JP7356644B2 - 高分子光重合増感剤 - Google Patents

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Description

本発明は、エステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマー及びその製造法並びにエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーを含有する光重合増感剤に関する。
紫外線や可視光線等の活性エネルギー線により重合する光硬化性樹脂は、硬化が速く、熱硬化性樹脂に比べ有機溶剤の使用量を大幅に減らすことができることから、作業環境の改善、環境負荷を低減することができるという点で優れている。従来の光硬化性樹脂はそれ自体では重合開始機能が乏しく、硬化させるには通常、光重合開始剤を用いる必要がある。光重合開始剤として、ヒドロキシアセトフェノンやベンゾフェノン等のアルキルフェノン系重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤又はオニウム塩などが用いられる(特許文献1、2、3)。これら光重合開始剤の内でオニウム塩系開始剤を用いる場合、オニウム塩の光吸収は225nm~350nm付近にあり、350nm以上には吸収を持たないため、350nm以上の長波長のランプを光源とした場合、光硬化反応が進行しにくいなどの問題があり、光重合増感剤を添加するのが一般的である。同様に、アルキルフェノン系重合開始剤等の光重合開始剤も、350nm以上に吸収を持たないものが多い。これらの光重合開始剤に対する光重合増感剤としては、アントラセン化合物、チオキサントン化合物が知られており、色目の問題などで、特にアントラセン化合物が用いられることが多い(特許文献4)。
アントラセン系の光重合増感剤としては、9,10-ジアルコキシアントラセン化合物が用いられている。例えば、光重合における光重合開始剤であるヨードニウム塩に対し、光重合増感剤として9,10-ジブトキシアントラセンや9,10-ジエトキシアントラセンなどの9,10-ジアルコキシアントラセン化合物が使用されている(特許文献5、6、7、8)。
しかしながら、この9,10-ジアルコキシアントラセン化合物は光硬化前の光重合性組成物あるいは光硬化後の硬化物の保存中にブルーミングにより、光重合増感剤等が表面ににじみ出し、硬化物の粉吹きや着色の問題を引き起こすことが知られている。
光重合性組成物については、例えば、フィルムとフィルムを接着する光接着剤の一成分としてこれらの光重合増感剤を使用する場合、光重合増感剤が上部に被せたフィルムに移行する(マイグレーション)ことがあり、上部フィルム上に光重合増感剤の粉吹きや着色の問題を引き起こす場合がある。
また、プリント配線板の製造、リードフレームの製造、メタルマスク製造などの加工に用いられるドライフィルムレジストが用いられているが、405nm半導体レーザ対応のレジストが求められており、該波長に対応するために光重合増感剤として、チオキサントンや9,10-ジアルコキシアントラセン化合物が用いられている。しかし、ドライフィルムレジストは感光性樹脂組成物上にカバーフィルムを被せた状態で保管・取引されるが、このカバーフィルムなどにポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムが用いられており、該フィルムに光重合増感剤がマイグレーションし増感効果が低下したり、フィルム上に粉吹きを起こしたりする問題がある(特許文献9)。
このような光重合増感剤のマイグレーションを抑えるために、極性基であるエステル基を9,10-ジアルコキシアントラセン化合物のアルコキシ基に導入した9,10-ビス(2-アシルオキシアルコキシ)アントラセン化合物が報告されている(特許文献10)。しかしながら、該9,10-ビス(2-アシルオキシアルコキシ)アントラセン化合物は、製造時に酸化アルキレン化合物を用いる工程があり、工程数が増えるためコストアップにつながるだけでなく、該酸化アルキレン化合物特に酸化エチレンの入手困難さ・取扱い難さが該9,10-ビス(2-アシルオキシアルコキシ)アントラセン化合物の製造上大きな問題となっている。
また、9,10-ジアルコキシアントラセン化合物のアルコキシ基をアシル基に変えた化合物等が開発されているが、マイグレーション性は改善されるが、アルコキシ基の電子供与性が低下するため、吸収波長が低波長側にシフトしてしまうという問題がある(特許文献11)。
また、本発明者らは、光重合増感効果を示し、かつマイグレーションなどを起こし難い化合物として、9,10-ビス(置換アルコキシ)アントラセン化合物のオリゴマーを開示している(特許文献12)。しかしながら、当該9,10-ビス(置換アルコキシ)アントラセン化合物のオリゴマーは、オリゴマー合成のための原料として9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物のほかに酸化アルキレンを用いるが、入手できる酸化アルキレンが限られているうえ、入手が容易な酸化アルキレンは、毒性も高くかつ沸点が低く引火性も高く取り扱いが困難であるうえ、9,10-ビス(置換アルコキシ)アントラセン化合物合成反応において加熱処理が必要であるため、最も入手しやすい酸化エチレンを用いる場合においては、オートクレーブ等の加圧密閉容器が必要となり、特殊な製造設備が必要となるという課題が残されていた。また、オリゴマー化反応において、原料となる9,10-ビス(置換アルコキシ)アントラセン化合物の溶解度が低く高温条件が必要となるなどの課題も残されていた。
特開平06-345614号公報 特開平07-062010号公報 特開平05-249606号公報 特開平10-195117号公報 特開2002-302507号公報 特開平11-279212号公報 特開2000-344704号公報 WO2007/126066号公報 特許4605223号公報 特開2014-031346号公報 特開2014-101442号公報 特開2017-114849号公報
そこで、光硬化時あるいは硬化物の保存中において、耐マイグレーション性を有し、硬化物の粉吹きや着色の問題を引き起こすことがないだけでなく、入手容易な原料を使用し実用的な製造法で得ることができる新しい光重合増感剤の開発が求められている。
本発明者らは、アントラセン化合物の構造と物性に関してさらに鋭意検討した結果、本発明に示す、エステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマーが、光重合反応において光重合増感剤として優れた効果を示すと同時に、本発明のオリゴマーは、入手容易な化合物を原料とし、かつマイルドな条件で製造でき、更に本発明のオリゴマーを光重合増感剤として用いた場合には、オリゴマーであることによりマイグレーション及びブルーミングを起こし難くなることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の要旨は、繰り返し単位が下記一般式(1)で表されるエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマーに存する。
一般式(1)において、nは繰り返し数を表し2~50であり、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。また、X、Xは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から5のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、炭素数1から5のアルキルアミノ基、炭素数6から10のアリールアミノ基、メルカプト基、炭素数1から5のアルキルスルフィド基、炭素数6から10のアリールスルフィド基、ハロゲン原子、又は、XとXは互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよく、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を挟んで環を形成してもよく、形成した環は更に置換基を有していてもよい。Yは水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子のいずれかを表す。
本発明の第2の要旨は、繰り返し単位が下記一般式(2)で表されるエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーに存する。
一般式(2)において、nは繰り返し数を表し2~50であり、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。X、Yは同一であっても異なってもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子を表す。
本発明の第3の要旨は、一般式(2)においてAがメチレン基である、第2の要旨に記載の9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーに存する。
本発明の第4の要旨は、下記一般式(4)で表される1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物と下記一般式(3)で表される二官能性化合物とを反応させることを特徴とする繰り返し単位が下記一般式(1)で表されるエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマーの製造法に存する。
一般式(4)において、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基を表し、該アルキル基はヒドロキシ基で置換されていてもよい。また、X、Xは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から5のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、炭素数1から5のアルキルアミノ基、炭素数6から10のアリールアミノ基、メルカプト基、炭素数1から5のアルキルスルフィド基、炭素数6から10のアリールスルフィド基、ハロゲン原子、又は、XとXは互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよく、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を挟んで環を形成してもよく、形成した環は更に置換基を有していてもよい。Yは水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子のいずれかを表す。
一般式(3)において、Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。Zはヒドロキシ基、ハロゲン原子、グリシジルオキシ基を表す。
一般式(1)において、nは繰り返し数を表し2~50であり、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。また、X、Xは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から5のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、炭素数1から5のアルキルアミノ基、炭素数6から10のアリールアミノ基、メルカプト基、炭素数1から5のアルキルスルフィド基、炭素数6から10のアリールスルフィド基、ハロゲン原子、又は、XとXは互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよく、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を挟んで環を形成してもよく、形成した環は更に置換基を有していてもよい。Yは水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子のいずれかを表す。
本発明の第5の要旨は、下記一般式(5)で表される9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物と下記一般式(3)で表される二官能性化合物とを反応させることを特徴とする繰り返し単位が下記一般式(2)で表されるエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーの製造法に存する。
一般式(5)において、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基を表し、該アルキル基はヒドロキシ基で置換されていてもよい。X、Yは同一であっても異なってもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子を表す。
一般式(3)において、Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。Zはヒドロキシ基、ハロゲン原子、グリシジルオキシ基を表す。
一般式(2)において、nは繰り返し数を表し2~50であり、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。X、Yは同一であっても異なってもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子を表す。
本発明の第6の要旨は、一般式(2)においてAがメチレン基である、第5の要旨に記載の9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーの製造法に存する。
本発明の第7の要旨は、下記一般式(14)で表される1,4-ジヒドロキシナフタレン化合物と下記一般式(13)で表される二官能性化合物とを反応させることを特徴とする繰り返し単位が下記一般式(1)で表されるエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマーの製造法に存する。
一般式(14)において、X、Xは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から5のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、炭素数1から5のアルキルアミノ基、炭素数6から10のアリールアミノ基、メルカプト基、炭素数1から5のアルキルスルフィド基、炭素数6から10のアリールスルフィド基、ハロゲン原子、又は、XとXは互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよく、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を挟んで環を形成してもよく、形成した環は更に置換基を有していてもよい。Yは水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子のいずれかを表す。
一般式(13)において、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。また、Gは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。
一般式(1)において、nは繰り返し数を表し2~50であり、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。また、X、Xは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から5のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、炭素数1から5のアルキルアミノ基、炭素数6から10のアリールアミノ基、メルカプト基、炭素数1から5のアルキルスルフィド基、炭素数6から10のアリールスルフィド基、ハロゲン原子、又は、XとXは互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよく、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を挟んで環を形成してもよく、形成した環は更に置換基を有していてもよい。Yは水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子のいずれかを表す。
本発明の第8の要旨は、下記一般式(15)で表される9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物と下記一般式(13)で表される二官能性化合物とを反応させることを特徴とする繰り返し単位が下記一般式(2)で表されるエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーの製造法に存する。
一般式(15)において、X、Yは同一であっても異なってもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子を表す。
一般式(13)において、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。また、Gは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。
一般式(2)において、nは繰り返し数を表し2~50であり、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。X、Yは同一であっても異なってもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子を表す。
本発明の第9の要旨は、一般式(2)においてAがメチレン基である、第8の発明に記載の9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーの製造法に存する。
本発明の第10の要旨は、繰り返し単位が下記一般式(1)で表されるエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマーを含有する光重合増感剤に存する。
一般式(1)において、nは繰り返し数を表し2~50であり、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。また、X、Xは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から5のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、炭素数1から5のアルキルアミノ基、炭素数6から10のアリールアミノ基、メルカプト基、炭素数1から5のアルキルスルフィド基、炭素数6から10のアリールスルフィド基、ハロゲン原子、又は、XとXは互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよく、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を挟んで環を形成してもよく、形成した環は更に置換基を有していてもよい。Yは水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子のいずれかを表す。
本発明の第11の要旨は、繰り返し単位が下記一般式(2)で表されるエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーを含有する光重合増感剤に存する。
一般式(2)において、nは繰り返し数を表し2~50であり、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。X、Yは同一であっても異なってもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子を表す。
本発明の第12の要旨は、一般式(2)においてAがメチレン基である、第7の要旨に記載の9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーを含有する光重合増感剤に存する。
本発明の第13の要旨は、第10の要旨乃至第12の要旨のいずれかひとつに記載の光重合増感剤と、光重合開始剤とを含有する光重合開始剤組成物に存する。
本発明の第14の要旨は、第13の要旨に記載の光重合開始剤組成物と、光カチオン重合性化合物とを含有する光重合性組成物に存する。
本発明の第15の要旨は、第13の要旨に記載の光重合開始剤組成物と、光ラジカル重合性化合物とを含有する光重合性組成物に存する。
本発明の第16の要旨は、第14の要旨又は第15の要旨に記載の光重合性組成物を、300nmから500nmの波長範囲の光を含むエネルギー線を照射することにより重合させる重合方法に存する。
本発明の第14の要旨は、300nmから500nmの波長範囲の光を含むエネルギー線の照射源が、中心波長が365nm、375nm、385nm、395nm又は405nmの紫外LEDであることを特徴とする、第13の要旨に記載の重合方法に存する。
本発明のエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーは、光重合反応において、光重合増感剤としての高い効果を有するだけでなく、本発明の化合物を光重合増感剤として含有する光重合性組成物及び硬化物について、光重合増感剤のマイグレーションあるいはブルーミングの程度がきわめて低いという有用な化合物である。また製造法においても、入手困難で取扱い難い酸化アルキレン化合物を用いる必要がなく、入手及び取扱い容易な化合物を原料とし、かつ温和な条件で製造でき、製造工程も容易であり、安価に製造できる。
(化合物)
本発明のエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマーは、繰り返し単位が下記一般式(1)で表される化合物である。
一般式(1)において、nは繰り返し数を表し2~50であり、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。また、X、Xは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から5のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、炭素数1から5のアルキルアミノ基、炭素数6から10のアリールアミノ基、メルカプト基、炭素数1から5のアルキルスルフィド基、炭素数6から10のアリールスルフィド基、ハロゲン原子、又は、XとXは互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよく、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を挟んで環を形成してもよく、形成した環は更に置換基を有していてもよい。Yは水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子のいずれかを表す。
上記一般式(1)において、XとXが互いに結合して不飽和の環を形成し、当該不飽和の環が芳香環である場合には、上記一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(2)で表される化合物となる。
一般式(2)において、nは繰り返し数を表し2~50であり、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。X、Yは同一であっても異なってもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子を表す。
一般式(1)又は(2)において、Aで表される炭素数1から20のアルキレン基としては、メチレン基、メチルメチレン基、エチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、イコシレン基が挙げられ、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。
一般式(1)において、X、X又はYで、一般式(2)において、X又はYで表される炭素数1から8のアルキル基又はアルケニル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、n-ペンチル基、i-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、4-メチル-3-ペンテニル基等が挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
一般式(1)又は(2)において、Dで表される炭素数1から20のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、メチルエチレン基、エチルエチレン基、プロピレン基、1-メチルプロピレン基、2-メチルプロピレン基、2,2-ジメチルプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、3-メチルペンチレン基、2,4-ジエチルペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、イコシレン基等が挙げられ、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。アルキレン基の炭素原子が酸素原子等で置換されたアルキレン基の例としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基などのポリオキシアルキレン基などが挙げられる。
一般式(1)又は(2)において、Dで表される炭素数6から20のアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられ、該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。
本発明の一般式(2)で表されるエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーの具体例として、まず一般式(2)においてAがメチレン基である下記一般式(6)の化合物の具体例を表1、2及び3に示す。以下の表中、式中のmは1~30を表す。
一般式(6)において、nは繰り返し数を表し2~50であり、Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。X、Yは同一であっても異なってもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子を表す。
一般式(6)以外の一般式(2)の具体例としては、一般式(6)において例示した具体例において、Aの部分が、メチレン基ではなく、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、イコシレン基によって置き換わった化合物が挙げられる。
更に、一般式(2)以外の一般式(1)の具体例としては、一般式(1)においてAがメチレン基である下記一般式(10)の化合物の具体例を表4、5及び6に示す。
一般式(10)において、nは繰り返し数を表し2~50であり、Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。また、X、Xは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から5のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、炭素数1から5のアルキルアミノ基、炭素数6から10のアリールアミノ基、メルカプト基、炭素数1から5のアルキルスルフィド基、炭素数6から10のアリールスルフィド基、ハロゲン原子、又は、XとXは互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよく、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を挟んで環を形成してもよく、形成した環は更に置換基を有していてもよい。Yは水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子のいずれかを表す。
一般式(10)以外の一般式(1)の具体例としては、一般式(10)において例示した具体例において、Aの部分が、メチレン基ではなく、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、イコシレン基によって置き換わった化合物が挙げられる。
また、一般式(1)において、XとXが互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成した化合物であり、一般式(2)の化合物以外の化合物の代表例としては、下記一般式(11)、(12)の化合物が挙げられる。
一般式(11)において、nは繰り返し数を表し2~50であり、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。
一般式(12)において、nは繰り返し数を表し2~50であり、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。
一般式(11)又は(12)におけるA又はDの具体例は、一般式(2)におけるA又はDの具体例と同じである。
上記に挙げた具体例の中でも、一般式(1)及び一般式(2)において、Aがメチレン基である化合物は、製造が容易であることから好ましい。
そして、製造しやすさと増感能の高さからから、下記構造式に挙げた(6-5)、(6-6)、(6-7)、(6-9)、(6-11)、(6-14)の化合物が好ましい。
以上、本発明で好適に用いられる化合物の例を示したが、本発明は上記に例示した化合物に限定されるものではない。
(製造法)
次に本発明のエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマーの製造法について説明する。本発明の一般式(1)で表されるエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマーは、一般式(4)で表される1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物を下記の反応式-1に従い、対応する一般式(3)で表される二官能性化合物と反応させることにより得ることができる。
反応式-1において、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基を表し、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。また、X、Xは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から5のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、炭素数1から5のアルキルアミノ基、炭素数6から10のアリールアミノ基、メルカプト基、炭素数1から5のアルキルスルフィド基、炭素数6から10のアリールスルフィド基、ハロゲン原子、又は、XとXは互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよく、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を挟んで環を形成してもよく、形成した環は更に置換基を有していてもよい。Yは水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子のいずれかを表す。また、Zはヒドロキシ基、ハロゲン原子、グリシジルオキシ基を表し、nは繰り返し数を表し2~50である。
上記一般式(1)において、XとXが互いに結合して不飽和の環を形成し、当該不飽和の環が芳香環である場合には、上記一般式(1)で表される化合物は一般式(2)で表される化合物となるので、まず、一般式(2)の化合物の製造方法について説明する。
(9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーの製造法-1)
本発明の一般式(2)で表されるエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーは、一般式(5)で表される9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物を下記の反応式-2に従い、対応する一般式(3)で表される二官能性化合物と反応させることにより得ることができる。
反応式-2において、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基を表し、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。また、X、Yは同一であっても異なってもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子を表す。また、Zはヒドロキシ基、ハロゲン原子、グリシジルオキシ基を表し、nは繰り返し数を表し2~50である。
反応式-2において、原料として用いられる一般式(5)で表される9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物は、対応する9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物とエステル化合物と反応させることにより得ることができる。
(9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物の製造方法)
まず、9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物とエステル化合物との反応(以下、単にエステル化反応と称する)による一般式(5)で表される9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物の製造方法について説明する。
当該エステル化反応において原料として用いられる9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物は、対応する9,10-アントラキノン化合物を還元して得られる。当該反応において、原料となる9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物の具体的な例としては、9,10-ジヒドロキシアントラセン、2-メチル-9,10-ジヒドロキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジヒドロキシアントラセン、2-t-ペンチル-9,10-ジヒドロキシアントラセン、2,6-ジメチル-9,10-ジヒドロキシアントラセン、2-クロロ-9,10-ジヒドロキシアントラセン、2-ブロモ-9,10-ジヒドロキシアントラセン等が挙げられる。
また、9,10-ジヒドロキシアントラセンの場合は、工業的な方法として、1,4-ナフトキノンと1,3-ブタジエンとのディールス・アルダー反応生成物である1,4,4a,9a-テトラヒドロアントラキノン又はその異性体である1,4-ジヒドロ9,10-ジヒドロキシアントラセンのアルカリ金属塩を用いて9,10-アントラキノンを還元することにより、より簡便に9,10-ジヒドロキシアントラセンを得ることができる。すなわち、1,4-ナフトキノンと1,3-ブタジエンとの反応により得られる1,4,4a,9a-テトラヒドロアントラキノンを、水性媒体中、アルカリ金属水酸化物のようなアルカリ性化合物の存在下に9,10-アントラキノンと反応させることにより9,10-ジヒドロキシアントラセンのアルカリ金属塩の水溶液を得ることができる。得られた9,10-ジヒドロキシアントラセンのアルカリ金属塩の水溶液を酸素不存在下に酸性化することにより、9,10-ジヒドロキシアントラセンの沈殿を得ることができる。この沈殿を精製することにより、9,10-ジヒドロキシアントラセンを得ることができる。置換基を有する9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物も同様にして得ることができる。
次に、原料となるエステル化合物の具体例としては、クロロ酢酸メチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸n-プロピル、クロロ酢酸イソプロピル、クロロ酢酸n-ブチル、クロロ酢酸tert-ブチル、2-クロロプロピオン酸メチル、3-クロロプロピオン酸メチル、2-クロロプロピオン酸メチル、3-クロロプロピオン酸メチル、2-クロロプロピオン酸エチル、3-クロロプロピオン酸エチル、2-クロロプロピオン酸n-プロピル、3-クロロプロピオン酸n―プロピル、2-クロロプロピオン酸イソプロピル、3-クロロプロピオン酸イソプロピル、2-クロロプロピオン酸n―ブチル、3-クロロプロピオン酸n-ブチル、2-クロロプロピオン酸tert-ブチル、3-クロロプロピオン酸tert-ブチル、2-クロロ酪酸メチル、3-クロロ酪酸メチル、4-クロロ酪酸メチル、2-クロロ酪酸エチル、3-クロロ酪酸エチル、4-クロロ酪酸エチル、2-クロロ酪酸n-プロピル、3-クロロ酪酸n-プロピル、4-クロロ酪酸n―プロピル、2-クロロ酪酸イソプロピル、3-クロロ酪酸イソプロピル、4-クロロ酪酸イソプロピル、2-クロロ酪酸n-ブチル、3-クロロ酪酸n-ブチル、4-クロロ酪酸n-ブチル、2-クロロ酪酸tert-ブチル、3-クロロ酪酸tert-ブチル、4-クロロ酪酸tert-ブチル、2-クロロ吉草酸メチル、3-クロロ吉草酸メチル、4-クロロ吉草酸メチル、5-クロロ吉草酸メチル、2-クロロ吉草酸エチル、3-クロロ吉草酸エチル、4-クロロ吉草酸エチル、5-クロロ吉草酸エチル、2-クロロ吉草酸n-プロピル、3-クロロ吉草酸n-プロピル、4-クロロ吉草酸n-プロピル、5-クロロ吉草酸n-プロピル、2-クロロ吉草酸イソプロピル、3-クロロ吉草酸イソプロピル、4-クロロ吉草酸イソプロピル、5-クロロ吉草酸イソプロピル、2-クロロ吉草酸n-ブチル、3-クロロ吉草酸n-ブチル、4-クロロ吉草酸n-ブチル、5-クロロ吉草酸n-ブチル、2-クロロ吉草酸tert-ブチル、3-クロロ吉草酸tert-ブチル、4-クロロ吉草酸tert-ブチル、5-クロロ吉草酸tert-ブチル、ブロモ酢酸メチル、ブロモ酢酸エチル、ブロモ酢酸n-プロピル、ブロモ酢酸イソプロピル、ブロモ酢酸n-ブチル、ブロモ酢酸tert-ブチル、2-ブロモプロピオン酸メチル、3-ブロモプロピオン酸メチル、2-ブロモプロピオン酸メチル、3-ブロモプロピオン酸メチル、2-ブロモプロピオン酸エチル、3-ブロモプロピオン酸エチル、2-ブロモプロピオン酸n-プロピル、3-ブロモプロピオン酸n-プロピル、2-ブロモプロピオン酸イソプロピル、3-ブロモプロピオン酸イソプロピル、2-ブロモプロピオン酸n-ブチル、3-ブロモプロピオン酸n-ブチル、2-ブロモプロピオン酸tert-ブチル、3-ブロモプロピオン酸tert-ブチル、2-ブロモ酪酸メチル、3-ブロモ酪酸メチル、4-ブロモ酪酸メチル、2-ブロモ酪酸エチル、3-ブロモ酪酸エチル、4-ブロモ酪酸エチル(3-7)、2-ブロモ酪酸n-プロピル、3-ブロモ酪酸n-プロピル、4-ブロモ酪酸n-プロピル、2-ブロモ酪酸イソプロピル、3-ブロモ酪酸イソプロピル、4-ブロモ酪酸イソプロピル、2-ブロモ酪酸n-ブチル、3-ブロモ酪酸n-ブチル、4-ブロモ酪酸n-ブチル、2-ブロモ酪酸tert-ブチル、3-ブロモ酪酸tert-ブチル、4-ブロモ酪酸tert-ブチル、2-ブロモ吉草酸メチル、3-ブロモ吉草酸メチル、4-ブロモ吉草酸メチル、5-ブロモ吉草酸メチル、2-ブロモ吉草酸エチル、3-ブロモ吉草酸エチル、4-ブロモ吉草酸エチル(3-8)、5-ブロモ吉草酸エチル、2-ブロモ吉草酸n-プロピル、3-ブロモ吉草酸n-プロピル、4-ブロモ吉草酸n-プロピル、5-ブロモ吉草酸n-プロピル、2-ブロモ吉草酸イソプロピル、3-ブロモ吉草酸イソプロピル、4-ブロモ吉草酸イソプロピル、5-ブロモ吉草酸イソプロピル、2-ブロモ吉草酸n-ブチル、3-ブロモ吉草酸n-ブチル、4-ブロモ吉草酸n-ブチル、5-ブロモ吉草酸n-ブチル、2-ブロモ吉草酸tert-ブチル、3-ブロモ吉草酸tert-ブチル等が挙げられる。
9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物とエステル化合物との反応において、エステル化合物の使用量としては、9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物に対して、好ましくは2.0モル倍以上、10.0モル倍未満、より好ましくは、2.2モル倍以上、5.0モル倍未満である。2.0モル倍未満であると、反応が完結せず、また、10.0モル倍以上だと副反応が起こり収率及び純度が低下するので好ましくない。
当該エステル化反応において使用される塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リチウムヘキサメチルジシラジド、リチウムジイソプロピルアミド、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルアニリン、ピリジン、4,4-ジメチルアミノピリジン、ピペリジン、γ-ピコリン、ルチジン等が挙げられる。
塩基性化合物の添加量としては、9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物に対して、好ましくは2.0モル倍以上、10.0モル倍未満、より好ましくは、2.2モル倍以上、5.0モル倍未満である。2.0モル倍未満であると、反応が完結せず、また、10.0モル倍以上だと副反応が起こり収率及び純度が低下するので好ましくない。
当該エステル化反応は溶媒中もしくは無溶媒で行う。用いられる溶媒としては使用するエステル化合物と反応しなければ特に種類を選ばず、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族溶媒、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、塩化メチレン、二塩化エチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭素系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール等のアルコール溶媒が用いられる。
無機塩基の水溶液中に9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物を溶解させ、エステルと反応させる場合は、相間移動触媒の使用が有効である。相間移動触媒としては、例えば、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルエチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルプロピルアンモニウムブロマイド、トリオクチルブチルアンモニウムブロマイド、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラプロピルアンモニウムクロライド、テトラフブチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルエチルアンモニウムクロライド、トリオクチルプロピルアンモニウムクロライド、トリオクチルブチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
相間移動触媒の添加量としては、9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物に対して、好ましくは 0.01モル倍以上、1.0モル倍未満、より好ましくは、0.05モル倍以上、0.5モル倍未満である。0.01モル倍未満であると、反応速度が遅く、また、1.0モル倍以上だと生成物の純度が低下するので好ましくない。
当該反応の反応温度は、通常0℃以上、100℃以下であり、特に加熱処理等施さず、常温付近で反応が完結する。当該反応における反応時間は、反応温度によって異なるが、通常1時間から4時間程度である。よって、反応は温和な条件で進行し、特に圧力釜等の特殊な反応容器を用いる必要はない。
エステル化反応終了後、必要に応じて未反応原料・溶媒及び触媒を洗浄・減圧留去・濾過等の操作を単独あるいは複数組み合わせる方法で除去する。生成物が固体の場合は反応途中に結晶が析出するので、濾過によって固液分離を行い、必要に応じてアルコールやヘキサン等の貧溶媒から再結晶させる。あるいはそのままドライアップして結晶を得ることができる。生成物が液体の場合は、そのままドライアップし、必要に応じて蒸留等の精製を行って9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物を得ることができる。
当該一般式(5)で表される9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物の製造方法において、Aがメチレン基である場合が最も製造しやすく、好ましい。
(オリゴマーの製造方法)
次に、上記反応式-1に記載した、一般式(5)で表される9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物と一般式(3)で表される二官能性化合物との反応による本発明の一般式(2)で表されるエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーの製造方法(以下オリゴマー化反応と称する)について説明する。
当該オリゴマー化反応において、原料となる一般式(5)で表される9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物の具体的な例としては、9,10-ビス(ヒドロキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセン、9,10-ビス(メトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセン、9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセン、9,10-ビス(イソプロポキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセン、9,10-ビス(tert-ブトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセン、9,10-ビス(n-ブトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセン、9,10-ビス(メトキシカルボニルメチルメチレンオキシ)アントラセン、9,10-ビス(エトキシカルボニルプロピレンオキシ)アントラセン、9,10-ビス(エトキシカルボニルブチレンオキシ)アントラセン、2-エチル-9,10-ビス(イソプロポキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセン、9,10-ビス(エトキシカルボニルエチルメチレンオキシ)アントラセン等が挙げられる。
オリゴマー化反応において、原料となる一般式(3)で表される二官能性化合物の具体例としては、Zがヒドロキシ基の場合は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチルー1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,15-ペンタデカンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール、1,17-ヘプタデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,19-ノナデカンジオール、1,20-イコサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,1-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、イソソルビド、キシリレングリコール、ビス(p-ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、1,1-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン等が挙げられる。
Zがハロゲン原子の場合は、1,2-ジクロロエタン、1,3-ジクロロプロパン、1,4-ジクロロブタン、1,5-ジクロロペンタン、1,6-ジクロロヘキサン、1,7-ジクロロヘプタン、1,8-ジクロロオクタン、1,9-ジクロロノナン、1,10-ジクロロデカン、1,11-ジクロロウンデカン、1,12-ジクロロドデカン、1,13-ジクロロトリデカン、1,14-ジクロロテトラデカン、1,15-ジクロロペンタデカン、1,16-ジクロロヘキサデカン、1,17-ジクロロヘプタデカン、1,18-ジクロロオクタデカン、1,19-ジクロロノナデカン、1,20-ジクロロイコサン、1,2-ジブロモエタン、1,3-ジブロモプロパン、1,4-ジブロモブタン、1,5-ジブロモペンタン、1,6-ジブロモヘキサン、1,7-ジブロモヘプタン、1,8-ジブロモオクタン、1,9-ジブロモノナン、1,10-ジブロモデカン、1,11-ジブロモウンデカン、1,12-ジブロモドデカン、1,13-ジブロモトリデカン、1,14-ジブロモテトラデカン、1,15-ジブロモペンタデカン、1,16-ジブロモヘキサデカン、1,17-ジブロモヘプタデカン、1,18-ジブロモオクタデカン、1,19-ジブロモノナデカン、1,20-ジブロモイコサン、1,2-ジヨードエタン、1,3-ジヨードプロパン、1,4-ジヨードブタン、1,5-ジヨードペンタン、1,6-ジヨードヘキサン、1,7-ジヨードヘプタン、1,8-ジヨードオクタン、1,9-ジヨードノナン、1,10-ジヨードデカン、1,11-ジヨードウンデカン、1,12-ジヨードドデカン、1,13-ジヨードトリデカン、1,14-ジヨードテトラデカン、1,15-ジヨードペンタデカン、1,16-ジヨードヘキサデカン、1,17-ジヨードヘプタデカン、1,18-ジヨードオクタデカン、1,19-ジヨードノナデカン、1,20-ジヨードイコサン等が挙げられる。
Zがグリシジルオキシ基の場合は、脂肪族ジグリシジルエーテル化合物、脂環式グリシジルエーテル化合物、芳香族ジグリシジルエーテル化合物のいずれでもよい。脂肪族ジグリシジルエーテル化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられ、脂環式ジグリシジルエーテル化合物としては、水素化ビスフェノール-Aジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノール-Fジグリシジルエーテル等が挙げられ、芳香族ジグリシジルエーテルとしては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの二官能性化合物は2種類以上同時に反応に使用してもよい。
上記挙げた具体例の中でも、ジオール化合物が反応性の点で好ましい。
オリゴマー化反応において一般式(3)で表される二官能性化合物の使用量としては、9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物に対して、好ましくは0.5モル倍以上、5.0モル倍未満、より好ましくは、1.0モル倍以上、3.0モル倍未満である。0.5モル倍未満であると、平均分子量が小さくなり、移行性の抑制効果が弱くなるとともに、未反応の9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物が生成物中に残存し純度が低下する。また、5.0モル倍以上だと平均分子量が小さくなり、移行性の抑制効果が弱くなるとともに、未反応の二官能性化合物が生成物中に残存し純度が低下する。
また、一般式(5)で表される9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物と一般式(3)で表される二官能性化合物のモル比が1に近付くにつれ、平均分子量が大きくなりすぎて、分子のモビリティが小さくなり、増感能が低下する可能性がある。その場合、一官能性化合物を少量添加して分子量を調整してもよい。
オリゴマー化反応において一般式(3)で表される二官能性化合物がジオール化合物の場合、触媒を使用すると反応速度が上がり、効率的に製造することが可能になる。反応に用いられる触媒としては、鉱酸(硫酸、塩酸)、有機酸(メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸)、ルイス酸(フッ化ホウ素エーテラート、三塩化アルミニウム、四塩化チタン、三塩化鉄、二塩化亜鉛)固体酸触媒(フタムラ化学社製)、アンバーリスト(オルガノ社製)、ナフィオン(デュポン社製、ナフィオンはデュポン社登録商標)、テトラアルコキシチタン化合物(テトライソプロポキシチタン、テトラn-ブトキシチタン、テトラメトキシチタン)、有機スズ化合物(ジラウリン酸ジブチルスズ、ジブチルスズオキシド)等が挙げられる。
触媒の添加量としては、9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物に対して、好ましくは0.01モル%以上、20モル%未満、より好ましくは、0.1モル%以上、10モル%未満である。0.01モル%未満であると、反応が完結せず、また、20モル%以上だと副反応が起こり収率及び純度が低下するので好ましくない。
オリゴマー化反応において一般式(3)で表される二官能性化合物がジハロゲン化合物又はジグリシジル化合物の場合、塩基性化合物を必要とする。使用される塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、リチウムヘキサメチルジシラジド、リチウムジイソプロピルアミド、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルアニリン、ピリジン、4,4-ジメチルアミノピリジン、ピペリジン、γ-ピコリン、ルチジン等が挙げられる。
塩基性化合物の添加量としては、9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物に対して、好ましくは2.0モル倍以上、5.0モル倍未満、より好ましくは、2.2モル倍以上、3.0モル倍未満である。2.0モル倍未満であると、反応が完結せず、また、5.0モル倍以上だと副反応が起こり収率及び純度が低下するので好ましくない。
当該反応は溶媒中もしくは無溶媒で行う。用いられる溶媒としては使用する二官能性化合物と反応しなければ特に種類を選ばず、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族溶媒、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、塩化メチレン、二塩化エチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭素系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール等のアルコール溶媒が用いられる。
無機塩基の水溶液中に9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物を溶解させ、二官能性化合物と反応させる場合は、相間移動触媒の使用が有効である。相間移動触媒としては、例えば、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルエチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルプロピルアンモニウムブロマイド、トリオクチルブチルアンモニウムブロマイド、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラプロピルアンモニウムクロライド、テトラフブチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルエチルアンモニウムクロライド、トリオクチルプロピルアンモニウムクロライド、トリオクチルブチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
相間移動触媒の添加量としては、9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物に対して、好ましくは 0.01モル倍以上、1.0モル倍未満、より好ましくは、0.05モル倍以上、0.5モル倍未満である。0.01モル倍未満であると、反応速度が遅く、また、1.0モル倍以上だと生成物の純度が低下するので好ましくない。
当該反応の反応温度は、通常0℃以上、200℃以下、好ましくは20℃以上、150℃以下である。0℃未満だと、反応時間がかかりすぎ、200℃を超えて加熱すると、不純物が多くなり目的化合物の純度が低下し、共に好ましくない。
当該反応における反応時間は、反応温度によって異なるが、通常1時間から30時間程度である。より好ましくは2時間から20時間である。
反応終了後、必要に応じて未反応原料・溶媒及び触媒を洗浄・減圧留去・濾過等の操作を単独あるいは複数組み合わせる方法で除去する。生成物が固体の場合は反応途中に結晶が析出するので、濾過によって固液分離を行い、必要に応じてアルコールやヘキサン等の貧溶媒から再結晶させる。あるいはそのままドライアップして結晶を得ることができる。生成物が液体の場合は、そのままドライアップし、必要に応じて蒸留等の精製を行ってエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーを得ることができる。
(1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマーの製造法)
次に、1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマーの製造法について説明する。本発明の一般式(1)で表されるエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマーは、9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーと同様の方法で製造することができる。すなわち、一般式(4)で表される1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物を下記の反応式-1に従い、対応する一般式(3)で表される二官能性化合物と反応させることにより得ることができる。
反応式-1において、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基を表し、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。また、X、Xは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から5のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、炭素数1から5のアルキルアミノ基、炭素数6から10のアリールアミノ基、メルカプト基、炭素数1から5のアルキルスルフィド基、炭素数6から10のアリールスルフィド基、ハロゲン原子、又は、XとXは互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよく、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を挟んで環を形成してもよく、形成した環は更に置換基を有していてもよい。Yは水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子のいずれかを表す。また、Zはヒドロキシ基、ハロゲン原子、グリシジルオキシ基を表し、nは繰り返し数を表し2~50である。
反応式-1において、原料として用いられる一般式(4)で表される1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物は、対応する1,4-ジヒドロキシナフタレン化合物とエステル化合物を一般式(5)の製造と同様の方法で反応させることにより得ることができる。
当該エステル化反応において原料として用いられる1,4-ジヒドロキシナフタレン化合物は、対応する1,4-ナフトキノン化合物を還元して得られる。当該反応において、原料となる1,4-ジヒドロキシナフタレン化合物の具体的な例としては、1,4-ジヒドロキシナフタレン、2-メチル-1,4-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジメチル-1,4-ジヒドロキシナフタレン、2-クロロ-1,4-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジクロロ-1,4-ジヒドロキシナフタレン、2-ヒドロキシ-1,4-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロ-9,10-ジヒドロキシアントラセン、1,2,3,4-テトラヒドロ-9,10-ジヒドロキシアントラセンなどが挙げられる。
原料となるエステル化合物の具体例は、一般式(5)の製造と同様のものを用いることができ、その反応条件も同様であり、反応は温和な条件で進行し、特に圧力釜等の特殊な反応容器を用いる必要はない。
(オリゴマーの製造方法)
次に、上記反応式-1に記載した一般式(4)で表される1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物と一般式(3)で表される二官能性化合物との反応による本発明の一般式(1)で表されるエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマーの製造方法(以下オリゴマー化反応と称する)について説明する。
当該オリゴマー化反応において、原料となる一般式(4)で表される1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物の具体的な例としては、1,4-ビス(ヒドロキシカルボニルメチレンオキシ)ナフタレン、1,4-ビス(メトキシカルボニルメチレンオキシ)ナフタレン、1,4-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)ナフタレン、1,4-ビス(イソプロポキシカルボニルメチレンオキシ)ナフタレン、1,4-ビス(tert-ブトキシカルボニルメチレンオキシ)ナフタレン、1,4-ビス(n-ブトキシカルボニルメチレンオキシ)ナフタレン、1,4-ビス(メトキシカルボニルメチルメチレンオキシ)ナフタレン、1,4-ビス(エトキシカルボニルプロピレンオキシ)ナフタレン、1,4-ビス(エトキシカルボニルブチレンオキシ)ナフタレン、1,4-ビス(エトキシカルボニルエチルメチレンオキシ)ナフタレン、2-メチル-1,4-ビス(ヒドロキシカルボニルメチレンオキシ)ナフタレン、2-メチル-1,4-ビス(メトキシカルボニルメチレンオキシ)ナフタレン、2-メチル-1,4-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)ナフタレン、2-メチル-1,4-ビス(イソプロポキシカルボニルメチレンオキシ)ナフタレン、2-メチル-1,4-ビス(tert-ブトキシカルボニルメチレンオキシ)ナフタレン、2-メチル-1,4-ビス(n-ブトキシカルボニルメチレンオキシ)ナフタレン、2-メチル-1,4-ビス(メトキシカルボニルメチルメチレンオキシ)ナフタレン、2-メチル-1,4-ビス(エトキシカルボニルプロピレンオキシ)ナフタレン、2-メチル-1,4-ビス(エトキシカルボニルブチレンオキシ)ナフタレン、2-メチル-1,4-ビス(エトキシカルボニルエチルメチレンオキシ)ナフタレン、2,3-ジクロロ-1,4-ビス(ヒドロキシカルボニルメチレンオキシ)ナフタレン、2,3-ジクロロ-1,4-ビス(メトキシカルボニルメチレンオキシ)ナフタレン、2,3-ジクロロ-1,4-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)ナフタレン、2,3-ジクロロ-1,4-ビス(イソプロポキシカルボニルメチレンオキシ)ナフタレン、2,3-ジクロロ-1,4-ビス(tert-ブトキシカルボニルメチレンオキシ)ナフタレン、2,3-ジクロロ-1,4-ビス(n-ブトキシカルボニルメチレンオキシ)ナフタレン、2,3-ジクロロ-1,4-ビス(メトキシカルボニルメチルメチレンオキシ)ナフタレン、2,3-ジクロロ-1,4-ビス(エトキシカルボニルプロピレンオキシ)ナフタレン、2,3-ジクロロ-1,4-ビス(エトキシカルボニルブチレンオキシ)ナフタレン、2,3-ジクロロ-1,4-ビス(エトキシカルボニルエチルメチレンオキシ)ナフタレン、1,4-ジヒドロ-9,10-ビス(イソプロポキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセン、1,2,3,4-テトラヒドロ-9,10-ビス(イソプロポキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセン等が挙げられる。
オリゴマー化反応において、原料となる一般式(3)で表される二官能性化合物の具体例は、反応式-1で挙げたものと同様のものを用いることができる。
オリゴマー化反応条件も反応式-1と同様の条件を用いることができる。
(9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーの製造法-2)
本発明の一般式(2)で表されるエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーは、一般式(15)で表される9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物から下記の反応式-3に従い、対応する一般式(13)で表される二官能性化合物と反応させることにより得ることができる。
反応式-3において、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。また、X、Yは同一であっても異なってもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子を表す。また、Gは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、nは繰り返し数を表し2~50である。
次に、上記反応式-3に記載した、一般式(15)で表される9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物と一般式(13)で表される二官能性化合物との反応による本発明の一般式(2)で表されるエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーの製造方法(以下オリゴマー化反応と称する)について説明する。
当該オリゴマー化反応において、原料となる一般式(15)で表される9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物の具体的な例としては、9,10-ジヒドロキシアントラセン、2-メチル-9,10-ジヒドロキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジヒドロキシアントラセン、2-t-ペンチル-9,10-ジヒドロキシアントラセン、2,6-ジメチル-9,10-ジヒドロキシアントラセン、2-クロロ-9,10-ジヒドロキシアントラセン、2-ブロモ-9,10-ジヒドロキシアントラセン等が挙げられる。
オリゴマー化反応において、原料となる一般式(13)で表される二官能性化合物の具体例としては、ビス(クロロアセトキシ)メタン、1,2-ビス(クロロアセトキシ)エタン(13-13)、1,3-ビス(クロロアセトキシ)プロパン、1,2-ビス(クロロアセトキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(クロロアセトキシ)ブタン(13-14)、1,2-ビス(クロロアセトキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(クロロアセトキシ)ペンタン、1,6-ビス(クロロアセトキシ)ヘキサン、1,5-ビス(クロロアセトキシ)3-メチルペンタン、1,7-ビス(クロロアセトキシ)ヘプタン、1,8-ビス(クロロアセトキシ)オクタン、1,6-ビス(クロロアセトキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(クロロアセトキシ)ノナン、1,5-ビス(クロロアセトキシ)2,4-ジエチルペンタン、1,10-ビス(クロロアセトキシ)ドデカン、1,19-ビス(クロロアセトキシ)ノナデカン、1,20-ビス(クロロアセトキシ)イコサン、1,4-ビス(クロロアセトキシ)シクロヘキサン、ビス(クロロアセトキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールジクロロアセテート、ポリエチレングリコールジクロロアセテート、
ビス(2-クロロプロパノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(2-クロロプロパノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(2-クロロプロパノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(2-クロロプロパノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(2-クロロプロパノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(2-クロロプロパノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(2-クロロプロパノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(2-クロロプロパノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(2-クロロプロパノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(2-クロロプロパノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(2-クロロプロパノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(2-クロロプロパノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(2-クロロプロパノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(2-クロロプロパノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(2-クロロプロパノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(2-クロロプロパノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(2-クロロプロパノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(2-クロロプロピオネート)、ポリエチレングリコールビス(2-クロロプロピオネート)、
ビス(3-クロロプロパノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(3-クロロプロパノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(3-クロロプロパノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(3-クロロプロパノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(3-クロロプロパノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(3-クロロプロパノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(3-クロロプロパノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(3-クロロプロパノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(3-クロロプロパノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(3-クロロプロパノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(3-クロロプロパノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(3-クロロプロパノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(3-クロロプロパノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(3-クロロプロパノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(3-クロロプロパノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(3-クロロプロパノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(3-クロロプロパノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(3-クロロプロピオネート)、ポリエチレングリコールビス(3-クロロプロピオネート)、
ビス(2-クロロブタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(2-クロロブタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(2-クロロブタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(2-クロロブタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(2-クロロブタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(2-クロロブタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(2-クロロブタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(2-クロロブタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(2-クロロブタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(2-クロロブタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(2-クロロブタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(2-クロロブタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(2-クロロブタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(2-クロロブタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(2-クロロブタノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(2-クロロブタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(2-クロロブタノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(2-クロロブタノエート)、ポリエチレングリコールビス(2-クロロブタノエート)、ビス(3-クロロブタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(3-クロロブタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(3-クロロブタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(3-クロロブタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(3-クロロブタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(3-クロロブタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(3-クロロブタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(3-クロロブタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(3-クロロブタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(3-クロロブタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(3-クロロブタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(3-クロロブタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(3-クロロブタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(3-クロロブタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(3-クロロブタノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(3-クロロブタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(3-クロロブタノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(3-クロロブタノエート)、ポリエチレングリコールビス(3-クロロブタノエート)、ビス(4-クロロブタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(4-クロロブタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(4-クロロブタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(4-クロロブタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(4-クロロブタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(4-クロロブタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(4-クロロブタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(4-クロロブタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(4-クロロブタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(4-クロロブタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(4-クロロブタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(4-クロロブタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(4-クロロブタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(4-クロロブタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(4-クロロブタノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(4-クロロブタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(4-クロロブタノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(4-クロロブタノエート)、ポリエチレングリコールビス(4-クロロブタノエート)、ビス(2-クロロペンタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(2-クロロペンタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(2-クロロペンタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(2-クロロペンタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(2-クロロペンタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(2-クロロペンタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(2-クロロペンタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(2-クロロペンタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(2-クロロペンタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(2-クロロペンタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(2-クロロペンタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(2-クロロペンタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(2-クロロペンタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(2-クロロペンタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(2-クロロペンタノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(2-クロロペンタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(2-クロロペンタノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(2-クロロペンタノエート)、ポリエチレングリコールビス(2-クロロペンタノエート)、ビス(3-クロロペンタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(3-クロロペンタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(3-クロロペンタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(3-クロロペンタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(3-クロロペンタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(3-クロロペンタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(3-クロロペンタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(3-クロロペンタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(3-クロロペンタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(3-クロロペンタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(3-クロロペンタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(3-クロロペンタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(3-クロロペンタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(3-クロロペンタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(3-クロロペンタノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(3-クロロペンタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(3-クロロペンタノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(3-クロロペンタノエート)、ポリエチレングリコールビス(3-クロロペンタノエート)、ビス(4-クロロペンタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(4-クロロペンタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(4-クロロペンタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(4-クロロペンタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(4-クロロペンタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(4-クロロペンタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(4-クロロペンタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(4-クロロペンタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(4-クロロペンタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(4-クロロペンタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(4-クロロペンタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(4-クロロペンタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(4-クロロペンタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(4-クロロペンタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(4-クロロペンタノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(4-クロロペンタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(4-クロロペンタノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(4-クロロペンタノエート)、ポリエチレングリコールビス(4-クロロペンタノエート)、ビス(5-クロロペンタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(5-クロロペンタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(5-クロロペンタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(5-クロロペンタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,5-ビス(5-クロロペンタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(5-クロロペンタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(5-クロロペンタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(5-クロロペンタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(5-クロロペンタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(5-クロロペンタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(5-クロロペンタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(5-クロロペンタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(5-クロロペンタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(5-クロロペンタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(5-クロロペンタノイルオキシ)イコサン、1,5-ビス(5-クロロペンタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(5-クロロペンタノイルオキシメチル)-1,5-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(5-クロロペンタノエート)、ポリエチレングリコールビス(5-クロロペンタノエート)等が挙げられる。
更に、ビス(ブロモアセトキシ)メタン、1,2-ビス(ブロモアセトキシ)エタン(13-1)、1,3-ビス(ブロモアセトキシ)プロパン(13-2)、1,2-ビス(ブロモアセトキシ)-2-メチルエタン(13-3)、1,4-ビス(ブロモアセトキシ)ブタン(13-4)、1,4-ビス(ブロモアセトキシ)2―ブテン、1,2-ビス(ブロモアセトキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(ブロモアセトキシ)ペンタン(13-5)、1,6-ビス(ブロモアセトキシ)ヘキサン(13-6)、1,5-ビス(ブロモアセトキシ)3-メチルペンタン(13-7)、1,7-ビス(ブロモアセトキシ)ヘプタン、1,8-ビス(ブロモアセトキシ)オクタン、1,6-ビス(ブロモアセトキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(ブロモアセトキシ)ノナン(13-8)、1,5-ビス(ブロモアセトキシ)2,4-ジエチルペンタン(13-9)、1,10-ビス(ブロモアセトキシ)ドデカン、1,19-ビス(ブロモアセトキシ)ノナデカン、1,20-ビス(ブロモアセトキシ)イコサン、1,4-ビス(ブロモアセトキシ)シクロヘキサン(13-10)、ビス(ブロモアセトキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールジブロモアセテート(13-11)、ポリエチレングリコールジブロモアセテート(13-12)、ビス(2-ブロモプロパノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(2-ブロモプロパノイルオキシ)エタン(13-15)、1,3-ビス(2-ブロモプロパノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(2-ブロモプロパノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(2-ブロモプロパノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(2-ブロモプロパノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(2-ブロモプロパノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(2-ブロモプロパノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(2-ブロモプロパノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(2-ブロモプロパノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(2-ブロモプロパノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(2-ブロモプロパノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(2-ブロモプロパノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(2-ブロモプロパノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(2-ブロモプロパノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(2-ブロモプロパノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(2-ブロモプロパノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(2-ブロモプロピオネート)、ポリエチレングリコールビス(2-ブロモプロピオネート)、ビス(3-ブロモプロパノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(3-ブロモプロパノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(3-ブロモプロパノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(3-ブロモプロパノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(3-ブロモプロパノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(3-ブロモプロパノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(3-ブロモプロパノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(3-ブロモプロパノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(3-ブロモプロパノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(3-ブロモプロパノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(3-ブロモプロパノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(3-ブロモプロパノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(3-ブロモプロパノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(3-ブロモプロパノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(3-ブロモプロパノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(3-ブロモプロパノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(3-ブロモプロパノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(3-ブロモプロピオネート)、ポリエチレングリコールビス(3-ブロモプロピオネート)、ビス(2-ブロモブタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(2-ブロモブタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(2-ブロモブタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(2-ブロモブタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(2-ブロモブタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(2-ブロモブタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(2-ブロモブタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(2-ブロモブタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(2-ブロモブタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(2-ブロモブタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(2-ブロモブタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(2-ブロモブタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(2-ブロモブタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(2-ブロモブタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(2-ブロモブタノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(2-ブロモブタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(2-ブロモブタノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(2-ブロモブタノエート)、ポリエチレングリコールビス(2-ブロモブタノエート)、ビス(3-ブロモブタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(3-ブロモブタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(3-ブロモブタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(3-ブロモブタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(3-ブロモブタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(3-ブロモブタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(3-ブロモブタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(3-ブロモブタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(3-ブロモブタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(3-ブロモブタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(3-ブロモブタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(3-ブロモブタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(3-ブロモブタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(3-ブロモブタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(3-ブロモブタノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(3-ブロモブタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(3-ブロモブタノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(3-ブロモブタノエート)、ポリエチレングリコールビス(3-ブロモブタノエート)、ビス(4-ブロモブタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(4-ブロモブタノイルオキシ)エタン(13-16)、1,3-ビス(4-ブロモブタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(4-ブロモブタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(4-ブロモブタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(4-ブロモブタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(4-ブロモブタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(4-ブロモブタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(4-ブロモブタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(4-ブロモブタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(4-ブロモブタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(4-ブロモブタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(4-ブロモブタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(4-ブロモブタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(4-ブロモブタノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(4-ブロモブタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(4-ブロモブタノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(4-ブロモブタノエート)、ポリエチレングリコールビス(4-ブロモブタノエート)、ビス(2-ブロモペンタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(2-ブロモペンタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(2-ブロモペンタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(2-ブロモペンタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(2-ブロモペンタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(2-ブロモペンタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(2-ブロモペンタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(2-ブロモペンタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(2-ブロモペンタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(2-ブロモペンタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(2-ブロモペンタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(2-ブロモペンタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(2-ブロモペンタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(2-ブロモペンタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(2-ブロモペンタノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(2-ブロモペンタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(2-ブロモペンタノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(2-ブロモペンタノエート)、ポリエチレングリコールビス(2-ブロモペンタノエート)、ビス(3-ブロモペンタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(3-ブロモペンタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(3-ブロモペンタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(3-ブロモペンタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(3-ブロモペンタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(3-ブロモペンタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(3-ブロモペンタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(3-ブロモペンタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(3-ブロモペンタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(3-ブロモペンタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(3-ブロモペンタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(3-ブロモペンタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(3-ブロモペンタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(3-ブロモペンタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(3-ブロモペンタノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(3-ブロモペンタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(3-ブロモペンタノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(3-ブロモペンタノエート)、ポリエチレングリコールビス(3-ブロモペンタノエート)、ビス(4-ブロモペンタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(4-ブロモペンタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(4-ブロモペンタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(4-ブロモペンタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(4-ブロモペンタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(4-ブロモペンタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(4-ブロモペンタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(4-ブロモペンタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(4-ブロモペンタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(4-ブロモペンタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(4-ブロモペンタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(4-ブロモペンタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(4-ブロモペンタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(4-ブロモペンタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(4-ブロモペンタノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(4-ブロモペンタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(4-ブロモペンタノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(4-ブロモペンタノエート)、ポリエチレングリコールビス(4-ブロモペンタノエート)、ビス(5-ブロモペンタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(5-ブロモペンタノイルオキシ)エタン(13-17)、1,3-ビス(5-ブロモペンタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(5-ブロモペンタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,5-ビス(5-ブロモペンタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(5-ブロモペンタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(5-ブロモペンタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(5-ブロモペンタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(5-ブロモペンタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(5-ブロモペンタノイルオキシ)オクタン、
1,6-ビス(5-ブロモペンタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(5-ブロモペンタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(5-ブロモペンタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(5-ブロモペンタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(5-ブロモペンタノイルオキシ)イコサン、1,5-ビス(5-ブロモペンタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(5-ブロモペンタノイルオキシメチル)-1,5-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(5-ブロモペンタノエート)、ポリエチレングリコールビス(5-ブロモペンタノエート)等が挙げられる。
そして更に、ビス(ヨードアセトキシ)メタン、1,2-ビス(ヨードアセトキシ)エタン、1,3-ビス(ヨードアセトキシ)プロパン、1,2-ビス(ヨードアセトキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(ヨードアセトキシ)ブタン、1,2-ビス(ヨードアセトキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(ヨードアセトキシ)ペンタン、1,6-ビス(ヨードアセトキシ)ヘキサン、1,5-ビス(ヨードアセトキシ)3-メチルペンタン、1,7-ビス(ヨードアセトキシ)ヘプタン、1,8-ビス(ヨードアセトキシ)オクタン、1,6-ビス(ヨードアセトキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(ヨードアセトキシ)ノナン、1,5-ビス(ヨードアセトキシ)2,4-ジエチルペンタン、1,10-ビス(ヨードアセトキシ)ドデカン、1,19-ビス(ヨードアセトキシ)ノナデカン、1,20-ビス(ヨードアセトキシ)イコサン、1,4-ビス(ヨードアセトキシ)シクロヘキサン、ビス(ヨードアセトキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールジヨードアセテート、ポリエチレングリコールジヨードアセテート、ビス(2-ヨードプロパノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(2-ヨードプロパノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(2-ヨードプロパノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(2-ヨードプロパノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(2-ヨードプロパノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(2-ヨードプロパノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(2-ヨードプロパノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(2-ヨードプロパノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(2-ヨードプロパノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(2-ヨードプロパノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(2-ヨードプロパノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(2-ヨードプロパノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(2-ヨードプロパノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(2-ヨードプロパノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(2-ヨードプロパノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(2-ヨードプロパノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(2-ヨードプロパノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(2-ヨードプロピオネート)、ポリエチレングリコールビス(2-ヨードプロピオネート)、ビス(3-ヨードプロパノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(3-ヨードプロパノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(3-ヨードプロパノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(3-ヨードプロパノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(3-ヨードプロパノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(3-ヨードプロパノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(3-ヨードプロパノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(3-ヨードプロパノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(3-ヨードプロパノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(3-ヨードプロパノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(3-ヨードプロパノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(3-ヨードプロパノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(3-ヨードプロパノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(3-ヨードプロパノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(3-ヨードプロパノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(3-ヨードプロパノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(3-ヨードプロパノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(3-ヨードプロピオネート)、ポリエチレングリコールビス(3-ヨードプロピオネート)、ビス(2-ヨードブタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(2-ヨードブタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(2-ヨードブタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(2-ヨードブタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(2-ヨードブタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(2-ヨードブタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(2-ヨードブタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(2-ヨードブタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(2-ヨードブタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(2-ヨードブタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(2-ヨードブタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(2-ヨードブタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(2-ヨードブタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(2-ヨードブタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(2-ヨードブタノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(2-ヨードブタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(2-ヨードブタノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(2-ヨードブタノエート)、ポリエチレングリコールビス(2-ヨードブタノエート)、ビス(3-ヨードブタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(3-ヨードブタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(3-ヨードブタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(3-ヨードブタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(3-ヨードブタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(3-ヨードブタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(3-ヨードブタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(3-ヨードブタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(3-ヨードブタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(3-ヨードブタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(3-ヨードブタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(3-ヨードブタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(3-ヨードブタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(3-ヨードブタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(3-ヨードブタノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(3-ヨードブタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(3-ヨードブタノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(3-ヨードブタノエート)、ポリエチレングリコールビス(3-ヨードブタノエート)、
ビス(4-ヨードブタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(4-ヨードブタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(4-ヨードブタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(4-ヨードブタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(4-ヨードブタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(4-ヨードブタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(4-ヨードブタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(4-ヨードブタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(4-ヨードブタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(4-ヨードブタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(4-ヨードブタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(4-ヨードブタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(4-ヨードブタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(4-ヨードブタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(4-ヨードブタノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(4-ヨードブタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(4-ヨードブタノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(4-ヨードブタノエート)、ポリエチレングリコールビス(4-ヨードブタノエート)、ビス(2-ヨードペンタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(2-ヨードペンタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(2-ヨードペンタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(2-ヨードペンタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(2-ヨードペンタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(2-ヨードペンタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(2-ヨードペンタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(2-ヨードペンタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(2-ヨードペンタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(2-ヨードペンタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(2-ヨードペンタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(2-ヨードペンタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(2-ヨードペンタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(2-ヨードペンタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(2-ヨードペンタノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(2-ヨードペンタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(2-ヨードペンタノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(2-ヨードペンタノエート)、ポリエチレングリコールビス(2-ヨードペンタノエート)、ビス(3-ヨードペンタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(3-ヨードペンタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(3-ヨードペンタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(3-ヨードペンタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(3-ヨードペンタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(3-ヨードペンタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(3-ヨードペンタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(3-ヨードペンタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(3-ヨードペンタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(3-ヨードペンタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(3-ヨードペンタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(3-ヨードペンタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(3-ヨードペンタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(3-ヨードペンタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(3-ヨードペンタノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(3-ヨードペンタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(3-ヨードペンタノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(3-ヨードペンタノエート)、ポリエチレングリコールビス(3-ヨードペンタノエート)、ビス(4-ヨードペンタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(4-ヨードペンタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(4-ヨードペンタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(4-ヨードペンタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,4-ビス(4-ヨードペンタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(4-ヨードペンタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(4-ヨードペンタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(4-ヨードペンタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(4-ヨードペンタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(4-ヨードペンタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(4-ヨードペンタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(4-ヨードペンタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(4-ヨードペンタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(4-ヨードペンタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(4-ヨードペンタノイルオキシ)イコサン、1,4-ビス(4-ヨードペンタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(4-ヨードペンタノイルオキシメチル)-1,4-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(4-ヨードペンタノエート)、ポリエチレングリコールビス(4-ヨードペンタノエート)、ビス(5-ヨードペンタノイルオキシ)メタン、1,2-ビス(5-ヨードペンタノイルオキシ)エタン、1,3-ビス(5-ヨードペンタノイルオキシ)プロパン、1,2-ビス(5-ヨードペンタノイルオキシ)-2-メチルエタン、1,5-ビス(5-ヨードペンタノイルオキシ)ブタン、1,2-ビス(5-ヨードペンタノイルオキシ)-2,2-ジメチルエタン、1,5-ビス(5-ヨードペンタノイルオキシ)ペンタン、1,6-ビス(5-ヨードペンタノイルオキシ)ヘキサン、1,7-ビス(5-ヨードペンタノイルオキシ)ヘプタン、1,8-ビス(5-ヨードペンタノイルオキシ)オクタン、1,6-ビス(5-ヨードペンタノイルオキシ)2-エチルヘキサン、1,9-ビス(5-ヨードペンタノイルオキシ)ノナン、1,10-ビス(5-ヨードペンタノイルオキシ)ドデカン、1,19-ビス(5-ヨードペンタノイルオキシ)ノナデカン、1,20-ビス(5-ヨードペンタノイルオキシ)イコサン、1,5-ビス(5-ヨードペンタノイルオキシ)シクロヘキサン、ビス(5-ヨードペンタノイルオキシメチル)-1,5-シクロヘキサン、ジエチレングリコールビス(5-ヨードペンタノエート)、ポリエチレングリコールビス(5-ヨードペンタノエート)等が挙げられる。
上記挙げた具体例の中でも、クロロ化合物とブロモ化合物が反応性の点で好ましく、特に、下記構造式の化合物等が好ましい。
原料となる一般式(13)で表される二官能性化合物は市販品を購入してもよく、対応するカルボン酸とジオールで合成したものを使用してもよい。
一般式(13)で表される二官能性化合物として対応するカルボン酸とジオールで合成したものを使用する場合は、系内であらかじめ二官能性化合物を合成し、そこに一般式(15)で表される9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物を投入することで、効率よく反応を行うことができる。
オリゴマー化反応において、一般式(13)で表される二官能性化合物の使用量としては、9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物に対して、好ましくは0.5モル倍以上、5.0モル倍未満、より好ましくは、1.0モル倍以上、3.0モル倍未満である。0.5モル倍未満であると、平均分子量が小さくなり、移行性の抑制効果が弱くなるとともに、未反応の9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物が生成物中に残存し純度が低下する。また、5.0モル倍以上だと平均分子量が小さくなり、移行性の抑制効果が弱くなるとともに、未反応の二官能性化合物が生成物中に残存し純度が低下する。
また、一般式(15)で表される9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物と一般式(13)で表される二官能性化合物のモル比が1に近付くにつれ、平均分子量が大きくなりすぎて、分子のモビリティが小さくなり、増感能が低下する可能性がある。その場合、一官能性化合物を少量添加して分子量を調整してもよい。
反応式-3において使用される塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リチウムヘキサメチルジシラジド、リチウムジイソプロピルアミド、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルアニリン、ピリジン、4,4-ジメチルアミノピリジン、ピペリジン、γ-ピコリン、ルチジン等が挙げられる。
塩基性化合物の添加量としては、9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物に対して、好ましくは2.0モル倍以上、10.0モル倍未満、より好ましくは、2.2モル倍以上、5.0モル倍未満である。2.0モル倍未満であると、反応が完結せず、また、10.0モル倍以上だと副反応が起こり収率及び純度が低下するので好ましくない。
当該反応は溶媒中もしくは無溶媒で行う。用いられる溶媒としては使用するエステル化合物と反応しなければ特に種類を選ばず、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族溶媒、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、塩化メチレン、二塩化エチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭素系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール等のアルコール溶媒が用いられる。
無機塩基の水溶液中に9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物を溶解させ、一般式(13)で表される二官能性化合物と反応させる場合は、相間移動触媒の使用が有効である。相間移動触媒としては、例えば、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルエチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルプロピルアンモニウムブロマイド、トリオクチルブチルアンモニウムブロマイド、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラプロピルアンモニウムクロライド、テトラフブチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルエチルアンモニウムクロライド、トリオクチルプロピルアンモニウムクロライド、トリオクチルブチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
相間移動触媒の添加量としては、9,10-ジヒドロキシアントラセン化合物に対して、好ましくは 0.01モル倍以上、1.0モル倍未満、より好ましくは、0.05モル倍以上、0.5モル倍未満である。0.01モル倍未満であると、反応速度が遅く、また、1.0モル倍以上だと生成物の純度が低下するので好ましくない。
当該反応の反応温度は、通常0℃以上、250℃以下、好ましくは10℃以上、200℃以下である。0℃未満だと、反応時間がかかりすぎ、250℃を超えて加熱すると、不純物が多くなり目的化合物の純度が低下し、共に好ましくない。
当該反応における反応時間は、反応温度によって異なるが、通常1時間から40時間程度である。より好ましくは2時間から20時間である。
反応終了後、必要に応じて未反応原料・溶媒及び触媒を洗浄・減圧留去・濾過等の操作を単独あるいは複数組み合わせる方法で除去する。生成物が固体の場合は反応途中に結晶が析出するので、濾過によって固液分離を行い、必要に応じてアルコールやヘキサン等の貧溶媒から再結晶させる。あるいはそのままドライアップして結晶を得ることができる。生成物が液体の場合は、そのままドライアップし、必要に応じて蒸留等の精製を行って9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーを得ることができる。
(1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマーの製造法-2)
次に、1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマーの製造法について説明する。本発明の一般式(1)で表されるエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマーは、9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーと同様の方法で製造することができる。すなわち、一般式(14)で表される1,4-ジヒドロキシナフタレン化合物を下記の反応式-4に従い、対応する一般式(13)で表される二官能性化合物と反応させることにより得ることができる。
反応式-4において、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基、または炭素数6から20のアリーレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子、窒素原子、硫黄原子で置換されていてもよく、また脂環式化合物、ベンゼン環又はナフタレン環を含んでいてもよく、該ベンゼン環、ナフタレン環はアルキル基で置換されていてもよい。また該アリーレン基は置換基を有していてもよく、複数の環がアルキレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子で結合されていてもよい。また、X、Xは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から5のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、炭素数1から5のアルキルアミノ基、炭素数6から10のアリールアミノ基、メルカプト基、炭素数1から5のアルキルスルフィド基、炭素数6から10のアリールスルフィド基、ハロゲン原子、又は、XとXは互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよく、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を挟んで環を形成してもよく、形成した環は更に置換基を有していてもよい。Yは水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子のいずれかを表す。また、Gは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、nは繰り返し数を表し2~50である。
反応式-4において、原料として用いられる一般式(14)で表される1,4-ジヒドロキシナフタレン化合物は、対応する1,4-ナフトキノン化合物を還元して得られる。当該反応において、原料となる1,4-ジヒドロキシナフタレン化合物の具体的な例としては、1,4-ジヒドロキシナフタレン、2-メチル-1,4-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジメチル-1,4-ジヒドロキシナフタレン、2-クロロ-1,4-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジクロロ-1,4-ジヒドロキシナフタレン、2-ヒドロキシ-1,4-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロ-9,10-ジヒドロキシアントラセン、1,2,3,4-テトラヒドロ-9,10-ジヒドロキシアントラセンなどが挙げられる。
(オリゴマーの製造方法)
次に、上記反応式-4に記載した一般式(14)で表される1,4-ジヒドロキシナフタレン化合物と一般式(13)で表される二官能性化合物との反応による本発明の一般式(1)で表されるエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマーの製造方法(以下オリゴマー化反応と称する)について説明する。
オリゴマー化反応において、原料となる一般式(13)で表される二官能性化合物の具体例は、反応式-3で上げたものと同様のものを用いることができる。
オリゴマー化反応条件も反応式-3と同様の条件を用いることができる。
(光重合増感剤)
本発明の一般式(1)で表されるエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマー及び一般式(2)で表されるエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーは、特定の波長の光により励起され、その励起エネルギーを光重合開始剤に受け渡す光重合増感剤として作用する。その効果により、光重合開始剤の活性が十分でない長波長の光によっても、光重合を効率よく開始することが可能となる。当該光重合増感剤と光重合開始剤は光重合化合物と混合して光重合性組成物とすることができる。当該光重合性組成物は、例えば中心波長が405nmの紫外LED光というような長波長の光の照射によっても、容易に光硬化させることができる。
(光重合開始剤)
本発明で用いる光重合開始剤としては、オニウム塩、ベンジルメチルケタール系、α-ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、α-アミノアセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、ビイミダゾール系開始剤等を用いることができる。
オニウム塩としては通常ヨードニウム塩またはスルホニウム塩が用いられる。ヨードニウム塩としては、4-イソブチルフェニル-4’-メチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサメトキシアンチモネート、4-イソプロピルフェニル-4’-メチルフェニルヨードニウムテトラキスペンタメトキシフェニルボレート、4-イソプロピルフェニル-4’-メチルフェニルヨードニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート等が挙げられ、例えばビー・エー・エス・エフ社製イルガキュア250(イルガキュアはビー・エー・エス・エフ社の登録商標)、ローディア社製ロードシル2074(ロードシルはローディア社の登録商標)、サンアプロ社製のIK-1等を用いることができる。一方、スルホニウム塩としてはS,S,S’,S’-テトラフェニル-S,S’-(4、4’-チオジフェニル)ジスルホニウムビスヘキサメトキシフォスフェート、ジフェニル-4-フェニルチオフェニルスルホニウムヘキサメトキシフォスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサメトキシフォスフェート等が挙げられ、例えばダイセル社製CPI-100P、CPI101P、CPI-200K、ビー・エー・エス・エフ社製イルガキュア270、ダウ・ケミカル社製UVI6992等を用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で用いても2種以上併用しても構わない。
オニウム塩として、ヨードニウム塩だけではなく、スルホニウム塩に対しても、本発明のエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマー及びエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーは、光重合増感効果を持つことも特徴の一つである。
また、本発明の一般式(1)で表されるエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマー及び一般式(2)で表されるエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーは、ベンジルメチルケタール系、α-ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤、ビイミダゾール系重合開始剤等の長波長に吸収を持たないラジカル重合開始剤に対しても優れた光重合増感効果を有している。
ベンジルメチルケタール系ラジカル重合開始剤としては、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名「イルガキュア651」ビー・エー・エス・エフ社製)等が挙げられ、α-ヒドロキシアルキルフェノン系ラジカル重合開始剤としては2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン(商品名「ダロキュア1173」ビー・エー・エス・エフ社製)、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名「イルガキュア184」ビー・エー・エス・エフ社製)、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(商品名「イルガキュア2959」ビー・エー・エス・エフ社製)、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-1-オン(商品名「イルガキュア127」ビー・エー・エス・エフ社製)が挙げられる。
特に、ベンジルメチルケタール系ラジカル重合開始剤である2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名「イルガキュア651」ビー・エー・エス・エフ社製)、α-ヒドロキシアルキルフェノン系ラジカル重合開始剤である2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン(商品名「ダロキュア1173」ビー・エー・エス・エフ社製)、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名「イルガキュア184」ビー・エー・エス・エフ社製)が好ましい。
また、アセトフェノン系ラジカル重合開始剤であるアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-エトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-メトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-イソプロポキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-イソブトキシ-2-フェニルアセトフェノン、ベンジル系ラジカル重合開始剤であるベンジル、4,4’-ジメトキシベンジル、アントラキノン系ラジカル重合開始剤である2-エチルアントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン、2-フェノキシアントラキノン、2-(フェニルチオ)アントラキノン、2-(ヒドロキシエチルチオ)アントラキノン等も用いることができる。
ビイミダゾール系重合開始剤としては、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体等が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表されるエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマー及び一般式(2)で表されるエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物を含有する光重合増感剤の光重合開始剤に対する使用量は、特に限定されないが、光重合開始剤に対して通常1重量%以上、100重量%以下の範囲、好ましくは2重量%以上、50重量%以下の範囲である。光重合増感剤の使用量が1重量%未満では光重合性化合物を光重合させるのに時間がかかりすぎてしまい、一方、100重量%を超えて使用しても添加に見合う効果は得られない。
(光重合開始剤組成物)
本発明の一般式(1)で表されるエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマー及び一般式(2)で表されるエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーを含有する光重合増感剤は、直接、光重合性化合物に添加することもできるが、あらかじめ光重合開始剤と配合することにより光重合開始剤組成物を調製した後、光重合性化合物に添加することもできる。すなわち、本発明の光重合開始剤組成物は、少なくとも、一般式(1)で表されるエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマー及び一般式(2)で表されるエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーを含有する光重合増感剤と光重合開始剤を含有する組成物である。
(光重合性組成物)
さらに該光重合開始剤組成物と光重合性化合物を配合することにより、光重合性組成物を調製することもできる。本発明の光重合性組成物は、本発明のエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマー及びエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーを含有する光重合増感剤と光重合開始剤を含有する光重合開始剤組成物と、光ラジカル重合性化合物又は光カチオン重合性化合物とを含有する組成物である。本発明のエステル基を有する1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマー及びエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーを含有する光重合増感剤と光重合開始剤は、別々に光ラジカル重合性化合物又は光カチオン重合性化合物に添加され、光ラジカル重合性化合物又は光カチオン重合性化合物中で、結果として光重合開始剤組成物を形成してもよい。更に、光ラジカル重合性化合物と光カチオン重合性化合物の両方を含むハイブリッド組成物としてもよい。
光ラジカル重合性化合物としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の二重結合を有する有機化合物を用いることができる。これらのラジカル重合性化合物のうち、フィルム形成能等の面から、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステル(以下、両者をあわせて(メタ)アクリル酸エステルという)が好ましい。(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンジメタノールジアクリレート、イソボニルメタクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、ポリオールアクリレート、ポリエーテルアクリレート、シリコーン樹脂アクリレート、イミドアクリレート等が挙げられる。これらの光ラジカル重合性化合物は、一種でも二種以上の混合物であっても良い。
光カチオン重合性化合物としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル等が挙げられる。エポキシ化合物として一般的なものは、脂環式エポキシ化合物、エポキシ変性シリコーン、芳香族のグリシジルエーテル等が挙げられる。脂環式エポキシ化合物としては、3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル社製、商品名:セロキサイド2021P、セロキサイドはダイセル社の登録商標)、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)アジペート等が挙げられる。エポキシ変性シリコーンとしては、東芝GEシリコーン製UV-9300等が挙げられる。芳香族グリシジル化合物としては、2,2’-ビス(4-グリシジルオキシフェニル)プロパン等が挙げられる。オキセタン化合物としては、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン(オキセタンアルコール)(東亜合成社製、商品名:OXT-101)、2-エチルヘキシルオキセタン(東亜合成社製、商品名:OXT-212)、キシリレンビスオキセタン(東亜合成社製、商品名:OXT-121)、3-エチル-3{[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ]メチル}オキセタン(東亜合成社製、商品名:OXT-221)等が挙げられる。ビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。これらの光カチオン重合性化合物は、一種でも二種以上の混合物であっても良い。
光重合性化合物として光ラジカル重合化合物のみを用いても良いし、光ラジカル重合性化合物と光カチオン重合性化合物両者を混合して用いても良い。
本発明の光重合増感剤は、光ラジカル重合及び光カチオン重合の両方において増感剤として作用することができるため、適当な光重合開始剤を選ぶことにより、光ラジカル重合性化合物と光カチオン重合性化合物の両方を含有する光重合性組成物も効果的に重合させることができる。
光カチオン重合性化合物と光ラジカル重合性化合物の混合比について特に限定はなく、該組成物を光重合、硬化して得られる塗膜や成型物の物性に応じ適宜選択される。通常は光カチオン重合性化合物と光ラジカル重合性化合物の重量比が1対99~99対1、好ましくは20対80~80対20の範囲でその組成比を決定する。
光カチオン重合性化合物、光ラジカル重合性化合物はそれぞれ1種類ずつ用いても良いし、それぞれ2種以上を組み合わせて用いても良い。これらの光重合性化合物を2種以上用いる場合においても、上記の光カチオン重合性化合物と光ラジカル重合性化合物の混合比はそれぞれの光重合性化合物の合計量の比として考える。
本発明の光重合性組成物に用いる光重合開始剤は上述の光ラジカル開始剤もしくは光カチオン開始剤を用いることができる。通常、光重合性化合物として光ラジカル重合性化合物を用いる場合は光ラジカル重合開始剤を用いる。さらに、光重合性化合物として光ラジカル重合性化合物と光カチオン重合性化合物を併用するような場合は光重合開始剤として光ラジカル重合開始剤、もしくは光カチオン重合開始剤単独で用いても良いし両者を混合して用いてもかまわない。
特に、光カチオン重合開始剤の中には光照射によりカチオン開始活性種とラジカル開始活性種を発生するものもあり、このような開始剤を用いる場合はそれのみで光カチオン重合性化合物及び光ラジカル重合性化合物の両方の光重合を開始することも可能である。
更に、本発明の光重合性組成物には、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂などのバインダーポリマーが含まれていてもよい。また、アルカリ可溶性樹脂が含まれていてもよい。
本発明の光重合性組成物において、光重合開始剤組成物の使用量は、光重合性組成物に対して0.005重量%以上、10重量%以下の範囲、好ましくは0.025重量%以上、5重量%以下である。0.005重量%未満だと光重合性組成物を光重合させるのに時間がかかってしまい、一方、10重量%を超えて添加すると光重合させて得られる光硬化物の硬度が低下し、硬化物の物性を悪化させるため好ましくない。
なお、本発明の光重合性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、希釈剤、着色剤、有機又は無機の充填剤、レベリング剤、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、滑剤、可塑剤等の各種樹脂添加剤を配合してもよい。
(光硬化物)
本発明の光重合性組成物に光を照射して重合することにより、光硬化物を得ることができる。光重合性組成物に光を照射し重合させ光硬化させる場合、当該光重合性組成物をフィルム状に成形して光硬化させることもできるし、塊状に成形して光硬化させることもできる。フィルム状に成形して光硬化させる場合は、液状の当該光重合性組成物を例えばポリエステルフィルムなどの基材にバーコーターなどを用いて膜厚5~300ミクロンになるように塗布する。一方、スピンコーティング法やスクリーン印刷法により、さらに薄い膜厚あるいは厚い膜厚にして塗布することもできる。
このようにして調製した光重合性組成物からなる塗膜に、300nmから500nmの波長範囲を含む紫外線を1~1000mW/cm程度の強さで光照射することにより、光硬化物を得ることができる。用いる光源としては、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ガリウムドープドランプ、ブラックライト、405nm紫外線LED、395nm紫外線LED、385nm紫外線LED、375nm紫外線LED、365nm紫外線LED、青色LED、白色LED、フュージョン社製のDバルブ、Vバルブ等が挙げられる。また、太陽光等の自然光を使用することもできる。特に、405nm紫外線LED、395nm紫外線LED、385nm紫外線LED、375nm紫外線LED、365nm紫外線LED、405nm半導体レーザのような波長が365nm~405nmというような長波長域の波長範囲を含む光でも増感作用を有することが特徴であり、このような波長を用いることが好ましい。特に、395nmや405nmというような波長の光を用いる場合は、一般式(2)で表されるエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーが好ましい。
(光DSC測定)
本発明において、光重合性組成物の光照射下における光重合速度を定量的に評価する手法として、光DSC測定法を用いることができる。この手法によれば、試料に光を直接的に照射しながら、硬化に伴う発熱量を連続的にかつ簡便に測定することができる。光DSC測定装置にセットされた試料に光照射をすると光の硬化反応が始まり発熱が観測される。光硬化前は水平であったDSC曲線のベースラインが発熱側にシフトし、反応が終了すると元のベースラインの位置に戻る。このDSC曲線のピークの大きさから、発熱量を求めることができる。すなわち光重合性組成物に光を照射し、1mgあたりの発熱量を測定、比較することによって、重合の進行状況を評価することができる。
(組成物の耐マイグレーション性の判定)
本発明の光重合性組成物に含まれる光重合増感剤がフィルム等に移行(マイグレーション)するかどうかを判定する方法としては、光重合増感剤を含む光重合性組成物を薄いフィルム状物に塗布したものを作成し、その上にポリエチレンフィルムを被せて一定温度(26℃)で一定期間保管し、その後ポリエチレンフィルムを剥がし、光重合増感剤がポリエチレンフィルムに移行しているかを調べ、耐マイグレーション性を判定した。剥がしたポリエチレンフィルムは、アセトンで表面の組成物を洗った後乾燥し、当該ポリエチレンフィルムのUVスペクトルを測定し、光重合増感剤に起因する吸収強度の増大を調べることにより耐マイグレーション性を測定した。なお、当該測定には、紫外・可視分光光度計(島津製作所製、型式:UV2600)を用いた。比較例の化合物である9,10-ジブトキシアントラセンと量的な比較するために、得られた吸光度を9,10-ジブトキシアントラセンの吸光度の値に換算した。換算に当たっては、紫外・可視分光光度計により本発明の化合物及び9,10-ジブトキシアントラセンの260nmにおける吸光度を測定し、その吸光度の値とモル濃度からそれぞれのモル吸光係数を計算し、その比を用いて換算した。
下記の実施例により本発明を例示するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。また、特記しない限り、すべての部は重量部である。生成物の確認は下記の機器による測定に基づいて行った。
本発明の化合物の同定は下記の機器を用いて行った。
赤外線(IR)分光光度計:Thermo社製、型式is50 FT-IR
核磁気共鳴装置(NMR):日本電子社製、型式ECS-400
数平均分子量(GPC):日本分光社製、2000シリーズ
(原料合成例1)9,10-ビス(メトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンの合成
攪拌機、温度計付きの100mlの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、溶媒のメチルイソブチルケトンを15g、触媒のテトラブチルアンモニウムブロマイドの50%水溶液を0.8g(1.2ミリモル)、ブロモ酢酸メチルを9.5g(62.1ミリモル)加えた。反応系の温度を20~25℃に保ちながら9,10-ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩の17wt%水溶液29.1g(アントラキノンとして24ミリモル)を1時間以上かけて、滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌した。その後、吸引濾過により、収量4.7g(粗収率55 mol%)の黄色の結晶を得た。
(1)融点:151-152℃
(2)IR(cm-1):1745,1391,1363,1164,1093,774,705.
(3)H-NMR(400MHz,CDCl):δ=3.914(s,6H),4.792(s,4H),7.261-7.545(m,4H),8.319-8.366(m,4H).
(原料合成例2)9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンの合成
攪拌機、温度計付きの100mlの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、溶媒のメチルイソブチルケトンを15g、触媒のテトラブチルアンモニウムブロマイドの50%水溶液を0.8g(1.2ミリモル)、ブロモ酢酸エチルを10.4g(62.5ミリモル)加えた。反応系の温度を20~25℃に保ちながら9,10-ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩の17wt%水溶液29.1g(アントラキノンとして24ミリモル)を1時間以上かけて、滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌した。その後、吸引濾過により、収量5.0g(粗収率55mol%)の薄黄色の結晶を得た。
(1)融点:93-94℃
(2)IR(cm-1):1754,1742,1382,1367,1241,1212,1168,1087,1034,1004,936,809,768,720,691,669,585.
(3)H-NMR(400MHz,CDCl):δ=1.370(t,J=14Hz,6H),4.376(k,J=21.6Hz,4H),4.777(s,4H),7.261-7.540(m,4H).
(原料合成例3)9,10-ビス(イソプロポキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンの合成
攪拌機、温度計付きの100mlの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、溶媒のメチルイソブチルケトンを15g、触媒のテトラブチルアンモニウムブロマイドの50%水溶液を0.8g(1.2ミリモル)、ブロモ酢酸イソプロピルを11.3g(62.5ミリモル)加えた。反応系の温度を20~25℃に保ちながら9,10-ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩の17wt%水溶液29.1g(アントラキノンとして24ミリモル)を1時間以上かけて、滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌した。その後、吸引濾過により、収量5.9g(粗収率60mol%)の薄黄色の結晶を得た。
(1)融点:109-110℃
(2)IR(cm-1):1744,1360,1210,1163,1086,1018,1004,776,768,671.
(3)H-NMR(400MHz,CDCl):δ=1.347(d,J=6.4Hz,12H),4.743(s,4H),5.246-5.277(m,2H),7.504-7.529(m,4H),8.356-8.398(m,4H).
(原料合成例4)9,10-ビス(メトキシカルボニルメチルメチレンオキシ)アントラセンの合成
攪拌機、温度計付きの100mlの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、溶媒のメチルイソブチルケトンを15g、触媒のテトラブチルアンモニウムブロマイドの50%水溶液を0.8g(1.2ミリモル)、2-ブロモプロピオン酸メチルを10.4g(62.5ミリモル)加えた。反応系の温度を20~25℃に保ちながら9,10-ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩の17wt%水溶液29.1g(アントラキノンとして24ミリモル)を1時間以上かけて、滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌した。その後、吸引濾過によりアントラキノンを取り除き、得られた濾液を分液操作により、2度水で洗浄した。エバポレータで溶液を濃縮し、冷凍庫で冷却し結晶を析出させた。析出した結晶をさらに吸引濾過することにより、収量4.6g(粗収率50mol%)の黄色の結晶を得た。
(1)融点:130-131℃
(2)IR(cm-1):1737,1366,1207,1134,1078,1061,1020,970,748,681.
(3)H-NMR(400MHz,CDCl):δ=1.644(d,J=6.4Hz,6H),3.770(s,6H),4.904(k,J=20.4Hz,2H),7.464-7.489(m,4H),8.292-8.332(m,4H).
(原料合成例5)9,10-ビス(エトキシカルボニルプロピレンオキシ)アントラセンの合成
攪拌機、温度計付きの100mlの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、触媒のテトラブチルアンモニウムブロマイドの50%水溶液を0.77g(1.19ミリモル)、4-ブロモ酪酸エチルを12.1g(61.8ミリモル)、9,10-ジヒドロキシアントラセンを5.0g(23.8ミリモル)、炭酸カリウムを9.9g(71.4ミリモル)、溶媒のN,N-ジメチルホルムアミドを40g加えた。反応系の温度を20~30℃に保ちながら1時間撹拌した。その後、吸引濾過によりアントラキノンを取り除き、得られた濾液をトルエンに溶かし、2度水で洗浄した。エバポレータで溶液を濃縮した。一晩放置したところ、溶液全体が固化したため、メタノールを加え、50℃に加熱し、溶解させた。溶解しなかったアントラキノンを吸引濾過により取り除き、濾液を冷凍庫で冷却し結晶を析出させた。析出した結晶をさらに吸引濾過することにより、収量5.4g(粗収率51mol%)の黄色の結晶を得た。
(1)融点:95-96℃
(2)IR(cm-1):1721,1351,1312,1239,1183,1164,1081,1024,1015,913,767,742,669.
(3)H-NMR(400MHz,CDCl):δ=1.307(t,J=14.0Hz,6H),2.340-2.408(m,4H),2.776(t,J=14.8Hz,4H),4.171-4.235(m,8H),7.456-7.494(m,4H),8.230-8.256(m,4H).
(原料合成例6)9,10-ビス(エトキシカルボニルブチレンオキシ)アントラセンの合成
攪拌機、温度計付きの100mlの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、触媒のテトラブチルアンモニウムブロマイドの50%水溶液を0.77g(1.19ミリモル)、5-ブロモ吉草酸エチルを12.9g(61.8ミリモル)、9,10-ジヒドロキシアントラセンを5.0g(23.8ミリモル)、炭酸カリウムを9.9g(71.4ミリモル)、溶媒のN,N-ジメチルホルムアミドを40g加えた。反応系の温度を20~30℃に保ちながら1時間撹拌した。その後、吸引濾過によりアントラキノンを取り除き、得られた濾液をトルエンに溶かし、分液操作により、2度水で洗浄した。エバポレータで溶液を濃縮した。一晩放置し、メタノールを加え、溶解しなかったアントラキノンを吸引濾過により取り除いた。濾液を冷凍庫で冷却し結晶を析出させた。析出した結晶をさらに吸引濾過することにより、収量6.2g(粗収率55mol%)の橙色の結晶を得た。
(1)融点:57-58℃
(2)IR(cm-1):1722,1403,1337,1284,1269,1229,1178,1167,1068,1021,934,763,675.
(3)H-NMR(400MHz,CDCl):δ=1.286(t,J=14.4Hz,6H),2.018-2.103(m,8H),2.496(t,J=13.6Hz,4H),4.151-4.205(m,8H),7.463-7.487(m,4H),8.243-8.268(m,4H).
(原料合成例7)2-エチル-9,10-ビス(イソプロポキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンの合成
攪拌機、温度計付きの200mlの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、2-エチルアントラキノンを5.0g(21,2ミリモル)、二酸化チオ尿素を9.1g(86.4ミリモル)、水酸化ナトリウムを8.4g(211.6ミリモル)、イオン交換水を50g加え、徐々に120℃まで昇温しながら撹拌を行った。溶液が赤黒色になったところで撹拌を止め、室温で冷却し、2-エチル-9,10-ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩水溶液を調製した。次に、攪拌機、温度計付きの別の200mlの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、溶媒のメチルイソブチルケトンを15g、触媒のテトラブチルアンモニウムブロマイドの50%水溶液を2.7g(4.23ミリモル)、ブロモ酢酸イソプロピルを10.0g(55.0ミリモル)加えた。反応系の温度を20~25℃に保ちながら、上記で調製した2-エチル-9,10-ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩水溶液を1時間以上かけて、滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌した。その後、水層を除き、有機層をエバポレータで濃縮し、収量4.5g(粗収率48mol%)のオレンジ色のオイルを得た。
(1)融点:室温で液体
(2)IR(cm-1):1728,1673,1454,1385,1373,1324,1286,1206,1085,962,931,901,825,772,750,712.
(3)H-NMR(400MHz,CDCl):δ=1.237-1.371(m,15H),2.816-2.899(m,2H),4.731(s,4H),5.014-5.123(m,1H),5.225-5.301(m,1H),7.391(d,J=9.2Hz,1H),7.461-7.512(m,2H),7.766-7.790(m,1H),8.119(d,J=7.6Hz,1H),8.284-8.368(m,2H).
(原料合成例8)9,10-ビス(ヒドロキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンの合成
攪拌機、温度計付きの100mlの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、溶媒のメチルイソブチルケトン(MIBK)を15g、触媒のテトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)の50%水溶液を0.8g(1.2ミリモル)、ブロモ酢酸を9.5g(62.1ミリモル)加えた。反応系の温度を20~25℃に保ちながら9,10-ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩 (AHQ-Na)と水酸化ナトリウムとの水溶液29.1g(24ミリモル)を1時間以上かけて、滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌した。その後、吸引濾過により、収量4.7g(粗収率55mol%)の黄色の結晶を得た。
(1)融点:151-152℃
(2)IR(cm-1):1745,1391,1363,1164,1093,774,705.
(3)H-NMR(400MHz,CDCl):δ=3.914(s,6H),4.792(s,4H),7.261-7.545(m,4H),8.319-8.366(m,4H).
(合成実施例1)9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと1,6-ヘキサンジオールとの反応により得られるオリゴマーの合成(6-6)
撹拌子を入れた50mlの三つ口フラスコに、原料合成例2と同様の方法で得た9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセン1.7g(4.5ミリモル)、1,6-ヘキサンジオール0.80g(6.8ミリモル)加え、オイルバスで130℃に加熱した。原料が溶融してから撹拌を開始し、130℃になったところで、触媒のテトラ-i-プロポキシチタン(TPT)0.064g(0.225ミリモル)加え、360mmHgに減圧を開始した。減圧開始し3.5時間後、2mmHgで減圧した。その後、2.5時間後に反応を終了し、1.47gの茶黒色の固形物で生成物を得た。
(1)数平均分子量:Mn=3600
(2)IR(cm-1):1750,1731,1401,1382,1350,1272,1167,1082,1020,771,695,667,607,581.
(3)H-NMR(400MHz.CDCl):δ=1.452(br,4H),1.740(br,4H),4.300(t,J=12.8Hz,4H),4.764(s,4H),7.480-7.504(m,4H),8.329-8.354(m,4H).
(合成実施例2)9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーの合成(6-7)
撹拌子を入れた、50mlの三つ口フラスコに、原料合成例2と同様の方法で得た9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセン1.7g(4.5ミリモル)、3-メチル-1,5-ペンタンジオール0.66g(5.6ミリモル)加え、オイルバスで130℃に加熱した。原料が溶融してから撹拌を開始し、130℃になったところで、触媒のテトラ-i-プロポキシチタン(TPT)0.064g(0.225ミリモル)加え、360mmHgに減圧を開始した。減圧開始し4.5時間後、2mmHgで減圧した。その後、1時間後に反応を終了し、1.65gの茶黒色の水あめ状の生成物を得た。
(1)数平均分子量:Mn=5500
(2)IR(cm-1):1751,1382,1350,1272,1167,1127,957,770,700,667,607.
(3)H-NMR(400MHz.CDCl):δ=0.936-1.013(m,3H),1.590-1.636(m,4H),1.786-1.844(m,1H),4.304-4.368(m,4H),4.734-4.778(m,4H),7.261-7.488(m,4H),8.291-8.339(m,4H).
(合成実施例3)9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーの合成(6-9)
撹拌子を入れた、50mlの三つ口フラスコに、原料合成例2と同様の方法で得た9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセン1.7g(4.5ミリモル)、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールを0.90g(5.6ミリモル)加え、オイルバスで130℃に加熱した。原料が溶融してから撹拌を開始し、130℃になったところで、触媒のテトラ-i-プロポキシチタン(TPT)0.064g(0.225ミリモル)加え、360mmHgに減圧を開始した。減圧開始し7時間後、2mmHgで減圧した。その後、2.5時間後に反応を終了し、1.55gの茶黒色の水あめ状の生成物を得た。
(1)数平均分子量:Mn=3800
(2)IR(cm-1):1754,1735,1400,1380,1350,1272,1167,1127,1031,771,669,607.
(3)H-NMR(400MHz.CDCl):δ=0.826-0.955(m,6H),1.294-1.470(m,6H),1.575-1.696(m,1H),1.763-1.818(m,1H),4.190-4.261(m,4H),4.719-4.754(m,4H),7.424-7.493(m,4H),8.284-8.314(m,4H).
(合成実施例4)9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと1,9-ノナンジオールとの反応により得られるオリゴマーの合成(6-11)
撹拌子を入れた、50mlの三つ口フラスコに、原料合成例2と同様の方法で得た9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセン1.7g(4.5ミリモル)、1,9-ノナンジオール0.90g(5.6ミリモル)加え、オイルバスで130℃に加熱した。原料が溶融してから撹拌を開始し、130℃になったところで、触媒のテトラ-i-プロポキシチタン(TPT)0.064g(0.225ミリモル)加え、360mmHgに減圧を開始した。減圧開始し3.5時間後、2mmHgで減圧した。その後、3時間後に反応を終了し、1.78gの茶黒色の水あめ状の生成物を得た。
(1)数平均分子量:Mn=3900
(2)IR(cm-1):1753,1732,1382,1350,1272,1167,1029,959,771,668,607.
(3)H-NMR(400MHz.CDCl):δ=1.322(br,6H),1.575(br,4H),1.678-1.730(m,4H),4.289(t,J=13.2Hz,4H),4.765(s,4H),7.261-7.521(m,4H),8.340-8.370(m,4H).
(合成実施例5)9,10-ビス(ヒドロキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンとポリエチレングリコール(分子量:1000)との反応により得られるオリゴマーの合成(6-14)
撹拌子を入れた50mlの三つ口フラスコに、原料合成例8と同様の方法で得た9,10-ビス(ヒドロキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンを1.5g(4.5ミリモル)、ポリエチレングリコール(分子量:1000)を6.8g(6.8ミリモル)加え、オイルバスで160℃に加熱した。原料が溶融してから撹拌を開始し、160℃になったところで、触媒の硫酸を0.02g(0.225ミリモル)加え、加熱撹拌を続けた。その後、7時間後に反応を終了し、常温で茶黒色の固形の生成物を得た。
(1)数平均分子量:Mn=1500
(2)IR(cm-1):2871,1749,1456,1342,1279,1240,1088,954,840,777,692,526.
(3)H-NMR(400MHz.CDCl):δ=3.546-3.800(m),4.445-4.467(m,2H),7.505-7.529(m,4H),8.317-8.368(m,4H).
(合成実施例6)9,10-ビス(ヒドロキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと1,5-ジブロモペンタンとの反応により得られるオリゴマーの合成(6-5)
撹拌子を入れた、50mlの枝付きフラスコに、原料合成例8と同様の方法で得た9,10-ビス(ヒドロキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセン0.19g(0.61ミリモル)、溶媒のN,N’-ジメチルホルムアミド(DMF)を5ml、炭酸カリウム(KCO)を0.09g(0.64ミリモル)、1,5-ジブロモペンタンを0.15g(0.66ミリモル)加え、100℃で加熱した。加熱開始から5時間後に室温まで冷却させ、吸引濾過により炭酸カリウムを含む残渣を取り除いた。得られたろ液をエバポレータで減圧濃縮し、収量0.45g茶黒色の水あめ状の生成物を得た。
(1)数平均分子量:Mn=830
(2)IR(cm-1):2933,2360,1731,1663,1382,1168,1128,772.
(3)H-NMR(400MHz.CDCl):δ=1.322-1.930(m,8H),2.857(s,4H),2.934(s,4H),4.292(br,3H),4.765(s,4H),7.32-7.521(m,4H),8.340-8.370(m,4H).
(合成実施例7)9,10-ビス(ヒドロキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと1,9-ジブロモノナンとの反応により得られるオリゴマーの合成(6-11)
撹拌子を入れた、50mlの枝付きフラスコに、原料合成例8と同様の方法で得た9,10-ビス(ヒドロキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセン0.20g(0.63ミリモル)、溶媒のN,N’-ジメチルホルムアミド(DMF)を5ml、炭酸カリウム(KCO)を0.09g(0.64ミリモル)、1,9-ジブロモノナンを0.18g(0.63ミリモル)加え、100℃で加熱した。加熱開始から5時間後に室温まで冷却させ、吸引濾過により炭酸カリウムを含む残渣を取り除いた。得られたろ液をエバポレータで減圧濃縮し、収量0.26g茶黒色の水あめ状の生成物を得た。
(1)数平均分子量:Mn=960
(2)IR(cm-1):2926,2854,1731,1664,1200,1085,773.
(3)H-NMR(400MHz.CDCl):δ=1.322(br,8H),1.687(br,8H),2.857(s,4H),2.934(s,4H),4.265(br,3H),4.742(t,J=13.2Hz,4H),7.41-7.521(m,4H),8.340-8.370(m,4H).
(合成実施例8)9,10-ジヒドロキシアントラセンと1,2-ビス(ブロモアセトキシ)エタンとの反応により得られるオリゴマーの合成(6-1)
撹拌子を入れた30mlの枝付きフラスコに、窒素雰囲気下で、1,2-ビス(ブロモアセトキシ)エタン1.6g(5.3ミリモル)、溶媒のメチルイソブチルケトンを10g、触媒のテトラブチルアンモニウムブロマイドの50%水溶液を0.15g(0.2ミリモル)を加えた。反応系の温度を20~25℃に保ちながら9,10-ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩の18.8wt%水溶液5.3g(アントラキノンとして4.8ミリモル)を15分かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌した。その後吸引濾過により、収量0.3gの黄土色の結晶を得た。
(1)数平均分子量:Mn=1500
(2)IR(cm-1):2959,2360,1751,1677,1590,1285,1191,1166,1088,773,693.
(3)H-NMR(400MHz.CDCl):1.652(s,4H)4.771(br,4H)7.403-7.520(m,4H),8.311-8.333(m,4H).
(合成実施例9)9,10-ジヒドロキシアントラセンと1,5-ビス(ブロモアセトキシ)3-メチルペンタンとの反応により得られるオリゴマーの合成(6-7)
攪拌機、温度計付きの200mlの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、1,5-ビス(ブロモアセトキシ)3-メチルペンタン8.6g(23.9ミリモル)、溶媒のメチルイソブチルケトンを50g、触媒のテトラブチルアンモニウムブロマイドの50%水溶液を0.77g(1.2ミリモル)を加えた。反応系の温度を25~30℃に保ちながら9,10-ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩の18.8wt%水溶液26.6g(アントラキノンとして24.0ミリモル)を15分かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌した。その後、吸引濾過により副成物のアントラキノンを取り除き、得られた濾液の水層を除去した。有機層をイオン交換水で2回洗浄し、濃縮を行い、収量6.0gの茶褐色オイルを得た。
(1)数平均分子量:Mn=770
(2)IR(cm-1):1731,1670,1382,1273,1234,1197,1168,1086.
(3)H-NMR(400MHz.CDCl):δ=1.295(br,6H),1.594(br,4H),1.680-1.689(m,4H),7.247-7.510(m,4H),8.235-8.324(m,4H)
(合成実施例10)9,10-ジヒドロキシアントラセンと1,9-ビス(ブロモアセトキシ)ノナンとの反応により得られるオリゴマーの合成(6-11)
攪拌機、温度計付きの200mlの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、1,9-ビス(ブロモアセトキシ)ノナン9.7g(24.0ミリモル)、溶媒のメチルイソブチルケトンを50g、触媒のテトラブチルアンモニウムブロマイドの50%水溶液を0.77g(1.2ミリモル)を加えた。反応系の温度を20~25℃に保ちながら9,10-ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩の18.8wt%水溶液26.6g(アントラキノンとして24.0ミリモル)を15分かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間撹拌した。その後、吸引濾過により副成物のアントラキノンを取り除き、得られた濾液の水層を除去した。有機層をイオン交換水で2回洗浄し、濃縮を行い、収量8.9gの茶褐色オイルを得た。
(1)数平均分子量:Mn=1150
(2)IR(cm-1):1732,1400,1383,1359,1273,1238,1199,1168,1087,1032.
(3)H-NMR(400MHz.CDCl):δ=1.316(br,6H),1.717(br,4H),4,294(s,4H),4.774(s,4H),7.461-7,530(m、4H),8.305-8.368(m,4H).
以下に、1,4-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)ナフタレン化合物のオリゴマーの光重合増感効果と耐マイグレーション性を示すために、代表的な例として一般式(2)で表されるエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーの光重合増感効果と耐マイグレーション性の試験結果を示す。
(光DSC測定)
本実施例において光DSC測定は下記のようにして行った。すなわち、DSC測定装置は日立ハイテク社製XDSC-7200を用い、それに光DSC測定用ユニットを装着し光を照射しながらDSC測定ができるよう設えた。光照射用の光源は林時計工業社製LA-410UVを用い、バンドパスフィルターで405nm光を取り出してサンプルに照射できるようにした。光の照度は50mW/cmとした。光源の光はグラスファイバーを用いてサンプル上部まで導けるようにし、光照射開始と同時にDSC測定ができるよう光源のシャッターをトリガー制御できるようにした。光DSCの測定はサンプルを1mg程度測定用アルミパンの中に精秤し、DSC測定部に収めたのち光DSCユニットを装着した。その後測定部内を窒素雰囲気に保ち10分間静置して、測定を開始した。測定は通常光を照射しながら6分間継続した。一回目の測定後、サンプルはそのままで再度同条件で測定を行い、一回目の測定結果から二回目の測定結果を差し引いた値を該サンプルの測定結果とした。結果は特に断らない限り光照射後1分間におけるサンプル1mgあたりの総発熱量で比較した。測定条件によっては1分間で光反応が完結しない場合もあるが光照射初期の反応挙動を比較するために1分間の総発熱量で比較した。光照射に伴ってサンプル(光重合性組成物)の重合が生じた場合、重合に伴う反応熱が生ずるが光DSCではその反応熱を測定することができる。そのため、光DSCによって光照射による重合進行の状況が測定できることになる。本実施例では光照射後1分間の総発熱量を測定しているが、同一の重合性化合物を用いている限りにおいてはその値を比較した場合値が大きいほど重合が効率的に進行していると考えることができる。
このようにして、本発明のエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーを光カチオン重合増感剤とする光カチオン重合性組成物の光重合性能評価試験について以下に記載する。
「光硬化速度評価実施例1」
光カチオン重合性化合物として3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル社製、商品名:セロキサイド2021P、セロキサイドはダイセル社の登録商標)100重量部に対して、光重合開始剤である(4-メチルフェニル)[4-(2-メチルプロピル)フェニル]ヨードニウム-ヘキサフルオロフォスフェー卜(ビー・エー・エス・エフ社製、商品名イルガキュア250)2重量部、光カチオン重合増感剤として、合成実施例2で得られた9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマー1重量部を室温で混合し、光カチオン重合性組成物を調製した。この光重合性組成物について光DSC測定を行ったところ、光照射開始から1分間の総発熱量は132mJ/mgであった。
「光硬化速度評価実施例2」
「光硬化速度評価例1」の9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーを合成実施例3と同様に得られた9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーに変えた以外は「光硬化速度評価例1」と同様に光DSC測定を行ったところ、光照射開始から1分間の総発熱量は114mJ/mgであった。
「光硬化速度評価例3」
「光硬化速度評価例1」の9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーを合成実施例4と同様に得られた9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと1,9-ノナンジオールとの反応により得られるオリゴマーに変えた以外は「光硬化速度評価例1」と同様に光DSC測定を行ったところ、光照射開始から1分間の総発熱量は128mJ/mgであった。
「光硬化速度評価例7」
「光硬化速度評価例1」の9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーを合成実施例9と同様に得られた9,10-ジヒドロキシアントラセンと1,5-ビス(ブロモアセトキシ)3-メチルペンタンとの反応により得られるオリゴマーに変えた以外は「光硬化速度評価実施例33」と同様に光DSC測定を行ったところ、光照射開始から1分間の総発熱量は89mJ/mgであった。
「光硬化速度評価例8」
「光硬化速度評価例1」の9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーを合成実施例10と同様に得られた9,10-ジヒドロキシアントラセンと1,9-ビス(ブロモアセトキシ)ノナンとの反応により得られるオリゴマーに変えた以外は「光硬化速度評価実施例33」と同様に光DSC測定を行ったところ、光照射開始から1分間の総発熱量は146mJ/mgであった。
「光硬化速度比較例1」
光カチオン重合性化合物として3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル社製、商品名:セロキサイド2021P、セロキサイドはダイセル社の登録商標)100重量部に対して、光重合開始剤である(4-メチルフェニル)[4-(2-メチルプロピル)フェニル]ヨードニウム-ヘキサフルオロフォスフェー卜(ビー・エー・エス・エフ社製、商品名イルガキュア250)2重量部を室温で混合し、光カチオン重合性組成物を調製した。この光重合性組成物について光DSC測定を行ったところ、光照射開始から1分間の総発熱量は0.4mJ/mgであった。
「光硬化速度比較例2」
「光硬化速度評価例1」の9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーの代わりに公知の光重合増感剤である9,10-ジブトキシアントラセンを使用すること以外は「光硬化速度評価例1」と同様に光DSC測定を行ったところ、光照射開始から1分間の総発熱量は99mJ/mgであった。
次に、本発明の化合物を光ラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光重合性能評価試験について以下に記載する。
「光硬化速度評価例4」
光ラジカル重合性化合物として100重量部のトリメチロールプロパントリアクリラートに対して、光重合開始剤である1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2重量部、光カチオン重合増感剤として、合成実施例2で得られた9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマー0.05重量部を室温で混合し、光ラジカル重合性組成物を調製した。この光重合性組成物について光DSC測定を行ったところ、光照射開始から1分間の総発熱量は186mJ/mgであった。
「光硬化速度評価例5」
「光硬化速度評価例4」の9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーを実施例3と同様に得られた9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーに変えた以外は「光硬化速度評価例4」と同様に光DSC測定を行ったところ、光照射開始から1分間の総発熱量は213mJ/mgであった。
「光硬化速度評価例6」
「光硬化速度評価例4」の9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーを実施例4と同様に得られた9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと1,9-ノナンジオールとの反応により得られるオリゴマーに変えた以外は「光硬化速度評価例4」と同様に光DSC測定を行ったところ、光照射開始から1分間の総発熱量は196mJ/mgであった。
「光硬化速度評価例9」
「光硬化速度評価例4」の9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーを実施例9と同様に得られた9,10-ジヒドロキシアントラセンと1,5-ビス(ブロモアセトキシ)3-メチルペンタンとの反応により得られるオリゴマーに変えた以外は「光硬化速度評価実施例36」と同様に光DSC測定を行ったところ、光照射開始から1分間の総発熱量は226mJ/mgであった。
「光硬化速度評価例10」
「光硬化速度評価例4」の9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーを実施例10と同様に得られた9,10-ジヒドロキシアントラセンと1,9-ビス(ブロモアセトキシ)ノナンとの反応により得られるオリゴマーに変えた以外は「光硬化速度評価実施例36」と同様に光DSC測定を行ったところ、光照射開始から1分間の総発熱量は199mJ/mgであった。
「光硬化速度比較例3」
光ラジカル重合性化合物として100重量部のトリメチロールプロパントリアクリラートに対して、光開始剤である1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2重量部を室温で混合し、光ラジカル重合性組成物を調製した。この光重合性組成物について光DSC測定を行ったところ、光照射開始から1分間の総発熱量は76mJ/mgであった。
「光硬化速度比較例4」
「光硬化速度評価例4」の9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーを公知の光重合増感剤である9,10-ジブトキシアントラセンを使用すること以外は「光硬化速度評価例4」と同様に光DSC測定を行ったところ、光照射開始から1分間の総発熱量は125mJ/mgであった。
光硬化速度評価例1、2、3、7、8と光硬化速度比較例1の結果を比較することにより明らかなように、光カチオン重合において本発明の9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーを添加することにより、総発熱量が増加しており、著しく重合反応を促進していることがわかる。また、光硬化速度評価例4、5、6、9、10と光硬化速度比較例3の結果を比較することにより明らかなように、光ラジカル重合においても本発明の99,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーを添加することにより、総発熱量が増加しており、著しく重合反応を促進していることがわかる。すなわち、本発明の9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーが、光カチオン重合及び光ラジカル重合のいずれにおいても光重合増感効果を持つことが分かる。
更に、光硬化速度評価例1、2、3、7、8と光硬化速度比較例2の結果を比較することにより明らかなように、光カチオン重合において本発明の9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーは、公知の光重合増感剤である9,10-ジブトキシアントラセンと同等もしくはそれ以上の光重合増感効果を持つことがわかる。また、光硬化速度評価例4、5、6、9、10と光硬化速度比較例4の結果を比較することにより明らかなように、光ラジカル重合においても本発明の9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーは、公知の光重合増感剤である9,10-ジブトキシアントラセンと同等もしくはそれ以上の光重合増感効果を持つことがわかる。
(光カチオン重合における組成物の耐マイグレーション性の評価実施例)
(耐マイグレーション性評価例1)
エポキシ光カチオン重合性化合物として3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル社製セロキサイド2021P)100部に対し、光重合増感剤として実施例2と同様の方法で合成した9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーを1部混合し調製した組成物をポリエステルフィルム上で膜厚が12ミクロンになるようにバーコーターを用いて塗布した。次いで、得られた塗布物上に低密度ポリエチレンフィルム(膜厚30ミクロン)を被せて、暗所で四日間保管したもの、七日間保管したものを、それぞれ保管後、ポリエチレンフィルムを剥がし、ポリエチレンフィルムをアセトンで洗い乾燥した後、フィルムのUVスペクトルを測定し、230nmの吸光度を測定した。得られた9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーに起因する吸収は、四日保管後0.004、七日保管後0.005であった。
(耐マイグレーション性評価例2)
光重合増感剤として9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーの代わりに合成実施例3と同様の方法で合成した9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールのポリマーを使用すること以外は耐マイグレーション性評価例1と同様にして試験した。アセトン洗いしたポリエチレンフィルムの230nmの吸光度を測定した結果、9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーに起因する吸収は、四日保管後0.004、七日保管後0.005であった。
(耐マイグレーション性評価例3)
光重合増感剤として9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーの代わりに合成実施例4と同様の方法で合成した9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと1,9-ノナンジオールのポリマーを使用すること以外は耐マイグレーション性評価例1と同様にして試験した。アセトン洗いしたポリエチレンフィルムの230nmの吸光度を測定した結果、9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと1,9-ノナンジオールとの反応により得られるオリゴマーに起因する吸収は、四日保管後0.004、七日保管後0.005であった。
(耐マイグレーション性評価例7)
光重合増感剤として9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーの代わりに実施例9と同様の方法で合成した9,10-ジヒドロキシアントラセンと1,5-ビス(ブロモアセトキシ)3-メチルペンタンのオリゴマーを使用すること以外は耐マイグレーション性評価例1と同様にして試験した。アセトン洗いしたポリエチレンフィルムの230nmの吸光度を測定した結果、9,10-ジヒドロキシアントラセンと1,5-ビス(ブロモアセトキシ)3-メチルペンタンとの反応により得られるオリゴマーに起因する吸収は、四日保管後0.005、七日保管後0.007であった。
(耐マイグレーション性評価例8)
光重合増感剤として9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーの代わりに実施例10と同様の方法で合成した9,10-ジヒドロキシアントラセンと1,9-ビス(ブロモアセトキシ)ノナンのオリゴマーを使用すること以外は耐マイグレーション性評価例1と同様にして試験した。アセトン洗いしたポリエチレンフィルムの230nmの吸光度を測定した結果、9,10-ジヒドロキシアントラセンと1,9-ビス(ブロモアセトキシ)ノナンとの反応により得られるオリゴマーに起因する吸収は、四日保管後0.006、七日保管後0.007であった。
(耐マイグレーション性比較例1)
光重合増感剤として9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーの代わりに公知の光重合増感剤である9,10-ジブトキシアントラセンを使用すること以外は耐マイグレーション性評価例1と同様に調製した。アセトン洗いしたポリエチレンフィルムの230nmの吸光度を測定した結果、9,10-ジブトキシアントラセンの吸光度は、四日保管後0.860、七日保管後0.932であった。
(光ラジカル重合における組成物の耐マイグレーション性の評価実施例)
(耐マイグレーション性評価例4)
光ラジカル重合性化合物としてトリメチロールプロパントリアクリラート100部、光ラジカル重合増感剤として合成実施例2と同様の方法で合成した9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーを0.05部混合し調製した組成物をポリエステルフィルム上で膜厚が12ミクロンになるようにバーコーターを用いて塗布した。次いで、得られた塗布物上に低密度ポリエチレンフィルム(膜厚30ミクロン)を被せて、暗所で四日間保管したものと七日間保管したものを調製し、それぞれ保管後、被せたポリエチレンフィルムを剥がし、ポリエチレンフィルムをアセトンで洗い、乾燥した後、当該ポリエチレンフィルムのUVスペクトルを測定し、230nmの吸光度を測定したが、9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーに起因する吸収は、四日保管後0.004、七日保管後0.005であった。
(耐マイグレーション性評価例5)
9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーの代わりに合成実施例3と同様の方法で合成した9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーを使用すること以外は耐マイグレーション性評価例4と同様に調製して試験した。アセトン洗いしたポリエチレンフィルムの230nmの吸光度を測定したが、9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーに起因する吸収は、四日保管後0.004、七日保管後0.005であった。
(耐マイグレーション性評価例6)
9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーの代わりに合成実施例4と同様の方法で合成した9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと1,9-ノナンジオールとの反応により得られるオリゴマーを使用すること以外は耐マイグレーション性評価例4と同様に調製して試験した。アセトン洗いしたポリエチレンフィルムの230nmの吸光度を測定したが、9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと1,9-ノナンジオールとの反応により得られるオリゴマーに起因する吸収は、四日保管後0.005、七日保管後0.005であった。
(耐マイグレーション性評価例9)
9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーの代わりに実施例9と同様の方法で合成した9,10-ジヒドロキシアントラセンと1,5-ビス(ブロモアセトキシ)3-メチルペンタンとの反応により得られるオリゴマーを使用すること以外は耐マイグレーション性評価例4と同様に調製して試験した。アセトン洗いしたポリエチレンフィルムの230nmの吸光度を測定したが、9,10-ジヒドロキシアントラセンと1,5-ビス(ブロモアセトキシ)3-メチルペンタンとの反応により得られるオリゴマーに起因する吸収は、四日保管後0.003、七日保管後0.007であった。
(耐マイグレーション性評価実施例10)
9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーの代わりに実施例10と同様の方法で合成した9,10-ジヒドロキシアントラセンと1,9-ビス(ブロモアセトキシ)ノナンとの反応により得られるオリゴマーを使用すること以外は耐マイグレーション性評価例4と同様に調製して試験した。アセトン洗いしたポリエチレンフィルムの230nmの吸光度を測定したが、9,10-ジヒドロキシアントラセンと1,9-ビス(ブロモアセトキシ)ノナンとの反応により得られるオリゴマーに起因する吸収は、四日保管後0.003、七日保管後0.007であった。
(耐マイグレーション性比較例2)
9,10-ビス(エトキシカルボニルメチレンオキシ)アントラセンと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られるオリゴマーの代わりに公知の光ラジカル増感剤である9,10-ジブトキシアントラセンを使用すること以外は耐マイグレーション性評価例4と同様にして試験した。アセトン洗いしたポリエチレンフィルムの230nmの吸光度を測定した結果、得られた9,10-ジブトキシアントラセンの吸光度は、四日保管後0.049、七日後0.060であった。
耐マイグレーション性評価例1、2、3、7、8と耐マイグレーション性比較例1を比較することにより明らかなように、光カチオン重合性組成物中において、公知の光カチオン重合増感剤である9,10-ジブトキシアントラセンは該光カチオン重合性組成物の上に被せたフィルムにかなりの程度移行しているのに対して、本発明の9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーは、いずれの場合もその移行程度は極めて低く、耐マイグレーション性に優れているといえる。また、更に、耐マイグレーション性評価例4、5、6、9、10と耐マイグレーション性比較例2を比較することにより明らかなように、光ラジカル重合性組成物中においても、公知の光ラジカル重合増感剤である9,10-ジブトキシアントラセンは、光ラジカル重合性組成物の上に被せたフィルムにかなりの程度移行しているのに対して、本発明の9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーは、いずれの場合もその移行程度は極めて低く、耐マイグレーション性に優れているといえる。
以上の結果より、本発明のエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーは、光カチオン重合及び光ラジカル重合において、公知の光重合増感剤である9,10-ジブトキシアントラセン化合物と比較して、同等の光重合増感能を有するだけでなく、極性のエステル基を持つ構造のため、耐マイグレーション性が高い優れた化合物であり、光重合増感剤として極めて有用な化合物であることがわかる。

Claims (7)

  1. 繰り返し単位が下記一般式(2)で表されるエステル基を有する9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーを含有する光重合増感剤。

    (一般式(2)において、nは繰り返し数を表し2~50であり、Aは炭素数1から20のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよい。Dは炭素数1から100のアルキレン基を表し、該アルキレン基はアルキル基によって分岐していてもよく、このアルキレン構造の炭素原子は隣接しない条件で酸素原子で置換されていてもよい。、Yは同一であっても異なってもよく、水素原子、炭素数1から8のアルキル基、アルケニル基又はハロゲン原子を表す。)
  2. 一般式(2)においてAがメチレン基である、請求項1に記載の9,10-ビス(アルコキシカルボニルアルキレンオキシ)アントラセン化合物のオリゴマーを含有する光重合増感剤。
  3. 請求項1又は2に記載の光重合増感剤と、光重合開始剤とを含有する光重合開始剤組成物。
  4. 請求項3に記載の光重合開始剤組成物と、光カチオン重合性化合物とを含有する光重合性組成物。
  5. 請求項3に記載の光重合開始剤組成物と、光ラジカル重合性化合物とを含有する光重合性組成物。
  6. 請求項4又は5に記載の光重合性組成物を、300nmから500nmの波長範囲の光を含むエネルギー線を照射することにより重合させる重合方法。
  7. 300nmから500nmの波長範囲の光を含むエネルギー線の照射源が、中心波長が365nm、375nm、385nm、395nm若しくは405nmの紫外LED又は405nm半導体レーザであることを特徴とする、請求項6に記載の重合方法。
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