JP7375642B2 - 印画物の製造方法及び熱転写印画装置 - Google Patents

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Description

本開示は、印画物の製造方法及び熱転写印画装置に関する。
従来、種々の印字方法が知られているが、その中でも昇華型熱転写方式は、濃度階調を自由に調整でき、中間色や階調の再現性にも優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像形成が可能である。
昇華型熱転写方式は、昇華性染料を含む昇華転写型色材層を備える熱転写シートと、受容層を備える熱転写受像シートとを重ね合わせ、次いで、プリンタが備えるサーマルヘッドにより熱転写シートを加熱することで、昇華転写型色材層中の昇華性染料を受容層に転写させ、画像形成を行うことにより、印画物を得るものである。また、このようにして製造される印画物が備える受容層上に、熱転写シートから保護層を転写し、印画物の耐久性等を向上させることが行われている。
近年、昇華型熱転写方式により得られる印画物には、多種多様な意匠性が要求されており、例えば、印画物の希少性等の表現を目的として、高い立体感を有する印画物が求められている。
特許第6520364号公報
本開示は、所望領域に凹部を形成し、高い立体感を有する印画物を製造する方法及び熱転写印画装置を提供することを課題とする。
本開示の印画物の製造方法は、色材層及び保護層が設けられた熱転写シートと、感熱凹部形成層及び受容層が積層された受像シートとを、サーマルヘッドとプラテンロールとの間に挟み込み、前記サーマルヘッドにより前記熱転写シートを加熱して、前記熱転写シートから前記受像シートの前記受容層に色材を移行して画像を形成する工程と、前記サーマルヘッドにより前記熱転写シートを加熱して、前記熱転写シートから前記受像シートの前記画像上に前記保護層を転写する工程と、前記サーマルヘッドにより、前記熱転写シートの使用済みの保護層形成領域を介して前記受像シートを加熱し、前記受像シートに凹部を形成する工程と、を備えるものである。
本開示の一態様では、前記凹部を形成する際に前記サーマルヘッドが使用済みの保護層形成領域を加熱する領域は、前記受像シートに形成された画像上に前記保護層を転写する際に前記サーマルヘッドが保護層形成領域を加熱する領域よりも小さい。
本開示の一態様では、前記画像の全面を覆うように前記保護層を転写し、前記使用済みの保護層形成領域を所定のパターンで加熱し、前記画像の一部に対応する領域に前記凹部を形成する。
本開示の一態様では、前記凹部を形成する際の前記サーマルヘッドによる印加エネルギーは、前記画像を形成する際の前記サーマルヘッドによる印加エネルギーよりも高い。
本開示の一態様では、前記凹部を形成する際の前記サーマルヘッド及び前記プラテンロールを含む印画部による印圧は、前記画像を形成する際の前記印画部による印圧よりも高い。
本開示の一態様では、前記受像シートの、前記凹部を形成することにより相対的に凸部となる領域に、前記熱転写シートからホログラム層を転写する。
本開示の一態様では、前記感熱凹部形成層の厚さは40μm以上であり、前記凹部の深さは5μm以上である。
本開示の一態様では、前記感熱凹部形成層が、多孔質フィルム及び中空粒子含有層の少なくともいずれか一方を有する。
本開示の熱転写印画装置は、色材層及び保護層が設けられた熱転写シートと、感熱凹部形成層及び受容層が積層された受像シートとを、サーマルヘッドとプラテンロールとの間に挟み込み、前記サーマルヘッドにより前記熱転写シートを加熱して、前記熱転写シートから前記受像シートの前記受容層に色材を移行して画像を形成し、前記受像シートの前記画像上に前記熱転写シートから前記保護層を転写する印画部を備え、前記サーマルヘッドが、前記熱転写シートの使用済みの保護層形成領域を介して前記受像シートを加熱し、前記受像シートに凹部を形成するものである。
本開示の一態様では、前記凹部を形成する際の前記サーマルヘッドによる印加エネルギーは、前記画像を形成する際の前記サーマルヘッドによる印加エネルギーよりも高い。
本開示によれば、所望領域に凹部を形成し、高い立体感を有する印画物を製造できる。
本開示の実施形態に係る熱転写印画装置の概略構成図である。 熱転写シートの平面図である。 受像シートの断面図である。 保護層形成領域における加熱領域を説明する模式図である。 受像シートに凹部を形成する工程断面図である。 図6aは印画物の平面図であり、図6bは図6aのVIb-VIb線断面図である。
図1は本開示の実施の形態に係る熱転写印画装置の概略構成図であり、図2は熱転写印画装置で使用される熱転写シートの平面図であり、図3は受像シートの断面図である。
熱転写印画装置は、イエロー染料を含むイエロー染料層51、マゼンタ染料を含むマゼンタ染料層52、シアン染料を含むシアン染料層53、及び保護層54が面順次に設けられた熱転写シート5をサーマルヘッド1で加熱し、受像シート7上に染料を移行して画像を印画し、印画した画像上に保護層を転写する。印画する画像は、例えば、顔画像等の人物画像やマーク、住所、氏名、賀詞及びフレーズ等の文字である。
サーマルヘッド1の下流側に、熱転写シート5を巻き付けて形成された供給部3が設けられ、サーマルヘッド1の上流側に回収部4が設けられている。供給部3から繰り出された熱転写シート5は、サーマルヘッド1を通って、回収部4に巻き取られて回収されるようになっている。
熱転写シート5を挟んでサーマルヘッド1と反対側には、回転自在なプラテンロール2が設けられている。サーマルヘッド1及びプラテンロール2を含む印画部10は、受像シート7及び熱転写シート5を挟み込み、熱転写シート5を加熱して受像シート7上に染料を移行することで画像を形成する。
熱転写シート5は、基材シート(後述する図5の基材シート50)の一方の面に、回収部4側から、イエロー染料層51、マゼンタ染料層52、シアン染料層53、及び保護層54が順次形成される。イエロー染料層51、マゼンタ染料層52、シアン染料層53には、バインダ樹脂に、昇華性染料を溶融又は分散させた材料を用いることが好ましい。基材シート上(基材シートと保護層54との間)に離型層が設けられていてもよい。
保護層54には、透明で、接着性、耐光性等を有する樹脂材料を用いることが好ましい。例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、イミド樹脂、セルロース樹脂、熱硬化性樹脂及び活性光線硬化性樹脂等が挙げられる。「活性光線硬化樹脂」とは、活性光線硬化性樹脂に対して活性光線を照射し、硬化させた状態の樹脂を意味する。「活性光線」とは、活性光線硬化性樹脂に対して化学的に作用させて重合を促進せしめる放射線を意味し、具体的には、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等を意味する。
保護層54の厚さは、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.5μm以上5μm以下であることがより好ましい。これにより、画像の耐擦過性及び保存安定性等を向上できる。
熱転写シート5の基材シートには、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものを使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリスチレン(PS)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。基材シートの厚みは、例えば、0.5μm以上50μm以下であり、2μm以上10μm以下が好ましい。
基材シート上の離型層の材料としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ-アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド-アミノ樹脂等を例示できる。離型層の厚みは0.5μm以上5μm以下が一般的である。
熱転写シート5には、昇華転写用の染料層であるイエロー染料層51、マゼンタ染料層52及びシアン染料層53と面順次に、顔料やカーボンブラック等の色材を含む色材層が設けられていてもよい。また、熱転写シート5にホログラム転写層が設けられていてもよい。
サーマルヘッド1の上流側には、受像シート7の搬送を行うための回転駆動自在なキャプスタンローラ9aと、キャプスタンローラ9aに受像シート7を圧着させるためのピンチローラ9bが設けられている。
受像シート7は、受像シート7を巻回した受像シートロール6から繰り出される。受像シートロール6は図示しない巻軸部品に取り付けられており、巻軸部品を回転(正転/逆転)させると、受像シートロール6が回転し、受像シート7の繰り出し(下流側への搬送)や巻取り(上流側への搬送)が行われる。
受像シート7は、図3に示すように、順に積層された、基材71と、感熱凹部形成層72と、受容層73とを備える。感熱凹部形成層72は、多層構造を有していてもよい。受像シート7は、任意の層間、例えば、基材71と感熱凹部形成層72との間や、多層構造を有する感熱凹部形成層72を構成する各層間に接着層等の任意の層を備えていてもよい。また、感熱凹部形成層72と受容層73との間に、プライマー層を備えていてもよい。
受像シート7は、サーマルヘッド1により、受像シート7の一部領域を受容層73側から加熱することで凹部が形成されるものである。凹部の深さ(図5の深さh)は、5μm以上であることが好ましい。
制御装置14は、熱転写印画装置の各部の駆動を制御し、印画処理及び凹部形成処理を行う。印画処理では、まず、受像シート7とイエロー染料層51とが位置合わせされ、受像シート7及び熱転写シート5を介してサーマルヘッド1がプラテンロール2に当接する。次に、キャプスタンローラ9a及び回収部4が回転駆動して、受像シート7及び熱転写シート5が上流側へ送られる。この間、画像データに基づいて、サーマルヘッド1によりイエロー染料層51の領域が選択的に順次加熱され、熱転写シート5から受像シート7上にイエロー染料が移行される。
イエロー染料の移行後、サーマルヘッド1が上昇し、プラテンロール2から離れる。次に、受像シート7とマゼンタ染料層52とが位置合わせされる。イエロー染料を昇華転写する方法と同様にして、受像シート7上にマゼンタ染料及びシアン染料が順次移行され、受像シート7上に1画面分の画像が形成される。次に、サーマルヘッド1により画像上に保護層54が全面に転写される。
次に、凹部形成処理が行われる。凹部形成処理では、サーマルヘッド1により、印画処理時(画像形成及び保護層転写)よりも高い印加エネルギーを付与して受像シート7を加熱して、受像シート7に凹部を形成する。例えば、印画処理時の印加エネルギーは0.1(mJ/dot)程度であり、凹部形成処理時の印加エネルギーは印画処理時の印加エネルギーの1倍より大きく5倍以下、好ましくは2倍以上3倍以下である。
凹部形成処理の際、サーマルヘッド1と受像シート7との間には、熱転写シート5における、画像上に保護層を転写した後の、使用済み保護層形成領域が配置される。使用済み保護層形成領域では、熱転写シート5の基材シート50(離型層が設けられている場合は離型層)が露出している。すなわち、凹部形成処理の際、受像シート7は、基材シート50(及び離型層)を介してサーマルヘッド1から熱エネルギーが付与される。
図4に示すように、凹部形成処理時に使用済み保護層形成領域を加熱する領域R2は、保護層を転写する際に加熱した保護層形成領域(保護層54を転写した領域R1、言い換えれば基材シート50が露出している領域)よりも僅かに小さくすることが好ましい。例えば、領域R2は、領域R1よりも周囲5mm程度小さくする。これにより、凹部形成処理時に、受像シート7を効率良く加熱できる。
図5に示すように、熱転写シート5の基材シート50を介して、受像シート7を所定のパターンデータに基づいて加熱することで、感熱凹部形成層12のうち加熱された部分が凹み、感熱凹部形成層12上に設けられている受容層73及び保護層54も追従して凹み、表面に凹部Aが形成される。
凹部Aが形成された受像シート7は、下流側に設けられたカッター8(図1参照)により画面の後方縁が切断されて、印画物が作製される。受像シート7における凹部形成領域を調整することにより、印画物に立体感を付与し、意匠性を向上できる。例えば、受容層73上における文字、図形等の形状や模様等の画像領域以外の領域に凹部を形成することにより、これら画像に立体感を付与できる。
図6a、図6bに示すように、複数箇所に凹部Aを形成することで、印画物Pに模様や文字等を表す凸部を形成できる。熱転写シート5にホログラム転写層が設けられている場合は、凸部上にホログラム層を転写することで、印画物の意匠性をさらに向上できる。
受像シート7に保護層を転写する前に凹部Aを形成してもよい。この場合、画像形成後、前回作製した印画物に転写された保護層が設けられていた使用済み保護層形成領域を介して、サーマルヘッド1から受像シート7に熱エネルギーを付与して凹部Aを形成する。凹部Aの形成後、保護層を転写する。
凹部形成処理では、受像シート7に対するサーマルヘッド1の圧力(印圧)を、印画処理時よりも高くしてもよい。プラテンロール2からサーマルヘッド1へ与える圧力を可変としてもよい。
次に、加熱により凹部が形成される受像シート7が備える各層について説明する。
(基材)
基材としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、合成紙、上質紙、アート紙、コート紙、ノンコート紙、キャストコート紙、壁紙、セルロース繊維紙、合成樹脂内添紙、裏打用紙及び含浸紙(合成樹脂含浸紙、エマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙)等の紙基材やPET、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、PEN、ポリエチレン(PE)、PP及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、等のビニル樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、PS等のスチレン樹脂、ポリカーボネート、並びにアイオノマー樹脂等から構成されるフィルム(以下、単に「樹脂フィルム」という。)等が挙げられる。
また、基材が樹脂フィルムである場合、該樹脂フィルムは、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよいが、機械的強度という観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムを使用することが好ましい。
なお、本開示において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の両方を包含する。また、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を包含する。
上記した紙基材や樹脂フィルムの積層体を基材として使用することもできる。該積層体は、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法及びエクストリュージョン法等を利用することにより作製できる。
基材の厚さは、機械的強度の観点から、50μm以上500μm以下であることが好ましく、75μm以上500μm以下であることがより好ましく、100μm以上500μm以下であることがさらに好ましい。
(感熱凹部形成層)
本開示の受像シートは、厚さ40μm以上の感熱凹部形成層を備える。本開示の受像シートを、サーマルヘッドにより、受容層側から高温条件で加熱することにより、この感熱凹部形成層に凹部が形成され、製造される印画物に高い立体感を付与できる。具体的には、感熱凹部形成層に凹部を形成することにより、相対的に凸部となる領域が形成され、該凸部が模様や文字等を表すように凹部を形成することにより、印画物の意匠性を向上できる。
感熱凹部形成層の構成は、上記した熱転写シート5の基材シート50を介した加熱により形成される凹部の深さ条件を満たすことができるものであれば特に限定されるものではないが、以下にその構成の一例を示す。
感熱凹部形成層は、単層構造を有するものであってもよく、多層構造を有するものであってもよい。感熱凹部形成層の厚さは、40μm以上であることがより好ましく、80μm以上であることがさらに好ましい。これにより、形成される凹部の深さを向上できると共に、凹部の形成容易性を向上できる。さらに、受容層上に形成される画像濃度を向上できる。また、熱転写印画装置内での搬送性及び加工適性という観点から、感熱凹部形成層の厚さは、200μm以下であることが好ましい。
感熱凹部形成層は、内部に微細空隙を有する多孔質フィルム及び中空粒子含有層の少なくとも一方を備える、多孔質層である。以下、感熱凹部形成層が、多孔質層である場合について説明する。なお、感熱凹部形成層は、多孔質フィルム及び中空粒子含有層を共に備えていてもよい。
感熱凹部形成層が、単層構造を有する多孔質層である場合、その空隙率は、20%以上80%以下であることが好ましく、30%以上60%以下であることがより好ましい。これにより、形成される凹部の深さを向上できると共に、凹部の形成容易性を向上できる。また、受容層上に形成される画像濃度を向上できる。さらに、印画時エンボス抑制性を向上できる。
感熱凹部形成層が、多層構造を有する多孔質層である場合、第1感熱凹部形成層(最も受容層側に配置される感熱凹部形成層)の空隙率は、その他の感熱凹部形成層の空隙率より、小さいことが好ましい。これにより、印画時エンボス抑制性を向上できる。
第1感熱凹部形成層の空隙率は、10%以上60%以下であることが好ましく、20%以上50%以下であることがより好ましい。これにより、凹部の深さをより向上できると共に、凹部の形成容易性を向上できる。さらに、印画時エンボス抑制性を向上することができる。
第1感熱凹部形成層以外の感熱凹部形成層の空隙率の平均は、10%以上80%以下であることが好ましく、20%以上80%以下であることがより好ましい。これにより、第1感熱凹部形成層での凹部形成を容易にし、かつ印画時エンボス抑制性を向上できる。
なお、本開示において空隙率は、(1-感熱凹部形成層の比重/感熱凹部形成層を構成する樹脂材料の比重)×100により算出する。感熱凹部形成層を構成する樹脂材料の比重が未知の場合には、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジー(株)製、商品名:S3400N)により感熱凹部形成層の断面画像を取得し、断面画像の総面積(a)と、空隙(空孔)の占める面積(b)とから、((b)/(a))×100で算出する。
第1感熱凹部形成層の厚さは、20μm以上150μm以下であることが好ましく、30μm以上130μm以下であることがより好ましく、30μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。これにより、形成される凹部の深さを向上できると共に、凹部の形成容易性を向上できる。
第1感熱凹部形成層以外の感熱凹部形成層の厚さの和は、10μm以上180μm以下であることが好ましく、20μm以上150μm以下であることがより好ましく、20μm以上130μm以下であることがさらに好ましい。これにより、受容層上に形成される画像濃度を向上できる。
多孔質フィルムを構成する樹脂材料としては、PE及びPP等のポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体及びエチレン-酢酸ビニル共重合体等のビニル樹脂、PET及びPBT等のポリエステル、スチレン樹脂、並びにポリアミド等が挙げられる。フィルムの平滑性、断熱性及びクッション性の観点から、PPが特に好ましい。
受像シートの特性を損なわない範囲において、多孔質フィルムは、添加材を含むことができ、例えば、可塑材、充填材、紫外線安定化材、着色抑制材、界面活性材、蛍光増白材、艶消し材、消臭材、難燃材、耐候材、帯電抑制材、糸摩擦低減材、スリップ材、抗酸化材、イオン交換材、分散材、紫外線吸収材及び顔料や染料等の着色材等が挙げられる。
多孔質フィルムは、公知の方法により製造することができ、例えば、上記した樹脂材料に対し、非相溶な有機粒子又は無機粒子を混練した混合物をフィルム化することにより作製できる。また、一実施態様において、多孔質フィルムは、第1樹脂材料と、第1樹脂材料より高い融点を有する第2の樹脂材料を含む混合物をフィルム化することにより作製できる。
なお、上記方法により作製される多孔質フィルムに限定されるものではなく、市販されている多孔質フィルムを使用してもよい。
多孔質フィルムは、接着層を介して基材上に積層できる。また、複数の多孔質フィルムを、接着層を介して積層してもよい。
中空粒子含有層は、中空粒子及びバインダ材料を含む層である。中空粒子は、上記した受像シートのPETフィルムを介した加熱により形成される凹部の深さ条件を満たすことができるものであれば特に限定されるものではなく、有機系中空粒子であっても、無機系中空粒子であってもよいが、分散性の観点からは、有機系中空粒子が好ましい。また、中空粒子は、発泡粒子であっても、非発泡粒子であってもよい。
有機系中空粒子は、樹脂材料により構成され、例えば、架橋スチレン-アクリル樹脂等のスチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、イミド樹脂及びポリカーボネート等を挙げることができる。
一実施形態において、有機系中空粒子は、樹脂粒子等中にブタンガス等の発泡材を封入し、加熱発泡することにより作製できる。また、一実施形態において、有機系中空粒子は、エマルジョン重合を利用することによっても作製できる。なお、市販されている有機系中空粒子を使用してもよい。
中空粒子含有層に含まれるバインダ材料としては、ポリウレタン、ポリエステル、セルロース樹脂、ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン、スチレン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド、イミド樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテル、ゼラチン及びその誘導体、スチレンアクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、κ-カラギーナン、λ-カラギーナン、ι-カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸並びにアラビアゴム等が挙げられる。
中空粒子含有層は、本開示の受像シートの特性を損なわない範囲において、上記の添加材を含むことができる。
中空粒子含有層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材の上等に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
(受容層)
受容層は、熱転写シートが備える染料層から移行してくる昇華性染料を受容し、形成された画像を維持する層である。
受容層は、樹脂材料を含み、樹脂材料としては、染料が染着し易い樹脂であれば限定されるものではなく、例えば、オレフィン樹脂、ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、セルロース樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、カーボネート樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂及びアイオノマー樹脂等が挙げられる。受容層は、上記樹脂材料を2種以上含むことができる。
受容層における上記樹脂材料の含有量は、80質量%以上98質量%以下であることが好ましく、90質量%以上98質量%以下であることがより好ましい。
一実施形態において、受容層は、離型剤を含む。これにより、熱転写シートとの離型性
を向上できる。離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素系又はリン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル、反応性シリコーンオイル、硬化型シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイル、及び各種シリコーン樹脂などが挙げられる。上記シリコーンオイルとしては油状のものも用いることができるが、変性シリコーンオイルが好ましい。変性シリコーンオイルとしてはアミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、エポキシ-アラルキル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン等を好ましく用いる事ができるが、エポキシ変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、エポキシ-アラルキル変性シリコーンが特に好ましい。受容層は、上記離型剤を2種以上含むことができる。
受容層における離型剤の含有量は、0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。これにより、受容層の透明性を維持しつつ、熱転写シートとの離型性を向上できる。
受容層は、上記添加材を含んでもよい。
受容層の厚みは、0.5μm以上20μm以下であることが好ましく、1μm以上10μm以下であることがより好ましい。これにより、受容層上に形成される画像濃度を向上できる。
受容層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、感熱凹部形成層上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
(接着層)
本開示の受像シートは、任意の層間に、接着層を備える。これにより、層間の密着性を向上できる。
接着層は、樹脂材料を含む。例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン-酢酸ビニル共重合体及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体等のビニル樹脂、PE及びPP等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ポリオール樹脂並びにポリウレタン等が挙げられる。また、接着層は、上記添加材を含んでもよい。
接着層の厚さは、例えば、0.5μm以上10μm以下である。なお、多層構造を有する感熱凹部形成層の各層間において形成される接着層の厚さは、1μm以上8μm以下であることが好ましく、2μm以上5μm以下であることがより好ましい。これにより、感熱凹部形成層における凹部形成性を維持しつつ、層間の密着性を向上できる。
接着層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを任意の層の上に塗布、乾燥させることにより形成できる。塗布手段としては、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段が使用できる。また、一実施形態において、接着層は、上記材料を含む樹脂組成物を溶融押出することにより形成できる。
1 サーマルヘッド
2 プラテンロール
3 供給部
4 回収部
5 熱転写シート
6 受像シートロール
7 受像シート
10 印画部
14 制御装置
50 基材シート
54 保護層
71 基材
72 感熱凹部形成層
73 受容層

Claims (10)

  1. 色材層及び保護層が設けられた熱転写シートと、感熱凹部形成層及び受容層が積層された受像シートとを、サーマルヘッドとプラテンロールとの間に挟み込み、前記サーマルヘッドにより前記熱転写シートを加熱して、前記熱転写シートから前記受像シートの前記受容層に色材を移行して画像を形成する工程と、
    前記サーマルヘッドにより前記熱転写シートを加熱して、前記熱転写シートから前記受像シートの前記画像上に前記保護層を転写する工程と、
    前記サーマルヘッドにより、前記熱転写シートの使用済みの保護層形成領域を介して前記受像シートを加熱し、前記受像シートに凹部を形成する工程と、
    を備える印画物の製造方法。
  2. 前記凹部を形成する際に前記サーマルヘッドが使用済みの保護層形成領域を加熱する領域は、前記受像シートに形成された画像上に前記保護層を転写する際に前記サーマルヘッドが保護層形成領域を加熱する領域よりも小さい請求項1に記載の印画物の製造方法。
  3. 前記画像の全面を覆うように前記保護層を転写し、
    前記使用済みの保護層形成領域を所定のパターンで加熱し、前記画像の一部に対応する領域に前記凹部を形成する請求項1又は2に記載の印画物の製造方法。
  4. 前記凹部を形成する際の前記サーマルヘッドによる印加エネルギーは、前記画像を形成する際の前記サーマルヘッドによる印加エネルギーよりも高い請求項1乃至3のいずれかに記載の印画物の製造方法。
  5. 前記凹部を形成する際の前記サーマルヘッド及び前記プラテンロールを含む印画部による印圧は、前記画像を形成する際の前記印画部による印圧よりも高い請求項1乃至4のいずれかに記載の印画物の製造方法。
  6. 前記受像シートの、前記凹部を形成することにより相対的に凸部となる領域に、前記熱転写シートからホログラム層を転写する請求項1乃至5のいずれかに記載の印画物の製造方法。
  7. 前記感熱凹部形成層の厚さは40μm以上であり、前記凹部の深さは5μm以上である請求項1乃至6のいずれかに記載の印画物の製造方法。
  8. 前記感熱凹部形成層が、多孔質フィルム及び中空粒子含有層の少なくともいずれか一方を有する請求項1乃至7のいずれかに記載の印画物の製造方法。
  9. 色材層及び保護層が設けられた熱転写シートと、感熱凹部形成層及び受容層が積層された受像シートとを、サーマルヘッドとプラテンロールとの間に挟み込み、前記サーマルヘッドにより前記熱転写シートを加熱して、前記熱転写シートから前記受像シートの前記受容層に色材を移行して画像を形成し、前記受像シートの前記画像上に前記熱転写シートから前記保護層を転写する印画部を備え、
    前記サーマルヘッドが、前記熱転写シートの使用済みの保護層形成領域を介して前記受像シートを加熱し、前記受像シートに凹部を形成する熱転写印画装置。
  10. 前記凹部を形成する際の前記サーマルヘッドによる印加エネルギーは、前記画像を形成する際の前記サーマルヘッドによる印加エネルギーよりも高い請求項9に記載の熱転写印画装置。
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