JP7371337B2 - 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置に関する。
圧力室の壁面を構成する振動板を圧電素子により振動させることで、当該圧力室に充填されたインク等の液体をノズルから噴射する技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、酸化シリコンで形成された弾性膜と、酸化ジルコニウムで形成された絶縁体膜との積層により振動板を形成した構成が開示されている。また、特許文献2には、酸化シリコンの保護膜と酸化ジルコニウムの剛性膜との間に、保護膜を透過した水分の進行を阻止する耐湿層を介在させた構成が開示されている。
特開2017-139331号公報 特開2016-033937号公報
特許文献2の構成は、保護膜からみて剛性膜とは反対側からの水分の進入を阻止することを目的とするため、振動板の全面にわたり耐湿層を形成することが必須である。しかし、振動板の全面にわたり耐湿層を形成した構成では、振動板の振動が耐湿層により抑制されるから、振動板の変位量を充分に確保できない可能性がある。
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る液体噴射ヘッドは、液体を噴射するノズルに連通する複数の圧力室と、第1層と第2層との積層を含み、前記複数の圧力室の壁面を構成する振動板と、前記振動板の平面視において前記振動板のうち第1領域上に前記各圧力室に対応して形成された複数の圧電素子と、前記振動板のうち前記第1領域を包囲する第2領域内において前記第1層と前記第2層との界面を覆うバリア層とを具備する。
第1実施形態に係る液体噴射装置の構成を例示するブロック図である。 液体噴射ヘッドの分解斜視図である。 液体噴射ヘッドの断面図である。 振動板の平面図である。 図4におけるb-b線の断面図である。 図4におけるc-c線の断面図である。 振動板の第1層と第2層とが接合する状態の説明図である。 振動板の第1層と第2層とに応力が発生する状態の説明図である。 振動板の内部で加水分解が発生する状態の説明図である。 第1実施形態の変形例における液体噴射ヘッドの断面図である。 第2実施形態における液体噴射ヘッドの断面図である。 第2実施形態の変形例における液体噴射ヘッドの断面図である。 第3実施形態における液体噴射ヘッドの断面図である。 第4実施形態における液体噴射ヘッドの断面図である。 第5実施形態における液体噴射装置の部分的な構成を例示する断面図である。 第1実施形態の変形例における液体噴射ヘッドの断面図である。 変形例における振動板の平面図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る液体噴射装置100を例示する構成図である。第1実施形態の液体噴射装置100は、液体の一例であるインクを媒体12に噴射するインクジェット方式の印刷装置である。媒体12は、典型的には印刷用紙であるが、樹脂フィルムまたは布帛等の任意の材質の印刷対象が媒体12として利用される。図1に例示される通り、液体噴射装置100には、インクを貯留する液体容器14が設置される。例えば液体噴射装置100に着脱可能なカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、または、インクを補充可能なインクタンクが、液体容器14として利用される。色彩または特性が相違する複数種のインクが液体容器14には貯留される。
図1に例示される通り、液体噴射装置100は、制御ユニット20と搬送機構22と移動機構24と液体噴射ヘッド26とを具備する。制御ユニット20は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路と半導体メモリー等の記憶回路とを含み、液体噴射装置100の各要素を統括的に制御する。搬送機構22は、制御ユニット20による制御のもとで媒体12をY方向に搬送する。
移動機構24は、制御ユニット20による制御のもとで液体噴射ヘッド26をX方向に往復させる。X方向は、媒体12が搬送されるY方向に直交する方向である。第1実施形態の移動機構24は、液体噴射ヘッド26を収容する略箱型の搬送体242と、搬送体242が固定された搬送ベルト244とを具備する。なお、複数の液体噴射ヘッド26を搬送体242に搭載した構成、または、液体容器14を液体噴射ヘッド26とともに搬送体242に搭載した構成も採用され得る。
液体噴射ヘッド26は、液体容器14から供給されるインクを制御ユニット20による制御のもとで複数のノズルから媒体12に噴射する。搬送機構22による媒体12の搬送と搬送体242の反復的な往復とに並行して液体噴射ヘッド26が媒体12にインクを噴射することで、媒体12の表面に所望の画像が形成される。なお、X-Y平面に垂直な方向を以下ではZ方向と表記する。液体噴射ヘッド26によるインクの噴射方向がZ方向に相当する。X-Y平面は、例えば媒体12の表面に平行な平面である。
図2は、液体噴射ヘッド26の分解斜視図であり、図3は、図2おけるa-a線の断面図である。図2に例示される通り、液体噴射ヘッド26は、Y方向に配列された複数のノズルNを具備する。第1実施形態の複数のノズルNは、X方向に相互に間隔をあけて並設された第1列Laと第2列Lbとに区分される。第1列Laおよび第2列Lbの各々は、Y方向に直線状に配列された複数のノズルNの集合である。図3から理解される通り、第1実施形態の液体噴射ヘッド26は、第1列Laの各ノズルNに関連する要素と第2列Lbの各ノズルNに関連する要素とが略面対称に配置された構造である。そこで、以下の説明では、第1列Laに対応する要素を重点的に説明し、第2列Lbに対応する要素の説明は適宜に割愛する。
図2および図3に例示される通り、液体噴射ヘッド26は、流路構造体30と複数の圧電素子34と封止体35と筐体部36と配線基板51とを具備する。流路構造体30は、複数のノズルNの各々にインクを供給するための流路が内部に形成された構造体である。第1実施形態の流路構造体30は、流路基板31と圧力室基板32と振動板33とノズル板41と吸振体42とで構成される。流路構造体30を構成する各部材は、Y方向に長尺な板状部材である。流路基板31におけるZ方向の負側の表面に圧力室基板32と筐体部36とが設置される。他方、流路基板31におけるZ方向の正側の表面に、ノズル板41および吸振体42が設置される。例えば接着剤により各部材が固定される。
ノズル板41は、複数のノズルNが形成された板状部材である。複数のノズルNの各々は、インクを噴射する円形状の貫通孔である。例えばフォトリソグラフィおよびエッチング等の半導体製造技術を利用してシリコン(Si)の単結晶基板を加工することで、ノズル板41が製造される。ただし、ノズル板41の製造には公知の材料や製法が任意に採用され得る。
図2および図3に例示される通り、流路基板31には、空間Raと複数の供給流路312と複数の連通流路314と中継液室316とが形成される。空間Raは、Z方向からみた平面視でY方向に沿う長尺状に形成された開口であり、供給流路312および連通流路314は、ノズルN毎に形成された貫通孔である。中継液室316は、複数のノズルNにわたりY方向に沿う長尺状に形成された空間であり、空間Raと複数の供給流路312とを相互に連通させる。複数の連通流路314の各々は、当該連通流路314に対応する1個のノズルNに平面視で重なる。
図2および図3に例示される通り、圧力室基板32には複数の圧力室Cが形成される。圧力室Cは、ノズルN毎に形成され、平面視でX方向に沿う長尺状の空間である。複数の圧力室CはY方向に配列する。流路基板31および圧力室基板32は、前述のノズル板41と同様に、例えば半導体製造技術を利用してシリコンの単結晶基板を加工することで製造される。ただし、流路基板31および圧力室基板32の製造には公知の材料や製法が任意に採用され得る。
図2に例示される通り、圧力室基板32において流路基板31とは反対側の表面には、弾性的に変形可能な振動板33が設置される。振動板33は、Z方向からの平面視でY方向に長尺な矩形状に形成された板状部材である。図3から理解される通り、圧力室Cは、流路基板31と振動板33との間に位置する空間である。すなわち、振動板33は、各圧力室Cの壁面を構成する。図2および図3に例示される通り、圧力室Cは、連通流路314および供給流路312に連通する。したがって、圧力室Cは、連通流路314を介してノズルNに連通し、かつ、供給流路312と中継液室316とを介して空間Raに連通する。Z方向からの平面視は、振動板33に垂直な方向からみること、すなわち振動板33の平面視とも換言される。
図4は、振動板33の平面図である。振動板33のうちZ方向の負側の表面が図4には図示されている。図4に例示される通り、振動板33の表面は、第1領域Q1と第2領域Q2とに区画される。第1領域Q1は矩形状の領域である。第2領域Q2は、第1領域Q1を包囲する矩形枠状の領域である。すなわち、第2領域Q2は、第1領域Q1の周縁と振動板33の周縁との間の領域である。図4に例示される通り、複数の圧力室Cは、Z方向からの平面視で第1領域Q1の内側に形成される。振動板33のうち平面視で複数の圧力室Cに重なる領域を第1領域Q1として把握してもよい。
図2および図3に例示される通り、振動板33のうち圧力室Cとは反対側の表面には圧力室C毎に圧電素子34が形成される。すなわち、圧力室Cと圧電素子34との間に振動板33が位置する。圧電素子34は、平面視でX方向に沿う長尺状の受動素子である。各圧電素子34は、印加電圧に応じて変形することで圧力室Cの圧力を変化させる。圧電素子34が圧力室C内の圧力を変化させることで、圧力室C内のインクがノズルNから噴射される。図4に例示される通り、複数の圧電素子34は、Z方向からの平面視で振動板33の第1領域Q1の内側に形成される。振動板33のうち平面視で複数の圧電素子34に重なる領域を第1領域Q1として把握してもよい。以上の説明から理解される通り、複数の圧電素子34は、振動板33のうち第1領域Q1上に各圧力室Cに対応して形成される。
図3の筐体部36は、複数の圧力室Cに供給されるインクを貯留するためのケースであり、例えば樹脂材料の射出成形で形成される。筐体部36には空間Rbと供給口361とが形成される。供給口361は、液体容器14からインクが供給される管路であり、空間Rbに連通する。筐体部36の空間Rbと流路基板31の空間Raとは相互に連通する。空間Raと空間Rbとで構成される空間は、複数の圧力室Cに供給されるインクを貯留する液体貯留室Rとして機能する。液体容器14から供給されて供給口361を通過したインクが液体貯留室Rに貯留される。液体貯留室Rに貯留されたインクは、中継液室316から各供給流路312に分岐して複数の圧力室Cに並列に供給および充填される。吸振体42は、液体貯留室Rの壁面を構成する可撓性のフィルムであり、液体貯留室R内のインクの圧力変動を吸収する。
封止体35は、複数の圧電素子34を保護するとともに圧力室基板32および振動板33の機械的な強度を補強する構造体であり、振動板33の表面に例えば接着剤で固定される。封止体35のうち振動板33との対向面に形成された凹部の内側に複数の圧電素子34が収容される。また、振動板33の表面には配線基板51が接合される。配線基板51は、制御ユニット20と液体噴射ヘッド26とを電気的に接続するための複数の配線(図示略)が形成された実装部品である。例えばFPC(Flexible Printed Circuit)やFFC(Flexible Flat Cable)等の可撓性の配線基板51が好適に採用される。圧電素子34を駆動するための駆動信号および基準電圧が配線基板51から各圧電素子34に供給される。
図5は、図4におけるb-b線の断面図であり、図6は、図4におけるc-c線の断面図である。図5および図6に例示される通り、圧電素子34は、第1電極341と圧電体層342と第2電極343と第1導電層344と第2導電層345との積層で構成される。
第1電極341は、圧電素子34毎に相互に離間して振動板33の面上に形成された個別電極である。圧電素子34毎に生成された駆動信号が第1電極341に供給される。圧電体層342は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛等の強誘電性の圧電材料により第1電極341の面上に形成される。第2電極343は、圧電体層342の面上に形成される。図6から理解される通り、第1実施形態の第2電極343は、複数の圧電素子34にわたり連続する帯状の共通電極である。第2電極343には所定の基準電圧が印加される。図5から理解される通り、第2電極343は、第1領域Q1と第2領域Q2とにわたり形成される。
図5に例示される通り、第2電極343の面上には、第1導電層344および第2導電層345がX方向に所定の間隔をあけて形成される。第1導電層344および第2導電層345は、複数の圧電素子34にわたりY方向に延在する帯状の電極である。第1導電層344および第2導電層345には基準電圧が印加される。基準電圧と、第1電極341に供給される駆動信号との差分に相当する電圧が圧電体層342に印加される。第1導電層344は「導電層」の一例であり、基準電圧は「圧電素子を駆動するための電圧」の一例である。
第1導電層344および第2導電層345は、第2電極343よりも低抵抗な導電材料で形成され、第2電極343における電圧降下を抑制する補助配線として機能する。例えば、第1導電層344および第2導電層345は、ニクロム(NiCr)で形成された導電膜の表面に金(Au)の導電膜を積層した構造の導電パターンである。また、第1導電層344および第2導電層345は、振動板33の変形を抑制するための錘としても機能する。すなわち、圧電素子34のうち平面視で第1導電層344と第2導電層345との間に位置する部分が、印加電圧に応じて変形する能動部として機能する。
図5および図6に例示される通り、振動板33は、第1層331と第2層332との積層を含んで構成される。第2層332は、第1層331からみて圧力室基板32とは反対側に位置する。複数の圧電素子34は、第2層332の表面に形成される。すなわち、第1層331と複数の圧電素子34との間に第2層332が位置する。第1層331は、例えば酸化シリコン(SiO)で形成され、第2層332は、例えば酸化ジルコニウム(ZrO:ジルコニア)で形成される。第1層331は第2層332と比較して厚く形成される。なお、第1層331を圧力室基板32と一体に形成してもよい。
図5に例示される通り、第2層332には、当該第2層332を膜厚方向に貫通する開口部334が形成される。図4に例示される通り、開口部334は、平面視で第1領域Q1を包囲するように第2領域Q2内に矩形枠状に形成される。すなわち、開口部334は平面視で第2領域Q2に内包される。開口部334の内部には第1層331が露出する。すなわち、開口部334の内壁面を側面として第1層331の表面F2を底面とする溝部が、第2領域Q2内に矩形枠状に形成される。例えばフォトリソグラフィおよびエッチング等の半導体製造技術を利用して第2層332を選択的に除去することで開口部334が形成される。
以上の説明から理解される通り、第1実施形態の第2層332は、開口部334を挟んで第1部分P1と第2部分P2とに分離される。第1部分P1は、複数の圧力室Cおよび複数の圧電素子34に平面視で重なる矩形状の部分である。第2部分P2は、第2領域Q2内において第1部分P1を包囲する矩形枠状の部分である。第1部分P1と第2部分P2との間隙が開口部334に相当する。したがって、第1部分P1と第2部分P2との間に第1層331の表面F2が露出する。
図4に例示される通り、複数の圧力室Cおよび複数の圧電素子34は、平面視で第1領域Q1内に位置する。複数の圧電素子34は、複数列に形成される。具体的には、第1列Laに対応する2以上の圧電素子34の配列(以下「第1素子列」という)と、第2列Lbに対応する2以上の圧電素子34の配列(以下「第2素子列」という)と、が平面視で第1領域Q1内に形成される。第1素子列と第2素子列とは、第1領域Q1内においてX軸の方向に相互に間隔をあけて併設される。
第1領域Q1内に第2層232の開口部は形成されない。すなわち、第1領域Q1内においては、第1層331は第2層332から露出しない。例えば、図4から理解される通り、第2層232のうち平面視で第1素子列と第2素子列との間に位置する領域には、開口部が形成されない。すなわち、第1素子列と第2素子列との間において第1層331は第2層332から露出しない。また、個別電極である第1電極341は第1領域Q1内に形成されるから、第1電極341に平面視で重なる領域内において第1層331は第2層332から露出しない。
図5に例示される通り、振動板33にはバリア層37Aが形成される。バリア層37Aは、振動板33の第2層332の面上に形成される。具体的には、バリア層37Aは、図4に例示される通り、平面視で第1領域Q1の周縁に沿う矩形枠状に形成される。矩形枠状は、「環状」の一例である。第1実施形態のバリア層37Aは、圧電素子34の第1導電層344に連続する膜体で形成される。すなわち、バリア層37Aは第1導電層344と共通の工程において同一の材料で形成される。
図5に例示される通り、バリア層37Aは、第2層332における第1部分P1と第2部分P2との双方の面上にわたり形成される。したがって、バリア層37Aは、第2層332の面上だけでなく開口部334の内部にも形成される。バリア層37Aのうち開口部334の内部に位置する部分は、当該開口部334における第1部分P1側の内壁面F1と第1層331の表面F2とに第2領域Q2内において接触する。第1層331と第2層332との界面Fxに着目すると、バリア層37Aは、第2領域Q2内において第1層331と第2層332との界面Fxを覆う。具体的には、開口部334の内壁面F1と第1層331の表面F2とが交差する地点336において、バリア層37Aは第1層331と第2層332との界面Fxに接触する。以上のようにバリア層37Aは第2領域Q2内において第1層331と第2層332との界面Fxを覆うから、第1領域Q1内においては、第1層331と第2層332との間にバリア層37Aは介在しない。すなわち、第1層331と第2層332とは第1領域Q1内において直接に接触する。
ところで、振動板33を第1層331と第2層332との積層で形成した構成では、振動板33の端面から第1層331と第2層332との間に進入する水分が問題となり得る。第1層331と第2層332との間に水分が進入すると、振動板33にクラック等の破損が発生する場合がある。図7Aから図7Cは、第1層331と第2層332との間に水分が進入することに起因して振動板33に破損が発生する仕組みの説明図である。
図7Aに例示される通り、第1層331を構成する酸化シリコン(SiO)と第2層332を構成する酸化ジルコニウム(ZrO)とが酸素(O)を共有することで、第1層331と第2層332とは相互に接合される。
圧電素子34に印加される電圧の誤差等に起因して、圧電素子34に直流電圧が定常的に印加される場合がある。定常的な直流電圧の印加により圧電素子34が変形すると、図7Bに例示される通り、振動板33も定常的に変形した状態となる。具体的には、第1層331および第2層332の各々に相異なる応力が発生する結果、第1層331と第2層332とが面内方向にずれるように振動板33の内部に定常的な応力が発生する。以上に説明した応力により、第1層331と第2層332との界面Fxの活性化エネルギーが上昇した状態に維持される。
以上のように活性化エネルギーが高い状態で第1層331と第2層332との間に水分が進入すると、図7Cに例示される通り、第1層331と第2層332との間で加水分解が発生する。すなわち、第1層331のシリコン(Si)に結合していた酸素と、第2層332のジルコニア(Zr)に結合していた酸素とが、水分中の水素(H)に置換される。したがって、第1層331と第2層332との接合が解消されて相互に剥離した状態となる。前述の通り、第1層331は第2層332と比較して厚いから、加水分解が発生しない図7Aの状態では、振動板33の内部で応力が最大となる仮想的な面(以下「応力最大面」という)が第1層331の内部に位置する。しかし、加水分解により第1層331と第2層332とが剥離した図7Cの状態では、応力最大面が第2層332の内部に発生する。
ここで、酸化ジルコニウムで形成される第2層332は、酸化シリコンで形成される第1層331と比較して結晶の稠密性が低い。したがって、第2層332には結晶の欠陥が存在する。結晶の欠陥には応力が集中し易い。したがって、第2層332の内部に最大応力面が位置する図7Cの状態では、第2層332に局所的な応力の集中が発生する。以上に説明した応力の集中を原因として第2層332の破損が発生する。第1層331と第2層332との間の水分に起因して振動板33に破損が発生する仕組みは以上のように推測される。
第1実施形態においては、前述の通り、第1層331と第2層332との界面Fxを覆うバリア層37Aが形成されるから、第1層331と第2層332との間に水分が進入する可能性が低減される。具体的には、例えば振動板33の端面から第1層331と第2層332の第2部分P2との間に水分が進入しても、第1層331と第2層332の第1部分P1との間まで水分が到達することはバリア層37Aにより阻止される。したがって、第1層331と第2層332との間の水分に起因した振動板33の破損を有効に抑制することが可能である。第1実施形態では、バリア層37Aが第1領域Q1の周縁に沿う環状に形成されるから、第1層331と第2層332との間に水分が進入する可能性が、振動板33の全周にわたり低減される。したがって、第1層331と第2層332との間の水分に起因した振動板33の破損を抑制できるという前述の効果は格別に顕著である。
また、バリア層37Aは、第2領域Q2内において第1層331と第2層332との界面Fxを覆うから、第1領域Q1内においては第1層331と第2層332との間にバリア層37Aは介在しない。すなわち、第1層331と第2層332との間のバリア層37Aを振動板33の全面にわたり形成する必要はない。したがって、振動板33の全面にわたり第1層331と第2層332との間にバリア層37Aが形成された構成と比較して、振動板33の変位量が充分に確保される。以上に説明した通り、第1実施形態によれば、振動板33の破損の抑制と振動板33の変位量の確保とを両立することが可能である。なお、振動板33の変位量の確保が容易であるということは、振動板33を目標の変位量だけ変位させるために必要な圧電素子34の印加電圧が低減されることを意味する。以上のように圧電素子34に印加される電圧が低減される結果、圧電素子34の経時的な劣化を抑制できるという利点もある。
第1実施形態では、バリア層37Aが第1導電層344と同一の材料で形成されるから、バリア層37Aと第1導電層344とを同一の工程で形成することが可能である。したがって、バリア層37Aと第1導電層344とが別個の材料で形成される構成と比較して、液体噴射ヘッド26の製造工程が簡素化されるという利点がある。
なお、第1実施形態では、バリア層37Aが第1導電層344に連続する構成を例示したが、図8に例示される通り、バリア層37Aと第1導電層344とを相互に離間させてもよい。具体的には、第1導電層344は第2電極343の面上に形成され、バリア層37Aは、圧電素子34に重ならないように第2領域Q2内に形成される。図8の構成においても、バリア層37Aと第1導電層344とは、同一の材料により共通の工程で形成される。
<第2実施形態>
第2実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図9は、第2実施形態における振動板33および圧電素子34の断面図である。図9は、第1実施形態で参照した図5に対応する断面図である。図9に例示される通り、第2実施形態においては、第1実施形態におけるバリア層37Aがバリア層37Bに置換される。
第1実施形態では第1導電層344に連続するバリア層37Aを例示した。第2実施形態のバリア層37Bは、圧電素子34の要素とは別個の材料で形成される。具体的には、バリア層37Bは、第1層331および第2層332との密着性が高い金属酸化物により形成される。また、第1層331および第2層332よりも透水性が低い材料でバリア層37Bを形成した構成が好適である。例えば、酸化アルミニウム(アルミナ:Al)、窒化シリコン(SiN)、酸化ハフニウム(ハフニア:HfO)、酸化タンタル(Ta)、または酸化チタン(チタニア:TiO)が、バリア層37Bの材料として好適である。
バリア層37Bの態様は第1実施形態のバリア層37Aと同様である。すなわち、バリア層37Bは、振動板33の第2層332の面上に、平面視で第1領域Q1の周縁に沿う矩形枠状に形成される。また、バリア層37Bのうち開口部334の内部に位置する部分は、第1部分P1側の内壁面F1と第1層331の表面F2とに第2領域Q2内において接触する。すなわち、バリア層37Bは、第2領域Q2内において第1層331と第2層332との界面Fxを覆う。したがって、第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態においては、バリア層37Bが圧電素子34の要素とは別個の材料で形成されるから、第1層331と第2層332との間に水分が進入する可能性を低減するという観点からバリア層37Bの材料を選択できるという利点がある。
なお、図9においては、第1実施形態の第1導電層344とバリア層37Aとをバリア層37Bに置換した構成を例示したが、図10に例示される通り、第2実施形態においてバリア層37Bと第1導電層344とを個別に形成してもよい。図10の構成では、圧電素子34に重ならないように第2領域Q2内にバリア層37Bが形成され、圧電素子34の第2電極343の面上に第1導電層344が形成される。
<第3実施形態>
図11は、第3実施形態における振動板33および圧電素子34の断面図であり、第1実施形態で参照した図5に対応する断面が図示されている。図11に例示される通り、第3実施形態においてはバリア層37Cが形成される。バリア層37Cは、振動板33の第2領域Q2内において第1層331と第2層332との間に位置する。具体的には、バリア層37Cは、平面視で第1領域Q1を包囲するように第2領域Q2内に矩形枠状に形成される。バリア層37Cの形成には、第2実施形態と同様に、第1層331および第2層332との密着性が高い金属酸化物が好適に利用される。例えば、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、または酸化チタン等の金属酸化物が、バリア層37Cの材料として好適である。
図11に例示される通り、第3実施形態のバリア層37Cは、第2領域Q2内において第1層331と第2層332との界面Fxを覆う。具体的には、第1層331の表面上の地点336においてバリア層37Cは第1層331と第2層332との界面Fxに接触する。以上の説明から理解される通り、第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に、第1層331と第2層332との間に水分が進入する可能性が低減される。したがって、第1層331と第2層332との間の水分に起因した振動板33の破損を有効に抑制できる。
また、バリア層37Cは、第2領域Q2内において第1層331と第2層332との界面Fxを覆うから、第1層331と第2層332との間のバリア層37Cを振動板33の全面にわたり形成する必要はない。したがって、振動板33の全面にわたりバリア層37Cを形成した構成と比較して、振動板33の変位量が充分に確保される。
また、第3実施形態においては、第2実施形態と同様に、バリア層37Cが圧電素子34の要素とは別個の材料で形成される。したがって、第1層331と第2層332との間に水分が進入する可能性を低減するという観点からバリア層37Cの材料を選択できるという利点もある。
<第4実施形態>
図12は、第4実施形態における振動板33および圧電素子34の断面図であり、第1実施形態で参照した図5に対応する断面が図示されている。図12に例示される通り、第4実施形態においては、第3実施形態と同様に、振動板33の第2領域Q2内において第1層331と第2層332との間に位置するバリア層37Cが形成される。バリア層37Cは、第3実施形態の説明の通り、第2領域Q2内において第1層331と第2層332との界面Fxを覆う。バリア層37Cの形成に利用される材料は、第3実施形態と同様である。
図12に例示される通り、第3実施形態の第2層332には開口部334が形成される。開口部334は、第1実施形態と同様に、平面視で第1領域Q1を包囲するように第2領域Q2内に矩形枠状に形成される。開口部334の内部にはバリア層37Cが露出する。すなわち、開口部334の内壁面を側面としてバリア層37Cの表面を底面とする溝部が、第2領域Q2内に矩形枠状に形成される。第1実施形態について前述した通り、第2層332が開口部334を挟んで第1部分P1と第2部分P2とに分離された構成とも換言される。
図12に例示される通り、第4実施形態においては、圧電素子34の第1導電層344が第2電極343の面上から第2層332の面上にかけて連続に形成される。第1導電層344は、第2層332の面上から開口部334の内部に到達する。第1導電層344のうち開口部334の内部に位置する部分は、当該開口部334における第1部分P1側の内壁面F1とバリア層37Cの表面F3とに第2領域Q2内において接触する。すなわち、第1導電層344は、第2領域Q2内においてバリア層37Cと第2層332との界面を覆う。具体的には、開口部334の内壁面F1とバリア層37Cの表面F3とが交差する地点338において、第1導電層344はバリア層37Cと第2層332との界面に接触する。
第4実施形態においても第3実施形態と同様の効果が実現される。また、第4実施形態では、第1導電層344が第2領域Q2内においてバリア層37Cと第2層332との界面に接触する。したがって、バリア層37Cと第2層332との間に水分が進入する可能性を低減できるという利点もある。また、第4実施形態では、図12に破線の矢印で図示される通り、振動板33の端面からバリア層37Cと第2層332の第2部分P2との間に進入した水分が開口部334から揮発する。したがって、第1層331と第2層332との間に水分が進入する可能性を低減できるという効果は格別に顕著である。
<第5実施形態>
図13は、第5実施形態における液体噴射装置100の部分的な構成を例示する断面図である。図13に例示される通り、第5実施形態の液体噴射装置100は、液体噴射ヘッド26と収容体27と給気機構28とを具備する。液体噴射ヘッド26は、第1実施形態から第4実施形態の何れかと同様の構成である。したがって、第5実施形態においても第1実施形態から第4実施形態と同様の効果が実現される。
収容体27は、液体噴射ヘッド26を収容する空間Sが内部に形成された構造体である。収容体27の底部に形成された開口部から270から複数のノズルNが露出するように液体噴射ヘッド26は収容体27に固定される。
図13に例示される通り、空間S内には吸湿剤271が設置される。吸湿剤271は、空間S内の水分を吸収する乾燥剤であり、例えばシリカゲルまたは塩化カルシウム等の吸湿材料を含有する。なお、図13では1個の吸湿剤271を便宜的に図示したが、空間S内に複数の吸湿剤271を設置してもよい。
収容体27には給気口272が形成される。給気口272は、空間Sと給気機構28とを連通する流路である。給気機構28は、給気口272を介して空間Sに乾燥気体Dを供給する。乾燥気体Dは、例えば水蒸気量が4g/m以下の気体である。より好適には水蒸気量が3g/m以下の気体が乾燥気体Dとして利用され、さらに好適には水蒸気量が1g/m以下の気体が乾燥気体Dとして利用される。例えば乾燥空気が乾燥気体Dの典型例である。給気機構28による乾燥気体Dの供給により空間S内の湿度は低下する。
第5実施形態によれば、空間S内の吸湿剤271と給気機構28からの乾燥気体Dの供給とにより空間S内の湿度が低減されるから、液体噴射ヘッド26の第1層331と第2層332との間に水分が進入する可能性が低減される。したがって、第1層331と第2層332との間の水分に起因した振動板33の破損を効果的に抑制できる。
なお、第5実施形態では、吸湿剤271と給気機構28とを双方を具備する液体噴射装置100を例示したが、吸湿剤271および給気機構28の一方を省略してもよい。給気機構28が省略された構成では、収容体27の給気口272も省略される。
<変形例>
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)第1実施形態では、開口部334を挟んで第2層332を第1部分P1と第2部分P2とに区分したが、例えば図14に例示される通り、第2層332の第2部分P2を省略してもよい。第2実施形態および第4実施形態においても同様に、第2部分P2は省略され得る。なお、第2層332が第1部分P1と第2部分P2とを含む構成によれば、第2層332が第1部分P1のみを含む図14の構成と比較して、振動板33の機械的な強度を維持し易いという利点がある。
(2)前述の各形態では、第1領域Q1を包囲する矩形枠状のバリア層37(37A,37B,37C)を例示したが、バリア層37の平面形状は以上の例示に限定されない。例えば、第1領域Q1を包囲するように第2領域Q2内に配列された複数の部分によりバリア層37を形成してもよい。また、振動板33の周縁のうち特に水分が進入し易い範囲に限定してバリア層37を形成してもよい。
(3)前述の各形態では、複数のノズルNが第1列Laおよび第2列Lbの計2列に配列された構成を例示したが、複数のノズルNの列数は以上の例示に限定されない。具体的には、複数のノズルNが1列に配列された構成、または、複数のノズルNが3列以上に配列された構成も採用される。図15には、複数のノズルNを第1列から第4列の計4列に配列した構成が例示されている。図15に例示される通り、振動板33の第2層332は、第1列および第2列に対応する第1部分P1と、第3列および第4列に対応する第1部分P1とを含む。
(4)前述の各形態では、圧電素子34の第1電極341を個別電極として第2電極343を共通電極としたが、第1電極341を共通電極として第2電極343を個別電極としてもよい。また、第1電極341および第2電極343の双方を個別電極としてもよい。
(5)前述の各形態では、液体噴射ヘッド26を搭載した搬送体242を往復させるシリアル方式の液体噴射装置100を例示したが、複数のノズルNが媒体12の全幅にわたり分布するライン方式の液体噴射装置にも本発明を適用することが可能である。
(6)前述の各形態で例示した液体噴射装置100は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体噴射装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を噴射する液体噴射装置は、液晶表示パネル等の表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を噴射する液体噴射装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。また、生体に関する有機物の溶液を噴射する液体噴射装置は、例えばバイオチップを製造する製造装置として利用される。
100…液体噴射装置、12…媒体、14…液体容器、20…制御ユニット、22…搬送機構、24…移動機構、242…搬送体、244…搬送ベルト、26…液体噴射ヘッド、27…収容体、270…開口部、271…吸湿剤、272…給気口、28…給気機構、30…流路構造体、31…流路基板、32…圧力室基板、33…振動板、331…第1層、332…第2層、34…圧電素子、37A,37B,37C…バリア層、341…第1電極、342…圧電体層、343…第2電極、344…第1導電層、345…第2導電層、35…封止体、36…筐体部、41…ノズル板、42…吸振体、51…配線基板、R…液体貯留室、C…圧力室、N…ノズル、Q…実装領域、D…乾燥気体。

Claims (16)

  1. 液体を噴射するノズルに連通する複数の圧力室と、
    第1層と第2層との積層を含み、前記複数の圧力室の壁面を構成する振動板と、
    前記振動板の平面視において前記振動板のうち第1領域上に前記各圧力室に対応して形
    成された複数の圧電素子と、
    前記振動板のうち前記第1領域を包囲する第2領域内において前記第1層と前記第2層
    との界面を覆うバリア層と、
    を具備し、
    前記複数の圧電素子の各々は、第2電極と圧電体層と第1電極との積層を含み、
    前記圧電素子のうち、当該積層の方向にみて、前記圧力室と、前記第2電極と、圧電体層と、第1電極と、がいずれも重なる部分を能動部としたとき、
    前記バリア層は、当該積層の方向にみて、前記能動部と少なくとも一部が重ならず、
    前記第1領域の周縁に沿う環状に形成される
    液体噴射ヘッド。
  2. 液体を噴射するノズルに連通する複数の圧力室と、
    第1層と第2層との積層を含み、前記複数の圧力室の壁面を構成する振動板と、
    前記振動板の平面視において前記振動板のうち第1領域上に前記各圧力室に対応して形
    成された複数の圧電素子と、
    前記振動板のうち前記第1領域を包囲する第2領域内において前記第1層と前記第2層
    との界面を覆うバリア層と、
    を具備し、
    前記複数の圧電素子の各々は、第2電極と圧電体層と第1電極との積層を含み、
    前記圧電素子のうち、当該積層の方向にみて、前記圧力室と、前記第2電極と、圧電体層と、第1電極と、がいずれも重なる部分を能動部としたとき、
    前記バリア層は、当該積層の方向にみて、前記能動部と少なくとも一部が重ならず、
    前記第2層には、前記第1層を露出させる開口部が前記第2領域内に形成され、
    前記バリア層のうち前記開口部の内部に位置する部分は、当該開口部の内壁面と前記第1層の表面とに接触する
    液体噴射ヘッド。
  3. 前記第2層には、前記第1層を露出させる開口部が前記第2領域内に形成され、
    前記バリア層のうち前記開口部の内部に位置する部分は、当該開口部の内壁面と前記第1層の表面とに接触する
    請求項1の液体噴射ヘッド。
  4. 前記第2層は、前記複数の圧力室に重なる第1部分と、前記第1部分を包囲する第2部分とを含み、
    前記開口部は、前記第1部分と前記第2部分との間隙である
    請求項2または請求項3の液体噴射ヘッド。
  5. 前記開口部は、平面視で前記第2領域に内包される
    請求項2から請求項4の何れかの液体噴射ヘッド。
  6. 前記複数の圧力室は、平面視で前記第1領域内に位置する
    請求項1から請求項5の何れかの液体噴射ヘッド。
  7. 前記複数の圧電素子は、第1素子列を構成する2以上の圧電素子と、前記第1素子列に対して間隔をあけて並設される第2素子列を構成する2以上の圧電素子とを含む
    請求項1から請求項6の何れかの液体噴射ヘッド。
  8. 液体を噴射するノズルに連通する複数の圧力室と、
    第1層と第2層との積層を含み、前記複数の圧力室の壁面を構成する振動板と、
    前記振動板の平面視において前記振動板のうち第1領域上に前記各圧力室に対応して形
    成された複数の圧電素子と、
    前記振動板のうち前記第1領域を包囲する第2領域内において前記第1層と前記第2層
    との界面を覆うバリア層と、
    を具備し、
    前記複数の圧電素子の各々は、第2電極と圧電体層と第1電極との積層を含み、
    前記圧電素子のうち、当該積層の方向にみて、前記圧力室と、前記第2電極と、圧電体層と、第1電極と、がいずれも重なる部分を能動部としたとき、
    前記バリア層は、当該積層の方向にみて、前記能動部と少なくとも一部が重ならず、
    前記複数の圧電素子は、第1素子列を構成する2以上の圧電素子と、前記第1素子列に対して間隔をあけて並設される第2素子列を構成する2以上の圧電素子とを含み、
    前記第1素子列と前記第2素子列との間において、前記第1層は前記第2層から露出しない
    液体噴射ヘッド。
  9. 前記第1電極は、前記複数の圧電素子の各々について前記第1領域内に形成された個別電極であり、
    前記第2電極は、前記第1領域と前記第2領域とに形成され、前記複数の圧電素子にわたり連続する共通電極である
    請求項1から請求項8の何れかの液体噴射ヘッド。
  10. 液体を噴射するノズルに連通する複数の圧力室と、
    第1層と第2層との積層を含み、前記複数の圧力室の壁面を構成する振動板と、
    前記振動板の平面視において前記振動板のうち第1領域上に前記各圧力室に対応して形
    成された複数の圧電素子と、
    前記振動板のうち前記第1領域を包囲する第2領域内において前記第1層と前記第2層
    との界面を覆うバリア層と、
    を具備し、
    前記複数の圧電素子の各々は、第2電極と圧電体層と第1電極との積層を含み、
    前記圧電素子のうち、当該積層の方向にみて、前記圧力室と、前記第2電極と、圧電体層と、第1電極と、がいずれも重なる部分を能動部としたとき、
    前記バリア層は、当該積層の方向にみて、前記能動部と少なくとも一部が重ならず、
    前記第1電極は、前記複数の圧電素子の各々について前記第1領域内に形成された個別電極であり、
    前記第2電極は、前記第1領域と前記第2領域とに形成され、前記複数の圧電素子にわたり連続する共通電極であり、
    前記個別電極に平面視で重なる領域内において前記第1層は前記第2層から露出しない
    液体噴射ヘッド。
  11. 液体を噴射するノズルに連通する複数の圧力室と、
    第1層と第2層との積層を含み、前記複数の圧力室の壁面を構成する振動板と、
    前記振動板の平面視において前記振動板のうち第1領域上に前記各圧力室に対応して形
    成された複数の圧電素子と、
    前記振動板のうち前記第1領域を包囲する第2領域内において前記第1層と前記第2層
    との界面を覆うバリア層と、
    を具備し、
    前記複数の圧電素子の各々は、第2電極と圧電体層と第1電極との積層を含み、
    前記圧電素子のうち、当該積層の方向にみて、前記圧力室と、前記第2電極と、圧電体層と、第1電極と、がいずれも重なる部分を能動部としたとき、
    前記バリア層は、当該積層の方向にみて、前記能動部と少なくとも一部が重ならず、
    前記圧電素子は、前記第2電極に接続して電圧が印加される導電層を具備し、
    前記バリア層は、前記導電層と同一の材料で形成される
    液体噴射ヘッド。
  12. 液体を噴射するノズルに連通する複数の圧力室と、
    第1層と第2層との積層を含み、前記複数の圧力室の壁面を構成する振動板と、
    前記振動板の平面視において前記振動板のうち第1領域上に前記各圧力室に対応して形
    成された複数の圧電素子と、
    前記振動板のうち前記第1領域を包囲する第2領域内において前記第1層と前記第2層
    との界面を覆うバリア層と、
    を具備し、
    前記複数の圧電素子の各々は、第2電極と圧電体層と第1電極との積層を含み、
    前記圧電素子のうち、当該積層の方向にみて、前記圧力室と、前記第2電極と、圧電体層と、第1電極と、がいずれも重なる部分を能動部としたとき、
    前記バリア層は、当該積層の方向にみて、前記能動部と少なくとも一部が重ならず、
    酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化チタンの何れかで形成される
    液体噴射ヘッド。
  13. 液体を噴射するノズルに連通する複数の圧力室と、
    第1層と第2層との積層を含み、前記複数の圧力室の壁面を構成する振動板と、
    前記振動板の平面視において前記振動板のうち第1領域上に前記各圧力室に対応して形
    成された複数の圧電素子と、
    前記振動板のうち前記第1領域を包囲する第2領域内において前記第1層と前記第2層
    との界面を覆うバリア層と、
    を具備し、
    前記複数の圧電素子の各々は、第2電極と圧電体層と第1電極との積層を含み、
    前記圧電素子のうち、当該積層の方向にみて、前記圧力室と、前記第2電極と、圧電体層と、第1電極と、がいずれも重なる部分を能動部としたとき、
    前記バリア層は、当該積層の方向にみて、前記能動部と少なくとも一部が重ならず、
    前記第2領域内において前記第1層と前記第2層との間に位置する
    液体噴射ヘッド。
  14. 請求項1から請求項13の何れかの液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置。
  15. 前記液体噴射ヘッドを収容する空間が形成された収容体と、
    前記空間内に設置される吸湿剤と
    を具備する請求項14の液体噴射装置。
  16. 前記空間内に乾燥気体を供給する給気機構
    を具備する請求項15の液体噴射装置。
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