JP7376742B1 - ターゲット組立体およびターゲット組立体の製造方法 - Google Patents

ターゲット組立体およびターゲット組立体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材と銅合金製バッキングプレートとの間やタングステンターゲットとインサート材との間の金属間化合物層の形成を抑制し、接合強度の低下を防止したターゲット組立体及びターゲット組立体の製造方法を提供する。【解決手段】 タングステン又はモリブデンからなるターゲットと銅又は銅合金製のバッキングプレートと間にアルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材を挟んで拡散接合に接合したターゲット組立体において、前記ターゲットと前記インサート材との間、および前記バッキングプレートと前記インサート材と間のそれぞれに、Ti、V、Cr、Nb、Pd、Ir、Ptおよびこれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなり、0.1μmより大きく、3.0μm以下の厚さを有する金属薄膜層を介して拡散接合された、ターゲット組立体。【選択図】 なし

Description

本発明は、ターゲット組立体およびターゲット組立体の製造方法に関する。
ハイパワースパッタに耐えうるスパッタリングターゲットとバッキングプレートの接合方法として拡散接合は有効な方法であることが知られている。そして、近年ウエハーの大口径化に伴いスパッタリングターゲット自体も大型化しており、特にターゲット材とバッキングプレート材の熱膨張率の差が大きい場合は、拡散接合後の変形や剥れが大きな問題となってきた。
一方、近年、半導体装置の製造分野においては、配線材料あるいは電極材料として、耐熱性および低抵抗特性を有するタングステンが広く用いられているが、このようなタングステンなどのターゲットを用いる場合、拡散接合後の変形が大きな問題となることがわかった。
そこで、タンタル又はタングステンターゲットと銅合金製バッキングプレートが厚さ0.8mm以上のアルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材を介して拡散接合されており、それぞれの材料間で拡散接合界面を備えることを特徴とするタンタル又はタングステンターゲット-銅合金製バッキングプレート組立体が提案されている(特許文献1参照)。
特許3905301号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、反り対策としては有効であると考えられるが、アルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材と銅合金製バッキングプレートとの間に金属間化合物層の形成が確認され、この金属間化合物層が非常に脆く、金属間化合物層が厚いほど接合強度が低下することが確認された。これにより、低温での接合をしなければならないという課題がある。
一方、タングステンとインサート材との間は接合強度が十分でなく、接合強度のバラツキが大きいという問題があり、逆に高温接合をしなければならないという課題がある。
本発明は、このような事情に鑑み、アルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材と銅合金製バッキングプレートとの間の金属間化合物層の形成を抑制して接合強度の低下を防止し、且つターゲットとインサート材との間の接合強度を十分な強度に向上させることができるターゲット組立体及びターゲット組立体の製造方法を提供することを課題とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、タングステン又はモリブデンからなるターゲットと銅又は銅合金製のバッキングプレートとの間にアルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材を挟んで拡散接合したターゲット組立体において、前記ターゲットと前記インサート材との間、および前記バッキングプレートと前記インサート材との間のそれぞれに、Ti、V、Cr、Nb、Pd、Ir、Ptおよびこれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなり、0.1μmより大きく、3.0μm以下の厚さを有する金属薄膜層を介して拡散接合された、ターゲット組立体にある。
本発明の第2の態様は、前記ターゲットと前記インサート材との間の面内に亘った平均せん断強度、および前記インサート材と前記バッキングプレートとの間の面内に亘った平均せん断強度が、それぞれ4[kg/mm2]以上である、第1の態様のターゲット組立体にある。
本発明の第3の態様は、前記面内に亘った平均せん断強度と、当該面内に亘ったせん断強度の標準偏差σとの比である変動係数が0.15以下である、第1又は第2の態様のターゲット組立体にある。
本発明の第4の態様は、タングステン又はモリブデンからなるターゲットと銅又は銅合金製のバッキングプレートとの間にアルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材を挟んで拡散接合したターゲット組立体を製造するターゲット組立体の製造方法において、前記ターゲットと前記インサート材との間と、前記バッキングプレートと前記インサート材との間の少なくとも一方に、Ti、V、Cr、Nb、Pd、Ir、Ptおよびこれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなり、0.1μmより大きく、3.0μm以下の厚さを有する金属薄膜層を設け、その後、拡散接合してターゲット組立体とする、ターゲット組立体の製造方法にある。
本発明の第5の態様は、前記ターゲットと前記インサート材との間と、前記バッキングプレートと前記インサート材との間との両方に、Ti、V、Cr、Nb、Pd、Ir、Ptおよびこれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなり、0.1μmより大きく、3.0μm以下の厚さを有する金属薄膜層を設け、その後、拡散接合する、第4の態様のターゲット組立体の製造方法にある。
かかる本発明では、ターゲットとインサート材との間、およびバッキングプレートとインサート材との間のそれぞれに、Ti、V、Cr、Nb、Pd、Ir、Ptおよびこれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなり、0.1μmより大きく、3.0μm以下の厚さを有する金属薄膜層を設けて拡散接合しているので、アルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材と銅合金製バッキングプレートとの間の金属間化合物層の形成を抑制して接合強度の低下を防止し、且つターゲットとインサート材との間の接合強度を十分な強度に向上させたターゲット組立体及びターゲット組立体の製造方法を提供することができる。
Al-Ti、Cu-Ti、Ti-Wの二元状態図である。 Al-V、Cu-V、V-Wの二元状態図である。 Al-Cr、Cr-Cu、Cr-Wの二元状態図である。 Al-Fe、Cu-Fe、Fe-Wの二元状態図である。 Al-Co、Co-Cu、Co-Wの二元状態図である。 Al-Ni、Cu-Ni、Ni-Wの二元状態図である。 Al-Nb、Cu-Nb、Nb-Wの二元状態図である。 Al-Pd、Cu-Pd、Pd-Wの二元状態図である。 Al-Ir、Cu-Ir、Ir-Wの二元状態図である。 Al-Pt、Cu-Pt、Pt-Wの二元状態図である。 実施例1-7,比較例1-8のせん断強度を示すグラフである。 実施例11-17,比較例11-18のせん断強度を示すグラフである。 実施例3のインサート材及びバッキングプレート界面の断面SEM観察像である。 比較例2のインサート材及びバッキングプレート界面の断面SEM観察像である。 比較例5のインサート材及びバッキングプレート界面の断面SEM観察像である。 比較例7のターゲット及びインサート材界面の断面SEM観察像である。
本発明で用いるターゲットは、タングステン又はモリブデンからなるターゲットである。
ターゲットは、純度が5N(99.999質量%)以上であり、含有される不純物の炭素及び酸素がそれぞれ30質量ppm以下であり、相対密度が99%以上であり、かつ平均結晶粒径が150μm以下のものであるのが好ましい。
本発明で用いられるバッキングプレートとしては、銅製又は銅合金製バッキングプレートを使用する。この銅合金製バッキングプレートの材料としては、特に制限されないが、アルミニウム合金よりも熱膨張率が小さく、硬くて変形が少なく、さらに熱伝導性の良好な銅クロム合金や銅亜鉛合金等の銅合金を使用するのが好ましい。なお、バッキングプレートの厚さは30mm前後である。
本発明のターゲット組立体は、上述したターゲットとバッキングプレートとの間インサート材を介装して拡散接合したものである。
ターゲットとバッキングプレートとの間に介装されるインサート材としては、厚さ0.8mm以上のアルミニウム又はアルミニウム合金板、好ましくは、4~5mmの厚さのものを使用する。このように、インサート材が0.8mm以上の厚みが必要であるのは、拡散接合時の温度で十分柔らかくなり、ミクロ的にみて表面酸化膜の破壊により活性な新生面が現れて原子が拡散し易くなるからであり、また、拡散接合後室温まで冷却される際のスパッタリングターゲットとバッキングプレート間の熱膨張差によって生ずる応力を緩和することができるためである。このような観点から、インサート材の厚さはなるべく厚い方が好ましいが、スパッタリング装置の制約上、バッキングプレート及びインサート材の合計厚さは規定されているので、インサート材の厚さを厚くすると、バッキングプレートの厚さを薄くしなければならない。しかしながら、バッキングプレートの厚さを薄くすると冷却効率が下がるためハイパワースパッタでは問題となるため、バッキングプレートの厚さはある程度確保する必要がある。これらのことを考えてインサート材は4~5mmの厚さのものを使用するのが好ましい。この場合、バッキングプレートの厚さは30mm前後となる。なお、アルミニウム合金板としては、例えば、A1050やA6061を使用することができる。
また、本発明では、ターゲットとインサート材との間、およびインサート材とバッキングプレートとの間のそれぞれに、Ti、V、Cr、Nb、Pd、Ir、Ptおよびこれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなる金属薄膜層を設けて拡散接合したものである。よって、ターゲットとインサート材との間、およびインサート材とバッキングプレートとの間のそれぞれには、金属薄膜層が存在する。
ここで、Ti、V、Cr、Fe、Cо、Ni、Nb、Pd、IrおよびPtは、Al、Cu、及びWの各元素と固溶体を形成することができる金属であるので、これらの間に介装する金属薄膜層として好ましい。これらの金属を含む金属間の固溶体の形成の有無は、例えば、図1~図10に示すデータから明らかとなる。
図1~図10は、Al、Cu及びWと、各金属との二元状態図であり、Ti、V、Cr、Fe、Cо、Ni、Nb、Pd、IrおよびPtがAl、Cu及びWとの間で固溶体を形成することがわかる。
よって、これらの金属薄膜層は、ターゲットとインサート材との間の密着性、およびインサート材とバッキングプレートとの間の密着性を向上させ、接合強度を高めるものである。また、インサート材のアルミニウム又はアルミニウム合金と、バッキングプレートの銅又は銅合金との間の金属薄膜層は、拡散接合の際にアルミニウム合金と銅合金との間に形成される金属間化合物層の生成を防止することができ、両者の間の接合強度の低下を防止するものである。
Ti、V、Cr、Fe、Cо、Ni、Nb、Pd、IrおよびPtの金属のうち、Fe、Cо、Niは磁性体であるので、スパッタリングに影響を与える可能性があるため好ましくはない。なお、Vは酸化物が毒性を有するためあまり好ましくはなく、Pd、IrおよびPtは貴金属又はそれに準ずる金属であるので敬遠した方が好ましいが、機能の点では問題ない。
金属薄膜層は、0.1μmより厚く、3.0μm以下の厚さを有するのが好ましい。0.1μmより厚く、好ましくは0.2μm以上の厚さで、3.0μm以下の厚さとするのが好ましい。0.1μm以下では、部分的に金属間化合物又はそれに準じる物質が形成して接合強度が低下し、また、3.0μmより厚いと、金属薄膜層とバッキングプレート又はターゲットとの間に金属間化合物層が形成する虞があり、接合強度が低下する虞があるからである。
このような金属薄膜層は、ターゲットとインサート材との間の接合面の少なくとも一方、およびインサート材とバッキングプレートとの間の接合面の少なくとも一方のそれぞれにコーティング層として形成すればよい。コーティング層の形成方法は特に限定されないが、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着などの物理的蒸着法や湿式メッキを採用することができる。また、コーティング層は、1層でも2層以上でもよい。なお、コーティング層を設ける際には、接合面にエタノール洗浄などの前処理を行うのが好ましい。
ターゲットとインサート材との間の金属薄膜層と、インサート材とバッキングプレートとの間の金属薄膜層は、同じでも異なってもよい。また、拡散接合によりインサート材のアルミニウム合金と、バッキングプレートの銅合金との間に金属間化合物層が形成されるのを防止して両者間の接合強度の低下を防止するためには、インサート材とバッキングプレートとの間のみに金属薄膜層を設ければよい。
拡散接合したターゲット組立体のターゲットとインサート材との間の接合強度、およびインサート材とバッキングプレートとの間の接合強度はそれぞれ、面内に亘った平均せん断強度が4[kg/mm2]以上であれば好ましい。これによれば、ハイパワースパッタに耐えうる接合強度としては十分であるからである。
また、平均せん断強度と面内に亘ったせん断強度の標準偏差σとの比である変動係数が0.15以下であるのが好ましい。これは平均せん断強度から3σを差し引いた値が2.2[kg/mm2]以上となる範囲であり、接合強度の信頼性が担保されると思われる。
本発明のターゲット組立体の製造方法は、上述したように、拡散接合する前に、ターゲットとインサート材との間の接合面の少なくとも一方、およびインサート材とバッキングプレートとの間の接合面の少なくとも一方のそれぞれにコーティング層として形成すればよく、これ以外の製造方法は、従来の拡散接合によるターゲット組立体の製造方法と同じに行えばよい。
金属間化合物層は、拡散接合により形成され易い接合条件が異なるので、接合条件により金属間化合物層が形成され易い接合面のみに金属薄膜層を設けるようにしてもよい。
拡散接合の条件は、従来から公知の条件で行えばよく、特に限定されるものではない。例えば、熱間等方圧成形(HIP)にて温度400~500[℃]で、2~4時間、加圧力4~10[kg/mm2]の条件で行えばよい。
以下、実施例、比較例を参照して本発明を説明する。
(実施例1-7)
タングステン(W:99.999%)ターゲット材(460mmφの円盤状の板)並びに同寸法の銅亜鉛製バッキングプレート材をエタノールにより洗浄した。厚さ5mmの純アルミニウム(A-1050) 板をインサート材として使用し、同様にエタノールにより洗浄した。洗浄後、インサート材をAr雰囲気中でボンバードにより清浄化処理(清浄化条件-Ar雰囲気:0.7Pa、投入電力:2kW、時間:30分)し、連続して金属薄膜層を形成した。金属間薄膜層は表1に示す金属からなる薄膜を物理的蒸着法(物理的蒸着条件-Ar雰囲気:0.4Pa、投入電力:3kW、成膜速度:0.1μm/分)により接合面に形成した。次いで、これらの組立体を容器にキャニング(真空度1Pa以下)して、熱間等方圧成形(HIP)にて拡散接合した。拡散接合は、表1に示す温度、時間及び加圧力で行った。
(比較例1,2)
ターゲットとインサート材の間及びバッキングプレートとインサート材の間の金属薄膜層を設けないで拡散接合した以外は、実施例と同様にしてターゲット組立体を製造した。結果は、表1及び図14に示す。
(比較例3,4)
拡散接合温度を従来から公知の条件の範囲外とした以外は実施例と同様にしてターゲット組立体を製造した。
(比較例5-8)
金属薄膜層の厚さを本発明の範囲外とした以外は実施例と同様にしてターゲット組立体を製造した。結果は、表1、図15及び図16に示す。
(実施例11-17)
表2に示すとおり、タングステンターゲットの代わりにモリブデンターゲットを用いた以外は、実施例1~7と同様に実施した。
結果は表2に示す。
(比較例11,12)
表2に示すとおり、モリブデンターゲットを用いた以外は、比較例1,2と同様にしてターゲット組立体を製造した。
(比較例13,14)
表2に示すとおり、モリブデンターゲットを用いた以外は、比較例3,4と同様にしてターゲット組立体を製造した。
(比較例15-18)
表2に示すとおり、モリブデンターゲットを用いた以外は、比較例5-8と同様にしてターゲット組立体を製造した。
(平均せん断強度の試験方法)
ターゲットとインサート材との間の面内に亘った平均せん断強度、およびインサート材とバッキングプレートとの間の面内に亘った平均せん断強度を以下の方法で調べた。
(せん断試験方法)
拡散接合材の各位置(460φmmターゲットの中心:0mmおよび外周部230mm)から切り出した試験片の室温におけるせん断強度を調べた。(試験条件:SHIMADZU製AUTОGRAPH AG-50kNG、速度5mm/min)
また、せん断強度の標準偏差σと、標準偏差σと面内に亘ったせん断強度の標準偏差σとの比である変動係数を求めた。
これらの結果は、表1及び表2並びに図11及び図12に示した。
(拡散接合界面での化合物形成の有無)
拡散接合界面での化合物形成の有無を、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して確認した。(観察条件:日立ハイテク製TM4000Plus、加速電圧15kV)
結果は図13~図16に示した。
(結果)
実施例1-7では、ターゲットとインサート材との間、およびバッキングプレートとインサート材との間のそれぞれに、Ti、Cr又はNbの金属薄膜層を設けて所定の条件下で拡散接合しているので、アルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材と銅合金製バッキングプレートとの間の金属間化合物層の形成を抑制して接合強度の低下を防止し、且つターゲットとインサート材との間の接合強度を十分な強度に向上させたターゲット組立体が実現できた。ターゲットとインサート材との間の接合強度について、同じ接合温度で比較した場合、Ti及びCrが同程度となり、NbはTi及びCrと比較して低い結果となった。Ti及びCrと比較して、Nbは融点が高く、Al及びW中の拡散係数が小さいためであると考えられる。また、拡散接合時の熱膨張によってAlが変形した場合、Tiは柔らかい金属であり変形しやすいが、Crはヤング率が低く硬い金属でありクラックを生じる可能性が多少あるため、この点ではCrよりもTiの方が適している。
一方、比較例1、2では、ターゲットとインサート材の間及びバッキングプレートとインサート材の間の金属薄膜層を設けないで拡散接合したので、化合物を形成しないように低温で拡散接合した比較例1では、ターゲットとインサート材の間で剥離が生じ、高温で拡散接合した比較例2では、インサート材とバッキングプレートとの間で化合物が形成し、剥離が生じた。
比較例3では、金属薄膜層を設けても拡散接合の温度が低いので、拡散がほとんど起こらず、剥離が生じた。また、比較例4では、拡散接合の温度が高すぎて、化合物層が厚くなり、剥離が生じた。
また、比較例5では、金属薄膜層の厚さが薄すぎて接合強度のバラツキが大きかった。一方、金属薄膜層が厚すぎる比較例6-8では、化合物層が厚くなり、強度が不十分で最悪剥離が生じた。
図13の実施例3のインサート材及びバッキングプレート界面の断面SEM観察像に示すとおり、実施例3では、インサート材及びバッキングプレート接合界面には、金属間化合物層の形成は見られなかった。
一方、図14の比較例2のインサート材及びバッキングプレート界面の断面SEM観察像では、金属間化合物層が観察された。
図15の比較例5のインサート材及びバッキングプレート界面の断面SEM観察像では、金属薄膜層が薄すぎ、部分的に金属間化合物の形成が観察された。
図16の比較例7のターゲット及びインサート材界面の断面SEM観察像では、金属薄膜層が厚すぎ、金属間化合物層が観察された。
Figure 0007376742000001
Figure 0007376742000002

Claims (3)

  1. タングステン又はモリブデンからなるターゲットと銅又は銅合金製のバッキングプレートとの間にアルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材を挟んで拡散接合したターゲット組立体において、
    前記ターゲットと前記インサート材との間、および前記バッキングプレートと前記インサート材と間のそれぞれに、Ti、V、Cr、Nb、Pd、Ir、Ptおよびこれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなり、0.1μmより大きく、3.0μm以下の厚さを有し、前記ターゲットと前記インサート材との間の面内に亘った平均せん断強度、および前記インサート材と前記バッキングプレートとの間の面内に亘った平均せん断強度が、それぞれ4[kg/mm 2 ]以上である金属薄膜層を介して拡散接合された、ターゲット組立体。
  2. 前記ターゲットと前記インサート材との間の面内に亘った平均せん断強度と、当該面内に亘ったせん断強度の標準偏差σとの比である変動係数、並びに前記インサート材と前記バッキングプレートとの間の面内に亘った平均せん断強度と、当該面内に亘ったせん断強度の標準偏差σとの比である変動係数のそれぞれが0.15以下である、請求項1に記載のターゲット組立体。
  3. タングステン又はモリブデンからなるターゲットと銅又は銅合金製のバッキングプレートとの間にアルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材を挟んで拡散接合したターゲット組立体を製造するターゲット組立体の製造方法において、
    前記ターゲットと前記インサート材との間と、前記バッキングプレートと前記インサート材との間の両方に、Ti、V、Cr、Nb、Pd、Ir、Ptおよびこれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなり、0.1μmより大きく、3.0μm以下の厚さを有し、且つ前記ターゲットと前記インサート材との間の面内に亘った平均せん断強度、および前記インサート材と前記バッキングプレートとの間の面内に亘った平均せん断強度が、それぞれ4[kg/mm 2 ]以上である金属薄膜層を設け、その後、拡散接合してターゲット組立体とする、ターゲット組立体の製造方法。
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