JP7362769B2 - カプセルを作製する方法 - Google Patents

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Description

本開示は、有益剤の転移及び誘発放出を目的としたカプセル及びカプセルを作製する方法に関し、より具体的には、カプセルサイズ及び/又は割断強度の狭い分布を有するカプセルに関する。
カプセル封入とは、液滴、固体粒子、又は気体粒子が固体シェルの内部に封入されるプロセスである。次いで、コア材料を周囲環境から機械的に分離する(Jyothi et al.,Journal of Microencapsulation,2010,27,187-197)。カプセル封入技術は、様々な科学分野から注目を集め、様々な産業を目的とした広範囲の商業用途を有する。全体として、カプセルは、(i)不適合構成成分の機械的分離を介して製剤又は材料の安定性を提供すること、(ii)コア材料を周囲環境から保護すること、(iii)活性成分の望ましくない属性をマスキング又は隠すこと、(iv)活性成分の放出を特定の時間又は位置に制御又は誘発すること、のうちの1つ以上が可能である。これらの属性の全ては、いくつかの製品の貯蔵寿命の増加、及び液体製剤中の活性成分の安定化、並びに有効性及び/又は効率を改善することができるカプセル封入された製剤の調整された送達をもたらすことができる。
カプセル封入は、医薬品、パーソナルケア、織物、食品、コーティング、布地ケア、ホームケア、構造物、及び農業などの領域に見出すことができる。加えて、実世界の商業用途におけるカプセル封入技術が直面する主な課題は、カプセル内のカプセル封入された活性物質の完全な保持が、コア材料の制御又は誘発放出が適用されるまで、供給連鎖全体にわたって必要とされることである(Thompson et al.,Journal of Colloid and Interface Science,2015,447,217-228)。
Jyothi et al.,Journal of Microencapsulation,2010,27,187-197 Thompson et al.,Journal of Colloid and Interface Science,2015,447,217-228
実施形態によれば、ポリマーシェルによって囲まれたコアを含むカプセルを作製する方法は、膜の第1の側から膜の第2の側に、また、連続相へ分散相を膜内の複数の孔に通過させることによって、連続相中に分散相の液滴を分散させることを含むことができ、一方、連続相は、膜の第2の側を横切って流れ、膜は機械的に移動される。分散相は、ポリマー前駆体、プロセス助剤、及び有益剤を含むことができ、連続相は、水を含む。本方法では、膜の第2の側に複数の孔が出ると、分散相は、分散相の液滴に形成される。本方法は、分散相の液滴内でポリマー前駆体の重合を開始するのに十分な条件下で、連続相中の分散相の液滴分散を曝露することを更に含むことができる。ポリマー前駆体は、分散相に不溶性となり、分散相と連続相との間の界面に移行し、一方、有益剤は重合後にコア内に留まる。実施形態では、安定剤系は、分散相及び連続相の一方又は両方に存在し、分散相及び連続相の一方又は両方は、開始剤を含む。実施形態では、ポリマー前駆体は、分散相に可溶性であり、多官能性エチレン性不飽和モノマーを含む。
実施形態によれば、カプセルの集団には複数のカプセルを含むことができ、各カプセルは、有益剤を含むコア、及びコアを囲むポリマーシェルを含むことができる。カプセルの集団は、約15%~約230%のデルタ割断強度パーセント、及び20nm~400nmのシェル厚を有することができる。
実施形態によれば、カプセルの集団には複数のカプセルを含むことができ、各カプセルは、有益剤を含むコア、及びコアを囲むポリマーシェルを含むことができる。カプセルの集団は、10%~100%の数集団直径変動係数を有することができ、カプセルは、20nm~400nmの平均シェル厚を有する。
実施形態によれば、カプセル又は複数のカプセルは、有益剤を含有するコア、及びコアを囲むポリマーシェルを含むことができる。実施形態では、カプセルは、約90:10を超える平均重量コアシェル比を有することができる。実施形態では、カプセルは、約95:5の平均重量コアシェル比を有することができる。実施形態では、カプセルは、約90:10を超える平均有効体積コアシェル比を有することができる。実施形態では、カプセルは、約95:5を超える平均有効体積コアシェル比を有することができる。
本明細書は、本明細書に提示された主題を具体的に指摘し、かつ、明確に主張する特許請求の範囲をもって完結するが、本明細書の本開示は、次の説明を添付の図面と併せて読むことで更に深い理解がなされるものと考えられる。一部の図は、より明確に他の要素を示す目的のために、選択された要素を省略することによって簡略化されている場合がある。一部の図中のそのような要素の省略は、対応する書面による説明の中で明確に叙述されている場合を除き、例示的な実施形態のいずれかの中の特定要素の有無を必ずしも示すものではない。いずれの図面も必ずしも一定の縮尺に従っていない。
本開示の実施形態による方法で使用するための円筒形膜装置の一実施形態の概略図である。 本開示の実施形態による方法で使用するための膜内に複数の孔を有する膜の概略図である。 本開示の実施形態による方法で使用するための膜内に複数の孔を有する膜の写真である。 図3Aの膜の写真を拡大した写真である。 本開示の実施形態によるカプセルの集団の光学顕微鏡画像である。 本開示の実施形態によるカプセルの集団の光学顕微鏡画像である。 本開示の実施形態によるカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルの直径が24.2μmであることを示している(白色矢印は、直径測定の2つの終点を示す)。 図5Aのカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルのシェル厚が218nmであることを示している(白色矢印は、シェル厚測定の2つの終点を示す)。 本開示の実施形態によるカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルの直径が17.6μmであることを示している(白色矢印は、直径測定の2つの終点を示す)。 図6Aのカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルのシェル厚が169nmであることを示している(白色矢印は、シェル厚測定の2つの終点を示す)。 本開示の実施形態によるカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルの直径が22.3μmであることを示している(白色矢印は、直径測定の2つの終点を示す)。 図7Aのカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルのシェル厚が150nmであることを示している(白色矢印は、シェル厚測定の2つの終点を示す)。 本開示の実施形態によるカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルの直径が27.1μmであることを示している(白色矢印は、直径測定の2つの終点を示す)。 図8Aのカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルのシェル厚が161nmであることを示している(白色矢印は、シェル厚測定の2つの終点を示す)。 本開示の実施形態によるカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルの直径が23.8μmであることを示している(白色矢印は、直径測定の2つの終点を示す)。 図9Aのカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルのシェル厚が186nmであることを示している(白色矢印は、シェル厚測定の2つの終点を示す)。 本開示の実施形態によるカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルの直径が12.4μmであることを示している(白色矢印は、直径測定の2つの終点を示す)。 図10Aのカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルのシェル厚が185nmであることを示している(白色矢印は、シェル厚測定の2つの終点を示す)。 本開示の実施形態によらないカプセルの集団の光学顕微鏡画像の比較例である。 本開示の実施形態によらないカプセルの集団の光学顕微鏡画像の比較例である。 比較例に記載の従来のバッチ方法に従って調製されたカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルの直径が4.58μmであることを示している(白色矢印は、直径測定の2つの終点を示す)。 図12Aのカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルのシェル厚が86.8nmであることを示している(白色矢印は、シェル厚測定の2つの終点を示す)。 比較例による従来のバッチ処理によって調製されたカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルの直径が7.40μmであることを示している(白色矢印は、直径測定の2つの終点を示す)。 図13Aのカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルのシェル厚が123nmであることを示している(白色矢印は、シェル厚測定の2つの終点を示す)。 比較例による従来のバッチ処理によって調製されたカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルの直径が20.3μmであることを示している(白色矢印は、直径測定の2つの終点を示す)。 図14Aのカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルのシェル厚が131nmであることを示している(白色矢印は、シェル厚測定の2つの終点を示す)。 比較例による従来のバッチ処理によって調製されたカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルの直径が27.5μmであることを示している(白色矢印は、直径測定の2つの終点を示す)。 図15Aのカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルのシェル厚が123nmであることを示している(白色矢印は、シェル厚測定の2つの終点を示す)。 比較例による従来のバッチ処理によって調製されたカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルの直径が26.9μmであることを示している(白色矢印は、直径測定の2つの終点を示す)。 図16Aのカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルのシェル厚が160nmであることを示している(白色矢印は、シェル厚測定の2つの終点を示す)。 比較例による従来のバッチ処理によって調製されたカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルの直径が2.61μmであることを示している(白色矢印は、直径測定の2つの終点を示す)。 図17Aのカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルのシェル厚が70.6nmであることを示している(白色矢印は、シェル厚測定の2つの終点を示す)。 本開示の実施形態によらないカプセルの集団の光学顕微鏡画像である。 本開示の実施形態によらないカプセルの集団の光学顕微鏡画像である。 比較例による従来のバッチ処理によって調製されたカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルの直径が6.56μmであることを示している(白色矢印は、直径測定の2つの終点を示す)。 図19Aのカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルのシェル厚が126nmであることを示している(白色矢印は、シェル厚測定の2つの終点を示す)。 比較例による従来のバッチ処理によって調製されたカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルの直径が22.7μmであることを示している(白色矢印は、直径測定の2つの終点を示す)。 図20Aのカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルのシェル厚が92.3nmであることを示している(白色矢印は、シェル厚測定の2つの終点を示す)。 比較例による従来のバッチ処理によって調製されたカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルの直径が32.0μmであることを示している(白色矢印は、直径測定の2つの終点を示す)。 図21Aのカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルのシェル厚が85.2nmであることを示している(白色矢印は、シェル厚測定の2つの終点を示す)。 比較例による従来のバッチ処理によって調製されたカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルの直径が4.62μmであることを示している(白色矢印は、直径測定の2つの終点を示す)。 図22Aのカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルのシェル厚が110nmであることを示している(白色矢印は、シェル厚測定の2つの終点を示す)。 比較例による従来のバッチ処理によって調製されたカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルの直径が24.4μmであることを示している(白色矢印は、直径測定の2つの終点を示す)。 図23Aのカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルのシェル厚が169nmであることを示している(白色矢印は、シェル厚測定の2つの終点を示す)。 比較例による従来のバッチ処理によって調製されたカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルの直径が10.6μmであることを示している(白色矢印は、直径測定の2つの終点を示す)。 図24Aのカプセルのクライオ走査電子顕微鏡画像であり、カプセルのシェル厚が153nmであることを示している(白い矢印は、シェル厚測定の2つの終点を示す)。
本明細書では、コアを囲むポリマーシェルを有するカプセル、及びカプセルを作製する方法が提供される。本開示の実施形態によるカプセルは、有益剤を含むことができる。実施形態では、カプセルは、カプセルの破裂時に有益剤を放出するために製剤化された製品に組み込むことができる。カプセルを有する様々な製剤化された製品は、当該技術分野において既知であり、本開示によるカプセルは、任意のこのような製品に使用することができる。例としては、洗濯洗剤、手洗い石鹸、洗浄製品、ローション、布地増強剤、スキンケア製品、美容ケア製品、及び他の化粧品製品が挙げられるが、これらに限定されない。
様々な実施形態では、カプセルサイズの狭い分布を有するカプセルが製造される。様々な実施形態では、カプセルは、以下でより詳細に考察されるように、15%~230%のデルタ割断強度パーセント、及び約20nm~約400nmのシェル厚を有することができる。様々な実施形態では、カプセルは、1μmを超える平均直径を有する。実施形態では、カプセルの各々は、1μmを超える直径を有する。様々な実施形態では、カプセルは、10%~100%の数集団直径変動係数、及び約20nm~約400nmの平均シェル厚を有することができる。実施形態では、カプセルは、約90:10を超える平均重量コア-シェル比を有することができる。実施形態では、カプセルは、約95:5の平均重量コアシェル比を有することができる。実施形態では、カプセルは、約90:10を超える平均有効体積コア-シェル比を有することができる。実施形態では、カプセルは、約95:5を超える平均有効体積コア-シェル比を有することができる。
実施形態では、カプセルは、以下でより詳細に考察されるように、15%~350%のデルタ割断強度パーセントを有することができる。実施形態では、カプセルは、以下でより詳細に考察されるように、15%~230%のデルタ割断強度パーセントを有することができる。実施形態のいずれにおいても、カプセルは、約20nm~約400nmのシェル厚を有することができる。実施形態のいずれにおいても、カプセルは、約10%~約100%の数集団直径変動係数を有することができる。
実施形態では、カプセルの集団は、約15%~約230%のデルタ割断強度パーセント、及び約20nm~約400nmのシェル厚を含むことができる。実施形態では、カプセルの集団は、約10%~約100%の数集団直径変動係数、及び約20nm~約400nmのシェル厚を含むことができる。実施形態では、カプセルの集団は、以下でより詳細に考察されるように、約15%~約230%のデルタ割断強度パーセントを有することができる。実施形態では、カプセルの集団は、約20nm~約400nmのシェル厚を有することができる。実施形態では、カプセルの集団は、約10%~約100%の数集団直径変動係数を有することができる。
上記は、カプセル特性の組み合わせの例示的な実施形態を表す。これら及び様々な追加の特性が、以下で詳細に更に記載される。本明細書では、このような特性の他の組み合わせが本明細書で企図され、次の段落に記載されるこのような特性のうちの任意の1つ以上を様々な組み合わせで使用することができることを理解されたい。
様々な実施形態では、カプセルは、カプセルの集団の一部として、又は任意の好適な数の複数のカプセルの一部として、単一のカプセルとして提供される。本明細書で作製される個々のカプセル特徴、パラメータ、及び特性を参照すると、複数のカプセル又はカプセルの集団に適用することが理解されるべきである。本明細書では、このような特徴及び関連する値は、本明細書で特に指定されない限り、カプセルの複数又は集団の平均値とすることができることを理解されたい。
本明細書の任意の実施形態では、コアは、有益剤を含むことができる。様々な実施形態では、コアは、液体であってもよい。
実施形態では、カプセル又はカプセルの集団は、少なくとも約80:20、85:15、90:10、95:5、98:2、99:1、99.5:0.5、99.9:0.1、又は99.99:0.01の平均重量コア-シェル比を有することができる。例えば、カプセル又はカプセルの集団は、80:20、85:15、90:10、95:5、98:2、99:1、99.5:0.5、99.9:0.1、又は99.99:0.01の平均重量コア-シェル比を有することができる。実施形態では、カプセルの集団は、約80:20~約99.9:0.1、又は約90:10~約99.9:0.1、又は約95:5~約99.99:0.01、又は約97:3~約99.99:0.01、又は約95:5~約99.5:0.5の平均重量コア-シェル比を有することができる。実施形態では、カプセルの全集団は、少なくとも80:20、又は少なくとも90:10、又は少なくとも95:5、又は少なくとも97:3の平均重量コア-シェル比を有することができる。本明細書で使用するとき、重量コア-シェル比とは、コア材料のカプセルのシェル材料に対する総重量に基づく重量パーセントの比を指す。
実施形態では、カプセル又はカプセルの集団は、少なくとも80:20、85:15、90:10、95:5、98:2、99:1、99.5:0.5、99.9:0.1、又は99.99:0.01の平均有効体積コア-シェル比を有することができる。例えば、カプセル又はカプセルの集団は、80:20、85:15、90:10、95:5、98:2、99:1、99.5:0.5、99.9:0.1、又は99.99:0.01の平均有効体積コア-シェル比を有することができる。実施形態では、カプセルの集団は、約80:20~約99.9:0.1、又は約90:10~約99.9:0.1、又は約95:5~約99.99:0.01、又は約97:3~約99.99:0.01、又は約95:5~約99.5:0.5の平均有効体積コア-シェル比を有することができる。実施形態では、カプセルの全集団は、少なくとも80:20、又は少なくとも90:10、又は少なくとも95:5、又は少なくとも97:3のコア材料とシェル材料との質量バランスに基づいて、平均有効体積コアシェル比を有することができる。平均有効体積コア-シェル比の計算を以下に詳述する。
コアとシェル材料との比率が高い(重量又は体積のいずれか)ことは、有利には、カプセル当たりの有益剤の含有量が高い高効率のカプセルをもたらすことができる。これにより、実施形態では、カプセルを有する製剤化された製品中の有益剤の高充填を可能にし、かつ/又は製剤化された製品に使用されるカプセルの量をより少なくすることができる。実施形態では、コアとシェル材料との比率が高いカプセルは、有利には、必要とするシェル材料がより少なくなる可能性があり、これは様々な実施形態では、非官能性材料である。このような非官能性材料の質量が少ないことにより、廃棄物が低減され、必要とされる前駆体の量を低減することによってコストを低減することができ、必要とされる有機前駆体材料の量を低減することによって環境への影響を改善することができる。
実施形態では、カプセル又はカプセルの集団は、約10%~約500%、又は約10%~約350%、15%~約350%、約50%~約350%、又は約10%~約230%、約15%~約230%、約50%~約230%、約15%~約200%、約30%~約200%のデルタ割断強度パーセントを有することができる。例えば、カプセルの集団は、約10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、210%、220%、230%、240%、250%、300%、350%、400%、又は500%のデルタ割断強度パーセントを有することができる。デルタ割断強度パーセントは、次の等式を使用して計算することができる。
であり、式中、FSは、割断強度を表し、dにおけるFSは、体積サイズ分布のパーセンタイル「i」におけるカプセルのFSである。デルタ割断強度は、以下に更に記載されるデルタ割断強度試験法によって測定することができ、d、d50、及びd90は、以下に示すように測定することができる。
約15%~約230%のデルタ割断強度パーセントは、所望の時点で製剤化された製品中の有益剤の適切かつより均一なカプセル放出を確実にするのに有利であり得る。例えば、実施形態では、製剤化された製品は、布地ケア製品、洗濯洗剤、石鹸、食器洗浄助剤、洗浄、又はスキンケア製品、若しくはヘアケア製品とすることができ、また、約15%~約230%のデルタ割断強度パーセントを有するカプセルは、実質的に全てのカプセルが、製品の消費者使用の目標とする相において有益剤を放出することを有益に確実にすることができる。
実施形態では、カプセルは、約0.2MPa~約30MPa、又は約0.4MPa~約10MPa、又は約0.6MPa~約5MPa、又は更には約0.8MPa~約4MPaのd50における割断強度(集団のメジアン径における絶対割断強度)を有することができる。例えば、d50における割断強度は、約0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、0.5MPa、0.6MPa、0.7MPa、0.8MPa、0.9MPa、1MPa、1.5MPa、2MPa、2.5MPa、3MPa、3.5MPa、4MPa、4.5MPa、5MPa、6MPa、7MPa、8MPa、9MPa、10MPa、11MPa、12MPa、13MPa、14MPa、15MPa、16MPa、17MPa、18MPa、19MPa、20MPa、25MPa、又は30MPaとすることができる。
実施形態では、カプセルは、1μmを超える直径を有することができる。実施形態では、カプセル又はカプセルの集団は、1μmを超える平均直径を有することができる。実施形態では、カプセル又はカプセルの集団は、1μmを超えるメジアン径を有することができる。前述の実施形態のいずれかにおいて、参照直径は、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、10μm、15μm、20μm、又は25μm以上とすることができる。前述の実施形態のいずれかにおいて、実際の、平均の、d50又は他の参照直径は、約1μm~100μm、又は1μm~80μm、又は1μm~65μm、又は1μm~50μm、又は5μm~80μm、又は10μm~80μm、又は10μm~65μm、又は15μm~65μm、又は20μm~60μmとすることができる。例えば、参照直径は、約1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、50μm、55μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、85μm、90μm、95μm、又は100μmとすることができる。実施形態では、カプセルの全集団は、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、又は10μmを超える直径を有することができる。実施形態では、カプセルの全集団は、1μm~80μm、3μm~80μm、又は5μm~65μm、又は10μm~65μm、15μm~65μmの直径を含むことができる。例えば、本明細書のカプセルは、例えば、図5A、図6A、図7A、図8A、図9A、及び図10Aに示すクライオSEM画像に例示されるような、前述の範囲の直径を有することができる。
実施形態では、カプセルは、50%未満、又は45%未満、又は40%未満、又は35%未満の体積パーセント(又は体積加重サイズ分布)に基づいて、直径の変動係数(「CoV」)を有することができる。例えば、直径のカプセルCoVは、約20%~約50%、又は約25%~約40%、又は約20%~約45%、又は約30%~約40%の体積パーセントに基づいている。体積パーセントに基づく直径のCoVは、次の等式から計算される。
式中、
式中、
CoVv-体積加重サイズ分布の変動係数
σ-体積加重サイズ分布の分布の標準偏差
μ-体積加重サイズ分布の分布の平均
-分数iの直径(>1μm)
i、V-体積加重サイズ分布の(直径iに対応する)分数iの周波数。
実施形態では、カプセルは、約1%~約150%、又は約1%~約100%、又は約10%~約100%、又は約10%~約80%、又は約25%~約100%、又は約25%~約75%の数パーセント(数集団直径変動係数)に基づいて直径の変動係数を有することができる。例えば、カプセルは、約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、又は150%の数パーセントに基づいて直径の変動係数を有することができる。数集団直径変動係数は、次の等式によって計算することができる。
式中、
式中、
CoVn-数加重サイズ分布の変動係数
σ-数加重サイズ分布の分布の標準偏差
μ-数加重サイズ分布の分布の平均
-分数iの直径(>1μm)
i,n-数加重サイズ分布の(直径iに対応する)分数iの周波数
μ-数分布の分布の平均
i、n-数分布の(直径iに対応する)分数iの周波数
-分数iのカプセルの数
数の周波数と体積加重サイズ分布との間の関係は、次の等式によって表される。
式中、係数は、上記のように定義される。
コア
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、カプセルは、コア内に有益剤を含むことができる。実施形態では、有益剤には、1つ以上の香料組成物、香料原材料、シリコーンオイル、ワックス、炭化水素、高級脂肪酸、エッセンシャルオイル、脂質、皮膚冷却剤、ビタミン、日焼け止め剤、酸化防止剤、グリセリン、触媒、漂白剤カプセル封入、二酸化ケイ素カプセル封入、悪臭低減剤、臭気制御材料、キレート剤、帯電防止剤、柔軟剤、農薬、殺虫剤、栄養剤、除草剤、防カビ剤などの農業資材、昆虫及び蛾駆除剤、着色剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、ドレープ及びフォーム調整剤、平滑剤、しわ制御剤、衛生化剤、消毒剤、細菌制御剤、カビ制御剤、白カビ制御剤、抗ウイルス剤、乾燥剤、耐汚染剤、汚れ放出剤、布地リフレッシュ剤及び洗いたて感延長剤、塩素漂白臭気制御剤、染料固定剤、染料移染防止剤、色保持剤、蛍光増白剤、色復元/再生剤、抗退色剤、白色増強剤、抗磨耗剤、耐磨耗剤、布地一体化剤、摩耗防止剤、けば立ち防止剤、抑泡剤、消泡剤、紫外線保護剤、日褪せ阻害剤、抗アレルギー剤、酵素、防水剤、布地快適剤、耐収縮剤、耐伸剤、伸縮回復剤、相変化材料、自己修復材料、スキンケア剤、グリセリン、及び天然活性物質などの他の建造物剤、抗菌活性物質、制汗剤活性物質、カチオン性ポリマー、及び染料、酸化防止剤、プロバイオティクス、及び食品などの食品並びに飼料用薬剤、並びに飲料用着色料を含むことができる。実施形態では、有益剤には、香料組成物、香料原材料、衛生化剤、消毒剤、抗ウイルス剤、布地リフレッシュ剤及び洗いたて感延長剤、塩素漂白臭気制御剤、染料固定剤、染料、蛍光増白剤、色復元/再生剤、酵素、消泡剤、布地快適剤、スキンケア剤、潤滑剤、ワックス、炭化水素、悪臭低減剤、臭気制御材料、肥料、栄養剤、並びに除草剤のうちの1つ以上を含むことができる。
実施形態では、有益剤は、香料又は香料組成物を含むことができる。実施形態では、香料組成物は、香料原材料、エッセンシャルオイル、悪臭低減剤、及び臭気制御剤のうちの1つ以上を含むことができる。
様々な実施形態では、香料組成物は、1つ以上の香料原材料を含むことができる。実施形態では、香料組成物は、香料組成物の総重量に基づいた重量で、(1)約2.5%~約30%、又は約5%~約30%の、3.0未満のlogP及び250℃未満の沸点を特徴とする香料原材料、(2)約5%~約30%、又は約7%~約25%の、3.0以下のlogP及び250℃以上の沸点を特徴とする香料原材料、(3)約35%~約60%、又は約40%~約55%の、3.0を超えるlogP及び250℃の沸点を有することを特徴とする香料原材料、並びに(4)約10%~約45%、又は約12%~約40%の、3.0を超えるlogP及び250℃を超える沸点を有することを特徴とする香料原材料の組み合わせを含むことができる。
試験される香料組成物中の各香料原材料について、オクタノール/水分配係数(logP)の値を計算する。個々の香料原材料のlogPは、Advanced Chemistry Development Inc.(ACD/Lab)(Toronto,Canada)から入手可能なConsensus logP Computational Model、バージョン14.02(Linux(登録商標))、又はそれと同等のものを用いて計算され、無単位のlogP値が得られる。ACD/LabsのConsensus logP Computational Modelは、ACD/Labsモデルスイートの一部であり、更なる詳細は、以下の対数オクタノール/水分配係数(Logarithm Octanol/Water Partition Coefficient、logP)試験法で得られる。
実施形態では、香料原材料は、次のうちの1つ以上とすることができる。
悪臭低減剤は、抗菌材料、酵素阻害剤、反応性アルデヒド、マスキング香料原材料及びマスキングアコード、並びに結合ポリマー、例えば、ポリエチレンイミンから選択されてもよい。
実施形態では、香料原材料は、香料組成物の総重量の約10%~100%、又は香料組成物の総重量の約15%~約95%、又は約20%~約90%、又は約30%~約90%、又は約20%~100%の量で存在することができる。実施形態では、香料原材料は、香料組成物の総重量の約10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は100%の量で存在することができる。
実施形態では、香料組成物は、香料組成物の総重量に基づいて、約2.5%~30%、又は約5%~30%、又は約7%~30%、又は約10%~25%の量で、3.0未満のlogP及び250℃未満の沸点を有することを特徴とする香料原材料を含んでもよい。
実施形態では、香料組成物は、香料組成物の総重量に基づいて、約5%~30%、又は約7%~30%、又は約7%~25%、又は約10%~25%の量で、3.0以下のlogP及び250℃以上の沸点を有することを特徴とする香料原材料を含んでもよい。
実施形態では、香料組成物は、香料組成物の総重量に基づいて、35%~60%、又は40%~55%、又は45%~55%の量で、3.0を超えるlogP及び250℃未満の沸点を有することを特徴とする香料原材料を含んでもよい。
実施形態では、香料組成物は、香料組成物の総重量に基づいて、10%~45%、又は12%~40%、又は15%~35%、又は15%~40%の量で、3.0を超えるlogP及び250℃を超える沸点を有することを特徴とする香料原材料を含んでもよい。
実施形態では、有益剤は、コアの総重量に基づいて約10重量%以上で存在することができる。実施形態では、香料組成物は、コアの総重量に基づいて約10重量%以上で存在することができる。例えば、香料組成物は、コアの総重量に基づいて、約20重量%以上、又は約30%以上、又は約40%以上、又は約45%以上、又は約50%以上、又は約60%以上、又は約70%以上、又は約80%以上、又は約90%以上、又は100%で存在することができる。
実施形態では、有益剤は、1以上のlogP値を有することができる。実施形態では、有益剤は、1~5、又は1~4、又は1~3、又は1~2のlogP値を有することができる。例えば、有益剤は、約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、又は5のlogP値を有することができる。
実施形態では、コアは、賦形剤、担体、希釈剤、及び他の薬剤などの追加の構成成分を更に含むことができる。実施形態では、有益剤は、油と混和することができる。油の非限定的な例としては、ミリスチン酸イソプロピル、C~C24脂肪酸のモノ-、ジ-、及びトリ-エステル、ヒマシ油、鉱油、大豆油、ヘキサデカン酸、メチルエステルイソドデカン、イソパラフィン油、ポリジメチルシロキサン、臭素化植物油、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。カプセルはまた、異なるブルームパターンを有し得るカプセルの異なる集団を作製するために、有益剤に対する油の比率を変化させてもよい。このような集団はまた、異なるブルームパターン及び異なる香り体験を表示するカプセルの集団を作製するために、異なる香油を組み込んでもよい。米国特許出願第2011/0268802号は、油の他の非限定的な例を開示しており、参照により本明細書に組み込まれる。実施形態では、有益剤と混和された油は、ミリスチン酸イソプロピルを含むことができる。
シェル
本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、カプセルシェルは、ポリマーシェルであってもよく、90%を超えるポリマー材料、又は95%を超えるポリマー材料、又は98%を超えるポリマー材料、又は99%を超えるポリマー材料を含むことができる。実施形態では、ポリマーシェルは、ホモポリマー、コポリマー、及び架橋ポリマーのうちの1つ以上を含むことができる。実施形態では、ポリマーシェルは、コポリマー及び架橋ポリマーを含むことができる。実施形態では、ポリマーシェルは、単純及び/又は複雑なコアセルベーションから作製することができる。実施形態では、ポリマーシェルは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、メラミンホルムアルデヒドなどのアミノプラスチック、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、キトサン、ゼラチン、多糖類、又はガムのうちの1つ以上を含むことができる。実施形態では、ポリマーシェルは、ポリ(メタ)アクリレートを含む。本明細書で使用するとき、「ポリ(メタ)アクリレート」という用語は、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、又はこれらの組み合わせとすることができる。好適なシェル材料としては、ホルムアルデヒド又はグルテルアルデヒドと架橋された尿素、ホルムアルデヒドと架橋されたメラミン;グルタルアルデヒドと任意選択的に架橋されたゼラチン-ポリホスフェートコアセルベート;ゼラチン-アラビアゴムコアセルベート;架橋シリコーン流体;ポリイソシアネートと反応させたポリアミン、及びこれらの混合物など、1つ以上のアミンと1つ以上のアルデヒドとの反応生成物からなる群から選択された材料が含まれる。一態様では、シェル材料は、ホルムアルデヒドと架橋されたメラミンを含む。
好適なシェル材料としては、脂肪族又は芳香族イソシアネート、脂肪族又は芳香族ポリイソシアネート、脂肪族又は芳香族ジイソシアネートと、アルデヒド、又はアミン若しくはポリアミン若しくはジアミンとの反応生成物、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられる。好適なイソシアネートとしては、Desmodur N100、Takenate D-110N、Desmodur RC、及びDesmodur L75.が挙げられる。好適なアミンとしては、グアニジン、1.2-ジアミノプロパン、1,2-ジアミノエタン、ジエチレントリアミン、トリス(2-アミノエチル)アミンが挙げられる。
実施形態では、カプセルは、約1nm~約1000nm、又は約1nm~約800nm、又は約1nm~約500nm、又は約5nm~約500nm、又は約5nm~約400nm、又は約10nm~約500nm、又は約10nm~約400nm、又は約20nm~約500nm、又は約20nm~約400nm、又は約50nm~約400nm、又は約50nm~約350nmのシェル厚若しくは平均シェル厚を有することができる。例えば、シェル厚又は平均シェル厚は、約1nm、5nm、10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、又は1000nmとすることができる。実施形態では、カプセルの全集団は、1000nm未満、又は800nm未満、又は600nm未満、又は400nm未満、又は350nm未満のシェル厚を有することができる。図5B、図6B、図7B、図8B、図9B、及び図10Bは、本明細書に記載されるシェル厚を有する、本開示の実施形態によるカプセルを示している。
様々な実施形態では、カプセル及びカプセルを作製する方法は、シェル厚の低減を可能にする。例えば、カプセルは、約20nm~約400nmの厚さを有することができる。様々な実施形態では、約20nm~約400nmのシェル厚を有するカプセルは、製剤化された製品の機能を維持するのに十分な割断強度及び所望の放出プロファイルを維持しながら、貯蔵寿命中の有益剤の浸透を最小限に抑えることができる。例えば、このような実施形態では、カプセルは、約0.2MPa~約30MPa、又は約0.4MPa~約10MPa、又は約0.6MPa~約5MPa、又は約0.8MPa~約4MPaの集団(d50)のメジアン値に絶対割断強度を有することができる。このような実施形態では、従来のカプセルと比較すると、シェル厚の低減は、必要とされるポリマー前駆体材料の量の低減を有益に可能にすることができ、これによりコストを低減することができ、活動の増加及びより効率的な製剤を介して環境影響を低減することができる。
実施形態では、カプセルは、約15%~約230%のデルタ割断強度、及び約20nm~約400nmのシェル厚を有することができる。このような組み合わせは有利であり得、製剤化された製品中の有益剤の均一かつタイムリーな放出を可能にすること、並びに必要とされるポリマー材料を低減することができ、これにより、カプセルを製造するコストが低減され、より持続可能となる。
実施形態では、カプセルは、約10%~約100%の数集団直径変動係数、及び約20nm~約400nmの平均シェル厚を有することができる。
実施形態では、カプセルは、約10%~約100%の数集団直径変動係数、及び約15%~約230%のデルタ割断強度、及び約20nm~約400nmの平均シェル厚を有することができる。
実施形態では、カプセルは、約95:5以上のコア材料とシェル材料とのカプセルの平均有効体積コアシェル比、約15%~約230%のデルタ割断強度、及び約20nm~約400nmのシェル厚を有することができる。実施形態では、カプセルは、約95:5以上の平均有効体積コアシェル比、約10%~約100%の数集団直径変動係数、及び約20nm~約400nmの平均シェル厚を有することができる。実施形態では、カプセルは、約95:5以上の平均有効体積コアシェル比、約10%~約100%の数集団直径変動係数、約15%~約230%のデルタ割断強度、及び約20nm~約400nmの平均シェル厚を有することができる。様々な実施形態では、カプセルは、約10%~約100%の数集団直径CoVを有することができる。このようなCoVは、カプセルを最終生成物に製剤化するための改善された放出性能及び能力を可能にすることができると考えられる。様々な実施形態では、カプセルは、約15%~約230%のデルタ割断強度を有することができる。これらによって拘束されることを意図するものではないが、狭いデルタ割断強度は、カプセルの改善された、かつ、均一な割断と相関することができると考えられる。様々な実施形態では、カプセルは、約20nm~約400nmのシェル厚、及び約95:5以上の平均有効体積コアシェル比を有することができる。このような実施形態では、シェルを作製するのに必要とされるポリマー材料が少なくなり得、これにより、安定性及び機械的耐性カプセルを犠牲にすることなく、廃棄物及び環境への影響を低減することができる。
作製方法
実施形態によれば、ポリマーシェルによって囲まれたコアを有するカプセルを作製する方法は、膜乳化の使用を含むことができる。様々な実施形態では、カプセルは、コアセルベーション又は溶媒抽出法によって作製することができる。様々な実施形態では、カプセルを作製する方法は、分散相を膜内の複数の孔に通過させることによって、連続相中に分散相の液滴を分散させることを含むことができる。実施形態では、本方法は、膜の第1の側から膜の第2の側に、膜の第2の側を横切って流れる連続相に、分散相を通過させることを含むことができる。膜の第2の側に複数の孔が出ると、分散相は、分散相の液滴に形成される。実施形態では、膜は、分散相が膜を通過する間、機械的に移動されて、膜の第2の側に剪断力を発生させて膜を出て、流動連続相に分散させることができる。
実施形態では、分散相は、ポリマー前駆体及び有益剤を含むことができる。実施形態では、本方法は、連続相中の分散相の乳剤を、分散相の液滴内でポリマー前駆体の重合を初期化するのに十分な条件に曝すことを更に含むことができる。好適な重合条件の選択は、分散相中に存在する特定のポリマー前駆体について当該技術分野において既知であるように行うことができる。理論によって拘束されることを意図するものではないが、重合の初期化時に、ポリマーは分散相に不溶性となり、分散相と連続相との間の界面に液滴内で移行し、それにより、カプセルシェルを画定すると考えられる。
実施形態では、本方法は、シェルがコア材料中で重合してコアを囲むように界面に移行する前駆体から形成する重合方法を用いてカプセルを形成することができる。具体的には、本方法は、重合時に不溶性となり、分散相と連続相との間の界面に移行し、それにより、完全重合時に、有益剤など、分散相の残りの構成成分を含むコアを囲むカプセルシェルを形成する可溶性ポリマー前駆体を含む分散相液滴を含むことができる。
実施形態では、分散相は、ポリマー前駆体、プロセス助剤、及び有益剤のうちの1つ以上を含むことができる。実施形態では、ポリマー前駆体は、モノマー及びオリゴマーの混合物を含む、1つ以上のモノマー及びオリゴマーを含むことができる。実施形態では、ポリマー前駆体は、分散相に可溶性である。実施形態では、ポリマー前駆体は、多官能性である。本明細書で使用するとき、「多官能性」という用語は、2つ以上の反応性化学官能基を有することを指す。例えば、反応性化学官能基Fは、炭素-炭素二重結合(すなわち、エチレン性不飽和)又はカルボン酸であってもよい。実施形態では、ポリマー前駆体は、任意の所望の数の官能基Fを有することができる。例えば、ポリマー前駆体は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個の官能基を含むことができる。実施形態では、ポリマー前駆体は、少なくとも1つのエチレン性不飽和を含むモノマー又はオリゴマーを含むことができる。実施形態では、ポリマー前駆体は、少なくとも3つの官能基を有する少なくとも1つの多官能性エチレン性不飽和モノマーを含むことができる。実施形態では、ポリマー前駆体は、エチレン性不飽和モノマーの組み合わせを含むことができる。実施形態では、ポリマー前駆体は、1つ以上の他の官能基を含む、1つ以上のエチレン性不飽和モノマーと組み合わせて、1つ以上のエチレン性不飽和モノマーを含むことができる。実施形態では、ポリマー前駆体は、少なくとも1つのエチレン性不飽和非変性モノマーを含む1つ以上のポリマー前駆体と組み合わせて、アミノ、アミド、アルコール、チオール、スルホン酸、及び/又はカルボン酸官能基などの他の官能基のうちの1つを有する、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを含むことができる。実施形態では、ポリマー前駆体は、アミン、アミド、アルコール、チオール、スルホン酸、及びカルボン酸官能基から選択される他の官能基のうちの1つ以上を含む、1つ以上のモノマーと組み合わせた1つ以上のエチレン性不飽和モノマーを含むことができる。
実施形態では、ポリマー前駆体は、アミノアルキルアクリレート、アルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアリルアクリレート、アミノアルキルメタクリレート、アルキルアミノアミノアルキルメタクリレート、ジアルキルアミノアリルメタクリレート、第三級ブチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、及びジプロピルアミノエチルメタクリレートからなる群から選択されるアミノモノマー、スチレン、アリル、ビニル、グリシジルエーテル、エポキシ、及び複数の多官能性モノマー、又は多官能性オリゴマーのうちの1つ以上を含むことができる。実施形態では、ポリマー前駆体は、1つ以上のアクリレートエステルを含むことができる。例えば、ポリマー前駆体は、メタクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、及びブチルアクリレートのうちの1つ以上を含むことができる。実施形態では、ポリマー前駆体は、1つ以上のエチレン性不飽和モノマー又はオリゴマーである。様々な実施形態では、エチレン性不飽和モノマー又はオリゴマーは、多官能性である。実施形態では、多官能性エチレン性不飽和モノマー又はオリゴマーは、多官能性エチレン性不飽和(メタ)アクリレートモノマー又はオリゴマーである。実施形態では、多官能性エチレン性不飽和モノマー又はオリゴマーは、多官能性ウレタンアクリレート、ペンタエリトリトールアクリレート、及び多ペンタエリトリトールアクリレートのうちの1つ以上とすることができる。実施形態では、多官能性エチレン性不飽和モノマー又はオリゴマーは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個の官能基を含むことができる。実施形態では、多官能性エチレン性不飽和モノマー又はオリゴマーは、少なくとも3つの官能基を含むことができる。実施形態では、多官能性エチレン性不飽和モノマー又はオリゴマーは、少なくとも4つの官能基を含むことができる。実施形態では、多官能性エチレン性不飽和モノマー又はオリゴマーは、少なくとも5つの官能基を含むことができる。多官能性モノマー又はオリゴマーは、改善された架橋を示すことができる。理論によって拘束されることを意図するものではないが、多官能性モノマーの二重結合は、ラジカル重合などの重合において架橋剤として機能し、それにより、二重結合の数が高くなるほど、すなわち、モノマーがより多官能性になるほど、架橋密度が高くなると考えられる。
実施形態では、ポリマー前駆体は、多官能性ウレタンアクリレートを含むことができる。例えば、ポリマー前駆体は、CN975(六官能性芳香族ウレタンアクリレート)、Ebecryl(登録商標)248(12%1,6-ヘキサンジオールジアクリレートで希釈された脂肪族ウレタンジアクリレート、MW 1200g/mol)、CN9001(脂肪族ウレタンアクリレート)、Incorez 701(Incorez Ltd England、1050g/当量)、CN9001NS(Sartmoer Co.USA、官能性2、及びMW 2813g/mol)、Laromer LR 8987,Laromer LR 8765,及びLaromer LR 9000(BASF、二官能化)、脂肪族PUA(Tianjin,China,MW 3000g/mol)、エーテル型ウレタンジアクリレートオリゴマー(Wuxi Tianjiao-saite Co.)、AR-12[88](Eternal Chemical,Taiwan,エポキシアクリレート、二官能性)、SM6020、EB2002(水性樹脂、官能性2)、PUA CN972(Sartomer Co.,MW3500g/mol)、Bayhydrol UV 2282(Sayer Material Science,aqueous PUA)、Genomer 4269及びGanomer 6043(Rahn USA、脂肪族ウレタンポリエステルアクリレート)、OAK-27(Ciba Geigy Co.,PUA)、Ebecryl@270(UCB、脂肪族、官能性2及びMW1500)、二官能性ウレタンアクリレートオリゴマー、例えば、Exothane 8、Exothane 10及びExothane 26(Esstech,USA)、Ebecryl(登録商標)1290(UCB、脂肪族ウレタンヘキサアクリレート)、Ebecryl(登録商標)220(UCB、芳香族ウレタンヘキサアクリレート)、Ebecryl(登録商標)830(UCB、ポリエステルヘキサアクリレート)、及びEbecryl(登録商標)8301(UCB、脂肪族ウレタンヘキサアクリレート)のうちの1つ以上を含むことができる。実施形態では、ポリマー前駆体は、メラミン、ポリアクリルアミド、シリコーン、ポリスチレン、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアクリレート系材料、ポリアクリレートエステル系材料、ゼラチン、スチレン無水マレイン酸、ポリアミド、芳香族アルコール、ポリビニルアルコール、レゾルシノール系材料、ポリ-イソシアネート系材料、アセタール(1,3,5-トリオール-ベンゼン-グルタルアルデヒド及び1,3,5-トリオール-ベンゼンメラミンなど)、デンプン、酢酸フタル酸セルロース、及びガムのうちの1つ以上を含むことができる。実施形態では、ポリマー前駆体は、少なくとも3つの官能基を有するポリアクリレート又はポリメタクリレート前駆体を含むことができる。
例えば、ポリマー前駆体は、CN975、Ebecryl(登録商標)8301、ペンタエリスリチルトリテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの六官能性芳香族ウレタンアクリレートオリゴマーのうちの1つ以上とすることができる。実施形態では、ポリマー前駆体は、
の化合物のうちの1つ以上とすることができ、式中、Rは、H又は
であってもよい。
実施形態では、ポリマー前駆体は、以下の表1の化合物のうちの1つ以上を含むことができる。
実施形態では、ポリマー前駆体は、メチルメタクリレート(methyl methacrylate、MMA)エチルメタクリレート(ethyl methacrylate、EMA)、メチルアクリレート(methyl acrylate、MA)、2-エチルヘキシルアクリレート、ジ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート(di(ethylene glycol)ethyl ether acrylate、DEGEEA)、ブチルアクリレート(butyl acrylate、BA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(trimethylol propane triacrylate、TMPTA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(tripropylene glycol diacrylate、TPGDA)、アクリロニトリル、エチルアクリレート、2-ヒドロキシ-アクリ-レート(2-hydroxy acry-late、2-HBA)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-hydroxyethyl acrylate、2-HEA)、2-ヒドロキシプロピルアクリレート(2-hydroxypropyl acrylate、2-HPA)、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート(2-(2-ethoxyethoxy)ethyl acrylate、EOEOEA)、ラウリルメタクリレート、スチレン、イソ-ボルニルアクリレート(iso-bornyl acrylate、iBOA)、ステアリルアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(dipentaerylthritol penta-acrylate、DPHPA)、ビニルメタクリレート、Photomer 4003(エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレート及び光異性体8061(プロポキシル化(3)ノニルフェノールエーテルアクリレート、ビスフェノールAビス(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピル)エーテル(Bis-GMA)、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(1,6-hexanediol diacrylate、HDDA)、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、グリシジルメタクリレート(glycidyl methacrylate、GMA)、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルアクリレート(2,2,3,3-tetrafluoropro-pyl acrylate、TFPA)、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(di-pentaerythritol penta/hexa acrylate、DPHPA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(trimethylol-propane triacrylate、TMPTA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(triethylene glycol dimethacrylate、TEGDMA)、2-フェノキシエチルアクリレート、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート、N,N’-ジメチルアミノエチルメタクリレート(N,N’-dimethyl aminoethyl methacrylate、DMAEMA)、ペンタエリスリヨルテトラアクリレート(pentaerythriyol tetraacrylate、PETEA)、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、及びN-アクリロイル-モルホリノ(N-acryloyl-morpholinr、AMCO)のうちの1つ以上を含むことができる。
実施形態では、分散相中に存在するポリマー前駆体は、分散相の総重量に基づいて約0.01重量%~約30重量%、又は分散相の総重量に基づいて、約0.01重量%~約20重量%、又は約0.05重量%~約20重量%、又は約0.1重量%~約15重量%、又は約0.5重量%~約15重量%、又は約1重量%~約15重量%、又は約5重量%~約15重量%、又は約0.05重量%~約15重量%、又は約0.1重量%~約10重量%、又は約0.1重量%~約5重量%、又は約0.1重量%~約2重量%の量であってもよい。例えば、ポリマー前駆体は、分散相の総重量に基づいて、約0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、又は15重量%で存在することができる。
実施形態では、ポリマー前駆体は、主モノマー及び少量モノマーを含むことができ、主モノマーは、少なくとも51%の量で存在し、少量モノマーは、ポリマー前駆体の総重量に基づいて49%以下の量で存在する。実施形態では、少量モノマーは、ポリマー前駆体の総重量に基づいて最大49%の総少量モノマー含有量を達成するために、任意の好適な比率で提供されるモノマー又はオリゴマーのうちの1つ以上の組み合わせを含むことができる。実施形態では、主モノマーは、エチレン性不飽和モノマー又はオリゴマーであり、少量モノマーは、アミノ、アミド、アルコール、チオール、スルホン酸、及び/又はカルボン酸官能基などの異なる官能基を有する任意の1つ以上のエチレン性不飽和モノマーである。
実施形態では、連続相は、ポリマー前駆体を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。本明細書で使用するとき、「ポリマー前駆体を実質的に含まない」という用語は、連続相が、連続相及び分散相の総重量に基づいて、ポリマー前駆体の1重量%以下を含有することを意味する。
実施形態では、分散相に含まれるポリマー前駆体は、シェルの約50%以上、シェルの75%以上、シェルの90重量%以上、又はシェルの約95重量%以上、又はシェルの約96重量%、又はシェルの約97重量%、又はシェルの約98重量%を構成するポリマーに重合される。
実施形態では、カプセルを作製する方法は、分散相及び連続相の一方又は両方に安定剤系を含むことができる。実施形態では、安定剤系は、連続相の総重量に基づいて、約0.01重量%~約30重量%、又は連続相の総重量に基づいて、約0.1重量%~約25重量%、又は約0.5重量%~約20重量%、又は約1重量%~約20重量%、又は約0.5重量%~約10重量%の量で存在することができる。例えば、安定剤系は、約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、又は10重量%の量で存在することができる。実施形態では、ポリビニルアルコール水溶液は、約2cP~200cP、又は約5cP~180cP、又は約10cP~約150cPの粘度を有することができる。例えば、ポリビニルアルコールは、約2cP、3cP、4cP、5cP、10cP、15cP、20cP、25cP、30cP、40cP、50cP、60cP、70cP、80cP、90cP、100cP、110cP、120cP、130cP、140cP、150cP、160cP、170cP、180cP、190cP、又は200cPの粘度を有することができる。
実施形態では、安定剤系は、連続相に存在する一次安定剤を含むことができる。実施形態では、一次安定剤は、安定剤系の総重量に基づいて、約51重量%~約100重量%の量で存在することができる。実施形態では、一次安定剤は、連続相に可溶性又は分散性であり得る両親媒性非イオン性安定剤を含むことができる。実施形態では、一次安定剤は、多糖類、ポリアクリル酸系安定剤、ピロリドン系ポリマー、天然由来のガム、ポリアルキレングリコールエーテル、アルキルフェノール、脂肪族アルコール、又は脂肪酸と、アルキレンオキシド、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化アリールフェノール、エトキシル化ポリアリールフェノール、ポリオールで可溶化されたカルボンエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコールとポリビニルアセテートとのコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(2-ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)、ポリアルキレンイミン、ポリ(2-イソプロペニル-2-オキサゾリン-co-メチルメタクリレート)、ポリ(メチルビニルエーテル)、ポリビニルアルコール-co-エチレン、及びアセタテシル変性ポリビニルアルコールとの縮合生成物のうちの1つを含むことができる。実施形態では、一次安定剤は、ポリビニルアルコールを含むことができる。実施形態では、ポリビニルアルコールは、50%~99.9%の加水分解度を有することができる。実施形態では、ポリビニルアルコールは、95%未満の加水分解度を有することができる。実施形態では、ポリビニルアルコールは、50%~95%、又は50%~95%、又は60%~95%、又は70%~95%、又は75%~95%の加水分解度を有することができる。例えば、加水分解度は、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%であってもよい。
実施形態では、本明細書に記載される安定剤系の選択は、膜表面における液滴の安定化を有益に補助することができ、これにより、次に、低い変動係数又はカプセルサイズ、低いデルタ割断強度パーセントを有する、より均一な液滴サイズを提供することができ、また、分布の平均サイズを調整する役割も果たすことができる。実施形態では、ポリビニルアルコールなどの一次安定剤を利用して、分散相液滴と連続相との間の界面でエマルションを安定化させ、液滴の合体を防止又は低減するのを補助することができる。実施形態では、安定剤系は、約10%~約100%の数集団直径変動係数を有するエマルションを提供することを補助することができる。
実施形態では、安定剤系は、1つ以上の少量安定剤を更に含む。2種以上の界面活性剤の組み合わせは、エマルションの速度論的安定性及び熱力学的安定性に対処するために、実施形態で使用することができる。実施形態では、安定剤系は、安定剤系の総重量に基づいて、約0重量%~約49重量%の量の少量安定剤を含む。例えば、少量安定剤は、安定剤系の総重量の0%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、又は49%の量で存在することができる。実施形態では、少量安定剤は、連続相中に存在する少量保護コロイドを含むことができる。実施形態では、少量保護コロイドは、低分子量界面活性剤、カチオン性安定剤、及びアニオン性安定剤のうちの1つ以上を含むことができる。実施形態では、少量安定剤は、低分子量界面活性剤を含むことができ、この低分子量界面活性剤は、1つ以上の短鎖エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー及びアルキルサルフェートを含むことができる。実施形態では、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーは、3500g/mol以下の分子量を有する。実施形態では、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの比が約0.7:1.4である。実施形態では、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーは、30%未満の分岐を有する。
実施形態によれば、本方法は、任意の所望の形状を有する膜を利用することができる。例えば、膜は、円形、正方形、楕円形、矩形である断面形状を有することができる。膜の断面は、膜を通る分散相の流れ方向に平行な平面を通る断面である。実施形態では、膜は、平面状であってもよい。実施形態では、膜は、例えば、図1に示すように、円筒形であってもよい。
実施形態では、膜は、1つ以上の方向に機械的に移動することができる。例えば、膜は、振動され、軸を中心に回転され、振れるか、又はパルス化されてもよい。
実施形態では、膜は、膜から分散相の退出方向に垂直な方向に移動させることができる。
実施形態では、膜の移動は、約5Hz~約100Hz、又は約10Hz~約100Hz、又は約10Hz~約70Hzの回転周波数とすることができる。例えば、回転周波数は、約5Hz、10Hz、15Hz、20Hz、25Hz、30Hz、35Hz、40Hz、45Hz、50Hz、60Hz、70Hz、80Hz、90Hz、又は100Hzであってもよい。
実施形態では、膜は、約0.1mm~約30mm、又は約1mm~約20mm、又は約1mm~約10mmの移動振幅を有することができる。例えば、膜は、約0.1mm、0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、15mm、20mm、25mm、又は30mmの移動振幅を有することができる。
実施形態では、膜は、約1μm~約1000μm、又は約5μm~約500μm、又は約10μm~約500μm、又は約20μm~約200μmの厚さを有することができる。例えば、膜は、約10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、110μm、120μm、130μm、140μm、150μm、又は200μmの厚さを有することができる。
実施形態では、膜は、金属、セラミック材料、シリコーン又はシリコーン酸化物、及びポリマー材料のうちの1つ以上で作製することができる。実施形態では、膜は、実質的に金属、又は完全に金属である。別の実施形態によれば、膜は、ニッケル又は鋼などの化学抵抗性金属である。
図2~図3Bを参照すると、実施形態では、膜は、複数の孔又は細孔を有する。孔又は細孔は、膜表面上に任意の好適なサイズ、密度、及び配置を有することができる。実施形態では、孔又は細孔は、約0.1μm~約50μm、又は約0.1μm~約35μm、又は約0.5μm~約30μm、又は約0.5μm~約20μm、又は約1μm~約20μm、約4μm~約20μmの平均直径を有することができる。例えば、膜内の複数の孔又は細孔は、約0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50μmの平均直径を有することができる。複数の孔又は細孔は、膜の表面にわたってランダムに分散されてもよく、又は膜表面を覆う指定のパターンで配置されてもよい。例えば、膜は、円形、矩形、正方形、三角形、五角形、六角形、又は八角形の配列の複数の細孔を含むことができる。
図2に示す例示的な膜パターンは、隣接する細孔の中心間の距離によって測定される、隣接する細孔間の間隔75μmを有する、5μmの細孔直径を含んでいた。図2の例は、六角形の配列を示している。市販の膜を含む任意の好適な膜を使用することができる。以下の表1は、本開示の実施形態で使用することができる、いくつかの例示的な膜特徴を提供する。
L/pは、細孔間の距離を細孔の直径で割った距離である。
図2では、開面積パーセントは、以下のように計算することができる。
総面積計算は、膜の形状に依存する。
実施形態では、開面積パーセントは、膜の残りの表面にわたる細孔の規則的な間隔及びサイズを仮定して、膜の矩形小部分を使用して計算することができる。このような実施形態では、矩形内の細孔の断面が使用され、総面積は、矩形の面積によって表される。例えば、細孔サイズ7μmの膜の開面積%は、以下のように計算することができる。開面積=(2×細孔断面)=2(π/4)(d)=77μm[式中d=7μm]総面積=75μm×130μm=9750μm[矩形の面積]開面積%=開面積/総面積=0.8%
実施形態では、膜内の複数の孔又は細孔の隣接する細孔は、約5μm~約500μm、又は約10μm~約250μm、又は約10μm~約200μmの各細孔又は孔の中心間の平均距離を離間させることができる。例えば、膜内の複数の孔又は細孔は、約5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、75μm、80μm、90μm、100μm、110μm、120μm、130μm、140μm、150μm、160μm、170μm、180μm、190μm、200μm、210μm、220μm、230μm、240μm、又は250μmの各細孔の中心間の距離を有することができる。実施形態では、膜内の複数の孔又は細孔の隣接する細孔は、不規則若しくはランダムな間隔を有し得るか、又は代替的に間隔は均一若しくはパターン化され得る。
実施形態では、膜の第1及び第2の側の一方又は両方は、膜側の表面積の約0.01%~約20%、又は約0.1%~約10%、又は約0.2%~約10%、又は約0.3%~約5%の開面積を有することができる。例えば、膜は、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、又は20%の開面積、若しくは膜側の表面積を有する。実施形態では、細孔は、第1の側上の開口部が第2の側上の開口部とは異なるサイズであるように円錐形状、ないしはさもなければテーパ状とすることができ、その結果、第1及び第2のサイズ上に異なる開面積をもたらす。例えば、細孔は、第1の側により大きな開口部を有し、第2の側により小さい開口部を有してもよい。実施形態では、細孔は、第1の側上により小さい開口部を有し、第2の側上のより大きな開口部まで先細にすることができる。
実施形態では、分散相は、例えば、約1m/mh~約500m/mh、又は約1m/mh~約300m/mh、又は約2m/mh~約200 m/mh、又は約5m/mh~約150m/mh、5m/mh~約100m/mhの流動で、膜内の複数の孔を通過することができる。例えば、分散相は、1m/mh、2m/mh、3m/mh、4m/mh、5m/mh、6m/mh、7m/mh、8m/mh、9m/mh、10m/mh、20m/mh、30m/mh、40m/mh、50m/mh、60m/mh、70m/mh、80m/mh、90m/mh、100m/mh、150m/mh、200m/mh、250m/mh、300m/mh、350m/mh、400m/mh、450m/mh、又は500m/mhの流速で膜内の複数の孔を通過することができる。本明細書に記載されるように、流動は、次の等式によって計算される。
式中、#細孔は、細孔の数であり、D細孔は、膜内の細孔の直径である。
連続相の流量は、連続相中の分散相の所望の濃度を達成するために、分散相の流量と組み合わせて調節することができる。
連続相中の分散相の重量による濃度は、膜内の複数の孔を通る分散相の流量と膜の第2の側にわたる連続相の流量との比の関数として制御できることが有利に見出されている。有利には、本開示の方法は、連続相中の分散相の濃度の微細な制御を可能にすることができる。これは、連続相の過負荷を防止し、分散相の液滴が合体し始める濃度を回避するために必要な制御により、連続相に組み込まれる分散相の高濃度を有益に可能にすることができる。実施形態では、連続相流量対分散相流量の比は、0.1:1、0.5:1、1:1、1.2:1、1.5:1、1.8:1、2:1、2.5:1、3:1、4:1、又は5:1.とすることができる。上記のように安定剤系を選択することにより、連続相中の分散相の高濃度を可能にしながら、液滴の合体の防止又は制限を可能にすることもできる。これは、高濃縮エマルションを得る一方で、狭いカプセルサイズ分布を維持することが有利である。
実施形態によれば、連続相中の分散相の濃度は、分散相の重量をエマルションの総重量で除算した値に基づいて、約1重量%~約70重量%、又は約5%~約60%、又は約20%~約60%、又は約30%~約60%、又は約40%~約60%とすることができる。有利には、本明細書の方法は、約30%以上、例えば、約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、又は60%の連続相中の分散相の濃度を有することができる。実施形態では、連続相中の分散相の濃度は、エマルション中の数集団直径CoVが100%以下であるように、限定された合体を維持しながら、最大約60%とすることができる。実施形態では、結果として得られるエマルションは、エマルション中の数集団直径CoVを100%以下に維持しながら、連続相中の分散相の濃度を40%以上又は50%以上とすることができる。実施形態では、連続相中の高濃度の分散相は、(1)膜を通る分散相の高流動、(2)調整された安定、及び(3)膜表面における高剪断応力を有することによって達成することができる。
膜内の分散相の流動が高いことは、分散相の速度が高ければ高いほど、より多くの分散相が膜の表面に到達し、液滴形成の頻度が高まり、したがって、連続相中の分散相の全体的な濃度が高まるため、連続相中の分散相の濃度を高くするのに有利であり得る。調整された安定剤系を有することは、安定剤系が分散相の液滴を安定化させ、分散相液滴の合体速度を低下させ、物質転移速度を増加させることができるため、有利であり得る。物質転移速度を増加させることは、液滴が形成されている間に、安定剤系の新鮮な分子が膜の表面に到達しなければならないため、合体を回避し、狭いサイズ分布を達成するには好ましくあり得る。物質転移速度の増加は、膜付近の分散相の局所濃度を更に合体及び減少させるのを回避するために、新たな液滴が形成される場所で、膜表面から離れた分散相液滴の移送に役立てることができる。しかしながら、エマルション中に高濃度の安定剤系を有することにより、エマルション全体の粘度が増加する。エマルションの粘度の増加により、安定剤分子並びに連続相を通る分散相の液滴の物質転移が遅くなり得、分散相の合体速度が高くなる。したがって、安定剤系は、有利性を実現するが粘度を過度に増加させることによってエマルションに悪影響を及ぼさないように、エマルション中に十分な濃度を有するように調整される必要がある。膜表面に高い剪断応力を有することは、剪断応力の増加が分散相の液滴のサイズを減少させるため有利であり得、これは、膜表面からの分散相の当該液滴の移動に好都合である。
実施形態では、表2は、連続相中の分散相の濃度に関係する最小値及び最大値を示す。τは、次の等式を用いて計算することができる。
式中、
τmaxは、振動(最大剪断応力)中のピーク剪断事象である。
ρ-連続相の密度
μ-連続相の粘度
a-振動振幅
f-振動周波数
本方法は、分散相の液滴内のポリマー前駆体の重合を初期化することを更に含む。当該技術分野で既知であるように、様々な開始方法を使用することができ、重合されるモノマーに基づいて選択することができる。例として、ポリマー前駆体の重合を初期化するには、ラジカル、熱分解、光分解、酸化還元反応、過硫酸塩、電離放射線、電気分解、又は超音波処理のうちの1つ以上を含む方法を含むことができる。実施形態では、ポリマー前駆体の重合を初期化することは、連続相中の分散相の液滴分散を加熱することを含むことができる。実施形態では、ポリマー前駆体の重合を初期化することは、連続相中の分散相の液滴分散を紫外線に曝露することを含むことができる。実施形態では、重合を初期化することは、分散相及び連続相の一方又は両方に存在する開始剤を活性化することを含むことができる。実施形態では、開始剤は、熱活性化、光活性化、酸化還元活性化、及び電気化学的に活性化された1つ以上とすることができる。
実施形態では、開始剤は、フリーラジカル開始剤を含むことができ、フリーラジカル開始剤は、ペルオキシ開始剤、アゾ開始剤、ペルオキシド、及び2,2’-アゾビスメチルブチロニトリル、ジベンゾイルペルオキシドのうちの1つ以上とすることができる。より具体的には、限定するものではないが、フリーラジカル開始剤は、ペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、アルキルペルオキシド、ペルオキシエステル、ペルオキシカーボネート、ペルオキシケトン、及びペルオキシジカーボネートなどのアゾ又はペルオキシ開始剤、2,2’-アゾビス(イソブチルニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロパンニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、1,1’-アゾビス(シアノシクロヘキサン)、ベンゾイルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジ(n-プロピル)ペルオキシジカーボネート、ジ(sec-ブチル)ペルオキシジカーボネート、ジ(2-エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、1,1-ジメチル-3-ヒドロキシブチルペルオキシネオデカノエート、a-クミルペルオキシネオヘプタノエート、t-アミルペルオキシネオデカノエート、T-ブチルペルオキシネオデカノエート、t-アミルペルオキシピバレート、t-ブチルペルオキシピバレート、2,5-ジメチル2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、t-アミルペルオキシ-2-エチル-ヘキサノエート、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチル-ペルオキシアセテート、ジ-t-アミルペルオキシアセテート、t-ブチルペルオキシド、ジト-アミルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、クメンヒドロペルオキシド、1,1-ジ-(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチル-シクロヘキサン、1,1-ジ-(t-ブチルペルオキシ)-シクロヘキサン、1,1-ジ-(t-アミルペルオキシ)-シクロヘキサン、エチル-3,3-ジ-(t-ブチルペルオキシ)-ブチレート、t-アミルパーベンゾエート、t-ブチルペルベンゾエート、エチル3,3-ジ-(t-アミルペルオキシ)-ブチレートなどを含む開始剤の群から選択することができる。
実施形態では、開始剤は、熱開始剤を含むことができる。実施形態では、熱開始剤は、約100kJ/mol~約170kJ/molの結合解離エネルギーを有することができる。熱開始剤としては、アシルペルオキシド、アセチルペルオキシド、及びベンゾイルペルオキシドなどのペルオキシド、2,2-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル)、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリン酸)、及び1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)などのアゾ化合物、並びにジスルフィドのうちの1つ以上を含むことができる。
実施形態では、開始剤は、無機還元剤と無機酸化剤との組み合わせなどの酸化還元開始剤を含むことができる。例えば、ペルオキシ二硫酸塩、HSO 、SO 2-、S 2-、S 2-,などの還元剤、又はFe2+、Ag、Cu2+、Fe3+、ClO 、H、Ce4+、V5+、Cr6+、又はMn3+などの酸化剤源を有するアルコールである。
実施形態では、開始剤は、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンジル、ベンズアルデヒド、O-クロロベンズアルデヒド、キサントン、チオキサントン、9,10-アントラキノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、ジメトキシフェニルアセトフェノン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノベンゾエート、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2,2-ジ-sec-ブトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-I-オン、ジメトキシケタール、及びフェニルグリオキサール2,2’-ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α-ヒドロキシケトン、α-アミノケトン、α及びβナフチルカルボニル化合物、ベンゾインメチルエーテルなどのベンゾインエーテル、ベンジル、ベンジルジメチルケタールなどのベンジルケタール、アセトフェノン、フルオレノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オンなどの1つ以上の光化学反応開始剤を含むことができる。この種類のUV開始剤は、例えば、CibaからのIrgacure 184、Irgacure 369、Irgacure LEX 201、Irgacure 819、Irgacure 2959 Darocur 4265又はDegacure 1173、又は可視光開始剤:Irgacure 784及びCamphorquinone(Genocure CQ)が市販されている。実施形態では、開始剤は、特許公開WO2011/084141(A1)号に記載されているような熱開始剤であってもよい。
実施形態では、開始剤は、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリン酸)、2,2’-アゾビス[N-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチルプロピオンアミド]、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)のうちの1つ以上を含むことができる。Vazo開始剤などの市販の開始剤は、典型的には、開始剤の分解温度を示す。実施形態では、開始剤は、約50℃以上の分解点を有するように選択することができる。実施形態では、開始剤は、様々な工程、プレ重合、シェル形成、及びカプセルシェル材料の硬化又は重合において分解温度を段階的に調整するように選択される。例えば、分散相中の第1の開始剤は、プレポリマー形成を促進するために55℃で分解することができる。第2の開始剤は、シェル材料を形成するのを補助するために、60℃で分解することができる。任意選択的に、第3の開始剤は、カプセルシェル材料の重合を促進するために、65℃で分解することができる。
実施形態では、開始剤の総量は、分散相中に、分散相の総重量に基づいて約0.001重量%~約5重量%、又は約0.01重量%~約4重量%、又は約0.1重量%~約2重量%の量で存在することができる。例えば、開始剤の総量は、分散相中に、約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、1.1重量%、1.2重量%、1.3重量%、1.4重量%、1.5重量%、2重量%、3重量%、4重量%、又は5重量%の量で存在することができる。
実施形態では、連続相は、実質的に開始剤を含まなくてもよい。実施形態では、開始剤の総量は、連続相中に、約0%~約3%、又は約0.01%~約3%、又は約0.01%~約2%の量で存在することができる。例えば、開始剤の総量は、連続相中に、約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、1.1重量%、1.2重量%、1.3重量%、1.4重量%、1.5重量%、2重量%、3重量%の量で存在することができる。
実施形態では、分散相は、阻害剤を更に含むことができる。実施形態では、阻害剤は、酸素、キノン、亜硝酸ナトリウムのうちの1つ以上とすることができる。実施形態では、阻害剤は、カプセルシェルを形成するために、ポリマー前駆体の重合を遅延又は防止するために含まれ得る。阻害剤は、時間の経過とともに阻害剤が系によって消費されるまで、又は、1つ以上の二次化合物の添加、若しくは阻害剤の効果を克服する条件の変化によって、分散相に阻害剤があるにもかかわらず、意図的に重合を誘発することができるまでなど、特定の条件が満たされるまで重合を阻害し得る。阻害剤は、カプセル形成プロセスを制御すること、及び/又は分散相が連続相中に完全に分散される前に意図しない早期重合を回避することを含む、複数の理由に有利であり得る。
実施形態では、連続相は、この相における開始剤の効果を向上させるために、相転移触媒を含んでもよい。相転移触媒材料としては、例えば、第四級アンモニウム及びホスホニウム塩、クラウンエーテル及びクリプタンドのうちの1つ以上を含むことができる。
実施形態では、理論によって拘束されるものではないが、ポリマー前駆体が重合を開始すると、結果として得られるポリマーは、分散相に不溶性となり、分散相と連続相との間の界面に更に移行すると考えられる。
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、カプセルは、コア内に有益剤を含むことができる。実施形態では、有益剤には、1つ以上の香料組成物、香料原料、シリコーンオイル、ワックス、炭化水素、高級脂肪酸、エッセンシャルオイル、脂質、皮膚冷却剤、ビタミン、日焼け止め剤、酸化防止剤、グリセリン、触媒、漂白剤カプセル封入、二酸化ケイ素カプセル封入、悪臭低減剤、臭気制御材料、キレート剤、帯電防止剤、柔軟剤、農薬、殺虫剤、栄養剤、除草剤、防カビ剤などの農業資材、昆虫及び蛾駆除剤、着色剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、ドレープ及びフォーム調整剤、平滑剤、しわ制御剤、衛生化剤、消毒剤、細菌制御剤、カビ制御剤、白カビ制御剤、抗ウイルス剤、乾燥剤、耐汚染剤、汚れ放出剤、布地リフレッシュ剤及び洗いたて感延長剤、塩素漂白臭気制御剤、染料固定剤、染料移染防止剤、色保持剤、蛍光増白剤、色復元/再生剤、抗退色剤、白色増強剤、抗磨耗剤、耐磨耗剤、布地一体化剤、摩耗防止剤、けば立ち防止剤、抑泡剤、消泡剤、紫外線保護剤、日褪せ阻害剤、抗アレルギー剤、酵素、防水剤、布地快適剤、耐収縮剤、耐伸剤、伸縮回復剤、相変化材料、自己修復材料、スキンケア剤、グリセリン、及び天然活性物質などの他の建造物剤、抗菌活性物質、制汗剤活性物質、カチオン性ポリマー、及び染料、酸化防止剤、プロバイオティクス、及び食品などの食品並びに飼料用薬剤、並びに飲料用着色料を含むことができる。実施形態では、有益剤には、香料組成物、香料原材料、衛生化剤、消毒剤、抗ウイルス剤、布地リフレッシュ剤及び洗いたて感延長剤、塩素漂白臭気制御剤、染料固定剤、染料、蛍光増白剤、色復元/再生剤、酵素、消泡剤、布地快適剤、スキンケア剤、潤滑剤、ワックス、炭化水素、悪臭低減剤、臭気制御材料、肥料、栄養剤、並びに除草剤のうちの1つ以上を含むことができる。
実施形態では、有益剤は、香料又は香料組成物を含むことができる。実施形態では、香料組成物は、香料原料、エッセンシャルオイル、悪臭低減剤、及び臭気制御剤のうちの1つ以上を含むことができる。
悪臭低減剤は、抗菌材料、酵素阻害剤、反応性アルデヒド、マスキング香料原材料及びマスキングアコード、並びに結合ポリマー、例えば、ポリエチレンイミンから選択されてもよい。実施形態では、分散相は、賦形剤、担体、希釈剤、及び他の薬剤などの追加の構成成分を更に含むことができる。実施形態では、有益剤は、油と混和することができる。実施形態では、有益剤と混和された油は、ミリスチン酸イソプロピルを含むことができる。
実施形態では、分散相は、プロセス助剤を更に含むことができる。実施形態では、プロセス助剤は、担体、凝集阻害材料、付着助剤、及び粒子懸濁ポリマーのうちの1つ以上を含むことができる。凝集阻害材料の非限定的な例としては、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化マグネシウム、硫酸マグネシウム、及びこれらの混合物などの、カプセルの周囲に電荷遮蔽効果を有することができる塩が挙げられる。粒子懸濁ポリマーの非限定的な例としては、キサンタンガム、カラギーナンガム、グアーガム、シェラック、アルギネート、キトサンなどのポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン性荷電セルロース系材料などのセルロース系材料; ポリアクリル酸;ポリビニルアルコール;水素添加ヒマシ油、エチレングリコールジステアレート;及びこれらの混合物が挙げられる。
実施形態によれば、カプセルは、本明細書に記載の方法に従って製造することができる。
試験法
カプセル封入された活性物質が製品に組み込まれたとき、分析用のサンプル調製物は、元のサイズ分布を変えていない分析用の非凝集粒子の水性懸濁液を得るべきである。例えば、代表的な調製物としては、WO2018/169531(A1)号の31~34ページに記載されているものを挙げることができ、その開示は本明細書に組み込まれる。
カプセルサイズ及び分布試験法
カプセルサイズ分布は、AccuSizer 780 AD機器及び付随するソフトウェアCW788バージョン1.82(Particle Sizing Systems、Santa Barbara、California、U.S.A.)又はそれと同等のものを使用して、光学粒子計数(optical particle counting、OPC)とも呼ばれる単一粒子光学検知(single-particle optical sensing、SPOS)を介して、判定される。機器は、流量=1mL/秒、より小さいサイズの閾値=0.50μm、センサモデル番号=LE400~05又は同等のもの、自動希釈=オン、収集時間=60秒、数チャネル=512、容器流体体積=50ml、最大一致=9200の条件及び選択で構成される。測定は、バックグラウンド計数が100未満になるまで、水で洗浄することでセンサを低温状態にすることによって開始される。懸濁液中の送達カプセルの試料を導入し、そのカプセル濃度を必要に応じて自動希釈を介してDI水で調節し、その結果、少なくとも9200/mLのカプセル計数が得られる。60秒の期間中、懸濁液を分析する。使用されるサイズの範囲は、1μm~493.3μmであった。したがって、体積分布及び数分布は、図示及び上述のように計算される。
累積体積分布から、パーセンタイル5(d)、50(d50)、及び90(d90)の直径も計算される(パーセンタイルjは、体積のjパーセンタイルが累積される累積体積分布によって判定される
デルタ割断強度試験法
デルタ割断強度を測定するために、3つの異なる測定が行われる:i)体積加重カプセルサイズ分布、ii)3つの指定されたサイズ範囲の各々内の10個の個々のカプセルの直径、及びiii)それらの同じ30個の個々のカプセルの破裂力。
a.)体積加重カプセルサイズ分布は、AccuSizer 780 AD機器及び付随するソフトウェアCW788バージョン1.82(Particle Sizing Systems、Santa Barbara、California、U.S.A.)又はそれと同等のものを使用して、光学粒子計数(OPC)とも呼ばれる単一粒子光学検知(single-particle optical sensing、SPOS)を介して、判定される。機器は、以下の条件及び選択で構成される:流量=1mL/秒、より小さいサイズの閾値=0.50μm、センサモデル番号=センサモデル番号=LE400~05又は同等のもの、自動希釈=オン、回収時間=60秒、数チャネル=512、容器流体体積=50ml、最大一致=9200。測定は、バックグラウンド計数が100未満になるまで、水で洗浄することで、センサを低温状態にすることによって、開始される。懸濁液中の送達カプセルの試料を導入し、そのカプセル濃度を必要に応じて自動希釈を介してDI水で調節し、その結果、少なくとも9200/mLのカプセル計数が得られる。60秒の期間中、懸濁液を分析する。結果として得られた体積加重PSDデータをプロットし、記録し、メジアン値、5thのパーセンタイル、及び90thのパーセンタイルの値を判定する。
b.)個々のカプセルの直径及び破裂力値(爆発力値としても既知)は、Zhang,Z.et al.(1999)「Mechanical strength of single microcapsules determined by a novel micromanipulation technique.」、J.Microencapsulation、vol16、no.1、117~124ページ、及びSun、G.並びにZhang、Z.(2001)「Mechanical Properties of Melamine-Formaldehyde microcapsules.」J.Microencapsulation、vol 18、no.5、593~602ページ、に記載され、かつ、University of Birmingham、Edgbaston、Birminghamで入手可能である、送達カプセルを撮像することができるレンズ及びカメラを有し、力変換器(Aurora Scientific Inc、Canadaから入手可能なModel 403Aなど)又はそれと同等のもの接続された微細なフラットエンド型プローブを有する、コンピュータ制御のカスタム顕微操作機器システムを介して測定される。
c.)送達カプセル懸濁液を、顕微鏡スライドガラス上に一滴置き、周囲条件下で数分間乾燥させて水を除去し、乾燥したスライドガラス上に、一層の低密度の孤立したカプセルを得る。必要に応じて懸濁液中のカプセルの濃度を調節して、スライドガラス上で好適なカプセル密度を得るようにする。2つ以上のスライド調製が必要とされる場合がある。
d.)次いで、スライドを顕微操作機器のサンプル保持段階に置く。3つの所定のサイズバンドの各々内に選択された10個のカプセルが存在するように、スライド(複数可)上の30個の有益な送達カプセルが測定のために選択される。各サイズバンドは、Accusizerにより生成された体積加重PSDに由来するカプセルの直径を指す。カプセルの3つのサイズバンドは、メジアン径+/-2μm、5thのパーセンタイル直径+/-2μm、及び90thのパーセンタイル直径+/-2μmである。収縮した、漏出又は損傷したように見えるカプセルは、選択プロセスから除外され、測定されない。
e.)30個の選択されたカプセルの各々について、カプセルの直径は、微調整装置上の画像から測定及び記録される。次いで、その同じカプセルを、2つの平坦な表面、すなわち、フラットエンド型力プローブと顕微鏡スライドガラスとの間で、カプセルが破裂するまで2μm/秒の速度で圧縮する。圧縮工程中、プローブ力は、顕微操作機器のデータ取得システムによって連続的に測定及び記録される。
f.)測定された直径を使用し、球状カプセル(πr2、式中、rは、圧縮前のカプセルの半径)を仮定して、選択されたカプセルの各々について断面積を計算する。破裂力は、選択された各カプセルについて、Zhang、Z.et al.(1999)「Mechanical strength of single microcapsules determined by a novel micromanipulation technique.」、J.Microencapsulation、vol 16、no.1、117~124ページ、及びSun、G.並びにZhang、Z.(2001)「Mechanical Properties of Melamine-Formaldehyde microcapsules.」J.Microencapsulation、vol18、no.5、593~602ページに示すように、記録された力プローブ測定値から、判定される。
g.)30個のカプセルの各々の割断強度は、破裂力(ニュートン)をそれぞれのカプセルの計算された断面積で割ることによって計算される。
記録されたデータを用いて、デルタ割断強度を計算する。
式中、dにおけるFSは、体積サイズ分布のパーセンタイルiでのカプセルのFSである。
シェル厚測定試験法
50,000倍~150,000倍の倍率で凍結割断クライオ走査電子顕微鏡法(FF cryoSEM)を使用して、20個の有益剤含有送達カプセルのシェル厚を、ナノメートルで測定する。少量のカプセルの懸濁液又は最終生成物を急速冷凍することによって、サンプルを調製する。液体エタンに漬けることによって、又はHigh Pressure Freezer Model 706802 EM Pact(Leica Microsystems、及びWetzlar(Germany))又はそれと同等のものなどの装置の使用によって、急速冷凍を達成することができる。凍結サンプルを-120℃で割断し、次いで、-160℃未満に冷却して、金/パラジウムで軽くスパッタコーティングする。これらの工程は、Gatan Inc.(Pleasanton,CA,USA)製のもの又はそれと同等のものなどのクライオ調製装置を使用して、達成することができる。凍結され、割断され、かつコーティングされたサンプルは、次いで、-170℃以下で、Hitachi S-5200 SEM/STEM(日立ハイテク(東京))又はそれと同等のものなどの好適なクライオSEM顕微鏡に移される。Hitachi S-5200では、撮像は、3.0KVの加速電圧及び5μA~20μAの先端放出電流で実施される。
存在するカプセルのサイズ分布の代表的なサンプルを作り出すために、サイズが偏っていない、無作為に選択された20個の利益送達カプセルから割断されたシェルの画像を断面図で得る。20個のカプセルの各々のシェル厚を、カプセル壁の外面の接線に垂直な測定線を描くことによって、較正された顕微鏡ソフトウェアを使用して測定する。20個の独立したシェル厚測定値を記録し、平均厚及び選択されたシェル厚を有するカプセルのパーセントを計算するために使用する。
また、20個の断面カプセルの直径を、カプセルの断面に垂直な測定線を描くことによって、較正された顕微鏡ソフトウェアを使用して測定する。
有効体積比コアシェル比の評価
有効体積コアシェル比値は、次のように判定され、シェル厚試験法によって測定される平均シェル厚に依存する。平均シェル厚が測定されたカプセルの有効体積コアシェル比は、次の等式によって計算される。
式中、厚さは、個々のカプセルのシェル厚であり、Dcapsは、断面カプセルの直径である。
20個の独立した有効体積コアシェル比の計算を記録し、平均有効体積コアシェル比を計算するために使用した。
この比は、次の等式を使用してコア重量パーセントを計算することによって、分数のコアシェル比値に変換することができる。
シェルパーセントは、次の等式に基づいて計算することができる。%シェル=100%コア
オクタノール/水分配係数(logP)試験法の対数
試験される香料混合物中の各香料原材料(PRM)について、オクタノール/水分配係数(logP)の値を計算する。個々のPRMのlogP(logPi)は、Advanced Chemistry Development Inc.(ACD/Lab)(Toronto,Canada)から入手可能なConsensus logP Computational Model、バージョン14.02(Linux(登録商標))、又はそれと同等のものを用いて計算され、無単位のlogP値が得られる。ACD/LabsのConsensus logP Computational Modelは、ACD/Labsモデルスイートの一部である。
各PRMの個々のlogPを記録して、次の等式を使用して香料組成物の平均logPを計算する。
式中、xは、香料組成物中のPRMの重量%である。

以上、本開示の特定の実施形態について図示、説明したが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変が可能である点は当業者には明白であろう。したがって、本開示の範囲内に属するかかる変更及び修正は全て、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。以下の実施例1~7の各々では、利用される膜を図1に示す。
本開示に従って作製されたカプセルと従来のバッチ処理との比較
実施例1:膜乳化を使用することによる化学的性質1
図4A~図10Bを参照すると、本開示によるカプセルが作製された。次の方法を利用した。芳香油(44.85重量%)、ミリスチン酸イソプロピル(54.2重量%)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(Vazo 52,0.58重量%)、及び2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル(Vazo-67 0.38重量%)を20℃で混合することによって、開始剤溶液である第1の油溶液を形成した。芳香油(81.34重量%)、及びSartomer Cn975(六官能性芳香族ウレタン-アクリレートオリゴマー、18.66重量%)を20℃で混合することによって、モノマー溶液である第2の油溶液を形成した。次いで、第1の油溶液及び第2の油溶液を2つの歯車ポンプ(ISMATEC、マイクロポンプ0.32mL/rev)を使用して1:1の重量比でポンプ圧送して、分散相を形成してから膜シャフトに入った。
Selvol 540(1.78重量%)、NaOH(0.07重量%)、及び4,4’-アゾビス(4-シアノバレリン酸)(Vazo 68WSP、0.37重量%)を含有する連続相(水溶液)を水中で調製した。Tuthill GDSポンプを使用して、連続相を膜の第2の表面にわたってポンプ圧送した。
振動膜乳化具を用いて乳化を調製した。膜装置には、レーザ穿孔された膜が含まれており、これには、レーザ溶接され、(Microporeから供給された)膜シャフト上に垂直に取り付けられたステンレス鋼フィルムを有した。膜は、直径7μmの細孔を有し、この細孔は、六角形の配列に配置され、細孔中心から細孔中心まで測定して、40μmの距離で離間した隣接する細孔を有した。膜シャフトを膜ハウジングに挿入し、振動モータに連結した。連続相を膜シャフトとハウジングとの間の間隙内でポンプ圧送した。膜シャフトの上部から膜の後方部に向かって分散相を注入した。分散相は、膜の細孔を通って連続相に浸透し、エマルションを形成して乳化室を出て、回収容器に回収された。
膜を通る分散相の流動は、24.9m/(膜開面積hのm)であり、連続相の質量流量を調節して、分散相に対する連続相の比1.5を達成した。両方の流量は、ポンプと膜装置との間に置いたCoriolis質量流量計(Bronkhorst、m14)を使用して測定した。膜シャフトを、30Hzの周波数及び12.9mmの振動振幅で振動させた。
1リットルのエマルションをジャケット付き容器に回収した後、重合を開始してカプセルを形成した。エマルションを200rpmで穏やかに混合し、温度を15分のランプ期間にわたって60℃まで上昇させることによって重合を開始した。次いで、温度を60℃で45分間保持した。その後、温度を30分のランプ期間にわたって75℃まで上昇させ、続いて75℃で4時間保持した。最後に、温度を30分のランプ期間にわたって90℃まで上昇させ、90℃で8時間保持した。その後、バッチを室温まで冷却した。
化学的性質1の比較例1
バッチプロセス
図11A~図17Bを参照すると、従来のバッチプロセスによって作製されたカプセルが示されている。カプセルは、以下の方法によって作製された。芳香油(63.09重量%)、ミリスチン酸イソプロピル(27.1重量%)、Vazo 52(0.29重量%)、及びVazo-67(0.19重量%)、Sartomer CN975(六官能性芳香族ウレタン-アクリレートオリゴマー、9.33重量%)を20℃で混合することによって、油溶液(分散相)を作製した。
Selvol 540ポリビニルアルコール(1.78重量%)、NaOH(0.07重量%)、及びVazo-68WSP(0.37重量%)を混合することによって、水溶液(連続相)を作製した。
分散相と連続相とを、連続相と分散相との比1.5で混合して、直径5cmの4枚刃の撹拌機を用いて1100rpmで30分間混合し、エマルションを得た。
エマルションが達成されると、それをジャケット付き容器に移し、200rpmで穏やかに混合し、その温度を15分後に60℃まで上昇させた。次いで、温度を60℃で45分間保持し、30分後に温度を75℃までに上昇させ、75℃で4時間保持し、30分後に90℃まで加熱し、90℃で8時間保持した。その後、バッチを室温まで冷却する。
化学的性質1の比較例2
バッチプロセス
図18A~図24Bを参照すると、従来のバッチプロセスに従ってカプセルを作製した。第1の油溶液を、芳香油(61.86重量%)、ミリスチン酸イソプロピル(37.48重量%)、Vazo-52(0.40重量%)、及びVazo-67(0.26重量%)を温度制御式鋼ジャケット付き反応器内で35℃で混合することによって調製し、1000rpm(4先端、直径2インチ、ピッチ式ミル刃)で混合して、窒素ブランケットを100cc/分で適用した。油溶液を、45分のランプにわたって75℃まで加熱し、75℃で45分間維持し、75分のランプにわたって60℃まで冷却する。
第2の油溶液を、芳香油(64.77重量%)、第三級ブチルアミノエチルメタクリレート(0.86重量%)、2-カルボキシエチルアクリレート(0.69重量%)、及びSartomer Cn975(33.68重量%)(六官能性芳香族ウレタン-アクリレートオリゴマー)を混合することによって調製し、次いで、第1の油溶液が60℃に達したときに第2の油溶液を第1の油溶液に添加する。第1の油溶液と第2の油溶液との比は、2.6:1であった。組み合わせた油溶液は、分散相を表し、60℃で更に10分間保持した。
これとは別に、Selvol 540(1.78重量%)、NaOH(0.07重量%)、及びVazo 68WSP(0.37重量%)を含有する水溶液として、水中で連続相を調製した。
連続相及び分散相を、1100rpmで、60℃(直径5cmの撹拌機)で30分間混合して、分散相を連続相に乳化させた。連続相と分散相との比は、1.5であった。乳化が達成された後、200rpmでアンカー混合機を用いて混合を継続した。バッチを60℃で45分間保持し、次いで温度を30分のランプにわたって75℃まで上昇させ、75℃で4時間保持し、次いで、最後に30分のランプにわたって90℃まで加熱し、90℃で8時間保持してカプセルシェルを重合させた。その後、バッチを室温まで冷却した。
実施例2:膜乳化を使用することによる化学的性質2
膜乳化における相は、次の通りである。
分散相は、芳香剤から構成された。
連続相は、次の化学物質で作製され、これらは水に溶解する順序で列記される。
化学物質が水に溶解されると、16重量%のNaOH溶液を水に添加することによって、溶液pHを3.5に調節する。
振動膜乳化装置(LTS-1ねじり電池)を用いて乳化を調製した。膜装置には、レーザ穿孔された膜が含まれており、これには、レーザ溶接され、(Microporeから供給された)膜シャフト上に垂直に取り付けられたステンレス鋼フィルムを有していた。膜は、直径7μmの細孔を有し、この細孔は、六角形の配列に配置され、細孔中心から細孔中心まで測定して、40μmの距離で離間した隣接する細孔と、を有した。膜シャフトを膜ハウジングに挿入し、振動モータに連結した。連続相を、膜シャフトとハウジングとの間の間隙内でポンプ圧送した。膜シャフトの上部から膜の後方部に向かって分散相を注入した。分散相は、膜の細孔を通って連続相に浸透し、エマルションを形成して乳化室を出て、回収容器に回収された。
膜を通る分散相の流動は、30m/(膜開面積hのm)であり、連続相の質量流量を調節して、分散相に対する連続相の比2を達成した。両方の流量は、ポンプと膜装置との間に置いたCoriolis質量流量計(Bronkhorst、m14)を使用して測定した。膜シャフトを、30Hzの周波数及び12.9mmの振動振幅で振動させた。
エマルションが達成されると、36%のホルムアルデヒド溶液を5分かけて滴下した。次いで、エマルションを50℃で30分間加熱し、50℃で4時間維持し、室温まで冷却した。
カプセルスラリーの最終組成物は、次の通りであった。
化学的性質2の比較例1
バッチプロセス
カプセルスラリーの最終組成物は、本明細書の最後に回収される。プロトコルは、次の通りである。
水[p-EMA溶液]中のポリ(エチレン-無水マレイン酸)の3重量%溶液を実施した。p-EMA溶液に尿素を溶解した。次いで、尿素/pEMA溶液にレゾルシノールを溶解させた。16重量%のNaOH溶液を添加することによって、溶液のpHを3.5に調節した。pH調節後、芳香剤を添加し、オーバーヘッド撹拌機を使用して1150rpmで30分間乳化を行った。
エマルションが達成されると、36%のホルムアルデヒド溶液を5分かけて滴下した。次いで、エマルションを50℃で30分間加熱し、50℃で4時間維持し、室温まで冷却した。
カプセルスラリーの最終組成物は、次の通りであった。
実施例の結果の要約
図4A~図10Bと図11A~図24Bとの比較によって示すように、実施例1のカプセルは、より狭いカプセルの分布を有した。表3には、平均直径、体積パーセントとして表され、数パーセントとして表される直径の変動係数、デルタ割断強度パーセント、平均壁厚(nm)、コア体積パーセントとシェル体積パーセントの平均有効比を含む、結果として得られたカプセルの様々なパラメータが記載されている。表3に示すように、本開示によるカプセルは、バッチプロセスと比較してより少ない数集団直径CoV、並びにより低いデルタ割断強度パーセントを有した。これらの結果に基づいて、本開示によるカプセルは、製剤化された製品の一部が有益剤を確実に、かつ、より均一に放出するための改善された性能を有すると考えられる。
性能を判定する方法
製品調製及び洗浄試験
0.158%(100%活性物質)のカプセル封入された香油を含有する布地増強剤製品を調製する。
液体布地増強製品は、次の方法で調製される。水、キレート剤、HCl、ギ酸、及び防腐剤を、磁気撹拌機を用いてガラスビーカー内で一緒に混合する。この水溶液を85℃のオーブンで加熱する。布地柔軟剤活性物質(ジエステル第四級アンモニウム化合物)を85℃のオーブン内で加熱する。オーブンから直接来た水溶液をオーバーヘッド混合機で混合する。オーブンから直接来た布地柔軟剤活性物質を温水に添加する。得られた分散液を、21℃の室内に放置することによって冷却する。カプセル封入された香油を添加する。
次に、オーバーヘッド撹拌中に構造化剤を添加し、オーバーヘッド撹拌機で更に分散させる。
製品を使用して、Miele PowerWash 2.0 W1の洗浄機で本格的な洗浄を実行する。
試験のために、3kgのバラスト荷重を使用する。荷重は、1.5kgの綿及び1.5kgのポリコットンからなる。バラスト荷重は、95℃で短い綿サイクル洗浄を実行することによって、Miele Softronic W1714の洗浄機で事前調整される。合計4回の実行を実行し、2回は70gの無香料粉末をディスペンサに添加して実行し、続いて洗剤なしで2回実行する。
事前調整後、バラスト荷重をタンブル乾燥する。
各洗浄試験では、6つの小型テリー織トレーサ(100%綿、30×30cm)を洗浄機に添加する。これらのトレーサは、バラスト荷重(洗浄機当たり50個のテリー織トレーサ)と同じ方法で事前調整される。
試験を実行する前に、綿サイクルを使用して95℃で洗浄機を精錬する。
液体布地増強剤洗浄試験
2つの行程が実行される。
・A=液体布地増強剤+化学的性質1の実施例1からのカプセル封入された香油0.158%
・B=液体布地増強剤+化学的性質1の比較例1からのカプセル封入された香油0.158%
洗浄試験は、Miele PowerWash 2.0 W1の洗浄機で実行され、洗浄サイクルは、40℃での短い綿サイクル及び1200rpmの回転速度である。
バラスト荷重及びテリー織トレーサを洗浄機に入れる。ディスペンサには、79gの無香料粉末を添加する。洗浄サイクルを実行する。最後のすすぎが開始されると、ディスペンサに液体布地増強剤製品(2リットルの水道水で予め希釈された35mLの液体布地増強剤製品)を添加する。
洗浄後、テリー織トレーサを洗濯機から取り出す。
テリー織トレーサは、GC-HS評価のために提出され、1日目の乾燥したテリー織トレーサをヘッドスペース分析のために提出する。
ヘッドスペース分析
すすぎ/洗浄サイクルから得られた乾燥した布地サンプルを、高速のヘッドスペースGC/MSアプローチによって分析した。テリー織綿トレーサの4×4cmの部分を、25mLのヘッドスペースバイアル瓶に移した。布地サンプルを65℃で10分間平衡化させた。布地の上方のヘッドスペースをSPME(50/30μmDVB/Carboxen/PDMS)手法により5分間サンプリングした。続いて、SPME繊維をGC内にオンラインで熱的に脱着させた。GC/MSのフル走査モードで検体を分析した。
2つの実施例からカプセルの性能に統計的に有意な差があるかどうかを判定するために、2つのサンプルのt試験が使用される。2種のカプセルの性能の分散が同一であったと仮定すると、完全にランダム化された設計における2つの治療手段を比較するために使用する適切な試験統計値は、
であり、式中、y及びyは、サンプル平均であり、n及びnは、サンプルサイズであり、Sは、カプセル及び
からの計算の両方についての性能試験の結果の共通の分散の推定であり、S 及びSBは、次のように計算することができるサンプルの分散である。
Figure 0007362769000034
式中、S は、サンプルiの分散であり、nは、サンプルiのサイズであり、yjiは、サンプルiのj番目の結果であり、yは、サンプルiの平均である。
性能の結果の平均が真である帰無仮説を拒否するかどうかを判定するために、tは、n+n-2の自由度を有するt分布と比較される。|t|>tα/2,nA+nB-2であり、tα/2,nA+nB-2が、n+nB-2の自由度を有する分布の上限α/2パーセントポイントである場合、帰無仮説は拒絶され、性能試験の結果の平均が異なると結論付けられる(D.C.MONTGOMERY,Design and analysis of experiments,8th Ed.,john Wiley and Sons)。
t0の値は、4.18であり、t0.05/2,22=2.074であるため、帰無仮説を拒否することができ、性能の結果が異なると結論付ける(信頼度=95%)。
本開示による方法で作製されたカプセルの更なる実施例
実施例3
芳香油(57.95重量%)、ミリスチン酸イソプロピル(41.39重量%)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(Vazo 52,0.40重量%)、及び2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル(Vazo-67 0.26重量%)を20℃で混合することによって、開始剤溶液である第1の油溶液を形成した。結果として得られた溶液は、透明液体であった。
芳香油(64.77重量%)、第三級ブチルアミノエチルメタクリレート(0.86重量%)、2-カルボキシエチルアクリレート(0.69重量%)、及びSartomer CN975(六官能性芳香族ウレタン-アクリレートオリゴマー、33.68重量%)を混合することによって、モノマー溶液である第2の油溶液を形成した。次いで、第2の溶液を第1の油溶液に添加した。第1の油溶液と第2の油溶液との割合は、総重量で2.60:1であった。組み合わせた油を25℃で更に10分間混合して、分散相を形成した。
連続相は、水中のSelvol 540(5重量%)、NaOH(0.07重量%)、及び4,4’-アゾビス(4-シアノバレリン酸)(0.37重量%)を含有する水溶液であった。
Microporeから供給された振動膜乳化具を用いて乳化を調製した。膜装置は、レーザ穿孔された膜、レーザ溶接され、膜シャフト上に垂直に取り付けられたステンレス鋼フィルムで構成された。膜シャフトを膜ハウジングに挿入し、振動モータに連結した。連続相を、歯車ポンプ(ISMATEC、マイクロポンプ0.32mL/rev)を使用して、膜シャフトとハウジングとの間の間隙にポンプ圧送した。分散相を、歯車ポンプ(ISMATEC、マイクロポンプ0.017mL/rev)を使用して、膜シャフトの上部から膜の後方部に向かって注入した。分散相は、膜の細孔を通って連続相に浸透し、回収容器に上向きに移動し、歯車ポンプ(ISMATEC、マイクロポンプ0.32mL/rev)を使用することによって注入された。膜は、7μmの直径を有する細孔を有し、細孔は、六角形の配列に配置され、隣接する細孔は、細孔の中心間の距離によって測定されたときに75μm離間していた。
膜を通る分散相の流動は、2.2m/(膜開面積hのm)であり、連続相の質量流量を調節して、分散相に対する連続相の比2.2を達成した。両方の流量は、ポンプと膜装置との間に置いたCoriolis質量流量計(Bronkhorst、m14)を使用して測定した。膜シャフトは、30Hzの周波数及び3mmの振動振幅で振動していた。1リットルのエマルションをジャケット付き容器に回収した後、200rpmで穏やかに混合し、その温度を15分後に60℃まで上昇させた。次いで、温度を60℃で45分間保持し、30分後に温度を75℃まで上昇させ、75℃で4時間保持し、30分後に90℃まで加熱し、90℃で8時間保持した。その後、バッチを室温まで冷却した。
得られたカプセルの集団の体積の平均サイズは、28.3μmであり、カプセルは、20.4%の体積パーセントに基づいて直径の変動係数を有した。
実施例4
芳香油(44.85重量%)、ミリスチン酸イソプロピル(54.2重量%)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(Vazo 52,0.58重量%)、及び2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル(Vazo-67 0.38重量%)を20℃で混合することによって、開始剤溶液である第1の油溶液を形成した。芳香油(81.34重量%)、及びSartomer Cn975(六官能性芳香族ウレタン-アクリレートオリゴマー、18.66重量%)を20℃で混合することによって、モノマー溶液である第2の油溶液を形成した。次いで、第1の油溶液及び第2の油溶液を2つの歯車ポンプ(ISMATEC、マイクロポンプ0.32mL/rev)を使用して1:1の重量比でポンプ圧送して、分散相を形成してから膜シャフトに入った。
Selvol 540(1.78重量%)、NaOH(0.07重量%)、及び4,4’-アゾビス(4-シアノバレリン酸)(Vazo 68WSP、0.37重量%)を含有する連続相(水溶液)を水中で調製した。Tuthill GDSポンプを使用して、連続相を膜の第2の表面にわたってポンプ圧送した。
振動膜乳化具を用いて乳化を調製した。膜装置には、レーザ穿孔された膜が含まれており、これには、レーザ溶接され、(Microporeから供給された)膜シャフト上に垂直に取り付けられたステンレス鋼フィルムを有した。膜は、直径7μmの細孔を有し、この細孔は、六角形の配列に配置され、細孔中心から細孔中心まで測定して、40μmの距離で離間した隣接する細孔を有した。膜シャフトを膜ハウジングに挿入し、振動モータに連結した。連続相を、膜シャフトとハウジングとの間の間隙内でポンプ圧送した。膜シャフトの上部から膜の後方部に向かって分散相を注入した。分散相は、膜の細孔を通って連続相に浸透し、エマルションを形成して乳化室を出て、回収容器に回収された。
膜を通る分散相の流動は、24.9m/(膜開面積hのm)であり、連続相の質量流量を調節して、分散相に対する連続相の比1.5を達成した。両方の流量は、ポンプと膜装置との間に置いたCoriolis質量流量計(Bronkhorst、m14)を使用して測定した。膜シャフトを、30Hzの周波数及び12.9mmの振動振幅で振動させた。
1リットルのエマルションをジャケット付き容器に回収した後、重合を開始してカプセルを形成した。エマルションを200rpmで穏やかに混合し、温度を15分のランプ期間にわたって60℃に上昇させることによって重合を開始した。次いで、温度を60℃で45分間保持した。その後、温度を30分のランプ期間にわたって75℃まで上昇させ、続いて75℃で4時間保持した。最後に、温度を30分のランプ期間にわたって90℃まで上昇させ、90℃で8時間保持した。その後、バッチを室温まで冷却した。
結果として得られたカプセルは、24.9μmの体積の平均サイズを有し、カプセルは、23%の体積パーセントに基づいて直径の変動係数を有した。
実施例5
芳香油(97.19重量%)、第三級ブチルアミノエチルメタクリレート(0.07重量%)、2-カルボキシエチルアクリレート(0.06重量%)、及びSartomer CN975(六官能性芳香族ウレタン-アクリレートオリゴマー、2.68重量%)を20℃で混合することによって、油溶液を作製した。結果として得られた溶液は、透明液体であった。次いで、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(Vazo 52、0.41重量%)、及び2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル(Vazo-67 0.27重量%)を添加し、結果として得られた液体を20℃で混合した。結果として得られた混合物は、透明液体のままであった。最後に、ミリスチン酸イソプロピル(29.89重量%)を添加する。組み合わせた油を25℃で更に10分間混合して、分散相を形成した。
連続相を、水中のSelvol 540(2重量%)、NaOH(0.07重量%)、及び4,4’-アゾビス(4-シアノバレリン酸)(0.37重量%)を含有する水溶液として調製した。
Microporeから供給された振動膜乳化具を用いて乳化を調製した。膜装置は、レーザ穿孔された膜、レーザ溶接され、膜シャフト上に垂直に取り付けられたステンレス鋼フィルムで構成された。膜シャフトを膜ハウジングに挿入し、振動モータに連結した。膜シャフトとハウジングとの間の間隙は、連続相がポンプ圧送された場所であった。分散相を、膜ポンプ(ISMATEC、マイクロポンプ0.017mL/rev)を使用することによって、膜シャフトの上部から膜の後方部に向かって注入した。分散相は、膜の細孔を通って連続相に浸透し、回収容器に上向きに移動し、歯車ポンプ(ISMATEC、マイクロポンプ0.32mL/rev)を使用することによって注入された。
膜を通る分散相の流動は、65.6m/(膜開面積hのm)であり、連続相の質量流量を調節して、分散相に対する連続相の比1.5を達成した。両方の流量は、ポンプと膜装置との間に置いたCoriolis質量流量計(Bronkhorst、m14)を使用して測定した。膜シャフトは、30Hzの周波数及び3mmの振動振幅で振動していた。
1リットルのエマルションをジャケット付き容器に回収した後、200rpmで穏やかに混合し、その温度を15分後に60℃まで上昇させた。次いで、温度を60℃で45分間保持し、30分後に温度を75℃まで上昇させ、75℃で4時間保持し、30分後に90℃まで加熱し、90℃で8時間保持した。その後、バッチを室温まで冷却した。
得られたカプセルの集団の体積の平均サイズは、28.8umであり、カプセルは、22.7%の体積パーセントに基づいて直径の変動係数を有した。
実施例6
芳香油(92.97重量%)、第三級ブチルアミノエチルメタクリレート(0.17重量%)、2-カルボキシエチルアクリレート(0.14重量%)、及びSartomer CN975(六官能性芳香族ウレタン-アクリレートオリゴマー、6.72重量%)を20℃で混合することによって、油溶液を作製した。結果として得られた溶液は、透明液体であった。次いで、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(Vazo 52、0.41重量%)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル(Vazo-67 0.27重量%)を添加し、結果として得られた液体を20℃で混合した。結果として得られた溶液は、透明液体のままであった。最後に、ミリスチン酸イソプロピル(29.89重量%)を添加し、25℃で更に10分間混合して、分散相を形成する。
連続相を、水中のSelvol 540(2重量%)、NaOH(0.07重量%)、及び4,4’-アゾビス(4-シアノバレリン酸)(0.37重量%)を含有する水溶液として形成した
Microporeから供給された振動膜乳化具を用いて乳化を調製した。膜装置には、レーザ穿孔された膜、レーザ溶接され、膜シャフト上に垂直に取り付けられたステンレス鋼フィルムを含んでいた。膜シャフトを膜ハウジングに挿入し、振動モータに連結した。連続相を、歯車ポンプ(ISMATEC、マイクロポンプ0.32mL/rev)を使用して、膜シャフトとハウジングとの間の間隙にポンプ圧送した。分散相を、歯車ポンプ(ISMATEC、マイクロポンプ0.017mL/rev)を使用して、膜シャフトの上部から膜の後方部に向かって注入した。分散相は、膜の細孔を通って連続相に浸透し、回収容器に上向きに移動し、歯車ポンプ(ISMATEC、マイクロポンプ0.32mL/rev)を使用することによって注入された。膜は、7μmの直径を有する細孔を有し、これは、六角形の配列に配置され、隣接する細孔は、細孔の中心間の距離によって測定されたときに75μm離間していた。
膜を通る分散相の流動は、2.2m/(膜開面積hのm)であり、連続相の質量流量を調節して、分散相に対する連続相の比2.2を達成した。両方の流量は、ポンプと膜装置との間に置いたCoriolis質量流量計(Bronkhorst、m14)を使用して測定した。
1リットルのエマルションをジャケット付き容器に回収した後、200rpmで穏やかに混合し、その温度を15分後に60℃まで上昇させた。次いで、温度を60℃で45分間保持し、30分後に温度を75℃まで上昇させ、75℃で4時間保持し、30分後に90℃まで加熱し、90℃で8時間保持した。その後、バッチを室温まで冷却した。
得られたカプセルの集団の体積の平均サイズは、24.0umであり、カプセルは、18.7%の体積パーセントに基づいて直径の変動係数を有した。
実施例7
芳香油(96重量%)、及びSartomer CN975(六官能性芳香族ウレタン-アクリレートオリゴマー、4重量%)を20℃で混合することによって、油溶液を作製して透明液体を得た。
別々に、芳香油(39.84%)、ミリスチン酸イソプロピル(60重量%)、及び2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル(Vazo-67 0.16重量%)を20℃で混合することによって、第2の油溶液を作製して透明液体を得た。
2つの油溶液を、2つの歯車ポンプ(ISMATEC、マイクロポンプ0.32mL/rev)を使用して1:1の重量比でポンプ圧送して、混合されたときに分散相を形成してから膜シャフトに入った。
Selvol 540(2重量%)、NaOH(0.07重量%)、及び4,4’-アゾビス(4-シアノバレリン酸)(0.37重量%)を水中で混合することによって、水溶液(連続相)を調製した。Tuthill GDSポンプを使用することによって連続相をポンプ圧送した。
振動膜乳化具を使用することによって乳化を調製した。膜装置は、レーザ穿孔された膜、レーザ溶接され、(Microporeから供給された)膜シャフト上に垂直に取り付けられたステンレス鋼フィルムで構成された。膜シャフトを膜ハウジングに挿入し、振動モータに連結した。膜シャフトとハウジングとの間の間隙は、連続相がポンプ圧送される場所であった。膜シャフトの上部から膜の後方部に向かって分散相を注入した。分散相は、膜の細孔を通って連続相に浸透し、エマルションを形成して乳化室を出て、回収容器に回収された。
膜は、六角形の配列に直径7μmの細孔、及び40μmの細孔の中心間の距離を含んでいた。
膜を通る分散相の流動は、85.4m/(膜開面積hのm)であり、連続相の質量流量を調節して、分散相に対する連続相の比1.5を達成した。両方の流量は、ポンプと膜装置との間に置いたCoriolis質量流量計(Bronkhorst、m14)を使用して測定した。膜シャフトは、30Hzの周波数及び12.9mmの振動振幅で振動していた。
1リットルのエマルションをジャケット付き容器に回収した後、200rpmで穏やかに混合し、その温度を15分後に60℃まで上昇させた。次いで、温度を60℃で45分間保持し、30分後に温度を75℃まで上昇させ、75℃で4時間保持し、30分後に90℃まで加熱し、90℃で8時間保持した。その後、バッチを室温まで冷却した。
得られたカプセルの集団の体積の平均サイズは、53.1μmであり、カプセルは、38.4%の体積パーセントに基づいて直径の変動係数を有した。
実施例8
芳香油(96.26重量%)、及びSartomer CN975(六官能性芳香族ウレタン-アクリレートオリゴマー、3.74重量%)を20℃で混合することによって、油溶液を作製して透明液体を得た。
これとは別に、芳香油(39.29%)、ミリスチン酸イソプロピル(59.78重量%)、及び2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル(Vazo-67 0.94重量%)を20℃で混合することによって、第2の油溶液を作製して透明液体を得た。
2つの油溶液を、2つの歯車ポンプ(ISMATEC、マイクロポンプ0.32mL/rev)を使用して1:1の重量比でポンプ圧送して、混合されたときに分散相を形成してから膜シャフトに入った。
水中で、Selvol 540(2重量%)、NaOH(0.07重量%)、及び4,4’-アゾビス(4-シアノバレリン酸)(0.37重量%)を含有する水溶液(連続相)を調製する。Tuthill GDSポンプを使用することによって連続相をポンプ圧送した。
振動膜乳化具を使用することによって乳化を調製した。膜装置は、レーザ穿孔された膜、レーザ溶接され、(Microporeから供給された)膜シャフト上に垂直に取り付けられたステンレス鋼フィルムで構成された。膜シャフトを膜ハウジングに挿入し、振動モータに連結した。膜シャフトとハウジングとの間の間隙は、連続相がポンプ圧送される場所であった。膜シャフトの上部から膜の後方部に向かって分散相を注入した。分散相は、膜の細孔を通って連続相に浸透し、エマルションを形成して乳化室を出て、回収容器に回収された。
膜は、六角形の配列に直径7μmの細孔、及び40μmの細孔の中心間の距離を含んでいた。
膜を通る分散相の流動は、26.7m/(膜開面積hのm)であり、連続相の質量流量を調節して、分散相に対する連続相の比1.5を達成した。両方の流量は、ポンプと膜装置との間に置いたCoriolis質量流量計(Bronkhorst、m14)を使用して測定した。膜シャフトは、30Hzの周波数及び12.9mmの振動振幅で振動していた。
1リットルのエマルションをジャケット付き容器に回収した後、200rpmで穏やかに混合し、その温度を15分後に60℃まで上昇させた。次いで、温度を60℃で45分間保持し、30分後に温度を75℃まで上昇させ、75℃で4時間保持し、30分後に90℃まで加熱し、90℃で8時間保持した。その後、バッチを室温まで冷却した。
得られたカプセルの集団の体積の平均サイズは、27.7μmであり、カプセルは、16.1%の体積パーセントに基づいて直径の変動係数を有した。
実施例9
芳香油(44.86重量%)、ミリスチン酸イソプロピル(54.95重量%)、Vazo 52(0.11重量%)、及びVazo 67(0.07重量%)を、混合物が均質になるまで室温(room temperature、RT)で混合することによって、油溶液を作製した。
芳香油(96重量%)、及びSartomer CN975(六官能性芳香族ウレタン-アクリレートオリゴマー、4.00重量%)を、混合物が均質になるまで室温(RT)で混合することによって、第2の油溶液を作製した。
Selvol 540(2重量%)を逆浸透(reverse osmosis、RO)水に添加し、撹拌しながら90℃まで4時間加熱し、続いて室温まで冷却することによって、水溶液(連続相)を調製した。
膜装置は、レーザ穿孔された膜、レーザ溶接され、膜マニホルド上に垂直に取り付けられたステンレス鋼フィルムで構成され、膜マニホルドは、乳化室内に導入され、振動モータに連結された。膜マニホルドとハウジングとの間の間隙は、連続相がポンプ圧送された場所であった。分散相は、膜マニホルドの上部から注入され、膜の後方部に向かって分布された。分散相は、膜の細孔を通って連続相に浸透し、エマルションを形成して乳化室を出て、回収容器に回収された。
膜は、六角形の配列に直径7μmの細孔、及び40μmの細孔の中心間の距離を含んでいた。
振動は、8mmの変位及び36Hzの周波数を有した。2つの油相を、静的混合機を用いて、53.5:46.5の比でインライン混合した。膜を通る分散相の流動は、37.4m/(膜開面積hのm)であった。連続相の質量流量を調節して、分散相に対する連続相の比1.5を達成した。
1キログラムのエマルションをジャケット付き容器に回収し、パドル刃及びオーバーヘッド機械的撹拌機を使用して50rpmで混合した。温度を2.5℃/分で60℃まで上昇させ、45分間保持した。次いで、温度を0.5℃/分で75℃まで上昇させ、240分間保持した。次いで、温度を0.5℃/分で90℃まで上昇させ、480分間保持した。最後に、撹拌を維持しながら、バッチを室温まで冷却した。
最終生成物は、PVOH溶液中のカプセル封入された香料カプセルの懸濁液であった。安定剤及び/又は防腐剤などの追加の構成成分を必要に応じて添加してもよい。
得られたカプセルの集団の体積の平均サイズは、29.7μmであり、カプセルは、31.3%の体積パーセントに基づいて直径の変動係数を有した。
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとは見なされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。

Claims (14)

  1. プセルを作製する方法であって
    前記カプセルが、
    有益剤を含むコアと、
    前記コアを囲むポリマーシェルと、を含み、
    複数の前記カプセルを含むカプセルの集団が、
    15%~230%のデルタ割断強度パーセント、及び20nm~400nmの平均シェル厚を含み、
    連続相は、膜の第2の側を横切って流れ、前記膜が機械的に移動され、分散相を前記膜の複数の孔を通過させることによって、前記膜の第1の側から前記膜の第2の側へ、前記分散相の液滴を前記連続相中に分散させ、
    前記分散相は、ポリマー前駆体、プロセス助剤、及び前記有益剤を含むことができ、前記連続相は、水を含み、
    前記分散相は、前記膜の第2の側の複数の孔を出る際に、前記分散相の前記液滴に形成され、
    前記分散相の前記液滴内の前記ポリマー前駆体の重合を開始させるのに十分な条件下で、前記連続相中の前記分散相の前記液滴の液滴分散を曝露し、前記ポリマー前駆体は前記分散相に不溶性となり、前記分散相と前記連続相の間の界面に移行し、
    前記有益剤は、重合の後に前記コアに留まり、
    前記分散相および前記連続相の一方または両方に安定剤系が存在し、
    前記分散相および前記連続相の一方または両方は、開始剤を含み、
    前記ポリマー前駆体は、前記分散相に可溶性であり、多官能性エチレン性不飽和モノマーを含む、
    カプセルを作製する方法
  2. 前記カプセルの集団が、10%~100%の数集団直径変動係数を有する、請求項1に記載のカプセルを作製する方法
  3. 前記カプセルの集団が、少なくとも90:10の平均有効体積コア-シェル比を有する、請求項1又は2に記載のカプセルを作製する方法
  4. 前記有益剤が、1つ以上の香料組成物、香料原材料、衛生化剤、消毒剤、抗ウイルス剤、布地リフレッシュ剤及び洗いたて感延長剤、塩素漂白臭気制御剤、染料固定剤、染料、蛍光増白剤、色復元/再生剤、酵素、消泡剤、布地快適剤、スキンケア剤、潤滑剤、ワックス、炭化水素、悪臭低減剤、臭気制御材料、肥料、栄養剤、並びに除草剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のカプセルを作製する方法
  5. 前記香料組成物が、前記香料組成物の総重量に基づいた重量で、(1)3.0未満のlogP及び250℃未満の沸点を特徴とする、2.5%~30%の第1の香料原材料と、(2)3.0以下のlogP及び250℃以上の沸点を特徴とする、5%~30%の第2の香料原材料と、(3)3.0を超えるlogP及び250℃未満の沸点を有することを特徴とする、35%~60の第3の香料原材料と、(4)3.0を超えるlogP及び250℃を超える沸点を有することを特徴とする、10%~45%の第4の香料原材料と、を含む、香料原材料の組み合わせを含む、請求項4に記載のカプセルを作製する方法
  6. 前記コアが、前記コアの総重量に基づいて、10重量%以上の有益剤を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のカプセルを作製する方法
  7. 前記有益剤が、1以上の平均logPを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のカプセルを作製する方法
  8. 前記コアが、前記有益剤と混和された油を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のカプセルを作製する方法
  9. 前記ポリマーシェルが、ホモポリマー、コポリマー、又は架橋ポリマー、及びこれらの組み合わせを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のカプセルを作製する方法
  10. 前記ポリマーシェルが、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、メラミンホルムアルデヒド、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、キトサン、ゼラチン、多糖類、又はガムのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のカプセルを作製する方法
  11. 前記デルタ割断強度パーセントが、50%~230%の範囲である、請求項1~10のいずれか一項に記載のカプセルを作製する方法
  12. 前記カプセルが、前記集団のメジアン径(d50)において0.2MPa~30MPaの平均割断強度を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載のカプセルを作製する方法
  13. 前記平均シェル厚が、20nm~350nmである、請求項1~12のいずれか一項に記載のカプセルを作製する方法。
  14. 前記カプセルが、1μm~100μmの平均直径を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載のカプセルを作製する方法
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