪を支持するリヤサイドレールと、を有し、
    前記補強部材は、前記フロントサイドレールと前記リヤサイドレールとの連結箇所に取り付けられている、請求項1~3の何れか一項記載の車両のフレーム構造。
  5. 前記補強部材における前記車両前後方向の前方側において、前記第2側板は、前記フロントサイドレールの前記第1側板に固定されず前記第1側板に対して離間しており、
    前記補強部材における前記車両前後方向の後方側において、前記第2側板は、前記リヤサイドレールの前記第1側板に固定されている、請求項4記載の車両のフレーム構造。
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