以下、図面を参照して、本発明の1または複数の実施形態が説明される。しかしながら、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
実施形態における車両用道路標識情報表示装置は、運転を支援するための運転支援機能に対し所定の入力操作を実施するための複数のスイッチと、所定の情報を表示する表示部とを備え、道路標識を認識して前記表示部に表示する装置である。そして、本実施形態では、前記複数のスイッチのうちの第1スイッチは、前記認識した道路標識によって表される標識情報を、常時、前記表示部に表示させる指示を入力するための常時表示オンスイッチと兼用され、前記複数のスイッチのうちの前記第1スイッチとは異なる第2スイッチは、前記認識した道路標識によって表される標識情報を、所定の時間だけ一時的に、前記表示部に表示させる指示を入力するための一時表示オンスイッチと兼用される。このような車両用道路標識情報表示装置について、車両の運転を支援する運転支援装置に組み込まれた場合を用いて、以下、より具体的に説明する。
図1は、実施形態における、車両用道路標識情報表示装置を組み込んだ運転支援装置の構成を示すブロック図である。図2は、レーダ装置および撮像装置の配置位置を説明するための図である。図3は、一例として、図1に示す、車両用道路標識情報表示装置を組み込んだ運転支援装置における入力部および表示部の車両室内での配置を説明するための図である。図3Aは、主に、入力部を示し、図3Bは、表示部を示す。図4は、図3に示す入力部の拡大図である。図4Aは、ステアリングハンドルの中心位置より右側に配置された入力部の一部を示し、図4Bは、ステアリングハンドルの中心位置より左側に配置された入力部の他の一部を示す。
実施形態における、車両用道路標識情報表示装置を組み込んだ運転支援装置DSは、例えば、図1に示すように、レーダ装置1と、撮像装置2と、車速測定部3と、制御処理部4と、記憶部5と、入力部9と、表示部を含む出力部10とを備え、走行させるために、動力部6a、動力伝達部6b、制動部7および操舵部8を備える。
レーダ装置1は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って、所定の送信波を送信し、対象物(例えば先行車両等)で反射した送信波の反射波を受信することにより、前記対象物を検出し、前記対象物の方向と前記対象物までの距離を測定することにより、前記対象物の位置を測定する装置である。そして、本実施形態では、例えば追従走行等の、所定の運転支援機能を実現するために、レーダ装置1は、送信波に対する反射波のドップラーシフトに基づき、自車両VCsに対する前記対象物の相対速度も求めている。レーダ装置1は、例えば、本実施形態では、図2に示すように、車両(自車両)VCsの前端部に設けられ、自車両の前方を所定の第1対象範囲(レンジ)R1で対象物を測定する。一例では、レーダ装置1は、ミリ波帯の送信波を第1対象範囲R1で走査しながら送信する送信部と、前記送信波が対象物で反射した反射波を受信する受信部と、前記送信波と前記反射波とに基づいて前記対象物の方向と前記対象物までの距離とを求めることで、前記対象物の位置を求める信号処理部とを備える。前記信号処理部は、第1対象範囲R1の走査における前記送信波の送信方向から前記対象物の方向を求め、前記送信波の送信タイミングと前記反射波の受信タイミングとの時間差に基づいて、前記対象物までの距離を求める(TOF(Time-Of-Flight)方式)。なお、レーダ装置1は、このような構成に限らず、適宜な種類のレーダ装置であって良い。例えば、レーダ装置1は、ミリ波帯ではなく、レーザ光を利用したレーザレーダ装置であって良く、また、レーダ装置1は、複数の受信アンテナを備え、前記複数の受信アンテナが受信した反射波の位相差から前記対象物の方向を求める装置であっても良い。レーダ装置1は、このように測定した対象物における位置(方向、距離)および相対速度を制御処理部4へ出力する。
撮像装置2は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って画像を生成する装置である。撮像装置2は、自車両VCsの前方(走行方向)を撮像するように、自車両VCsに搭載される。例えば、本実施形態では、図2に示すように、撮像装置2は、自車両VCs内において、フロントガラス近傍の天井面(ルーフ内側面)に、自車両VCsの前方(走行方向)を所定の第2対象範囲(画角)R2で撮像するように、配設される。一例では、例えば、撮像装置2は、被写体(対象物)の光学像を所定の結像面上に結像する結像光学系、前記結像面に受光面を一致させて配置され、前記被写体の光学像を電気的な信号に変換するエリアイメージセンサ、および、エリアイメージセンサの出力を画像処理することで前記被写体の画像を表すデータである画像データを生成する画像処理部等を備えるデジタルカメラである。撮像装置2は、この生成した画像を制御処理部4へ出力する。
車速測定部3は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って、車両の速度を測定する装置である。車速測定部3は、例えば、ロータリエンコーダおよびその周辺回路を備え、単位時間当たりの、車輪(車軸)における回転の変位量から車輪速(車輪の回転速度)を測定する車輪速センサ等である。車速測定部3は、その測定した車輪速を制御処理部4へ出力する。本実施形態では、制御処理部4が車輪の大きさに基づき車輪速を車速へ変換するが、この車輪速から車速の変換は、車輪速センサを備える車速測定部3で実施されて良く、あるいは、制御処理部4は、車輪速を車速として扱っても良い。
動力部6aは、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って車両を駆動(移動)する動力を生成する装置である。動力部6aは、例えば、エンジン、モータおよびこれらのハイブリッド装置等の原動機およびその付属機器を備えて構成される。動力伝達部6bは、動力部6aが生成した動力を駆動輪に伝達する機構であり、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って、車両の進行方向の切り換えや、変速比および減速比の切り換えを行うトランスミッションを含む。このように動力部6aが生成した動力は、動力伝達部6bを介して駆動輪に伝達され、駆動輪を回転させる。
制動部7は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って車両に制動力を与え、車両を減速する装置である。制動部7は、車両を減速した結果、停止させることもでき、車両の停止中に制動力を与え続けた結果、車両の停止を維持することもできる。制動部7は、例えば、ディスクブレーキおよび回生ブレーキ等のブレーキ装置およびその付属機器を備えて構成される。なお、制動部7は、いわゆるパーキングブレーキ装置の機能を含む。
操舵部8は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って車両の操舵を行う装置である。操舵部8は、車両の操舵輪の方向を変えるステアリング装置およびその付属機器を備えて構成される。
動力部6aおよび制動部7それぞれを制御することで、車両の加速度が調整され、車輪速および車両の速度(車速)が調整される。動力伝達部6bの前記トランスミッションを制御することで、ギア比や車両の進行方向(前進、後退)が調整される。操舵部8を制御することで、車両の走行方向が調整される。
入力部9は、制御処理部4に接続され、例えば、運転支援の開始やその解除を指示するコマンドや、自動運転の開始やその解除を指示するコマンド等の各種コマンド、および、例えば前記運転支援の際の走行速度等の各種データを運転支援装置DSに入力する機器であり、例えば、予め機能を割り付けた複数のスイッチ等である。
そして、本実施形態では、入力部9は、運転を支援するための運転支援機能に対し所定の入力操作を実施するための複数のスイッチを含む。より具体的には、入力部9の一部としての前記複数のスイッチには、少なくとも第1および第2スイッチが含まれる。前記第1スイッチにかかる運転支援機能は、走行速度を制御することによって、運転を支援する機能であり、前記第1スイッチは、運転支援機能に関し、前記走行速度の制御に対し所定の入力操作を実施するためのスイッチである。例えば、前記第1スイッチは、制御される走行速度の上限値を入力するためのスピードリミッタスイッチである。前記第2スイッチにかかる運転支援機能は、走行に関する所定の走行情報を、後述のように出力部10に含まれる表示部に表示することによって、運転を支援する機能であり、前記第2スイッチは、例えば、前記走行情報を前記表示部に表示させる指示を入力するためのINFOスイッチである。
より詳しくは、入力部9の一部としての前記複数のスイッチは、本実施形態では、例えば、図3Aおよび図4に示すように、LIMスイッチ91、TJAスイッチ92、MRCCスイッチ93、CANCELスイッチ94、RESスイッチ95、SET+スイッチ96、SET-スイッチ97およびINFOスイッチ98を含み、ステアリングホイールSTにおける、平面視にて略T字状のスポーク部に配設されている。より具体的には、ステアリングホイールSTを把持しながら手指で入力操作できるように、前記スポーク部における中心位置より右側の一方部分には、図4Aに示すように、LIMスイッチ91、TJAスイッチ92、MRCCスイッチ93、CANCELスイッチ94、RESスイッチ95、SET+スイッチ96およびSET-スイッチ97が配設され、前記スポーク部における前記中心位置より左側の他方部分には、図4Bに示すように、INFOスイッチ98が配設されている。
LIMスイッチ91は、運転支援機能に関し、可変スピードリミッター機能における走行速度の上限値を変更可能な状態にする指示を入力するためのスイッチである。前記可変スピードリミッター機能は、アクセルの入力操作によって加速が指示されても、前記上限値を超えたスピードを出なくする機能である。
TJAスイッチ92は、運転支援機能に関し、TJA機能における走行速度の上限値を変更可能な状態にする指示を入力するためのスイッチである。前記TJA機能は、車線を維持するように操舵を支援し、先行車両に追従走行するように、前記上限値以下の車速で加減速を支援する機能である。このTJA機能は、特に渋滞の際に有効に働く。
MRCCスイッチ93は、運転支援機能に関し、MRCC機能における走行速度の上限値を変更可能な状態にする指示を入力するためのスイッチである。前記MRCC機能は、先行車両に追従走行するように、前記上限値以下の車速で加減速を支援する機能である。
SET+スイッチ96は、前記可変スピードリミッター機能、前記TJA機能および前記MRCC機能それぞれにおいて、その上限値を1km/hだけ繰り上げる指示を入力するためのスイッチである(上限値←上限値+1)。
SET-スイッチ97は、前記可変スピードリミッター機能、前記TJA機能および前記MRCC機能それぞれにおいて、その上限値を1km/hだけに繰り下げる指示を入力するためのスイッチである(上限値←上限値-1)。
RESスイッチ95は、前記可変スピードリミッター機能、前記TJA機能および前記MRCC機能それぞれにおいて、その上限値を確定し、その運転支援機能の開始を指示するためのスイッチである。
CANCELスイッチ94は、前記可変スピードリミッター機能、前記TJA機能および前記MRCC機能それぞれにおいて、その運転支援機能の終了(解除)を指示するためのスイッチである。
INFOスイッチ98は、運転支援機能に関し、走行に関する所定の走行情報を、前記表示部に表示させる指示を入力するためのスイッチである。より具体的には、本実施形態では、INFOスイッチ98は、例えば、瞬間燃費、平均燃費、走行距離および区間走行距離をINFOスイッチ98の入力操作ごとにサイクリックに順に前記表示部に表示させる指示を入力するためのスイッチである。前記瞬間燃費は、現在の走行状態での燃費である。前記平均燃費は、リセットからの走行距離を前記走行距離の走行で消費された消費燃料で除算することによって求められる燃費である。前記走行距離は、当該車両の走行開始からの全走行距離であり、例えばODOメータによって測定される走行距離である。前記区間走行距離は、リセットからの走行距離であり、例えばトリップメータによって測定される走行距離である。
これらLIMスイッチ91、TJAスイッチ92、MRCCスイッチ93、CANCELスイッチ94、RESスイッチ95、SET+スイッチ96およびSET-スイッチ97は、それぞれ、前記第1スイッチの一例に相当し、LIMスイッチ91は、前記スピードリミッタスイッチの一例に相当する。INFOスイッチ98は、第2スイッチの一例に相当する。
そして、本実施形態では、前記第1スイッチ、例えば、既存のLIMスイッチ91は、認識した道路標識によって表される標識情報を、常時、前記表示部に表示させる指示を入力するための常時表示オンスイッチと兼用される。前記第2スイッチ、例えば、既存のINFOスイッチ98は、前記認識した道路標識によって表される標識情報を、所定の第1時間(例えば10秒や15秒や20秒等)だけ一時的に、前記表示部に表示させる指示を入力するための一時表示オンスイッチと兼用される。さらに、前記第1スイッチ、例えば、LIMスイッチ91は、前記認識した道路標識によって表される標識情報を、前記認識した後、所定の表示終了条件を満たすまで、前記表示部に表示させる指示を入力するための表示自動オフスイッチと兼用される。この表示自動オフスイッチでは、前記認識される道路標識は、最高速度を表す速度規制標識であって、前記標識情報は、前記最高速度であり、前記所定の表示終了条件は、第1に、自車両の走行速度と前記最高速度との差が所定の閾値以上であって、かつ、前記自車両の周りを走行する他車両の走行速度と前記最高速度との差が前記閾値以上であることを含む。したがって、前記自車両の走行速度が前記最高速度より前記所定の閾値以下であって、かつ、前記他車両の走行速度が前記最高速度より前記所定の閾値以下である場合、前記所定の表示終了条件を満たし、前記自車両の走行速度が前記最高速度より前記所定の閾値以上であって、かつ、前記他車両の走行速度が前記最高速度より前記所定の閾値以上である場合、前記所定の表示終了条件を満たす。前記所定の表示終了条件は、第2に、前記認識した後の自車両の走行距離が所定の距離に達したことを含む。前記所定の表示終了条件は、第3に、前記認識した後に自車両が右折したこと、および、前記認識した後に自車両が左折したことのうちのいずれか一方を満たすことを含む。前記所定の表示終了条件は、第4に、前記認識した後に、所定の第2時間が経過したことである。これら前記所定の閾値、前記所定の距離および前記所定の第2時間は、それぞれ、適宜に設定され、例えば、前記所定の閾値は、10km/hや15km/hや20km/h等に設定され、前記所定の距離は、1kmや2kmや3km等に設定され、前記所定の時間は、30秒や60秒や120秒等に設定される。
出力部10は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って、入力部9から入力されたコマンドやデータ等を出力する機器であり、例えば液晶ディスプレイ(LCD)および有機ELディスプレイ等の表示装置や音声を出力するスピーカ等である。そして、本実施形態では、出力部10は、図3Bに示すように、前記表示部の一例として、標識情報SPを表示するヘッドアップディスプレイ(HUD、アクティブドライビングディスプレイ)を含む。このヘッドアップディスプレイは、運転席前方のフロントガラスに、標識情報SP等の情報を投影する装置である。なお、ヘッドアップディスプレイは、フロントガラスとステアリングホイールとの間におけるダシュボード上に配置されたコンバイナに情報を投影する装置であっても良い。
記憶部5は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、車両用道路標識情報表示装置を組み込んだ運転支援装置DSの各部1~3、5~10を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御する制御プログラムや、撮像装置2で撮像した画像に基づいて道路標識を認識して標識情報を取得する標識処理プログラムや、前記表示部(上述の例ではヘッドアップディスプレイ)を含む出力部10を制御する出力処理プログラム(表示処理プログラム)や、走行を制御する走行制御プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記各種の所定のデータには、前記表示部に表示する画面を表す画面情報、前記標識情報を表す標識情報画像、および、標識処理プログラムによって認識され取得された標識情報等の、各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。INFOスイッチ98の入力操作に応じて後述のように標識情報を一時的に表示する等のために、例えば、標識処理プログラムによって道路標識の種類ごとで最後(直近)に認識され取得された標識情報が記憶される。あるいは、例えば、前記認識され取得された時刻を付して(対応付けて)道路標識の各種類それぞれで複数の識別情報が記憶される。記憶部5は、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備える。そして、記憶部5は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆる制御処理部4のワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等を含む。そして、本実施形態では、記憶部5は、前記標識情報画像を記憶する標識情報画像記憶部51を機能的に含む。前記標識情報画像は、互いに異なる複数の最高速度それぞれに対応し、当該最高速度を表した複数の画像を含む。例えば、前記標識情報画像は、10km/hの間隔で、30km/hから130km/hまで、速度規制標識を模した複数の速度規制標識画像を含む。
制御処理部4は、車両用道路標識情報表示装置を組み込んだ運転支援装置DSの各部1~3、5~10を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、所定のタイミングで最高速度を含む標識情報を表示し、走行を制御するための回路である。制御処理部4は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成される。制御処理部4は、前記制御処理プログラムが実行されることによって、制御部41、標識処理部42、出力処理部(表示処理部)43および走行制御部44を機能的に含む。
制御部41は、車両用道路標識情報表示装置を組み込んだ運転支援装置DSの各部1~3、5~10を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、運転支援装置DS全体の制御を司るものである。制御部41は、入力部9の各スイッチ91~98に対する入力操作に応じて、後述のように所定の処理を実行する。
標識処理部42は、撮像装置2で撮像した画像に基づいて道路標識を認識して標識情報を取得するものである。例えば、前記特許文献1や特許文献2や特開2018-147393号公報等に開示されているように、撮像装置2で撮像した画像に、パターン認識やテンプレートマッチング等の画像処理技術を用いることによって、前記画像から、例えば速度規制標識等の道路標識が認識され、この認識した道路標識によって表された、例えば最高速度等の標識情報が取得される。標識処理部42は、この取得した標識情報を、上述のように記憶部5に記憶し、出力処理部43へ通知する。
出力処理部43は、前記表示部(上述の例ではヘッドアップディスプレイ)を含む出力部10を制御するものである。
より具体的には、LIMスイッチ91が入力操作されると、入力操作ごとに、第1表示モードと第2表示モードとが交互に切り換えられる。すなわち、第2表示モードである場合に、LIMスイッチ91が入力操作されると、第1表示モードがオンされ、第2表示モードがオフされ、次に、LIMスイッチ91が入力操作されると、第1表示モードがオフされ、第2表示モードがオンされる。
前記第1表示モードは、標識情報を、常時、前記表示部に表示するモードであり、この場合、出力処理部43は、標識処理部42で認識した道路標識によって表される標識情報を、常時、前記表示部に表示する。例えば、標識処理部42が速度規制標識を認識して出力処理部43へ通知した場合、出力処理部43は、この速度規制標識によって表された最高速度に対応する速度規制標識画像を、記憶部5の標識情報画像記憶部51に記憶されている複数の速度規制標識画像から選定(検索)し、この選定した速度規制標識画像を、第1表示モードの間、常時、前記表示部に表示する。
前記第2表示モードは、標識情報を、標識処理部42が前記画像から道路標識を認識した後、前記所定の表示終了条件を満たすまで、前記表示部に表示するモードであり、この場合、出力処理部43は、標識処理部42で認識した道路標識によって表される標識情報を、前記認識した後、所定の表示終了条件を満たすまで、前記表示部に表示する。例えば、標識処理部42が速度規制標識を認識して出力処理部43へ通知した場合、出力処理部43は、この速度規制標識によって表された最高速度に対応する速度規制標識画像を、記憶部5の標識情報画像記憶部51に記憶されている複数の速度規制標識画像から選定(検索)し、この選定した速度規制標識画像を、前記認識した後、所定の表示終了条件を満たすまで、前記表示部に表示する。本実施形態では、前記標識情報、この例では、速度規制標識画像の表示は、前記認識した後の自車両の走行距離が所定の距離に達した場合に、終了され、前記認識した後に自車両が右折したこと、および、前記認識した後に自車両が左折したことのうちのいずれか一方が満たされた場合に、終了され、所定の時間が経過した場合に、終了される。走行距離は、例えば、車速測定部3で測定した車速に基づいて求めることができる。右左折の有無は、例えば、操舵部8の操舵角を測定するセンサを設け、このセンサ出力によって検出できる。走行時間は、例えば、計時を行う時計部を制御処理部4に機能的に設け、この時計部の計時結果によって計ることができる。そして、前記標識情報が最高速度である場合、車速測定部3で測定した自車速と前記最高速度とが比較され、その速度規制標識画像の表示は、自車両の走行速度と前記最高速度との差が所定の閾値以上であって、かつ、前記自車両の周りを走行する他車両の走行速度と前記最高速度との差が前記閾値以上である場合に、終了される。
一方、INFOスイッチ98が入力操作されると、第3表示モードがオンされ、第1および第2表示モードがオフされる。そして、第3表示モードがオンされている場合に、LIMスイッチ91が入力操作されると、第1表示モードがオンされる。なお、第3表示モードがオンされている場合に、LIMスイッチ91が入力操作されると、前記第3表示モードがオンされる前に第1表示モードがオンであった場合、第2表示モードがオンされ、前記第3表示モードがオンされる前に第2表示モードがオンであった場合、第1表示モードがオンされても良い。すなわち、本実施形態では、LIMスイッチ91およびINFOスイッチ98に対する入力操作の状況に応じて、第1ないし第3表示モードのうちのいずれかのモードがオンされ、残余のモードがオフされる。
前記第3表示モードは、標識情報を、所定の第1時間だけ一時的に、前記表示部に表示するモードであり、この場合、出力処理部43は、標識処理部42で直近に認識した道路標識によって表され、記憶部5に記憶されている標識情報を、所定の第1時間だけ一時的に、前記表示部に表示する。例えば、標識処理部42で直近に認識した速度規制標識によって表される最高速度が記憶部5に記憶されている場合、INFOスイッチ98が入力操作されると、出力処理部43は、この記憶されている直近の最高速度に対応する速度規制標識画像を、記憶部5の標識情報画像記憶部51に記憶されている複数の速度規制標識画像から選定(検索)し、この選定した速度規制標識画像を、INFOスイッチ98の入力操作後、所定の第1時間だけ、前記表示部に表示する。したがって、前記第1時間が経過すると、前記表示部に表示された速度規制標識画像は、その画面から消去され、表示されない。なお、複数の種類の標識情報が記憶されている場合には、複数の標識情報のうちの所定数(例えば2個や3個等)が前記表示部に表示され、残余の標識情報は、スクロールによって、あるいは、前記第1時間の経過ごとに切り換えられて表示されて良い。この場合、最高速度が優先的に最初に表示されて良い。
走行制御部44は、走行を制御するものである。より具体的には、例えば、LIMスイッチ91が入力操作され、SET+スイッチ96やSET-スイッチ97の入力操作で走行速度の上限値が入力され、RESスイッチ95が入力操作されると、前記可変スピードリミッター機能が開始され、走行制御部44は、車速測定部3で測定した車速に基づいて、この走行速度の上限値を超えたスピードとならないように、動力部6a、動力伝達部6bおよび制動部7それぞれを制御する。この状態で、CANCELスイッチ94が入力操作されると、前記可変スピードリミッター機能が終了される。また例えば、TJAスイッチ92が入力操作され、SET+スイッチ96やSET-スイッチ97の入力操作で走行速度の上限値が入力され、RESスイッチ95が入力操作されると、前記TJA機能が開始され、走行制御部44は、撮像装置2で撮像した画像に基づいて、左右一対の白線内の車線を維持するように操舵部8を制御し、そして、レーダ装置1で測定した先行車両までの距離およびその相対速度、ならびに、車速測定部3で測定した車速に基づいて、先行車両に追従走行するために、上限値以下の車速で加減速するように、動力部6a、動力伝達部6bおよび制動部7それぞれを制御する。この状態で、CANCELスイッチ94が入力操作されると、前記TJA機能が終了される。また例えば、MRCCスイッチ93が入力操作され、SET+スイッチ96やSET-スイッチ97の入力操作で走行速度の上限値が入力され、RESスイッチ95が入力操作されると、前記MRCC機能が開始され、走行制御部44は、レーダ装置1で測定した先行車両までの距離およびその相対速度、ならびに、車速測定部3で測定した車速に基づいて、先行車両に追従走行するために、上限値以下の車速で加減速するように、動力部6a、動力伝達部6bおよび制動部7それぞれを制御する。
次に、本実施形態の動作について説明する。図5は、図1に示す、車両用道路標識情報表示装置を組み込んだ運転支援装置における入力部の入力操作に関する動作を示すフローチャートである。図6は、図1に示す、車両用道路標識情報表示装置を組み込んだ運転支援装置における道路標識の認識に関する動作を示すフローチャートである。図7は、図1に示す、車両用道路標識情報表示装置を組み込んだ運転支援装置における標識情報の表示に関する動作を示すフローチャートである。図8は、一例として、第1ないし第3表示モードにおける最高速度の表示例を説明するための図である。図8Aは、第1表示モードの場合を示し、図8Bは、第2表示モードの場合を示し、図8Cは、第3表示モードの場合を示す。
このような車両用道路標識情報表示装置を組み込んだ運転支援装置DSは、車両が稼働を始めると、必要な各部の初期化を実行し、その稼働を始める。その制御処理プログラムの実行によって、制御処理部4には、制御部41、標識処理部42、出力処理部(表示処理部)43および走行制御部44が機能的に構成される。
まず、入力部9における各スイッチ91~98の入力操作に関する動作について説明する。
図5において、制御処理部4は、制御部41によって、入力部9に対し入力操作されたか否かを判定する(S1)。この判定の結果、入力操作されていない場合(No)には、制御部41は、処理を処理S1に戻す。したがって、制御部41は、入力操作が有るまで処理S1を繰り返し実行する。一方、前記判定の結果、入力操作されている場合(Yes)には、制御部41は、次に、入力操作されたスイッチに応じた処理を実行する。すなわち、LIMスイッチ91が入力操作されている場合(LIM)、制御部41は、次に、処理S2aおよび処理S3aの各処理を実行した後に、処理S4を実行する。TJAスイッチ92が入力操作されている場合(TJA)、制御部41は、次に、処理S2bを実行した後に、処理S4を実行する。MRCCスイッチ93が入力操作されている場合(MRCC)、制御部41は、次に、処理S2cを実行した後に、処理S4を実行する。SET+スイッチ96が入力操作されている場合(SET+)、制御部41は、次に、処理S2dを実行した後に、処理S4を実行する。SET-スイッチ97が入力操作されている場合(SET-)、制御部41は、次に、処理S2eを実行した後に、処理S4を実行する。CANCELスイッチ94が入力操作されている場合(CANCEL)、制御部41は、次に、処理S2fを実行した後に、処理S4を実行する。RESスイッチ95が入力操作されている場合(RES)、制御部41は、次に、処理S2gを実行した後に、処理S4を実行する。INFOスイッチ98が入力操作されている場合(INFO)、制御部41は、次に、処理S2hおよび処理S3hの各処理を実行した後に、処理S4を実行する。そして、これら各スイッチ91~98を除く他のスイッチが入力操作されている場合(その他)、制御部41は、その入力操作されたスイッチに応じた所定の処理を実行し(S2i)、次に、処理S4を実行する。
前記LIMスイッチ91が入力操作されている場合において、前記処理S2aでは、制御処理部4は、制御部41によって、前記可変スピードリミッター機能における走行速度の上限値を変更可能な状態とし、前記可変スピードリミッター機能に関する入力操作待ちであることを記憶部5に記憶する。例えば、走行速度の上限値を変更可能な状態であるか否かを表すフラグ(変更可能フラグ)が立てられ、前記可変スピードリミッター機能に関する入力操作待ちであることを表すフラグ(入力待ちフラグ)が立てられる。例えば、変更可能である場合には前記変更可能フラグが“1”とされ、変更不可である場合には前記変更可能フラグが“0”とされる。例えば、前記可変スピードリミッター機能に関する入力操作待ちである場合には前記入力待ちフラグが“LIM”とされ、前記TJA機能に関する入力操作待ちである場合には前記入力待ちフラグが“TJA”とされ、前記MRCC機能に関する入力操作待ちである場合には前記入力待ちフラグが“MRCC”とされ、入力待ちではない場合には前記入力待ちフラグが“0”とされる。
前記処理S2aに続く前記処理3aでは、制御処理部4は、制御部41によって、LIMスイッチ91の入力操作ごとに、第1および第2表示モード間でモードを交互に切り替えて設定し、現在のモードを記憶部5に記憶する。例えば第1表示モードが設定され記憶されている場合には、制御部41は、第2表示モードに設定し、現在のモードとして第2表示モードを記憶部5に記憶する。第2表示モードが設定され記憶されている場合、あるいは、第3表示モードが設定され記憶されている場合には、制御部41は、第1表示モードに設定し、現在のモードとして第1表示モードを記憶部5に記憶する。
前記TJAスイッチ92が入力操作されている場合において、前記処理S2bでは、制御処理部4は、制御部41によって、前記TJA機能における走行速度の上限値を変更可能な状態とし、前記TJA機能に関する入力操作待ちであることを記憶部5に記憶する。
前記MRCCスイッチ93が入力操作されている場合において、前記処理S2cでは、制御処理部4は、制御部41によって、前記MRCC機能における走行速度の上限値を変更可能な状態とし、前記MRCC機能に関する入力操作待ちであることを記憶部5に記憶する。
前記SET+スイッチ96が入力操作されている場合において、前記処理S2dでは、制御処理部4は、制御部41によって、記憶部5を参照し、前記可変スピードリミッター機能、前記TJA機能および前記MRCC機能のうちの入力操作待ちである運転支援機能に対応する走行速度の上限値を1km/hだけ繰り上げる(上限値←上限値+1)。
前記SET-スイッチ97が入力操作されている場合において、前記処理S2eでは、制御処理部4は、制御部41によって、記憶部5を参照し、前記可変スピードリミッター機能、前記TJA機能および前記MRCC機能のうちの入力操作待ちである運転支援機能に対応する走行速度の上限値を1km/hだけ繰り下げる(上限値←上限値-1)。
前記CANCELスイッチ94が入力操作されている場合において、前記処理S2fでは、制御処理部4は、制御部41によって、記憶部5を参照し、前記可変スピードリミッター機能、前記TJA機能および前記MRCC機能のうち、実行中の運転支援機能を走行制御部44に終了(解除)させる。
前記RESスイッチ95が入力操作されている場合において、前記処理S2gでは、制御処理部4は、制御部41によって、記憶部5を参照し、前記可変スピードリミッター機能、前記TJA機能および前記MRCC機能のうちの入力操作待ちである運転支援機能を走行制御部44に開始させ、その入力待ちであることを終了する(上述の例では前記変更可能フラグが“0”とされ、前記入力待ちフラグが“0”とされる)。
前記INFOスイッチ98が入力操作されている場合において、前記処理S2hでは、制御処理部4は、制御部41によって、走行情報を出力処理部43に表示させる。より具体的には、本実施形態では、前記走行情報は、瞬間燃費、平均燃費、走行距離および区間走行距離の複数であるので、出力処理部43は、これら複数の走行情報をINFOスイッチ98の入力操作ごとにサイクリックに順に前記表示部に表示する。より詳しくは、瞬間燃費を前記表示部に表示している場合に、INFOスイッチ98が入力操作されると、今回の処理S2hでは、出力処理部43は、平均燃費を前記表示部に表示する。平均燃費を前記表示部に表示している場合に、INFOスイッチ98が入力操作されると、今回の処理S2hでは、出力処理部43は、走行距離を前記表示部に表示する。以下同様に、INFOスイッチ98の入力操作ごとに、区間走行距離→瞬間燃費→平均燃費→走行距離→区間走行距離→・・・のように、複数の走行情報が順次にサイクリックに前記表示部に表示される。なお、この走行情報が表示される前記表示部は、上述の図3Bに示すヘッドアップディスプレイであって良く、あるいは、図3Aに示すスピードメータ等を表示した表示装置であって良く、あるいは、図略の表示装置であって良い。
前記処理S2hに続く前記処理3hでは、制御処理部4は、制御部41によって、第3表示モードを設定し、現在のモードとして第3表示モードを記憶部5に記憶し、INFOスイッチ98が入力操作されたことを出力処理部43に通知する。
そして、前記処理S3a、処理S2b、処理S2c、処理S2d、処理S2e、処理S2f、処理S2g、処理S2hおよび処理S2iのいずれかに続く処理S4では、制御処理部4は、制御部41によって、例えば車両の稼働をオンオフするスイッチの入力操作等によって、その稼働の終了が指示されているか否かを判定する。この判定の結果、前記稼働の終了が指示されている場合(Yes)では、制御部41は、本処理を終了して稼働を終了し、一方、前記判定の結果、前記稼働の終了が指示されていない場合(No)では、制御部41は、処理を処理S1に戻す。
入力部9における各スイッチ91~98の入力操作に関し、制御処理部4は、このように動作する。
次に、道路標識の認識に関する動作について説明する。車両用道路標識情報表示装置を組み込んだ運転支援装置DSは、所定のサンプリング間隔(例えば1/15秒間隔や1/24秒間隔や1/30秒間隔等)ごとに、次のように動作することで、道路標識が認識され、その標識情報が取得される。
図6において、まず、制御処理部4は、標識処理部42によって、撮像装置2で撮像され生成された画像(画像データ)を、撮像装置2から取得する(S11)。
次に、制御処理部4は、標識処理部42によって、道路標識を認識し、その標識情報を取得する(S12)。より具体的には、標識処理部42は、道路標識を検出するために、処理S11で取得した画像に、テンプレートマッチング等の画像処理を実施する。これにより、前記画像に道路標識が含まれる場合、標識処理部42によって、前記画像から、例えば速度規制標識等の道路標識が認識され、この認識された道路標識によって表された、例えば最高速度等の標識情報が取得される。一方、前記画像に道路標識が含まれない場合、道路標識が認識されず、標識情報が取得されない。
次に、制御処理部4は、標識処理部42によって、処理S12で道路標識を認識(検出)したか否かを判定する(S13)。この判定の結果、道路標識を認識(検出)していない場合(No)には、標識処理部42は、今回の本処理を終了し、一方、道路標識を認識(検出)している場合(Yes)には、標識処理部42は、次に、処理S14および処理S15の各処理を順次に実行し、今回の本処理を終了する。
この処理S14では、制御処理部4は、標識処理部42によって、道路標識を認識(検出)したことを出力処理部43へ通知し、処理S12で認識して取得した標識情報を上述のように記憶部5に記憶する。
前記処理S14に続く、処理S15では、制御処理部4は、処理S12で認識した道路標識に応じた所定の処理を実行する。例えば、処理S12で認識した道路標識が速度規制標識である場合であって、運転支援機能で設定された走行速度の上限値が前記速度規制標識によって表された最高速度より所定の速度閾値(例えば15km/hや20km/hや30km/h等)以上である場合に、出力処理部43は、前記設定された走行速度の上限値が走行中の道路における最高速度から大きく乖離している警告(メッセージ)を前記表示部に表示する。また例えば、処理S12で認識した道路標識が車両進入禁止の規制標識である場合であって、その道路に進入しようと操舵を始めた場合に、出力処理部43は、その道路に進入できない警告(メッセージ)を前記表示部に表示する。なお、この処理S15は、省略されても良い。
道路標識の認識に関し、制御処理部4は、このように動作する。
次に、標識情報の表示に関する動作について説明する。
図7において、制御処理部4は、出力処理部43によって、制御部41による処理S3hの通知、すなわち、INFOスイッチ98が入力操作されたことの通知が有るか否かを判定する(S21)。この判定の結果、前記通知が有る場合(Yes)には、出力処理部43は、次に、処理S22を実行した後に、処理S23を実行し、一方、前記判定の結果、前記通知が無い場合(No)には、出力処理部43は、次に、処理S23を実行する。
この処理S22では、制御処理部4は、出力処理部43によって、記憶部5を参照し、上述の処理S14で記憶部5に記憶された標識情報を、所定の第1時間だけ一時的に、前記表示部に表示する。例えば、標識情報が最高速度である場合、出力処理部43は、この最高速度に対応する速度規制標識画像を、標識情報画像記憶部51に記憶されている複数の速度規制標識画像から選定(検索)し、この選定した速度規制標識画像を、所定の第1時間だけ一時的に、前記表示部に表示する。
前記処理S23では、制御処理部4は、出力処理部43によって、標識処理部42による処理S14の通知、すなわち、道路標識を認識(検出)したことの通知が有るか否かを判定する。この判定の結果、前記通知が有る場合(Yes)には、出力処理部43は、次に、処理S24を実行し、一方、前記判定の結果、前記通知が無い場合(No)には、出力処理部43は、処理S21に戻す。
この処理S24では、制御処理部4は、出力処理部43によって、記憶部5を参照し、表示のモードを判定する。この判定の結果、第1表示モードである場合(第1表示モード)には、出力処理部43は、次に、処理S25aを実行した後に、処理S28を実行する。前記判定の結果、第2表示モードである場合(第2表示モード)には、出力処理部43は、次に、処理S25b、処理S26および処理S27の各処理を実行した後に、処理S28を実行する。前記判定の結果、第3表示モードである場合(第3表示モード)には、出力処理部43は、次に、処理S28を実行する。
この処理S25aでは、制御処理部4は、出力処理部43によって、記憶部5を参照し、上述の処理S14で記憶部5に記憶された標識情報を、第1表示モードの間、常時、前記表示部に表示する。なお、同種の標識情報が既に前記表示部に表示されている場合には、標識情報が上書きされ、更新される。例えば、標識情報が最高速度である場合、出力処理部43は、この最高速度に対応する速度規制標識画像を、標識情報画像記憶部51に記憶されている複数の速度規制標識画像から選定(検索)し、この選定した速度規制標識画像を、第1表示モードの間、常時、前記表示部に表示する。
前記処理S25bでは、制御処理部4は、出力処理部43によって、記憶部5を参照し、上述の処理S14で記憶部5に記憶された標識情報を前記表示部に表示し、次に、処理S26を実行する。この処理S25bの実行によって標識情報の表示が開始される。
前記処理S25bに続く処理S26では、出力処理部43は、前記所定の表示終了条件を充足したか否かを判定する。この判定の結果、前記所定の表示終了条件を充足していない場合(No)には、出力処理部43は、処理を処理S26に戻す。したがって、出力処理部43は、前記所定の表示終了条件を充足するまで処理S26を繰り返し実行する。一方、前記判定の結果、前記所定の表示終了条件を充足している場合(Yes)には、出力処理部43は、次に、処理S27を実行する。
この処理S27では、制御処理部4は、出力処理部43によって、前記処理S25bで表示を開始した標識情報の表示を終了する。
例えば、標識情報が最高速度である場合、処理S25bにおいて、出力処理部43は、この最高速度に対応する速度規制標識画像を、標識情報画像記憶部51に記憶されている複数の速度規制標識画像から選定(検索)し、この選定した速度規制標識画像を、前記表示部に表示してその表示を開始し、処理S26において、前記所定の表示終了条件が充足されると、処理S27において、出力処理部43は、速度規制標識画像の表示を終了する。
そして、前記処理S25a、処理S27および処理S24のいずれかに続く処理S28では、制御処理部4は、出力処理部43によって、上述の処理S4と同様に、車両の稼働の終了が指示されているか否かを判定する。この判定の結果、前記稼働の終了が指示されている場合(Yes)では、出力処理部43は、本処理を終了して稼働を終了し、一方、前記判定の結果、前記稼働の終了が指示されていない場合(No)では、出力処理部43は、処理を処理S21に戻す。
標識情報の表示に関し、制御処理部4は、このように動作する。
一例として、走行中に、速度規制標識が認識され、速度規制標識画像(標識情報としての最高速度)が表示される場合を説明する。
第1に、例えば第2表示モードが設定されている場合等に、LIMスイッチ91が入力操作され、処理S1、処理S2aおよび処理S3aの各処理が実行されることにより、第1表示モードが設定されている場合に、処理S11ないし処理S15の各処理が所定のサンプリング間隔で繰り返し実行され、図8Aに示すように、時点T11で、最高速度80km/hの速度規制標識が認識されると、処理S21、処理S23、処理S24および処理S25aの各処理が実行され、80km/hの速度規制標識画像が前記表示部に表示される。この80km/hの速度規制標識画像は、第1表示モード中、常時、表示され、図8Aに示すように、時点T11後の時点T12でも表示され続ける。そして、処理S11ないし処理S15の各処理が所定のサンプリング間隔で繰り返し実行され、図8Aに示すように、時点T13で、最高速度50km/hの速度規制標識が認識されると、処理S21、処理S23、処理S24および処理S25aの各処理が実行され、50km/hの速度規制標識画像が前記表示部に表示される。このように第1表示モードでは、次の速度規制標識が認識されるまで、直近に認識した速度規制標識の最高速度に対応する速度規制標識画像が常時、表示される。
第2に、例えば第1表示モードが設定されている場合等に、LIMスイッチ91が入力操作され、処理S1、処理S2aおよび処理S3aの各処理が実行されることにより、第2表示モードが設定されている場合に、処理S11ないし処理S15の各処理が所定のサンプリング間隔で繰り返し実行され、図8Bに示すように、時点T21で、最高速度80km/hの速度規制標識が認識されると、処理S21、処理S23、処理S24および処理S25bの各処理が実行され、80km/hの速度規制標識画像が前記表示部に表示される。続いて、処理S26が所定の表示終了条件を満たすまで繰り返し実行され、時点T21後の時点T22で前記所定の表示終了条件を満たすと、処理S27が実行され、図8Bに示すように、80km/hの速度規制標識画像の表示が終了される。そして、処理S11ないし処理S15の各処理が所定のサンプリング間隔で繰り返し実行され、図8Bに示すように、時点T33で、最高速度50km/hの速度規制標識が認識されると、上述同様に、処理S21、処理S22、処理S24、処理S25b、処理S26および処理S27の各処理が実行され、50km/hの速度規制標識画像が前記所定の表示終了条件を満たすまで前記表示部に表示される。このように第2表示モードでは、速度規制標識が、その認識されるごとに、前記所定の表示終了条件を満たすまで前記表示部に表示される。
なお、これら第1および第2の場合において、上述では、80km/hの速度規制標識が認識された後に、最高速度の異なる50km/hの速度規制標識が認識されたが、80km/hの速度規制標識が認識された後に、最高速度の同じ80km/hの速度規制標識が認識されても、同様に、各処理が実行され、同様に動作が行われる(この場合では、表示に変化がない)。
第3に、過去(後述の時点T31以前)にINFOスイッチ98が入力操作され、処理S1、処理S2hおよび処理S3hの各処理が実行されることにより、第3表示モードが設定されている場合に、処理S11ないし処理S15の各処理が所定のサンプリング間隔で繰り返し実行され、図8Cに示すように、時点T31で、最高速度80km/hの速度規制標識が認識されると、処理S21、処理S23および処理S24の各処理が実行され、80km/hの速度規制標識画像は、前記表示部に表示されない。そして、図8Cに示すように、時点T31後の時点T32でINFOスイッチ98が入力操作されると、処理S1、処理S2hおよび処理S3hの各処理が実行され、続いて、処理S21および処理S22の各処理が実行され、80km/hの速度規制標識画像が所定の第1時間だけ前記表示部に表示される。図8Cに示すように、時点T32後の前記所定の第1時間よりも経過した時点T33では、既に、80km/hの速度規制標識画像が表示されておらず、処理S11ないし処理S15の各処理が所定のサンプリング間隔で繰り返し実行され、この時点T33で、最高速度50km/hの速度規制標識が認識されると、処理S21、処理S23および処理S24の各処理が実行され、50km/hの速度規制標識画像は、前記表示部に表示されない。このように第3表示モードでは、INFOスイッチ98が入力操作された場合だけ、直近に認識した速度規制標識の最高速度に対応する速度規制標識画像が一時的に表示される。
以上、説明したように、本実施形態における、運転支援装置DSに組み込まれた車両用道路標識情報表示装置は、前記第1スイッチと兼用される前記常時表示オンスイッチ(上述の例ではLIMスイッチ91)だけでなく、前記第2スイッチと兼用される前記一時表示オンスイッチ(上述の例ではINFOスイッチ98)を備えるので、前記標識情報を、常時表示させるだけでなく、一時的に表示させることも可能となるから、標識情報の表示による煩わしさを低減できる。上記車両用道路標識情報表示装置は、前記常時表示オンスイッチおよび前記一時表示オンスイッチを既存の前記第1および第2スイッチと兼用させるので、スイッチの増設を必要としない。
上記車両用道路標識情報表示装置は、走行速度を制御する運転支援機能に対し所定の入力操作を実施するための第1スイッチと前記常時表示オンスイッチとを兼用するので、前記第1スイッチを入力操作するだけで、前記運転支援機能に対する入力操作を実施する際に参考となる標識情報も、常時、表示できる。本実施形態では、前記第1スイッチがLIMスイッチ91であるので、前記第1スイッチを入力操作するだけで、走行速度の上限値を入力する際に参考となる、最高速度等の標識情報も、常時、表示できる。
上記車両用道路標識情報表示装置は、前記第1スイッチがさらに前記表示自動オフスイッチとさらに兼用されるので、前記標識情報を、常時表示させるだけでなく、道路標識を認識した際に、前記所定の表示終了条件を満たすまで、一時的に表示させることも可能となるから、標識情報の表示による煩わしさを低減できる。
上記車両用道路標識情報表示装置は、認識した最高速度と自車両および他車両それぞれの各走行速度とが前記閾値以上、乖離している場合に、前記認識した最高速度の表示を終了する。このため、例えば誤認識の場合に、上記車両用道路標識情報表示装置は、前記認識した最高速度の表示を終了できる。また例えば誤認識ではない場合でも、事故を防止するために、他車両の流れに合わせた速度で自車両を走行させているけれども、最高速度を超えているため、前記最高速度の表示を続けていると、運転者は、心理的な圧迫を感じる場合があるから、上記車両用道路標識情報表示装置は、前記認識した最高速度の表示を終了することで、このような心理的な圧迫を解消できる。
上記車両用道路標識情報表示装置は、前記認識した後の自車両の走行距離が所定の距離に達した場合に、前記認識した標識情報の表示を終了し、前記認識した後に、所定の時間が経過した場合に、前記認識した標識情報の表示を終了する。このため、搭乗者が標識情報を認識する時間を確保できる一方、標識情報の表示による煩わしさを低減できる。
右折した場合や左折した場合、右折する前や左折する前に認識した標識情報が、右折後の走行路や左折後の走行路に適用される標識情報と異なる可能性があるが、上記車両用道路標識情報表示装置は、前記認識した後に自車両が右折したこと、および、前記認識した後に自車両が左折したことのうちのいずれか一方を満たす場合に、前記認識した標識情報の表示を終了するので、不適切な標識情報の表示が回避できる。
また、本実施形態によれば、INFOスイッチ98と前記一時表示オンスイッチとを兼用した車両用道路標識情報表示装置が提供できる。
なお、上述の実施形態では、前記第1スイッチ(上述の例ではLIMスイッチ91)は、前記表示自動オフスイッチとさらに兼用されたが、前記表示自動オフスイッチの兼用に代え、前記認識した道路標識によって表される標識情報を、常時、前記表示部に表示させない指示を入力するための常時表示オフスイッチと兼用されても良い。あるいは、TJAスイッチ92またはMRCCスイッチ93が、前記常時表示オフスイッチとさらに兼用されても良い。このような車両用道路標識情報表示装置は、前記標識情報を、常時表示させるだけでなく、前記標識情報を、常時表示させないことも可能となるから、標識情報の表示による煩わしさを低減できる。また、前記常時表示オフスイッチによって標識情報が、常時、非表示とされている場合に、INFOスイッチ98が入力操作された場合に、例外的に、標識情報を一時的に表示するように、上記車両用道路標識情報表示装置が構成されても良い。このような車両用道路標識情報表示装置は、例外的に、標識情報を参照したいという搭乗者の要望に応えることができる。
また、上述の実施形態では、前記表示自動オフスイッチがLIMスイッチ91と兼用されたが、LIMスイッチ91は、前記常時表示オンスイッチとのみ兼用され、前記表示自動オフスイッチは、TJAスイッチ92またはMRCCスイッチ93と兼用されても良い。
また、上述の実施形態では、LIMスイッチ91およびINFOスイッチ98に対する入力操作の状況に応じて、第1ないし第3表示モードのうちのいずれかのモードがオンされ、残余のモードがオフされたが、第2表示モードである場合に、INFOスイッチ98が入力操作された場合、第3表示モードが実行された後に、モードが第2表示モードに戻され、第2表示モードが実行されても良い。すなわち、第2表示モードに第3表示モードがミックされても良い。
また、上述の実施形態において、第1表示モードの場合に、次に道路標識を認識して標識情報を取得するまで、常時、表示中の標識情報を強制的に表示させない指示を入力するための一時強制表示オフスイッチがあって良く、この一時強制表示オフスイッチが前記複数のスイッチのうちの第1および第2スイッチと異なる第3スイッチと兼用されても良い。このような車両用道路標識情報表示装置は、搭乗者が標識情報の誤認識に気付いた場合や表示を煩わしく感じた場合に、表示中の標識情報の表示を一時的に強制的に終了できる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。