JP2894990B2 - 耐熱性と耐溶剤性に優れた熱膨張性マイクロカプセル - Google Patents
耐熱性と耐溶剤性に優れた熱膨張性マイクロカプセルInfo
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- JP2894990B2 JP2894990B2 JP8153855A JP15385596A JP2894990B2 JP 2894990 B2 JP2894990 B2 JP 2894990B2 JP 8153855 A JP8153855 A JP 8153855A JP 15385596 A JP15385596 A JP 15385596A JP 2894990 B2 JP2894990 B2 JP 2894990B2
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- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱膨張性マイクロカ
プセル、特に耐熱性と耐溶剤性に優れた熱膨張性マイク
ロカプセルに関する。 【0002】 【従来の技術】熱可塑性ポリマーを用いて、該ポリマー
の軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤をマイ
クロカプセル化して熱膨張性マイクロカプセルを製造す
る方法は既知である(例えば特公昭42−26524号
公報参照)。また、USP3,615,972号明細書に
は、ポリマーシェルの厚さが対象(均一)なマイクロカプ
セルを製造するのにアクリロニトリル系ポリマーでは約
7〜60重量%のビニリデンクロライドを共重合するこ
と、ジビニルベンゼンなどの架橋剤を使用してポリマー
シェルの溶融または流動粘度を増大させることが開示さ
れている。 【0003】しかしながら、従来の方法によっては耐熱
性と耐溶剤性に優れた熱膨張性マイクロカプセルを得る
ことはできなかった。本発明者らは先に、重合性不飽和
結合を有するモノマーとしてアクリロニトリルを少なく
とも15重量%用いるとマイクロカプセルの耐溶剤性が
向上することを究明したが(特公昭60−21770号
公報参照;この場合、アクリロニトリルの好適な使用量
は該公報、第2頁、第4欄、第19行〜第22行に記載
のように、高々70重量%程度であり、それ以上の使用
量は未反応アクリロニトリルの問題と相俟って全く意図
されていなかった)、十分に満足すべきものではなく、
しかも耐熱性が劣る(約80〜130℃で発泡膨張し、
高温・長時間で発泡倍率が低下する。)という点で改良
の余地が残されていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の製品
に比べて耐熱性に優れ、140℃以下では発泡せず、し
かも耐溶剤性にも優れている熱膨張性マイクロカプセル
を提供せんとするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、ニトリル系モ
ノマー80重量%以上、非ニトリル系モノマー20重量
%以下および架橋剤0.1〜1重量%含有する成分から
得られるポリマーを用いて、該ポリマーの軟化点以下の
温度でガス状になる揮発性膨張剤をマイクロカプセル化
した熱膨張性マイクロカプセルであって、殻壁の軟化温
度が135℃以上であり、かつ160℃1分の加熱にお
ける発泡倍率が7以上で、160℃4分の加熱における
発泡倍率が3以上であることを特徴とする熱膨張性マイ
クロカプセルに関する。 【0006】本発明に使用するニトリル系モノマーとし
てはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロ
ルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、
フマロニトリルまたはこれらの任意の混合物等が例示さ
れるが、アクリロニトリルおよび/またはメタクリロニ
トリルが特に好ましい。ニトリル系モノマーの使用量は
80重量%以上、特に85〜97重量%であり、80重
量%未満では本発明の所期の目的を達成することはでき
ない。 【0007】非ニトリル系モノマーとしてはメタクリル
酸エステル類、アクリル酸エステル類からなる群から選
択される。これらの中メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、アクリル酸メチルが特に好ましい。非ニトリ
ル系モノマーの使用量は20重量%以下、好ましくは1
5〜3重量%である。 【0008】架橋剤としてはジビニルベンゼン、ジメタ
クリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチ
レングリコール、トリアクリルホルマール、トリメタク
リル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸アリル、
ジメタクリル酸1,3−ブチルグリコール、トリアリル
イソシアネート等が例示されるが、トリアクリルホルマ
ールやトリメタクリル酸トリメチロールプロパン等の三
官能性架橋剤が特に好ましい。架橋剤の使用量は0.1
〜1重量%、好ましくは0.2〜0.5重量%である。 【0009】本発明に係わるマイクロカプセルの壁材は
上記の成分にさらに所望により重合開始剤を適宜配合す
ることによって調製される。好適な重合開始剤としては
アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、t−ブチルパーオキサイド、2,
2'−アゾビス(2,4−ジメチルワレロニトリル)等が例
示される。 【0010】マイクロカプセル内に包含される揮発性膨
張剤は上記の配合成分から調製されるポリマーの軟化点
(一般的には約120〜150℃)以下の温度でガス状に
なる物質であり、例えばプロパン、プロピレン、ブテ
ン、ノルマルブタン、イソブタン、イソペンタン、ネオ
ペンタン、ノルマルペンタン、ヘキサン、ヘプタン、石
油エーテル、メタンのハロゲン化物(塩化メチル、メチ
レンクロリド、CCl3F,CCl2F2等)、テトラアルキル
シラン(テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン
等)等の低沸点液体、加熱により熱分解してガス状にな
るAIBN等の化合物が挙げられるが、イソブタン、ノ
ルマルブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、石油
エーテル等の低沸点液体が特に好適である。 【0011】上記の壁材を用いて揮発性膨張剤をマイク
ロカプセル化する方法は特に限定的ではなく、常法に従
えばよい。特に好適な方法は、例えば特公昭42−26
524号公報に記載のようにして、重合性モノマーおよ
び架橋剤を揮発性膨張剤および重合開始剤と混合し、該
混合物を適宜の乳化分散助剤等を含む水性媒体中で懸濁
重合させる方法である。懸濁重合をおこなう水性媒体の
配合処方も特に限定的ではないが、通常は無機の添加
剤、例えばシリカ、リン酸カルシウム、炭酸カルシウ
ム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等のほかに有機添
加剤、例えばジエタノールアミン−アジピン酸縮合物、
ゼラチン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、
ポリエチレンオキサイド、ジオクチルスルホサクシネー
ト、ソルビタンエステル等を脱イオン水に適宜配合し、
酸を用いて系のpHを約3〜4に調整する。 【0012】本発明の熱膨張性マイクロカプセルの粒径
は通常約5〜50ミクロン、特に約12〜25ミクロン
であり、また揮発性膨張剤の包含量は約10〜20重量
%、特に約13〜17重量%である。 【0013】 【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。実施例 1 次の配合処方によって調製した油性混合物および水性混
合物をホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用い
て加圧下(窒素2kg/m2)、10000rpmで6
0秒間攪拌混合した後、窒素置換した加圧重合反応機
(15L)内へ仕込み、加圧して(2kg/m2)、6
0℃で20時間反応させた。油性混合物 成分 重量部 アクリロニトリル 2450 メタクリル酸メチル 400 トリアクリルホルマール 9 n−ペンタン 550 アゾビスイソブチロニトリル 15 水性混合物(pH3.2) 成分 重量部 脱イオン水 6300 シリカ分散液(固形分20%)1) 1080 重クロム酸カリ(2.5%水溶液) 30 ジエタノールアミン−アジピン酸縮合物2)(50%水溶液) 40 塩化ナトリウム 2200 塩酸 1.5 1) 日産化学株式会社製コロイダルシリカ 2) 酸価100mgKOH/g 【0014】得られた反応生成物を遠心分離機を用いる
濾過と水洗処理に繰り返し付してケーキ状物とし(水分
32%)、これを一昼夜風乾して本発明による熱膨張性
マイクロカプセル(平均粒径約21.4ミクロン)を得
た。 【0015】得られたマイクロカプセルの、各種の溶剤
中に40℃で10日間浸漬した後の熱膨張性の良否を判
定して、該マイクロカプセルの耐溶剤性を調らべた。結
果を表1に示す。また、該マイクロカプセルの種々の加
熱条件下における発泡倍率(塗膜厚比)を調べ、結果を
表2に示す。 【0016】実施例 2 次の配合処方によって油性混合物を調製する以外は実施
例1と同様にして熱膨張性マイクロカプセル(平均粒径
約18.7ミクロン)を製造した。成分 重量部 アクリロニトリル 1900 メタクリロニトリル 900 メタクリル酸メチル 150 トリメタクリル酸トリメチロールプロパン 9 n−ペンタン 350 石油エーテル 200 【0017】得られたマイクロカプセルの耐溶剤性およ
び耐熱性をそれぞれ以下の表1および表2に示す。 【0018】実施例 3 次の配合処方によって油性混合物を調製する以外は実施
例1と同様にして熱膨張性マイクロカプセル(平均粒径
約23.2ミクロン)を製造した。成分 重量部 アクリロニトリル 1750 メタクリロニトリル 800 アクリル酸メチル 300 ジビニルベンゼン 10 n−ヘキサン 350 石油エーテル 200 【0019】得られたマイクロカプセルの耐溶剤性およ
び耐熱性をそれぞれ以下の表1および表2に示す。 【0020】比較例 1 油性混合物を次の配合処方によって調製する以外は実施
例1と同様にしてマイクロカプセル(平均粒径約20.
5ミクロン)を製造した。成分 重量部 アクリロニトリル 900 塩化ビニリデン 2100 ジビニルベンゼン 15 イソブタン 500 【0021】得られたマイクロカプセルの耐溶剤性およ
び耐熱性をそれぞれ以下の表1および表2に示す。 【0022】比較例 2 油性混合物を次の配合処方によって調製する以外は実施
例1と同様にしてマイクロカプセル(平均粒径約24.
7ミクロン)を製造した。成分 重量部 アクリロニトリル 1700 メタクリル酸メチル 1300 ジビニルベンゼン 15 イソペンタン 350 石油エーテル 200 【0023】得られたマイクロカプセルの耐溶剤性およ
び耐熱性をそれぞれ以下の表1および表2に示す。 【0024】比較例 3 油性混合物を次の配合処方によって調製する以外は実施
例1と同様にしてマイクロカプセル(平均粒径22.5
ミクロン)を調製した。成分 重量部 アクリロニトリル 2400 塩化ビニリデン 600 ジビニルベンゼン 15 イソブタン 500 【0025】得られたマイクロカプセルの耐溶剤性およ
び耐熱性をそれぞれ以下の表1および表2に示す。 【0026】 【表1】 【0027】 【表2】【0028】 【発明の効果】本発明によって得られる熱膨張性マイク
ロカプセルは従来のこの種の製品に比べて耐熱性に優
れ、140℃以下では発泡せず、しかも耐溶剤性にも優
れているために、従来の製品では使用が困難であった分
野(例えばポリ塩化ビニル、塩ビゾル、不飽和ポリエス
テル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ゴム、熱可塑性樹
脂、溶剤型バインダーなどと混合し、加熱発泡すること
により軽量化、クッション性付与、剛性向上、発泡イン
キとするなどの分野)でも利用することができる。
プセル、特に耐熱性と耐溶剤性に優れた熱膨張性マイク
ロカプセルに関する。 【0002】 【従来の技術】熱可塑性ポリマーを用いて、該ポリマー
の軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤をマイ
クロカプセル化して熱膨張性マイクロカプセルを製造す
る方法は既知である(例えば特公昭42−26524号
公報参照)。また、USP3,615,972号明細書に
は、ポリマーシェルの厚さが対象(均一)なマイクロカプ
セルを製造するのにアクリロニトリル系ポリマーでは約
7〜60重量%のビニリデンクロライドを共重合するこ
と、ジビニルベンゼンなどの架橋剤を使用してポリマー
シェルの溶融または流動粘度を増大させることが開示さ
れている。 【0003】しかしながら、従来の方法によっては耐熱
性と耐溶剤性に優れた熱膨張性マイクロカプセルを得る
ことはできなかった。本発明者らは先に、重合性不飽和
結合を有するモノマーとしてアクリロニトリルを少なく
とも15重量%用いるとマイクロカプセルの耐溶剤性が
向上することを究明したが(特公昭60−21770号
公報参照;この場合、アクリロニトリルの好適な使用量
は該公報、第2頁、第4欄、第19行〜第22行に記載
のように、高々70重量%程度であり、それ以上の使用
量は未反応アクリロニトリルの問題と相俟って全く意図
されていなかった)、十分に満足すべきものではなく、
しかも耐熱性が劣る(約80〜130℃で発泡膨張し、
高温・長時間で発泡倍率が低下する。)という点で改良
の余地が残されていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の製品
に比べて耐熱性に優れ、140℃以下では発泡せず、し
かも耐溶剤性にも優れている熱膨張性マイクロカプセル
を提供せんとするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、ニトリル系モ
ノマー80重量%以上、非ニトリル系モノマー20重量
%以下および架橋剤0.1〜1重量%含有する成分から
得られるポリマーを用いて、該ポリマーの軟化点以下の
温度でガス状になる揮発性膨張剤をマイクロカプセル化
した熱膨張性マイクロカプセルであって、殻壁の軟化温
度が135℃以上であり、かつ160℃1分の加熱にお
ける発泡倍率が7以上で、160℃4分の加熱における
発泡倍率が3以上であることを特徴とする熱膨張性マイ
クロカプセルに関する。 【0006】本発明に使用するニトリル系モノマーとし
てはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロ
ルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、
フマロニトリルまたはこれらの任意の混合物等が例示さ
れるが、アクリロニトリルおよび/またはメタクリロニ
トリルが特に好ましい。ニトリル系モノマーの使用量は
80重量%以上、特に85〜97重量%であり、80重
量%未満では本発明の所期の目的を達成することはでき
ない。 【0007】非ニトリル系モノマーとしてはメタクリル
酸エステル類、アクリル酸エステル類からなる群から選
択される。これらの中メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、アクリル酸メチルが特に好ましい。非ニトリ
ル系モノマーの使用量は20重量%以下、好ましくは1
5〜3重量%である。 【0008】架橋剤としてはジビニルベンゼン、ジメタ
クリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチ
レングリコール、トリアクリルホルマール、トリメタク
リル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸アリル、
ジメタクリル酸1,3−ブチルグリコール、トリアリル
イソシアネート等が例示されるが、トリアクリルホルマ
ールやトリメタクリル酸トリメチロールプロパン等の三
官能性架橋剤が特に好ましい。架橋剤の使用量は0.1
〜1重量%、好ましくは0.2〜0.5重量%である。 【0009】本発明に係わるマイクロカプセルの壁材は
上記の成分にさらに所望により重合開始剤を適宜配合す
ることによって調製される。好適な重合開始剤としては
アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、t−ブチルパーオキサイド、2,
2'−アゾビス(2,4−ジメチルワレロニトリル)等が例
示される。 【0010】マイクロカプセル内に包含される揮発性膨
張剤は上記の配合成分から調製されるポリマーの軟化点
(一般的には約120〜150℃)以下の温度でガス状に
なる物質であり、例えばプロパン、プロピレン、ブテ
ン、ノルマルブタン、イソブタン、イソペンタン、ネオ
ペンタン、ノルマルペンタン、ヘキサン、ヘプタン、石
油エーテル、メタンのハロゲン化物(塩化メチル、メチ
レンクロリド、CCl3F,CCl2F2等)、テトラアルキル
シラン(テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン
等)等の低沸点液体、加熱により熱分解してガス状にな
るAIBN等の化合物が挙げられるが、イソブタン、ノ
ルマルブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、石油
エーテル等の低沸点液体が特に好適である。 【0011】上記の壁材を用いて揮発性膨張剤をマイク
ロカプセル化する方法は特に限定的ではなく、常法に従
えばよい。特に好適な方法は、例えば特公昭42−26
524号公報に記載のようにして、重合性モノマーおよ
び架橋剤を揮発性膨張剤および重合開始剤と混合し、該
混合物を適宜の乳化分散助剤等を含む水性媒体中で懸濁
重合させる方法である。懸濁重合をおこなう水性媒体の
配合処方も特に限定的ではないが、通常は無機の添加
剤、例えばシリカ、リン酸カルシウム、炭酸カルシウ
ム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等のほかに有機添
加剤、例えばジエタノールアミン−アジピン酸縮合物、
ゼラチン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、
ポリエチレンオキサイド、ジオクチルスルホサクシネー
ト、ソルビタンエステル等を脱イオン水に適宜配合し、
酸を用いて系のpHを約3〜4に調整する。 【0012】本発明の熱膨張性マイクロカプセルの粒径
は通常約5〜50ミクロン、特に約12〜25ミクロン
であり、また揮発性膨張剤の包含量は約10〜20重量
%、特に約13〜17重量%である。 【0013】 【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。実施例 1 次の配合処方によって調製した油性混合物および水性混
合物をホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用い
て加圧下(窒素2kg/m2)、10000rpmで6
0秒間攪拌混合した後、窒素置換した加圧重合反応機
(15L)内へ仕込み、加圧して(2kg/m2)、6
0℃で20時間反応させた。油性混合物 成分 重量部 アクリロニトリル 2450 メタクリル酸メチル 400 トリアクリルホルマール 9 n−ペンタン 550 アゾビスイソブチロニトリル 15 水性混合物(pH3.2) 成分 重量部 脱イオン水 6300 シリカ分散液(固形分20%)1) 1080 重クロム酸カリ(2.5%水溶液) 30 ジエタノールアミン−アジピン酸縮合物2)(50%水溶液) 40 塩化ナトリウム 2200 塩酸 1.5 1) 日産化学株式会社製コロイダルシリカ 2) 酸価100mgKOH/g 【0014】得られた反応生成物を遠心分離機を用いる
濾過と水洗処理に繰り返し付してケーキ状物とし(水分
32%)、これを一昼夜風乾して本発明による熱膨張性
マイクロカプセル(平均粒径約21.4ミクロン)を得
た。 【0015】得られたマイクロカプセルの、各種の溶剤
中に40℃で10日間浸漬した後の熱膨張性の良否を判
定して、該マイクロカプセルの耐溶剤性を調らべた。結
果を表1に示す。また、該マイクロカプセルの種々の加
熱条件下における発泡倍率(塗膜厚比)を調べ、結果を
表2に示す。 【0016】実施例 2 次の配合処方によって油性混合物を調製する以外は実施
例1と同様にして熱膨張性マイクロカプセル(平均粒径
約18.7ミクロン)を製造した。成分 重量部 アクリロニトリル 1900 メタクリロニトリル 900 メタクリル酸メチル 150 トリメタクリル酸トリメチロールプロパン 9 n−ペンタン 350 石油エーテル 200 【0017】得られたマイクロカプセルの耐溶剤性およ
び耐熱性をそれぞれ以下の表1および表2に示す。 【0018】実施例 3 次の配合処方によって油性混合物を調製する以外は実施
例1と同様にして熱膨張性マイクロカプセル(平均粒径
約23.2ミクロン)を製造した。成分 重量部 アクリロニトリル 1750 メタクリロニトリル 800 アクリル酸メチル 300 ジビニルベンゼン 10 n−ヘキサン 350 石油エーテル 200 【0019】得られたマイクロカプセルの耐溶剤性およ
び耐熱性をそれぞれ以下の表1および表2に示す。 【0020】比較例 1 油性混合物を次の配合処方によって調製する以外は実施
例1と同様にしてマイクロカプセル(平均粒径約20.
5ミクロン)を製造した。成分 重量部 アクリロニトリル 900 塩化ビニリデン 2100 ジビニルベンゼン 15 イソブタン 500 【0021】得られたマイクロカプセルの耐溶剤性およ
び耐熱性をそれぞれ以下の表1および表2に示す。 【0022】比較例 2 油性混合物を次の配合処方によって調製する以外は実施
例1と同様にしてマイクロカプセル(平均粒径約24.
7ミクロン)を製造した。成分 重量部 アクリロニトリル 1700 メタクリル酸メチル 1300 ジビニルベンゼン 15 イソペンタン 350 石油エーテル 200 【0023】得られたマイクロカプセルの耐溶剤性およ
び耐熱性をそれぞれ以下の表1および表2に示す。 【0024】比較例 3 油性混合物を次の配合処方によって調製する以外は実施
例1と同様にしてマイクロカプセル(平均粒径22.5
ミクロン)を調製した。成分 重量部 アクリロニトリル 2400 塩化ビニリデン 600 ジビニルベンゼン 15 イソブタン 500 【0025】得られたマイクロカプセルの耐溶剤性およ
び耐熱性をそれぞれ以下の表1および表2に示す。 【0026】 【表1】 【0027】 【表2】【0028】 【発明の効果】本発明によって得られる熱膨張性マイク
ロカプセルは従来のこの種の製品に比べて耐熱性に優
れ、140℃以下では発泡せず、しかも耐溶剤性にも優
れているために、従来の製品では使用が困難であった分
野(例えばポリ塩化ビニル、塩ビゾル、不飽和ポリエス
テル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ゴム、熱可塑性樹
脂、溶剤型バインダーなどと混合し、加熱発泡すること
により軽量化、クッション性付与、剛性向上、発泡イン
キとするなどの分野)でも利用することができる。
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フロントページの続き
(72)発明者 新沼 喜久夫
大阪府八尾市渋川町2丁目1番3号 松
本油脂製薬株式会社内
(56)参考文献 特開 昭56−113338(JP,A)
特公 昭58−42209(JP,B2)
特公 昭53−45440(JP,B2)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.ニトリル系モノマー80重量%以上、非ニトリル系
モノマー20重量%以下および架橋剤0.1〜1重量%
含有する成分から得られるポリマーを用いて、該ポリマ
ーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤をマ
イクロカプセル化した熱膨張性マイクロカプセルにおい
て、非ニトリル系モノマーがメタクリル酸エステル類お
よびアクリル酸エステル類からなる群から選択される1
種または2種以上のモノマーであり、該ポリマーの軟化
点が135℃以上であり、且つ160℃1分の加熱にお
ける発泡倍率が7以上で、160℃4分の加熱における
発泡倍率が3以上であることを特徴とする熱膨張性マイ
クロカプセル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8153855A JP2894990B2 (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 耐熱性と耐溶剤性に優れた熱膨張性マイクロカプセル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8153855A JP2894990B2 (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 耐熱性と耐溶剤性に優れた熱膨張性マイクロカプセル |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13060286A Division JPS62286534A (ja) | 1986-06-04 | 1986-06-04 | 熱膨張性マイクロカプセルの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0919635A JPH0919635A (ja) | 1997-01-21 |
JP2894990B2 true JP2894990B2 (ja) | 1999-05-24 |
Family
ID=15571586
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8153855A Expired - Lifetime JP2894990B2 (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 耐熱性と耐溶剤性に優れた熱膨張性マイクロカプセル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2894990B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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