JP7378250B2 - インプリント装置、および物品の製造方法 - Google Patents

インプリント装置、および物品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7378250B2
JP7378250B2 JP2019166495A JP2019166495A JP7378250B2 JP 7378250 B2 JP7378250 B2 JP 7378250B2 JP 2019166495 A JP2019166495 A JP 2019166495A JP 2019166495 A JP2019166495 A JP 2019166495A JP 7378250 B2 JP7378250 B2 JP 7378250B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mark
substrate
inspection
rough
rough inspection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019166495A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020077850A (ja
Inventor
浩司 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to US16/594,461 priority Critical patent/US11740554B2/en
Priority to KR1020190123550A priority patent/KR102605547B1/ko
Publication of JP2020077850A publication Critical patent/JP2020077850A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7378250B2 publication Critical patent/JP7378250B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

本発明は、インプリント装置、および物品の製造方法に関する。
凹凸のパターンが形成されたモールド(原版)を用いて基板上にインプリント材のパターンを形成するインプリント装置が、半導体デバイスなどの量産用リソグラフィ装置の1つとして注目されている。インプリント装置では、モールドと基板との位置合わせ処理(アライメント処理)の方式として、ダイバイダイアライメント方式が採用されうる。ダイバイダイアライメント方式とは、基板における複数のショット領域の各々について、原版に設けられたマークと基板に設けられたマークとを光学的に検出して原版と基板との位置関係のずれを補正するアライメント方式である。
ダイバイダイアライメント方式を採用するインプリント装置では、基板に既に形成されているパターンと、基板上のインプリント材に形成されたパターンとの重ね合わせ精度が、ショット領域ごとに異なることがある。そのため、インプリント装置では、そのような重ね合わせ精度の検査結果を以降の位置合わせ処理に速やかに反映させることができるように、当該重ね合わせ精度を装置内で検査することが望まれる。特許文献1、2には、重ね合わせ精度を装置内で検査可能に構成されたインプリント装置が開示されている。
特開2011-97025号公報 特開2009-88264号公報
位置合わせ処理は、モールドのマークと基板のマークとを撮像して得られた画像に基づいて行われるのに対し、重ね合わせ検査は、基板のマークとインプリント材に形成(転写)されたマークとを撮像して得られた画像に基づいて行われうる。しかしながら、重ね合わせ検査で得られる画像では、インプリント材に形成されたマークの信号強度が、基板のマークの信号強度に対して非常に小さくなる。したがって、重ね合わせ検査を、位置合わせ処理と同様の条件下で行ってしまうと、撮像部で得られた画像からマークを検出することができなかったり、マークを誤検出してしまったりしうる。
そこで、本発明は、位置合わせ処理と重ね合わせ検査とを精度よく行うために有利な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としてのインプリント装置は、原版を用いて基板上のインプリント材にパターン形成を行うインプリント装置であって、前記基板を撮像する撮像部と、前記撮像部で得られた画像内の精検マークおよび粗検マークに基づいて、前記パターン形成時における前記原版と前記基板との位置合わせ処理、および、前記インプリント材に形成されたパターンと前記基板との重ね合わせ検査を行う処理部と、を含み、前記処理部は、前記撮像部で得られた画像において精検マークの位置を特定するために用いるべき粗検マーク群を、前記位置合わせ処理と前記重ね合わせ検査とで変更するものであり、前記粗検マーク群は、前記原版に設けられた1以上の粗検マークおよび前記基板に設けられた複数の粗検マークの中から選択され、前記位置合わせ処理で用いられる前記粗検マーク群としての第1粗検マーク群は、前記原版における前記1以上の粗検マークと前記基板における前記複数の粗検マークの少なくとも1つとから成り、前記重ね合わせ検査で用いられる前記粗検マーク群としての第2粗検マーク群は、前記基板における前記複数の粗検マークの少なくとも2つから成る、ことを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、位置合わせ処理と重ね合わせ検査とを精度よく行うために有利な技術を提供することができる。
インプリント装置の構成を示す概略図である。 撮像部の構成の一例を示す概略図である。 照明光学系の瞳面における照明光の分布と、撮像光学系の開口数との関係を示す図である。 マークを構成する回折格子(精検マーク)の格子パターンと、回折光の重なりにより生じるモアレ縞とを示す図である。 回折格子の格子パターンを示す図である。 インプリント処理を説明するための図である。 モールドMのマークおよび基板Wのマークの従来の構成例を示す図である。 実施例1におけるモールドMのマークおよび基板Wのマークの構成例を示す図である。 実施例1において撮像部で得られる画像を示す図である。 位置合わせ処理および重ね合わせ検査を示すフローチャートである。 実施例2におけるモールドMのマークおよび基板Wのマークの構成例を示す図である。 実施例2において撮像部で得られる画像を示す図である。 第2実施形態におけるモールドMのマークおよび基板Wのマークの構成例を示す図である。 第2実施形態において撮像部で得られる画像を示す図である。 第3実施形態において撮像部で得られる画像を示す図である。 物品の製造方法を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材ないし要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
本発明に係る第1実施形態のインプリント装置100について説明する。ここでは、光硬化法を用いたインプリント装置について説明する。図1(a)および図1(b)は、本実施形態のインプリント装置100の構成を示す概略図である。インプリント装置100は、モールドM(原版)を用いて基板上のインプリント材にパターン形成を行うインプリント処理を行う。インプリント装置100は、例えば、所定の凹凸パターンが形成されたモールドMを保持するインプリントヘッド1と、基板Wを保持して移動可能な基板ステージ2と、撮像部6と、制御部10とを含みうる。また、インプリント装置100は、図1には図示していないが、基板上にインプリント材を供給(吐出)する供給部(ディスペンサ)も含みうる。
インプリント装置100は、インプリントヘッド1によりモールドMと基板Wとの間隔を狭めて、基板上に供給されたインプリント材にモールドM(パターン面)を接触させる。そして、モールドMと基板上のインプリント材とを接触させた状態で、当該インプリント材に紫外線7を照射して当該インプリント材を硬化させ、硬化したインプリント材からモールドMを引き離す(離型する)。これにより、基板上にインプリント材のパターンを形成することができる。
また、インプリント装置100には、モールドMに設けられたマーク4と基板Wに設けられたマーク5とを撮像(観察)する撮像部6(スコープ)が設けられる。撮像部6は、図1(a)に示すように、インプリントヘッド1の内部に配置されうるが、インプリントヘッド1の内部に撮像部6を配置することが困難である場合には、図1(b)に示すように、インプリントヘッド1の外部に配置されてもよい。図1(b)に示す例では、撮像部6は、結像光学系8を介してモールドMのマーク4と基板Wのマーク5とを撮像することができる。また、撮像部6は、モールドMのマーク4からの光と基板Wのマーク5からの光によって生成されるモアレ縞を撮像することができる。図1(b)に示す結像光学系8は、インプリント材を硬化させるための紫外線7を反射し、撮像部6からの光を透過する特性を有するプリズム8aなどの光学部材を含みうる。
ここで、撮像部6により撮像されるマーク4およびマーク5はそれぞれ、精検マークと粗検マークとをマーク要素として含みうる。精検マークは、高精度にモールドMと基板Wとの相対位置を検出するためのマークであり、例えば回折格子を有しうる。粗検マークは、精検マークより低い精度でモールドMと基板Wとの相対位置を検出するため、即ち、精検マークの位置を特定するためのマークである。精検マークおよび粗検マークを概念的に説明すると、例えば、モールドMと基板Wとの相対位置が2桁の値で表される場合、十の位での相対位置を粗検マークによって計測し、一の位での相対位置を精検マークによって計測することができる。精検マークおよび粗検マークの詳細については後述する。
制御部10は、例えばCPUやメモリなどを含み、インプリント装置100の全体(インプリント装置100の各部)を制御する。例えば、制御部10は、撮像部6で得られた画像に基づいて、インプリントヘッド1や基板ステージ2をXY方向に移動させて、モールドMと基板Wとの位置合わせ処理(アライメント処理)を制御することができる。また、制御部10は、撮像部6で得られた画像に基づいて、インプリント材に形成されたパターンと基板Wに既に形成されているパターンとの重ね合わせ検査を制御することができる。このように本実施形態の制御部10は、位置合わせ処理や重ね合わせ検査を行う処理部としての機能を有するが、該処理部と別体として構成されてもよい。
撮像部の構成
次に、撮像部6の構成について詳細に説明する。図2は、撮像部6の構成の一例を示す概略図である。撮像部6は、撮像光学系21と、照明光学系22と、撮像素子25(例えばCCDセンサやCMOSセンサ)とを含みうる。撮像光学系21の光路と照明光学系22の光路とは、一部が重なり、その重なった部分には、プリズム24などの光学部材が配置されている。この構成では、撮像光学系21の光軸の一部と照明光学系22の光軸の一部とが共通となる。
照明光学系22は、光源23からの光を、プリズム24によって撮像光学系21と同一の光軸上に導き、モールドMのマーク4および基板Wのマーク5を照明する。光源23は、紫外線7の波長とは異なる波長の光を射出するものであるとよく、例えば、ハロゲンランプやLEDなどを含みうる。本実施形態では、インプリント材を硬化させるための光として紫外線7を用いているため、光源23は、可視光や紫外線を射出するものが用いられうる。
撮像光学系21は、照明光学系22によって照明されたマーク4とマーク5とを、撮像素子25の受光面上に結像する。例えば、撮像光学系21は、マーク4の精検マーク(回折格子)およびマーク5の精検マーク(回折格子)で回折された光によって生成されるパターン(モアレ縞)を、撮像素子25の受光面上に結像する。これにより、撮像素子25は、モールドMのマーク4および基板Wのマーク5で生成されるモアレ画像を撮像することができる。このように撮像部6(撮像素子25)で得られた画像データは制御部10に送信され、制御部10は、当該画像におけるマークの位置に基づいて発生するモアレの位相を解析することで、モールドMと基板Wとの相対位置を求めることができる。
撮像光学系21と照明光学系22とが共有するプリズム24は、撮像光学系21および照明光学系22の瞳面もしくはその近傍に配置されていることが好ましい。プリズム24は、その貼り合わせ面において、照明光学系22の瞳面の周辺部分の光を反射するための反射膜24aを有する。反射膜24aは、照明光学系22の瞳面における照明光の分布(形状)を規定する開口絞りとして機能する。また、反射膜24aは、撮像光学系21の瞳の大きさ(または、撮像光学系21の開口数NA)を規定する開口絞りとしても機能しうる。
プリズム24は、貼り合わせ面に半透膜を有するハーフプリズムであってもよいし、表面に反射膜を有する板状の光学素子などに置換されてもよい。また、照明光学系22の照明光の分布や撮像光学系21の瞳の大きさを変化させることができるように、開口形状が互いに異なる複数のプリズム24を設けてもよい。この場合、複数のプリズム24は、ターレットやスライド機構などの切り替え機構によって、光路上に配置されるプリズムを交換可能に構成されうる。なお、本実施形態では、照明光学系22の瞳面における照明光の分布をプリズム24の反射膜24aで規定しているが、例えば、照明光学系22の瞳位置にメカ絞りやガラス面に描画した絞りなどを配置することによっても規定することができる。
図3は、照明光学系22の瞳面における照明光の分布(IL1~IL4)と、撮像光学系21の開口数NAとの関係を示す図である。本実施形態では、照明光学系22の瞳面における照明光の分布は、IL1~IL4の4つの極からなる。上述したように、開口絞りとして機能する反射膜24aを照明光学系22の瞳面に配置することで、複数の極(IL1~IL4)を有する光強度分布を1つの光源23から形成することができる。このように複数の極(ピーク)を有する光強度分布を形成する場合、複数の光源を必要としないため、撮像部6を簡略化または小型化することができる。
図4(a)~(d)は、マークを構成する回折格子(精検マーク)の格子パターンと、回折光の重なりにより生じるモアレ縞とを示す図である。図4(a)~(b)は、互いに格子パターンの周期が僅かに異なる回折格子31~32をそれぞれ示す図である。これらの回折格子31~32を重ね合わせると、図4(c)に示すように、それぞれの回折格子からの回折光により、周期の差を反映した周期をもつパターン(モアレ縞)が発生する。モアレ縞の位相(明暗の位置)は、回折格子同士の相対位置に応じて変化する。例えば、回折格子31~32をX方向に相対的に少しだけずらすと、図4(c)に示すモアレ縞は、図4(d)に示すように変化する。このモアレ縞の位相は、2つの回折格子が実際に変化した相対位置の大きさよりも大きな周期で変化するため、撮像部6の解像力が低くても、精度よく2つの回折格子の相対位置を計測することができる。即ち、モールドMのマーク4および基板Wのマーク5を、互いに周期が僅かに異なる回折格子でそれぞれ構成し、モアレ縞を観察することによりモールドMと基板Wとの相対位置を計測することができる。
図5(a)~(d)は、本実施形態のマークを構成する回折格子の格子パターンを示す図である。モアレ縞を明視野(垂直方向から照明し、垂直方向から回折光を検出)の構成で検出しようとすると、ゼロ次光の影響によりモアレ縞のコントラストが下がってしまう。そこで、本実施形態では、マークを斜め方向から照明する暗視野の構成でモアレ縞を検出することができるように、モールドMのマーク4および基板Wのマーク5のうちいずれか一方を、図5(a)や(c)に示すようなチェッカーボード状の回折格子にしている。
図3に示すように極IL1~IL4を有する光強度分布の照明光で、図5(a)~(b)に示す回折格子の組み合わせを照明すると、図5(a)の回折格子に入射した光はY方向にも回折する。この回折光は、X方向の相対位置情報を持って撮像光学系21(NA)に入射し、撮像素子25で検出される。そのため、撮像素子25で得られた画像に基づいて、X方向における当該2つの回折格子の相対位置を計測することができる。ここで、図5(a)~(b)に示す回折格子の組み合わせでは、それらの相対位置を計測する際に極IL1~IL2からの照明光が使用され、極IL3~IL4からの照明光は使用されない。
同様に、図3に示すように極IL1~IL4を有する光強度分布の照明光で、図5(c)~(d)に示す回折格子の組み合わせを照明すると、図5(c)の回折格子に入射した光はX方向にも回折する。この回折光は、Y方向の相対位置情報を持って撮像光学系21(NA)に入射し、撮像素子25で検出される。そのため、撮像素子25で得られた画像に基づいて、Y方向における当該2つの回折格子の相対位置を計測することができる。ここで、図5(c)~(d)に示す回折格子の組み合わせでは、それらの相対位置を計測する際に極IL3~IL4からの照明光が使用され、極IL1~IL2からの照明光は使用されない。
このように、本実施形態の撮像部6は、図3に示す光強度分布の照明光を用いて、図5に示す回折格子を撮像することにより、それにより得られた画像から2方向(X方向、Y方向)の相対位置を計測することができる。即ち、図5(a)~(b)に示す回折格子の組と、図5(c)~(d)に示す回折格子の組とを、撮像部6の同一視野内に配置して撮像することにより、2方向(X方向、Y方向)の相対位置を同時に且つ高精度に計測することができる。
インプリント処理
次に、インプリント装置100によるインプリント処理について説明する。図6は、インプリント処理を説明するための図であり、モールドMと基板Wとが示されている。インプリント処理では、図6(a)に示すように、液滴としてのインプリント材3が供給された基板WをモールドMの下方に配置する。なお、ショット領域毎に基板上へインプリント材3を供給してもよいし、基板全面に一括して予めインプリント材3を供給してもよい。そして、図6(b)に示すように、モールドMと基板Wとの間隔を狭めて、モールドMを基板上のインプリント材3に接触させ、モールドMの凹凸パターンにインプリント材を充填させる。図6(a)~(b)に示す工程(パターン形成時)では、モールドMのマーク4と基板Wのマーク5とを撮像部6で撮像して得られた画像に基づいて、モールドMと基板Wとの位置合わせ処理が行われる。位置合わせ処理が終了したら、モールドMを介して基板上のインプリント材3に光(紫外線7)を照射して該インプリント材3を硬化し、図6(c)に示すように、硬化したインプリント材3からモールドMを剥離(離型)する。このようにパターン形成が行われた基板上のインプリント材3には、図6(c)において転写マーク3aとして示すように、モールドMのマーク4が転写される。
マークの構成
モールドMと基板Wとの相対位置を計測するために使用されるマーク要素は、一般に、計測精度(相対位置の分解能)と計測レンジ(相対位置の計測可能範囲)とが相反する関係にある。例えば、上述したように、回折格子で構成されるマーク要素(精検マーク)は、モアレ縞の1周期内におけるモールドMと基板Wとの相対位置を高精度に計測することができるため、計測精度が高い。その一方、モアレ縞の周期ごと(周期分)のずれについては計測することができないため、計測レンジは狭い。したがって、モールドMのマーク4および基板Wのマーク5にはそれぞれ、計測精度は高いが計測レンジが狭い精検マークに加えて、計測精度は低いが計測レンジが広い粗検マークがマーク要素として設けられる。これらのマーク要素(精検マーク、粗検マーク)を撮像部6の同一視野内に収めて検出することで、高い計測精度と広い計測レンジとを両立させることができる。つまり、粗検マークの検出結果を用いて精検マークの位置を特定し、精検マークが所望の計測レンジ内に入るようにモールドMと基板Wとの相対位置を調整することができる。
図7は、モールドMのマーク4および基板Wのマーク5の従来の構成例を示す図である。図7(a)は、モールドMのマーク4の従来の構成例を示しており、当該マーク4は、回折格子で構成された精検マーク41と、精検マークの位置を特定して計測レンジ内に収めるための粗検マーク42とを有しうる。また、図7(b)は、基板Wのマーク5の従来の構成例を示しており、当該マーク5は、チェッカーボード状の回折格子で構成された精検マーク51と、精検マークの位置を特定するための粗検マーク52とを有しる。モールドMのマーク4における精検マーク41と基板Wのマーク5における精検マーク51とを重ね合わせることにより、モアレ縞を生成することができる。
図7(c)は、インプリント処理時の位置合わせ処理において、図7(a)に示すマーク4と図7(b)に示すマーク5とが重なった状態を撮像部6で撮像して得られた画像60を示している。制御部10は、画像内(画像60内)における粗検マーク群42、52の相対位置に基づいて粗合わせを行う(即ち、精検マーク41、45の位置を計測レンジ内に収める)とともに、精検マーク41、51の位置(周期)を特定する。これにより、精検マーク41、51により生成されたモアレ縞61に基づいて、モールドMと基板Wとの相対位置を求めることができる。
ここで、モールドMは、例えば石英など、紫外線7を透過する材料で作製され、基板上に供給されるインプリント材に対して屈折率の差が小さい。そのため、モールドMとインプリント材とが接触し、凹部として形成されたモールドMのマーク4にインプリント材が充填されると、撮像部6によってモールドMのマーク4を検出することが困難になる。そこで、モールドMのマーク4(精検マーク41、粗検マーク42)は、蒸着等により形成された金属膜を有し、モールドMとインプリント材とが接触した状態であっても撮像部6で検出することができるように構成されている。
また、撮像部6で得られる画像60では、モールドMのマーク4と基板Wのマーク5とで信号強度が互いに近いことが、安定したマーク計測を行う上で好ましい。そのため、モールドMのマーク4では、撮像部6で得られた画像における信号強度が基板Wのマーク5の信号強度に近づくように、マークの大きさ(寸法)や金属膜の厚さが調整されうる。
重ね合わせ検査
インプリント装置100では、ダイバイダイアライメント方式を採用しているため、基板Wに既に形成されているパターンと、基板上のインプリント材に形成されたパターンとの重ね合わせ精度が、ショット領域ごとに異なることがある。そのため、インプリント装置100では、そのような重ね合わせ精度の検査結果を以降のインプリント処理に速やかに反映させることができるように、当該重ね合わせ精度を装置内で検査することが望まれる。また、このとき、位置合わせ処理と重ね合わせ検査とにおいて、撮像部6の倍率などの撮像条件を同様にして基板Wを撮像することが好ましい。
例えば、重ね合わせ検査は、図7(d)に示すように、基板Wのマークと基板上のインプリント材に形成(転写)されたマークとを撮像部6により撮像して得られた画像70に基づいて行われる。図7(d)に示す画像70において、粗検マーク42’は、モールドMの粗検マーク42を基板上のインプリント材に転写することにより該インプリント材に形成されたマークを示している。また、モアレ縞61’は、モールドMの精検マーク41が基板Wの精検マーク51上のインプリント材に転写されることによって形成されたモアレ縞を示している。
重ね合わせ検査において撮像部6で得られた画像70では、インプリント材に形成された粗検マーク42’の信号強度が、基板Wの粗検マーク52の信号強度と比べて非常に小さくなる。特に前述したように、インプリント処理時に信号強度が合うようにマークの大きさなどを調整している場合、粗検マークの材料が変わるため顕著に差異が出る。したがって、重ね合わせ検査では、精検マークの位置を特定するために用いるべき粗検マーク群を、位置合わせ処理と同様の条件下で選択してしまうと、当該粗検マーク群を見つけることができなかったり、粗検マークを誤検出してしまったりしうる。
そこで、本実施形態の制御部10は、撮像部6で得られた画像において精検マークの位置を特定するために用いるべき粗検マーク群を、位置合わせ処理と重ね合わせ検査とで変更する(異ならせる)。具体的には、位置合わせ処理では、撮像部6で得られた画像において、第1位置関係で配置された粗検マーク群を選択し、その選択された粗検マーク群の位置に基づいて、精検マークの位置を特定する。一方、重ね合わせ検査では、第1位置関係とは異なる第2位置関係で配置された粗検マーク群を選択し、その選択された粗検マーク群の位置に基づいて、精検マークの位置を特定する。以下に、本実施形態の詳細について説明する。
[実施例1]
本実施形態の実施例1について説明する。図8は、本実施形態の実施例1における、モールドMのマーク4および基板Wのマーク5の構成例を示す図である。図8(a)は、モールドMのマーク4の構成例を示し、図8(b)は、基板Wのマーク5の構成例を示している。また、図9は、撮像部6で得られる画像を示す図である。図9(a)は、位置合わせ処理において撮像部6で得られた画像60を示し、図9(b)は、重ね合わせ検査において撮像部6で得られた画像70を示している。ここで、「撮像部6で得られる画像」とは、撮像部6の視野、即ち、撮像素子の25の撮像可能領域(観察可能領域)のことをいう。
まず、実施例1に係る位置合わせ処理について、図10(a)を参照しながら説明する。図10(a)は、位置合わせ処理を示すフローチャートである。S11では、制御部10は、図9(a)に示すように、撮像部6で得られた画像60のうち、精検マークの位置の特定に用いる粗検マーク群の探索範囲を、第1範囲Rに設定する。探索範囲とは、画像において粗検マーク群の探索処理を行う範囲(計測範囲ともいう)である。S12では、制御部10は、第1範囲Rに設定された探索範囲内から、第1位置関係で配置された粗検マーク群を選択(探索)する。第1位置関係の情報は、インプリント装置100に設けられたユーザインターフェースを介してユーザによって事前に設定され、本実施形態では、Y方向に配列された2個の粗検マークの位置関係が第1位置関係として設定される。図9(a)に示す例では、モールドMの粗検マーク42と基板Wの粗検マーク52aとが、第1位置関係で配置された粗検マーク群として選択される。S13では、制御部10は、選択した粗検マーク群に基づいてモールドMと基板Wとの位置合わせを行う。S14では、制御部10は、選択した粗検マーク群に基づいて精検マークの位置を特定する。S15では、制御部10は、精検マークにおけるモアレ縞61に基づいて、モールドMと基板Wとの位置合わせを行う。
次に、実施例1に係る重ね合わせ検査について、図10(b)を参照しながら説明する。図10(b)は、重ね合わせ検査を示すフローチャートである。S21では、制御部10は、図9(b)に示すように、撮像部6で得られた画像70のうち、精検マークの位置の特定に用いる粗検マーク群の探索範囲を、第2範囲Rに設定する。第2範囲Rは、探索範囲に含まれる粗検マークの数が位置合わせ処理より多くなるように、第1範囲Rより広い範囲に設定される。
S22では、制御部10は、第2範囲Rに設定された探索範囲内から、第2位置関係で配置された粗検マーク群を選択(探索する)。重ね合わせ検査で用いられる画像70は、インプリント材に形成された粗検マーク42’を含み、この粗検マーク42’は、画像70における信号強度が非常に小さい。そのため、精検マークの位置を特定するための粗検マーク群の一部として、インプリント材に形成された粗検マーク42’を選択することは好ましくない。したがって、実施例1では、インプリント材に形成されたマーク42’が選択されないように、基板Wの粗検マーク52a~52cの位置関係が第2位置関係としてユーザインターフェースを介してユーザにより事前に設定される。これにより、制御部10は、画像70において第2位置関係で配置された粗検マーク52a~52cを、精検マークを特定するための粗検マーク群として選択することができる。S23では、制御部10は、選択した粗検マーク群に基づいて精検マークの位置を特定する。S24では、制御部10は、精検マークにおけるモアレ縞61’に基づいて、モールドMと基板Wとの重ね合わせ誤差を求める(算出する)。
ここで、第2位置関係は、位置合わせ処理で選択される粗検マーク群と、重ね合わせ検査で選択される粗検マーク群とが、少なくとも1つの基板Wの粗検マークを共通に含むように設定されるとよい。これにより、位置合わせ処理時において粗検マーク群の位置から精検マークの位置を特定する際に用いた情報を、重ね合わせ検査時に参照する(用いる)ことができる。つまり、精検マークの位置を特定する精度を、位置合わせ処理と重ね合わせ検査とで近づける(合わせる)ことができる。図9(b)に示す例では、位置合わせ処理と重ね合わせ検査とにおいて、基板Wの粗検マーク52aが共通に選択されうる。
また、第1範囲R1で計測する際、粗検マークとしてマーク42と52aとの位置関係を持ったパターンを探索する。このため、第2範囲R2で使用するマーク52bと52cとの位置関係が、上記マーク42と52との位置関係でない方がよい。第2範囲R2で使用するマークの個数を変えてもよい。
上述したように、位置合わせ処理では、撮像部6で得られた画像60において、第1位置関係で配置された粗検マーク群に基づいて精検マークの位置を特定する。一方、重ね合わせ処理では、撮像部6で得られた画像70において、第1位置関係とは異なる第2位置関係で配置された粗検マーク群に基づいて精検マークの位置を特定する。これにより、位置合わせ処理と重ね合わせ検査において、同じ撮像条件で撮像部6による撮像を行うことができる。また、重ね合わせ検査において、インプリント材に形成された粗検マークが、精検マークの位置を特定するために用いる粗検マーク群の一部として選択されることを回避し、精度よく重ね合わせ検査を行うことができる。
[実施例2]
本実施形態の実施例2について説明する。実施例2では、重ね合わせ検査において、精検マークの位置の特定に用いられる粗検マーク群が、基板Wに既に形成されているパターンの一部を含む。これにより、重ね合わせ検査のみで用いられる粗検マークを基板Wに新たに設けなくても、精検マークの位置を精度よく特定することができる。
図11は、本実施形態の実施例2における、モールドMのマーク4および基板Wのマーク5の構成例を示す図である。図11(a)は、モールドMのマーク4の構成例を示し、図11(b)は、基板Wのマーク5の構成例を示している。図11(b)には、マーク5に加えて、基板Wに既に形成されているパターンの一部53が示されている。また、図12は、撮像部6で得られる画像を示す図である。図12(a)は、位置合わせ処理において撮像部6で得られた画像60を示し、図12(b)は、重ね合わせ検査において撮像部6で得られた画像70を示している。
実施例2に係る位置合わせ処理は、実施例1と同様に、図10(a)に示すフローチャートに従って行われる。具体的には、制御部10は、図12(a)に示すように、第1範囲Rに設定された探索範囲内から、第1位置関係で配置された粗検マーク群(モールドMの粗検マーク42、基板Wの粗検マーク52)を選択する。そして、選択された粗検マーク群の位置に基づいて精検マークの位置を特定し、精検マークによるモアレ縞61に基づいてモールドMと基板Wとの位置合わせを行う。
実施例2に係る重ね合わせ検査も、実施例1と同様に、図10(b)に示すフローチャートに従って行われる。具体的には、制御部10は、図12(b)に示すように、第2範囲Rに設定された探索範囲内から、第2位置関係で配置された粗検マーク群を選択する。ただし、実施例2では、第2位置関係は、基板Wに既に形成されたパターンの一部53を、精検マークの位置を特定するための粗検マーク群の一部として用いるように設定されうる。そして、選択された粗検マーク群(モールドMの粗検マーク42、基板Wのパターンの一部53)の位置に基づいて精検マークの位置を特定し、精検マークにおけるモアレ縞61’に基づいて、モールドMと基板Wとの重ね合わせ誤差を求める。
このように、重ね合わせ検査において、精検マークの位置の特定に用いられる粗検マーク群の一部として、基板に既に形成されたパターンの一部を用いても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
<第2実施形態>
本発明に係る第2実施形態のインプリント装置について説明する。第2実施形態のインプリント装置は、第1実施形態のインプリント装置100と同様の構成を有する。第2実施形態のインプリント装置は、基板上に設けられた第1マークとモールドMのマークとを撮像部6で撮像して得られた第1画像に基づいて位置合わせ処理を行う。また、第1マークとは異なる基板上の位置に設けられた第2マークをモールドMを介さずに撮像部6で撮像して得られた第2画像に基づいて重ね合わせ検査を行う。
図13(a)は、モールドMの互いに異なる位置に設けられた第1マーク4aおよび第2マーク4bを示す図であり、図13(b)は、基板Wの互いに異なる位置に設けられた第1マーク5aおよび第2マーク5bを示す図である。また、図14(a)は、位置合わせ時において、モールドMのマーク(図13(a))と基板Wのマーク(図13(b))とを重ね合わせて撮像部6で撮像することにより得られた画像60を示す図である。図14(a)における左側の画像60aは、モールドMの第1マーク4aと基板Wの第1マーク5aとを重ねて撮像することにより得られる画像である。また、右側の画像60bは、モールドMの第2マーク4bと基板Wの第2マーク5bとを重ねて撮像することにより得られる画像である。図14(b)は、重ね合わせ検査において、モールドMを介さずに、基板Wのマーク(図13(a))と基板上のインプリント材に形成(転写)されたマークとを撮像部6で撮像することにより得られた画像を示す図である。図14(b)の左側の画像70aは、基板Wの第1マーク5aを撮像して得られる画像であり、右側の画像70bは、基板Wの第2マーク5bを撮像して得られる画像である。
位置合わせ処理では、モールドMの第1マーク4aと基板Wの第1マーク5aとを重ねて撮像部6で撮像することにより得られた画像60a(第1画像)に基づいて行われる。モールドMの第1マーク4aは、図13(a)に示すように、精検マーク41(回折格子)と粗検マーク42とを含むように構成される。また、基板Wの第1マーク5aは、図13(b)に示すように、精検マーク51(回折格子)と粗検マーク52とを含むように構成される。したがって、モールドMの第1マーク4aと基板Wの第1マーク5aとを重ねて撮像部6に撮像させると、図14(a)の左側の画像60a(第1画像)が得られる。制御部10は、第1画像60a内における粗検マーク群(42、52)の位置に基づいて、精検マークの位置(周期)を特定し、精検マークにより生成されたモアレ縞61に基づいて、モールドMと基板Wとの相対位置を求めることができる。
一方、重ね合わせ検査では、図14(b)の左側の画像70aに示すように、基板上のインプリント材に転写された粗検マーク42’の信号強度は、基板Wの粗検マーク52の信号強度と比べて非常に小さくなる。そのため、本実施形態の重ね合わせ検査では、図14(b)の右側の画像(基板Wの第2マーク5bを撮像することで得られた画像70b(第2画像))に基づいて行われる。基板Wの第2マーク5bは、第2画像70bのマーク構成が第1画像60aのマーク構成と同じになるように構成されている。具体的には、モールドMの第2マーク4bは、図13(a)に示すように、粗検マークを含まずに、精検マーク41のみを含むように構成される。また、基板Wの第2マーク5bは、モールドMの第2マーク4bにおける粗検マークを補填するように、複数の粗検マーク52を含むように構成される。
このような構成により、位置合わせ処理において用いられる第1画像60aと、重ね合わせ検査に用いられる第2画像70bとにおいて、同じマーク構成で同様の信号強度を得ることができる。そのため、位置合わせ処理と重ね合わせ処理とを、撮像部6の撮像条件および粗検マークの探索条件を変更せずに行うことができる。
<第3実施形態>
本発明に係る第3実施形態のインプリント装置について説明する。第3実施形態のインプリント装置は、第1実施形態のインプリント装置100と同様の構成を有する。第3実施形態のインプリント装置は、基板上に設けられた第1マークとモールドMのマークとを撮像部6で撮像して得られた第1画像に基づいて位置合わせ処理を行う。
この際、基板側の製造誤差により第1マークの大きさがばらついたり、基板上に構成した多層膜の関係により第1マークからの信号強度が変化したりすることがある。特に、粗検マークは、基板上に設けられたマークとモールドMのマーク間で、構造や材料が異なっているので、信号強度差が変化することがある。変化が許容範囲内であれば、そのまま計測することができる。しかし、計測可能レンジを超える信号強度変化が発生した場合には、粗検マークを計測できなくなってしまい、アライメント計測を行うことができなくなる恐れがある。
このような問題に対して、上述の実施形態で説明したマーク構成により、対応することができる。例えば、図9で説明したマーク構成の場合について説明する。図9(a)に示すように、通常インプリント時のマーク検出は、精検マーク61とモールドMの粗検マーク42、基板Wの粗検マーク52aでアライメント計測を行う。上述したように、アライメント計測では、得られた画像60から探索処理を早く行う必要があるため、検出範囲である第1範囲Rをなるべく小さくしている。この際、粗検マーク52aに不具合があり検出できない場合は、アライメント計測を行うことができない。
そこで、粗検マーク52aに不具合が生じた場合には、アライメント計測時に基板Wの粗検マーク52bと52cを用いる。粗検マーク52aが使用できない場合、図9(b)に示すように検出範囲を第2範囲Rに設定する。このように検出範囲を広げて、粗検マーク52bと52cを検出範囲に含める。粗検マーク52b(52c)と粗検マーク42との相対位置を求めることで、モールドMと基板Wとの位置合わせを行う。これにより、粗検マーク52aに不具合があった場合でも、アライメント計測を行うことができる。
また、粗検マーク52aの信号強度が粗検マーク42や精検マーク61と大きく異なる場合、調光をかけても精検マーク61とモールドMの粗検マーク42、基板Wの粗検マーク52a間で適した信号強度を得られない場合がある。
そこで、図15に示すように、例えば基板Wの粗検マーク52dを粗検マーク52aより小さくしたり、基板Wの粗検マーク52eを粗検マーク52aより大きくしたりすることができる。図15は、インプリント時のマーク検出時の状態を示している。図15に示すように、様々な大きさの基板Wの粗検マークを形成することで、粗検マーク52aがアライメント計測に適さない場合、適当な粗検マーク(52dまたは52e)を選択することで信号強度を調整することができる。図15に示すように、第1マークとは異なる基板上の位置に設けられた第2マークの形状を変えることによって、基板Wの粗検マークからの光の強度(信号強度)を調整することができる。
追加するマーク(第2マーク)は、基板Wの粗検マークとは限らず、モールドMの粗検マークであってもよい。その場合は、基板Wの粗検マーク52aと近しい信号強度を持つモールドMの粗検マークを選択する。さらに、基板WとモールドMの粗検マークをいくつかずつ構成しておき、最も適切な信号強度が得られる組み合わせを選択してもよい。信号強度の調整は、マークの大きさだけではなく、セグメントの度合や形状などで行ってもよい。
さらに、第2実施形態に示したように、基板上に形成されたパターンの一部でも、事前にパターンを取得し、信号強度比を計測しておくことで、同様の計測を行うことができる。
このような構成により、位置合わせ処理において基板Wの粗検マーク52aに不具合があった場合にも、エラーで停止することなくアライメント計測を続けることができる。例えば、実デバイス製造時など大量の基板に対してアライメント計測を行う場合のエラー回避となりうる。
<物品の製造方法の実施形態>
本発明の実施形態にかかる物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、基板に供給(塗布)されたインプリント材に上記のインプリント装置(インプリント方法)を用いてパターンを形成する工程と、かかる工程でパターンを形成された基板を加工する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
インプリント装置を用いて成形した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。
硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入等が行われた後、レジストマスクは除去される。
次に、物品の具体的な製造方法について説明する。図16(a)に示すように、絶縁体等の被加工材2zが表面に形成されたシリコンウェハ等の基板1zを用意し、続いて、インクジェット法等により、被加工材2zの表面にインプリント材3zを付与する。ここでは、複数の液滴状になったインプリント材3zが基板上に付与された様子を示している。
図16(b)に示すように、インプリント用の型4zを、その凹凸パターンが形成された側を基板上のインプリント材3zに向け、対向させる。図16(c)に示すように、インプリント材3zが付与された基板1zと型4zとを接触させ、圧力を加える。インプリント材3zは型4zと被加工材2zとの隙間に充填される。この状態で硬化用のエネルギーとして光を型4zを通して照射すると、インプリント材3zは硬化する。
図16(d)に示すように、インプリント材3zを硬化させた後、型4zと基板1zを引き離すと、基板1z上にインプリント材3zの硬化物のパターンが形成される。この硬化物のパターンは、型の凹部が硬化物の凸部に、型の凸部が硬化物の凹部に対応した形状になっており、即ち、インプリント材3zに型4zの凹凸パターンが転写されたことになる。
図16(e)に示すように、硬化物のパターンを耐エッチングマスクとしてエッチングを行うと、被加工材2zの表面のうち、硬化物が無いか或いは薄く残存した部分が除去され、溝5zとなる。図16(f)に示すように、硬化物のパターンを除去すると、被加工材2zの表面に溝5zが形成された物品を得ることができる。ここでは硬化物のパターンを除去したが、加工後も除去せずに、例えば、半導体素子等に含まれる層間絶縁用の膜、つまり、物品の構成部材として利用してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1:インプリントヘッド、2:基板ステージ、4:モールドMのマーク、5:基板Wのマーク、6:撮像部(スコープ)、10:制御部

Claims (13)

  1. 原版を用いて基板上のインプリント材にパターン形成を行うインプリント装置であって、
    前記基板を撮像する撮像部と、
    前記撮像部で得られた画像内の精検マークおよび粗検マークに基づいて、前記パターン形成時における前記原版と前記基板との位置合わせ処理、および、前記インプリント材に形成されたパターンと前記基板との重ね合わせ検査を行う処理部と、
    を含み、
    前記処理部は、前記撮像部で得られた画像において精検マークの位置を特定するために用いるべき粗検マーク群を、前記位置合わせ処理と前記重ね合わせ検査とで変更するものであり、
    前記粗検マーク群は、前記原版に設けられた1以上の粗検マークおよび前記基板に設けられた複数の粗検マークの中から選択され、
    前記位置合わせ処理で用いられる前記粗検マーク群としての第1粗検マーク群は、前記原版における前記1以上の粗検マークと前記基板における前記複数の粗検マークの少なくとも1つとから成り、
    前記重ね合わせ検査で用いられる前記粗検マーク群としての第2粗検マーク群は、前記基板における前記複数の粗検マークの少なくとも2つから成る、ことを特徴とするインプリント装置。
  2. 原版を用いて基板上のインプリント材にパターン形成を行うインプリント装置であって、
    前記基板を撮像する撮像部と、
    前記撮像部で得られた画像内の精検マークおよび粗検マークに基づいて、前記パターン形成時における前記原版と前記基板との位置合わせ処理、および、前記インプリント材に形成されたパターンと前記基板との重ね合わせ検査を行う処理部と、
    を含み、
    前記処理部は、
    前記撮像部で得られた画像において精検マークの位置を特定するために用いるべき粗検マーク群を、前記位置合わせ処理と前記重ね合わせ検査とで変更するものであり、
    前記撮像部で得られた画像のうち、前記精検マークの位置の特定に用いる粗検マーク群の探索範囲を、前記位置合わせ処理より前記重ね合わせ検査の方が広くなるように設定する、ことを特徴とするンプリント装置。
  3. 前記撮像部は、前記位置合わせ処理と前記重ね合わせ検査とにおいて、同じ倍率で前記基板を撮像する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインプリント装置。
  4. 前記処理部は、
    前記位置合わせ処理では、前記撮像部で得られた画像において、第1位置関係で配置された粗検マーク群の位置に基づいて前記精検マークの位置を特定し、
    前記重ね合わせ検査では、前記撮像部で得られた画像において、前記第1位置関係とは異なる第2位置関係で配置された粗検マーク群の位置に基づいて前記精検マークの位置を特定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  5. 前記位置合わせ処理では、
    前記撮像部は、前記原版を介して前記基板を撮像し、
    前記第1位置関係で配置された粗検マーク群は、前記原版に設けられた粗検マークと前記基板に設けられた粗検マークとから成る、ことを特徴とする請求項4に記載のインプリント装置。
  6. 前記重ね合わせ検査では、
    前記撮像部は、前記原版を介さずに前記基板を撮像し、
    前記第2位置関係で配置された粗検マーク群は、前記基板に設けられた粗検マークから成る、ことを特徴とする請求項4又は5に記載のインプリント装置。
  7. 前記第2位置関係で配置された粗検マーク群は、前記基板に既に形成されているパターンの一部を含む、ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  8. 前記位置合わせ処理において前記精検マークの位置の特定に用いる粗検マーク群と、前記重ね合わせ処理において前記精検マークの位置の特定に用いる粗検マーク群とは、前記基板に設けられた共通の粗検マークを少なくとも1つ含む、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  9. 記処理部は、
    前記位置合わせ処理を、前記撮像部により前記第1粗検マーク群を撮像して得られた第1画像に基づいて行い、
    前記重ね合わせ検査を、前記原版を介さずに前記撮像部により前記第2粗検マーク群を撮像して得られた第2画像に基づいて行い、
    前記第1粗検マーク群および前記第2粗検マーク群は、前記第1画像における前記第1粗検マーク群のマーク構成と前記第2画像における前記第2粗検マーク群のマーク構成とが同じになるように、互いに異なる位置に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  10. 前記第2粗検マーク群は、前記パターン形成によって前記原版の前記1以上の粗検マークを転写することによって前記基板上の前記インプリント材に形成されたマークを含まない、ことを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  11. 前記第2粗検マーク群は、前記基板に設けられた前記複数の粗検マークのうち前記位置合わせ処理で用いられなかった少なくとも1つの粗検マークを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  12. 前記処理部は、
    前記位置合わせ処理では、前記撮像部で得られた画像において第1位置関係で配置された粗検マーク群を前記第1粗検マーク群として選択し、
    前記重ね合わせ検査では、前記撮像部で得られた画像において前記第1位置関係とは異なる第2位置関係で配置された粗検マーク群を前記第2粗検マーク群として選択する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載のインプリント装置を用いて基板上にパターンを形成する工程と、
    パターンが形成された前記基板を加工する工程と、を含み、
    加工された前記基板から物品を製造することを特徴とする物品の製造方法。
JP2019166495A 2018-10-11 2019-09-12 インプリント装置、および物品の製造方法 Active JP7378250B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US16/594,461 US11740554B2 (en) 2018-10-11 2019-10-07 Imprint apparatus and method of manufacturing article
KR1020190123550A KR102605547B1 (ko) 2018-10-11 2019-10-07 임프린트 장치 및 물품 제조 방법

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018192810 2018-10-11
JP2018192810 2018-10-11

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020077850A JP2020077850A (ja) 2020-05-21
JP7378250B2 true JP7378250B2 (ja) 2023-11-13

Family

ID=70724412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019166495A Active JP7378250B2 (ja) 2018-10-11 2019-09-12 インプリント装置、および物品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7378250B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013157548A (ja) 2012-01-31 2013-08-15 Canon Inc インプリント装置、および、物品の製造方法
JP2017103296A (ja) 2015-11-30 2017-06-08 キヤノン株式会社 インプリント装置および物品製造方法
JP2017199725A (ja) 2016-04-25 2017-11-02 キヤノン株式会社 計測装置、インプリント装置、物品の製造方法、光量決定方法、及び、光量調整方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013157548A (ja) 2012-01-31 2013-08-15 Canon Inc インプリント装置、および、物品の製造方法
JP2017103296A (ja) 2015-11-30 2017-06-08 キヤノン株式会社 インプリント装置および物品製造方法
JP2017199725A (ja) 2016-04-25 2017-11-02 キヤノン株式会社 計測装置、インプリント装置、物品の製造方法、光量決定方法、及び、光量調整方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020077850A (ja) 2020-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI654422B (zh) 測量裝置、壓印設備、製造產品的方法、光量確定方法及光量調整方法
KR101963636B1 (ko) 위치 검출 장치, 위치 검출 방법, 임프린트 장치 및 물품의 제조 방법
TWI651762B (zh) 對位裝置,對位方法,光蝕刻裝置,及物品製造方法
US9261802B2 (en) Lithography apparatus, alignment method, and method of manufacturing article
US8703035B2 (en) Imprint apparatus and method of manufacturing article
TWI522750B (zh) 標記位置量測裝置及方法、微影裝置及器件製造方法
JP7328806B2 (ja) 計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法
JP7414576B2 (ja) 位置計測装置、重ね合わせ検査装置、位置計測方法、インプリント装置および物品の製造方法
JP7152877B2 (ja) 検出装置、リソグラフィー装置および物品製造方法
KR102605547B1 (ko) 임프린트 장치 및 물품 제조 방법
JP7378250B2 (ja) インプリント装置、および物品の製造方法
JP2018194738A (ja) 位置計測装置、リソグラフィ装置、および物品製造方法
KR102478974B1 (ko) 위치 검출 장치, 위치 검출 방법, 임프린트 장치 및 물품의 제조 방법
JP7057094B2 (ja) 位置検出装置、インプリント装置および、物品製造方法
JP7057655B2 (ja) 計測装置、リソグラフィ装置、物品の製造方法、および計測方法
US20230294351A1 (en) Object alignment method, imprint method, article manufacturing method, detection apparatus, imprint apparatus, mold, and substrate
JP7374666B2 (ja) インプリント方法、前処理装置、インプリント用基板、および基板の製造方法
JP2024030557A (ja) 検出装置、リソグラフィー装置および物品製造方法
JP2022128225A (ja) 計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法
JP2023170174A (ja) 検出装置、リソグラフィ装置、物品製造方法および検出システム
JP2023086568A (ja) 計測装置、リソグラフィ装置、および物品製造方法
TW202411769A (zh) 檢測裝置、微影蝕刻設備及物品製造方法
JP2023019089A (ja) 位置検出装置、インプリント装置、および物品製造方法
KR20210149609A (ko) 검출기, 임프린트 장치 및 물품 제조방법
JP2023056347A (ja) 計測装置、計測方法、リソグラフィ装置、および物品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20210103

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210113

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230515

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230525

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230712

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231002

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231031

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7378250

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151