JP7369329B1 - 熱膨張性微小球及びその用途 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、経時的な発泡剤の漏出を低減できる中空粒子が得られる熱膨張性微小球、及びその用途を提供することである。熱可塑性樹脂を含む外殻と、それに内包され、かつ加熱することによって気化する発泡剤とを含む熱膨張性微小球であって、前記熱可塑性樹脂が、塩化ビニリデン(A)と、アクリロニトリル(B)とを含む重合性成分の重合体であり、かつ条件1及び条件2を満たす、熱膨張性微小球である。前記重合性成分に占める、前記塩化ビニリデン(A)と前記アクリロニトリル(B)の重量割合の合計が、55~99.9重量%であると好ましい。

Description

本発明は、熱膨張性微小球及びその用途に関する。
熱膨張性微小球(熱膨張性マイクロカプセル)は熱可塑性樹脂を外殻とし、その内部に発泡剤が封入された構造を有する。熱膨張性微小球は、熱処理を加えることで膨張する特長を有する微小球体である。
この熱膨張性微小球は幅広い用途に利用されており、例えば、熱膨張性微小球は基材に配合されたのち、加熱加工に用いられる。加熱加工の際、加工時に与えられる熱処理により、熱膨張性微小球は膨張し、加工物の軽量化だけではなく、加工物に意匠性やクッション性等を付与することができる。
例えば、特許文献1には、高い膨張性能を有する熱膨張性微小球として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルから選ばれるモノマーの共重合体等で構成された外殻を用い、発泡剤としてはイソブタンやイソペンタン等の炭化水素を使用したものが例示されている。
国際公開第2007/091961号
しかし、上記特許文献1で開示されている熱膨張性微小球では、熱膨張性微小球を膨張させた外殻部が薄くなった中空粒子から経時的に発泡剤が漏出してしまう問題が発生する場合があった。
本発明の目的は、経時的な発泡剤の漏出を低減できる中空粒子が得られる熱膨張性微小球及びその用途を提供することである。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、特定の重合性成分を重合して得られる熱可塑性樹脂を含む外殻と、その外殻に内包されかつ加熱することによって気化する発泡剤とを含む熱膨張性微小球であって、特定の手法で測定される熱膨張性微小球の微分熱重量曲線が最大となる温度と熱膨張性微小球の膨張開始温度とが特定の関係を示すことで、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
本発明は、以下の<1>~<8>態様が含まれる。
<1> 熱可塑性樹脂を含む外殻と、それに内包され、かつ加熱することによって気化する発泡剤とを含む熱膨張性微小球であって、前記熱可塑性樹脂が、塩化ビニリデン(A)と、アクリロニトリル(B)とを含む重合性成分の重合体であり、かつ下記条件1及び下記条件2を満たす、熱膨張性微小球。
条件1:前記重合性成分に占める、前記塩化ビニリデン(A)及び前記アクリロニトリル(B)の重量割合が下記式(I)の関係を有する。
アクリロニトリル(B)の重量割合/塩化ビニリデン(A)の重量割合>1 式(I)
条件2:窒素雰囲気下で10℃/分で昇温したときの熱重量分析(TGA)により得られる微分熱重量曲線(DTG)において、DTG値が最大となる温度(Td(℃))と、膨張開始温度(Ts(℃))が下記式(II)の関係を有する。
DTG値が最大となる温度(Td(℃))-膨張開始温度(Ts(℃))≧30℃ 式(II)
<2> 前記重合性成分に占める、前記塩化ビニリデン(A)と前記アクリロニトリル(B)の重量割合の合計が、55~99.9重量%である、<1>に記載の熱膨張性微小球。
<3> 前記重合性成分に占める前記アクリロニトリル(B)の重量割合が40~70重量%である、<1>又は<2>に記載の熱膨張性微小球。
<4> <1>~<3>のいずれかに記載の熱膨張性微小球と、前記熱膨張性微小球の外殻部の外表面に付着した微粒子とを含む、微粒子付着熱膨張性微小球。
<5> <1>~<3>のいずれかに記載の熱膨張性微小球の膨張体である、中空粒子。
<6> <5>に記載の中空粒子と、前記中空粒子の外殻部の外表面に付着した微粒子とを含む、微粒子付着中空粒子。
<7> <1>~<3>のいずれかに記載の熱膨張性微小球、<4>に記載の微粒子付着熱膨張性微小球、<5>に記載の中空粒子、及び<6>に記載の微粒子付着中空粒子から選ばれる少なくとも1種と、基材成分とを含む、組成物。
<8> <7>に記載の組成物を成形してなる、成形体。
本発明の組成物は、上記の熱膨張性微小球、上記の微粒子付着熱膨張性微小球、上記の中空粒子及び上記の微粒子付着中空粒子から選ばれる少なくとも1種と、基材成分とを含む。
本発明の成形体は、上記組成物を成形してなる。
本発明の熱膨張性微小球は、経時的な発泡剤の漏出を低減できる中空粒子が得られる。
本発明の熱膨張性微小球は、比較的低温で膨張を開始できる。
本発明の微粒子付着熱膨張性微小球は、経時的な発泡剤の漏出を低減できる微粒子付着中空粒子が得られる。
本発明の微粒子付着熱膨張性微小球は、比較的低温で膨張を開始できる。
本発明の中空粒子は、上記熱膨張性微小球を原料として得られるので、経時的な発泡剤の漏出を低減できる。
本発明の微粒子付着中空粒子は、上記熱膨張性微小球及び上記微粒子付着熱膨張性微小球から選ばれる少なくとも1種を原料として得られるので、経時的な発泡剤の漏出を低減できる。
本発明の組成物は、上記熱膨張性微小球、上記中空粒子及び上記微粒子付着中空粒子から選ばれる少なくとも1種を含んでいるため、軽量な成形体を得ることができる。
本発明の成形体は、軽量である。
熱膨張性微小球の一例を示す概略図である。 微粒子付着中空粒子の一例を示す概略図である。 微粒子付着熱膨張性微小球の一例を示す概略図である。
〔熱膨張性微小球〕
本発明の熱膨張性微小球は、熱可塑性樹脂を含む外殻と、その外殻に内包されかつ加熱することによって気化する発泡剤とを含むものである。熱膨張性微小球は、微小球全体として熱膨張性(微小球全体が加熱により膨らむ性質)を示す。
本発明の熱膨張性微小球は図1に示すように、外殻(シェル)6と、発泡剤(コア)7とから構成されるコア-シェル構造を有している。
本発明の熱膨張性微小球を構成する外殻において、それを形成する熱可塑性樹脂は、重合性成分を重合して得られる重合体である。
重合性成分は、単量体成分を必須とし架橋剤を含むことがある成分である。単量体成分は、重合性炭素-炭素二重結合を1個有する単量体(以下、単にモノマーということがある。)を意味し、付加重合可能な成分である。また、架橋剤は重合性炭素-炭素二重結合を少なくとも2個有する単量体を意味し、熱可塑性樹脂に橋架け構造を導入する成分である。
前記重合性成分は、塩化ビニリデン(A)(以下、単量体(A)ということがある)と、アクリロニトリル(B)(以下、単量体(B)ということがある)とを含む。
前記重合性成分は塩化ビニリデン(A)を含み、比較的低温域においても膨張性に優れる熱膨張性微小球となりうる。
前記重合性成分は、アクリロニトリル(B)を含み、熱膨張性微小球は良好な耐熱性を有しうる。
さらに本発明の熱膨張性微小球は、下記条件1及び下記条件2を満たすものである。これらの条件を満たすことにより、前記熱可塑性樹脂はガスバリア性、加熱軟化時の弾性、延伸性、耐熱性を有することができる。そして、各々の性能のバランスにより、熱膨張性微小球は比較的低温で膨張し、膨張して作製された中空粒子の外殻のガスバリア性が高く、発泡剤が外殻の外部へ透過することを低減でき、発泡剤保持性に優れる。
本発明の熱膨張性微小球は下記条件1を満たす。
条件1:前記重合性成分に占める、塩化ビニリデン(A)及びアクリロニトリル(B)の重量割合が下記式(I)の関係を有する。
アクリロニトリル(B)の重量割合/塩化ビニリデン(A)の重量割合>1 式(I)
条件1において、単量体(A)及び単量体(B)が上記式(I)を満たさない場合、つまり「単量体(B)の重量割合/単量体(A)の重量割合((B)/(A))≦1」となる場合、前記重合体中の単量体(A)と単量体(B)のランダム重合が適切な割合で進行しないため、膨張して作製された中空粒子の外殻のガスバリア性が低く、発泡剤保持性が低下し、発泡剤が経時的に漏出してしまい、さらに低温での膨張性も低下してしまうと考えている。
前記(B)/(A)の上限は、(1)10、(2)7、(3)5、(4)4.5、(5)2の順で好ましい(括弧内の数字が大きくなるほど好ましい)。一方、該(B)/(A)の下限は、(1)1.05、(2)1.1、(3)1.14、(4)1.2、(5)1.4の順で好ましい(括弧内の数字が大きくなるほど好ましい)。さらに、前記(B)/(A)は、例えば1超~10が好ましく、1.2~4.5がより好ましく、1.4~2が特に好ましい。
前記重合性成分に占める、単量体(A)の重量割合は、前記条件1を満足するものであれば特に限定はないが、本願効果を奏する点で、5~49.9重量%が好ましい。該重量割合の上限はより好ましくは45重量%、さらに好ましくは40重量%、特に好ましくは35重量%である。該重量割合の下限はより好ましくは15重量%、さらに好ましくは20重量%、特に好ましくは25重量%である。さらに、例えば15~45重量%がより好ましく、25~35重量%が特に好ましい。
前記重合性成分に占める、単量体(B)の重量割合は、前記条件1を満足するものであれば特に限定はないが、本願効果を奏する点で、20~80重量%が好ましい。該重量割合の上限はより好ましくは75重量%、さらに好ましくは70重量%、特に好ましくは65重量%、最も好ましくは60重量%である。一方、該重量割合の下限はより好ましくは25重量%、さらに好ましくは30重量%、特に好ましくは35重量%、最も好ましくは40重量%である。さらに、例えば30~75重量%がより好ましく、40~60重量%が特に好ましい。
前記重合性成分に占める、単量体(A)及び単量体(B)の重量割合の合計は、特に限定はないが、本願効果を奏する点で、55~99.9重量%が好ましい。該重量割合の上限はより好ましくは96重量%、さらに好ましくは93重量%、特に好ましくは90重量%である。一方、該重量割合の下限は、より好ましくは60重量%、より好ましくは65重量%、さらに好ましくは70重量%である。さらに、例えば60~96重量%がより好ましく、70~90重量%が特に好ましい。
前記重合性成分は本願の熱膨張性微小球の安定製造の点で単量体(A)、単量体(B)以外の炭素-炭素二重結合を1つ持つその他の単量体(C)(以下、単量体(C)ということがある)を含むと好ましい。
前記重合性成分がその他の単量体(C)を含む場合、前記重合性成分に占める単量体(C)の重量割合/単量体(A)の重量割合((C)/(A))は10~200であると本願効果を奏する点で好ましい。該(C)/(A)の上限はより好ましくは170、さらに好ましくは140、特に好ましくは110、最も好ましくは70である。一方、該(C)/(A)の下限はより好ましくは15、さらに好ましくは20、特に好ましくは25、最も好ましくは30である。さらに、該(C)/(A)は例えば15~110がより好ましく、30~70が特に好ましい。
その他の単量体(C)としては、例えば、メタクリロニトリル、フマロニトリル、マレオニトリル等のアクリロニトリル以外のニトリル系単量体;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル系単量体;塩化ビニリデン以外のハロゲン化ビニリデン系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等の不飽和モノカルボン酸や、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、クロロマレイン酸等の不飽和ジカルボン酸や、不飽和ジカルボン酸の無水物や、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチル等の不飽和ジカルボン酸モノエステル等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;アクリルアミド、置換アクリルアミド、メタクリルアミド、置換メタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系単量体;N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体;スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン系単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のエチレン不飽和モノオレフィン系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;ビニルメチルケトン等のビニルケトン系単量体;N-ビニルカルバゾール、N-ビニルピロリドン等のN-ビニル系単量体;ビニルナフタレン等が挙げられる。カルボキシル基含有単量体は、一部または全部のカルボキシル基が重合時や重合後に中和されていてもよい。なお、本発明においては、アクリル酸又はメタクリル酸を合わせて(メタ)アクリル酸ということもあり、(メタ)アクリルは、アクリル又はメタクリルを意味するものとする。これらのその他の単量体成分は、1種又は2種以上を併用してもよい。
前記重合性成分は単量体成分として、(メタ)アクリル酸エステル系単量体をさらに含んでもよい。(メタ)アクリル酸エステル系単量体をさらに含むと、熱膨張性微小球の膨張倍率が向上するため、好ましい。
重合性成分が(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む場合、重合性成分に占める(メタ)アクリル酸エステル系単量体の重量割合は、特に限定はないが、本願効果を奏する点で、好ましくは0~45重量%である。該重量割合の上限は、より好ましくは40重量%、さらに好ましくは35重量%、特に好ましくは30重量%、最も好ましくは25重量%である。一方、該重量割合の下限は、より好ましくは3重量%、さらに好ましくは7重量%、特に好ましくは10重量%、最も好ましくは13重量%である。さらに、例えば3~40重量%がより好ましく、13~25重量%が特に好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート及びブチルアクリレート、から選ばれる少なくとも1種を含むと、低温膨張性が向上するために好ましく、メチルメタクリレート及びメチルアクリレートから選ばれる少なくとも1種を含むとより好ましく、メチルメタクリレートを含むとさらに好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体がメチルメタクリレートを含む場合、(メタ)アクリル酸エステルに占めるメチルメタクリレートの重量割合の合計は、特に限定はないが、製造安定性の点で、好ましくは0重量%以上である。該重量割合の上限は、より好ましくは100重量%、さらに好ましくは97重量%、特に好ましくは95重量%である。一方、該重量割合の下限は、より好ましくは20重量%、さらに好ましくは40重量%。特に好ましくは60重量%である。さらに、例えば20~100重量%がより好ましく、60~95重量%が特に好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体がメチルアクリレートを含む場合、(メタ)アクリル酸エステルに占めるメチルアクリレートの重量割合は、特に限定はないが、本願効果を奏する点で好ましくは0重量%以上である。該重量割合の上限は、より好ましくは100重量%、さらに好ましくは65重量%、特に好ましくは30重量%である。一方、該重量割合の下限は、より好ましくは3重量%、さらに好ましくは6重量%。特に好ましくは9重量%である。さらに、例えば3~65重量%がより好ましく、9~30重量%が特に好ましい。
前記重合性成分は単量体成分として、アクリロニトリル以外のニトリル系単量体をさらに含んでもよい。アクリロニトリル以外のニトリル系単量体をさらに含むと、熱膨張性微小球の耐溶剤性が向上するため、好ましい。
重合性成分がアクリロニトリル以外のニトリル系単量体を含む場合、重合性成分に占めるアクリロニトリル以外のニトリル系単量体の重量割合は、特に限定はないが、本願効果を奏する点で、好ましくは0~35重量%である。該重量割合の上限は、より好ましくは30重量%、さらに好ましくは25重量%、特に好ましくは20重量%である。
アクリロニトリル以外のニトリル系単量体は、メタクリロニトリルを含むと、熱膨張性微小球の発泡倍率を調整できる点で好ましい。
アクリロニトリル以外のニトリル系単量体がメタクリロニトリルを含む場合、アクリロニトリル以外のニトリル系単量体に占めるメタクリロニトリルの重量割合は、特に限定はないが、本願効果を奏する点で、好ましくは0重量%以上である。該重量割合の上限は、より好ましくは100重量%、さらに好ましくは70重量%、特に好ましくは40重量%である。一方、該重量割合の下限は、より好ましくは5重量%、さらに好ましくは10重量%。特に好ましくは15重量%である。さらに、例えば5~70重量%がより好ましく、15~40重量%が特に好ましい。
前記重合性成分は単量体成分として、カルボキシル基含有単量体をさらに含んでもよい。重合性成分がカルボキシル基含有単量体をさらに含むと、得られる熱可塑性樹脂の熱膨張時の延伸性が向上するため、好ましい。
重合性成分がカルボキシル基含有単量体を含む場合、重合性成分に占めるカルボキシル基含有単量体の重量割合は、特に限定はないが、本願効果を奏する点で、好ましくは0~25重量%である。該重量割合の上限は、より好ましくは22重量%、さらに好ましくは19重量%、特に好ましくは16重量%である。一方、該重量割合の下限は、より好ましくは2重量%、さらに好ましくは4重量%、特に好ましくは6重量%である。
前記重合性成分は単量体成分として、(メタ)アクリルアミド系単量体をさらに含んでもよい。(メタ)アクリルアミド系単量体をさらに含むと、得られる熱可塑性樹脂の熱膨張時の耐熱性が向上するため、好ましい。
重合性成分が(メタ)アクリルアミド系単量体を含む場合、重合性成分に占める(メタ)アクリルアミド系単量体の重量割合は、特に限定はないが、好ましくは0~25重量%である。該重量割合の上限は、より好ましくは22重量%、さらに好ましくは19重量%、特に好ましくは16重量%である。一方、該重量割合の下限は、より好ましくは2重量%、さらに好ましくは4重量%、特に好ましくは6重量%である。
前記重合性成分は、上述のとおり、架橋剤を含んでいてもよい。重合性成分が架橋剤を含むことにより、得られる熱膨張性微小球では、内包された発泡剤の熱膨張時における保持率(内包保持率)の低下が抑制され、効果的に熱膨張させることができ、好ましい。
架橋剤としては、特に限定はないが、例えば、ジビニルベンゼン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-1,8オクタンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルカンジオールジ(メタ)アクリレート類;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、PEG#200ジ(メタ)アクリレート(化合物名中の#200は分子内のポリエチレングリコール鎖部分の重量平均分子量が200であることを表し、以下記載の#アラビア数字も同様である。)、PEG#400ジ(メタ)アクリレート、PEG#600ジ(メタ)アクリレート、PEG#1000ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール#650ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコール#700ジ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート(EO付加2~30)、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート(PO付加2~30)、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エトキシ化グリセリントリアクリレート、1,3,5-トリ(メタ)アクリロイル・ヘキサヒドロ1,3,5-トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,2,4-トリビニルベンゼン、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の二官能架橋性単量体、三官能性単量体及び四官能以上の架橋性単量体などが挙げられる。上記架橋剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
前記重合性成分に占める、架橋剤の重量割合は特に限定はないが、熱膨張性マイクロカプセルの膨張倍率が向上する点で好ましくは0~5.0重量部である。該重量割合の上限は、より好ましくは3.5重量%、さらに好ましくは2.0重量%、特に好ましくは1.0重量%である。一方、該重量割合の下限は、より好ましくは0.04重量%、さらに好ましくは0.07重量%、特に好ましくは0.1重量%である。
本発明の熱膨張性微小球は下記条件2を満たす。
条件2:窒素雰囲気下で10℃/分で昇温したときの熱重量分析(TGA)により得られる微分熱重量曲線(DTG)において、DTG値が最大となる温度(Td(℃))と、膨張開始温度(Ts(℃))が下記式(II)の関係を有する。
DTG値が最大となる温度(Td(℃))-膨張開始温度(Ts(℃))≧30℃ 式(II)
条件2において、DTG値が最大となる温度(Td(℃))と、膨張開始温度(Ts(℃))が上記式(II)を満たさない場合、つまり、「Td(℃)-Ts(℃)<30℃」の場合、熱膨張性微小球を熱膨張させて外殻が引き延ばされて薄くなった際の前記重合体の配向が適切に進行しないため、膨張させて作製された中空粒子の外殻のガスバリア性が低く、発泡剤保持性が低下し、発泡剤が経時的に漏出してしまうと考えている。なお、DTG値が最大となる温度(Td(℃))と、膨張開始温度(Ts(℃))は本発明の実施例に記載の方法によるものである。
前記Td(℃)-Ts(℃)の数値の下限は、好ましくは33℃、より好ましくは36℃、さらに好ましくは40℃である。一方、該数値の上限は好ましくは100℃、より好ましくは70℃、さらに好ましくは55℃である。さらに、前記Td(℃)-Ts(℃)の数値は、例えば、30~100℃がより好ましく、33~70℃がさらに好ましく、40~55℃が特に好ましい。
なお、前記条件2のTd(℃)-Ts(℃)は、例えば、前記重合性成分中に含まれる前記塩化ビニリデン(A)及び前記アクリロニトリル(B)の含有量、架橋剤の種類及び含有量、開始剤の種類、並びに、重合時の反応液の冷却及び除圧方法を変化させることによって調整することができる。
DTG値が最大となる温度(Td(℃))は、前記条件2を満たすものであれば特に限定はないが、本願効果を奏する点で105~250℃であると好ましい。該温度の下限は、より好ましくは115℃、さらに好ましくは125℃、特に好ましくは130℃である。一方、該温度の上限は、より好ましくは180℃、さらに好ましくは160℃、特に好ましくは150℃である。さらに、該Td(℃)は、例えば、115~180℃がさらに好ましく、130~150℃が特に好ましい。
熱膨張性微小球の膨張開始温度(Ts(℃))は、前記条件2を満たすものであれば特に限定はないが、熱膨張性微小球の低温膨張性が良好となる点で75℃~220℃が好ましい。該温度の下限は、より好ましくは75℃、さらに好ましくは78℃、特に好ましくは85℃、最も好ましくは90℃である。一方、該温度の上限値は、より好ましくは200℃、さらに好ましくは180℃、特に好ましくは160℃、最も好ましくは150℃である。さらに、該Ts(℃)は、例えば、85~180℃がさらに好ましく、90~150℃が特に好ましい。
熱膨張性微小球の最大膨張温度(Tm(℃))は、特に限定はないが、熱膨張性微小球の耐熱性が良好となる点で85~350℃が好ましい。該温度の下限は、より好ましくは90℃、さらに好ましくは95℃、特に好ましくは100℃以上、最も好ましくは105℃である。一方、該温度の上限は、より好ましくは300℃、さらに好ましくは250℃、特に好ましくは200℃、最も好ましくは170℃である。なお、最大膨張温度(Tm(℃))は、本発明の実施例に記載の方法によるものである。
発泡剤は、加熱することで気化する成分であり、熱膨張性微小球を構成する外殻に内包されることによって、熱膨張性微小球は微小球全体として熱膨張性(微小球全体が加熱により膨らむ性質)を示すようになる。
発泡剤は特に限定されないが、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ナノデカン等の直鎖状炭化水素;イソブタン、イソペンタン、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタン、イソノナン、イソデカン、イソドデカン、3-メチルウンデカン、イソトリデカン、4-メチルドデカン、イソテトラデカン、イソペンタデカン、イソヘキサデカン、2,2,4,4,6,8,8-ヘプタメチルノナン、イソヘプタデカン、イソオクタデカン、イソノナデカン、2,6,10,14-テトラメチルペンタデカン等の分岐状炭化水素;シクロドデカン、シクロトリデカン、ヘキシルシクロヘキサン、ヘプチルシクロヘキサン、n-オクチルシクロヘキサン、シクロペンタデカン、ノニルシクロヘキサン、デシルシクロヘキサン、ペンタデシルシクロヘキサン、ヘキサデシルシクロヘキサン、ヘプタデシルシクロヘキサン、オクタデシルシクロヘキサン等の炭化水素;石油エーテル;それらのハロゲン化物;ハイドロフルオロエーテル、フルオロカーボン等の含弗素化合物;テトラアルキルシラン;加熱により熱分解してガスを生成する化合物等が挙げられる。発泡剤は、直鎖状、分岐状、脂環状のいずれでもよく、脂肪族であるものが好ましい。また、これらの発泡剤は1種又は2種以上を併用してもよい。
上記発泡剤のなかでも、炭素数5以下の炭化水素を含むと、熱膨張性微小球の低温膨張性能を向上させることができるため好ましい。一方、炭素数6以上の炭化水素を含むと、熱膨張性微小球の膨張開始温度、最大膨張温度を向上させることができる。炭素数5以下の炭化水素としてはイソブタン、イソペンタンが好ましい。一方、炭素数6以上の炭化水素としては、イソオクタンが好ましい。
本願効果を奏する点で、発泡剤は炭素数4以下の炭化水素、特にイソブタンを含むと好ましい。
熱膨張性微小球の発泡剤の内包率は、熱膨張性微小球の重量に対する熱膨張性微小球に内包された発泡剤の重量の百分率で定義される。
発泡剤の内包率については、特に限定されないが、熱膨張性微小球の重量に対して、好ましくは1~50重量%である。前記内包率がこの範囲にあると、加熱により高い内圧が得られるため、熱膨張性微小球を大きく膨張させることができる。発泡剤の内包率の下限は、(1)3重量%、(2)5重量%、(3)7重量%、(4)10重量%の順で好ましい(括弧内の数字が大きくなるほど好ましい)。一方、前記内包率の上限は、(1)40重量%、(2)33重量%、(3)25重量%、(4)20重量%の順で好ましい(括弧内の数字が大きくなるほど好ましい)。さらに、例えば、3~33重量%がさらに好ましく、10~20重量%が特に好ましい。
本発明の熱膨張性微小球の平均粒子径は、特に限定はないが、好ましくは0.5~100μmである。該平均粒子径が0.5μm以上であると熱膨張性微小球の膨張性能が高くなる傾向があり、該平均粒子径が100μm以下であると熱膨張性微小球の膨張安定性が高くなる傾向がある。該平均粒子径の上限は、より好ましくは80μm、さらに好ましくは60μm、特に好ましくは40μm、最も好ましくは20μmである。該平均粒子径の下限は、より好ましくは1μm、さらに好ましくは1.5μm、特に好ましくは2μm、最も好ましくは5μmである。なお、熱膨張性微小球の平均粒子径は、本発明の実施例に記載の方法によるものである。
熱膨張性微小球の粒度分布の変動係数CVは、特に限定はないが、均一な膨張倍率の熱膨張性微小球が得られる点で、好ましくは50%以下、さらに好ましくは45%以下、特に好ましくは40%以下である。なお、変動係数CVは実施例に記載の方法によるものである。変動係数CVは、以下に示す計算式(1)及び(2)で算出される。
Figure 0007369329000001
(式中、sは粒子径の標準偏差、<x>は平均粒子径、xiはi番目の粒子径、nは粒子の数である。)
熱膨張性微小球の体積最大膨張倍率は、特に限定はないが、本願効果を奏する点で好ましくは25倍以上、より好ましくは30倍以上、さらにより好ましくは40倍以上、特に好ましくは50倍以上、さらに好ましくは70倍以上である。一方、最大膨張倍率の上限値は、好ましくは120倍である。なお、熱膨張性微小球の最大膨張倍率は、熱膨張前の熱膨張性微小球の真比重を最大膨張させた後の真比重で割った値である。
〔熱膨張性微小球の製造方法〕
本発明の熱膨張性微小球において、その製造方法は、重合性成分と、発泡剤と、重合開始剤とを含有する油性混合物を水性分散媒中に分散させ、重合性成分を重合させる工程(以下では、単に重合工程ということがある)を含む方法であると好ましい。
重合開始剤としては、特に限定はないが、ごく一般に用いられる過酸化物やアゾ化合物等が挙げられる。
過酸化物としては、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジベンジルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート;ジラウロイルパーオキサイド、ジ(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド;2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール;クメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド;t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシイソブチレート等のパーオキシエステルを挙げることができる。
アゾ化合物としては、例えば、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)等が挙げられる。
前記重合開始剤の重量割合は、特に限定はないが、重合性成分100重量部に対して、0.02~12重量部が好ましい。該重量割合の上限は(1)10重量部、(2)8重量部、(3)5重量部、(4)2重量部の順で好ましい(括弧内の数字が大きくなるほど好ましい)。一方、該重量割合の下限は、(1)0.05重量部、(2)0.1重量部、(3)0.2重量部、(4)0.4重量部の順で好ましい(括弧内の数字が大きくなるほど好ましい)。該重量割合が上記範囲外の場合、重合されない重合性成分が残存し、所定の熱膨張性微小球を安定的に作製できないことがある。さらに、該重量割合が12重量部を超える場合、耐熱性が低下することがある。重合開始剤は1種または2種以上を併用しても良い。
重合工程では、水性分散媒は重合性成分および発泡剤を必須とする油性混合物を分散させる媒体であり、イオン交換水等の水を主成分とする。水性分散媒は、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコールや、アセトン等の親水性有機性の溶媒をさらに含有してもよい。本発明における親水性とは、水に任意に混和できる状態であることを意味する。水性分散媒の使用量については、特に限定はないが、重合性成分100重量部に対して、100~1500重量部の水性分散媒を使用するのが好ましい。
水性分散媒は、電解質をさらに含有してもよい。電解質としては、たとえば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。これらの電解質は、1種または2種以上を併用してもよい。電解質の含有量については、特に限定はないが、水性分散媒100重量部に対して0~50重量部含有するのが好ましい。
水性分散媒は、水酸基、カルボン酸(塩)基およびホスホン酸(塩)基から選ばれる親水性官能基とヘテロ原子とが同一の炭素原子に結合した構造を有する水溶性1,1-置換化合物類、重クロム酸カリウム、亜硝酸アルカリ金属塩、金属(III)ハロゲン化物、ホウ酸、水溶性アスコルビン酸類、水溶性ポリフェノール類、水溶性ビタミンB類および水溶性ホスホン酸(塩)類から選ばれる少なくとも1種の水溶性化合物を含有してもよい。なお、本発明における水溶性とは、水100gあたり1g以上溶解する状態であることを意味する。
水性分散媒中に含まれる水溶性化合物の量については、特に限定はないが、重合性成分100重量部に対して、0.0001~1.0重量部が好ましい。該水溶性化合物の量の上限は、より好ましくは0.5重量部、さらに好ましくは0.1重量部、特に好ましくは0.05重量部である。一方、該水溶性化合物の量の下限は、より好ましくは0.0003重量部、さらに好ましくは0.001重量部、特に好ましくは0.02重量部である。水溶性化合物の量が少なすぎると、水溶性化合物による効果が十分に得られないことがある。また、水溶性化合物の量が多すぎると、重合速度が低下したり、原料である重合性成分の残存量が増加したりすることがある。
水性分散媒は、電解質や水溶性化合物以外に、分散安定剤や分散安定補助剤を含んでもよい。
分散安定剤としては、例えば、第三リン酸カルシウム、複分解生成法により得られるピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウムや、コロイダルシリカ、アルミナゾル、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの分散安定剤は、1種または2種以上を併用してもよい。
分散安定剤の量については、特に限定はないが、より均一な粒子径の熱膨張性微小球が得られる点で重合性成分100重量部に対して、0.05~35重量部が好ましい。該分散安定剤の量の上限は、より好ましくは30重量部、さらに好ましくは20重量部、特に好ましくは10重量部である。一方、該分散安定剤の量の下限は、より好ましくは0.1重量部、さらに好ましくは0.2重量部、特に好ましくは0.5重量部である。
分散安定補助剤としては、特に限定はないが、たとえば、高分子タイプの分散安定補助剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤等が挙げられる。これらの分散安定補助剤は、1種または2種以上を併用してもよい。
水性分散媒は、例えば、水(イオン交換水)に、水溶性化合物とともに、必要に応じて分散安定剤及び/または分散安定補助剤等を配合して調製される。重合時の水性分散媒のpHは、水溶性化合物、分散安定剤、分散安定補助剤の種類によって適宜決められる。
本発明の熱膨張性微小球において、その製造方法では、水酸化ナトリウム及び塩化亜鉛の存在下で重合を行ってもよい。
本発明の熱膨張性微小球において、その製造方法では、所定粒子径の球状油滴が調製されるように油性混合物を水性分散媒中に懸濁分散させると好ましい。
また、重合工程においては、連鎖移動剤、有機顔料、表面が疎水性処理された無機顔料や無機粒子等をさらに使用してもよい。
重合工程では、所定粒子径の球状油滴が調製されるように、油性混合物を水性分散媒中に懸濁分散させる。
油性混合物を懸濁分散させる方法としては、例えば、ホモミキサー(例えば、プライミクス株式会社製)等により攪拌する方法や、スタティックミキサー(例えば、株式会社ノリタケカンパニーリミテド製)等の静止型分散装置を用いる方法、膜乳化法、超音波分散法等の一般的な分散方法を挙げることができる。
次いで、油性混合物が球状油滴として水性分散媒に分散された水系懸濁液を加熱することにより、懸濁重合を開始する。重合反応中は、水系懸濁液を攪拌するのが好ましく、その攪拌は、たとえば、単量体成分の浮上や重合後の熱膨張性微小球の沈降を防止できる程度に緩く行えばよい。
重合温度は、重合開始剤の種類によって自由に設定されるが、好ましくは30~100℃、さらに好ましくは40~90℃の範囲で制御される。反応温度を保持する時間は、0.1~20時間程度が好ましい。重合初期圧力については特に限定はないが、ゲージ圧で0~5.0MPa、さらに好ましくは0.1~3.0MPaである。
重合後の反応液の冷却温度及び除圧方法は特に限定はないが、前記条件2を満足する熱膨張性微小球が得られやすい点で、除圧前に反応液を40℃以下に冷却すると好ましく、反応液を40℃以下に冷却した後、緩やかに除圧して加圧反応器内の圧力を大気圧まで低下させるとより好ましい。
得られたスラリーを遠心分離機、加圧プレス機、真空脱水機等により濾過し、含水率10~50重量%、好ましくは15~45重量%、さらに好ましくは20~40重量%の湿粉を得ることができる。また、得られた湿粉を、棚型乾燥機、間接加熱乾燥機、流動乾燥機、真空乾燥機、振動乾燥機、気流乾燥機等により乾燥し、乾燥粉体が得られる。得られた乾燥粉体の含水率は、好ましくは8重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。
また、イオン性物質の含有量を低減させる目的で、得られた湿粉または乾燥粉体を水洗及び/または再分散後に再濾過し、乾燥させても構わない。また、スラリーを噴霧乾燥機、流動乾燥機等により乾燥し、乾燥粉体を得てもよい。湿粉と乾燥粉体は使用用途に応じて適宜選択することができる。
〔微粒子付着熱膨張性微小球〕
本発明の微粒子付着熱膨張性微小球は、上記で説明した熱膨張性微小球と、その外殻部の外表面に付着した微粒子とを含むものであって、例えば、図3のように、発泡剤(コア)(10)を有する熱膨張性微小球(8)の外殻部(シェル)(9)の外表面に付着した微粒子(11や12)で形成されたものである。
ここでいう付着とは、単に熱膨張性微小球の外殻9の外表面に微粒子11及び12が、吸着された状態(図3の微粒子11の状態)であってもよく、熱膨張性微小球の外殻の外表面に微粒子がめり込み、固定された状態(図3の微粒子12の状態)であってもよいという意味である。微粒子の粒子形状は不定形であっても球状であってもよい。
本発明の微粒子付着熱膨張性微小球は、例えば、熱膨張性微小球と微粒子とを含む水分散体を乾燥させて得ることができる。
微粒子としては、種々のものを使用することができ、無機物、有機物のいずれの素材であってもよい。微粒子の形状としては、球状、針状や板状等が挙げられる。
微粒子を構成する無機物としては、特に限定はないが、例えば、ワラステナイト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、タルク、ベントナイト、アルミナシリケート、パイロフィライト、モンモリロナイト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラスフレーク、窒化ホウ素、炭化珪素、シリカ、アルミナ、雲母、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ハイドロサルタイト、カーボンブラック、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、セラミックビーズ、ガラスビーズ、水晶ビーズ、ガラスマイクロバルーン等が挙げられる。
微粒子を構成する有機物としては、特に限定はないが、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ポリエチレンワックス、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、硬化ひまし油、(メタ)アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
微粒子を構成する無機物や有機物は、シランカップリング剤、パラフィンワックス、脂肪酸、樹脂酸、ウレタン化合物、脂肪酸エステル等の表面処理剤で処理されていてもよく、未処理のものでもよい。
微粒子の平均粒子径は、特に限定はないが、好ましくは0.001~30μm、より好ましくは0.005~25μm、特に好ましくは0.01~20μmである。なお、該平均粒子径は、レーザー回折法により測定された体積基準の累積50%粒子径の値である。
本発明の微粒子付着熱膨張性微小球全体に占める微粒子の重量割合については、特に限定はないが、本願効果を奏する点で95重量%以下が好ましく、さらに好ましくは90重量%以下、特に好ましくは85重量%以下、最も好ましくは80重量%以下である。該重量割合が95重量%超であると、軽量化効果が低下し、非経済的になることがある。微粒子の重量割合の下限は、好ましくは10重量%、さらに好ましくは20重量%、特に好ましくは30重量%、最も好ましくは40重量%である。
〔中空粒子〕
本発明の中空粒子は、上記で説明した熱膨張性微小球を加熱膨張させて得られる粒子であり、組成物や成形体に含ませると材料物性に優れる。
本発明の中空粒子は、特定の重合性成分を重合して得られる熱可塑性樹脂を含む外殻と、その外殻に内包される発泡剤を含み、かつ特定の手法で測定される微分熱重量曲線が最大となる温度と膨張開始温度とが特定の関係を示す熱膨張性微小球を加熱膨張させて得られる粒子であるため、経時的な発泡剤の漏出を低減できる。
本発明の中空粒子は、上記で説明した熱膨張性微小球を、好ましくは80~300℃で加熱膨張させることで得られる。加熱膨張の方法としては、特に限定はなく、乾式加熱膨張法、湿式加熱膨張法等のいずれでもよい。乾式加熱膨張法としては、例えば、特開2006-213930号公報に記載されている方法、特に内部噴射方法が挙げられる。また、別の乾式加熱膨張法としては、特開2006-96963号公報に記載の方法等がある。湿式加熱膨張法としては、特開昭62-201231号公報に記載の方法等がある。
本発明の中空粒子の真比重については、特に限定はないが、好ましくは0.001~0.60である。該真比重が0.001以上であると、外殻部の膜厚が十分となり、耐圧性が向上する傾向がある。一方、該真比重0.60以下であると、低比重化効果が十分に得られ、中空粒子を用いて組成物を調製する際に、組成物や成形体としての物性を十分に保つことができる傾向がある。該真比重の上限は、より好ましくは0.50、さらに好ましくは0.40、特に好ましくは0.30、最も好ましくは0.20である。一方、該真比重の下限は、より好ましくは0.003、さらに好ましくは0.005、特に好ましくは0.007、最も好ましくは0.010である。なお、中空粒子の真比重は実施例で測定される方法によるものである。
〔微粒子付着中空粒子〕
本発明の微粒子付着中空粒子は、上記で説明した中空粒子と、その外殻部の外表面に付着した微粒子とを含むものであって、例えば、図2のように、中空粒子(1)の外殻部(2)の外表面に付着した微粒子(4や5)で形成されたものである。
ここでいう付着とは、単に中空粒子の外殻2の外表面に微粒子4及び5が、吸着された状態(図2の微粒子4の状態)であってもよく、外表面近傍の外殻を構成する熱可塑性樹脂が加熱によって融解し、中空粒子の外殻の外表面に微粒子充填剤がめり込み、固定された状態(図2の微粒子5の状態)であってもよいという意味である。微粒子の粒子形状は不定形であっても球状であってもよい。
微粒子が中空粒子に付着することにより、中空粒子の飛散を抑制しハンドリングを向上させることができ、また、バインダーや樹脂等の基材成分への分散性も向上させることができる。
また、微粒子付着中空粒子を構成する微粒子としては、上記の微粒子を使用することができる。
微粒子の体積平均粒子径と中空粒子の体積平均粒子径との比率(微粒子の体積平均粒子径/中空粒子の体積平均粒子径)は特に限定はないが、中空粒子表面への微粒子の付着性の点で、好ましくは1以下、より好ましくは0.1以下、さらに好ましくは0.05以下である。
微粒子付着中空粒子全体に占める微粒子の重量割合については、特に限定はないが、95重量%以下が好ましく、さらに好ましくは90重量%以下、特に好ましくは85重量%以下、最も好ましくは80重量%以下である。該重量割合が95重量%超であると、微粒子付着中空粒子を用いて組成物を調製する際にその添加量が大きくなり、非経済的であることがある。微粒子の重量割合の下限は、好ましくは10重量%、さらに好ましくは20重量%、特に好ましくは30重量%、最も好ましくは40重量%である。
微粒子付着中空粒子の真比重については、特に限定はないが、好ましくは0.01~0.60である。該真比重が0.01以上であると、外殻部の膜厚が十分となり、ヘタリを抑制できる傾向がある。一方、該真比重0.60以下であると、低比重化効果が十分に得られ、微粒子付着中空粒子を用いて組成物を調製する際に、組成物や成形体としての物性を十分に保つことができる傾向がある。該真比重の上限は、より好ましくは0.40、特に好ましくは0.30、最も好ましくは0.20である。一方、該真比重の下限は、より好ましくは0.07、特に好ましくは0.10である。
本発明の微粒子付着中空粒子において、その製造方法は、例えば、熱膨張性微小球と微粒子とを混合する工程(混合工程)と、前記混合工程で得られた混合物を前記軟化点超の温度に加熱して、前記熱膨張性微小球を膨張させるとともに、得られる中空粒子の外表面に微粒子を付着させる工程(付着工程)を含む製造方法が好ましい。また、上記微粒子付着熱膨張性微小球を加熱膨張させることによっても得ることができる。
前記混合工程は、前述の熱膨張性微小球と前述の微粒子とを混合する工程である。
混合工程における熱膨張性微小球及び微粒子の合計に対する微粒子の重量割合は、特に限定はないが、好ましくは95重量%以下、より好ましくは90重量%以下、特に好ましくは85重量%以下、最も好ましくは80重量%以下である。該重量割合が95重量%以下であると、得られる微粒子付着中空粒子は軽量であり、十分な低比重化効果が得られる傾向がある。該重量割合の下限は、好ましくは5重量%、さらに好ましくは10重量%、特に好ましくは20重量%、最も好ましくは30重量%である。
前記混合工程において、熱膨張性微小球と微粒子とを混合するのに用いられる装置としては、特に限定はなく、容器と攪拌羽根といった極めて簡単な機構を備えた装置を用いて行うことができる。また、一般的な揺動または攪拌を行える粉体混合機を用いてもよい。
粉体混合機としては、たとえば、リボン型混合機、垂直スクリュー型混合機等の揺動攪拌または攪拌を行える粉体混合機を挙げることができる。また、近年、攪拌装置を組み合わせたより効率のよい多機能な粉体混合機であるスーパーミキサー(株式会社カワタ製)及びハイスピードミキサー(株式会社深江製)、ニューグラムマシン(株式会社セイシン企業製)、SVミキサー(株式会社神鋼環境ソリューション社製)等も紹介されており、これらを用いてもよい。
前記付着工程は、前述の混合工程で得られた熱膨張性微小球と微粒子とを含む混合物を、熱膨張性微小球の外殻を構成する熱可塑性樹脂の軟化点超の温度に加熱する工程である。付着工程では、熱膨張性微小球を膨張させるとともに、得られる中空粒子の外殻部の外表面に微粒子を付着させる。
加熱は、一般的な接触伝熱型または直接加熱型の混合式乾燥装置を用いて行えばよい。混合式乾燥装置の機能については、特に限定はないが、温度調節可能で原料を分散混合する能力や、場合により乾燥を早めるための減圧装置や冷却装置を備えたものが好ましい。加熱に使用する装置としては、特に限定はないが、たとえば、レーディゲミキサー(株式会社マツボー製)、ソリッドエアー(株式会社ホソカワミクロン)等が挙げられる。
加熱の温度条件については熱膨張性微小球の種類にもよるが、最適膨張温度とするのがよく、好ましくは70~250℃、より好ましくは80~210℃、さらに好ましくは90~170℃である。
〔組成物及び成形体〕
本発明の組成物は、上記で説明した熱膨張性微小球、中空粒子及び微粒子付着中空粒子から選ばれる少なくとも1種と、基材成分とを含むものである。
基材成分としては、特に限定はなく、天然ゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)等のゴム類;不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等のワックス類;エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリル樹脂、熱可塑性ポリウレタン、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリスチレン(PS)、ポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン66など)、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の熱可塑性樹脂;オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン-テトラフルオロエチレン等のフッ素含有樹脂;ポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース、PBS、PHA、澱粉樹脂等のバイオプラスチック;シリコーン系、変性シリコーン系、ポリサルファイド系、変性ポリサルファイド系、ウレタン系、アクリル系、ポリイソブチレン系、ブチルゴム系等のシーリング材料;ウレタン系、エチレン-酢酸ビニル共重合物系、塩化ビニル系、アクリル系等のエマルジョンやプラスチゾル等の液状物成分;ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース等の水溶性高分子;セメントやモルタルやコージエライト等の無機物;セルロース、ケナフ、フスマ、アラミド繊維、フェノール繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、レーヨン等の有機繊維が挙げられる。これらの基材成分は水や有機溶剤に希釈、溶解、分散していてもよい。これらの基材成分は、1種または2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、熱膨張性微小球、中空粒子及び微粒子付着中空粒子から選ばれる少なくとも1種と、上記の基材成分とを混合することによって調製することができる。また、熱膨張性微小球、中空粒子及び微粒子付着中空粒子から選ばれる少なくとも1種と、基材成分とを混合して得られた組成物に、さらに別の基材成分を混合して本発明の組成物とすることもできる。
また、本発明の組成物は、熱膨張性微小球、中空粒子及び微粒子付着中空粒子から選ばれる少なくとも1種と、基材成分以外に、用途に応じて適宜、その他の成分を含んでもよい。その他成分としては、例えば、可塑剤、充填材、着色剤、高沸点有機溶剤、接着剤、粘度調整剤等が挙げられる。
本発明の組成物において、熱膨張性微小球、中空粒子及び微粒子付着中空粒子の含有量の合計は、特に限定はないが、基材成分100重量部に対して、好ましくは0.05~750重量部である。該含有量の合計が0.05重量部以上であると、十分に軽量な成形体が得られる傾向がある。一方、該含有量の合計が750重量部以下であると、熱膨張性微小球、中空粒子及び微粒子付着中空粒子から選ばれる少なくとも1種の均一分散性がより向上する傾向がある。該含有量の合計の上限は、より好ましくは700重量部、さらに好ましくは600重量部、特に好ましくは500重量部、最も好ましくは400重量部である。一方、該含有量の合計の下限は、より好ましくは0.1重量部、さらに好ましくは0.2重量部、特に好ましくは0.5重量部、最も好ましくは1重量部である。
本発明の組成物を調製する方法は特に限定はなく、従来公知の方法を採用すればよい。該方法としては、例えば、ホモミキサー、スタティックミキサー、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、ロール、ミキシングロール、ミキサー、単軸混練機、二軸混練機、多軸混練機等の混合機を用いて、機械的に均一に混合させる方法が挙げられる。
本発明の組成物としては、例えば、ゴム組成物、成形用組成物、塗料用組成物、粘土組成物、接着剤組成物、粉体組成物等を挙げることができる。
本発明の成形体は、上記で説明した組成物を成形してなるものである。
本発明の成形体としては、例えば、成形品や塗膜等を挙げることができる。
本発明の成形体では、軽量性、多孔性、吸音性、断熱性、低熱伝導性、低誘電率化、意匠性、衝撃吸収性、強度等の諸物性が向上し、また、外観に優れるという効果も得ることができる。
以下に、本発明の熱膨張性微小球の実施例について、具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、断りのない限り、「%」とは「重量%」を意味し、「部」とは「重量部」を意味するものである。
また、以下の実施例および比較例で挙げた熱膨張性微小球について、次に示す要領で物性を測定し、さらに性能を評価した。以下では、熱膨張性微小球を簡単のために「微小球」ということがある。
〔熱膨張性微小球の平均粒子径(D50)〕
測定装置として、日機装株式会社製のマイクロトラック粒度分布計(型式9320-HRA)を使用し、体積基準測定によるD50値を平均粒子径とした。
〔熱膨張性微小球の膨張開始温度(Ts(℃))及び最大膨張温度(Tm(℃))の測定〕
測定装置として、DMA(DMA Q800型 TA instruments社製)を使用した。微小球0.5mgを直径6.0mm(内径5.65mm)、深さ4.8mmのアルミカップに入れ、微小球層の上部にアルミ蓋(直径5.6mm、厚み0.1mm)をのせて試料を準備した。その試料に上から加圧子により0.01Nの力を加えた状態でサンプル高さを測定した。加圧子により0.01Nの力を加えた状態で20℃から300℃まで10℃/minの昇温速度で加熱し、加圧子の垂直方向における変位量を測定した。正方向への変位開始温度を膨張開始温度(Ts(℃))とし、最大変位量(Hmax)を示した温度を最大膨張温度(Tm(℃))とした。
〔微分熱重量曲線(DTG)において、DTG値が最大となる温度Td(℃)の測定〕
測定装置として熱量計測定装置(TA Instruments社製、TGA Q500)を使用した。試料となる微小球0.001gを500μLのセラミックパンに入れ、窒素雰囲気下で20℃から300℃まで10℃/minの昇温速度で加熱した。加熱時における試料の重量減少を測定し熱重量減少曲線を得た。得られた熱重量減少曲線を時間で微分することにより微分熱重量曲線(DTG)を得た。得られた微分熱重量曲線が最大値となる時間における試料の温度をDTG値が最大となる温度(Td(℃))とした。
〔熱膨張性微小球の含水率(Cw1)の測定〕
測定装置として、カールフィッシャー水分計(MKA-510N型 京都電子工業株式会社製)を用いて測定した。なお、熱膨張性微小球の含水率(重量%)をCw1(%)とした。
〔熱膨張性微小球の発泡剤の内包率(C)の測定〕
熱膨張性微小球1.0gを直径80mm、深さ15mmのステンレス製蒸発皿に入れ、その重量(W(g))を測定した。アセトニトリルを30ml加え均一に分散させ、24時間室温で静置した後に、130℃で2時間減圧乾燥後の重量(W(g))を測定した。
熱膨張性微小球の発泡剤の内包率(C)は、下記の式により計算した。
(重量%)=100×{100×(W-W)/1.0-Cw1}/(100-Cw1
(式中、熱膨張性微小球の含水率Cw1は、上記方法で測定した。)
〔真比重の測定〕
熱膨張性微小球、中空粒子、または微粒子付着中空粒子(以下、単に総じて粒子試料ということがある)の真比重は、以下の測定方法で測定した。
真比重は環境温度25℃、相対湿度50%の雰囲気下においてイソプロピルアルコールを用いた液浸法(アルキメデス法)により測定した。
具体的には、容量100mLのメスフラスコを空にし、乾燥後、メスフラスコ重量(WB1)を秤量した。秤量したメスフラスコにイソプロピルアルコールをメニスカスまで正確に満たした後、イソプロピルアルコール100mLの充満されたメスフラスコの重量(WB2)を秤量した。また、容量100mLのメスフラスコを空にし、乾燥後、メスフラスコ重量(WS1)を秤量した。秤量したメスフラスコに約50mLの粒子試料を充填し、粒子試料の充填されたメスフラスコの重量(WS2)を秤量した。そして、粒子試料の充填されたメスフラスコに、イソプロピルアルコールを気泡が入らないようにメニスカスまで正確に満たした後の重量(WS3)を秤量した。そして、得られたWB1、WB2、WS1、WS2及びWS3を下式に導入して、粒子試料の真比重(d)を計算した。
d={(WS2-WS1)×(WB2-WB1)/100}/{(WB2-WB1)-(WS3-WS2)}
〔熱膨張性微小球の膨張後の真比重の測定〕
アルミ箔で縦12cm、横13cm、高さ9cmの底面の平らな箱を作成し、その中に熱膨張性微小球1.0gを均一になるように入れ、アルミ箔にて蓋をした。蓋をした箱をギア式オーブン中に入れ、上記で説明した熱膨張性微小球の最大膨張温度で2分間加熱し、膨張体を得た。得られた膨張体である中空粒子の真比重を、上記で説明した方法にて測定した。
〔経時的な発泡剤の漏出低減性の評価〕
熱膨張性微小球を最大膨張温度Tm(℃)で2分間加熱し、膨張体を得た。得られた膨張体である中空粒子をアルミカップに1g入れ、ESPEC社製 SH-241を用いて、下記条件A(常温)および条件B(高温)にてそれぞれ恒温恒湿処理を実施した。恒温恒湿処理前の中空粒子及び、恒温恒湿処理後の中空粒子それぞれが有する発泡剤の内包率を、上記で説明した方法にて測定し、恒温恒湿処理前の内包率(C)及び恒温恒湿処理後の内包率(C)とした。得られた恒温恒湿処理前の内包率(C)及び恒温恒湿処理後の内包率(C)を下式に導入して発泡剤保持率を算出し、経時的な発泡剤の漏出低減性についての評価を以下の基準により行った。
発泡剤保持率(%)=C/C×100
条件A(常温)
温度:25℃
湿度:65%RH
時間:72時間
条件B(高温)
温度:60℃
湿度:85%RH
時間:72時間
◎:発泡剤保持率が90%以上、100%以下であり、経時的な発泡剤の漏出低減性が優れる。
〇:発泡剤保持率が80%以上、90%未満であり、経時的な発泡剤の漏出低減性がやや優れる。
△:発泡剤保持率が70%以上、80%未満であり、経時的な発泡剤の漏出低減性がやや劣る。
×:発泡剤保持率が0%以上、70%未満であり、経時的な発泡剤の漏出低減性が劣る。
(実施例1)
イオン交換水500部に、ポリビニルピロリドン1.0部、カルボキシメチル化ポリエチレンイミン・Na塩0.05部及びコロイダルシリカ(有効濃度20%)65部を添加し、pHを3.0に調整し水性分散媒を調製した。
これとは別に、アクリロニトリル175部、メタクリル酸メチル13部、塩化ビニリデン112部、エチレングリコールジメタクリレート0.8部、イソブタン41部、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート(純度70%)2部、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート1部を混合し油性混合物とした。
水性分散媒体と油性混合物を混合し、得られた混合液をホモミキサー(プライミクス株式会社製)により、回転数10000rpmで油性混合物の液滴サイズが目標とする熱膨張性微小球のサイズとなるまで分散させ、水系懸濁液を調製した。
得られた水系懸濁液を容量1.5リットルの加圧反応器に移して窒素置換をしてから反応初期圧0.5MPaにし、80rpmで攪拌しつつ重合温度60℃で20時間重合反応した。重合後、反応液を40℃以下に冷却した後、徐々に除圧して加圧反応器内を大気圧まで低下させ、生成物を含む分散液を得た。生成物を含む分散液から生成物を濾過、乾燥し、熱膨張性微小球を得た。得られた熱膨張性微小球の物性を測定し、評価した。結果を表1に示す。
また、表1及び以下に示す表2~表4において、表5に示す略号が使用されている。
(実施例2~17)
実施例2~17は、実施例1において、表1~2に示すように条件をそれぞれ変更する以外は、実施例1と同様にして実施例2~17の熱膨張性微小球をそれぞれ得た。
(比較例1)
イオン交換水500部に、ポリビニルピロリドン1.0部、カルボキシメチル化ポリエチレンイミン・Na塩0.05部及びコロイダルシリカ(有効濃度20%)65部を添加し、pHを3.0に調整し水性分散媒を調製した。
これとは別に、アクリロニトリル90部、メタクリル酸メチル15部、塩化ビニリデン195部、ジエチレングリコールジメタクリレート4.7部、イソブタン48部、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート3部を混合し油性混合物とした。
水性分散媒体と油性混合物を混合し、得られた混合液をホモミキサー(プライミクス株式会社製)により、回転数10000rpmで油性混合物の液滴サイズが目標とする熱膨張性微小球のサイズとなるまで分散させ、水系懸濁液を調製した。
得られた水系懸濁液を容量1.5リットルの加圧反応器に移して窒素置換をしてから反応初期圧0.35MPaにし、80rpmで攪拌しつつ重合温度60℃で20時間重合反応した。重合後、反応液を50℃に冷却した後、除圧して加圧反応器内を大気圧まで低下させ、生成物を含む分散液を得た。生成物を含む分散液から生成物を濾過、乾燥し、熱膨張性微小球を得た。得られた熱膨張性微小球の物性を実施例1と同様に測定し、評価した。結果を表3に示す。
(比較例2~16)
比較例2~16は、比較例1において、表3~4に示すように条件をそれぞれ変更する以外は、比較例1と同様にして比較例2~13の熱膨張性微小球をそれぞれ得た。
得られたそれぞれの熱膨張性微小球の物性を実施例1と同様に測定し、評価した。結果を表3~4に示す。
(実施例18)
実施例15で得られた熱膨張性微小球を120℃で5分加熱し、真比重が0.02の中空粒子を得た。得られた中空粒子70重量部と、ポリビニルアルコール200重量部、酢酸ビニル800重量部、ホウ酸20重量部、水1000重量部を混ぜ合わせ万能混合器を用いて10分間混合し、粘土組成物を得た。得られた粘土組成物は軽量であり、表面の凹凸が少なく外観が良好であった。
(実施例19)
実施例18において、使用する熱膨張性微小球を実施例12で得られた熱膨張性微小球に変更する以外は実施例18と同様にして粘土組成物を得た。この際、得られた中空粒子の真比重は0.015であった。また、得られた粘土組成物は軽量であり、表面の凹凸が少なく外観良好であった。
(実施例20)
実施例15で得られた熱膨張性微小球100重量部とシリカ10重量部とを、水に分散させて、ミキサードライヤーを用いて70℃で乾燥し、微粒子付着熱膨張性微小球を得た。得られた微粒子付着熱膨張性微小球を120℃で5分加熱し、真比重が0.03の微粒子付着中空粒子を得た。PVCペースト(カネカ製、PCH-175)100重量部、DINP(新日本理化製、サンソサイザー)100重量部及び炭酸カルシウム(備北粉化工業製、ホワイトンアカ)200重量部を混合して作製した塩化ビニル樹脂バインダーに、前記微粒子付着中空粒子1重量部を混合し、塩化ビニル樹脂塗料組成物を調製した。調製した塗料組成物を電着塗装板に塗布(厚さ2mm)し、140℃、20分間加熱して、成形体を得た。得られた成形体は軽量であり、表面は凹凸が少なく外観良好であった。
(実施例21)
実施例20において、使用する熱膨張性微小球を実施例12で得られた熱膨張性微小球に変更する以外は実施例20と同様にして、塗料組成物及び成形体を得た。この際得られた微粒子付着中空粒子の真比重は0.025であった。また、得られた成形体は軽量であり、表面の凹凸が少なく外観良好であった。
Figure 0007369329000002
Figure 0007369329000003
Figure 0007369329000004
Figure 0007369329000005
Figure 0007369329000006
表1~4から分かるように、熱可塑性樹脂を含む外殻と、それに内包され、かつ加熱することによって気化する発泡剤とを含む熱膨張性微小球であって、前記熱可塑性樹脂が、塩化ビニリデン(A)と、アクリロニトリル(B)とを含む重合性成分の重合体であり、かつ前記条件1及び前記条件2を満たす、熱膨張性微小球であると、経時的な発泡剤の漏出を低減できる中空粒子が得られ、比較的低温で膨張を開始できる。
一方、前記条件1を満たさない場合(比較例1、2、4、5、7~15)、前記条件2を満たさない場合(比較例1、3、4、6、8、9、12、16)、塩化ビニリデン(A)またはアクリロニトリル(B)を含まない場合(比較例11、12、14)は、いずれも発泡剤保持率が80%未満となり、経時的な発泡剤の漏出低減性に劣る。
本発明の熱膨張性微小球は、例えば、パテ、塗料、インク、シーリング材、モルタル、紙粘土、陶器等の軽量化材として用いることができ、また基材成分とともに用いて、射出成形、押出成形、プレス成形等の成形を行い、遮音性、断熱性、遮熱性、吸音性等に優れる成形体を製造することができる。
1 微粒子付着中空粒子
2 外殻部
3 中空部
4 微粒子(吸着された状態)
5 微粒子(めり込み、固定化された状態)
6 外殻(シェル)
7 発泡剤(コア)
8 微粒子付着熱膨張性微小球
9 外殻部(シェル)
10 発泡剤(コア)
11 微粒子(吸着された状態)
12 微粒子(めり込み、固定化された状態)

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂を含む外殻と、それに内包され、かつ加熱することによって気化する発泡剤とを含む熱膨張性微小球であって、
    前記熱可塑性樹脂が、塩化ビニリデン(A)と、アクリロニトリル(B)とを含む重合性成分の重合体であり、
    かつ下記条件1及び下記条件2を満たし、膨張開始温度(Ts)が180℃以下である、熱膨張性微小球。
    条件1:前記重合性成分に占める、前記塩化ビニリデン(A)及び前記アクリロニトリル(B)の重量割合が下記式(I)の関係を有する。
    アクリロニトリル(B)の重量割合/塩化ビニリデン(A)の重量割合>1 式(I)
    条件2:窒素雰囲気下で10℃/分で昇温したときの熱重量分析(TGA)により得られる微分熱重量曲線(DTG)において、DTG値が最大となる温度(Td(℃))と、膨張開始温度(Ts(℃))が下記式(II)の関係を有する。
    DTG値が最大となる温度(Td(℃))-膨張開始温度(Ts(℃))≧30℃ 式(II)
  2. 前記重合性成分に占める、前記塩化ビニリデン(A)と前記アクリロニトリル(B)の重量割合の合計が、55~99.9重量%である、請求項1に記載の熱膨張性微小球。
  3. 前記重合性成分がその他の単量体(C)を含み、前記重合性成分に占める前記単量体(C)の重量割合/前記単量体(A)の重量割合((C)/(A))が10~200%である、請求項1又は2に記載の熱膨張性微小球
  4. 前記重合性成分に占める前記アクリロニトリル(B)の重量割合が40~70重量%である、請求項1又は2に記載の熱膨張性微小球。
  5. 請求項1に記載の熱膨張性微小球と、前記熱膨張性微小球の外殻部の外表面に付着した微粒子とを含む、微粒子付着熱膨張性微小球。
  6. 請求項1に記載の熱膨張性微小球の膨張体である、中空粒子。
  7. 請求項に記載の中空粒子と、前記中空粒子の外殻部の外表面に付着した微粒子とを含む、微粒子付着中空粒子。
  8. 請求項1に記載の熱膨張性微小球、請求項に記載の微粒子付着熱膨張性微小球、請求項に記載の中空粒子、及び請求項に記載の微粒子付着中空粒子から選ばれる少なくとも1種と、基材成分とを含む、組成物。
  9. 請求項に記載の組成物を成形してなる、成形体。
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