JP7369329B1 - 熱膨張性微小球及びその用途 - Google Patents
熱膨張性微小球及びその用途 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7369329B1 JP7369329B1 JP2023544239A JP2023544239A JP7369329B1 JP 7369329 B1 JP7369329 B1 JP 7369329B1 JP 2023544239 A JP2023544239 A JP 2023544239A JP 2023544239 A JP2023544239 A JP 2023544239A JP 7369329 B1 JP7369329 B1 JP 7369329B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- thermally expandable
- expandable microspheres
- fine particles
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J9/00—Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof
- C08J9/32—Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof from compositions containing microballoons, e.g. syntactic foams
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09K—MATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
- C09K3/00—Materials not provided for elsewhere
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Abstract
Description
この熱膨張性微小球は幅広い用途に利用されており、例えば、熱膨張性微小球は基材に配合されたのち、加熱加工に用いられる。加熱加工の際、加工時に与えられる熱処理により、熱膨張性微小球は膨張し、加工物の軽量化だけではなく、加工物に意匠性やクッション性等を付与することができる。
例えば、特許文献1には、高い膨張性能を有する熱膨張性微小球として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルから選ばれるモノマーの共重合体等で構成された外殻を用い、発泡剤としてはイソブタンやイソペンタン等の炭化水素を使用したものが例示されている。
本発明の目的は、経時的な発泡剤の漏出を低減できる中空粒子が得られる熱膨張性微小球及びその用途を提供することである。
<1> 熱可塑性樹脂を含む外殻と、それに内包され、かつ加熱することによって気化する発泡剤とを含む熱膨張性微小球であって、前記熱可塑性樹脂が、塩化ビニリデン(A)と、アクリロニトリル(B)とを含む重合性成分の重合体であり、かつ下記条件1及び下記条件2を満たす、熱膨張性微小球。
条件1:前記重合性成分に占める、前記塩化ビニリデン(A)及び前記アクリロニトリル(B)の重量割合が下記式(I)の関係を有する。
アクリロニトリル(B)の重量割合/塩化ビニリデン(A)の重量割合>1 式(I)
条件2:窒素雰囲気下で10℃/分で昇温したときの熱重量分析(TGA)により得られる微分熱重量曲線(DTG)において、DTG値が最大となる温度(Td(℃))と、膨張開始温度(Ts(℃))が下記式(II)の関係を有する。
DTG値が最大となる温度(Td(℃))-膨張開始温度(Ts(℃))≧30℃ 式(II)
<2> 前記重合性成分に占める、前記塩化ビニリデン(A)と前記アクリロニトリル(B)の重量割合の合計が、55~99.9重量%である、<1>に記載の熱膨張性微小球。
<3> 前記重合性成分に占める前記アクリロニトリル(B)の重量割合が40~70重量%である、<1>又は<2>に記載の熱膨張性微小球。
<4> <1>~<3>のいずれかに記載の熱膨張性微小球と、前記熱膨張性微小球の外殻部の外表面に付着した微粒子とを含む、微粒子付着熱膨張性微小球。
<5> <1>~<3>のいずれかに記載の熱膨張性微小球の膨張体である、中空粒子。
<6> <5>に記載の中空粒子と、前記中空粒子の外殻部の外表面に付着した微粒子とを含む、微粒子付着中空粒子。
<7> <1>~<3>のいずれかに記載の熱膨張性微小球、<4>に記載の微粒子付着熱膨張性微小球、<5>に記載の中空粒子、及び<6>に記載の微粒子付着中空粒子から選ばれる少なくとも1種と、基材成分とを含む、組成物。
<8> <7>に記載の組成物を成形してなる、成形体。
本発明の成形体は、上記組成物を成形してなる。
本発明の熱膨張性微小球は、比較的低温で膨張を開始できる。
本発明の微粒子付着熱膨張性微小球は、経時的な発泡剤の漏出を低減できる微粒子付着中空粒子が得られる。
本発明の微粒子付着熱膨張性微小球は、比較的低温で膨張を開始できる。
本発明の中空粒子は、上記熱膨張性微小球を原料として得られるので、経時的な発泡剤の漏出を低減できる。
本発明の微粒子付着中空粒子は、上記熱膨張性微小球及び上記微粒子付着熱膨張性微小球から選ばれる少なくとも1種を原料として得られるので、経時的な発泡剤の漏出を低減できる。
本発明の組成物は、上記熱膨張性微小球、上記中空粒子及び上記微粒子付着中空粒子から選ばれる少なくとも1種を含んでいるため、軽量な成形体を得ることができる。
本発明の成形体は、軽量である。
本発明の熱膨張性微小球は、熱可塑性樹脂を含む外殻と、その外殻に内包されかつ加熱することによって気化する発泡剤とを含むものである。熱膨張性微小球は、微小球全体として熱膨張性(微小球全体が加熱により膨らむ性質)を示す。
本発明の熱膨張性微小球は図1に示すように、外殻(シェル)6と、発泡剤(コア)7とから構成されるコア-シェル構造を有している。
重合性成分は、単量体成分を必須とし架橋剤を含むことがある成分である。単量体成分は、重合性炭素-炭素二重結合を1個有する単量体(以下、単にモノマーということがある。)を意味し、付加重合可能な成分である。また、架橋剤は重合性炭素-炭素二重結合を少なくとも2個有する単量体を意味し、熱可塑性樹脂に橋架け構造を導入する成分である。
前記重合性成分は塩化ビニリデン(A)を含み、比較的低温域においても膨張性に優れる熱膨張性微小球となりうる。
前記重合性成分は、アクリロニトリル(B)を含み、熱膨張性微小球は良好な耐熱性を有しうる。
条件1:前記重合性成分に占める、塩化ビニリデン(A)及びアクリロニトリル(B)の重量割合が下記式(I)の関係を有する。
アクリロニトリル(B)の重量割合/塩化ビニリデン(A)の重量割合>1 式(I)
前記重合性成分がその他の単量体(C)を含む場合、前記重合性成分に占める単量体(C)の重量割合/単量体(A)の重量割合((C)/(A))は10~200%であると本願効果を奏する点で好ましい。該(C)/(A)の上限はより好ましくは170%、さらに好ましくは140%、特に好ましくは110%、最も好ましくは70%である。一方、該(C)/(A)の下限はより好ましくは15%、さらに好ましくは20%、特に好ましくは25%、最も好ましくは30%である。さらに、該(C)/(A)は例えば15~110%がより好ましく、30~70%が特に好ましい。
重合性成分が(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む場合、重合性成分に占める(メタ)アクリル酸エステル系単量体の重量割合は、特に限定はないが、本願効果を奏する点で、好ましくは0~45重量%である。該重量割合の上限は、より好ましくは40重量%、さらに好ましくは35重量%、特に好ましくは30重量%、最も好ましくは25重量%である。一方、該重量割合の下限は、より好ましくは3重量%、さらに好ましくは7重量%、特に好ましくは10重量%、最も好ましくは13重量%である。さらに、例えば3~40重量%がより好ましく、13~25重量%が特に好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体がメチルアクリレートを含む場合、(メタ)アクリル酸エステルに占めるメチルアクリレートの重量割合は、特に限定はないが、本願効果を奏する点で好ましくは0重量%以上である。該重量割合の上限は、より好ましくは100重量%、さらに好ましくは65重量%、特に好ましくは30重量%である。一方、該重量割合の下限は、より好ましくは3重量%、さらに好ましくは6重量%。特に好ましくは9重量%である。さらに、例えば3~65重量%がより好ましく、9~30重量%が特に好ましい。
重合性成分がアクリロニトリル以外のニトリル系単量体を含む場合、重合性成分に占めるアクリロニトリル以外のニトリル系単量体の重量割合は、特に限定はないが、本願効果を奏する点で、好ましくは0~35重量%である。該重量割合の上限は、より好ましくは30重量%、さらに好ましくは25重量%、特に好ましくは20重量%である。
アクリロニトリル以外のニトリル系単量体がメタクリロニトリルを含む場合、アクリロニトリル以外のニトリル系単量体に占めるメタクリロニトリルの重量割合は、特に限定はないが、本願効果を奏する点で、好ましくは0重量%以上である。該重量割合の上限は、より好ましくは100重量%、さらに好ましくは70重量%、特に好ましくは40重量%である。一方、該重量割合の下限は、より好ましくは5重量%、さらに好ましくは10重量%。特に好ましくは15重量%である。さらに、例えば5~70重量%がより好ましく、15~40重量%が特に好ましい。
重合性成分がカルボキシル基含有単量体を含む場合、重合性成分に占めるカルボキシル基含有単量体の重量割合は、特に限定はないが、本願効果を奏する点で、好ましくは0~25重量%である。該重量割合の上限は、より好ましくは22重量%、さらに好ましくは19重量%、特に好ましくは16重量%である。一方、該重量割合の下限は、より好ましくは2重量%、さらに好ましくは4重量%、特に好ましくは6重量%である。
重合性成分が(メタ)アクリルアミド系単量体を含む場合、重合性成分に占める(メタ)アクリルアミド系単量体の重量割合は、特に限定はないが、好ましくは0~25重量%である。該重量割合の上限は、より好ましくは22重量%、さらに好ましくは19重量%、特に好ましくは16重量%である。一方、該重量割合の下限は、より好ましくは2重量%、さらに好ましくは4重量%、特に好ましくは6重量%である。
架橋剤としては、特に限定はないが、例えば、ジビニルベンゼン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-1,8オクタンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルカンジオールジ(メタ)アクリレート類;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、PEG#200ジ(メタ)アクリレート(化合物名中の#200は分子内のポリエチレングリコール鎖部分の重量平均分子量が200であることを表し、以下記載の#アラビア数字も同様である。)、PEG#400ジ(メタ)アクリレート、PEG#600ジ(メタ)アクリレート、PEG#1000ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール#650ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコール#700ジ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート(EO付加2~30)、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート(PO付加2~30)、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エトキシ化グリセリントリアクリレート、1,3,5-トリ(メタ)アクリロイル・ヘキサヒドロ1,3,5-トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,2,4-トリビニルベンゼン、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の二官能架橋性単量体、三官能性単量体及び四官能以上の架橋性単量体などが挙げられる。上記架橋剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
条件2:窒素雰囲気下で10℃/分で昇温したときの熱重量分析(TGA)により得られる微分熱重量曲線(DTG)において、DTG値が最大となる温度(Td(℃))と、膨張開始温度(Ts(℃))が下記式(II)の関係を有する。
DTG値が最大となる温度(Td(℃))-膨張開始温度(Ts(℃))≧30℃ 式(II)
前記Td(℃)-Ts(℃)の数値の下限は、好ましくは33℃、より好ましくは36℃、さらに好ましくは40℃である。一方、該数値の上限は好ましくは100℃、より好ましくは70℃、さらに好ましくは55℃である。さらに、前記Td(℃)-Ts(℃)の数値は、例えば、30~100℃がより好ましく、33~70℃がさらに好ましく、40~55℃が特に好ましい。
熱膨張性微小球の最大膨張温度(Tm(℃))は、特に限定はないが、熱膨張性微小球の耐熱性が良好となる点で85~350℃が好ましい。該温度の下限は、より好ましくは90℃、さらに好ましくは95℃、特に好ましくは100℃以上、最も好ましくは105℃である。一方、該温度の上限は、より好ましくは300℃、さらに好ましくは250℃、特に好ましくは200℃、最も好ましくは170℃である。なお、最大膨張温度(Tm(℃))は、本発明の実施例に記載の方法によるものである。
本願効果を奏する点で、発泡剤は炭素数4以下の炭化水素、特にイソブタンを含むと好ましい。
発泡剤の内包率については、特に限定されないが、熱膨張性微小球の重量に対して、好ましくは1~50重量%である。前記内包率がこの範囲にあると、加熱により高い内圧が得られるため、熱膨張性微小球を大きく膨張させることができる。発泡剤の内包率の下限は、(1)3重量%、(2)5重量%、(3)7重量%、(4)10重量%の順で好ましい(括弧内の数字が大きくなるほど好ましい)。一方、前記内包率の上限は、(1)40重量%、(2)33重量%、(3)25重量%、(4)20重量%の順で好ましい(括弧内の数字が大きくなるほど好ましい)。さらに、例えば、3~33重量%がさらに好ましく、10~20重量%が特に好ましい。
本発明の熱膨張性微小球において、その製造方法は、重合性成分と、発泡剤と、重合開始剤とを含有する油性混合物を水性分散媒中に分散させ、重合性成分を重合させる工程(以下では、単に重合工程ということがある)を含む方法であると好ましい。
過酸化物としては、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジベンジルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート;ジラウロイルパーオキサイド、ジ(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド;2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール;クメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド;t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシイソブチレート等のパーオキシエステルを挙げることができる。
分散安定剤としては、例えば、第三リン酸カルシウム、複分解生成法により得られるピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウムや、コロイダルシリカ、アルミナゾル、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの分散安定剤は、1種または2種以上を併用してもよい。
分散安定剤の量については、特に限定はないが、より均一な粒子径の熱膨張性微小球が得られる点で重合性成分100重量部に対して、0.05~35重量部が好ましい。該分散安定剤の量の上限は、より好ましくは30重量部、さらに好ましくは20重量部、特に好ましくは10重量部である。一方、該分散安定剤の量の下限は、より好ましくは0.1重量部、さらに好ましくは0.2重量部、特に好ましくは0.5重量部である。
本発明の熱膨張性微小球において、その製造方法では、所定粒子径の球状油滴が調製されるように油性混合物を水性分散媒中に懸濁分散させると好ましい。
また、重合工程においては、連鎖移動剤、有機顔料、表面が疎水性処理された無機顔料や無機粒子等をさらに使用してもよい。
油性混合物を懸濁分散させる方法としては、例えば、ホモミキサー(例えば、プライミクス株式会社製)等により攪拌する方法や、スタティックミキサー(例えば、株式会社ノリタケカンパニーリミテド製)等の静止型分散装置を用いる方法、膜乳化法、超音波分散法等の一般的な分散方法を挙げることができる。
次いで、油性混合物が球状油滴として水性分散媒に分散された水系懸濁液を加熱することにより、懸濁重合を開始する。重合反応中は、水系懸濁液を攪拌するのが好ましく、その攪拌は、たとえば、単量体成分の浮上や重合後の熱膨張性微小球の沈降を防止できる程度に緩く行えばよい。
また、イオン性物質の含有量を低減させる目的で、得られた湿粉または乾燥粉体を水洗及び/または再分散後に再濾過し、乾燥させても構わない。また、スラリーを噴霧乾燥機、流動乾燥機等により乾燥し、乾燥粉体を得てもよい。湿粉と乾燥粉体は使用用途に応じて適宜選択することができる。
本発明の微粒子付着熱膨張性微小球は、上記で説明した熱膨張性微小球と、その外殻部の外表面に付着した微粒子とを含むものであって、例えば、図3のように、発泡剤(コア)(10)を有する熱膨張性微小球(8)の外殻部(シェル)(9)の外表面に付着した微粒子(11や12)で形成されたものである。
ここでいう付着とは、単に熱膨張性微小球の外殻9の外表面に微粒子11及び12が、吸着された状態(図3の微粒子11の状態)であってもよく、熱膨張性微小球の外殻の外表面に微粒子がめり込み、固定された状態(図3の微粒子12の状態)であってもよいという意味である。微粒子の粒子形状は不定形であっても球状であってもよい。
本発明の微粒子付着熱膨張性微小球は、例えば、熱膨張性微小球と微粒子とを含む水分散体を乾燥させて得ることができる。
微粒子を構成する無機物としては、特に限定はないが、例えば、ワラステナイト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、タルク、ベントナイト、アルミナシリケート、パイロフィライト、モンモリロナイト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラスフレーク、窒化ホウ素、炭化珪素、シリカ、アルミナ、雲母、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ハイドロサルタイト、カーボンブラック、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、セラミックビーズ、ガラスビーズ、水晶ビーズ、ガラスマイクロバルーン等が挙げられる。
微粒子を構成する無機物や有機物は、シランカップリング剤、パラフィンワックス、脂肪酸、樹脂酸、ウレタン化合物、脂肪酸エステル等の表面処理剤で処理されていてもよく、未処理のものでもよい。
本発明の中空粒子は、上記で説明した熱膨張性微小球を加熱膨張させて得られる粒子であり、組成物や成形体に含ませると材料物性に優れる。
本発明の中空粒子は、特定の重合性成分を重合して得られる熱可塑性樹脂を含む外殻と、その外殻に内包される発泡剤を含み、かつ特定の手法で測定される微分熱重量曲線が最大となる温度と膨張開始温度とが特定の関係を示す熱膨張性微小球を加熱膨張させて得られる粒子であるため、経時的な発泡剤の漏出を低減できる。
本発明の微粒子付着中空粒子は、上記で説明した中空粒子と、その外殻部の外表面に付着した微粒子とを含むものであって、例えば、図2のように、中空粒子(1)の外殻部(2)の外表面に付着した微粒子(4や5)で形成されたものである。
ここでいう付着とは、単に中空粒子の外殻2の外表面に微粒子4及び5が、吸着された状態(図2の微粒子4の状態)であってもよく、外表面近傍の外殻を構成する熱可塑性樹脂が加熱によって融解し、中空粒子の外殻の外表面に微粒子充填剤がめり込み、固定された状態(図2の微粒子5の状態)であってもよいという意味である。微粒子の粒子形状は不定形であっても球状であってもよい。
微粒子が中空粒子に付着することにより、中空粒子の飛散を抑制しハンドリングを向上させることができ、また、バインダーや樹脂等の基材成分への分散性も向上させることができる。
また、微粒子付着中空粒子を構成する微粒子としては、上記の微粒子を使用することができる。
混合工程における熱膨張性微小球及び微粒子の合計に対する微粒子の重量割合は、特に限定はないが、好ましくは95重量%以下、より好ましくは90重量%以下、特に好ましくは85重量%以下、最も好ましくは80重量%以下である。該重量割合が95重量%以下であると、得られる微粒子付着中空粒子は軽量であり、十分な低比重化効果が得られる傾向がある。該重量割合の下限は、好ましくは5重量%、さらに好ましくは10重量%、特に好ましくは20重量%、最も好ましくは30重量%である。
粉体混合機としては、たとえば、リボン型混合機、垂直スクリュー型混合機等の揺動攪拌または攪拌を行える粉体混合機を挙げることができる。また、近年、攪拌装置を組み合わせたより効率のよい多機能な粉体混合機であるスーパーミキサー(株式会社カワタ製)及びハイスピードミキサー(株式会社深江製)、ニューグラムマシン(株式会社セイシン企業製)、SVミキサー(株式会社神鋼環境ソリューション社製)等も紹介されており、これらを用いてもよい。
加熱は、一般的な接触伝熱型または直接加熱型の混合式乾燥装置を用いて行えばよい。混合式乾燥装置の機能については、特に限定はないが、温度調節可能で原料を分散混合する能力や、場合により乾燥を早めるための減圧装置や冷却装置を備えたものが好ましい。加熱に使用する装置としては、特に限定はないが、たとえば、レーディゲミキサー(株式会社マツボー製)、ソリッドエアー(株式会社ホソカワミクロン)等が挙げられる。
加熱の温度条件については熱膨張性微小球の種類にもよるが、最適膨張温度とするのがよく、好ましくは70~250℃、より好ましくは80~210℃、さらに好ましくは90~170℃である。
本発明の組成物は、上記で説明した熱膨張性微小球、中空粒子及び微粒子付着中空粒子から選ばれる少なくとも1種と、基材成分とを含むものである。
基材成分としては、特に限定はなく、天然ゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)等のゴム類;不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等のワックス類;エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリル樹脂、熱可塑性ポリウレタン、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリスチレン(PS)、ポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン66など)、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の熱可塑性樹脂;オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン-テトラフルオロエチレン等のフッ素含有樹脂;ポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース、PBS、PHA、澱粉樹脂等のバイオプラスチック;シリコーン系、変性シリコーン系、ポリサルファイド系、変性ポリサルファイド系、ウレタン系、アクリル系、ポリイソブチレン系、ブチルゴム系等のシーリング材料;ウレタン系、エチレン-酢酸ビニル共重合物系、塩化ビニル系、アクリル系等のエマルジョンやプラスチゾル等の液状物成分;ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース等の水溶性高分子;セメントやモルタルやコージエライト等の無機物;セルロース、ケナフ、フスマ、アラミド繊維、フェノール繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、レーヨン等の有機繊維が挙げられる。これらの基材成分は水や有機溶剤に希釈、溶解、分散していてもよい。これらの基材成分は、1種または2種以上を併用してもよい。
また、本発明の組成物は、熱膨張性微小球、中空粒子及び微粒子付着中空粒子から選ばれる少なくとも1種と、基材成分以外に、用途に応じて適宜、その他の成分を含んでもよい。その他成分としては、例えば、可塑剤、充填材、着色剤、高沸点有機溶剤、接着剤、粘度調整剤等が挙げられる。
本発明の組成物としては、例えば、ゴム組成物、成形用組成物、塗料用組成物、粘土組成物、接着剤組成物、粉体組成物等を挙げることができる。
本発明の成形体としては、例えば、成形品や塗膜等を挙げることができる。
本発明の成形体では、軽量性、多孔性、吸音性、断熱性、低熱伝導性、低誘電率化、意匠性、衝撃吸収性、強度等の諸物性が向上し、また、外観に優れるという効果も得ることができる。
また、以下の実施例および比較例で挙げた熱膨張性微小球について、次に示す要領で物性を測定し、さらに性能を評価した。以下では、熱膨張性微小球を簡単のために「微小球」ということがある。
測定装置として、日機装株式会社製のマイクロトラック粒度分布計(型式9320-HRA)を使用し、体積基準測定によるD50値を平均粒子径とした。
測定装置として、DMA(DMA Q800型 TA instruments社製)を使用した。微小球0.5mgを直径6.0mm(内径5.65mm)、深さ4.8mmのアルミカップに入れ、微小球層の上部にアルミ蓋(直径5.6mm、厚み0.1mm)をのせて試料を準備した。その試料に上から加圧子により0.01Nの力を加えた状態でサンプル高さを測定した。加圧子により0.01Nの力を加えた状態で20℃から300℃まで10℃/minの昇温速度で加熱し、加圧子の垂直方向における変位量を測定した。正方向への変位開始温度を膨張開始温度(Ts(℃))とし、最大変位量(Hmax)を示した温度を最大膨張温度(Tm(℃))とした。
測定装置として熱量計測定装置(TA Instruments社製、TGA Q500)を使用した。試料となる微小球0.001gを500μLのセラミックパンに入れ、窒素雰囲気下で20℃から300℃まで10℃/minの昇温速度で加熱した。加熱時における試料の重量減少を測定し熱重量減少曲線を得た。得られた熱重量減少曲線を時間で微分することにより微分熱重量曲線(DTG)を得た。得られた微分熱重量曲線が最大値となる時間における試料の温度をDTG値が最大となる温度(Td(℃))とした。
測定装置として、カールフィッシャー水分計(MKA-510N型 京都電子工業株式会社製)を用いて測定した。なお、熱膨張性微小球の含水率(重量%)をCw1(%)とした。
熱膨張性微小球1.0gを直径80mm、深さ15mmのステンレス製蒸発皿に入れ、その重量(W1(g))を測定した。アセトニトリルを30ml加え均一に分散させ、24時間室温で静置した後に、130℃で2時間減圧乾燥後の重量(W2(g))を測定した。
熱膨張性微小球の発泡剤の内包率(C1)は、下記の式により計算した。
C1(重量%)=100×{100×(W1-W2)/1.0-Cw1}/(100-Cw1)
(式中、熱膨張性微小球の含水率Cw1は、上記方法で測定した。)
熱膨張性微小球、中空粒子、または微粒子付着中空粒子(以下、単に総じて粒子試料ということがある)の真比重は、以下の測定方法で測定した。
真比重は環境温度25℃、相対湿度50%の雰囲気下においてイソプロピルアルコールを用いた液浸法(アルキメデス法)により測定した。
具体的には、容量100mLのメスフラスコを空にし、乾燥後、メスフラスコ重量(WB1)を秤量した。秤量したメスフラスコにイソプロピルアルコールをメニスカスまで正確に満たした後、イソプロピルアルコール100mLの充満されたメスフラスコの重量(WB2)を秤量した。また、容量100mLのメスフラスコを空にし、乾燥後、メスフラスコ重量(WS1)を秤量した。秤量したメスフラスコに約50mLの粒子試料を充填し、粒子試料の充填されたメスフラスコの重量(WS2)を秤量した。そして、粒子試料の充填されたメスフラスコに、イソプロピルアルコールを気泡が入らないようにメニスカスまで正確に満たした後の重量(WS3)を秤量した。そして、得られたWB1、WB2、WS1、WS2及びWS3を下式に導入して、粒子試料の真比重(d)を計算した。
d={(WS2-WS1)×(WB2-WB1)/100}/{(WB2-WB1)-(WS3-WS2)}
アルミ箔で縦12cm、横13cm、高さ9cmの底面の平らな箱を作成し、その中に熱膨張性微小球1.0gを均一になるように入れ、アルミ箔にて蓋をした。蓋をした箱をギア式オーブン中に入れ、上記で説明した熱膨張性微小球の最大膨張温度で2分間加熱し、膨張体を得た。得られた膨張体である中空粒子の真比重を、上記で説明した方法にて測定した。
熱膨張性微小球を最大膨張温度Tm(℃)で2分間加熱し、膨張体を得た。得られた膨張体である中空粒子をアルミカップに1g入れ、ESPEC社製 SH-241を用いて、下記条件A(常温)および条件B(高温)にてそれぞれ恒温恒湿処理を実施した。恒温恒湿処理前の中空粒子及び、恒温恒湿処理後の中空粒子それぞれが有する発泡剤の内包率を、上記で説明した方法にて測定し、恒温恒湿処理前の内包率(C2)及び恒温恒湿処理後の内包率(C3)とした。得られた恒温恒湿処理前の内包率(C2)及び恒温恒湿処理後の内包率(C3)を下式に導入して発泡剤保持率を算出し、経時的な発泡剤の漏出低減性についての評価を以下の基準により行った。
発泡剤保持率(%)=C3/C2×100
条件A(常温)
温度:25℃
湿度:65%RH
時間:72時間
条件B(高温)
温度:60℃
湿度:85%RH
時間:72時間
◎:発泡剤保持率が90%以上、100%以下であり、経時的な発泡剤の漏出低減性が優れる。
〇:発泡剤保持率が80%以上、90%未満であり、経時的な発泡剤の漏出低減性がやや優れる。
△:発泡剤保持率が70%以上、80%未満であり、経時的な発泡剤の漏出低減性がやや劣る。
×:発泡剤保持率が0%以上、70%未満であり、経時的な発泡剤の漏出低減性が劣る。
イオン交換水500部に、ポリビニルピロリドン1.0部、カルボキシメチル化ポリエチレンイミン・Na塩0.05部及びコロイダルシリカ(有効濃度20%)65部を添加し、pHを3.0に調整し水性分散媒を調製した。
これとは別に、アクリロニトリル175部、メタクリル酸メチル13部、塩化ビニリデン112部、エチレングリコールジメタクリレート0.8部、イソブタン41部、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート(純度70%)2部、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート1部を混合し油性混合物とした。
水性分散媒体と油性混合物を混合し、得られた混合液をホモミキサー(プライミクス株式会社製)により、回転数10000rpmで油性混合物の液滴サイズが目標とする熱膨張性微小球のサイズとなるまで分散させ、水系懸濁液を調製した。
得られた水系懸濁液を容量1.5リットルの加圧反応器に移して窒素置換をしてから反応初期圧0.5MPaにし、80rpmで攪拌しつつ重合温度60℃で20時間重合反応した。重合後、反応液を40℃以下に冷却した後、徐々に除圧して加圧反応器内を大気圧まで低下させ、生成物を含む分散液を得た。生成物を含む分散液から生成物を濾過、乾燥し、熱膨張性微小球を得た。得られた熱膨張性微小球の物性を測定し、評価した。結果を表1に示す。
また、表1及び以下に示す表2~表4において、表5に示す略号が使用されている。
実施例2~17は、実施例1において、表1~2に示すように条件をそれぞれ変更する以外は、実施例1と同様にして実施例2~17の熱膨張性微小球をそれぞれ得た。
イオン交換水500部に、ポリビニルピロリドン1.0部、カルボキシメチル化ポリエチレンイミン・Na塩0.05部及びコロイダルシリカ(有効濃度20%)65部を添加し、pHを3.0に調整し水性分散媒を調製した。
これとは別に、アクリロニトリル90部、メタクリル酸メチル15部、塩化ビニリデン195部、ジエチレングリコールジメタクリレート4.7部、イソブタン48部、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート3部を混合し油性混合物とした。
水性分散媒体と油性混合物を混合し、得られた混合液をホモミキサー(プライミクス株式会社製)により、回転数10000rpmで油性混合物の液滴サイズが目標とする熱膨張性微小球のサイズとなるまで分散させ、水系懸濁液を調製した。
得られた水系懸濁液を容量1.5リットルの加圧反応器に移して窒素置換をしてから反応初期圧0.35MPaにし、80rpmで攪拌しつつ重合温度60℃で20時間重合反応した。重合後、反応液を50℃に冷却した後、除圧して加圧反応器内を大気圧まで低下させ、生成物を含む分散液を得た。生成物を含む分散液から生成物を濾過、乾燥し、熱膨張性微小球を得た。得られた熱膨張性微小球の物性を実施例1と同様に測定し、評価した。結果を表3に示す。
比較例2~16は、比較例1において、表3~4に示すように条件をそれぞれ変更する以外は、比較例1と同様にして比較例2~13の熱膨張性微小球をそれぞれ得た。
得られたそれぞれの熱膨張性微小球の物性を実施例1と同様に測定し、評価した。結果を表3~4に示す。
実施例15で得られた熱膨張性微小球を120℃で5分加熱し、真比重が0.02の中空粒子を得た。得られた中空粒子70重量部と、ポリビニルアルコール200重量部、酢酸ビニル800重量部、ホウ酸20重量部、水1000重量部を混ぜ合わせ万能混合器を用いて10分間混合し、粘土組成物を得た。得られた粘土組成物は軽量であり、表面の凹凸が少なく外観が良好であった。
実施例18において、使用する熱膨張性微小球を実施例12で得られた熱膨張性微小球に変更する以外は実施例18と同様にして粘土組成物を得た。この際、得られた中空粒子の真比重は0.015であった。また、得られた粘土組成物は軽量であり、表面の凹凸が少なく外観良好であった。
実施例15で得られた熱膨張性微小球100重量部とシリカ10重量部とを、水に分散させて、ミキサードライヤーを用いて70℃で乾燥し、微粒子付着熱膨張性微小球を得た。得られた微粒子付着熱膨張性微小球を120℃で5分加熱し、真比重が0.03の微粒子付着中空粒子を得た。PVCペースト(カネカ製、PCH-175)100重量部、DINP(新日本理化製、サンソサイザー)100重量部及び炭酸カルシウム(備北粉化工業製、ホワイトンアカ)200重量部を混合して作製した塩化ビニル樹脂バインダーに、前記微粒子付着中空粒子1重量部を混合し、塩化ビニル樹脂塗料組成物を調製した。調製した塗料組成物を電着塗装板に塗布(厚さ2mm)し、140℃、20分間加熱して、成形体を得た。得られた成形体は軽量であり、表面は凹凸が少なく外観良好であった。
(実施例21)
実施例20において、使用する熱膨張性微小球を実施例12で得られた熱膨張性微小球に変更する以外は実施例20と同様にして、塗料組成物及び成形体を得た。この際得られた微粒子付着中空粒子の真比重は0.025であった。また、得られた成形体は軽量であり、表面の凹凸が少なく外観良好であった。
一方、前記条件1を満たさない場合(比較例1、2、4、5、7~15)、前記条件2を満たさない場合(比較例1、3、4、6、8、9、12、16)、塩化ビニリデン(A)またはアクリロニトリル(B)を含まない場合(比較例11、12、14)は、いずれも発泡剤保持率が80%未満となり、経時的な発泡剤の漏出低減性に劣る。
2 外殻部
3 中空部
4 微粒子(吸着された状態)
5 微粒子(めり込み、固定化された状態)
6 外殻(シェル)
7 発泡剤(コア)
8 微粒子付着熱膨張性微小球
9 外殻部(シェル)
10 発泡剤(コア)
11 微粒子(吸着された状態)
12 微粒子(めり込み、固定化された状態)
Claims (9)
- 熱可塑性樹脂を含む外殻と、それに内包され、かつ加熱することによって気化する発泡剤とを含む熱膨張性微小球であって、
前記熱可塑性樹脂が、塩化ビニリデン(A)と、アクリロニトリル(B)とを含む重合性成分の重合体であり、
かつ下記条件1及び下記条件2を満たし、膨張開始温度(Ts)が180℃以下である、熱膨張性微小球。
条件1:前記重合性成分に占める、前記塩化ビニリデン(A)及び前記アクリロニトリル(B)の重量割合が下記式(I)の関係を有する。
アクリロニトリル(B)の重量割合/塩化ビニリデン(A)の重量割合>1 式(I)
条件2:窒素雰囲気下で10℃/分で昇温したときの熱重量分析(TGA)により得られる微分熱重量曲線(DTG)において、DTG値が最大となる温度(Td(℃))と、膨張開始温度(Ts(℃))が下記式(II)の関係を有する。
DTG値が最大となる温度(Td(℃))-膨張開始温度(Ts(℃))≧30℃ 式(II) - 前記重合性成分に占める、前記塩化ビニリデン(A)と前記アクリロニトリル(B)の重量割合の合計が、55~99.9重量%である、請求項1に記載の熱膨張性微小球。
- 前記重合性成分がその他の単量体(C)を含み、前記重合性成分に占める前記単量体(C)の重量割合/前記単量体(A)の重量割合((C)/(A))が10~200%である、請求項1又は2に記載の熱膨張性微小球。
- 前記重合性成分に占める前記アクリロニトリル(B)の重量割合が40~70重量%である、請求項1又は2に記載の熱膨張性微小球。
- 請求項1に記載の熱膨張性微小球と、前記熱膨張性微小球の外殻部の外表面に付着した微粒子とを含む、微粒子付着熱膨張性微小球。
- 請求項1に記載の熱膨張性微小球の膨張体である、中空粒子。
- 請求項6に記載の中空粒子と、前記中空粒子の外殻部の外表面に付着した微粒子とを含む、微粒子付着中空粒子。
- 請求項1に記載の熱膨張性微小球、請求項5に記載の微粒子付着熱膨張性微小球、請求項6に記載の中空粒子、及び請求項7に記載の微粒子付着中空粒子から選ばれる少なくとも1種と、基材成分とを含む、組成物。
- 請求項8に記載の組成物を成形してなる、成形体。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022026280 | 2022-02-24 | ||
JP2022026280 | 2022-02-24 | ||
PCT/JP2023/005882 WO2023162901A1 (ja) | 2022-02-24 | 2023-02-20 | 熱膨張性微小球及びその用途 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2023162901A1 JPWO2023162901A1 (ja) | 2023-08-31 |
JP7369329B1 true JP7369329B1 (ja) | 2023-10-25 |
JPWO2023162901A5 JPWO2023162901A5 (ja) | 2024-01-31 |
Family
ID=87765814
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2023544239A Active JP7369329B1 (ja) | 2022-02-24 | 2023-02-20 | 熱膨張性微小球及びその用途 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7369329B1 (ja) |
WO (1) | WO2023162901A1 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004074396A1 (ja) | 2003-02-24 | 2004-09-02 | Matsumoto Yushi-Seiyaku Co., Ltd. | 熱膨張性微小球、その製造方法およびその使用方法 |
WO2016190178A1 (ja) | 2015-05-27 | 2016-12-01 | 松本油脂製薬株式会社 | 熱膨張性微小球及びその用途 |
WO2017141653A1 (ja) | 2016-02-19 | 2017-08-24 | 松本油脂製薬株式会社 | 熱膨張性微小球およびその用途 |
WO2018012415A1 (ja) | 2016-07-15 | 2018-01-18 | 松本油脂製薬株式会社 | 樹脂組成物およびその利用 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2894990B2 (ja) * | 1996-06-14 | 1999-05-24 | 松本油脂製薬株式会社 | 耐熱性と耐溶剤性に優れた熱膨張性マイクロカプセル |
-
2023
- 2023-02-20 JP JP2023544239A patent/JP7369329B1/ja active Active
- 2023-02-20 WO PCT/JP2023/005882 patent/WO2023162901A1/ja active Application Filing
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004074396A1 (ja) | 2003-02-24 | 2004-09-02 | Matsumoto Yushi-Seiyaku Co., Ltd. | 熱膨張性微小球、その製造方法およびその使用方法 |
WO2016190178A1 (ja) | 2015-05-27 | 2016-12-01 | 松本油脂製薬株式会社 | 熱膨張性微小球及びその用途 |
WO2017141653A1 (ja) | 2016-02-19 | 2017-08-24 | 松本油脂製薬株式会社 | 熱膨張性微小球およびその用途 |
WO2018012415A1 (ja) | 2016-07-15 | 2018-01-18 | 松本油脂製薬株式会社 | 樹脂組成物およびその利用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2023162901A1 (ja) | 2023-08-31 |
WO2023162901A1 (ja) | 2023-08-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6034992B2 (ja) | 熱膨張性微小球及びその用途 | |
JP6283456B1 (ja) | 樹脂中空粒子及びその利用 | |
KR102417493B1 (ko) | 열팽창성 미소구, 그 제조 방법 및 용도 | |
JP6735936B2 (ja) | 熱膨張性微小球及びその用途 | |
JP6218998B1 (ja) | 熱膨張性微小球およびその用途 | |
WO2019150951A1 (ja) | 熱膨張性微小球およびその用途 | |
JP5759640B1 (ja) | 熱膨張性微小球、その製造方法および用途 | |
JP6534834B2 (ja) | 熱膨張性微小球、その製造方法及び用途 | |
JP6227190B2 (ja) | 熱膨張性微小球及びその用途 | |
JP2012017453A (ja) | 熱膨張性微小球およびその用途 | |
WO2016190178A1 (ja) | 熱膨張性微小球及びその用途 | |
JP7369329B1 (ja) | 熱膨張性微小球及びその用途 | |
JP7394263B2 (ja) | 熱膨張性微小球及びその用途 | |
JP7259140B1 (ja) | 熱膨張性微小球、組成物、及び成形体 | |
JP7412653B2 (ja) | 熱膨張性微小球、中空粒子及びそれらの用途 | |
JP2023035309A (ja) | 熱膨張性微小球、及びその用途 | |
JP6026072B1 (ja) | 熱膨張性微小球及びその用途 | |
WO2023281867A1 (ja) | 中空粒子及びその用途 | |
JP2022078397A (ja) | 熱膨張性微小球、その製造方法及び用途 | |
JP2023077403A (ja) | 遮熱組成物、遮熱材、及び遮熱組成物に用いられる中空粒子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230721 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20230721 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20230721 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230926 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20231013 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7369329 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |