JP7376341B2 - 造形用セメント組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、造形用セメント組成物に関する。
近年、樹脂等の造形用材料を、連続的に積載台(台座)の上に押し出しながら逐次固化させて積層することにより、繊細な形状を造形することができる付加製造装置が普及している。
そして、最近では樹脂のほかに、セメントや石膏等の水硬性材料と付加製造装置を用いて造形物を造形する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、セメント質混錬物と付加製造装置を用いて、繊細かつ多様なデザインを有する造形物を製造できる付加製造方法として、(A)造形用セメント組成物と水を混錬してセメント質混錬物を得るための混錬工程と、(B)該セメント質混錬物を押し出して硬化させて造形物を得るための押し出し工程を、少なくとも含む、付加製造方法が記載されている。
一方、特許文献2には、埋め込み金具などの拘束によるひび割れを防止する目的で、尿素を配合したセメント組成物を用いたセメント質硬化体の製造方法として、セメント、BET比表面積5~25m/gの微粉末、細骨材、減水剤及び水に加えて、収縮低減剤及び/又は尿素を含む配合物を成形し、一次養生し、脱型した後、さらに二次養生するセメント質硬化体の製造方法であって、収縮低減剤及び/又は尿素の配合量が、セメント100質量部に対して0.5~3.0質量部であることを特徴とするセメント質硬化体の製造方法が記載されている。
特開2018-122539号公報 特開2008-230955号公報
本発明の目的は、造形用セメント組成物と水を混合してなる造形物製造用組成物を、調製(混合)直後に適度の流動性を有し、かつ、該流動性を長時間(例えば、2時間)維持しうるものにすることができ、付加製造技術においてノズル等を用いて造形を行う際に、上記造形物製造用組成物の造形直後の形状が崩れず、かつ、上記造形物製造用組成物が速硬性に優れることから、上記造形物製造用組成物を積層しても、造形物の形状(特に、積層された造形物の下部分)が崩れず、更には、寸法安定性に優れた造形物(硬化体)を得ることができる造形用セメント組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、セメント、カルシウムアルミネート類、繊維、及び凝結遅延剤を特定の量で含む造形用セメント組成物によれば、上記目的を達成でできることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[5]を提供するものである。
[1] セメント、カルシウムアルミネート類、繊維、及び凝結遅延剤を含む造形用セメント組成物であって、上記セメント100質量部に対して、上記カルシウムアルミネート類の量が50~80質量部であり、上記繊維の量が0.3~4.8質量部であり、上記凝結遅延剤の量が0.1~5質量部であることを特徴とする造形用セメント組成物。
[2] 上記カルシウムアルミネート類が、アルミナセメント、及びカルシウムサルフォアルミネートを含む前記[1]に記載の造形用セメント組成物。
[3] 凝結促進剤を含み、かつ、上記セメント100質量部に対して、上記凝結促進剤の量が5質量部以下である前記[1]又は[2]に記載の造形用セメント組成物。
[4] 細骨材を含む前記[1]~[3]のいずれかに記載の造形用セメント組成物。
[5] 前記[1]~[4]のいずれかに記載の造形用セメント組成物を用いた、造形物の製造方法であって、上記造形用セメント組成物を構成する各材料、及び、水を混合して、造形物製造用組成物を調製する工程、及び、上記造形物製造用組成物を用いた付加製造技術によって、上記造形物を作製する工程、
を含む造形物の製造方法。
本発明の造形用セメント組成物によれば、該造形用セメント組成物と水を混合してなる造形物製造用組成物を、調製(混合)直後に適度の流動性を有し、かつ、流動性を長時間(例えば、2時間)維持しうるものにすることができる。
また、付加製造技術においてノズル等を用いて造形を行う際に、上記造形物製造用組成物が適度な流動性を有する(すなわち、過剰な流動性を有さない)ため、造形直後の上記造形物製造用組成物の形状が崩れず、かつ、上記造形物製造用組成物が速硬性に優れるため、上記造形物製造用組成物を積層しても、造形物の形状(特に、積層された造形物の下部分)が崩れず、更には、寸法安定性に優れた造形物(硬化体)を得ることができる。
本発明の造形用セメント組成物は、セメント、カルシウムアルミネート類、繊維、及び凝結遅延剤を含む造形用セメント組成物であって、セメント100質量部に対して、カルシウムアルミネート類の量が50~80質量部であり、繊維の量が0.3~4.8質量部であり、凝結遅延剤の量が0.1~5質量部であるものである。
セメントの例としては、白色ポルトランドセメント、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメントや、エコセメント等を挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、着色を自由に行うことができ、意匠性に優れる観点から、白色ポルトランドセメントが好ましい。
なお、本明細書中、セメントには、アルミナセメントは含まれないものとする。
カルシウムアルミネート類の例としては、アルミナセメント;3CaO・3Al・CaSO等のカルシウムサルフォアルミネート;3CaO・Al、2CaO・Al、12CaO・7Al、5CaO・3Al、CaO・Al、3CaO・5Al、およびCaO・2Al等のカルシウムアルミネート;2CaO・Al・Fe、および4CaO・Al・Fe等のカルシウムアルミノフェライト;カルシウムアルミネートにハロゲンが固溶または置換した3CaO・3Al・CaF、および11CaO・7Al・CaF等のカルシウムフロロアルミネートを含むカルシウムハロアルミネート;8CaO・NaO・3Al、および3CaO・2NaO・5Al等のカルシウムナトリウムアルミネート;カルシウムリチウムアルミネート;さらに、これらにNa、K、Li、Ti、Fe、Mg、Cr、P、F、S等の微量元素(酸化物等を含む。)が固溶した鉱物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、造形物製造用組成物の流動性をより長時間保持することができる観点から、アルミナセメントおよびカルシウムサルフォアルミネートを含むものが好ましい。
セメント100質量部に対するカルシウムアルミネート類の量は、50~80質量部、好ましくは52~78質量部、より好ましくは55~75質量部である。該量が50質量部未満であると、造形物製造用組成物(本発明の造形用セメント組成物と水を混合してなるもの)の凝結が終結するまでの時間が長くなる(すなわち、硬化するまでの時間が長くなる)。このため、造形物製造用組成物を積層させて造形物を作製する際に、該造形物の下部分を形成する造形物製造用組成物が、該組成物の上方に積層された造形物製造用組成物の重さに耐えきれずに崩れる場合がある。また、得られる造形物の寸法安定性が低下する。該量が80質量部を超えると、造形物製造用組成物の流動性を長時間(例えば、2時間)保持することができず、可使時間が短くなる。
また、カルシウムアルミネート類として、アルミナセメントおよびカルシウムサルフォアルミネートを含む場合、セメント100質量部に対するアルミナセメントの量は、好ましくは5~30質量部、より好ましくは7~25質量部、特に好ましくは8~15質量部であり、セメント100質量部に対するカルシウムサルフォアルミネートの量は、好ましくは20~75質量部、より好ましくは30~65質量部、特に好ましくは40~60質量部である。アルミナセメントおよびカルシウムサルフォアルミネートの量が上記数値範囲内であれば、造形物製造用組成物の流動性をより長時間保持することができる。
繊維の例としては、金属繊維、ガラス繊維、有機繊維、炭素繊維等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
繊維の形状および寸法は、好ましくは、長さが0.1mm以上、長さ/直径の比が20以上であり、より好ましくは、長さが0.1~30mm、長さ/直径の比が20~1,000であり、さらに好ましくは、長さが1~10mmで、長さ/直径の比が50~500であり、さらに好ましくは、長さが2~5mm、長さ/直径の比が100~400である。
繊維の長さが0.1mm以上であれば、強度(例えば、曲げ強度や破壊強度)の向上効果がより大きくなる。該長さが30mm以下であれば、混練の際にファイバーボールがより生じにくくなる。
また、繊維の長さ/直径の比が20以上であれば、同一配合量(同一体積)での繊維の本数が多くなり、強度(例えば、曲げ強度や破壊強度)の向上効果がより大きくなる。また、該比が1,000以下であると、繊維自身の強度が十分となり、張力を受けた際により切れにくくなる。
セメント100質量部に対する繊維の量は、0.3~4.8質量部、好ましくは0.4~4.6質量部、より好ましくは0.5~4.4質量部である。上記量が0.3質量部未満であると、造形物の曲げ強度や破壊エネルギーが低下する。上記量が4.8質量部を超えると、混練直後の流動性が低下する。また、混練時の作業性等を確保するために単位水量が増加し、造成物の強度の低下を招くことがある。
金属繊維の例としては、鋼繊維およびアモルファス繊維等が挙げられる。これらの中でも、鋼繊維は、高い強度を有し、かつコストや入手のし易さの点でも優れているため好適である。
金属繊維の形状および寸法は、好ましくは、長さが2mm以上で、長さ/直径の比が20以上であり、より好ましくは、長さが2~30mmで、長さ/直径の比が20~300、特に好ましくは、長さが2.5~20mmで、長さ/直径の比が30~200である。金属繊維の長さが2mm以上であれば、曲げ強度の向上効果がより大きくなる。該長さが30mm以下であれば、混練の際にファイバーボールがより生じにくくなる。
また、金属繊維の長さ/直径の比が20以上であれば、同一配合量(同一体積)での金属繊維の本数が多くなり、曲げ強度の向上効果がより大きくなる。また、該比が300以下であると、金属繊維自身の強度が十分となり、張力を受けた際により切れにくくなる。
ガラス繊維の例としては、耐アルカリ性のガラス繊維等が挙げられる。
耐アルカリ性のガラス繊維は、セメントとの親和性や経済性の観点から好適である。
耐アルカリ性のガラス繊維は、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO)を14質量%以上含有するものが挙げられる。
ガラス繊維の寸法、長さ/直径の比および配合量は、金属繊維と同様である。
有機質繊維の例としては、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維、および炭素繊維等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、ビニロン繊維およびポリプロピレン繊維は、高い強度を有し、かつコストが低く入手のし易さの点でも優れているため好適である。
有機質繊維の形状および寸法は、好ましくは、長さが2mm以上で、長さ/直径の比が20以上であり、より好ましくは、長さが2~30mmで、長さ/直径の比が20~500である。有機質繊維の長さが2mm以上であれば、破壊強度の向上効果がより大きくなる。該長さが30mm以下であれば、混練の際にファイバーボールがより生じにくくなる。
また、有機質繊維の長さ/直径の比が20以上であれば、同一配合量(同一体積)での有機質繊維の本数が多くなり、破壊強度の向上効果がより大きくなる。また、該比が500以下であると、有機質繊維自身の強度が十分となり、張力を受けた際により切れにくくなる。
また、炭素繊維の例としては、PAN系炭素繊維やピッチ系炭素繊維が挙げられる。また、炭素繊維の寸法、長さ/直径の比および配合量は、有機繊維と同様である。
凝結遅延剤の例としては、クエン酸及びその塩、ヘプトン酸及びその塩、コハク酸及びその塩、酒石酸及びその塩、グルコン酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、造形物製造用組成物の流動性をより長時間保持することができる観点から、クエン酸が好ましい。
セメント100質量部に対する凝結遅延剤の量は、0.1~5質量部、好ましくは0.5~3質量部、より好ましくは0.8~2質量部、特に好ましくは1.0~1.5質量部である。該量が0.1質量部未満であると、造形物製造用組成物の流動性を長時間(例えば、2時間)保持することができず、可使時間が短くなる。該量が5質量部を超えると、造形物製造用組成物の凝結が終結するまでの時間が過度に長くなる。
本発明の造形用セメント組成物は、凝結促進剤を含んでもよい。
凝結促進剤の例としては、硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、乳酸カルシウム、炭酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、亜硝酸カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、入手の容易性等の観点から、硫酸ナトリウムが好ましい。
セメント100質量部に対する凝結促進剤の量は、好ましくは5質量部以下、より好ましくは0.1~4質量部、さらに好ましくは0.5~3質量部、特に好ましくは0.8~2.5質量部である。造形用セメント組成物が凝結促進剤を5質量部以下の量で含むことで、造形物製造用組成物の凝結が開始するまでの時間を短くすることができ、作業性を向上することができる。
本発明の造形用セメント組成物は、発熱量を下げる観点から細骨材を含むことが好ましい。
細骨材の例としては、石灰石粉末、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、スラグ細骨材、及び軽量細骨材等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、着色を自由に行うことができ、意匠性に優れる観点から、石灰石粉末を使用することが好ましい。
セメント100質量部に対する細骨材の量は、好ましくは100~700質量部、より好ましくは120~500質量部、特に好ましくは150~400質量部である。
本発明の造形用セメント組成物は、必要に応じて他の材料を含んでもよい。必要に応じて含まれる他の材料としては、粗骨材や、AE剤、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、及び高性能AE減水剤等の各種混和剤や、フライアッシュ、シリカフューム、高炉スラグ微粉末等の各種混和材等が挙げられる。
なお、本発明において、造形用セメント組成物とは、ペースト、モルタルまたはコンクリートを調製するための水は含まれないものとする。
上述した造形用セメント組成物を用いた造形物の製造方法の一例としては、造形用セメント組成物を構成する各材料、及び、水を混合して、造形物製造用組成物を調製する工程、及び、上記造形物製造用組成物を用いた付加製造技術によって、造形物を作製する工程を含む造形物の製造方法等が挙げられる。
水としては、特に限定されず、水道水、スラッジ水等を使用することができる。
水と造形用セメント組成物の質量比(水/造形用セメント組成物)は、好ましくは0.10~0.60、より好ましくは0.12~0.40、特に好ましくは0.15~0.30である。該比が0.10以上であれば、付加製造技術によって造形物を作製するのに必要な流動性を確保することができる。該比が0.60以下であれば、造形物の強度をより向上することができる。
各材料を混合する手段としては、特に限定されるものではなく、モルタルやコンクリートの練り混ぜにおいて一般的に使用されるミキサを使用することができる。
具体的には、縦型ミキサ、横型ミキサ、ナウターミキサ、傾胴ミキサ、強制ミキサ、二軸ミキサ等が挙げられる。縦型ミキサとしては、例えば、ホバート社製の「ホバートミキサ」、ヘンシェル社製の「ヘンシェルミキサ」等が挙げられる。横型ミキサとしては、例えば、レディゲ社製の「レディゲミキサ」等が挙げられる。
付加製造技術によって造形物を作製する方法の例としては、造形物製造用組成物を、ノ
ズル等から押し出して堆積させる方法等が挙げられる。造形物の作成手段としては、市販されている付加製造装置(3Dプリンタ)を用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
(1)セメント;白色ポルトランドセメント、太平洋セメント社製
(2)カルシウムアルミネート類A;アルミナセメント、ケルネオス社製
(3)カルシウムアルミネート類B;カルシウムサルフォアルミネート、試作品(石膏、生石灰及びアルミナ粉末を、焼成後にカルシウムサルフォアルミネートが得られるような配合で混合し、次いで、得られた混合物をロータリーキルンで1330℃の焼成温度で焼成して焼成物を得た後、該焼成物を、ブレーン比表面積が3,900cm/gとなるように粉砕したもの)
(4)繊維;耐アルカリガラス繊維、長さ:3mm、直径:13.5μm、長さ/直径:222、日本電気硝子社製
(5)細骨材;石灰石砂、最大粒径0.3mm
(6)減水剤;粉末状のポリカルボン酸系減水剤、太平洋マテリアル社製、商品名:NF-200
(7)凝結促進剤;硫酸ナトリウム、試薬
(8)凝結遅延剤;クエン酸、試薬
(9)水;上水道水
[実施例1~4、比較例1~4]
表1に示す配合量の上記各材料と、水と造形用セメント組成物(表1に示す各材料の合計)の質量比(水/造形用セメント組成物)が0.165となる量の水を、ホバートミキサに投入して、2分間混合して、造形物製造用組成物を調製した。
得られた造形物製造用組成物について、以下の方法に従って、モルタルフロー値、終結時間、長さ変化率を得た。結果を表1に示す。
[モルタルフロー値]
調製直後の造形物製造用組成物(造形用セメント組成物と水を混合してなるモルタル)のモルタルフロー値(0打)を、「JIS R 5201:2015(セメントの物理試験方法)」に記載の方法に準拠して、15回の落下運動を行わずに測定した。上記モルタルフロー値(0打)が120mm未満のものは、調製直後の流動性が適切であるとして「〇」と評価し、上記モルタルフロー値(0打)が120mm以上のものは「×」と評価した。
また、調製直後から、30分間経過毎に低速で10秒間の攪拌を行いながら、120分間経過後、造形物製造用組成物のモルタルフロー値(15打)を、「JIS R 5201:2015(セメントの物理試験方法)」に準拠して、15回の落下運動を行って測定した。上記モルタルフロー値(15打)が120mm以上のものは、造形物製造用組成物の流動性を長時間保持することができ、可使時間が長いものであるとして「〇」と評価し、上記モルタルフロー値(15打)が120mm未満のものは「×」と評価した。
[終結時間]
「JIS A 1147:2007(コンクリートの凝結時間試験方法)」に記載の方法に準拠して、造形用製造用組成物の凝結の終結時間を測定した。上記終結時間が4時間未満であるものは、速硬性に優れるものであるとして「〇」と評価し、上記終結時間が4時間以上である物は「×」と評価した。
[長さ変化率]
「JIS A 1129-3:2010(モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法-第3部:ダイヤルゲージ方法)」に記載の方法に準拠して、造形用製造用組成物の長さ変化率を測定した。該長さ変化率は、成形後24時間後に脱型した供試体の基長を測定し、次いで、該供試体を20℃の水中において保管した後、材齢28日における供試体の長さを測定し、これらの測定値を用いて算出した。
上記長さ変化率が1,000×10-6未満であるものは、寸法安定性に優れるものとして「〇」と評価し、上記長さ変化率が1,000×10-6以上であるものは「×」と評価した。
Figure 0007376341000001
表1から、本発明の造形用セメント組成物を用いた造形物製造用組成物(実施例1~4について、調製直後のモルタルフロー値(0打)が105~118mmであり、調整後120分間経過後のモルタルフロー(15打)が136~168mmであることから、実施例1~4の造形物製造用組成物は、調製直後に適度な流動性を有し、かつ、該流動性を2時間維持できることがわかる。
また、本発明の造形用セメント組成物を用いた造形物製造用組成物(実施例1~4)の終結時間が、2時間15分~3時間10分であることから、実施例1~4の造形物製造用組成物は、速硬性に優れたものであることがわかる。
さらに、本発明の造形用セメント組成物を用いた造形物製造用組成物(実施例1~4)の長さ変化率が、450~856×10-6であることから、実施例1~4の造形物製造用組成物は、寸法安定性に優れたものであることがわかる。
一方、セメント100質量部に対するカルシウムアルミネート類の量が45質量部である比較例1について、終結時間が4時間25分であり、長さ変化率が1504×10-6であることから、比較例1の造形物製造用組成物は、速硬性および寸法安定性に劣ることがわかる。
また、セメント100質量部に対するカルシウムアルミネート類の量が90質量部である比較例2のモルタルフロー(15打)が測定不可であることから、比較例2の造形物製造用組成物は、流動性を2時間維持できず、可使時間の短いものであることがわかる。
また、セメント100質量部に対する繊維の量が0.1質量部である比較例3の調製直後のモルタルフロー(0打)が134mmであることから、比較例3の造形物製造用組成物は、調製直後に適度な流動性を有していないことがわかる。
また、セメント100質量部に対する繊維の量が5.0質量部である比較例4の調製後120分間経過後のモルタルフロー(15打)が110mmであることから、比較例4の造形物製造用組成物は、適度な流動性を2時間維持できないことがわかる。

Claims (4)

  1. セメント、カルシウムアルミネート類、繊維、及び凝結遅延剤を含む造形用セメント組成物であって、上記セメント100質量部に対して、上記カルシウムアルミネート類の量が50~80質量部であり、上記繊維の量が0.3~4.8質量部であり、上記凝結遅延剤の量が0.1~5質量部であり、
    上記カルシウムアルミネート類が、アルミナセメント、及びカルシウムサルフォアルミネートを含み、
    上記セメント100質量部に対して、上記アルミナセメントの量が5~30質量部でかつ上記カルシウムサルフォアルミネートの量が20~75質量部であることを特徴とする造形用セメント組成物。
  2. 凝結促進剤を含み、かつ、上記セメント100質量部に対して、上記凝結促進剤の量が5質量部以下である請求項に記載の造形用セメント組成物。
  3. 細骨材を含む請求項1又は2に記載の造形用セメント組成物。
  4. 請求項1~のいずれか1項に記載の造形用セメント組成物を用いた、造形物の製造方法であって、
    上記造形用セメント組成物を構成する各材料、及び、水を混合して、造形物製造用組成物を調製する工程、及び、
    上記造形物製造用組成物を用いた付加製造技術によって、上記造形物を作製する工程、
    を含む造形物の製造方法。
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