以下、本実施形態のコンクリート部材の接合構造、プレキャスト部材及びコンクリート部材の接合方法について説明する。
図1は、本実施形態のコンクリート部材の接合構造1の接合充填部7充填後の状態を示す。
本実施形態のコンクリート部材の接合構造1は、第1コンクリート部2a及びループの閉じた部分が第1コンクリート部2aから突出して形成される接合部3を有する第1部材2と、第2コンクリート部4a及びループの閉じた部分が第2コンクリート部4aから突出して形成される被接合部5を有する第2部材4と、接合部3と被接合部5の少なくとも一部を含むように充填される接合充填部7と、を備える。
また、図1に示す例では、コンクリート部材の接合構造1は、接合部3及び被接合部5に交差するように設置される交差部6を備える。なお、接合部3は、第1コンクリート部2aの内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。また、被接合部5は、第2コンクリート部4aの内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。
第1部材2は、第1コンクリート部2aから接合部3の一部を突出させて形成される。接合部3は、鉄筋等の高剛性の部材からなり、少なくとも1組の外側接合部3a及び内側接合部3bを有する。図1に示す例では、接合部3は6組の外側接合部3a及び内側接合部3bを有する。なお、図1はあくまでも事例であるため、必要な外側接合部3a及び内側接合部3bの組数は任意であり、図の組数に限定されない。
外側接合部3aは、少なくとも一部に外側接合ループ部3a1が形成され、外側接合ループ部3a1が第1コンクリート部2aから突出する。内側接合部3bは、少なくとも一部に内側接合ループ部3b1が形成され、内側接合ループ部3b1が第1コンクリート部2aから突出する。
内側接合部3bの内側ループ部3b1は、外側接合部3aの外側接合ループ部3a1に囲まれるように設置される。外側接合ループ部3a1と内側接合ループ部3b1は、図1(b)に示すように、平行に設置されると好ましい。また、外側接合ループ部3a1で形成される仮想面と内側接合ループ部3b1で形成される仮想面は、図1(a)に示すように、面一に設置されるとさらに好ましい。
なお、本実施形態の説明中、平行とは完全に平行な場合及び多少ずれていて略平行な場合も含むこととする。また、本実施形態の説明中、面一とは完全に面一な場合及び多少ずれていて略面一な場合も含むこととする。
ここで、ループとは、第1コンクリート部2aから突出し、所定の位置で折り曲げられ、所定の位置で第1コンクリート部2a内に向かう形状である。各接合ループ部3a1,3b1は、第1コンクリート部2aから露出した部分を示す。各接合ループ部3a1,3b1以外の接合部3は、第1コンクリート部2a内に設置される。また、各接合ループ部3a1,3b1が第1コンクリート部2aから突出する方向を第1突出方向Aとする。各接合ループ部3a1,3b1の第1突出方向Aは、平行であると好ましい。
第2部材4は、第2コンクリート部4aから被接合部5の一部を突出させて形成される。被接合部5は、鉄筋等の高剛性の部材からなり、少なくとも1組の外側被接合部5a及び内側被接合部5bを有する。図1に示す例では、被接合部5は5組の外側被接合部5a及び内側被接合部5bを有する。なお、図1はあくまでも事例であるため、必要な外側被接合部5a及び内側被接合部5bの組数は任意であり、図の組数に限定されない。
外側被接合部5aは、少なくとも一部に外側被接合ループ部5a1が形成され、外側被接合ループ部5a1が第2コンクリート部4aから突出する。内側被接合部5bは、少なくとも一部に内側被接合ループ部5b1が形成され、内側被接合ループ部5b1が第2コンクリート部4aから突出する。
内側被接合部5bの内側被接合ループ部5b1は、外側被接合部5aの外側被接合ループ部5a1に囲まれるように設置される。外側被接合ループ部5a1と内側被接合ループ部5b1は、平行に設置されると好ましい。また、外側被接合ループ部5a1と内側被接合ループ部5b1は、面一に設置されるとさらに好ましい。
ここで、ループとは、第2コンクリート部4aから突出し、所定の位置で折り曲げられ、所定の位置で第2コンクリート部4a内に向かう形状である。各被接合ループ部5a1,5b1は、第2コンクリート部4aから露出した部分を示す。各被接合ループ部5a1,5b1以外の被接合部5は、第2コンクリート部4a内に設置される。また、各被接合ループ部5a1,5b1が第2コンクリート部4aから突出する方向を第2突出方向Bとする。各被接合ループ部5a1,5b1の突出方向は、平行であると好ましい。
さらに、外側接合ループ部3a1及び内側接合ループ部3b1の接合突出方向Aと外側被接合ループ部5a1及び内側被接合ループ部5b1の被接合突出方向Bは、平行であるとさらに好ましい。
交差部6は、複数の鉄筋等の高剛性の部材からなり、接合部3の外側接合ループ部3a1及び内側接合ループ部3b1と被接合部5の外側被接合ループ部5a1及び内側被接合ループ部5b1に交差するように設置される。交差部6を設置することで剛性を高めることが可能となる。
接合充填部7には、充填材が接合部3の外側接合ループ部3a1及び内側接合ループ部3b1と被接合部5の外側被接合ループ部5a1及び内側被接合ループ部5b1を含むように充填される。充填材は、コンクリート、モルタル等、接合及び被接合部材と同等の剛性を発現し固化する材料とする。
図2は、本実施形態のコンクリート部材の接合構造1の接合充填部7充填前の状態を示す。
図2(a)に示すように、第1部材2と第2部材4は、接合部3の外側接合ループ部3a1及び内側接合ループ部3b1が形成する仮想面と被接合部5の外側被接合ループ部5a1及び内側被接合ループ部5b1が形成する仮想面がそれぞれ並列するように設置される。第1部材2と第2部材4は、交互に配置されると好ましい。
なお、接合部3の外側接合ループ部3a1及び内側接合ループ部3b1と被接合部5の外側被接合ループ部5a1及び内側被接合ループ部5b1は、図2に示すように、突出方向が平行で、等間隔に並べると好ましいが、多少ずれてもよい。また、第1部材2と第2部材4は、予め工場等で製作されて現場に運搬されると、現場での施工時間が短くでき好ましいが、現場で製作されてもよい。
第1部材2と第2部材4を、図2に示すように設置した後、図1に示す例では、接合部3及び被接合部5に交差するように交差部6を設置する。
その後、第1コンクリート部2aと第2コンクリート部4aの間で、接合部3の外側接合ループ部3a1及び内側接合ループ部3b1と被接合部5の外側被接合ループ部5a1及び内側被接合ループ部5b1を含むように、コンクリート等の充填材を充填し、接合充填部7を形成する。
このように、本実施形態のコンクリート部材の接合構造1によれば、設置工程及び設置時間を減らしながら、コンクリート部材を的確且つ強固に接合することが可能となる。
次に、第1実施形態のプレキャスト部材10について説明する。
図3は、第1実施形態のプレキャスト部材10を示す。
第1実施形態のプレキャスト部材10は、コンクリート部20と、ループの閉じた部分がコンクリート部20から突出して形成される接合部30と、を備える。コンクリート部20は、建物の柱等になる角柱状の柱状部21と、柱状部21から側方に突出して上面で梁を受ける台状部22と、を有する。なお、接合部30は、コンクリート部20の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。
接合部30は、鉄筋等の高剛性の部材からなり、少なくとも1組の第1外側接合部31a及び第1内側接合部31bを有する第1接合部31と、少なくとも1組の第2外側接合部32a及び第2内側接合部32bを有する第2接合部32と、少なくとも1組の第3外側接合部33a及び第3内側接合部33bを有する第3接合部33と、少なくとも1組の第4外側接合部34a及び第4内側接合部34bを有する第4接合部34と、を含む。第1接合部31、第2接合部32、第3接合部33及び第4接合部34は、コンクリート部20内で交差することが好ましい。
図3に示す例では、第1接合部31と第3接合部33は柱状部21の対向する2面から突出し、第2接合部32と第4接合部34は第1接合部31と第3接合部33が突出する面に対して直交する柱状部21の対向する2面から突出するように設置される。なお、第1接合部31と第3接合部33は一体に形成してもよく、第2接合部32と第4接合部34は一体に形成してもよい。また、図3に示す例では、第1接合部31~第4接合部34はそれぞれ8組の外側接合部31a~34a及び内側接合部31b~34bを有する。
図4は、第1実施形態のプレキャスト部材の側面と上面を示す。なお、第1接合部31~第4接合部34は、それぞれ同じ構造なので、ここでは、第1接合部31のみ説明する。
第1接合部31の第1外側接合部31aは、少なくとも一部に第1外側ループ部31a1が形成され、第1外側ループ部31a1が柱状部21から突出する。第1内側接合部31bは、少なくとも一部に第1内側ループ部31b1が形成され、第1内側ループ部31b1が柱状部21から突出する。
第1内側接合部31bの第1内側ループ部31b1は、第1外側接合部31aの第1外側ループ部31a1に囲まれるように設置される。第1外側ループ部31a1と第1内側ループ部31b1は、平行に設置されると好ましい。
ここで、ループとは、コンクリート部20から突出し、所定の位置で折り曲げられ、所定の位置でコンクリート部20内に向かう形状である。各ループ部31a1,31b1は、コンクリート部20から露出した部分を示す。各ループ部31a1,31b1以外の第1接合部31は、コンクリート部20内に設置され、各ループ部31a1,31b1を保持する。また、各ループ部31a1,31b1が梁コンクリート部22aから突出する方向を第1接合突出方向A1とする。各接合ループ部3a1,3b1の第1接合突出方向A1は、平行であると好ましい。
図5は、第1実施形態のプレキャスト部材10に接続される第1梁41を示す。第1実施形態のプレキャスト部材10には、後述するように、4本の梁が接続されるが、第1梁41、第2梁42、第3梁43及び第4梁44は、同一の構造なので、ここでは、第1梁41を例に説明する。
第1梁41は、直方体の第1梁コンクリート部41a及びループの閉じた部分が第1梁コンクリート部41aから突出して形成される第1被接合部51を有する。なお、第1被接合部51は、第1梁コンクリート部41aの内部で、図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。
第1被接合部51は、鉄筋等の高剛性の部材からなり、少なくとも1組の第1外側被接合部51a及び第1内側被接合部51bを有する。図5に示す例では、第1被接合部51は8組の第1外側被接合部51a及び第1内側被接合部51bを有する。
第1外側被接合部51aは、少なくとも一部に第1外側被接合ループ部51a1が形成され、第1外側被接合ループ部51a1が第1梁コンクリート部41aから突出する。第1内側被接合部51bは、少なくとも一部に第1内側被接合ループ部51b1が形成され、第1内側被接合ループ部51b1が第1梁コンクリート部41aから突出する。
第1内側被接合部51bの第1内側被接合ループ部51b1は、第1外側被接合部51aの第1外側被接合ループ部51a1に囲まれるように設置される。第1外側被接合ループ部51a1と第1内側被接合ループ部51b1は、平行に設置されると好ましい。
ここで、ループとは、第1梁コンクリート部41aから突出し、所定の位置で折り曲げられ、所定の位置で第1梁コンクリート部41a内に向かう形状である。各ループ部51a1,51b1は、第1梁コンクリート部41aから露出した部分を示す。各ループ部51a1,51b1以外の第1被接合部51は、第1梁コンクリート部41a内に設置され、各ループ部51a1,51b1を保持する。また、各ループ部51a1,51b1が第1梁コンクリート部41aから突出する方向を第1被接合突出方向B1とする。各被接合ループ部51a1,51b1の第1被接合突出方向B1は、平行であると好ましい。
次に、第1実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1について説明する。
図6は、第1実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1の接合充填部70充填前の状態を示す。
図6に示すコンクリート部材の接合構造1は、第1実施形態のプレキャスト部材10に梁41,42,43,44を4方向に接合する構造の一例である。例えば、構造物の梁を想定すると、第1梁41及び第3梁43が縦梁、第2梁42及び第4梁44が横梁を構成し、プレキャスト部材10は、縦梁と横梁を接合する。ここでは、第1接合部31と第1梁41の接合構造について説明する。
第1梁41、第2梁42、第3梁43及び第4梁44は、それぞれ90°異なる方向のプレキャスト部材10の台状部22にそれぞれ設置される。なお、梁41,42,43,44は4本使用する必要はなく、1本、2本又は3本でもよい。また、プレキャスト部材10の水平断面を5角形以上の多角形とし、5本以上の梁を使用してもよい。例えば、本実施形態のプレキャスト部材10では、柱状部21の水平断面が多角形に形成され、多角形を形成する外側面に対応して台状部22及び接合部30が形成されてもよい。この場合、各ループ部の突出方向は、多角形を形成する外側面に直交すると好ましい。
プレキャスト部材10と第1梁41は、第1接合部31の第1外側接合ループ部31a1及び内側接合ループ部3b1が形成する仮想面と第1被接合部51の外側被接合ループ部51a1及び内側被接合ループ部51b1が形成する仮想面がそれぞれ並列するように設置される。第1接合部31と第1被接合部51は、交互に配置されると好ましい。
なお、第1接合部31の外側接合ループ部31a1及び内側接合ループ部31b1が形成する仮想面と第1被接合部51の外側被接合ループ部51a1及び内側被接合ループ部51b1が形成する仮想面は、平行で等間隔に並べると好ましいが、多少ずれてもよい。また、プレキャスト部材10と第1梁41は、予め工場等で製作されて現場に運搬されると、現場での施工時間が短くでき好ましいが、現場で製作されてもよい。
また、プレキャスト部材10及び梁40は、接合部30及び被接合部50に交差するように設置される第1実施形態で示したような交差部を備えてもよい。なお、接合部30は、柱状部21の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。また、被接合部50は、梁40の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。
図7は、第1実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1の接合充填部70充填後の状態を示す。
図6に示すようにプレキャスト部10と第1梁41を設置した後、図6に示すように、プレキャスト部10と第1梁41の間で、第1接合部31の第1外側接合ループ部31a1及び第1内側接合ループ部31b1と第1被接合部51の第1外側被接合ループ部51a1及び第1内側被接合ループ部51b1を含むように、コンクリート等の充填材を充填し、第1接合充填部71を形成する。同様に、プレキャスト部10と第2梁42、第3梁43及び第4梁44の間にコンクリート等の充填材を充填し、第2接合充填部72、第3接合充填部73及び第4接合充填部74を形成する。
このように、第1実施形態のプレキャスト部材によれば、設置工程及び設置時間を減らしながら、コンクリート部材を的確且つ強固に接合することが可能となる。
次に、第2実施形態のプレキャスト部材について説明する。
図8は、第2実施形態のプレキャスト部材の組立前の状態を示す。
第2実施形態のプレキャスト部材10は、コンクリート部20と、ループの閉じた部分がコンクリート部20から突出して形成される接合部30と、を備える。コンクリート部20は、建物の柱等になる角柱状の柱状部21と、柱状部21から側方に突出して上面で梁を受ける台状部22と、柱状部21を補強する柱状補強部23と、を有する。
接合部30は、鉄筋等の高剛性の部材からなり、少なくとも1組の第1外側接合部31a及び第1内側接合部31bを有する第1接合部31と、少なくとも1組の第2外側接合部32a及び第2内側接合部32bを有する第2接合部32と、少なくとも1組の第3外側接合部33a及び第3内側接合部33bを有する第3接合部33と、少なくとも1組の第4外側接合部34a及び第4内側接合部34bを有する第4接合部34と、を含む。
なお、第1接合部31と第3接合部33は一体に形成してもよく、第2接合部32と第4接合部34は一体に形成してもよい。また、図8に示す例では、第1接合部31~第4接合部34はそれぞれ8組の外側接合部31a~34a及び内側接合部31b~34bを有する。なお、図8はあくまでも事例であるため、必要な外側接合部31a~34a及び内側接合部31b~34bの組数は任意であり、図の組数に限定されない。
第2実施形態の第1接合部31~第4接合部34は、それぞれ同じ構造なので、ここでは、第1接合部31のみ説明する。
第1接合部31の第1外側接合部31aは、少なくとも一部に第1外側ループ部3a1が形成され、第1内側接合部3bは、少なくとも一部に第1内側ループ部3b1が形成される。
第1内側接合部31bの第1内側ループ部31b1は、第1外側接合部31aの第1外側ループ部31a1に囲まれるように設置される。第1外側ループ部31a1と第1内側ループ部31b1は、平行に設置されると好ましい。
ここで、ループとは、台状部22の上面に沿った一方向に延び、所定の位置で折り曲げられ、所定の位置で台状部22の上面に沿った一方向とは反対方向に向かう形状である。また、第2実施形態のプレキャスト部材10では、台状部22の上面に沿った方向を各ループ部の突出方向とする。
図9は、第2実施形態のプレキャスト部材10の組立後の状態を示す。
図9に示すように、第2実施形態のプレキャスト部材10は、コンクリート部20と接合部30を組み付ける。具体的には、コンクリート部20の柱状補強部23に接合部30を組み付ける。プレキャスト部材10は、予め工場等で製作されて現場に運搬されると、現場での施工時間が短くでき好ましいが、現場で製作されてもよい。
次に、第2実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1について説明する。
図10は、第2実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1の接合充填部70充填前の状態を示す。
図10に示すコンクリート部材の接合構造1は、第2実施形態のプレキャスト部材10の接合部30に梁40を4方向に接合する構造の一例である。第1梁41、第2梁42、第3梁43及び第4梁44は、それぞれ90°異なる方向のプレキャスト部材10の台状部22にそれぞれ設置される。
なお、梁40及び被接合部50の構造は、第1実施形態と同様なので、説明を省略する。また、梁40は4本使用する必要はなく、1本、2本又は3本でもよい。また、プレキャスト部材10の柱状部21の水平断面を5角形以上の多角形とし、接合部30の各ループ部31a1,31b1を多角形の周面に合わせて形成し、5本以上の梁を使用してもよい。
プレキャスト部材10と第1梁41は、第1接合部31の第1外側接合ループ部31a1及び内側接合ループ部3b1が形成する仮想面と第1被接合部51の外側被接合ループ部51a1及び内側被接合ループ部51b1が形成する仮想面がそれぞれ並列するように設置される。第1接合部31と第1被接合部51は、交互に配置されると好ましい。
なお、第1接合部31の外側接合ループ部31a1及び内側接合ループ部31b1が形成する仮想面と第1被接合部51の外側被接合ループ部51a1及び内側被接合ループ部51b1が形成する仮想面は、平行で等間隔に並べると好ましいが、多少ずれてもよい。また、プレキャスト部材10と第1梁41は、予め工場等で製作されて現場に運搬されると、現場での施工時間が短くでき好ましいが、現場で製作されてもよい。第1梁41を設置した後、第2梁42、第3梁43及び第4梁44も第1梁41と同様に設置する。
また、プレキャスト部材10及梁40は、接合部30及び被接合部50に交差するように設置される第1実施形態で示したような交差部を備えてもよい。なお、接合部30は、柱状部21の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。また、被接合部50は、梁40の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。
図11は、第2実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1の接合充填部70充填後の状態を示す。
プレキャスト部10と梁40を設置した後、図11に示すように、プレキャスト部10の接合部30と梁40の被接合部50を含むように、コンクリート等の充填材を充填し、接合充填部70を形成する。
このように、第2実施形態のプレキャスト部材によれば、設置工程及び設置時間を減らしながら、コンクリート部材を的確且つ強固に接合することが可能となる。
次に、第3実施形態のプレキャスト部材10について説明する。
図12は、第3実施形態のプレキャスト部材10を示す。図13は、第3実施形態のプレキャスト部材の上面と側面を示す。
第3実施形態のプレキャスト部材10は、図3に示した第1実施形態のプレキャスト部材10の第1接合部31~第3接合部33を突出させ、第4接合部34を除いたものであって、接合部30を3方向に突出させる例である。
第3実施形態の接合部30のうち、柱状部21から突出していない部分は、ループ状の部分を形成しない構造でもよく、ループ状に形成して柱状部21に埋め込んでもよい。その他の構造は、第1実施形態と同様である。
また、プレキャスト部材10及梁40は、接合部30及び被接合部50に交差するように設置される第1実施形態で示したような交差部を備えてもよい。なお、接合部30は、柱状部21の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。また、被接合部50は、梁40の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。
図14は、第3実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1の接合充填部70充填後の状態を示す。
プレキャスト部10と第1梁41を設置した後、プレキャスト部10と第1梁41の間で、第1接合部31の第1外側接合ループ部31a1及び第1内側接合ループ部31b1と第1被接合部51の第1外側被接合ループ部51a1及び第1内側被接合ループ部51b1を含むように、コンクリート等の充填材を充填し、第1接合充填部71を形成する。同様に、プレキャスト部10と第2梁42及び第3梁43の間にコンクリート等の充填材を充填し、第2接合充填部72及び第3接合充填部73を形成する。
このように、第3実施形態のプレキャスト部材10によれば、設置工程及び設置時間を減らしながら、コンクリート部材を的確且つ強固に接合することが可能となる。また、第3実施形態のプレキャスト部材10によれば、構造物の設計の自由度を増やすことが可能となる。
次に、第4実施形態のプレキャスト部材10について説明する。
図15は、第4実施形態のプレキャスト部材10を示す。図16は、第4実施形態のプレキャスト部材の上面と側面を示す。
第4実施形態のプレキャスト部材10は、図3に示した第1実施形態のプレキャスト部材10の第1接合部31及び第2接合部32を突出させ、第3接合部33及び第4接合部34を除いたものであって、接合部30を直角の2方向に突出させる例である。
第4実施形態の接合部30のうち、柱状部21から突出していない部分は、ループ状の部分を形成しない構造でもよく、ループ状に形成して柱状部21に埋め込んでもよい。その他の構造は、第1実施形態と同様である。
また、プレキャスト部材10及梁40は、接合部30及び被接合部50に交差するように設置される第1実施形態で示したような交差部を備えてもよい。なお、接合部30は、柱状部21の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。また、被接合部50は、梁40の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。
図17は、第4実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1の接合充填部70充填後の状態を示す。
プレキャスト部10と第1梁41を設置した後、プレキャスト部10と第1梁41の間で、第1接合部31の第1外側接合ループ部31a1及び第1内側接合ループ部31b1と第1被接合部51の第1外側被接合ループ部51a1及び第1内側被接合ループ部51b1を含むように、コンクリート等の充填材を充填し、第1接合充填部71を形成する。同様に、プレキャスト部10と第2梁42の間にコンクリート等の充填材を充填し、第2接合充填部72を形成する。
このように、第4実施形態のプレキャスト部材10によれば、設置工程及び設置時間を減らしながら、コンクリート部材を的確且つ強固に接合することが可能となる。また、第4実施形態のプレキャスト部材10によれば、構造物の設計の自由度を増やすことが可能となる。
次に、第5実施形態のプレキャスト部材10について説明する。
図18は、第5実施形態のプレキャスト部材10を示す。図19は、第5実施形態のプレキャスト部材の上面と側面を示す。
第5実施形態のプレキャスト部材10は、図3に示した第1実施形態のプレキャスト部材10の第1接合部31及び第3接合部33を突出させ、第2接合部32及び第4接合部34を除いたものであって、接合部30を直線状の2方向に突出させる例である。なお、第5実施形態では、第1実施形態の第3接合部33を第2接合部32に言い換えて、直線状の2方向に延びる接合部30を第1接合部31と第2接合部32とする。
第5実施形態の接合部30のうち、柱状部21から突出していない部分は、ループ状の部分を形成しない構造でもよく、ループ状に形成して柱状部21に埋め込んでもよい。その他の構造は、第1実施形態と同様である。
また、プレキャスト部材10及梁40は、接合部30及び被接合部50に交差するように設置される第1実施形態で示したような交差部を備えてもよい。なお、接合部30は、柱状部21の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。また、被接合部50は、梁40の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。
図20は、第5実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1の接合充填部70充填後の状態を示す。
プレキャスト部10と第1梁41を設置した後、プレキャスト部10と第1梁41の間で、第1接合部31の第1外側接合ループ部31a1及び第1内側接合ループ部31b1と第1被接合部51の第1外側被接合ループ部51a1及び第1内側被接合ループ部51b1を含むように、コンクリート等の充填材を充填し、第1接合充填部71を形成する。同様に、プレキャスト部10と第2梁42の間にコンクリート等の充填材を充填し、第2接合充填部72を形成する。
このように、第5実施形態のプレキャスト部材10によれば、設置工程及び設置時間を減らしながら、コンクリート部材を的確且つ強固に接合することが可能となる。また、第5実施形態のプレキャスト部材10によれば、構造物の設計の自由度を増やすことが可能となる。
なお、第3実施形態~第5実施形態についても、図8~図11に示した第2実施形態のように、プレキャスト部10と梁40を設置した後、プレキャスト部10の接合部30と梁40の被接合部50を含むように、コンクリート等の充填材を充填し、接合充填部70を形成してもよい。
図21は、第6実施形態のプレキャスト部材10を示す。図22は、第6実施形態のプレキャスト部材10の断面を示す。
第6実施形態のプレキャスト部材10は、柱状部21を下柱状部21aと上柱状部21bとに分けて製作される。下柱状部21aは、上端から側方に突出する台状部22を有する。台状部22は、上面で梁を受ける。下柱状部21aの上端の中央部分には、円柱状の凸部211が形成される。凸部211の周囲には、複数の中空の下柱鋼管212が埋め込まれる。下柱鋼管212の内側には、鉄筋等の柱接合部213が設置される。柱接合部213の下方は、下柱状部21aに埋め込まれる。
上柱状部21bは、第1実施形態と同様の接合部30を有する。上柱状部の下端の中央部分には、円柱状の凹部214が形成される。上柱状部21bは、上下方向に貫通する縦孔が形成され、複数の中空の上柱鋼管215が埋め込まれる。上柱鋼管215は、接合部30と交差しないように設置される。
下柱状部21aと上柱状部21bは、凸部211を凹部214に嵌めこんで位置決めする。凸部211と凹部214を嵌めこんだ状態では、下柱鋼管212と上柱鋼管215の位置が上下方向において連続する。連続した下柱鋼管212と上柱鋼管215には、柱状補強部23が挿入される。柱状補強部23が挿入された下柱鋼管212と上柱鋼管215には、モルタル又はコンクリートが注入される。
次に、第6実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1について説明する。
図23は、第6実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1において台状部22に梁40を置いた状態を示す。
第6実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1は、第1実施形態のコンクリート部材の接合構造1と同様の構造であるが、製作過程が異なる。第6実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1を製作するためには、まず、台状部22に梁40を置く。梁40を台状部22に置いた状態で、被接合部50は台状部22の上方に存在し、下柱状部21a及び下柱鋼管212とは上方から見て重ならない。
図24は、第6実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1において下柱状部21aに上柱状部21bを置き柱状補強部23を挿入している状態を示す。図25は、図24のXXV-XXV断面を示す。
下柱状部21aと上柱状部21bは、凸部211を凹部214に嵌めこんで位置決めされる。凸部211と凹部214を嵌めこんだ状態では、下柱鋼管212と上柱鋼管215の位置が上下方向において連続する。
プレキャスト部材10と第1梁41は、第1接合部31の第1外側接合ループ部31a1及び内側接合ループ部3b1が形成する仮想面と第1被接合部51の外側被接合ループ部51a1及び内側被接合ループ部51b1が形成する仮想面がそれぞれ並列するように設置される。第1接合部31と第1被接合部51は、交互に配置されると好ましい。
なお、第1接合部31の外側接合ループ部31a1及び内側接合ループ部31b1が形成する仮想面と第1被接合部51の外側被接合ループ部51a1及び内側被接合ループ部51b1が形成する仮想面は、平行で等間隔に並べると好ましいが、多少ずれてもよい。また、プレキャスト部材10と第1梁41は、予め工場等で製作されて現場に運搬されると、現場での施工時間が短くでき好ましいが、現場で製作されてもよい。
また、プレキャスト部材10及び梁40は、接合部30及び被接合部50に交差するように設置される第1実施形態で示したような交差部を備えてもよい。なお、接合部30は、柱状部21の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。また、被接合部50は、梁40の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。
連続した下柱鋼管212と上柱鋼管215には、柱状補強部23が挿入される。柱状補強部23は、下端が下柱状部21aに接触した状態で上端が上柱状部21bの上端より下方に位置するとよい。
図26は、第6実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1の接合充填部70充填後の状態を示す。
柱状補強部23が挿入された下柱鋼管212と上柱鋼管215には、モルタル又はコンクリート等の充填材216が上柱鋼管215の上端まで注入される。なお、上柱鋼管215と柱状補強部23の上端を上柱状部21bの上面より低い位置となるように設置することで、充填材216によって上柱鋼管215と柱状補強部23の上端が隠れるようにしてもよい、
その後、図26に示すように、プレキャスト部10と第1梁41の間で、第1接合部31の第1外側接合ループ部31a1及び第1内側接合ループ部31b1と第1被接合部51の第1外側被接合ループ部51a1及び第1内側被接合ループ部51b1を含むように、コンクリート等の充填材を充填し、第1接合充填部71を形成する。同様に、プレキャスト部10と第2梁42、第3梁43及び第4梁44の間にコンクリート等の充填材を充填し、第2接合充填部72、第3接合充填部73及び第4接合充填部74を形成する。
このように、第6実施形態のプレキャスト部材10によれば、設置工程及び設置時間を減らしながら、コンクリート部材を的確且つ強固に接合することが可能となる。また、一体に形成された柱状部に対して、分割して形成された上柱状部21bと下柱状部21aは、1つ1つの重量及び寸法がそれぞれ小さいので、容易に運搬及び施工をすることができる。なお、本実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1を製作する順序は、下柱状部21aに上柱状部21bを置き柱状補強部23を挿入した後に、台状部22に梁40を置く順序でも良い。
次に、第7実施形態のプレキャスト部材10について説明する。
図27は、第7実施形態のプレキャスト部材10を示す。図28は、第7実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1の接合充填部70充填後の状態を示す。
第7実施形態のプレキャスト部材10は、図21に示した第6実施形態のプレキャスト部材10の第1接合部31~第3接合部33を突出させ、第4接合部34を除いたものであって、接合部30を3方向に突出させる例である。
第7実施形態の接合部30のうち、柱状部21から突出していない部分は、ループ状の部分を形成しない構造でもよく、ループ状に形成して柱状部21に埋め込んでもよい。その他の構造は、第6実施形態と同様である。
プレキャスト部10と第1梁41を設置した後、プレキャスト部10と第1梁41の間で、第1接合部31の第1外側接合ループ部31a1及び第1内側接合ループ部31b1と第1被接合部51の第1外側被接合ループ部51a1及び第1内側被接合ループ部51b1を含むように、コンクリート等の充填材を充填し、第1接合充填部71を形成する。同様に、プレキャスト部10と第2梁42の間及びプレキャスト部10と第3梁43の間にコンクリート等の充填材を充填し、第2接合充填部72及び第3接合充填部73を形成する。
また、プレキャスト部材10及び梁40は、接合部30及び被接合部50に交差するように設置される第1実施形態で示したような交差部を備えてもよい。なお、接合部30は、柱状部21の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。また、被接合部50は、梁40の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。
このように、第7実施形態のプレキャスト部材10によれば、設置工程及び設置時間を減らしながら、コンクリート部材を的確且つ強固に接合することが可能となる。また、第7実施形態のプレキャスト部材10によれば、構造物の設計の自由度を増やすことが可能となる。さらに、一体に形成された柱状部に対して、分割して形成された上柱状部21bと下柱状部21aは、1つ1つの重量及び寸法がそれぞれ小さいので、容易に運搬及び施工をすることができる。
図29は、第8実施形態のプレキャスト部材10を示す。図30は、第8実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1の接合充填部70充填後の状態を示す。
第8実施形態のプレキャスト部材10は、図21に示した第6実施形態のプレキャスト部材10の第1接合部31及び第2接合部32を突出させ、第3接合部33及び第4接合部34を除いたものであって、接合部30を2方向に突出させる例である。
第8実施形態の接合部30のうち、柱状部21から突出していない部分は、ループ状の部分を形成しない構造でもよく、ループ状に形成して柱状部21に埋め込んでもよい。その他の構造は、第6実施形態と同様である。
また、プレキャスト部材10及梁40は、接合部30及び被接合部50に交差するように設置される第1実施形態で示したような交差部を備えてもよい。なお、接合部30は、柱状部21の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。また、被接合部50は、梁40の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。
プレキャスト部10と第1梁41を設置した後、プレキャスト部10と第1梁41の間で、第1接合部31の第1外側接合ループ部31a1及び第1内側接合ループ部31b1と第1被接合部51の第1外側被接合ループ部51a1及び第1内側被接合ループ部51b1を含むように、コンクリート等の充填材を充填し、第1接合充填部71を形成する。同様に、プレキャスト部10と第2梁42の間にコンクリート等の充填材を充填し、第2接合充填部72を形成する。
このように、第8実施形態のプレキャスト部材10によれば、設置工程及び設置時間を減らしながら、コンクリート部材を的確且つ強固に接合することが可能となる。また、第8実施形態のプレキャスト部材10によれば、構造物の設計の自由度を増やすことが可能となる。さらに、一体に形成された柱状部に対して、分割して形成された上柱状部21bと下柱状部21aは、1つ1つの重量及び寸法がそれぞれ小さいので、容易に運搬及び施工をすることができる。
次に、第9実施形態のプレキャスト部材10について説明する。
図31は、第9実施形態のプレキャスト部材10を示す。図32は、第9実施形態のプレキャスト部材10を用いたコンクリート部材の接合構造1の接合充填部70充填後の状態を示す。
第9実施形態のプレキャスト部材10は、図21に示した第6実施形態のプレキャスト部材10の第1接合部31及び第3接合部33を突出させ、第2接合部32及び第4接合部34を除いたものであって、接合部30を直線状の2方向に突出させる例である。なお、第9実施形態では、第6実施形態の第3接合部33を第2接合部32に言い換えて、直線状の2方向に延びる接合部30を第1接合部31と第2接合部32とする。
第5実施形態の接合部30のうち、柱状部21から突出していない部分は、ループ状の部分を形成しない構造でもよく、ループ状に形成して柱状部21に埋め込んでもよい。その他の構造は、第6実施形態と同様である。
また、プレキャスト部材10及梁40は、接合部30及び被接合部50に交差するように設置される第1実施形態で示したような交差部を備えてもよい。なお、接合部30は、柱状部21の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。また、被接合部50は、梁40の内部で図示しない鉄筋等の剛性部材と接合されていると好ましい。
プレキャスト部10と第1梁41を設置した後、プレキャスト部10と第1梁41の間で、第1接合部31の第1外側接合ループ部31a1及び第1内側接合ループ部31b1と第1被接合部51の第1外側被接合ループ部51a1及び第1内側被接合ループ部51b1を含むように、コンクリート等の充填材を充填し、第1接合充填部71を形成する。同様に、プレキャスト部10と第2梁42の間にコンクリート等の充填材を充填し、第2接合充填部72を形成する。
このように、第9実施形態のプレキャスト部材10によれば、設置工程及び設置時間を減らしながら、コンクリート部材を的確且つ強固に接合することが可能となる。また、第9実施形態のプレキャスト部材10によれば、構造物の設計の自由度を増やすことが可能となる。さらに、一体に形成された柱状部に対して、分割して形成された上柱状部21bと下柱状部21aは、1つ1つの重量及び寸法がそれぞれ小さいので、容易に運搬及び施工をすることができる。
以上、本実施形態のプレキャスト部材10は、角柱状の柱状部21及び柱状部21から側方に突出する台状部22を有するコンクリート部20と、少なくとも1組の外側接合部31a及び内側接合部31bを有する接合部30と、を備え、外側接合部31aは、少なくとも一部に外側接合ループ部31a1が形成され、内側接合部31bは、少なくとも一部に外側接合ループ部31a1に囲まれる内側接合ループ部31b1が形成される。したがって、プレキャスト部材10を予め工場等で作成することができ、設置工程及び設置時間を減らしながら、コンクリート製の部材を的確且つ強固に接合することが可能となる。
また、本実施形態のプレキャスト部材10では、外側接合ループ部31a1及び内側接合ループ部31b1は、コンクリート部20から突出して形成される。したがって、接合部30をコンクリート部20で安定して支持することができ、他の部材との接合時により的確且つ強固に接合することが可能となる。
また、本実施形態のプレキャスト部材10では、接合部30は、少なくとも1組の第1外側接合部31a及び第1内側接合部31bを有する第1接合部31と、少なくとも1組の第2外側接合部32a及び第2内側接合部32bを有する第2接合部32と、を少なくとも含み、第1接合部31及び第2接合部32は一体に形成される。したがって、第1接合部31及び第2接合部32で他の部材に接合することができ、他の部材と接合してできる構造物の設計の自由度を増やすことが可能となる。
また、本実施形態のプレキャスト部材10では、第1接合部31及び第2接合部32は交差する。したがって、第1接合部31及び第2接合部32で他の部材に複数の形状で接合することができ、他の部材と接合してできる構造物の設計の自由度をより増やすことが可能となる。
また、本実施形態のプレキャスト部材10では、前記柱状部の水平断面は、多角形に形成され、前記多角形を形成する外側面に対応して前記台状部及び前記接合部が形成される。したがって、他の部材と接合してできる構造物の設計の自由度をより増やすことが可能となる。
また、本実施形態のプレキャスト部材10では、柱状部21は、上柱状部21bと下柱状部21aを有し、台状部22は、下柱状部21aから側方に突出し、接合部30は、上柱状部21bから突出し、下柱状部21aは、上端に形成された凸部211と、凸部211の周囲に埋め込まれた下柱鋼管212と、下柱鋼管212の内側に設置される柱接合部213と、を有し、上柱状部21bは、凸部211に嵌めこまれる凹部214と、凹部214の周囲に埋め込まれる上下方向に貫通する複数の中空の上柱鋼管215と、を有し、凸部211と凹部214を嵌めこんだ状態で連続した下柱鋼管212と上柱鋼管215に挿入された柱状補強部23を備える。したがって、一体に形成された柱状部に対して、分割して形成された上柱状部21bと下柱状部21aは、1つ1つの重量及び寸法がそれぞれ小さいので、容易に運搬及び施工をすることができる。
本実施形態のコンクリート部材の接合構造1は、プレキャスト部材10と、直方体のコンクリート部41及び少なくとも1組の外側被接合部51a及び内側被接合部51bを有する被接合部51を備え台状部22の上面に設置される梁40と、プレキャスト部材10と梁40とを接合する接合充填部70と、を備え、外側被接合部51aは、少なくとも一部に外側被接合ループ部51a1が形成され、内側被接合部51bは、少なくとも一部に外側被接合ループ部51a1に囲まれる内側被接合ループ部51b1が形成され、プレキャスト部材10と梁41は、接合充填部70内において接合部51の外側接合ループ部31a及び内側接合ループ部31bが形成する仮想面と被接合部51の外側被接合ループ部51a1及び内側被接合ループ部51b1が形成する仮想面がそれぞれ並列するように設置される。したがって、設置工程及び設置時間を減らしながら、コンクリート製の部材を的確且つより強固に接合することが可能となる。
本実施形態のコンクリート部材の接合構造1は、プレキャスト部材10と、直方体のコンクリート部41a及び少なくとも1組の外側被接合部51a及び内側被接合部51bを有する被接合部51を備え台状部の上面に設置される梁40と、プレキャスト部材10と梁40とを接合する接合充填部70と、を備え、外側被接合部51aは、少なくとも一部に外側被接合ループ部51a1が形成され、内側被接合部51bは、少なくとも一部に外側被接合ループ部51a1に囲まれる内側被接合ループ部51b1が形成され、プレキャスト部材10と梁40は、接合充填部70内において接合部30の外側接合ループ部31a1及び内側接合ループ部31b1が形成する仮想面と被接合部50の外側被接合ループ部51a1及び内側被接合ループ部51b1が形成する仮想面がそれぞれ並列するように設置され、梁40は、少なくとも第1梁41及び第2梁42を含み、被接合部50は、第1梁41に形成され、少なくとも1組の第1外側被接合部51a及び第1内側被接合部51bを有する第1被接合部51と、第2梁42に形成され、少なくとも1組の第2外側被接合部52a及び第2内側被接合部52bを有する第2被接合部52と、を少なくとも含む。したがって、設置工程及び設置時間を減らしながら、コンクリート製の部材を的確且つより強固に接合することが可能となる。また、プレキャスト部材10と梁40で形成される構造物の設計の自由度を増やすことが可能となる。
本実施形態のコンクリート部材の接合構造1は、第1コンクリート部2a及び第1コンクリート部2aから突出して形成される接合部3を有する第1部材2と、第2コンクリート部4a及び第2コンクリート部4aから突出して形成される被接合部5を有する第2部材4と、接合部3と被接合部5の少なくとも一部を含むように充填される接合充填部7と、を備え、接合部3は、少なくとも1組の外側接合部3a及び内側接合部3bを有し、外側接合部3aは、少なくとも一部に外側接合ループ部3a1が形成され、内側接合部3bは、少なくとも一部に外側接合ループ部3a1に囲まれる内側接合ループ部3b1が形成され、被接合部5は、少なくとも1組の外側被接合部5a及び内側被接合部5bを有し、外側被接合部5aは、少なくとも一部に外側被接合ループ部5a1が形成され、内側被接合部5bは、少なくとも一部に外側被接合ループ部5a1に囲まれる内側被接合ループ部5b1が形成され、第1部材2と第2部材4は、接合充填部7内において接合部3の外側接合ループ部3a1及び内側接合ループ部3b1が形成する仮想面と被接合部5の外側被接合ループ部5a1及び内側被接合ループ部5b1が形成する仮想面がそれぞれ並列するように設置される。したがって、設置工程及び設置時間を減らしながら、第1部材2と第2部材4を的確且つより強固に接合することが可能となる。
本実施形態のコンクリート部材の接合構造1は、接合部3及び被接合部5に交差するように設置される交差部6を備える。したがって、第1部材2と第2部材4をより強固に接合することが可能となる。
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、これらの詳細な内容に色々なバリエーションや変更を加えてもよい。また、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。